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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】垂直基板ホルダ
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/50 20060101AFI20230202BHJP
   H01L 21/673 20060101ALI20230202BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
C23C14/50 B
H01L21/68 U
H01L21/68 N
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019527794
(86)(22)【出願日】2017-11-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 US2017062846
(87)【国際公開番号】W WO2018098177
(87)【国際公開日】2018-05-31
【審査請求日】2020-11-24
(31)【優先権主張番号】62/425,778
(32)【優先日】2016-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】バトラー,ブライス パトリック
(72)【発明者】
【氏名】クイヤール,ジェームス グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ホアン,ミン-ホアン
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド,マイケル アーロン
(72)【発明者】
【氏名】プレッシャー,ドナルド リン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チュアンチャァ
【審査官】宮崎 園子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-514369(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105083980(CN,A)
【文献】登録実用新案第3199312(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/50
H01L 21/673
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品であって、
少なくとも正面、背面、および少なくとも一つの縁を有する基板、
平坦なフレーム部を含み、該平坦なフレーム部が前記基板の前記正面の少なくとも一部に面するよう配置されたフレームであって、該フレームが前記基板よりも寸法に関して大きく、
i)前記平坦なフレーム部が、前記正面上で前記基板と接触する保護スペーサを含み、該保護スペーサが、該基板の表面を引っ掻くことがない材料を含む、
フレーム、および
二つ以上のクランプ機構であって、
a)前記背面上で前記基板と接触するバンパであって、該基板の表面を引っ掻くことがない材料を含むバンパ、
b)前記バンパに接続する剛性カンチレバー、
c)前記基板上に25N未満の反力を提供する加力テンショナであって、前記フレーム上に設けられ、前記フレームを前記剛性カンチレバーに接続するよう構成されている、加力テンショナ、および
d)前記加力テンショナと前記剛性カンチレバーとの間に配置されたシム、
を含む二つ以上のクランプ機構
を含み、
前記加力テンショナは、ボルトが前記シムおよび前記加力テンショナに対して前記剛性カンチレバーをクランプするねじ領域を内部に有し、
基板が前記フレーム内にあるとき、該基板が、0°よりも大きく10°までの前方への傾きの角度φに保持され、0℃から400℃までの範囲にわたって1°/分から40°/分までの熱変化を受ける間に100MPa未満の最大主応力を経験するように設計された物品。
【請求項2】
前記バンパおよび保護スペーサが有機ポリマーから作製される、請求項1の物品。
【請求項3】
前記最大主応力が80MPa以下である、請求項1または2の物品。
【請求項4】
前記反力が15N未満である、請求項1から3のいずれかの物品。
【請求項5】
前記基板が、0°よりも大きく3°までの前方の傾きの角度φに保持される、請求項1から4のいずれかの物品。
【請求項6】
前記二つ以上のクランプ機構が、それぞれ前記基板面に直交する軸上で回転可能である、請求項1から5のいずれかの物品。
【請求項7】
前記基板の前記背面に直交し、前記バンパが該基板に接触する一点を通過する仮想的な線が、前記保護スペーサも通過することになる、請求項1から6のいずれかの物品。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2016年11月23日に出願された米国仮出願第62/425,778号の合衆国法典第35巻第119条に基づく優先権の利益を主張し、当該米国仮出願の内容を信頼し、参照によってそのまま本願に援用する。
【技術分野】
【0002】
本願に記載するのは、変動する温度条件下で基板が膨張および収縮することを許容しながら基板のたわみが最小限になる略垂直な姿勢に基板を保持するための装置および方法である。この装置は、基板に対する応力を最小限にし、当該基板がコーティングおよびその他の熱工程を受ける間の当該基板の破損または当該基板に対する損傷を防止する。
【背景技術】
【0003】
多くの用途が、薄膜で基板をコーティングすることに関係している。例えば、光起電用途またはエレクトロクロミック用途向けの薄膜をガラス基板にコーティングすることができる。多くの場合、この膜は、スパッタ堆積としても知られる物理蒸着(PVD)によって真空下で基板上に堆積される。PVDでは、材料の蒸気が生成され、次に、この蒸気が、コーティングを必要とする物体上で堆積する。PVDは、多くの無機材料の耐久性コーティングを提供することができる点で有利である。しかし、PVDは気相工程であるため、室内のあらゆる部分に材料が堆積し、その室内および基板キャリア上における微粒子または未付着の材料の集積につながるおそれがある。非気相微粒子は、完成品としてのデバイスにおいて電気的短絡欠陥につながるおそれがあるため、堆積時は、膜に取り込まれる非気相微粒子を軽減することが望ましい。本開示は、粒子汚染をさらに軽減するために堆積工程で使用される基板キャリアに対する改良について説明する。
【発明の概要】
【0004】
本願に記載するのは、略垂直な形態に大型基板を保持するための物品である。かかる物品は、コーティングデバイスおよび堆積工程において使用されるように設計され、コーティング室をコーティングするまたはコーティング室内に堆積する無関係な粒子による表面の汚染を防止または最小限にしながら、基板を効率的かつ均一にコーティングすることを可能にする。
【0005】
第一の態様において、本開示は、物品において、コーティングデバイスを含有する薄膜堆積システムにおいて略垂直な形態に基板を保持するためのフレームであって、当該フレームが前記基板よりも寸法に関して大きく、当該基板が少なくとも正面、背面、および少なくとも一つの縁を有し、当該フレームが、平坦なフレーム部およびチャネル部を含み、当該物品が前記薄膜堆積システム内にあるとき、当該平坦なフレーム部が前記コーティングデバイスと前記基板の少なくとも一部の間に配置され、かつ当該チャネル部が前記少なくとも一つの基板縁に隣接して配置され、当該平坦なフレーム部が、前記正面上で前記基板と接触する保護スペーサを含み、当該保護スペーサが、前記基板の表面を引っ掻くことがない材料を含む、フレーム、および、二つ以上のクランプであって、前記背面上で前記基板に接触するバンパであって、前記基板の表面を引っ掻くことがない材料を含むバンパと、前記バンパに前記チャネル部を直接的または間接的に接続する剛性カンチレバーと、前記基板上に25N未満の反力を提供する加力テンショナ機構とを含む二つ以上のクランプ、を含み、基板が前記フレーム内にあるとき、当該基板が、0°よりも大きく約10°までの前方への傾きの角度φに保持され、0℃から400℃までの範囲にわたって1°/分から40°/分までの熱変化を受ける間に100MPa未満の最大主応力を経験するように設計された物品を提供する。第二の態様において、本開示は、前記バンパおよび保護スペーサが有機ポリマーから作製される、第一の態様の物品を提供する。第三の態様において、本開示は、前記最大主応力が80MPa以下である、第一または第二の態様の物品を提供する。第四の態様において、本開示は、前記反力が15N未満である、第一から第三の態様のいずれかの物品を提供する。第五の態様において、本開示は、前記基板が、0°よりも大きく約3°までの前方の傾きの角度φに保持される、第一から第四の態様のいずれかの物品を提供する。第六の態様において、本開示は、前記二つ以上のクランプが、それぞれ前記基板面に直交する軸上で回転可能である、第一から第五の態様のいずれかの物品を提供する。第七の態様において、本開示は、前記基板の前記背面に直交し、前記バンパが前記基板に接触する一点を通過する仮想的な線が、前記保護スペーサも通過することになる、第一から第六の態様のいずれかの物品を提供する。
【0006】
第八の態様において、本開示は、物品において、コーティングデバイスを含有する薄膜堆積システムにおいて略垂直な形態に基板を保持するためのフレームであって、当該フレームが前記基板よりも寸法に関して大きく、当該基板が少なくとも正面、背面、および少なくとも一つの縁を有し、当該フレームが、平坦なフレーム部を含み、当該物品が前記薄膜堆積システム内にあるとき、当該平坦なフレーム部が前記コーティングデバイスと前記基板の少なくとも一部の間に配置され、当該平坦なフレーム部が、前記正面上で前記基板と接触する保護スペーサを含み、当該保護スペーサが、前記基板の表面を引っ掻くことがない材料を含む、フレーム、および、二つ以上のクランプであって、前記フレームにカンチレバーを直接的または間接的に接続するカンチレバースペーサと、前記背面上で前記基板に接触する任意のバンパであって、前記基板の表面を引っ掻くことがない材料を含むバンパと、前記バンパに前記カンチレバースペーサを直接的または間接的に接続する剛性カンチレバーであって、前記任意のバンパがないとき、前記背面上で前記基板と接触し、かつ前記基板の表面を引っ掻くことがない材料を含む剛性カンチレバーと、前記基板上に25N未満の反力を提供する加力テンショナ機構とを含む二つ以上のクランプ、を含み、基板が前記フレーム内にあるとき、当該基板が、0°よりも大きく約10°までの前方への傾きの角度φに保持され、0℃から300℃までの範囲にわたって5°/分から40°/分までの熱変化を受ける間に100MPa未満の最大主応力を経験するように設計された物品を提供する。第九の態様において、本開示は、前記バンパおよび保護スペーサが有機ポリマーから作製される、第八の態様の物品を提供する。第十の態様において、本開示は、前記最大主応力が80MPa以下である、第八または第九の態様の物品を提供する。第十一の態様において、本開示は、前記反力が15N未満である、第八から第十の態様のいずれかの物品を提供する。第十二の態様において、本開示は、前記基板が、0°よりも大きく約3°までの前方の傾きの角度φに保持される、第八から第十一の態様のいずれかの物品を提供する。第十三の態様において、本開示は、前記二つ以上のクランプが、それぞれ前記基板面に直交する軸上で回転可能である、第八から第十二の態様のいずれかの物品を提供する。第十四の態様において、本開示は、前記基板の前記背面に直交し、前記バンパが前記基板に接触する一点を通過する仮想的な線が、前記保護スペーサも通過することになる、第八から第十三の態様のいずれかの物品を提供する。
【0007】
第十五の態様において、本開示は、物品において、コーティングデバイスを含有する薄膜堆積システムにおいて略垂直な形態に基板を保持するためのフレームであって、当該フレームが前記基板よりも寸法に関して大きく、当該基板が少なくとも正面、背面、および少なくとも一つの縁を有し、当該フレームが、平坦なフレーム部を含み、当該物品が前記薄膜堆積システム内にあるとき、当該平坦なフレーム部が前記コーティングデバイスと前記基板の少なくとも一部の間に配置され、当該平坦なフレーム部が、前記正面上で前記基板と接触する保護スペーサを含み、当該保護スペーサが、前記基板の表面を引っ掻くことがない材料を含む、フレーム、および、二つ以上のクランプであって、前記背面上で前記基板に接触する任意のバンパと、カンチレバースペーサを組み込み、前記バンパに前記フレームを直接的または間接的に接続する有機ポリマーカンチレバーであって、前記任意のバンパがないとき、前記剛性カンチレバーが前記背面上で前記基板と接触し、かつ前記基板の表面を引っ掻くことがない材料を含む有機ポリマーカンチレバーと、前記基板上に25N未満の反力を提供する任意の加力テンショナ機構とを含む二つ以上のクランプ、を含み、基板が前記フレーム内にあるとき、当該基板が、0°よりも大きく約10°までの前方への傾きの角度φに保持され、0℃から300℃までの範囲にわたって5°/分から40°/分までの熱変化を受ける間に100MPa未満の最大主応力を経験するように設計された物品を提供する。第十六の態様において、本開示は、前記バンパおよび保護スペーサが有機ポリマーから作製される、第十五の態様の物品を提供する。第十七の態様において、本開示は、前記最大主応力が80MPa以下である、第十五または第十六の態様の物品。第十八の態様において、本開示は、前記反力が15N未満である、第十五から第十七の態様のいずれかの物品を提供する。第十九の態様において、本開示は、前記基板が、0°よりも大きく約3°までの前方の傾きの角度φに保持される、第十五から第十八の態様のいずれかの物品を提供する。第二十の態様において、本開示は、前記二つ以上のクランプが、それぞれ前記基板面に直交する軸上で回転可能である、第十五から第十九の態様のいずれかの物品を提供する。第二十一の態様において、本開示は、前記基板の前記背面に直交し、前記バンパが前記基板に接触する一点を通過する仮想的な線が、前記保護スペーサも通過することになる、第十五から第二十の態様のいずれかの物品を提供する。
【0008】
さらなる特徴および利点は、下記の詳細な説明において述べられるが、部分的には、当該説明から当業者にはすぐに明らかになり、または添付の図面だけでなく本願において記述された説明および請求項に記載された実施形態を実施することによって理解されるだろう。
【0009】
上記の概説および下記の詳細な説明は両方とも単に例示的なものであり、本発明の本質および性質を理解するための概観または枠組みを提供することを意図していると理解すべきである。
【0010】
添付の図面は、記載の理解をさらに深めるために含まれるものであり、本明細書に援用され、本明細書の一部をなす。これらの図面は、必ずしも正確な縮尺ではなく、様々な要素の大きさが分かり易いように歪められている可能性がある。これらの図面は、一つ以上の実施形態を示し、その説明とともに、実施形態の原理および動作の解説に役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本願に記載の一実施形態の断面である。キャリア100の上部の断面は、図1において基板170を支持した状態で示されている下部と区別するために100Aとして示されている。100Aとして示すキャリア100は、フレーム120、加力テンショナ121、剛性カンチレバー122、バンパ123、および保護スペーサ124を含む。当該図面に示すように、基板170は、バンパ123、143および保護スペーサ124、144を当該基板とホルダの間の接点として当該ホルダ内に設置して当該ホルダによって保持することができる。
図2A】本願に記載のホルダの代替的な実施形態を提供する。
図2B】本願に記載のホルダの代替的な実施形態を提供する。
図2C】本願に記載のホルダの代替的な実施形態を提供する。
図2D】本願に記載のホルダの代替的な実施形態を提供する。
図2E】本願に記載のホルダの代替的な実施形態を提供する。
図2F】本願に記載のホルダの代替的な実施形態を提供する。
図3】様々な構成要素を分かりやすいように分解した状態のホルダの斜視図を提供する。
図4】一実施形態の斜視図を示し、キャリア100全体が、基板170および基板170を保持するための所定の位置にある複数の剛性カンチレバーと組み合わせて示されている。
図5】反力(摩擦係数とクランプ力の複合的効果)と基板が受ける最大主応力を比較するグラフである。最大主応力は、過剰なばね重力を選択しないことで「最も安全な」領域(円で囲んだ範囲)内に維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本材料、物品、および/または方法を開示および説明する前に、下記の態様は、特定の化合物、合成方法、または使用法に限定されず、したがって、当然のことながら変化し得ることを理解すべきである。また、本願で使用される用語は、特定の態様を説明することのみを目的としており、限定的であることを意図していないことを理解すべきである。
【0013】
本明細書および後続の請求項では、下記の意味を有すると定義するものとする複数の用語に言及するだろう。
【0014】
本明細書の全体を通して、文脈上別段の解釈が必要でない限り、「含む」(comprise)という用語または「含む」(comprises)または「含む」(comprising)などの変化形は、一つの記載した完全体またはステップまたは完全体またはステップの群の包含を示唆し、その他の完全体またはステップまたは完全体またはステップの群の排除を示唆していないことが分かるだろう。
【0015】
本明細書および添付の請求項で使用される場合、単数形である「一つの」(a)、「一つの」(an)、および「前記」(the)は、文脈上明確に別段の指示がない限り、複数の指示物を含むことに留意しなければならない。したがって、例えば、「一つのキャリア」への言及は、二つ以上のかかるキャリアの混在などを含む。
【0016】
「任意の」(optional)または「任意で」(optionally)は、続けて説明される出来事または状況が発生し得るまたは発生し得ないこと、および、その説明が、当該出来事または状況が発生する事例および当該出来事または状況が発生しない事例を含むことを意味する。
【0017】
数値の範囲が本願に記載され、上限値および下限値を含む場合、特定の状況における特段の定めがない限り、当該範囲は、その端点、および当該範囲内の全ての整数および分数を含むことを意図している。請求項の範囲は、一つの範囲を画定するときに記載された特定の値に限定されることを意図していない。さらに、一つの量、濃度、またはその他の値またはパラメータが、一つの範囲、一つ以上の好適な範囲または上限の好ましい値および下限の好ましい値のリストとして与えられているとき、これは、あらゆる上限の範囲限界または好適な値とあらゆる下限の範囲限界または好適な値のあらゆる対から形成される全ての範囲を具体的に開示しているものと理解すべきであり、かかる対が個別に開示されているか否かは問わない。
【0018】
「約」(about)という用語が一つの範囲の一つの値または一つの端点を説明する際に使用されているとき、本開示は、言及した特定の値または端点を含むと理解すべきである。一つの範囲の一つの数値または端点が「約」(about)と記載していないとき、一つの範囲の当該数値または端点は、「約」(about)によって修飾される一実施形態および「約」(about)によって修飾されない一実施形態という二つの実施形態を含むことを意図している。さらに、これらの範囲の各々の端点は、他方の端点に関連して有効であり、かつ他方の端点とは無関係に有効であることが分かるだろう。
【0019】
開示されるのは、本開示の製品に使用することができる物品および構成要素、本開示の製品と併せて使用することができる物品および構成要素、本開示の製品の製造時に使用することができる物品および構成要素、または本開示の製品である物品および構成要素である。これらの材料の組み合わせ、部分集合、相互作用、群などが開示されているときは、これらの複合物の様々な個別的および集合的な組み合わせおよび順列の各々の具体的な言及は明示的に開示されていないかもしれないが、各々は本願において具体的に想定および説明し得ると理解すべきである。したがって、項目D、EおよびFの組だけでなく項目A、BおよびCの組が開示されおり、かつAからDという組み合わせの一例が開示されているならば、各々が個別に記載されていなくても、各々は、個別的かつ集合的に想定されている可能性がある。したがって、この例では、AからE、AからF、BからD、BからE、BからF、CからD、CからE、およびCからFの組み合わせの各々が具体的に想定されており、A、B、およびCと、D、E、およびFと、前記AからDという例示的な組み合わせの開示から開示されているとみなすべきである。同様に、これらのあらゆる部分集合または組み合わせも具体的に想定および開示されている可能性がある。したがって、例えば、AからE、BからF、およびCからEの部分群が具体的に想定されており、A、B、およびCと、D、E、およびFと、前記AからDという例示的な組み合わせの開示から開示されているとみなすべきである。
【0020】
多くの用途がガラス上の薄膜コーティングに関係している。一つの特定の用途は、スマート窓に使用される膜などのエレクトロクロミック膜である。これらの膜は、全体に電圧が印加されたときに着色効果を生じる。この状態は、その窓に関する光の透過および伝熱を軽減する効果を有する。この膜の積層体は、スパッタ堆積としても知られる物理蒸着(PVD)によって真空下で基板上に、例えば、ガラス上に堆積する。大型で薄型の基板のPVDコーティングに関して、このガラス/基板は、典型的には、水平または垂直な向きで固定され、当該ガラスの背面すなわち非コーティング面を支持することができる。このガラスが固定されるデバイスは、典型的にはキャリアと呼ばれている。前記ガラスが略垂直な向きにあれば、前記固定物は、前記キャリアの背面によって当該ガラスを支持することができるように後方に傾けることができ、当該ガラスの形状が略平らに維持され、当該ガラスは、PVD材料ターゲットに対して均一な距離を維持することができ、表面上のコーティングの均一性が向上する。
【0021】
一部のPVDコータの設計は「V型」キャリアを使用している。「V型」キャリアにより、前記ガラスは前記ターゲットに向かって傾くことができる。面が僅かに下方に向くように前記ガラスを傾けることにより、コーティング工程時に浮遊粒子が基板面に定着する可能性が最小限になり、したがって欠陥が減少する。しかし、基板のサイズは大きくなり続け、基板の厚みは減少しているため、「V型」キャリアの使用により、膜の均一性に影響する基板のたわみが生じている。その結果、「V型」キャリアから、PVDターゲットから離れるように後方に傾く垂直かつ「A型」のキャリアへの移行が行われている。「A型」かつ垂直なキャリアは薄型の基板におけるたわみの問題を解決したが、「V型」の形態が克服していた粒子汚染の問題を再び導入してしまった。したがって、大型で薄型の基板が薄膜堆積されるときにこれらの基板の粒子汚染を防止または最小限にするキャリアを設計するという必要性は満たされていないままである。
【0022】
前記キャリアの種類にかかわらず、前記基板は、通常、前記ガラスの周囲領域付近がキャリアに対してクランプされるが、この周囲領域は、取り除かれるか窓のフレームによって隠れることになるため、製品の非品質部分とみなされる場合が多い。PVD工程は、最高で400℃以上に前記基板を加熱する場合がある。典型的には金属である前記キャリアおよびガラスであることが多い前記基板が大きな温度変化を受けるとき、これらの材料間の熱膨張係数の差により、当該基板に高い応力レベルが生じる。これらの応力は、面内(伸長)および面外(曲げ、ねじり、回転など)の両方である場合がある。この材料の最大主応力値はコーシーの応力原理から求められるが、この定理によれば、物体の一点における応力の状態は、その点を通る全ての平面に関連付けられた全ての応力ベクトルT(n)によって定義される(例えば、参照によって本願に援用するFridtjov Irgens, Continuum Mechanics, Sec. 3.2.3,(Springer, 2008)を参照)。コーシーの応力原理によれば、Tがnの一次関数であるように、単位長さの方向ベクトルnにかかわらず、コーシーの応力テンソルと呼ばれる二階テンソル場σ(x、t)が存在する。
【0023】
【数1】
【0024】
上記式は、単位法線ベクトルnを有する平面に関連付けられた連続体における任意の点Pにおける応力ベクトルT(n)が、座標軸に垂直な平面上の応力ベクトルの関数として、すなわち、変形した状態、設置、または形態における材料の内側の一点における応力の状態を完全に定義する九つの成分σijからなる応力テンソルσの成分σijに関して表現できることを示唆している。
【0025】
【数2】
【0026】
一部の実施形態では、前記最大主応力は、100MPa未満、90MPa未満、80MPa未満、70MPa未満、60MPa未満、50MPa未満、40MPa未満または30MPa未満である。一部の実施形態では、前記最大主応力は、30MPaから100MPa、40MPaから100MPa、50MPaから100MPa、60MPaから100MPa、70MPaから100MPa、80MPaから100MPa、60MPaから90MPa、70MPaから90MPa、50MPaから80MPa、60MPaから80MPa、または50MPaから70MPaである。
【0027】
本開示は、大型で薄型の基板をコーティング用途向けの垂直な形態で保持するための現在の設計方法に対する改良を行う。本開示は、基板のたわみを取り除く/減少するために必要な支持を行うと同時に、熱変化からの応力が最小限になるように前記ガラスが前記キャリア内で動くことを可能にする改良型のクランプ機構と当該基板用の「V型」の形態を組み合わせることによって、上記改良を行う。本願に記載の実施形態の利点は、これらの実施形態により、より薄型の基板とともに「V型」コータの設計を引き続き使用することができ、高品質のコーティングを有するより大型でより薄型の基板を使用することができ、前記基板への引っ掻き/損傷が最小限になり、前記キャリアに対する前記基板の迅速な取り付けおよび取り外しが可能になり、かつ前記ガラスに対してその縁付近でしか接触しないことによりコーティングされたガラスの品質領域が最大になることである。
【0028】
上記のように、微粒子汚染を最小限にする一つの方法は、前記基板を傾けることである。2mm以上の厚いソーダ石灰ガラス基板などの厚い剛性の基板の場合、面外のたわみを誘発することなくかなり大きく当該基板を傾けることができる。しかし、材料およびデバイスがより薄型かつより軽量になるにつれて、より薄型で、場合によってはフレキシブルな基板への関心が高まっている。これらの場合は、面外のたわみは、堆積均一性に悪影響を与えるおそれがあるため重大な懸念である。たわみの影響は、前記基板がより大型かつより薄型になるにつれてより顕著になる。
【0029】
どのような厚みの基板上のたわみの影響も最小限にするため、粒子堆積を最小限にするのに必要な傾きを、単純な衝突モデルを使用して計算している。真空室内で遊離し、重力によって落下し始める粒子について検討する。この粒子は前記ガラス上に堆積する原子の流れを通過するため、流入してくる原子との弾性衝突による運動量輸送を受ける可能性がある。mを入射原子の質量とし、mを前記粒子の質量とする。運動量およびエネルギーの保存により、次式が与えられる。
【0030】
【数3】
【0031】
落下する粒子に初期の前進運動がない(u=0)と仮定すると、これは次式のように単純化することができる。
【0032】
【数4】
【0033】
したがって、前記粒子に対する衝撃(前方への)力は次式のようになる。
【0034】
【数5】
【0035】
上記式において、νは衝突頻度である。衝突後、垂直線に対する前記粒子の軌道の角度は、重力に対する前記衝撃力の比であり、すなわち、次式のようになる。
【0036】
【数6】
【0037】
入力パラメータに妥当な値を用いれば(5μmのITO粒子、250m/秒で移動するW原子、および2nm/秒のタングステン堆積速度に基づく衝突頻度)、約3°の軌道角度に至る。しかし、粒子汚染を取り除くには傾きだけでは不十分であることが分かっている。まず、前記粒子が前記真空室内で遊離することを防止することによって粒子汚染をさらに減少させることができる。
【0038】
粒子を減少させる一つの方法は、前記堆積システムに前記基板を保持するために使用される前記キャリアを改良することである。図1を参照すると、基板170は、潜在的に、フレーム120の頂部から降り注ぐ粒子にさらされやすい。キャリア100は、フレーム120を介して基板170を包囲し、基板170をしっかりと保持する必要があり、かつ堆積室の内壁および基板170の後面への堆積膜のオーバースプレーを最小限にする必要もある。図1のキャリア100は、参照によってそのまま本願に援用する米国仮出願第62/420,127号に示すような特徴を任意の数組み込むことによって、粒子が前記基板上に落下するまたは前記基板に影響を及ぼす可能性を低下させるように改良することができる。
【0039】
図1は、基板170を保持しているキャリア100の断面である。キャリア100は、フレーム120、および、汚染を最小限にする適切な角度で基板170をコーティングすることができるように基板170を固定および配置するための少なくとも一つ以上のクランプ機構100Aを含む。キャリア100は、角度φ(小文字のファイ)で基板170を保持するように設計され、φは、垂直線(0°)と基板170の正面の下方への傾き角度の間の角度差である。この傾きにより、空気中の粒子が前記基板に接触して付着する可能性が最小限になる。φは、PVD室または前記フレームの頂部110から落下するいずれの粒子も基板170に接触することを防止するには十分に大きくするべきだが、基板170において有害なたわみを誘発するほど大きくするべきではない。一部の実施形態では、φは、>0°から10°、>0°から8°、>0°から5°、1°から8°、1°から5°、または1°から3°である。キャリア100は、ホイール、プーリ、トラック、または、コータの一つの領域から別の領域へ、またはコータ内またはコータ外へキャリア100を移動させるためのその他の機構または部品をさらに含むことができる。さらなるキャリア部品としては、キャリア100を配置するための機構、当該キャリアに対して前記基板を取り付けおよび取り外しするための機構、当該キャリアを清掃するための機構などを含むことができる。
【0040】
先に記載のように、フレーム120は、基板170を包囲するキャリア100の部品であり、かつPVDコーティングのために垂直にアライメントしたときの基板170を支持するための構造を提供する。PVDコーティング工程において使用される可能性のある高温のため、キャリア100およびフレーム120の主要な構成要素は、金属、ガラス、セラミックまたは高温ポリマーから作製することができる。一部の実施形態では、フレーム120は金属を含むことができる。この金属は、アルミニウム、ステンレス鋼などの鋼、チタン、またはこれらの材料を含む合金または混合物を含むことができる。
【0041】
一部の実施形態では、フレーム120は、121Aとして図2B図3、および図4に示すチャネル部またはリブ部をさらに含むことができる。一部の実施形態では、チャネル部121A上に加力テンショナ121がある。一部の実施形態では、チャネル部121Aは単独で、または、ボルト、ねじ、ばね付勢機構などの締付具、例えば、締付具327と組み合わせて加力テンショナ121として作用する。
【0042】
フレーム120内またはフレーム120上に組み込まれているのは保護スペーサ124である。保護スペーサ124は、バー、ブロック、プレート、レール、垂直または水平に向けられた円柱などを含むことができる。図1および図2Aから図2Fは、保護スペーサ124の考え得る形態の断面における例を提供する。図2Bなどの一部の実施形態では、保護スペーサ124は、場合によってはフレーム120に切り込まれた溝またはチャネルを介して、フレーム内に少なくとも部分的に組み込まれる。図2Aのような一部の実施形態では、保護スペーサ124は前記フレームの表面上にある。保護スペーサ124は基板170に接触し、当該基板を所定の位置に保持すること、および当該基板が熱変化によって保護スペーサ124とバンパ123の間で動けるようにすることを意図しているため、保護スペーサ124は、比較的低い動摩擦係数または静摩擦係数を有する材料であって、かつ/または、熱循環時に基板170を引っ掻いてしまわないように硬度も低い材料から作製することができる。一部の実施形態では、前記保護スペーサ材料の動摩擦係数は、0.5、0.4、0.3、0.28、0.25、0.23、0.2、0.18、0.15、0.1、または0.05(乾燥対鋼、 QTM 55007)以下とすることができる。一部の実施形態では、保護スペーサ124の材料の動摩擦係数は、0.25から0.1まで(乾燥対鋼、 QTM 55007)とすべきである。一部の実施形態では、必要に応じて、使用される任意の材料のモース硬度スケールは、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、または1以下とすべきである。一部の実施形態では、保護スペーサ124に使用される任意の材料のモース硬度スケールは、3.5から1までとすべきである。あるいは、一部の実施形態では、保護スペーサ124は、ロックウェルE硬さが、130以下、120以下、110以下、100以下、90以下、80以下、70以下、60以下、50以下、40以下、30以下、または20以下である材料を含む。保護スペーサ124は、高温ポリマー、紙またはテープ、または場合によってはマイカなどの低硬度の鉱物から作製することができる。一部の実施形態では、保護スペーサ124は、ポリベンゾイミダゾール、ポリフェニルスルフィド、ポリアリルスルホン、フルオロポリマー、またはポリアリルエーテルケトンなどのポリマーを含む。
【0043】
加力テンショナ121は、フレーム120を剛性カンチレバー122に直接的または間接的に接続し、クランプ機構100Bに保持力を提供する機構を組み込んでいる。各クランプ機構100Bは、前記ガラスにおいて望ましくないたわみを防止するには十分な力ではあるが、本願に記載の工程において前記ガラスが受ける熱変化とともに当該ガラスが動くことができないほど大きくはない力を提供するように設計される。各加力テンショナ121は、40N以下、30N以下、25N以下、20N以下、18N以下、15N以下、12N以下、または10N以下の力を加える。一部の実施形態では、加力テンショナ121は、フレーム120から剛性カンチレバー122をずらすように剛性カンチレバー122に間隔を提供し、一部の実施形態では、剛性カンチレバー122を所定の位置にロックするための手段を提供する。一部の実施形態では、加力テンショナ121は、ばね、ショックアブソーバ、ばねまたはショックアブソーバを内部に組み込んだ固定物または固体物、または剛性カンチレバー122を締め付けることを可能にする一つ以上のねじ山付き領域を組み込んだ固定物または固体物などを含むことができる。例えば、図3を参照すると、加力テンショナ121は、ボルト327がスペーサ226および加力テンショナ121に対して剛性カンチレバー122をクランプすることを可能にするねじ領域を内部に有するスペーサである。あるいは、図3は、フレーム120に接続される隆起したリッジまたはチャネルであり、加力テンショナ121と同様に作用する加力テンショナ121Aを提供している。チャネル状の加力テンショナ121Aは、基板170の全ての側部または一部の側部に沿って延在することができる。
【0044】
一部の実施形態はさらにシム226を組み込んでおり、シム226は、力が基板170の面に対して直交であることおよび剛性カンチレバー122が基板170に意図せず接触しないことを保証するために、加力テンショナ121と剛性カンチレバー122の間に配置される。シム226は、金属、ガラス、セラミック、または高温ポリマーから作製することができる。一部の実施形態では、シム226は、ポリベンゾイミダゾール、ポリフェニルスルフィド、ポリアリルスルホン、フルオロポリマー、またはポリアリルエーテルケトンなどのポリマーを含む。一部の実施形態では、シム226は金属を含む。この金属は、アルミニウム、ステンレス鋼などの鋼、チタン、またはそれらの材料を含む合金または混合物を含むことができる。
【0045】
剛性カンチレバー122は、典型的には加力テンショナ121を通して、前記バンパをフレーム120に直接的または間接的に接続する固体物を含む。一部の実施形態では、剛性カンチレバー122は、基板170がフレーム120に設置された後で、カンチレバー122が、保護スペーサ124の略真上にバンパ123を設置するように配置され、次にこのバンパに力を加えることができるように、フレーム120および基板170の面に対して直交する軸周りに回転するように設計された比較的平らな物体を含む。剛性カンチレバー122は、ねじ、ボルト、ヒンジを介して加力テンショナ121およびバンパ123に対して直接的または間接的に接続してもよいし、加力テンショナ121とバンパ123の一方または両方に対して溶接、接着、またはその他の方法で固定されてもよい。一部の実施形態では、剛性カンチレバー122、加力テンショナ121、および/またはバンパ123は全て単体を含むことができる(例えば、図2Fを参照)。かかる実施形態では、剛性カンチレバー122をフレーム120に接続する取り付け点を一つとすることができる。剛性カンチレバー122は、金属、ガラス、セラミック、または高温ポリマーから作製することができる。一部の実施形態では、剛性カンチレバー122は、ポリベンゾイミダゾール、ポリフェニルスルフィド、ポリアリルスルホン、フルオロポリマー、またはポリアリルエーテルケトンなどのポリマーを含む。一部の実施形態では、剛性カンチレバー122は金属を含む。この金属は、アルミニウム、ステンレス鋼などの鋼、チタン、またはそれらの材料を含む合金または混合物を含むことができる。
【0046】
剛性カンチレバー122に直接的または間接的に接続されるのはバンパ123である。バンパ123は、点、円錐、球、バー、ブロック、プレート、レール、垂直または水平に向けられた円柱などを含むことができる。図1および図2Aから図2Fは、バンパ123の考え得る形態の断面における例を提供している。図2Aから図2Cなどの一部の実施形態では、バンパ123は、シャフト227によって剛性カンチレバー122に取り付けられている。シャフト227は、剛性カンチレバー122またはバンパ123のいずれかと同じ材料または別の材料から作製することができる。バンパ123は基板170に接触し、当該基板を所定の位置に保持すること、および当該基板が熱変化によって保護スペーサ124とバンパ123の間で動けるようにすることを意図しているため、バンパ123は、比較的低い摩擦係数を有する材料であって、かつ、熱循環時に基板170を引っ掻くことがないように硬度も低い材料から作製することができる。バンパ123の動摩擦係数は、0.5、0.4、0.3、0.28、0.25、0.23、0.2、0.18、0.15、0.1、または0.05(乾燥対鋼、 QTM 55007)以下とすることができる。一部の実施形態では、前記バンパ材料の動摩擦係数は、0.25から0.1まで(乾燥対鋼、 QTM 55007)とすべきである。使用される任意の材料のモース硬度スケールは、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、または1以下とすべきである。一部の実施形態では、保護スペーサ124に使用される任意の材料のモース硬度スケールは、3.5から1までとすべきである。バンパ123は、高温ポリマー、紙またはテープ、または場合によってはマイカなどの低硬度の鉱物から作製することができる。一部の実施形態では、バンパ123は、ポリベンゾイミダゾール、ポリフェニルスルフィド、ポリアリルスルホン、フルオロポリマー、またはポリアリルエーテルケトンなどのポリマーを含む。典型的には、バンパ123および保護スペーサ124は、どのような面外応力も導入しないように同じ材料から作製される。さらに、一部の実施形態では、バンパ123は、前記ガラスに対する力が略等しく、前記基板面の平面に対して直交するように、保護スペーサ124とは反対側で当該ガラスに接触するように設計される。
【0047】
本願に記載のキャリア100で使用することができる基板は、ガラス、ガラスセラミック、ポリアクリル酸、ポリカーボネートなどのポリマーまたはプラスチック、サファイアなどの結晶材料、および鉱物から作製される基板を含む。
【0048】
ここで、図2Aから図2Fを参照すると、上記のように、これらの図面における実施形態は、キャリア100におけるクランプ機構100Bの例を提供している。図2Aは、剛性カンチレバー122に接続する加力テンショナ121に接続されたフレーム120を提供しており、スペーサ226が加力テンショナ121と剛性カンチレバー122の間隔を制御している。基板170は、バンパ123と保護スペーサ124の間で所定の位置に保持されており、バンパ123がシャフト227を介して剛性カンチレバー122に接続している。図2Bは類似の設計を示しているが、保護スペーサ124はここでは断面が円形であり、フレーム120に埋め込まれている。図2Cは代替的な設計であり、加力テンショナ121Bがばねを含み、スペーサ226が存在しない。さらに、バンパ123は、基板170の特定の領域により集中した力を提供するより円錐に近い形状を有している。図2Dは、バンパ123が取り除かれているまたは剛性カンチレバー122に本質的に組み込まれている例示的な実施形態である。かかる実施形態では、剛性カンチレバー122は、前記基板を損傷しないように低摩擦係数の材料かつ/または低硬度の材料を含むことができ、または当該材料によってコーティングすることができる。さらに、保護スペーサ124は、望ましくない応力を避けるために基板170の表面にわたって前記力が均一になるように延在している必要がある。図2E図2Fは類似の設計であるが、図2Eでは、加力テンショナ121がフレーム120の背面上の金属チャネルである場合など、剛性カンチレバー122が加力テンショナ121に直接的に接続されている。図2Fは類似であるが、この場合、加力テンショナ121、剛性カンチレバー122、およびバンパ123が、同じ材料から作製された単一の要素を含んでいる。
【0049】
図3は、本願に記載の実施形態の基本的な要素の分解図を示す。フレーム120、スペーサ226、剛性カンチレバー122、バンパ123(ボルト327を介して剛性カンチレバー122に接続することを可能にするために中心にねじ山を含む)、保護スペーサ124、および基板170は全て上記で説明されている。加力テンショナ121は、この図ではボルト327用の雌ねじを有する固定部として示されており、かつ、代替物として、フレーム120の背面に沿って延在するチャネル状の加力テンショナ121Aとしても示されており、図示のように複数の剛性カンチレバーのために複数の接点を有することができる。
【0050】
図4は、加力テンショナ要素121に取り付けられ、内側に基板170を保持している六つ(各側に三つずつ)のクランプ機構100Bを有するキャリア100を描写した図である。クランプ機構100Bは、基板170がPVDコーティングを受ける間、かつ、場合によっては、基板170を様々な工程ステップに通す間、図示しないバンパを介して基板170を保護スペーサ124に押圧することによって基板170を所定の位置に保持する。図4は、さらに、フレーム120の底部に沿って任意のチャネル溝410を含んでいる。チャネル溝410は、基板170のために低圧の支持部を提供する。チャネル溝410は、前記基板を引っ掻きにくいまたは損傷しにくい材料から作製される。チャネル溝410は、保護スペーサ124またはバンパ123と同じ材料から作製してもよい。概して、チャネル溝410には高温ポリマーを使用することができる。
【0051】
キャリアの角度に加えて、それとは別に、またはそれと組み合わせて使用することができる、粒子を減少させる非幾何学的なアプローチがある。特に、フレーキングおよび粒子発生を減少させるまたは遅らせるために、金属表面への堆積膜の付着力を高めることができる。付着力を修正するための一つの方法は、サンドブラストまたは機械的アブレーションなどを通して、キャリア100および/またはフレーム120の粗さを制御することである。一部の実施形態では、500nmから100μmまで、1μmから100μmまで、500nmから50μmまで、1μmから75μmまで、1μmから50μmまで、1μmから25μmまで、1μから10μmまで、500nmから10μmまで、500nmから5μmまで、または1μmから5μmまでの値に前記表面を粗くすると有利である。
【0052】
付着力は、中間コーティングを使用することによって修正することもできる。コーティングは、例えば、銅、クロム、チタン、ニッケル、またはそれらの組み合わせまたは酸化物を含むことができる。コーティングは、電解コーティング、ツインワイヤアークスプレーなどの既知の手段によって塗布することができ、ルーチンメンテナンス時に前記キャリア上に堆積させることができるだろう。
【0053】
本願で説明される実施形態は、正方形または矩形の形態を有する基板を対象としているが、記載の装置および工程は、任意の別の形状を有するどのような基板にも等しく適用可能である。例えば、本願に記載の工程および装置は、円形、三角形、またはその他の幾何学的形状の基板に等しく適用可能であるだろう。かかる実施形態は、キャリア100、フレーム120、または当該フレームの部分における変更を必要とする可能性があるが、その他の点では、概して、実質的な修正を必要としないだろう。
【0054】
本願に記載の用途で使用することができる基板は、PVD工程に耐える任意の基板を含む。主に、これはガラス基板およびガラスセラミック基板を含むが、一部の金属および高温ポリマーを含む可能性もある。
【0055】
本願に記載のキャリア100は、残余粒子によってほとんどまたは全く汚染されないように基板をコーティングする必要がある多くの工程において使用することができる。キャリア100はPVDに特に有用であるが、化学蒸着、スパッタ堆積、電子ビーム堆積、パルスレーザ堆積、分子ビームエピタキシ、またはイオンビーム堆積などのコーティング工程においても使用することができるだろう。これらの工程における前記キャリアの使用は比較的簡単であり、前記基板は、当該キャリア内に設置され、適切に固定され、次に薄膜コーティングデバイス内に設置されてコーティングを受ける。コーティング工程によっては、前記基板上に蓄積する微粒子汚染量を最小限にするために、当該基板の傾き角度を最適化することが必要である可能性がある。
【実施例
【0056】
下記の例は、本願にて記載および請求される材料、物品、および方法が如何にして作製されて評価されるかの完全な開示および説明を当業者に提供するために提示されるものであり、例示に過ぎないことを意図しており、その説明の範囲を制限することを意図しない。数字、例えば、量、温度などに関して正確さを保証するように努力しているが、多少の誤差または偏差を考慮すべきである。別段の指示がない限り、部は重量部であり、温度は℃または周囲温度におけるものであり、圧力は、大気圧または大気圧近傍におけるものである。反応条件、例えば、成分濃度、所望の溶媒、溶媒混合物、温度、圧力、および説明される工程から得られる製品の純度および歩留まりを最適化するために使用することができるその他の反応の範囲および条件には数多くの変動および組み合わせが存在する。かかる工程条件を最適化するためには、合理的かつルーチンの実験を行うだけでよいだろう。
【0057】
実施例1―この実施形態は、図4において概説されており、大規模なPVDスパッタ工程で使用される略垂直なキャリア100の内側の「窓」領域に取り付けられるように設計されたフレーム120を提供する。薄型ガラス170の正面側(コーティングされる側)の外周またはマスクエリアがフレーム部120上に載置されている。フレーム部120はクランプ機構122を有し、クランプ機構122は、当該フレームから離れるように僅かに持ち上げられ、次に、一つまたは複数のバンパ123がガラス基板170の背面上で縁に隣接するエリアに載置される位置まで回転される。本例では、数個のバンパ123が前記ガラス基板の外周周りに配置されている。さらに、ガラス基板170の下側では、当該基板の縁が溝付きブロック410に載置されている。溝付きブロック410は、前記縁のチッピングのおそれを最小限にするために僅かな伸展性を有するように設計される。
【0058】
フレーム部120は、キャリア100の底部および頂部の内周上の水平な「タップ」バーに所定の位置で固定される。これらのフレーム部の重要な金属製の構成要素は、前記ガラスシートに対して平行なフレーム部120および当該ガラスシートに対して垂直なチャネル部121Aである。前記フレームと基板170の間には保護スペーサが存在する。この保護スペーサ124を掴むことができるようにフレームには溝を削ることができ、またはガラス接触エリアを提供するためにパッド状のプラスチック材料がフレームにボルトで固定されてもよい。いずれのボルトも、前記ガラスとの接触を防止するためにプラスチックパッドに嵌め込まれる。図4では、フレーム120は、金属に対するガラスの直接的な接触を防止するためにフレーム120内に押し込まれた高温プラスチックダウェル124を有する。代替的な設計により、高温プラスチックの円盤または薄いブロックをフレーム120にボルト留めまたは固定することができる。前記フレームの縁に対する前記ダウェルまたはブロックの間隔により、工程時のガラス接触が防止される。
【0059】
チャネル121Aは、クランプ機構100Aのカンチレバー122が固定される箇所にも存在する。クランプ力は、ばね重量を利用し、かつシム226によってクランプ移動量を最小限にすることで制限される。このチャネルは、ばねが保持される箇所にポケットを創出するためにドリルで穿孔されて孔が開けられる。このポケットには、ばねを通して段付きボルトが設置され、次に、前記クランプのトッププレートにねじ込まれる。クランプ運動の範囲を制限するために、特定の厚みのシム226が使用される。このクランプ運動(力)は、たわみを最小限にするために、前記ガラスの上縁を固定する前記クランプ上ではより大きくすることができる。前記クランプ運動は、前記ガラスが過度に動かないようにし、かつ、ガラスとグリッド/フレーム構成要素の熱膨張の差を許容するために、当該ガラスの角、側部および底部のクランプ上ではより小さくすることができる。
【0060】
様々な箇所におけるばねおよびシムの組み合わせにより、前記ガラスにおいて観察されるたわみ量が最小限になる(<6mmの面外変位)。1930mm高×3150mm幅×0.7mm厚のガラスのモデリングはこの観察に一致する。PVDスパッタターゲットからの距離に基づく計算では、観察されるたわみが、薄型ガラスの頂部から底部までの膜均一性が<10%のばらつきとなるであろうことが示唆されるだろう。フレーム深度(ガラスの縁周囲に重複するフレームの量)は、高いガラス利用率を維持しながらたわみも最小限にするために最小限になる。
【0061】
前記フレームは、大型の垂直キャリアに取り付けられ、PVDデバイスに挿入されるように設計される。この設計により、前記ガラスを面外に/平面度外に捩じることになる前記フレーム部材の回転は最小限になるが、前記フレーム/キャリアシステムの個々の構成要素の熱膨張係数、伝熱または全体的な質量による膨張の差が許容される。これは、前記クランプに関連付けられた前記ばねおよびシムと共同で、低い反力を維持する。これにより、加熱工程ステップまたは冷却工程ステップにおける材料損失がゼロに近くなる。ばねの選択により低い反力が可能になり、その結果、最大主応力が薄型ガラスの安全限界を十分に下回る(図5)。
【0062】
本願に記載の実施形態により、ガラスの容易な取り付けおよびその次の固定するためのクランプの手動による回転が可能になる。様々な熱条件を通してアライメントを維持しながら部品が自由に動くことを可能にする十分なクリアランスを持たせるために製造時には許容値が設定される。全てのクランプは、ガラス取り付け前に開位置まで回転させる。まず、前記ガラスの底縁が、前記底部の伸展性のある高温のプラスチックブロックの溝に配置される。ガラスの縁がフレームの側部と接触しないことを保証するために、ガラスは左から右へアライメントされる。ガラスは、次に、前記フレーム表面上にある側部と頂部のプラスチックダウェルまたはブロックに順に接触するように前方に傾けられる。
【0063】
次に、頂部中間のクランプを持ち上げて、閉位置まで回転させる。チェッキングが発生しないように、前記ガラス上でやさしく前記クランプを慎重に解放する。次に、残りの頂部クランプ、側部クランプ、次に底部クランプを閉位置まで移動させる。
【0064】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0065】
実施形態1
物品であって、
コーティングデバイスを含有する薄膜堆積システムにおいて略垂直な形態に基板を保持するためのフレームであって、当該フレームが当該基板よりも寸法に関して大きく、当該基板が少なくとも正面、背面、および少なくとも一つの縁を有し、
当該フレームが、
a)平坦なフレーム部およびチャネル部を含み、前記物品が前記薄膜堆積システム内にあるとき、当該平坦なフレーム部が前記コーティングデバイスと前記基板の少なくとも一部の間に配置され、かつ当該チャネル部が前記少なくとも一つの基板縁に隣接して配置され、
i.前記平坦なフレーム部が、前記正面上で前記基板と接触する保護スペーサを含み、当該保護スペーサが、当該基板の表面を引っ掻くことがない材料を含む、
フレーム、および
二つ以上のクランプであって、
a)前記背面上で前記基板と接触するバンパであって、当該基板の表面を引っ掻くことがない材料を含むバンパ、
b)前記バンパに前記チャネル部を直接的または間接的に接続する剛性カンチレバー、および
c)前記基板上に25N未満の反力を提供する加力テンショナ機構
を含む二つ以上のクランプ
を含み、
基板が前記フレーム内にあるとき、当該基板が、0°よりも大きく約10°までの前方への傾きの角度φに保持され、0℃から400℃までの範囲にわたって1°/分から40°/分までの熱変化を受ける間に100MPa未満の最大主応力を経験するように設計された物品。
【0066】
実施形態2
前記バンパおよび保護スペーサが有機ポリマーから作製される、実施形態1の物品。
【0067】
実施形態3
前記最大主応力が80MPa以下である、実施形態1または2の物品。
【0068】
実施形態4
前記反力が15N未満である、実施形態1から3のいずれかの物品。
【0069】
実施形態5
前記基板が、0°よりも大きく約3°までの前方の傾きの角度φに保持される、実施形態1から4のいずれかの物品。
【0070】
実施形態6
前記二つ以上のクランプが、それぞれ前記基板面に直交する軸上で回転可能である、実施形態1から5のいずれかの物品。
【0071】
実施形態7
前記基板の前記背面に直交し、前記バンパが当該基板に接触する一点を通過する仮想的な線が、前記保護スペーサも通過することになる、実施形態1から6のいずれかの物品。
【0072】
実施形態8
物品であって、
コーティングデバイスを含有する薄膜堆積システムにおいて略垂直な形態で基板を保持するためのフレームであって、当該フレームが当該基板よりも寸法に関して大きく、当該基板が少なくとも正面、背面、および少なくとも一つの縁を有し、
当該フレームが、
a)平坦なフレーム部を含み、前記物品が前記薄膜堆積システム内にあるとき、当該平坦なフレーム部が前記コーティングデバイスと前記基板の少なくとも一部の間に配置され、
i)前記平坦なフレーム部が、前記正面上で前記基板と接触する保護スペーサを含み、当該保護スペーサが、当該基板の表面を引っ掻くことがない材料を含む、
フレーム、および
二つ以上のクランプであって、
a)前記フレームにカンチレバーを直接的または間接的に接続するカンチレバースペーサ、
b)前記背面上で前記基板に接触する任意のバンパであって、当該基板の表面を引っ掻くことがない材料を含むバンパ、
c)前記バンパに前記カンチレバースペーサを直接的または間接的に接続する剛性カンチレバーであって、前記任意のバンパがないとき、前記背面上で前記基板と接触し、かつ当該基板の表面を引っ掻くことがない材料を含む剛性カンチレバー、および
d)前記基板上に25N未満の反力を提供する加力テンショナ機構
を含む二つ以上のクランプ
を含み、
基板が前記フレーム内にあるとき、当該基板が、0°よりも大きく約10°までの前方への傾きの角度φに保持され、0℃から300℃までの範囲にわたって5°/分から40°/分までの熱変化を受ける間に100MPa未満の最大主応力を経験するように設計された物品。
【0073】
実施形態9
前記バンパおよび保護スペーサが有機ポリマーから作製される、実施形態8の物品。
【0074】
実施形態10
前記最大主応力が80MPa以下である、実施形態8または9の物品。
【0075】
実施形態11
前記反力が15N未満である、実施形態8から10のいずれかの物品。
【0076】
実施形態12
前記基板が、0°よりも大きく約3°までの前方の傾きの角度φに保持される、実施形態8から11のいずれかの物品。
【0077】
実施形態13
前記二つ以上のクランプが、それぞれ前記基板面に直交する軸上で回転可能である、実施形態8から12のいずれかの物品。
【0078】
実施形態14
前記基板の前記背面に直交し、前記バンパが当該基板に接触する一点を通過する仮想的な線が、前記保護スペーサも通過することになる、実施形態8から13のいずれかの物品。
【0079】
実施形態15
物品であって、
コーティングデバイスを含有する薄膜堆積システムにおいて略垂直な形態に基板を保持するためのフレームであって、当該フレームが当該基板よりも寸法に関して大きく、当該基板が少なくとも正面、背面、および少なくとも一つの縁を有し、
当該フレームが、
a)平坦なフレーム部を含み、前記物品が前記薄膜堆積システム内にあるとき、当該平坦なフレーム部が前記コーティングデバイスと前記基板の少なくとも一部の間に配置され、
i)前記平坦なフレーム部が、前記正面上で前記基板と接触する保護スペーサを含み、当該保護スペーサが、当該基板の表面を引っ掻くことがない材料を含む、フレーム、および
二つ以上のクランプであって、
a)前記背面上で前記基板に接触する任意のバンパ、
b)カンチレバースペーサを組み込み、前記バンパに前記フレームを直接的または間接的に接続する有機ポリマーカンチレバーであって、前記任意のバンパがないとき、当該剛性カンチレバーは前記背面上で前記基板と接触し、かつ当該基板の表面を引っ掻くことがない材料を含む有機ポリマーカンチレバー、および
c)前記基板上に25N未満の反力を提供する加力テンショナ機構
を含む二つ以上のクランプ
を含み、
基板が前記フレーム内にあるとき、当該基板が、0°よりも大きく約10°までの前方への傾きの角度φに保持され、0℃から300℃までの範囲にわたって5°/分から40°/分までの熱変化を受ける間に100MPa未満の最大主応力を経験するように設計された物品。
【0080】
実施形態16
前記バンパおよび保護スペーサが有機ポリマーから作製される、実施形態15の物品。
【0081】
実施形態17
前記最大主応力が80MPa以下である、実施形態15または16の物品。
【0082】
実施形態18
前記反力が15N未満である、実施形態15から17のいずれかの物品。
【0083】
実施形態19
前記基板が、0°よりも大きく約3°までの前方の傾きの角度φに保持される、実施形態15から18のいずれかの物品。
【0084】
実施形態20
前記二つ以上のクランプが、それぞれ前記基板面に直交する軸上で回転可能である、実施形態15から19のいずれかの物品。
【0085】
実施形態21
前記基板の前記背面に直交し、前記バンパが当該基板に接触する一点を通過する仮想的な線が、前記保護スペーサも通過することになる、実施形態15から20のいずれかの物品。
【符号の説明】
【0086】
100、100A キャリア
100B クランプ機構
110 頂部
120 フレーム
121 加力テンショナ
121A チャネル部(リブ部、加力テンショナ)
122 剛性カンチレバー、クランプ機構
123、143 バンパ
124、144 保護スペーサ、高温プラスチックダウェル
170 基板
226 シム(スペーサ)
227 シャフト
327 締付具(ボルト)
410 チャネル溝(溝付きブロック)
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3
図4
図5