(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】ゲームシステム及び景品獲得ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 9/00 20060101AFI20230202BHJP
A63F 9/30 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
A63F9/00 513
A63F9/30 502C
(21)【出願番号】P 2019023206
(22)【出願日】2019-02-13
【審査請求日】2021-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】306014714
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】瀧澤 賢一
(72)【発明者】
【氏名】福田 学
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-199337(JP,A)
【文献】特開平05-081552(JP,A)
【文献】特開平07-110889(JP,A)
【文献】特開2002-366621(JP,A)
【文献】特開2017-184939(JP,A)
【文献】特開2014-004192(JP,A)
【文献】特開2013-059572(JP,A)
【文献】特開2007-000433(JP,A)
【文献】特開2018-166642(JP,A)
【文献】特開2004-105463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00-9/20、
9/26-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された景品獲得ゲーム装置と、サーバ装置と、端末装置とを含むゲームシステムであって、
前記景品獲得ゲーム装置内の景品配置エリアに配置された景品を移動させる景品移動部と、
前記景品配置エリアを撮影する撮影部と、
前記撮影部によって撮影された画像と、前記景品配置エリアに配置された景品が所与の状態(前記景品配置エリアに景品が配置されていない状態を含む)で撮影され記憶された判定用画像とを比較し、前記景品配置エリアに配置された景品の状態が特定状態であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて、所定の管理情報を報知する報知部とを含
み、
前記判定部は、
前記端末装置からの操作情報により、前記景品移動部の移動可能な範囲及び景品種別に応じて前記景品配置エリアの一部に設定配置エリアを設定し、前記設定配置エリアの外側に景品の少なくとも一部が出た状態を前記特定状態と判定することを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1において、
前記判定部は、
前記撮影部によって撮影された画像のうち前記設定配置エリアに相当する部分と、前記判定用画像のうち前記設定配置エリアに相当する部分とを比較することを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
請求項2において、
前記設定配置エリアは、前記景品配置エリアに置かれた所定のシートにより規定されるエリアであることを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項2
又は3において、
前記判定部は、
前記設定配置エリアに景品が配置されているか否かを判定し、
前記報知部は、
前記設定配置エリアに景品が配置されていないと判定された場合に、アラート情報を前記管理情報として報知することを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
景品配置エリアに配置された景品を移動させる景品移動部と、
前記景品配置エリアを撮影する撮影部と、
前記撮影部によって撮影された画像と、前記景品配置エリアに配置された景品が所与の状態(前記景品配置エリアに景品が配置されていない状態を含む)で撮影され記憶された判定用画像とを比較し、前記景品配置エリアに配置された景品の状態が特定状態であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて、所定の管理情報を報知する報知部とを含
み、
前記判定部は、
端末装置からの操作情報により、前記景品移動部の移動可能な範囲及び景品種別に応じて前記景品配置エリアの一部に設定配置エリアを設定し、前記設定配置エリアの外側に景品の少なくとも一部が出た状態を前記特定状態と判定することを特徴とする景品獲得ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム及び景品獲得ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム空間内で景品移動部が景品の移動動作を行う景品獲得ゲーム装置が知られている(特許文献1参照)。景品獲得ゲーム装置には、獲得された景品を検出するペイアウトセンサにより、景品配置エリア内の景品の残数を間接的に検知できるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
景品獲得ゲーム装置においてプレーヤによるゲームプレイが繰り返し行われると、例えば景品が景品配置エリアの隅に転がってしまい獲得不能になる場合もあり、従来の景品獲得ゲーム装置では、このような状況を検知することはできなかった。
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、景品配置エリア内の景品管理を容易化することが可能なゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、
ネットワークを介して接続された景品獲得ゲーム装置と、サーバ装置と、端末装置とを含むゲームシステムであって、前記景品獲得ゲーム装置内の景品配置エリアに配置された景品を移動させる景品移動部と、前記景品配置エリアを撮影する撮影部と、前記撮影部によって撮影された画像と、前記景品配置エリアに配置された景品が所与の状態(前記景品配置エリアに景品が配置されていない状態を含む)で撮影され記憶された判定用画像とを比較し、前記景品配置エリアに配置された景品の状態が特定状態であるか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果に応じて、所定の管理情報を報知する報知部とを含むことを特徴とするゲームシステムに関する。
【0007】
また本発明は、品配置エリアに配置された景品を移動させる景品移動部と、前記景品配置エリアを撮影する撮影部と、前記撮影部によって撮影された画像と、前記景品配置エリアに配置された景品が所与の状態(前記景品配置エリアに景品が配置されていない状態を含む)で撮影され記憶された判定用画像とを比較し、前記景品配置エリアに配置された景品の状態が特定状態であるか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果に応じて、所定の管理情報を報知する報知部とを含むことを特徴とする景品獲得ゲーム装置に関する。
【0008】
本発明によれば、景品配置エリアを撮影した画像と、予め景品が所与の状態で撮影された判定用画像とを比較し、景品配置エリアに配置された景品の状態が特定状態であるか否かを判定し、判定結果に応じて所定の管理情報を報知することで、景品配置エリア内の景品管理を容易化することができる。
【0009】
(2)また本発明に係るゲームシステムでは、前記景品配置エリアの一部は、設定配置
エリアとして設定され、前記判定部は、前記撮影部によって撮影された画像のうち前記設定配置エリアに相当する部分と、前記判定用画像のうち前記設定配置エリアに相当する部分とを比較してもよい。
【0010】
本発明によれば、例えば景品を獲得可能なエリアを設定配置エリアとして設定することで、当該エリア内の景品の状態を検知することができる。
【0011】
(3)また本発明に係るゲームシステムでは、前記設定配置エリアは、前記端末装置からの操作情報に基づいて設定されるエリアであってもよい。
【0012】
本発明によれば、配置される景品の種別などに応じてオペレータ等が設定配置エリアを任意に設定することができる。
【0013】
(4)また本発明に係るゲームシステムでは、前記設定配置エリアは、前記景品配置エリアに置かれた所定のシートにより規定されるエリアであってもよい。
【0014】
本発明によれば、景品配置エリアに所定のシートを置くだけで設定配置エリアを設定することができる。
【0015】
(5)また本発明に係るゲームシステムでは、前記判定部は、前記設定配置エリアに景品が配置されているか否かを判定し、前記報知部は、前記設定配置エリアに景品が配置されていないと判定された場合に、アラート情報を前記管理情報として報知してもよい。
【0016】
本発明によれば、設定配置エリアに景品が配置されていないことを検知することができる。
【0017】
(6)また本発明に係るゲームシステムでは、前記判定部は、前記設定配置エリアに配置されている景品の数を計数し、前記報知部は、前記判定部の計数結果を前記管理情報として報知してもよい。
【0018】
本発明によれば、設定配置エリアに配置されている景品の数を検知することができる。
【0019】
(7)また本発明に係るゲームシステムでは、前記判定部は、前記設定配置エリアの外側に景品の少なくとも一部が出たか否かを判定し、前記報知部は、前記設定配置エリアの外側に景品の少なくとも一部が出たと判定された場合に、アラート情報を前記管理情報として報知してもよい。
【0020】
本発明によれば、設定配置エリアの外側に景品の少なくとも一部が出たことを検知することができる。
【0021】
(8)また本発明に係るゲームシステムでは、前記設定配置エリアは、景品種別ごとに設定されるようにしてもよい。
【0022】
本発明によれば、景品種別ごとに適切な設定配置エリアを設定することができる。
【0023】
(9)また本発明に係るゲームシステムでは、前記判定部は、所定時間ごとに判定を行ってもよい。
【0024】
本発明によれば、所定時間ごとに判定を行い、判定結果に応じて所定の管理情報を報知することで、景品配置エリア内の景品管理を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】本実施形態の景品獲得ゲーム装置の一例を示す図。
【
図3】本実施形態の景品獲得ゲーム装置の機能ブロック図の一例を示す図。
【
図4】本実施形態のサーバ装置の機能ブロック図の一例を示す図。
【
図9】本実施形態のサーバ装置の処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必要構成要件であるとは限らない。
【0027】
1.構成
図1は、本実施形態のゲームシステムを示す図である。本実施形態のゲームシステムは、複数の景品獲得ゲーム装置1と、サーバ装置2と、端末装置3とによって構成される。景品獲得ゲーム装置1とサーバ装置2と端末装置3は、ネットワーク(例えば、インターネット)を介して接続されている。
【0028】
サーバ装置2は、景品獲得ゲーム装置1の運営者が管理するサーバであり、端末装置3から景品獲得ゲーム装置1を遠隔管理するために必要な機能を提供するサーバである。端末装置3は、オペレータが操作する端末(PC、スマートフォンなどの情報処理端末)であり、オペレータは、端末装置3からサーバ装置2にアクセスすることで、景品獲得ゲーム装置1を遠隔管理することができる。
【0029】
図2に、本実施形態の景品獲得ゲーム装置1の一例を示す。なお、
図1において、X軸とY軸は水平面に平行な軸であり、互いに直交している。Z軸は鉛直面に平行な軸である。例えば、景品獲得ゲーム装置1をプレイするプレーヤを基準にすると、X軸方向は左右方向を、Y軸は奥行き方向を、Z軸は上下方向を表す。
【0030】
景品獲得ゲーム装置1は、筐体10と、景品移動部13と、移動機構14と、操作部15と、表示部16と、撮影部17とを含む。
【0031】
筐体10は、その上部側面が、例えばアクリル板のような透明板18で構成されており、筐体10の内部にゲーム空間19が形成されている。ゲーム空間19の下面側はゲームフィールドとして機能し、ゲームフィールドは、景品Pを配置(載置)するエリアとして機能する景品配置エリア20と、景品Pを落下させるエリアとして機能する開口エリア21とを含んで形成されている。開口エリア21は、筐体10の下半分の前面側に設けられた景品取出口22に連通しており、開口エリア21に落下した景品Pをプレーヤが取り出し可能に形成されている。
【0032】
景品移動部13は、景品配置エリア20に配置された景品Pを移動させるものである。プレーヤは、操作部15を操作して景品移動部13を移動させ、景品配置エリア20に配置された景品Pを景品移動部13に備わるアーム部(右アーム部23及び左アーム部24)の開閉動作により保持させた後、開口エリア21に向けて搬送し、開口エリア21上方の位置で保持した景品Pを開放して落下させることにより、景品Pを獲得するというゲー
ムを行う。
【0033】
表示部16は、プレーヤに報知するメッセージを表示するためのものであり、プレーヤから視認可能なゲーム空間19の前面側に設けられている。撮影部17は、景品配置エリア20を上方から撮影するカメラであり、ゲーム空間19の上面側に設けられている。
【0034】
移動機構14は、景品移動部13がゲーム空間19を移動するための機構であり、ゲーム空間19の上面側に設けられている。移動機構14は、互いに直行するX軸レール25とY軸レール26とを含む。X軸レール25は、筐体10の上面部に固定されている。そして、Y軸レール26は、X軸レール25に装着されており、X軸モータによりX軸方向に移動可能に構成されている。また、景品移動部13は、Y軸レール26に装着され、Y軸モータによりY軸方向に移動可能に構成されている。また、景品移動部13は、ワイヤで吊り下げ支持され、ワイヤの送り出しと巻き取りを行うモータによりZ軸方向に移動(昇降)可能に構成されている。このように、移動機構14は、景品移動部13をX軸方向(左右方向)、Y軸方向(奥行き方向)及びZ軸方向(上下方向)に移動可能としている。また、アーム部はモータにより開閉可能に構成され、右アーム部23と左アーム部24を閉じることで景品Pを保持可能に、右アーム部23と左アーム部24を開くことで保持した景品Pを開放可能に構成されている。
【0035】
ゲームプレイ時において、景品移動部13は以下のように動作する。景品移動部13は、開口エリア21上方の位置をホームポジションとして静止している。コインの投入によりゲームが開始され、プレーヤにより操作部15の操作レバー27が操作されると、景品移動部13は、操作レバー27の傾斜方向に応じて、所定の移動可能範囲内で水平方向(X軸方向及びY軸方向)に移動する。そしてプレーヤにより操作部15の操作ボタン28が操作されると、景品移動部13は自動的に下降動作を行い、その後、アーム部が閉動作を行う。そして、景品移動部13は自動的に上昇動作を行い、その後、開口エリア21上方の位置に向けて水平方向に移動する。景品移動部13が開口エリア21上方の位置まで移動すると、アーム部は開動作を行い、アーム部が景品Pを保持している場合には、保持した景品Pを開放して開口エリア21に落下させる。
【0036】
2.機能ブロック
図3に、本実施形態の景品獲得ゲーム装置1の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態の景品獲得ゲーム装置1は
図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。景品獲得ゲーム装置1は、操作部15と、撮影部17と、コイン検知部120と、処理部100と、記憶部130と、駆動部140と、通信部150とを含む。
【0037】
操作部15は、操作レバー27と操作ボタン28により実現され、プレーヤからの操作入力を受け付け、操作信号を処理部100に出力する。
【0038】
撮影部17は、景品配置エリア20を撮影して画像情報を処理部100に出力する。撮影部17の機能は、光学レンズとCCD/CMOSイメージセンサなどから構成されるデジタルカメラにより実現できる。
【0039】
コイン検知部120(コインセレクタ)は、筐体10に設けられたコイン投入口へのコインの投入を検知し、検出信号を処理部100に出力する。
【0040】
記憶部130は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。
【0041】
駆動部140は、景品移動部13の移動機構であり、景品移動部13をX軸方向に移動させるX軸モータ、景品移動部13をY軸方向に移動させるY軸モータ、景品移動部13をZ軸方向に移動させるZ軸モータ、及び、右アーム部23と左アーム部24を開閉させるモータを含む。
【0042】
通信部150は、サーバ装置2との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0043】
処理部100(プロセッサ)は、操作部15からの操作信号、通信部150を介して受信したデータ、プログラムなどに基づいて、景品獲得ゲーム装置1を制御する各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部100は、動作制御部110、送信部112を含む。また、処理部100は、撮影部17を制御する。例えば、撮影部17の制御は、サーバ装置2からの指示(指示信号)に応じて行われる他、プログラムに基づいて、景品移動部13の動作が終了した場合やゲームプレイが終了した場合などゲームの進行に応じて行われ、処理部100は、所定のタイミングで景品配置エリア20を撮影部17によって撮影する処理を行い、撮影した画像(撮影画像)を、通信部150を介してサーバ装置2に送信する処理を行うとともに、記憶部130に記憶させる処理を行う。
【0044】
動作制御部110は、操作部15からの操作信号やプログラムなどに基づいて、駆動部140に制御信号を出力して、景品移動部13の動作(景品移動部13の移動動作と右アーム部23と左アーム部24の開閉動作)を制御する。
【0045】
送信部112は、撮影部17によって景品配置エリア20が撮影された場合、撮影された画像(撮影画像)を、所定のタイミングで、通信部150を介してサーバ装置2に送信する処理を行う。送信部112は、撮影画像を所定時間ごとにサーバ装置2に送信するようにしてもよいし、サーバ装置2から撮影画像の送信指示を受信した場合に、撮影画像をサーバ装置2に送信するようにしてもよい。
【0046】
図4に、本実施形態のサーバ装置2の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態のサーバ装置2は
図4の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。サーバ装置2は、処理部200と、記憶部230と、通信部250とを含む。
【0047】
記憶部230は、処理部200の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。記憶部230は、予め、景品配置エリア20に景品Pが配置されていない状態、景品Pが取れない状態、景品Pが取り難い状態、景品Pが開口エリア21にすぐに落ちそうな状態など、景品Pが運営側が意図していない状態で撮影された判定用画像を記憶する。この判定用画像は、予め各景品獲得ゲーム装置1において撮影した撮影画像でもよいし、運営側やメーカが予め用意した撮影画像でもよい。また、記憶部230には、異なる判定用画像を複数記憶させてもよい。記憶部230は、各景品獲得ゲーム装置1において撮影された(或いは、各景品獲得ゲーム装置1ごとに用意した)判定用画像を、各景品獲得ゲーム装置1に対応付けて記憶する。更に、記憶部230は、予め、景品獲得ゲーム装置1ごとに設定されたゲーム装置識別情報と、運営識別情報(店舗識別情報、エリア識別情報、管理者識別情報、所有者識別情報など)と、報知先情報(メールアドレスや端末装置識別情報(IPアドレス)など)とを対応付けて記憶する。運営者が複数の景品獲得ゲーム装置1を所有している場合や、店舗に複数の景品獲得ゲーム装置1を設置している場合、店舗や店舗の所在エリアごとに複数の景品獲
得ゲーム装置1を管理するため、一の運営識別情報に複数のゲーム装置識別情報を対応付けて記憶してもよい。
【0048】
通信部150は、景品獲得ゲーム装置1及び端末装置3との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0049】
処理部200(プロセッサ)は、通信部250を介して受信したデータ、プログラムなどに基づいて各種処理を行う。処理部200は、判定部210、報知部212を含む。
【0050】
判定部210は、景品獲得ゲーム装置1から受信した画像(撮影画像)と、当該景品獲得ゲーム装置1に対応付けて記憶部230に記憶された判定用画像(複数の判定用画像でもよい)とを比較し、当該景品獲得ゲーム装置1の景品配置エリア20に配置された景品Pの状態が特定状態(運営側が意図していない状態)であるか否を判定する。特定状態とは、例えば、景品配置エリア20に景品Pが配置されていない状態、景品配置エリア20に景品Pが配置されているが景品Pの獲得が不能或いは困難なエリア(景品移動部13の移動可能範囲外)のみに配置されている状態、景品Pの向きや天地が好ましくない状態などである。例えば、判定部210は、撮影画像と判定用画像とを比較し、両者の差分や相関に基づいて、当該景品獲得ゲーム装置1の景品配置エリア20に景品Pが配置されているか否かを判定する。また、判定部210は、景品配置エリア20の一部を設定配置エリアとして設定し、撮影画像のうち設定配置エリアに相当する部分と、判定用画像のうち設定配置エリアに相当する部分とを比較して、設定配置エリアに景品Pが配置されているか否かを判定してもよい。判定部210は、端末装置3からの操作情報に基づいて設定配置エリアを設定してもよいし、撮影画像や判定用画像に対して画像認識を施すことで設定配置エリアを設定してもよい。また、判定部210は、設定配置エリアに配置されている景品Pの数を計数してもよいし、設定配置エリアの外側に景品Pの少なくとも一部が出たか否かを判定してもよい。また、判定部210は、景品Pの向きが好ましくない状態であるか否かを判定してもよい。この場合、判定用画像として、景品Pの向きが好ましくない状態で撮影した画像を用意しておき、判定部210は、撮影画像における景品Pの長手方向と判定用画像における景品Pの長手方向との角度差(ずれ)が所定角度(例えば、45度)以下であることを検出した場合に、景品Pの向きが好ましくない状態であると判定してもよい。或いは、判定用画像として、景品Pの向きが好ましい状態で撮影した画像を用意しておき、判定部210は、撮影画像における景品Pの長手方向と判定用画像における景品Pの長手方向との角度差が所定角度(例えば、45度)以上であることを検出した場合に、景品Pの向きが好ましくない状態であると判定してもよい。また、判定部210は、景品Pの天地が好ましくない状態(天地が意図したものと逆)であるか否かを判定してもよい。この場合、判定部210は、撮影画像に対する画像認識により景品Pの上面を検出できなかった場合に、景品Pの天地が好ましくない状態であると判定してもよい。また、景品獲得ゲーム装置1(送信部112)が撮影画像を所定時間ごとにサーバ装置2に送信する場合、判定部210は、撮影画像を受信する度に、受信した撮影画像について判定や計数を行うようにしてもよい。また、判定部210は、所定時間ごとに撮影画像の送信指示を景品獲得ゲーム装置1に送信し、当該送信指示に応じて景品獲得ゲーム装置1から送信された撮影画像を受信する度に、受信した撮影画像について判定や計数を行うようにしてもよい。
【0051】
報知部212は、判定部210の判定結果に応じて、端末装置3に所定の管理情報を報知する。報知部212は、サーバ装置2にアクセスしている端末装置3の表示部に管理情報を表示させることで管理情報を報知するようにしてもよいし、該当する景品獲得ゲーム装置1に対応付けて予め記憶された報知先情報を元に、登録されたメールアドレスを抽出し、抽出したメールアドレス宛てに管理情報を含むメールを送信して当該メールが端末装
置3で受信されるようにすることで管理情報を報知するようにしてもよい。報知部212は、設定配置エリア(或いは、景品配置エリア20)に景品Pが配置されていないと判定された場合に、その旨のアラート情報を管理情報として報知してもよいし、設定配置エリアの外側に景品Pの少なくとも一部が出たと判定された場合に、その旨のアラート情報を管理情報として報知してもよいし、景品Pの向きや天地が好ましくない状態であると判定された場合に、その旨のアラート情報を管理情報として報知してもよい。また、報知部212は、設定配置エリアに配置されている景品Pの計数結果を管理情報として報知してもよいし、計数結果が所定値以下であると判定された場合に、その旨のアラート情報を管理情報として報知してもよい。
【0052】
3.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
【0053】
本実施形態のゲームシステムでは、景品獲得ゲーム装置1内の景品配置エリア20を撮影した画像(撮影画像)と判定用画像とを比較して判定を行い、判定結果に応じて端末装置3に管理情報を報知するように構成されている。オペレータは、例えば端末装置3からWebブラウザなどを用いてサーバ装置2にアクセスしたときに表示されるメンテナンス画面において、各景品獲得ゲーム装置1の管理情報を確認することができる。なお、メンテナンス画面に、各景品獲得ゲーム装置1から受信した撮影画像を管理情報として表示するようにしてもよい。
【0054】
図5に、撮影画像と判定用画像の一例を示す。撮影画像ISは、景品獲得ゲーム装置1の撮影部17によって撮影されリアルタイムにサーバ装置2に送信された画像であり、判定用画像IDは、撮影部17によって、予め景品配置エリア20に景品Pが配置されていない状態で撮影された画像である。撮影画像ISと判定用画像IDには、ゲーム空間19の上面側から見た、景品配置エリア20と開口エリア21が映し出されている。また、撮影画像IDには、景品配置エリア20に配置されている景品Pが映し出されている。
【0055】
ここで、景品配置エリア20の一部は、設定配置エリア29として設定される。設定配置エリア29は、景品配置エリア20のうち景品Pの獲得が可能或いは容易なエリア(景品Pの獲得が不能或いは困難なエリアを除くエリア)であり、例えば、景品配置エリア20のうち景品移動部13の移動可能範囲に相当するエリアである。
図5に示すように、景品配置エリア20の隅部(周縁部)は、設定配置エリア29外となる。
【0056】
なお、メンテナンス画面において、オペレータが設定配置エリア29を任意に設定できるようにしてもよい。この場合、オペレータがメンテナンス画面に表示される撮影画像IS上で任意の位置を指定する操作を繰り返し、指定された位置を指定された順に繋いだ各線分で形成される多角形の領域を設定配置エリア29として設定するようにしてもよい。また、景品配置エリア20に、設定配置エリア29を規定する所与のシートを置くようにしてもよい。この場合、撮影画像IS又は判定用画像IDに映し出された当該シートを画像認識し、撮影画像IS又は判定用画像ID上で当該シートが占める領域を設定配置エリア29として設定するようにしてもよい。
【0057】
本実施形態では、判定部210は、撮影画像ISのうち設定配置エリア29に相当する部分と、判定用画像IDのうち設定配置エリア29に相当する部分とを比較する(差分や相関をとる)ことで、設定配置エリア29に景品Pが配置されているか否かを判定する。すなわち、両者の差分が所定値以上(或いは、相関が所定値未満)であれば、設定配置エリア29に景品Pが配置されていると判定し、両者の差分が所定値未満(或いは、相関が所定値以上)であれば、設定配置エリア29に景品Pが配置されていないと判定する。例えば
図5に示すように、設定配置エリア29に景品Pが配置されている場合には、撮影画
像ISの設定配置エリア29に相当する部分と判定用画像IDの設定配置エリア29に相当する部分との差分は十分に大きくなり、
図6に示すように、設定配置エリア29に景品Pが配置されていない場合には、撮影画像ISの設定配置エリア29に相当する部分と判定用画像IDの設定配置エリア29に相当する部分との差分は十分に小さくなる。
【0058】
また、判定部210は、設定配置エリア29に配置されている景品Pの数を計数するようにしてもよい。この場合、撮影画像ISのうち設定配置エリア29に相当する部分に映し出された景品Pを画像認識して、設定配置エリア29に配置されている景品Pを検出することで、当該景品Pの数を計数するようにしてもよい。また、判定部210は、撮影画像ISのうち設定配置エリア29に相当する部分と判定用画像IDのうち設定配置エリア29に相当する部分とを比較した差分値(或いは、相関値)に基づいて、設定配置エリア29に配置されている景品Pの数を計数(推定)するようにしてもよい。この場合、予め当該差分値と当該景品Pの数との関係(テーブルや関数)を求めておけばよい。また、判定部210は、計数結果に基づいて、設定配置エリア29に配置されている景品Pの数が所定値以下であるか否かを判定してもよい。
【0059】
また、判定部210は、設定配置エリア29の外側に景品Pの少なくとも一部(景品Pの全体又は部分)が出たか否かを判定するようにしてもよい。例えば、撮影画像ISに映し出された各景品Pの形状(外形、輪郭線)を画像認識して、
図7に示す景品P
1のように、設定配置エリア29の境界(外縁)上に配置されている景品Pや、
図7に示す景品P
2のように、設定配置エリア29の外側に配置されている景品Pを検出した場合に、設定配置エリア29の外側に景品Pの少なくとも一部が出たと判定してもよい。
【0060】
報知部212は、設定配置エリア29に景品Pが配置されていないと判定された場合には、アラート情報を管理情報としてメンテナンス画面に表示させる。当該アラート情報は、景品獲得ゲーム装置1を特定する情報と、設定配置エリア29に景品Pが配置されていない旨のメッセージなどを含む。また、報知部212は、設定配置エリア29に配置されている景品Pの数が計数された場合に、計数結果を管理情報としてメンテナンス画面に表示させるようにしてもよい。また、設定配置エリア29に配置されている景品Pの数が所定値以下であると判定された場合や、設定配置エリア29の外側に景品Pの少なくとも一部が出たと判定された場合に、その旨のアラート情報を管理情報としてメンテナンス画面に表示させてもよい。また、報知部212は、管理情報に関するメールを端末装置3で受信可能なメールアドレス宛てに送信するようにしてもよい。この場合、メール本文に、管理情報(アラート情報や計数結果、撮影画像IS)にアクセスするためのリンク情報を含ませるようにしてもよい。
【0061】
このように本実施形態のゲームシステムによれば、景品配置エリア20のうち獲得可能な(或いは、獲得容易な)エリアを設定配置エリア29として設定し、撮影画像ISと判定用画像IDの設定配置エリア29に相当する部分同士を比較して、設定配置エリア29における景品Pの有無を判定し、設定配置エリア29に景品Pが配置されていないと判定した場合に、その旨のアラート情報を端末装置3に報知することで、獲得可能なエリアに景品Pが配置されていない(獲得不能なエリアのみに景品Pが配置されている、或いは景品配置エリア20に景品Pが全く配置されていない)ことを容易に検知することができ、景品配置エリア20内の景品管理を容易化することができる。また、設定配置エリア29における景品Pの数を計数し、計数結果を端末装置3に報知することで、獲得可能なエリアに配置されている景品Pの数を容易に把握することができる。また、設定配置エリア29の外側に景品Pの少なくとも一部が出たことを検出した場合に、その旨のアラート情報を端末装置3に報知することで、景品Pの位置が獲得可能なエリアから逸脱していることを容易に検知することができる。
【0062】
なお、設定配置エリア29を、景品配置エリア20に配置される景品Pの種別(大きさ、形状など)ごとに設定するようにしてもよい。例えば、
図8に示すように、景品配置エリア20に配置される景品Pが大きいほど、設定する設定配置エリア29を狭くする(設定配置エリア29の境界が景品配置エリア20の外縁から遠くなるようにする)ようにしてもよい。なお、メンテナンス画面において、オペレータが、景品Pの種別ごとに予め用意された複数の設定配置エリア29の中から、景品配置エリア20に配置されている景品Pの種別に対応する設定配置エリア29を選択し、選択された設定配置エリア29を設定するようにしてもよい。また、判定部210が、撮影画像ISに映し出された景品Pを画像認識して、景品配置エリア20に配置されている景品Pの種別を検出し、検出した種別に応じて設定配置エリア29を自動で設定するようにしてもよい。このようにすると、景品種別ごとに適切な設定配置エリア29を設定することができる。
【0063】
4.処理
図9は、本実施形態のサーバ装置2の処理の流れを示すフローチャートである。
【0064】
まず、判定部210は、景品獲得ゲーム装置1に撮影画像ISの送信指示を送信し(ステップS10)、当該送信指示に応じて景品獲得ゲーム装置1から送信された撮影画像ISを受信する(ステップS11)。次に、判定部210は、受信した撮影画像ISのうち設定配置エリア29に相当する部分と記憶部230に記憶された判定用画像IDのうち設定配置エリア29に相当する部分とを比較して差分Dを算出し(ステップS12)、算出した差分Dが所定の閾値未満であるか否かを判断する(ステップS13)。差分Dが所定の閾値未満である場合(ステップS13のY)には、判定部210は、設定配置エリア29に景品Pが配置されていないと判定して、その旨のアラート情報を端末装置3に報知する処理を行う(ステップS14)。
【0065】
次に、処理部200は、処理を継続するか否かを判断する(ステップS15)。処理を継続する場合(ステップS15のY)、判定部210は、前回、景品獲得ゲーム装置1に送信指示を送信してから所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS16)、所定時間が経過していない場合(ステップS16のN)には、所定時間が経過するまで待機し、所定時間が経過した場合(ステップS16のY)には、ステップS10に移行する。
【0066】
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0067】
上記実施形態では、サーバ装置2が判定部を含む例について説明したが、景品獲得ゲーム装置1が判定部を含むように構成してもよい。この場合、景品獲得ゲーム装置1の判定部が、撮影部によって撮影された画像(撮影画像)と判定用画像とを比較して判定し、景品獲得ゲーム装置1或いはサーバ装置2の報知部が、判定部の判定結果に応じて端末装置3に管理情報を報知する。また、端末装置3が判定部を含むように構成してもよい。この場合、端末装置3の判定部が、景品獲得ゲーム装置1から直接或いはサーバ装置2を介して受信した撮影画像と判定用画像とを比較して判定し、端末装置3の報知部が、判定部の判定結果に応じてオペレータに管理情報を報知する。
【0068】
また上記実施形態では、景品獲得ゲーム装置1とサーバ装置2と端末装置3とを含むゲームシステムについて説明したが、本発明は、単独の景品獲得ゲーム装置に適用することもできる。この場合、景品獲得ゲーム装置が判定部と報知部とを含み、判定部が、撮影画像と判定用画像とを比較して判定し、報知部が、判定部の判定結果に応じて外部(端末装置、店員など)に管理情報を報知する。
【符号の説明】
【0069】
1…景品獲得ゲーム装置、2…サーバ装置、3…端末装置、10…筐体、13…景品移動部、14…移動機構、15…操作部、16…表示部、17…撮影部、18…透明板、19…ゲーム空間、20…景品配置エリア、21…開口エリア、22…景品取出口、23…右アーム部、24…左アーム部、25…X軸レール、26…Y軸レール、27…操作レバー、28…操作ボタン、29…設定配置エリア、100…処理部、110…動作制御部、112…送信部、120…コイン検知部、130…記憶部、140…駆動部、150…通信部、200…処理部、210…判定部、212…報知部、230…記憶部、250…通信部