(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】ゲーム制御方法、プログラム、サーバ及び通信装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20220101AFI20230202BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20230202BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20230202BHJP
G06F 3/04845 20220101ALI20230202BHJP
A63F 13/2145 20140101ALN20230202BHJP
【FI】
G06F3/0488
A63F13/426
A63F13/55
G06F3/04845
A63F13/2145
(21)【出願番号】P 2020148168
(22)【出願日】2020-09-03
【審査請求日】2020-09-03
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】313011434
【氏名又は名称】エヌエイチエヌ コーポレーション
【住所又は居所原語表記】(Sampyeong-dong),16,Daewangpangyo-ro 645 beon-gil,Bundang-gu,Seongnam-si,Gyeonggi-do Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】516164173
【氏名又は名称】NHN PlayArt株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】林 智之
【合議体】
【審判長】中野 裕二
【審判官】富澤 哲生
【審判官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-59554(JP,A)
【文献】特開2019-150269(JP,A)
【文献】特開2018-124781(JP,A)
【文献】特表2018-518997(JP,A)
【文献】特開2019-154668(JP,A)
【文献】Toshism,[PR]なげモンクエストの楽しさがヤバい。知らないと損する基本をまとめました!,2016年7月14日,インターネット<URL:https://www.appbank.net/2013/03/01/iphone-application/552745.php>
【文献】瑞嶋カツヒロ,ストイックな射撃競技を楽しめるFPS「射撃の王」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第1865回,2018年11月13日,インターネット<URL:https://www.4gamer.net/games/440/G044037/20181109047/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048-3/0489
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面内の操作領域に対して行われるタッチ操作の組み合わせに応じてプレイヤキャラクタ画像に異なる動作を実行させるゲーム制御方法であって、
前記操作領域の内側における任意の位置で開始された長押し操作による入力を取得し、
前記長押し操作による入力を
取得した時点で、前記プレイヤキャラクタ画像に所定の動作の準備動作を実行させ、
前記長押し操作の開始点である第1接触点から、当該第1接触点に対し任意の方向に位置すると共に任意の距離で離隔した第2接触点までのスライド操作による入力を取得し、
前記第2接触点における前記長押し操作の解除による入力を取得することを含み、
前記第2接触点が前記第1接触点を含む前記操作領域の内側に位置する場合、前記長押し操作の開始及び解除で構成される一連の操作に割り当てられた前記所定の動作をプレイヤキャラクタ画像に実行させ、前記第2接触点が前記操作領域の外側に位置する場合、前記準備動作を解除すると共に前記所定の動作を前記プレイヤキャラクタ画像に実行させない、ゲーム制御方法。
【請求項2】
前記スライド操作による入力に応じて、前記準備動作を維持したまま、前記所定の動作が実行される方向が変化する、又は、前記プレイヤキャラクタ画像が移動する、請求項1に記載のゲーム制御方法。
【請求項3】
前記スライド操作が前記操作領域の内側と前記操作領域の外側とに跨る場合においても、前記準備動作を維持したまま、前記所定の動作が実行される方向が変化する、又は、前記プレイヤキャラクタ画像が移動する、請求項2に記載のゲーム制御方法。
【請求項4】
前記操作領域は、前記画面内にあらかじめ設定された領域である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項5】
前記操作領域は、円形領域、又は、円形領域の一部の領域である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項6】
前記第1接触点と前記第2接触点との間の距離に応じて、前記所定の動作の効果が変化する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項7】
前記操作領域は、前記画面内の下部に設定され、
前記操作領域の外側の領域は、前記画面内における前記操作領域よりも上部に設定される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項8】
前記スライド操作による入力が前記操作領域の内側にあるか否かを報知する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のゲーム制御方法をサーバの制御部に実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のゲーム制御方法を通信装置の制御部に実行させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のゲーム制御方法を実行する制御部を含むサーバ。
【請求項12】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のゲーム制御方法を実行する制御部を含む通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、画面内のオブジェクトを制御するための画像制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の携帯端末で実行される様々なゲームプログラムが流通している。携帯端末においてゲームを実行する場合、ユーザによる操作は、タッチパネルを利用して入力される。画面内の操作対象となるオブジェクト(プレイヤキャラクタともいう)に対するコマンド(命令)は、画面に対するタッチ操作を介して入力される。タッチ操作には、例えば、ショートタップ操作(以下、「タップ操作」という)、ロングタップ操作(以下、「長押し操作」という)、スライド操作等が用いられる。
【0003】
動作系のゲームでは、画面内の限られたスペースでオブジェクトの移動、照準合わせ等の動作を制御する必要がある。そのため、画面に対する長押し操作は、単なるタップ操作と区別可能な、重要な操作の1つとして用いられている。例えば、特許文献1には、長押し操作により操作キャラクタをチャージ状態(エネルギーを貯めた状態)とし、長押し操作の解除によって操作キャラクタにチャージ攻撃(解放したエネルギーを用いた攻撃)を実行させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された技術は、タップ操作が検知された場合は、操作キャラクタの移動を行い、長押し操作が検知された場合は、チャージ攻撃の準備動作を実行する。例えば、特許文献1に記載された技術では、長押し操作が開始されると、操作オブジェクトがチャージ攻撃の準備動作(エネルギーを貯めるチャージ動作)を行う。その後、長押し操作が解除(タッチオフ)されると、操作オブジェクトが攻撃対象に対してチャージ攻撃を実行する。しかしながら、特許文献1には、開始された長押し操作をキャンセルする方法についての記載がない。すなわち、特許文献1に記載された技術では、一旦長押し操作が開始されると、操作オブジェクトがチャージ攻撃を実行しない限り、次の操作に移ることができないという問題があった。
【0006】
本発明の一実施形態の課題は、簡易な操作により、長押し操作に伴う動作の実行をキャンセルすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態における画像制御方法は、画面内の操作領域の内側で行われた長押し操作による入力を取得し、前記長押し操作が開始された第1接触点から、当該第1接触点に対し任意の方向に位置すると共に任意の距離で離間した第2接触点までのスライド操作による入力を取得し、前記第2接触点における前記長押し操作の解除による入力を取得し、前記第2接触点が前記操作領域の内側に位置する場合、前記長押し操作の開始及び解除で構成される一連の操作に割り当てられた所定の動作を操作対象のオブジェクトに実行させ、前記第2接触点が前記操作領域の外側に位置する場合、前記所定の動作を前記オブジェクトに実行させない。
【0008】
上記画像制御方法において、前記長押し操作による入力をトリガとして、前記オブジェクトに前記所定の動作の準備動作を実行させてもよい。
【0009】
上記画像制御方法において、前記スライド操作による入力に応じて、前記準備動作を維持したまま、前記所定の動作が実行される方向が変化する、又は、前記オブジェクトが移動してもよい。
【0010】
上記画像制御方法において、前記スライド操作が前記操作領域の内側と前記操作領域の外側とに跨る場合においても、前記準備動作を維持したまま、前記所定の動作が実行される方向が変化してもよいし、前記オブジェクトが移動してもよい。
【0011】
上記画像制御方法において、前記操作領域は、前記画面内にあらかじめ設定された領域であってもよい。
【0012】
上記画像制御方法において、前記操作領域は、前記長押し操作による入力をトリガとして前記画面内に設定される領域であってもよい。
【0013】
上記画像制御方法において、前記操作領域は、円形領域、又は、円形領域の一部の領域であってもよい。
【0014】
上記画像制御方法において、前記第1接触点と前記第2接触点との間の距離に応じて、前記所定の動作の効果が変化してもよい。
【0015】
上記画像制御方法において、前記操作領域は、前記画面の下部に設定され、前記操作領域の外側の領域は、前記画面内における前記操作領域よりも上部に設定されてもよい。
【0016】
上記画像制御方法において、前記スライド操作による入力が前記操作領域の内側にあるか否かを報知してもよい。
【0017】
本発明の一実施形態におけるプログラムは、上記画像制御方法をサーバまたは通信装置の制御部に実行させる。
【0018】
本発明の一実施形態におけるサーバまたは通信装置は、上記画像制御方法を実行する制御部を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一実施形態によれば、簡易な操作により、長押し操作に伴う動作の実行をキャンセルすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1実施形態における通信装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1実施形態におけるサーバの構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第1実施形態におけるゲーム画面の構成を示す図である。
【
図5】本発明の第1実施形態におけるゲーム画面において長押し操作が行われた状態を示す図である。
【
図6】本発明の第1実施形態におけるゲーム画面において長押し操作を維持したままスライド操作が行われている状態を示す図である。
【
図7】本発明の第1実施形態におけるゲーム画面において操作領域の内側で長押し操作が解除された状態を示す図である。
【
図8】本発明の第1実施形態におけるゲーム画面において操作領域の外側で長押し操作が解除された状態を示す図である。
【
図9】本発明の第1実施形態において狙撃動作に関する処理を説明するためのフローチャート図である。
【
図10】本発明の第2実施形態におけるゲーム画面において長押し操作を維持したままスライド操作が行われている状態を示す図である。
【
図11】本発明の第3実施形態におけるゲーム画面において長押し操作を維持したまま操作領域の内側でスライド操作が行われている状態を示す図である。
【
図12】本発明の第3実施形態におけるゲーム画面において長押し操作を維持したまま操作領域の外側でスライド操作が行われている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態である画像制御方法(ゲーム進行を制御する方法)について説明する。但し、本発明は、多くの異なる態様で実施することが可能である。すなわち、本発明は、以下に示す実施形態の記載内容に限定して解釈されない。本実施の形態で参照する図面において、同一部分または同様の機能を有する部分には、同一の符号または同一の符号の後にアルファベットを付した符号を用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0022】
本明細書および特許請求の範囲において、各用語は、次のように定義される。
【0023】
「オブジェクト」とは、コンピュータ上で操作または処理の対象となる物体を表現する画像を意味する。例えば、ゲーム画面内におけるユーザの操作対象であるプレイヤキャラクタ画像は、「操作対象のオブジェクト」である。
【0024】
「タッチ操作」とは、ユーザが、画面上のタッチパネル等に対し、指又はスタイラスペン等(以下、「指示物」という)を接触させて行う操作を指す。「タップ操作」とは、指示物の接触の開始から解除までが短いタッチ操作を指す。「長押し操作」とは、指示物の接触の開始から解除までがタップ操作よりも長いタッチ操作を指す。「スライド操作」とは、指示物の接触状態を維持したまま接触点を移動させる操作を指す。スライド操作は、スワイプ操作とも呼ばれる。
【0025】
「プログラム」とは、プロセッサ及びメモリを備えたコンピュータにおいてプロセッサより実行される命令又は命令群を指す。「コンピュータ」は、プログラムの実行主体を指す総称である。例えば、サーバ(またはクライアント)によりプログラムが実行される場合、「コンピュータ」は、サーバ(またはクライアント)を指す。また、サーバとクライアントとの間の分散処理により「プログラム」が実行される場合、「コンピュータ」は、サーバおよびクライアントの両方を含む。この場合、「プログラム」は、「サーバで実行されるプログラム」および「クライアントで実行されるプログラム」を含む。「プログラム」が、複数のサーバ間で分散処理される場合も同様に、「コンピュータ」は、複数のサーバを含み、「プログラム」は、各サーバで実行される各プログラムを含む。
【0026】
<第1実施形態>
[通信システムの構成]
図1は、本発明の第1実施形態における通信システム1000の構成を示すブロック図である。通信システム1000は、通信装置100およびサーバ200を有する。通信装置100およびサーバ200は、インターネット、通信回線などのネットワークNWに接続される。通信システム1000は、クライアントである通信装置100とサーバ200とで構成されるクライアントサーバシステムである。
【0027】
通信装置100は、例えば、スマートフォンなどの携帯端末である。通信装置100は、ネットワークNWに接続することにより、サーバ200または他の通信装置と通信を行うことができる。通信装置100は、ゲームプログラムをインストールすることが可能である。通信装置100にインストールされたゲームプログラムを実行することにより、ユーザの操作に応じて画面内のキャラクタ等のオブジェクトを操作可能なゲームが提供される。
【0028】
ゲームプログラムは、サーバ200からネットワークNWを介して通信装置100にダウンロードされる。ただし、ゲームプログラムは、予め通信装置100にインストールされていてもよい。さらに、ゲームプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。この場合、通信装置100は、記録媒体を読み取る装置を備えた情報処理装置であればよい。
【0029】
ゲームプログラムの実行は、通信装置100が実行する場合、サーバ200が実行する場合、および通信装置100とサーバ200とで役割を分担して実行する場合(いわゆる分散処理を行う場合)のいずれの態様も採り得る。
【0030】
サーバ200は、通信装置100に対して、ゲームプログラムを提供したり各種のサービスを提供したりする情報処理装置である。各種のサービスには、例えば、通信装置100においてオンラインゲームを実行する際におけるログイン処理、同期処理などのサービスが含まれる。そのほか、各種のサービスには、例えば、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が含まれていてもよい。ゲームプログラムは、サーバ200に含まれる記憶装置、サーバ200が読み出し可能な記録媒体、またはサーバ200がネットワークNWを介して接続可能なデータベースに記録される。
図1において、サーバ200は、単一の情報処理装置として図示されているが、複数の情報処理装置で構成されていてもよい。
【0031】
[通信装置の構成]
図2は、本発明の第1実施形態における通信装置100の構成を示すブロック図である。本実施形態の通信装置100は、制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、センサ部15、撮像部16、位置検出部17、通信部18、音入出力部19、および報知部20を含む。ただし、通信装置100は、これらの要素をすべて含むものに限定されない。
【0032】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ(演算処理装置)およびRAM等の記憶装置を備える。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムをプロセッサにより実行して、各種機能を通信装置100において実現させる。通信装置100の各要素から出力される信号は、通信装置100において実現される各種機能によって使用される。
【0033】
記憶部12は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブなどの恒久的な情報保持および情報の書き換えが可能な記録装置(記録媒体)である。記憶部12は、プログラムおよび当該プログラムの実行に必要となるパラメータ等の情報を格納する。例えば、前述のゲームプログラムは、記憶部12に格納される。
【0034】
表示部13は、制御部11の制御に応じて、各種の画面(例えば、ゲーム画面等)を表示する表示領域を有する。表示部13は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどの表示装置である。
【0035】
操作部14は、ユーザの操作に応じた信号(例えば、命令または情報を示す信号)を制御部11に出力する操作装置である。操作部14は、表示部13の表面に配置されたタッチセンサである。操作部14は、表示部13と組み合わせることによってタッチパネルを構成する。ユーザの操作に応じた命令または情報は、ユーザの指又はスタイラスペン等の指示物で操作部14に接触することによって通信装置100へ入力される。ただし、操作部14は、通信装置100の筐体に配置されたスイッチを含んでもよい。
【0036】
センサ部15は、通信装置100の動き、通信装置100の周囲の環境などに関する情報を収集して信号に変換する機能を備える装置である。本実施形態のセンサ部15は、例えば、加速度センサである。制御部11は、センサ部15の出力信号に基づいて、通信装置100の動き(例えば、傾き、振動など)に関する情報を取得する。ただし、センサ部15は、照度センサ、温度センサ、磁気センサその他のセンサを含んでもよい。
【0037】
撮像部16は、撮像対象の像を信号に変換する撮像装置(カメラ)である。通信装置100は、撮像部16から出力された撮像信号に基づいて画像ファイル(静止画ファイルおよび動画ファイルを含む)を生成する。撮像部16は、一次元コードまたは二次元コードなどの識別コードを読み取るスキャナーとしても機能する。
【0038】
位置検出部17は、位置情報に基づいて通信装置100の位置を検出する。本実施形態の位置検出部17は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて通信装置100の位置を検出する。
【0039】
通信部18は、制御部11の制御により、ネットワークNWと接続して、ネットワークNWに接続されたサーバ200など、他の通信装置と情報の送信および受信を行う無線通信モジュールである。通信部18は、赤外線通信、近距離無線通信などを行う通信モジュールを含んでいてもよい。
【0040】
音入出力部19は、音の入力及び出力を行う。例えば、音の入力は、音入出力部19のマイクにより行われる。音の出力は、音入出力部19のスピーカにより行われる。音入出力部19は、他の通信装置との通話のほか、外部音の収集またはゲーム進行に伴う音声または効果音等の出力に用いることもできる。
【0041】
報知部20は、ユーザに対し、視覚的、聴覚的または触覚的方法により通信装置100の状態を報知する。具体的には、報知部20は、ユーザに対して光、音または振動を用いて通信装置100の状態を報知する。例えば、報知部20は、ランプを点滅させたり筐体全体を振動させたりすることにより、外部装置との通信の有無をユーザに報知することができる。筐体全体の振動は、報知部20のバイブレータにより行われる。また、報知部20は、ゲーム進行に伴う画面状態の遷移等をユーザに報知することも可能である。例えば、報知部20は、タッチ操作が所定の条件を満たしたことをユーザに光、音または振動を用いて報知することができる。
【0042】
[サーバの構成]
図3は、本発明の第1実施形態におけるサーバ200の構成を示すブロック図である。本実施形態のサーバ200は、制御部21、記憶部22および通信部23を含む。
【0043】
制御部21は、CPUなどの演算処理回路(制御装置)およびRAM等の記憶装置を備える。制御部21は、記憶部22に記憶されたプログラムをCPUにより実行して、各種機能をサーバ200において実現させる。サーバ200の各要素から出力される信号は、サーバ200において実現される各種機能によって使用される。
【0044】
記憶部22は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブなどの恒久的な情報保持および情報の書き換えが可能な記録装置(記録媒体)である。記憶部22は、プログラムおよび当該プログラムの実行に必要となるパラメータ等の情報を格納する。例えば、前述のゲームプログラムは、記憶部22に格納される。また、記憶部22は、ネットワークNWを介して他の装置(例えば、通信装置100)から受信した各種情報を格納する。
【0045】
通信部23は、制御部21の制御により、ネットワークNWと接続して、ネットワークNWに接続された通信装置100、他のサーバなど、他の装置と情報の送信および受信を行う無線通信モジュールである。他のサーバとしては、例えば、ゲームサーバ、SNSサーバ、メールサーバなどが例示できる。
【0046】
[ゲーム画面の構成]
以下に説明するゲーム画面GSは、
図3に示したサーバ200の制御部21(具体的には、制御部21が備えるプロセッサ)が、記憶部22から読み出したゲームプログラムを実行することにより、通信装置100の表示部13に表示される。ただし、
図2に示した通信装置100の制御部11(具体的には、制御部11が備えるプロセッサ)が、記憶部12に記憶されたゲームプログラムを実行して、自己の表示部13にゲーム画面GSを表示してもよい。
【0047】
図4は、本発明の第1実施形態におけるゲーム画面GSの構成を示す図である。通信装置100は、スマートフォン等の携帯端末である。本実施形態では、携帯端末を片手(具体的には、右手)で持ち、片手でゲーム操作を行う場合を想定している。通信装置100の表示部13には、ゲーム画面GSが表示されている。なお、表示部13とほぼ同じ領域に操作部14としてタッチセンサが配置される。
【0048】
図4に示すゲーム画面GSは、背景画像BG、プレイヤキャラクタ画像PC、および敵キャラクタ画像ECを含む。背景画像BGは、地面、建物、空などの背景を表現する画像である。プレイヤキャラクタ画像PCは、ユーザによって操作されるオブジェクト(操作対象のオブジェクト)を表現する画像である。敵キャラクタ画像ECは、コンピュータまたは他のユーザによって操作されるオブジェクト(非操作対象のオブジェクト)を表現する画像である。ただし、ゲーム画面GSは、一例に過ぎず、敵キャラクタ画像ECは省略されてもよい。
【0049】
図4に示すように、ゲーム画面GS内の下部には、操作領域OAがあらかじめ設定されている。本実施形態では、操作領域OAとして、略半円状の領域(具体的には、中心Oに対して半径Rの円形領域の一部の領域)を配置する。操作領域OAが円弧状の外縁を有する場合、後述するスライド操作を全方向に行いやすいという利点がある。ただし、この例に限らず、操作領域OAとして円形状、楕円形状または多角形状の領域を配置してもよい。本実施形態の場合、操作領域OAが、携帯端末を持った手の親指が届く範囲に設けられているため、片手の親指による操作が容易である。携帯端末を片手で操作する場合、基本的には携帯端末を持った手の親指でタッチ操作を行うからである。なお、
図4では、操作領域OAに対してプレイヤキャラクタ画像PCを重ねて表示する例を示したが、操作領域OAに対してプレイヤキャラクタ画像PCを重ねずに表示する(または、僅かに重ねて表示する)ことも可能である。この場合、操作中に指でプレイヤキャラクタ画像PCが隠れてしまうことを回避できる。
【0050】
本実施形態では、操作領域OAに対してタッチ操作による入力を行い、プレイヤキャラクタ画像PCを操作する。具体的には、操作領域OAに対して行うタッチ操作の組み合わせに応じて、プレイヤキャラクタ画像PCに異なる動作を実行させる。以下、プレイヤキャラクタ画像PCに、所定の動作として狙撃動作を実行させる例について説明する。
【0051】
図5は、本発明の第1実施形態におけるゲーム画面GSにおいて長押し操作が行われた状態を示す図である。具体的には、
図5は、操作領域OAの内側(本実施形態では、プレイヤキャラクタ画像PCが位置する側)において、長押し操作による入力を行った状態を示している。操作領域OAの内側において、一点鎖線で囲んだ円で示す第1接触点CP1が長押し操作の開始点に相当する。本実施形態では、ユーザの指で長押し操作を行うことを想定しているため、第1接触点CP1は、ある範囲を占める領域として図示されている。
【0052】
本実施形態では、操作領域OAの内側においてユーザによる長押し操作による入力を取得すると、プレイヤキャラクタ画像PCに狙撃動作の準備動作を実行させる。具体的には、プレイヤキャラクタ画像PCが、手に持った銃を構える狙撃姿勢となるように表示される。本実施形態では、プレイヤキャラクタ画像PCが狙撃姿勢になった状態を「狙撃モード」と呼ぶ。すなわち、ユーザが操作領域OAの内側に対して長押し操作を行うと、プレイヤキャラクタ画像PCが狙撃モードに遷移する。
【0053】
長押し操作による入力は、例えば、第1接触点CP1にユーザの指が接触した後、指の接触を維持したまま所定時間が経過したか否かで判定することができる。つまり、第1接触点CP1への指の接触から所定時間が経過すると、プレイヤキャラクタ画像PCは、狙撃モードに遷移する。逆に、所定時間経過前に指が画面から離れた場合、プレイヤキャラクタ画像PCは、狙撃モードに遷移しない。
【0054】
本実施形態では、画面に対する指の接触をタッチ操作として扱う例を示すが、この例に限られるものではない。例えば、画面と指との間の距離が所定距離以下となったときにタッチ操作がなされたと判定することも可能である。この場合、画面と指との間の距離が、前述の所定距離を超えたときに指が画面から離れたと判定してもよい。
【0055】
図6は、本発明の第1実施形態におけるゲーム画面GSにおいて長押し操作を維持したままスライド操作が行われている状態を示す図である。具体的には、
図6は、プレイヤキャラクタ画像PCが、敵キャラクタ画像ECに対して銃の照準を合わせている様子を示している。本実施形態では、長押し操作から連続的に行われるスライド操作(方向入力操作)によって、狙撃姿勢を維持したまま照準を変更することができる。
【0056】
図6では、第1接触点CP1で長押し操作を開始した後、任意の位置にある接触点CPに向かってスライド操作を行っている様子を示している。本実施形態では、長押し操作を行った後、任意の方向に向かってスライド操作を行うことによりプレイヤキャラクタ画像PCによる狙撃動作の実行される方向が移動する。このとき、スライド操作が操作領域OAの内側と操作領域OAの外側とに跨る場合においても、狙撃姿勢を維持したまま狙撃動作が実行される方向を移動させることができる。
【0057】
このように、本実施形態において、スライド操作は、第1接触点CP1(長押し操作の開始点)から任意の方向に位置するとともに任意の距離で離間した第2接触点CP2(長押し操作の解除点)まで行うことができる。すなわち、狙撃動作の方向の決定に関して、スライド操作の方向及びスライド操作の距離(指をスライドさせる長さ)に制限はなく、狙撃姿勢を維持した状態で自由に銃の照準を移動させることが可能である。
【0058】
図7は、本発明の第1実施形態におけるゲーム画面GSにおいて操作領域OAの内側で長押し操作が解除された状態を示す図である。具体的には、
図7では、第1接触点CP1で長押し操作が開始された後、スライド操作により、ユーザの指が操作領域0Aの内側に位置する第2接触点CP2まで移動し、第2接触点CP2で指がゲーム画面GSから離れた様子を示している。
図7に示すように、第1接触点CP1及び第2接触点CP2が操作領域OAの内側である場合、プレイヤキャラクタ画像PCは、敵キャラクタ画像ECに向かって狙撃動作を実行する。
【0059】
本実施形態では、プレイヤキャラクタ画像PCによる狙撃動作が、長押し操作の開始及び解除で構成される一連の操作に割り当てられている。したがって、長押し操作が開始された後、長押し操作の解除、すなわち、ユーザの指がゲーム画面GSから離れたことをトリガとしてプレイヤキャラクタ画像PCによる狙撃動作が実行される。「長押し操作の開始及び解除で構成される一連の操作」には、長押し操作の開始と長押し操作の解除との間にスライド操作が行われる場合も含まれる。そのため、
図5~
図7に示すように、プレイヤキャラクタ画像PCは、長押し操作の開始により狙撃モードに遷移し、スライド操作に応じて狙撃動作の方向を決定し、長押し操作の解除により狙撃動作を実行する。
【0060】
以上のとおり、本実施形態では、長押し操作の開始をトリガとして、プレイヤキャラクタ画像PCが狙撃動作の準備動作を実行し、長押し操作の解除をトリガとして、狙撃動作が実行される。このとき、例えば、長押し操作を開始した後、敵キャラクタ画像ECがいなくなったときなど、狙撃動作を実行することなく別の動作をプレイヤキャラクタ画像PCに実行させたい場合がある。このような場合に対応して、本実施形態では、狙撃動作を実行することなく、狙撃モードをキャンセルすることが可能である。
【0061】
図8は、本発明の第1実施形態におけるゲーム画面GSにおいて操作領域OAの外側で長押し操作が解除された状態を示す図である。具体的には、
図8では、第1接触点CP1で長押し操作が開始された後、スライド操作により、ユーザの指が操作領域OAの外側に位置する第2接触点CP2まで移動し、第2接触点CP2で指が画面から離れた様子を示している。
図8に示すように、第2接触点CP2が操作領域OAの外側にある場合、プレイヤキャラクタ画像PCは、敵キャラクタ画像ECに対する狙撃動作を実行することなく、狙撃モードをキャンセルする(狙撃姿勢を解除する)。本実施形態の場合、操作領域OAの外縁(内側と外側との境界)が円弧状であるため、スライド操作の延長線上でキャンセル操作ができるという利点がある。
【0062】
[狙撃動作に関する処理の説明]
図9は、本発明の第1実施形態において狙撃動作に関する処理を説明するためのフローチャート図である。本実施形態では、
図9に示す各ステップの処理をサーバ200の制御部21が実行する例を示す。すなわち、制御部21が、記憶部22に記憶されたゲームプログラムを読み出して実行することにより、
図9に示す各処理が実現される。
【0063】
ゲームプログラムが実行されると、制御部21は、通信装置100の表示部13に表示されたゲーム画面GSの操作領域OAに対し、長押し操作がなされたか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、制御部21は、通信装置100から長押し操作による入力を示す信号(以下、「長押し操作信号」という)を受信したとき、長押し操作信号に含まれる第1接触点CP1の座標情報が操作領域OAの内側にあれば、操作領域OAの内側で行われた長押し操作による入力を取得したと判定する。
【0064】
ステップS101の判定結果がYESの場合、制御部21は、狙撃動作の準備動作をプレイヤキャラクタ画像PCに実行させるための指示データを、通信装置100に対して送信する(ステップS102)。通信装置100の制御部11は、受信した指示データに基づいてプレイヤキャラクタ画像PCの表示データを生成する。その後、制御部11は、例えば
図5に示すように、生成した表示データに基づいて、狙撃姿勢のプレイヤキャラクタ画像PCを表示部13に表示する。ステップS101の判定結果がNOの場合、制御部21は、再びステップS101に戻る。
【0065】
次に、制御部21は、ゲーム画面GSに対し、スライド操作がなされたか否かを判定する(ステップS103)。具体的には、制御部21は、通信装置100からスライド操作(具体的には、接触点CPの移動)による入力を示す信号(以下、「スライド操作信号」という)を受信したとき、スライド操作による入力を取得したと判定する。
【0066】
ステップS103の判定結果がYESの場合、制御部21は、銃の照準を合わせる動作をプレイヤキャラクタ画像PCに実行させるための指示データを、通信装置100に対して送信する(ステップS104)。通信装置100の制御部11は、受信した指示データに基づいて、例えば
図6に示すように、敵キャラクタ画像ECに対して銃の照準を合わせる動作を行うプレイヤキャラクタ画像PCを表示部13に表示する。ステップS103の判定結果がNOの場合、制御部21は、ステップS104を経由せずにステップS105に進む。
【0067】
次に、制御部21は、長押し操作が解除されたか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、制御部21は、通信装置100から長押し操作が解除されたことを示す信号(以下、「長押し解除信号」という)を受信したとき、長押し操作の解除による入力を取得したと判定する。
【0068】
ステップS105の判定結果がYESの場合、制御部21は、長押し操作の解除が操作領域OAの内側で行われたか否かを判定する(ステップS106)。ステップS105の判定結果がNOの場合、制御部21は、再びステップS103に戻る。
【0069】
ステップS106において、制御部21は、長押し解除信号に含まれる第2接触点CP2の座標情報が操作領域OAの内側にあれば、操作領域OAの内側で長押し操作の解除が行われたと判定する。他方、制御部21は、長押し解除信号に含まれる第2接触点CP2の座標情報が操作領域OAの外側にあれば、操作領域OAの外側で長押し操作の解除が行われたと判定する。
【0070】
ステップS106の判定結果がYESの場合、制御部21は、狙撃動作をプレイヤキャラクタ画像PCに実行させるための指示データを、通信装置100に対して送信する(ステップS107)。通信装置100の制御部11は、受信した指示データに基づいて、例えば
図7に示すように、敵キャラクタ画像ECを狙撃するプレイヤキャラクタ画像PCを表示部13に表示する。
【0071】
これに対し、ステップS106の判定結果がNOの場合、すなわち、操作領域OAの外側で長押し操作の解除が行われた場合、制御部21は、プレイヤキャラクタ画像PCの狙撃姿勢を解除するための指示データを、通信装置100に対して送信する(ステップS108)。通信装置100の制御部11は、受信した指示データに基づいて、例えば
図8に示すように、プレイヤキャラクタ画像PCの狙撃姿勢を解除する。つまり、操作領域OAの外側で長押し操作の解除が行われた場合、プレイヤキャラクタ画像PCによる狙撃動作は実行されず、狙撃モードがキャンセルされる。
【0072】
以上説明したように、本実施形態では、いったん操作領域OAの内側で長押し操作を開始しても、長押し操作の解除を操作領域OAの外側で行うことにより、狙撃動作の実行を行うことなく、狙撃モードをキャンセルすることが可能である。したがって、プレイヤキャラクタ画像PCが狙撃モードに遷移した後に、別の動作を実行する必要性が生じた場合、無駄な狙撃動作を行うことなく、別の動作を実行することができる。
【0073】
(変形例1)
本実施形態において、「長押しの開始及び解除で構成される一例の操作」には、「狙撃動作」のほか、「チャージ攻撃動作」が含まれてもよい。例えば、プレイヤキャラクタ画像PCは、長押し操作の開始によりチャージ動作(エネルギーを貯めるような動作)を行い、スライド操作によりチャージ攻撃を行う方向を決定し、長押し操作の解除によりチャージ攻撃動作を実行してもよい。この場合、長押し操作の解除が、操作領域OAの外側で行われると、プレイヤキャラクタ画像PCは、チャージ攻撃動作を行うことなくチャージ動作が解除され、通常の状態に戻る。
【0074】
(変形例2)
本実施形態において、ゲーム画面GSに対してユーザの指が接触した接触点TP(第1接触点CP1及び第2接触点CP2を含む)の周囲に、長押し操作が行われていることを視覚的に示す識別画像が表示されてもよい。識別画像は、例えば、波紋のように広がる複数の輪を表現する画像であってもよい。また、例えば、プレイヤキャラクタ画像PCの周囲にエフェクト画像を表示して、エネルギーが集中しているような視覚的効果を与えてもよい。これにより、ユーザは、長押し操作による入力が継続していることを直感的に認識することができる。
【0075】
(変形例3)
本実施形態では、スライド操作が行われる方向に応じて、狙撃動作が実行される方向(つまり、銃から発射される弾丸が飛ぶ方向)が決定される例を示した。しかしながら、これに加えて、スライド操作が行われる距離に応じて、狙撃動作の効果を変化させることも可能である。例えば、狙撃動作の効果(例えば、弾丸が当たったときに敵キャラクタに与えるダメージの量、又は、弾丸の飛距離)をスライド操作の距離が長いほど増加させてもよい。また、変形例1のように、長押し操作によってチャージ攻撃を行う場合、スライド操作の距離が長いほど、チャージ攻撃の威力を大きくしてもよい。
【0076】
(変形例4)
本実施形態では、操作領域OAがゲーム画面GSの下部にあらかじめ設定されている例を示したが、この例に限られるものではない。例えば、操作領域OAは、長押し操作による入力が取得されたことをトリガとして、第1接触点CP1を基準として設定されてもよい。例えば、長押し操作による入力が取得された場合に、操作領域OAとして、第1接触点CP1を中心とする円形領域、円形領域の一部の領域、楕円形領域、又は、多角形状の領域が設定されてもよい。さらに、操作領域OAの大きさは、一定である場合に限らず、時間的に変化してもよい。例えば、操作領域OAは、長押し操作の継続時間に応じて径の長さが変化してもよい。具体的には、操作領域OAは、長押し操作の継続時間が長くなると、径が大きくなってもよいし、逆に、長押し操作の継続時間が長くなると、径が小さくなってもよい。
【0077】
本実施形態の場合、操作領域OAは、第1接触点CP1を中心として点対称の領域であるか、又は、第1接触点CP1を通りゲーム画面GSの長手方向または短手方向に平行な線分を中心として線対称の領域であることが好ましい。操作領域OAが対称性を有すると、前後左右のいずれの方向に向かってスライド操作を行っても同じ距離に操作領域OAの外縁が位置するため、操作性が向上する。
【0078】
(変形例5)
本実施形態では、
図5に示すように、制御部21が、ステップS105で長押し操作の解除の有無を判定した後、ステップS106で長押し操作の解除が操作領域OAの内側か否かを判定する例を示した。しかしながら、本実施形態は、この例に限らず、制御部21が、接触点CPが操作領域OAの内側にあるか否かを常時監視することも可能である。
【0079】
例えば、制御部21は、
図5に示したステップS104とステップS105との間において、接触点CPが操作領域OAの内側にあるか否かを判定する。このときの判定結果は、記憶部22にフラグとして記憶される。その後、制御部21は、ステップS105で長押し操作が解除されたか否かを判定する。ステップS105の判定結果がYESの場合、制御部21は、上述した記憶部22のフラグを読み出す。このとき、接触点CPが操作領域OAの内側であれば、ステップS107に進み、外側であれば、ステップS108に進む。
【0080】
<第2実施形態>
本実施形態では、第1実施形態とは異なる態様でスライド操作に伴う動作を実行する例について説明する。なお、本実施形態の説明に用いる図面において、第1実施形態と同じ要素については同じ符号を用いて説明を省略する。
【0081】
第1実施形態では、プレイヤキャラクタ画像PCが狙撃モードに遷移した後、スライド操作により銃の照準を合わせる動作(狙撃動作の準備動作)を行う例を示した。これに対し、本実施形態では、プレイヤキャラクタ画像PCが狙撃モードに遷移した後、スライド操作によりプレイヤキャラクタ画像PCが移動する。具体的には、スライド操作の方向及び距離に応じて、プレイヤキャラクタ画像PCの位置を移動させる。
【0082】
図10は、本発明の第2実施形態におけるゲーム画面GSにおいて長押し操作を維持したままスライド操作が行われている状態を示す図である。
図10では、スライド操作が第1接触点CP1から接触点CPまで行われた例を示している。本実施形態では、このスライド操作により、プレイヤキャラクタ画像PCが、狙撃姿勢を維持したまま敵キャラクタ画像ECに向かって移動する。
図5に示した状態がスライド操作前の状態であり、
図10に示した状態がスライド操作後の状態である。ここでは、プレイヤキャラクタ画像PCが敵キャラクタ画像ECに近づく方向に移動する例を示したが、これに限らず、左右方向に移動することも可能である。
【0083】
本実施形態では、スライド操作により、プレイヤキャラクタ画像PCが、敵キャラクタ画像ECに向かって移動しながら照準を敵キャラクタ画像ECに合わせる例を示したが、この例に限られない。例えば、長押し操作に応じてプレイヤキャラクタ画像PCが狙撃姿勢になった段階で自動的に敵キャラクタ画像ECに銃の照準を合わせてもよい。この場合、スライド操作により、プレイヤキャラクタ画像PCは、銃の照準(または体の向き)を常に敵キャラクタ画像ECに向けたまま自由に移動する。例えば、プレイヤキャラクタ画像PCを左右方向に移動させた場合、プレイヤキャラクタ画像PCは、銃の照準を敵キャラクタ画像ECに向けたまま、敵キャラクタ画像ECを中心とした円弧上を移動する。
【0084】
<第3実施形態>
第1実施形態では、長押し操作を解除する第2接触点CP2が操作領域OAの外側にある場合に、プレイヤキャラクタ画像PCが、狙撃動作を実行することなく、狙撃モードをキャンセルすることを説明した。タッチパネルを操作する場合、触覚で接触点(タッチ位置)を判断することができない。そのため、目視だけではスライド操作中の接触点CPが操作領域OAの内側にあるのか外側にあるのかの判断が難しい場合がある。
【0085】
本実施形態では、プレイヤキャラクタ画像PCが狙撃モードになっている場合(すなわち、長押し操作が行われている場合)に、ユーザの指の接触点CPが操作領域OAの内側にあるか否かを報知する例について説明する。なお、本実施形態の説明に用いる図面において、第1実施形態と同じ要素については同じ符号を用いて説明を省略する。
【0086】
図11は、本発明の第3実施形態におけるゲーム画面GSにおいて長押し操作を維持したまま操作領域OAの内側でスライド操作が行われている状態を示す図である。本実施形態では、長押し操作に応じてプレイヤキャラクタ画像PCが準備動作に移行すると、ゲーム画面GSが、
図4等に示した俯瞰画面(プレイヤキャラクタ画像PCの背後から見た状況を表現する画面)からスコープ画面(銃のスコープを覗いたような状況を表現する画面)に変化する。スコープ画面では、長押し操作を維持したままスライド操作を行うと、スコープ画面の内容(具体的には、後述する照準領域SRの仮想空間内における位置)が変化する。
【0087】
図11に示す例では、接触点CPが操作領域OAの内側にあるため、このタイミングでゲーム画面GSから指を離せばプレイヤキャラクタ画像PCが狙撃動作を実行する。したがって、
図11に示す例では、照準領域SR(銃の照準を合わせた領域)の内側に「Aim」の文字を表示して、狙撃動作への移行が可能であることを示している。照準領域SRは、ユーザの視線が向きやすいため、照準領域SRの内側に「Aim」の文字を表示することにより、ユーザの視線移動の回数を減らすことができる。狙撃動作が実行されると、ゲーム画面GSは、再び俯瞰画面に戻される。
【0088】
図12は、本発明の第3実施形態におけるゲーム画面GSにおいて長押し操作を維持したまま操作領域OAの外側でスライド操作が行われている状態を示す図である。
図12に示す例では、接触点CPが操作領域OAの外側にあるため、このタイミングでゲーム画面GSから指を離せばプレイヤキャラクタ画像PCは、狙撃動作を実行することなく、狙撃モードをキャンセルする。したがって、
図12に示す例では、照準領域SRの内側に「Aim」の文字を表示せず、狙撃動作への移行が不可能であることを示している。狙撃モードがキャンセルされると、ゲーム画面GSは、再び俯瞰画面に戻される。なお、
図12に示す状態において、スライド操作により接触点CPが操作領域OAの内側に戻ると、照準領域SRの内側には再び「Aim」の文字が表示される。
【0089】
以上のように、
図11及び
図12に示すでは、「Aim」の文字が、スライド操作による入力が操作領域OAの内側にあるか否かを報知する識別表示として機能する。本実施形態では、プレイヤキャラクタ画像PCが狙撃モードのとき、接触点CPが操作領域OAの内側にある場合は、識別表示を継続する。したがって、ユーザは、目視で識別表示を認識することにより、スライド操作中の接触点CPが操作領域OAの内側にあるのか外側にあるのかを判断することができる。
【0090】
図11及び
図12では、照準領域SRの内側に、スライド操作による入力が操作領域OAの内側にあるか否か(すなわち、接触点CPが操作領域OAの内側にあるか外側にあるか)を報知する識別表示を行う例を示したが、この例に限らず、ゲーム画面GSの任意の位置に識別表示を行ってもよい。特に、ゲーム画面GS内においてユーザの視線が向きやすい位置(例えば、敵キャラクタ画像ECの近傍等)に識別表示を行うと、ユーザの視線移動の回数を減らすことができるため好ましい。また、識別表示は、文字を表示する態様に限らず、敵キャラクタ画像ECを点滅させたり、照準領域SRの表示色を変更したりするなど、ユーザが認識しやすい様々な態様で行うことができる。さらに、接触点CPが操作領域OAの内側にあるか外側にあるかの報知は、「Aim」の文字の表示/非表示を切り替える例に限らず、「Aim In」又は「Aim Out」などの異なる表示を用いて行ってもよい。
【0091】
また、スライド操作による入力が操作領域OAの内側にあるか否かを報知する手段は、ゲーム画面GSに識別表示を行う態様に限られない。例えば、プレイヤキャラクタ画像PCが狙撃モードのとき、接触点CPが操作領域OAの内側にある場合は、通信装置100の報知部20の機能(具体的には、バイブレータ機能)を利用して筐体を振動させてもよい。また、通信装置100の音入出力部19の機能(具体的には、スピーカ機能)を利用して音により操作領域OAの内側にあること(又は、操作領域OAの外側にあること)を報知してもよい。
【0092】
以上のように、本実施形態では、視覚的手段、聴覚的手段、又は、触覚的手段により、スライド操作による入力が操作領域OAの内側にあるか否かを報知することが可能である。これにより、ユーザは、スライド操作中の接触点CPが操作領域OAの内側にあるのか外側にあるのかを容易に判断することができる。
【0093】
<第4実施形態>
第1実施形態から第3実施形態では、ゲーム処理において、操作対象のオブジェクトが実行する動作の処理をサーバ200が行う例について説明した。しかしながら、この例に限られず、オブジェクトの動作を実行する処理は、通信装置100の制御部11が実行してもよい。この場合、ユーザによる操作入力の取得と操作対象のオブジェクトが実行する動作の実行とを通信装置100の制御部11が担い、その他の他のユーザとの同期処理等をサーバ200が担う構成とすればよい。
【0094】
また、他の例として、オブジェクトが実行する動作の実行処理を通信装置100およびサーバ200の間の分散処理として実行することも可能である。
【0095】
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は前述の各実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、各実施形態(変形例を含む)を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、前述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
【0096】
前述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0097】
100…通信装置、11…制御部、12…記憶部、13…表示部、14…操作部、15…センサ部、16…撮像部、17…位置検出部、18…通信部、19…音入出力部、20…報知部、200…サーバ、21…制御部、22…記憶部、23…通信部、30…識別画像、40…動作テーブル、41、42…項目、41a~41c…エントリ、1000…通信システム、NW…ネットワーク、GS…ゲーム画面、BG…背景画像、PC…プレイヤキャラクタ画像、EC…敵キャラクタ画像、OA…操作領域、CP…接触点