(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】クッキー型
(51)【国際特許分類】
A21C 11/02 20060101AFI20230202BHJP
A47J 43/20 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
A21C11/02 B
A47J43/20
(21)【出願番号】P 2020206370
(22)【出願日】2020-12-11
【審査請求日】2022-06-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520492879
【氏名又は名称】八代 敏
(74)【代理人】
【識別番号】100121337
【氏名又は名称】藤河 恒生
(72)【発明者】
【氏名】八代 敏
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-201482(JP,U)
【文献】実開昭53-122398(JP,U)
【文献】実開昭51-106298(JP,U)
【文献】実開昭49-000197(JP,U)
【文献】米国特許第07677879(US,B1)
【文献】特開2001-292690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21C 1/00-15/04
A47J 42/00-44/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッキー生地を所定形状に切る筒状の輪郭部を備え、
該輪郭部の底面は、側面視において最初に前記クッキー生地に押し当て得る一方側の端部から最後に前記クッキー生地から離し得る他方側の端部まで第1の凸曲線を形成しており、
前記輪郭部の側面には、前記底面の前記一方側の端部を示す目印が設けられているクッキー型。
【請求項2】
クッキー生地を所定形状に切る筒状の輪郭部を備え、
該輪郭部の底面は、側面視において最初に前記クッキー生地に押し当て得る一方側の端部から最後に前記クッキー生地から離し得る他方側の端部まで第1の凸曲線を形成しており、
前記クッキー生地の上面に模様を付け得る模様部を前記輪郭部の内方に更に備え、
該模様部の底面は、側面視において前記一方側の端部から前記他方側の端部まで第2の凸曲線を形成しているクッキー型。
【請求項3】
請求項
2に記載のクッキー型において、
前記第2の凸曲線は、曲率が一定であるクッキー型。
【請求項4】
クッキー生地を所定形状に切る筒状の輪郭部を備え、
該輪郭部の底面は、側面視において最初に前記クッキー生地に押し当て得る一方側の端部から最後に前記クッキー生地から離し得る他方側の端部まで第1の凸曲線を形成しており、
人が掴むための掴み部分を有する操作部を前記輪郭部の内方に更に備えているクッキー型。
【請求項5】
請求項1
~4のいずれか1項に記載のクッキー型において、
前記第1の凸曲線は、曲率が一定であるクッキー型。
【請求項6】
請求項1
~4のいずれか1項に記載のクッキー型において、
前記輪郭部は、円筒状であるクッキー型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クッキーを作る際に用いられるクッキー型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、クッキーを作る際に平面状に広げたクッキー生地を所定形状に切るクッキー型が用いられている。クッキー型の多くは、例えば特許文献1に示すように、平面状に広がったクッキー生地に押圧されることにより、その輪郭部がクッキー生地を所定形状に切って抜き取ることができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のクッキー型は、通常、所定形状に切ったクッキー生地から外すときにクッキー生地の張り付きによりクッキー生地の形状が崩れ易い。
【0005】
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、クッキー生地を所定形状に切り、かつ、形状を崩すことなくクッキー生地から外れ易いクッキー型を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のクッキー型は、クッキー生地を所定形状に切る筒状の輪郭部を備え、該輪郭部の底面は、側面視において最初に前記クッキー生地に押し当て得る一方側の端部から最後に前記クッキー生地から離し得る他方側の端部まで第1の凸曲線を形成しており、前記輪郭部の側面には、前記底面の前記一方側の端部を示す目印が設けられている。
【0007】
請求項2に記載のクッキー型は、クッキー生地を所定形状に切る筒状の輪郭部を備え、該輪郭部の底面は、側面視において最初に前記クッキー生地に押し当て得る一方側の端部から最後に前記クッキー生地から離し得る他方側の端部まで第1の凸曲線を形成しており、前記クッキー生地の上面に模様を付け得る模様部を前記輪郭部の内方に更に備え、該模様部の底面は、側面視において前記一方側の端部から前記他方側の端部まで第2の凸曲線を形成している。
【0008】
請求項3に記載のクッキー型は、請求項2に記載のクッキー型において、前記第2の凸曲線は、曲率が一定である。
【0009】
請求項4に記載のクッキー型は、クッキー生地を所定形状に切る筒状の輪郭部を備え、該輪郭部の底面は、側面視において最初に前記クッキー生地に押し当て得る一方側の端部から最後に前記クッキー生地から離し得る他方側の端部まで第1の凸曲線を形成しており、人が掴むための掴み部分を有する操作部を前記輪郭部の内方に更に備えている。
【0010】
請求項5に記載のクッキー型は、請求項1~4のいずれか1項に記載のクッキー型において、前記第1の凸曲線は、曲率が一定である。
【0011】
請求項6に記載のクッキー型は、請求項1~4のいずれか1項に記載のクッキー型において、前記輪郭部は、円筒状である。
【発明の効果】
【0012】
本発明のクッキー型によれば、クッキー生地を所定形状に切り、かつ、形状を崩すことなくクッキー生地から外れ易い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】本発明の実施形態に係るクッキー型を示す側面図である。
【
図2A】
図1Aに示したクッキー型を最初にクッキー生地に押し当てたときの例を示す側面図である。
【
図2B】
図2Aに示した状態に続いてクッキー型をクッキー生地に押し当てたまま回転させたときの例を示す側面図である。
【
図2C】
図2Bに示した状態に続いてクッキー型をクッキー生地に押し当てたまま回転させ最後にクッキー型をクッキー生地から離すときの例を示す側面図である。
【
図3A】本発明の実施形態に係る別のクッキー型を示す側面図である。
【
図4A】本発明の実施形態に係る別のクッキー型を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を実施するための形態を説明する。本発明の実施形態に係るクッキー型1は、
図1A~
図1Cに示すように、クッキー生地CDを所定形状に切る輪郭部2を備えている。
【0015】
輪郭部2は、筒状であって、特に具体的な形状が限定されるようなものではないが、例えば、円筒状が可能である(
図1A~
図1C参照)。
【0016】
輪郭部2の底面2aは、側面視において最初にクッキー生地CDに押し当て得る一方側の端部2aaから最後にクッキー生地CDから離し得る他方側の端部2abまで第1の凸曲線を形成している(
図1A参照)。なお、
図1Aで現れる底面2aの形状と
図1Cで現れる底面2aの形状とは同じになっている。なお、輪郭部2の底面2aの各部分は、外方から内方に向かって(外方から筒状の中心部に向かって)に丸みを持たせることもできる。
【0017】
底面2aは、クッキー型1を人の手により自然に動かすには、一方側の端部2aaから他方側の端部2abまで第1の凸曲線の曲率が一定であるのが好ましい。
【0018】
また、クッキー型1は、輪郭部2の側面2bに、底面2aの一方側の端部2aaを示す突起又は溝などの目印2baが設けられるようにすることができる。そうすると、どこを最初にクッキー生地CDに押し当てればよいのかが分かり易く、また、どの方向に回転させればよいのかが分かり易くなる。なお、目印2baは、必要なければ省略することも可能である。また、底面2aと反対側(つまり、上端側)は人の手で押され易いような形状(例えば、図に示すように外方に膨らませた形状など)にするのが好ましい。輪郭部2は、材料が特に限定されることはないが、例えば、プラスチック材、金属材などが可能である。
【0019】
このようなクッキー型1は、
図2A~
図2Cに示すように、底面2aの一方側の端部2aaを最初にクッキー生地CDに押し当て、押し当てたままクッキー型1を回転させて底面2aのクッキー生地CDに接する箇所を他方側の端部2abまで変え、最後に他方側の端部2abをクッキー生地CDから離すようにすることができる。なお、
図2A~
図2Cにおいては、クッキー生地CDは、理解し易いように灰色を施している。
【0020】
そうすると、クッキー生地CDを所定形状に切ることができる。また、クッキー型1のクッキー生地CDに接する部分は小さい面積で済むので、クッキー型1は、クッキー生地CDに押し当てたまま回転させると順次、クッキー生地CDの形状を崩すことなくクッキー生地CDから外れ易くなる。
【0021】
次に、本発明の実施形態に係る別のクッキー型1’について説明する。クッキー型1’は、
図3A~
図3Cに示すように、クッキー型1と同様に輪郭部2を備えている他、クッキー生地CDの上面に模様を付け得る模様部3を更に備えている。
【0022】
模様部3は、輪郭部2の内方に設けられている。また、模様部3の底面3aは、側面視において一方側の端部3aaから他方側の端部3abまで第2の凸曲線(詳細には、その一部又は全部)を形成している(
図3C参照)。ここでの側面視とは、クッキー型1’の側面を輪郭部2を透過して見たときの側面視を意味する。また、模様部3の底面3aは、それがクッキー生地CDに対向したとき、クッキー生地CDの上面に模様を付け得るように、輪郭部2の底面2aよりも上方の位置となる。なお、
図3C中、第2の凸曲線において底面3aが途切れている部分は破線で示している。
【0023】
模様部3は、模様の深さを均一にし易くするためには、一方側の端部3aaから他方側の端部3abまで第2の凸曲線の曲率が一定であるのが好ましい。
【0024】
模様部3は、クッキー生地CDの上面に付ける模様に応じた形状(例えば、
図3A~
図3Cにおいては、両目の部分31、31、鼻の部分32、口の部分33が設けられた形状)である。また、模様部3は、底面3aから離れて、輪郭部2に固定されるための固定部分34を有している。模様部3は、輪郭部2と一体的な形成により固定されるようにしたり、ネジなどで輪郭部2に固定されるようにしたりすることができる。模様部3は、材料が特に限定されることはないが、例えば、プラスチック材、金属材などが可能である。
【0025】
このようなクッキー型1’は、
図2A~
図2Cに示したのと同様にしてクッキー型1’を回転させると、クッキー生地CDを所定形状に切ってクッキー型1と同様な効果を得ることができるとともに、模様部3の底面3aがクッキー生地CDの上面に模様を付けることができる。
【0026】
クッキー型1’の模様部3の底面3aのクッキー生地CDに接する部分は小さい面積であるので、クッキー型1’は、クッキー生地CDに押し当てたまま回転させると順次、クッキー生地CDの上面の形状を崩すことなくクッキー生地CDから外れ易くなる。
【0027】
次に、本発明の実施形態に係る更に別のクッキー型1’’について説明する。クッキー型1’’は、
図4A~
図4Cに示すように、クッキー型1と同様に輪郭部2を備えている他、人がクッキー型1’’を動かすための操作部4を更に備えている。
【0028】
操作部4は、輪郭部2の内方に設けられている。操作部4は、人が掴むための掴み部分41を有している。また、操作部4は、輪郭部2に固定されるための固定部分42を有している。固定部分42は、輪郭部2の底面2aから離れた位置で輪郭部2に固定されている。固定部分42は、輪郭部2と一体的な形成により固定されるようにしたり、ネジなどで輪郭部2に固定されるようにしたりすることができる。
【0029】
掴み部分41と固定部分42は、図に示すように別部材(例えば、掴み部分41を木材、固定部分42をプラスチック材や金属材など)としネジ部4aなどを設けて留めるようにすることができるし、また、一体的に形成されるようにしてもよい。
【0030】
このようなクッキー型1’’は、
図2A~
図2Cに示したのと同様にしてクッキー型’’を回転させてクッキー生地CDを所定形状に切ってクッキー型1と同様な効果を得ることができ、また、回転させるときに人の手がクッキー生地CDに不意に触れる可能性を極めて少なくすることができる。
【0031】
なお、クッキー型1’’は、クッキー型1’と同様に模様部3を備えることができることは勿論である。この場合、輪郭部2に固定されるための固定部分34は、固定部分42と共通にすることができる。
【0032】
以上、本発明の実施形態であるクッキー型について説明したが、本発明は、実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0033】
1、1’、1’’ クッキー型
2 輪郭部
2a 輪郭部の底面
2aa 輪郭部の底面の一方側の端部
2ab 輪郭部の底面の他方側の端部
2b 輪郭部の側面
2ba 目印
3 模様部
3a 模様部の底面
3aa 模様部の底面の一方側の端部
3ab 模様部の底面の他方側の端部
31 模様部の目の部分
32 模様部の鼻の部分
33 模様部の口の部分
34 模様部の固定部分
4 操作部
4a ネジ部
41 操作部の掴み部分
42 操作部の固定部分
CD クッキー生地