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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】離脱式ステント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/89 20130101AFI20230202BHJP
【FI】
A61F2/89
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2020507633
(86)(22)【出願日】2018-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-22
(86)【国際出願番号】 US2018046561
(87)【国際公開番号】W WO2019033121
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-08-13
(31)【優先権主張番号】62/544,682
(32)【優先日】2017-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/558,273
(32)【優先日】2017-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/577,624
(32)【優先日】2017-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/622,741
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/921,508
(32)【優先日】2018-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/039,194
(32)【優先日】2018-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507331221
【氏名又は名称】エリクシアー メディカル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】サーハン, モタシム
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】バート, ビナヤク
(72)【発明者】
【氏名】パラスチャク, ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】クライヤー, ブレット
(72)【発明者】
【氏名】セルナ, ベンジャミン
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/193449(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/045101(WO,A1)
【文献】特開2009-82245(JP,A)
【文献】特開2005-334632(JP,A)
【文献】特開2003-47662(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10103000(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管腔内補綴具であって、
前記管腔内補綴具は、非分解性材料からパターン化されている複数の円周方向リングを有する足場を備え、前記足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成されており、
少なくともいくつかの隣接する円周方向リングは、円周方向に分離可能であり、前記少なくともいくつかの隣接する円周方向リングは、生理学的環境内の前記足場を拡張した後に、円周方向に開放するように構成されており、前記少なくともいくつかの隣接する円周方向リングは、円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合されており、
前記円周方向に分離可能な軸方向リンクは、軸方向継合線に沿って、1つ以上の対応する屈曲、曲線、直線状面積、角度、または、それらの任意の組み合わせをそれぞれ有する2つの区画に分割され、前記区画は、ともに保持されて、前記足場の拡張中前記区画の分離を阻止するように構成されているが、前記区画は、生理学的環境内の前記足場拡張した前記軸方向継合線に沿って分離し、前記分離可能な軸方向リンクによって継合されている前記少なくともいくつかの隣接する円周方向リングが円周方向に開放することを可能にするように構成されている一方で、前記少なくともいくつかの隣接する円周方向リングは、前記区画を通して軸方向に取り付けられたままであり、前記足場は、全ての分離可能な円周方向リングおよび全ての分離可能な軸方向リンクが分離された後に1つの連続的なループを形成するように構成されている、管腔内補綴具。
【請求項2】
前記足場における全ての軸方向リンクは、円周方向に分離可能である、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項3】
前記足場は、管、平坦基板、または屈曲ワイヤからパターン化されている、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項4】
前記足場は、蛇行、ジグザグ、螺旋、開放セル設計、または閉鎖セル設計を含むパターンを有する、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項5】
前記分離可能な円周方向リングおよび前記分離可能な軸方向リンクは、事前形成された切れ目または間隙を備え、前記事前形成された切れ目または間隙は、前記生理学的環境内分解する生分解性ポリマーおよび/または接着剤によって継合されている、前記生分解性ポリマーおよび/または接着剤によって被覆されている、あるいは、前記生分解性ポリマーおよび/または接着剤に埋め込まれている、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項6】
前記生分解性ポリマーおよび/または接着剤は、ポリラクチド、ポリ-L-ラクチド、ポリ-DL-ラクチド、ポリラクチド-co-グリコリド、ポリ(L-乳酸-co-グリコリド)、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリ(L-ラクチド-co-イプシロン-カプロラクトン)、ポリ(DL-ラクチド-co-グリコリド)、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリ(D-ラクチド)、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、またはシアノアクリレートを含む、請求項5に記載の管腔内補綴具。
【請求項7】
前記少なくともいくつかの隣接する円周方向リングは、円周方向に分離可能な軸方向リンクによってそれぞれ継合されている2つ以上の場所において、円周方向に分離可能である、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項8】
前記少なくとも2つの隣接する円周方向リングおよび前記少なくとも1つの分離可能な軸方向リンクは、生理学的環境内の展開構成への拡張の後まで、幾何学形状によって、または、分解性ポリマーまたは接着剤を用いて、ともに保持されている、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項9】
前記幾何学形状は、拡張中に前記少なくとも1つの軸方向リンクおよび前記円周方向リングを係止し、生理学的環境内の前記展開構成への拡張の後、前記少なくとも1つの軸方向リンクおよび前記円周方向リングを係止解除する、請求項8に記載の管腔内補綴具。
【請求項10】
前記係止解除することは、前記軸方向リンクの変形を含む、請求項9に記載の管腔内補綴具。
【請求項11】
前記分離可能な軸方向リンクの前記幾何学形状は、一連の屈曲または相互係止区画を備え、前記一連の屈曲または相互係止区画は、生理学的環境内の前記展開構成への拡張の後に、分離する、請求項8に記載の管腔内補綴具。
【請求項12】
前記円周方向リングは、連続的な螺旋の足場を備え、各円周方向リングは、前記連続的な螺旋の足場の巻きを画定し、前記隣接する円周方向リングのうちのいくつかは、円周方向に分離可能であり、かつ、分離可能な軸方向リンクによって接続される、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項13】
前記非分解性材料は、金属または金属合金を含む、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項14】
前記金属または金属合金は、ステンレス鋼、コバルト合金、コバルトクロム、白金、白金イリジウム、白金クロム、白金ロジウム、またはニッケルチタンを含む、請求項13に記載の管腔内補綴具。
【請求項15】
前記足場は、少なくとも1つの薬物をさらに備える、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項16】
前記足場は、ポリマーおよび少なくとも1つの薬物をさらに備える、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項17】
前記足場は、バルーン拡張可能である、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項18】
前記足場は、束縛構成から拡張するように構成されている自己拡張型金属を備える、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項19】
前記少なくとも1つの分離可能な軸方向リンクは、1つの円周方向リング上の円周方向に分離可能なクラウンを、隣接する円周方向リング上の円周方向に分離可能なクラウンに接続する、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項20】
前記少なくとも1つの分離可能な軸方向リンクは、1つの円周方向リング上の円周方向に分離可能なクラウンを、隣接する円周方向リング上の円周方向に分離可能な支柱に接続する、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項21】
前記少なくとも1つの分離可能な軸方向リンクは、1つの円周方向リング上の円周方向に分離可能な支柱を、隣接する円周方向リング上の円周方向に分離可能な支柱に接続する、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項22】
前記補綴具は、前記補綴具が展開される血管の適応再形成を可能にする、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項23】
前記補綴具は、それが埋め込まれた生体構造に実質的に類似する複合コンプライアンスを有するように構成されている、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項24】
前記軸方向リンクは、相互係止、S字、W字、M字、V字、Z字、ω字、またはU字のうちの1つ以上のものを含む形状を有する、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項25】
前記補綴具は、円周方向リング間に2~4つの分離可能な軸方向リンクを有する、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項26】
前記補綴具は、円周方向リング間に2つまたは3つの分離可能な軸方向リンクを有する、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項27】
前記補綴具は、生理学的環境内の前記補綴具の展開の後の1つの連続的なループである、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項28】
前記足場は、シロリムス、ノボリムス、バイオリムス、エベロリムス、リダフォロリムス、テムシロリムス、またはゾタロリムスを含むm-TOR阻害剤を含む少なくとも1つの薬物をさらに備える、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【請求項29】
少なくともいくつかの分離可能な軸方向リンクは、前記足場に沿って螺旋パターンに配列されている、請求項1に記載の管腔内補綴具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2018年1月26日に出願された仮特許出願第62/622,741号(代理人整理番号32016-714-110)、2017年10月26日に出願された第62/577,624号(代理人整理番号32016-714-109)、2017年9月13日に出願された第62/558,273号(代理人整理番号32016-714.108)、および2017年8月11日に出願された第62/544,682号(代理人整理番号32016-714.107)(その全開示が参照することによって本明細書に組み込まれる)の利益を主張する。
【0002】
本願は、2018年7月18日に出願された米国特許出願第16/039,194号(代理人整理番号32016-714.303)の一部継続であり、これは、2018年3月14日に出願された米国特許出願第15/921,508号(代理人整理番号32016-714.302)の継続であり、これは、2017年5月25日に出願された、現在は米国特許第9,943,426号である、米国特許出願第15/605,601号(代理人整理番号32016-714.301)の継続であり、これは、2017年5月15日に出願されたPCT出願第PCT/US2017/032748号(代理人整理番号32016-714.601)の継続であり、これは、2017年3月31日に出願された仮特許出願第62/480,121号(代理人整理番号32016-714.106)、2016年12月6日に出願された第62/430,843号(代理人整理番号32016-714.105)、2016年11月21日に出願された第62/424,994号(代理人整理番号32016-714.104)、2016年10月28日に出願された第62/414,593号(代理人整理番号32016-714.103)、2016年8月12日に出願された第62/374,689号(代理人整理番号32016-714.102)、および第62/337,255号(代理人整理番号32016-714.101)(その全開示が参照することによって本明細書に組み込まれる)の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
バルーン血管形成術が、血管、具体的には、プラーク進行または心臓発作の結果として狭小化した血管を開放するために導入された。成功した症例では、血管は、開放したままであった、および/または経時的に積極的な再形成を呈した、ならびに/もしくは天然血管能力をある程度模倣する血管拡張能力を呈した。しかしながら、他の場合では、血管は、血管の反跳、血栓形成、または他のタイプのプラーク形態進行等の種々の原因に起因して、数日以内または数ヶ月以内に再閉塞するであろう。
【0004】
金属ステントが、反跳に対処し、経時的に開放した血管を保持するために十分な半径方向強度(破砕抵抗)を伴う、多くの場合、足場と称される構造を提供するように開発された。ステントは、ワイヤ、コイル、編組、シート、および/または管状本体から形成された。パターン化された非分解性金属管、ワイヤ、またはシートから形成されるバルーン拡張型ステントは、いくつかの以前のコイル状または編組ステントと比較すると、拡張に応じて、限定された内向き反跳、高い強度(破砕抵抗または破砕力)、および限定された軸方向短縮等の望ましい構造特性を示すため、現在最も一般的に使用されている。
【0005】
それらの成功および幅広い採用にもかかわらず、ステンレス鋼合金、白金イリジウム合金、およびコバルトクロム合金ステント等の金属ステントは、管腔または血管を拘束する、生理学的条件下で埋込後に(内向き反跳後に)さらに拡張しない、管腔または血管がさらに拡張しないように妨げ、ひいては、積極的な再形成を阻止する、および/またはそのようなステントが、血管の治癒もしくは血管の正常な機能にとって重要である治療された血管ステント区画の血管拡張または血管運動を阻止する等、ある欠点に悩まされる。本現象は、一般的に血管の「拘束」または「閉じ込め」と称される。高い半径方向強度が、埋込に応じて身体管腔を支持するため、および/またはステントの埋込に応じてそれを開放した状態で維持するために重要である、ならびに/もしくは高い強度が、管腔が埋込後により小さくならないように防止する際に重要である。形状記憶自己拡張型合金ステントが使用される、ある場合には、そのようなステントは、典型的には、材料性質に起因して、金属ステントのような高い半径方向強度(高い破砕力抵抗)を呈さない(結果として、管腔は、ある場合には、ステント上の管腔の内向きの力に起因する過剰な内向き反跳に起因して、および/またはこれらのステントのより低い半径方向強度に起因して、そのようなステントの埋込後により小さくなり、そのようなステントが管腔または罹患管腔区画の中に埋め込まれた後にさらに拡張する可能性を低くする、ならびに/もしくはそのようなステントは、ステント留置区画の血管拡張または血管運動を呈する可能性が低い)。ある場合には、形状記憶ステントは、外膜に向かって移動して管腔壁を貫通し、刺激、血管または管腔の炎症を引き起こし、ある時は、不要な負の臨床事象および/または身体管腔もしくは血管の再閉塞をもたらす。また、ステントは、典型的には、血管または管腔の中への送達に応じて、束縛具を使用して圧着構成で維持され、これは、ステントシステムの外形を大きくし、あまり送達可能ではないものにする。本タイプのステントは、通常、ある直径/構成まで拡張するように事前プログラムされ、これは、定寸をそのような事前プログラムされた直径/構成に限定させ、そのような事前プログラムされた直径を超えた拡張直径に拡張する、もしくはそれを維持する可能性を低くし、ステント定寸をより困難にする、および/またはそのようなステントは、数例を挙げると、展開後にそのような事前プログラム直径/構成を超えてさらに拡張しない。
【0006】
これらの欠点のうちのいくつかに対処するために、金属またはポリマー材料から作製された生分解性ステントまたは足場が開発された。ステントが分解または再吸収することを可能にすることによって、拘束または閉じ込め効果は、経時的に減退または減少し、足場は、最終的に経時的に消滅するであろう。しかしながら、現在の生分解性ステント、具体的には、ポリマー生分解性ステントおよび腐食性金属ステントは、ステント破砕および/または公称拡張直径を上回ってステントを過剰に拡張する限定された能力を含む、それらの独自の欠点を有する、ならびに/もしくは過剰なまたは高い初期内向き反跳を有する、および/または埋込後ならびに初期内向き反跳後に付加的内向き反跳を有する。ある場合には、それらは、展開後に種々の病変型に適応するために不十分な強度、および/または展開後に管腔もしくは血管を開放した状態で維持する限定された能力を有し得る。生分解性ステントは、典型的には、バルーン拡張型金属非分解性ステントよりも低い半径方向強度(破砕抵抗/強度)を有し、典型的には、準最適破砕強度等の機械的欠点のうちのいくつかに対処するためにかさばる太い支柱ステントを有する、または負の臨床事象を引き起こし得る太い支柱を有することは、いくつかの問題を挙げると、過剰な炎症(少なくとも部分的に材料の分解および分解材料の質に起因する)を引き起こし、および/または新内膜過形成等の過剰な過形成(少なくとも部分的に材料の分解および分解材料の質に起因する)を引き起こし得る。
【0007】
また、ポリマーおよび金属材料の組み合わせから足場を作製する試行も行われてきた。しかしながら、そのような設計は、それらの独自の欠点を示している。そのような複合設計は、効果的に管腔を開放する、もしくはステントの埋込後にそれを開放した状態で維持するために十分な初期破砕抵抗が不足し得る、またはそのような設計は、ステントを離脱させない、もしくはステント区画全体に沿ってステントを離脱させない、または血管を離脱させない、もしくは生理学的条件下でステントをさらに拡張しない、またはステントをさらに拡張しない、および/または埋込後に血管拡張剤ならびに/もしくは血管収縮剤を使用して、またはその使用後に血管が収縮することを可能にしない。代替として、いくつかの他のそのような設計は、埋込後に(該当する場合、内向き反跳後に)より大きい構成までさらに拡張することができないであろう。なおも他の設計は、血流の中へ小さい部品を離脱させる危険を冒し、潜在的に臨床事象を引き起こす、非常に多くの別個の金属または他の非分解性部品を有する。以下の例示的問題における上記で説明されるような1つまたはそれを上回る必要性、すなわち、わずかな内向き反跳を伴うステントを有する、および/またはステントの直径が埋込後ならびに初期内向き反跳後に実質的に維持される一方で、拡張後にわずかな初期内向き反跳を伴うステントを有する、および/または生理学的条件下の展開後に(該当する場合、内向き反跳後に)さらに拡張することができるように構成される非分解性ステントを有する、ならびに/もしくは事前プログラムされた温度誘起設定を伴わずに、もしくは事前プログラムされた拡張直径/構成設定を伴わずに、展開後に(該当する場合、内向き反跳後に)拡張またはさらに拡張することができるステントを有する、および/または事前プログラムされた温度を伴わずに(該当する場合、内向き反跳後に)拡張もしくはさらに拡張することができるステントを有する、および/または外膜の中へ血管もしくは管腔壁を貫通することなく、もしくは実質的に貫通することなく、生理学的条件下の展開後に(該当する場合、内向き反跳後に)さらに拡張することができるステントを有する、および/または過剰な炎症を引き起こさないステントを有する、ならびに/もしくは外膜の中への埋込後に管腔もしくは血管壁を貫通しないステントを有する、および/または任意の内向き反跳後にさらに拡張し、展開(埋込)後に、管腔もしくは血管直径をさらに拡張する、ステントを有する、および/または束縛具を伴わずに血管もしくは管腔の中への送達に応じて圧着構成で維持または実質的に維持され、任意の内向き反跳後に、展開後のより大きい構成までさらに拡張する、ステントを有する、ならびに/もしくは広範囲の直径まで展開されることができ、展開後に血管もしくは管腔を依然として離脱させるステントを有する、および/または広範囲の直径まで展開されることができ、任意の内向き反跳後に、埋込後のより大きい構成までさらに拡張するステントを有する、ならびに/もしくは任意の内向き反跳後に、埋込後の事前プログラムされた拡張直径/構成を超えてさらに拡張することができるステントを有する、および/または埋込後に血管運動、血管拡張、もしくは血管収縮を呈するステントを有する、および/または展開後に身体管腔を支持するために十分な強度を有し、わずかな内向き反跳を有し、ステントが展開後に1%もしくは1%よりも大きい半径方向歪みを呈する、ステントを有する、ならびに/もしくは初期コンプライアンスが埋込後に増加する、圧着構成から拡張構成までの拡張に応じて初期コンプライアンスを有する非分解性ステントを有する、および/または初期半径方向強度が埋込後に減少する、圧着構成から拡張構成までの拡張に応じて初期半径方向強度(破砕抵抗)を有する非分解性ステントを有する、ならびに/もしくは拡張構成が2.0mm~4.0mmに及ぶ直径を備え、ステントが初期拡張後に初期内向き反跳を呈し、初期反跳後の該ステントが初期直径を有し、該ステントが該初期内向き反跳後に該初期直径(または構成)を維持し、ステントが埋込後にステント留置区画を第2の直径まで拡張するために十分な血管拡張剤に応答し、第2の直径(または構成)が初期直径よりも大きい、圧着構成から拡張構成まで拡張することが可能なバルーン拡張型非分解性ステントを有することが、現在の非分解性ステントによって満たされていないままである。
【0008】
ステントまたは他の補綴具の実装後の血管および他の身体管腔内の特定の懸念は、血管または管腔再形成もしくは拡大の損失、または上記では血管もしくは身体管腔の「閉じ込め」または「拘束」と称される、血管またはコンプライアンスもしくは収縮性の損失である。血管コンプライアンスは、内圧、外圧、筋肉収縮、筋肉弛緩、化学変化、および同等物の変化に応答すること等の生理学的条件下の血管または身体管腔のために必要である。そのような変化は、身体管腔、および/または、例えば、身体管腔の壁内の平滑筋細胞等の筋肉を弛緩もしくは収縮させることができる、天然または人工物質の存在等の多くの発生源に起因し得る。血管または身体管腔の中のステントの埋込は、必然的に、身体管腔およびステントの全体的または「複合」コンプライアンスの低減に寄与するであろう。身体管腔の天然コンプライアンスおよびステントの付加的コンプライアンスはそれぞれ、ステントが埋め込まれていなければ必然的に身体管腔のコンプライアンス未満になるであろう、完全または全体的な「複合」コンプライアンスに寄与するであろう。したがって、身体管腔に埋め込まれた、具体的には、血管に埋め込まれたステントが、ステントの埋込の結果として自然に起こる、身体管腔コンプライアンスの低減を最小限にすることが望ましい。コンプライアンスの低減は、埋込の直後の時間周期にわたって容認可能であり得るが、具体的には、その周期中に(埋込または埋込後の初期周期に応じて)、血管(または身体管腔)の開存性を維持し、埋込後にさらなる内向き反跳を防止するために半径方向強度が所望される。そのような強度は、血管の治癒が起こり、最終的にステントの強度が不必要になる、またはあまり重要ではなくなるときに、初期周期後にあまり必要ではない、または必要ではない。そのような治癒段階中に、またはそのような治癒段階後に、血管のコンプライアンスが、埋め込まれたステントがない場合の管腔の天然コンプライアンスにおける、またはそれに接近する、またはそれにより近いレベルに戻ることが非常に望ましい。したがって、ステント足場および身体管腔の完全または複合コンプライアンスが、ステント足場がない場合の身体管腔のコンプライアンスにより近い、または接近するレベルまで増加するように、埋込後に、血管または他の管腔環境に応答して経時的に増加するコンプライアンスを示す、ステント、ステント足場、および他の管腔補綴具を提供することが、本発明の目的である。
【0009】
コンプライアンスの損失もまた、心臓弁輪に埋め込まれる弁、リング、および他の器具にとって問題である。弁足場は、特に埋込の初期周期後に、高い半径方向強度を必ずしも必要とするわけではない場合があるが、正常な収縮・非収縮期サイクル中に輪が変形するにつれて、それらが輪に共形化することができるために十分に柔軟である、または変形して疾患の進行に起因する変形した輪に共形化し、したがって、弁機能の完全性を維持する、または拡張して生理学的条件もしくは疾患の進行に起因する輪拡張に共形化する一方で、弁機能の完全性を維持することが有益である。
【0010】
必要とされるものは、これらの欠点のうちの少なくともいくつかならびに本明細書に説明される他の欠点に対処する、インプラント、ステント、ステント足場、血管補綴具、外部補綴具、および/または他の管腔補綴具である。
【0011】
関連背景特許および出願は、第US7011678号、第US5922020号、第US2003/0153971号、第US9056157号、第US2005/0222671号、第US9265866号、第US7169173号、第US8435281号、第US2003/0195609号、第US7402168号、第US7829273号、第US5695516号、第US6540777号、第US8652192号、第US8128679号、第US8070794号、第US6599314号、第US8961585号、第US7455687号、第US7645409号、第US8202313号、第EP2229919号、第US6251134号、第US6409754号、第US5766237号、第US5957975号、第US5306286号、第US5961545号、第US8052743号、第US9180005号、第US9192471号、第US2008/177373号、および第US2005/283229号を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】米国特許第7011678号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ステント、具体的には、拡張および/または埋込に、強度、修正された(または制御された)強度、ならびに/もしくは修正された(または制御された)コンプライアンス特性を示す、血管および管腔ステントならびに補綴具の多数の実施例および実施形態を提供する。1つの特定の実施例では、金属、金属合金、および他の非分解性ステントは、最初に、身体管腔内の拡張時に、ならびに続いて、初期拡張および/または埋込後の数日、数ヶ月、ならびに数年の間に、それらの半径方向強度およびコンプライアンスを制御するように多数の方法で修正されてもよい。具体的には、本願に説明および請求されるステントならびに足場設計の多くは、比較的に低く、埋込後に経時的に増加する初期コンプライアンスを有する、可変(または制御された)コンプライアンスと、埋込または初期拡張時に比較的に高く(例えば、実質的なフープ強度または破砕抵抗を有し)、埋込後に経時的に減少する(または低減され得る)、初期強度を有する半径方向強度とを提供するであろう。コンプライアンスの増加および半径方向強度の減少は、埋込後の数日、数週間、または数ヶ月の時間周期にわたって起こり得、補綴具の全てまたは一部を形成する、足場におけるいくつかの構造変換のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものによって引き起こされ得る。ある事例では、コンプライアンスは、足場の部分的円周方向または完全拡張に応答して、足場上の係止された特徴が係止解除するとき等に、より急激に変化し得る。他の事例では、そのような係止された特徴は、経時的により段階的に足場の有効コンプライアンスを改変する、他の特徴および設計と組み合わせられ得る。
【0014】
第1の側面では、本発明は、圧着構成から拡張構成まで拡張されたときに向上された開放特性を有する、管腔内補綴具を提供する。管腔内補綴具は、典型的には非分解性材料から形成またはパターン化される、複数の円周方向リングを有する、足場を備える。ステントパターンは、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、開放セル設計、閉鎖セル設計、螺旋骨格、頂点間リング設計、頂点・谷部リング設計、オフセット頂点間もしくはオフセット頂点・谷部リング設計、またはその他を備える。典型的には、ステントは、管、屈曲ワイヤ、または平坦基板から形成され、管状構造に形成される。向上された開放特性を提供する、いくつかの実施形態が存在する。一実施形態では、足場は、軸方向に2つの部品に分割される軸方向リンクを含有し、2つの部品は、幾何学形状を通して、または分解性もしくは非分解性ポリマーまたは接着剤を用いてステントの拡張中にともに保持され、ステントが生理学的環境内で拡張するとき、軸方向リンクの2つの部品は、分離する、または1つまたはそれを上回る方向に移動し、足場またはステントの向上された開放を提供することを可能にされる。別の実施形態では、足場は、一連の完全円周方向リングと、1つまたはそれを上回る部分円周方向リングとを備え、部分リングは、1つまたはそれを上回る分離可能な軸方向リンクによって隣接する完全または部分リングに接続される。分離可能な軸方向リンクは、幾何学形状によって、または分解性もしくは非分解性ポリマーまたは接着剤を用いてのいずれかで、ともに保持され、ステントが生理学的環境内で拡張するとき、軸方向リンクの2つの部品は、分離する、または1つまたはそれを上回る方向に移動し、足場またはステントの向上された開放を提供することを可能にされる。下記でより完全に説明される別の実施形態では、足場またはステントは、円周方向リングを備え、そのうちのいくつかは、2つの整合された支柱を含み、典型的には、整合された支柱はそれぞれ、リンクまたはコネクタを通して隣接する円周方向リングに接続される。
【0015】
実施例では、ステント補綴具は、生理学的条件下で拡張構成まで展開され、生理学的条件は、約37℃の温度、約37℃の温度における水槽、哺乳類の身体管腔、哺乳類の身体血管、哺乳類の動脈、40mmHg~200mmHgに及ぶ圧力勾配、100mmHgの圧力勾配、収縮期および/または拡張期圧、動脈、管腔、または血管捻転、圧縮、伸長、ならびに/もしくは屈曲、血管移動、脈動動脈もしくは模擬動脈、模擬身体血管、またはそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを備える。
【0016】
分離可能な軸方向リンクの場合、足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成され、少なくともいくつかの隣接する円周方向リング上に取付点を有し、取付点は、通常、対になって軸方向に整合される。取付点は、円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合される。典型的には、拡張に先立って、軸方向リンクは、下記でより詳細に説明されるように、それらの幾何学形状によって係止される(分離から抑止される)であろう。足場が、通常、内部バルーン拡張によってであるが、代替として、自己拡張によって、半径方向に拡張されると、軸方向リンクは、軸方向リンクが円周方向に分離し得るように、それらの初期係止構成を「係止解除」する変形を受けるであろう。代替として、足場が拡張されると、軸方向リンクは、それらの係止構成を「係止解除」するために十分ではない変形を受け得るが、生理学的環境内の拡張後に、軸方向リンクは、それらの係止構成を「係止解除」するために十分な変形を受けるであろう。代替として、足場が拡張されると、軸方向リンクは、それらの係止構成を「係止解除」するために十分ではない変形を受け得るが、生理学的環境内の拡張後に、軸方向リンクは、分離する。好ましい実施例では、分離可能な軸方向リンクは、圧着構成から拡張構成までのステントの拡張中に分離しないように該軸方向リンクを係止する幾何学形状を有し、生理学的環境内の拡張後に分離するように構成される。埋込および係止解除後にさらなる変形に寄与する生理学的条件のうちのいくつかは、血管または管腔内のステントの歪曲および圧縮を含む。
【0017】
別の好ましい実施例では、ステント補綴具は、1つまたはそれを上回る円周方向に分離可能なリングを備える、構造要素を備え、該リングは、圧着構成から拡張構成までの拡張中に変形および/または移動、回転もしくは捻転し、リングが分離しないように防止するように構成される、幾何学形状を有する。好ましい実施例では、分離可能なリングは、該リングに継合される分離可能な軸方向リンクを通して分離する。ある場合には、分離可能な軸方向リンク区画は、ともに機械的に嵌合または係止するように構成される幾何学形状を有し、拡張中に半径方向、円周方向、および/または軸方向軸を中心として回転し、軸方向リンクの区画を分離しようとする力を相殺する、平衡させる、またはそれに対抗するように構成される。本回転相殺または拡張力の対抗は、該リングが拡張中に分離しないように防止する。本幾何学形状は、軸方向リンクが一連の屈曲または相互係止区画を備える、いくつかの実施例および図で見られることができる。ある場合には、生理学的環境内の拡張後の分離可能なリングの幾何学形状は、分離に先立ってさらに変形するように構成される。別の実施例では、生理学的環境内の拡張後の分離可能なリングの幾何学形状は、1つまたはそれを上回る不連続性を形成することによって分離するように構成される。別の実施例では、生理学的環境内の拡張後の分離可能なリングの幾何学形状は、ポリマーまたは接着剤の分解後に1つまたはそれを上回る不連続性を形成することによって、分離するように構成される。別の実施例では、生理学的環境内の拡張後の分離可能なリングの幾何学形状は、さらなる変形を伴わずに分離するように構成される。別の実施例では、分離可能なリングは、分離に先立って、以下の軸のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、半径方向、軸方向、または円周方向軸を備える、軸を中心としてさらに変形するように構成される、幾何学形状を有する。別の実施例では、分離可能なリングは、変形してステントの拡張力を相殺し、リングが拡張中に分離しないように防止するように構成される、幾何学形状を有する。
【0018】
別の実施形態では、ステントは、クラウンによって継合される支柱を備える円周方向リングを備え、円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、整合され、生理学的環境内の拡張後に分離するように構成される、2つの分離可能な支柱を備える。2つの分離可能な支柱はそれぞれ、生理学的条件下の拡張後に、支柱が分離し、リングを円周方向に開放するが、分離された支柱がそれぞれ、隣接するリングに接続されるように、隣接する円周方向リングに連結されてもよい。いくつかの実施形態では、ステントの各円周方向リングは、2つの整合された支柱を伴う1つまたはそれを上回る区分を含有し、各支柱は、リンクまたはコネクタを通して隣接する円周方向リングに継合される。一実施例では、整合された支柱および隣接する円周方向リングへのそれらのコネクタは、ステントの縦軸に対してある角度で延設される円周方向リングに沿った線に位置付けられてもよい。図54AおよびBを参照されたい。ある事例では、ステントに沿って角度を付けられる2列の整合された支柱、またはそれぞれ2つの支柱を備える3列の整合された支柱が存在し得る。ステントの拡張中に、整合された支柱は、本明細書に説明されるように、幾何学形状を通して、または接着剤もしくはポリマーを用いてともに保持されるが、生理学的環境内の拡張後、支柱は、分離し、足場は、開放し、典型的には末端を有していないであろう、ステントの1つまたはそれを上回る区分を形成する。ある事例では、場合により、いくつかの末端が存在し得る。いくつかの実施例では、整合された支柱は、他の整合された支柱へのリンクまたはコネクタを通して、隣接する円周方向リングに継合されるが、いくつかの実施例では、整合された支柱は、典型的には、隣接するリング上に整合された区分を伴って、リング上の任意の場所において隣接するリングに接続されてもよい。またはいくつかの実施例では、整合された支柱ではなく、重複領域の区分(鏡映幾何学形状を伴う2つの区画)が、種々の組み合わせで、リング・支柱、クラウン、またはリンクの任意の区分を含んでもよい。
【0019】
別の実施例では、分離領域は、円周方向に隣接するリングからそれぞれ、2つのクラウンを備える。別の実施例では、分離領域は、円周方向に隣接するリングからそれぞれ、1つの支柱と、1つのクラウンとを備える。さらに別の実施例では、円周方向リングから支柱またはクラウンを備える、少なくとも1つの分離領域は、軸方向に隣接する円周方向リング上の第2の区画に接続され、第2の区画は、支柱またはクラウンを備える。さらに別の実施例では、2つの区画は、分離領域と見なされてもよく、1つのリング上の1つの分離領域は、リンクを介して軸方向に隣接するリング上の該第2の分離領域に接続される。一実施例では、分離領域の軸方向長は、以下のうちの1つまたはそれを上回るものと実質的に同一である、すなわち、円周方向に隣接するリング上の支柱またはクラウンは、円周方向に隣接するリングのうちの1つの上の支柱またはクラウンの軸方向長の0.1倍~2倍である。
【0020】
本願の中の実施例のうちのいずれかの好ましい実施例では、末端を有することなく、またはいくつか以上の末端を有することなく、もしくは4つを上回る末端を有することなく、または4つ以下の末端を有して分離する、1つまたはそれを上回る円周方向リングを備える、ステントを有することが望ましい。ゼロの末端および2つの末端の実施例が、図35-54に示される。これは、血管治癒に役立ち、血管刺激を最小限にし、構造要素の小さい部分が血流の中に遊離しないように防止し、製造を改良する。
【0021】
随意に、物理的係止に加えて、円周方向に分離可能な軸方向リンクは、加えて、生分解性材料が生理学的環境内で分解し、軸方向リンクを係止解除するまで、軸方向リンクの円周方向分離を阻止し続けるであろう生分解性材料を用いて、抑止される、ともに保持される、密接に接触して保たれる、またはコーティング、カプセル化、接着、もしくは同等物によって固定化されてもよい。分離可能な軸方向リンクのうちのいくつかまたは全ては、コーティングされてもよい。しかしながら、他の事例では、円周方向に分離可能な軸方向リンクは、そのようなコーティング、カプセル化、接着剤、または他のさらなる拘束を含まなくてもよく、下記でより詳細に説明されるように、整合された区画または部分の幾何学形状によって与えられる機械的係止のみによって、ともに保持されるであろう。ステントは、圧着構成から拡張されるバルーンであってもよい、または埋込前に圧着構成で抑止され、拘束または制約の除去後に拡張構成まで自己拡張することを可能にされてもよい。さらに別の実施例では、ステントは、身体管腔内のステントの初期自己拡張後に該拡張構成まで拡張可能なバルーンである。
【0022】
本発明の足場の軸方向リンクのうちの少なくともいくつかは、第1の区画と、第2の区画とを備えるであろう。第1および第2の区画は、典型的には、通常、軸方向リンクの構造に切れ目、切断、間隙、または他の不連続性を備えるであろう、軸方向に延在する分割線に沿って分離するであろう。「軸方向に延在する」とは、分割線およびリンク自体が第1の円周方向リング上の第1の取付点から隣接する第2の円周方向リング上の第2の取付点に向かって延在し、取付点が軸方向に分離されることを意味する。すなわち、取付点の間の少なくとも構成要素または距離のベクトルは、軸方向に延在し、分割線は、延在してその軸方向距離に跨架するであろう。しかしながら、下記でより詳細に説明されるように、軸方向リンクに沿った任意の点における分割線の方向は、任意の配向、例えば、軸方向、円周方向、またはその間の任意の配向にあってもよい。したがって、いくつかの実施形態では、分割線は、典型的には、曲線、屈曲、線形部分、およびそれらの組み合わせを含み得る、非線形の蛇行経路を辿るであろう。しかしながら、通常、軸方向リンクは、円周方向拡張に先立って足場の円筒形包絡線の有意に外側に延在しないであろう。特に、軸方向リンクの区分および領域は、足場がその圧着構成である間に半径方向に重複しないであろう。
【0023】
円周方向に分離可能な軸方向リンクの第1および第2の区画は、ステントがその圧着構成である間に、その円周方向分離を阻止するように円周方向に相互係止されてもよい。相互係止は、種々の形態のうちのいずれか1つをとってもよく、典型的には、第1および第2の区画は、円周方向分離力が軸方向リンクに印加されるときに、少なくとも1つの区画の部分が他の区画の部分の円周方向通過または円周方向分離に干渉する、もしくは別様にそれを阻止する、パターンに湾曲または屈曲されるであろう。しかしながら、足場が拡張されると、区画の幾何学形状は、変形するであろう。ステントが拡張されると、いくつかの物事が、拡張中に区画をともに保つことに寄与し得る。拡張中に、区画は、変形し得る、および/または2つの相互係止区画の幾何学形状は、種々の方向に、円周方向に、軸方向に、もしくは半径方向に区画の回転を引き起こし、可能にし、または提供して、拡張の力を相殺し、平衡させ、またはそれに対抗し、生理学的条件における拡張後まで拡張を防止し得る。変形は、軸方向リンクの区画を相互に引っ掛けさせ、または分離を妨げ、分離を防止し得るが、続いて、生理学的条件下で、任意の干渉または遮断部分が偏移して円周方向分離を可能にするであろうように、付加的変形が起こり得る。軸方向リンクの2つの区画は、屈曲および曲線において相互と接触してもよいため、2つの区画は、ともに入れ子になり、相互に類似し、またはともに嵌合し、2つの区画は、同一、対応する、近似的、または類似曲線もしくは屈曲を形成し、しっかりした嵌合、機械的係止、立体障害を作成して、区画の分離を妨害する、それに抵抗する、それを遅延させる、または阻止する。軸方向リンクの長さに沿って2つの区画の入れ子式または整合された曲線もしくは形状のうちの1つまたはそれを上回るものが存在し得る。区画は、分離可能な軸方向リンクの長さまたは部分リング接合点の整合された区画の一部、大部分、ほぼ全て、約50%、約70%、約80%、約85%、50%を上回る、70%を上回る、75%を上回る、80%、または85%を上回る長さに沿って、密接に接触してもよい。
【0024】
円周方向リングは、少なくとも取付点において円周方向に分離するように構成される。特に、足場が円周方向に拡張されると、軸方向リンクおよび円周方向リングの区画は両方とも、区画が係止解除された後に取付点において分離するであろう。そのような分離後、各リンク区画の反対端は、リングが軸方向に連結されたままであるが、円周方向に開放されているように、それらの隣接する円周方向リングに取り付けられたままであろう。一実施例では、隣接する円周方向リングは、軸方向リンクを通して軸方向に継合され、各軸方向リンクは、該軸方向リンクを2つの分離可能な軸方向リンクに軸方向に分割する、分離領域を備え、生理学的環境内のステントまたは足場の拡張後、軸方向リンクは、該2つの隣接するリングをそれぞれ接続する、2つのリンクに分離する。
【0025】
円周方向に分離可能な軸方向リンクは、隣接する円周方向リング上の事実上あらゆる点の間に延在してもよい。すなわち、円周方向リング上の軸方向リンクの取付点は、リング上の任意の場所にあってもよい。例えば、支柱およびクラウンを備える、またはそれらから成る、リングを継合する、円周方向に分離可能な軸方向リンクは、隣接するリング上の支柱対の間、隣接するリング上のクラウン対の間、または第1のリング上のクラウンと第2のリング上の支柱との間に延在してもよい。したがって、取付点は、円周方向リング内の支柱およびクラウンのうちのいずれか1つまたはそれを上回るものの中の任意の点に位置してもよい。軸方向リンクは、各隣接するリング上の以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、リングの拡張領域の面積、リングのクラウン領域、リングの支柱領域、リングの低応力面積、リングの高応力面積に接続されてもよい。足場は、その軸方向長に沿って任意の数の円周方向リングを備えてもよい。一実施例では、足場に偶数の円周方向リングがある場合、分離可能な軸方向リンクが生理学的環境内で足場の拡張後に係脱するとき、足場は、いくつかのユニット、すなわち、2つ、3つ、または4つに分離し、分離されていない軸方向リンクは、各ユニット内で円周方向リングを継合する。好ましい実施例では、分離領域の軸方向長は、1つのリングの少なくとも軸方向長、すなわち、軸方向へのリングの間の距離に等しい。好ましい実施例では、分離領域の軸方向長は、1つのリングの軸方向長、または1つのリングから隣接するリングまでの距離の0.75倍~2倍に及ぶ。一実施例では、足場に奇数の円周方向リングがある場合、分離可能な軸方向リンクが生理学的環境内で足場の拡張後に係脱するとき、足場は、開放し、分離可能な軸方向リンクは、分離し、足場は、単一の接続された部品を備えてもよい。足場は、螺旋パターンでリングを有してもよい。足場は、分離可能な軸方向リンクによって隣接する円周方向リングに継合される、いくつか、大部分、ほぼ全て、または全ての円周方向リングを有してもよい。
【0026】
円周方向に分離可能な軸方向リンクはまた、足場上で種々のパターンに配列されてもよい。ある事例では、軸方向リンクのうちの少なくともいくつかまたは全ては、足場の長さに沿った1本、2本、3本、またはそれを上回る軸方向線に沿って配列されるであろう。他の事例では、軸方向リンクのうちの少なくともいくつかまたは全ては、足場に沿った少なくとも1本、2本、3本、またはそれを上回る螺旋線に沿って配列されてもよい。
【0027】
円周方向に分離可能なリンクの幾何学形状および区画の間の分割線は、2つの区画が、足場が圧着されるときに最初に相互係止または接合され、足場が円周方向に拡張されると係止解除することが可能である限り、幅広く変動し得る。多くの場合、分割線は、典型的には、1つまたはそれを上回る湾曲の領域を有し、時として、完全に曲線状である、非線形であろう。多くの事例では、軸方向リンクおよび分割線は、曲線状および線形領域の両方を含み、他の事例では、曲線状区分は、異なる湾曲の領域を有するであろう。多くの場合、曲線状区分は、逆転湾曲の領域を含むであろう。曲線および屈曲を伴う軸方向リンクを採用することは、圧着および拡張構成時のステントの可撓性が増進されるという点で有利である。
【0028】
具体的実施形態および実施例では、足場の分離可能な軸方向リンクの2つの区画はそれぞれ、第1および第2の端部を有し、分割線は、第1の取付点から第2の端部に向かって第1の軸方向に延在し、少なくとも第1の方向転換をして第1の端部に向かって戻るように第2の軸方向に進行する。そのような方向の逆転は、円周方向開放力が足場に印加されると、2つの区画が円周方向に相互を通過しないように阻止または防止する、「オーバーハング」または「アンダーカット」を分割線のパターンに引き起こす。しかしながら、足場が変形すると、それらの付勢を防止する様式で最初に対向する、これらの部分は、円周方向に相互を通過し、軸方向リンクが係止解除し、分離し、円周方向に開放することを可能にし得るように、再配向するであろう。典型的には、第1の方向転換は、少なくとも約100°、好ましくは少なくとも約120°、より好ましくは少なくとも約135°、さらにより好ましくは少なくとも約180°、またはそれを上回る角度を横断し、足場が、典型的には、初期直径の少なくとも25%、頻繁には、初期直径の200%、通常、初期直径の少なくとも400%、有意に開放されるまで、軸方向リンクが開放することを可能にするように、区画が相互を通過することができないように十分な干渉を提供するであろう。
【0029】
多くの実施形態では、分割線および軸方向リンクは、第3の方向転換をして第1の軸方向に再び進行し、なおもより多くの事例では、第4の方向転換をして第2の軸方向に戻るように進行するであろう。
【0030】
他の具体的事例では、軸方向リンクおよび軸方向に延在する分割線は、S字形を有してもよい、W字形を有してもよい、蛇行形状を有してもよい、およびそれらの組み合わせである。
【0031】
他の具体的実施例では、円周方向に分離可能な軸方向リンクのうちの少なくともいくつかは、足場の拡張に先立って締まり嵌めで係合する、オス型部分と、メス型部分とを有する、入れ子ウェッジを備えてもよい。
【0032】
分離可能な軸方向リンクの中の区画の間の分離領域は、支柱および/またはクラウンの任意の組み合わせ備えてもよく、区画をともに保持するように、拡張中に変形、捻転、回転、圧縮、または伸長され、続いて、生理学的条件下で(37℃で)拡張後に、または生理学的条件において圧着構成から拡張構成までのステントの拡張に応じて、該円周方向リングに1つまたはそれを上回る不連続性を形成し得る、幾何学形状を備えてもよい。一実施例では、分離領域は、該円周方向リングに1つまたはそれを上回る不連続性を形成することに先立って、または形成するために、円周方向軸、縦軸、および/または半径方向軸を中心として変形、捻転、回転、圧縮、または伸長される、幾何学形状を備える。別の実施例では、該分離領域は、生理学的環境内のステントの拡張後に、該円周方向リングに1つまたはそれを上回る不連続性を形成することに先立って、または形成するために、変形、捻転、回転、圧縮、伸長するように構成される、幾何学形状を備える。一実施例では、区画は、拡張中に区画をともに保持するように接触または密接関連の面積内で相互の周囲に捻転され、生理学的条件下で拡張後に解放、係止解除、または崩壊するように構成されてもよい。
【0033】
本明細書の以降に議論されるように、本発明の足場は、円周方向に分離可能な軸方向リンクに加えて、分離領域を備えてもよい。分離領域は、生理学的環境内の展開後に、最初に分離領域を固定することを意図している、多数の生分解性または非分解性ポリマー材料、および他の接着剤、糊、スリーブ、ならびに同等物を備えてもよい。下記に説明されるそのような生分解性ポリマーおよび他の材料はまた、本明細書により具体的に説明される円周方向に分離可能な軸方向リンクを一時的に固定化する際に用途を見出し得る。非分解性または生分解性材料を用いて固定化される、そのような区画はまた、本願および関連出願の範囲内で分離領域と見なされることもできる。ポリマーまたは接着剤は、反管腔側表面上のステントの上、またはステントの管腔表面もしくは両方の上、またはステントの1つまたはそれを上回る表面の上、または分離領域の中、または分離領域の中ならびに分離領域の頂および/または底(反管腔側もしくは管腔)面の上に、設置される、または位置してもよい。ステント上に設置されたポリマーの上に、反管腔側表面上のステントの上、またはステントの管腔表面もしくは両方の上、またはステントの1つまたはそれを上回る表面の上、または分離領域の中、または分離領域の中ならびに分離領域の頂および/または底(反管腔もしくは管腔)面の上に、設置される、または位置し得る、ポリマー材料のさらなる層が存在し得る。分離可能な軸方向リンクは、リングの円周方向経路が不連続であるが、間隙にわたる、またはその中の分解性ポリマーのコーティングが拡張中に間隙をともに保持し、ステントの周囲に連続円周方向経路を提供するように、2つの区画の間に間隙を有してもよい。生理学的環境内の拡張に応じて、ポリマーまたは接着剤は、分解し、間隙は、暴露され、円周方向経路の不連続性およびリングの開口部を提供する。部分リング接合点の区画は、区画の相互係止形状によって、またはコーティング、区画にわたるスリーブ、もしくは間隙内の材料の包含の形態で分解性または非分解性材料を用いて、ともに保持される、それらの間の間隙を有してもよい。生理学的環境内のステントの拡張に応じて、区画は、区画がともに保持される方法に応じて、より自由に係止解除、分離、および解放または移動する。開放したステントは、実質的に一様に拡張し、身体管腔を支持するために十分な強度を有する。非分解性材料、ポリマー、または接着剤は、拡張中に該分離領域をともに保持し、生理学的環境内の拡張後の分離領域が、半径方向、円周方向、または軸方向を含む、1つまたはそれを上回る方向に移動することを可能にする。一実施例では、非分解性ポリマー材料は、伸張し、該移動を可能にする。別の実施例では、非分解性材料は、軟化し、該移動を可能にする。一実施例では、ステントは、拡張構成時に最小限の外向きの力を有する。別の実施例では、ステントは、連続円周方向経路(分離領域なし)を有する同一のステントと比較して、拡張構成時により少ない外向きの力を有する。さらに別の実施例では、ステントは、ステントの軸方向および/または円周方向により共形化可能である。さらに別の実施例では、拡張構成時のステントは、身体血管を支持するために十分な強度を有するが、埋込後にさらなる血管損傷を引き起こすために十分な外向きの力を有していない。さらに別の実施例では、拡張構成時のステントは、血管に外膜損傷を引き起こさない。
【0034】
好ましい実施例では、ステントは、ステントの周囲に連続円周方向経路を形成する、1つまたはそれを上回る円周方向リングを備える、非分解性材料から形成され、少なくとも1つまたはそれを上回る分離領域は、該円周方向経路を二等分し、該円周方向経路に1つまたはそれを上回る不連続性を形成する。好ましい実施例では、分離領域は、ステントのパターン化中または後に、事前形成される。別の好ましい実施例では、分離領域は、圧着構成から拡張構成までのステントの拡張中に材料または幾何学形状によってともに保持され、分離領域は、生理学的条件における拡張後に該1つまたはそれを上回る不連続性を形成する。好ましい実施例では、分離領域を保持する材料は、二等分された円周方向経路をともに接続し、生理学的環境内の拡張後に1つまたはそれを上回る不連続性を形成することに先立って、それを連続的にする。別の実施例では、分離領域の幾何学形状は、円周方向リングを無傷で保持し、圧着構成から拡張構成までの該リングの一様な拡張を可能にし、次いで、該幾何学形状は、係脱し、該円周方向リングに1つまたはそれを上回る不連続性を形成する。別の実施例では、分離領域は、分解性ポリマー、コーティング、またはスリーブ、接着剤、1つまたはそれを上回る二等分された構造要素のうちの1つまたはそれを上回るものを備える。別の実施例では、二等分された1つまたはそれを上回る構造要素は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、キーおよびロック構成、ボールおよびソケット構成、オス型およびス型構成、または生理学的環境内のステントの拡張後に不連続性を形成する他のタイプの構成を備える。ある事例では、1つまたはそれを上回る方向へのステントの拡張後に1つまたはそれを上回る不連続性を形成して新生内膜過形成を最小限にする、ステントの捻転応力を低減させる、管腔構成を維持する、もしくは増加させる、またはステントの伸長もしくは圧縮応力を低減させるように構成される、分離領域を有することが所望される。例えば、分離領域は、半径方向のみへの生理学的環境内のステントの拡張後に不連続性を形成する。別の実施例では、分離領域は、ステント長方向に対する半径方向および/または軸方向のみへの生理学的環境内のステントの拡張後に不連続性を形成する。別の実施例では、分離領域は、半径方向および/または円周方向のみへの生理学的環境内のステントの拡張後に不連続性を形成する。別の実施例では、分離領域は、ステント長方向に対する軸方向のみへの生理学的環境内のステントの拡張後に不連続性を形成する。別の実施例では、分離領域は、円周方向のみへの生理学的環境内のステントの拡張後に不連続性を形成する。別の実施例では、分離領域は、軸方向、半径方向、または円周方向への生理学的環境内のステントの拡張後に不連続性を形成することができる。
【0035】
別の実施例では、ステント補綴具は、非分解性ポリマーまたは金属材料(金属もしくは金属合金を含む)から形成されてもよい、またはステントは、分解性ポリマーまたは金属(金属もしくは金属合金材料を含む)から形成されてもよい。
【0036】
別の実施例では、ステント補綴具は、1つまたはそれを上回る円周方向リングを伴って非分解性形状記憶合金から形成されてもよく、該円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、該円周方向リングを二等分、切断、または分割し、ステントの周囲に不連続円周方向経路を形成する、少なくとも1つの分離領域を有し、該分離領域は、圧着構成から拡張構成までのステントの拡張中にともに保持され、該ステントは、実質的に一様に拡張し、身体管腔を支持するために十分な強度を有する。ともに保持された分離領域は、幾何学形状を通して、または分解性もしくは非分解性ポリマーまたは接着剤を用いて、ともに保持されてもよく、そのうちのいずれかは、不連続円周方向経路を連続的にする場合とそうではない場合があり、生理学的環境内の拡張後に、不連続性の形成を伴って再び不連続的になり得る。例えば、幾何学形状または機械的相互係止を用いると、分離領域は、間隙を有してもよい、または区分は、生理学的条件において接触し、分離してもよい。または、分解性材料が分離領域をともに保持する場合、リングは、不連続性が続いて形成されるまで、連続的になる。分離領域をともに保持する非分解性材料を用いると、リングは、連続的になるが、材料は、分解、伸張、または軟化し、円周方向、軸方向、または半径方向への移動を可能にし得る。一実施例では、ステントは、拡張構成時に最小限の外向きの力を有する。別の実施例では、不連続性を伴うステントは、連続円周方向経路(分離領域なし)を有する同一のステントと比較して、拡張構成時により少ない外向きの力を有する。さらに別の実施例では、ステントは、ステントの軸方向および/または円周方向により共形化可能である。さらに別の実施例では、拡張構成時のステントは、身体血管を支持するために十分な強度を有するが、埋込後にさらなる血管損傷を引き起こすために十分な外向きの力を有していない。さらに別の実施例では、拡張構成時のステントは、血管に外膜損傷を引き起こさない。随意の実施例では、分離領域は、分解性ポリマーまたは接着剤によってステントの拡張に先立ってともに保持されてもよく、該接着剤または分解性ポリマーは、生理学的環境内で分解し、ステントの拡張後に円周方向リングの円周方向経路に1つまたはそれを上回る不連続性を形成する。別の実施例では、ステントは、圧着構成で抑止され、拘束を除去することによって拡張構成まで自己拡張することを可能にされる。さらに別の実施例では、ステントは、身体管腔内のステントの初期自己拡張後に該拡張構成まで拡張可能なバルーンである。さらに別の実施例では、少なくともいくつかのリングは、該リングのそれぞれを二等分する、1~4つの分離領域を有する。
【0037】
好ましい実施例では、ステントは、1つまたはそれを上回る円周方向リングを備え、該リングは、支柱と、クラウンとを備える、構造要素を備え、該リングは、1つまたはそれを上回る分離領域を備え、該分離領域は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、支柱、クラウン、支柱領域、クラウン領域の中に、単一のリング上の支柱に隣接して、単一のリング上のクラウンに隣接して、単一のリング上の支柱と略平行に、単一のリング上のクラウンと略平行に、該リングの中の支柱の代わりに、または該リングの中のクラウンの代わりに、位置する。好ましい実施例では、分離領域は、単一のリングの中に2つの隣接する支柱、2つの円周方向に隣接するリングまたは部分リングの上に2つの隣接する支柱、単一のリングの中に2つの隣接するクラウン、2つの円周方向に隣接するリングまたは部分リングの上に2つの隣接するクラウンを備え、2つの隣接する支柱または2つの隣接するクラウンは、ステントの拡張中にともに保持され、生理学的条件下でステントの拡張後に分離する。
【0038】
時として、円周方向リングの不連続性の形成後に、ステント構造を軸方向に接続させることが望ましい。これは、向上された支持を身体管腔(または血管)に提供し、リングの間の新生内膜突出を防止する。これは、軸方向に継合された円周方向リングを埋込後に分離させることによって達成されることができる。一実施例では、ステントは、1つまたはそれを上回る円周方向リング(巻目)を備え、各リングは、軸方向に隣接するリングに継合され、少なくともいくつかのリングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、該リングのそれぞれの円周方向経路を不連続的にし、該不連続経路は、ポリマーまたは接着剤によってともに保持され、生理学的環境内のステントの拡張後に1つまたはそれを上回る不連続性を形成する。別の実施例では、軸方向に継合されたリングは、1つまたはそれを上回る軸方向リンクを介して継合され、少なくとも1つまたはそれを上回る該軸方向リンクは、生理学的環境内の拡張後に分離するように構成される。別の実施例では、軸方向に継合されたリングは、1つまたはそれを上回る軸方向リンクを介して継合され、少なくとも1つまたはそれを上回る該軸方向リンクは、生理学的環境内の拡張後および新生内膜過形成の形成後に分離し、埋込後に軸方向に定位置でステントを実質的に係止するように構成される。別の実施例では、軸方向に継合されたリングは、1つまたはそれを上回る軸方向リンクを介して継合され、少なくとも1つまたはそれを上回る該軸方向リンクは、生理学的環境内の拡張後およびステントの支柱厚さを網羅するために十分な新生内膜過形成の形成後に分離し、埋込後に定位置でステントを実質的に係止するように構成される。別の実施例では、軸方向に継合されたリングは、1つまたはそれを上回る軸方向リンクを介して継合され、少なくとも1つまたはそれを上回る該軸方向リンクは、生理学的環境内の拡張後およびステントの支柱厚さの少なくとも0.25倍を網羅するために十分な新生内膜過形成の形成後に分離し、埋込後に軸方向に定位置でステントを実質的に係止するように構成される。別の実施例では、軸方向に継合されたリングは、1つまたはそれを上回る軸方向リンクを介して継合され、少なくとも1つまたはそれを上回る該軸方向リンクは、生理学的環境内の拡張後およびステントの支柱厚さの少なくとも0.1倍~2倍を網羅するために十分な新生内膜過形成の形成後に分離し、埋込後に軸方向に定位置でステントを実質的に係止するように構成される。別の実施例では、1つまたはそれを上回る軸方向リンクは、隣接するリング上の不連続性の形成の前、ほぼ同時、または後に、分離するように構成される。また、不連続性の形成後にステントを実質的に定位置で保持させ、より良好な構造支持を身体管腔(または血管)に提供し、ステント構造内の間隙を通した新生内膜突出を最小限にする、または阻止することも望ましい。一実施例では、ステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能である、1つまたはそれを上回る円周方向リングを備え、該リングは、該各リング内の1つまたはそれを上回る分離領域、該各隣接するリングの間の1つまたはそれを上回る分離領域、または円周方向に隣接する部分リングの間の1つまたはそれを上回る分離領域を有し、該分離領域のうちの少なくともいくつか(または実質的に殆どの分離領域)は、ステントの拡張後、および隣接する支柱、クラウン、または他の隣接するステント構造要素の厚さの少なくとも0.1倍~2倍の形成後に、不連続性を形成し、円周方向および/または軸方向にステントを定位置で実質的に保持するように構成される。
【0039】
本明細書に説明されるステントまたは他の足場設計の多くまたは全ては、展開後に経時的に、殆どまたは全ての形態の輪および/または血管幾何学形状、運動、解剖学的変化、ならびに歪曲に適応または適合することができるであろう。例えば、本明細書に説明されるような分離領域および/またはヒンジ接合部を有する、ステントおよび足場は、十分な引張応力、破砕抵抗、および角度(血管の屈曲)、捻転応力(血管軸を中心とした血管の捻転)、縦方向圧縮ならびに延在、および同等物等の幾何学的歪曲に適応する能力を保有するであろう。そのような応力は、例えば、輪、心臓の中に位置する動脈および静脈、または大動脈、もしくは膝の下方等の末梢生体構造、または浅大腿動脈の中、および同等物に埋め込まれたステントおよび他の足場によって、受けられる。本発明のステントおよび足場は、典型的には、動的に共形化し、そのような血管の脈動(半径方向開放および閉鎖)ならびにそのような血管の軸を中心とした捻転変形の両方、および縦方向圧縮に応答することができる。
【0040】
いくつかの実施例では、非分解性材料から形成され、生理学的条件下で補綴具の拡張後に不連続性を形成するように構成される分離領域を伴ってクラウンによって継合される支柱を備える、円周方向リングを有する、管腔内補綴具は、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具の縦方向圧縮または延在によって誘発される応力を有する。ある場合には、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具の縦方向圧縮または延在によって誘発される最大応力は、不連続性の形成後に少なくとも10%、15%、25%、50%、75%、85%、または90%減少する。ある場合には、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具の縦方向圧縮または延在によって誘発される最大応力は、不連続性の形成後に15%~95%、好ましくは50%~95%、より好ましくは70%~95%減少する。
【0041】
ある場合には、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具の5~7%縦方向圧縮または延在によって誘発される、線形弾性有限要素分析によって測定されるような最大応力は、400e3~800e3PSIに及び、不連続性の形成後、1e3~300e3PSIに及ぶ。時として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具の5~7%縦方向圧縮または延在によって誘発される、線形弾性有限要素分析によって測定されるような最大応力は、300e3~1000e3PSIに及び、不連続性の形成後、1e3~250e3PSIに及ぶ。
【0042】
いくつかの実施例では、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具によって印加される捻転によって誘発される、最大応力は、不連続性の形成後に少なくとも10%、15%、25%、50%、75%、85%、または90%減少する。代替として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具によって印加される捻転によって誘発される、最大応力は、不連続性の形成後に15%~95%、好ましくは50%~95%、より好ましくは70%~95%減少する。いくつかの実施例では、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具に印加される補綴具長の3.5°/cmの捻転変位によって誘発される、線形弾性有限要素分析によって測定されるような最大応力は、80e3~150e3PSIに及び、不連続性の形成後、1e3~65e3PSIに及ぶ。代替として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具に印加される補綴具長の3.5°/cmの捻転変位によって誘発される、線形弾性有限要素分析によって測定されるような最大応力は、65e3~150e3PSIに及び、不連続性の形成後、1e3~50e3PSIに及ぶ。
【0043】
時として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、3点屈曲構成で規定量だけ補綴具を屈曲させるために要求される力は、不連続性の形成後に少なくとも10%、15%、25%、50%、75%、85%、または90%減少する。代替として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、3点屈曲構成で規定量だけ補綴具を屈曲させるために要求される力は、不連続性の形成後に15%~95%、好ましくは50%~95%、より好ましくは70%~95%減少する。ある場合には、分離領域が不連続性を形成することに先立って、約11mm離れた支持体を伴う3点屈曲構成で補綴具の中心を約1mm屈曲させるために要求される力は、1~4Nに及び、不連続性の形成後、0.1~0.8Nに及ぶ。代替として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、約11mm離れた支持体を伴う3点屈曲構成で補綴具の中心を約1mm屈曲させるために要求される力は、0.7~4Nに及び、不連続性の形成後、0.01~0.5Nに及ぶ。
【0044】
いくつかの実施例では、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具を標的半径まで屈曲させることによって誘発される最大応力は、不連続性の形成後に少なくとも10%、15%、25%、50%、75%、85%、または90%減少する。代替として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具を標的半径まで屈曲させることによって誘発される最大応力は、不連続性の形成後に15%~95%、好ましくは50%~95%、より好ましくは70%~95%減少する。時として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具を70mmの標的半径まで屈曲させる、線形弾性有限要素分析によって測定されるような最大応力は、100e3~800e3PSIに及び、不連続性の形成後、6mmの拡張ステント直径に関して10e3~90e3PSIに及ぶ。
【0045】
時として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された生理学的インプラントが内側に設置された曲線状血管の角度の変化は、不連続性の形成後に少なくとも10%、15%、25%、50%、75%、85%、または90%減少する。代替として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された生理学的インプラントが内側に設置された曲線状血管の角度の変化は、不連続性の形成後に15%~95%、好ましくは50%~95%、より好ましくは70%~95%減少する。ある事例では、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された生理学的インプラントが内側に設置された曲線状血管の角度の変化は、30~70度に及び、不連続性の形成後、10~25度に及ぶ。いくつかの実施例では、分離領域が不連続性を形成することに先立って、所与の角度だけ拡張された補綴具を屈曲させることによって誘発される、最大応力は、不連続性の形成後に少なくとも10%、15%、25%、50%、75%、85%、または90%減少する。または、分離領域が不連続性を形成することに先立って、所与の角度だけ拡張された補綴具を屈曲させることによって誘発される、最大応力は、不連続性の形成後に15%~95%、好ましくは50%~95%、より好ましくは70%~95%減少する。
【0046】
いくつかの実施例では、分離領域が不連続性を形成することに先立って、約7度の所与の角度だけ拡張された補綴具を3.0mm直径まで屈曲させる、線形弾性有限要素分析によって測定されるような最大応力は、100e3~800e3PSIに及び、不連続性の形成後、10e3~90e3PSIに及ぶ。
【0047】
ステントまたは足場は、埋込後に生理学的環境内で放出されるであろう、薬物を含ませてもよい。薬物は、ステントの1つまたはそれを上回る表面の上、反管腔側表面または管腔表面もしくは両方の上にコーティングされる、ステントの任意の表面上にコーティングされる1つまたはそれを上回るポリマー材料の中に含まれる、任意の表面上のトップコートの中に含まれる、またはステントもしくは足場上のポリマーを伴う基質の中に含まれてもよい。利用され得る薬物は、本願に列挙される種々の薬物を含み、例えば、ラパマイシン、エベロリムス、類似体、または誘導体、およびタキソール、類似体、または誘導体等の薬物を含む、M-tor阻害剤を含む。
【0048】
血管および他の管腔ステントならびに足場の強度(半径方向強度)およびコンプライアンスを測定し、定量的に表現するための方法が、周知であり、特許および医学文献に説明されている。
【0049】
コンプライアンスは、本用語が実施例または実施形態の多くで使用されるとき、管腔構造内または管腔構造に隣接する内圧の変化等の生理学的条件に応答して、管腔構造または管腔構造の区画の直径(もしくは構成)の変化率を表す無次元測定値であり、通常、そのような圧力の変化は、100mmHgである。いくつかの他の事例では、コンプライアンス測定値は、mm/気圧、mm/psi、%/気圧、%/psi、または同等物として表されることができる。用語「コンプライアンス」および「半径方向コンプライアンス」は、同義的に使用される。
【0050】
身体管腔、ステント、足場、補綴具、および他の管状構造はそれぞれ、それらの独自のコンプライアンスを有するであろう。埋め込まれたステント、足場、補綴具、および他の管状構造を有する身体管腔はまた、管腔およびインプラントの個々のコンプライアンスの複合物であるコンプライアンスを有し、複合物は、典型的には、管腔よりも低く、多くの場合、インプラント単独よりも低い。多くの場合または実施例では、「複合」コンプライアンスが、ステントのコンプライアンス特性を定義するように測定されるであろうが、しかしながら、これはまた、ある場合には、本明細書で請求されている実施例の多くでは、ステント単独測定コンプライアンス、足場、補綴具、および他の管状構造であることもできる。本願の全体を通した多くの事例または実施例では、用語「半径方向歪み」は、コンプライアンスを意味するために使用され、用語「コンプライアンス」または「複合コンプライアンス」が本もしくは他の段落で説明されるときに、用語「コンプライアンス」(または「複合コンプライアンス」)と同義的に使用される。通常、半径方向歪みが圧力の100mmHg変化時に測定されるとき、これは、インプラントのコンプライアンス(または複合コンプライアンス)を指すが、コンプライアンスはまた、100mmHgと異なる所与の圧力の変化時のインプラントまたは複合材料の直径の変化率を指すこともできる。
【0051】
具体的には、ステント、足場、または他の管腔補綴具の半径方向コンプライアンスは、100mmHgの圧力変化時のコンプライアンスを測定する、ASTM F2477-07R13に説明されるもの等の周知の原理および技法に従って、模擬血管の中で生体外の複合コンプライアンスとして測定されるであろうが、試験はまた、約176mmHgまたは他の圧力等の100mmHg以外の所与の圧力の変化時のコンプライアンスを試験するために要求される方法を提供することもできる。また、ステントコンプライアンスは、ブタの冠動脈血管等の血管に埋め込まれたステントを有することによって試験されることができ、コンプライアンスは、血管のステント留置区画の中で測定される。
【0052】
本発明の第1の側面または実施例では、補綴具、具体的には、管腔内補綴具は、非分解性材料、典型的には、金属または金属合金から形成またはパターン化される、複数の円周方向リングを有する、足場を備え、足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成される。円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、少なくとも1つの分離領域を有し、分離領域は、足場が生理学的環境内で拡張された後に、円周方向リングに少なくとも1つの不連続性を形成するように構成される。好ましい実施例では、そのような拡張および生理学的環境、典型的には、血管または他の身体管腔環境への暴露後に、円周方向リングのうちの少なくとも2つは、全ての不連続性が形成された後に軸方向に継合されたままであり、典型的には、軸方向に隣接するリングである。頻繁には、そのような管腔内補綴具の全ての円周方向リングは、不連続性が形成された後に軸方向に継合されたままであろう。例えば、円周方向リングは、典型的には、1つの円周方向リング上の領域を隣接する別の円周方向リング上の領域に継合する短い構造要素である、軸方向リンクによって継合されてもよい。しかしながら、他の実施例では、連続的な隣接する円周方向リング上の領域は、直接継合されてもよく、例えば、本願において以降でさらに詳細に説明されるであろうように、クラウンからクラウンまで、支柱から支柱まで、または同等物で、溶接または別様に継合される。具体的実施例では、隣接するリング上の隣接するクラウンは、溶接、包被、ワイヤもしくは他のフィラメントとの接合、接着剤、または同等物によって継合されてもよい。分離領域は、多くの場合、支柱、クラウン、または他の構造要素内に形成されるであろうが、ある事例では、分離領域は、構造要素全体を包含する、または備えてもよい。いくつかの実施例では、ロックおよびキーまたは他のタイプの分離領域は、一対の当接クラウンの間の支柱の全長またはほぼ全長を形成するように伸長であり得る。他の実施例では、ロックおよびキー分離領域のオス型およびメス型構成要素は、一対の当接または隣接支柱の間にクラウンを形成するように曲線状であり得る。分離領域は、構造要素の中のいずれかの場所に位置してもよい。これは、構造要素のほぼ中心にあってもよい、または構造要素の一方もしくは他方の端部またはその近傍に位置してもよい。
【0053】
ステント補綴具は、不連続性が円周方向リングに形成されるように、円周方向リングの中に分離領域設置を伴って生理学的環境内の拡張後に不連続性を形成する、少なくとも1つの分離領域を有する。ある事例では、これは、リングがもはや足場の周囲に連続円周方向経路を有していないように、切れ目、間隙、別個の区分へのリングの完全分離または二等分を提供する。いくつかの実施例では、各円周方向リングは、生理学的環境内の拡張に応じて不連続性を形成し、各リングが開放する、またはもはや足場の周囲に連続円周方向経路を有していないように、各円周方向リングの中に間隙、切れ目、または分離を提供するように位置する、分離領域を有する。
【0054】
二等分は、典型的には、構造要素または円周方向リングもしくは軸方向リンクの連続部分または区分を、必ずしも等しい長さではない2つまたはそれを上回る部分に分離する。例えば、円周方向リングの中のクラウンまたは支柱内の分離領域は、該クラウンまたは支柱を2つまたはそれを上回る部分に二等分するであろう。ある事例では、分離領域は、該クラウンまたは支柱の中央で該クラウンまたは支柱を二等分する。他の事例では、分離領域は、該クラウンまたは支柱の中央ではなく該クラウンまたは支柱を二等分する。
【0055】
好ましい実施例では、語句「分離領域」は、足場が生理学的環境内で拡張された後に足場に少なくとも1つの不連続性を形成するように構成される、足場内の場所または領域である。不連続性は、部分または区画が、もはや部分または区画の領域中で相互に直接接続されないように、ある場合には前もって継合された、足場の構成要素の2つの隣接する部分または区画の間に形成される、開口部、切れ目、間隙、二等分、または同等物を備える。構成要素の2つの隣接する部分または区画は、本明細書の他の場所に説明される方法のうちのいずれかでステントの拡張前に前もって継合されていてもよい、または連続構造として形成されていてもよい。
【0056】
少なくとも殆どの事例では、不連続性は、足場が生理学的環境内で拡張される後まで分離領域に形成されず、典型的には、ステントの拡張から1週間後~ステントの拡張から12ヶ月後、多くの場合、拡張から1ヶ月後~拡張から9ヶ月後、通常、拡張から2ヶ月後~拡張から7ヶ月後に及ぶ時間周期にわたって形成されるであろう。特に、バルーン拡張型ステントおよび他の補綴具の場合、分離領域は、足場がバルーンによって拡張されるにつれて無傷のままであることが予期され、不連続性は、足場が記述される時間周期にわたって血管または他の生理学的環境内で展開された後のみ、完全に形成される(すなわち、足場の前もって継合された領域を解放する)であろう。不連続性は、通常、生理学的環境内の拡張後まで形成されないが、ある場合には、1つまたはそれを上回るリング、典型的には、1つまたはそれを上回る端部リングは、生理学的条件下でステントの拡張(ステントの展開)に先立って、1つまたはそれを上回る不連続性を形成させ得る。
【0057】
例えば、本発明による、そのような管腔内補綴具は、任意の不連続性の形成に先立って、初期半径方向コンプライアンス、典型的には、上記で議論されるような複合コンプライアンスを有する、円周方向構造を伴う円周方向リングを有するであろう。しかしながら、不連続性の形成後に、円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、不連続性の形成に先立って、少なくともいくつかのリングの初期半径方向コンプライアンスに対して増加させられる、半径方向コンプライアンスを有するであろう。例えば、本発明の原理による、足場の円周方向リングのうちの少なくともいくつかの初期半径方向コンプライアンス(または足場区画の複合コンプライアンス)が、0.1%~1%、典型的には、0.1%~0.5%であってもよい一方で、不連続性の形成後の半径方向コンプライアンスは、典型的には、1.2%~10%、多くの場合、1.2%~5%または1.5%~3%であろう。
【0058】
足場の複合コンプライアンスを測定することの一実施例では、以下のように模擬血管システムを使用する。試験されている足場、模擬血管、模擬血管を加圧するために使用される水、および全ての他の試験機器は、室温で保持される。全ての直径測定は、足場に接触することなく、±0.01mm以内までの直径を測定することが可能な較正非接触システムを用いて行われる。好適な測定器具は、顕微鏡的ビデオ測定システム、レーザ顕微鏡、および光学比較器を含む。模擬血管を加圧するために使用される水の圧力測定は、±0.05PSI以内までの流体ゲージ圧力を正確に測定することができるゲージを用いて行われる。圧力測定は、直径測定が行われるときに行われる。設定で使用される全ての接続管の長さは、10インチ未満であり、管およびコネクタにおける任意の制限を排除するために、模擬血管の全体を通して圧力の任意の動的変化が圧力計によって正確に反映されることを保証するように排除される。直径測定は、模擬血管の初期加圧から30分で実施されるべきである。
【0059】
模擬血管は、その長さの全体を通して一様な断面および一様な材料性質を伴うエラストマシリコーン管である。2.5mm直径よりも小さいステントに関して、模擬血管壁厚は、0.25±0.03mmである。2.5mm直径およびそれよりも大きいステントに関して、模擬血管壁厚は、0.5mm±0.03mmである。模擬血管内の試験圧力は、3.4±1PSI(または約176mmHg)であり、本システムは、試験の持続時間にわたって本圧力を維持するために十分に漏出防止型であろう。ステント・模擬血管システムは、模擬血管の静止長および模擬血管の直径に影響を及ぼし得る、長さおよび縦方向力に起因する模擬血管の変化を防止するように固定される。ステント・模擬血管システムはさらに、内部加圧以外の力による直径の変化を防止するように固定される。
【0060】
バルーン拡張型非分解性足場は、加圧を伴わない模擬血管の外径に等しい、またはそれよりも0.1mm小さい拡張構成から、内向き反跳後のIDまで空中で展開される。足場は、試験されている足場とともに使用するために好適なバルーンまたは他の送達システムを使用して、拡張される。内径(ID)は、非接触測定システムを使用して検証される。自己拡張式足場は、それらの自由直径まで空中で展開され、IDは、非接触測定システムを使用して検証される。模擬動脈は、展開されたステントの内径に等しい、またはそれよりも0.1mm大きい外径を有するように選択される。
【0061】
拡張された試験足場は、模擬血管の外側にわたって摺動され、管直径を一時的に縮小し、ステントがそれを通り越させられることを可能にするために、必要に応じて模擬血管管類を伸張する。模擬血管上で張力を解放した後に、接触長全体に沿った足場のIDと模擬血管の外径(OD)との実際の接触が検証される。
【0062】
模擬血管チューブの内部は、少なくとも3.4psiを提供することが可能であり、そのような圧力において0.05psi以内まで管の中の圧力を測定することが可能なゲージを有する、インデフレータ(血管形成術中に血管形成術バルーンを膨張および収縮させるために使用される膨張/収縮デバイス)に接続される。
【0063】
ステントのODおよびステント留置区画から離れた模擬血管の参照区分のODは両方とも、模擬血管の直径に等しい、またはその2倍である、ステントからの距離、および模擬血管を保持する任意の固定具からの類似距離において、非接触システムを使用して測定される。これらのOD測定は、基準模擬血管OD値を取得するように行われ、平均化される。これらのOD測定は、基準足場OD値を取得するように、足場の中間長を中心として行われ、平均化される。模擬血管の内部は、3.4PSI(176mmHg)まで水で加圧され、足場および模擬血管のODは、圧力読取値が3.4PSIで維持されるときに、非接触システムを使用して基準を確立するために使用される同一の場所で測定される。複合コンプライアンスは、割合として複合コンプライアンスを判定するように、模擬血管が加圧されるときに測定されるOD値を基準OD値で除算し、1を減算し、100を乗算して判定される。
【0064】
例えば、模擬血管内の印加された圧力が、試験足場のODを3.50mmODから3.73mmODまで直径を増加させる場合、複合コンプライアンスは((3.73/3.50)-1)×100=6.6%である。第2の実施例として、模擬血管内の印加された圧力が、試験足場のODを3.50mmODから3.52mmODまで直径を増加させる場合、複合コンプライアンスは、((3.52/3.50-1)-1)×100=0.6%である。
【0065】
足場の複合コンプライアンスは、不連続性を形成する分離領域の開放の前および後に測定されることができる。不連続性の形成前の複合コンプライアンスを取得するために、足場が、上記で説明されるように測定される一方で、全ての分離領域は、無傷のままである。不連続性の形成後の複合コンプライアンスを取得するために、足場が、全ての不連続性を開放するように処置される一方で、足場は、模擬血管上に残留する。分離領域は、特定の分離領域の性質に特有の技法によって開放されてもよい。ポリマースリーブ、接着剤、または溶剤によって固定化される分離領域に関して、足場は、模擬血管を損傷することなく、不連続性を形成するように、溶剤、酵素、または他の化学物質に暴露される。代替として、非ポリマー分離領域に関して、分離領域は、機械的手段、レーザカッタ、超音波を使用して物理的に分離されてもよい、または他のエネルギーベースのカッタが、不連続性を形成する。疲労に応答して開放するロック設計または分離領域に関して、模擬動脈は、不連続性が形成されるまで5~8Hzの割合で循環的に加圧されることができる。実施例5および図35を参照されたい。分離領域が開放されている間に足場が崩壊する場合、複合コンプライアンスは、足場がない模擬血管コンプライアンスに等しいと見なされるであろう。
【0066】
足場は、生理学的環境内の拡張および不連続性の形成後に減少する、初期破砕強度を有する。足場は、埋込後に初期コンプライアンスを有し、コンプライアンスは、反跳後に拡張構成を減少させることなく、不連続性の形成後に増加する。
【0067】
半径方向強度(破砕抵抗)は、力および変位測定を可能にするように5Nロードセルを伴ってInstron引張試験機上に固定される、平行平坦パネル(ISO25539-2参照)を用いて測定される。底部プレートは、平坦であり、試験中に静止したままである。上部プレートは、変位の関数として力測定を記録するように、ロードセル上に搭載される。プレートは、噛合表面において相互と平行であることが視覚的に検証される。底部および上部プレートは両方とも、長さおよび直径において試験ステントを完全に被覆する表面を伴って、形状が長方形である。両方のプレートは、循環加熱器によって37±2℃の体温で維持される、体温の水槽の中で水面下に留まるように構成される。循環ポンプは、電流が結果を改変しないように防止するために、力測定中にオフにされる。上部プレートは、デルリンから形成され、底部プレートは、真鍮から形成される。
【0068】
試験足場は、標準インデフレータまたは他の送達システムを使用して、その公称内径において展開される。展開された試験ステントは、送達システムから除去され、試験ステントの直径は、非接触測定システムによって検証される。試験ステントは、次いで、生理学的条件を模倣する37℃の水中の水面下で平行プレートの間に設置する前に、長さが約50mmの0.035インチ直径マンドレル上に摺動される。マンドレルは、試験ステントが平行プレートとの初期接触時に転がらないように防止するであろう。上部プレートは、次いで、それがステントの約1mm上方に来て、力計がゼロに設定されるまで、Instron引張試験機から変位コントローラを使用してゆっくりと下方に押される。これは、次いで、試験ステントにかろうじて接触し、0.01Nの力が検出されるまで下げられる。ステントは、次いで、60秒にわたって水槽の中で安定化することを可能にされる。試験サイクルが、開始され、破砕抵抗力が、次いで、試験ステント直径の最大50%まで平行プレートの間の距離を減少させることによって測定される。力・距離曲線が、試験中に生成される。距離を減少させる割合(クロスヘッド速度)は、1.5mm/分である。ステント変形(圧縮)の10%における負荷力は、ニュートン単位で判定される。例えば、公称直径(3.0mm)まで拡張される3.0mm標識ステントに関して、それを0.3mm圧縮する(10%圧縮)ために要求される力を報告する。ニュートン(N)単位の負荷力は、次いで、N単位の強度をステント長に正規化するように、mm単位の拡張ステント長で除算され、したがって、ステントの半径方向強度は、N/ステント長のmmとして表される。
【0069】
拡張ステント基準半径方向強度は、(N/ステント長のmm単位で)測定され、破砕抵抗方法で説明されるように、(該当する場合)不連続性の形成後に再び測定される。本発明のステントに関して、半径方向強度は、不連続性の形成前の基準半径方向強度と比較して、不連続性の形成後に減少し、好ましくは、基準半径方向強度と比較して、基準半径方向強度の10%~100%の範囲だけ減少する。
【0070】
複合コンプライアンスおよび半径方向強度を測定するための上記のプロトコルは、2mm~4mmの公称直径を有し、専用または従来の展開システムを有する足場において、これらの値を測定するために特に効果的である。非標準サイズおよび非標準展開システムを含む、他のサイズならびに展開システムを有する、ステント、弁、補綴具、および任意の他の足場に関して、足場は、製造業者の出版された使用説明書に従って展開されるべきであり、試験装置は、上記で説明されるように、展開された足場との同一の適合を有するように調節または修正されるべきである。複合コンプライアンスの測定のための模擬血管の場合、模擬血管の外径は、展開された足場の内径に等しい、またはそれよりも最大0.1mm大きいべきである。破砕抵抗の測定のための平坦プレート分離距離の場合、足場ODは、非接触方法を介して±0.01mmの正確度で測定されるべきであり、10%偏向が、本測定から計算されるべきである。試験方法の全ての他の部分が、可能な限り従われるべきである。
【0071】
好ましい実施例では、そのような管腔内補綴具の足場は、不連続性が円周方向リングに形成された後に区画に分離してもよい。分離は、軸方向、円周方向、螺旋、不規則、または他の線に沿ってもよい。例えば、2つ、3つ、またはそれを上回る区画は、軸方向、螺旋、または不規則な線に沿って分離してもよく、区画が半径方向に拡張および収縮することを可能にし、身体管腔に埋め込まれたときに足場の複合コンプライアンスを増加させる。多くの場合、区画の全てまたは実質的に全ては、不連続性が増進した(または増加した)半径方向コンプライアンスを提供する一方で、足場の構造要素が軸方向に継合されたままであり、支持(または足場)を管腔(または血管)壁に提供するように、および/または要素が血管系もしくは身体管腔の中の埋込後に抜去または別様に解放される危険性が低減するように、それらの全長に沿って(またはステント全長に沿って)軸方向に継合されたままであろう。区画の他の実施例は、閉鎖セル区画および同等物を含む。そのような好ましい実施例では、足場(管腔内補綴具)は、圧着構成および/または拡張構成で管状本体を形成し、足場は、ワイヤ、実質的に連続的な管、シート、成形から、または印刷によって形成されてもよい。
【0072】
閉鎖セル設計では、そのような分離領域は、典型的には、円周方向経路がもはや連続的ではないように位置する。この場合、不連続性は、リングが開放され、円周方向経路が完全に二等分または分離されるように、リング上の閉鎖セルの間の円周方向コネクタの中に、またはリング上の閉鎖セルの両側に、位置してもよい。
【0073】
他の実施形態または/および実施例では、足場は、区画に分離しないであろう。すなわち、少なくとも1つ、通常、複数の不連続性が、足場に形成されるであろう一方で、全ての円周方向リング、支柱、クラウン、リンク、および足場の他の構造要素(または構成要素)は、足場のいかなる部分(または要素)もステントの残りの任意の他の部分から完全に断絶されないように、物理的に接続されたままであろう。不連続性が形成された後でさえも、足場の全ての部分のそのような物理的連結は、足場の任意の部分が血管系または他の身体管腔の中へ解放される危険性が低減されるため、利点であることができる。
【0074】
1つの特定の実施例では、隣接する円周方向リングにおける不連続性は、ステントが2つまたはそれを上回る軸方向に整合された区画に分割し、それぞれが、足場の第1の(通常は末端の)端部から足場の第2の(通常は末端の)端部まで延在するように、軸方向線に沿って分離してもよい。個々の円周方向リングのそのような軸方向に整合された区画は、軸方向(通常は直線状)、螺旋、または不規則分離線に沿って円周方向に分離するが、全ての不連続性が形成された後に、(例えば、1つまたはそれを上回る軸方向リンクによって)軸方向に継合された、または無傷のままである。そのような無傷の軸方向、螺旋、または不規則な区画は、典型的には、その拡張構成時の足場の全長に対応する長さを有して、伸長であろう。
【0075】
そのような伸長軸方向、螺旋、または不規則区画は、通常、それらの全長に沿って完全に分離されるであろうが、他の場合では、1つまたは2つの円周方向接続は、全ての不連続性が足場に形成された後に残留してもよい。具体的には、伸長区画は、「ドッグボーン化」を低減させるために、または他の目的のために、足場のいずれかまたは両方の末端において継合されたままであってもよい。
【0076】
いくつかの実施例では、本発明の足場の円周方向リングは、連続周囲または周辺、通常、円形周囲を有してもよく、その場合、隣接する連続リングは、典型的には、軸方向リンクによって、または直接接続によって、例えば、隣接する円周方向リング上でクラウンをともに溶接、融合、結束、粘着、または別様に接着することによって、継合される。他の事例では、円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、端部領域が螺旋足場を形成するように継合される、不連続周囲を有してもよい。具体的実施例および実施形態では、軸方向リンクは、非分解性金属、金属合金、または他の非分解性材料から成るであろう。最も一般的に、そのような軸方向リンクは、足場を形成するために使用される同一の管状構成要素(または材料)からパターン化されるであろう。したがって、多くの足場は、ステントを形成する同一の金属、金属合金、または他の材料から、一体またはモノリシック構造として形成されるであろう。
【0077】
本発明の例示的管腔内補綴具は、多くの場合、円周方向リング、閉鎖セル、または同等物等の反復構造要素を有する、足場を備えるであろう。円周方向リングのうちのいくつかまたは全ては、例えば、類似または同じ構造、例えば、類似または同じパターンでクラウンによって継合される複数の支柱を備えてもよい(但し、構造、パターン、および構造要素(厚さ、幅、形状)等のうちの変動する1つまたはそれを上回るものを有することもできる)。分離領域は、支柱、クラウン、または両方の中に位置してもよい。多くの場合、少なくとも1つの分離領域は、支柱の中に位置し、リング内の少なくとも1~5つの支柱は、分離領域を有するであろう。代替として、または加えて、少なくとも1つの分離領域は、クラウンの中に位置してもよく、リング内の1~5つのクラウンは、分離領域を有してもよい。しかしながら、多くの場合、殆どまたは全てのクラウンは、足場が圧着構成から拡張構成までバルーン膨張によって、または別様に半径方向に拡張されるにつれて、クラウンまたはクラウン領域が高い応力を受けるため、分離領域を含まないであろう。そのような高い応力は、足場における不連続性の時期尚早な形成および足場の構造完全性の損失をもたらし得る。支柱は、したがって、分離領域の形成のための好ましい場所である。分離領域はまた、軸方向リンクまたは隣接する円周方向リングの間の直接軸方向接続の他の領域に形成されてもよい。隣接するリングの間の軸方向コネクタの中の分離領域は、典型的には、リングもしくはステント留置区画の半径方向コンプライアンスに寄与しないであろう、または典型的には、不連続性の形成後にリングもしくは足場の半径方向強度に影響を及ぼさないであろう、したがって、随意であり、多くの場合、軸方向リンクおよび軸方向コネクタ領域は、不連続性を含まず、無傷のままであろう。したがって、本発明の多くの実施例では、足場は、複数の軸方向に連結された円周方向リングを備え、またはそれらから成り、リングは、分離領域がクラウン(もしくはクラウン領域)または軸方向リンクもしくは他の軸方向コネクタ領域ではなく、支柱のみに形成される、クラウンによって接続される支柱を備える、またはそれらから成る。円周方向リングの中に、例えば、支柱および/またはクラウンの中に分離領域を設置することは、埋込後の種々の時点でステントの円周方向性質を改変する能力を提供するという利点を有する。リングの円周方向配列は、数例を挙げると、半径方向強度(平坦プレート)、ステント留置区画の複合コンプライアンス、埋込後のより大きい直径までのさらなる拡張、血管拡張への応答等の種々のステント性質のためにリング構造を重要にする。例えば、円周方向リング構造の中に分離領域を設置することは、埋込後に不連続性が形成された後に、改変された改良性質をステントに提供する。管腔ステントの必要性は、本質的に時間依存性であり、異なる時点で異なる。埋込後の短い時間周期にわたって、ステントは、開放した状態で血管を支持するための高い半径方向強度を有するように要求され、次いで、次の周期にわたって、組織が再形成し、治癒が起こり始めた、または完了した後に、血管を開放した状態で維持するための高いステント強度の要件は、もはや必要ではなくなり、対照的に、高い強度を有することは、血管の生理学的機能を低下させ得る。ステンレス鋼合金ステント、コバルトクロム合金ステント、および白金イリジウム合金ステント等の現在の非分解性(非腐食性)ステントは、血管の直接初期の高い半径方向強度に対処するが、それらは、典型的には、埋込後に経時的に変化する血管要件に応答せず、血管は、もはや血管を開放した状態で維持するために高い半径方向強度を要求せず、経時的に維持されるそのような高い半径方向強度を有することによって、血管を刺激し、疾患のさらなる進行または不良な治癒を引き起こし得る。埋込後に円周方向リングに不連続性を形成する、ステントリング内の分離領域を有する、好ましくは、非分解性材料から形成されるステント(ステントはまた、分解性材料から形成されることもできる)は、埋込後に不連続性が形成された後に、改変された改良性質をステントに提供する。本発明のそのようなステントは、拡張後に高い初期半径方向強度を提供するように構成され、そのような高い初期半径方向強度は、次いで、埋込後に経時的に減少し、血管を開放した状態で維持しながら、血管の生理学的必要性に対処することに役立つ。同様に、現在の非分解性ステントは、典型的には、ステントの寿命にわたって、「血管を閉じ込める」ステント留置区画の低い複合コンプライアンスを有し、血管の天然血管運動能力を阻止する、血管拡張剤に応答する血管の能力を阻止する、またはステント留置区画が埋込後により大きい直径までさらに拡張しないように阻止する。埋込後に円周方向リング内に形成される不連続性を有する、本発明のステントは、拡張後により高い(または増加した)複合コンプライアンスを有するように構成されてもよく、血管のステント留置区画が血圧の自然変動(血管運動)に応答することを可能にし、ステント(またはステント留置区画)が初期拡張後に(および該当する場合、内向き反跳後に)さらに拡張することを可能にし、血管拡張剤に応答する血管の能力を維持する。本発明のステントは、拡張の直後に、または埋込後のより長い時間周期後に、ステント留置区画の中で増加した複合コンプライアンスを有するように構成されてもよい。
【0078】
通常、リングのより低い応力の領域であり、したがって、クラウンよりも少ない塑性変形を受けることを含む、支柱の中に分離領域を設置するという利点が存在する。支柱の場所およびサイズはまた、典型的には、クラウンまたはリングの他の曲線状領域等のステントのある他の面積よりも大きく、少ないトルクを有するため、より多くのタイプの分離領域のための付加的オプションを提供し得る。支柱は、典型的には、圧着構成から拡張構成までステントを拡張することができること等のステントの機能完全性を低下させることなく、(分離領域を有すること等の)その内側のより多くの変化に適応することができる。支柱の配向は、ステントが拡張されるにつれて変化(開放)し、ステントの拡張に応じて分離領域をともに保持された状態で保つように構成される展開に先立って、支柱角度を利用するように構成される分離領域設計を可能にし、半径方向、円周方向、および/または軸方向移動等の分離された支柱要素の所望の移動方向を可能にする、拡張ステント構成時のある角度まで支柱を開放する。
【0079】
クラウンの中の分離領域の設置に利点が存在し得る。リングが拡張または収縮すると、クラウンは、典型的には、高い屈曲モーメント(トルク)を受け、高い応力および塑性変形を引き起こす。高いモーメント(トルク)に耐性がある継合要素が、有利なこととしてクラウン領域中で使用されることができる。クラウン領域内の展開の運動は、隣接する支柱の間で回転を引き起こす。例えば、ボール・ソケット様継手または本願の全体を通して描写されるような他の継手を通して、本回転を自由にするように機能する継合要素は、分離後でさえも管腔に合致する「管状」の全体的形状を維持するように、リングの別個の領域の間で密着を維持しながら、リング剛性を低下させ得る。クラウン内に(クラウンの中に)分離領域を有することは、ある用途で所望され得るように、より高い複合コンプライアンスを有することができる。加えて、クラウンの中に分離領域を有することは、伸長または脆性等のそれらの限定された機械的性質に起因してステント用途には好適ではなかった、他の材料の使用を可能にし得、クラウンの中の分離領域は、破損を伴わずにリングの拡張を可能にし得る。
【0080】
該例示的管腔内補綴具では、支柱は、典型的には、「夾角」と称される、それらの間の角度を画定するように、クラウンによって継合されてもよい。足場が圧着構成である間の夾角は、典型的には、小さい、またはある時は負でさえあろう。夾角は、足場が圧着構成から拡張ステント構成まで拡張するにつれて増加するであろう。典型的には、クラウンによって継合される少なくともいくつかの支柱の圧着構成時の夾角は、-25°~+25°に及ぶ、さらに通常、-15°~+55°に及ぶ。拡張構成時の夾角は、典型的には、35°~180°に及ぶ、さらに通常、45°~150°に及ぶ。支柱の中に存在するとき、分離領域は、支柱の長さに沿ったいずれかの場所に位置することができ、典型的には、支柱の中央の中またはそれを中心として位置し、典型的には、支柱を二等分する。同様に、クラウンの中に存在するとき、分離領域は、クラウン上の点に形成されることができ、典型的には、クラウンの中央、例えば、典型的には半円形であるクラウンを二等分する場所を中心として位置する。好ましい実施例では、少なくとも1つの支柱の中の分離領域は、少なくとも1つの支柱を2つの別個の要素を二等分する、事前形成された切れ目(または間隙)である。少なくとも1つの支柱の中の分離領域の実施例は、突き合わせ継手設計、キーおよびロック設計、くし設計、および/またはその他を含み、分離領域に隣接する二等分された支柱要素は、一様なステント拡張を有する、ならびに/もしくは拡張に応じてステントの構造完全性を維持するように構成される、種々の幾何学形状、形状、寸法、パターンを有してもよい。少なくとも1つの二等分された支柱(分離領域)は、通常、本願の全体を通して説明されるように、1つまたはそれを上回る材料によってともに保持される。
【0081】
好ましい実施例では、分離領域のうちの少なくともいくつかは、少なくともいくつかの円周方向リングの「低応力領域」、すなわち、バルーンによって、または自己拡張によってのいずれかで、足場が拡張されるにつれて、より少ない応力を受ける、支柱領域等のこれらの領域の上または中に位置する。足場が圧着構成から拡張構成まで拡張すると、支柱等の低応力領域は、足場が半径方向に拡張するにつれて集中応力の結果として変形する、クラウン等の高応力領域よりも少ない応力を受けるであろう。特定の実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域をそれぞれ有する、少なくともいくつかの円周方向リングは、生理学的環境内のステントの拡張に応じて初期強度を有し、少なくともいくつかの円周方向リングの初期強度は、不連続性の形成後に減少する。好ましい実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域は、好ましくは、支柱の中に位置し、支柱は、足場が圧着構成から拡張構成まで拡張されるにつれて低減した(または最小限の)応力を受け、したがって、拡張中に不連続性の全てまたは実質的に全ての形成を阻止することによって、拡張中の足場の構造完全性を増進する。
【0082】
管腔内補綴具の足場の中の分離領域は、種々の形態をとってもよい。例えば、分離領域は、クラウン領域の中および/または支柱領域の中に事前形成された切れ目もしくは間隙を備えてもよく、それによって、クラウンならびに/もしくは支柱構造要素を、典型的には、分解性ポリマーであるが、ある時は、分解性金属または金属合金である、生理学的環境内で分解するであろう材料によって継合される、それによって被覆される、もしくはそれに埋め込まれる、該クラウンおよび/または該支柱の2つの別個の区分に二等分し、多くの具体的実施例が以下で詳細に説明される。1つまたはそれを上回る材料を備える、分解性材料は、ひいては、分離領域の少なくとも1つの表面に適用され、ステントの少なくとも1つの表面に適用され、全ての分離領域表面に適用され、および/または全てのステント表面に適用され得る、スリーブ、コーティング、はんだ、接着剤、積層、ならびに同等物を含む、種々の形態および幾何学形状で提供されることができる。いくつかの実施例では、分離領域表面または足場表面の少なくとも1つの表面、大部分、もしくは全体は、分解性材料でコーティングまたは積層されることができる。好ましい実施例では、材料は、分離領域の対向表面、および反管腔側のステント、ならびに管腔表面の間の空間を全て充填し、表面をともに保持し、ステントの拡張に応じてステント構造完全性を維持する、接着剤、糊、または取付要素として作用する。他の事例では、分解性材料は、分離領域のみの上または中、随意に、その両側の短い距離、例えば、2mm、1mm、0.5mm、または同等物に位置することができる。さらに別の実施例では、1つまたはそれを上回る非分解性材料を備える非分解性材料は、加えて、少なくとも1つの分離領域表面に適用され、および/または加えて、少なくとも1つのステント表面に適用され、ならびに/もしくは加えて、全ての分離領域表面に適用され、および/または加えて、全てのステント表面に適用されることができる。非分解性材料は、分解性材料の前に適用される、または分解性材料の後に適用されることができる。好ましい実施例では、非分解性ステント上に設置される分解性および/または非分解性材料は、ポリマー材料である。別の実施例では、ポリマー材料(分解性および/または非分解性)は、好ましくは、少なくともステントの反管腔側表面を被覆するように、ステントの少なくとも1つの表面上にコーティングされ得る、少なくとも1つの薬物を含有する。
【0083】
いくつかの実施例では、分離領域は、リングが継合され続けるが、不連続性において種々の方向に移動する能力の増加を呈するように、弛緩し、拡張し、より可撓性になり、または軟化し、円周方向リングに不連続性を作成する、非分解性材料から成る。本分離領域は、可撓性非分解性材料またはポリマーを足場の分離領域(間隙、切れ目、または中断)の中に組み込むことによって形成されてもよい。いくつかの実施例では、分解性または非分解性材料もしくはポリマーは、足場上にコーティングされ、足場の全てまたは分離領域を被覆する。分解性材料の場合、これは、生理学的条件における足場の拡張後に分解し、ある場合には、コーティングの中に組み込まれた薬物を放出し、および/または分離領域において分解し、不連続性の形成を可能にする。コーティングがポリマー等の非分解性材料であるとき、コーティングは、足場全体または足場のいくつかの領域を被覆してもよい。非分解性材料は、非分解性材料が生理学的条件における足場の拡張後に軟化し、不連続性において可撓性および移動の増加を可能にするように、足場の中の間隙または切れ目であり得る、分離領域を被覆するように選定されてもよい。
【0084】
特定の実施例では、分解性材料は、スプレーコーティング、浸漬コーティング、スリーブカプセル化、印刷、はんだ付け、接着剤を用いた粘着、または同等物によって、適用されることができる。分解性材料は、本明細書の他の場所でさらに詳細に説明されるように、ポリマー、金属、または任意の他の分解性材料であることができる。典型的には、分解性材料は、ステントまたは他の補綴具の足場が生理学的環境内で圧着構成から拡張構成まで拡張している間に、分離領域をともに保持して分離領域中で隣接する構造要素を固定化するために十分な強度を有する。分解性材料は、通常、圧着構成から拡張構成までのステントの拡張後に分解する。分解性材料は、非分解性構造要素の隣接する領域の厚さと実質的に同一である厚さを有してもよい、すなわち、分解性材料は、隣接する構造要素の間の間隙または他の空間を充填するであろうが、これらの隣接する領域にわたって延在しないであろう。しかしながら、他の実施例では、分解性材料は、該分離領域に隣接する非分解性構造要素の厚さよりも5μm~30μm厚く及ぶ、該分離領域に隣接する厚さを有してもよく、かつ該隣接する領域にわたって延在してもよい、ステントの少なくとも1つの表面にわたって延在してもよい、もしくはそれを被覆してもよい、または全てのステント表面を被覆してもよい。分解性材料厚さは、全ての分離領域に関して実質的に同一であり得る、または、例えば、不連続性の形成のタイミングを制御するように、異なる厚さを有し得る。
【0085】
好ましい実施例では、分解性材料は、実質的に一様にステントの非分解性構造要素を被覆し、すなわち、構造要素の実質的に全ての反管腔側表面にわたって実質的に同一の厚さを有し、かつ構造要素の実質的に全ての管腔表面に関して同一の厚さを有するが、分解性材料はまた、足場構造要素の異なる表面に関して異なる厚さも有し得る。典型的には、足場構造要素の反管腔側および/または管腔表面領域にわたるコーティングもしくは他のカバーは、3μm~50μmに及ぶ、さらに通常、5μm~30μmに及ぶ。分解性材料は、分離領域のみを被覆および/または充填してもよい、隣接する構造要素の分離領域ならびに表面を被覆および/または充填してもよい、分離領域ならびに隣接する構造要素および隣接するリングの表面を被覆および/または充填してもよい、もしくはステント全体を被覆し、全ての分離領域を充填してもよい。
【0086】
いくつかまたは全ての分離領域は、本明細書の他の場所で説明されるように、ほぼ同時に、または異なる時間周期で、不連続性を形成するように構成されることができる。好ましい実施例では、分解性材料は、埋込後の1ヶ月~2年に及ぶ、好ましくは、埋込後の2ヶ月~1年に及ぶ、より好ましくは、埋込後の3ヶ月~9ヶ月に及ぶ、周期後に分解する。
【0087】
別の好ましい実施例では、少なくとも1つの分解性材料によってともに保持される分離領域を有する、非分解性足場は、拡張後に、および該当する場合、拡張後の初期内向き反跳後に、初期ステント平均体積(または平均面積)を有し、該平均面積(または平均体積)は、ステントの埋込後の該分解性材料の分解後に、ならびに/もしくは生理学的環境内の埋込後の1ヶ月~9ヶ月に及ぶ周期内で、初期ステント平均体積(または平均面積)の0.75%~0.90%、実質的に同一の(維持された)初期平均ステント体積(または平均ステント面積)、もしくは増加した平均ステント面積(または平均ステント体積)である。
【0088】
別の実施例では、非分解性足場(またはステント)もしくは他の補綴具は、該円周方向リングのそれぞれの経路に沿って1つまたはそれを上回る分離領域を有する、複数の円周方向リングを備える。足場は、拡張後に、および(該当する場合)初期内向き反跳後に、平均ステント面積(または平均ステント体積)を維持するために十分な初期強度を有し、不連続性の形成後の足場は、生理学的環境内でステント平均面積(または平均体積)を実質的に維持もしくは増加させながら、該初期強度の減少を呈する。そのような非分解性足場は、典型的には、伸張可能(弾性)、通常、足場の拡張に応じてともに分離領域に隣接する構造要素を保持するために十分に伸張可能(弾性)、および/または展開後、もしくは展開後かつ分解性材料の分解前、または分解性材料の分解後に、足場もしくは足場区画が血管運動または血管拡張に適応もしくは応答することを可能にするために十分に伸張可能(弾性)であり得る、分解性材料を有するであろう。そのような実施例におけるステントまたは他の補綴具は、血管拡張剤が使用されるときに、もしくは約180mmHgの圧力の変化が印加されるときに、1つまたはそれを上回る足場区画の中で(もしくはステント留置区画の中で)直径の増加(または直径の変化)に適応してもよい(もしくはそれを呈してもよい)。直径のそのような変化は、生理学的条件下の拡張後に、0.05mm~0.5mm、より典型的には、0.7mm~0.4mmに及ぶ。別の実施例では、少なくとも1つまたはそれを上回る分離領域に隣接する(その中、上、周囲を含む)弾性材料は、ポリウレタン材料等のポリマー材料等の非分解性材料である。好ましい実施例では、非分解性材料は、圧着構成から拡張構成までのステントの初期展開に応じて分離領域をともに含有するために十分な強度を有し、該弾性非分解性材料は、生理学的条件下で、ステントの初期拡張後に、および/または不連続性の形成後に、1つまたはそれを上回るリングもしくはステント留置区画がさらに拡張ならびに/もしくは収縮することを可能にする。
【0089】
さらに別の実施例では、分離領域は、リングの構造要素、通常、支柱および/またはクラウンに形成される、間隙、空間、もしくは他の切れ目の中に、上に、ならびに/もしくはそれに隣接して配置される、弾性材料を備えてもよい。弾性材料は、典型的には、生理学的環境内の足場の拡張後に無傷のままであり、弾性材料は、生理学的条件下で半径方向コンプライアンスを増加させるために、リングの拡張、ある場合には、収縮を可能にする、「拡張継手」として作用してもよい。いくつかの実施例では、そのような拡張継手は、足場が展開されている間に足場の隣接する分離された領域をともに接続または接合もしくは保持する、コーティング、スリーブ、接着剤の形態、または本明細書の他の場所で説明されるような任意の他の形態における生体吸収性材料によって固定化されるであろう。他の実施例では、1つまたはそれを上回る拡張継手は、固定化されず、弾性材料は、拡張後に所望の半径方向コンプライアンスもしくは強度を依然として提供しながら、膨張または他の拡張中に無傷のままであるために十分な強度を提供するであろう。分離領域中の弾性材料は、単独で、または分解性材料等の手段によって膨張または他の拡張中に固定化される他の分離領域と組み合わせて、利用されてもよい。
【0090】
なおも他の例示的実施形態では、分離領域は、拡張中に固定化されるが、生理学的環境内の初期拡張後に分離するように構成される、「キーおよびロック」接合点を備えてもよい。ある事例では、キーおよびロック接合点は、円周方向ならびに/もしくは半径方向への分離を可能にするが、軸方向への分離を阻止する、くし状界面を有してもよい。他の事例では、キーおよびロック接合点は、円周方向、半径方向、ならびに/もしくは軸方向への分離を可能にする、平滑もしくは直線状界面を有するであろう。他の場合では、キーおよびロック接合点は、「鋸状」、「V字」、「U字」、逆「V字」、逆「U字」、または他の表面領域界面等の非直線状界面領域を有し、そのような非直線状表面領域界面は、1つまたはそれを上回る表面領域界面を有することができ、1つまたはそれを上回る表面領域界面は、同一もしくは異なる形状、サイズ、厚さ、長さ、幅を有することができる。そのようなキーおよびロック接合点は、典型的には、拡張中に固定化されるが、生理学的環境内の初期拡張後に分離するように構成され、例えば、生分解性ポリマー等の分解性材料によって被覆される、それに埋め込まれる、またはそれによって継合される。
【0091】
なおも他の実施例では、本発明の分離領域は、生理学的環境内で分解する材料によって継合される、それによって被覆される、またはそれに埋め込まれる、突き合わせ継手を備えてもよい。
【0092】
本発明の管腔内補綴具の足場は、非分解性材料、典型的には、金属または金属合金材料を備えるであろう。金属足場に形成される不連続性は、足場が初期拡張からの反跳後にさらに拡張することを可能にする。不連続性はさらに、典型的には、足場が初期拡張直径よりも大きい拡張直径までさらに拡張することを可能にするであろう。
【0093】
いくつかの実施形態および実施例では、円周方向リングは、拡張および/または圧着構成時の足場の縦軸と略垂直であり得る。他の実施形態および実施例では、円周方向リングは、拡張および圧着構成の一方または両方時の足場の縦軸に対する角度で傾斜し得る。なおもさらなる実施例および実施形態では、連続円周方向リングは、各リングが螺旋の単一の巻目を画定する、連続螺旋パターンで端から端まで継合されるであろう。
【0094】
別の側面または実施例では、本発明は、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能である、コバルトクロム合金、白金イリジウム合金、およびステンレス鋼合金等の非分解性金属または金属合金足場を備える、可変的に柔軟なステント(または制御可能コンプライアンスステントもしくは増加コンプライアンスステント)、足場、または他の管腔もしくは弁補綴具を提供する。足場は、好ましくは、少なくとも、血管が治癒するために十分な拡張(もしくは埋込)後の時間周期にわたって、および/または少なくとも、(初期拡張後のステントの任意の初期内向き反跳後に)さらなるもしくは付加的血管管腔内向き反跳の危険性が減退する、または低減されるときに、拡張後の時間周期にわたって、および/または少なくとも、埋込後の30日~6ヶ月に及ぶ時間周期にわたって、および/または少なくとも、埋込後の60日~6ヶ月に及ぶ時間周期にわたって、拡張後に血管管腔を支持するために十分な強度を有する。ステントは、いくつかの実施例では、拡張後に(または拡張の直後、もしくは埋込(拡張)後の24時間以内、または埋込(拡張)後の6ヶ月以内、もしくは埋込後の3ヶ月以内、または埋込後の2ヶ月以内に)初期強度を有し、該初期強度は、身体管腔を支持するために十分であり、ステントは、空中または生理学的条件(37℃の水等)下で拡張され、次いで、生理学的条件下で、初期強度は、初期強度よりも低い第2の強度まで減少し、好ましくは、3日~6ヶ月に及ぶ周期内に減少し、好ましくは、該初期強度は、30日~6ヶ月に及ぶ周期で第2のより低い強度まで減少する。該第2の強度までの強度の減少は、質量損失を伴わずに、または非分解性金属もしくは非分解性金属合金の分解を伴わずに起こる。第2のより低い強度は、いくつかの実施例では、初期強度の10%~100%に及ぶ、または初期強度の10%~90%に及ぶ、もしくは初期強度の20%~80%に及ぶ、または初期強度の30%~60%に及ぶ。ステントは、いくつかの他の実施例では、拡張後に(または拡張の直後、もしくは埋込(拡張)後の1時間以内、または埋込後の2時間以内に)初期強度を有し、該初期強度は、身体管腔を支持するために十分であり、ステントは、空中または生理学的条件下で拡張され、次いで、生理学的条件下の初期強度は、典型的には、初期強度よりも5%~50%大きい、好ましくは、初期強度よりも10%~30%大きい、第1の強度まで増加し、該第1の強度は、初期強度後に(または埋込(拡張)後の初期強度測定後に、もしくは埋込から1時間後に、または埋込から2時間後に、もしくは埋込後の1時間から埋込後の1ヶ月の間に)生じ、該初期強度は、生理学的条件下で第1のより大きい強度まで増加し、次いで、該第1の強度は、同一または類似生理学的条件下で初期強度よりも低い第2の強度まで減少し、該第1の強度は、好ましくは、15日~9ヶ月に及ぶ周期内に初期強度(第2の強度)を下回るまで減少し、好ましくは、該第1の強度は、30日~6ヶ月に及ぶ周期内に(または60日~6ヶ月に及ぶ周期内に)(初期強度よりも低い)第2のより低い強度まで減少する。該第2の強度までの強度の減少は、非分解性金属または金属合金の分解を伴わずに(質量損失を伴わずに)存在する(もしくは起こる)。第2のより低い強度は、いくつかの実施例では、初期強度の10%~100%に及ぶ、または初期強度の20%~85%に及ぶ、もしくは初期強度の30%~65%に及ぶ。展開(または拡張)の直後に、足場は、模擬血管(または細い管)の中で測定されたときに、1%と同程度、典型的には、0.7%と同程度、多くの場合、約0.5%と同程度、典型的には、0.1%~1%、通常、0.2%~0.5%の範囲内の複合コンプライアンスを有する。生理学的条件(シミュレーションされた生理学的条件を含む)下の拡張後、または血管条件への暴露後に、模擬血管の中で測定されたときの複合コンプライアンスもしくはステントコンプライアンスは、少なくとも1.2%まで、多くの場合、少なくとも1.5%まで、ある時は、少なくとも2%またはそれを上回るまで増加するであろう。可変的に柔軟なステント補綴具の他の実施例では、模擬血管の中で測定されたときのステントの複合コンプライアンスは、模擬血管の中で測定されたときの初期複合コンプライアンスと比較すると、少なくとも2倍、多くの場合、少なくとも3倍、ある時は、少なくとも4、5、10倍、またはそれを上回って増加し得る。
【0095】
そのような可変的に柔軟なステント補綴具は、可変コンプライアンスを提供する、種々の具体的設計特徴を有し得る。以下でさらに詳細に説明されるように、例えば、非分解性金属または金属を備えるステント補綴具は、閾値時間にわたる血管条件への暴露後に分離する、もしくは不連続性を形成する、分離領域を有する足場を可能にする。例えば、分離領域のうちのいくつかは、最初に、血管条件に暴露されたときに経時的に分解する生体吸収性材料によって、分離することを妨げられ得る。より具体的には、生体吸収性材料は、ともに足場の(または足場分離支柱の、もしくは足場分離クラウンの、または足場分離構造要素の)隣接する分離された領域を最初にともに接続または接合もしくは保持するために好適なコーティング、スリーブ、接着剤の形態、または任意の他の形態であってもよい。生体吸収性材料は、血管条件に暴露されたときに、30日~3年、多くの場合、3ヶ月~2年、より多くの場合、3ヶ月~1年に及ぶ時間周期にわたって分解し得る。ステントがこれらの条件を満たすかどうかを判定する目的のために、ステントは、ヒト血管または管腔に埋め込まれたときに受ける、これらの条件を模倣することを意図している、本明細書の他の場所で定義されるような血管条件(生理学的条件)に生体外で暴露され得る。これはまた、生体内血管条件後に試験されることもできる。これはまた、本願で説明されるように、生理学的条件下で生体外試験を使用して試験されることもできる。いくつかの他の実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域を含有する、1つまたはそれを上回るリングは、非分解性材料、好ましくは、弾性材料、好ましくは、非分解性ポリマー材料を含有する。非分解性材料は、ステントの拡張に応じて、そのような分離領域をともに、または別の材料(分解性材料もしくは他の非分解性材料等)とともに保持するために十分な強度を有することができる。弾性非分解性材料は、弾性材料を含有する1つまたはそれを上回るステント区画(もしくはリングまたはステント留置区画)を拡張することによって、ニトログリセリンまたは別の血管拡張剤の使用に応答すること等の拡張の直後に、または拡張後の24時間以内に、所望の半径方向コンプライアンスを提供することができる。本実施例における弾性非分解性材料は、初期拡張の直後に、および/または初期拡張(もしくは埋込)後の30分以内に、ならびに/もしくは初期拡張(埋込)後の24時間以内に、所望のコンプライアンスを制御する、初期内向き反跳後にさらなる拡張を制御する、所望の半径方向強度を制御する、および/またはステントの他の機械的性質を制御する。ステントは、加えて、1つまたはそれを上回る分離領域を含有する、1つまたはそれを上回るリング(非分解性弾性材料を含有する分離領域を含有する、同一もしくは異なるリング)を備えることができ、1つまたはそれを上回る付加的分離領域は、分解性材料(分解性ポリマー材料等)を含有する。非分解性材料を含有する、1つまたはそれを上回る分離領域は、典型的には、生理学的環境内の拡張後に不連続性を形成することを阻止するが、該分離領域(もしくはステント区画)を含有するリングが所望のコンプライアンスを有することを可能にする、または初期拡張後の初期反跳後にさらなる拡張を可能にする、または非分解性材料の伸張もしくは弾性に起因する、血管拡張剤へのステント留置区画(もしくは1つまたはそれを上回るリング)の応答を可能にする。さらに別の実施例では、1つまたはそれを上回るリング上の全てもしくは実質的に全ての分離領域(またはステント上に含有される全ての分離領域)は、非分解性材料を含有し、非分解性材料は、不連続性の形成を阻止するが、ステント(もしくは1つまたはそれを上回るリング)が所望のコンプライアンスおよび/または半径方向強度を有すること、ならびに/もしくは材料の伸張、弾性、および/または他の材料性質に起因する、血管拡張剤に応答することを可能にする。
【0096】
他の具体的実施例および実施形態では、非分解性金属または金属合金足場は、上記もしくは他の場所で説明される閾値時間周期にわたる血管条件への暴露後に分解する、補強材料で補強される領域を備えてもよい。補強材料は、該時間周期にわたって分解する生体吸収性材料を備えてもよい。例えば、補強材料は、非分解性金属または金属合金足場のクラウンおよび/または支柱内の空隙を充填してもよい。なおもさらに代替として、補強材料は、少なくとも非分解性金属または金属合金足場の表面の領域を被覆もしくはコーティングしてもよい。
【0097】
上記および/または他の場所で説明されるように、可変コンプライアンスを示すことに加えて、本発明の可変的に柔軟なステントは、開放した状態で血管管腔を保持するため、かつ時間のある最小閾値にわたって、通常、少なくとも30日、さらに通常、少なくとも60日、多くの場合、少なくとも90日またはそれより長く、初期拡張後の初期反跳後に血管反跳を阻止または防止するために、拡張および埋込後に十分な半径方向強度を示すであろう。典型的には、例えば、冠動脈ステントに関して、例えば、10%の平坦プレート圧縮試験を使用して測定されるステント強度(または拡張されたステントの初期ステント強度)は、好ましくは、ステントが公称ステント拡張直径まで拡張された後に、平坦プレート10%圧縮を使用して、そのようなステント強度が測定されるとき、ステント長の1ミリメートルあたり0.030ニュートン~ステント長の1ミリメートルあたり0.14ニュートン、具体的には、ステント長の1ミリメートルあたり0.04ニュートン~ステント長の1ミリメートルあたり0.1ニュートン、多くの場合、ステント長の1mmあたり0.05ニュートン~ステント長の1ミリメートルあたり0.1ニュートンの範囲内であろう。必ずではないが、通常、ステント(足場)の半径方向強度は、複合コンプライアンスが初期複合コンプライアンスから増加する(ある他の実施例では、初期複合コンプライアンスが増加する前に減少する)につれて、拡張および血管条件への暴露後に減少するであろう(ある他の実施例では、拡張されたステントの初期半径方向強度は、初期拡張ステント強度よりも小さい第2の強度まで減少する前に、初期強度よりも大きい第1の強度まで増加する)。半径方向強度の減少は、半径方向コンプライアンスの増加と同時に(またはそれに対応して、もしくは類似時間に、または同時に、もしくはほぼ同時に)起こる。殆どの場合、拡張されたステントの半径方向コンプライアンスおよび半径方向強度は、相互に反比例して変動するであろう。多くの場合、ステント足場の半径方向強度は、典型的には、拡張の直後、または拡張および血管条件への暴露の直後(拡張後の1時間以内等)に測定される、初期半径方向強度の20%~100%の範囲内で減少し、ある時は、20%~80%の範囲内で減少するであろう、またはある場合には、拡張されたステントの初期半径方向強度が、実質的に初期強度まで、もしくは初期強度よりも低い強度まで減少する前に増加する一方で、コンプライアンスは、生理学的条件における埋込後に初期コンプライアンスから増加する、またはある他の場合には、拡張されたステントの初期半径方向強度が、実質的に維持される一方で、コンプライアンスは、初期コンプライアンスから生理学的条件における拡張後に増加する。
【0098】
可変的に柔軟なステントの特定の実施例または実施形態では、非分解性金属もしくは金属合金足場は、公称拡張直径(ステントまたは他の足場がバルーンによって拡張されることを意図している直径)を有し、強度および複合コンプライアンスは両方とも、ステントが公称拡張直径の80%~120%である直径まで拡張された後に測定される。より一般的には、強度および複合コンプライアンスは、ステントが公称延長直径の100%まで拡張された後に測定されるであろう。
【0099】
他の実施例では、ステントは、拡張構成への展開後に身体管腔を支持するために十分な強度を有し、展開後に1%~10%の内向き反跳を有し、ステントが展開後に1%もしくは1%よりも大きいコンプライアンスを呈する、および/または展開後に身体管腔を支持するために十分な強度を有するステントを有する場合、拡張構成への展開後に1%~10%の内向き反跳を有し、次いで、ステントは、生理学的条件下で、または血管拡張剤の使用下で、展開後および該内向き反跳後に3%~20%に及ぶ外向き反跳を呈する。
【0100】
いくつかの他の実施例では、生理学的条件(血管拡張剤の使用を含む)下の複合コンプライアンス規模は、0.05mm~0.5mmに及ぶ、好ましくは、0.07mm~0.4mmに及ぶ、より好ましくは、0.1mm~0.4mmに及ぶ。そのような直径変化の規模は、ステント留置区画、またはステント留置区画の平均値、もしくは好ましくは、ステント留置区画の中央を中心とした領域中のうちの1つまたはそれを上回るものにおいて測定される。
【0101】
他の実施例では、生理学的条件下のステントの外向き反跳規模は、0.05mm~0.5mmに及ぶ、好ましくは、0.07mm~0.4mmに及ぶ、より好ましくは、0.1mm~0.4mmに及ぶ。
【0102】
別の側面または実施例では、本発明は、補強要素を伴うポリマー補綴具、およびそれらの使用ならびに加工のための方法を提供する。管腔内補綴具は、生分解性ポリマーからパターン化され、円周方向足場が小さい直径の構成からより大きい直径の構成まで拡張するにつれて変形する拡張領域を有する、円周方向足場を備える。一実施例では、本発明の管腔内補綴具は、冠状動脈ステント補綴具を備えてもよい。別の実施例では、本発明の管腔内補綴具は、血管ステント補綴具を備えてもよい。さらに別の実施例では、ステント補綴具は、非血管ステント補綴具である。補強要素は、足場がより大きい直径の構成まで拡張された後に円周方向足場を強化するように、円周方向足場の少なくともいくつかの領域に結合される。補強要素は、好ましくは、変形可能となり、分解性(腐食性もしくは浸食性も含む)または非分解性(非腐食性および非浸食性も含む)であり得る。具体的には、補強要素は、可鍛性もしくは弾性であり得る、金属および金属合金を備えてもよい、ポリマーを備えてもよい、または以下もしくは本願で説明されるように、ステント補綴具の拡張領域および/または他の構造を補強することができる機械的性質を有する、他の材料から完全もしくは部分的に形成されてもよい。
【0103】
円周方向足場は、一実施例では、典型的には、完全または部分的に生分解性ポリマーから形成される管もしくは円筒からパターン化されるタイプのステント足場を備えるであろう。管または円筒は、押出、浸漬、噴霧、成形、もしくは印刷によって形成されることができる。生分解性ポリマーの管または円筒は、レーザ切断、フォトリソグラフィ、3次元印刷、ステレオリソグラフィ(SLA)、および同等物等のポリマーからステントを形成する当技術分野で周知の多くの技法のうちのいずれか1つを使用して、パターン化されるであろう。拡張領域は、典型的には、円周方向足場の直径が拡張される(または増加される)につれて、拡張領域が開放し、隣接するあまり変形可能ではない、または非変形可能領域もしくは構造要素、例えば、支柱の間の角度を増加させるように、隣接する支柱、ビーム、または他のあまり変形可能ではない、もしくは非変形可能特徴または構造もしくは構造要素に継合され得る、継手、ヒンジ、クラウン、湾曲部、屈曲部、および/または変形可能特徴もしくは構造または構造要素を備えるであろう。ステントはまた、ワイヤ(中実もしくは中空)または繊維から形成され、パターン化または編組されることもできる。
【0104】
補強要素は、例えば、足場が圧着構成からより大きい直径の構成まで拡張されることに応じて、またはその後に、円周方向足場の剛性、破砕強度、破砕抵抗強度、半径方向強度、フープ強度、もしくは同等物を改良するために、提供されてもよい。具体的には、1つまたはそれを上回る補強要素は、具体的には、円周方向足場が、平行離間プレートの間に設置され、事前判定された量(または10%圧縮力(N)等の%もしくはステント長に正規化するN/mm)だけ拡張された足場直径を縮小するために必要とされる力が測定される、当技術分野で一般的に公知であるような、例えば、「プレート」または「平坦プレート」試験によって測定されるような、そのような強度を増進するために、円周方向足場上の支柱および/またはリンク等の1つまたはそれを上回る拡張領域ならびに/もしくは他の領域に結合されてもよい。半径方向強度を測定する他のタイプの試験もまた、当技術分野で一般的に公知であるように利用される(例えば、psi単位で測定される)ことができる。
【0105】
最も一般的には、別の実施例では、補強要素は、継手、ヒンジ、クラウン、屈曲部、または他の拡張領域のうちの少なくともいくつかが、拡張もしくは開放後に、補強要素の追加がないよりも閉鎖力(または破砕抵抗力)に良好に抵抗することができるように、そのような拡張領域に結合されるであろう。拡張領域は、円周方向足場が拡張されるにつれて変形を受け、補強要素の存在は、いったん開放されると、補強要素が、足場が埋め込まれた血管または他の身体管腔もしくは身体管腔病変によって及ぼされる閉鎖力に足場が抵抗することを支援するように、拡張領域とともに開放するであろうことが理解されるであろう。変形可能拡張領域に加えて、円周方向足場はまた、典型的には、円周方向足場が拡張されるにつれて、通常、それらの形状を留保または実質的に留保する、非変形可能またはあまり変形可能ではない領域を含むであろう。補強要素はまた、これらの非変形可能またはあまり変形可能ではない領域のうちの少なくともいくつかに結合されてもよい。多くの実施例または殆どの実施形態では、拡張領域が、上記で説明されるように、曲線状継手、ヒンジ、クラウン、屈曲部、または同等物であろう一方で、非変形可能領域は、典型的には、支柱、直線状支柱、または足場の他の通常は線形の要素であろうが、ある時は、波形、S字形、M字形、V字形、波状線形、または波状非線形、およびU字形等の非線形もしくは他の形状を有してもよい。典型的には、管腔内補綴具の円周方向足場の拡張は、膨張式バルーンまたは他の従来の装置によって達成されるであろうが、他の場合では、円周方向足場は、弾性ポリマーまたは他の材料から加工され得、拡張が束縛からの円周方向足場の解放によって達成される、自己拡張式であり得る。
【0106】
一実施例では、補強要素は、補強された領域、補強されたリングもしくは拡張領域、および/またはステントの剛性もしくは強度を増加させる。
【0107】
別の実施例では、補強要素は、ステントの少なくとも1つの領域の強度を15%~100%の範囲だけ増加させ、好ましくは、強度を25%~150%の範囲だけ増加させ、より好ましくは、強度を25%~200%の範囲だけ増加させる。
【0108】
別の実施例では、補強要素は、平坦プレート試験10%圧縮を使用して測定するときに、0.015N/ステント長のmm~0.035N/ステント長のmmの範囲だけステントの強度を増加させ、好ましくは、0.015N/mm~0.05N/ステント長のmmの範囲だけステントの強度を増加させ、より好ましくは、0.015N/mm~0.09N/ステント長のmmの範囲だけステントの強度を増加させる。例えば、3.0mmステントに関する0.015N/mmの強度(例えば、平坦プレート試験方法を使用する)×28mmステント長は、0.42N強度に等しい、0.015N/mm×28mm(ステント長)に等しい。
【0109】
別の実施例では、補強要素を有するステントは、平坦プレート試験10%圧縮を使用して強度を測定するときに、0.03N/mm~0.06N/ステント長のmmに及ぶ強度を有し、好ましくは、0.025N/mm~0.07N/ステント長のmmに及ぶ強度を有し、より好ましくは、0.025N/mm~0.09N/ステント長のmmに及ぶ強度を有する。例えば、3.5mm直径ステントに関する0.03N/mmステント長強度(例えば、平坦プレート試験を使用する)×18mmステント長は、0.54Nに等しい、0.03N/mm×18mmのステント長に等しい。
【0110】
別の実施例では、補強要素は、初期内向き反跳(または拡張後の反跳もしくは展開後の反跳)を減少させる、または後続の内向き反跳(埋込後の反跳、または手技完了後の反跳、もしくは埋込後の30日以内の反跳、または埋込後の6ヶ月以内の反跳、もしくは埋込初期反跳および6ヶ月時間周期後の反跳、または埋込初期反跳および1日後の反跳、もしくは埋込反跳および30日後の反跳)を減少させる。
【0111】
別の実施例では、補強要素は、埋込後に、ステントの内向き反跳を、1%~10%の範囲まで、好ましくは、1%~7%の範囲まで、より好ましくは、1%~5%の範囲まで減少させる。別の実施例では、補強要素は、議論される種々の時点で、ステントの後続の内向き反跳を、0~5%の範囲まで、好ましくは、0~3%の範囲まで、より好ましくは、0~2%の範囲まで減少させる。
【0112】
別の実施例では、補強要素を有するステントは、拡張または展開後に、1%~10%に及ぶ、好ましくは、1%~7%に及ぶ、より好ましくは、1%~5%に及ぶ、内向き反跳を有する。別の実施例では、補強要素を有するステントは、議論される種々の時点で、0~5%に及ぶ、好ましくは、0~3%に及ぶ、より好ましくは、0~2%に及ぶ、後続の内向き反跳を有し、最も好ましくは、該ステントは、実質的にゼロの内向き後続の反跳を有する(または該ステントは、埋込後に初期反跳を実質的に維持する)。
【0113】
別の実施例では、少なくともいくつかの補強要素は、ステントの少なくともいくつかのリングの上の少なくともいくつかの拡張領域に結合され、ステントは、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張し、補強要素は、拡張ステント構成時に身体管腔を支持するために十分な強度を提供する。
【0114】
補強要素は、一実施例では、多種多様なパターンで円周方向足場に結合されてもよい。補強要素は、拡張領域のうちのいくつかまたは全てに取り付けられてもよいが、必ずしも非変形可能もしくはあまり変形可能ではない領域のうちのいずれかに取り付けられるわけではない。具体的には、補強要素は、足場または足場リングの拡張領域のうちの1つ、2つ、3つ、もしくはそれを上回るものに取り付けられてもよい。いくつかの実施例または実施形態では、補強要素は、足場もしくは足場リングの拡張領域の全てに取り付けられ、他の好ましい実施例または実施形態では、補強要素は、足場もしくは足場リングの拡張領域のうちの1つを除く全てに取り付けられる。他の実施例または実施形態では、補強要素は、両方の拡張領域に、ならびに非変形可能もしくはあまり変形可能ではない領域のうちのいくつかまたは全てに取り付けられてもよい。他の実施例または実施形態では、補強要素は、非変形可能もしくはあまり変形可能ではない領域の中へ少なくとも部分的に延在する、少なくともいくつかの拡張領域に取り付けられてもよい。他の実施例または実施形態では、補強要素は、非変形可能もしくはあまり変形可能ではない領域の長さの少なくとも中間点まで延在する、少なくともいくつかの拡張領域に取り付けられてもよい。他の実施例または実施形態では、補強要素は、非変形可能もしくはあまり変形可能ではない領域の実質的に全長に延在する、少なくともいくつかの拡張領域に取り付けられてもよい。補強要素は、(完全または部分的に)円周方向足場の材料の中へ埋め込まれてもよく、例えば、拡張領域のうちの少なくともいくつかの中へ埋め込まれる(または反管腔側表面領域、管腔表面領域、および/または側面領域等の拡張領域の表面領域のうちのいずれかの中へ埋め込まれる)。代替として、補強要素は、別の実施例では、拡張または非変形可能領域のうちの少なくともいくつかの外部の上に少なくとも部分的に位置するように、足場の上に取り付けられてもよい、または別様に配置されてもよい。
【0115】
補強要素は、ステントをパターン化した後にステント補綴具に結合されることができ(その上に埋め込まれる、取り付けられる、または配置されることを含む、もしくは備える)、パターン化ステント領域への補強要素の結合は、いくつかの方法を挙げると、ステントまたはステント領域上に補強要素を圧入すること、レーザまたは機械的もしくは化学的手段等の種々の手段によって、溝または空間もしくはスロットを作成または事前形成し、次いで、ステントまたはステント領域上に補強要素を圧入すること、ポリマー材料を部分的に溶解させ、または圧入もしくは挿入する材料を軟化させ、補強要素を含有すること、および/または補強要素をパターン化構造表面もしくは領域(ポリマー構造等)に接着して取り付けること等の種々の方法によって実施される。代替として、補強要素は、ステントがパターン化される管(ポリマー管等)に結合される等、パターン化の前にステントに結合されることができ、管および補強要素は、上記および/または本願の全体を通して議論される方法、ならびにレーザパターン化等の本願で議論されるパターン化手段を使用して、パターン化されたステントを形成するようにともに(または別個に)パターン化される。補強要素はまた、例えば、浸漬、噴霧、もしくは成形を使用してステントを形成する、管(ポリマー管等)を用いて形成されることができる、または補強要素は、ステントにパターン化もしくは織成される1つまたはそれを上回るワイヤ(中実もしくは中空)であり、または補強要素は、材料(主要ポリマー材料等)によってカプセル化されるワイヤ(中実もしくは中空)であることができ、ステントに織成もしくはパターン化される。補強要素は、部品、中実ワイヤ、管、またはパターン化された構造として結合される。補強要素は、本願で説明されるようなステント補綴具に結合し、管腔を離脱させる、および/または足場もしくは管腔拡大を可能にする前に、不連続性または分離領域を有する一方で、ステント構造(ポリマーステント材料等)に結合される、または不連続性もしくは分離領域は、ステント、ワイヤ、または管に結合した後に、(レーザ切断、溶解、切断等の種々の手段を通して)補強要素上に形成され、次いで、不連続性もしくは分離領域は、圧着構成から拡張されたより大きい構成までの拡張に応じてステント構造要素をともに保持する、接着剤、主要ポリマー、異なるポリマー、スリーブ、または他の手段等の手段によって、ともに再接続もしくは保持される。
【0116】
典型的には、円周方向足場を含むステントは、拡張領域が、足場が半径方向に拡張されるにつれて直線化または開放する、リングの曲線状、屈曲、ヒンジ連結、継手、クラウン、または他の領域を備える、複数の隣接するリングを備えるであろう。最も典型的には、そのようなリングは、正弦曲線、蛇行リング、ジグザグリング、菱形(Palmazタイプ)リング、または開放セル設計、閉鎖セル設計、または組み合わせを含む、血管ステント技術分野で公知である任意の他のタイプの半径方向に拡張可能なステントリング、もしくは当業者に公知の他のものであろう。通常、個々のリングは、圧着または拡張構成時の円周方向足場の中心軸と垂直に、または縦軸と垂直に配向される、平面内に配向されるであろう。しかしながら、他の実施形態または実施例では、リングまたは拡張領域もしくは円周方向構造要素の平面は、足場縦軸に対する角度(例えば、1°~85°、または1°~45°、もしくは10°~75°、または25°~75°、もしくは通常、5°~15°)で傾斜し得、ある場合には、「リング」または拡張領域もしくは円周方向構造要素は、螺旋構造で形成されてもよい、または連続螺旋配列で継合されてもよい。個々のリングまたは螺旋ステント構造の隣接する巻目は、ヒンジ、クラウン、ビーム、支柱、および/またはリングもしくは巻目の他の構成要素の間の軸方向リンクによって、ともに軸方向に継合されてもよい。他の実施例では、足場は、ワイヤ(少なくともいくつかの領域中で中実または中空)から形成され、隣接するリングが1つまたはそれを上回る場所(もしくは領域)で接続される、ステントにパターン化されることができる。一実施例では、ステントは、ステントの縦軸と垂直であることから、1°~85°に及ぶステントのそのような縦軸に対する角度を有すること、螺旋構成リングパターンを有することにまで及ぶ、配向を有するリングを備え、少なくともいくつかのリングは、少なくとも1つの分離領域を有する。いくつかの他の実施例では、弁含有ステント等のステントは、1つまたはそれを上回る円周方向リング(もしくは1つまたはそれを上回る円周方向構造要素)を備えることができる。そのような実施例では、ステントは、本願で説明されるように、1つまたはそれを上回る分離領域、ヒンジ、もしくは他の構造を備える。特定の好ましい実施例では、ステントは、1つまたはそれを上回る円周方向リングを備え、1つまたはそれを上回るリングは、クラウンによって継合される複数の支柱を備える。通常、2本毎の支柱が、クラウンによって継合される、または全てのクラウンが、リング上で2つの支柱を継合する。少なくともいくつか、好ましくは、全てのリングは、少なくとも1つの軸方向リンクによって、または(はんだ、接着剤、もしくは材料の融合を使用して)隣接するリングの1つまたはそれを上回るクラウン領域を継合することによって、隣接するリングに継合される。
【0117】
補強要素は、一実施例では、リングを中心として区画の中に配置されてもよい、または代替として、実質的にリングのうちの少なくともいくつかの円周方向の全長の周囲に延在するように配置されてもよい。しかしながら、補強要素は、血管または他の身体管腔が治癒プロセス中に再形成するにつれて、補強要素が展開後に円周方向に分離または/および離脱する、もしくは増分的に拡張することができるように、それらの円周方向または長さに、少なくとも1つの切れ目、不連続性、もしくは分離領域を有する、または形成するように構成されるであろう。このように、補強要素は、展開および/または展開後の初期周期中に圧潰する所望の初期強度ならびに抵抗を提供することができるであろうが、円周方向足場の生分解性ポリマー(主要ポリマー等)が軟化した、および/またはポリマーの分子量が減少した、ならびに/もしくはポリマーが分解した、および/または血管再形成もしくは他の生理学的条件に応答して、自由にさらに拡張する補強要素(浸食されていない、または完全に浸食されていない)を残して、ポリマーが少なくとも部分的に浸食された(分解または腐食されることを含む)後に、足場が離脱および/または拡張しないように、ならびに/もしくは血管/管腔が拡張しないように、抑止または阻止しないであろう。
【0118】
本発明の円周方向足場は、従来のステントのパターンで見出される、いくつかまたは全ての従来の特徴を含んでもよい。例えば、ステントパターンは、隣接するリングをともに保持し、ステント技術分野で周知であるタイプの閉鎖セルを形成する、軸方向リンクを含んでもよい。そのような場合には、補強要素は、例えば、軸方向リンクのうちの少なくともいくつかに結合されてもよく、その場合、複数の個々の補強要素は、略平行なリングならびに略平行な軸方向リンクに結合される、ボックス構造をともに形成してもよい。一実施例では、補強要素は、少なくとも1つの切れ目を有する、少なくとも1つの軸方向リンクに結合される。
【0119】
補強要素は、一実施例では、形状もしくは幾何学形状を有する、または形状もしくは幾何学形状を実質的に有する、またはより小さい形状もしくは幾何学形状を有する、またはより大きい形状もしくは幾何学形状を有する、またはクラウン、支柱、および/またはリンク等の結合される構造要素と異なる形状もしくは幾何学形状を有する、個々の部品であることができる。形状の実施例は、正方形、円形、長方形、三角形、半円形、および他の形状を含む。これらの実施例では、部品は、(他の隣接する補強要素と接触しているか、または接触していないかのいずれかである)不連続もしくは離散部品である。部品は、ポリマー材料が分解および/または再吸収された後に炎症を予防する、デバリングされた端部領域、丸みを帯びた端部領域、球状端部領域、または他のタイプもしくは幾何学形状を有することができる。好ましい実施例では、少なくともいくつかのリングの拡張領域の実質的に全ては、該拡張領域に結合される補強要素部品を有し、補強要素部品は、実質的に拡張領域区画全体または拡張領域区画の少なくとも一部に跨架する。別の実施例では、少なくともいくつかのリングの拡張領域の実質的に全ては、該拡張領域に結合される補強要素部品を有し、補強要素部品は、拡張領域区画全体に跨架し、非変形可能または実質的に非変形可能な区画(支柱等)の中へ少なくとも部分的に延在する。好ましい実施例では、補強要素、補強要素部品の形状および/または幾何学形状は、概して、結合される構造要素の形状ならびに/もしくは幾何学形状に実質的に模倣または輪郭形成する。補強要素部品は、一実施例では、部品が結合される構造要素に対して、少なくとも1つの次元でより大きいサイズ、少なくとも1つの次元でより小さいサイズ、または少なくとも1つの次元で同一のサイズであり得る。生分解性材料の少なくともいくつかの構造要素に結合される補強要素部品は、身体管腔を支持するためにステントの拡張に応じてステントを強化または増強しながら、生理学的条件下で(および/またはニトロ等の治療薬の導入を通して)埋込後に(または拡張後もしくは展開後に)、ステントがさらに拡張することを可能にする、および/またはステントが離脱することを可能にする、ならびに/もしくは血管が血管運動または血管拡張を呈することを可能にする。
【0120】
別の実施例では、補強要素は、少なくともいくつかのリングおよび/またはリンク等の他の構造要素に結合される、1つまたはそれを上回る補強要素区画であることができる。例えば、補強要素区画は、リング上の1つのクラウンおよび1つの支柱に結合される(または跨架する)、および/またはリング上の1つのクラウンおよび1つの支柱ならびに1つのリンクに結合される(または跨架する)、ならびに/もしくはリング上の複数のクラウンおよび支柱ならびに複数のリンクに結合される(または跨架する)。別の実施例では、補強要素区画は、ステント上にパターンを形成し、該パターンは、通常、対称パターンであり(但し、非対称パターンでもあり得る)、該パターンは、閉鎖パターンおよび開放パターンを含む、種々の形状であることができる。補強要素区画が、リングクラウンおよび/または支柱の構造要素全体に跨架するとき、該補強要素区画は、該クラウンおよび/または支柱に少なくとも1つの切れ目もしくは不連続性を有し(該切れ目もしくは不連続性は、該構造要素に結合する前または後に形成される)、ステントがポリマー材料の分解後にさらに拡張することを可能にし、またはステントが離脱することを可能にし、もしくは血管が血管運動を有することを可能にし、または生理学的条件下で(および/またはニトロ等の治療薬の導入を通して)、拡張後に(もしくは展開後に)血管が血管拡張を有することを可能にし、該補強要素区画は、展開後に身体管腔を支持するために十分な強度を有することによって、ステントを強化または増強する。
【0121】
別の実施例では、補強要素は、少なくともいくつかのリング(もしくは円周方向構造要素)に結合される、または実質的に全てのリング(もしくは円周方向要素)に結合される、1つまたはそれを上回る補強要素区画であることができる。補強要素または補強要素区画が、切れ目、不連続性、もしくは分離領域を伴わずにリング長全長(または円周方向構造要素)に跨架する、または切れ目、不連続性、もしくは分離領域を伴わずに1つを上回るリング全長に跨架するとき、または補強要素が、切れ目、不連続性、もしくは分離領域を伴わずに実質的にステント全体に跨架するとき、該補強要素または補強要素区画は、リング(例えば、クラウンもしくは支柱)毎に円周方向経路に沿った少なくとも1つまたはそれを上回る領域、および/または各リングの円周方向経路に沿った1つまたはそれを上回るクラウン領域、ならびに/もしくは各リングの円周方向経路に沿った1つまたはそれを上回る支柱領域を有し、1つまたはそれを上回る該領域は、200平方ミクロン~4,000平方ミクロンに及ぶ断面積、好ましくは、400平方ミクロン~3,000平方ミクロンに及ぶ断面積、より好ましくは、700平方ミクロン~2,500平方ミクロンに及ぶ断面積を有する、補強要素(もしくは1つまたはそれを上回る補強要素)を含有し、1つまたはそれを上回る該領域は、該1つまたはそれを上回るリングおよび/またはステントが、ポリマー材料(または金属分解性材料)の分解後にさらに拡張することを可能にし、および/またはステントが離脱することを可能にし、ならびに/もしくは血管が血管運動を有することを可能にし、および/または血管が血管拡張を有することを可能にし、ならびに/もしくは生理学的条件下で(および/またはニトロ等の治療薬の導入を通して)、ステント拡張後に(もしくは展開後に)ステントが3.0mm拡張直径において1%~5%に及ぶ半径方向歪みを有することを可能にし、該補強要素区画は、展開後に身体管腔を支持するために十分な強度を有することによって、ステントを強化または増強する。別の実施例では、上記の該断面積を有する該領域は、少なくともいくつかのリングの実質的に全長に跨架する、またはステント全体に実質的に跨架する。別の実施例では、該断面積を有する該領域は、少なくともいくつかのリングに跨架する、または実質的に全てのリングに跨架するが、少なくともいくつかの軸方向リンクに跨架しない。別の実施例では、該領域は、該断面積を有し、補強要素幅は、該領域における構造要素の幅の10%~50%に及ぶ、好ましくは、20%~40%に及ぶ、より好ましくは、25%~35%に及ぶ。別の実施例では、該領域は、該断面積を有し、補強要素厚さは、該領域における構造要素の厚さの10%~70%に及ぶ、好ましくは、20%~50%に及ぶ、より好ましくは、30%~40%に及ぶ。別の実施例では、1つまたはそれを上回る領域は、該断面積を有し、構造要素の厚さ対幅の比は、1.5:1~3:1であり、該1つまたはそれを上回る領域における構造要素の厚さ対幅の比は、0.7:1.4に及ぶ、好ましくは、0.8:1に及ぶ。本実施例の好ましい実施例では、補強要素は、非分解性金属または金属合金であり、ステントフレーム材料(補強要素が結合される)は、ポリマー分解性材料である。本実施例の別の好ましい実施例では、補強要素は、非分解性金属または金属合金であり、ステントフレーム材料は、分解性金属または金属合金である。補強要素を含有し、分解性フレーム材料を有する、本実施例におけるステントは、圧着構成から拡張構成まで拡張されたときに、身体管腔を支持するために十分な強度を有し、ステント半径方向コンプライアンスが、拡張後に増加する一方で、該ステントの強度は、拡張後に減少する。別の実施例では、ステント半径方向歪みは、分解性ポリマー材料の分解後に増加し、拡張後の初期強度は、ポリマー材料の分解後に減少する。本実施例の別の実施例では、分解性フレームステント材料と組み合わせられた補強要素は、身体管腔を支持するために十分な強度を有し、補強要素単独では、身体管腔を支持するために十分な強度を有していない。本実施例の別の実施例では、分解性フレームステント材料と組み合わせられた補強要素は、身体管腔を支持するために十分な強度を有し、補強要素単独またはステントフレーム材料単独では、身体管腔を支持するために十分な強度を有していない。
【0122】
別の実施例では、補強要素、架橋要素、分離領域、切れ目、および本願で説明される他の特徴を有する、ステントは、拡張後の半径方向歪み(またはコンプライアンス)の増加および該拡張後の半径方向強度の減少を呈する。別の実施例では、半径方向歪み(またはコンプライアンス)の該増加および強度の減少は、ステントの拡張から1週間後~ステントの拡張から9ヶ月後に及ぶ周期に始まり(または起こり)、好ましくは、拡張から1ヶ月後~拡張から6ヶ月後に始まり、より好ましくは、拡張から2ヶ月後~拡張から6ヶ月後に始まる。
【0123】
最も一般的には、補強要素は、円周方向足場とともに開放および変形されることができるが、足場が部分的または完全に拡張された後に閉鎖に抵抗する、より高い強度を有する、通常、金属(金属合金を含む)であり、さらに通常、可鍛性金属である、非分解性材料を備えるであろう。しかしながら、他の実施例では、補強要素は、円周方向足場の主要ポリマー(または分解性パターン化ポリマー、もしくは補強要素が少なくとも部分的に結合されるポリマー)よりも高い剛性を有するポリマーであってもよい。ポリマー補強要素は、円周方向足場を形成するものと同一または異なるポリマーから形成されてもよい。補強要素が同一ポリマーから形成されるとき、補強要素ポリマーは、典型的には、より高い分子量および/またはより高い結晶化度を有し、もしくは別様に、円周方向足場の主要本体ポリマー(または分解性パターン化ポリマー、もしくは補強要素が少なくとも部分的に結合されるポリマー)よりも剛性のポリマーとなり、本実施例における補強ポリマーは、分解性または非分解性であり得る。さらに別の実施例では、補強要素はまた、マグネシウムおよび/またはマグネシウム合金等の分解性金属(金属合金を含む)を備えることもできる。
【0124】
さらに別の実施例では、ステント補綴具は、生分解性ポリマー材料を備え、ポリマー分解性材料は、1ヶ月~5年で分解し、好ましくは、2ヶ月~3年で分解し、より好ましくは、3ヶ月~2年で分解し、補強要素は、該ステントの少なくともいくつかのリングの少なくともいくつかの拡張領域に結合される。補強要素は、ステント拡張構成時の該拡張領域(またはステント)を強化(または増強)する、非分解性もしくは分解性材料、金属もしくは金属合金、ポリマー(分解性もしくは非分解性)、または他の材料であることができる。典型的には、ポリマー材料は、補強要素よりも速く分解するが、(ポリマー材料は)補強要素と同時に(もしくは同一の速度で)、または補強要素よりも遅く、分解するように構成されることもできる。別の実施例では、補強要素は、分解または腐食しない。
【0125】
さらに別の実施例では、ステント補綴具は、マグネシウム合金等の生分解性金属材料を備え、金属分解性材料は、1ヶ月~5年で分解し、好ましくは、2ヶ月~3年で分解し、より好ましくは、3ヶ月~2年で分解し、補強要素は、本願の実施例のうちのいずれかによると、該ステントの少なくともいくつかのリングの少なくともいくつかの拡張領域に結合される。補強要素は、ステント拡張構成時の該拡張領域(またはステント)を強化(または増強)する、非分解性もしくは分解性材料、金属もしくは金属合金、ポリマー(分解性もしくは非分解性)、または他の材料であることができる。典型的には、金属材料は、補強要素よりも速く分解するが、(金属材料は)補強要素と同時に(もしくは同一の速度で)、または補強要素よりも遅く、分解するように構成されることもできる。別の実施例では、補強要素は、分解または腐食しない。
【0126】
なおも他の実施例では、補強要素は、弾性金属もしくはポリマー(ばねおよび/またはNiTiのような形状記憶を含む)から形成されてもよい。例えば、ポリマーまたは金属円周方向足場上の継手またはヒンジもしくは拡張領域に共形化する(または輪郭形成する)ように湾曲もしくは屈曲される、補強要素に関して、補強要素は、典型的には、圧着構成時の円周方向足場上の対応するヒンジまたは継手に結合されたときに、閉鎖または束縛構成であろう。このように、典型的には金属の補強要素は、そのより大きい直径の構成までバルーン拡張または自己拡張されるにつれて、円周方向足場を開放すること、および/または開放した状態で保つことに役立つように作用するであろう。また、血管または他の身体管腔の中の埋込後でさえも、弾性、形状記憶、および/またはばね様補強要素は、典型的には、円周方向足場を付勢し続け、管腔内補綴具自体等の展開された補綴具の強度および破砕抵抗を同時に増強しながら、ならびに/もしくは該円周方向足場の同一、隣接、または他の拡張領域もしくは構造要素上に配置される、高い剛性を伴う他の補強要素を通して、少なくともそれらが結合される領域中で開放するように、ポリマー(主要ポリマー等)または金属によって、依然として少なくとも部分的に束縛されるであろう。随意に、足場は、円周方向足場上に、同一または他の拡張領域に結合される、付加的金属、ポリマー、もしくは他の非弾性(可鍛性)補強要素、例えば、ヒンジまたは継手を有してもよい。例えば、その足場またはリング(主要ポリマー等)を備える、1つまたはそれを上回るポリマーが、軟化および/または劣化し始める、ならびに/もしくは分子量が減少し始めると、および/または血管もしくは他の身体管腔が経時的に治癒ならびに再形成すると、弾性補強要素は、開放バイアスを提供し続け、足場の拡大を増進することができるであろう。開放バイアスの規模は、(ばね、形状記憶を含む)弾性材料性質および/または処理によって制御される、ならびに/もしくは補強要素を含有するポリマー材料(主要ポリマー等)の分解によって制御される。用語「ステント」および「足場」は、本願では同義的に使用される。別の実施例では、2つの端部を有する、典型的には金属の形状記憶またはばね補強要素は、隣接する支柱(非変形可能または実質的に非変形可能な構造要素)に結合されることができ、補強要素は、(支柱の長さに沿って)2本の隣接する支柱を接続する拡張領域として構成され、補強要素拡張領域は、ステントが圧着構成であるときに圧着構成であり、補強要素拡張領域は、ステントが展開構成まで拡張するにつれて拡張する。補強要素は、ステントの展開後に(展開構成からのステントの内向き反跳後に)押し開き続ける(該隣接する支柱の角度を増加させる)。補強要素はさらに、展開後にステントを拡張する。補強要素は、本願の全体を通して説明されるように、構造要素に取り付けられる、または結合される。一実施例では、補強要素はさらに、ステント展開後およびステント反跳後に、0.05mm~1mm、0.1mm~0.5mm、好ましくは、0.1mm~0.3mmの平均範囲、または対応する平均断面積だけステント補綴具を拡張する。別の実施例では、補強要素は、ステント展開およびステント内向き反跳後に、ステント平均拡張直径または平均断面積の2%~15%、好ましくは、3%~10%の範囲だけステント平均直径または平均断面積を増加させる。別の実施例では、ステント補綴具は、NiTiまたは他のタイプの材料を備える、非分解性形状記憶合金を備え、ステントは、1つまたはそれを上回る分離領域(および/または1つまたはそれを上回るヒンジ)を有し、ステントは、圧着構成から初期拡張構成まで拡張し、1つまたはそれを上回る分離領域(もしくはヒンジ)は、不連続性を形成し、(またはステントが半径方向変位を有することを可能にし)、ステントが血管拡張剤に応答すること、または変化する管腔(もしくは輪)構成に輪郭形成することを可能にする。
【0127】
好ましい実施例では、分解性ポリマーステントは、分解性主要ポリマー(実質的にポリマー足場構造を形成するポリマー、または実質的に連続する足場構造を形成するポリマー、もしくは実質的に分離領域を伴わない足場構造を形成するポリマー、または少なくともいくつかの分離領域もしくは不連続性を除く足場構造を形成するポリマー)を備える。分解性ポリマーステントは、主要ポリマーに加えて、1つを上回るポリマーを備えることができる(隣接する、混成される、混合される等)。補強要素は、好ましくは、主要ポリマーまたは他の付加的ポリマーと比較して、より高い破砕抵抗(強度)を有する、非分解性金属および金属合金であり、そのような補強要素は、クラウンおよび/または支柱等の足場構造要素の少なくともいくつかの領域に結合され、補強要素は、ステントが生理学的環境内で離脱および/または拡張することを可能にする、分離領域もしくは不連続性を有する。補強要素はまた、ポリマー(分解性もしくは非分解性)または腐食性金属および金属合金であることもできる。
【0128】
好ましい実施例では、補強要素は、ロッド(もしくは中実)または中空ワイヤ、円形、半円形、三角形、長方形、正方形、卵形、または他の形状および幾何学形状を含む、種々の形状ならびに幾何学形状を有することができる。好ましい実施例では、補強要素を含有する、またはそれに結合される、少なくともいくつかの構造要素(クラウンおよび/または支柱等)の断面積は、該構造要素の断面積の5%~90%を表す、好ましくは、断面積の10%~75%を表す、より好ましくは、該構造要素の断面積の15%~75%を表す、補強要素を有する。構造要素は、本願に説明されるように、構造要素に完全に埋め込まれる、部分的に埋め込まれる、または構造要素の1つまたはそれを上回る表面領域に取り付けられることができる。
【0129】
本発明の別の実施例または側面では、ステントは、少なくとも1つのクラウン領域(好ましくは、少なくともいくつかのクラウン領域、より好ましくは、少なくともいくつかのリング上のクラウンの少なくとも半分)、および/または少なくとも1つの支柱領域(好ましくは、少なくともいくつかの支柱領域、より好ましくは、少なくともいくつかのリング上の支柱領域の少なくとも1/4)が、少なくともいくつかのリング上に形成されず(もしくは部分的に形成され)、該領域が、補強要素、好ましくは、非分解性補強要素、好ましくは、CoCr合金、ステンレス鋼合金、または他の金属もしくは金属合金等の金属と形成または置換される、または非分解性ポリマー補強要素でもあり得る、構造要素を備える、構造にパターン化される、生分解性ポリマー材料(または生分解性金属材料)を備える。ポリマーステントは、一実施例では、少なくともいくつかのリング上で、少なくとも1つのクラウン領域を伴うことなく、および/または少なくとも1つの支柱領域を伴うことなく、形成され(もしくは次いで除去される領域を伴って形成され)、金属補強要素は、隣接するポリマークラウン領域および/または支柱領域と比較して、実質的に同一のサイズ(もしくは好ましくはより小さいサイズ)を有し、補強要素は、クラウン領域形状および/または支柱領域形状に成形(または屈曲もしくは湾曲)され、補強要素のクラウン領域の2つの端部は、未形成クラウンの支柱端部領域に取り付けられる。補強要素の2つの端部は、突き合わせ継手としてポリマーステントの2つの支柱端部に取り付けられることができ、接合点において2つの材料をともに接着して接合する、および/またはスリーブとともに補強要素ならびにポリマー材料接合点領域の両方を含有する、および/または(レーザパターン化中もしくは後に)ポリマーステントの2つの支柱端部領域のそれぞれにスロットを形成し、形成されたスロットの中へ補強要素クラウン領域端部を挿入もしくは圧入し、随意に、2つの材料の重複領域(例えば、0.05mm~1mm重複領域)を接着して接合する、および/またはスリーブとともに重複領域を含有する(スリーブは、重複領域を越えて延在することができる)、および/またはポリマー端部が圧入する、補強要素端部領域に形成されるスロットを作成し、もしくは有し、圧着構成から拡張されたより大きい構成までの拡張中に、補強要素およびポリマー材料接合点をともに保持する、または突き合わせ継手をともに保持する。同様に、補強要素は、上記で議論されるように未形成ポリマー支柱端部(または部分的に形成された支柱)に接続することができる。補強要素は、拡張ステント構成時の拡張領域および/または非変形可能もしくは実質的に非変形可能な領域を強化する。ステントは、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能であり、身体管腔を支持するために十分な強度を有する。一実施例では、ステントポリマー生分解性材料が、3ヶ月~3年で分解する一方で、非分解性補強要素は、血管壁の中に残留する。展開後のステントは、血管を離脱させ、血管運動を呈し、血管拡張を呈し、血管収縮を呈し、および/またはより大きい構成までさらに拡張し、ならびに/もしくは生理学的条件下で、1%~10%に及ぶ、好ましくは、1%~7%に及ぶ、より好ましくは、1.5%~7%に及ぶ半径方向歪みを有する。ステントは、一実施例では、クラウンおよび支柱を備える構造要素を備える、分解性ポリマー材料を備え、クラウンおよび/または支柱のうちの少なくともいくつかは、形成(それらを切断すること等の機械的に、または溶剤もしくは他の材料を使用してそれらを除去すること等の化学的に形成すること等)後に形成されておらず、取り外されており、もしくは除去されており、非分解性金属補強要素と置換されている。ステントは、ポリマー管から形成される、またはステントにパターン化されるフィラメントから、もしくは当業者に公知である他の方法で形成される。補強要素は、管またはワイヤから形成され、クラウン等のそれが取って代わるであろう構造要素の形状に成形もしくはパターン化されることができる。一実施例では、補強要素は、パターン化された管から形成され、次いで、該パターン化された管の構成要素は、(例えば、機械的に)除去され、(一実施例では、それに取って代わるように)未形成ポリマー構造要素の場所の中に挿入される(または取り付けられる)。別の実施例では、ワイヤ補強要素は、置換される構造要素に成形され、取り付けられる。構造要素を形成する他の方法は、パターン平坦シートを形成すること、射出成形、またはその他等の種々の方法を含むことができる。補強要素の形状およびサイズは、変動し得、本願の全体を通してさらに詳細に議論される。
【0130】
別の実施例では、マグネシウム合金ステント等の生分解性金属ステントは、少なくとも1つのクラウン領域(好ましくは、少なくともいくつかのクラウン領域、より好ましくは、少なくともいくつかのリング上のクラウンの少なくとも半分)、および/または少なくとも1つの支柱領域(好ましくは、少なくともいくつかの支柱領域、より好ましくは、少なくともいくつかのリング上の支柱領域の少なくとも1/4)が、少なくともいくつかのリング上に形成されず(もしくは部分的に形成され)、該領域が、補強要素、好ましくは、非分解性補強要素、好ましくは、CoCr合金、ステンレス鋼合金、または他の金属もしくは金属合金等の金属と形成または置換される、または非分解性ポリマー補強要素でもあり得る、構造要素を備える、構造にパターン化される。金属ステントは、一実施例では、少なくともいくつかのリング上で、少なくとも1つのクラウン領域を伴うことなく、および/または少なくとも1つの支柱領域を伴うことなく、形成され(もしくはそれを伴って形成され、次いで、除去され)、金属補強要素は、隣接する金属ステントクラウン領域および/または支柱領域と比較して、実質的に同一のサイズ(もしくは好ましくはより小さいサイズ)を有し、補強要素は、クラウン領域形状および/または支柱領域形状に成形(または屈曲もしくは湾曲)され、補強要素のクラウン領域の2つの端部は、未形成クラウンの支柱端部領域に取り付けられる。補強要素の2つの端部は、突き合わせ継手として金属ステントの2つの支柱端部に取り付けられることができ、接合点において2つの材料をともに接着して接合する、および/またはスリーブとともに補強要素ならびに金属ステント接合点領域の両方を含有する、および/または(レーザパターン化中もしくは後に)金属ステントの2つの支柱端部領域のそれぞれにスロットを形成し、形成されたスロットの中へ補強要素クラウン領域端部を挿入もしくは圧入し、随意に、2つの材料の重複領域(例えば、0.05mm~1mm重複領域)に接着して接合する、および/またはスリーブとともに重複領域を含有する(スリーブは、重複領域を越えて延在することができる)、および/または金属ステント構造要素端部が圧入する、補強要素端部領域に形成されるスロットを作成する、もしくは有する、および/または2つの材料をレーザ溶接(もしくは融合)し、圧着構成から拡張されたより大きい構成までの拡張中に、補強要素および金属ステント接合点をともに保持する、もしくは突き合わせ継手をともに保持する。同様に、補強要素は、上記で議論されるように、未形成金属ステント支柱(または部分的に形成された支柱)に接続することができる。補強要素は、拡張ステント構成時の拡張領域および/または非変形可能もしくは実質的に非変形可能な領域を強化する。ステントは、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能であり、身体管腔を支持するために十分な強度を有する。一実施例では、ステント金属生分解性材料が、3ヶ月~3年に及ぶ時間周期で分解または実質的に分解する一方で、非分解性補強要素は、血管壁の中に残留する。展開後のステントは、血管を離脱させ、血管運動を呈し、血管拡張を呈し、血管収縮を呈し、および/またはより大きい構成までさらに拡張し、ならびに/もしくは生理学的条件下で、1%~10%に及ぶ、好ましくは、1%~7%に及ぶ、より好ましくは、1.5%~7%に及ぶ半径方向歪みを有する。ステントは、一実施例では、クラウンおよび支柱を備える構造要素を備える、分解性金属材料を備え、クラウンおよび/または支柱のうちの少なくともいくつかは、形成(それらを切断すること等の機械的に、または溶剤もしくは他の材料を使用してそれらを除去すること等の化学的に形成すること等)後に形成されていない、取り外されており、もしくは除去されており、非分解性金属補強要素と置換されている。ステントは、金属管から形成される、またはステントにパターン化されるフィラメント(もしくはワイヤ)から、または当業者に公知である他の方法で形成される。補強要素は、管またはワイヤから形成され、クラウン等のそれが取って代わるであろう構造要素の形状に成形もしくはパターン化されることができる。一実施例では、補強要素は、パターン化された管から形成され、次いで、該パターン化された管の構成要素は、(例えば、機械的に)除去され、(一実施例では、それに取って代わるように)未形成金属ステント構造要素の場所の中に挿入される(または取り付けられる)。別の実施例では、ワイヤ補強要素は、置換される構造要素に成形され、取り付けられる。構造要素を形成する他の方法は、パターン平坦シートを形成すること、射出成形、またはその他等の種々の方法を含むことができる。補強要素の形状およびサイズは、変動し得、本願の全体を通してさらに詳細に議論される。
【0131】
別の側面または好ましい実施例では、身体管腔内のステントの展開に応じて十分な強度を有するために、金属材料等の非分解性高強度材料から成るステントを有することが望ましい(ある場合には、高い破砕抵抗を有する分解性金属材料等の分解性材料もまた、本実施例に使用されることができ、そのような材料は、長時間にわたって血管を閉じ込め、ゆっくり分解する傾向がある)。しかしながら、そのようなステントは、ステントに隣接する血管または区画を閉じ込め、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、ステントの有用性、安全性、および/または有効性を潜在的に低減させること、血管またはステント留置区画を離脱させること、ステント留置区画内で、またはそれに跨架して血管拡張を呈すること、ステント留置区画内で、またはそれに跨架して血管収縮を呈すること、ステントのさらなる拡大を呈すること、展開後に1.5%~5%の範囲内のステント留置区画にわたる半径方向歪みを呈することが起こらないように防止する。先の必要性のうちの1つまたはそれを上回るものを解決もしくは対処するために、L605CoCr合金ステント等の非分解性金属ステントは、少なくとも1つのクラウン領域(好ましくは、少なくともいくつかのクラウン領域、より好ましくは、少なくともいくつかのリング上のクラウンの半分未満)、および/または少なくとも1つの支柱領域(好ましくは、少なくともいくつかの支柱領域、より好ましくは、少なくともいくつかのリング上の支柱領域の少なくとも1/4)が、少なくともいくつかのリング上に形成されず(もしくは部分的に形成され、または形成され、次いで、除去される)、該領域が、分解性ポリマー材料(例えば、PLLAベースのポリマー)等または分解性金属材料(例えば、マグネシウム合金)等の分解性架橋要と形成もしくは置換される、構造要素を備える構造にパターン化することによって、構成される。非分解性金属ステントは、一実施例では、少なくともいくつかのリング上で、少なくとも1つのクラウン領域を伴うことなく、および/または少なくとも1つの支柱領域を伴うことなく、形成され(もしくはそれを伴って形成され、次いで、除去され)、分解性架橋要素は、隣接する金属ステントクラウン領域および/または支柱領域と比較して、実質的に同一のサイズを有し(もしくは好ましくはより小さいサイズであるが、より大きいサイズでもあり得る)、分解性架橋要素は、クラウン領域形状および/または支柱領域形状ならびに/もしくはそれらが取って代わっているステント構造要素の形状に成形(または屈曲もしくは湾曲)され、分解性架橋要素のクラウン領域の2つの端部は、未形成クラウンの支柱端部領域に取り付けられる。分解性架橋要素の2つの端部は、突き合わせ継手として金属ステントの2つの支柱端部に取り付けられることができ、接合点において2つの材料をともに接着して接合する、および/またはスリーブとともに分解性架橋要素ならびに金属ステント接合点領域の両方を含有する、および/または(レーザパターン化中もしくは後に)金属ステントの2つの支柱端部領域のそれぞれにスロットを形成し、形成されたスロットの中へ分解性架橋要素クラウン領域端部を挿入または圧入もしくは融合または溶融し、随意に、2つの材料の重複領域(例えば、0.05mm~1mm重複領域)を接着して接合する、および/またはスリーブとともに重複領域を含有する(スリーブは、重複領域を越えて延在することができる)、および/または金属ステント構造要素端部が圧入する、より大きいサイズの分解性架橋要素端部領域に形成されるスロットを作成する、もしくは有する、および/または2つの材料をレーザ溶接(もしくは融合)し、ステントの拡張に応じて、または圧着構成から拡張されたより大きい構成までのステントの拡張中に、分解性架橋要素および金属ステント接合点をともに保持する、もしくは突き合わせ継手をともに保持する。同様に、分解性架橋要素は、上記で議論されるように、未形成金属ステント支柱端部(または部分的に形成された支柱)に接続することができる。分解性架橋要素は、あまり剛性ではなく、または実質的にあまり剛性ではなく、したがって、拡張ステント構成時の拡張領域および/または非変形可能もしくは実質的に非変形可能な領域を脆弱化する。しかしながら、分解性架橋要素は、以下の利益のうちの1つまたはそれを上回るものを提供する、すなわち、ステントが一様に拡張する(または拡張一様性を改良する)ことに役立つ、少なくとも拡張に応じた(または拡張後の時間周期にわたる)円周方向構造要素(リング等)の連続性を提供する、新内膜過形成を阻止する薬物放出を該領域中で提供する、該拡張領域中でステント円周方向リングの部分または完全拡張を提供する、病変被覆を提供し、プラーク脱出を最小限にする、一時的足場を提供し、次いで、分解性架橋要素が、1ヶ月~4年に及ぶ、好ましくは、3ヶ月~4年に及ぶ周期で分解もしくは腐食するにつれて、ステントおよび/または血管の離脱を提供し、支持を血管壁に提供する。ステントは、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能であり、身体管腔を支持するために十分な強度を有する。非分解性ステント構造要素は、一実施例では、実質的に無傷で(または一実施例では、実質的にともに保持されて、もしくは実質的に定位置で)血管壁の中に残留する。展開後のステントは、血管を離脱させ、血管運動を呈し、血管拡張を呈し、血管収縮を呈し、および/またはより大きい構成までさらに拡張し、ならびに/もしくは生理学的条件下で(および/またはニトロ等の治療薬の導入を通して)、1%~10%に及ぶ、好ましくは、1%~7%に及ぶ、より好ましくは、1.5%~7%に及ぶ半径方向歪みを有する。ステントは、一実施例では、クラウンおよび支柱を備える構造要素を備える、非分解性金属材料を備え、クラウンおよび/または支柱のうちの少なくともいくつかは、形成(それらを切断すること等の機械的に除去されること、または溶剤もしくは他の材料を使用してそれらを除去する、またはそれらを溶融すること等の化学的に除去すること等)後に形成されておらず、または取り外されており、もしくは除去されており、該領域中で分解性架橋と置換(または形成)される。ステントは、金属管、金属シートから形成される、もしくはステントにパターン化されるフィラメント(もしくはワイヤ)から形成される、または当業者に公知である他の方法を使用して形成される。分解性架橋要素は、管またはフィラメント/ワイヤから形成され、例えば、クラウン等のそれが取って代わるであろう構造要素の形状に成形もしくはパターン化されることができる。一実施例では、補強要素は、パターン化された管から形成され、次いで、該パターン化された管の構成要素は、(例えば、機械的に)除去され、未形成金属ステント構造要素の場所(または領域)の中に挿入される(または取り付けられる、もしくは圧入される)。別の実施例では、フィラメント分解性架橋要素は、説明されるように、置換する構造要素形状に成形され、端部に取り付けられる。分解性架橋要素を形成する他の方法は、平坦なシートからパターンを形成し、シートからの構成要素を使用し、未形成構造要素に取って代わること、該分解性架橋要素の射出成形、またはその他等の種々の方法を含むことができる。分解性架橋要素の形状およびサイズは、本願の全体を通してさらに詳細に議論されるように、変動し得る(置換された構造要素よりもより小さい、同一、またはより大きい)。
【0132】
一実施例では、架橋要素は、分解性である。別の実施例では、架橋要素は、非分解性であるが、本発明の目的のうちの1つまたはそれを上回るものを提供する。架橋要素はまた、形成されない、または部分的もしくは完全に修正または除去される、構造要素の両端を縛る、縫合糸(またはワイヤ)であることもできる。縫合糸は、構造要素の各端部に隣接する孔を通して構造要素の両端を縛ることができ、縫合糸(またはワイヤ)は、孔を通して螺合され、未形成構造要素(例えば、2つのクラウンまたは2つの支柱を架橋する該縫合糸もしくはワイヤ)の連続性を形成して縛られる。
【0133】
別の実施例では、架橋要素は、形状記憶材料またはばね材料(他の実施例では、補強要素でもあり得る)から形成されることができ、架橋要素は、少なくともいくつかのクラウンを付勢して開放し、埋込後にさらに拡張することに役立つ。
【0134】
別の実施例では、非分解性金属ステント(例えば、コバルトクロム合金L605またはMP35等)は、ワイヤ(円形もしくは略円形、または縦長、もしくは他の形状)を備え、ワイヤは、ステントにパターン化される。ステントは、複数のリングを備える、構造要素を備え、各リングは、クラウンと、支柱とを備える。少なくともいくつかのリング上の少なくとも1つの支柱および/または少なくとも1つのクラウンは、除去される。支柱および/またはクラウンが除去されたステントの端部は、ワイヤに中空空間を作成するように処置される。分解性架橋要素は、除去された支柱および/またはクラウンの間隙に架橋するように、ワイヤステントの端部のそれぞれにおいて中空空間の中に挿入される。随意に、接着剤または分解性スリーブが、ステントが圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張するにつれて、接合点がともに保持されるように、接合点に適用される、または重複し、接合点区画をさらに補強する。別の実施例では、分解性架橋要素は、ステントワイヤ構造要素が挿入または圧入される中空空間を作成するように処置される。随意に、接着剤またはスリーブが、接合点をともにさらに保持するように適用される。
【0135】
別の実施例では、ステント補綴具は、管として形成され、管は、マグネシウム合金層の間に挟持されるか、その上にあるか、またはその底部の上にあるかのいずれかである、非分解性材料層(コバルトクロム合金層等)を備える。管類は、ステントにパターン化される。少なくともいくつかのリング上の少なくともいくつかの領域(もしくは少なくともいくつかのリング上の少なくともいくつかのクラウン領域および/または支柱領域)は、レーザ、化学的手段、または機械的手段によって実質的に除去される非分解性材料(コバルトクロム合金層等)を有し、生理学的条件下の拡張後に離脱するステントを提供する。ステント補綴具は、別の実施例では、分解性層が非分解性材料の上部または底部の上にあり、ステントが上記で説明されるようにパターン化および処理される、シートとして形成されることができる。シートは、圧延され、取り付けられ(または融合され)、パターン化されたステントを形成する。
【0136】
別の実施例では、ステント補綴具は、ワイヤとして形成され、ワイヤは、分解性ポリマーまたは金属材料層(マグネシウム合金層またはPLLAベースのポリマー等)の上部もしくは底部の上に、非分解性材料層(コバルトクロム合金層等)を備える。ワイヤは、ステントにパターン化される。少なくともいくつかのリング上の少なくともいくつかの領域(もしくは少なくともいくつかのリング上の少なくともいくつかのクラウン領域および/または支柱領域)は、レーザ、化学的手段、または機械的手段によって、実質的に除去され、非分解性構造要素の2つの端部を接続する分解性架橋要素を形成する、非分解性材料(コバルトクロム合金層等)を有し、生理学的条件下の拡張後に離脱する、好ましくは、分解性材料が分解するにつれて離脱する、ステントを提供する。
【0137】
別の実施例では、ステント補綴具は、管として形成され、管類は、分解性ポリマー材料層(PLLAベースのポリマー層等)の上または内側にある非分解性材料層(コバルトクロム合金層等)を備える。管類は、ステントにパターン化される。少なくともいくつかのリング上の少なくともいくつかの領域(もしくは少なくともいくつかのリング上の少なくともいくつかのクラウン領域および/または支柱領域)は、レーザ、化学的手段、または機械的手段によって実質的に除去される非分解性材料層(コバルトクロム合金層等)を有し、生理学的条件下の拡張後に離脱するステントを提供する。ステント補綴具は、別の実施例では、分解性層が非分解性材料の上部または底部の上にあり、ステントが上記で説明されるようにパターン化および処理される、シートとして形成されることができる。シートは、圧延され、取り付けられ(または融合され)、パターン化されたステントを形成する。
【0138】
本願の中の実施例のうちのいずれかの一実施例では、ステントは、以下の条件のうちの1つまたはそれを上回るものの下で、すなわち、空気中で、水槽内で、37℃の水槽内で、生理学的条件下で、脈動(もしくは収縮)環境内で、ステント留置区画の血管拡張もしくは血管収縮を引き起こす1つまたはそれを上回る作用物質の投与の下で、管内で、血管内で、身体管腔内で、100mmHg~200mmHgに及ぶ圧力差(勾配)の下で、100mmHgの圧力差(または規模)の下で、約176mmHgの圧力差(または規模)の下で、または本願に説明されるようにコンプライアンスもしくは強度を試験する条件下で、または本願に説明される任意の他の条件下で、試験もしくは展開される(拡張される)。ある場合には、本段落に説明される条件の全ては、生理学的条件と称される。
【0139】
一実施例では、生理学的条件は、周囲空気内、水槽内、約37℃の水槽内、約37℃環境、半径方向歪み試験機(コンプライアンス試験機)内、疲労試験機内、脈動環境内、圧力もしくは圧力差環境内、身体管腔もしくは身体器官環境をほぼシミュレーションする脈動環境内、血管拡張剤もしくは血管収縮剤等の治療薬の投与、収縮および/または拡張環境内、身体管腔内、身体血管内、身体輪内、もしくはその他のうちの1つまたはそれを上回るものを備える。
【0140】
好ましい実施例では、ステント補綴具はさらに、ステント補綴具の少なくとも1つの表面上に少なくとも1つのコーティングを備える。コーティングは、一実施例では、少なくとも1つの薬物、好ましくは、m-tor阻害剤を備える。別の実施例では、ステント補綴具は、少なくとも1つの薬物を備える。別の実施例では、ステント補綴具は、少なくとも2つの薬物、すなわち、m-tor阻害剤および血管拡張剤を備える。さらに別の実施例では、少なくとも1つのコーティングは、分解性(ポリマーまたは金属)材料の分解速度よりも遅い速度で分解する。別の実施例では、少なくとも1つのコーティングは、分解性材料速度よりも速い速度で分解する。さらに別の実施例では、少なくとも1つのコーティングは、非分解性ステントの少なくとも1つの表面を被覆する。さらに別の実施例では、少なくとも1つの分解性コーティングは、非分解性ステントの少なくとも1つの表面を被覆する。さらに別の実施例では、少なくとも1つの分解性コーティングは、非分解性ステントの少なくとも1つの表面を被覆し、少なくとも1つの非分解性コーティングは、非分解性ステントの少なくとも1つの表面を被覆する。
【0141】
一実施例では、ステント補綴具は、以下のうちの1つまたはそれを上回るものを呈する、提供する、もしくは行うように構成される、すなわち、ステントを離脱させる、管腔もしくは血管のステント留置区画を離脱させる、ステントの少なくともいくつかの円周方向構造要素(リング)を離脱させる、ステントの少なくともいくつかのリングを離脱させる、血管もしくは血管壁を離脱させる、血管運動を呈する、血管拡張を呈する、血管収縮を呈する、埋込後のより大きい構成までのステントのさらなる拡張、および/またはステントが、生理学的条件下で(ならびに/もしくはニトロ等の治療薬の導入を通して)1%~10%に及ぶ、好ましくは、1%~7%に及ぶ、より好ましくは、1.5%~7%に及ぶ、複合半径方向歪み(またはコンプライアンス)を有する。ステント補綴具は、本実施例では、以下のステント状態のうちの1つまたはそれを上回るものにおいて、すなわち、形成されると、パターン化されると、ステントの形成(もしくはパターン化)後の処置または処理後に、ステントが展開されると、ステントの展開に応じて、ステントの拡張に応じて、および/または、例えば、身体管腔内のステントの展開もしくは拡張後に、上記で説明される1つまたはそれを上回る性質(離脱すること等)を呈する、もしくは提供する。ステント補綴具は、本実施例では、以下のうちの1つまたはそれを上回るものの、すなわち、少なくともいくつかの円周方向構造要素、少なくともいくつかのリング、実質的に全ての円周方向構造要素、実質的に全てのリング、少なくともいくつかの領域、実質的にステント全体もしくはステント区画全体に跨架して、ステント領域、および/またはステント区画の中で(もしくはそれにわたって)、上記で説明される1つまたはそれを上回る性質(離脱すること等)を呈する、もしくは提供する。
【0142】
実施例のうちのいずれかの一実施例では、架橋要素はまた、少なくともいくつかのリング上の1つまたはそれを上回る構造要素(支柱および/またはクラウン等)に架橋することに加えて、少なくとも1つのリンク(またはリンク領域)に架橋することもできる。
【0143】
本発明の別の側面または別の実施例では、非分解性(金属(合金を含む)であるが、ポリマーでもあり得る)ステント補綴具は、構造要素を備え、該構造要素は、一実施例では、複数のリングを備え、各リングは、支柱と、クラウンとを備え、各リングは、少なくとも1つの場所(または領域)で隣接するリングに接続される。少なくともいくつかのリング上の少なくとも1つの支柱(または支柱の一部もしくは支柱領域範囲)および/または少なくとも1つのクラウン(クラウンの一部もしくはクラウン領域)は、形成されず(もしくは形成後に除去され)、該残りのクラウン端部(または残りのクラウン領域)の間に、ならびに/もしくは残りの支柱端部(または残りの支柱領域)の間に、間隙(または不連続性)を形成し、間隙規模は、1ミクロン~3mmに及び、好ましくは、2ミクロン~2mmに及び、より好ましくは、3ミクロン~1mmに及び、該間隙は、拡張ステント構成時(もしくは圧着ステント構成時)の残りの支柱および/または残りのクラウンの間の直線として測定される。残りの支柱および/またはクラウンの端部は、異なる、好ましくは、隣接する支柱および/またはクラウンよりも大きい寸法、幾何学形状、ならびに/もしくは表面積を有するように構成されることができ、円形、正方形、半円形、長方形等の種々の形状を有することができる。一実施例では、少なくともいくつかのリングは、該リングに沿って少なくとも1つの間隙(または不連続性)を有する。別の実施例では、少なくともいくつかのリングは、該リングに沿って少なくとも3つの間隙(または不連続性)を有する。さらに別の実施例では、少なくともいくつかのリングは、1~3つの間隙(または不連続性)を有する。ステント補綴具は、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能であり、身体管腔を支持するために十分な強度を有する。ステントは、好ましい実施例では、実質的に一様な拡張を有する。ステントは、別の好ましい実施例では、間隙領域中で0.7mm~1.5mmの最大円形直径を有する。ステントは、さらに好ましい実施例では、平滑筋細胞増殖を阻止する(または最小限にする)ために十分な被覆を有する。ステント補綴具は、以下のうちの1つまたはそれを上回るものを呈する、提供する、もしくは行うように構成される、すなわち、ステントを離脱させる、ステントの少なくともいくつかの円周方向構造要素を離脱させる、ステントの少なくともいくつかのリングを離脱させる、血管もしくは血管壁を離脱させる、血管運動を呈する、血管拡張を呈する、血管収縮を呈する、埋込後のより大きい構成までのステントのさらなる拡張、および/またはステントが、生理学的条件下で(ならびに/もしくはニトロ等の治療薬の導入を通して)1%~10%に及ぶ、好ましくは、1%~7%に及ぶ、より好ましくは、1.5%~7%に及ぶ、半径方向歪みを有する。ステント補綴具は、本実施例では、以下のステント状態のうちの1つまたはそれを上回るものにおいて、すなわち、形成されると、パターン化されると、ステントの形成(もしくはパターン化)後の処置または処理後に、ステントが展開されると、ステントの展開に応じて、ステントの拡張に応じて、および/または、例えば、身体管腔内のステントの展開もしくは拡張後に、上記で説明される1つまたはそれを上回る性質(離脱すること等)を呈する、もしくは提供する。好ましい実施例では、未形成(もしくは除去された)支柱および/またはクラウンの残りの端部領域は、そのような接続が該リングの間隙(または不連続性)を完成させず、該リング内の間隙が断絶されたままであることを前提として、同一もしくは隣接する構造要素に接続される。
【0144】
別の実施例では、ステント補綴具は、支柱と、クラウンとを備える、複数のリングを備え、少なくともいくつかのリング上の少なくとも1つの支柱および/またはクラウン領域は、例えば、レーザパターン化中に切離される(もしくは切断される)が、機械的に、または他の方法で行われることもできる。切離された領域は、非外傷性であるように、および/または接触を生じるように、ならびに/もしくは接触を維持するように、および/または実質的にともに切断された領域を実質的に保持するように、圧着構成から拡張されたより大きい構成までのステント補綴具の拡張を可能にし、身体管腔を支持するために十分な強度を有するように、幾何学形状にデバリングならびに/もしくは成形される。ステントは、好ましい実施例では、拡張構成時に実質的に一様なパターンを有する。切断された端部領域は、圧着構成時に、当接し、重複し、または一時保持手段を有し、拡張構成への展開を可能にする、もしくはステントが拡張ステント構成時に実質的に一様なパターンを有することを可能にする、および/または身体管腔を支持するために実質的に十分な被覆を可能にすることができる。
【0145】
足場内の分離領域および不連続性のレーザ切断、パターン化、または他の形成中に、部分的に形成された足場の部分は、不連続性が形成された後、および不連続性が粘着、コーティング、スリーブ形成、または同等物によって固定化される前に、構造が時期尚早に分離しないように、一時的に一緒にあり得る。例えば、管状部材が、支柱およびクラウンを含む円周方向リングを形成するように、レーザ切断または別様にパターン化された後、管状部材の端部は、足場の各端部に位置付けられる保持固定具によって一時的に保持されてもよい。具体的には、足場の各端部における1つ、2つ、3つ、またはそれを上回る末端クラウンは、保持固定具によって把持されることができる、拡大された耳もしくは類似特徴等の保持特徴を有するように形成されてもよい。このように、保持固定具は、例えば、最初に、円周方向リングのうちの1つまたはそれを上回るものの中の支柱および/またはクラウンを切断または二等分し、次いで、生分解性スリーブ内の足場全体をコーティングし、ステントが固定具から除去され、続いて、展開され得るように、ステントをともに保持することによって、分離領域が形成されるにつれて、部分的に形成された足場をともに保持するであろう。
【0146】
別の実施例では、非分解性(金属(合金を含む)であるが、ポリマーでもあり得る)ステント補綴具は、円周方向構造要素を備え、該構造要素は、一実施例では、複数のリングを備え、各リングは、支柱と、クラウンとを備え、各リングは、少なくとも1つの場所で隣接するリングに接続される。少なくともいくつかのリングは、該リングに間隙(または不連続性)を有するように構成される(例えば、パターン化および/または処置される)。例えば、ステントは、該間隙が、該リングを完成させる(または接続する、もしくは連続性を提供する)直線として測定されるときに、1ミクロン~3mmに及ぶ、好ましくは、2ミクロン~2mmに及ぶ、より好ましくは、3ミクロン~1mmに及ぶ、間隙規模を有するようにパターン化されることができる。好ましい実施例では、間隙が、0.9mm~2mmに及ぶ、好ましくは、1mm~1.5mmに及ぶ、領域内の最大円形支柱間(リング間もしくはリングの間の)距離がある。一実施例では、少なくともいくつかのリングは、該リングに沿って少なくとも1つの間隙(または不連続性)を有する。別の実施例では、少なくともいくつかのリングは、該リングに沿って少なくとも3つの間隙(または不連続性)を有する。さらに別の実施例では、少なくともいくつかのリングは、1~3つの間隙(または不連続性)を有する。ステント補綴具は、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能であり、身体管腔を支持するために十分な強度を有する。ステントは、好ましい実施例では、実質的に一様な拡張、SMC増殖を阻止するための十分な血管被覆を有する。ステント補綴具は、以下のうちの1つまたはそれを上回るものを呈する、提供する、もしくは行うように構成される、すなわち、ステントを離脱させる、ステントの少なくともいくつかの円周方向構造要素を離脱させる、ステントの少なくともいくつかのリングを離脱させる、血管もしくは血管壁を離脱させる、血管運動を呈する、血管拡張を呈する、血管収縮を呈する、埋込後のより大きい構成までのステントのさらなる拡張、および/またはステントが、生理学的条件下で(ならびに/もしくはニトロ等の治療薬の導入を通して)1%~10%に及ぶ、好ましくは、1%~7%に及ぶ、より好ましくは、1.5%~7%に及ぶ、半径方向歪みを有する。ステント補綴具は、本実施例では、以下のステント状態のうちの1つまたはそれを上回るものにおいて、すなわち、形成されると、パターン化されると、ステントの形成(もしくはパターン化)後の処置または処理後に、ステントが展開されると、ステントの展開に応じて、ステントの拡張に応じて、および/または、例えば、身体管腔内のステントの展開もしくは拡張後に、上記で説明される1つまたはそれを上回る性質(離脱すること等)を呈する、もしくは提供する。
【0147】
一実施例では、少なくともいくつかのリングが、各該リング上に少なくとも1つの間隙(または不連続性)を有する、ステント補綴具がある。一実施例では、間隙がある(または間隙が終了もしくは開始する)、構造要素(リング)の領域(または端部領域)は、遊離し得る(任意の構造要素または任意の隣接する構造要素に接続されない)、または端部領域において、もしくは端部領域に隣接して、または該端部領域に至る構造要素に沿ったいずれかの場所で、支柱および/またはクラウンに接続される等、他の構造要素に接続されることができる(もしくは支柱および/またはクラウンに接続される等、他の隣接する構造要素に接続されることができる)。該領域への接続は、略直線状の接続、および/またはクラウン接続、ならびに/もしくは該領域から他の構造要素(または隣接する構造要素)まで種々の形状、寸法、および/または幾何学形状を有する、他の接続であることができる。接続の実施例(接続形状を含む)は、Z、S、M、U、W、Y、L、または他のタイプの接続を含む。該接続の寸法は、他の隣接する構造要素と異なり得る、または実質的に同一であり得る。接続はまた、他の実施例では、幅および/または厚さがより大きくもしくはより小さくあり得る。接続形状および/または寸法は、少なくともいくつかのリング上で実質的に同一もしくは異なり得る。
【0148】
別の実施例では、ステント補綴具は、複数のリングを備える、構造要素を備え、各リングは、クラウンと、支柱とを備え、各リングは、少なくとも1つの領域中で隣接するリングに接続される。少なくともいくつかのリングは、2つの支柱領域および/またはクラウン領域がある長さにわたって重複する、2つの支柱(もしくは2つの支柱領域)ならびに/もしくは2つのクラウン(または2つのクラウン領域)を有するように(パターン化されて、もしくは別様に)構成される、2つのクラウンの間および/または2つの支柱の間の少なくとも1つの領域を有する。支柱および/またはクラウンが、反対端において接続される一方で、他方の端部領域は、該リングに不連続性を形成する。支柱および/またはクラウン遊離端領域は、ステントの展開に応じてステント補綴具をともに制約もしくは保持する種々の形状ならびに幾何学形状を有することができる。支柱および/またはクラウン領域はまた、ステント補綴具の拡張に応じて摺動支柱ならびに/もしくはクラウンを保持または制約する溝もしくは他の形状を有することもできる。ステント補綴具は、典型的には、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能であり、身体管腔を支持するために十分な強度を有する。ステントは、展開に応じて身体管腔が離脱することを可能にする。ステントは、身体管腔を支持するために不連続性領域中で十分な構造要素表面領域被覆(厚さ、幅、および/または幾何学形状)を有する。
【0149】
本願の中の実施例のうちのいずれかの一実施例では、ステント補綴具は、円周方向構造要素を備え、構造要素は、支柱と、クラウンとを備え、ステントは、ステントが圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能であることを可能にするように構成され(例えば、パターン化および/または処置され)、ステントは、身体管腔を支持するために拡張構成時に十分な強度を有し、該ステント補綴具は、離脱し、および/または1%~5%に及ぶ半径方向歪み(もしくはコンプライアンス)を有し、ならびに/もしくは身体管腔内で(または生理学的条件下で、および/またはニトログリセリンの導入等の治療条件下で)、形成されると、拡張に応じて、および/または拡張後に、さらに拡張する。該ステント補綴具の実施例は、補強要素、架橋要素、分離領域、間隙領域を有する支柱および/またはクラウン、もしくはその他を備える、実施例からの1つまたはそれを上回るものを備える。該ステント補綴具は、生理学的条件下で、3ヶ月~5年に及ぶ周期にわたって、分解性、非分解性、金属(合金を含む)、またはポリマーであり得る。ステント補綴具は、実施例では、管から形成され、ステントにパターン化される、または1つまたはそれを上回るワイヤ(またはフィラメント)から形成され、ステントにパターン化されることができる。ステントはまた、平坦なシートから形成され、ステントを形成するように圧延されることができる。平坦なシートは、ステントを形成するようにそれを圧延する前にパターン化されることができる、または平坦なシートは、管を形成するように圧延され、次いで、パターン化されることができる。一実施例では、円周方向構造要素は、複数のリングを備え、各リングは、本願に説明される構成のうちの1つまたはそれを上回るものを有する、クラウンと、支柱とを備える。別の実施例では、構造要素は、ステントが、形成されると離脱すること、および/または形成されると、展開に応じて、ならびに/もしくは展開後にさらに拡張することを可能にする、1つまたはそれを上回る不連続性を有する、クラウンと、支柱とを備える。
【0150】
本願の中の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、少なくともいくつかの支柱および/またはクラウンは、少なくとも1つの分離領域、不連続性、もしくは切れ目を有する。別の実施例では、少なくともいくつかの支柱および/またはクラウンは、該支柱および/またはクラウン上に少なくとも2つの分離領域、不連続性、もしくは切れ目を有する。なおもさらなる実施例では、支柱および/またはクラウンのうちの少なくともいくつかは、分離領域を含まないであろう。なおもさらなる頻繁な好ましい実施例では、少なくともいくつかの支柱が、分離領域を有するであろう一方で、円周方向リングの中の全てのクラウンは、分離領域を含まないであろう。通常、拡張中に変形しない支柱の中に分離領域を位置付けることは、足場が拡張するにつれて変形するクラウンの中に分離領域を位置付けることより好ましいことが見出されている。
【0151】
別の側面では、または別の実施例では、本発明は、分離領域および/または環境応答性分離領域を伴う円周方向要素ならびに/もしくはリング等の構造要素を有する、非分解性または低速分解性補綴具材料を提供する。「環境応答性」とは、血管条件および/または他の管腔条件を含む生理学的条件に応答して、ならびに/もしくは周囲温度または37℃の水中に設置されることに応答して、および/または緩衝液中ならびに/もしくは生理食塩水中に設置されることに応答して、および/または生理学的条件(例えば、血管または管腔条件)ならびに/もしくは血管または他の身体管腔内の埋込後等に足場が暴露される生理学的圧力に応答して、および/または足場が、30mmHg~200mmHgに及ぶ、好ましくは、40mmHg~120mmHgに及ぶ、より好ましくは、50mmHg~80mmHgに及ぶ、圧力に暴露されることに応答して、ならびに/もしくは足場が、30mmHg~150mmHgの脈動圧力範囲、好ましくは、30mmHg~120mmHgの脈動圧力範囲、より好ましくは、30mmHg~90mmHgの脈動圧力範囲に暴露されることに応答して、または血管拡張剤もしくは血管収縮剤導入等の治療薬に応答して、分離領域が分離する、分解性ポリマー材料等の材料が空になる、間隙を作成する、開放する、破損する、1つまたはそれを上回る方向への移動を可能にする、および/または劣化するであろうことを意味する。
【0152】
ステントは、本願の中の実施例のうちのいずれかの好ましい実施例では、離脱することができる、少なくともいくつかの円周方向断面もしくは領域中で離脱することができる、ステント区画にわたって離脱する、および/またはステント補綴具の少なくともいくつかの円周方向断面もしくは領域中で生理学的条件(生理学的環境を含む)においてより大きい直径(もしくは構成)まで拡張する。より大きいステント直径は、展開直径よりも大きく、および/または展開された拡張構成からの反跳後のステントの直径よりも大きくあり得る。ステント直径は、(本願に説明されるように)該圧力および/または圧力に応答して、一実施例では、(該当する場合、拡張ならびに/もしくは展開直径からの反跳後に)該拡張ならびに/もしくは展開直径から、より大きい直径に恒久的または一時的に変化および/または増加する一方で、圧力および/または脈動圧力に暴露されている間に、ステント直径は、0.045mm~1mmに及んで、好ましくは、0.05mm~0.6mmに及んで、より好ましくは、0.06mm~0.3mmに及んで、変化ならびに/もしくは増加する、または0.1~0.3mmに変化する。展開後のステント半径方向強度は、同一の実施例または他の実施例では、12psi~30psiに及ぶ、好ましくは、13psi~25psiに及ぶ、より好ましくは、15psi~25psiに及ぶ。足場を拡張した後、および/または展開後のステント平坦プレート強度(10%破砕)は、同一の実施例もしくは異なる実施例では、0.03N/mmステント長~0.95N/mmステント長に及ぶ、好ましくは、0.035N/mmステント長~0.9N/mmステント長に及ぶ、より好ましくは、0.004N/mmステント長~0.085N/mmステント長に及ぶ。足場の拡張後および/または展開後の足場内向き反跳は、同一の実施例もしくは異なる実施例では、1%~10%に及ぶ、好ましくは、2%~7%に及ぶ、より好ましくは、2%~5%に及ぶ。ステント内向き反跳は、好ましくは、展開後に実質的に同一のままである。ステント補綴具は、好ましくは、体内の血管拡張剤の導入後に、より大きい構成までさらに拡張する。ステントは、好ましくは、1%~5%に及ぶ、拡張構成時の半径方向歪み(またはコンプライアンス)を有する。同一の実施例または異なる実施例では、展開後の非分解性ステント半径方向強度は、展開に応じて、足場初期半径方向強度の少なくとも25%減少する、少なくとも50%減少する、少なくとも75%減少する、100%減少する。強度が減少する、同一の実施例または異なる実施例における時間周期は、1日~2年に及ぶ、好ましくは、1ヶ月~1年に及ぶ、より好ましくは、2ヶ月~9ヶ月に及ぶ、より好ましくは、3ヶ月~9ヶ月に及ぶ。同一の実施例または異なる実施例では、展開(初期展開)後の非分解性ステント半径方向強度は、そのような初期展開半径方向強度から30日以内に0%~25%の範囲だけ減少する、および/またはそのような初期展開半径方向強度から90日以内に10%~50%の範囲だけ減少する、ならびに/もしくはそのような初期展開半径方向強度から180日以内に25%~90%の範囲だけ減少する、および/またはそのような初期展開半径方向強度から270日以内に50%~100%の範囲だけ減少する。非分解性ステントは、本実施例では、少なくとも1つの分解性ポリマーをさらに備え、かつ少なくとも1つの薬物をさらに備える。好ましい実施例では、少なくとも1つの薬物は、ポリマーに含有される。別の実施例では、または先の実施例に加えて、ステントは、少なくとも1つの非分解性ポリマーを備える。さらに別の実施例では、または先の実施例に加えて、ステントはさらに、放射線不透過性マーカ(分解性もしくは非分解性)を備える。
【0153】
展開後の本願の全体を通した好ましい実施例では、ステントの離脱と、展開後のステントのさらなる拡張と、管腔拡大と、ステントまたは管腔全体、ステントまたは管腔の少なくとも1つの部分もしくは領域、ステントまたは管腔の少なくとも1つの円周方向断面もしくは領域、もしくはステントまたは管腔区画の少なくともいくつかの円周方向断面もしくは領域、またはステント留置区画のうちの1つまたはそれを上回るものを備える、ステントおよび/または管腔の他の性質とがある。
【0154】
別の実施例では、本発明は、分離領域を伴う円周方向要素および/またはリングを有する、非分解性補綴具材料を提供する。分離領域は、形成されると、および/またはパターン化されると(パターン化後を含む)、ならびに/もしくは処理または処置後に、および/または埋込前に、ならびに/もしくは埋込後に、および/または生理学的条件における埋込後に、不連続性を有する領域である。不連続性は、完全におよび/または実質的に以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、分離していること、材料が空になること、間隙を有すること、間隙を形成すること、開放していること、切れ目を有すること、切れ目を形成すること、係止解除すること、触れないこと、非接触すること、分離領域の間もしくは分離領域に隣接する材料の除去、分離領域をともに保持する材料の除去、1つまたはそれを上回る方向に移動する分離領域の能力、ならびに/もしくは分解を含む。本実施例では、ステントは、身体管腔を支持するために展開に応じて十分な強度を有し、展開後のステントは、より大きい構成(反跳構成よりも大きい、および/または展開された拡張構成よりも大きい)までさらに拡張する前に、より小さい構成に反跳してもよい。ステントは、身体管腔内および/または生理学的条件下で、より大きい構成まで拡張することができる。別の実施例では、ステントは、離脱する、または少なくともいくつかの領域および/またはリング、またはステント留置区画中で、離脱する。
【0155】
別の実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域を含有する、1つまたはそれを上回る円周方向リングは、少なくとも1つまたはそれを上回る非分解性材料(非分解性ポリマー材料等)を含有してもよく、該材料は、間隙または他の不連続性を形成することを阻止する。非分解性材料を備える分離領域を含有する、1つまたはそれを上回る円周方向リングは、血管拡張剤に応答した血管脈動および/または拡張に応答して、生理学的条件下で非分解性材料の弾性および伸張に起因して、初期拡張(および該当する場合、反跳)後に、より大きい直径または断面まで拡張するように構成される。このように、1つまたはそれを上回るリング、および典型的には、ステント留置区画全体は、生理学的条件下で埋込後に所望のコンプライアンスを呈する。非分解性材料は、そのような実施形態および実施例では、典型的には、血管の収縮期脈動を含む生理学的条件下で、連続的に拡張および/または収縮するために十分な弾性を有する。
【0156】
さらに別の実施例では、非分解性材料を備える、1つまたはそれを上回る分離領域は、初期拡張後に、好ましくは、初期拡張後の30日~1年に及ぶ周期後に、間隙または他の不連続性を依然として形成し得る。非分解性であるが、材料は、経時的に、および/または生理学的条件下で、劣化もしくは疲労し、したがって、分離領域が分離し、間隙または他の不連続性を形成することを可能にし得る。
【0157】
さらに別の実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域は、ポリマースリーブもしくはポリマーコーティング等の1つまたはそれを上回る非分解性材料によって束縛されてもよく、間隙または他の不連続性の形成後の分離領域のうちの1つまたはそれを上回るものは、間隙または他の不連続性の形成後でさえも非分解性材料によって束縛されたままである。例えば、スリーブまたはコーティングとして形成される非分解性材料はまた、ステントの1つまたはそれを上回るリングを被覆する、1つまたはそれを上回るステント表面を被覆する、またはステント表面全体を被覆することができる。分離領域を束縛するスリーブまたはコーティングは、1つまたはそれを上回るリングまたはステント留置区画が、所望のコンプライアンスを有し、初期反跳後にさらに拡張し、および/または血管拡張剤の導入に応答することを可能にする。
【0158】
別の実施例では、本発明の本および/または一側面ならびに/もしくは好ましい実施例による、管腔内補綴具は、非分解性金属、金属合金、または硬質非分解性プラスチック等の非分解性材料からパターン化される、円周方向要素および/またはリング等の構造要素を有する、足場を備え、足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成され、足場は、身体管腔を支持するために拡張構成時に十分な強度を有する。円周方向要素および/またはリングのうちの少なくともいくつかは、展開(初期展開)の後すぐまたは直後に、ならびに/もしくは経時的に、および/または生理学的環境内の初期拡張後に、ならびに/もしくは本願に開示される他の条件のうちの1つまたはそれを上回るものへの暴露後に、円周方向要素ならびに/もしくはリングに不連続性を形成するように構成される、少なくとも1つの分離領域を有するであろう。そのような不連続性は、足場または足場の少なくともいくつかの円周方向断面が、少なくともより大きい構成まで拡張すること、好ましくは、展開後に起こり得る初期反跳後にさらに拡張すること、より好ましくは、初期拡張を超えてさらに拡張することを可能にし、最も好ましくは、足場が離脱すること、またはステントの少なくともいくつかの円周方向断面もしくは領域中で離脱すること、好ましくは、円周方向に離脱することを可能にする。すなわち、足場が、バルーンによって、またはある事例では、束縛から自己拡張することによって、最初に展開された後、不連続性は、好ましくは、管腔拡張とともに、より好ましくは、管腔再形成の結果としての管腔拡張とともに、足場の部分が離れ、リングが拡張することを可能にする。一実施例では、リング分離領域は、クラウン領域、ヒンジ領域、および/または支柱領域中に存在し得る。ステントは、好ましくは、ステント留置区画中で管腔を拡大することによって、血管拡張刺激に応答する。ステントは、好ましくは、1.5%~7%に及ぶ複合半径方向歪み(またはコンプライアンス)を有する。
【0159】
別の実施例では、円周方向要素および/またはリングに形成される不連続性は、典型的には、足場(または以下ならびに/もしくは本願でより具体的に説明されるような足場のリング構成要素)および/または分離領域中の応力面積、剛性、フープ、円周方向、ならびに/もしくは半径方向強度を低減または排除する、円周方向足場の構造内の部分的または完全な切れ目、分離、間隙を備えるであろう。最も一般的には、不連続性は、足場またはリングもしくは円周方向要素内の2つの結果として生じる遊離端が、身体管腔および/またはステントの再形成もしくは他の拡張に応答して、相互から離れることを可能にする、完全な切れ目であろう。一実施例では、2つの遊離端がスリーブまたはコーティングを備える材料によって含有される、不連続性があり、スリーブまたはコーティング材料は、ポリマー等の非分解性もしくは分解性であり得、スリーブまたはコーティングは、遊離端が離れるときに伸張する。別の実施例では、不連続性は、圧着構成から拡張構成までの展開に応じて、不連続性をともに含有する構造要素を保持するように、不連続性幾何学形状(あるキーおよびロック設計ならびに他のタイプの幾何学形状等)を用いて含有され、不連続性は、パターン化前に、パターン化中に、またはパターン化後に形成され、上記および/または本願全体に説明されるように該不連続性を形成する分離領域の設計構成によってともに保持される。不連続性は、この場合、ともに保持される該不連続性を含有する構造要素の遊離端を維持し、身体管腔を支持するためにステントの展開後に十分な強度を提供しながら、ステントの圧着および/または展開を可能にする。不連続性は、この場合、展開後に1つまたはそれを上回る方向へ、好ましくは、展開後のみに半径方向へ、より好ましくは、実質的に半径方向のみへ構造要素の遊離端の移動、最も好ましくは、主に半径方向へ該移動を可能にすることができる、または該移動は、半径方向および/または円周方向にある。一実施例では、足場のリングまたは他の部分のうちの少なくともいくつかは、少なくとも1つのそのような不連続性を有するであろうが、より典型的には、各リングは、少なくとも1つの不連続性を有し、リングのうちのいくつかまたは全ては、2つまたはそれを上回る不連続性を有してもよい。個々の足場リングは、同数または異なる数の不連続性を有してもよく、全ての足場リングが不連続性を有する必要があるわけではない。例えば、足場の端部またはその近傍におけるリングは、例えば、叉骨効果を限定するように、不連続性を含まなくてもよい。さらなる実施例では、少なくともいくつかのリングは、1つ~クラウンの同数に及ぶ、いくつかの不連続性、好ましくは、該リング上に1つ~クラウンの数の3/4に及ぶ、いくつかの不連続性を有するであろう、および/または該リング上に1つ~支柱の同数に及ぶ、いくつかの不連続性、好ましくは、該リング上に1つ~支柱の数の3/4に及ぶ、いくつかの不連続性を有するであろう、ならびに/もしくは該リング上に1つ~クラウンの数の1/2に及ぶ、いくつかの不連続性を有するであろう、および/または該リング上に1つ~支柱の数の1/2に及ぶ、いくつかの不連続性を有するであろう、ならびに/もしくは該リング上に1つ~クラウンの数の1/4に及ぶ、いくつかの不連続性を有するであろう、および/または該リング上に1つ~支柱の数の1/4に及ぶ、いくつかの不連続性を有するであろう、および/または該リング上に1~10に及ぶ、いくつかの不連続性、好ましくは、該リング上に1~5に及ぶ、いくつかの不連続性、より好ましくは、該リング上に1~4に及ぶ、いくつかの不連続性、ならびに/もしくは該リング上に1~3に及ぶ数、および/または該リング上に1~2に及ぶ数を有するであろう。
【0160】
一実施例では、そのような不連続性を形成させる生理学的環境は(他の実施例では、不連続性は、生理学的環境から独立して形成される)は、補綴具が埋め込まれる身体管腔と関連付けられる任意の物理的条件によって特徴付けられてもよい。例えば、生理学的環境または条件は、以下のうちのいずれか1つまたはそれを上回るもの、すなわち、本願に説明されるように、生理学的温度、例えば、身体管腔内または約37℃まで加熱された水槽内で維持されるような37℃、および/または生理学的圧力、ならびに/もしくは圧力、および/または脈動圧力、ならびに/もしくは血管拡張剤または血管収縮剤等の薬剤の導入を備えてもよい。加えて、生理学的環境は、足場が埋め込まれた血液または他の水性媒体、具体的には、ある特徴の腐食を増進し得る酸素化された血液を備えてもよい。多くの場合、生理学的環境は、ひいては、足場構造に形成された特定の特徴を疲労させて破壊し得る、機械的応力を埋め込まれた足場に受けさせ得る、血管、具体的には、動脈の脈動を備えるであろう。不連続性は、分解、腐食、溶解、または機械的応力に起因するかどうかにかかわらず、一実施例では、典型的には、30日~6ヶ月で形成されるであろうが、円周方向足場の初期拡張および身体管腔の環境への拡張された足場の暴露後の数日~1年でも形成され得る。他の実施形態では、不連続性は、周囲温度における水槽内で形成される。
【0161】
一実施例では、分離領域は、例えば、分解性ポリマー、接着剤、スリーブ、リベット、または同等物によって再継合される、切り欠き、粒状構造の変動、事前形成された切れ目を含む、足場の種々の構造もしくは修正のうちのいずれか1つを備えてもよい。
【0162】
分離領域の1つの特定の実施例では、形成されると、および/または形成後に、ならびに/もしくは展開前に、および/または拡張前に、ならびに/もしくは展開中に、および/または拡張中に、ともに固定化ならびに/もしくは保持され、展開後に、および/または生理学的環境内の付加的拡張後に、分離する、ならびに/もしくは不連続性を形成するように構成される、キーおよびキー孔、ならびに/もしくはキーおよびロック、ならびに/もしくはボールおよびソケット、ならびに/もしくはフック接合点を備える。例えば、キーおよびキー孔、ならびに/もしくはキーおよびロック、ならびに/もしくはボールおよびソケット、ならびに/もしくはフック接合点は、生理学的環境内で分解するポリマー、セメント、接着剤、はんだ、および/または同等物等の材料による等の手段によって、最初にともに保持されてもよく、キーおよびキー孔、ならびに/もしくはキーおよびロック、ならびに/もしくはボールおよびソケット、ならびに/もしくはフックは、いったん接合点を保持する手段が崩壊もしくは分解すると、またはキーおよびキー孔、ならびに/もしくはキーおよびロック、ならびに/もしくはボールおよびソケット、ならびに/もしくはフック接合点が、例えば、血管または他の身体管腔の正常な脈動、もしくは本願の全体を通して説明される他の生理学的条件に応答して、ポリマー、セメント、接着剤、はんだ等の材料を含まなくなると、分離する、または間隙を形成するように構成される。一実施例では、キーおよびキー孔、ならびに/もしくはキーおよびロック、ならびに/もしくはボールおよびソケット、ならびに/もしくはフック接合点は、ステント展開、およびステントが展開(初期展開)後に身体管腔を支持するために十分な強度を有することを可能にするために十分に、1つまたはそれを上回る方向への接合点の移動を制限もしくは実質的に制限する、接合点の幾何学形状によって、実質的にともに保持されてもよい。好ましい実施例では、そのような接合点は、展開(圧着構成から拡張されたより大きい構成までの拡張)に応じて実質的にともに保持されたままであり、ステントは、身体管腔を支持するために拡張構成時に十分な強度を有する。本好ましい実施例では、それをともに保持する接合点手段は、キーおよびキー孔、ならびに/もしくはキーおよびロック、ならびに/もしくはボールおよびソケット、ならびに/もしくはフックのタイプ、および/または他のタイプの接合点等の接合点の幾何学形状である。分離領域接合点はまた、ステント構造要素および/またはリングの2つの端部を接続ならびに/もしくは継合する、突き合わせ接合点であることもでき、該端部は、円形、および/または球状、ならびに/もしくは正方形、および/または長方形、ならびに/もしくは神経シナプスタイプ接合点、および/または他のタイプの形状、ならびに/もしくは実質的にそのような形状等の種々の形状および/または断面形状(実質的な形状タイプを含む)を有する。一実施例では、バルーンカテーテル等の展開手段は、ステントの展開に応じて不連続性をともに保持することを提供し、ステントは、展開後に1つまたはそれを上回る方向へ、好ましくは、展開後に半径方向への制御された移動を有することを可能にされ、ステントは、圧着構成から拡張されたより大きい構成までの展開後に十分な強度を有する。
【0163】
分離領域はまた、別の実施例では、構造要素が、中実ワイヤ(略円形、長方形、および/または正方形、ならびに/もしくは神経シナプス、および/または他の形状等の種々の形状を有する)、および/または生理学的環境内で分解ならびに/もしくは分離および/または中断する、接着剤ならびに/もしくはコネクタおよび/またはポリマーならびに/もしくははんだおよび/またはスリーブ等の手段によって一時的に継合される、対向遊離端を有する、中空ワイヤ/管構造要素(少なくとも分離領域に隣接する領域中で中空である)である、単純な突き合わせ継手またはステント構造要素の重複区分を備えてもよい。そのような手段は、該構造要素の遊離端の間に、遊離端に隣接して、遊離端を被覆して、遊離端の中空区分の内側に、および/または上記の全ての組み合わせで、それらを設置することによって、遊離端をともに保持することができる。
【0164】
なおも他の事例または実施例では、分離領域は、円周方向リングおよび/または円周方向構造要素に形成される切り欠きもしくは薄膜化区分を備えてもよく、これらの切り欠きまたは薄膜化区分は、生理学的環境内で優先的に浸食もしくは疲労し、その後、円周方向リングの拡張を可能にする、部分的または完全分離を形成する。なおも他の実施形態または実施例では、分離領域は、円周方向リング自体の材料の修正を含んでもよい。例えば、金属リングでは、分離領域は、円周方向リングの残りの領域と比較すると、生理学的環境内で優先的に破損および/または浸食する(腐食を含む)ように選択される、修正された粒界を有してもよい。他の実施例は、無傷の円周方向リングから始まって形成され得、リングに1つまたはそれを上回る切れ目を形成し、その後、生理学的環境内で分解または浸食もしくは疲労または破損もしくは分離するように構成される、スリーブ、接着剤、はんだ、コネクタ、コーティング、および/または同等物等の手段を用いて、切れ目を再び継合する、継手である。例えば、はんだ、接着剤、および/またはポリマーは、結果として生じる継手の突き合わせならびに/もしくは重複および/または中空端部に適用されてもよい。代替として、コネクタは、そのような構造が生理学的環境内で分解および/または分離するまで継手をともに保持する、スリーブ、リング、コイル、もしくは他の外接構造を備えてもよい。好ましい実施例では、パリレン等のポリマーを備えるスリーブまたはコーティングが、適用されることができ、これは、継手および/または接合点の別個の遊離端が、そのようなスリーブもしくはコーティング内に含有されることを可能にする。
【0165】
別の実施例では、ステントは、非分解性金属または金属合金を備え、該ステントは、複数のリングを備える構造を備え、リングは、クラウンによって継合される支柱を備え、リングのうちの少なくともいくつかは、少なくとも1つのクラウンを有し、クラウンの数のわずか3/4(好ましくは、少なくとも1つおよびクラウンの数のわずか1/2)は、該リング内に、隣接するクラウンの断面積および/または最大クラウン断面積よりも小さいならびに/もしくは最小である、該クラウン断面積を有するように、形成および/またはパターン化される。断面積は、クラウンのほぼ頂点において、および/またはクラウン上の任意の他の点/区分において、測定されることができる。より小さい(最小を含む)クラウンの断面積は、該リング内の隣接するクラウン断面積および/または最大クラウン断面積よりも25%~90%小さく(好ましくは、50%~75%小さく)及ぶ。より小さい(最小を含む)クラウンの断面積は、400平方ミクロン~3,000平方ミクロンに及び、好ましくは、400平方ミクロン~2,500平方ミクロンに及び、より好ましくは、400平方ミクロン~1,500平方ミクロンに及び、そのようなより小さい断面積のクラウンは、該クラウンが拡張後にさらに広がることを可能にする。より小さい(最小を含む)クラウンは、随意に、ステントの展開に応じて、圧着または実質的に圧着構成でクラウン(および/または該クラウンによって継合される支柱)を保持する、ポリマーおよび/または接着剤ならびに/もしくは他の材料から成る、スリーブおよび/またはコーティングならびに/もしくははんだを有することができ、スリーブおよび/またはコーティングならびに/もしくははんだは、展開(拡張)後に分解および/または溶解ならびに/もしくは弛緩し、より小さい断面のクラウンが生理学的条件下で開放および/または拡張することを可能にされるにつれて、ステントがさらに拡張することを可能にする。ステントは、身体管腔を支持するために展開に応じて十分な強度を有する。別の実施例では、ステントは、展開に応じて身体管腔を支持するために十分な強度を有し、ステント強度は、スリーブ、および/またはコーティング、ならびに/もしくは接着剤、および/またははんだが、展開後に生理学的条件下で溶解ならびに/もしくは分解した後に、減少する。クラウンの少なくとも1/4~3/4、好ましくは、クラウンの少なくとも1/2~3/4、より好ましくは、クラウンの少なくとも3/4の断面積は、3,500平方ミクロン~25,000平方ミクロンに及ぶ、好ましくは、4,000平方ミクロン~10,000平方ミクロンに及ぶ、より好ましくは、4,500平方ミクロン~8,000平方ミクロンに及ぶ。上記の実施例における断面積測定は、ステントまたはクラウン等の構造要素の同一タイプの(もしくは同一の)非分解性材料(金属もしくは金属合金材料)であり、より小さい断面積のクラウンをより広い断面積のクラウンと比較すると、クラウン上または内にあるポリマー、金属、コーティング等の他の材料を含まない。代替として、より小さい断面積のクラウンは、クラウン領域の中に非分解性金属または金属合金と異なる材料を組み込むこと、もしくはより低密度または弱い材料を有すること、および/またはクラウン領域の中に、上に、ならびに/もしくはそれを通して、溝、孔、くぼみ、三日月形、クラウン形、および/またはチャネルのうちの1つまたはそれを上回るものを有することによって、達成されることができる。クラウン領域の中、上、および/またはそれを通した、溝、孔、くぼみ、三日月形、クラウン形、ならびに/もしくはチャネルは、ポリマー、金属または金属合金(好ましくは、ステントを形成する金属または金属合金と異なる)、接着剤、および/またははんだ、ならびに/もしくは他の好適な材料を備える、少なくとも1つの材料で充填および/またはコーティングされることができる。本実施例では、より小さい断面積は、隣接するクラウン内の同一タイプの金属または金属合金の断面積(もしくは同一タイプの金属または金属合金のより広い断面積)と比較して、(たとえ該クラウンの全断面積が他のクラウン断面積に類似し得ても)クラウン内の非分解性金属または金属合金の断面積を効果的に縮小する、より軟質または弱いもしくは低密度の材料または間隙をクラウン領域中に有することによって、達成される。材料は、好ましくは、クラウン材料と異なる。材料は、展開後に、クラウン領域中に残留し、溶解し、および/または分解/浸食し、ステントが生理学的条件下で離脱する、ならびに/もしくはさらに拡張することを可能にすることができる。展開に応じたステントは、身体管腔を支持するために十分な強度を有し、ステント強度は、展開後に減少しない、または展開後に減少する、好ましくは、展開後の30日以内に減少する、より好ましくは、展開後の3ヶ月以内および/または展開後の1年以内に減少する。材料は、クラウン材料よりも低い剛性(好ましくは、2~10倍低い剛性)を有し、クラウン材料よりも軟質、伸張可能、および/または軽量である。該クラウンは、一実施例では、該クラウン領域および/または該クラウンによって継合される支柱を含有する、スリーブならびに/もしくはコーティングおよび/または接着剤を有することができる。別の実施例では、ステントは、拡張後に半径方向歪みの増加、および/または該拡張後に半径方向強度の減少を呈する。別の実施例では、該半径方向歪みの増加および/または強度の減少は、ステントの拡張から1週間後~ステントの拡張から9ヶ月後に始まる、好ましくは、拡張から1ヶ月後~拡張から6ヶ月後に始まる、より好ましくは、拡張から2ヶ月後~拡張から6ヶ月後に始まる。別の実施例では、少なくともいくつかの支柱は、本段落で説明されるような薄膜化断面積を有する。
【0166】
別の実施例では、非分解性金属または金属合金から形成されるステントは、少なくともいくつかのリング上の1つまたはそれを上回る領域、または他の「空洞化された」構造を有し、例えば、パターン化、切断(レーザ切断等)、研磨、または同等物によって金属が除去された、クラウン、支柱、またはステント足場の他の構造構成要素内の空隙領域もしくは「空隙」を作成するようにパターン化される。随意に、空隙は、足場が身体管腔を支持するために十分な初期強度を有するように、埋込後に少なくともある時間にわたって足場の強度に寄与する、分解性または非分解性充填材料で完全もしくは部分的に充填されてもよい。充填材料は、ステントの金属または金属合金材料よりも高もしくは低剛性であり得る、またはある場合には、同等の剛性を有し得る。空隙は、完全に充填されてもよい、部分的に完全に充填されてもよい、またはある場合には、充填剤が空隙形成に先立ってステント足場の境界を越えて延在するように過剰充填されてもよい。
【0167】
クラウン領域上のそのような充填された空隙は、例えば、ステントの拡張に応じて変形し、ステントのコンプライアンスおよび強度が経時的に変動することを可能にするであろう。多くの実施例では、クラウン上の充填された空隙は、拡張および埋込時に足場の強度を増進するであろうが、また、コンプライアンスを低減させるであろう。しかしながら、血管または他の生理学的環境に暴露されたときに、分解する、軟化する、または別様に強度を失う、充填材を使用することによって、足場のコンプライアンスは、増加し、これは、ひいては、ステントおよび血管または他の身体管腔の複合物もしくは複合コンプライアンスを増加させるであろう。強度は、同時に減少し得るが、そのような強度の減少は、通常、血管または他の身体管腔が開放され、管腔壁が少なくとも部分的に治癒した後に容認可能である。このように、ステントの少なくともいくつかのリングは、離脱する、さらに拡張する、および/または血管反応性を呈する。クラウン領域(側面領域、管腔表面領域、または反管腔側表面領域)中の空洞化または空隙領域を囲繞する金属もしくは金属合金の厚さは、10ミクロン~50ミクロンに及ぶ、好ましくは、20ミクロン~40ミクロンに及ぶ。空洞化クラウン領域は、クラウン領域の2つの側面領域が無傷のままであり、2つの側面領域の間の領域が空洞化される、一方の側面領域および管腔表面領域が無傷のままである一方で、他方の側面領域および反管腔側表面領域が空洞化される、2つの側面領域および管腔表面領域が無傷のままである一方で、反管腔側表面領域が空洞化される、全ての表面領域(反管腔側、管腔、2つの側面)が無傷のままであるが、クラウン領域の内側コアが空洞化される、および/または一方の側面領域、反管腔側表面領域、ならびに管腔表面領域が無傷のままである一方で、コアが他方の側面領域から空洞化される、もしくはクラウン領域が拡張後にステントの離脱を可能にするような他の方法等の空洞化される種々の方法を有することができる。クラウン領域の少なくとも1つの区分における該1つまたはそれを上回るクラウン領域に関する非分解性金属もしくは金属合金の複合全断面積は、200平方ミクロン~4,000平方ミクロンに及ぶ、好ましくは、400~3,000平方ミクロンに及ぶ、より好ましくは、500~2,500平方ミクロンに及ぶ。別の実施例では、空洞化領域は、別の材料(分解性または非分解性)で充填され、拡張後の材料は、クラウン領域、リング、および/またはステントが離脱すること、ならびに/もしくは半径方向歪みの増加を有すること、および/または半径方向歪みの増加ならびに半径方向強度の減少を有することを可能にする。別の実施例では、少なくともいくつかのリングに沿った支柱のうちの少なくともいくつかは、本節で説明されるように空洞化される。
【0168】
空隙もまた、支柱および足場リングまたは他の足場構造の他の構成要素に形成されてもよい。例えば、チャネル、スロット、および同等物は、支柱、クラウン、および任意の他の構造構成要素を含む、少なくともいくつかのリングの長さの一部または全体にわたって形成されることができる。前述に説明された他の空隙と同様に、チャネル、スロット、および同等物は、拡張の直後にステントの半径方向強度を増進するために十分な複合材料強度を提供するように、本明細書では「補強材料」と称される、第2の分解性ポリマーまたは金属材料で部分的もしくは完全に充填されてもよく、補強材料は、典型的には、拡張および埋込後に分解し、典型的には、ステント強度を低減させながらも、コンプライアンスを増進する。支柱および足場リングまたは他の足場構造の他の構成要素の基礎非分解性材料は、典型的には、1,000μm~4,000μm、好ましくは、1,500μm~3,500μmの範囲内の断面積を有し、非分解性材料の全てまたは一部を被覆する分解性補強材料は、足場基礎材料構成要素の厚さおよび/または幅に付加的な40μm~120μmを追加し、複合基礎および被覆補強材料は、拡張に応じて身体管腔を支持する(かつ血管管腔内で反跳を防止する)ために十分な強度を有し、拡張および埋込後に、コンプライアンスは、増加し、少なくともいくつかのリングの強度は、減少し、ステントを離脱させる。チャネル深度は、典型的には、非分解性材料厚さの40%~90%、好ましくは、50%~85%、より好ましくは、60%~80%であり、チャネルおよびスロットの幅は、典型的には、非分解性材料幅の40%~90%、好ましくは、50%~85%、より好ましくは、60%~80%である。チャネルおよびスロット幅ならびに厚さは、少なくともいくつかのリング上のチャネルおよびスロットの長さに沿って変動し得る。チャネルは、反管腔側表面領域、管腔表面領域、および/または反管腔側ならびに管腔表面領域の両方の上に配置されてもよい。スロットは、典型的には、反管腔側表面から管腔表面まで貫通するであろう。
【0169】
1つまたはそれを上回る薄膜化領域が、代替として、もしくはまた、足場コンプライアンスを増加させ、埋込後に足場の離脱を助長するために、非分解性足場のリングまたは他の円周方向要素のうちのいくつかもしくは全てに沿って形成されてもよい。そのような薄膜化領域は、円周方向コンプライアンスに影響を及ぼす、クラウン領域、支柱領域中、またはリングもしくは他の構造の他の構成要素上に存在し得る。「薄膜化される」とは、クラウン、支柱、または他の足場構成要素が、その構成要素の長さの大部分にわたって基準断面寸法を有し、基準断面寸法が、「薄膜化される」と称される領域中で縮小されることを意味する。薄膜化領域は、展開に応じて身体管腔を支持するために十分な強度を達成するように、かつ拡張後にコンプライアンスを増加させるように、隣接するクラウンの中、交互のクラウンの中、2つおきのクラウンの中、または他のパターンもしくは構成で位置することができる。そのような薄膜化領域は、埋込後の離脱を助長するために十分な基準寸法に対して、より小さい厚さおよび/または幅ならびに/もしくは断面を有することができる。いかなるさらなる修正も伴わずに、薄膜化領域は、通常、少なくとも構成要素の薄膜化領域中で、より低い足場強度および増加したコンプライアンスの両方を提供するであろう。随意に、薄膜化領域は、通常、拡張後に劣化してコンプライアンスを増加させる一方で、拡張に応じて強度を提供するように、補強材料のコーティング、積層、または他の結合で補強されることができる。そのような生分解性補強材料は、典型的には、分解性ポリマーであるが、分解性金属でもある、本明細書の他の場所で説明される充填材に類似し得る。好適な補強材料は、30日~3年に及ぶ、好ましくは、3ヶ月~2年に及ぶ、より好ましくは、3ヶ月~1年に及ぶ、血管環境内の埋込または暴露後に、ある時間周期にわたって分解するであろう。基礎非分解性材料(基礎ステント)、通常、金属または金属合金は、1つまたはそれを上回るリング(または円周方向構造要素)、通常、複数のリングを備え、各リングは、該リングの長さに沿って支柱およびクラウンを備え、基礎ステントは、いくつかの実施例では、基礎ステントに結合される補強材料がない場合に身体管腔を支持するために(または身体管腔を維持するために)十分な強度を有しておらず、該補強材料は、身体管腔を支持するために(または身体管腔を開放した状態で維持するために)十分となるまで基礎強度の強度を増加させるために十分な重量および厚さ(ポリマーコーティング等)を有する。
【0170】
例えば、円周方向リングの長さに沿った薄膜化断面領域は、拡張に応じてステント足場を補強するために十分な補強材料でコーティング、積層、または別様に被覆されてもよく、拡張および血管または他の管腔環境への暴露後に材料が分解するにつれて、ステント強度は、減少し、コンプライアンスは、増加する。足場は、1,000μm~4,000μm、好ましくは、1,500μm~3,500μmの範囲内の断面積を有する、非分解性基礎材料構成要素から形成されてもよく、非分解性材料を被覆する分解性補強材料は、基本的構成要素を形成する足場基礎材料の厚さおよび/または幅に付加的な40μm~120μmを追加し、複合基礎および被覆材料は、拡張に応じて身体管腔を支持するために十分な強度を有し、拡張および埋込後に、コンプライアンスは、増加し、少なくともいくつかのリングの強度は、減少し、ステントを離脱させる。
【0171】
本願の中の実施例のうちのいずれかにおける別の実施例では、ステント補綴具は、以下のうちの1つまたはそれを上回るものを呈する、すなわち、(以下のうちの1つまたはそれを上回るものも含む)拡張後に離脱する、半径方向歪み(もしくはコンプライアンス)の増加、半径方向歪み(もしくはコンプライアンス)の増加および半径方向強度の減少、ステント留置区画の血管反応性もしくは血管拡張を呈する、第2のより大きい構成までさらに拡張する、展開後に拡張および/または収縮することができる、展開形状構成からの形状構成の変化、少なくとも1つの次元でのステントの変位の変化、少なくとも1つの方向への拡張後により大きく変位を有する。
【0172】
ポリマー、金属(金属および金属合金)、接着剤、コーティング、はんだ、スリーブ、封止剤、固定材料、セメント、エネルギー固定を含む、好適なステント材料は、限定ではないが、以下を含み、接着剤および固定材料は、限定ではないが、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、メチル-2-シアノアクリレート、エチル-2-アクリレート、n-ブチルシアノアクリレート、2-オクチルシアノアクリレート、またはその他等のシアノアクリレート、エポキシ、エポキシアミン、Loctite、Dymax、Master Bond、またはその他からの紫外線硬化性物質、アクリル、シリコーン、熱溶融物、ポリウレタン、ゴリラグルー、TissueGlu、Sylys外科用封止剤、またはその他等のリシンベースの接着剤、フィブリン接着剤、蜜ろう等の接着剤、封止剤、およびポッティング化合物を含む。Sn97Cu3、Sn50Zn49Cu1、Sn95.5Cu4Ag0.5、Sn90Zn7Cu3、Sn98Ag2、Sn96.5Ag3Cu0.5、Sn91Zn9、Sn85Zn15、Sn70Zn30、Sn89Zn8Bi3、Sn83.6Zn7.6In8.8、Sn86.9In10Ag3.1、Sn95Ag3.5Zn1Cu0.5、Sn86.5Zn5.5In4.5Bi3.5、Sn95Sb5、Sn96.2Ag2.5Cu0.8Sb0.6、Sn90Au10、またはその他等のスズもしくはその合金、In97Ag3、In90Ag10、In50Sn50、In52Sn48、またはその他等のインジウムもしくはその合金、Zn95Al5、Zn60Sn40、Zn95Sn5、またはその他等の亜鉛もしくはその合金、B57Sn42Ag1、Bi58Sn52、またはその他等のビスマスもしくはその合金、Au80Sn20、Au98Si2、Au87.5Ge12.5、Au82In18等の金もしくはその合金等のはんだまたは可融合金材料等の他の固定材料もまた、使用されてもよい。固定のための他の手段は、レーザ接合または溶接もしくは融合、またはエネルギー固定の他の手段(接合および継合を含む)、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、メチル-2-シアノアクリレート、エチル-2-アクリレート、n-ブチルシアノアクリレート、2-オクチルシアノアクリレート、またはその他等のシアノアクリレート、エポキシ、エポキシアミン、Loctite、Dymax、Master Bond、Henkel、またはその他からの紫外線硬化性物質、アクリル、シリコーン、熱溶融物、ポリウレタン、ゴリラグルー、ポリエステル、ポリラクチドおよびそれらのコポリマーならびに混合物、ポリトリメチレンカーボネートおよびそれらのコポリマーならびに混合物、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル(熱溶融性接着剤)、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル樹脂、ポリエチレン(熱溶融性接着剤)、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリクロロプレン、天然ゴム、シリコーンゴム、TissueGlu、Sylys外科用封止剤、またはその他等のリシンベースの接着剤、フィブリン接着剤、蜜ろう、カゼイン、イガイ接着タンパク質、およびコラーゲン等の生体接着剤、それらの組み合わせ、または同等物等の溶剤ベースのポリマー分散もしくは純接着剤、封止剤、およびポッティング化合物、Sn97Cu3、Sn50Zn49Cu1、Sn95.5Cu4Ag0.5、Sn90Zn7Cu3、Sn98Ag2、Sn96.5Ag3Cu0.5、Sn91Zn9、Sn85Zn15、Sn70Zn30、Sn89Zn8Bi3、Sn83.6Zn7.6In8.8、Sn86.9In10Ag3.1、Sn95Ag3.5Zn1Cu0.5、Sn86.5Zn5.5In4.5Bi3.5、Sn95Sb5、Sn96.2Ag2.5Cu0.8Sb0.6、Sn90Au10、またはその他等のスズもしくはその合金、In97Ag3、In90Ag10、In50Sn50、In52Sn48またはその他等のインジウムもしくはその合金、Zn95Al5、Zn60Sn40、Zn95Sn5、またはその他等の亜鉛もしくはその合金、B57Sn42Ag1、Bi58Sn52、またはその他等のビスマスもしくはその合金、Au80Sn20、Au98Si2、Au87.5Ge12.5、Au82In18等の金もしくはその合金、それらの組み合わせ、または同等物等のはんだまたは可融合金材料等を含む。血管または他の生理学的環境内で非分解性の好適なステント材料は、限定ではないが、304V、304L、および316LVステンレス鋼等のステンレス鋼、軟鋼等の合金鋼、コバルトクロム等のコバルトベースの合金、L605、Elgiloy(R)、Phynox(R)、白金クロム、白金イリジウム、および白金ロジウム等の白金ベースの合金、スズベースの合金、ロジウム、ロジウムベースの合金、パラジウム、パラジウムベースの合金、アルミニウムベースの合金、チタンまたはそれらの合金、50:50レニウムモリブデン等のレニウムベースの合金、モリブデンベースの合金、タンタル、金および金合金、銀および銀合金、形状記憶金属または合金、クロムベースの合金、線形弾性および/または超弾性ニチノール等のニッケルチタン合金、ニッケル・クロム・モリブデン合金(例えば、INCONEL 625、Hastelloy C-22、Hatelloy C276、Monel 400、Nickelvac 400、および同等物)等のニッケル合金、MP35-N等のニッケル・コバルト・クロム・モリブデン合金、ニッケルモリブデン合金、白金濃縮ステンレス鋼、それらの組み合わせ、もしくは同等物、ならびにステントおよび補綴具製造で一般的に採用されるタイプの他の可鍛性金属等の金属および金属合金を含む。他の実施例では、非分解性材料は、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、UHMW、HDPE、LDPE、またはその他等のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリエーテルスルホン、Ultem、ポリエーテルイミド、ポリウレタン、ポリアミド、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン6-6、またはその他等のナイロン、ポリ塩化ビニル、PTFE、FEP、ETFE、PFA、PVDF、ポリ塩化ビニル、アクリロブタジエンスチレン、デルリン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリフェニルスルフィド、PEBAX、または他の材料等の非分解性ポリマーを備えてもよい。なおも他の実施例では、非分解性材料は、形状もしくは熱記憶合金、形状記憶ポリマー、または超弾性材料、典型的には、ニッケルチタン合金、ばねステンレス鋼、Ni50-Mn28-Ga22、銅-アルミニウム-ニッケル、亜鉛、銅、金、および鉄の合金、Fe-Mn-Si等の鉄ベースの合金、Cu-Zn-AlおよびCu-Al-Ni等の銅ベースの合金、ポリ(ε-カプロラクトン)ジメタクリレート、PVDF/PMMA、PVDF/PVA、PLA/PVAc、またはその他、もしくは同等物等の弾性金属を備えてもよい。分解性ポリマー材料等の分解性材料の実施例は、ラクチド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、グリコリド、ポリ(L-ラクチド)、ポリ-DL-ラクチド、ポリラクチド-co-グリコリド(例えば、ポリ(L-ラクチド-co-グリコリド)、ポリ(L-ラクチド-co-イプシロン-カプロラクトン)のコポリマー(例えば、約50~約95%L-ラクチド対約50~約5%カプロラクトンの重量比)、ポリ(L-ラクチド-co-トリメチレンカーボネート)、ポリトリメチレンカーボネート、ポリ-カプロラクトン、ポリ(グリコリド-トリメチレンカーボネート)、ポリ(ラクチド-グリコリド-トリメチレンカーボネート)、または同等物、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸)およびポリ(4-ヒドロキシ酪酸)等のポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリヒドロキシ酪酸/ポリヒドロキシ吉草酸コポリマー(PHV/PHB)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリイミノカーボネート、チロシン由来ポリカーボネート、チロシン由来ポリアクリレート、ヨウ化および/または臭素化チロシン由来ポリカーボネート、ヨウ化および/または臭素化チロシン由来ポリアクリレートポリエステルアミド、ポリカーボネートコポリマー、ポリ(フマル酸プロピレン-co-エチエレングリコール)コポリマー(別名フマル酸無水物)等のラクトンベースのポリマー、ポリ無水物エステル、ポリオルトエステル、シルクエラスチンポリマー、ポリホスファゼン、脂肪族ポリウレタン、ポリヒドロキシ酸、ポリエーテルエステル、ポリエステル、ポリデプシペプチド、ポリ(アルキレンオキサラート)、ポリアスパラギン酸、ポリグルタル酸ポリマー、ポリ-p-ジオキサノン、ポリ-ベータジオキサノン、非対称3,6-置換ポリ-1,4-ジオキサン-2,5-ジオノン、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、ポリデプシペプチド(グリシン-DL-ラクチドコポリマー)、ポリジヒドロピラン、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、ポリ-ベータ-マレイン酸(PMLA)、ポリアルカノエート、ポリ-ベータ-アルカン酸、ポリマー、混合物、および/またはコポリマー、もしくはそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを備える。
【0173】
別の実施例では、ポリマーおよび金属(分解性もしくは非分解性)、接着剤、コーティング、はんだ、スリーブ、封止剤、ポッティング化合物、固定材料、セメント、エネルギー固定、エラストマおよび他のタイプの材料を含む、好適なステント材料を含む、好適な材料は、限定ではないが、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、メチル-2-シアノアクリレート、エチル-2-アクリレート、n-ブチルシアノアクリレート、2-オクチルシアノアクリレート、またはその他等のシアノアクリレート、ゴリラグルー、TissueGlu、Sylys外科用封止剤、またはその他等のリシンベースの接着剤、フィブリン接着剤、蜜ろう等の接着剤を含む。エポキシ、エポキシアミン、Loctite、Dymax、Master Bond、またはその他からの紫外線硬化性物質、アクリル、シリコーン、熱溶融物、ポリウレタン、ポリエステル等の分解性スリーブ材料、ステント材料、およびコーティング、ポリラクチドおよびそれらのコポリマーならびに混合物、ラクチド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、グリコリドのコポリマー、ポリ(L-ラクチド)、ポリ-DL-ラクチド、ポリラクチド-co-グリコリド(例えば、ポリ(L-ラクチド-co-グリコリド)、ポリ(L-ラクチド-co-イプシロン-カプロラクトン)のコポリマー(例えば、約50~約95%L-ラクチド対約50~約5%カプロラクトンの重量比)、ポリ(L-ラクチド-co-トリメチレンカーボネート)、ポリトリメチレンカーボネート、ポリ-カプロラクトン、ポリ(グリコリド-トリメチレンカーボネート)、ポリ(ラクチド-グリコリド-トリメチレンカーボネート)、または同等物、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸)およびポリ(4-ヒドロキシ酪酸)等のポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリヒドロキシ酪酸/ポリヒドロキシ吉草酸コポリマー(PHV/PHB)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリイミノカーボネート、チロシン由来ポリカーボネート、チロシン由来ポリアクリレート、ヨウ化および/または臭素化チロシン由来ポリカーボネート、ヨウ化および/または臭素化チロシン由来ポリアクリレートポリエステルアミド、ポリカーボネートコポリマー、ポリ(フマル酸プロピレン-co-エチエレングリコール)コポリマー(別名フマル酸無水物)等のラクトンベースのポリマー、ポリ無水物エステル、ポリオルトエステル、シルクエラスチンポリマー、ポリホスファゼン、脂肪族ポリウレタン、ポリヒドロキシ酸、ポリエーテルエステル、ポリエステル、ポリデプシペプチド、ポリ(アルキレンオキサラート)、ポリアスパラギン酸、ポリグルタル酸ポリマー、ポリ-p-ジオキサノン、ポリ-ベータジオキサノン、非対称3,6-置換ポリ-1,4-ジオキサン-2,5-ジオノン、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、ポリデプシペプチド(グリシン-DL-ラクチドコポリマー)、ポリジヒドロピラン、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、ポリ-ベータ-マレイン酸(PMLA)、ポリアルカノエート、ポリ-ベータ-アルカン酸、エラスチン、フィブリン、コラーゲン、糖タンパク質、ゼラチン、またはペクチン等のタンパク質、ポリ-セリン、ポリカプロラクタム、シクロデキストリン、キトサンおよびヒアルロナン等の多糖類、アルギン酸塩、ポリケタール、脂肪酸ベースのポリ無水物、アミノ酸ベースのポリ無水物、ポリ(エステル無水物)、ポリマー混合物、および/またはコポリマー、もしくはそれらの組み合わせ、または同等物等の非分解性接着剤、封止剤、およびポッティング化合物。Sn97Cu3、Sn50Zn49Cu1、Sn95.5Cu4Ag0.5、Sn90Zn7Cu3、Sn98Ag2、Sn96.5Ag3Cu0.5、Sn91Zn9、Sn85Zn15、Sn70Zn30、Sn89Zn8Bi3、Sn83.6Zn7.6In8.8、Sn86.9In10Ag3.1、Sn95Ag3.5Zn1Cu0.5、Sn86.5Zn5.5In4.5Bi3.5、Sn95Sb5、Sn96.2Ag2.5Cu0.8Sb0.6、Sn90Au10、またはその他、In97Ag3、In90Ag10、In50Sn50、In52Sn48またはその他等のインジウムもしくはその合金、Zn95Al5、Zn60Sn40、Zn95Sn5、またはその他等の亜鉛もしくはその合金、Bi57Sn42Ag1、Bi58Sn52、またはその他等のビスマスもしくはその合金等の腐食性はんだまたは可融合金。Au80Sn20、Au98Si2、Au87.5Ge12.5、Au82In18等の金もしくはその合金等の非腐食性はんだまたは可融合金。分解性および非分解性ポリマーは、ポリエステル、ポリラクチドおよびそれらのコポリマーならびに混合物、ラクチド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、グリコリドのコポリマー、ポリ(L-ラクチド)、ポリ-DL-ラクチド、ポリラクチド-co-グリコリド(例えば、ポリ(L-ラクチド-co-グリコリド)、ポリ(L-ラクチド-co-イプシロン-カプロラクトン)のコポリマー(例えば、約50~約95%L-ラクチド対約50~約5%カプロラクトンの重量比)、ポリ(L-ラクチド-co-トリメチレンカーボネート)、ポリトリメチレンカーボネート、ポリ-カプロラクトン、ポリ(グリコリド-トリメチレンカーボネート)、ポリ(ラクチド-グリコリド-トリメチレンカーボネート)、または同等物、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸)およびポリ(4-ヒドロキシ酪酸)等のポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリヒドロキシ酪酸/ポリヒドロキシ吉草酸コポリマー(PHV/PHB)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリイミノカーボネート、チロシン由来ポリカーボネート、チロシン由来ポリアクリレート、ヨウ化および/または臭素化チロシン由来ポリカーボネート、ヨウ化および/または臭素化チロシン由来ポリアクリレートポリエステルアミド、ポリカーボネートコポリマー、ポリ(フマル酸プロピレン-co-エチエレングリコール)コポリマー(別名フマル酸無水物)等のラクトンベースのポリマー、ポリ無水物エステル、ポリオルトエステル、シルクエラスチンポリマー、ポリホスファゼン、脂肪族ポリウレタン、ポリヒドロキシ酸、ポリエーテルエステル、ポリエステル、ポリデプシペプチド、ポリ(アルキレンオキサラート)、ポリアスパラギン酸、ポリグルタル酸ポリマー、ポリ-p-ジオキサノン、ポリ-ベータジオキサノン、非対称3,6-置換ポリ-1,4-ジオキサン-2,5-ジオノン、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、ポリデプシペプチド(グリシン-DL-ラクチドコポリマー)、ポリジヒドロピラン、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、ポリ-ベータ-マレイン酸(PMLA)、ポリアルカノエート、ポリ-ベータ-アルカン酸、エラスチン、フィブリン、コラーゲン、糖タンパク質、ゼラチン、またはペクチン等のタンパク質、ポリ-セリン、ポリカプロラクタム、シクロデキストリン、キトサンおよびヒアルロナン等の多糖類、アルギン酸塩、ポリケタール、脂肪酸ベースのポリ無水物、アミノ酸ベースのポリ無水物、ポリ(エステル無水物)、ポリマー混合物、および/またはコポリマー、もしくはそれらの組み合わせ、または同等物、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル(熱溶融性接着剤)、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン6-6、またはその他等のポリアミド、ポリエステル樹脂、ポリエチレン(熱溶融性接着剤)、UHMW、HDPE、LDPE、またはその他、ポリクロロプレン、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリエーテルスルホン、Ultem、ポリエーテルイミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、PTFE、FEP、ETFE、PFA、PVDF、ポリ塩化ビニル、アクリロブタジエンスチレン、デルリン等のポリアセタール、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリフェニルスルフィド、PEBAX、および/またはコポリマー、ならびに/もしくはそれらの組み合わせを含む。シリコーンゴム、C-フレックス、ポリ(n-ブチルメタクリレート)、ポリ(メタメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、およびポリビニルピロリドンと混合されたポリ(n-ブチルメタクリレート)、クレイトン、ポリ(スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン)(SEBS)、ポリ(スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン)(SEPS)、ポリ(アクリル酸-b-スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン-b-アクリル酸)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)、ポリブタジエン、PVDF-HFPポリ(フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリビニルピロリドン、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ホスホリルコリン、PEBAX、ポリウレタンエラストマ、Tecoflex、Biomer、Pellethane、corethane、シリコーンゴム、ゴム、エラストマ、混合物、コポリマー、それらの組み合わせ、または同等物等の弾性非吸収性ポリマーもしくはエラストマ。形状もしくは熱記憶合金、形状記憶ポリマー、または超弾性材料、典型的には、ニッケルチタン合金、ばねステンレス鋼、Ni50-Mn28-Ga22、銅-アルミニウム-ニッケル、亜鉛、銅、金、および鉄の合金、Fe-Mn-Si等の鉄ベースの合金、Cu-Zn-AlおよびCu-Al-Ni等の銅ベースの合金、または同等物等の非腐食性弾性金属もしくは金属合金。高い初期強度を有し、経時的に脆弱化する、金属または金属合金は、Ti6Al4V、Ti5Al2.5Sn、またはTi-10V-Fe-3Al、SAF2507等のステンレス鋼、Zn5al、Zn10Al、Zn18Al、Zn30Al等の亜鉛合金、白金金属およびその合金、Sn3.9Ag0.6Cu、Sn-3.8Ag-0.7Cu、SnPb、またはSnPbAt等のスズ合金、Al1.7Fe、Al0.7Cu、A1.5MgScZr、Al6Mg0.2Sc0.15Zr、3004、8090、7075、6061、または5056等のアルミニウム合金、Zr55Al10Ni5Cu30等のジルコニウム合金、AZ31BまたはMG11li5Al1Zn0.034Sc(LAZ1151)等のマグネシウム合金、Fe29.7Mn8.7Al1C、30HGSA合金鋼、4140、C45鋼、Fe36Ni、または低炭素鋼等の鉄合金、Ni21Cr17MoまたはHaynes 230等のニッケル合金を含む。Ti6Al4V、Ti5Al2.5Sn、またはTi-10V-Fe-3Al等の従来のチタン合金、SAF2507等のステンレス鋼、白金金属およびその合金、Al1.7Fe、Al0.7Cu、A1.5MgScZr、Al6Mg0.2Sc0.15Zr、3004、8090、7075、6061、または5056等のアルミニウム合金、Zr55Al10Ni5Cu30等のジルコニウム合金、304V、304L、および316LVステンレス鋼、軟鋼等の合金鋼、コバルトクロム等のコバルトベースの合金、L605、Elgiloy(R)、Phynox、白金クロム、白金イリジウム、および白金ロジウム等の白金ベースの合金、スズベースの合金、ロジウム、ロジウムベースの合金、パラジウム、パラジウムベースの合金、アルミニウムベースの合金、チタンまたはそれらの合金、50:50レニウムモリブデン等のレニウムベースの合金、モリブデンベースの合金、タンタル、金またはそれらの合金、銀またはそれらの銀合金(分解性)、形状記憶金属または合金、クロムベースの合金、線形弾性および/または超弾性ニチノール等のニッケルチタン合金、ニッケル・クロム・モリブデン合金(例えば、INCONEL 625、Hastelloy C-22、Hatelloy C276、Monel 400、Nickelvac 400、およ


び同等物)等のニッケル合金、MP35-N等のニッケル・コバルト・クロム・モリブデン合金、Ni21Cr17MoまたはHaynes 230等のニッケル合金、もしくはその他、ニッケルモリブデン合金、白金濃縮ステンレス鋼、それらの組み合わせ、または同等物等の非腐食性(非分解性)金属もしくは金属合金。腐食性金属または金属合金(分解性)は、ニッケル、コバルト、タングステン、レニウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、亜鉛、チタンのタングステン合金、マグネシウム、マグネシウム合金、マグネシウム合金AZ31、20重量%未満の亜鉛またはアルミニウムを伴い、3%未満の鉄、シリコーン、マンガン、コバルト、ニッケル、イットリウム、スカンジウム、または他の希土類金属の1つまたはそれを上回る不純物を伴わない、または伴うマグネシウム合金、AZ31BもしくはMG11li5Al1Zn0.034Sc(LAZ1151)、亜鉛またはZn5al、Zn10Al、Zn18Al、Zn30Al等の亜鉛合金等のその合金、ビスマスまたはその合金、インジウムまたはその合金、スズまたはスズ鉛、Sn3.9Ag0.6Cu、Sn-3.8Ag-0.7Cu、SnPb、もしくはSnPbAt等のその合金、銀または銀スズ合金等のその合金、コバルト鉄合金、鉄または80-55-06グレード延性鋳鉄、他の延性鋳鉄、AISI 1010鋼、AISI 1015鋼、AISI 1430鋼、AISI 8620鋼、AISI 5140鋼、Fe29.7Mn8.7Al1C、30HGSA合金鋼、4140、C45鋼、Fe36Ni、低炭素鋼、もしくは他の鋼鉄等のその合金、溶融可融合金(40%ビスマス-60%スズ、58%ビスマス-42%スズ、ビスマス・スズ・インジウム合金等)、ビスマス、インジウム、コバルト、タングステン、ビスマス、銀、銅、鉄、亜鉛、マグネシウム、ジルコニウム、モリブデン、インジウム、スズのうちの1つまたはそれを上回るものを含む合金、もしくは他の材料、または同等物を含む。
【0174】
別の実施例または側面では、本発明は、エネルギー応答性分離領域を伴うリングを有する、非分解性補綴具を提供する。そのような管腔内補綴具は、非分解性材料からパターン化される円周方向リングを有する、足場を備え、足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成される。円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、展開後に、および/または身体管腔の中の該補綴具の埋込後に、分離領域に印加されるエネルギーに応答して、該円周方向リングに1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成される、分離領域を有するであろう。そのような不連続性は、足場が離脱する、および/または該当する場合、典型的には、バルーン拡張、自己拡張、もしくは同等物によって達成される、例えば、反跳後の初期拡張直径を超えて、さらに拡張することを可能にする。
【0175】
不連続性を助長する、もしくは引き起こすエネルギーは、埋込の部位と関連付けられるエネルギーであってもよい、または埋込の部位において指向される外部源からのエネルギーであってもよい。例えば、分離領域は、薬剤の導入、および/または管腔内補綴具が埋め込まれた血管もしくは他の身体管腔の脈動に応答して、疲労するように構成されてもよい。代替として、分離領域は、分離領域の熱および/または機械的運動、例えば、振動をもたらす、外部エネルギーに応答するように構成されてもよい。具体的には、そのような運動応答性分離領域は、一実施例では、印加されたエネルギーに応答して優先的に疲労および破損する、切り欠き、薄膜化領域、接合点、突き合わせ継手、キーおよびロック設計、または他の局所的領域もしくは焦点、および/または印加されたエネルギーに応答して中断する事前形成された分離領域を備えてもよい。例えば、分離領域は、脈動または外部エネルギーの印加に応答して、循環して開閉し、分離する、または最終的に疲労および破損する、「リビングヒンジ」を備えてもよい。なおも他の実施例では、分離領域は、粒体が特に振動誘発疲労の影響を受けやすい、修正された粒界を金属リングに備えてもよい。
【0176】
他の実施形態または実施例では、分離領域は、円周方向リングに事前形成された切れ目または事前形成された分離領域を備えてもよく、これらの切れ目または不連続性は、印加されたもしくは内因性エネルギーに応答して(または生理学的条件に応答して)開放するように構成される、コネクタを用いて再接続される。外部から印加されたエネルギーの典型的形態は、超音波、薬剤、熱、磁性、高周波エネルギー、高強度集束超音波(HIFU)、および同等物を含む。
【0177】
他の実施例および/または実施形態では、分離領域は、円周方向リングならびに/もしくは円周方向構造要素に形成されるキーおよびロック接合点を備えてもよく、キーおよびロック接合点は、拡張前または中に、もしくは拡張に応じて、最初に固定化されるが、印加されたエネルギー、または外部もしくは内因性のいずれかである生理学的条件に応答して、開放するように構成される。なおも他の実施例または実施形態では、分離領域は、円周方向要素の中の切れ目を継合するリベットもしくは他の締結具を備えてもよく、締結具は、外部もしくは内因性のいずれかである、印加されたエネルギーに応答して、または生理学的条件に応答して、開放するように構成される。
【0178】
別の実施例および/または第4の側面では、本発明は、束縛されたヒンジを伴うリングを有する、非分解性もしくは低速分解性補綴具、およびそれらの使用ならびに加工のための方法を提供する。管腔内補綴具は、非分解性材料からの円周方向リングパターンを有するものとして足場を備える。足場は、圧着構成から拡張構成まで展開するように構成され、円周方向リングは、足場が展開されるにつれて、および/または展開後に開放する、ヒンジを有する。リングのうちの少なくともいくつかの上のヒンジのうちの少なくともいくつかは、展開中に拡張から収縮され、展開後に生理学的環境または外部エネルギーの印加に応答して、開放するように構成される。収縮からヒンジを解放することができる、特定の生理学的環境および外部エネルギーは、上記または本願の全体を通して十分に説明されている。
【0179】
一実施例では、円周方向リングのヒンジのうちの少なくともいくつかを最初に束縛することによって、足場は、最初に、治療されている身体管腔のために適切である直径まで拡張され、束縛されたヒンジを伴って依然としてその構成である間に、その身体管腔の開存性を依存するために十分な強度を保有するであろう。しかしながら、展開後に、および/または経時的に、最初に束縛されたヒンジは、束縛から解放され、足場の有効円周方向剛性を低くする。すなわち、より多くのヒンジまたは他の拡張領域を追加すると、好ましくは、その最初に拡張された構成を越えて、足場を増分的に開放するために要求される力は、低くされるであろう。このように、管腔内補綴具は、治療された身体管腔を閉じ込める、または拘束する、低減したエネルギーを有し、それによって、足場が拡大すること、および/または管腔が拡大することを可能にする。
【0180】
別の実施例または側面では、本発明は、継手または能動継手を伴うリングを有する、非分解性補綴具、およびそれらの加工ならびに使用のための方法を提供する。管腔内補綴具は、非分解性材料からパターン化される円周方向リングを有する、足場を備える。本足場は、圧着構成から拡張構成まで展開するように構成され、円周方向リングは、典型的には、バルーン拡張によって、足場が展開されるにつれて開放する、継手によって接続される支柱を含む。継手のうちの少なくともいくつかは、その拡張構成時の足場が離脱する、および/またはさらに拡張することを可能にするように、枢動されるであろう。枢動部または「能動継手」は、ある場合には、非対称であり得る。すなわち、継手は、円周方向リングの半径方向拡張を可能にするであろうが、リングの半径方向収縮を限定するであろう。
【0181】
異なる実施形態または実施例では、補強要素もしくは架橋要素の形状は、略円形(中実円形ワイヤもしくは中空円形ワイヤ)、長方形、正方形、卵形、または他の形状および幾何学形状であり得る。補強要素のサイズは、いくつかの実施例では、補強要素が結合されるヒンジ、拡張領域、および/または支柱と実質的に同一のサイズ/幾何学形状であり得る一方で、他の実施例では、補強要素のサイズ/幾何学形状は、拡張領域よりも小さくまたは大きくあり得る。一実施例では、補強要素の端部は、非外傷性および/または平滑である、ならびに/もしくは球根形または丸い形を有する、および/または血管への外傷を低減させるより広い断面積を有する。一実施例では、補強要素の表面仕上げは、研磨された血管金属ステントのものに類似する。別の実施例では、表面仕上げは、テクスチャ加工される。
【0182】
分解性材料の一実施例では、円周方向足場のポリマー本体は、管腔内補綴具の展開後の1ヶ月~3年、好ましくは、3ヶ月~2年、より好ましくは、6ヶ月~1年の周期内に、生理学的条件下で実質的に分解するように構成される。別の実施例では、補強要素は、薄いポリマー材料等の材料によって少なくとも部分的にカプセル化される。実施例は、パリレンおよびC-フレックス材料を含む。
【0183】
別の実施例では、非分解性足場の分離領域は、展開後の最大3年、典型的には、1日~3年、1ヶ月~3年、好ましくは、3ヶ月~2年、より好ましくは、6ヶ月~1年に及ぶ周期で、分離するように構成される。一実施例では、分離領域は、ほぼ同一の時間周期で分離し、別の実施例では、分離領域は、異なる時間周期で分離する。
【0184】
別の実施例では、管腔内補綴具はさらに、ステント補綴具(足場補綴具)の少なくとも1つの表面上に、少なくとも1つのコーティング、好ましくは、分解性コーティングを備える。別の実施例では、ステント補綴具はさらに、ステント補綴具の少なくとも1つの表面上に少なくとも1つの薬物を備える。別の実施例では、ステント補綴具はさらに、ステント補綴具の少なくとも1つの表面上に、少なくとも1つの薬物を含有する少なくとも1つのコーティングを備える。好ましい実施例では、分離領域をともに継合または含有もしくは保持する、ポリマー材料または接着剤は、(展開前または展開後に)不連続性を時期尚早に形成することなく、分離領域の移動を可能にしない、もしくはある程度移動を可能にする、伸張可能タイプポリマーまたは接着材料(分解性もしくは非分解性)である。これはまた、足場の一貫した性能と、ステントおよび分離領域の改良された貯蔵条件ならびに保存期間とを可能にし、熱、湿度、および時間の種々の典型的環境条件下で、長期的保存期間を可能にする。材料は、5℃~50℃、好ましくは、10℃~40℃に及ぶ温度、1ヶ月~3年、好ましくは、1ヶ月~2年、または1ヶ月~18ヶ月の保存期間に耐えることができる。10%~95%の相対湿度、好ましくは、20%~70%相対湿度にある。材料の実施例は、本願に説明される。
【0185】
一実施例では、管腔内補綴具はさらに、放射線不透過性マーカを備える。より具体的な実施例では、放射線不透過性マーカは、非分解性放射線不透過性マーカを備える。好ましい実施例では、非放射線不透過性マーカは、金属または金属合金を備える。
【0186】
一実施例では、補強要素および/または分離領域ならびに/もしくは環境応答性分離領域は、非分解性金属および/またはポリマーもしくは他の材料等の非分解性材料から形成される。補強要素および/または分離領域ならびに/もしくは環境応答性分離領域は、代替として、全体的または部分的に、分解性金属(マグネシウムおよびマグネシウム合金等)、もしくは分解性ポリマー(ラクチドポリマー、コポリマー、およびそれらの混合物等)、またはそれらの組み合わせ等の分解性(腐食性)材料から形成されてもよい。一実施例では、補強要素および/または分離領域ならびに/もしくは環境応答性分離領域は、埋込後に腐食し、ステントまたは他の管腔内補綴具を離脱させ、好ましくは、分離領域に隣接するヒドロキシアパタイト物質等の不要な副産物の形成を伴わずに、ステント補綴具を離脱させる、腐食性材料から形成される。
【0187】
一実施例では、管腔内補綴具は、略管状の構造を備える、ステント補綴具であり、管状構造は、パターン化され、ステント補綴具は、分離領域を備え、ステント補綴具は、より小さい直径まで圧着され、圧着構成からより大きい拡張構成まで展開され、拡張されたより大きい構成時のステントは、身体管腔を支持するために十分な強度を有する、および/または破砕しない、ならびに/もしくは低い反跳を有する。展開後のステントは、本実施例では、以下のうちの1つまたはそれを上回るものを行うように構成される、すなわち、ステントおよび/または円周方向構造要素ならびに/もしくはリングは、展開後および/または埋込後に、少なくとも1つの区分ならびに/もしくは領域またはより多くの中で、分離する、拡張する、不連続性を形成する、および/または崩壊するように構成される、ならびに/もしくはステントは、展開または埋込後に、分離領域もしくは分離領域に隣接する材料の係止解除、分解、または分離領域が離脱しないように防止しないスリーブもしくは材料による含有を含む、修正を受け、ステント構造の少なくとも一部を分離、拡張、および/または崩壊させる、ならびに/もしくはステントは、展開後にさらに拡張する、および/またはステントは、展開後および修正後にさらに拡張する、ならびに/もしくはステントは、展開後にさらに半径方向に拡張する、および/またはステントは、展開後に円周方向に拡張する、ならびに/もしくはステントは、展開後および供給源(化学、エネルギー)からの支援修正後にさらに拡張する、および/またはステントは、管腔を押動し、展開または埋込後のある周期にわたって拡張するように構成される、ならびに/もしくはステントは、管腔または血管が拡張/拡大することを可能にするように構成される、またはそれらの組み合わせである。ステントは、非分解性材料を備える、または2つの非分解性材料を備える、もしくは分解性材料を備える、または2つの分解性材料を備える、もしくは2つの分解性材料および1つの非分解性材料を備える、または非分解性材料および腐食性材料を備える、もしくは分解性材料および腐食性材料を備える、または分解性材料、および腐食性材料、ならびに非分解性材料を備える。ステントはさらに、ステント補綴具の少なくとも1つの表面上に少なくとも1つのコーティングを備えてもよく、該コーティングは、分解性および/または非分解性コーティングである。上記の材料は、分解性または非分解性であり得るマーカ材料を除外する。ステントはさらに、ステントの少なくとも1つの表面上に少なくとも1つの薬物を備えてもよい。ステントはまた、ステント補綴具の少なくとも1つの表面上に少なくとも1つのコーティングを備えることもできる。
【0188】
一実施例では、ステント補綴具は、構造、好ましくは、略管状の構造、より好ましくは、分離領域を有する略管状のパターン化構造を備える。ステント補綴具は、典型的には、圧着構成から展開される拡張されたより大きい構成まで拡張可能である。ステント構造は、ステントの少なくとも1つの区分上に少なくとも1つの主要または原則材料を備え、好ましくは、フレーム材料は、ポリマー材料等の分解性材料であり、ステント構造はさらに、少なくとも1つの第2の材料、好ましくは、フレーム材料よりも強い材料、より好ましくは、金属材料、より好ましくは、フレーム材料の少なくとも該区分と界面接触する、またはそれに結合される、非分解性金属材料を備え、好ましくは、該区分は、ステント構造のクラウン区分である。ステントは、より大きい拡張構成まで展開される。拡張された展開構成時のステントは、身体管腔を支持するために十分な強度を有する、および/または破砕を伴わずに拡張する、ならびに/もしくはわずかな反跳を伴って拡張する。ステントは、展開後に修正を受け、修正は、フレーム材料の少なくとも一部の分解、および/または第2の材料の少なくとも一部の分解、ならびに/もしくは少なくとも第1の材料の腐食、および/または第2の材料の少なくとも一部の腐食、もしくはそれらの組み合わせを含む。修正後のステントは、少なくとも1つのリングの中の1つまたはそれを上回る不連続性、および/または少なくとも1つのクラウンの中の少なくとも1つの不連続性、ならびに/もしくは少なくとも1つの支柱の中の少なくとも1つの不連続性、および/またはそれらの組み合わせを備える。別の実施例では、修正後のステントは、フレーム材料の少なくとも一部の中の少なくとも1つの不連続性、および/または第2の材料の少なくとも一部の中の少なくとも1つの不連続性、ならびに/もしくはフレームおよび第2の材料の隣接部分の中の少なくとも1つの不連続性を有する。別の実施例では、修正後のステントは、修正前の構成からより大きい構成までさらに拡張する、および/または展開構成からより大きい構成までさらに拡張する、ならびに/もしくは「展開後反跳」構成からより大きい構成までさらに拡張する、および/またはステント補綴具の少なくとも1つのリングの中の先の原因のうちのいずれかに関してより大きい構成までさらに拡張する、ならびに/もしくはリングがステント長の中間部分を中心として位置する、他のステント補綴具の少なくとも1つのリングの中でより大きい構成までさらに拡張する。別の実施例では、修正後の該ステントの少なくとも1つのリングの少なくとも1つの不連続性は、ステントが生理学的圧力下で該少なくとも1つのリングにおいてさらに拡張することを可能にする。別の実施例では、ステント補綴具は、展開および/または少なくとも1つのリング、クラウン、ならびに/もしくは支柱における修正後に、崩壊する。一実施例では、展開後および/または修正後ならびに/もしくは崩壊後のステント補綴具は、構造を有する、および/または管状構造を有する、ならびに/もしくは管状パターン化構造を有する、および/または実質的に維持された管状構造を有する、ならびに/もしくは構造の少なくとも一部を有する、および/または少なくとも1つの窓を有する、ならびに/もしくは実質的にいかなる構造も有していない、および/または少なくとも1つのクラウン構造を備える、ならびに/もしくは少なくとも1つの支柱を備える、および/または少なくとも1つのリンクを備える、ならびに/もしくは強度を有する、および/またはそれらの組み合わせである。
【0189】
特定の実施例では、ステントは、複数のリングを備える略管状のパターン化構造(蛇行、菱形、ジグザグ、および/または他の開放セルもしくは閉鎖セル構造)を備え、リングは、クラウンと、支柱とを備え、少なくともいくつかのリングは、少なくとも1つのリンクによって隣接するリングに接続される、またはある場合には、いくつかの隣接するリングは、少なくとも1つの場所でともに接続される。
【0190】
実施例では、足場またはリング材料は、金属および/または金属合金を備える。金属および/または金属合金は、非分解性もしくは分解性/腐食性であり得る。本明細書の金属は、金属または金属合金であり得、かつ分解性もしくは非分解性であり得る、マーカおよびマーカ材料を除外する。腐食性金属または金属合金は、1ヶ月~10年に及ぶ周期で、好ましくは、3ヶ月~5年に及ぶ周期で、より好ましくは、3ヶ月~3年に及ぶ周期で腐食する。
【0191】
実施例では、第2の材料(または補強要素)は、少なくとも2つの端部を有し、端部は、管腔または血管を損傷すること、および/またはステントが崩壊した後ならびに/もしくは修正後に炎症を引き起こすことを防止するように、デバリングされる、「神経シナプス」のような球形に成形される、および/または平滑化される。別の実施例では、ステントは、修正後に、および/または不連続性を形成する、ならびに/もしくはステントの一部を破壊する、分離領域の分離後に、ステント上の応力面積および/または疲労面積を縮小することによって、分離領域ならびに/もしくは分解するように構成される区分内以外で分解しないように構成される。
【0192】
実施例では、主要またはフレーム材料は、ポリマー材料を備える。ポリマー材料は、分解性または非分解性であり得る。一実施例では、ポリマー材料は、1ヶ月~10年に及ぶ、好ましくは、3ヶ月~5年に及ぶ周期で分解する、より好ましくは、3ヶ月~3年に及ぶ周期で分解する。
【0193】
実施例では、主要またはフレーム材料は、非分解性および/または第2の材料(補強要素)よりも速い速度で分解性である、ならびに/もしくは第2の材料と実質的に同一の速度で分解性である、および/または第2の材料よりも遅い速度で分解性である。
【0194】
実施例では、ステントは、本願の中の実施例および/または実施形態のうちのいずれかでは、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、管、連続ワイヤもしくはフィラメント、ワイヤ、完全に、もしくは低応力領域および/または略直線状の領域等のある領域中のいずれかで中空である、中空ワイヤ、もしくは編組、または金型から、もしくは印刷によって、または押出によって、もしくは噴霧によって、または浸漬によって、もしくはスタンピングによって、またはそれらの組み合わせで、形成される。ステントは、パターン化前に、パターン化中に、またはパターン化後に、もしくはそのような分離領域および/または不連続性を形成する処置後に形成される、分離領域を有する。該不連続性を保持する手段は、本願の全体を通して説明される。
【0195】
実施例では、構造足場材料に結合される、もしくはそれと界面接触する第2の補強材料は、完全にフレームの内側に埋め込まれる、または少なくとも1つの表面もしくは表面領域は、フレームの少なくとも1つの表面もしくは表面領域の内側に埋め込まれる、または少なくとも2つの表面は、フレームの少なくとも1つの表面の内側に埋め込まれる、または少なくとも3つの表面は、フレームの少なくとも1つの表面の内側に埋め込まれる、または第2の材料の少なくとも1つの表面は、フレーム材料の少なくとも1つの表面に取り付けられる(および/または継合される、ならびに/もしくは当接する、および/または粘着される、ならびに/もしくは圧力嵌めされる)。フレーム材料の少なくとも1つの表面は、反管腔側表面であってもよい、管腔表面であってもよい、またはフレーム材料の側面であってもよい。第2の材料は、フレーム材料内に挟持されてもよい。一実施例では、第2の材料は、不連続性を有し、第2の材料不連続性は、該フレーム材料、および/または接着剤、ならびに/もしくはコーティングによって、ともに保持される、またはともに継合される。
【0196】
実施例では、第2の補強材料は、ワイヤ、リボン、支柱、クラウン、リンク、および/またはフィラメントのうちの1つまたはそれを上回るものを備える、1つまたはそれを上回る部品の形態であってもよい。部品の断面は、円形もしくは略円形、長方形もしくは略長方形、正方形もしくは略正方形、縦長もしくは略縦長、卵形もしくは三角形、または他の形状を備える、種々の形状のうちのいずれか1つを有してもよい。部品の長さ、数、および場所は、変動し、ステント支柱の長さもしくはそれよりも小さく、ステントクラウンの長さもしくはそれよりも小さく、ステントリンクの長さもしくはそれよりも小さく、および/またはステントリングの長さもしくはそれよりも小さく及ぶ、少なくとも1つまたはそれを上回るステントリングの上の少なくとも1つまたはそれを上回るものであってもよい。好ましくは、第2の材料の部品は、少なくとも1つのステントリングの中の少なくとも1つのステントクラウンの上/中/周囲に、および/または少なくとも1つのステントリングの中の少なくとも2つのステントクラウンの上/中/周囲に、ならびに/もしくはステントの少なくとも1つのステントリングの中の実質的に全てのステントクラウンまたはステントクラウンの一部の上/中/周囲に、および/または少なくとも1つのステントリングの上の1つのステントクラウンを除く全ての上/中/周囲に、ならびに/もしくは少なくとも1つのリングの上に、および/またはステント長の中央を中心として少なくとも1つのリングの上に、ならびに/もしくはステントパターン化構造の少なくとも1つの窓の上に、および/または少なくとも1つの支柱もしくは支柱の一部の上に、ならびに/もしくは少なくとも1つのリンクまたはリンクの一部の上に、および/または他の多様性もしくはそれらの組み合わせにある。一実施例では、パターン化ステント構造は、複数の窓を備え、各窓は、少なくとも2つのクラウンと、少なくとも4つの支柱とを備える、補強材料を備える。別の実施例では、窓は、少なくとも4つのクラウンと、少なくとも4つの支柱と、少なくとも1つまたは少なくとも2つのリンクとを備える。別の実施例では、リンクは、直線状であり得る、および/またはS字形リンク、V字形リンク、M字形リンク、ならびに/もしくは他のリンク形状等の形状を有してもよい。実施例では、各窓の中の少なくとも1つの構造要素(クラウン、支柱を備える)は、拡張する、および/または不連続性を有する、ならびに/もしくは分離するように構成される、分離領域を有する。別の実施例では、構造要素は、1つまたはそれを上回る窓を備える、複数の円周方向リングを備え、各窓は、拡張する、および/または不連続性を有する、ならびに/もしくは分離するように構成される、少なくとも1つの分離領域を有する。
【0197】
好ましい実施例では、展開後のステントが、分離領域中に不連続性を形成する(またはそのような不連続性が、展開前に形成され、バルーンカテーテル等の設計幾何学形状もしくは展開手段を用いてともに保持される)、該分離領域を有するステント構造、またはステント構造が、該分離領域が崩壊(もしくは分離)した、および/または1つまたはそれを上回る方向に移動した後に、実質的に維持される、本願の他のタイプの実施形態を有することが所望される。好ましくは、ステント長またはステント長の一部の長さに沿ってステント構造を有することの利益は、脆弱なプラーク等のステントの下の脆弱な物質が血管の中へ破裂し、害を及ぼさないように防止することに役立つ。ステント構造は、身体管腔内の脆弱な物質(脆弱なプラーク等)を予防(または保持)するために十分である。別の実施例では、展開後および/または崩壊後、ならびに/もしくは不連続性を形成した後のステント構造は、身体管腔を支持するために実質的に十分である。別の実施例では、展開後および/または崩壊後、ならびに/もしくは不連続性を形成した後のステント構造は、身体組織を支持するために実質的に十分である。
【0198】
一実施例では、離脱する、および/または崩壊する、ならびに/もしくは分離領域を有する、ステントの少なくともいくつかの構造要素は、生理学的条件下で、形成されると、処置(修正を含む)後に、および/または展開後に、該ステントもしくは該ステント構造要素の固定解除すること、保持解除すること、未完成であること、掛止解除されること、取付解除すること、取り外されること、断絶されること、破損すること、離散すること、押動すること、押し開くこと、分離すること、引き離すこと、間隙を作成すること、空間を作成すること、崩潰すること、腐食すること、分解すること、断片化すること、破砕すること、粉砕すること、分裂すること、腐敗すること、係止解除すること、解体すること、劣化すること、退化すること、減衰すること、中断すること、遊離すること、ならびに/もしくはそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを含む。ステント構造要素は、一実施例では、リング、クラウン、支柱、および/またはリンクのうちの1つまたはそれを上回るものを備える。ステント構造要素は、別の実施例では、リングのうちの1つまたはそれを上回るものを備え、該リングは、クラウンおよび/または支柱を備える。
【0199】
実施例では、ステント補綴具は、生理学的条件、および/または空中、ならびに/もしくは周囲温度における空中、および/または37℃温度における空中、ならびに/もしくは水中、および/または周囲温度における水中、ならびに/もしくは37℃における水中、および/または身体管腔内、ならびに/もしくは体温における、および/または管内、圧力下、脈動圧力下、ならびに/もしくはそれらの組み合わせを含む、シミュレーションする条件下で、拡張されたより大きい構成まで展開される。
【0200】
実施例では、ステント補綴具は、拡張されたより大きい構成まで展開され、空中、で、および/または周囲温度における空中で、ならびに/もしくは37℃温度における空中で、および/または水中で、ならびに/もしくは周囲温度における水中で、および/または37℃における水中で、ならびに/もしくは身体管腔内で、および/または体温において、ならびに/もしくは少なくとも1つの溶剤中で、および/または周囲温度における少なくとも1つの溶剤もしくは腐食誘発剤中で、ならびに/もしくは37℃における溶剤または腐食誘発剤中で、および/または管内で、ならびに/もしくは1.5psi~5psiにおいて、圧力下で、脈動圧力下でステントを加圧して、および/または加速された疲労、ならびに/もしくは加速された条件のうちのいずれか、および/またはそれらの組み合わせで、修正を受ける。
【0201】
本発明の別の実施例または側面では、非分解性ステント補綴具は、構造を備え、構造は、ワイヤ、中空ワイヤ(形成されると、および/またはそれが処置(修正)後に中空である、少なくともいくつかの領域中で中空である)を備え、ワイヤおよび/または中空ワイヤは、ステント、好ましくは、略管状のステント構造、より好ましくは、略管状のパターン化ステント構造にパターン化され、ステントは、管からパターン化される。ステント補綴具は、圧着構成から展開されたより大きいまたは拡張構成まで拡張可能である。ステント構造は、金属ステンレス鋼またはコバルトクロム等の非分解性ポリマーもしくは金属(金属合金を含む)等の強い材料を備える。材料は、少なくとも1つのリングの中に少なくとも1つの区分および/または領域を有するように構成され、材料は、展開後および/または修正後に崩壊し(環境応答性分離領域もしくは分離領域)、および/または材料は、少なくとも1つのリングの中に少なくとも1つの不連続性、ならびに/もしくは少なくとも1つの支柱の中に少なくとも1つの不連続性、および/または少なくとも1つのクラウンの中に少なくとも1つの不連続性、ならびに/もしくはそれらの組み合わせを有するように構成される。材料の中の不連続性は、ともに保持され、ステントの圧着および/またはより大きい拡張構成への展開に実質的に影響を及ぼさず、ならびに/もしくはステント補綴具は、身体管腔を支持するために展開構成時に十分な強度を有し、および/または材料は、少なくとも1つのリングの中に少なくとも1つの不連続性、ならびに/もしくは少なくとも1つの支柱の中に少なくとも1つの不連続性、および/または少なくとも1つのクラウンの中に少なくとも1つの不連続性、ならびに/もしくはそれらの組み合わせを有するように構成される。材料の中の不連続性は、ともに保持され、ステントの圧着および/またはより大きい拡張構成への展開に実質的に影響を及ぼさず、ならびに/もしくはステント補綴具は、身体管腔を支持するために展開構成時に十分な強度を有する。ともに保持されている材料は、材料不連続性隣接部分をともに保持すること、掛止すること、取り付けること、接続すること、ともに押動すること、ともに引動すること、間隙を除去すること、空間を除去すること、および/または係止することを含む。材料不連続性部分をともに保持する手段は、スリーブ、接着剤、圧入、ロック、ポリマーまたは金属コーティング等のコーティング、ゲル、はんだ、ならびに/もしくはキーおよびロック設計等の設計を含む。拡張された展開構成時のステントは、身体管腔を支持する、および/または破砕を伴わずに拡張する、ならびに/もしくは低い反跳を伴って拡張するために十分な強度を有する。ステントは、一実施例では、展開後に修正を受け、修正は、材料の少なくとも一部および/または材料不連続性部分をともに保持する手段の離脱すること、固定解除すること、保持解除すること、未完成であること、掛止解除すること、取付解除すること、取り外すこと、断絶すること、破損すること、離散すること、押動すること、押し開くこと、分離すること、引き離すこと、間隙を作成すること、空間を作成すること、崩潰すること、腐食すること、分解すること、断片化すること、破砕すること、粉砕すること、分裂すること、腐敗すること、係止解除すること、解体すること、劣化すること、退化すること、減衰すること、ならびに/もしくは中断することを含む。修正後のステントは、少なくとも1つのリングの中の1つまたはそれを上回る崩壊材料区分および/または不連続性、ならびに/もしくは少なくとも1つのクラウンの中の少なくとも1つまたはそれを上回る崩壊材料区分および/または不連続性、ならびに/もしくは少なくとも1つの支柱の中の少なくとも1つまたはそれを上回る崩壊材料区分および/または不連続性、ならびに/もしくはそれらの組み合わせを備える。別の実施例では、修正後のステントは、管腔もしくは血管が埋込後からさらに拡大することを可能し、および/またはステントが修正前の構成からより大きい構成までさらに拡張することを可能にし、ならびに/もしくは展開構成からより大きい構成までさらに拡張し、および/または「展開後反跳」構成からより大きい構成までさらに拡張し、ならびに/もしくは離脱し、および/またはステント補綴具の少なくとも1つのリングの中の先の原因のうちのいずれかに関してより大きい構成までさらに拡張し、ならびに/もしくはステント補綴具の少なくとも1つのリングの中でより大きい構成までさらに拡張し、リングは、ステント長の中間部分を中心として位置する。別の実施例では、少なくとも1つまたはそれを上回る崩壊材料区分(分離領域)および/または修正後の該ステントの少なくとも1つのリングの不連続性は、ステントが生理学的圧力下で離脱する、ならびに/もしくは該少なくとも1つのリングにおいてさらに拡張することを可能にする。別の実施例では、ステント補綴具は、展開および/または少なくとも1つのリング、クラウン、ならびに/もしくは支柱の修正後に崩壊する。一実施例では、展開後および/または修正後ならびに/もしくは崩壊後および/または材料が中断した後のステント補綴具は、構造を有する、ならびに/もしくは管状構造を有する、および/または管状パターン化構造を有する、ならびに/もしくは実質的に維持された管状構造を有する、および/または構造の少なくとも一部を有する、ならびに/もしくは少なくとも1つの窓を有する、および/または実質的に構造を有していない、ならびに/もしくは少なくとも1つのクラウン構造を備える、および/または少なくとも1つの支柱を備える、ならびに/もしくは少なくとも1つのリンクを備える、および/または強度を有する、ならびに/もしくはそれらの組み合わせである。
【0202】
一実施例では、材料をともに保持する、および/または材料分離領域ならびに/もしくは不連続性をともに保持する、および/またはステントが展開前に崩壊しないように防止する手段は、接着剤、金属、ポリマー、コーティング、はんだ、圧入、溶接、材料を織成または編組すること、ならびに/もしくはその他を含む。一実施例では、該手段は、1ヶ月~5年、好ましくは、3ヶ月~3年、より好ましくは、3ヶ月~1年に及ぶ周期で、腐敗する、分解する、腐食する、係止解除される、および/または嵌合解除する。一実施例では、ステント材料は、該手段が分解および/または腐食ならびに/もしくは係止解除した後等に分解する。
【0203】
別の好ましい実施例では、ステント補綴具は、構造を備え、構造内で、分離領域および/または不連続性は、半径方向拡張ならびに/もしくは円周方向拡張に影響を及ぼさない面積の中、好ましくは、支柱または支柱領域等のより低い応力の面積の中に位置する。
【0204】
別の実施例では、ステント補綴具は、パターン化構造を有するように構成され、
構造は、展開後および/または展開後かつ修正後のステントが、管腔もしくは血管がさらに拡大する、および/または離脱する、ならびに/もしくは分離することを可能にするように、少なくとも1つの支柱の上および/または少なくとも1つのクラウンの上に、キーおよびロック、当接、2つのプレート、圧入、ラチェット、リベット、挿入物、磁石、もしくはその他等の分離領域不連続性を有する。
【0205】
別の実施例では、ステント補綴具は、構造が複数のリングを備える、パターン化構造を有するように構成され、リングは、一実施例では、蛇行リングであり、リングは、クラウンと、支柱とを備え、少なくとも1つのクラウンおよび2つの支柱は、コーティングならびに/もしくはスリーブによって圧着構成で保持され、該スリーブおよび/またはコーティングの分解を含む、展開ならびに修正後のステントは、ステントが離脱する、ならびに/もしくはより大きい構成までさらに拡張することを可能にする、および/または管腔もしくは血管が拡大することを可能にする。
【0206】
別の実施例では、ステント補綴具は、構造が複数のリングを備える、パターン化構造を有するように構成され、リングは、一実施例では、蛇行リングであり、リングは、クラウンと、支柱とを備え、少なくとも1つのリング上の少なくとも1つのクラウンおよび/または少なくとも1つの支柱は、展開後に、1つの区分もしくは領域の疲労後等の生理学的条件下で、分離領域を有する、および/または少なくとも該区分もしくは領域の中で崩壊するように構成される。崩壊後の該ステント構造は、ステントが離脱する、および/またはより大きい構成までさらに拡張することを可能にする、ならびに/もしくは管腔または血管が拡大することを可能にする。
【0207】
別の実施例では、ステント補綴具は、構造が複数のリングを備える、パターン化構造を有するように構成され、リングは、一実施例では、蛇行リングであり、リングは、クラウンと、支柱とを備え、少なくとも1つのリング上の少なくとも1つのクラウンおよび/または少なくとも1つの支柱は、展開後に、少なくとも1つの区分もしくは領域の疲労後等の生理学的条件下で、該区分もしくは領域において崩壊するように構成される。崩壊後の該ステント構造は、ステントが離脱する、および/またはより大きい構成まで拡張することを可能にする、ならびに/もしくは管腔または血管が拡大することを可能にする。
【0208】
別の実施例では、上記の実施例のうちのいずれかの中のようなステントは、外部エネルギー源を使用して、埋込後にさらに拡張するように構成され、エネルギー源は、磁場、赤外線熱、誘導熱、超音波、および同等物を備える。
【0209】
上記の実施例のうちのいずれかの中の別の実施例では、ステント構造を備えるステント材料は、形状記憶材料であり、ステントは、離脱する、および/またはニッケルチタン合金(Nitinol(R)という商標の下で入手可能なNiTi)等の形状記憶材料を使用して、展開後にさらに拡張することができ、形状記憶材料は、展開後により大きい構成までステントをさらに拡張し、ステントは、分離領域を有すること等の修正を受け、ステントは、崩壊し、またはステントの少なくとも1つの区分もしくは領域中に不連続性を形成し、および/または少なくとも1つのリングの中で崩壊し、崩壊後のステント構造は、さらなるステント拡張を減速する、および/またはステントのさらなる拡張を止める、ならびに/もしくは血管壁に損傷または炎症を引き起こすことを止める。
【0210】
上記の実施例のうちのいずれかの中の別の実施例では、ステント材料は、加えて、生理学的条件下で修正後または拡張後に軟化する、白金合金等の材料を備え、該材料の軟化は、血管壁上の展開後の応力を低減させ、潜在的に血管およびステントのコンプライアンスを材料の軟化の前に近づける。
【0211】
好ましい実施例では、ステントの部品および/または構造、ならびに/もしくは修正後およびステントが崩壊した後の構造または構造の一部は、そのような部品もしくは構造要素を血流の中へ遊離させることを回避する形状および/または構造を有するように構成される。実施例は、2Dおよび/または3D構造、ステント窓、ステント窓の一部を備える構造、少なくとも1つのクラウン形状を備える構造、少なくとも1つのクラウンおよび少なくとも1つのリンク形状を備える構造、少なくとも1つのクラウン、少なくとも2つの支柱、および少なくとも1つのリンク形状を備える構造、少なくとも1つのクラウンおよび少なくとも2つの支柱形状を備える構造を含む。
【0212】
別の実施例では、ステント補綴具は、先の実施例における展開条件のうちの1つまたはそれを上回るものの下で、圧着構成からより大きい拡張構成まで展開されることが可能である。
【0213】
別の実施例では、ステントは、1~2atm/秒の速度で展開されることができ、ステントは、破砕を伴わずに標識(公称/意図された展開)直径を超えて展開されることが可能である。
【0214】
マグネシウム等の腐食性材料の好ましい実施例では、ステントは、材料が分解(腐食)しない、区分または領域を有するように構成され、該区分または領域は、分解せず、管腔または血管を閉じ込めないステント区分もしくは領域を提供し、血管を閉じ込めるヒドロキシアパタイト副産物に起因して、ステントを閉じ込めさせるであろう、該区分内のマグネシウムステントからの副産物を有していないことの結果として、拡大することが可能な管腔または血管を提供する。
【0215】
一実施例では、分離領域または区分を備えるステントは、1日~3年、展開後の1ヶ月~3年の周期で、好ましくは、3ヶ月~1年に及ぶ周期から、崩壊および/または分解ならびに/もしくは腐食する、および/またはステント区分は、中断ならびに/もしくは係止解除する。
【0216】
別の実施例では、少なくとも1つのリングに関して、崩壊および/または係止解除ならびに/もしくは分解および/または腐食する、少なくとも1つのリングあたり、もしくは少なくともいくつかのリングの中の区分または領域の数は、1~4に及び、好ましくは、1~3に及び、より好ましくは、1~2に及び、ステントは、崩壊後に構造を有し、および/またはステントは、崩壊後に構造を有しておらず、ならびに/もしくは組織がない場合のステントは、支持されていない構造を有し、または圧潰し、および/または組織がない場合のステントは、反跳し、ならびに/もしくは組織がない場合のステントは、反跳または収縮する。
【0217】
別の実施例では、少なくとも1つのリングに関して、崩壊および/または係止解除ならびに/もしくは分解および/または腐食する、少なくとも1つのリングあたりの区分の数は、1~4に及び、好ましくは、1~3に及び、より好ましくは、1~2に及び、ステントは、崩壊後に構造を有し、該構造は、身体管腔を支持するために十分な強度を有し、または強度を有しておらず、および/またはステントは、崩壊後に構造を有しておらず、ならびに/もしくは組織がない場合のステントは、支持されていない構造を有し、または圧潰し、および/または組織がない場合のステントは、反跳し、ならびに/もしくは組織がない場合のステントは、収縮する。
【0218】
別の実施例では、少なくとも1つのリングに関して、崩壊および/または係止解除ならびに/もしくは分解および/または腐食する、少なくとも1つのリングあたりの区分の数は、1~4に及び、好ましくは、1~3に及び、より好ましくは、1~2に及び、ステントは、崩壊後に構造を有し、該構造は、身体管腔を支持するために十分な強度を有し、または強度を有しておらず、および/またはステントは、崩壊後に構造を有しておらず、ならびに/もしくは組織がない場合のステントは、支持されていない構造を有し、圧潰し、および/または組織がない場合のステントは、反跳し、ならびに/もしくは組織がない場合のステントは、収縮する。
【0219】
先の実施例のうちのいずれか1つでは、管腔または血管は、離脱され、および/またはステント補綴具が補強要素を備える、ならびに/もしくはステント強度のための非分解性材料を備えるときに、および/または残りのステント補綴具非分解性材料の重量が、非分解性ならびに分解性材料を備えるステント補綴具の重量よりも軽いときに、さらに拡大もしくは拡張することを可能にされる。好ましい実施例では、(該当する場合)分解性材料の分解(または除去)後のステント補綴具重量は、0.1mg/mm~1.5mg/mmに及ぶ、好ましくは、0.1mg/mm~1.2mg/mmに及ぶ、より好ましくは、0.2mg/mm~0.9mg/mmに及ぶ、最も好ましくは、0.2mg/mm~0.6mg/mmに及ぶ。これらの重量は、非分解性放射線不透過性マーカの重量を除外する。
【0220】
別の実施例では、不連続性の形成後、または不連続性を形成する(該当する場合)分解性材料の分解後のステント補綴具(3点屈曲試験)の共形化可能性は、埋込後に血管壁への潜在的刺激および炎症を回避するために、可能な限り共形化可能であることが望ましい。例えば、不連続性の形成後または除去(もしくは分解性材料の分解)後のステント補綴具の共形化可能性は、好ましくは、0N/mm~0.05N/mmに及ぶ、好ましくは、0N/mm~0.03N/mmに及ぶ、より好ましくは、0N/mm~0.1N/mmに及ぶ。別の実施例では、展開構成時の不連続性の形成後のステントの共形化可能性は、(形成前と比較して、またはステントの展開に応じたときと比較して)少なくとも10%改良される、または少なくとも25%改良される、もしくは少なくとも50%改良される、または少なくとも75%改良される。別の実施例では、不連続性の形成後の共形化可能性は、(形成前と比較して、またはステントの展開に応じたときと比較して)10%~100%、好ましくは、20%~75%の範囲だけ改良される。別の実施例では、不連続性の形成後または展開後のステントの半径方向歪みは、(限定ではないが、実施例5に説明されるように)シミュレーションされた台上試験では2%~5%に及ぶ。別の実施例では、不連続性の形成後および/または展開後のステントの半径方向歪み(もしくはコンプライアンス)は、(限定ではないが、実施例5に説明されるように)2倍~10倍に及ぶ、好ましくは、2倍~5倍に及ぶ倍数だけ、不連続性を有していないステントよりも大きい。
【0221】
別の実施例では、ステントまたは他の管腔内補綴具は、圧着構成から展開されることに先立って、離脱構成であり、ステントまたは他の管腔内補綴具は、身体管腔を支持する展開構成時の強度を有する。別の実施例では、ステントまたは他の管腔内補綴具は、埋込もしくは展開に先立って円周方向に離脱構成である。
【0222】
別の実施例では、ステントまたは他の管腔内補綴具は、生理学的環境内で、展開後もしくは埋込後に離脱するように構成され、好ましくは、円周方向へ、少なくともいくつか、好ましくは、全てのリングの経路に沿って、少なくとも1つまたはそれを上回る間隙(不連続性)を有することによって、円周方向様式で、もしくは円周方向に離脱するように構成される。随意に、ステントはまた、ステントを1つまたはそれを上回る区画に分離する種々のパターンで形成された不連続性を通して、1つまたはそれを上回る経路(もしくは線)の中でステントの縦軸に沿って開くこともできる。一実施例では、ステントは、縦軸に沿って開かない、またはステントの縦軸の少なくとも一部で開く。
【0223】
別の実施例では、ステントまたは他の管腔内補綴具の離脱は、少なくとも1つのリングの中の少なくとも1つの領域または区分内のステントの分離、少なくとも1つの不連続性、少なくとも1つの切れ目、少なくとも1つの間隙、展開後にさらに拡張するステントの能力、ステントまたは再施行要素の存在下で、もしくはステントの存在下で積極的に再形成する管腔または血管の能力、ステント切れ目、分離、または不連続性を有することなく、展開後にさらに拡張するステントもしくは他の管腔内補綴具の能力、不連続性、切れ目、または分離を有することなく、ステントもしくは他の管腔内補綴具の存在下で積極的に再形成する管腔または血管の能力のうちの1つまたはそれを上回るものを含む。
【0224】
一実施例では、本発明の管腔内補綴具は、典型的には、一般的にはジグザグステント、蛇行ステント、閉鎖セル設計、および同等物と称される、クラウンによって継合される複数の支柱を備える、リング等の円周方向構造を伴う足場を備えるであろう。本発明のさらなる側面によると、ジグザグまたは蛇行リングのうちの少なくともいくつかの中の支柱のうちの少なくともいくつかは、生理学的環境内のステントおよび/または支柱の拡張後に、円周方向リングに不連続性を形成する、ならびに/もしくは離脱するように構成される、少なくとも1つの分離領域を含むであろう。これらの実施例では、リングのクラウン、または隣接するリングを継合する接続されたリンクは、好ましくは、分離領域を含まない。これは、管腔再形成に応答して、全体として個々のリングならびにステントの制御された拡張を可能にする。
【0225】
別の実施例では、それらの円周方向リングの個々の支柱の中に分離領域を有する、管腔内補綴具は、標的血管または他の身体管腔内の展開後に、足場が離脱する、および/または初期拡張を超えて拡張することを可能にする、不連続性を形成するであろう。補綴具が拡張される生理学的環境は、典型的には、37℃の水槽によって模倣され得る、血管環境等の身体管腔のもの等の生理学的条件であろう。血管環境内で、リングに形成する不連続性は、血管および/または管腔がステントもしくは他の補綴具の設置後に積極的に再形成するにつれて、足場が円周方向に離脱ならびに/もしくは開放することを可能にするであろう。不連続性は、典型的には、生理学的環境内の円周方向足場の初期拡張後の30日~6ヶ月の周期で形成されるであろうが、展開から1日後~展開から3年後にそのような不連続性を有することができる。一実施例では、不連続性は、埋込前に形成され、および/または生じ、そのような不連続性は依然として圧着を可能にし、ならびに/もしくは圧着構成から拡張構成までのステント展開を可能にし、身体管腔を支持するために十分な強度を有する。そのような場合において、ステントまたはステント構造領域は、離脱し、および/または少なくともステント構造の不連続性の該領域中でさらなる拡張を可能にする。
【0226】
別の実施例では、円周方向リングの支柱内の分離領域は、支柱および/または他の構造要素の中に「キーおよびロック」もしくは類似タイプの接合点を備えてもよく、その接合点は、拡張中にともに保持される、ならびに/もしくは固定化されるが、生理学的環境内の初期拡張後に開放または解放するように構成される。1つの具体的タイプのキーおよびロック接合点では、キーおよびロックは、開放し、分離領域が自由に分離した(すなわち、動員された)後のみ、支柱の継合された区画が半径方向に相互から分離することを可能にするであろう。他の具体的実施例では、キーおよびロックタイプ接合点は、支柱の継合された区画が動員された後に半径方向および軸方向の両方で相互から分離することを可能にするように構成される。キーおよびロック接合点タイプは、接合点の当接表面に適用される、ポリマー、コーティング、スリーブ材料、セメント、および/または接着剤によって、ともに保持され、ならびに/もしくは固定化されてもよく、コーティング、セメント、スリーブ、または接着剤は、経時的に生理学的環境内で分解するように選択される。
【0227】
ロックおよびキー分離領域は、その間にスロットを形成する、2つの離間したアームを備えるメス型部分と、スロットの中に嵌合するように適合されるオス型部分とを含む、接続、接合点、または他の構造を備える。2つのアーム部分は、典型的には、スロットの幅を画定する対向内壁を有し、幅は、典型的には、壁が長さおよび表面の殆どまたは全てにわたって平行であり、平行壁とスロットを形成するように、スロットの長さの少なくとも大部分、通常、60%超、より通常、75%超、多くの場合、100%超に沿って一定であろう。オス型部分は、スロットの内面に面する表面を伴って、反対に配置される外壁を有するであろう。オス型部分の外壁は、典型的には、スロットの内壁と合致する幾何学形状または形状を有するであろう(例えば、オス型部分の壁は、スロットの壁が平行である場合に平行であり、オス型部分の壁は、スロットの壁がテーパ状である場合にテーパ状であろう)が、通常、オス型部分の外壁表面とスロットの内面との間に間隙、間隔、または他の開口部が存在し、間隙は、典型的には、本明細書の他の場所に説明されるように、生分解性ポリマーまたは他の接着剤で充填されるであろう。そのようなロックおよびキー分離領域のオス型部分は、典型的には、該足場の拡張中に、ある場合には、拡張後でさえも、対応するメス型部分のスロット内に含有されたままである。これは、例えば、図16G-2、16G-7B、および16G-8Bで見られることができる。
【0228】
スロットまたは溝を形成するロックの側面の幾何学形状もまた、考慮されるべきである。側面は、圧着構成から拡張構成までのステントの拡張に応じて、または生理学的環境内のステントの拡張後に、スロットまたは溝の屈曲もしくは変形を最小限にする、または阻止するように、接合点を含有する構造要素と実質的に同一の幅である、またはそれよりも広いもしくは狭くあり得る。別の好ましい実施例では、スロットまたは溝を形成するロックの側面の幾何学形状は、実質的に等しい、または異なり得、圧着構成から拡張構成までのステントの拡張に応じて、または生理学的環境内のステントの拡張後に、スロットまたは溝の屈曲もしくは変形を最小限にするように、または阻止するように、該ロックスロットまたは溝が含有される構造要素幅の1/4に等しいまたはそれを上回る、幅の1/2に等しいまたはそれを上回る、幅の3/4に等しいまたはそれを上回る、実質的に同一の幅である、それよりも広い、それよりも1.25倍またはそれを上回って広い、それよりも1.5倍またはそれを上回って広い、もしくは2倍またはそれを上回って広くあり得る、幅を有してもよい。別の好ましい実施例では、メス型部分と、オス型部分とを備える、ロックを形成する、ロックの側面の幾何学形状は、圧着構成から拡張構成までのステントの拡張に応じて、または生理学的環境内のステントの拡張後に、スロットまたは溝の屈曲もしくは変形を最小限にするように、または阻止するように、メス型およびオス型部分を備える該ロックが含有される構造要素幅のうちの少なくとも1つまたはいずれか1つの幅の1/4に等しいまたはそれを上回る、幅の1/2に等しいまたはそれを上回る、幅の3/4に等しいまたはそれを上回る、実質的に同一の幅である、それよりも広い、それよりも1.25倍またはそれを上回って広い、それよりも1.5倍またはそれを上回って広い、もしくは2倍またはそれを上回って広くあり得る、複合幅を有してもよい。別の好ましい実施例では、メス型部分と、オス型部分とを備える、ロックを形成する、ロックの側面の幾何学形状はそれぞれ、圧着構成から拡張構成までのステントの拡張に応じて、または生理学的環境内のステントの拡張後に、スロットまたは溝の屈曲もしくは変形を最小限にするように、または阻止するように、メス型およびオス型部分を備える該ロックが含有される構造要素幅のうちの少なくとも1つまたはいずれか1つの幅の1/4に等しいまたはそれを上回る、幅の1/2に等しいまたはそれを上回る、幅の3/4に等しいまたはそれを上回る、実質的に同一の幅である、それよりも広い、それよりも1.25倍またはそれを上回って広い、それよりも1.5倍またはそれを上回って広い、もしくは2倍またはそれを上回って広くあり得る、幅を有してもよい。別の好ましい実施例では、オス型部分を形成する、ロックの側面の幾何学形状は、圧着構成から拡張構成までのステントの拡張に応じて、または生理学的環境内のステントの拡張後に、スロットまたは溝の屈曲もしくは変形を最小限にするように、または阻止するように、該ロックオス型部分が含有される構造要素幅の1/4に等しいまたはそれを上回る、1/2に等しいまたはそれを上回る、幅の3/4に等しいまたはそれを上回る、実質的に同一の幅である、それよりも広い、それよりも1.25倍またはそれを上回って広い、それよりも1.5倍またはそれを上回って広い、もしくは2倍またはそれを上回って広くあり得る、幅を有してもよい。好ましい実施例では、1つまたはそれを上回るメス型部分アームおよびオス型部分の厚さは、同一の厚さ、または相互と異なる厚さ、もしくは該メス型部分またはオス型部分が含有される構造要素と異なる厚さを有してもよい。好ましい実施例では、屈曲または変形の阻止は、ステントの拡張前と比較して、拡張後に該ロックの幾何学形状を実質的に維持すること、ステントの拡張前と比較して、拡張後にロックの形状を実質的に維持すること、ステントの拡張前と比較して、拡張後にロックの構成を実質的に維持すること、または該ロックが含有される構造要素のうちの少なくとも1つへの実質的に同一の屈曲もしくは変形を有することのうちの1つまたはそれを上回るものを含む。他方では、より薄い幅が、表面積を最小限にするために、またはある程度の屈曲をもたらし、定義された印加される応力に応じて、溝から凸部を解放するために、所望され得る。溝を形成する凸部または特徴の幾何学形状は、テーパ状、波形である、または典型的には相互の内側に嵌合し、通常、その間に間隙を有する、他の形状を有してもよい。
【0229】
そのような実施例では、幅および/または厚さは、凸部または溝の長さに沿って平均幅または中央幅として測定されてもよい。好ましい実施例では、ロックおよびキー接続は、2つの離間したアームを備える、メス型部分と、メス型部分のアームの間に嵌合するように適合される、オス型部分とを備える。好ましい実施例では、ロックおよびキー接続は、2つまたはそれを上回る離間したアームを備える、メス型部分と、メス型部分のアームの間に嵌合するように適合される、1つまたはそれを上回るアームを備える、オス型部分とを備える。好ましい実施例では、メス型アームおよびオス型部分は、直線状、波形、片面波形、鋸歯、片面鋸歯、円形、半円形(または円弧)、またはその他、もしくはそれらの組み合わせを含む、種々の補完的形状または幾何学形状を有することができる。表面積、長さ、幅、厚さ、表面粗度、および/またはメス型ならびにオス型アーム形状のうちの1つまたはそれを上回るものを含む、オス型部分とメス型部分との間の界面の特徴および幾何学形状は、圧着構成から拡張構成までのステントの拡張中にオス型およびメス型部分の完全分離を阻止し、または圧着構成から拡張構成までのステントの拡張中にオス型よびメス型アームの界面を維持し、もしくは圧着構成から拡張構成までのステントの拡張中にメス型アーム内に含有されるようにオス型アームを維持し、実施例のうちのいずれかでは、分離領域は、生理学的環境下で拡張後に(または拡張構成時に)分離するように構成される。
【0230】
好ましい実施例では、1つまたはそれを上回るオス型アームおよび2つまたはそれを上回るメス型アームは、一列、直線状、波形を含み、またはキーおよびロック分離領域を含有する構造要素に対してある角度(もしくはオフセット)で、または45度の角度で、もしくは90度の角度で、種々の配向および/または幾何学形状を有することができる。好ましい実施例では、メス型およびオス型部分は、相互と同一の平面内に(同一平面内に)、および/または相互と同一の平面内に、ならびに隣接する構造要素と同一の平面内にあり得る。好ましい実施例では、オス型およびメス型アームは、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、同一の厚さ、同一の幅、同一の厚さおよび幅、同一の長さ、異なる長さ、メス型アームよりも短いオス型部分、オス型部分よりも短いメス型アームを有することができる。ロックおよびキー接合点は、図24B-31を含む、多数の図に示されるように、鞘の中の刀に類似する構成でそれを含有する支柱または構造要素よりも広くあり得る。好ましい実施例では、オス型およびメス型アームは、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、同一の厚さ、同一の幅、同一の厚さおよび幅、同一の長さ、異なる長さ、該オス型またはメス型アームに隣接する構造要素よりも短いオス型アーム、それよりも長いオス型アーム、それよりも短いメス型アーム、それよりも長いメス型アームであり得る。
【0231】
別の実施例では、メス型部分は、3つのアームを備えてもよく、オス型部分は、該3つのアーム内に嵌合する1つのアームを備えてもよい。別の実施例では、メス型部分は、界面において継合される3つのアームを備え、オス型部分は、3つのメス型アーム内に嵌合する。
【0232】
別の実施例では、分離領域は、2つまたはそれを上回るアームもしくはスロットをそれぞれ含む、2つのメス型部分を備えてもよく、各アームは、隣接するアームから離間され、1つまたはそれを上回るオス型部分は、メス型部分のアームまたはスロットの間の空間内に嵌合し、該オス型およびメス型部分は、支柱、クラウン、または軸方向リンクに接続される。
【0233】
別の実施例では、少なくとも1つの分離領域は、キーおよびロック構成を備え、キーおよびロック構成は、該分離領域が接続される構造要素の経路に沿って配向される、または該分離領域が接続される構造要素の経路に対してある角度で配向される。好ましい実施例では、分離領域と構造要素との間の角度は、5度~90度に及び、好ましくは、約25度~90度に及び、より好ましくは、角度は、25度~75度に及ぶ。
【0234】
分離領域は、多くの場合、オス型およびメス型相互係止または噛合部分を伴うロックおよびキー接合点であるが、分離領域は、他の形態を有してもよい。くし等のいくつかの相互係止領域が、可能であり、オス型およびメス型部分と見なされない場合がある。加えて、分離領域の対向側の間の界面は、ともに噛合または嵌合し、拡張中に分離を阻止する接合を作成するように、波形、テーパ化区分、または他の形状を有してもよい。概して、分離を阻止するために、分離領域の側面に位置する支柱の対向部分は、増加した界面を形成する、テクスチャ、起伏、相互係止部分、またはある形状もしくは幾何学形状によって作成される、表面積の増加を有する。分離領域は、次いで、材料、典型的には、生分解性ポリマーおよび/または接着剤で充填される。
【0235】
別の実施例では、少なくとも1つの分離領域は、支柱の中に位置する、または分離領域は、クラウンの中に位置する、または分離領域は、円周方向リング上の2つの隣接するクラウンの間に位置する、または分離領域は、円周方向リング上の2つの隣接するクラウンの間に位置し、分離領域は、少なくとも2つの端部を有し、少なくとも2つの端部はそれぞれ、該クラウンのうちの1つに接続される、または分離領域は、円周方向リング上の2つの隣接するクラウンの間に位置し、分離領域は、少なくとも2つの端部を有し、少なくとも2つの端部はそれぞれ、該クラウンのうちの1つに接続され、該2つのクラウンの間に接続または連続性を提供する、または分離領域は、円周方向リング上の2つの隣接する支柱の間に位置する、または分離領域は、円周方向リング上の2つの隣接する支柱の間に位置する、または分離領域は、円周方向リング上の2つの隣接する支柱の間に位置し、分離領域は、少なくとも2つの端部を有し、少なくとも2つの端部はそれぞれ、該支柱のうちの1つに接続される、または分離領域は、円周方向リング上の2つの隣接する支柱の間に位置し、分離領域は、少なくとも2つの端部を有し、少なくとも2つの端部はそれぞれ、該支柱のうちの1つに接続され、該2つの隣接する支柱の間に接続または連続性を提供する。
【0236】
クラウンは、典型的には、支柱が衝合または一体になる領域であり、種々の長さの湾曲面積であってもよい、または単に支柱の合流点であってもよい。また、分離領域は、種々の長さを有してもよく、支柱、クラウン、または軸方向リンクの長さの一部、殆ど、ほぼ全て、または近似的に全てを構成してもよい。分離領域が構造要素の殆どまたは全てを占有する場合において、分離領域または分離界面によって占有される領域は、依然として、クラウン、支柱、もしくは軸方向リンクを構成する、またはそれとして指定されてもよい。
【0237】
別の実施例では、少なくとも1つの分離領域は、メス型部分を備え、そのメス型部分は、離間された2つまたはそれを上回るアームを備え、2つまたはそれを上回るアームは、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、同一もしくは実質的に同一の長さ、幅、厚さ、または形状を有する。別の実施例では、少なくとも1つの分離領域は、メス型部分を備え、メス型部分は、離間された2つまたはそれを上回るアームを備え、2つまたはそれを上回るアームは、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、異なる長さ、厚さ、幅、または形状を有する。さらに別の実施例では、該分離領域はさらに、該メス型部分の2つまたはそれを上回るアームの間に嵌合する、1つまたはそれを上回るオス型部分を備え、オス型部分は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、メス型アームのうちの1つまたはそれを上回るものと同一もしくは実質的に同一の長さ、厚さ、または幅、メス型アームおよび/または相互のうちの1つまたはそれを上回るものと異なる長さ、厚さ、または幅を有する、1つまたはそれを上回る凸部を備える。好ましい実施例では、オス型部分は、メス型アームのうちの少なくとも1つと実質的に同一の長さを有する。別の実施例では、オス型部分は、メス型アームのうちの少なくとも1つよりも短い。さらに別の実施例では、1つまたはそれを上回る凸部を備えるオス型部分は、メス型の2つまたはそれを上回るアームの厚さと実質的に同一の厚さを有する。さらに別の実施例では、少なくとも1つの凸部を備えるオス型部分は、メス型部分アームのうちの少なくとも1つの幅を下回る幅を有する。さらに別の実施例では、少なくとも1つの凸部を備えるオス型部分は、メス型部分アームのうちの少なくとも1つの幅を上回る幅を有する。一実施例では、オス型部分は、それが嵌合するメス型アームの開口部を下回る幅を有する。別の実施例では、オス型部分は、メス型アームの間の開口部とほぼ同一の幅を有する。いくつかの実施例では、キーおよびロック接合点または接続は、それを含有する構造要素よりも広く、いくつかの実施例では、キーおよびロック接合点または接続は、それを含有する構造要素ほど広くなく、いくつかの実施例では、キーおよびロック接合点または接続は、それを含有する構造要素と同一の幅である。凸部およびそれを含有する支柱またはクラウンの幅および厚さは、好ましくは、同一(1:1)である。凸部の幅は、分離領域の全体的な幅を最小限にするように、より薄くあり得る、または凸部の幅は、分離領域を強化するように、より広くあり得る。
【0238】
別の実施例では、オス型部分の長さは、0.1mm~2mmに及び、好ましくは、0.2mm~1mm、0.3mm~1.5mm、0.4mm~1.0mm、0.4mm~0.9mmに及び、より好ましくは、0.2mm~1mmに及ぶ。別の実施例では、メス型部分アームの長さは、0.1mm~2.2mmに及び、好ましくは、0.2mm~1.1mm、0.3mm~1.5mm、0.4mm~1.0mm、0.4mm~0.9mm、より好ましくは、0.2mm~1.1mmに及ぶ。好ましい実施例では、支柱またはクラウンの中の分離領域の長さは、それを含有する支柱またはクラウン、もしくは該分離領域が接続される支柱またはクラウンの長さの少なくとも30%~100%を備え、好ましくは、分離領域の長さは、それを含有する支柱またはクラウン、もしくは該分離領域が接続される構造要素の長さの少なくとも40%~100%を備え、好ましくは、分離領域の長さは、それを含有する支柱またはクラウン、もしくは該分離領域が接続される構造要素の長さの少なくとも50%~90%を備え、より好ましくは、分離領域の長さは、それを含有する支柱またはクラウン、もしくは該分離領域が接続される構造要素の長さの少なくとも55%~80%を備える。より長い凸部またはオス型部分は、接続のメス型部分のスロット内により深く着座され、圧着構成から拡張構成までの拡張中にスロットから外へ撓曲、屈曲、または回転する可能性が低い。いくつかの実施例では、分離領域は、2つの隣接する円周方向リングの間の軸方向リンクの中に位置する、または円周方向リングの部分の間に半径方向に位置する。コネクタの中に位置する分離領域は、コネクタの長さの40%~100%、長さの50%~90%、またはコネクタの長さの55%~85%を備えてもよい。加えて、隣接する支柱の長さと比較したコネクタの長さは、40%~150%、50%~125%、75%~110%、または80%~100%であってもよい。
【0239】
好ましい実施例では、分離領域は、メス型部分と、メス型部分内に嵌合するオス型部分とを備える。さらに別の実施例では、オス型部分および/またはメス型部分は、該オス型部分および/またはメス型部分の幅の2~10倍に及ぶ長さを有する、または該オス型および/またはメス型部分が接続される、もしくは含有される構造要素(典型的には支柱またはクラウン)の幅の2~10倍に及ぶ長さを有する。さらに別の実施例では、オス型部分および/またはメス型部分は、該オス型部分および/またはメス型部分の幅の3.5~10倍に及ぶ長さを有する、または該オス型および/またはメス型部分が接続される、もしくは含有される構造要素(典型的には支柱またはクラウン)の幅の3.5~10倍に及ぶ長さを有する。さらに別の実施例では、オス型部分および/またはメス型部分は、該オス型部分および/またはメス型部分の幅の5~10倍に及ぶ長さを有する、または該オス型および/またはメス型部分が接続される、もしくは含有される構造要素の幅の5~10倍に及ぶ長さを有する。
【0240】
別の実施例では、分離領域は、メス型部分と、オス型部分とを備え、オス型部分は、メス型部分のアーム内に嵌合し、オス型部分は、該メス型部分からの完全分離を阻止するために十分な長さおよび/または表面積ならびに/もしくは接合長および/または形状を有し、オス型部分は、ステントが生理学的環境内で圧着構成から拡張構成まで拡張されているときに、少なくとも部分的にメス型部分内に含有されたままである。
【0241】
別の実施例では、分離領域は、2つまたはそれを上回るアームを備える、1つまたはそれを上回るメス型部分と、少なくとも1つのオス型部分とを備える、キーおよびロックを備え、オス型部分は、メス型部分内に嵌合し、メス型部分のアームのうちの少なくとも1つはさらに、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、少なくとも1つのアームの少なくとも1つの表面領域から突出し、ステントが圧着構成から拡張構成まで拡張されているときに、オス型部分の分離を阻止するようにオス型部分の中に構成される、1つまたはそれを上回る溝、切り欠き、くぼみ、戻り止め、もしくは圧痕内に嵌合する、1つまたはそれを上回る突起を有する。代替として、オス型部分は、メス型部分の1つまたはそれを上回るアーム上の1つまたはそれを上回る溝、切り欠き、くぼみ、戻り止め、もしくは圧痕内に嵌合し、圧着構成から拡張構成までのステントの拡張中にメス型部分からのオス型部分の分離を阻止するよう構成される、1つまたはそれを上回る突起を有することができる。他の実施例では、オス型および対応するメス型部分の1つまたはそれを上回る表面領域上の鋸歯または噛合鋸歯構成等の他の幾何学形状または形状が、理解され得る。他の実施例は、オス型部分の長さおよび/またはメス型部分の長さに沿って、種々の形状、サイズ、および長さの突出部および溝を含み、そのような突出部および溝は、拡張前に実質的にともに嵌合し、ステントの拡張中にメス型部分からのオス型部分の完全分離を阻止する。別の実施例では、オス型およびメス型部分は、さらなる摩擦または表面積を提供し、拡張中に分離を阻止するように、平滑である、テクスチャ加工される、粗い、または研磨され得る。ロックおよびキーの表面は、典型的には、電解研磨に起因して視覚的に平滑であり得るが、ロックとキーとの間の接合強度を増加させるように、いくつかまたは全ての表面上でテクスチャ加工されてもよい。材料の表面粗度は、0.01ミクロン~400ミクロンに及び、好ましくは、0.015ミクロン~100ミクロンに及び、より好ましくは0.02ミクロン~10ミクロンに及ぶ。
【0242】
分離領域または分離界面は、2つの隣接する円周方向リングの間の支柱、クラウン、リング、または軸方向リンク等の足場の種々の領域中に起こり得る。時として、これらの構造要素を二等分するものとして説明または描写されるが、分離領域または分離界面は、構造要素の長さに沿ったいずれかの場所に位置してもよい。すなわち、構造要素は、間隙または切れ目が構造要素のほぼ中央に位置するため、事前形成された間隙または切れ目によってほぼ等しい部分に分割、分離、または切離されてもよい、または間隙もしくは切れ目は、間隙または切れ目がそれを含有する構造要素の一方または他方の端部のより近くに位置するため、構造要素の不平等部分を生成してもよい。本文脈で、二等分は、必ずしも均等な分割を意味するわけではない。
【0243】
2つの噛合、相互係止、および/または対向部分の間に界面を備える、分離領域の別の実施例では、分離領域は、直線状であり、もしくは直線状ではなく、または圧着構成時のステントの軸と整合され、または圧着構成時のステントの長さまたは軸に対してある角度で整合され、または分離領域部分の界面の長さに沿って1つまたはそれを上回る方向に変化する界面を有し、1つまたはそれを上回る方向は、圧着構成から拡張構成までのステントの拡張前に、第1の軸方向、第1の円周方向、第1の軸方向と反対方向の軸方向、第1の円周方向と反対方向の円周方向、またはそれらの組み合わせを備える。好ましい実施例では、分離領域は、圧着構成から拡張構成までステントを拡張することに先立って、圧着ステント構成時のステント長に対して軸方向および円周方向である方向に変化を含む、その長さに沿った界面を有する。好ましい実施例では、分離領域は、圧着構成から拡張構成までステントを拡張する前に、軸方向および/または円周方向を含む、1つを上回る方向を有する、その長さに沿った界面を有する。これらの軸方向分離界面は、分離に先立ってともに入れ子になる、非線形の合同な形状を有する。軸方向界面は、分離に先立ってともに入れ子になる、曲面、若干四角に区切られた表面、または四角に区切られた表面を有してもよく、曲面は、第1のクラウンから第1の略円周方向に延在し、方向転換して反対の略円周方向に延在し、支柱が衝合する第2のクラウンまたは領域に取り付けられる前に、再び方向転換して第1の円周方向に延在してもよい。一実施形態では、曲面は、第1のクラウンから第1の略円周方向に延在し、方向転換して反対の略円周方向に延在し、再び方向転換して第1の円周方向に延在してもよく、次いで、本曲面または四角に区切られた表面の界面は、第2のクラウンに取り付けられる前に、少なくとももう1回方向転換して反対の円周方向に延在してもよい。一実施形態では、曲面は、第1のクラウンから第1の略円周方向に延在し、方向転換して反対の略円周方向に延在し、再び方向転換して第1の円周方向に延在してもよく、次いで、本曲面または四角に区切られた表面の界面は、少なくとももう1回方向転換して反対の円周方向偏向に延在し、第2のクラウンに取り付けられる前に、少なくともさらに1回、第1の円周方向に方向転換してもよい。例えば、界面は、丸みを帯びた、または若干四角に区切られた角を伴う、相互係止するS、W、M、またはUの形状をとってもよく、形状は、対称かつ均等であり得る、またはそれらは、連結具の角もしくは輪郭において一方の辺が別の辺よりも長い非対称であり得る。これらの界面は、拡張後の分離に応じて、足場が軸方向リンクにおいてクラウンを通して円周方向に分離するが、界面が隣接するクラウンの中に延在するため、全ての分離が起こった、または不連続性が形成された後でさえも、リングが軸方向に連結されたままであるように、軸方向リンクを通して隣接するクラウンの中に延在する。いくつかの実施例では、軸方向リンクによって継合されるクラウンの全ては、クラウンおよび軸方向リンクを通して延在する軸方向分離界面に沿って、2つの対向部分の中に円周方向に分離するように構成される。界面の長さおよび方向もしくは輪郭の変化は、拡張中に界面を維持する、改良された接合界面に寄与する。軸の長さに沿った軸方向リンクの長さは、0.10mm~1.4mm、好ましくは、0.2mm~1.1mm、より好ましくは、0.2mm~0.7mmであってもよい。軸リンクの長さに沿った長さは、隣接する支柱の長さと比較して10%~150%、より好ましくは、隣接する支柱の長さと比較して20%~70%であってもよい。これらの界面は、典型的には、本開示の他の場所に説明されるように、生分解性ポリマーまたは接着剤の適用を有するであろう。連結具の方向および輪郭の変化は、拡張中の安定性、印加される力を張力から剪断に変化させることによる拡張中の分離領域の完全性の増加、圧着状態時の可撓性の増加、および拡張状態時の血管共形化可能性の増加という利点を提供する。
【0244】
軸方向分離界面は、足場の拡張に先立って締まり嵌めを伴う入れ子式ウェッジであってもよい(図42Aおよび42B)。軸方向分離界面は、一方向に逆転するパターンに配列されてもよく、一実施例では、軸方向分離界面は、円周方向に配列される(図35A-35C)。別の実施例では、軸方向分離界面は、円周方向に対して傾斜した角度で整合される(図38A、39A、40、および41)。
【0245】
間隙、間隔、または他の開口部を充填することに加えて、生分解性ポリマーまたは他の接着剤は、多くの場合、足場の支柱、クラウン、または他の隣接する構造要素の反管腔側、管腔、または他の表面にわたってコーティングする、被覆する、または別様に分配されるであろう。多くの事例では、生分解性ポリマーまたは他の接着剤は、多くの場合、足場の反管腔側または管腔表面にわたってコーティングする、被覆する、または別様に分配されるであろう。いくつかの実施形態では、少なくとも50%、通常、少なくとも75%、多くの場合、少なくとも90%、頻繁には、反管腔側および/または管腔表面全体が、生分解性ポリマーまたは他の接着剤でコーティング、ラミネート加工、または別様に被覆されるであろう。分離領域の部位において生分解性ポリマーまたは他の接着剤を限局することとは対照的に、足場の反管腔側または管腔表面の大部分または全てをコーティングすることは、補綴具が生理学的環境内で圧着構成から拡張構成まで拡張されるにつれて、分離領域および隣接する構造要素の固定化を増進することが見出されている。分離領域、ならびに分離領域に隣接もしくは近接近する支柱、クラウン、および/または円周方向リングを被覆する、コーティングを提供することは、補綴具のより良好かつより一様な拡張を提供し得る。ポリマーおよび/または接着剤を用いて領域を固定化することは、相互とのそれらの最初の空間関係で構造要素を保ち、一様な拡張を提供し、構造要素の撓曲、屈曲、捻転、および/または変形を低減もしくは排除する。本コーティングは、分離領域のみのコーティングに加えられてもよいが、好ましくは、分離領域と、隣接および近傍の構造要素とを含む、補綴具のより大きい帯状部分のコーティングは、より広範なコーティングの下に分離領域の付加的コーティングを伴わない、補綴具の第1のコーティングである。これは、ステントのより広い表面にわたって、薬物の有無別に1つのコーティングを可能にすることによって、補綴具の製造を単純化し、より一様な拡張という利点を提供する。したがって、補綴具は、拡張前に分離領域を確保する第1および/または唯一のコーティングとして、反管腔側表面の一部または全ての上に50%、60%、70%、80%、または90%のコーティングを有してもよい。
【0246】
一実施例では、ステント補綴具は、1つまたはそれを上回る円周方向リングを備え、該1つまたはそれを上回るリングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有する。分離領域は、面内界面を有し、該分離領域を含有する構造要素と同一面内である。分離領域は、ポリマー材料によって被覆されてもよく、ポリマー材料は、分離領域および分離領域を含有する構造要素を被覆する。ポリマーはまた、隣接する構造要素をコーティングしてもよいため、分離領域および該構造要素は、生理学的環境内の圧着構成から拡張構成までの拡張に応じて、拡張前の通りに整合され、実質的に同一の平面内のままである。
【0247】
分離領域および隣接する構造要素は、スプレーコーティングまたは浸漬コーティングによってコーティングされる。例えば、ステントは、縦軸の周囲で回転され、所望のコーティング厚さが達成されるまで1回または複数回、スプレーコーティングされる。典型的には、所望のコーティング厚さは、2ミクロン~50ミクロンに及び、好ましくは、3ミクロン~25ミクロンに及び、より好ましくは、3ミクロン~15ミクロンに及ぶ。
【0248】
コーティングは、支柱および/またはクラウン等の該分離領域に隣接する少なくともいくつかの構造要素を被覆し、好ましくは、反管腔側または管腔表面上の支柱および/またはクラウン等の該いくつかの隣接する構造要素の少なくとも1つの表面を被覆し、より好ましくは、反管腔側、管腔表面、および側面等の該いくつかの隣接する構造要素の2つまたはそれを上回る表面を被覆する。別の実施例では、コーティングは、分離領域を含有しない支柱および/またはクラウン等の構造要素の少なくとも1つの表面を被覆し、好ましくは、分離領域を含有しない該構造要素の反管腔側表面を被覆する。別の実施例では、コーティングは、分離領域を含有しない支柱および/またはクラウン等の構造要素の少なくとも2つの表面を被覆し、好ましくは、該構造要素の反管腔側表面および分離領域を含有しない該構造要素の側面のうちの少なくとも1つを被覆する。別の実施例では、分離領域をコーティングすることに加えて、コーティングは、加えて、分離領域を含有しない支柱および/またはクラウン等の構造要素の全ての表面を被覆する。別の実施例では、コーティングは、少なくとも1つの円周方向リング表面を被覆し、リングは、少なくとも1つの分離領域を含有する。好ましくは、コーティングは、リングの反管腔側表面またはリングの管腔表面をコーティングする。別の実施例では、コーティングは、少なくとも1つのステント表面を被覆し、ステントは、ステントの1つまたはそれを上回る円周方向リングの中に含有される複数の分離領域を含有する。好ましい実施例では、コーティングは、リングの反管腔側表面またはリングの管腔表面をコーティングする。さらに別の実施例では、コーティングは、全てまたは実質的に全てのステント表面を被覆し、ステントは、ステントの1つまたはそれを上回る円周方向リング内に位置する、または含有される、1つまたはそれを上回る分離領域を含有する。さらに別の実施例では、コーティングは、分離領域および隣接するクラウンならびに支柱および隣接する軸方向リンクの少なくとも1つの表面、または少なくとも2つの表面、または実質的に全てもしくは全ての表面を被覆する。さらに別の実施例では、コーティングは、分離領域および隣接するクラウンならびに支柱、および分離領域を含有する隣接する軸方向リンクもしくは支柱および/またはクラウンの少なくとも1つの表面、または少なくとも2つの表面、または実質的に全てもしくは全ての表面を被覆する。さらに別の実施例では、コーティングは、分離領域ならびに隣接するクラウンおよび/または支柱、および分離領域を含有する隣接する軸方向リンクもしくは支柱および/またはクラウンの少なくとも1つの表面、または少なくとも2つの表面、または実質的に全てもしくは全ての表面を被覆する。好ましい実施例では、コーティングは、ポリマー材料および/または接着剤を備える。別の好ましい実施例では、コーティングは、1つまたはそれを上回る支柱、クラウン、および分離領域を備える、円周方向リング構造要素の少なくとも1つの表面をコーティングし、少なくとも1つの表面のコーティングは、実質的に一様である。好ましい実施例では、少なくとも1つの表面は、反管腔側または管腔表面である。別の実施例では、複数の円周方向リングの少なくとも1つの表面は、実質的に一様なコーティングを有する。コーティングは、好ましい実施例では、隣接する構造要素とともに少なくとも1つの分離領域を保持し、円周方向リングまたはステントが圧着構成から拡張構成まで実質的に一様に拡張することを可能にするように構成され、構造要素は、分離領域に隣接する支柱、クラウン、および/または軸方向リンクのうちの1つまたはそれを上回るものを備える。コーティングは、本好ましい実施例では、円周方向リングまたはステントの周囲に連続円周方向経路を提供し、隣接する構造要素とともに該リング内に含有される分離領域界面を保持し、ステントが圧着構成から拡張構成まで実質的に一様に拡張することを可能にするように構成される。コーティングは、好ましい実施例では、円周方向リングの事前形成された切れ目および/または該円周方向リング内の事前形成された間隙をコーティング、充填、または実質的に充填し、該コーティングは、圧着構成から拡張構成までのステントの拡張前に該リングの円周方向連続性を提供する。好ましい実施例では、1つまたはそれを上回る表面は、圧着構成から拡張構成までのステントの拡張に応じて、分離領域および隣接する構造要素をともに保持するように、該分離領域に隣接してコーティングされてもよい。分離領域および該分離領域を含有する少なくとも1つまたはそれを上回る隣接する構造要素もしくはリングの少なくとも1つの表面のコーティングは、実質的に一様であり、好ましくは、2ミクロン~50ミクロンに及ぶ。別の実施例では、コーティングは、分離領域と、支柱、クラウン、および/または軸方向リンクを備える、1つまたはそれを上回る構造要素とを被覆し、コーティングは、分離領域ならびに分離領域の事前形成された切れ目および/または事前形成された間隙を被覆する。1つの好ましい実施例では、コーティングは、分離領域および該分離領域を含有する隣接する構造要素またはリング、もしくはステントの少なくとも1つの表面、少なくとも2つの表面、または全ての表面を被覆する。
【0249】
好ましい実施例では、少なくとも1つの分離領域は、分離領域に接続される構造要素の変形を模倣する、分離領域に接続される構造要素の変形を実質的に模倣するように構成される、または分離領域は、変形しない、もしくは実質的に変形しない。
【0250】
好ましい実施例では、分離領域は、圧着から拡張構成へのステントの拡張に先立って、完全軸方向分離を防止するように、および/または完全円周方向分離を防止するように構成される。好ましい実施例では、少なくとも1つの分離領域は、圧着から拡張構成へのステントの拡張中に軸方向、円周方向、または半径方向分離のうちの1つまたはそれを上回るものを阻止するように、複数の形状または幾何学形状を備える。幾何学形状または構造の実施例は、1つまたはそれを上回る方向への分離を阻止するために十分な広い表面積、1つまたはそれを上回る方向への分離を阻止するために十分な接合点の対向側の長い界面、軸方向、円周方向、または半径方向のうちの1つまたはそれを上回るものへの分離を阻止するために十分な界面長に沿って方向を変化させる界面、1つまたはそれを上回る方向への分離を阻止するために十分な長い長さ、もしくは1つまたはそれを上回る方向への分離を阻止するための1つまたはそれを上回る溝もしくは対応する嵌合形状内に嵌合する、1つまたはそれを上回る隆起もしくは他の形状を備える。上記の別の実施例では、幾何学形状または形状のうちの1つまたはそれを上回るものは、軸方向、円周方向、および半径方向への分離を防止するように構成される。
【0251】
別の実施例では、ステント補綴具は、ステントが圧着構成から拡張構成まで拡張されているときに、半径方向、軸方向、または円周方向に分離しないように構成される、少なくとも1つの分離領域を備え、分離領域は、メス型およびオス型部分を備える、キーおよびロック接続を有するように構成され、オス型部分は、メス型部分内に嵌合し、該キーおよびロックは、コーティングが該分離領域に隣接する構造要素まで延在し、ステントをともに保持し、圧着構成から拡張構成までのステントの実質的に一様な拡張を提供するように、ポリマー材料および/または接着剤でコーティングされる。
【0252】
本発明の分離領域は、通常、足場拡張中に生分解性ポリマーまたは他の接着剤によって固定化されるであろうが、生分解性ポリマーまたは他の接着剤は、通常、分離領域の分離の前にある程度の移動を可能にする、ある程度の弾性を示すであろう。したがって、分離領域を定位置で保持する、弾性材料から生じる拡張中の分離領域のある程度の移動が存在し得るが、分離領域は、依然として、無傷のままであり、足場の隣接する構造領域を整合して保持するであろう。特に、コーティングは、いくつかの実施形態では、圧着構成から拡張構成までの足場の拡張に応じて、軸方向への分離領域の移動を実質的に制限することができるであろう。他の事例では、材料の弾性は、ある程度の伸張を可能にするであろうため、構造要素の端部は、若干離れて移動するが、決して不連続領域を完全に分離または形成しない。本移動は、補綴具が、心拍および血管の拡張を伴うが、補綴具の強度または反跳のいかなる変化も伴わずに、拡張することを可能にする。
【0253】
ロックおよびキー接続のオス型部分およびメス型部分のスロットは、典型的には、0.15mm~2mmの範囲内の長さを有し、より短いオス型およびスロット部分は、通常、0.3mm~0.70mmの長さを有し、より長いオス型およびスロット部分は、0.3mm~2mm、通常、0.4mm~2mmの長さを有する。比較的に長いオス型部分およびスロットを有する、いくつかの実施例では、オス型部分は、通常、該接続を含有する構造要素の幅よりも約3.5~5倍長い。他の実施例では、該接続のオス型部分は、該接続を含有する、構造要素、典型的には、支柱の長さの約40%~90%である。補綴具の支柱は、典型的には、クラウンの湾曲部分の間のそれらの長さに沿って測定される。支柱は、概して、約0.25mm~3.0mm、0.5mm~2mm、0.75mm~1.5mm、0.8mm~1.3mm、または0.9mm~1.1mmに及ぶ。支柱は、より好ましくは、0.75mm~1.5mmであり、多くの場合、長さが約1mmである。オス型およびメス型部分は、通常、典型的には、レーザ切断またはフォトエッチングによって、管状基板をパターン化することによって、形成され、隣接する支柱、クラウン、または他の構造要素と類似する、または同じである厚さ、典型的には、5ミクロン~150ミクロンの範囲内の厚さ、好ましくは、5ミクロン~120ミクロン、多くの場合、5~50ミクロンに及ぶ厚さを有するであろう。オス型およびメス型部分は、したがって、通常、足場の拡張の前および後のいずれにおいても重複しないであろう。
【0254】
凸部は、典型的には、0.025mm~1mm、通常、0.05mm~0.25mmの範囲内の幅と、0.025mm~0.200mm、通常、0.03mm~0.100mmの範囲内の厚さとを有するであろう。ロックの対応するスロットは、類似寸法を有することができる。接合面積が、ロックおよびキーを形成する表面によって形成される。側壁の総面積は、ロックおよびキーの側壁によって形成され、キーの側壁は、典型的には、0.01mm~0.56mmの範囲内であり、噛合ロックまたはスロットの側壁は、類似し、総面積は、典型的には、0.02mm~1.12mmの範囲内、好ましくは、0.1mm~0.3mmの範囲内である。また、噛合する内径および外径表面は、接着剤が側壁によって形成される空隙に限定されない場合に分離領域中の接合強度に寄与し得、ロックおよびキー構成に関して、ロックおよびキーの総外側および内側表面積は、0.02mm~5.4mm、好ましくは、0.1mm~0.5mmに及ぶことを理解されたい。これらの内側および外側面積は、組み合わせられたステントの外径および内径上のロックおよびキー領域の表面を備える。
【0255】
支柱に対するロック(または凸部)の長さは、変動し得、好ましくは、40~60%の範囲内であってもよい。支柱に対するロックの幅もまた、変動し得、支柱の幅の75~125%、好ましくは、90~110%の範囲内であってもよい。
【0256】
ロックおよびキーの対向側の表面は、平滑である、わずかに粗い、波形である、ギザ状である、または相互係止するくしを有してもよい。これらの種々の表面は、摩擦、表面積、および接着を生成することを補助し、ある程度の移動を可能にするが、接合点の完全分離を防止する。
【0257】
多くの実施形態および実施例では、ロックおよびキー分離領域のオス型およびメス型部分は、それらが存在する構造要素と同一の平面内に形成され、存在する。すなわち、オス型およびメス型部分は両方とも、相互および隣接する構造要素と実質的に同一の厚さを有し、管腔および反管腔側表面は、「共平面」である。明確にするために、表面は、通常、曲線状となり、実際には平面的ではないであろうが、構造要素ならびにその中に配置されるロックおよびキー分離領域のオス型およびメス型部分の湾曲は、同じであろう。形状のそのような連続性は、典型的には、単一の管状基板から足場をパターン化することによって構造要素および分離領域を形成することの結果であろう。
【0258】
より長いオス型部分およびメス型スロットを有する、分離領域は、有益なこととして、該足場の拡張に応じて、分離領域の時期尚早な分離を防止または阻止し得る、オス型部分およびスロット上の対向壁の間に接着または摩擦の増加を提供するために十分に大きい、対向表面積を提供する。すなわち、オス型部分の外壁表面とアームの内面との間の間隙、間隔、または他の開口部を充填する、生分解性ポリマーまたは他の接着剤は、より広い表面積に接着し、拡張中に、および生理学的環境内のポリマーまたは接着剤の分解に先立って、接合の安定性および強度を増加させるであろう。加えて、接合点または接続のより広い表面積は、間隙内のポリマーおよび/または接着剤のコーティングまたは包含がなくても、完全分離に対する摩擦および抵抗の増加を提供する。
【0259】
別の実施例では、分離領域は、分離に隣接する構造要素の2つの反対端の間に、および/または分離領域に隣接する構造要素の2つの隣接する端部(例えば、分離領域を含有する、または画定する、もしくは備える、非分解性金属合金の2つの端部)の間に、間隙を有する、または画定する。間隙幅は、0~50ミクロンに及び、好ましくは、0~30ミクロンに及び、より好ましくは、1~20ミクロンに及び、より好ましくは、5~20ミクロンに及び、最も好ましくは、5ミクロン~15ミクロンに及ぶ。間隙は、分解性ポリマーコーティング等のコーティングで充填されることができる。コーティングは、分離領域を越えて延在し、圧着構成から拡張されたより大きい構成までのステントの展開に応じて、分離領域を定位置でさらに保持することができる。
【0260】
分離領域は、足場の中のいずれかの場所に形成されてもよいが、1つまたはそれを上回る分離領域は、通常、円周方向リングのうちの少なくともいくつかによって形成される円周方向経路内に形成されるであろう。本明細書で使用されるような語句「円周方向経路」は、リングを形成する、構造要素、例えば、支柱およびクラウンの経路を意味する。多くの実施例および実施形態では、分離領域は、構造要素内に形成され、分離領域は、経路に切れ目を形成するであろう分離領域の開放に先立って、円周方向経路の一部を形成する。すなわち、生理学的環境内の拡張後の円周方向リング内の不連続性の形成に先立って、円周方向経路は、通常、非分解性材料から形成される構造要素、ならびに生分解性ポリマー、接着剤、または同等物を備える分離領域の両方によって、画定される。
【0261】
軸方向リンクおよび隣接するクラウンを通して延在する分離領域界面は、足場の軸と垂直に整合されてもよい、またはある角度で整合されてもよい。いくつかの実施例では、分離界面は、圧着構成であるときに円周に対してある角度で整合されるが、拡張状態であるときに円周に対して約0度の角度まで移動するように設計されてもよい。角度は、-60度~60度に及んでもよい。図38A-38Cを参照されたい。
【0262】
分離領域は、上記に示されるように、S字リンク上に形成されてもよい。本実施例では、S字リンクは、リンクの中心線またはほぼ中心線まで分割され、側壁上に0.124mm、上部(外面)および底部(内面)のそれぞれの上に0.19mmの表面積を伴って、長さが1.53mmの接合表面を形成する。接合されたS字リンクは、0.005インチ~0.006インチであり、分離に応じて、幅が0.0025インチ~0.003インチになる。接合線自体は、長さおよび厚さを有し、例えば、長さが0.5~7mm、好ましくは、長さが0.9~5.5mm、より好ましくは、長さが1.4~3.7mm、厚さが60~90ミクロン、または接合の各側面上の表面積が0.03~0.7mmである。
【0263】
S字リンクは、例えば、0.127mmの表面積を伴って、長さが1.69mmまで延在または延長されることができる。またはS字リンクは、複数の起伏を伴って成形され、二重のSを形成し、接合長を1.8mmまで増加させ、0.135mmまで増加させることができる。接合線自体は、長さおよび厚さを有し、例えば、長さが0.5~7mm、好ましくは、長さが0.9~5.5mm、より好ましくは、長さが1.4~3.7mm、厚さが60~90ミクロン、または接合の各側面上の表面積が0.03~0.7mmである。
【0264】
S字リンクは、ステントの拡張に応じて、S字リンクが円周方向に整合されるように、上記に示されるように、例えば、29度で、角度を付けられることができる。しかし、これはまた、15度~45度に及ぶこともできる、またはステントの拡張に応じて円周方向に整合されるように構成されることができる。
【0265】
上記の実施例のさらなる側面は、クラウン、支柱、およびリンクによって形成される経路が連続的であり、ループ状経路を形成することである。分離領域の分離に応じて、ステントは、1つの連続部品のままである。使用される接着剤に応じて、分離領域は、展開に応じて即時に、または生体内のある時間周期後に、係脱してもよい。分離領域は、基礎ステントの単一層から形成される。これは、それ自体の上にステントを層状にすることから形成されない。
【0266】
図35A-35Cは、クラウンの頂点からオフセットされる、二等分されたリンクとして形成される分離領域によって軸方向に継合される、円周方向リングを有する、足場(ステント)の実施例を図示する。図35Aは、分離領域が無傷である、未拡張パターンである。図35Bは、分離領域のうちのいくつかが係脱し、最終的に、3つの別個かつ明確に異なる「ループ」またはパターンを形成した後の部分的拡大図である。分離領域は、2つの隣接する円周方向リングの軸方向リンクおよびクラウンを分割し、不連続性の形成に応じてリンクおよびクラウンを分離するが、2つの隣接する円周方向リングは、分割された軸方向リンクを通して取り付けられたままである。本実施例では、分離領域は、軸方向リンクにおいて衝合する、軸方向リンクおよびクラウンの隣接する対向部分の関連、相互係止、または接合点によって形成される。軸方向リンクは、隣接する円周方向リングからの2つの対向半分または部分と形成される。接合点は、界面の各側面からのほぼ等しい部分として描写されるが、不平等区画から形成されてもよい。
【0267】
上記の実施例はまた、いったん分離領域が係脱する(または不連続性を形成する)と、複数の自由度で(もしくは1つまたはそれを上回る方向に)移動する能力を有する。例えば、いくつかの実施形態では、分離領域の2つの部品は、係脱後に半径方向および円周方向に移動してもよい。いくつかの実施形態では、分離領域の2つの部品は、幾何学形状に応じて、螺旋方向に移動する、またはステントの縦軸と平行に移動してもよい。分離領域が、それが組み立てられた同一の方向に移動することは、必要ではない。分離領域の幾何学形状および配向はまた、ステントの捻転または圧縮中に部品が別様に受けるであろう応力を低減させ、したがって、疲労安全因子を増加させ、破砕抵抗を向上させ、拡張後の応力および歪みを最小限にするように設計されることもできる。図40は、S字リンクが、二等分されたS字リンクの2つの側面の間の接触を潜在的に最小限にしながら、捻転移動を可能にするように配向される、設計を図示する。
【0268】
上記の実施例では、リングの間のリンクの全ては、分離領域を有し、リンクの全ては、幾何学形状が実質的に同一であるが、他の実施例では、リンクの幾何学形状は、異なり得る。リングの間に、2~4個のリンク、好ましくは、2~3個のリンクが存在し得る。そのような設計の利点は、動脈へのより良好な共形化可能性をもたらし得る、ステントの長さに沿った一貫性である。さらに、リングあたりより多くの分離領域(例えば、上記の図に示されるようにリングあたり2つまたは3つ)を有することによって、動脈のコンプライアンスが、より動脈に近づくであろう。実施例に示されるようなS字形のリンクの形状はまた、S字形が延長し得るにつれて、拡張に応じて、より少ない短縮をもたらし、0~10%、好ましくは、0~7%、より好ましくは、0~4%に及ぶ短縮をもたらす。他の実施例では、S字形または本願に説明される他の形状を有するステントは、拡張後にステントの延長を有するであろう。ある場合には、延長は、1%~10%に及び、好ましくは、1%~7%に及び、より好ましくは、1%~5%に及ぶ。
【0269】
分離領域構成のうちのいずれかのさらに別の実施例では、ステントは、軸方向に継合される、および/または圧着構成から拡張構成へのステントの拡張に応じて0%~10%の短縮範囲を有するように構成される軸方向リンクを有するように、構成され、ステントの短縮規模は、生理学的環境内のステントの拡張後に実質的に維持される、または生理学的環境内の拡張後のステントは、1%~10%に及ぶ規模だけ延長する。さらに、示される分離領域の係脱(または不連続性の形成)に応じて、可撓性S字形分離領域は、あまり剛性ではないであろうため、軸方向への動脈変化にさらに適応し得る。
【0270】
好ましい実施例では、少なくとも1つのリンクと、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、リンクが該クラウンを接続する、隣接するリング上の2つのクラウン(2つのヒンジ領域)、リンクが該クラウンおよび支柱を接続する、1つのリング上の1つのクラウンおよび隣接するリング上の支柱、該リンクが該支柱を接続する、隣接するリング上の2つの支柱、またはリンクが1つのリング上の該クラウンおよび支柱を隣接するリング上の該クラウンおよび支柱に接続する、1つのリング上のクラウンおよび隣接する支柱、ならびに隣接するリング上のクラウンおよび隣接する支柱とを二等分する、少なくとも1つの分離領域は、変形可能であるが、変形後に無傷のままである、および/または変形後ならびに不連続性の形成後、生理学的環境内のステントの拡張前、ステントが圧着構成から拡張構成まで拡張されているとき、もしくはステントの拡張後に、無傷のままであり得る。典型的には、分離領域は、二等分された分離領域をともに保持する、および/または少なくとも1つまたはそれを上回るリングの周囲もしくはステントの周囲に連続円周方向経路を形成する、生分解性材料および/または接着剤を備え、生理学的環境内のステントの拡張後に、少なくとも1つの不連続性、好ましくは、2つの隣接するリングに1つの不連続性を備える、少なくとも2つの不連続性を形成するように構成される。ある場合には、分離領域は、ステントが圧着構成から拡張構成まで拡張可能であるときに部分的に分離するが、ステントの軸方向および円周方向構造完全性を維持する。好ましい実施例では、該少なくとも1つの不連続性の形成後に少なくとも1つの分離領域を含有する、少なくとも1つのリンクは、2つの隣接するリング上に支柱および/またはクラウンを備える、該二等分された構造要素に接続されたままである。典型的には、少なくとも1つのリンクは、2つの場所で2つの二等分されたリングのそれぞれに接続される。典型的には、全ての不連続性の形成後の少なくとも1つのリンクは、2つまたはそれを上回る円周方向に分離されたリングを軸方向に接続したままである。別の実施例では、不連続性の形成後の少なくとも1つのリンクはまた、1つまたはそれを上回る場所で軸方向に分離するように構成されてもよい。ステントの送達中および/または拡張中に、ステントの可撓性および送達可能性を増加させるように変形可能な分離領域を有することが、望ましくあり得る。他の利点は、拡張に応じて、または拡張後に、ステントの長さの変化を最小限にすること、もしくはステントの短縮を最小限にすることである。
【0271】
別の好ましい実施例では、少なくとも1つの分離領域は、少なくとも1つのリンクと、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、リンクが該クラウンを接続する、隣接するリング上の2つのクラウン(ヒンジ領域)、リンクが該クラウンおよび支柱を接続する、1つのリング上の1つのクラウンおよび隣接するリング上の支柱、該リンクが該支柱を接続する、隣接するリング上の2つの支柱、またはリンクが1つのリング上の該クラウンおよび支柱を隣接するリング上の該クラウンおよび支柱に接続する、1つのリング上のクラウンおよび隣接する支柱、ならびに隣接するリング上のクラウンおよび隣接する支柱とを二等分し、リンクは、非分解性材料からパターン化され、不連続性の形成後に無傷のままである。別の実施例では、不連続性の形成後の該少なくとも1つのリンクは、2つの隣接するリングの間の軸方向接続を維持するが、該2つの隣接するリングを円周方向に分離する。別の実施例では、該少なくとも1つのリンクは、非分解性材料から形成され、不連続性の形成後に無傷のままであり、2つの隣接するリングの間の軸方向接続を維持するが、該2つの隣接するリングを円周方向に分離する。
【0272】
別の好ましい実施例では、ステント補綴具は、2つまたはそれを上回る円周方向リングと、該2つのリングを接続する少なくとも1つの軸方向リンクとを備える、構造要素を備え、該少なくとも2つの隣接するリングは、該隣接するリングを分離する、該2つのリングの円周方向経路の少なくとも一部の中の該2つのリングの間に間隙を有し、少なくとも1つのリンクは、該間隙の少なくとも一部の中で該2つの隣接するリングを接続し、少なくとも1つの分離領域は、少なくとも1つの該リンクと、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、リンクが該クラウンを接続する、隣接するリング上の2つのクラウン、リンクが該クラウンおよび支柱を接続する、1つのリング上の1つのクラウンおよび隣接するリング上の支柱、該リンクが該支柱を接続する、隣接するリング上の2つの支柱、またはリンクが1つのリング上の該クラウンおよび支柱を隣接するリング上の該クラウンおよび支柱に接続する、1つのリング上のクラウンおよび隣接する支柱、ならびに隣接するリング上のクラウンおよび隣接する支柱とを二等分し、分離領域は、該2つの隣接するリングを二等分し、軸方向リンクは、該2つのリングの間の間隙に沿って該リングを接続する。
【0273】
分離領域は、実施例の多くでは、レーザ切断によって形成され、2つの部品の間にレーザカーフおよび後続の電解研磨によって形成される間隙をもたらし、分離領域を形成する。間隙は、次いで、結合剤で充填される。間隙を有することは、分離領域部分をともに接合することに役立つ一方で、典型的には、相互と密接に接触している2つの金属部分は、より少ない接合強度または完全性を有する傾向がある。間隙は、耐久性および強度等の特性のために、または材料の体積を最小限にするように構成され得る、種々の接合線厚さを可能にする。間隙を充填するために使用される材料は、拡張に応じたステントの完全性、接合領域の強度、製造可能性、または性能の一貫性等の他の理由により、構成されることができる。因子は、ポリマータイプ、ポリマー溶液の濃度、および溶媒タイプ(ならびに結果として生じる粘度)、ならびに適用方法を含み、表面粗度は、接合強度を向上させることができる。例えば、PLLAベースのポリマーが、分離領域を接合するために使用されてもよい。ポリマー溶液は、好ましくは、0.1~20mg/mL、より好ましくは、0.5~5mg/mL、最も好ましくは、1~3mg/mLの濃度に調製される。ポリマーは、超音波スプレーノズル(1.2Wの超音波設定、70μL/分のポンプ率、3psiのエアシュラウドに設定されるSono-tek Medicoat等)を使用して適用される、または浸漬コーティングされてもよい。
【0274】
代替として、接合線は、手動シリンジディスペンサまたは自動流体分注方法を使用して、ポリマー溶液で充填されてもよい。
【0275】
分離領域の長さおよび幾何学形状は、要求される材料の量がまた、上記に議論されるように接合線内および分離領域の周囲の両方でも最適化されるように、設計される。例えば、分離領域をともに保持するために要求されるステントの内面および外面上のコーティング厚さは、わずか2~50ミクロン、より好ましくは、2~15ミクロンであってもよい。接合線自体は、長さおよび厚さを有し、例えば、長さが0.5~7mm、好ましくは、長さが0.9~5.5mm、より好ましくは、長さが1.4~3.7mm、厚さが60~90ミクロン、または接合の各側面上の表面積が0.03~0.7mmである。
【0276】
図37A-37Bに示されるステントは、全ての分離領域が不連続性を形成した後に単一のループまたはリングを形成し、潜在的利点を提供することが理解され得る。1つの利点は、ステントの一部が遊離される可能性の減少であり得る。製造可能性もまた、部品を組み立てるために要求される、より少ない小型部品が存在するため、改良され得る。
【0277】
好適な接着剤、ステント材料、スリーブ材料、コーティング、およびセメントの別の実施例では、限定ではないが、ポリラクチド、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(D-ラクチド)、ポリ-DL-ラクチド、ポリグリコリド、ポリラクチド-co-グリコリド(例えば、85%L-ラクチド対15%グリコリドを伴うポリ(L-ラクチド-co-グリコリド))、ポリ(L-ラクチド-co-イプシロン-カプロラクトン)のコポリマー(例えば、約50~約95%L-ラクチド対約50~約5%カプロラクトンの重量比)、ポリ(L-ラクチド-co-トリメチレンカーボネート)、ポリトリメチレンカーボネート、ポリ(グリコリド-トリメチレンカーボネート)、ポリ(ラクチド-グリコリド-トリメチレンカーボネート)、または同等物、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸)およびポリ(4-ヒドロキシ酪酸)等のポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリヒドロキシ酪酸/ポリヒドロキシ吉草酸コポリマー(PHV/PHB)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリイミノカーボネート、チロシン由来ポリカーボネート、チロシン由来ポリアクリレート、ヨウ化および/または臭素化チロシン由来ポリカーボネート、ヨウ化および/または臭素化チロシン由来ポリアクリレートポリエステルアミド、ポリカーボネートコポリマー、ポリ(フマル酸プロピレン-co-エチエレングリコール)コポリマー(別名フマル酸無水物)等のラクトンベースのポリマー、ポリ無水物エステル、ポリオルトエステル、シルクエラスチンポリマー、ポリホスファゼン、脂肪族ポリウレタン、ポリヒドロキシ酸、ポリエーテルエステル、ポリエステル、ポリデプシペプチド、ポリ(アルキレンオキサラート)、ポリアスパラギン酸、ポリグルタル酸ポリマー、ポリ-p-ジオキサノン、ポリ-ベータジオキサノン、非対称3,6-置換ポリ-1,4-ジオキサン-2,5-ジオノン、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、ポリデプシペプチド(グリシン-DL-ラクチドコポリマー)、ポリジヒドロピラン、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、ポリ-ベータ-マレイン酸(PMLA)、ポリアルカノエート、ポリ-ベータ-アルカン酸、エラスチン、フィブリン、コラーゲン、糖タンパク質、ゼラチン、またはペクチン等のタンパク質、ポリ-セリン、ポリカプロラクタム、シクロデキストリン、キトサンおよびヒアルロナン等の多糖類、アルギン酸塩、ポリケタール、脂肪酸ベースのポリ無水物、アミノ酸ベースのポリ無水物、ポリ(エステル無水物)、または同等物、およびそれらの組み合わせを含む。
【0278】
他の実施例では、キーおよびロック接合点タイプは、接合点を包絡し、スリーブが無傷のままである、および/または実質的に無傷ならびに/もしくは分解されていないままであるが、接合点を開放および解放するために経時的に生理学的環境内で分解する一方で、接合点が完全および/または部分的に解放ならびに/もしくは開放しないように防止する、上を覆うスリーブまたは類似外部構造によって、ともに保持される、ならびに/もしくは固定化される。
【0279】
なおも他の実施例では、円周方向リングの支柱内に位置する分離領域は、支柱内の突き合わせ継手、切り欠き、または薄膜化領域、支柱内で優先的に浸食もしくは疲労する、支柱内の修正された粒界および同等物、または本明細書の他の場所で説明される他の具体的分離領域のうちのいずれかを備えてもよい。
【0280】
本発明の管腔内補綴具のさらなる具体的実施例では、足場は、金属または他の非分解性材料からパターン化される円周方向リングを備え、足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成される。これらの実施形態では、円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、クラウンによって継合される複数の支柱を備え、支柱のうちの少なくともいくつかは、経時的に生理学的環境内で分解するであろうスリーブまたは接着剤によって固定化される、例えば、パターン化されると、もしくはパターン化された後に、支柱にわたってレーザまたは別様の切断によって形成される、支柱の構造の切れ目として事前形成される、少なくとも1つの分離領域を有する。
【0281】
分離領域実施例は、本明細書で前述に説明されたもののうちのいずれかであってもよいが、好ましい分離領域実施例は、支柱が拡張中にともに保持され、および/または実質的にともに保持され、もしくは固定化され、生理学的環境内で初期拡張後に開放するように構成される、キーおよびロック接合点を備える。キーおよびロック接合点タイプは、本実施例では、継手が遊離した後のみ、支柱の継合された区画が半径方向に相互から分離することを可能にするように構成されてもよい。代替として、キーおよびロック接合点は、接合点が遊離した、すなわち、開放された、または束縛から解放された後に、支柱の継合された区画が半径方向および軸方向の両方で相互から分離することを可能にするように構成されてもよい。両方の場合に、キーおよびロック接合点は、支柱区画の芽接表面をともに保持し、またはともに接近して保持し、生理学的環境内で分解する、セメントまたは接着剤もしくはスリーブまたはコーティングによって最初に固定化されてもよい。代替として、キーおよびロック接合点によって継合される支柱区画は、生理学的環境内で分解する、上を覆うスリーブによって固定化されてもよい。そのような接合点は、圧着構成から拡張構成までの展開に応じて、1つまたはそれを上回る方向への移動を制限もしくは実質的に制限する(好ましくは、軸方向への移動を実質的に制限する)ように、固定化される、実質的に固定化される、ともに保持される、実質的におよび/またはともに保持される。そのような接合点の固定化は、ポリマー、スリーブ、または接着剤等の材料を使用して、もしくは接合点設計の構成によって、達成される。
【0282】
好ましい実施例では、本発明におけるステント(足場)補綴具は、略管状の本体から形成される(該管状本体は、好ましい実施例では、孔および/または不連続性を実質的に含まない)。ステントは、圧着構成から拡張して展開されたより大きい構成までの半径方向拡張が可能な構造要素を備える。構造要素は、好ましい実施例では、複数の円周方向リングを備え、該リングは、クラウンによって継合される(接続される)支柱を備える。該リングのうちの少なくともいくつかは、隣接するリングに接続される。ステントは、好ましい実施例では、バルーン送達システムまたは送達システム上に圧着されることができる(随意に、スリーブによって圧着構成で束縛される)。ステントは、好ましい実施例では、バルーン展開型および/または自己拡張式ステントである。ステント補綴具はまた、ワイヤまたは繊維(円形もしくは略円形、正方形もしくは略正方形、長方形もしくは略長方形、および/または他の形状)から形成されることもでき、ワイヤまたは繊維は、圧着構成から展開されたより大きい構成までの半径方向拡張が可能なステントにパターン化される。ステントはまた、中空もしくは部分的に中空のワイヤ(ワイヤまたは繊維内に中空領域を有する)または繊維から形成されることもでき、中空もしくは部分的に中空のワイヤまたは繊維は、圧着構成から展開されたより大きい構成までの半径方向拡張が可能なステントにパターン化される。ステントパターンは、好ましい実施例では、蛇行リング、ジグザグリング、菱形、織込および/またはメッシュパターン、閉鎖セル設計、開放セル設計、ならびに/もしくはそれらの組み合わせであることができる。好ましくは、展開構成時のステント形状は、略管状(円筒形)、テーパ状ステント、砂時計形ステント、および/または他の形状である。リング、クラウン、支柱、寸法(長さ、厚さ、湾曲の角度、幅)は、ステントが展開(拡張)し、上記の種々の形状を有することを可能にするように構成される。
【0283】
当業者は、哺乳類の体内の円形もしくは他の形状を備える弁、および/または他のタイプの管腔、導管、輪、空洞、洞等の管腔内補綴具、外側管腔補綴具、輪補綴具等のステント補綴具が埋め込まれる、種々の哺乳類身体用途を横断する補綴具への本願の全体を通した実施形態および/または実施例の適用可能性を理解するであろう。
【0284】
一実施例では、ステント補綴具は、大動脈および/または僧帽弁ならびに/もしくは三尖弁等の弁を備え、ステント補綴具は、拡張可能ステント補綴具(バルーン拡張型または自己拡張式)を備え、例えば、クラウン(および/または、例えば、複数のリングを含む)によって継合される支柱、または他のタイプのステント等のステント円周方向構造要素は、管、ワイヤ、シート、もしくは1つまたはそれを上回るワイヤから形成される編組ステントから形成され、ステントは、開放セル設計パターン、閉鎖セル設計パターン、または開放セルおよび閉鎖セルパターンの組み合わせ、もしくはその他に構成され、ステント補綴具は、NiTi等の形状記憶合金、および/またはステンレス鋼316LもしくはL605等の非分解性金属または金属合金、もしくは本願に説明される他の材料、またはその他を備え、ステントの少なくとも1つのリングまたは少なくとも1つの区画(近位区画、中間区画、および/または遠位区画、ならびに/もしくは区画内の領域)の中の少なくともいくつかの支柱(但し、クラウン、円周方向リンク/コネクタ、組み合わせでもあり得る)は、身体弁輪内、その中、または周囲、もしくは上方、またはそれに隣接するステント補綴具の展開後に、離脱するように構成される、および/または1つまたはそれを上回る方向または移動パターンで変位(もしくは移動)を有するように構成される、ならびに/もしくは半径方向歪みを有するように構成される、および/または半径方向収縮ならびに拡張を有するように構成される、もしくは内部収縮および/または拡張を有するように構成される、ならびに/もしくは上部収縮および/または拡張を有するように構成される、本願の全体を通して説明されるような接合点、架橋要素、継手、不連続性、ならびに/もしくは分離領域のうちの少なくとも1つまたはそれを上回るものを有し、変位の規模(または半径方向歪みの規模、もしくは収縮の規模、またはさらなる拡張の規模、もしくは移動の規模)は、0.05mm~10mmに及び、好ましくは、0.1~7mmに及び、好ましくは、0.2mm~5mmに及び、より好ましくは、0.3mm~3mmに及び、変位または半径方向歪み移動は、以下のうちの少なくとも1つまたはそれを上回るもの、すなわち、半径方向、円周方向、縦方向、上部方向、下部方向、弁尖閉鎖方向、輪(もしくは管腔)収縮および/または拡張方向、もしくはそれらの組み合わせにあり、ステント補綴具は、ステント補綴具が埋め込まれる生体構造に共形化するように、略円筒形、縦長、輪形状、サドル形状、円形、または他の形状であり、分離領域、接合点、架橋要素、間隙、継手は、不連続性を形成し、および/または少なくとも1つまたはそれを上回る構造要素が、(形成されると、埋込前に、ならびに/もしくは埋込後に)円周方向、半径方向、および/または縦方向、もしくはそれらの組み合わせ等の1つまたはそれを上回る方向への移動(変位)を有することを可能にし、ステント補綴具は、開放した状態で埋込部位(弁輪、空洞を含む)を支持する(保持または維持することを含む)ために十分な強度を有し、および/または定位置で埋め込まれたステント補綴具と関連付けられる構造(展開されると、または展開後に、ステント補綴具と関連付けられる弁ならびに/もしくはシースを含む)を保持する(維持することを含む)ために十分な強度を有し、ステント補綴具は、展開(圧着構成から拡張されたより大きい構成までの拡張)に応じて、開放した状態で、および/または定位置で、弁輪ならびに/もしくは関連付けられるステント弁を支持するために十分な強度を有し、該不連続性および/または移動は、ステント補綴具もしくはステント補綴具構造要素の少なくとも1つまたは少なくともいくつかの区画の少なくとも1つまたは少なくともいくつかの領域の離脱、変位、収縮、ならびに/もしくはさらなる拡張を可能にし、および/または該不連続性ならびに/もしくは移動(変位)は、ステント補綴具またはステント補綴具構造要素の少なくとも1つもしくは少なくともいくつかの区画の少なくとも1つもしくは少なくともいくつかの領域の拡張および/または収縮を可能にし、ならびに/もしくは該不連続性および/または移動は、ステントならびに/もしくはステントの少なくとも1つまたは少なくともいくつかの領域が、あまり剛性ではない(円周方向、半径方向、縦方向、もしくはそれらの組み合わせ等、少なくとも1つまたはそれを上回る方向でより柔軟であること(半径方向歪み)を含む)ことを可能にする。
【0285】
好ましい実施例では、分離領域、接合点、架橋要素、間隙、継手は、ステント(またはステントの少なくともいくつかの領域もしくは区画)が展開後に十分な強度を有することを可能にし、ステント補綴具の少なくともいくつかの領域または区画(該ステント領域の円周方向領域を含む)が、離脱すること、生理学的条件下でより柔軟であること(半径方向歪み)、生理学的条件下で拡張および/または収縮すること、ならびに/もしくはステント(弁を含む)埋込後に血液漏出を防止する(最小限にする、低減させることを含む)ことを可能にする、パターンで設置される(位置することを含む)。血液漏出の防止は、少なくともいくつかの領域の中にステントを存在させ、および/またはより柔軟にさせ(あまり剛性ではないことを含む)、生体構造が生理学的条件下で移動する、もしくは形状を変化させるにつれて、少なくとも該領域中のステントを、ステントが埋め込まれる生体構造に共形化可能にさせる(より動的に柔軟にさせる)ことによって、最小限にされることができる。血液漏出の防止は、埋込に応じて、または埋込後に起こり得る。分離領域、接合点、架橋要素、間隙、継手は、少なくとも1つのリング、またはステントの近位区画等のステント補綴具の少なくとも1つの区画の少なくともいくつかの領域、弁を保持する区画等のステントの中間区画、および/またはステントの遠位区画、ならびに/もしくはステント補綴具の3つ全ての区画の中に設置されることができる。随意に、ステント補綴具の少なくとも1つの領域または区画を囲繞するシースは、対応する不連続性、および/またはシース領域に隣接するステント補綴具の移動に応答する(輪郭形成する、拡張する、適合することを含む)ように構成されることができる。シースは、拡張および/または収縮において、もしくは他の方法で、隣接するステント領域に適合することが可能である、分離領域、接合点、架橋要素、間隙、継手、および/またはシースを有する、ステント様構造から構成ならびに/もしくはされることができる。好ましい実施形態または実施例では、少なくとも1つのリングの中または少なくともいくつかの領域(好ましくは、ステント全体)の中のステント補綴具は、埋込後に十分な強度を維持し、他の実施例では、ステント補綴具強度は、30日~3年に及んで、好ましくは、3ヶ月~2年に及んで、より好ましくは、6ヶ月~2年に及んで、埋込後に経時的に減少する。本他の実施例では、残留強度が、説明される機能のうちの1つまたはそれを上回るものおよび/または他の機能を果たすために十分な強度であるか、または少なくともいくつかの領域(もしくはステント全て)の中のステント補綴具が、該時間周期範囲にわたっていかなる残留強度も有していないであろうかのいずれかである。
【0286】
一実施例では、弁置換または修復のためのステント補綴具であって、ステントは、略円筒形であり、またはステントが埋め込まれる輪に共形化する他の形状を有し、ステントは、管、ワイヤからパターン化され、または編組され、ステントは、バルーン展開型または自己拡張型であり、ステントは、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張し、開放した状態で輪を保持するために(または輪を支持するために)拡張されたより大きい構成時に十分な強度を有するように構成される。ステント補綴具は、随意に、該ステント補綴具に結合される弁(二尖または三尖弁)を備える。ステント補綴具は、随意に、ステント補綴具および/または人工弁に結合されるステント補綴具の反管腔側ならびに/もしくは管腔表面領域等の少なくとも1つの表面領域上に少なくとも1つのスカートを備える。少なくとも1つのスカートはまた、一実施例では、反管腔側および/または管腔表面領域に織り込まれることもできる。少なくとも1つのスカートは、別の実施例では、反管腔側および/または管腔表面領域上で、ステント補綴具の近位区画、ステント補綴具の遠位区画、ステント補綴具の中間区画、ならびに/もしくはステント区画全体等のステント補綴具の少なくとも1つの区画に結合されることができる。少なくとも1つのスカートは、一実施例では、ステント補綴具埋込後に膨張する、または血液で充填するように構成される、パウチを有することができる。一実施例では、ステントは、分離領域、不連続性、架橋要素、接合点、継手、間隙のうちの少なくとも1つまたはそれを上回るものを有するステントの少なくとも1つの区画(もしくは領域)を有し、ステント補綴具の拡張後に、離脱および/または以下のうちの1つまたはそれを上回るものにおけるより高い変位、すなわち、より高い歪み、より高い変位、より高い収縮性ならびに/もしくは拡張性、より良好な弁閉鎖、より少ない弁漏出、心臓が拡張されるときの弁閉鎖のより良好な適応を可能にするように構成され、少なくとも1つの区画および/またはステントの中の該変位は、ステントのステント半径方向、ステント円周方向、ステント縦方向、ステントの上部方向に向かって、ステントの下部方向に向かって、ならびに/もしくは僧帽弁輪に適応するサドル形状方向等の他のタイプの方向または移動のうちの1つまたはそれを上回るものにおいて起こる。少なくとも1つまたはそれを上回る分離領域、不連続性、継手、接合点、架橋要素、間隙等は、要求される移動(もしくは変位)を提供するように、所望のステント、ステント区画、またはステント領域に沿って構成される(または位置付けられる、もしくは位置する、または設置される)。そのような離脱および/または変位特徴の設置場所の実施例は、合成弁に隣接するステント区画(もしくは領域)、少なくとも1つの領域中で合成弁に少なくとも部分的に取り付けられる、ステント補綴具の中間区域内の設置、ステント補綴具の遠位区域内の設置、ステント補綴具の近位区域内の設置、ステント補綴具の少なくとも1つの区画の少なくとも1つの側面上の設置、例えば、円筒形ステントの中のステント補綴具の少なくとも1つの区画の一方の半分の側面上の設置(一方で該区画の他方の半分は、そのような離脱特徴を含まない)、またはそれらの組み合わせを含む。少なくとも1つの区画は、一実施例では、0.1mm~10mmに及ぶ、好ましくは、0.2mm~7mmに及ぶ、より好ましくは、0.35mm~7mmに及ぶ、少なくとも1つの方向への変位規模を有する。ステント補綴具は、随意に、強度、支持、または他の機械的性質を主要ステント補綴具構造要素にさらに提供する、支持特徴(ステント補綴具リング内のクラウンによって継合される付加的支柱等)を有する。支持特徴は、離脱特徴を有し得る、または離脱特徴を含まなくてもよい。ステント補綴具は、本実施例では、拡張後に、生理学的条件下で、隣接するステント区画(もしくは領域)またはステント留置区画と比較して、ステント補綴具の少なくとも1つのステント区画(もしくは領域)内で、より高い(またはより大きい、もしくは増加した)半径方向歪み(もしくはコンプライアンス)、より大きい(またはより高い、もしくは増加した)変位、より高い(もしくは増加した)コンプライアンス、より大きい収縮および/または拡張のうちの1つまたはそれを上回るものを提供しながら、身体輪を支持するために(または開放した状態で身体輪を維持するために、もしくは定位置で身体輪の中にステントを保持するために)拡張構成時に十分な強度を有する。
【0287】
一実施例では、長さ、幅、および厚さを有するインプラントは、身体管腔または身体輪に隣接して(または身体管腔内もしくは身体輪内で)取り付けられ(または定位置で保持され)、インプラントは、拡張可能補綴具と結合される(またはそれに取り付けられる)ように構成され、インプラントおよびステント補綴具のうちの少なくとも1つは、インプラントおよび/またはステントの少なくとも1つの区画もしくは領域上に、分離領域、接合点、継手、ヒンジ、架橋要素、間隙のうちの1つまたはそれを上回るものを有するように構成され、インプラントおよび/またはステントの少なくとも1つの区画もしくは領域が、生理学的条件下で、該インプラントまたはステント補綴具の隣接する区画(もしくは領域)よりも大きい、1つまたはそれを上回る方向への変位を有することを可能にする。
【0288】
一実施例では、長さ、幅、および厚さを有するインプラントが、身体管腔または身体輪に隣接して(または身体管腔内もしくは身体輪内で)取り付けられ(または定位置で保持され)、インプラントは、人工(または天然)弁と結合される(または取り付けられる)ように構成され、インプラントの少なくとも1つの区画または領域は、分離領域、接合点、継手、ヒンジ、架橋要素、間隙のうちの1つまたはそれを上回るものを有するように構成され、インプラントの少なくとも1つの区画または領域が、該インプラントの隣接する区画(もしくは領域)よりも大きい、1つまたはそれを上回る方向への変位を有することを可能にし、該変位は、弁が生理学的条件下で動作すること(または機能すること、もしくは開閉すること)を可能にするように構成される、または弁が、弁の機能を留保して、輪もしくは変形した輪に共形化(または輪郭形成)することを可能にする(または増進する)。
【0289】
別の実施例では、ステント補綴具は、形状記憶材料から形成され、またはばね(もしくはコイル)材料から形成され、1つまたはそれを上回るワイヤから編組パターンにパターン化され、または管から閉鎖セル設計もしくは開放セル設計にパターン化され、またはワイヤから閉鎖セル設計もしくは開放セル設計にパターン化され、またはそれらの組み合わせであり、ステントは、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで自己拡張可能であり、身体輪を支持するために十分な強度を有し、ステント補綴具は、弁に結合され、該ステントは、結合された弁の遠位にある、近位にある、またはそれに隣接する、少なくとも1つの区画の中で、分離領域、接合点、ヒンジ、不連続性のうちの1つまたはそれを上回るものを有し、拡張および不連続性の形成後(または離脱後)の該区画は、ステントが拡張構成である間に、より低い外向き半径方向力を有するが、公称または最大拡張直径力よりも小さい、好ましくは、最大拡張直径外向き力よりも5~15%小さい、より好ましくは、公称または最大拡張直径外向き力よりも15%~75%小さい。
【0290】
好ましい実施例では、拡張後に不連続性を形成する、少なくとも1つまたはそれを上回る分離領域を有する、ステント補綴具の一実施例における複合半径方向歪み/コンプライアンス(または圧力もしくはニトログリセリン等の治療薬下の血管拡張)は、生理学的条件またはシミュレーションされた生理学的条件下で、1%~10%もしくは1%~5%に及び、好ましくは、1.5%~4%に及び、および/または0.03mm~3mmに及ぶ、好ましくは、0.05mm~0.15mmに及ぶ、もしくはより好ましくは、0.07mm~0.15mmに及ぶ、または最も好ましくは、0.1mm~0.3mmに及ぶ直径変化を有する。分離領域のパターンは、例えば、ステント補綴具が埋め込まれる生体構造に適合し、そのような生体構造および/または動的移動の力に適応するように構成されることができ、それによって、離脱する、または円周方向面から軸方向平面に及ぶ、および/またはその間である、ならびに/もしくは半径方向への移動(および/または拡張等)を可能にする、1つまたはそれを上回る平面を備える。当業者は、開放セル設計、閉鎖セル設計、コイル設計、または織成ステントパターン等を含む、バルーン拡張型ステントおよび/または自己拡張式ステントへのこれらの実施形態の適用を理解するであろう。別の実施例では、ステント補綴具は、本願に説明される他の手段を組み込むことによって、展開に応じて、または展開後に、離脱する、および/または移動を可能にする、ならびに/もしくはさらに拡張する、および/またはより高い半径方向歪み(コンプライアンス)を有する、ならびに/もしくはその他である。
【0291】
多くの事例において、ステント補綴具等のインプラントが、弁もしくはその他等の機能不全構造を開放するように、開放した状態で保持するように、定位置で保持するように、支持するように、修復および/または置換するように埋め込まれる、好ましい実施形態もしくは実施例では、そのような事例におけるステントは、動脈、静脈、導管、弁輪、洞、空洞、および/または他の哺乳類身体管腔等の種々の生体構造に埋め込まれ、そのような動脈、静脈、導管、弁輪、洞、空洞、および/または他の哺乳類身体管腔は、通常、圧力、脈動圧力(収縮期および拡張期)、1つまたはそれを上回る平面/方向での移動(もしくは変位)、該管腔もしくは輪の成形および/または再成形、拡張ならびに/もしくは収縮、1つまたはそれを上回る平面/方向からの力等の種々の生理学的条件を受けており、インプラントは、機能不全構造を開放し、開放した状態で保持し、支持し、修復および/または置換するために、少なくとも埋込に応じて十分な強度を有することが所望され、同時に、および/または埋込後に経時的に、インプラント/ステントは、移動(変位)、力、拡張および/または収縮、管腔の成形もしくは再成形等の生理学的条件に少なくとも部分的に従い(適応ならびに/もしくは共形化し)、それによって、インプラントの機能およびステント支持体(またはステント内に含有される弁)の完全性を留保する能力を有することが所望される。本願の全体を通して説明されるインプラント補綴具は、動脈、静脈、導管、空洞、輪、および/または他の身体管腔が、該移動(変位)、拡張ならびに/もしくは収縮、力、および/または管腔の成形もしくは再形成のうちのいくつかを少なくとも部分的に回復させる(または少なくとも部分的に適応する、もしくはそれに従う)ことを可能にし、それによって、インプラントの不要な効果を低減させ、および/または防止し、それによって、管腔の狭小化および/または再狭小化、再狭窄、血液漏出、閉塞、血栓形成,狭心症、虚血、動脈瘤等の不要な有害事象を低減させ、ならびに/もしくは防止し、本願の全体を通して説明されるようなステントは、少なくとも1つまたはそれを上回る領域および/または少なくとも1つの区画(ならびに/もしくはステント全体)が離脱することを可能にし、移動すること、拡張すること、さらに拡張すること、展開/拡張構成からさらに拡張すること、および/または展開構成から新しい構成に形成もしくは再成形すること、拡張および/または収縮すること、管腔(および/またはステントが埋め込まれる生体構造)の天然半径方向歪み(コンプライアンス)により近い半径方向歪み(コンプライアンス)を有すること、展開半径方向歪み/コンプライアンスの直後(またはある場合には、不連続性を形成する前)よりも高い半径方向歪み(コンプライアンス)を有すること、管腔(輪、空洞等)生理学的条件(動的移動/変位、および/または動的力、ならびに/もしくは動的拡張および/または収縮、ならびに/もしくは動的成形および/または再成形を含む)のうちの少なくともいくつかに適応すること、および/またはインプラント部位の生理学的条件に対するインプラント(ステント)の抵抗を減少させること、ならびに/もしくは脆弱なプラーク等の潜在的な有害プラークから身体管腔を保護する、血管管腔を保護する、身体管腔を支持する、および/または血管管腔を支持するために展開後(もしくは不連続性の形成後に)十分なステント構造を提供することを可能にする。不連続性の形成後のステントは、不連続性の形成後および/または展開後に半径方向強度を有し得る、またはいかなる半径方向強度も有し得ない、十分なステント構造を維持する。
【0292】
好ましい実施例では、ステント補綴具は、高い半径方向強度(例えば、ステントの展開に応じて身体管腔を支持するために十分な)非分解性材料から形成され、および/またはそれを備え、材料は、好ましくは、金属または金属合金であるが、ポリマーまたは展開に応じて高い半径方向強度の他の材料であることもできる。好ましい実施例では、非分解性材料は、身体管腔内(または生理学的条件下)の埋込から少なくとも5年以内に分解しない、好ましくは、身体管腔内(または生理学的条件下)の埋込から少なくとも10年以内に分解しない、より好ましくは、埋込から少なくとも20年以内および/または埋込から少なくとも50年以内に分解しない。非分解性金属または金属合金の実施例は、限定ではないが、以下、すなわち、304ステンレス鋼(304Vおよび304Lを含む)、316ステンレス鋼(316Lおよび316LVを含む)、30%~80%に及ぶFe重量%を有するステンレス鋼合金等のステンレス鋼合金、L605、MP35、25%~60%に及ぶCo重量%を有するコバルト合金を含む、コバルトクロム等のコバルト合金、25%~40%に及ぶPt重量%を有する白金合金を含む、白金合金、15%~25%に及ぶクロム重量%を有する合金を含む、合金中にクロムを有する金属合金、Mo-Reベースの合金s(Icon-Nuloy合金を含む)、タンタルおよびタンタル合金、金および金合金を含む。タングステンおよびタングステン合金ならびに/もしくは銀および銀合金は、腐食性(分解性)金属である。
【0293】
用語「腐食性」および「分解性」は、本願では同義的に使用される。
【0294】
別の実施例では、拡張可能ステントは、分離領域および/または本願の全体を通して説明されるような他の構成を有し、ステントの少なくともいくつかの領域は、展開後に不連続性を形成し、展開に応じて、もしくは展開後に離脱し、さらに拡張し、より高い(もしくは増加した)半径方向歪みを有し、インプラント部位または管腔に対するより少ない抵抗を可能にし、ならびに/もしくは埋込後に強度減少を有し、分離領域(および/または他の構成)の少なくとも該領域は、ステントの展開後に、ならびに/もしくは不連続性を形成した後に、拡張後にステント補綴具構造要素内でそれらの位置を実質的に維持する、ステント補綴具構造から外向きに突出する(または移動する)、ステント補綴具構造から内向きに突出する(または移動する)、ステント補綴具に隣接する方法(または方向)で移動する、および/または上記の組み合わせである。
【0295】
別の実施例では、本願の全体を通して説明される実施例のうちのいずれかの中のステント補綴具であって、展開に応じたステント補綴具は、身体管腔を支持する(および/または身体管腔(開放した弁等)を維持しながら弁を定位置で保持する)ために十分な強度を有し、強度は、展開後に(および/または不連続性を形成した後に)実質的に維持される。別の実施例では、展開後の強度は、30日以内、好ましくは、3ヶ月以内、より好ましくは、1年以内に段階関数的に減少する(または強度は、展開後に段階関数として減少する、および/または強度は、不連続性を形成した後に減少する)。さらに別の実施例では、展開後の強度は、展開後(および/または不連続性を形成した後)、30日以内、好ましくは、3ヶ月以内、より好ましくは、1年以内に、段階的様式で減少する、ならびに/もしくは線形減衰様式で減少する。さらに別の実施例では、展開後(および/または不連続性を形成した後)のステント補綴具強度は、減少し、該減少した強度は、身体管腔を支持する(および/または定位置で構造を保持する、ならびに/もしくは開放した状態で管腔または輪を保持する)ために十分である。さらに別の実施例では、展開後(および/または不連続性を形成した後)のステント補綴具強度は、減少して停滞期に到達し、該停滞期強度は、身体管腔を支持する(および/または定位置で構造を保持する、ならびに/もしくは開放した状態で管腔または輪を保持する)ために十分である。さらに別の実施例では、展開後(および/または不連続性を形成した後)のステント補綴具強度は、減少するが、ゼロに到達しない。さらに別の実施例では、展開後(および/または不連続性を形成した後)のステント補綴具強度は、1ヶ月以内、3ヶ月以内、ならびに/もしくは1年以内にゼロまで減少する。好ましい実施例では、初期強度と比較して減少した強度を有するが、その強度よりも大きい、またはゼロ強度を有する、ステントは、身体管腔を支持するために十分な円周方向構造を維持する(もしくは有する)。
【0296】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、好ましくは、ステント補綴具は、非分解性金属または金属合金等の非分解性材料を備え、および/またはそれから形成され、圧着構成から拡張されたより大きい構成までの展開に応じたステント補綴具は、圧着構成から拡張構成/直径まで展開/拡張されたときに、わずかな内向き反跳、好ましくは、ゼロの内向き反跳~わずかな内向き反跳、好ましくは、ゼロの内向き反跳~6%内向き反跳、より好ましくは、ゼロの内向き反跳~10%内向き反跳を有する。別の実施例では、展開後((該当する場合)初期反跳後)のステント補綴具は、展開後の30日以内に、好ましくは、展開後の60日以内に、より好ましくは、展開後の3ヶ月以内に、拡張構成からの実質的にゼロの内向き反跳~3%内向き反跳を有する(好ましくは、実質的にゼロの内向き反跳を有する)。別の実施例では、圧着構成から拡張されたより大きい構成までの展開後((該当する場合)初期反跳後)および/または不連続性を形成した後のステント補綴具は、(自然に、または補助なしで)より大きい構成までさらに拡張する、反跳後の拡張構成よりも大きい、より大きい構成までさらに拡張する、ならびに/もしくは(初期反跳前の)展開構成よりも大きい、より大きい構成までさらに拡張する。ステント補綴具は、本実施例では、展開および/または埋込から360日以内、好ましくは、270日以内、より好ましくは、6ヶ月以内、より好ましくは、3ヶ月以内、最も好ましくは、1ヶ月以内にさらに拡張する。別の実施例では、展開後および/または不連続性を形成した後のステント補綴具は、展開後の1ヶ月以内、好ましくは、展開後の3ヶ月以内、より好ましくは、展開後の6ヶ月以内、最も好ましくは、展開後の1年以内に、((該当する場合)初期反跳後の)展開直径/構成の2%~15%の全規模だけ、好ましくは、((該当する場合)初期反跳後の)展開直径/構成の3%~10%の全規模だけ、またはより好ましくは、展開直径/構成の4%~15%の全規模だけ、拡張ならびに/もしくは収縮するであろう。
【0297】
別の実施例では、ステント補綴具は、本願の全体を通して説明されるような分離領域(および/または本願の全体を通して説明される他の構成)を有し、好ましくは、ステント補綴具は、非分解性金属もしくは金属合金等の非分解性材料を備える、および/またはそれから形成され、展開後のステントは、少なくともいくつかの円周方向構造要素分離領域に少なくともいくつかの不連続性を形成し、展開後(および/または該不連続性を形成した後)のステント補綴具は、ステント補綴具構造ならびに/もしくは形状を実質的に維持する。別の実施例では、ステント補綴具は、ステント補綴具円周方向構造および/または形状を実質的に維持する。さらに別の実施例では、展開後(および/または該不連続性を形成した後)のステント補綴具は、ステント補綴具展開構成を実質的に維持する。さらに別の実施例では、展開後(および/または1つ/複数の該不連続性を形成した後)のステント補綴具は、任意のリングあたり(または少なくともいくつかのリングあたり)わずか1つの不連続性、好ましくは、任意のリングあたり(または少なくともいくつかのリングあたり)わずか2つの不連続性、より好ましくは、任意のリングあたり(または少なくともいくつかのリングあたり)わずか3つの不連続性、より好ましくは、任意のリングあたり(または少なくともいくつかのリングあたり)わずか4つの不連続性を有する。分離領域を有するステント補綴具は、一実施例では、略直線状または螺旋もしくは他の形状で、ステント補綴具の長さに沿って、ステント長に沿って、本実施例では、直線状、螺旋、または他の構成で、(隣接するリングを接続する(継合する)1つ、いくつか、または全ての軸方向リンクを無傷で維持しながら)縦方向ステント長に沿ってステントを薄切りする、不連続性を形成する。別の実施例では、ステント補綴具は、2つの構造または区画(ステント長に沿った(または延在する)2つの円周方向半円構造等)の中へ(隣接するリングを接続する(継合する)1つ、いくつか、またはそれを上回る軸方向リンクを無傷で維持しながら)ステント補綴具の長さに沿って(または延在して)略円筒形のステント構造を薄切りする、不連続性を形成する。別の実施例では、ステント補綴具は、3つの構造(ステント長に沿って延在する3つの部分的円周方向構造等)の中へ(隣接するリングを継合する1つ、いくつか、または全ての軸方向リンクを無傷で維持しながら)ステント補綴具の長さに沿って略円筒形のステント構造を薄切りする、不連続性を形成する。別の好ましい実施例では、分離領域および/または不連続性は、支柱あたり(またはいくつかの支柱あたり)わずか1つの分離領域および/または不連続性がある、クラウン上に分離領域および/または不連続性がない、ならびに/もしくは支柱をクラウンに継合する領域中に分離領域および/または不連続性がないように、支柱構造要素上に位置する。別の好ましい実施例では、分離領域および/または不連続性は、少なくともリングの支柱領域内に、もしくは実質的に支柱の中央に、または(クラウンから離れて、および/または支柱をクラウンに継合する接合点から離れて)支柱の長さに沿って位置する、および/またはリングの実質的に非変形可能である、もしくはあまり変形可能ではない領域中に位置する、および/またはステントが圧着構成から拡張された展開構成まで拡張するにつれて、リングのより少ない応力を有する、もしくは低減した応力を有する領域中に位置する、および/またはステントが圧着構成から拡張構成まで拡張するときに、リング上の実質的に非変形可能である、もしくはあまり変形可能ではない領域中に位置する、および/または圧着構成から拡張構成までのリング上のステントの展開に応じて、分離領域が実質的にともに維持される(もしくはともに保持される)領域中に位置する。
【0298】
別の実施例では、分離領域は、分離領域に隣接する構造要素の2つの反対端の間に、および/または分離領域に隣接する構造要素の2つの隣接端(例えば、分離領域を含有する、または画定する、もしくは備える、非分解性金属合金の2つの端部)の間に、間隙を有する(または画定する、もしくは備える)。間隙幅は、0~50ミクロンに及ぶ、好ましくは、0~30ミクロンに及ぶ、より好ましくは、0~15ミクロンに及ぶ、より好ましくは、0~10ミクロンに及ぶ、最も好ましくは、5ミクロン~30ミクロンに及ぶ。間隙は、分解性ポリマーコーティング等のコーティングで充填されることができる。コーティングは、分離領域を越えて延在し、圧着構成から拡張されたより大きい構成までのステントの展開に応じて、分離領域を定位置でさらに保持することができる。
【0299】
好ましい実施例では、ステント補綴具は、構造要素、好ましくは、複数のリングを備える円周方向構造要素を備え、各リングは、クラウンによって継合される支柱を備え、各リングは、リンクを通して(もしくはそれによって)隣接するリング(もしくは非隣接リング)に接続される、またはリンクを用いることなく直接継合される。ステント補綴具は、身体管腔を支持するように、および/または開放した状態で管腔を保持するように、ならびに/もしくは定位置で(ステントに接続された、または取り付けられた)構造を保持するように、圧着構成から拡張構成まで拡張可能である。ステント補綴具は、(好ましくは、円周方向に)ステントもしくはステントの少なくとも一区画を囲繞する、および/またはそれに取り付けられる、シースを有することができる。ステントは、弁(合成または生体)等の構造を定位置で(および/または展開前もしくは展開後に取り付けられて)保持することができる。ステントはまた、ステントまたはステント内の領域を身体管腔、組織等に係留する手段を有することもできる。ステントはまた、ステントを係留する、または少なくとも1つの領域もしくは区画からそれを内向きに引動する、ステントのいくつかの領域に取り付けられた腱またはワイヤを有することもできる。別の実施例では、ステントは、1つの円周方向構造要素を備える。別の実施例では、ステント補綴具は、1つのリングを備え、該リングは、クラウンによって継合される支柱を備える。別の実施例では、ステントおよび/またはインプラントは、圧着構成から拡張されたより大きい構成までの拡張が可能な構造を備える。
【0300】
別の実施例では、分離領域の少なくとも一部および/またはクラウンを被覆する、コーティング厚さならびに/もしくはスリーブ厚さは、3ミクロン~100ミクロンに及ぶ、好ましくは、5ミクロン~50ミクロンに及ぶ、より好ましくは、10ミクロン~50ミクロンに及ぶ。コーティング、スリーブ、材料は、分解性ポリマーまたは非分解性ポリマー等の分解性もしくは非分解性であり得る。パリレンまたはC-フレックスもしくはポリウレタン等の非分解性ポリマー実施例の場合、一実施例では、ポリマーは、ポリマー内に分離領域をともに含有し(ともに保持し)、展開後の分離領域および/または不連続性は、非分解性ポリマー内で(不連続性から)離脱ならびに/もしくは分離することを可能にされる(すなわち、非分解性ポリマーは、分離領域および/または不連続性をカプセル化し続ける)が、ステントおよび/またはステント領域が、離脱する、ならびに/もしくはさらに拡張する、および/またはより柔軟になる、もしくは不連続性の形成後に増加したコンプライアンスを有することを可能にする。
【0301】
本願の中の実施例のうちのいずれかの中の好ましい実施例では、ステント補綴具は、崩壊することなく、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張することが可能である、および/または構造完全性を維持しながら、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張することが可能である、ならびに/もしくはともに保持されている分離領域を維持しながら、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張することが可能である、および/またはともに保持されている不連続性を維持しながら、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張することが可能である。圧着構成から拡張構成までの拡張は、公称ステント直径までの展開から公称ステント直径を3mm上回るまで及ぶ、好ましくは、公称ステント直径から公称ステント直径を2mm上回る直径まで及ぶ、より好ましくは、公称ステント直径から公称ステント直径を1mm上回るまで及ぶ。公称ステント直径は、公称送達システムバルーン直径、標識送達システムバルーン直径、公称送達システム標識直径、および/または標識送達システム直径を含む。
【0302】
強度コンプライアンス、直径、構成、反跳、変位、寸法等の任意のパラメータの測定値の一実施例では、そのような測定値は、1つのサンプル、複数のサンプルの平均、1つのロットからの複数のサンプルの平均、複数のロットからの複数のサンプルからの平均の具体的測定値、および/またはサンプルが同一もしくは類似仕様に合わせて構築される、異なるサンプルからの測定値(例えば、試験強度)である。別の実施例では、測定値は、複数の測定値の平均であり、実施例は、管腔面積の測定値を表す平均管腔面積、ステント直径測定値を表す平均ステント直径等を含む。別の実施例では、標準試験方法または当業者に公知である一般的に使用されている試験方法は、寸法、サイズ、半径方向強度、反跳、拡張、収縮、直径、半径方向歪み(もしくはコンプライアンス)、抵抗等の種々の試験に利用されることができ、これはまた、例えば、台上、生体外、および/または生体内測定を測定するIVUS、OCT、MSCT、QCA、もしくは他の測定装置を利用するために適用可能でもあり得る。測定もまた、台上、生体外、体外、または生体内で行われる。測定はまた、ステント留置区画、分離領域を有するステントリングの区画、近位ステント区画、中間ステント区画、および/または遠位ステント区画上で行われ得る。
【0303】
一実施例では、ステントにパターン化された非分解性材料(ポリマー材料等)を備える、ステント補綴具は、リングを備える構造要素を備え、該リングは、拡張領域(クラウン等)と、支柱とを備え、少なくともいくつかの補強要素(非分解性金属等)は、非分解性ステントの少なくともいくつかの拡張領域に結合され、少なくともいくつかのリングは、少なくとも1つの分離領域を有し、ステント補綴具は、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張し、身体管腔を支持するために十分な強度を有し、分離領域は、埋込後に該リング上に不連続性を形成し、ステントが生理学的環境内でさらに拡張することを可能にする。
【0304】
実施例では、金属ステント補綴具は、管またはワイヤ(中実、または少なくともワイヤのある領域中で中空である(好ましくは、ワイヤの非変形可能領域中で中空である))から形成され、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能な構造にパターン化される。ステント構造は、一実施例では、支柱およびクラウンの構造要素、支柱等の非変形可能要素(または実質的に非変形可能な要素)、ならびにクラウン等の変形可能要素から成る、複数のリング(および1つまたはそれを上回る分離領域を有する少なくともいくつかのリング)を備える。リングのうちの少なくともいくつかは、例えば、リンクによって、少なくとも1つの領域中で隣接するリングに接続される。金属ステントはまた、次いで、管に丸められ、継合されてステントを形成する、パターン化されたシートから形成されることもできる。さらに別の実施例では、ステント補綴具は、3D印刷によって形成されることができる。
【0305】
別の実施例では、ポリマーステント補綴具は、噴霧、押出、浸漬、成形、または3D印刷によって、管から形成され、ステントにパターン化される。代替として、ステント補綴具は、1つまたはそれを上回る繊維もしくはフィラメントから形成され、ステントにパターン化または織成されることができる。
【0306】
好ましい実施例では、ステント補綴具は、展開に応じて、または展開後に離脱するように、展開後に身体管腔内で血管拡張を呈するように、展開後により大きい構成までさらに拡張するように、および/または実質的にステント区画全体、ステント区画、ステント長、ステント円周方向直径、ならびに/もしくはステントにわたって(またはその上に、もしくはそれを横断して、またはそれに沿って)、1%~10%に及ぶ半径方向歪みを有するように、好ましくは、1%~7%に及ぶ半径方向歪みを有するように構成される。別の実施例では、ステント補綴具は、展開に応じて、またはその後に離脱するように、展開後に身体管腔内で血管拡張を呈するように、展開後により大きい構成までさらに拡張するように、および/またはステントの少なくとも1つの区画、ステントの少なくとも1つの領域、少なくともあるステント長、少なくともあるステント円周方向直径、ならびに/もしくはステントにわたって(またはその上に、もしくはそれを横断して、またはそれに沿って)、1%~10%に及ぶ半径方向歪みを有するように、好ましくは、1%~7%に及ぶ半径方向歪みを有するように構成される。
【0307】
好ましい実施例では、冠状動脈用途のためのステント補綴具は、少なくともいくつかのリングの中、好ましくは、実質的に全てのリングの中に、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、ステント(支柱および/またはクラウン)の分解性リング構造要素(フレーム)を補強する補強要素、ステント(支柱および/またはクラウン)の非分解性リング構造要素(フレーム)に架橋する架橋要素、ステントの非分解性リング構造要素(フレーム)内の分離領域、ステントの非分解性リング構造要素(フレーム)内の間隙、ならびに/もしくはステント(支柱および/またはクラウン)の重複もしくは非重複非分解性リング構造要素(フレーム)上の不連続性を有するように構成される。ステントは、初期拡張後に、0.025N/mmのステント長(例えば、3.0mm×18mmステント長に関して0.45N)~0.07N/mmのステント長またはそれを上回る長さ(最大0.3N/mmのステント長)に及ぶ、10%平坦プレート圧縮初期強度を有するように構成され、ステントは、厚さ60ミクロン~厚さ130ミクロンに及ぶ寸法を有するように構成される一方で、幅寸法は、幅60ミクロン~150ミクロン幅に及ぶ。内向き反跳は、1%~10%に及ぶように構成され、拡張(展開)後に実質的に維持される。ステントは、約37℃の水中で(または身体管腔内で)展開され、拡張(展開)後に水中または空中のいずれかで試験される。ステントは、展開に応じて、または展開後に離脱する、内向き反跳後により大きい構成まで拡張する、および/またはステントが身体管腔内で展開される(もしくは拡張される)ときに、身体管腔内の血管拡張剤の導入後に血管拡張を呈する(またはステント留置身体管腔が拡大(または拡張もしくはさらなる拡張)を呈することを可能にする)ように構成される。ステントは、破砕を伴わずに圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能である。ステントは、身体管腔を支持するために十分な強度を有する。好ましい実施例では、ステントは、ステントが約37℃の水中または身体管腔内で拡張されるときに、拡張(展開)後の初期内向き反跳後に付加的反跳を伴わずに、身体管腔を支持するために十分な強度を有する。
【0308】
本発明の任意の側面、実施例、または実施形態の好ましい実施例では、ステント補綴具は、0.025N/mmのステント長~0.07N/mmのステント長、好ましくは、0.04N/mmのステント長~0.3N/mmのステント長に及ぶ、身体管腔を支持するために十分な強度を有する。
【0309】
別の実施例では、少なくともいくつかのリング上の少なくともいくつかの支柱および/またはクラウンは、不連続性、分離領域、架橋要素、ならびに/もしくは補強要素のうちの1つまたはそれを上回るものを有するように構成される。少なくとも1つの不連続性、分離領域、架橋要素、および/または補強要素は、少なくともいくつかのリングの該各支柱ならびに/もしくは各クラウン、またはそれらの組み合わせの上に構成もしくは形成される。
【0310】
別の実施例では、ステントは、構造要素を備え、該ステントは、閉鎖セルタイプ設計、菱形リング、メッシュタイプステント設計、コイルタイプ設計、および/または織成(もしくは編組)タイプステント設計にパターン化される。ステント円周方向構造要素(リング等)は、身体管腔内の拡張後に円周方向にステントを離脱させるため、展開後に身体管腔内で血管拡張を呈するため、展開後により大きい構成までさらに拡張するため、および/または1%~10%に及ぶ半径方向歪みを有するために十分である、不連続性、分離領域、架橋要素、ならびに/もしくは補強要素、および/またはそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを有するように構成される。拡張されたより大きい構成までの展開に応じたステントは、身体管腔を支持するために十分な強度を有する。
【0311】
本発明の任意の側面、実施例、または実施形態の好ましい実施例では、ステント補綴具は、ステントが圧着構成から拡張されたより大きい構成まで展開された(拡張された)後に、初期内向き反跳を有し、初期内向き反跳は、ステントが37℃の水中で拡張された後に(またはステントが生理学的条件下で拡張された後に、もしくはステントが身体管腔内で拡張された後に)実質的に維持される。ステント初期反跳は、ステントの展開(拡張)後の1分以内に測定される、またはステント初期反跳は、ステントの展開(拡張)後の5分以内に測定される。内向き反跳は、展開後に実質的に維持され、少なくとも30分にわたって、少なくとも1時間にわたって、または少なくとも1日にわたって、展開後に維持される。全ての場合において、本実施例では、ステント内向き反跳は、展開バルーンまたは展開手段の展開および収縮後に測定される。ステント補綴具は、最も好ましい実施例では、1分~1年に及ぶ、またはそれを上回る周期にわたって、好ましくは、30分~1年に及ぶ、またはそれを上回る周期にわたって、該初期反跳後にさらに拡張し、ステントのさらなる拡張構成は、初期反跳規模未満であり、好ましくは、初期反跳規模(または直径もしくは平均直径)よりも大きく、またはより好ましくは、ステントのさらなる拡張構成は、展開(拡張)ステント構成規模(または直径もしくは平均直径)よりも大きい。好ましい実施例では、ステント補綴具は、複数のリングを備える、非分解性金属または金属合金を備える。
【0312】
実施例のうちのいずれかの別の実施例では、ステント補綴具は、少なくともいくつかの隣接するリングを接続する(もしくは継合する)、少なくとも1つまたはいくつかのリンクを有し、1つまたはいくつかのリンクは、拡張(展開)に応じて、またはその後に、もしくは全ての不連続性の形成後に、実質的に無傷のままである(または無傷のままである)。別の実施例では、全てのステント補綴具リンクは、拡張(展開)に応じて、またはその後に、無傷のままである。別の実施例では、少なくともいくつかのリング(または実質的に全てのリング)は、少なくとも1つの領域中で(または少なくとも1つの接続によって、もしくは少なくとも1つのリンクによって)隣接するリングに接続され、少なくとも1つの接続は、展開に応じて、またはその後に、もしくは全ての不連続性の形成後に、実質的に無傷のままである。別の実施例では、少なくともいくつかのリングは、少なくとも2つの領域中で(または少なくとも2つの接続によって、もしくは少なくとも2つのリンクによって)隣接するリングに接続され、少なくとも2つの接続は、展開に応じて、またはその後に、もしくは全ての不連続性の形成後に、実質的に無傷のままである。さらに別の実施例では、少なくともいくつかのリングを継合する、少なくとも1つのリンク、好ましくは、少なくともいくつかのリンク(または接続)は、補強要素のうちの1つまたはそれを上回るものを有するように構成される。ステント補綴具はまた、本実施例では、補強要素のうちの1つまたはそれを上回るものを有する、少なくともいくつかのリング上に、少なくともいくつかの支柱および/またはクラウンを有するように構成される。さらに別の実施例では、少なくともいくつかのリングを継合する、実質的に全てのリンク(または接続)は、補強要素のうちの1つまたはそれを上回るものを有するように構成される。ステント補綴具はまた、本実施例では、1つまたはそれを上回る補強要素を有する、少なくともいくつかのリング上に、少なくともいくつかの支柱および/またはクラウンを有するように構成される。
【0313】
本願の中の実施例のうちのいずれかの実施例では、ステント補綴具(またはステント補綴具の少なくとも1つの区画)は、圧着構成から拡張されたより大きい構成までの展開(または拡張)後に高い破砕抵抗を有するように構成され、ステントは、円周方向に離脱し、ステントは、ステント留置区画を円周方向に離脱させ、より大きい構成までさらに拡張し、血管拡張剤導入に応答し、および/または拡張後に1.5%~7%の範囲内の半径方向複合歪み(もしくはコンプライアンス)を有する。ステント補綴具は、好ましい実施例では、拡張後に初期の高い破砕抵抗を実質的に維持する。ステント補綴具は、別の実施例では、展開後~1年に及ぶ時間周期にわたって、破砕抵抗の低減(減少)を呈し、破砕抵抗は、1ヶ月~1年に及ぶ時間周期にわたって、20%~80%に減少し、該残留破砕抵抗は、身体管腔を支持するために十分である。さらに別の実施例では、ステント補綴具は、展開後~1年に及ぶ時間周期から、展開後の破砕抵抗の減少を呈し、該時間周期後の該ステント補綴具は、実質的にいかなる破砕抵抗も有していない。
【0314】
本願の中の実施例のうちのいずれかの好ましい実施例では、ステント補綴具は、展開(拡張)後にパターン化構造を有し、構造は、実質的に維持される(または無傷もしくは実質的に無傷である)。別の実施例では、ステント補綴具は、展開(拡張)後に初期パターン化構造を有し、初期パターン化構造は、拡張後に変化する(または異なる、もしくは修正される)。別の実施例では、ステント補綴具は、構造要素(好ましい実施例では、支柱、クラウン、およびリンク(または接続)を備える)を備える、パターン化構造を有し、展開(拡張)後のステントは、実質的にステントの長さに沿って、少なくとも1つの縦方向構造要素区画を維持する(または有する)。縦方向構造要素区画は、縦方向区画に沿って(軸方向コネクタであり、無傷のままであるリンクまたは接続領域を除外して)1つまたはそれを上回る切れ目、分離領域、および/または不連続性を有する(または備える)。縦方向区画円周は、一実施例では、ステントの円周の1/4~ステントの円周の1/2に及ぶ。縦方向区画パターンは、実質的にステントの長さに沿って略直線状であり得る、またはステント長に沿って螺旋状、もしくはステントの長さに沿って他の縦方向パターンであり得る。少なくとも1つの縦方向構造要素区画は、実質的に無傷のままである(好ましくは、ステントの長さに沿って、1つまたはそれを上回るリンク(もしくは接続)を通して実質的に無傷のままである)。別の実施例では、ステント補綴具は、構造要素(好ましい実施例では、支柱、クラウン、およびリンク(または接続)を備える)を備える、パターン化構造を有し、展開(拡張)後のステントは、実質的にステントの円周に沿って、少なくとも1つの円周方向構造要素区画を維持する(または有する)。円周方向構造要素区画は、円周方向区画に沿って(軸方向コネクタであり、無傷のままであるリンクまたは接続領域を除外して)1つまたはそれを上回る切れ目、分離領域、および/または不連続性を有する(または備える)。円周方向区画の数は、一実施例では、1~4に及ぶ。別の実施例では、ステント補綴具は、構造要素(好ましい実施例では、支柱、クラウン、およびリンク(または接続)を備える)を備える、パターン化構造を有し、展開(拡張)後のステントは、ステントの円周に沿って少なくとも1つの円周方向区画および/またはステント長に沿って少なくとも1つの縦方向区画を維持し、区画は、少なくとも1つのクラウンと、少なくとも2つの支柱とを備え、好ましくは、少なくとも1つのクラウンと、少なくとも2つの支柱と、無傷または接続されたままである少なくとも1つのリンク(もしくは接続)とを備え、より好ましくは、2つまたはそれを上回るリング、部分リング(またはリング領域)とを備える。区画は、少なくともいくつかのリング(または部分リングもしくはリング領域)上に、少なくとも1つの分離領域、切れ目、および/または不連続性を有する。
【0315】
別の実施例では、ステントは、分解性(腐食性を含む)材料を備え、材料は、1年~20年、好ましくは、2年~15年、より好ましくは、3年~10年に及ぶ周期で分解し、材料は、構造要素を備えるステントにパターン化され、該構造要素は、複数のリングを備え、各リングは、支柱と、クラウンとを備える。少なくともいくつかのリング上の少なくとも支柱および/またはクラウンは、分離領域、不連続性、切れ目、間隙、ならびに/もしくは架橋要素のうちの1つまたはそれを上回るものを有し、ステント補綴具は、展開構成から拡張されたより大きい構成までの拡張後に離脱する。ステントは、一実施例では、展開に応じて離脱する。ステントは、別の実施例では、1ヶ月~1年に及ぶ周期から離脱する。分解性材料は、1年~20年で分解する、金属もしくは金属合金、ポリマー材料、または他の材料のうちの1つまたはそれを上回るものを備える。拡張に応じたステント補綴具は、0.025N/mmのステント長~0.085N/mmのステント長に及ぶ、10%平坦プレート破砕抵抗を有するが、0.05N/mm~0.2N/mmのステント長に及ぶこともできる。
【0316】
別の実施例では、ステント補綴具は、構造要素を備え、該構造要素は、複数のリングを備え、各リングは、支柱と、クラウンとを備え、各リングは、少なくとも1つのリンク(または接続)によって隣接するリングに接続され、少なくともいくつかのリング上の少なくともいくつかの支柱および/またはクラウンは、分離領域、架橋領域、不連続性、間隙、ならびに/もしくは切れ目、またはそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを有する。別の実施例では、ステント補綴具は、構造要素を備え、該構造要素は、複数の相互接続されたリングを備え、実質的に全てのリングは、分離領域、架橋領域、補強要素、不連続性、間隙、および/または切れ目、もしくはそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを有する。さらに別の実施例では、ステント補綴具は、構造要素を備え、該構造要素は、複数の相互接続されたリングを備え、全てのリングの少なくとも半分は、分離領域、架橋領域、補強要素、不連続性、間隙、および/または切れ目、もしくはそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを有する。
【0317】
別の実施例では、ステント補綴具は、構造要素を備え、該構造要素は、複数のリングを備え、各リングは、支柱と、クラウンとを備え、該ステント補綴具は、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで塑性的に変形可能であり、拡張されたより大きい構成時のステントは、1%~5%に及ぶ複合半径方向歪み(またはコンプライアンス)を有する。拡張構成時のステントは、破砕抵抗性であり、身体管腔を支持するために十分な強度を有する。ステントは、好ましい実施例では、展開後および内向き反跳(該当する場合)後に、より大きい構成までさらに拡張する。ステントは、別の好ましい実施例では、1mm~2mm直径範囲に及ぶ、好ましくは、2mm~4mm直径範囲に及ぶ、より好ましくは、3mm~4.5mm直径に及ぶ、直径の範囲にわたって塑性的に変形可能である。
【0318】
別の実施例では、実施例のうちのいずれかのようなステント補綴具であって、ステント補綴具は、制約(またはスリーブ)を伴わずに身体管腔に送達され、該ステントは、圧着構成から拡張されたより大きい初期構成まで拡張し、次いで、該ステントは、第2の構成(初期構成よりも小さいまたは大きい)まで拡張する前に、内向き反跳を呈する。
【0319】
本発明の別の実施例または側面では、ステント補綴具は、金属および金属合金材料から成り、ステント補綴具は、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能であり、拡張に応じて(またはその後に)身体管腔を支持するために十分な強度を有する。ステント材料は、拡張後に、以下のうちの1つまたはそれを上回るものを呈するように事前形成もしくは処置および/または構成され、すなわち、材料の軟化、材料の脆弱化、あまり剛性ではなくなる、低減した破砕抵抗を有する、低減した強度を有する、および/または強度を有していない、強度が経時的に減少する、身体管腔を支持するために十分な初期強度を有する、強度が経時的に実質的に同一のままである、身体管腔を支持するために十分な初期強度を有する、および/または拡張に応じて初期コンプライアンスを有し、コンプライアンスが拡張後に増加する、ならびに/もしくは拡張の直後に(または拡張後の24時間以内に)初期コンプライアンスを有し、コンプライアンスは、拡張後に(または拡張後の6ヶ月以内に)、以下の条件のうちの1つまたはそれを上回るものの下で、すなわち、生理学的条件下(以下のうちの1つまたはそれを上回るものも含む)、37℃の水中、循環生理学的疲労(脈動)、および/または生理学的温度で、1ヶ月~5年に及ぶ、好ましくは、3ヶ月~3年に及ぶ、より好ましくは、拡張後に3ヶ月~2年に及ぶ周期で、50mmHg~200mmHgに及ぶ圧力差で、増加する。ステント材料処置は、熱、急冷、循環疲労、またはその他を含み、該処置は、以下のうちの1つまたはそれを上回るものにおいて、すなわち、形成前に、形成中に、形成後に、ステントパターン化前に、もしくはステントパターン化後に行われる。拡張後のステントは、以下のうちの1つまたはそれを上回るものを呈する、すなわち、より大きい構成までさらに拡張可能である、血管拡張剤導入に応答してさらに拡張する、および/または37℃の水中、もしくは生理学的条件下で、ならびに/もしくは身体管腔内で、1.5%~5%に及ぶ複合半径方向歪み(もしくはコンプライアンス)を有する。
【0320】
別の実施例では、ステント材料は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、Ti6Al4V、Ti5Al2.5Sn、またはTi-10V-Fe-3Al等の従来のチタン合金、SAF2507等のステンレス鋼、Zn5al、Zn10Al、Zn18Al、Zn30Al等の亜鉛合金、白金金属およびその合金、Sn3.9Ag0.6Cu、Sn-3.8Ag-0.7Cu、SnPb、またはSnPbAt等のスズ合金、Al1.7Fe、Al0.7Cu、A1.5MgScZr、Al6Mg0.2Sc0.15Zr、3004、8090、7075、6061、または5056等のアルミニウム合金、Zr55Al10Ni5Cu30等のジルコニウム合金、AZ31BまたはMG11li5Al1Zn0.034Sc(LAZ1151)等のマグネシウム合金、Fe29.7Mn8.7Al1C、30HGSA合金鋼、4140、C45鋼、Fe36Ni、または低炭素鋼等の鉄合金、Ni21Cr17MoまたはHaynes 230等のニッケル合金、タングステンまたはタングステン合金、もしくはその他等の金属または合金を備える、もしくはそれから成る。好ましい実施例では、拡張後の材料強度は、1ヶ月~3年に及ぶ周期にわたって、展開直後の強度(初期強度)と比較して、少なくとも25%、好ましくは、少なくとも50%、より好ましくは、少なくとも75%減少する。材料は、好ましい実施例では、以下の理由のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、体温、時間、循環(もしくは疲労)、クリープ、再結晶、粒成長、転位、沈殿相互作用、転位相互作用、もしくはその他を含み、軟化する(減少した強度)。ステント材料は、分解性(腐食性を含む)または非分解性である。ステント材料は、管として形成され、ステントにパターン化される、ワイヤとして形成され(もしくはワイヤから形成され)、ステントにパターン化される、またはステントの中へパターン化シートとして形成される(もしくはパターン化シートから形成される)ことができる。
【0321】
本発明の別の実施例または側面では、分解性ステント補綴具は、分解性ポリマー材料または分解性金属もしくは金属合金材料を備え、ステントは、1つまたはそれを上回る分離領域を有する、拡張(もしくは展開)後に離脱する、1.5%~5%に及ぶ半径方向歪み(もしくはコンプライアンス)を呈する、展開後(初期反跳後を含む)により大きい構成までさらに拡張する、および/または血管拡張剤に応答して拡張するように構成される。ステントは、以下のうちの1つまたはそれを上回るものを有するように構成される、すなわち、少なくともいくつかのリング(好ましくは、実質的に全てのリング)は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、間隙、架橋要素、分離領域、不連続性を有する。好ましい実施例では、分離領域は、分解性ステントが分解する前に(または実質的に前に)不連続性を形成するように構成される。別の実施例では、分離領域は、分解性ステントが、1ヶ月~5年に及ぶ周期までに、好ましくは、2ヶ月~3年に及ぶ周期までに、より好ましくは、3ヶ月~1年に及ぶ周期までに、分解する前に、不連続性を形成するように構成される。さらに別の実施例では、分離領域は、初期拡張後~初期拡張後の1年に及ぶ周期内に、好ましくは、初期拡張後の1ヶ月~初期拡張後の9ヶ月に及ぶ周期内に、より好ましくは、初期拡張後の1ヶ月~初期拡張後の6ヶ月に及ぶ周期内に、不連続性を形成するように構成される。
【0322】
別の実施例では、分解性ステント材料は、ニッケル、コバルト、タングステン、鉄、亜鉛、マグネシウムの金属もしくは金属合金、マグネシウム合金AZ31、スズ、1010鋼、鋼鉄、5140鋼、8620鋼、鉄ニッケル合金、セルロース、またはその他を備える。一実施例では、分解性材料は、1年~20年に及ぶ周期で実質的に分解する、好ましくは、1年~10年、より好ましくは、1年~5年に及ぶ周期で、または最も好ましくは、6ヶ月~3年に及ぶ周期で分解する。一実施例では、分解性ステント材料は、PLLAポリマー材料を備える、ポリマーステント材料を備える(またはそれから成る)。さらに別の実施例では、分解性ステントは、ポリラクチドポリマー材料を備える、ポリマー材料を備える。さらに別の実施例では、タングステン、タングステン合金、レニウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、亜鉛、チタンのタングステン合金、コバルトの合金、マグネシウム合金AZ31、スズ、1010鋼、鋼鉄、5140鋼、8620鋼、鉄ニッケル合金、または同等物等の1~10年で腐食する(分解する)腐食性金属もしくは金属合金(分解性)である。3~10年で分解する分解性ポリマーおよびコポリマーのさらに別の実施例では、実施例は、セルロース、キチン、キトサン、PLLAまたはそのコポリマー、もしくは同等物を含む。
【0323】
なおもさらなる実施例では、本発明のステントおよび他の管腔内補綴具は、非分解性金属または金属合金ならびに/もしくは他の非分解性材料から形成されてもよく、血管または他の身体管腔内の埋込後にステントの離脱を可能にするように、足場円周方向構造(1つまたはそれを上回るリング等)に形成される(通常、事前形成される)、切れ目または開口部を有するように構成されるであろう。足場は、典型的には、圧着状態から拡張構成まで拡張するように構成される、複数の円周方向リングによって画定され、円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、足場の円周を中心として円周方向経路を辿るであろう。リングのうちの少なくともいくつか円周に少なくとも1つの切れ目または開口部があり、隣接する円周リングは、足場がその拡張構成まで拡張され、切れ目(間隙)もしくは不連続性が1つまたはそれを上回るリングに形成された後に、足場の実質的な部分もしくは区画が(軸方向リンクによって)接続され、無傷のままであるように、軸方向に連結されるであろう。いくつかの実施例では、足場全体は、拡張後および切れ目(または不連続性)が形成された後に、足場のいかなる部分も足場の残りの部分から不注意に断絶し得ないように、軸方向および円周方向の両方で接続されたままであろう。他の実施例では、拡張された足場は、2つ、3つ、またはそれを上回る軸方向に無傷の区画に分離してもよい。なおも他の実施例では、足場は、拡張後に無作為な区画に分離してもよく、そのような無作為な区画は、拡張後に血管または他の身体管腔内の埋込場所から遊離しない、もしくは実質的に移動しないように、十分なサイズおよび持続性を有するであろう。それの実施例は、1つまたはそれを上回るリング内で、および/または足場の長さに沿って接続されたままである、複数のクラウンならびに/もしくは支柱である。
【0324】
実施例の第1のセットでは、足場内の開口部または切れ目は、円周方向リング内の間隙を備えるであろう(もしくは備えてもよい)。例えば、間隙は、円周方向リングの支柱およびクラウンのいずれか一方または両方に形成されてもよい。いくつかの実施例では、間隙は、足場がその圧着(未拡張)構成であるときに閉鎖され、足場がその拡張構成まで拡張されるときに開放するであろう。そのような実施例は、支柱またはクラウンに切れ目を含み、切れ目によって形成される、隣接する縁は、相互と接触したままである。そのような「切れ目」は、足場の初期加工の一部、例えば、管のパターン化もしくはワイヤの屈曲として、形成されてもよい、または初期加工後であるが、前もって形成された支柱もしくはクラウンの切断または切離後に形成されてもよい。他の実施例では、円周方向リング内の間隙は、足場がその未拡張(圧着)状態であるときでさえも存在し得る、または間隙の対向端と支柱またはクラウンとの間の分離距離は、足場の拡張に応じて増加するであろう。そのような最初に開放している間隙はまた、足場の初期加工中または後に形成されてもよい。
【0325】
円周方向リングに形成される間隙は、足場の縦または中心軸に沿って、回転交互配置もしくは回転整合されてもよい。円周方向リング内の間隙が回転交互配置されるとき、隣接するリングは、回転交互配置された間隙と同一または異なり得る、交互配置パターンで同様に形成される、軸方向リンクによって、継合されてもよい。同様に、間隙が回転整合されるとき、軸方向リンクもまた、回転整合または回転交互配置されてもよい。
【0326】
実施例の第2のセットでは、円周方向リング内の開口部または切れ目は、切れ目または開口部を含有する支柱もしくはクラウンの対向表面または部分の間に「架橋」を形成する、生分解性区画を備えるであろう(もしくは備えてもよい)。生分解性区画は、足場が血管環境内で拡張されている間に無傷のままであり、架橋区画が血管または他の管腔環境内で分解した後のみ、リングに間隙を形成するように構成されてもよい。生分解性区画は、1ヶ月~3年の範囲内の時間周期にわたって、血管または他の管腔環境内で分解する、好ましくは、3ヶ月~1年に及ぶ周期にわたって分解するように構成されてもよい。
【0327】
前述で説明される間隙実施形態と同様に、生分解性「架橋」区画は、足場構造内で回転整合または回転交互配置されてもよい。同様に、隣接する円周方向リングをともに保持する軸方向リンクはまた、回転整合または交互配置されてもよく、交互配置されたときに、交互配置された生分解性区画のものに類似するパターンで交互配置されてもよい。
【0328】
間隙および架橋実施例の両方に関して、足場は、血管環境内で(または生理学的条件下で)拡張され、収縮期/拡張期圧力循環を受けたときに、1%~10%、通常、1.5%~5%に及ぶ複合コンプライアンス(半径方向歪み)を示し得る。
【0329】
本発明のさらに別の側面では、それらの支柱および/またはクラウンの中に生分解性架橋区画(要素)を有する血管補綴具は、以下のように作製(または加工)されてもよい。足場は、足場の円周を画定する複数のリングを有して加工される。複数のリングは、非分解性材料、典型的には、金属から形成される(または形成されてもよい)。足場の円周を画定する複数のリングを有する、第2の足場もまた、生分解性材料からであるが加工される。典型的には、第1および第2の足場は、少なくとも架橋構造が位置する領域にわたって、同じ幾何学形状を有するであろう(または有してもよい)。第1および第2の足場が形成された後、間隙が、少なくとも、第1の非分解性足場のリングのうちの少なくともいくつかの支柱および/またはクラウンに切断されてもよい。対応する区画が、次いで、第2の足場から切断され、区画は、第1の足場に形成される間隙を充填するように選択される。第2の足場から切断される区画は、その選択された支柱および/またはクラウンの中に複数の分解性架橋を伴う非分解性基礎構造を有する、完全な足場を形成するように、第1の足場に形成される間隙の中へ固着される(または固着されてもよい)。
【0330】
本発明のなおもさらなる側面では、本発明の足場分離領域は、複数のクラウンによって継合される複数の支柱を含む、螺旋骨格を有するタイプの螺旋ステントで使用されることができる(または使用されてもよい)。螺旋骨格は、複数の隣接する巻目を含むように形成され、隣接する巻目のうちの少なくともいくつかは、分離領域によって相互に取り付けられる、または別様に結合される。例えば、分離領域は、具体的実施例が、隣接するクラウン対の間、1つの巻目上のクラウンと隣接する巻目上の支柱との間、および隣接する巻目の一対の支柱の間を含む、螺旋骨格の直接隣接する巻目の間に形成されてもよい。螺旋骨格は、典型的には、蛇行配列、ジグザグ配列を有する、またはステント加工で一般的に利用されるタイプの別の「曲折経路」を辿る。ステントは、屈曲ワイヤから形成されてもよい、または代替として、従来の様式で管をパターン化することによって形成されてもよい。分離領域は、分解性領域、機械的に分離可能な領域、疲労応答性領域、架橋要素、および同等物等の本明細書の他の場所で説明される分離領域のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものを備えてもよい。
【0331】
本発明のさらに付加的な実施例では、管腔補綴具は、金属、金属合金、または非分解性ポリマー等の非分解性材料から形成される複数の円周方向リングを有する、足場を備えてもよく、足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成される。円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、足場がその圧着構成であるときに重複し、相互に隣接して位置する、分割領域を有する、構造要素(クラウンおよび/または支柱等)から形成されるであろう。例えば、重複し、相互に隣接して位置する、隣接領域は、典型的には、足場の支柱の「分割」部分をともに形成する、直線状であり得る、または典型的には、足場のクラウンの「分割」部分をともに形成する、曲線状であり得る。そのような直線状の隣接領域は、典型的には、足場がその拡張構成まで拡張されるときに、相互から分離するであろう。対照的に、そのような曲線状の重複する隣接領域は、典型的には、足場がその拡張構成まで拡張されるときに変形し、例えば、ステントの拡張によって印加される屈曲力に応答して直線状になるであろう。
【0332】
重複する隣接領域は、最初に、足場がその圧着構成であるときに、取り付けられていなくてもよい。代替として、足場の重複領域は、相互に一時的に継合されてもよい、例えば、接着剤によって、上を覆うスリーブによって、コーティングによって、および/または本明細書で前述に説明された他の恒久的もしくは一時的固定化材料、方法、ならびに/もしくは構造のうちのいずれかによって、ともに保持される。そのような一時的固定化材料(または構造)は、分解性ポリマー材料等の分解性材料を備え、生理学的環境内で分解するように、疲労するように、または埋込後に別様に分離し、補綴具が所望の時間周期にわたって身体管腔に埋め込まれた後に足場のコンプライアンスを増進するように構成されるであろう。恒久的固定化材料は、非分解性ポリマー材料等の非分解性材料を備え、材料は、典型的には、弾性であり、補綴具が所望の時間周期にわたって身体管腔に埋め込まれた後に、ステント補綴具が増進したコンプライアンスを有することを可能にする。
【0333】
なおも他の実施例では、本発明の足場分離技術(本願の種々の実施例および/または側面で説明されるような分離領域ならびに円周方向構造要素を離脱させる(もしくは管腔のステント留置区画の離脱を可能にする)他の方法)は、種々の別様な従来の閉鎖セルステントパターンに適用されてもよい。例えば、足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように非分解性材料から形成される、複数の円周方向リングを有してもよい。円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、円周方向に継合される拡張可能閉鎖セル構造として形成され、そのような円周方向リングは、管腔環境内の展開後にリングに不連続性を形成し、管腔のステント留置区画を離脱させるように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域を有するであろう。ある場合には、不連続性を形成するように構成される、円周方向リング内の少なくとも2つまたはそれを上回る分離領域は、円周方向リングを離脱させるために必要であり、他の場合では、円周方向リング内の少なくとも3つまたはそれを上回る分離領域が、円周方向リングを離脱させるために要求される。1つ、2つ、3つ、またはそれを上回る分離領域は、拡張可能閉鎖セル構造の中、および/または閉鎖セル構造の間の円周方向コネクタの中に位置してもよい。
【0334】
具体的実施例では、閉鎖セルは、対向軸方向側面および対向円周方向側面を有する、四角形を備えてもよい。足場はさらに、円周方向に隣接する閉鎖セルの軸方向側面を継合する、円周方向コネクタを備えてもよく、分離領域は、円周方向コネクタの中および/または閉鎖セル構造自体の中に位置してもよい。
【0335】
典型的には、軸方向に隣接する円周方向リング内の閉鎖セルのうちの少なくともいくつかは、軸方向リンクによって継合され、軸方向リンクは、典型的には、非分解性であり、展開後のステントの完全性を増進するため、および/またはステントの拡張の一様性を増進するため、ならびに/もしくは拡張に応じて、または拡張後にステントの構造完全性を維持するために、分離領域を含まない。
【0336】
埋込後に足場に形成される不連続性は、典型的には、ステントが、通常、哺乳類の血管内の埋込後に、いったん収縮期/拡張期圧力循環(または血管拡張剤)を受けると、1%~10%に及ぶ、好ましくは、1.5%~5%に及ぶコンプライアンス(または半径方向歪み)を示すことを可能にするであろう。
【0337】
代替的閉鎖セル構成では、足場は、分離領域が、共通交差部材の中に、および/または交差部材が相互に交差する接合点に存在する、複数の共通交差部材から形成される、密接に充塞した四角形を備えてもよい。分離領域は、多くの場合、前述の閉鎖セル足場内の生分解性領域である、本明細書に説明される分離領域のうちのいずれかを備えてもよい。
【0338】
本発明のなおもさらなる側面では、ステント補綴具は、非分解性構造要素を含む、パターン化円周方向足場を備えてもよい。構造要素は、足場が圧着構成から第1の拡張構成まで半径方向に拡張されるにつれて、塑性的に変形するように構成される、拡張領域を有してもよい。構造要素(リング等)はさらに、埋込後に第1の拡張構成から内向き反跳を受けた(または呈した)後に、足場が(機械的手段および/または人間の介入による補助なしで)第2のより大きい構成まで受動的に拡張することを可能にするように構成されてもよい。足場は、埋込後に少なくとも初期時間周期にわたって身体管腔を支持するために十分な強度を留保するであろう。初期時間周期は、典型的には、少なくとも約1日、多くの場合、少なくとも3ヶ月、典型的には、30日~9ヶ月の範囲内であろう。拡張領域は、本明細書の前述で説明される分離領域のうちのいずれかであってもよい。第2のより大きい構成は、第1の拡張構成よりも大きくあり得る、または第1の拡張構成よりも小さくあり得る。一実施例では、非分解性構造要素は、複数のリングを備え、各リングは、支柱およびクラウンから成り、該非分解性構造要素は、圧着構成から拡張構成まで拡張されたときに塑性的に変形する、金属または金属合金から成る。一実施例では、少なくともいくつかのリングは、(少なくともいくつかのリングの1つまたはそれを上回る支柱および/またはクラウンの中で)1つまたはそれを上回る分離領域を有するように構成され、分離領域は、生理学的環境内の拡張後に不連続性を形成するように構成される。
【0339】
なおもさらなる実施例では、本発明のステント補綴具は、構造要素を含む、非分解性パターン化円周方向足場を備えてもよい。構造要素(リング等)は、足場が圧着構成から第1の拡張構成まで半径方向に拡張されるにつれて、塑性的に変形するように構成される、拡張領域を有してもよく、足場はさらに、ステントが体内で拡張された後に、1.1%~15%の範囲内、好ましくは、1.2%~10%の範囲内、より好ましくは、1.5%~7%の範囲内の半径方向歪み(または複合コンプライアンス)を有するように、および身体管腔を支持するために十分な強度を留保するように構成されてもよい。これらの足場は、多くの場合、1.5%~7%の範囲内の展開後の内向き反跳を有するようにさらに構成され、上記の該範囲内の半径方向歪みまで増加する前に、1%またはそれ未満の展開後の初期半径方向歪み(もしくはコンプライアンス)を有するようにさらに構成されてもよい。付加的実施例では、前述のステント補綴具の半径方向歪みは、展開後の2ヶ月~1年以内に所望の範囲内の値に達してもよく、半径方向歪み(またはコンプライアンス)の直径規模は、0.07mm~0.5mmもしくは0.1mm~0.5mmの範囲内であってもよい。好ましい実施例では、少なくともいくつかのリングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有するように構成され、分離領域は、生理学的条件下でのステントの拡張後に不連続性を形成するように構成される。別の好ましい実施例では、全てのリングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有するように構成され、分離領域は、生理学的条件下でステントの拡張後に不連続性を形成するように構成される。さらに別の実施例では、少なくともいくつかのリングは、2つまたはそれを上回る分離領域を有する、3つまたはそれを上回る分離領域を有する、1~4つの分離領域を有する、または2~4つの分離領域を有する。
【0340】
他の実施例では、本発明によるステント補綴具は、構造要素を含む、非分解性パターン化円周方向足場を備えてもよく、構造要素は、足場が圧着構成から第1の拡張構成まで半径方向に拡張されるにつれて塑性的に変形するように構成される、拡張領域を有する。これらの実施例のうちのいくつかでは、展開構成時の足場は、身体管腔を支持するために十分な強度を有し、足場はさらに、(例えば、少なくともいくつかのリング上の分離領域等の本願の全体を通して説明されるような本発明の1つまたはそれを上回る側面(もしくは実施例)を組み込むことによって)身体管腔のステント留置区画が身体管腔内の血管拡張剤の存在下で血管拡張することを可能にするように構成されてもよい。身体管腔のステント留置区画は、0.05mm~0.5mmの範囲内、頻繁には、0.1mm~0.3mmの範囲内、または0.07mm~0.5mmの範囲内で血管拡張してもよい。
【0341】
本発明のステント補綴具のさらに付加的な実施例では、非分解性パターン化円周方向足場は、構造要素を含んでもよく、構造要素は、足場が圧着構成から第1の拡張構成まで半径方向に拡張されるにつれて塑性的に変形するように構成される、拡張領域を有する。展開構成時の足場は、身体管腔を支持するために十分な強度を有し、足場はまた、典型的には、(本願に説明される種々の側面(または実施例)のうちの1つまたはそれを上回るものを組み込むことによって)生理学的条件下で身体管腔内の展開後に収縮および/または拡張するように構成されるであろう。拡張および/または収縮は、受動的に起こり得る、または代替として、身体管腔の血管拡張ならびに/もしくは血管収縮に応答して起こり得る。拡張および/または収縮はまた、生理学的条件下で起こり得る。そのような拡張および/または収縮は、多くの場合、身体管腔の展開直径もしくは平均直径に対して、0.05mm~1mmの範囲、より典型的には、0.1mm~0.5mmの範囲内の規模を有する。
【0342】
いくつかの実施例では、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、本発明のステント補綴具の少なくとも1つのリング、ステント補綴具の少なくともいくつかのリング、ステント補綴具の全てのリング、ステント補綴具の少なくともいくつかの円周方向要素、ステント補綴具の全ての円周方向要素、および/または補綴具ステントは、(本願内で説明される本発明の側面(または実施例)のうちの1つまたはそれを上回るものを組み込むことによって)以下のうちの1つまたはそれを上回るものを行うように構成される、すなわち、ステントの埋込に応じて、またはその後に、高い破砕抵抗を有する一方で、管腔もしくは血管の離脱、および/または管腔もしくは血管のステント留置区画の離脱、および/または埋込後に開放した状態で管腔もしくは血管を支持または保持するために十分な強度を有し、埋込後に(該当する場合、内向き反跳後に)さらに拡張する、ステントを有する、および/または血流の中へ遊離し、臨床事象を潜在的に引き起こす、小さい構成要素等のステントの部品を有していない、および/または初期拡張後のわずかな内向き反跳を伴うステントを有する、および/または埋込後に実質的に維持される初期拡張後のわずかな内向き反跳を伴うステントを有する、および/または埋込後の該初期内向き反跳後にわずか1%~5%増加する、初期拡張後のわずかな内向き反跳を伴うステントを有する、および/または生理学的条件下の展開後に(該当する場合、内向き反跳後に)さらに拡張することができるように構成されるステントを有する、および/または事前プログラムされた温度誘起設定を伴わずに、もしくは事前プログラムされた拡張直径/構成設定を伴わずに、展開後に(該当する場合、内向き反跳後に)拡張またはさらに拡張することができるステントを有する、および/またはプログラムされた温度を伴わずに(該当する場合、内向き反跳後に)拡張もしくはさらに拡張することができるステントを有する、および/または血管もしくは管腔壁を貫通することなく、または実質的に貫通することなく、生理学的条件下の展開後に(該当する場合、内向き反跳後に)さらに拡張することができるステントを有する、および/または過剰な炎症を引き起こさないステントを有する、および/または埋込後に管腔もしくは血管壁を貫通しないステントを有する、および/または展開(埋込)後に(該当する場合、内向き反跳後に)さらに拡張し、管腔もしくは血管をさらに拡張する、ステントを有する、および/または束縛を伴わずに血管または管腔の中への送達に応じて圧着構成で維持もしくは実質的に維持され、展開後により大きい構成まで(該当する場合、内向き反跳後に)さらに拡張する、ステントを有する、および/または広範囲の直径まで展開されることができ、展開後に血管もしくは管腔を依然として離脱させる、ステントを有する、および/または広範囲の直径まで展開され、埋込後により大きい構成まで(該当する場合、内向き反跳後に)依然としてさらに拡張することができる、ステントを有する、および/または埋込後に事前プログラムされた拡張直径/構成を超えて(該当する場合、内向き反跳後に)さらに拡張することができるステントを有する、および/または埋込後に血管運動、血管拡張、もしくは血管収縮を呈するステントを有する、および/または身体管腔を支持するために展開後に十分な強度を有し、初期拡張後にわずかな内向き反跳を有するステントであって(もしくは該ステントが内向き反跳を受ける)、ステントは、拡張(展開)の直後に1%を下回る半径方向歪み(またはコンプライアンス)、ならびに展開後に1%もしくは1%よりも大きい半径方向歪み(またはコンプライアンス)を呈する、ステントを有する、および/または身体管腔を支持するために展開後に十分な強度を有する、ステントであって、該ステントは、ステントの初期拡張後に内向き反跳を受け、ステントは、初期拡張後に初期半径方向歪み(またはコンプライアンス)を有し、半径方向歪み(またはコンプライアンス)は、展開後に増加する(もしくは展開後に経時的に増加する)、ステントを有する、および/または身体管腔を支持するために展開後に十分な強度を有する、ステントであって、該ステントは、ステントの初期拡張後に内向き反跳を受け、ステントは、拡張(展開)後に初期半径方向歪み(またはコンプライアンス)を有し、半径方向歪み(またはコンプライアンス)は、増加し、コンプライアンスの増加は、初期コンプライアンスの150%~3,000%に及ぶ、好ましくは、コンプライアンスの増加は、初期コンプライアンスの200%~3,000%に及ぶ、より好ましくは、コンプライアンスの増加は、初期コンプライアンスの300%~3,000%に及ぶ、ステントを有する、および/または身体管腔を支持するために展開(初期拡張)後に十分な強度を有する、ステントであって、該ステントは、ステントの初期拡張後に内向き反跳を受け、ステントは、拡張(展開)後に初期半径方向歪み(またはコンプライアンス)を有し、半径方向歪み(またはコンプライアンス)は、初期拡張後に増加し、好ましくは、コンプライアンスの増加は、初期コンプライアンスの150%~3,000%に及び、好ましくは、コンプライアンスの増加は、初期コンプライアンスの200%~3,000%に及び、より好ましくは、コンプライアンスの増加は、初期コンプライアンスの300%~3,000%に及び、初期強度は、展開後に減少する(または展開後に経時的に減少する、もしくは好ましくは、展開後の30日~1年で展開後に減少する)、ステントを有する、および/またはステントが初期拡張後に内向き反跳を受けない、上記の実施例のうちのいずれか、および/またはステント留置区画のうちの1つまたはそれを上回るものが、血管または管腔の中へ生理学的条件(血管拡張剤の注入を含む)で0.07mm~0.5mmに及ぶ規模だけさらに拡張する、上記の実施例のうちのいずれかのようなステント、および/または生理学的条件下の実施例のうちのいずれか、および/または身体管腔(もしくは輪)を支持するために展開(初期拡張)後に十分な初期強度を有する、ステントであって、ステントは、拡張(展開)後に初期半径方向歪み(またはコンプライアンス)を有し、半径方向歪み(またはコンプライアンス)は、拡張後に増加し、好ましくは、コンプライアンスの増加は、初期コンプライアンスの150%~3,000%に及び、好ましくは、コンプライアンスの増加は、初期コンプライアンスの200%~3,000%に及び、より好ましくは、コンプライアンスの増加は、初期コンプライアンスの300%~3,000%に及び、ステント補綴具は、ステント補綴具の初期拡張後に初期構成を有し、ステント構成は、埋込後に(もしくは手技の完了後に)変化する、ステントを有する、および/または生理学的条件下の実施例のうちのいずれか、および/または身体管腔(もしくは輪)を支持するために展開後に(もしくは初期拡張後に)十分な初期強度を有する、ステントであって、ステント補綴具は、(該当する場合、内向き反跳後に)初期直径もしくは構成を有し、またはステントの1つまたはそれを上回る区画は、ステント補綴具の初期拡張後に(および該当する場合、内向き反跳後に)初期構成を有し、ステント円周方向要素(リング等)のステント直径(または構成)もしくは1つまたはそれを上回る区画は、ステントのx軸、y軸、またはz軸、もしくはステントの1つまたはそれを上回る区画のうちの1つまたはそれを上回るものの中で、埋込後に変化する(または手技の完了後に、もしくは経時的に変化する、または30日~1年に及ぶ周期にわたって変化する)、ステントを有する、および/または身体管腔(もしくは輪)を支持するために展開後に(もしくは初期拡張後に)十分な初期強度を有する、ステントであって、ステント補綴具は、該当する場合、内向き反跳後に初期直径(または構成)を有し、またはステントの1つまたはそれを上回る区画は、ステント補綴具の初期拡張後、ならびに該当する場合、内向き反跳後に、初期構成を有し、ステント円周方向要素(リング等)のステント直径(または構成)もしく1つまたはそれを上回る区画は、ステントのx軸、y軸、またはz軸、もしくはステントの1つまたはそれを上回る区画のうちの1つまたはそれを上回るものの中で、埋込後により小さくまたは大きくなり(または手技の完了後に、もしくは経時的に変化し、または30日~1年に及ぶ周期にわたって変化し)、管腔(または輪)構成(または直径)の変化に輪郭形成する、ステントを有する。
【0343】
好ましい実施例では、ステント補綴具は、少なくともいくつかのリング上、好ましくは、実質的に全てのリング上に、1つまたはそれを上回る分離領域を有し(もしくは有してもよく)、ステントは、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能であり、身体管腔を支持するために拡張構成時に十分な強度を有し、少なくともいくつかのリングあたりの少なくとも1つの分離領域は、該リングの円周方向経路に不連続性を形成して、該リングを離脱させ、不連続性の形成後のステントは、分離領域の数と実質的に同数の不連続性を伴う構造パターンを維持し、リングあたりの分離領域の数は、1~4に及ぶ。
【0344】
好ましい実施例では、ステント補綴具は、少なくともいくつかのリング上、好ましくは、実質的に全てのリング上に、1つまたはそれを上回る分離領域を有し(もしくは有してもよく)、ステントは、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能であり、身体管腔を支持するために拡張構成時に十分な強度を有し、少なくともいくつかのリングあたりの少なくとも1つまたはそれを上回る分離領域は、該リングの円周方向経路に少なくとも1つの不連続性を形成して、該リングを離脱させるために十分であり、不連続性の形成後のステントは、分離領域の数と実質的に同数の不連続性を伴う構造パターンを維持し、リングあたりの分離領域の数は、1~4に及ぶ。
【0345】
一実施例では、本発明によるステントは、圧着構成から拡張されたより大きい構成までの拡張に応じて、または拡張後に離脱し、拡張構成時に身体管腔もしくは輪を支持するために十分な強度を有するように構成される。少なくともいくつかのリング、または少なくともいくつかのステント区画、もしくは少なくともいくつかのステント領域、または実質的に全てのリング、リング区画、もしくはリング領域、またはステントは、拡張後に離脱する。離脱は、以下のうちの1つまたはそれを上回るものを含む、すなわち、少なくとも1つまたはそれを上回る円周方向にリング、円周方向構造要素、および/またはステントを分離するために十分に、少なくともいくつかのリングのそれぞれ、または少なくともいくつかの円周方向構造要素のそれぞれ、もしくはステント円周方向要素の円周方向経路内に1つまたはそれを上回る切れ目、不連続性、分離を有する、拡張後および不連続性の形成後により大きい構成まで拡張することができる、ステントまたはステント区画を有する、1%~10%に及ぶ、好ましくは、1.5%~7%に及ぶ、より好ましくは、2%~5%に及ぶ、半径方向歪み(またはコンプライアンス)を呈する、拡張構成時のステントもしくはステント区画を有する、0.1mm~1mmに及ぶ、好ましくは、0.15mm~0.7mmに及ぶ、より好ましくは、0.2mm~0.5mmに及ぶ、収縮または拡張、拡張および収縮、拡張ならびに/もしくは収縮を呈する、拡張構成時(拡張後)のステントまたはステント区画を有する、および/または血管拡張剤ならびに/もしくは血管収縮剤および/または他の治療薬に応答する、拡張構成時のステントを有する、もしくはその他である。
【0346】
いくつかの実施例では、非分解性ステント材料が、その高い強度(または高い破砕抵抗)性質もしくは他の機械的性質のために好ましい。金属または金属合金等の分解性材料は、非分解性材料もしくは非分解性合金に実質的に類似する高い破砕抵抗および性質を有するように構成されることができ、したがって、これらの実施例または実施形態にも好適であり得る。いくつかの実施例では、生分解性材料は、身体管腔を支持するためにステント拡張構成時に十分な強度を有し、3ヶ月~10年に及ぶ周期で分解する、好ましくは、1年~5年に及ぶ周期で分解するように構成されることができる。分解性材料はまた、拡張構成時に十分な強度を有し、3ヶ月~10年に及ぶ時間周期にわたって分解する、好ましくは、1年~5年に及ぶ周期で分解する、ポリマー材料でもあり得る。
【0347】
一実施例では、冠状動脈ステントは、1つまたはある場合には複数のステントによる、2.0mm~4.0mm直径拡張範囲を備え、50ミクロン~150ミクロンに及ぶ支柱厚さ、好ましくは、50ミクロン~120ミクロンに及ぶ厚さを有する、ワイヤ、管、または管に丸められた(管に丸める前または後にパターン化された)シートから形成される、15mm~40mmステント長範囲等の範囲に適応する。
【0348】
好ましい実施例では、本発明の1つまたはそれを上回る側面による、拡張後に離脱するように構成されるステントは、少なくとも4億サイクルにわたる疲労に耐える能力を有すること、または十分に、制御されていない破砕を伴わずに4億サイクルのステント疲労に耐える範囲内であるために、リング、拡張領域(クラウン等)、非変形可能領域(支柱等)、もしくは隣接するリングを接続する軸方向リンク等の構造要素に応力および/または歪みを及ぼすことが所望される。一実施例では、ステントの拡張領域は、離脱するように構成され、同一リングまたは隣接するリング上の1つまたはそれを上回る分離領域が不連続性を形成するときに、応力を維持する、またはより長いもしくはより大きい面積に沿って応力を分配する、より幅広い縮径部、キー孔タイプ設計、または他の設計、形状、幾何学形状を有することができる。他の実施例は、構造要素のより大きい幅もしくは厚さ、より長い構造要素、および/または分離領域の変動する数、場所、形状、ならびに幾何学形状を含む。別の実施例は、軸方向リンク場所、形状、および数を操作することである。別の実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域を伴う1つまたはそれを上回るリングを有し、その後に、分離領域を有していない1つまたはそれを上回る隣接するリング、もしくは該リング上の異なる数の分離領域が続き、ステント構造上および分離領域を伴うリング上の全体的応力を管理する。好ましい実施例では、本発明のステントは、ステントが軸方向に接続されたままである間に、身体管腔または輪への実質的な漸増応力を伴わずに、身体管腔または輪を支持するように拡張後に構成される。
【0349】
本願の中の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域および/または継手を有する、少なくとも1つのリング、ならびに/もしくはステント補綴は、約10年の心拍をシミュレーションする約4億のサイクルに耐えることが所望される。ステントは、グッドマン線上に、1の安全係数、好ましくは、1を上回る、より好ましくは、1.2を上回る安全係数を有するように構成される。グッドマン線は、一実施例では、以下のように生成される。ステント材料のMPa単位で測定される平均応力と対比した、ステント材料の同様にMPa単位で測定される交互応力のグラフでは、生理学的条件を受けるステント内の全ての点に関する平均および交互応力(例えば、FEAまたは物理的試験を使用し、生理学的条件をシミュレーションするそのような点を生成する)は、交互応力軸上のMPa単位で測定される(ステント材料サンプルから測定される)疲労限界および平均応力軸上の極限応力を接続する線(グッドマン線である)の上または下方に位置し、1の安全係数、1を上回る、または好ましくは、1.2もしくはそれを上回る安全係数を生じることが所望される。これは、破損を伴わない生理学的条件下のステント補綴具の約10年の疲労サイクルをシミュレーションすることを可能にする。別の実施例では、ステント補綴具は、1つまたはそれを上回る円周方向構造要素(リング等)上のある場所において、10年以内もしくはそれを超える近似持続時間で、制御された破損または不連続性を有するように構成される。
【0350】
一実施例では、非分解性ステント補綴具は、管またはワイヤからパターン化されるL605等の非分解性金属合金を備え、ステントは、本発明の1つまたはそれを上回る側面もしくは実施例によると、身体管腔内または生理学的条件下の拡張後に離脱するように構成され、該ステントは、身体管腔を支持するために拡張構成時に十分な強度を有し、拡張後のステント強度は、減少する。ステントはさらに、分解性コーティングと、新生内膜増殖を抑制する薬剤(コーティングに組み込まれる、またはコーティングと別個である)とを備える。一実施例では、ステント強度は、展開後の1ヶ月~1年に及ぶ周期にわたって、25%~75%の範囲だけ(展開後すぐに、または1時間以内に)展開強度から減少する。別の実施例では、ステント強度は、展開後の1ヶ月~1年に及ぶ周期にわたって、50%~90%の範囲だけ展開強度から減少する。さらに別の実施例では、ステント強度は、1ヶ月~2年に及ぶ周期で、展開後にゼロまで減少する。
【0351】
一実施例では、ステント補綴具は、管またはワイヤからパターン化されるL605等の非分解性金属合金を備え、ステントは、身体管腔内(または生理学的条件下)の拡張後に離脱するように構成され、該ステントは、身体管腔を支持するために拡張構成時に十分な強度を有し、拡張後のステント強度は、実質的に維持される。ステントは、随意に、分解性コーティングおよび/または新生内膜増殖を抑制する薬剤をさらに備える。一実施例では、ステント強度は、展開後の1ヶ月~1年に及ぶ周期にわたって、25%~75%の範囲だけ(展開後すぐに、または1時間以内に)展開強度から減少する。別の実施例では、ステント強度は、身体管腔を支持するために依然として十分なレベルまで減少する。別の実施例では、ステント強度は、新生内膜増殖がない場合に身体管腔を支持し、実質的に定位置で離脱したステントを維持するために不十分なレベルまで減少する。
【0352】
別の実施例では、ステント補綴具は、タングステンまたはタングステン合金等の分解性金属材料を備え、ステント補綴具は、身体管腔内の拡張後に(1つまたはそれを上回る分離領域等の本発明の1つまたはそれを上回る実施例もしくは側面を組み込むことによって)離脱するように構成され、拡張構成時のステント補綴具は、身体管腔を支持するために十分な強度を有し、金属材料は、1年~5年に及ぶ周期で分解する。ステントは、随意に、分解性コーティングおよび/または新生内膜増殖を抑制する薬剤をさらに備える。分離領域がステントの離脱を提供する不連続性を提供する、実施例では、不連続性は、通常、分解性金属または金属合金の分解の前に形成するように構成される。
【0353】
別の実施例では、本願の実施例または側面のうちのいずれかのようなステント補綴具は、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張するようにパターン化される円周方向構造要素を備え、拡張構成時のステントは、身体管腔を支持するために十分な強度を有し、ステントは、生理学的条件下の拡張後に円周方向に離脱する(少なくともいくつかのリングまたは全てのリングに不連続性を形成する)ように構成される。ステントは、一実施例では、1つまたはそれを上回る軸方向リンクによって接続される複数のリングを備え、少なくとも1つまたはそれを上回るリンクは、ステントが円周方向に離脱するときとほぼ同時に分離する、またはステントが円周方向に離脱した後に分離する、もしくはステントが離脱する前に分離する、またはそれらの組み合わせであるように構成される一方で、少なくとも1つのリンクは、2つの隣接するリングの間で無傷のままである、または少なくとも1つのリンクは、全ての隣接するリングの間で無傷のままである、もしくは少なくともいくつかの隣接するリングは、1つの領域中で継合されたままである。
【0354】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、ステント補綴具は、分離領域、間隙、架橋要素、および/または不連続性等のうちの1つまたはそれを上回るものを有するように構成され、該分離領域、間隙、架橋要素、および/または不連続性に隣接する構造要素は、円周方向に移動するように構成される(もしくは可能にされる)、および/または縦方向に移動するように構成される(もしくは可能にされる)、および/または半径方向に移動するように構成される(もしくは可能にされる)、および/または上記の組み合わせで移動を可能にする。
【0355】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、ステント補綴具は、分離領域、間隙、および/または不連続性等のうちの1つまたはそれを上回るものを有するように構成され、該分離領域、間隙、および/または不連続性に隣接する構造要素反対端は、以下のうちの1つまたはそれを上回るものを行うように構成され、すなわち、相互との関係で自由に移動し、制限された方向(または様式)に移動し、非制限方向(または様式)に移動し、束縛された方式(または様式)で移動し、非束縛方式(または様式)で移動し、そのような移動は、縦方向、半径方向、円周方向、またはそれらの組み合わせにある。
【0356】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、拡張構成時のステント補綴具は、構造要素を備え、構造要素のうちの少なくともいくつかは、1つまたはそれを上回る方向(円周方向、縦方向、半径方向、もしくはそれらの組み合わせ等)への少なくともいくつかの円周方向要素の移動を可能にするように構成され、該移動は、生理学的条件下で、少なくとも該構造要素を離脱させ、該少なくともいくつかの構造要素をさらに拡張し、少なくともいくつかの構造要素の血管拡張を可能にし、少なくともいくつかの構造要素が収縮および/または拡張することを可能にする。別の実施例では、ステント補綴具は、構造要素(クラウンおよび/または支柱)を備え、構造要素のうちの少なくともいくつかは、分離領域、継手、間隙、架橋要素、接合点のうちの1つまたはそれを上回るものを有するように構成され、分離領域、間隙、架橋要素、継手、接合点は、ステント補綴具の拡張後に不連続性を形成し、該不連続性は、生理学的条件下で、少なくとも該構造要素を離脱させ、該少なくともいくつかの構造要素をさらに拡張し、少なくともいくつかの構造要素の血管拡張を可能にし、少なくともいくつかの構造要素が収縮および/または拡張することを可能にする。別の実施例では、ステント補綴具は、構造要素(クラウンおよび/または支柱)を備え、構造要素のうちの少なくともいくつかは、分離領域、継手、接合点、間隙、架橋要素のうちの1つまたはそれを上回るものを有するように構成され、分離領域、間隙、架橋要素、継手、接合点のうちの1つまたはそれを上回るものは、該構造要素が、ステント補綴具の拡張後に1つまたはそれを上回る方向(半径方向、円周方向、および/または半径方向等)に移動することを可能にし、該移動は、生理学的条件下で、少なくとも該構造要素を離脱させ、該少なくともいくつかの構造要素をさらに拡張し、少なくともいくつかの構造要素の血管拡張を可能にし、少なくともいくつかの構造要素が収縮および/または拡張することを可能にする。
【0357】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、ステント補綴具は、構造要素(クラウンおよび/または支柱)を備え、構造要素のうちの少なくともいくつかは、圧着構成から拡張されたより大きい構成までのステント補綴具の拡張後に離脱するように構成され、ステントの離脱は、少なくともいくつかの構造要素が1つまたはそれを上回る方向(円周方向、半径方向、もしくはそれらの組み合わせの1つまたはそれを上回る方向を含む)に移動することを可能にすることを含み、該移動は、少なくともいくつかの構造要素(もしくはステント)が、生理学的条件下で、さらに拡張すること、血管拡張を呈すること、収縮および/または拡張すること、より高い半径方向歪みを有する(より柔軟である)ことを可能にする。
【0358】
一実施例では、ステント補綴具は、金属またはポリマー材料から形成される構造要素を備え、構造要素は、ステントパターンを形成し、ステントパターンは、開放セル設計、閉鎖セル設計、螺旋ステントタイプ設計、コイルステントタイプ設計、編組ステントタイプ設計、および/またはそれらの組み合わせを備え、ステントおよび/またはステント補綴具の少なくとも1つの区画は、(分離領域、間隙、補強要素、接合点、継手、不連続性等のうちの1つまたはそれを上回るものを備える)本発明によると、拡張ステント構成時の少なくとも1つの区画(好ましくは、ステント区画全体)内で離脱させるように構成され、少なくとも1つの区画および/またはステントが、円周方向、半径方向、縦方向、ならびに/もしくはそれらの組み合わせを含む、1つまたはそれを上回る方向に移動することを可能にし、そのような移動は、少なくとも1つの区画および/またはステントが、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、生理学的条件下で、増加した半径方向コンプライアンス(半径方向歪み)、拡張構成からの収縮ならびに/もしくは拡張、反跳(該当する場合)後のさらなる拡張、血管拡張剤を呈すること、もしくはそれに応答することを有することを可能にし、移動は、少なくとも1つのステント区画および/またはステントの離脱後に、実質的により高い。
【0359】
一実施例では、ステント補綴具は、構造要素を備え、構造要素は、複数のリングを備え、少なくともいくつかのリングは、クラウンによって継合される支柱を備え、少なくともいくつかのリングは、1つまたはそれを上回る表面領域において隣接するリングに接続され、少なくともいくつかのリングは、1つまたはそれを上回る分離領域、不連続性、接合点、間隙、継手、架橋要素、補強要素を有し、ステント補綴具は、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能であり、少なくともいくつかのリングおよび/またはステントは、拡張構成までの展開後に離脱し、少なくともいくつかのリングおよび/またはステントは、拡張ステント構成時の離脱前と比較して、離脱後に、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、生理学的条件下で、増加した半径方向歪み(半径方向コンプライアンス)、増加した血管拡張または血管収縮、(該当する場合、内向反跳後に展開構成から)第2の拡張構成までさらに拡張すること、展開後の増加した収縮ならびに/もしくは拡張を呈する。
【0360】
別の実施例では、本願の中の実施例のいずれかのようなステント補綴具であって、ステントは、圧着構成から拡張されたより大きい構成(第1の拡張構成または初期拡張)まで拡張可能であり、身体管腔を支持するために十分である、拡張構成時の十分な強度を有し、ステントは、本発明の1つまたはそれを上回る側面によると、拡張後に離脱するように構成され、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、生理学的条件下で、離脱前よりも、増加した半径方向歪み、第1の拡張構成から内向き反跳後に第2の拡張構成までさらに拡張すること、増加した半径方向収縮ならびに/もしくは拡張、増加した半径方向または円周方向変位を可能にする。
【0361】
別の実施例では、本願の中の実施例のいずれかのようなステント補綴具では、ステントは、圧着構成から拡張されたより大きい構成(第1の拡張構成)まで拡張可能であり、身体管腔を支持するために十分である、拡張構成時の十分な強度を有し、ステントは、拡張後に1つまたはそれを上回る方向(円周方向、半径方向、縦方向、および/またはそれらの組み合わせ等)へのステント構造要素のうちの少なくともいくつかならびに/もしくはステントの移動を有する(または可能にする)ように構成され、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、生理学的条件下で、少なくともいくつかの構造要素および/またはステントの該移動を可能にする前よりも、高い半径方向歪み、第1の拡張構成から内向き反跳後に第2の拡張構成までのさらなる拡張、高い半径方向収縮ならびに/もしくは拡張、高い半径方向または円周方向変位を可能にする(もしくはもたらす)。
【0362】
別の実施例では、ステント補綴具は、構造要素を備え、該構造要素は、ステントパターンを備え、ステントは、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能であり、身体管腔を支持するために十分な強度を有し、ステントは、離脱し、生理学的条件下で、閉じ込められた構成時の移動よりも大きい、拡張構成時の(1つまたはそれを上回る方向への)移動を有するように構成される。本実施例の別の実施例では、拡張後のステント強度は、ステント構造要素のうちの少なくともいくつかが生物学的組織(または物質もしくは細胞)で被覆されるまで実質的に維持される。本実施例の別の実施例では、拡張後のステント強度は、ステント構造要素の少なくとも実質的に全てが生物学的物質(または組織もしくは細胞)で被覆されるまで実質的に維持される。本実施例の別の実施例では、拡張後のステント強度は、ステント構造要素のうちの少なくともいくつかが生物学的物質(または組織もしくは細胞)で被覆されるまで実質的に維持され、ステントは、本願の中の種々の側面または実施例で説明されるように、ステントに沿ったいくつかの領域中で離脱するように構成され、生物学的物質は、定位置で離脱したパターン化ステントを実質的に保持する。
【0363】
別の実施例では、本願の中の実施例のいずれかのようなステント補綴具であって、ステントは、ステント補綴具の少なくとも1つの区画内で1つまたはそれを上回る方向への移動を有するように構成され、移動は、生理学的条件下で該1つまたはそれを上回る方向への変位を含む。本実施例の別の実施例では、1つまたはそれを上回る方向は、円周方向、半径方向、および/または縦方向、それらの組み合わせ、ならびに/もしくは他の方向、または他の方向パターンを含む。本実施例の別の実施例では、ステント補綴具は、該移動(または変位)を可能にする、少なくとも1つの区画の離脱を含み、1つまたはそれを上回る方向への移動(または変位)は、生理学的条件下で、離脱前の該移動(または変位)よりも大きい。
【0364】
別の実施例では、ステント補綴具は、種々の形状、形態、および構造を有することができる。例えば、構造要素は、支柱またはねじ様要素と、支柱および/またはねじタイプ要素をともに継合する、クラウンまたは結び目もしくはボルトタイプとを備えることができる。本願の実施例は、種々のタイプのステント、補綴具、および血管または非血管ステント等の他のインプラント、弁を含有するステント、ならびに/もしくは他の補綴具またはインプラントに該当し、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、ステント留置区画管腔またはステント留置区画管腔の一部の離脱、初期コンプライアンスからの増加した半径方向コンプライアンス、埋込後に(または経時的に)減少する高い初期強度、埋込後にさらに拡大する1つまたはそれを上回るステント区画(もしくはステント留置区画)を提供すること、拡張に応じて、血管、管腔、または輪に実質的に輪郭形成する初期構成(形状および/または直径)を有する、1つまたはそれを上回るステント区画(もしくはステント)を有すること、生理学的条件下で、血管、管腔、または輪構成の変化に応答して、埋込後に血管、管腔、または輪に輪郭形成し続ける(もしくは実質的に輪郭形成し続ける)こと、および/または埋込が1つまたはそれを上回るステント区画(またはステント)の1つまたはそれを上回る直径寸法において要求された後の所望の変位が、所望される。
【0365】
別の実施例では、本発明の種々の実施例および側面は、拡張可能補綴具だけではなく、インプラントが身体管腔内に取り付けられる、または設置される(または身体管腔もしくは輪に隣接して設置される、または組織内に設置される)、非拡張可能インプラント等の種々のインプラントにも該当し、そのようなインプラントは、離脱を提供する、および/またはインプラントの少なくとも1つの区画もしくは領域内の埋込後に(例えば、直径の)所望の変位を提供するように構成される。
【0366】
一実施例では、長さ、幅、および厚さを有するインプラントは、身体管腔または身体輪に隣接して取り付けられ(もしくは定位置で保持され)、インプラントは、拡張可能補綴具と結合される(またはそれに取り付けられる)ように構成され、インプラントおよびステント補綴具のうちの少なくとも1つは、インプラントおよび/またはステントの少なくとも1つの区画もしくは領域上に、分離領域、接合点、継手、ヒンジ、架橋要素、間隙のうちの1つまたはそれを上回るものを有するように構成され、インプラントおよび/またはステントの少なくとも1つの区画もしくは領域が、1つまたはそれを上回る方向もしくは1つまたはそれを上回る軸(x、y、もしくはz)で、該インプラントまたはステント補綴具の隣接する区画(もしくは領域)よりも大きい変位(直径の変化)を有することを可能にする。
【0367】
本発明のさらに別の実施例または側面では、ステント補綴具は、ポリマーまたは金属材料からパターン化される円周方向リングを有する、足場を備える。足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成され、円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、円周方向リングが、血管、より具体的には、動脈血管等の生理学的管腔環境内で、円周方向に拡張および収縮することを可能にする、少なくとも1つの円周方向変位領域を有する。例えば、変位領域は、1つまたはそれを上回る円周方向リングが、動脈管腔内の患者の収縮期/拡張期調律に応答して円周方向に拡張および収縮することを可能にし得る。
【0368】
変位領域は、一実施例では、血管または他の身体管腔内のステント補綴具の埋込後に、そのような円周方向拡張および収縮を可能にするであろう。変位領域は、前述で説明された分離領域、開放間隙、またはキーおよびロック構造、もしくはその他のうちのいずれかであり得るが、それらは、頻繁には、エラストマポリマー等のエラストマクッション材料等の材料(ポリマー材料を含む)によって継合または充填される、領域であろう。そのような場合において、エラストマクッション材料は、頻繁には、円周方向リング上の隣接する領域を継合または接続し、したって、隣接する区画および/または領域の相対運動が、血管もしくは身体管腔の脈動または他の生理学的条件に適応することを可能にする、弾性制約として作用するであろう。直接隣接するステント領域の間の相対運動の量または程度は、幅広く変動し得、多くの場合、0.01mm~1mm、多くの場合、0.03mm~0.5mm、頻繁には、0.05mm~0.5mmの範囲内である。ステント円周方向弾性の量または程度もまた、幅広く変動し得、多くの場合、0.05mm~0.2mm、多くの場合、0.07mm~0.15mm、頻繁には、0.07mm~0.012mmの範囲内である。
【0369】
本発明の原理による、円周方向変位領域を有する足場は、一実施例では、典型的には、軸に沿ってともに結合される複数の円周方向リングを含むであろう。そのような事例では、円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、多くの場合、クラウンによって継合される支柱を備え、支柱またはクラウンのうちの少なくともいくつかは、円周方向リングが、動脈管腔内の収縮期/拡張期調律および/または他の生理学的条件に応答して、円周方向に拡張ならびに収縮することを可能にする、円周方向変位領域を有するであろう。そのような領域は、支柱またはクラウンの隣接もしくは対向区画の間に、間隙、チャネル、切れ目、接合点、架橋要素、および同等物等の不連続性を備えてもよい。具体的実施例では、間隙は、支柱の対向区画によって画定され、典型的には、支柱区画の一方の端部において取り付けられた一対の対向束縛壁を有する、メス型結合要素と、対向支柱区画上に配置されたオス型結合要素とを備えてもよい。隣接する支柱区画上の一対の対向束縛壁の間にオス型支柱区画を位置付けることによって、オス型要素およびメス型要素は、相互に対して少なくとも円周方向に自由に移動し、所望の円周方向拡張ならびに収縮を提供するであろう。
【0370】
他の実施例において前述で説明されたように、間隙は、開放したままであってもよい、または他の事例では、円周方向リングの対向壁の間のオス型要素の円周方向移動を抑制するエラストマクッション材料で充填されてもよい。間隙のサイズに応じて、オス型要素は、隣接する支柱区画に対して、軸方向に、側方に、および/または上昇して移動することができるであろう。そのような複数の自由度で移動する能力は、身体管腔脈動に応答してステントの弾性を増進する。他の実施例では、支柱の2つの対向区画の間の間隙は、一対の対向束縛壁と、底面とを含む、チャネルを有する、結合要素を備えてもよい。隣接する支柱区画上で対向するオス型結合要素は、対向束縛壁および底面によって画定されるチャネル内に位置し、オス型要素が対向壁の間で少なくとも円周方向に、かつチャネル内で軸方向に移動することを可能にするであろう。先の実施例または実施形態と同様に、チャネルは、開放したままであってもよい、または弾性材料もしくは他の材料(ポリマーを含む)で充填されてもよい。
【0371】
本発明の原理による、円周方向変位領域のさらに別の実施例では、間隙は、支柱の対向区画内の間に画定され、その間に結合要素をさらに備えてもよい。例えば、ピンが、メス型結合要素の一対の対向壁の間の間隙に跨架するように、かつ枢動孔およびその間のオス型結合要素にさらに通過し、移動、および/または拡張ならびに該拡張を実質的に維持すること、および/または拡張ならびに収縮を可能にするように、位置付けられてもよい。本発明のさらに別の実施例または側面では、ステント補綴具を加工するための方法は、ステント材料の2つまたはそれを上回るパネルもしくはシートをパターン化し、複数の部分リング構造を含むステップを含む。各部分リング構造は、典型的には、最初に平坦である、2つまたはそれを上回るパネル構造が、1つのパネル上の各取付部が別のパネル上の隣接する取付構造に継合されている円筒形アセンブリに形成され得るように、2つまたはそれを上回る取付端で終端するように形成されるであろう。隣接するパネル構造を適切に位置付けた後、取付端は、円周方向ステント構造を完成させるように継合されるであろう。
【0372】
部分リング構造は、一実施例では、典型的には、クラウンによって継合される支柱を備え、取付端は、多くの場合、その間の間隙に噛合するように構成されるオス型およびメス型要素としてパターン化され、間隙は、円周方向足場が生理学的管腔環境内で円周方向に拡張および/または収縮することを可能にするであろう。随意に、間隙は、開放したままであってもよいが、より多くの場合、取付端の間に弾性取付を提供するように、材料、好ましくは、ポリマー材料で、より好ましくは、エラストマ材料で充填されてもよい。材料は、分解性または非分解性であり得る。
【0373】
2つまたはそれを上回るパネル構造を円筒形アセンブリに形成するステップは、一実施例では、典型的には、マンドレル、通常、円筒形マンドレルにわたってパネルを屈曲するステップを含む。2つまたはそれを上回るパネルがそれらの所望の形状に形成された後、各パネル上の隣接する端部構造は、典型的には、隣接する端部構造の間に、またはそれにわたってエラストマ材料を適用することによって、継合されてもよい。
【0374】
本発明のなおも別の実施例または側面では、ステント補綴具は、ポリマーまたは金属材料(非分解性および分解性を含む)からパターン化される円周方向リングを有する、足場を備える。足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成され、円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、軸方向リンクによって継合され、軸方向リンクのうちの少なくともいくつかは、円周方向変位領域によって隣接する円周方向リングに継合される。円周方向変位領域は、好ましい実施例では、(2つの隣接するリングを接続する)軸方向リンクを無傷で維持しながら、円周方向リングが生理学的環境内で円周方向に拡張および/または収縮することを可能にする。
【0375】
ある実施例では、円周方向変位領域等の変位が少なくとも1つの方向にある少なくとも1つの変位領域は、円周方向リングが、動脈管腔内の収縮期/拡張期調律もしくは他の生理学的条件に応答して、円周方向に拡張および/または収縮することを可能にする。通常、足場は、軸方向リンクによって軸に沿ってともに結合される複数の円周方向リングを含む。そのような事例では、円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、典型的には、クラウンによって継合される支柱を備え、隣接する円周方向リング上の支柱は、軸方向リンクに継合される円周方向変位領域で終端する。
【0376】
先の実施例と同様に、円周方向変位領域等の変位が少なくとも1つの方向にある変位領域は、典型的には、支柱またはクラウンの対向区画の間に間隙を備える、円周方向リングが、動脈管腔内の収縮期/拡張期調律に応答して少なくとも円周方向に拡張および/または収縮することを可能にする、不連続性を備えてもよい。より典型的には、円周方向変位領域は、オス型区画と、メス型結合要素とを備える。オス型区画が、典型的には、支柱の末端にあろう場合には、メス型結合要素は、軸方向リンクの上にある。逆に、メス型区画は、支柱の末端にあってもよく、オス型結合要素は、軸方向リンク上に位置してもよい。
【0377】
本願の実施例のうちのいずれかの一実施例では、インプラントは、ステント、圧着構成時の略管状のステント、拡張(展開)構成時の略管状のステント、拡張および/または圧着構成時の管状ステント、圧着および/または拡張構成時の円筒形もしくは略円筒形のステント、圧着および/または拡張構成時の非円筒形ステントを備え、ステントは、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能であり、身体管腔(輪を含む)を支持するために十分な強度を有する。
【0378】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、インプラントは、身体管腔に係留する、身体管腔(輪を含む)に隣接する、または生体構造に係留する固定デバイスであり、固定デバイスは、別のインプラント(ステント、弁(天然または合成)等)に接続する。
【0379】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、インプラント(補綴具)は、動脈ステント、弁修復もしくは置換用のステント、弁修復もしくは置換用の固定デバイス、および/または管腔ステントである。
【0380】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、インプラントは、ステントを備え、ステントは、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能であり、身体管腔(または輪)を支持するために拡張構成時に十分な初期強度を有し、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、初期形状、初期変位、初期半径方向歪み、初期血管運動反応性を有し、拡張後のステント補綴具は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、増加した半径方向歪み、増加した半径方向歪みおよび初期強度からの減少した強度、初期強度を下回る減少した強度、少なくとも1つの方向への増加した変位を有し、該方向への初期変位は、実質的に小さく、初期変位が該少なくとも1つの方向へ実質的にゼロである、および/または拡張後に初期形状からステントの形状を変化させる、少なくとも1つの方向への変位を有する。上記の実施例におけるステントは、以下のうちの1つまたはそれを上回るものを有するように構成される、すなわち、離脱する、拡張後の可変コンプライアンス(半径方向歪み)を有する、拡張に応じた半径方向コンプライアンスと異なる、拡張後の制御されたコンプライアンス(半径方向歪み)を有する、拡張後の管腔または血管コンプライアンス(半径方向歪み)に適応する、可変変位を有する、初期拡張構成と異なる制御された変位を有する、拡張または展開後の管腔もしくは血管変位に適応する、可変移動を有する、制御された移動を有する、拡張後の管腔または血管移動に適応する、および/または拡張後の血管反応性を可能にする。ステントは、本実施例では、分解性であるステントと、非分解性ステント、金属ステント、ポリマーステント、または組み合わせであるステントとを含む。インプラントは、限定ではないが、拡張および/または圧着構成時の構造を有する、ステント、管状構造、非管状構造、ならびに他のインプラントを含む。別の実施例では、ステント補綴具は、圧着構成から拡張構成までの展開(拡張)に応じて、略円筒形の形状を有し、ステント形状は、拡張後に、非円筒形、略非円筒形、縦長、卵形、または他の形状のうちの1つに変化し、身体管腔(輪を含む)の変化に適応する。
【0381】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、拡張後のステント補綴具は、身体管腔(輪を含む)に実質的に適合する、もしくは適している初期形状(または形状構成)を有し、拡張後のステントの該形状(または形状構成)は、身体管腔形状(または形状構成)の変化(輪形状の変化を含む)に適応するように変化し、該適合不一致を防止する、または最小限にする、もしくはステントの初期拡張後の管腔形状または構成の該変化の前の初期適合と比較して、適合を改良している。別の実施例では、拡張後の形状(または形状構成)の変化は、ステントの拡張構成を実質的に維持しながら、管腔によって及ぼされる力に応答する、動的に変化する形状(または形状構成)である。
【0382】
本願の実施例のうちのいずれかの一実施例では、インプラントは、初期形状、変位、および固定強度を有する、固定デバイスであり、身体管腔に隣接する、または身体管腔内の固定後のインプラントは、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、少なくとも1つの方向へのより大きい変位、少なくとも1つの次元で形状を変化させる、インプラントの少なくとも一部で強度を減少させる、またはその他を有する。
【0383】
別の実施例では、分離領域または継手を有するように構成されるステント補綴具は、生理学的環境下で第2のより大きい構成までさらに拡張し、ステントは、生理学的条件に暴露されていない場合にさらに拡張しないであろう。別の実施例では、本願の実施例のうちのいずれかのようなステント補綴具は、生理学的条件下のみで、(該当する場合、初期内向き反跳後に)第2のより大きい構成までさらに拡張する。
【0384】
別の実施例では、ステント補綴具は、展開後に、かつ不連続性の形成に先立って、血管反応性を呈する、および/または実質的にステント留置区画全体にわたって血管反応性を呈する。
【0385】
本願の実施例のうちのいずれかの一実施例では、ステントは、1つまたはそれを上回る分離領域(もしくは不連続性)を備え、分離領域(もしくは不連続性)は、1つまたはそれを上回る継手を備え、継手は、拡張後に少なくとも1つの方向または次元で移動もしくは変位を可能にし、継手は、生理学的条件で崩壊しない。
【0386】
本願の実施例のうちのいずれかの一実施例では、ステントは、1つまたはそれを上回る分離領域(もしくは不連続性)を備え、分離領域(もしくは不連続性)は、1つまたはそれを上回る継手を備え、継手は、拡張後に少なくとも1つの方向または次元で移動もしくは変位を可能にし、継手は、生理学的条件で拡張後に崩壊する。
【0387】
本願の実施例のうちのいずれかの一実施例では、ステントは、複数のリングを備え、少なくともいくつかのリングは、実質的に同一または異なる時間周期において不連続性(もしくは変位)を形成するように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域(もしくは継手)を有する。
【0388】
本願の実施例のうちのいずれかの一実施例では、インプラント(ステントを含む)は、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、分離領域は、継手を備え、継手は、拡張後に少なくとも1つの方向への変位を可能にする。継手の実施例は、限定ではないが、枢動タイプ継手、ヒンジタイプ継手、ラチェットタイプ継手、サドルタイプ継手、ボール・ソケットタイプ継手、顆タイプ継手、および/またはプラントタイプ継手を含む。一実施例では、継手は、崩壊しない。別の実施例では、継手は、拡張後に崩壊する。別の実施例では、インプラントは、拡張後の変位規模よりも小さい、拡張に応じた初期変位を有する。
【0389】
一実施例では、分離領域は、継手を備える。別の実施例では、分離領域は、継手である。
【0390】
本願の実施例のうちのいずれかの一実施例では、インプラント(ステントを含む)は、拡張に応じた初期形状と、1つまたはそれを上回る分離領域とを有し、分離領域は、継手を備え、継手は、拡張後に該形状の変化を可能にする。継手の実施例は、限定ではないが、枢動タイプ継手、ヒンジタイプ継手、ラチェットタイプ継手、サドルタイプ継手、ボール・ソケットタイプ継手、顆状タイプ継手、および/またはプラントタイプ継手を含む。一実施例では、継手は、崩壊しない。別の実施例では、継手は、拡張後に崩壊する。
【0391】
本願の実施例のうちのいずれかの一実施例では、ステント補綴具は、複数の円周方向リングを備え、少なくとも1つのリングは、生理学的条件における拡張後に不連続性(または変位)を形成する、1つまたはそれを上回る分離領域(もしくは継手)を有する。
【0392】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、生理学的条件は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、身体管腔(輪を含む)、生理学的圧力、心拍、筋収縮、約37℃の温度、インプラントが該温度の水槽内にある、約37℃の温度、身体管腔(もしくは輪)を模倣するスリーブ、および/または生理学的条件を模倣する試験固定具を備える。
【0393】
本願の実施例のうちのいずれかの一実施例では、ステント補綴具は、少なくとも1つのリングを備え、リングは、クラウンによって継合される支柱を備え、リングは、不連続性および/または変位ならびに/もしくは形状構成の変化を形成するように構成される、該リングの円周方向経路に沿った、1つまたはそれを上回る分離領域もしくは1つまたはそれを上回る継手を備える。一実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域もしくは継手は、支柱および/またはクラウン領域上に位置し、少なくともリングが、生理学的環境内のステント補綴具の拡張後に、離脱すること、変位を有すること、さらに拡張および/または収縮すること、ならびに/もしくは形状構成を変化させることを可能にする。
【0394】
本願の実施例のうちのいずれかの一実施例では、ステント補綴具は、1つまたはそれを上回る分離領域(もしくは不連続性)を備え、拡張後の該分離領域または不連続性は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、1つまたはそれを上回る方向への変位、1つまたはそれを上回る方向への増加した変位、初期拡張形状構成からの形状構成の変化、初期拡張半径方向歪みからの半径方向歪みの変化、初期拡張半径方向歪みからの増加した半径方向歪み、減少した強度、初期拡張強度からの減少した強度、増加した半径方向歪みを有する一方で、初期半径方向歪みおよび初期強度からの減少した強度を有する。
【0395】
一実施例では、ステント補綴具またはインプラントは、1つまたはそれを上回る分離領域を備え、分離領域は、連結具を備える。連結具は、同一方向(押動・引動連結具)へ、または反対方向(逆運動連結具)へ変位(移動)を可能にする。連結具は、ピン、ねじ、割りピン、ポリマー締結具、ポップリベット、クレビスピン、および/またはナットならびにボルト等を含む、種々の方法で接続されてもよい。連結具は、変位の規模もしくは方向を変化させる、変位規模を増加させる、変位方向もしくは規模を逆転させる、またはそれらの組み合わせを行ってもよい。
【0396】
一実施例では、ステント補綴具またはインプラントは、1つまたはそれを上回る継手を備え、継手は、ピン、ねじ、割りピン、ポリマー締結具、ポップリベット、クレビスピン、および/またはナットならびにボルトを含む、種々の方法で接続される。
【0397】
本願の実施例のうちのいずれかの一実施例では、補綴具は、ステント、構造を有するインプラント、構造および固定手段を有するインプラント、またはその他のうちの1つを備える、インプラントである。
【0398】
本願の実施例のうちのいずれかの一実施例では、ステント補綴具は、複数の隣接するリングを備え、実質的に全てのリングは、1つまたはそれを上回る分離領域、不連続性、もしくは継手を備え、実質的に全てのリングは、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、生理学的条件下で、圧着構成から拡張されたより大きい構成までの拡張後に、類似する半径方向歪み(もしくはコンプライアンス)規模または変化、実質的に類似する実質的に全てのリングの血管運動反応性、実質的に全てのリングの離脱、実質的に全てのリングのより大きい構成までのさらなる拡張、実質的に全てのリングの拡張および/または収縮、少なくとも1つの方向(もしくは次元)への変位、形状の構成の変化が可能である。別の実施例では、実質的に全てのリングは、以下のうちの類似する1つまたはそれを上回るもの、すなわち、生理学的条件下で拡張構成時に、最初に、半径方向歪み、続いて、さらなる拡張、半径方向収縮および/または拡張、類似離脱、類似変位、類似形状構成変化を有する。別の実施例では、いくつかのリングは、以下のうちの異なる1つまたはそれを上回るもの、すなわち、生理学的条件下で拡張構成時に、拡張後の半径方向歪み、変位規模、形状構成、収縮および/または拡張、血管反応性を有する。
【0399】
別の実施例では、ステント補綴具は、離脱するように構成され、離脱は、以下のうちの1つまたはそれを上回るものを含む、すなわち、該ステントが生理学的条件下で圧着構成から拡張構成まで拡張した後に、拡張後の可変コンプライアンス(半径方向歪み)を有する、拡張に応じた半径方向コンプライアンスと異なる、拡張後の制御されたコンプライアンス(半径方向歪み)を有する、拡張後の管腔または血管コンプライアンス(半径方向歪み)に適応する、可変変位を有する、初期拡張構成と異なる制御された変位を有する、拡張または展開後の管腔もしくは血管変位に適応する、可変移動を有する、制御された移動を有する、拡張後の管腔または血管移動に適応する、および/または拡張後の血管反応性を可能にする。
【0400】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、拡張後の少なくともいくつかの円周方向構造要素(リング等)またはインプラントもしくはステント補綴具は、1%~20%に及ぶ、好ましくは、1%~15%に及ぶ、より好ましくは、1.5%~10%に及ぶ、最も好ましくは、2%~7%に及ぶ、複合半径方向歪み(またはコンプライアンス)を有する。別の実施例では、半径方向歪み規模は、0.07mm~3mmに及ぶ、好ましくは、0.1mm~2mmに及ぶ、より好ましくは、0.1mm~1mmに及ぶ、最も好ましくは、0.1mm~0.5mmに及ぶ。別の実施例では、血管反応性規模は、0.07mm~3mmに及ぶ、好ましくは、0.1mm~2mmに及ぶ、より好ましくは、0.1mm~1mmに及ぶ、最も好ましくは、0.1mm~0.5mmに及ぶ。
【0401】
当業者は、本願に説明される種々の実施例および側面が、半径方向、および/または円周方向、もしくは他の方向、またはそれらの組み合わせにおける移動を促進するために採用され得ることを理解するであろう。
【0402】
以前の実施例または実施形態と同様に、オス型要素は、典型的には、メス型結合部材の対向壁の間で自由に円周方向に移動し、ステント補綴具の円周方向拡張(および/または半径方向)ならびに/もしくは収縮を可能にするであろう。オス型区画およびメス型結合要素は、間隙によって分離されてもよく、間隙は、開放したままであってもよい、または逆に、円周方向リングの対向壁の間のオス型要素の円周方向移動を抑制するエラストマクッション材料等の材料で充填されてもよい。
【0403】
好ましい実施例では、ステント補綴具は、圧着構成から拡張構成を拡張するように構成される、1つまたはそれを上回る構造要素を備え、1つまたはそれを上回る構造要素は、ステントの周囲に1つまたはそれを上回る連続円周方向経路を有し、構造要素は、該連続円周方向経路の該構造要素を二等分する、1つまたはそれを上回る分離領域を有する。特定の実施例では、1つまたはそれを上回る構造要素を二等分する、1つまたはそれを上回る分離領域は、ステントの拡張前に形成され、二等分された構造要素は、ステントの拡張中にともに保持され、二等分された構造要素は、ステントの拡張後に分離し、ステントの周囲に1つまたはそれを上回る不連続円周方向経路を形成するように構成される。1つまたはそれを上回る分離領域は、一実施例では、ステントのパターン化中に形成される。1つまたはそれを上回る分離領域は、別の実施例では、ステントのパターン化後に形成される。1つまたはそれを上回る構造要素は、一実施例では、1つまたはそれを上回るリング(巻目)を備える。足場は、1つまたはそれを上回る構造要素を備える。1つまたはそれを上回る構造要素は、別の実施例では、螺旋ステントを形成する、1つまたはそれを上回るリング(または巻目)を備える。1つまたはそれを上回る構造要素は、別の実施例では、複数の支柱およびクラウンを備える。1つまたはそれを上回る構造要素は、別の実施例では、1つまたはそれを上回るリング(巻目)を備え、1つまたはそれを上回るリング(巻目)は、複数の支柱およびクラウンを備える。1つまたはそれを上回る構造要素は、さらに別の実施例では、1つまたはそれを上回るリングを備え、1つまたはそれを上回るリングは、複数の支柱およびクラウンから成る。1つまたはそれを上回る構造要素は、別の実施例では、2つまたはそれを上回るリング(巻目)を備え、隣接するリングは、パターン化中またはパターン化後に軸方向に継合される。1つまたはそれを上回る構造要素は、別の実施例では、2つまたはそれを上回るリング(巻目)を備え、少なくとも2つの隣接するリングは、パターン化中またはパターン化後に1つまたはそれを上回るリンクによって継合され、該少なくとも2つの隣接するリングを継合する少なくとも1つのリンクは、該少なくとも2つの隣接するリング上の全ての二等分された構造要素の分離後に無傷のままである。1つまたはそれを上回る構造要素は、別の実施例では、2つまたはそれを上回るリング(巻目)を備え、少なくとも2つの隣接するリングは、パターン化中またはパターン化後に2つまたはそれを上回るリンクによって継合され、該少なくとも2つの隣接するリングを継合する少なくとも2つのリンクは、該少なくとも2つの隣接するリング上の全ての二等分された構造要素の分離後に無傷のままである。1つの特定の実施例では、1つまたはそれを上回る構造要素は、2つまたはそれを上回る隣接するリング(巻目)を備え、2つまたはそれを上回る隣接するリングは、該隣接するリング上の構造要素を融合する、はんだ付けする、または連結することによって、軸方向に継合され、少なくともいくつかの隣接するリングは、該少なくともいくつかのリング上の全ての二等分された構造要素が形成された不連続性において分離した後に継合されたままである。1つの特定の実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域は、接合点、間隙、および界面のうちの1つまたはそれを上回るものを備える。別の特定の実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域に隣接する構造要素は、接合点、間隙、および界面のうちの1つまたはそれを上回るものを形成する。さらに別の実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域に隣接する二等分された構造要素は、ポリマー材料、接着剤、はんだ、ステント材料と異なる材料、機械的ロック、または他の手段のうちの1つまたはそれを上回るものによって、ステントの拡張に先立ってともに保持される。好ましい実施例では、ポリマー材料は、分解性材料である。1つの特定の実施例では、ステントは、該リング上の少なくとも1つの構造要素を二等分する1つまたはそれを上回る分離領域を有するように構成される、少なくとも1つのリングを有し、少なくとも1つのリングの二等分された構造要素は、ステントの拡張に先立って分離したままである。ステント補綴具は、本実施例では、金属または金属合金材料等の非分解性材料から形成されてもよいが、ポリマー材料またはその他から形成されることもできる。別の実施例では、ステント補綴具は、非分解性金属または金属合金材料から形成されてもよく、圧着構成からの拡張が可能なステントにパターン化され、ステントは、1つまたはそれを上回るリング(巻目)を備え、隣接するリング(巻目)は、同一の非分解性ステント材料または非分解性はんだ材料から、該2つの隣接するリングの間に、リンクを融合、はんだ付け、または形成することによって、軸方向に継合される。
【0404】
好ましい実施例では、ステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、ステントの周囲に1つまたはそれを上回る連続円周方向経路を形成する、1つまたはそれを上回る構造要素を備える。1つまたはそれを上回る構造要素は、1つまたはそれを上回る円周方向リング(巻目)を備え、少なくとも1つのリングは、該リングをステントの周囲の1つまたはそれを上回る不連続円周方向経路に二等分する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、二等分されたリングは、接着剤、ポリマー材料、およびはんだのうちの1つまたはそれを上回るものから成る材料によって、無傷で保持され、二等分されたリングは、身体管腔内のステントの拡張後に分離するように構成され、二等分されたリングは、空中のステントの拡張後に分離しない。ステント補綴具は、本実施例では、金属または金属合金材料等の非分解性材料から形成されてもよい。
【0405】
好ましい実施例では、ステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成される、1つまたはそれを上回る構造要素を備え、1つまたはそれを上回る構造要素は、ステントの周囲に1つまたはそれを上回る連続円周方向経路を有し、構造要素は、該連続円周方向経路の該構造要素を二等分する、1つまたはそれを上回る分離領域を有する。特定の実施例では、1つまたはそれを上回る構造要素を二等分する、1つまたはそれを上回る分離領域は、ステントの拡張前に形成され、二等分された構造要素のうちの少なくともいくつかは、ステントの圧着前にともに保持され、少なくともいくつかの二等分された構造要素は、拡張後に分離し、ステントの周囲に1つまたはそれを上回る不連続円周方向経路を形成するように構成される。1つの特定の実施例では、ステントの1つまたはそれを上回る区画がステントの拡張に応じて向上されたコンプライアンスを有することが有利である。そのような実施例では、殆どの不連続性が拡張後に形成されるが、二等分された構造要素のうちの少なくとも1つは、形成されると、または形成した後に、および拡張構成までのステントの拡張前に、分離するように構成される。典型的には、この場合、1つまたはそれを上回るステント区画は、近位端リングおよび/または遠位端リング等のステントの長さに沿った1つまたはそれを上回るリングを備え、ステントの拡張に先立って、1つまたはそれを上回る二等分された構造要素を分離させるように構成される。ステント補綴具は、本実施例では、金属または金属合金材料等の非分解性材料から形成されてもよい。
【0406】
好ましい実施例では、ステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、ステントの周囲に1つまたはそれを上回る連続円周方向経路を形成する、1つまたはそれを上回る構造要素を備え、1つまたはそれを上回る構造要素は、1つまたはそれを上回る円周方向リング(巻目)を備え、少なくとも1つのリングは、該リングをステントの周囲の1つまたはそれを上回る不連続円周方向経路に二等分する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、二等分されたリングは、無傷で保持され、ステントの拡張後に分離するように構成され、生理学的条件下の拡張構成時のステント補綴具は、初期破砕強度を有し、該初期破砕強度は、その後に減少し、ステント補綴具は、ステント長の一部に沿って軸方向に接続されたままであり、二等分されたリングの中の少なくとも1つのクラウンは、いかなる分離領域も有していない。ステント補綴具は、本実施例では、金属または金属合金材料等の非分解性材料から形成されてもよい。
【0407】
好ましい実施例では、ステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、ステントの周囲に1つまたはそれを上回る連続円周方向経路を形成する、1つまたはそれを上回る構造要素を備え、1つまたはそれを上回る構造要素は、1つまたはそれを上回る円周方向リング(巻目)を備え、少なくとも1つのリングは、該リングを二等分する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、二等分されたリングは、無傷で保持され、ステントの拡張後に分離するように構成され、生理学的条件下の拡張構成時のステント補綴具は、リングが無傷で保持されている間に初期破砕強度を有し、該初期破砕強度は、リングが分離した後に減少し、ステント補綴具は、ステント長の一部に沿って軸方向に接続されたままであり、二等分されたリングの中の少なくとも1つのクラウンは、いかなる分離領域も有していない。好ましい特定の実施例では、ステントは、バルーン拡張され、拡張構成は、バルーン収縮後のステントの内向きの反跳後のステントの構成である。ステント補綴具は、本実施例では、金属または金属合金材料等の非分解性材料から形成されてもよい。
【0408】
好ましい実施例では、ステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、ステントの周囲に1つまたはそれを上回る連続円周方向経路を形成する、1つまたはそれを上回る構造要素を備え、1つまたはそれを上回る構造要素は、1つまたはそれを上回る円周方向リング(巻目)を備え、少なくとも1つのリングは、該リングを二等分する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、二等分されたリングは、無傷で保持され、ステントの拡張後にステントの周囲の1つまたはそれを上回る不連続円周方向経路に分離するように構成され、生理学的条件下の拡張構成時のステント補綴具は、初期コンプライアンスを有し、該初期コンプライアンスは、該リングが分離した後に増加し、ステント補綴具は、ステント長の一部に沿って軸方向に接続されたままであり、二等分されたリングの中の少なくとも1つのクラウンは、いかなる分離領域も有していない。ステント補綴具は、本実施例では、金属または金属合金材料等の非分解性材料から形成されてもよい。
【0409】
好ましい実施例では、ステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、ステントの周囲に1つまたはそれを上回る連続円周方向経路を形成する、1つまたはそれを上回る構造要素を備え、1つまたはそれを上回る構造要素は、1つまたはそれを上回る円周方向リング(巻目)を備え、少なくとも1つのリングは、該リングを二等分する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、二等分されたリングは、無傷で保持され、ステントの周囲の1つまたはそれを上回る不連続円周方向経路の中へ身体血管内のステントの拡張後に分離するように構成され、生理学的条件下の拡張構成時のステント補綴具は、初期ステント留置区画コンプライアンスを有し、該初期コンプライアンスは、該リングが分離した後に第2のステント留置区画コンプライアンスまで増加し、該第2のコンプライアンスは、初期コンプライアンスよりも大きく、第2のコンプライアンスは、該生理学的条件下で拡張されたステントに隣接する非ステント留置血管区画のコンプライアンスよりも小さいままである。好ましい実施例では、初期コンプライアンスは、生理学的条件で、0.1%~0.5%に及び、第2のコンプライアンスは、1%~3%に及び、非ステント留置隣接区画コンプライアンスは、3.5%~5%に及ぶ。ステント補綴具は、特定の好ましい実施例では、ステント長の少なくとも一部に関して1つまたはそれを上回る軸方向リンクを介して軸方向に接続されたままである。ステント補綴具は、本実施例では、金属または金属合金材料等の非分解性材料から形成されてもよい。
【0410】
別の実施例では、ステント補綴具は、拡張構成で形成され、ステントの周囲に連続円周方向経路を形成する、1つまたはそれを上回る構造要素を備え、1つまたはそれを上回る構造要素は、1つまたはそれを上回る円周方向リング(巻目)を備え、少なくとも1つのリングは、該リングを二等分する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、二等分されたリングは、接着剤、ポリマー材料、およびはんだのうちの1つまたはそれを上回るものから成る手段によって、無傷で保持され、二等分されたリングは、ステントの周囲の1つまたはそれを上回る不連続円周方向経路の中へ身体管腔内で分離するように構成される。ステント補綴具は、本実施例では、金属または金属合金材料等の非分解性材料から形成されてもよい。
【0411】
好ましい実施例では、ステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、ステントの周囲に1つまたはそれを上回る連続円周方向経路を形成する、1つまたはそれを上回る構造要素を備え、1つまたはそれを上回る構造要素は、1つまたはそれを上回る円周方向リング(巻目)を備え、少なくとも1つのリングは、該リングをステント周囲の1つまたはそれを上回る不連続円周方向経路に二等分する、1つまたはそれを上回る不連続性を有し、二等分されたリングは、該二等分されたリング領域を含有する、1つまたはそれを上回る非分解性ポリマー材料から成る材料によって、無傷で保持され、二等分されたリングは、生理学的環境内のステントの拡張後に該非分解性ポリマー材料によって含有されたままであるように構成される。ステント補綴具は、本実施例では、金属または金属合金材料等の非分解性材料から形成されてもよい。
【0412】
好ましい実施例では、ステント補綴具は、圧着構成から拡張されたより大きい構成まで拡張可能であり、ステントは、1つまたはそれを上回る円周方向構造要素を有し、1つまたはそれを上回る構造要素は、ステントの周囲に1つまたはそれを上回る連続円周方向経路を形成し、該1つまたはそれを上回る構造要素は、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、1つまたはそれを上回る分離領域は、生理学的環境内のステントの拡張後に1つまたはそれを上回る構造要素(もしくはステント)を円周方向に分離するように構成される。好ましい実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域は、ステントのパターン化中またはパターン化後に形成される、該要素のそれぞれを2つまたはそれを上回る区分に二等分する、1つまたはそれを上回る構造要素に形成される、切れ目、キーおよびロック、突き合わせ継手、重複構造要素領域、重複支柱領域、重複クラウン領域、または他の接合点タイプの形状を有する、1つまたはそれを上回る構造要素に形成される、接合点のうちの1つまたはそれを上回るものを備える。切れ目または間隙に隣接する二等分された構造要素は、ポリマー、接着剤、またははんだから成る材料によってともに保持され、生理学的環境内の拡張に応じて、またはその後に、分離領域は、分離し、リングの中に間隙、完全な切れ目、または分離を提供して、リングを破壊するため、もはや連続円周方向経路が存在しなくなる。
【0413】
別の実施例では、ステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、ステントは、非分解性材料からパターン化され、ステントは、ステントの周囲に1つまたはそれを上回る連続円周方向経路を形成する、1つまたはそれを上回る円周方向構造要素を備え、構造要素は、1つまたはそれを上回る円周方向リング(巻目)を備え、少なくとも1つのリングは、該リングを二等分する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、リングは、無傷で保持され、生理学的環境内のステントの拡張後に分離するように構成される。一実施例では、ステントは、2つまたはそれを上回るリングを備え、少なくともいくつかのリングは、クラウンによって継合される複数の支柱を備え、1つのリング上の少なくとも1つのクラウンは、隣接するリング上の別のクラウンに継合され、少なくとも1つの分離領域は、該隣接するリング上の両方の該継合されたクラウンを二等分する。別の実施例では、ステントは、2つまたはそれを上回るリングを備え、少なくともいくつかのリングは、クラウンによって継合される複数の支柱を備え、1つのリング上の少なくとも1つのクラウンは、リンクによって隣接するリング上の別のクラウンに継合され、少なくとも1つの分離領域は、該リンクおよび該隣接するリング上の両方の該クラウンを二等分する。別の実施例では、ステントは、2つまたはそれを上回るリングを備え、少なくともいくつかのリングは、クラウンによって継合される複数の支柱を備え、1つのリング上の少なくとも1つのクラウンは、隣接するリング上の支柱に継合され、少なくとも1つの分離領域は、該隣接するリング上の該継合されたクラウンおよび支柱の両方を二等分する。別の実施例では、ステントは、2つまたはそれを上回るリングを備え、少なくともいくつかのリングは、クラウンによって継合される複数の支柱を備え、1つのリング上の少なくとも1つのクラウンは、リンクによって隣接するリング上の支柱に継合され、少なくとも1つの分離領域は、該リンクおよび該隣接するリング上の該クラウンならびに支柱の両方を二等分する。別の実施例では、ステントは、2つまたはそれを上回るリングを備え、少なくともいくつかのリングは、クラウンによって継合される複数の支柱を備え、1つのリング上の少なくとも1つの支柱は、隣接するリング上の別の支柱に継合され、少なくとも1つの分離領域は、該隣接するリング上の該継合された支柱の両方を二等分する。別の実施例では、ステントは、2つまたはそれを上回るリングを備え、少なくともいくつかのリングは、クラウンによって継合される複数の支柱を備え、1つのリング上の少なくとも1つの支柱は、リンクによって隣接するリング上の別の支柱に継合され、少なくとも1つの分離領域は、該リンクおよび該隣接するリング上の両方の該支柱を二等分する。
【0414】
一実施例では、ステント補綴具は、非分解性材料からパターン化され、パターン化するステップは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能である1つまたはそれを上回る構造要素を形成するステップ、レーザによって1つまたはそれを上回る構造要素を形成するステップ、化学エッチングによって1つまたはそれを上回る構造要素を形成するステップ、1つまたはそれを上回るワイヤを巻回し、圧着構成から拡張構成まで拡張可能である1つまたはそれを上回る構造要素を形成するステップ、1つまたはそれを上回るワイヤを巻回し、圧着構成から管状ステントを形成する拡張構成まで拡張可能である螺旋ステントを形成するステップ、ステントを形成するように巻かれる平坦シートから1つまたはそれを上回る構造要素を形成するステップであって、ステントは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能である、ステップ、圧着構成から拡張構成まで拡張可能である1つまたはそれを上回るリングを形成するステップであって、1つまたはそれを上回るリングは、クラウンによって継合される複数の支柱を備える、ステップ、開放セルステントパターンを形成するステップ、閉鎖セルステントパターンを形成するステップ、またはハイブリッド開放および閉鎖セルパターンを形成するステップのうちの1つまたはそれを上回るものを含む。
【0415】
一実施例では、ステント補綴具は、コバルトクロム等の非分解性材料から形成され、圧着構成から拡張構成まで拡張可能である構造にパターン化され、構造は、ステントの周囲に1つまたはそれを上回る連続円周方向経路を形成する、1つまたはそれを上回る構造要素を備え、1つまたはそれを上回る分離領域は、1つまたはそれを上回る円周方向連続経路を二等分し、二等分された構造要素のうちの少なくともいくつかは、ポリマー材料、接着剤、およびはんだから成る手段によって、分離領域の形成後およびステントの拡張前にともに保持され、該構造要素は、生理学的条件下のステントの拡張後に分離するように構成される。ステントは、好ましい実施例では、コーティングをさらに備え、コーティングは、分解性ポリマーおよび非分解性ポリマーのうちの1つまたはそれを上回るものから成り、コーティングはさらに、少なくとも1つの薬剤から成る。
【0416】
別の実施例では、ステント補綴具は、ステントの周囲に1つまたはそれを上回る連続円周方向経路を形成する、1つまたはそれを上回る構造要素を備え、構造要素は、1つまたはそれを上回るリングを備え、リングのうちの少なくともいくつかは、連続円周方向経路上にクラウン、支柱、円周方向コネクタ、または他の要素のうちの1つまたはそれを上回るものを備え、少なくとも1つまたはそれを上回る分離領域は、1つまたはそれを上回る連続円周方向経路上に形成され、リングを円周方向に分離し、ステントは、開放セルパターン、閉鎖セルパターン、開放および閉鎖セルパターン、螺旋骨格ステント、屈曲ワイヤ、パターン化された管、パターン化されたシート、またはその他のうちの1つまたはそれを上回るものを備え、二等分された円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、無傷で保持され、生理学的環境内のステントの拡張後に分離するように構成される。1つの特定の実施例では、少なくとも1つのリングは、生理学的環境内のステントの拡張前に円周方向に分離されたままにされる。
【0417】
別の実施例では、ステント補綴具は、非分解性材料からパターン化された管状本体を備え、ステントパターンは、1つまたはそれを上回る円周方向リングを備え、1つまたはそれを上回るリングは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、リングのうちの少なくともいくつかは、少なくともいくつかのリングを別個の区分に円周方向に二等分する、1つまたはそれを上回る不連続性を伴って形成され、分離された区分は、接着剤、ポリマー材料、ステント材料と異なる材料、およびはんだから成る手段によって、ステントの拡張に先立ってともに保持され、区分は、生理学的環境内の該手段の分解(劣化)後に分離するように構成され、ステントは、隣接するリングを軸方向に接続させるように形成され、少なくともいくつかの隣接するリング上の少なくともいくつかの軸方向接続は、ステントの拡張およびリング区分の円周方向分離後に無傷のままであり、ステントは、開放セルパターン、閉鎖セルパターン、開放および閉鎖セルパターン、螺旋骨格ステント、屈曲ワイヤ、パターン化された管、パターン化されたシート、またはその他のうちの1つまたはそれを上回るものを備え、二等分された円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、無傷で保持され、生理学的環境内のステントの拡張後に分離するように構成される。一実施例では、少なくとも1つの二等分されたリングは、生理学的環境内のステントの拡張に先立って分離されたままにされる。
【0418】
一実施例では、ステント材料は、ステントの拡張後に初期強度を有するように事前形成、処理、焼鈍、サイクル疲労、および/または構成され、ステントは、生理学的条件下のステントの拡張後に、以下の条件のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、生理学的条件、37℃の水中、循環生理学的疲労(脈動)、および/または生理学的温度、拡張後の1ヶ月~5年に及ぶ、好ましくは、3ヶ月~3年に及ぶ、より好ましくは、3ヶ月~2年に及ぶ周期内、および50mmHg~200mmHgに及ぶ圧力差の下で、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、材料の軟化、材料の脆弱化を呈し、あまり剛性ではなくなり、破砕抵抗の低減を有し、強度の低減を有し、および/またはゼロの強度を有し、強度が経時的に減少する、身体管腔を支持するために十分な初期強度を有し、強度が経時的に実質的に同一のままである、身体管腔を支持するために十分な初期強度を有し、ならびに/もしくは拡張に応じて、コンプライアンスが拡張後に増加する、初期コンプライアンスを有し、および/または拡張の直後に(もしくは拡張後の24時間以内に)、コンプライアンスが拡張後に(または拡張後の6ヶ月以内、もしくは拡張後の1年以内、または拡張後の18ヶ月以内、もしくは拡張後の2年以内に)増加する、初期コンプライアンスを有する。一実施例では、ステントは、生理学的条件下のステントの拡張後に、175GPa~350GPaに及ぶ初期ヤング率(弾性変形における応力と歪みとの間の比として定義される)を有する材料から成り、ステント材料のヤング率は、2ヶ月~2年に及ぶ周期、好ましくは、6ヶ月~1年に及ぶ周期内に、ステントの拡張後に25GPa~150GPaの範囲まで減少する。別の実施例では、ステント材料は、生理学的条件下のステントの拡張後に初期ヤング率を有し、ステント材料のヤング率は、その後に減少する。初期ヤング率を有するステントはまた、拡張に応じて、または拡張後に不連続性を形成する、1つまたはそれを上回る円周方向リングを二等分し、ステントのコンプライアンスをさらに増加させる、1つまたはそれを上回る分離領域を有してもよい。
【0419】
生理学的条件下で減少する初期ヤング率を有する、材料の実施例は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、Ti6Al4V、Ti5Al2.5Sn、またはTi-10V-Fe-3Al、SAF2507等のステンレス鋼、Zn5al、Zn10Al、Zn18Al、Zn30Al等の亜鉛合金、白金金属およびその合金、Sn3.9Ag0.6Cu、Sn-3.8Ag-0.7Cu、SnPb、またはSnPbAt等のスズ合金、Al1.7Fe、Al0.7Cu、A1.5MgScZr、Al6Mg0.2Sc0.15Zr、3004、8090、7075、6061、または5056等のアルミニウム合金、Zr55Al10Ni5Cu30等のジルコニウム合金、AZ31BまたはMG11li5Al1Zn0.034Sc(LAZ1151)等のマグネシウム合金、Fe29.7Mn8.7Al1C、30HGSA合金鋼、4140、C45鋼、Fe36Ni、または低炭素鋼等の鉄合金、Ni21Cr17MoまたはHaynes 230等のニッケル合金、もしくは他の金属および金属合金を含む。
【0420】
別の実施例では、非分解性材料からパターン化されるステント補綴具は、円周構造要素を備え、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、構造要素は、1つまたはそれを上回る円周方向リングを備え、少なくともいくつかのリングは、複数の支柱およびクラウンを備え、少なくともいくつかのリングは、ステントの周囲に1つまたはそれを上回る連続経路を形成し、少なくともいくつかのリングは、該少なくともいくつかのリングを二等分し、それらを円周方向に分離する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、少なくともいくつかのリングはそれぞれ、分離領域を含まない少なくともいくつかのクラウンを有し、該少なくともいくつかのリングは、全ての不連続性の形成後に軸方向に接続されたままであり、パターン化されたステントは、圧着構成で管状本体を形成し、生理学的環境内の拡張および不連続性の形成後に、略管状本体を維持する。
【0421】
別の実施例では、ステント補綴具は、1つまたはそれを上回る円周方向リングを備え、ステントは、非分解性材料からパターン化されており、リングは、複数の構造要素を備え、構造要素は、複数のクラウンおよび支柱を備え、該リングは、ステントの周囲に1つまたはそれを上回る連続円周方向経路を形成し、該リングは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、該リングは、リングの周囲に1つまたはそれを上回る円周方向経路を二等分する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、二等分されたリング構成要素は、手段によってともに保持され、生理学的条件下の拡張後に分離し、不連続円周方向リングを形成するように構成される。ステントは、特定の実施例では、2つまたはそれを上回るリングを備え、少なくとも2つのリングは、軸方向に継合され、該2つのリングがステントの周囲に不連続円周方向経路を形成した後に軸方向に継合されたままであり、該少なくとも2つのリングは、該少なくとも2つのリングがステントの周囲に不連続円周方向経路を形成した後に、分離領域を含まない少なくともいくつかのクラウンを有する。特定の実施例では、二等分されたリングは、ステントの向上された耐久性、ステントの向上された共形化可能性、ステントの可撓性の増加、支柱破砕の低減、支柱破砕の阻止、またはその他のうちの1つまたはそれを上回るものを提供する。
【0422】
別の実施例では、ステント補綴具は、1つまたはそれを上回る円周方向リングを備え、ステントは、非分解性材料からパターン化されており、リングは、複数の構造要素を備え、構造要素は、複数のクラウンおよび支柱を備え、該リングは、ステントの周囲に1つまたはそれを上回る連続円周方向経路を形成し、該リングは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、該リングは、リングの周囲に1つまたはそれを上回る円周方向経路を二等分する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、二等分されたリング構成要素は、手段によってともに保持され、生理学的条件下の拡張後に分離し、リングの周囲に少なくとも1つの不連続円周方向経路を形成するように構成される。ステントは、特定の実施例では、2つまたはそれを上回るリングを備え、少なくとも2つのリングは、軸方向に継合され、該2つのリングがステントの周囲に不連続円周方向経路を形成した後に軸方向に継合されたままであり、該少なくとも2つのリングは、該少なくとも2つのリングがステントの周囲に不連続円周方向経路を形成した後に、分離領域を含まない少なくともいくつかのクラウンを有する。特定の実施例では、二等分されたリングは、ステントの向上された耐久性、ステントの向上された共形化可能性、ステントの可撓性の増加、支柱破砕の低減、支柱破砕の阻止、またはその他のうちの1つまたはそれを上回るものを提供する。
【0423】
別の実施例では、ステント補綴具は、1つまたはそれを上回る円周方向リングを備え、ステントは、非分解性材料からパターン化されており、リングは、複数の構造要素を備え、構造要素は、複数のクラウンおよび支柱を備え、該リングは、ステントの周囲に2つまたはそれを上回る連続円周方向経路を形成し、該リングは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、該リングは、リングの周囲に2つまたはそれを上回る円周方向経路を二等分する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、二等分されたリング構成要素は、手段によってともに保持され、生理学的条件下の拡張後に分離し、該リングの周囲に少なくとも1つの不連続円周方向経路、および同一の該リングの周囲に少なくとも1つの連続円周方向経路を形成するように構成される。特定の実施例では、二等分されたリングは、ステントの向上された耐久性、ステントの向上された共形化可能性、ステントの可撓性の増加、支柱破砕の低減、支柱破砕の阻止、またはその他のうちの1つまたはそれを上回るものを提供する。
【0424】
別の実施例では、ステント補綴具は、1つまたはそれを上回る円周方向リングを備え、ステントは、非分解性材料からパターン化されており、リングは、複数の構造要素を備え、構造要素は、複数のクラウンおよび支柱を備え、該リングは、ステントの周囲に連続円周方向経路を形成し、該リングは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、該リングは、該リングを二等分する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、該分離領域は、該リングの連続円周方向経路を維持する。特定の実施例では、二等分されたリングは、ステントの向上された耐久性、ステントの向上された共形化可能性、ステントの可撓性の増加、支柱破砕の低減、支柱破砕の阻止、またはその他のうちの1つまたはそれを上回るものを提供する。
【0425】
動脈の中で拡張されたとき、従来のステントまたは他の足場は、ステント留置血管区画と隣接する非ステント留置血管区画との間の血管コンプライアンスの差(コンプライアンス不一致)を引き起こす。特に、従来のステント留置区画および隣接する非ステント留置区画の端部リングの間の差は、典型的には、0.2mmを上回り、通常、0.25mmを上回り、または時として、0.3mmを上回り、コンプライアンスの差は、0.2mm~0.7mm、または0.25~0.5mm、もしくは0.30mm~0.5mmの範囲内であり得る。本コンプライアンスの差は、ある場合には、隣接する非ステント留置区画をさらに拡張、拡大、「バルーン化」(異常により柔軟になる)させ得、これは、端部リングステント留置区画および隣接する非ステント留置区画上に異常な応力(剪断および/または引張)を引き起こし、潜在的に、その領域中で動脈瘤および/または再狭窄を引き起こす。
【0426】
いくつかの実施形態および/または実施例では、本発明の分離領域は、ステントまたは他の足場の端部区画と隣接する動脈壁との間の血管コンプライアンスの差を低減させるために使用されてもよい。一実施例では、1つまたはそれを上回る端部リング上の1つまたはそれを上回る分離領域は、ステント拡張後に分離し、ステント留置区画の該端部リングと隣接する非ステント留置区画との間のコンプライアンス不一致を0.2mm未満、0.15mm未満、または0.1mm未満まで低減させるように構成されてもよい、またはコンプライアンスの差は、0.05~0.15mmの範囲内であってもよい。別の実施例では、ステント補綴具または他の血管足場は、1つまたはそれを上回る中間ステントリング内のいくつかの分離領域と比較して、もしくは該1つまたはそれを上回る端部リングに隣接する1つまたはそれを上回るリングと比較して、1つまたはそれを上回る端部リング内により多数の分離領域を有してもよい。なおも別の実施例では、1つまたはそれを上回る端部リング内の少なくとも1つの分離領域は、圧着構成から該拡張構成までステントまたは他の足場を拡張することに先立って、1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成されてもよい。なおも別の実施例では、1つまたはそれを上回る端部リング内の少なくとも1つの分離領域は、圧着構成から該拡張構成までステントまたは他の足場を拡張することに応じて、1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成されてもよい。なおも別の実施例では、1つまたはそれを上回る端部リング内の少なくとも1つの分離領域は、圧着構成から該拡張構成までステントまたは他の足場を拡張した後の72時間以内に、1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成されてもよい。さらに別の実施例では、該1つまたはそれを上回る端部リングの破砕強度は、不連続性の形成後の1つまたはそれを上回る中間ステントリングの破砕強度よりも小さくあり得る。
【0427】
隣接する内側リング内の支柱長よりも長い支柱長を端部リングに提供することによって、隣接するリングと比較して、または該端部リングに対する隣接する非ステント留置区画と比較して、より柔軟な端部リングを達成することが可能であり得る。例えば、3つまたはそれを上回るリング(巻目)を備える、ステントまたは他の足場では、該ステントまたは他の足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、1つまたはそれを上回る端部リングは、隣接するリングの長さよりも長い、および/または1つまたはそれを上回る中間ステントリングの長さよりも長い、圧着ステント構成時の縦方向長(ステント縦軸に沿った長さ、または2つのクラウンを継合する支柱の長さ)を有してもよく、長さは、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも300%長い、またはそれよりも長くあり得る。他の事例では、端部リング支柱長は、100%~500%、200%~400%、または300%~400%、隣接するリングの長さよりも長い、および/または1つまたはそれを上回る中間ステントリングの長さよりも長くあり得る。なおも他の事例では、端部リング支柱長は、1.5mm~5mm、より好ましくは、2mm~5mm、最も好ましくは、2.5mm~5mm隣接するリングの長さよりも長く、および/または1つまたはそれを上回る中間ステントリングの長さよりも長くあり得、1つまたはそれを上回る端部リングに隣接するリングの長さ、もしくは1つまたはそれを上回る中間ステントリング長は、0.5mm~1.3mm、好ましくは、0.7mm~1.2mm、より好ましくは、0.8mm~1.2mmに及ぶ。
【0428】
別の実施例では、3つまたはそれを上回るリング(巻目)を備える、ステントまたは他の足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、1つまたはそれを上回る端部リングは、1つまたはそれを上回るクラウンを有し、該クラウンのうちの少なくともいくつかは、隣接するリングの1つまたはそれを上回るクラウンの最も広い領域および/または頂点内の幅よりも薄い、圧着ステントまたは他の足場構成時の最も広い領域および/または頂点内の幅を有する、ならびに/もしくは該クラウンのうちの少なくともいくつかは、該クラウンの最も広い領域および/または頂点内の1つまたはそれを上回る中間ステントリングの1つまたはそれを上回るクラウンの幅よりも薄い幅を最も広い領域および/または頂点内に有する。例えば、最も広い領域内の幅は、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも80%より薄い、または最も広い領域および/または頂点は、50%~90%、70%~85%、もしくは75%~80%より薄くあり得る。1つまたはそれを上回る端部リング内の1つまたはそれを上回るクラウンの例示的な最も広い幅および/または頂点は、10マイクロメートル~65マイクロメートル、好ましくは、20マイクロメートル~55マイクロメートルに及び、より好ましくは、25マイクロメートル~50マイクロメートルに及び、隣接するリングの1つまたはそれを上回るクラウンの最も広い幅および/または頂点、もしくは1つまたはそれを上回る中間ステントリング内の1つまたはそれを上回るクラウンの最も広い幅および/または頂点は、0.7マイクロメートル~150マイクロメートルに及び、好ましくは、80マイクロメートル~125マイクロメートルに及び、最も好ましくは、80マイクロメートル~110マイクロメートルに及ぶ。
【0429】
なおも別の実施例では、3つまたはそれを上回るリング(巻目)を備える、ステントまたは他の足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、1つまたはそれを上回る端部リングを有し、そのうちの少なくともいくつかは、隣接するリングおよび/または1つまたはそれを上回る中間ステントリングの厚さよりも薄い厚さを有し、厚さは、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも80%より薄くあり得る。例えば、端部リングの少なくともいくつかのクラウンの厚さは、50%~90%、70%~85%、または75%~80%、隣接するおよび/または中間ステントリングクラウンよりも薄くあり得る。端部リングの少なくともいくつかのクラウンの例示的厚さは、好ましくは、15マイクロメートル~60マイクロメートル、より好ましくは、20マイクロメートル~55マイクロメートル、最も好ましくは、25マイクロメートル~50マイクロメートルの範囲内である一方で、1つまたはそれを上回る端部リングに隣接するリングクラウンの例示的厚さ、もしくは1つまたはそれを上回る中間ステントリングクラウン厚さは、65マイクロメートル~150マイクロメートル、好ましくは、75マイクロメートル~120マイクロメートル、より好ましくは、80マイクロメートル~120マイクロメートルに及ぶ。
【0430】
さらなる実施例では、3つまたはそれを上回るリング(巻目)を備える、ステントまたは他の足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、1つまたはそれを上回る端部リングは、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、隣接するリング内もしくは1つまたはそれを上回る中間ステントリング内のクラウンの厚さを下回る厚さを有する、または隣接するリング上もしくは1つまたはそれを上回る中間ステントリング上の少なくとも1つの支柱長を上回る、圧着ステント構成時の少なくとも1つの支柱長を有する、または隣接するリング内もしくは1つまたはそれを上回る中間ステントリング内の最も広い領域内の少なくとも1つのクラウン幅を下回る、クラウンの最も広い領域内の少なくとも1つのクラウン幅を有する、または生理学的環境内のステントの拡張後に1つまたはそれを上回る不連続性を形成する、少なくとも1つの分離領域を有する、少なくとも1つのクラウンを有してもよい。いくつかの実施例では、ステントまたは他の足場は、1つまたはそれを上回る端部リングが、低減した厚さ、低減した幅、より長い支柱、および少なくとも1つの分離領域を有する、これらの特徴の全てを組み合わせてもよい。他の実施例では、ステントまたは他の足場は、1つまたはそれを上回る端部リングが、低減した厚さ、低減した幅、より長い支柱、および/または少なくとも1つの分離領域のうちの少なくともいくつかを有する、これらの特徴のうちの少なくともいくつかを組み合わせてもよい。さらに他の実施例では、ステントまたは他の足場は、低減した幅、より長い支柱、および/または少なくとも1つの分離領域を有する、支柱のうちの少なくともいくつかを組み合わせてもよい。補綴具の中央の周囲に位置する、これらのリングまたは支柱のうちの隣接するリングまたは支柱と比較して、これらの差異のうちの1つまたはそれを上回るものを端部リングに、または端部リングを形成する支柱に提供することは、補綴具端部リングの向上されたコンプライアンスを生成し、血管の非ステント留置領域とステント留置領域との間により平滑であまり急激ではない遷移を生じ、したがって、隣接する非ステント留置血管中または端部リングの領域中で時として起こり得る、バルーン化を低減または排除する。これらの実施形態または実施例のそれぞれにおける特徴はさらに、隣接するリングの破砕強度および/または1つまたはそれを上回るステント中間区画の破砕強度よりも小さい、拡張ステント構成(好ましくは、公称および/または標識ステント拡張直径まで拡張される)時の低減した破砕強度(または10%破砕強度)を有してもよい。加えて、これらの例示的ステントはそれぞれ、非分解性材料から、分解性材料から、または非分解性材料および分解性材料の組み合わせから、さらにパターン化されてもよい。
【0431】
さらに付加的な実施例では、1つまたはそれを上回るリング(巻目)を備える、ステントまたは他の足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、生理学的環境内の足場の拡張後に、該リングを2つまたはそれを上回る円周方向の別個の区分に二等分するように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域を有する、少なくとも1つのリング(巻目)を含む。ステントまたは他の足場の分離された区分は、典型的には、拡張中にともに保持され、拡張は、典型的には、拡張後まで、ステントまたは他の足場の管腔内に半径方向外向きの力を及ぼすことによって、例えば、バルーン膨張によって、起こり、ある場合には、拡張は、スリーブ等の手段を用いて自己拡張式ステントを抑止することによって起こり、スリーブは、除去され、自己拡張式ステントが拡張構成まで拡張することを可能にする。一実施例では、分離領域は、本明細書の他の場所に説明されるように、非分解性材料から、または少なくとも部分的に非分解性ポリマーから形成される、コーティングおよび/またはスリーブによって、被覆される、カプセル化される、含有される、または別様に包囲される。1つまたはそれを上回る分離領域は、生理学的環境内のステントまたは他の足場の拡張後に、1つまたはそれを上回る不連続性を形成し、不連続性の形成後の非分解性材料(非分解性ポリマー等)は、該1つまたはそれを上回る分離領域をカプセル化、被覆、包囲、または含有し続ける。典型的には、非分解性材料は、分離領域中の形成された不連続性が、円周方向、半径方向、縦方向、またはそれらの組み合わせを含む、1つまたはそれを上回る方向に移動することを可能にするように構成される。不連続性にわたる少なくとも部分的に非分解性のスリーブ構造の提供は、被覆されていない血管壁に別様に外傷を与え得る、不連続性の任意の遊離端または要素からの動脈、静脈、または他の管腔壁の保護等のいくつかの利点を有する。不連続性を被覆して、不連続性と血管壁との間に保護障壁を提供する一方で、そのようなコーティングおよび/またはスリーブもしくは他の包囲構造は、典型的には、不連続性の遊離端の相対移動を固定化または有意に阻止しないであろうため、ステントまたは他の足場は、依然として、本発明の他の実施例または実施形態に説明されるように、血管壁脈動に伴って半径方向にさらに拡張および/または収縮し、脈動中ならびに/もしくは経時的にさらなる足場拡張および血管壁の適応再形成を可能にすることができるであろう。
【0432】
具体的実施例では、そのような保護コーティングおよび/またはスリーブもしくは他の障壁は、ステントまたは他の足場が血管または他の生理学的環境に埋め込まれた後に、分離領域の中への流体侵入を可能にする、多孔質ポリマーまたは他の多孔質材料から全体的または部分的に形成されてもよい。そのような流体侵入は、不連続性の形成を開始し得、例えば、血液または他の体液は、拡張中に分離領域を無傷で保持する分解性ポリマーの溶解を開始するために利用可能であろう。代替として、保護コーティングおよび/またはスリーブは、血管または他の身体管腔内の生理学的条件への分離領域の暴露を可能にする開放通路を有する、格子、ケージ、または他の構造として形成されてもよい。コーティングおよび/またはスリーブもしくは他の障壁は、非分解性または分解性材料から成り、分離領域を被覆するために単独で利用されてもよい、または非分解性もしくは分解性材料は、組み合わせて使用されてもよい。これらの組み合わせは、領域中でともに組み合わせられる、分離領域の隣接部分の中にあってもよい、または非分解性材料は、分解性材料から成る分離領域にわたって利用されてもよい。例えば、非分解性材料または分解性材料は、分離領域の構造要素(オス型およびメス型構造要素等)の間の界面内の間隙を充填してもよい。これは、例えば、非分解性または分解性材料とともに分離領域を継合(または接合)(例えば、オス型およびメス型部分の界面の間隙を充填)し、それによって、拡張構成までのステントの拡張前に継合する(またはそれらをともに保持する)ことを可能にする。これらの材料は、典型的には、拡張構成までのステントの拡張に先立って、分離領域が不連続性を形成しないように防止するように構成される。材料は、典型的には、生理学的条件下で分解または劣化し、ステントの拡張後に不連続性を形成して、分離領域の構造要素(例えば、オス型およびメス型部分)が、半径方向、円周方向、縦方向、またはそれらの組み合わせを含む、1つまたはそれを上回る方向に移動することを可能にする。材料はまた、ステントの圧着中、ステントの拡張中、および拡張構成までのステントの拡張後に、分離領域構造要素(オス型およびメス型界面等)の緩衝を可能にし得る。ある場合には、分離領域は、分離領域の離脱に先立って、ステントの圧着および/または拡張構成までの拡張を可能にするための設計構成によって、ともに保持される。別の実施例では、分解性および/または非分解性材料は、構造要素(オス型およびメス型部分)の界面の間の間隙を充填することの有無別に)分離領域上にコーティングおよび/または堆積されることができる。これは、圧着構成までのステントの圧着中に分離領域をともに保持する、および/または拡張構成までのステントの拡張中に分離領域をともに保持する、ならびに/もしくは拡張構成までのステントの拡張後まで分離領域をともに保持することができる。生理学的条件下の材料は、分解または劣化し、分離領域に不連続性を形成して、構造要素が上記で説明されるような1つまたはそれを上回る方向に移動することを可能にするであろう。ある場合には、非分解性スリーブ(または層)は、生理学的条件下の不連続性の形成後に分離領域の構造要素を含有し続け、構造要素の移動から血管壁を保護し、潜在的な有害効果を防止し得る。ある場合には、分離領域は、拡張構成までのステントの拡張後にある程度の移動を可能にするように構成され、移動は、材料が分解および/または劣化するにつれて増加する。さらに別の実施例では、分離領域のうちのいくつかは、拡張構成までのステントの拡張に応じて、不連続性を形成する、または1つまたはそれを上回る方向への移動を提供するように構成される。分解性材料または非分解性材料は、一実施例では、生理学的条件下のステントの拡張後の30秒~1年に及ぶ、またはそれよりも長い周期で分解または劣化する、好ましくは、生理学的環境内のステントの拡張後の1時間~9ヶ月に及ぶ周期で分解または劣化する、より好ましくは、1日~9ヶ月に及ぶ周期で分解または劣化するように構成される。別の実施例では、非分解性材料は、生理学的条件下で無傷のままである(劣化しない)、または生理学的環境内の圧着構成から拡張構成までのステントの拡張後の2年~5年に及ぶ周期にわたって生理学的条件下で無傷のままである(劣化しない)ように構成される。材料はまた、生理学的条件下で軟化し、材料の分解または劣化に先立って、分離領域またはステントの離脱および/または移動を可能にするように構成されてもよい。分解性材料は、分離領域中の間隙を充填する、反管腔側、管腔、または面領域等の分離領域の1つまたはそれを上回る表面領域を被覆する、および/または支柱ならびにクラウン等の分離領域に隣接する構造要素上の1つまたはそれを上回る表面領域を被覆する、ならびに/もしくは分離領域を含有するリング上の1つまたはそれを上回る表面領域を被覆する、および/または複数のリング上の1つまたはそれを上回る表面領域域を被覆する、ならびに/もしくはステント上の1つまたはそれを上回る表面領域を被覆してもよい。コーティングの厚さは、分離領域の異なる表面領域、または分離領域内もしくはステント内の表面領域に関して、同一または異なり得る。界面間隙を充填するコーティングは、0.1マイクロメートル~500マイクロメートルに及ぶことができ、好ましくは、厚さが1マイクロメートル~50マイクロメートルに及び、より好ましくは、3マイクロメートル~25マイクロメートルに及ぶ。分離領域上の1つまたはそれを上回る表面領域を被覆するコーティング厚さは、0.1ミクロン~500ミクロンに及び、好ましくは、1マイクロメートル~100マイクロメートルに及び、より好ましくは、2マイクロメートル~25マイクロメートルに及ぶ。典型的分解性材料および非分解性材料は、ポリマー材料から成るが、また、金属材料またはセラミック材料もしくはその他から成ることもできる。
【0433】
具体的実施例では、そのような保護コーティングおよび/またはスリーブもしくは他の障壁は、拡張構成までのステントの拡張まで、少なくとも部分的に分離領域をともに保持する、ポリマーまたは他の非分解性ならびに/もしくは多孔質材料等の非分解性材料および/または多孔質材料から、全体的または部分的に形成されてもよく、次いで、分離領域が不連続性を形成すること、かつ以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、少なくとも部分的に分離領域をともに保持する材料を分解する、ステントまたは他の足場が血管または他の生理学的環境に埋め込まれた後の分離領域の中への流体侵入、分離領域上の非分解性材料の握持を弛緩させ、該分離領域が不連続性を形成すること、かつ1つまたはそれを上回る方向に移動することを可能にする、ステントまたは他の足場が血管または他の生理学的環境に埋め込まれた後の分離領域の中への流体侵入、および/または分離領域上の非分解性材料コーティングならびに/もしくはスリーブの握持を弛緩させ、それらが不連続性を形成し、1つまたはそれを上回る方向に移動することを可能にする一方で、不連続性の形成後に分離領域を含有し続ける、血管の脈動、圧力、または流体推力の結果として、1つまたはそれを上回る方向に移動することを可能にする。
【0434】
1つの好ましい実施例では、少なくともいくつかのリング内の少なくとも1つの分離領域は、少なくとも1つの非分解性材料コーティングおよび/またはスリーブによって含有され、非分解性材料は、拡張構成までのステントの拡張後まで、それをともに保持する分離領域を握持し、その後、非分解性材料は、生理学的環境内のステントの該拡張後に弛緩し、分離領域が1つまたはそれを上回る不連続性を形成すること、かつ1つまたはそれを上回る方向に移動することを可能にする一方で、非分解性材料は、分離領域を含有し続ける。
【0435】
さらに別の好ましい実施例では、少なくともいくつかのリング内の少なくとも1つの分離領域は、少なくとも1つの分解性材料コーティングおよび/またはスリーブによって含有され、非分解性材料は、拡張構成までのステントの拡張後まで、それをともに保持する分離領域を握持し、その後、分解性材料は、生理学的環境内のステントの該拡張後に分解し、通常、ステントの拡張後の30秒~生理学的環境内のステントの拡張後の7日に分解し、分離領域が1つまたはそれを上回る不連続性を形成すること、かつ1つまたはそれを上回る方向に移動することを可能にする。
【0436】
さらに別の好ましい実施例では、少なくともいくつかのリング内の少なくとも1つの分離領域は、少なくとも1つの分解性材料コーティングおよび/またはスリーブならびに少なくとも1つの非分解性材料コーティングおよび/またはスリーブによって含有され、非分解性材料および分解性材料は、拡張構成までのステントの拡張後まで、それをともに保持する分離領域を握持し、その後、分解性材料は、生理学的環境内のステントの該拡張後に分解し、通常、ステントの拡張から30後秒~生理学的環境内のステントの拡張から1年後に分解し、より通常、ステントの拡張から1日後~生理学的環境内のステントの拡張から9ヶ月後に分解し、分離領域が1つまたはそれを上回る不連続性を形成すること、かつ1つまたはそれを上回る方向に移動することを可能にする一方で、分離領域は、不連続性の形成後に少なくとも1つの非分解性材料によって含有され続ける。
【0437】
別の実施例では、ステントまたは分離領域は、ステントまたは分離領域の生体適合性を向上させるためのコーティングを有する。これらのコーティングは、分解性または非分解性であり、1つまたはそれを上回る表面領域上のステントに適用されることができる。そのようなコーティングの実施例は、限定ではないが、一酸化窒素コーティング、窒化チタンベースのコーティング、酸化アルミニウムコーティングのナノ多孔質層、Polyzene-Fナノ薄型コーティング、タンタルベースのVisTaコーティング、非晶質炭化ケイ素コーティング(proBIO)、ポリエチレンイミンコーティング、グラフェンコーティング、ポリブテンコーティング、またはその他のうちの1つまたはそれを上回るものを備える。
【0438】
別の実施例では、本願の実施例のうちのいずれかのようなステント補綴具は、1つまたはそれを上回る円周方向リングを備え、本リングは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、少なくとも1つのリング、好ましくは、全てのリングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、分離領域は、該円周方向リングを2つまたはそれを上回る別個の区分に二等分する、不連続性または切れ目を円周方向リングに備え、分離領域は、付き合わせ接合点、オス型およびメス型接合点、平行接合点、キーおよびロック接合点、くし接合点、ヒンジタイプ、または他のタイプを備える、1つまたはそれを上回るパターンを備え、接合点は、分解性ポリマー、非分解性ポリマー、分解性金属または金属合金、非分解性金属または金属合金から成る材料から成り、材料は、生理学的環境内のステントの拡張後に分解または劣化し、分離領域および/または円周方向リング、ならびに/もしくは円周方向リングの部分、および/または分離領域内に含有される構造要素(支柱、支柱の部分、クラウン、クラウンの部分等)が、円周方向、半径方向、縦方向、またはそれらの組み合わせを含む、1つまたはそれを上回る方向に移動することを可能にする。分離領域は、パターン化中、パターン化後、または圧着前、もしくは生理学的環境内の拡張構成までのステントの拡張前に、形成されてもよい。
【0439】
別の実施例では、グラフトを支持するように構成されるステント補綴具(足場)は、グラフト構成要素を支持するために使用される本発明の足場を伴って構築されてもよい。足場は、グラフトスリーブもしくは膜の外部またはグラフトスリーブもしくは部材の内部の内側にわたって離間される、または外部と内部グラフトスリーブもしくは膜との間に挟持される、複数の円周方向リング等の前述で説明された構造のうちのいずれかを有してもよい。グラフトは、典型的には、ポリエステルまたはePTFE等のPTFEである、任意の従来の材料から成ってもよいが、また、ポリマー材料等の分解性および非分解性材料を含む、本願に説明される他の材料から成ってもよい。材料は、弾性であり得る。ステントグラフトは、脚部の外部にわたって固着される付加的円周方向リングによって被覆される脚部を伴う分岐構造を有してもよい。隣接するリングは、接続されていなくてもよい(すなわち、グラフトスリーブへの取付のみによって接続される)、または軸方向リンクによって、もしくは別様に継合されてもよい。足場は、グラフトスリーブの外部上にあってもよい、または代替として、内部上にあってもよい、または同軸の一対のグラフトスリーブの間に挟持される、もしくは埋め込まれてもよい。足場は、分解性金属または金属合金、非分解性金属および金属合金、分解性ポリマー、もしくは非分解性ポリマーから形成されてもよい。足場は、バルーン拡張可能または自己拡張可能であり、開放セル設計または閉鎖セル設計にパターン化されてもよい。ステントは、蛇行リング設計、ジグザグ設計、閉鎖セル設計、螺旋ステント設計、または他のタイプのステント設計を有してもよい。ステントは、ステントの1つまたはそれを上回るリング内の1つまたはそれを上回る分離領域を有するように構成され、分離領域は、生理学的環境内のステント拡張後に不連続性を形成するように構成され、ステントグラフトは、脈動運動、適応再形成、埋込後により大きい構成まで拡張する、または本願に説明される他の利益を有することを可能にされる。グラフト材料は、好ましくは、弾性材料、または離脱後(不連続性の形成後)のステントが、生理学的環境もしくは条件下で、移動、脈動運動、適応再形成、および/またはさらなる拡張ならびに収縮のうちの1つまたはそれを上回るものを呈することを可能にする材料から成る。一実施例では、ステントグラフトは、圧着構成から拡張構成まで拡張され、ステントは、初期剛性を有し、不連続性の形成後、ステントグラフトは、生理学的条件下でより少ない剛性を有する。グラフトは、全てのステント、ステントの区画、ステントの中間区画、およびステントの端部区画を被覆し、ステントグラフトを形成してもよい。
【0440】
好ましい実施例では、本発明に説明されるようなステントは、非分解性形状記憶またはばね材料から、螺旋ステント、コイルステント、または開放セルもしくは閉鎖セルまたは開放および閉鎖セル設計の組み合わせを伴う他のタイプのステントとして形成され、ステントの円周方向巻目(リング)のうちの1つまたはそれを上回るものは、生理学的環境内のステントの拡張後に1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域を有する。ステントは、典型的には、自己拡張式ステントであるが、また、バルーン拡張可能または両方であるように構成されてもよい。ステントは、ステントが輪または身体管腔に埋め込まれるときに血管上で外向きの力を維持するように構成され、1つまたはそれを上回る分離領域が1つまたはそれを上回る不連続性を形成した後、血管、輪、または身体管腔上のリングまたはステントの外向きの力は、減少する。1つのリング、リングの一部、またはステントは、ステントが弁輪または身体管腔もしくは血管等の場所に埋め込まれるときに生体構造に輪郭形成する、不連続性の形成後の幾何学形状を有してもよい。輪が経時的にその形状を変化させるとき、形状を変化させる輪の部分に隣接するステントまたはリングは、輪のその形状に共形化するであろう。これは、例えば、ステントと輪との間の漏出を最小限にする。多くの場合、輪に埋め込まれたステントは、ステントと輪との間の面積を密閉することに役立つように、ステントの外側にある、ステントの内側にある、またはステントの外側と内側との間に編み込まれる、グラフトまたはスカートを有するであろう。グラフトまたはスカート材料は、弾性であり、不連続性の形成後にステントが輪形状の変化に共形化するにつれて、ステントの形状と共形化するように構成される。分離領域は、一実施例では、不連続性の形成後のステントが形状を変化させる、または半径方向、縦方向、円周方向、接線、もしくはそれらの組み合わせを含む、1つまたはそれを上回る方向に移動することを可能にする、接合点およびヒンジを備える。典型的には、ステントまたはリングの外向きの力が不連続性の形成後に減少し、ヒンジ運動を可能にしても、テントおよび/またはスカート(膜)は、典型的には、輪または身体組織の中に組み込まれ、身体生理学的環境に従って移動する。これは、ステントの一定の過剰な外向きの力からの潜在的な過剰損傷を最小限にし、それが輪の生体構造により良好に適応することを可能にする。本実施例は、弁ステントを含む、形状記憶または自己拡張式ステントに関するが、これはまた、ステントまたはステント弁が、身体管腔または弁輪等の輪の中の該ステントまたはステント弁の拡張後に輪または身体管腔に輪郭形成することを可能にするための、バルーン拡張式ステントまたは弁ステントにも適用される。
【0441】
好ましい実施例では、ステント補綴具は、膜を含有する、および/または膜の中に含有される、少なくとも1つの区画を備え、膜は、圧着構成から拡張構成までステントとともに拡張し、ステントは、1つまたはそれを上回る円周方向リングを備え、少なくとも1つのリングは、1つまたはそれを上回る分離領域および/またはヒンジ領域を備え、圧着構成からの拡張後のステントは、第1の略円筒形構成を有し、連続性の形成後、および/または1つまたはそれを上回るヒンジ接合点が移動することを可能にするステントは、第2の構成を有し、第2の構成は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、非円筒形構成、隣接する生体構造構成に輪郭形成し、隣接する生体構造構成に共形化し、隣接する輪構成に輪郭形成し、身体管腔構成に輪郭形成し、隣接する血管構成に輪郭形成し、またはそれらの組み合わせであり、連続性の形成またはヒンジ移動後のステントおよび/またはスリーブは、ステントならびに/もしくはステント膜に隣接する血液漏出を最小限にする、または阻止する。
【0442】
別の実施例では、実施例のうちのいずれかのようなステント補綴具は、1つまたはそれを上回るリングを備え、少なくとも1つのリングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、分離領域は、継合された不連続性または固定化されたヒンジを備え、分離領域は、生理学的条件下の拡張後に移動するように構成される。
【0443】
本明細書に説明されるステントまたは他の足場設計の多くまたは全ては、展開後に経時的に、殆どまたは全ての形態の輪および/または血管幾何学形状、運動、解剖学的変化、ならびに歪曲に適応または適合することができるであろう。例えば、本明細書に説明されるような分離領域および/またはヒンジ接合点を有する、ステントおよび足場は、十分な引張応力、破砕抵抗、および角度(血管の屈曲)、捻転応力(血管軸を中心とした血管の捻転)、縦方向圧縮ならびに延在、および同等物等の幾何学的歪曲に適応する能力を保有するであろう。そのような応力は、例えば、輪、心臓の中に位置する動脈および静脈、または大動脈、もしくは膝の下方等の末梢生体構造、または浅大腿動脈の中、および同等物に埋め込まれたステントおよび他の足場によって、受けられる。本発明のステントおよび足場は、典型的には、動的に共形化し、そのような血管の脈動(半径方向開放および閉鎖)ならびにそのような血管の軸を中心とした捻転変形の両方、および縦方向圧縮に応答することができる。好ましい実施例では、本発明に説明されるようなステントは、複数の円周方向リングを有し、少なくともいくつかのリングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、拡張構成時のステントは、可撓性、または1N~4Nに及ぶ圧縮力として線形弾性有限要素分析を使用して測定される、当技術分野内のいわゆる「3点屈曲試験」を有し、不連続性の形成後のステントは、0.1N~0.8Nに及ぶ圧縮力、または有限要素分析もしくはベンチテストによって測定されるような40%~90%に及ぶ(不連続性の形成前と比較した)不連続性の形成後の圧縮の低減を有する。ステントは、「Ormiston Model 2015試験としても公知である」角度屈曲によって誘発される応力を有し、本試験による、ステント拡張後および不連続性の形成に先立った最大応力は、200e3PSI~800e3PSIに及び、不連続性の形成後の最大応力は、1e2PSI~150e3PSIに及ぶ、または(不連続性の形成前と比較した)不連続性の形成後の応力の低減は、有限要素分析によって測定されるように50%~98%に及ぶ。ステントは、本実施例では、400e3PSI~800e3PSIに及ぶ、不連続性の形成に先立った縦方向圧縮最大応力を有する一方で、不連続性の形成後に、最大応力は、1e3~300e3PSIに及ぶ、または(不連続性の形成前と比較した)不連続性の形成後の応力の低減は、有限要素分析によって測定されるように50%~95%に及ぶ。拡張構成時および不連続性の形成に先立ったステントは、80e3PSI~150e3PSIに及ぶ捻転最大応力と、1e3PSI~65e3PSIに及ぶ不連続性の形成後の最大捻転応力、または有限要素分析によって測定されるような40%~90%に及ぶ(不連続性の形成前と比較した)不連続性の形成後の応力の低減とを有する。ステントは、本実施例では、動脈内の拡張後に、屈曲を有し、屈曲は、拡張末期血管造影フレームにおける狭窄/ステントの近位および遠位部分の接線によって画定される角度を判定するために有効QCAシステムを使用する、Gyongyosi(2000)で測定されるような角度を有し、これは、30度~70度に及び、ステントの拡張時に、かつ不連続性の形成に先立って、ステントは、そのような角度を10度~25度直線化し、不連続性の形成後の角度は、動脈の直線化を9度未満まで低減させる、または不連続性の形成に先立ってステントによって最初に引き起こされる角度の変化の10%~90%の範囲だけ角度の変化を低減させる。
【0444】
別の実施例では、ステント補綴具は、非分解性材料(または分解性材料)からパターン化され、該ステントは、複数の円周方向リングを備え、少なくとも1つの分離領域は、2つまたはそれを上回るリングを二等分するように構成され、分離領域は、圧着構成から拡張構成までのステントの拡張後まで、ともに保持される。少なくとも1つの分離領域は、一実施例では、1つのリング上のクラウンおよび隣接するリング上の別のクラウンを二等分し、該分離領域はまた、該2つのクラウンを接続するリンクも二等分する。別の実施例では、少なくとも1つの分離領域は、1つのリング上の支柱および隣接するリング上の別の支柱を二等分し、該分離領域はまた、該2つの支柱を接続するリンクも二等分する。別の実施例では、少なくとも1つの分離領域は、1つのリング上の支柱および隣接するリング上のクラウンを二等分し、該分離領域はまた、該支柱およびクラウンを接続するリンクも二等分する。別の実施例では、少なくとも1つの分離領域は、1つのリング上のクラウンおよび隣接するリング上の別のクラウンを二等分し、2つのクラウンは、ともに融合または継合される。別の実施例では、少なくとも1つの分離領域は、1つのリング上の支柱および隣接するリング上の別の支柱を二等分し、2つの支柱は、ともに融合または継合される。別の実施例では、少なくとも1つの分離領域は、1つのリング上のクラウンおよび隣接するリング上の支柱を二等分し、支柱およびクラウンは、ともに融合または継合される。2つまたはそれを上回るリングを円周方向に接続解除する分離領域を有することの好ましい実施例では、分離領域は、隣接するリング上の2つまたはそれを上回る継合されたクラウン、または隣接するリング上の2つまたはそれを上回る継合された支柱、もしくは継合される1つのリングからのクラウンおよび隣接するリングからの支柱を二等分し、2つのリングは、典型的には、軸方向に接続された閉鎖セルリング内で、円周方向に分離される。
【0445】
別の実施例では、本発明によるステント補綴具であって、ステントは、開放セルパターンにパターン化される複数のリングを備え、ステントは、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、少なくともいくつかの分離領域はそれぞれ、軸方向に接続された閉鎖セルパターンを形成する、2つまたはそれを上回るリングを二等分し、二等分されたリングはそれぞれ、生理学的環境内のステントの拡張後の不連続性の形成後に、円周方向に分離される。
【0446】
したがって、ある実施例または側面では、本発明は、1つまたはそれを上回るリング上に1つまたはそれを上回る分離領域を有する、分解性ステントおよび他の足場を提供し、1つまたはそれを上回る分離領域は、生理学的環境内の圧着構成からのステントの拡張後に、1つまたはそれを上回る不連続性を形成する。そのようなステントおよび他の足場は、分解性ステントの分解に先立って、またはステントの実質的な分解に先立って、不連続性を形成するように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域を有してもよい。そのようなステントおよび他の足場は、生理学的環境内のステントの拡張から1年~3年後またはそれ以降に、50%またはそれを上回って分解するように構成されてもよく、1つまたはそれを上回る分離領域は、生理学的環境内のステントの拡張後の1年または1年未満に1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成され、時として、1つまたはそれを上回る分離領域は、生理学的環境内のステントの拡張後の9ヶ月または9ヶ月未満に1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成され、ある場合には、1つまたはそれを上回る分離領域は、生理学的環境内のステントの拡張から30秒~9ヶ月後に1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成される。典型的には、分離領域のうちの少なくともいくつかは、ステントが実質的に分解する前に不連続性を形成するように構成され、通常、ステントは、ステントの拡張の9ヶ月以内に、ステントの拡張後に、1つまたはそれを上回る分離領域に1つまたはそれを上回る不連続性を形成させるように構成され、ステントは、生理学的環境内のステントの拡張から6ヶ月~5年後に少なくとも50%分解するように構成される。分解性ステントおよび他の足場は、例えば、管、シートから、またはワイヤを屈曲することによって、1つまたはそれを上回る分解性金属、金属合金、および/またはポリマー材料から、パターン化もしくは別様に形成されてもよい。分離領域は、パターン化中、パターン化後、または圧着構成から拡張構成までステントを拡張する前に、ステントまたは他の足場に形成されてもよい。いくつかの実施例では、分解性ステントは、圧着構成から初期ステント構成まで拡張され、ステントは、1つまたはそれを上回る分離領域が生理学的環境内で1つまたはそれを上回る不連続性を形成した後に、初期拡張構成からの反跳後に第2の拡張構成まで実質的に拡張し、分解性ステントは、50%未満分解している。多くの場合、第2の拡張構成は、初期構成よりも大きい。例えば、ステントは、圧着構成から初期拡張構成まで拡張されてもよく、次いで、ポリマー材料、金属材料、はんだ、糊、または同等物等の1つまたはそれを上回る材料は、分離領域の別個の端部をともに接続および/または保持し、それが不連続性を形成しないように防止し、1つまたはそれを上回る材料は、生理学的環境内で分解または劣化し、生理学的環境内のステントの拡張後に1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成され、典型的には、1つまたはそれを上回る材料は、ステント材料と異なる材料から成るが、ある場合には、ステントと同一の材料を有するが、しかしながら、ステントよりも速く分解するように構成されることができる。特定の実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域は、1つまたはそれを上回るリングによって形成されるステントの周囲の円周方向経路を二等分してもよい。1つまたはそれを上回るリング上の1つまたはそれを上回る分離領域はさらに、圧着構成からのステントの拡張後まで、いかなる不連続性を形成しないように構成されてもよい。他の実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域は、支柱および/またはクラウンならびに/もしくはリンクに形成されてもよい。そのようなステントおよび他の足場は、生理学的環境内の展開から、少なくとも1年、2年、3年、4年、または5年後を含む、1~5年の周期中に分解するように構成されてもよく、分離領域のうちの少なくともいくつかは、1週間を上回るが、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、または1年未満の周期を含む、2ヶ月~1年に及んで、生理学的環境内の拡張後に不連続性を形成するように構成される。分解に先立って、分解性ステントは、典型的には、50~150MPaの範囲内の強度を有する、ポリラクチドまたはポリ乳酸ポリマー(PLLA)、もしくはPLLAベースの材料、またはポリカーボネート材料等のポリマー材料、または代替として、典型的には1年~3年に及ぶ周期で分解するように構成される、100MPa~350MPaに及ぶ強度を有する、マグネシウム合金ステント等の金属材料等の分解性ステント、もしくは代替として、3年~7年に及ぶ周期で分解するように構成される、400MPa~1,000MPaに及ぶ分解に先立った強度を有する、他の金属材料から成ってもよい。材料分解は、少なくとも50%分解であってもよい、および/または75%分解が、利用されてもよい。他の実施例と同様に、1つまたはそれを上回る分離領域は、突き合わせ継手、キーおよびロック接合点、重複端部領域、ピンおよび孔等のオス型/メス型コネクタ、ヒンジ接続、および同等物から成る群から選択される、いずれか1つまたはそれを上回る接合点を備えてもよい。1つまたはそれを上回る分離領域は、1つまたはそれを上回るリングを二等分し、該1つまたはそれを上回るリングを円周方向に接続解除してもよく、いくつかまたは全ての円周方向に接続解除されたリング端部は、分解性または非分解性材料のうちの1つまたはそれを上回るものから成る材料と、続いて不連続性を形成する分離領域を備える、本開示の全体を通して説明される構造設計とによって、圧着構成から拡張構成までの拡張中にともに保持される。
【0447】
分離領域は、任意のステントまたは他の足場パターンの多くまたは全ての領域中で分配されてもよい。いくつかの実施例では、分離領域は、リングの中のみ、またはリングおよび軸方向リンクまたは融合ゾーンの両方の中に、配置されてもよい。ある事例では、分離領域は、軸方向リンクまたは融合ゾーンの中のみ、例えば、骨格の隣接する巻目が、分離領域を有する軸方向リンクまたは融合ゾーンによって接続され得る、螺旋骨格を有する足場の中に、提供されてもよい。他の事例では、1つ、2つ、3つ、またはそれを上回るが、全てよりも少ないリンクが、分離領域と形成されてもよく、分離領域は、本明細書の他の場所に説明される設計および形態のうちのいずれかを有してもよい。軸方向リンクおよび融合ゾーン内の分離領域は、ある場合には、足場リングまたは他の構造の支柱、クラウン、または任意の他の部分の中の分離領域と組み合わせられてもよい。
【0448】
別の実施例では、本発明に従って形成されるステントは、1つまたはそれを上回るリングを備え、少なくとも1つのリングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、分離領域は、身体管腔、輪、空洞、血管、または器官のうちの1つまたはそれを上回るものの中もしくは上のステントの埋込後に、1つまたはそれを上回る不連続性を形成する。ステントは、本実施例では、初期構成または直径において形成され、初期構成または直径において埋め込まれる。ステントは、別の実施例では、初期構成または直径において形成され、第1の構成または直径において埋め込まれ、第1の構成または直径は、初期構成よりも小さい。
【0449】
一実施例では、ステント補綴具は、複数の円周方向リングを備え、各リングは、クラウンによって継合される支柱を備え、該ステントは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、少なくともいくつかのリングは、2つまたはそれを上回る分離領域を有し、該2つまたはそれを上回る分離領域は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、クラウンによって継合される2つの支柱、各支柱が他の2つまたはそれを上回る支柱と異なるクラウンに継合される、2つまたはそれを上回る支柱、2つまたはそれを上回るクラウン、1つの支柱および1つのクラウンに位置する。一実施例では、少なくともいくつかのリング上の該分離領域は、対称パターンを有してもよい、または圧着もしくは拡張構成時に非対称パターンを有してもよい。別の実施例では、少なくともいくつかのリング上の該分離領域は、同一の方向に移動してもよい、または不連続性の形成後に相互と異なる方向に移動してもよい。
【0450】
別の実施例では、非分解性ステント補綴具は、複数のリングを備え、該ステントは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、ステントは、ステントの長さに沿って3つの区画、すなわち、近位区画、中央区画、および遠位区画を有し、各区画は、1つまたはそれを上回るリングを備え、ステントは、以下のうちの1つ、すなわち、実質的に同一の構成まで拡張可能である3つ全ての区画、相互と異なる構成まで拡張可能である3つ全ての区画、実質的に同一の構成まで拡張可能である3つの区画のうちの2つを有するように構成され、ステントの長さに沿った少なくともいくつかのリングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、分離領域は、生理学的条件下のステントの拡張後に1つまたはそれを上回る不連続性を形成する。一実施例では、3つ全てのステントは、実質的に同一の圧着構成を有する。別の実施例では、3つのステント区画のうちの少なくとも2つは、実質的に同一の圧着構成を有する。さらに別の実施例では、3つ全てのステント区画は、異なる圧着構成を有する。一実施例では、拡張構成時のステントは、略円筒形、非円筒形、円錐形、ドッグボーン形、砂時計形、楕円形、またはその他である。別の実施例では、圧着構成時のステントは、略円筒形構成を有する。
【0451】
別の実施例では、体腔内で使用するための非分解性インプラントであって、該インプラントは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、インプラント(または少なくとも1つの区画)は、生理学的条件下の拡張後に、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、初期拡張構成、拡張構成時の初期強度、拡張構成時の初期コンプライアンス、拡張構成時の初期収縮性を有するように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、インプラント(または少なくとも1つの該区画)は、続いて、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、初期拡張構成よりも小さい拡張構成、初期拡張構成よりも大きい拡張構成、圧着構成と同一である、またはそれよりも小さい構成、初期強度よりも小さい強度、初期コンプライアンスよりも大きいコンプライアンス、初期コンプライアンスと異なるコンプライアンス、初期収縮性よりも大きい収縮性、初期収縮性と異なる収縮性を有する。
【0452】
別の実施例では、体腔内で使用するための非分解性インプラントであって、インプラントは、身体部分を置換または支持するように位置付けられ、インプラント(または少なくとも1つの区画)は、生理学的条件下の拡張後に、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、初期構成、初期強度、初期コンプライアンス、初期収縮性を有するように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、インプラント(または少なくとも1つの該区画)は、続いて、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、初期拡張構成よりも小さい構成、初期拡張構成よりも大きい構成、初期構成と異なる構成、初期強度よりも小さい強度、初期コンプライアンスよりも大きいコンプライアンス、初期コンプライアンスと異なるコンプライアンス、初期収縮性よりも大きい収縮性、初期収縮性と異なる収縮性を有する。
【0453】
別の実施例では、ステント補綴具は、非分解性金属または金属合金からパターン化され、ステントは、1つまたはそれを上回るリングを備え、ステントは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、拡張ステント構成時の少なくともいくつかのリングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、生理学的条件下で1つまたはそれを上回る分離領域を含有する、少なくともいくつかのリングは、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、該少なくともいくつかのリングの後続の収縮性よりも小さい、少なくともいくつかのリングにおける初期収縮性、後続のコンプライアンスよりも小さい、少なくともいくつかのリングにおける初期コンプライアンス、該少なくともいくつかのリングにおける後続の構成よりも小さい初期拡張構成を有するように構成される。本実施例の別の実施例では、少なくともいくつかのリングは、ステントから成る。
【0454】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、実施例のうちのいずれかのようなステントは、生理学的条件下で拡張可能であり、生理学的条件は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、哺乳類収縮期および/または拡張期圧、哺乳類心拍、哺乳類心筋拡張ならびに/もしくは収縮、血管拡張および/または収縮、哺乳類筋肉収縮ならびに/もしくは拡張、哺乳類身体管腔、模擬哺乳類収縮期および/または拡張期圧力、模擬哺乳類心拍、模擬哺乳類心筋拡張ならびに/もしくは収縮、模擬哺乳類血管拡張および/または収縮、模擬哺乳類筋肉収縮ならびに/もしくは拡張、模擬哺乳類身体管腔を備える。
【0455】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、ステント補綴具は、身体管腔内で拡張可能であり、拡張後のステント(または少なくともいくつかのリング)は、生理学的条件下で、該拡張からの内向き反跳後のステント(または少なくともいくつかのリング)のさらなる拡張、動的拡張および収縮、再形成、積極的再形成、適応再形成、動的再形成のうちの1つまたはそれを上回るものを呈する。一実施例では、さらなる拡張、拡張および収縮、または再形成の規模は、0.07mm~5mmに及び、好ましくは、0.1mm~5mmに及び、より好ましくは、0.15mm~5mmに及ぶ。好ましい実施例では、ステント補綴具は、非分解性金属または金属合金から形成およびパターン化され、ステントは、複数の円周方向リングを備え、各リングは、クラウンによって継合される支柱を備え、各リングは、隣接するリングに軸方向に接続される。ステント補綴具は、好ましい実施例では、圧着構成から拡張構成までバルーン拡張可能であり、非分解性の塑性的に変形可能な金属または金属合金から形成およびパターン化され、少なくともいくつかのリングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、ステント拡張後のステントは、生理学的条件下で、該拡張からの内向き反跳後のステント(または少なくともいくつかのリング)のさらなる拡張、動的拡張および収縮、再形成、積極的再形成、適応再形成、動的再形成のうちの1つまたはそれを上回るものを呈し、さらなる拡張、拡張ならびに収縮、および/または再形成は、拡張後および手技後に起こる。別の実施例では、さらなる拡張、拡張ならびに収縮、および/または再形成は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、血管内超音波、光学コヒーレントトモグラフィ、またはQCAによって測定される。別の好ましい実施例では、少なくともいくつかのリングは、円周方向リング内に1つまたはそれを上回る分離領域を有し、1つまたはそれを上回る分離領域は、拡張中に無傷のままであり、分離領域は、生理学的条件下の拡張後に、1つまたはそれを上回る不連続性を形成する。別の好ましい実施例では、拡張可能ステント補綴具は、複数の円周方向リングを備え、少なくともいくつかのリングはそれぞれ、拡張ステント構成時の該リングの円周を包囲する1つまたはそれを上回る経路を有し、各該リングは、ステント拡張中に各リングの連続性を円周方向に維持するように、かつ生理学的条件下のステント拡張後に各該リング円周の全経路に1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域を有する。一実施例では、拡張可能ステント補綴具は、複数の円周方向リングを備え、少なくともいくつかのリングはそれぞれ、拡張ステント構成時の各該リングの円周を包囲する1つまたはそれを上回る経路を有し、拡張可能ステント補綴具の少なくともいくつかの円周方向リングはそれぞれ、各該リングが生理学的条件下のステント拡張後に各該リング円周の任意の経路に1つまたはそれを上回る不連続性を有するように位置する、1~6つに及ぶいくつかの分離領域を有する。一実施例では、拡張可能ステント補綴具は、複数の円周方向リングを備え、各リングは、拡張ステント構成時のステントの円周を包囲する1つまたはそれを上回る経路を有し、拡張可能ステント補綴具の少なくとも1つの円周方向リングは、該リングが生理学的条件下のステント拡張後に該リング円周の全ての経路に1つまたはそれを上回る不連続性を有するように、支柱、クラウン、および円周方向コネクタのうちの1つまたはそれを上回るものの上に位置する、1つまたはそれを上回る分離領域を有する。一実施例では、拡張可能ステント補綴具は、複数の円周方向リングを備え、少なくともいくつかのリングはそれぞれ、拡張ステント構成時の各該リングの円周を包囲する2つまたはそれを上回る経路を有し、拡張可能ステント補綴具の少なくともいくつかの円周方向リングはそれぞれ、各該リングが生理学的条件下のステント拡張後に各該リング円周の各該2つまたはそれを上回る経路に1つまたはそれを上回る不連続性を有するように、支柱、クラウン、および円周方向コネクタのうちの1つまたはそれを上回るものの上に位置する、2つまたはそれを上回る分離領域を有する。好ましい実施例では、少なくともいくつかのリングは、開放セル設計、閉鎖セル設計、開放および閉鎖セル設計のハイブリッドのうちの1つまたはそれを上回るものを有する。ステント補綴具は、好ましい実施例では、非分解性金属または金属合金から形成またはパターン化され、バルーン拡張可能である。
【0456】
別の実施例では、非分解性の塑性的に変形可能なステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、ステントは、複数の円周方向リングを備え、各リングは、クラウンによって継合される支柱を備え、各リングは、隣接するリングに軸方向に接続され、各リングは、連続円周方向周囲を有し、少なくともいくつかのリングはそれぞれ、拡張中に各該リング円周方向周囲の連続性を維持するように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、該1つまたはそれを上回る分離領域は、生理学的条件下のステント拡張後に、各該リング円周方向周囲に1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成される。好ましい実施例では、分離領域は、接着剤、分解性材料、またははんだから成る、1つまたはそれを上回る材料を、1つまたはそれを上回る分離領域の少なくとも1つの表面に適用することによって、身体管腔内のステントの拡張前の該連続周囲を維持するように構成され、該材料は、生理学的条件下のステント拡張後に分解し、円周方向周囲に該1つまたはそれを上回る不連続性を形成する。一実施例では、ステント拡張後の1つまたはそれを上回る不連続性は、1マイクロメートル~1,000マイクロメートルに及ぶ、該リングの分離された円周方向端部の間の間隙を形成し、該間隙は、ステント材料および分解性材料、接着剤材料、またははんだ材料のうちの1つまたはそれを上回るものを欠いている。別の実施例では、少なくともいくつかのリングはさらに、1つまたはそれを上回る円周方向コネクタを備え、該リングのそれぞれの上の少なくとも1つのコネクタは、1つまたはそれを上回る分離領域を有する。さらに別の実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域は、1つまたはそれを上回る非分解性材料(非分解性ポリマー材料等)を該分離領域の少なくとも1つの表面に適用することによって、ステント拡張に先立ったリング連続性を維持するように構成され、材料は、伸張し、拡張ステント構成時の該分離領域に隣接するリング端部が生理学的条件下で離れて移動することを可能にするために十分な弾性を有する。
【0457】
別の実施例では、非分解性の塑性的に変形可能なステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、ステントは、複数の円周方向リングを備え、各リングは、クラウンによって継合される支柱を備え、各リングは、隣接するリングに軸方向に接続され、各リングは、少なくとも1つの連続円周方向周囲を有し、少なくともいくつかのリングはそれぞれ、拡張中に各該リングの少なくとも1つの円周方向周囲の連続性を維持するように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、該1つまたはそれを上回る分離領域は、生理学的条件下のステント拡張後に、各該リングの1つまたはそれを上回る円周方向周囲に1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成される。好ましい実施例では、分離領域は、接着剤、分解性材料、またははんだから成る、1つまたはそれを上回る材料を、1つまたはそれを上回る分離領域の少なくとも1つの表面に適用することによって、身体管腔内のステントの拡張前の該連続的な1つまたはそれを上回る周囲を維持するように構成され、該材料は、生理学的条件下のステント拡張後に分解し、円周方向周囲のうちの1つまたはそれを上回るもののそれぞれに該1つまたはそれを上回る不連続性を形成する。一実施例では、ステント拡張後の1つまたはそれを上回る不連続性は、1マイクロメートル~1,000マイクロメートルに及ぶ、該リングの分離された円周方向端部の間の間隙を形成し、該間隙は、ステント材料および分解性材料、接着剤材料、またははんだ材料のうちの1つまたはそれを上回るものを欠いている。別の実施例では、少なくともいくつかのリングはさらに、1つまたはそれを上回る円周方向コネクタを備え、該リングのそれぞれの上の少なくとも1つのコネクタは、1つまたはそれを上回る分離領域を有する。さらに別の実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域は、1つまたはそれを上回る非分解性材料(非分解性ポリマー材料等)を該分離領域の少なくとも1つの表面に適用することによって、ステント拡張に先立ったリングの1つまたはそれを上回る円周方向周囲のそれぞれにおいてリング連続性を維持するように構成され、材料は、伸張し、拡張ステント構成時の該分離領域に隣接するリング端部が生理学的条件下で離れて移動することを可能にするために十分な弾性を有する。
【0458】
別の実施例では、非分解性の塑性的に変形可能なステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、ステントは、複数の円周方向リングを備え、各リングは、クラウンによって継合される支柱を備え、各リングは、隣接するリングに軸方向に接続され、少なくともいくつかのリングはそれぞれ、少なくとも1つの連続円周方向周囲を有し、各該リングは、拡張中に各該リングの少なくとも1つの円周方向周囲の連続性を維持するように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、該1つまたはそれを上回る分離領域は、生理学的条件下のステント拡張後に、各該リングの少なくとも1つの連続円周方向周囲に1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成され、該1つまたはそれを上回る不連続性の形成後の各該リングは、円周方向に接続解除される。別の実施例では、少なくともいくつかのリングはさらに、1つまたはそれを上回る円周方向コネクタを備え、該リングのそれぞれの上の少なくとも1つのコネクタは、1つまたはそれを上回る分離領域を有する。
【0459】
別の実施例では、非分解性の塑性的に変形可能なステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、ステントは、複数の円周方向リングを備え、各リングは、クラウンによって継合される支柱を備え、各リングは、隣接するリングに軸方向に接続され、少なくともいくつかのリングはそれぞれ、少なくとも1つの連続円周方向周囲を有し、各該リングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、該1つまたはそれを上回る分離領域は、生理学的条件下のステント拡張後に、各該リングの少なくとも1つの連続円周方向周囲に1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成され、該1つまたはそれを上回る不連続性の形成後の各該リングは、円周方向に接続解除される。別の実施例では、少なくともいくつかのリングはさらに、1つまたはそれを上回る円周方向コネクタを備え、該リングのそれぞれの上の少なくとも1つのコネクタは、1つまたはそれを上回る分離領域を有する。
【0460】
別の実施例では、非分解性の塑性的に変形可能なステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、ステントは、複数の円周方向リングを備え、少なくともいくつかのリングは、複数の支柱およびクラウンから成り、各リングは、隣接するリングに軸方向に接続され、少なくともいくつかのリングはそれぞれ、少なくとも1つの連続円周方向周囲を有し、各該リングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、生理学的条件下のステント拡張後の該1つまたはそれを上回る分離領域は、該リングのそれぞれに1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成され、各該リングは、連続円周方向周囲を有していない。別の実施例では、少なくともいくつかのリングはさらに、1つまたはそれを上回る円周方向コネクタを備え、該リングのそれぞれの上の少なくとも1つのコネクタは、1つまたはそれを上回る分離領域を有する。
【0461】
別の実施例では、非分解性の塑性的に変形可能なステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、ステントは、複数の円周方向リングを備え、各リングは、クラウンによって継合される支柱を備え、各リングは、隣接するリングに軸方向に接続され、少なくともいくつかのリングはそれぞれ、少なくとも1つの連続円周方向周囲を有し、各該リングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、生理学的条件下のステント拡張後の該1つまたはそれを上回る分離領域は、各該リングの少なくとも1つの連続円周方向周囲を接続解除するように構成される。別の実施例では、少なくともいくつかのリングはさらに、1つまたはそれを上回る円周方向コネクタを備え、該リングのそれぞれの上の少なくとも1つのコネクタは、1つまたはそれを上回る分離領域を有する。
【0462】
別の実施例では、非分解性の塑性的に変形可能なステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、ステントは、複数の円周方向リングを備え、少なくともいくつかのリングは、複数の支柱およびクラウンから成り、各リングは、隣接するリングに軸方向に接続され、少なくともいくつかのリングはそれぞれ、少なくとも1つの連続円周方向周囲を有し、各該リングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、生理学的条件下のステント拡張後の該1つまたはそれを上回る分離領域は、各該リングの少なくとも1つの連続円周方向周囲を接続解除するように構成される。
【0463】
別の実施例では、少なくともいくつかのリングはさらに、1つまたはそれを上回る円周方向コネクタを備え、該リングのそれぞれの上の少なくとも1つのコネクタは、1つまたはそれを上回る分離領域を有する。
【0464】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、ステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、ステントは、複数の円周方向リングを備え、各リングは、低応力領域と、高応力領域とを備え、少なくともいくつかのリング上の1つまたはそれを上回る低応力領域は、各該低応力領域を二等分する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、生理学的条件下の拡張後のステントの分離領域は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、1つまたはそれを上回る不連続性の形成、30日~1年に及ぶ周期内の拡張後の不連続性の形成、半径方向、円周方向、または軸方向のうちの1つまたはそれを上回るものへの該分離領域の係脱、血管壁の中への1つまたはそれを上回る分離領域の埋込、血管壁の中への1つまたはそれを上回る分離領域のさらなる埋込を受け、1つまたはそれを上回る分離領域を含有するリングが、収縮期および拡張期圧サイクルに伴って同期化された動的移動を有することを可能にし、1つまたはそれを上回る分離領域は、埋込に先立ってともに保持され、拡張後に係脱を可能にするように構成される。好ましい実施例では、1つまたはそれを上回る低応力領域は、少なくともいくつかのリング上の1つまたはそれを上回る支柱領域である。
【0465】
別の実施例では、本願の実施例のうちのいずれかのようなステント補綴具であって、ステント補綴具は、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、ステントは、1つまたはそれを上回るリングを備え、生理学的条件下の拡張後の該ステントは、以下のうちの1つまたはそれを上回るものを呈する、すなわち、1つまたはそれを上回るリングを円周方向に離脱させる、血管または身体管腔を離脱させる、少なくとも1つまたはそれを上回るリングが、動的拡張および収縮を呈する、身体管腔が血管再形成を呈することを可能にする、ステント留置区画内の身体管腔が適応再形成を呈することを可能にする、ステント留置区画内の血管壁が隣接する非ステント留置区画内の血管壁剪断応力により近い剪断応力を有することを可能にする、血管壁が向上された内皮機能を有することを可能にする。
【0466】
別の好ましい実施例では、不連続性は、足場の拡張および血管または他の類似もしくは同等生理学的環境または条件への足場の暴露後に、分離領域の場所において足場に形成される、開口部、間隙、継手、弾性接合点、二等分、または同等物を備える。不連続性は、足場またはその少なくとも一部の半径方向コンプライアンスを増加させるであろう。不連続性は、不連続性が形成された後に拡張された足場のフープ強度を減少させる、拡張された足場内の場所にあろう。例えば、不連続性は、足場の円周方向リング内にあってもよく、リングの円周方向拡張に対する抵抗を減少させ、したがって、本願の他の場所で詳細に議論されるように、リングおよび足場の半径方向コンプライアンスを増加させるであろう。対照的に、隣接する円周方向リングをともに保持する、軸方向リンクまたは他の軸方向接続内の不連続性もしくは切れ目は、本発明の目的であるように、典型的には、不連続性が形成された後に、拡張されたリングまたは足場のフープもしくは半径方向強度を減少させず、典型的には、リングまたは足場の半径方向コンプライアンスを増加させないであろう。特に、「二等分」は、部分または区画が、もはや部分または区画の領域中で相互に直接接続されなくなるように、開口部、切れ目、間隙、または同等物が、典型的には前もって継合された構成要素の2つの隣接する部分または区画の間に形成されるときに生じる。構成要素の2つの隣接する部分または区画は、本明細書の他の場所に説明される方法のうちのいずれかで、前もって継合されていてもよい、または連続構造として形成されていてもよい。特に、「二等分」は、部分または区画が、もはや部分または区画の領域中で相互に直接接続されなくなるように、開口部、切れ目、間隙、中断、または同等物が、典型的には前もって継合された構成要素の2つの隣接する部分または区画の間に形成されるときに生じる。構成要素の2つの隣接する部分または区画は、本明細書の他の場所に説明される方法のうちのいずれかで、前もって継合されていてもよい、または連続構造として形成されていてもよい。ある事例では、「二等分」は、開口部、切れ目、間隙、または同等物が、ステントの1つまたはそれを上回る円周方向経路に形成され、1つまたはそれを上回る不連続円周方向経路を形成するときに生じる。
【0467】
別の好ましい実施例では、語句「全ての不連続性が形成された後」は、足場の中の全ての分離領域が分離し、全ての不連続性が形成されたときの足場を指す。たとえ分離領域が足場内の各分離領域において不連続性を形成するように構成され得たとしても、不連続性は、血管または他の生理学環境内の埋込後に足場の中の全ての分離領域に常に形成されるわけではない場合があるが、分離領域の全ては、足場が本明細書で請求される物理的特性を満たすかどうかを判定するために、生体外試験実行中に形成させられ得る。したがって、足場が「全ての不連続性が形成される」という判定を要求する請求項の要件を満たすかどうかを判定する目的のために、足場は、足場内の各分離領域において不連続性の形成をもたらすことが予期されるであろう、塩分、温度、圧力、不連続性の形成を引き起こす作用物質または材料の追加、および同等物等の模擬生体内生理学的条件によって、全ての不連続性を形成するように選択される生体外条件への暴露後に検査および試験され得る。そのような生体外生理学的条件の実施例は、本明細書の以下の実施例の節の中で提供される。
【0468】
別の好ましい実施例では、用語「パターン」は、足場の構造要素の幾何学的配列を指す。最も一般的なパターンは、軸方向リンクによって、または円周方向リング上の軸方向に隣接する領域の直接取付によってのいずれかで、軸方向に継合される、複数の「円周方向リング」を備える。本発明の足場はまた、螺旋パターン、菱形および他の閉鎖または開放セルパターン、ならびに血管および他のステント加工技術分野で公知である他のパターンを有してもよい。円周方向リングは、通常、クラウンによって継合される支柱を備える、蛇行またはジグザグ構造として形成され、支柱は、通常、直線状となり(但し、非直線状であり得る)、クラウンは、継手またはヒンジとして作用し、支柱が開放すること、および円周方向リングが円周方向ならびに半径方向の両方に拡張することを可能にするであろう。すなわち、円周方向リングの円周または周囲の周辺の距離は、足場の軸方向中心からのリング周囲の半径方向距離と同様に増加するであろう。
【0469】
別の好ましい実施例では、足場の個々の円周方向リングは、通常、「無傷」となり、通常、拡張または不連続性の形成に先立って、足場がその圧着構成であるときに「軸方向に継合される」であろう。「無傷」とは、円周方向リングが、不連続性を含まない、連続蛇行、ジグザグ、正弦曲線、または他の円周方向構造を有するであろうことを意味する。「軸方向に継合される」とは、軸方向に隣接する円周方向リングが、軸方向リンクによって、または、例えば、融合もしくははんだ付けによる直接クラウン・クラウン取付によって、継合されるであろうことを意味する。足場の拡張および生理学的環境への暴露後に、不連続性は、リングのうちの少なくともいくつかに形成され、典型的には、リング構造がもはや連続的ではないようにリングの周辺経路または周囲を形成する、支柱またはクラウン領域もしくは他の構造構成要素内の間隙、切れ目、または二等分であろう。たとえ個々の円周方向リングが、このようにして、不連続性の形成後に2つまたはそれを上回る分離された部分(部分円周方向リング)に分割し得ても、それらはまた、その語句が本明細書および請求項で使用されるため「円周方向リング」と称され得、具体的には、たとえ円周方向リングの継合された部分が不連続性によって同一のリングの他の部分から分離されたとしても、1つのリングの少なくとも一部が隣接するリングの少なくとも一部に接続されたままである限り、隣接する円周方向リングは、「軸方向に継合された」(無傷)ままであると見なされるであろう。別の好ましい実施例では、「半径方向コンプライアンス」は、100mmHgの圧力変化におけるコンプライアンスまたは半径方向歪み(約176mmHg等の他の圧力変化におけるコンプライアンス測定値)を測定するASTM F2477-07R13に従って、模擬血管(もしくは管)内で生体外の複合コンプライアンスとして測定される、足場、ステント、補綴具、または他の構造の複合コンプライアンスであるが、試験はまた、100mmHg以外の所与の圧力の変化におけるコンプライアンスを試験するための方法を提供することもできる。
【0470】
別の好ましい実施例では、「区画」および語句「足場の区画」は、全ての不連続性が足場に形成された後に継合された、または無傷のままであろう、足場の構造構成要素を指す。例えば、円周方向リングは、区画ならびに閉鎖セル構造である。多くの事例では、足場の2つまたはそれを上回る区画は、全ての不連続性が足場に形成された後に継合されたままであろう。したがって、区画は、常に、継合された、または無傷のままであろうが(無傷は、構造がいかなる不連続性も伴わずに継合されることを含意する)、最初に継合される区画は、全ての不連続性が足場に形成された後に継合されたままである場合もあり、そうではない場合もある。
【0471】
別の好ましい実施例では、「円周方向リング」は、全360度にわたって延在する連続周囲または周辺を伴うリング、ならびにそれらの周囲または周辺にオフセットを有する不連続リングの両方を指す。そのような不連続円周方向リングは、多くの場合、足場の長さの全体または一部に沿って螺旋パターンをともに形成するように、連続的に端から端まで継合されるであろう。個々の円周方向リングは、したがって、螺旋足場の連続的巻目を形成するであろう。一実施例では、円周方向リングパターンは、圧着および/または拡張構成時のステントの縦軸と垂直であり得る。別の実施例では、円周方向リングパターンは、圧着構成および/または拡張構成時のステント縦軸と垂直と、圧着および/または拡張構成時のステント縦軸との間の角度にあり得る。
【0472】
別の好ましい実施例では、「生理学的環境」は、自然または内因性環境、典型的には、患者血管系もしくは他の管腔環境、ならびに内因性血管または他の天然管腔環境を模倣することを意図している人工もしくは生体外環境の両方を指す。具体的には、人工または生体外環境は、37℃等の同一温度、水溶液(水槽)、約100mmHgまたは約200mmHgの圧力変化、3.0mmの内径および約5%のコンプライアンスを有する模擬管、不連続性の形成を加速する作用物質、ならびに本発明の原理に従って、足場を試験し、分離領域が不連続性を形成する、伸張する、もしくは増進したコンプライアンスを有するであろうかどうかを確認するために使用されることができる、内因性環境の他の特性のうちの少なくともいくつかを有するであろう。具体的には、足場が分離領域を有するかどうかを判定するために、足場は、そのような分離領域に関して検査され、および/または本明細書に説明されるような生体外の生理学的条件に暴露され、不連続性が形成されるかどうかを確認する、または増進した複合コンプライアンスに関して足場を試験する、もしくは初期コンプライアンスおよび増加した複合コンプライアンスに関して足場を試験する、または足場の初期半径方向強度を試験する、もしくは不連続性の形成後の半径方向強度を試験するように、観察されることができ、足場は、3.0mmの内径、約5%の管コンプライアンス、37℃の水槽内、および100mmHgの圧力変化を有する、管「模擬血管」の中で拡張され、管内径の約110%まで足場の内径を拡張して管の中への良好な嵌合を確実にし、初期複合コンプライアンスを測定し、不連続性を形成する分離領域をともに保持する材料を溶解させ、ステント留置区画の中間区画におけるステント留置区画のコンプライアンスである、複合コンプライアンスを再測定することができ、本発明によるコンプライアンスは、不連続性の形成後に初期複合コンプライアンスから増加し、典型的には、初期複合コンプライアンスの200%~500%増加する、または通常、200%~300%増加する、もしくは初期複合コンプライアンスの少なくとも200%増加する、または少なくとも300%増加する。
【0473】
1つの好ましい実施例では、不連続性の形成後のステントは、ステントの長さに沿って、2つ、または3つ、もしくは4つの別個のステント区分に分離し、各区分は、複数の部分円周方向リングを備え、各部分リングは、隣接する部分リングに軸方向に接続された(無傷)ままであり、2、3、または4つの別個の区分は、各円周方向リングの中の全ての分離領域が不連続性を形成した後に形成される。
【0474】
好ましい実施例では、語句「ステントコンプライアンス」、「ステント留置区画コンプライアンス」、および「ステント血管系コンプライアンス」は全て、複合コンプライアンス試験方法で説明されるようなステント留置/足場付き区画の複合コンプライアンスを指す。
【0475】
好ましい実施例では、半径方向強度は、本願に説明される半径方向試験方法で説明されるような平坦プレート(10%圧縮)試験を使用して測定される。
【0476】
好ましい実施例では、本発明の足場またはステントの少なくともいくつかのリングは、好ましくは、非分解性金属または金属合金から形成され、身体管腔(もしくは模擬血管)内の圧着構成から拡張構成までの拡張後に、不連続性の形成前と比較して、不連続性の形成後に、以下のうちの1つまたはそれを上回るものを呈する、すなわち、心臓の収縮性および/または圧力の変化を含む生理学的条件下で、(1)少なくともいくつか、好ましくは、全ての円周方向リング(ステント)、またはステント留置区画を離脱させる、(2)ステント留置区画の少なくともいくつかのリング、好ましくは、全てのリングの構成または直径の変化を示す、(3)ステント留置区画の少なくともいくつかのリングのさらなる拡張を示す、(4)ステント留置区画の少なくともいくつかのリング、通常、全ては、0.1mm~0.5mmの範囲内で拡張および/または収縮することができる。生理学的条件はまた、シミュレーションされた生理学的条件を含み得る。上記の実施例は、少なくともいくつかのリングに不連続性を形成し、円周方向に該リングを離脱させる、分離領域のOCT画像を示す、(分離領域を含有する)少なくともいくつかの支柱の反対端が不連続性の形成後に分離し、半径方向および/または円周方向に(相互と比較して平面の外に)移動することを示す、ならびに/もしくは少なくともいくつかのリングの構成または直径の変化、またはステントが、図100B-Dもしくは101A-Bに示されるように、拡張およびいずれかの拡張からの初期内向き反跳後により大きい直径または構成までさらに拡張することを示す、実施例22に示されている。上記はまた、台上、生体外、または生体内の他の試験でも示され得る。
【0477】
本願の実施例のうちのいずれかの好ましい実施例では、非分解性ステントは、少なくとも1つの円周方向リングを備え、少なくとも1つのリングは、少なくとも1つのリングの円周方向経路に沿って該少なくとも1つのリング内に1つまたはそれを上回る不連続性を有し、1つまたはそれを上回る不連続性は、埋込前の少なくとも1つのリングの円周方向連続性を維持するようにともに保持され、生理学的環境内のステントの拡張後の不連続性は、分離するように構成される。一実施例では、不連続性は、分解性材料を使用してともに保持され、分解性材料は、生理学的環境内で拡張後に分解するように構成される。
【0478】
本願の実施例のうちのいずれかの別の好ましい実施例では、非分解性材料から形成されるステントは、生理学的環境内の拡張後に分離する(不連続性を形成する)1つまたはそれを上回る分離領域を円周方向ステント構造要素上に有するように構成され、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、ステントの円周方向の離脱、ステントが1つまたはそれを上回るリンクによって軸方向に接続されたままである間のステントの円周方向の離脱、少なくともいくつかの円周方向リングの円周方向経路に1つまたはそれを上回る不連続性を形成すること、少なくとも1つの円周方向リングの円周方向経路に1つまたはそれを上回る不連続性を形成すること、各該リングが、円周方向に接続解除され(各該リングが、その円周方向経路に沿って生理学的環境内の拡張後に1つまたはそれを上回る不連続性を有する)、少なくとも2つの軸方向に接続されたリングを形成すること、各該リングが、円周方向に接続解除される(各該リングが、その円周方向経路に沿って生理学的環境内の拡張後に1つまたはそれを上回る不連続性を有する)、軸方向に接続されたリングを形成することを含む。
【0479】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、ステントは、1つまたはそれを上回る円周方向リングを備え、円周方向リングは、1つの連続円周方向経路を有するが、該リングはまた、種々の実施例および図に示されるように、1つを上回る円周方向経路を有してもよい。いずれの場合でも、1つまたはそれを上回る分離領域は、該1つまたはそれを上回るリングが生理学的環境内の拡張後に円周方向連続経路を有していないように、1つまたはそれを上回るリングを円周方向に分離するように、少なくとも1つまたはそれを上回るリング上の1つまたはそれを上回る場所に形成される。
【0480】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、ステントは、円周方向構造要素を備え、構造要素は、複数のリングであり、少なくともいくつかのリングはそれぞれ、生理学的環境内のステントの拡張後に分離するように構成される、2つまたはそれを上回る分離領域を有し、該少なくともいくつかのリング内の少なくとも1つの分離領域は、生理学的環境内のステントの拡張後に分離しない。
【0481】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、非分解性ステントは、複数のリングから成る円周方向構造要素を備え、各リングは、軸方向に隣接するリングに接続され、少なくともいくつかのリングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、生理学的環境内のステントの拡張後の該1つまたはそれを上回る分離領域は、分離するように構成され、分離は、少なくともいくつかのリングを2つまたはそれを上回る区分に円周方向に分離すること、ステントを円周方向に分離すること、分離領域に隣接する円周方向構造要素を係脱させることのうちの1つまたはそれを上回るものを含み、該少なくともいくつかのリングは、管腔(血管、輪等を含む)が積極的再形成を呈することを可能にし、該少なくともいくつかのリングは、生理学的環境内で拡張および収縮を呈し、該少なくともいくつかのリングは、生理学的環境内で積極的再形成を呈し、該少なくともいくつかのリングは、生理学的条件下で動的拡張および収縮を呈し、該ステントは、生理学的条件下で動的拡張および収縮を呈する。
【0482】
本願の実施例のうちのいずれかの一実施例では、生理学的条件および生理学的環境は、同義的に使用され、模擬哺乳類収縮期および/または拡張期圧力、哺乳類収縮期ならびに/もしくは拡張期圧力、模擬哺乳類心臓電気、化学、機械、および/または圧力サイクル、もしくは哺乳類心臓電気、化学、機械的、および/または圧力サイクル、血管拡張剤ならびに/もしくは血管収縮剤の使用、100mmHgの圧力変化、176mmHgの圧力変化、約37℃、水槽内の約37℃、身体管腔または輪内、模擬血管(輪を含む)内、分離領域に不連続性を形成するための1つまたはそれを上回る作用物質の使用、哺乳類拍動心臓環境のうちの1つまたはそれを上回るものを備える。
【0483】
本願の実施例のうちのいずれかの実施例では、ステントは、非分解性材料から形成され、生理学的環境下で拡張および収縮が可能である構造にパターン化され、ステントは、複数の円周方向リングから成り、各リングは、隣接するリングに軸方向に接続され、少なくともいくつかのリングは、生理学的環境内のステントの拡張後に分離するように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域を伴って形成される。分離領域は、(各リング内で、または少なくともいくつかのリングを横断して)ほぼ同一の時間周期において分離する、または異なる時間周期において分離するように構成される。好ましい実施例では、分離領域は、2週間~2年に及ぶ周期からステントの拡張後に分離する、好ましくは、1ヶ月~13ヶ月に及ぶ周期から分離する、より好ましくは、1ヶ月~9ヶ月に及ぶ周期から分離する、最も好ましくは、1.5ヶ月~8ヶ月に及ぶ周期から分離するように構成される。一実施例では、形成後および拡張前の分離領域は、拡張中にステントの構造完全性を促進するように、かつ身体管腔を支持するために十分な強度を有するように、ともに保持される。分離領域は、1つまたはそれを上回る材料(接着剤、ポリマー、はんだ等)によってともに保持され、材料は、ステントの拡張後に生理学的環境内で分解し、分離領域が分離することを可能にし、不連続性を形成する。1つまたはそれを上回る材料は、分離領域に適用される、分離領域内に適用される、分離領域に隣接して適用される、1つまたはそれを上回る分離領域を有する少なくともいくつかのリングの1つの表面に適用される、1つまたはそれを上回る分離領域を有する少なくともいくつかのリングの全ての表面に適用される、またはそれらの組み合わせであってもよい。本実施例で形成される不連続性は、分離領域に隣接する構造要素が、半径方向、円周方向、軸方向、またはそれらの組み合わせに、相互と関係して移動することを可能にするように構成される。別の実施例では、ステントは、形成された通りにともに保持されている1つまたはそれを上回る分離領域を有し、拡張中にステントの構造完全性を促進し、身体管腔を支持するために十分な強度を有するように構成される。そのような分離領域の実施例は、ロックおよびキー設計等の分離領域に隣接する構造要素の幾何学的構成、分離領域に隣接する構造要素の厚さおよび幅、ならびに分離領域に隣接する構造要素の配向を備える。ステントの拡張後の分離領域は、一実施例では、分離領域に隣接する構造要素が、半径方向に、その後に続いて、円周方向または軸方向、もしくはそれらの組み合わせに、相互に対して移動することを可能にする。ステントはさらに、少なくとも1つの薬物、1つまたはそれを上回るコーティング、またはそれらの組み合わせでコーティングされてもよい。ステントは、さらに別の実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域に隣接する構造要素を分離させ、半径方向、軸方向、円周方向、またはそれらの組み合わせに、相互に対して移動させるように構成されてもよい。さらに別の実施例では、ステント構造要素は、生理学的条件内の拡張後に、連続的または同時に、1つまたはそれを上回る方向に移動するように構成される。さらに別の実施例では、形成された分離領域に隣接する構造要素は、以下の構成のうちの1つまたはそれを上回るものを備える、すなわち、相互に埋め込まれる、オス型/メス型構成を形成する、付き合わせ継手を形成する、ボールおよびソケット構成を形成する、平行構成で相互に重複してもよい、1つの要素が別の要素の溝の中に嵌合してもよい、またはそれらの組み合わせである。分離領域に隣接する構造要素は、好ましい実施例では、拡張前に、または拡張に応じて、ともに保持され、拡張後に不連続性を形成する。
【0484】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、用語「半径方向コンプライアンス」および「半径方向歪み」は、同義的に使用され、コンプライアンスは、ともに、1つまたはそれを上回る分離領域を有する少なくともいくつかの円周方向リングおよび血管(または模擬血管)の複合コンプライアンス(区画コンプライアンス)を指し、生理学的条件は、約100mmHgの圧力変化を含む。好ましい実施例では、初期拡張および初期拡張からの内向き反跳後の区画コンプライアンスは、典型的には、1%未満、通常、0.5%未満である。少なくともいくつかの不連続性の形成後の区画コンプライアンスは、典型的には、0.5%を上回り、好ましくは、1%を上回り、より好ましくは、1.5%を上回り、最も好ましくは、2%を上回る。区画ステントは、本実施例では、典型的には、初期拡張直径の0%~10%、通常、1%~7%、より好ましくは、1%~5%に及ぶ、初期拡張後の内向き反跳を有する。ステント(または少なくともいくつかのリング)は、本実施例では、初期強度(初期拡張および初期内向き反跳後の10%破砕抵抗)を有し、初期強度は、少なくともいくつかのリング内の少なくともいくつかの不連続性の形成後に減少し、強度は、初期強度の10%~90%に及ぶ、通常、初期強度の20%~80%に及ぶ規模だけ減少する。少なくともいくつかのリングは、別の実施例では、初期コンプライアンス(区画コンプライアンス)と、初期強度とを有し、少なくともいくつかの不連続性の形成後、好ましくは、生理学的環境内の実質的に全ての不連続性の形成後に、強度は、減少し、コンプライアンスは、増加する一方で、初期拡張後および初期内向き反跳後の少なくともいくつかのリングの直径を維持する、または増加させる。
【0485】
さらに別の実施例では、ステント補綴具は、複数の円周方向リングから成り、リングは、軸方向に接続され、少なくともいくつかのリング、好ましくは、全てのリングは、各リングの1つまたはそれを上回る円周方向経路に沿って1つまたはそれを上回る分離領域を有し、分離領域は、生理学的環境内のステントの拡張後に、分離して不連続性を形成するように構成される。リングあたりの分離領域の数は、典型的には、1~6つの分離領域に及ぶ。少なくとも2つの隣接するリング上の分離領域の数は、同一もしくは異なり得る、または少なくとも2つの隣接するリング上の分離領域は、同一の配向もしくは異なる配向を有してもよい。別の実施例では、ステントは、複数の円周方向リングから成り、リングは、軸方向に接続される。本実施例のステントは、ステントの長さに沿って、近位区画、中央区画、および遠位区画を備え、各区画は、1つまたはそれを上回るリングを備え、少なくとも1つの区画は、分離領域を有しておらず、さらに別の実施例では、少なくとも2つの区画は、分離領域を有しておらず、さらに別の実施例では、ステントのいずれか一方の端部上の1つまたはそれを上回るリングは、分離領域を含まない。
【0486】
本願の実施例のうちのいずれかの一実施例では、ステント補綴具は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、ステントが、導管、血管、管腔、輪、または器官の内側に設置される、管腔内ステント、ステントが、導管、血管、管腔、輪、または器官の外側に設置される、外部ステント、およびステントが、PTFE材料等の異なる材料で被覆された1つまたはそれを上回る区画(1つまたはそれを上回る円周方向リング)を有し、ステントが、異なる材料の外側または異なる材料の内側にある、もしくは異なる材料がステントと編み込まれる、またはそれらの組み合わせである、被覆されたステント(ステントグラフトまたは弁ステント等)を備える。ステントグラフトは、材料が、本願の種々の実施例に説明されるように、異なる材料に隣接するリング内の不連続性の形成後に、生理学的環境下でさらに拡張および/または収縮することを可能にする、および他のステントタイプである。
【0487】
本願の実施例のうちのいずれかのさらに別の実施例では、非分解性ステントは、クラウンおよび支柱の構造要素を備える、1つまたはそれを上回る円周方向リングを備え、構造要素は、生理学的環境内のステントの拡張後に分離するように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、各分離領域に隣接する構造要素は、生理学的環境内のステントの拡張前にともに保持され、該隣接する構造要素は、拡張後に分離する。
【0488】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、非分解性ステントは、管から形成され、ステントにパターン化され、ステントは、複数の円周方向リングを備え、各リングは、隣接するリングに軸方向に接続され、各リングは、該リングの円周方向経路に沿って1つまたはそれを上回る分離領域を有する。分離領域は、各リングの円周方向構造完全性を維持するようにともに保持され、生理学的環境内のステントの拡張後に分離するように構成される。非分解性ステントは、好ましい実施例では、拡張後に無傷のままである1つまたはそれを上回る非分解性軸方向リンクをさらに備える。さらに別の実施例では、2つおきに隣接するリングを軸方向に接続する、少なくとも1つのリンクは、ステント拡張後に無傷のままである。さらに別の実施例では、少なくともいくつかの隣接するリングは、少なくとも1つの軸方向リンクによって接続されたままである。
【0489】
本願の実施例のうちのいずれかの好ましい実施例では、ステント補綴具は、非分解性金属合金材料から形成され、ステントは、複数の円周方向リングを備え、各リングは、隣接するリングに接続され、ステントは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、身体管腔を支持するために十分な拡張構成時の強度を有し、少なくともいくつかのリングは、生理学的環境内の拡張後に該円周方向リングに不連続性を形成するように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域を有する。本好ましい実施例では、(収縮期および/または拡張期圧ならびに/もしくは血管拡張剤の注入を含む)生理学的環境内のステントの拡張後および実質的に全ての不連続性の形成前の少なくともいくつかのリング(または少なくともいくつかのリングを備えるステント留置区画)は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、拡張構成からの初期反跳後の少なくともいくつかのリングのさらなる拡大、管腔の積極的再形成、少なくともいくつかのリングのさらなる拡張構成からのさらなる拡張および収縮、初期拡張および初期拡張内向き反跳後の初期区画コンプライアンスからの区画コンプライアンスの増加を呈する。別の実施例では、分離領域は、ポリマーおよび接着剤のうちの1つまたはそれを上回るものから成る、1つまたはそれを上回る材料によってともに保持され、1つまたはそれを上回る材料は、生理学的条件下で弾性であり、少なくともいくつかのリングが、生理学的条件下でさらなる拡張構成から拡張および収縮することを可能にする一方で、ステントの拡張構成(ステントの初期拡張からの初期内向き反跳後の拡張構成)を実質的に維持する。好ましい実施例では、1つまたはそれを上回る材料は、分解性ポリマー、または生理学的環境内で分解する接着剤である。
【0490】
本願の実施例のうちのいずれかの好ましい実施例では、ステント補綴具は、非分解性金属合金材料から形成され、ステントは、複数の円周方向リングを備え、各リングは、隣接するリングに接続され、ステントは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、身体管腔を支持するために十分な拡張構成時の強度を有し、少なくともいくつかのリングは、1つまたはそれを上回る非分解性材料によって、拡張に先立ってともに保持される、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、該1つまたはそれを上回る材料は、拡張中にステントの構造完全性を維持し、ステントは、身体管腔を支持するために十分な拡張後の強度を有し、材料は、生理学的環境内の拡張後に、半径方向、軸方向、または円周方向のうちの1つまたはそれを上回るものへの分離領域の移動を可能にするために十分な弾性を呈する。本好ましい実施例では、(収縮期および/または拡張期圧ならびに/もしくは血管拡張剤の注入を含む)生理学的環境内のステントの拡張後の少なくともいくつかのリング(または少なくともいくつかのリングを備えるステント留置区画)は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、拡張構成からの初期反跳後の少なくともいくつかのリングのさらなる拡張、管腔の積極的再形成、少なくともいくつかのリングのさらなる拡張構成からのさらなる拡張および収縮を呈する。1つまたはそれを上回る非分解性材料は、一実施例では、1つまたはそれを上回るポリマーおよび接着剤材料から成る。ステントは、本実施例では、身体管腔を支持するために十分な強度と、1%~10%に及ぶ、好ましくは、2%~7%に及ぶ、初期拡張後の内向き反跳と、100mmHgの圧力変化の下で1%~5%に及ぶ、区画コンプライアンスとを有する。初期拡張後のステント初期強度は、実質的に維持されてもよい。非分解性材料は、半径方向、円周方向、または軸方向を含む、1つまたはそれを上回る方向への分離領域に隣接する少なくともいくつかのリングの変位を可能にするために十分な弾性を有する、ポリマー、接着剤、または他の非分解性材料のうちの1つまたはそれを上回るものから成る。材料は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、分離領域の内面、分離領域の少なくとも1つの表面上、分離領域に隣接して、少なくともいくつかのリングの少なくとも1つの表面上、少なくともいくつかのリングの全ての表面上に適用される。コーティング厚さは、一実施例では、1ミクロン~50ミクロンに及び、好ましくは、3ミクロン~25ミクロンに及び、より好ましくは、5ミクロン~20ミクロンに及ぶ。一実施例では、分離領域は、拡張中および拡張後に分離領域をともに保持する非分解性材料を含有する一方で、少なくともいくつかのリングが、生理学的環境内のステントの拡張後に、1つまたはそれを上回る方向に分離領域に隣接する変位を有することを可能にする。一実施例では、分離領域は、間隙を有しておらず、さらに別の実施例では、分離領域は、1ミクロン~500ミクロン、通常、5ミクロン~200ミクロン、より通常、10ミクロン~100ミクロン、または10ミクロン~50ミクロンに及ぶ間隙を有する。少なくともいくつかのリングの区画内のステントは、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、哺乳類収縮期および拡張期中のさらなる拡張および該さらなる拡張からの収縮、血管拡張剤の使用からのさらなる拡張および収縮を呈し、さらなる拡張および収縮の規模は、0.05mm~3mmに及び、通常、0.7mm~2mmに及び、より通常、0.1mm~2mmに及ぶ。一実施例では、分離領域は、
【0491】
本願の実施例のうちのいずれかの好ましい実施例では、非分解性材料からパターン化される非分解性ステントは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能である複数の円周方向リングを備え、少なくともいくつかのリングは、ステントの拡張中にともに保持されている1つまたはそれを上回る分離領域を有し、生理学的環境内の拡張後に不連続性を形成し、少なくともいくつかのリングの区画内のステントは、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、哺乳類収縮期および拡張期中のさらなる拡張および該さらなる拡張からの収縮、血管拡張剤の使用からのさらなる拡張および収縮を呈し、さらなる拡張および収縮の規模は、0.05mm~3mmに及び、通常、0.7mm~2mmに及び、より通常、0.1mm~2mmに及ぶ。一実施例では、分離領域は、間隙を有しておらず、さらに別の実施例では、分離領域は、1ミクロン~500ミクロン、通常、5ミクロン~200ミクロン、より通常、10ミクロン~100ミクロン、または10ミクロン~50ミクロンに及ぶ間隙を有する。一実施例では、分離領域は、生理学的条件下で分解する、1つまたはそれを上回る分解性材料を含有する。
【0492】
本願の実施例のうちのいずれかのさらに別の好ましい実施例では、ステントは、非分解性材料からパターン化される複数のリングを備え、少なくとも3つのリングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、該リングのうちのそれぞれの内側の分離領域は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、ステント材料と異なる非分解性材料、分解性材料、またはキーおよびロックタイプ構成を含有し、材料および/またはキーおよびロックタイプ構成は、拡張中にステントの構造完全性を維持し、ステントの少なくとも3つのリング(または少なくとも3つのリングに隣接するステント留置区画)が、収縮期および拡張期圧を含む生理学的条件下でさらに拡張および縮小することを可能にする。一実施例では、非分解性材料は、生理学的環境内のステントの拡張後に無傷のままである。別の実施例では、分解性材料は、拡張後に分解し、分離領域に不連続性を形成する。さらに別の実施例では、分離領域は、生理学的条件内のステントの拡張後に無傷のままである非分解性スリーブで被覆される。ステントの拡張後のスリーブは、分離領域に隣接する支柱および/またはクラウンの移動を可能にし、1つまたはそれを上回る方向に移動させる。
【0493】
本願の実施例のうちのいずれかのさらに別の好ましい実施例では、ステントは、非分解性材料からパターン化される複数の円周方向リングを備え、ステントは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、少なくともいくつかのリングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、各分離領域は、該少なくともいくつかのリングの支柱および/またはクラウンに不連続性を形成し、該不連続性に隣接する該支柱の反対端および/またはクラウンの反対端は、分解性材料または非分解性材料から成る、1つまたはそれを上回るものによってともに保持され、ステントは、圧着構成から拡張構成まで実質的に一様に拡張し、生理学的環境内の拡張後のステントは、さらに拡張および縮小することが可能であり、さらなる拡張および収縮は、オペレータまたは外部デバイスによって補助されない。
【0494】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、ステントは、複数の円周方向リングを備え、リングは、ステントの長さに沿って軸方向に接続され、少なくともいくつかのリングは、各該リングの円周方向経路に1つまたはそれを上回る不連続性を形成する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、1つまたはそれを上回る分離領域は、該リングの支柱領域および/またはクラウン領域上に形成される。一実施例では、少なくともいくつかのリングは、同一の数の分離領域を有する。別の実施例では、少なくともいくつかのリングは、異なる数の分離領域を有する。第3の実施例では、分離領域の配向は、同一である、または異なる。第4の実施例では、ステントは、分離領域を有していない、1つまたはそれを上回るリングを有する。
【0495】
本願の実施例のうちのいずれかの別の実施例では、ステントは、非分解性形状記憶または弾力性材料から形成され、ステントは、閉鎖セルまたは開放セル設計でパターン化される複数の円周方向リングを備え、ステントは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能であり、身体管腔または輪を開放して支持するために十分な強度を有し、ステントは、公称構成または直径まで拡張するように事前プログラムされ、典型的には、より小さい直径管腔または輪まで拡張され、少なくともいくつかのリングは、本願の全体を通して説明されるように、1つまたはそれを上回る分離領域を有するように構成され、ステントの拡張後の分離領域は、生理学的環境内で不連続性を形成し、少なくともいくつかのリングが、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、事前プログラムされた構成または直径よりも小さい構成または直径まで拡張可能である、該少なくともいくつかのリングに隣接する管腔または輪により協調的または適応的である、初期拡張コンプライアンスと比較したコンプライアンスの増加、初期拡張後の初期強度と比較した強度の減少、隣接する管腔または輪組織上への外向きの力の低減を呈することを可能にする。一実施例では、ステントは、圧着構成で抑止され、拘束を除去することによって拡張される、自己拡張式ステントである。一実施例では、ステント材料は、NiTi合金またはばね鋼等のばね材料である。
【0496】
別の実施例では、非分解性ステントは、複数の非分解性円周方向リングを備え、リングは、ステントの長さに沿って軸方向に接続され、少なくともいくつかのリングは、生理学的環境内のステント拡張後に、各該リングの円周方向経路に1つまたはそれを上回る不連続性を形成する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、1つまたはそれを上回る分離領域は、該リングの支柱領域および/またはクラウン領域上に形成され、少なくともいくつかのリングは、該少なくともいくつかのリング上の1つまたはそれを上回るクラウンに結合される、1つまたはそれを上回る形状記憶もしくは弾力性材料補強要素を有し、形状記憶または弾力性要素は、少なくとも部分的にクラウン領域に跨架し、好ましくは、隣接する支柱領域の中へクラウン領域全体に跨架し、好ましい実施例では、形状記憶または弾力性要素は、要素が結合されるクラウン領域の形状に実質的に共形化し、結合された要素はさらに、ステント拡張後にクラウンを拡張する。一実施例では、補強要素は、分離領域が形成される同一のリングに結合される、異なるリングに結合される、または少なくともいくつかのリングは、結合された要素および分離領域の両方を有する。一実施例では、要素は、クラウン上で以下のうちの1つまたはそれを上回るものに結合される、すなわち、クラウン領域内に形成された溝の中に要素を埋め込む、またはクラウン領域の上に要素を取り付ける、もしくはクラウンの1つまたはそれを上回る表面領域上に要素を取り付ける、またはクラウン領域の形成された溝の内側に埋め込む、もしくはその他である。一実施例では、補強要素材料は、ステント非分解性材料よりも弱い。別の実施例では、非分解性材料のクラウン領域は、空洞化され、補強材料は、クラウンの空洞化された領域内に設置される。別の実施例では、分離領域は、ステントの拡張から30日~1年後、好ましくは、ステントの拡張から1ヶ月~9ヶ月後に分離するように構成される。一実施例では、ステント材料は、NiTi合金またはばね鋼等のばね材料である。
【0497】
本発明のなおもさらなる実施形態および実施例では、分離領域は、隣接する円周方向リングの間の軸方向リンクの中に提供されてもよい。そのような円周方向に分離可能な軸方向リンクは、通常、1つの円周方向リング内の円周方向に分離可能な領域に位置し、取り付けられた1つの端部と、隣接する円周方向リング内の別の円周方向に分離可能な領域に位置し、取り付けられた別の端部とを有するであろう。このように、足場が生理学的環境内で拡張した後、軸方向リンクは、隣接する円周方向リングのそれぞれの中の円周方向に分離可能な領域とともに円周方向に分離してもよく、2つの円周方向リングは、円周方向に「離脱」してもよい一方で、隣接する円周方向リングのそれぞれに継合される軸方向リンクの残りの半分によって軸方向に連結されたままである。下記により詳細に説明されるように、軸方向リンクは、線形、非線形、S字形、ω字形、W字形、U字形、M字形、V字形、Z字形、および同等物を含む、種々の異なる幾何学形状を有してもよい。円周方向リングは、典型的には、前述で説明されたように、相互接続された支柱およびクラウンを備えるであろうが、代替として、閉鎖セル構造、ダイヤモンド形構造、および同等物を含む、他の従来の構造を有してもよい。
【0498】
ある例示的実施形態では、管腔内補綴具は、軸に沿って配列され、非分解性材料からパターン化される、複数の円周方向リングを有する、足場を備える。足場は、典型的には、バルーン拡張によって、または拘束からの解放に応じた自己拡張によってのいずれかで、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成されるであろう。円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、典型的には、円周方向に分離可能であり、円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合されるであろう。円周方向に分離可能な軸方向リンクは、典型的には、足場の初期パターンが管状または他の基板から形成された後に、リンクにレーザ切断またはパターン化された、分離界面、例えば、反対表面に沿って円周方向に分離するように構成されるであろう。これらの実施形態では、円周方向に分離可能な軸方向リンクのうちの少なくともいくつかは、足場が身体管腔に埋め込まれるときに、例えば、足場の拡張および埋込中に、屈曲および/または伸長するように構成されるであろう。円周方向リングおよび軸方向リンクの円周方向に分離可能な領域は、通常、それらが原位置で拡張し得るように分離可能な領域を解放するために、身体管腔または他の生理学的環境内で劣化する、生分解性ポリマーおよび/または接着剤によって、最初に固定化されるであろう。このように、不連続性は、そのような生理学的環境内の足場の拡張後に、軸方向リンクのそれぞれおよび円周方向リングの隣接する領域に形成されるであろう。
【0499】
特定の実施例では、分離界面は、円周方向分離に先立ってともに入れ子になる、対向する非線形の合同な表面を有するであろう。例えば、分離界面は、分離に先立ってともに入れ子になる、反対曲面を有してもよい。曲面は、1つまたはそれを上回るS字形屈曲、1つまたはそれを上回るω字形屈曲、1つまたはそれを上回るU字形屈曲、1つまたはそれを上回るM字形屈曲、1つまたはそれを上回るV字形屈曲、1つまたはそれを上回るZ字形屈曲、もしくは同等物を有してもよい。
【0500】
そのような曲面は、典型的には、逆経路を辿るであろう。例えば、界面は、第1の円周方向リングから第1の略円周方向に延在し、方向転換して反対の略円周方向に延在し、例えば、略U字形幾何学形状を示す、または備える。多くの場合、界面は、第2の円周方向リングに取り付けられる前に、少なくとももう1回方向転換して第1の円周方向にもう1度延在し、例えば、S字形またはZ字形経路を辿ってもよい。時として、曲面は、第2の円周方向リングに取り付けられる前に、少なくとももう1回方向転換し、例えば、W字形またはω字形経路を辿ってもよい。なおも他の事例では、曲面は、第2の円周方向リングに取り付けられることに先立って、少なくとももう2回、3回、4回、またはそれを上回って方向転換し、例えば、蛇行またはジグザグ経路を辿ってもよい。
【0501】
非線形および/または曲線状界面表面を有する、軸方向リンクの特定の利点は、界面の長さが、軸方向リンクによってともに保持されている円周方向リング上の場所の間の距離よりも長く作製され得ることである。多くの場合、そのような曲線状または他の非線形表面は、直線化に先立った端から端までの長さの少なくとも2倍である、多くの場合、長さの少なくとも3倍である、頻繁には、長さの少なくとも4倍である、随意に、直線化に先立った端から端までの長さの5倍、6倍、または10倍でさえもある、直線化されたときの端から端までの長さを有するであろう。多くの場合、そのような曲線状または他の非線形表面は、接続されている円周方向リングの間の軸に沿った距離の長さの少なくとも2倍である、多くの場合、長さの少なくとも3倍である、頻繁には、長さの少なくとも4倍である、随意に、接続されている円周方向リングの間の軸に沿った距離の長さの5倍、6倍、または10倍でさえもある、直線化されたときの端から端までの長さを有するであろう。そのような延在された表面長は、分離に先立って反対界面表面の間に延在された係合長を提供し、ひいては、本明細書の他の場所に説明されるように、生分解性ポリマー、接着剤、または同等物を用いて表面を固定化する能力を増進する。
【0502】
これまで説明されたように、少なくとも1つの円周方向に分離可能な軸方向リンクは、各隣接する一対の円周方向リングの間に位置付けられるであろう。多くの事例および実施例では、それぞれ、隣接する円周方向リングのうちの少なくともいくつかの間の少なくとも2つの円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合される、少なくとも2つの円周方向に分離可能な領域が存在するであろう。他の事例では、隣接する円周方向リング内の分離領域は、少なくとも3つの円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合されてもよい一方で、なおもさらなる実施例では、それらは、4つまたはそれを上回る円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合されてもよい。
【0503】
なおも他の実施形態および実施例では、軸方向リンク内の分離界面は、軸方向分離間隙を有してもよく、間隙は、異なる方向およびパターンに配列されてもよい。例えば、ある事例では、軸方向分離間隙は、一方向に逆転するパターンに配列されてもよく、なおもさらなる実施例では、そのような軸方向に整合された分離間隙は、円周方向に整合されてもよい、または円周方向に対して傾斜した角度で整合されてもよい。
【0504】
多くの具体的事例では、円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合される円周方向リングは、本明細書の他の場所で詳細に説明されるように、クラウンによって継合される複数の支柱を備えるであろう。そのような事例では、円周方向に分離可能な軸方向リンクは、隣接する円周方向リンクのクラウン上、隣接する円周方向リンクの支柱上、または隣接する円周方向リンクのクラウンおよび支柱の両方の上の分離可能な領域の間に接続されてもよい。特に、分離可能な軸方向リンクは、隣接する円周方向リング上のクラウンの間で頂点から頂点まで接続されてもよい、隣接する円周方向リング上のクラウンの間で頂点から谷部まで接続されてもよい、または隣接する円周方向リング上のクラウンの間で谷部から谷部まで接続されてもよい。なおも他の事例では、円周方向に分離可能な軸方向リンクは、隣接する円周方向リング上の支柱の間、または1つの円周方向リング上のクラウンおよび別の円周方向リング上の支柱の上のいずれかの場所の間に接続されてもよい。
【0505】
円周方向に分離可能な軸方向リンクを有する、足場のなおもさらなる実施形態および実施例では、生分解性ポリマーおよび/または接着剤は、軸方向リンクの管腔および/または反管腔側表面の少なくとも一部、ならびに軸方向リンクに隣接する円周方向リングの管腔および/または反管腔側表面の少なくとも一部を被覆してもよい。多くの事例では、生分解性ポリマーおよび/または接着剤は、足場の管腔ならびに/もしくは反管腔側表面全体の大部分または全てを被覆してもよく、ある事例では、例えば、足場が全ての表面を被覆する浸漬または他の従来の技法によってコーティングされた場合、実質的に足場全体を被覆してもよい。
【0506】
なおもさらなる実施例および実施形態では、円周方向に分離可能な軸方向リンクは、隣接する円周方向リングの第1の分離可能な部分の間に延在する第1の区画と、隣接する円周方向リングの第2の部分の間に延在する第2の区画とを有してもよい。分離可能なリンクの第1および第2の区画は、同一の幅を有してもよい、または他の事例では、異なる幅を有してもよい。なおも他の事例では、軸方向リンクの区画は、それらの長さに沿って変動する幅を有してもよい。異なる幅または界面の長さに沿って変動する幅を有することは、拡張中にリンクの屈曲を支援し、拡張中に界面の接合を維持することに役立ち、拡張中に隣接する構造要素の間の干渉を低減させることによって、足場の離脱を支援する。界面の内側または外側部分は、対向側よりも広い、または狭くあり得る。いずれか一方の側面の幅は、長さに沿って可変であり得、狭小化が、界面の湾曲において、または構造要素との軸方向リンクの接合点において起こる。多くの場合、軸方向リンクの第1および第2の区画の管腔および反管腔側表面は、共平面であり、すなわち、第1および第2の区画が半径方向に同一の厚さを有するため、典型的には、共平面の表面は、円周方向リングの少なくとも隣接する部分、典型的には、全体として足場と実質的に同一の厚さを有する、軸方向リンクをもたらすであろう。
【0507】
本発明のある事例では、隣接する円周方向リングの間の円周方向に分離可能な軸方向リンクは、生理学的環境内の拡張および暴露に先立って、軸方向リンクの分離可能な領域をともに係止することを意図している具体的構成を有してもよい。例えば、軸方向リンクは、典型的には、リンクの1つの区画上のオス型部分と、リンクの並置区画上のメス型部分とを有する、入れ子式ウェッジとして形成されてもよく、オス型およびメス型部分は、足場の拡張に先立って締まり嵌めを有する。具体的事例では、入れ子式ウェッジはそれぞれ、台形の幾何学形状を有してもよい。他の形状、特に、少なくとも足場の半径方向拡張に先立って、軸方向リンクの隣接する部分の間に締まり嵌めを提供するものが、可能である。本発明のなおもさらなる実施例および実施形態では、足場を形成する円周方向リングは全て、軸方向リンクによって継合されてもよく、該軸方向リンクの全ては、円周方向に分離可能であり得る。多くの事例では、円周方向に分離可能な軸方向リンクは、軸方向リンクおよび円周方向リングの分離後に、足場が少なくとも2つの接続されていない軸方向区画に分離し、頻繁には、少なくとも3つの円周方向に別個の軸方向区画に分離し、時として、4つまたはそれを上回る円周方向に分離された軸方向区画に分離するように、足場に沿って軸方向に整合されるであろう。
【0508】
なおも他の特定の実施例および実施形態では、足場は、不連続性が全ての分離領域に形成された後に、取り付けられていない軸方向区画に分離しないように、配列されるであろう。例えば、ある足場は、足場の「中間足場領域」内の複数の円周方向リングと、足場の端部に位置する少なくとも1つの端部円周方向リングとを含むであろう。そのような事例では、円周方向リングの全ては、中間領域内で分離してもよい一方で、端部円周方向リングのうちの少なくとも1つは、残りのリングが分離し得ないように、他のリングに取り付けられたままであろう。例えば、端部円周方向リングのいずれか一方または両方は、これらの架橋領域がない場合に別様に円周方向に分離するであろう、足場の軸方向区画を円周方向に架橋する部分を有してもよい。
【0509】
本発明のなおも他の実施例および実施形態では、管腔内補綴具は、クラウンと、支柱とを備える、円周方向リングを有する、足場を備える。円周方向に分離可能な軸方向リンクは、第1の円周方向リング上の第1の円周方向に分離可能な場所と、第2の円周方向リング上の第2の円周方向に分離可能な場所との間に延在するであろう。少なくとも第1の円周方向に分離可能な場所は、円周方向リングのクラウンの頂点上に位置しない。第1の円周方向に分離可能な場所は、クラウン谷部上または支柱上にあってもよい。第2の円周方向に分離可能な場所は、クラウン頂点、クラウン谷部、または支柱のうちのいずれかの上にあってもよい。
【0510】
以下の番号付きの付記は、本明細書に説明される本発明の他の実施例、側面、および実施形態を説明する。
【0511】
(付記1)管腔内補綴具であって、
非分解性材料からパターン化される複数の円周方向リングを有する、足場であって、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成される、足場を備え、
足場は、少なくとも2つの端部リングと、該端部リングとの間の複数の中間足場リングとを有し、端部リングのうちの少なくとも1つは、生理学的環境内の足場の拡張後に、該少なくとも1つの端部リングに1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域を有する、
管腔内補綴具。
【0512】
(付記2)端部リングの両方は、生理学的環境内の足場の拡張後に不連続性を形成するように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域を有する、付記1に記載の管腔内補綴具。
【0513】
(付記3)中間足場リングのうちの少なくともいくつかは、端部リングのうちの少なくとも1つよりも少ない分離領域を有する、付記1または2に記載の管腔内補綴具。
【0514】
(付記4)中間足場リングのうちの少なくともいくつかは、分離領域を有していない、付記1に記載の管腔内補綴具。
【0515】
(付記5)円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、クラウンによって継合される複数の支柱を備え、該分離領域は、クラウン、支柱、または両方に形成される、付記1に記載の管腔内補綴具。
【0516】
(付記6)ステント留置血管区画と隣接する非ステント留置血管との間の血管コンプライアンスの不一致を低減させるための方法であって、血管の中に付記1-5のいずれかに記載の管腔内補綴具を埋め込むステップを含み、端部リングは、生理学的環境内の足場の拡張後に隣接する中間足場リングによって形成される、より多数の不連続性を形成する、方法。
【0517】
(付記7)少なくとも1つの端部リングは、生理学的環境内の足場の拡張前に、該端部リングを2つまたはそれを上回る区分に円周方向に分離する、1つまたはそれを上回る不連続性を有するように構成される、付記1に記載の管腔内補綴具。
【0518】
(付記8)両方の端部リングは、生理学的環境内の足場の拡張前に、該端部リングを2つまたはそれを上回る区分に円周方向に分離する、1つまたはそれを上回る不連続性をそれぞれ形成するように構成される、付記1に記載の管腔内補綴具。
【0519】
(付記9)少なくともいくつかのリングは、生理学的環境内の足場の拡張前に、該リングをそれぞれ、2つまたはそれを上回る区分に円周方向に分離する、1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成される、付記1に記載の管腔内補綴具。
【0520】
(付記10)少なくともいくつかのリングは、1分~3日に及ぶ周期内で、生理学的環境内の足場の拡張後に、該リングに1つまたはそれを上回る不連続性を形成するように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域を有する、付記1に記載の管腔内補綴具。
【0521】
(付記11)少なくともいくつかのリングは、生理学的環境内の足場の拡張前に、各該リングを2つまたはそれを上回る区分に円周方向に二等分する、該リング内の1つまたはそれを上回る不連続性を有するように構成され、各リングの2つまたはそれを上回る区分は、スリーブの中に含有され、スリーブは、該区分をともに保持して、ステントを一様に拡張しており、少なくとも2つの区分を保持するスリーブは、生理学的環境内のステントの拡張後に、該区分が1つまたはそれを上回る方向に移動することを可能にする、付記1に記載の管腔内補綴具。
【0522】
(付記12)スリーブは、生理学的環境内のステントの拡張後に弛緩する、少なくとも1つの非分解性材料を備え、スリーブは、各リングの2つまたはそれを上回る区分を含有し続ける、付記11に記載の管腔内補綴具。
【0523】
(付記13)スリーブは、生理学的環境内のステントの拡張後に分解する、少なくとも1つの分解性材料から成る、付記11に記載の管腔内補綴具。
【0524】
(付記14)少なくとも1つの端部リングは、生理学的環境内の足場の拡張前に、該端部リングを2つまたはそれを上回る区分に円周方向に分離する、1つまたはそれを上回る不連続性を有するように構成され、該分離された区分は、ステントの拡張後までともに保持され、ステントが1つまたはそれを上回る方向に分離または移動する前に一様に拡張することを可能にする、付記1に記載の管腔内補綴具。
【0525】
(付記15)少なくとも1つの端部リングは、生理学的環境内の足場の拡張前に、該端部リングを2つまたはそれを上回る区分に円周方向に分離する、1つまたはそれを上回る不連続性を有するように構成され、該分離された区分は、ステントの拡張中にともに保持され、ステントが1つまたはそれを上回る方向に分離または移動する前に一様に拡張することを可能にする、付記1に記載の管腔内補綴具。
【0526】
(付記16)管腔内補綴具であって、
非分解性材料からパターン化される複数の円周方向リングを有する、足場であって、該足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成され、円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、生理学的環境内の足場の拡張後に、該少なくとも1つのリングに遊離端を有する不連続性を形成するように構成される、1つまたはそれを上回る分離領域を備える、足場と、
分離領域を少なくとも部分的に被覆し、不連続性の形成後に遊離端から隣接する管腔壁を保護する、非分解性保護構造と、
を備える、管腔内補綴具。
【0527】
(付記17)非分解性保護構造は、多孔質の非分解性材料から成る、付記16に記載の管腔内補綴具。
【0528】
(付記18)多孔質の非分解性材料は、多孔質の非分解性ポリマーから成る、付記17に記載の管腔内補綴具。
【0529】
(付記19)非分解性保護構造は、非分解性材料から形成される開放格子を備える、付記16に記載の管腔内補綴具。
【0530】
(付記20)非分解性材料は、非分解性ポリマーから成る、付記19に記載の管腔内補綴具。
【0531】
(付記21)少なくともいくつかの支柱および/またはクラウンは、該支柱および/またはクラウンを二等分する、1つまたはそれを上回る分離領域を有する、付記16に記載の管腔内補綴具。
【0532】
(付記22)分離領域はさらに、分解性ポリマー材料から成る、付記16に記載の管腔内補綴具。
【0533】
(付記23)非分解性材料は、非分解性ポリマーから成り、非分解性ポリマーは、分離領域を握持して、拡張構成までの足場の拡張後まで、それをともに保持し、拡張後の非分解性ポリマーは、弛緩し、半径方向、円周方向、縦方向、またはそれらの組み合わせを含む、1つまたはそれを上回る方向への分離領域の移動を可能にする、付記16に記載の管腔内補綴具。
【0534】
(付記24)管腔内補綴具であって、
非分解性材料からパターン化される複数の円周方向リングを有する、足場であって、該足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成され、該円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、軸方向接合点によって継合される、足場を備え、
軸方向接合点のうちの少なくともいくつかは、生理学的環境内の足場の拡張後に、隣接する円周方向リングの間に少なくとも1つの不連続性を形成するように構成される、少なくとも1つの分離領域を有する、
管腔内補綴具。
【0535】
(付記25)軸方向接合点は、螺旋骨格の隣接する巻目上のクラウンの間に延在する、付記24に記載の管腔内補綴具。
【0536】
(付記26)軸方向接合点は、螺旋骨格の隣接する巻目上の支柱の間に延在する、付記24に記載の管腔内補綴具。
【0537】
(付記27)軸方向接合点は、螺旋骨格の隣接する巻目上のクラウンおよび支柱の間に延在する、付記24に記載の管腔内補綴具。
【0538】
(付記28)軸方向接合点は、軸方向リンクを備える、付記24に記載の管腔内補綴具。
【0539】
(付記29)軸方向接合点は、隣接する円周方向リングの間に直接融合を備える、付記24に記載の管腔内補綴具。
【0540】
(付記30)管腔内補綴具であって、
分解性材料からパターン化される複数の円周方向リングを有する、足場であって、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成される、足場を備え、
円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、生理学的環境内の足場の拡張後に、少なくとも1つの不連続性を形成するように構成される、少なくとも1つの分離領域を有し、
分離領域のうちの少なくともいくつかは、足場の分解性材料が生理学的環境内で分解するよりも急速に不連続性を形成するように構成される、
管腔内補綴具。
【0541】
(付記31)分解性材料は、分解性ポリマーまたは分解性金属から成る、付記30に記載の管腔内補綴具。
【0542】
(付記32)分解性材料は、ポリラクチド、PLLA、PDLA、およびポリ乳酸ポリマーならびにコポリマー、ポリカーボネートポリマーおよびコポリマー、マグネシウム合金、および他の金属ならびに金属合金、またはそれらの組み合わせから成る群から選択される、分解性材料から成る、付記30に記載の管腔内補綴具。
【0543】
(付記33)分解性ポリマーは、少なくとも1年、2年、3年、4年、または5年の周期にわたって生理学的環境内で持続するであろう、付記30に記載の管腔内補綴具。
【0544】
(付記34)分離領域は、1週間を上回るが、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、または1年未満の周期後に、生理学的環境内で不連続性を形成する、付記34に記載の管腔内補綴具。
【0545】
(付記35)分解性材料よりも急速に不連続性を形成するように構成される分離領域は、生理学的環境内で分解し、少なくとも1つの円周方向リングの円周方向経路を二等分する、付記34に記載の管腔内補綴具。
【0546】
(付記36)管腔内補綴具であって、
複数のクラウンによって継合される複数の支柱を有する、螺旋骨格であって、螺旋骨格は、複数の隣接する巻目を含み、隣接する巻目のうちの少なくともいくつかは、分離領域によって相互に取り付けられる、螺旋骨格を備える、
管腔内補綴具。
【0547】
(付記37)分離領域は、螺旋骨格の直接隣接する巻目の間に配置される、付記36に記載の管腔内補綴具。
【0548】
(付記38)分離領域は、隣接するクラウン対の間に配置される、付記37に記載の管腔内補綴具。
【0549】
(付記39)分離領域は、1つの巻目上のクラウンと隣接する巻目上の支柱との間の支柱の上に配置される、付記37に記載の管腔内補綴具。
【0550】
(付記40)分離領域は、隣接する支柱対の間の支柱の上に配置される、付記37に記載の管腔内補綴具。
【0551】
(付記41)螺旋骨格は、蛇行配列を有する、付記36に記載の管腔内補綴具。
【0552】
(付記42)螺旋骨格は、ジグザグ配列を有する、付記36に記載の管腔内補綴具。
【0553】
(付記43)螺旋骨格は、屈曲ワイヤから形成される、付記36に記載の管腔内補綴具。
【0554】
(付記44)螺旋骨格は、パターン化された管から形成される、付記36に記載の管腔内補綴具。
【0555】
(付記45)管腔内補綴具であって、
複数の隣接する巻目を有する、螺旋状巻回蛇行骨格であって、隣接する巻目のうちの少なくともいくつかは、分離領域によって相互に取り付けられる、および/またはその中に形成された分離領域を有する、
管腔内補綴具。
【0556】
(付記46)分離領域のうちの少なくともいくつかは、螺旋骨格の直接隣接する巻目の間に配置される、付記45に記載の管腔内補綴具。
【0557】
(付記47)螺旋状巻回蛇行骨格は、複数のクラウンによって継合される複数の支柱を備える、付記46に記載の管腔内補綴具。
【0558】
(付記48)分離領域のうちの少なくともいくつかは、隣接するクラウン対の間に配置される、付記47に記載の管腔内補綴具。
【0559】
(付記49)分離領域のうちの少なくともいくつかは、1つの巻目上のクラウンと隣接する巻目上の支柱との間の支柱の上に配置される、付記48に記載の管腔内補綴具。
【0560】
(付記50)分離領域のうちの少なくともいくつかは、隣接する支柱対の間の支柱の上に配置される、付記47に記載の管腔内補綴具。
【0561】
(付記51)分離領域のうちの少なくともいくつかは、螺旋骨格の巻目に形成される、付記45に記載の管腔内補綴具。
【0562】
(付記52)螺旋状巻回蛇行骨格は、複数のクラウンによって継合される複数の支柱を備える、付記51に記載の管腔内補綴具。
【0563】
(付記53)分離領域のうちの少なくともいくつかは、蛇行骨格のクラウンの中に配置される、付記52に記載の管腔内補綴具。
【0564】
(付記54)分離領域のうちの少なくともいくつかは、蛇行骨格の支柱の中に配置される、付記52に記載の管腔内補綴具。
【0565】
(付記55)螺旋骨格は、屈曲ワイヤから形成される、付記45に記載の管腔内補綴具。
【0566】
(付記56)螺旋骨格は、パターン化された管から形成される、付記45に記載の管腔内補綴具。
【0567】
(付記57)別個のリング(巻目)上の2つまたはそれを上回る継合されたクラウン、および/または別個のリング(巻目)上の2つまたはそれを上回る継合された支柱、ならびに/もしくは別のリング上の支柱に継合される1つのリング上の1つのクラウンを二等分する、分離領域に関する新しい付記セット。
【0568】
(付記58)管腔内補綴具であって、
非分解性材料からパターン化される複数の円周方向リングを有する、足場であって、該足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成され、円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、1つまたはそれを上回る分離領域を備え、少なくとも1つの分離領域は、2つまたはそれを上回る隣接するリングを二等分するように構成され、該分離領域は、生理学的環境内の足場の拡張後に1つまたはそれを上回る不連続性を形成する、足場を備える、
管腔内補綴具。
【0569】
(付記59)分離領域は、隣接するリング上の2つのクラウンおよび該2つのクラウンを継合するリンクを二等分する、付記58に記載の管腔内補綴具。
【0570】
(付記60)分離領域は、隣接するリング上の2つの支柱および該2つの支柱を継合するリンクを二等分する、付記58に記載の管腔内補綴具。
【0571】
(付記61)分離領域は、1つのリング上のクラウンおよび隣接するリング上の支柱、ならびに該クラウンおよび支柱を継合するリンクを二等分する、付記58に記載の管腔内補綴具。
【0572】
(付記62)分離領域は、隣接するリング上の2つの継合または融合されたクラウンを二等分する、付記58に記載の管腔内補綴具。
【0573】
(付記63)分離領域は、隣接するリング上の2つの継合または融合された支柱を二等分する、付記58に記載の管腔内補綴具。
【0574】
(付記64)分離領域は、隣接するリング上の支柱に継合または融合される、1つのリング上のクラウンを二等分する、付記58に記載の管腔内補綴具。
【0575】
(付記65)不連続性の形成後の2つまたはそれを上回るリングは、円周方向に分離する、付記58に記載の管腔内補綴具。
【0576】
(付記66)不連続性の形成後の2つまたはそれを上回るリングは、閉鎖セルパターンに円周方向に分離する、付記58に記載の管腔内補綴具。
【0577】
(付記67)不連続性の形成後の2つまたはそれを上回るリングは、円周方向に分離し、分離後に遊離端を有していない、付記58に記載の管腔内補綴具。
【0578】
(付記68)不連続性の形成後の2つまたはそれを上回るリングは、軸方向に接続された閉鎖セルパターンに円周方向に分離する、付記58に記載の管腔内補綴具。
【0579】
(付記69)ステント補綴具であって、
非分解性材料からパターン化される1つまたはそれを上回る円周方向リングを有する、足場であって、該足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成され、円周方向リングのうちの少なくとも1つは、該1つまたはそれを上回るリングを二等分または切断する、1つまたはそれを上回る分離領域を備え、分離領域は、生理学的環境内の足場の拡張後に離脱する、足場を備える、
ステント補綴具。
【0580】
(付記70)足場は、心臓弁を置換または修復するように心臓輪の中で拡張される、付記69に記載のステント補綴具。
【0581】
(付記71)1つまたはそれを上回る分離領域は、ヒンジ接合点、付き合わせ接合点、オス型およびメス型接合点、キーおよびロック接合点、または他のタイプの接合点、もしくはそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを備え、接合点のうちの少なくともいくつかは、ステントの拡張中にともに保持され、接合点は、ステントの拡張後に、分離する、および/または不連続性を形成する、ならびに/もしくは1つまたはそれを上回る方向に移動するように構成される、付記69に記載のステント補綴具。
【0582】
(付記72)1つまたはそれを上回る分離領域は、1つまたはそれを上回る材料によってともに保持される、付記69に記載のステント補綴具。
【0583】
(付記73)1つまたはそれを上回る分離領域は、1つまたはそれを上回る分解性ポリマーによってともに保持される、付記69に記載のステント補綴具。
【0584】
(付記74)1つまたはそれを上回る分離領域は、1つまたはそれを上回る弾性膜によってともに保持される、付記69に記載のステント補綴具。
【0585】
(付記75)ステントは、2つまたはそれを上回る隣接するリングを円周方向に被覆する、弾性膜を備え、膜は、1つまたはそれを上回る分離領域を被覆する、付記69に記載のステント補綴具。
【0586】
(付記76)ステントは、2つまたはそれを上回る隣接するリングを円周方向に被覆する、弾性膜を備え、膜は、1つまたはそれを上回る分解性ポリマー材料から形成され、材料は、生理学的条件下のステントの拡張後に分解する、付記69に記載のステント補綴具。
【0587】
(付記77)ステントは、2つまたはそれを上回る隣接するリングを円周方向に被覆する、弾性膜を備え、膜は、1つまたはそれを上回る非分解性材料から形成される、付記69に記載のステント補綴具。
【0588】
(付記78)ステントは、2つまたはそれを上回る隣接するリングを円周方向に被覆する、弾性膜を備え、膜は、1つまたはそれを上回る分離領域を被覆し、弾性膜は、1つまたはそれを上回る被覆された分離領域が1つまたはそれを上回る不連続性を形成した、および/または1つまたはそれを上回る方向に移動した後に、拡張する、ならびに/もしくは1つまたはそれを上回る方向に移動するように構成される、付記69に記載のステント補綴具。
【0589】
(付記79)離脱後の1つまたはそれを上回る分離領域は、1つまたはそれを上回る方向に移動し、1つまたはそれを上回る方向は、1つまたはそれを上回る縦方向、半径方向、円周方向、およびそれらの組み合わせを含む、付記69に記載のステント。
【0590】
(付記80)ステントは、2つまたはそれを上回る隣接するリングを円周方向に被覆する、弾性膜を備え、膜は、1つまたはそれを上回る分離領域を被覆し、弾性膜は、1つまたはそれを上回る不連続性を形成する、および/または1つまたはそれを上回る方向に移動する、1つまたはそれを上回る被覆された分離領域と一致して、拡張する、ならびに/もしくは1つまたはそれを上回る方向に移動するように構成される、付記69に記載のステント補綴具。
【0591】
(付記81)ステントは、2つまたはそれを上回る隣接するリングを円周方向に被覆する、弾性膜を備え、膜は、1つまたはそれを上回る分離領域を被覆し、弾性膜は、1つまたはそれを上回る不連続性を形成する、および/または1つまたはそれを上回る方向に移動する、1つまたはそれを上回る被覆された分離領域に適合して、拡張する、ならびに/もしくは1つまたはそれを上回る方向に移動するように構成される、付記69に記載のステント補綴具。
【0592】
(付記82)ステントは、2つまたはそれを上回る隣接するリングをそれぞれ円周方向に被覆する、2つまたはそれを上回る弾性膜を備え、少なくとも1つのリングが、該2つまたはそれを上回る弾性膜の間にあり、該少なくとも1つのリングは、膜によって被覆されていない1つまたはそれを上回る分離領域を有する、付記69に記載のステント補綴具。
【0593】
(付記83)ステントは、2つまたはそれを上回る隣接するリングをそれぞれ円周方向に被覆する、2つまたはそれを上回る弾性膜を備え、少なくとも1つのリングが、該2つまたはそれを上回る弾性膜の間にあり、該少なくとも1つのリングは、膜によって被覆されていない1つまたはそれを上回る分離領域を有し、2つまたはそれを上回る膜は、その間の少なくとも1つのリングの部分の上に継合される、付記69に記載のステント補綴具。
【0594】
(付記84)ステントは、バルーン拡張可能または自己拡張可能である、付記69に記載のステント補綴具。
【0595】
(付記85)ステントは、ステントの1つまたはそれを上回るリングによって円周方向に含有される人工弁を備え、弁は、ステントに縫着および/または添着される、付記69に記載のステント補綴具。
【0596】
(付記86)ステントは、略円筒形構成まで拡張し、不連続性の形成後の、および/または1つまたはそれを上回る方向に移動することを可能にされるステントは、異なる構成までさらに拡張する、付記69に記載のステント補綴具。
【0597】
(付記87)ステントは、第1の構成まで拡張し、不連続性の形成後の、および/または1つまたはそれを上回る方向に移動することを可能にされるステントは、異なる構成に変化する、付記69に記載のステント補綴具。
【0598】
(付記88)ステントは、第1の構成まで拡張し、不連続性の形成後の、および/または1つまたはそれを上回る方向に移動することを可能にされたステントは、第2の構成に変化し、第2の構成は、第1の構成と異なる、付記69に記載のステント補綴具。
【0599】
(付記89)ステントは、1つまたはそれを上回るリングを円周方向に被覆する、1つまたはそれを上回るリングによって円周方向に被覆される、または2つの膜の間に挟持される、1つまたはそれを上回る膜を備える、付記69に記載のステント補綴具。
【0600】
(付記90)ステントは、スリーブのように、1つまたはそれを上回るリングの内側にある、外側にある、またはそれらを挟持する、1つまたはそれを上回る膜を備える、付記69に記載のステント補綴具。
【0601】
(付記91)ステントは、ステントの拡張後に第1の構成を有し、ステントは、1つまたはそれを上回る分離領域を離脱させた後に第2の異なる構成を有し、第2の構成は、1つまたはそれを上回る分離領域に隣接する組織幾何学形状に輪郭形成する、付記69に記載のステント補綴具。
【0602】
(付記92)ステントは、ステントの拡張後に第1の構成を有し、ステントは、1つまたはそれを上回る分離領域を離脱させた後に第2の異なる構成を有し、第2の構成は、ステントと隣接する組織との間の血液漏出を防止する、付記69に記載のステント補綴具。
【0603】
(付記93)ステントは、ステントの拡張後に第1の構成を有し、ステントは、ステントの2つまたはそれを上回るリングを円周方向に被覆する1つまたはそれを上回る膜に隣接する、第2の異なる構成を有し、該第2の構成は、1つまたはそれを上回る分離領域を離脱させた後に構成され、第2の構成は、ステントと隣接する組織との間の血液漏出を防止する、付記69に記載のステント補綴具。
【0604】
(付記94)ステントは、1つまたはそれを上回るリング内に1つまたはそれを上回る分離領域を有し、該1つまたはそれを上回る分離領域は、ステントを第2の拡張構成まで拡張し、組織幾何学的構成の変化に適応し、それによって、ステントと隣接する組織との間の血液漏出を阻止する、付記69に記載のステント補綴具。
【0605】
(付記95)ステントは、心臓輪内のステントの拡張後に外向きの力を有し、ステントと隣接する組織との間の接触を維持するように構成され、1つまたはそれを上回る分離領域の外向きの力は、ステントと隣接する組織との間の接触を実質的に維持しながら、離脱後に減少される、付記69に記載のステント。
【0606】
(付記96)ステントは、1つまたはそれを上回る分離領域の離脱後に、隣接する組織に輪郭形成するように構成され、ステントは、移動、脈動性、積極的な適応再形成、および/または収縮性、もしくはそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを呈する、付記69に記載のステント。
【0607】
(付記97)離脱は、1つまたはそれを上回る不連続性の形成、縦方向、半径方向、および/または円周方向、もしくはその他を含む、1つまたはそれを上回る方向への移動、またはそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを含む、付記69に記載のステント。
【0608】
(付記98)ステントは、隣接するリングを接続する、1つまたはそれを上回る軸方向リンクを備え、少なくともいくつかの軸方向リンクは、無傷のままである、付記69に記載のステント補綴具。
【0609】
(付記99)ステントは、ステントの拡張後に第1の破砕抵抗力を有し、ステントは、離脱後に第2の破砕抵抗力を有し、第2の破砕抵抗力は、第1の破砕抵抗よりも小さい、付記69に記載のステント。
【0610】
(付記100)ステントは、1つまたはそれを上回る膜を備え、膜は、隣接する組織との組み込みを可能にするための多孔性を有する、付記69に記載のステント補綴具。
【0611】
(付記101)ステントは、ステントの拡張後に第1のコンプライアンスを有し、ステントは、離脱後に第2のコンプライアンスを有し、第2のコンプライアンスは、第1のコンプライアンスよりも大きい、付記69に記載のステント。
【0612】
(付記102)ステントは、心臓輪、心臓輪の上方の領域、および心臓輪の下方の領域に跨架し、1つまたはそれを上回る分離領域は、心臓輪に隣接して、該上方領域に隣接して、および/または心臓輪の該下方領域に隣接して位置する、付記69に記載のステント。
【0613】
任意のタイプの円周方向に分離可能な円周方向リングの間の分離可能な可撓性軸方向リンクを対象とする付記:
(付記103)管腔内補綴具であって、
軸に沿って配列され、非分解性材料からパターン化される、複数の円周方向リングを有する、足場であって、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成される、足場を備え、
円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、円周方向に分離可能であり、円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合され、分離界面に沿って円周方向に分離するように構成され、
円周方向に分離可能な軸方向リンクのうちの少なくともいくつかは、足場が身体管腔に埋め込まれるときに屈曲および/または伸長するように構成され、
円周方向リングおよび軸方向リンクの円周方向に分離可能な領域は、生理学的環境内の足場の拡張後に、円周方向リングおよび軸方向リンクに少なくとも1つの不連続性を形成するように構成される、生分解性ポリマーおよび/または接着剤から成る、
管腔内補綴具。
【0614】
(付記104)円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、クラウンによって継合される支柱を備える、付記103に記載の管腔内補綴具。
【0615】
(付記105)分離界面は、分離に先立ってともに入れ子になる、対向する非線形の合同な表面を有する、付記103または104に記載の管腔内補綴具。
【0616】
(付記106)分離界面は、分離に先立ってともに入れ子になる、対向曲面を有する、付記103-105のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0617】
(付記107)分離界面は、1つまたはそれを上回るS字形屈曲を有する、付記103-106のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0618】
(付記108)分離界面は、1つまたはそれを上回るω字形屈曲を有する、付記103-106のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0619】
(付記109)分離界面は、1つまたはそれを上回るm字形屈曲を有する、付記103-106のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0620】
(付記110)分離界面は、1つまたはそれを上回るv字形屈曲を有する、付記103-106のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0621】
(付記111)分離界面は、1つまたはそれを上回るZ字形屈曲を有する、付記103または106に記載の管腔内補綴具。
【0622】
(付記112)分離界面は、第1の円周方向リングから第1の略円周方向に延在し、方向転換して反対の略円周方向に延在し、第2の円周方向リングに取り付けられる前に、再び方向転換して第1の円周方向に延在する、付記103-106のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0623】
(付記113)分離界面は、第2の円周方向リングに取り付けられる前に、少なくとももう1回方向転換して反対円周方向に延在する、付記112に記載の管腔内補綴具。
【0624】
(付記114)分離界面は、第2の円周方向リングに取り付けられる前に、少なくとももう2回方向転換して反対円周方向に延在する、付記112に記載の管腔内補綴具。
【0625】
(付記115)分離界面のうちの少なくともいくつかは、直線化に先立った隣接するリングの間の足場の軸に沿ったそれらの長さの少なくとも2倍である、直線化されたときの長さを有する、付記103-114のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0626】
(付記116)分離界面のうちの少なくともいくつかは、直線化に先立った隣接するリングの間の足場の軸に沿ったそれらの長さの少なくとも3倍である、直線化されたときの長さを有する、付記103-114のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0627】
(付記117)分離界面のうちの少なくともいくつかは、直線化に先立った隣接するリングの間の足場の軸に沿ったそれらの長さの少なくとも4倍である、直線化されたときの長さを有する、付記103-114のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0628】
(付記118)円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、それぞれ、少なくとも2つの円周方向に分離可能な軸方向リンクによって、隣接する円周方向リング上の少なくとも2つの円周方向に分離可能な領域に継合される、少なくとも2つの円周方向に分離可能な領域を有する、付記103-117のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0629】
(付記119)円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、それぞれ、少なくとも3つの円周方向に分離可能な軸方向リンクによって、隣接する円周方向リング上の少なくとも3つの円周方向に分離可能な領域に継合される、少なくとも3つの円周方向に分離可能な領域を有する、付記103-118のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0630】
(付記120)分離界面は、一方向に逆転するパターンに配列される、軸方向分離間隙を有する、付記103-119のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0631】
(付記121)分離間隙は、円周方向に整合される、付記120に記載の管腔内補綴具。
【0632】
(付記122)分離間隙は、円周方向に対して傾斜した角度で整合される、付記120に記載の管腔内補綴具。
【0633】
(付記123)分離可能な軸方向リンクは、隣接する円周方向リングのクラウン上の分離可能な領域の間に接続される、付記103-122のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0634】
(付記124)分離可能な軸方向リンクは、頂点から頂点まで接続される、付記123に記載の管腔内補綴具。
【0635】
(付記125)分離可能な軸方向リンクは、頂点から谷部まで接続される、付記123に記載の管腔内補綴具。
【0636】
(付記126)分離可能な軸方向リンクは、谷部から谷部まで接続される、付記123に記載の管腔内補綴具。
【0637】
(付記127)分離可能な軸方向リンクは、隣接する円周方向リング上の支柱の間に接続される、付記103-122のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0638】
(付記128)分離可能な軸方向リンクは、1つの円周方向リング上のクラウンと隣接する円周方向リング上の支柱との間に接続される、付記103-122のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0639】
(付記129)生分解性ポリマーおよび/または接着剤は、軸方向リンクの少なくとも管腔および/または反管腔側表面を被覆する、付記103-128のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0640】
(付記130)生分解性ポリマーおよび/または接着剤は、軸方向リンクの少なくとも管腔および/または反管腔側表面、ならびに軸方向リンクに隣接する円周方向リングの管腔および/または反管腔側表面を被覆する、付記129に記載の管腔内補綴具。
【0641】
(付記131)生分解性ポリマーおよび/または接着剤は、足場の少なくとも管腔および/または反管腔側表面全体を被覆する、付記130に記載の管腔内補綴具。
【0642】
(付記132)分離可能なリンクは、隣接する円周方向リングの第1の分離可能な部分の間に延在する第1の区画と、隣接する円周方向リングの第2の分離可能な部分の間に延在する第2の区画とを有する、付記103-131のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0643】
(付記133)第1の区画および第2の区画は、同一の幅を有する、付記132に記載の管腔内補綴具。
【0644】
(付記134)第1の区画および第2の区画は、異なる幅を有する、付記132に記載の管腔内補綴具。
【0645】
(付記135)第1の区画および第2の区画の管腔および反管腔側表面は、共平面である、付記132に記載の管腔内補綴具。
【0646】
(付記136)第1の区画および第2の区画は、半径方向に同一の厚さを有する、付記132に記載の管腔内補綴具。
【0647】
入れ子式ウェッジを対象とする付記:
(付記137)管腔内補綴具であって、
軸に沿って配列され、非分解性材料からパターン化される、複数の円周方向リングを有する、足場であって、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成される、足場を備え、
円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、円周方向に分離可能であり、円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合され、分離界面に沿って円周方向に分離するように構成され、
円周方向に分離可能な軸方向リンクのうちの少なくともいくつかは、足場の拡張に先立って締まり嵌めを伴うオス型部分およびメス型部分を有する、入れ子式ウェッジを備え、
円周方向リングおよび/または軸方向リンクの円周方向に分離可能な領域は、生理学的環境内の足場の拡張後に、円周方向リングおよび軸方向リンクに少なくとも1つの不連続性を形成するように構成される、生分解性ポリマーならびに/もしくは接着剤から成る、
管腔内補綴具。
【0648】
(付記138)入れ子式ウェッジは、台形の幾何学形状を有する、付記137に記載の管腔内補綴具。
【0649】
(付記139)円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、クラウンによって継合される複数の支柱を備える、付記137または138に記載の管腔内補綴具。
【0650】
(付記140)非分解性材料は、1つまたはそれを上回る金属もしくは金属合金から成る、付記103-139、141、143、および144のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0651】
分離可能である全ての軸方向リンクを対象とする付記:
(付記141)管腔内補綴具であって、
軸に沿って配列され、非分解性材料からパターン化される、複数の円周方向リングを有する、足場であって、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成される、足場を備え、
全ての円周方向リングは、隣接する円周方向リング上の円周方向分離領域を通して延在する、分離界面に沿って円周方向に分離するように構成される、軸方向リンクによって、隣接する円周方向リング上の円周方向分離領域に継合される、円周方向分離領域を有する、
管腔内補綴具。
【0652】
(付記142)円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、クラウンによって継合される複数の支柱を備える、付記141に記載の管腔内補綴具。
【0653】
重複端部区画を対象とする付記:
(付記143)管腔内補綴具であって、
軸に沿って配列され、非分解性材料からパターン化される、複数の円周方向リングを有する、足場であって、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成される、足場であって、2つの端部円周方向リングと、該端部円周方向リングの間の複数の中間足場円周方向リングとを有する、足場を備え、
円周方向リングは、クラウンによって継合される複数の支柱を備え、クラウンのうちの少なくともいくつかは、生理学的環境内で円周方向に分離可能であり、分離領域が生理学的環境内で開放した後に、足場の中間足場領域が複数の軸方向区画に分離するように、生理学的環境内で円周方向に分離可能である、軸方向リンクによって継合され、
複数の分離された軸方向区画はそれぞれ、分離領域が開放した後に、2つの端部円周方向リングのうちの1つによって、円周方向に隣接する軸方向区画に接続されたままである、
管腔内補綴具。
【0654】
頂点・谷部間および谷部間を対象とする付記:
(付記144)管腔内補綴具であって、
軸に沿って配列され、非分解性材料からパターン化される、複数の円周方向リングを有する、足場であって、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成される、足場を備え、
円周方向リングは、頂点および谷部を有するクラウンによって継合される、複数の支柱を備え、円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、円周方向に分離可能な軸方向リンクによって、隣接する円周方向リング上の第2の円周方向に分離可能な場所に継合される、第1の円周方向に分離可能な場所を有し、
少なくとも第1の円周方向に分離可能な場所は、クラウン頂点上に位置しない、
管腔内補綴具。
【0655】
(付記145)該円周方向に分離可能な軸方向リンクは、生理学的環境内の足場の拡張後に分離可能である、付記144に記載の管腔内補綴具。
【0656】
(付記146)第1の円周方向に分離可能な場所は、クラウン谷部上に位置する、付記144または145に記載の管腔内補綴具。
【0657】
(付記147)第2の円周方向に分離可能な場所は、クラウン頂点上に位置する、付記146に記載の管腔内補綴具。
【0658】
(付記148)第2の円周方向に分離可能な場所は、クラウン谷部上に位置する、付記146に記載の管腔内補綴具。
【0659】
(付記149)第2の円周方向に分離可能な場所は、支柱上に位置する、付記146に記載の管腔内補綴具。
【0660】
(付記150)第1の円周方向に分離可能な場所は、支柱上に位置する、付記144または145に記載の管腔内補綴具。
【0661】
(付記151)第2の円周方向に分離可能な場所は、クラウン頂点上に位置する、付記150に記載の管腔内補綴具。
【0662】
(付記152)第2の円周方向に分離可能な場所は、クラウン谷部上に位置する、付記150に記載の管腔内補綴具。
【0663】
(付記153)第2の円周方向に分離可能な場所は、支柱上に位置する、付記150に記載の管腔内補綴具。
【0664】
(付記154)半径方向歪みは、100mmHgの圧力変化において測定される、付記144-1453のいずれかに記載のステント補綴具。
【0665】
(付記155)全てのリングは、1つまたはそれを上回る分離領域を有する、付記144-154のいずれかに記載のステント補綴具。
【0666】
(付記156)生理学的環境は、哺乳類収縮期および拡張期圧、または哺乳類拍動心臓環境を備える、付記144-155のいずれかに記載のステント補綴具。
【0667】
(付記157)足場はさらに、ポリマー材料または接着剤のうちの1つまたはそれを上回るものから成る、付記144-156のいずれかまたは実施例のいずれかに記載のステント。
【0668】
(付記158)非分解性材料は、ステンレス鋼合金、コバルトクロム合金、白金イリジウム合金、またはNiT合金のうちの1つまたはそれを上回るものから成る、付記144-157のいずれかまたは実施例のいずれかに記載のステント。
【0669】
(付記159)少なくともいくつかのリングは、生理学的環境内のステントの拡張後に2つまたはそれを上回る円周方向区分に分離する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、各区分は、支柱および/またはクラウンのうちの1つまたはそれを上回るものを備え、少なくとも1つの支柱および/またはクラウンは、分離領域を有していない、付記144-158のいずれかに記載のステント補綴具。
【0670】
(付記160)少なくともいくつかのリングは、生理学的環境内のステントの拡張後に2つまたはそれを上回る円周方向区分に分離する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、各区分は、2つまたはそれを上回る支柱および/またはクラウンを備える、付記144-159のいずれかに記載のステント補綴具。
【0671】
(付記161)少なくともいくつかのリングは、生理学的環境内のステントの拡張後に2~4つの円周方向区分に分離する、1つまたはそれを上回る分離領域を有し、各区分は、1つまたはそれを上回る支柱および/またはクラウンを備え、少なくとも1つの支柱および/またはクラウンは、不連続性を有していない、付記144-160のいずれかに記載のステント補綴具。
【0672】
(付記162)非分解性ステントはさらに、隣接するリングを接続する、1つまたはそれを上回る軸方向リンクを備え、少なくともいくつかの円周方向区分は、生理学的環境内のステントの拡張後に少なくとも1つの無傷の軸方向リンクによって軸方向に接続されたままである、付記144-161のいずれかに記載のステント。
【0673】
(付記163)少なくともいくつかのリングは、パターン化中に同一のステント非分解性材料から形成される少なくとも1つのリンクによって、軸方向に接続され、少なくとも1つのリンクは、生理学的環境内のステントの拡張後に無傷のままである、付記144-162のいずれかに記載のステント。
【0674】
(付記164)全てのリングは、パターン化中に同一のステント非分解性材料から形成される少なくとも1つのリンクによって、軸方向に接続され、全ての隣接するリングを接続する少なくとも1つのリンクは、生理学的環境内のステントの拡張後に無傷のままである、付記144-163のいずれかに記載のステント。
【0675】
(付記165)全てのリングは、パターン化中に同一のステント非分解性材料から形成される少なくとも1つのリンクによって、軸方向に接続され、全てではないが殆どの隣接するリングを接続する少なくとも1つのリンクは、生理学的環境内のステントの拡張後に無傷のままである、付記144-164のいずれかに記載のステント。
【0676】
(付記166)少なくともいくつかの円周方向リングは、ステントが圧着または拡張構成であるときに、ステントの縦軸と約90度の角度を形成する、付記144-165のいずれかに記載のステント。
【0677】
(付記167)少なくともいくつかの円周方向リングは、5度~85度に及ぶ角度をステントの縦軸と形成する、付記144-166のいずれかに記載のステント。
【0678】
(付記168)少なくともいくつかの円周方向リングは、5度~85度に及ぶ可変角度をステントの縦軸と形成する、付記144-166のいずれかに記載のステント。
【0679】
(付記169)少なくともいくつかのリングは、閉鎖セルリングパターン、開放セルリングパターン、または閉鎖セルおよび開放セルパターンの組み合わせを形成する、付記144-168のいずれかに記載のステント。
【0680】
(付記170)少なくともいくつかのリングは、全分離領域において円周方向に接続解除される、付記144-169のいずれかに記載のステント。
【0681】
(付記171)(収縮期および/または拡張期圧ならびに/もしくは血管拡張剤の注入を含む)生理学的環境内のステントの拡張後および少なくともいくつかの不連続性の形成前の少なくともいくつかのリング(または少なくともいくつかのリングを備えるステント留置区画)は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、拡張構成からの初期反跳後の少なくともいくつかのリングのさらなる拡大、管腔の積極的再形成、少なくともいくつかのリングの拡張および収縮、初期拡張および初期拡張内向き反跳後の初期区画コンプライアンスからの区画コンプライアンスの増加を呈する、付記144-170のいずれかに記載のステント。
【0682】
(付記172)(収縮期および/または拡張期圧ならびに/もしくは血管拡張剤の注入を含む)生理学的環境内のステントの拡張後および実質的に全ての不連続性の形成前の少なくともいくつかのリング(または少なくともいくつかのリングを備えるステント留置区画)は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、拡張構成からの初期反跳後の少なくともいくつかのリングのさらなる拡張、管腔の積極的再形成、少なくともいくつかのリングの拡張および収縮、初期拡張および初期拡張内向き反跳後の初期区画コンプライアンスからの区画コンプライアンスの増加を呈する、付記1484-171のいずれかに記載のステント。
【0683】
(付記173)円周方向に分離可能な軸方向リンクまたは分離領域は、ポリマーおよび接着剤のうちの1つまたはそれを上回るものから成る、1つまたはそれを上回る材料によって、ともに保持され、1つまたはそれを上回る材料は、生理学的条件下で弾性であり、少なくともいくつかのリングが、生理学的条件下でさらに拡張し、さらなる拡張から縮小することを可能にする一方で、ステントの拡張構成(ステントの初期拡張からの初期内向き反跳後の拡張構成)を実質的に維持する、付記144-172のいずれかに記載のステント。
【0684】
(付記174)ステント補綴具であって、非分解性材料からパターン化される円周方向リングを有する、足場であって、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成される、足場を備え、円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、該円周方向リングのそれぞれの中に少なくとも1つの分離領域を有し、少なくとも1つの分離領域は、該少なくともいくつかのリングが圧着構成から拡張構成まで実質的に一様に拡張することを可能にするように構成され、ステントは、身体管腔を支持するために十分な拡張構成時の強度を有する、ステント補綴具。
【0685】
(付記175)少なくとも1つの分離領域は、1つまたはそれを上回る分解性材料を含有し、および/またはその内側に含有され、1つまたはそれを上回る分解性材料は、生理学的環境内のステントの拡張後に分解し、該少なくともいくつかのリングのそれぞれに少なくとも1つの不連続性を形成する、付記174に記載のステント。
【0686】
(付記176)1つまたはそれを上回る分解性材料は、分解して少なくとも1つの不連続性を形成する前に、該少なくともいくつかのリングのそれぞれに連続円周方向周囲を形成する、付記175に記載のステント。
【0687】
(付記177)少なくとも1つの分離領域は、ステント材料と異なる1つまたはそれを上回る非分解性材料を含有し、および/またはその内側に含有され、1つまたはそれを上回る非分解性材料は、生理学的環境内のステントの拡張後に維持される連続円周方向周囲を該少なくともいくつかのリングのそれぞれに形成するが、該材料は、少なくとも1つの分離領域が、半径方向、円周方向、または軸方向を含む、1つまたはそれを上回る方向への変位を有することを可能にするために十分な弾性を有する、付記17に記載のステント。
【0688】
(付記178)分離領域は、付き合わせタイプ、オス型/メス型タイプ、キーおよびロックタイプ、またはボールおよびソケットタイプ接合点を備える、1つまたはそれを上回る接合点を備える、付記174-177のいずれかに記載のステント。
【0689】
(付記179)1つまたはそれを上回る分解性材料は、材料の分解または少なくとも1つの不連続性の形成に先立って、少なくともいくつかのリングが、半径方向、円周方向、または軸方向を含む、1つまたはそれを上回る方向への変位を有することを可能にするために十分な弾性を有する、付記175に記載のステント。
【0690】
(付記180)生理学的条件は、収縮期および拡張期圧、心拍サイクル、輪管腔、身体管腔、模擬動脈または輪、模擬収縮期および拡張期圧、37℃、水槽内の37℃、ならびに材料を分解する生理学的条件をシミュレートする、不連続性を形成するための溶媒の使用のうちの1つまたはそれを上回るものを備える、付記174-179のいずれかに記載のステント。
【0691】
(付記181)ステントはさらに、少なくとも1つの薬物と、少なくとも1つのポリマー材料とから成り、少なくとも1つのポリマー材料は、薬物を含有する、従属付記のいずれかに記載のステント。
【0692】
(付記182)少なくともいくつかのリングは、開放セル設計、閉鎖セル設計、またはそれらの組み合わせを形成する、付記174-181のいずれかに記載のステント。
【0693】
(付記183)分離領域は、パターン化中または後に形成される、従属付記のいずれかに記載のステント。
【0694】
(付記184)分離領域は、支柱領域またはクラウン領域に形成され、分離領域に隣接する支柱またはクラウンの反対端は、生理学的環境内のステントの拡張後に、半径方向、円周方向、軸方向、または他の方向を含む、1つまたはそれを上回る方向への変位を有するように構成される、付記のいずれかに記載のステント。
【0695】
(付記185)変位は、収縮期および拡張期圧サイクル中に連続的である、付記179に記載のステント。
【0696】
(付記186)分離領域は、該リングの円周方向経路に沿って円周方向コネクタ上に形成される、付記174-185のいずれかに記載のステント。
【0697】
(付記187)少なくとも1つのリングは、2つまたはそれを上回る分離領域を有する、付記174-186のいずれかに記載のステント。
【0698】
(付記188)1つまたはそれを上回る分離領域は、該少なくともいくつかのリングに1つまたはそれを上回る不連続性を形成し、該不連続性は、該リングの連続円周方向周囲を2つまたはそれを上回る区分に分断し、各区分は、独立して1つまたはそれを上回る軸もしくは方向に移動することができる、付記174-187のいずれかに記載のステント。
【0699】
(付記189)各区分は、半径方向または円周方向のうちの少なくとも1つに移動する、付記188に記載のステント。
【0700】
(付記190)ステントは、圧着構成から拡張構成まで拡張可能である構造にパターン化され、構造は、複数の円周方向リングから成り、各リングは、隣接するリングに軸方向に接続され、各リングは、その間に角度を形成するクラウンによって継合される支柱から成り、角度は、ステントが圧着構成から拡張構成まで拡張されるにつれて増加する、付記174-189のいずれかに記載のステント。
【0701】
(付記191)分離領域は、ステントが分解する前に不連続性を形成するように構成される、付記のいずれかに記載のステント。
【0702】
(付記192)ステントはさらに、該内向き反跳前の拡張直径よりも大きい直径まで拡張する、付記のいずれかに記載のステント。
【0703】
(付記193)少なくともいくつかの分離領域は、間隙を有し、該間隙規模は、0.001mm~0.5mmに及ぶ、付記のいずれかに記載のステント。
【0704】
(付記194)少なくともいくつかのリングは、収縮期および拡張期圧を含む、生理学的条件下で、拡張ステント構成時の初期収縮性を有し、少なくともいくつかのリングは、該初期段階後に異なる収縮性を有する、付記174-193のいずれかに記載のステント。
【0705】
(付記195)少なくともいくつかのリングは、収縮期および拡張期圧を含む、生理学的条件下で、拡張ステント構成時の初期収縮性を有し、少なくともいくつかのリングは、該初期段階後により大きい収縮性を有する、付記174-194のいずれかに記載のステント。
【0706】
(付記196)少なくともいくつかのリングは、収縮期および拡張期圧を含む、生理学的条件下で、拡張ステント構成時の初期収縮性を有し、少なくともいくつかのリングは、該初期段階後により大きい収縮性を有し、収縮性は、収縮期および拡張期圧と同期している、付記174-194のいずれかに記載のステント。
【0707】
(付記197)少なくともいくつかのリングは、拡張ステント構成時の初期コンプライアンスを有し、該少なくともいくつかのリングのコンプライアンスは、該初期拡張後に増加する、付記174-196のいずれかに記載のステント。
【0708】
(付記198)少なくともいくつかのリングは、収縮期および拡張期圧を含む、生理学的条件下で、拡張ステント構成時の初期収縮性を有し、収縮性は、該初期拡張後に変化する、付記174-197のいずれかに記載のステント。
【0709】
(付記199)(初期収縮性後の)後続の収縮性規模は、0.1mm~0.5mmに及ぶ、付記のいずれかに記載のステント。
【0710】
(付記200)管腔内補綴具であって、非分解性材料からパターン化される複数の円周方向リングを有する、足場であって、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成される、足場を備え、円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、クラウンによって継合される複数の支柱を備え、支柱およびクラウンは、足場の周囲に連続円周方向経路を形成し、円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、生理学的環境内の拡張後に、該円周方向リングに少なくとも1つの不連続性を形成するように構成される、少なくとも1つの分離領域を有し、円周方向リングのうちの2つの少なくとも一部は、全ての不連続性が形成された後に軸方向に継合されたままであり、分離領域のうちの少なくともいくつかは、スリーブ、コーティング、および/または接着剤を備える、生分解性ポリマーから成る、管腔内補綴具。
【0711】
(付記201)全ての円周方向リングは、全ての不連続性が形成された後に軸方向に継合されたままである、付記200、217、または218に記載の管腔内補綴具。
【0712】
(付記202)任意の不連続性の形成に先立って、各円周方向リングは、初期半径方向コンプライアンスを有し、不連続性の形成後、少なくともいくつかの円周方向リングは、増加した半径方向コンプライアンスを有する、付記200、201、217、または218に記載の管腔内補綴具。
【0713】
(付記203)足場は、全ての不連続性が形成された後に区画に分離しない、付記200-202、217、または218のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0714】
(付記204)足場は、全ての不連続性が形成された後に2つまたはそれを上回る区画に分離する、付記200-202、217、または218のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0715】
(付記205)2つまたはそれを上回る区画のうちの少なくともいくつかは、閉鎖セル区画を備える、付記204に記載の管腔内補綴具。
【0716】
(付記206)2つまたはそれを上回る区画のうちの少なくともいくつかは、足場の第1の端部から足場の第2の端部まで延在する分離線に沿って円周方向に分離する、付記204に記載の管腔内補綴具。
【0717】
(付記207)分離線は、軸方向または渦巻状幾何学形状を有する、付記206に記載の管腔内補綴具。
【0718】
(付記208)円周方向リングは、螺旋足場を形成する、付記200-207、217、または218のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0719】
(付記209)少なくとも1つの分離領域は、円周方向リングの支柱の中に位置する、付記200-208、217、または218のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0720】
(付記210)少なくともいくつかの円周方向リングはそれぞれ、分離領域を有する、1~5つの支柱を有する、付記209に記載の管腔内補綴具。
【0721】
(付記211)少なくとも1つの分離領域は、円周方向リングのクラウンの中に位置する、付記200-210、217、または218のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0722】
(付記212)分離領域は、リングに形成される間隙の中に、それにわたって、および/またはそれに隣接して配置される弾性材料から成り、弾性材料は、生理学的環境内の拡張後に無傷のままである、付記200-211、217、または218のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0723】
(付記213)分離領域は、拡張中に固定化されるが、生理学的環境内の拡張後に分離するように構成される、接合点を備える、付記200-212、217、または218のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0724】
(付記214)接合点は、円周方向、半径方向、および/または軸方向への該接合点における分離を可能にする、付記213に記載の管腔内補綴具。
【0725】
(付記215)分離領域は、生分解性ポリマーによって継合される、それによって被覆される、またはそれに埋め込まれる接合点を備える、付記200-214、217、または218のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0726】
(付記216)非分解性材料は、金属または金属合金材料から成る、付記200-215、217、または218のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0727】
(付記217)管腔内補綴具であって、非分解性材料からパターン化される複数の円周方向リングを有する、足場であって、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成される、足場を備え、円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、生理学的環境内の拡張後に該円周方向リングに少なくとも1つの不連続性を形成するように構成される、少なくとも1つの分離領域を有し、円周方向リングのうちの2つの少なくとも一部は、全ての不連続性が形成された後に軸方向に継合されたままであり、不連続性は、足場が初期拡張構成からの反跳後にさらに拡張することを可能にするように構成される、管腔内補綴具。
【0728】
(付記218)管腔内補綴具であって、
非分解性材料からパターン化される複数の円周方向リングを有する、足場であって、圧着構成から初期拡張直径まで拡張するように構成される、足場を備え、円周方向リングのうちの少なくともいくつかは、生理学的環境内の拡張後に該円周方向リングに少なくとも1つの不連続性を形成するように構成される、少なくとも1つの分離領域を有し、円周方向リングのうちの2つの少なくとも一部は、全ての不連続性が形成された後に軸方向に継合されたままであり、不連続性は、足場が初期拡張直径よりも大きい拡張直径まで拡張することを可能にするように構成される、
管腔内補綴具。
【0729】
(付記219)円周方向リングは、圧着構成時の足場の縦軸に略垂直に整合される、付記218に記載の管腔内補綴具。
【0730】
(付記220)円周方向リングは、圧着構成時の足場の縦軸に対してある角度で傾斜している、付記218に記載の管腔内補綴具。
【0731】
(付記221)足場は、管、平坦基板、または屈曲ワイヤからパターン化される、付記217-220のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0732】
(付記222)足場はさらに、シロリムス、ノボリムス、バイオリムス、エベロリムス、リダフォロリムス、テムシロリムス、またはゾタロリムスを含む、m-TOR阻害剤を含む、少なくとも1つの薬物を備える、付記217-221のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0733】
(付記223)足場はさらに、ポリマーコーティング備え、ポリマーコーティングは、ポリラクチド、ポリ-L-乳酸、ポリ-DL-ラクチド、ポリラクチド-co-グリコリド、ポリ(乳酸-co-グリコリド)、ポリ(n-ブチルメタクリレート)、エチレン酢酸ビニル、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリビニルピロリドン、パリレン、PVDF-HFPポリ(フッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピレン)、ポリスチレン、ポリ(L-ラクチド-co-イプシロン-カプロラクトン)、およびポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)から成る、付記217-222のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0734】
(付記224)非分解性材料は、ステンレス鋼、コバルト合金、コバルトクロム、白金、白金イリジウム、白金クロム、白金ロジウム、またはニッケルチタンから成る、金属または金属合金から成る、付記217-223のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0735】
(付記225)該足場は、蛇行、ジグザグ、螺旋、開放セル設計、または閉鎖セル設計を備える、パターンを有する、付記217-224のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0736】
(付記226)足場の円周方向リングはそれぞれ、生理学的環境内の拡張に先立って、少なくとも1つのリンクによって隣接するリングに継合される、付記217-225のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0737】
(付記227)足場は、圧着構成から拡張構成までバルーン拡張可能である、付記217-226のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0738】
(付記228)分離領域は、支柱またはクラウンを二等分し、生分解性ポリマーによって継合される、それによって被覆される、またはそれに埋め込まれる、事前形成された切れ目または間隙を備える、付記217-227のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0739】
(付記229)生分解性ポリマーは、ポリラクチド、ポリ-L-ラクチド、ポリ-DL-ラクチド、ポリラクチド-co-グリコリド、ポリ(L-乳酸-co-グリコリド)、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリ(L-ラクチド-co-イプシロン-カプロラクトン)、ポリ(DL-ラクチド-co-グリコリド)、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリ(D-ラクチド)、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、またはシアノアクリレートから成る、付記228に記載の管腔内補綴具。
【0740】
(付記230)管腔内補綴具であって、
非分解性材料からパターン化される複数の円周方向リングを有する、足場であって、該足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成され、少なくともいくつかの隣接する円周方向リング上の取付点は、円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合される、足場を備え、
軸方向リンクのうちの少なくともいくつかは、第1の区画と、第2の区画とを備え、第1および第2の区画は、軸方向に延在する分割線によって分割され、足場が圧着構成である間に円周方向に相互係止され、足場が拡張構成であるときに変形して円周方向に係止解除するように構成され、
円周方向リングは、取付点において分離する一方で、軸方向リンクの各区画は、区画が係止解除した後に取付点に取り付けられたままである、
管腔内補綴具。
【0741】
(付記231)該円周方向リングは、クラウンによって継合される支柱を備える、付記230または265もしくは273に記載の管腔内補綴具。
【0742】
(付記232)該非分解性材料は、金属または金属合金から成る、付記230または265もしくは273に記載の管腔内補綴具。
【0743】
(付記233)非分解性材料は、ステンレス鋼、コバルト合金、コバルトクロム、白金、白金イリジウム、白金クロム、白金ロジウム、またはニッケルチタンから成る、金属または金属合金から成る、付記230-231、265、または273のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0744】
(付記234)足場は、管、平坦基板、または屈曲ワイヤからパターン化される、付記230-233、265、または273のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0745】
(付記235)円周方向に分離可能な軸方向リンクは、隣接する円周方向リング上のクラウンの間に延在する、付記230-234または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0746】
(付記236)円周方向に分離可能な軸方向リンクは、隣接する円周方向リング上の支柱の間に延在する、付記230-234または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0747】
(付記237)円周方向に分離可能な軸方向リンクは、1つの円周方向リング上のクラウンと隣接する円周方向リング上の支柱との間に延在する、付記230-234または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0748】
(付記238)該少なくともいくつかの軸方向リンクは、足場に沿って軸方向線に配列される、付記230-237または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0749】
(付記239)該少なくともいくつかの軸方向リンクは、足場に沿って螺旋線に配列される、付記230-238または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0750】
(付記240)該少なくともいくつかの軸方向リンクは、足場に沿って2本の線に配列される、付記230-238または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0751】
(付記241)該少なくともいくつかの軸方向リンクは、足場に沿って3本の線に配列される、付記230-238または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0752】
(付記242)軸方向に延在する分割線は、非線形である、付記230-241または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0753】
(付記243)軸方向に延在する分割線は、非線形である、付記230-241または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0754】
(付記244)軸方向に延在する分割線は、曲線状区分を備える、付記230-243または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0755】
(付記245)曲線状区分は、異なる湾曲の領域を含み、該湾曲領域は、相互に類似し得る、付記244に記載の管腔内補綴具。
【0756】
(付記246)曲線状区分は、逆転湾曲の領域を含む、付記244に記載の管腔内補綴具。
【0757】
(付記247)足場は、第1および第2の端部を有し、分割線は、第1の取付点から第1の端部に向かって第1の軸方向に延在し、第1の方向転換をして第2の端部に向かって第2の軸方向に進行する、付記230-246または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0758】
(付記248)分割線は、第3の方向転換をして第1の軸方向に再び進行する、付記247に記載の管腔内補綴具。
【0759】
(付記249)分割線は、第4の方向転換をして第2の軸方向に再び進行する、付記248に記載の管腔内補綴具。
【0760】
(付記250)方向転換のうちの少なくともいくつかは、135°またはそれを上回る、付記247-249または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0761】
(付記251)方向転換のうちの少なくともいくつかは、180°またはそれを上回る、付記247-249または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0762】
(付記252)方向転換のうちの少なくともいくつかは、180°を上回る、付記247-249または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0763】
(付記253)軸方向に延在する分割線は、1つまたはそれを上回る曲線区分に継合される、1つまたはそれを上回る直線状部分を有し、該直線状および曲線状部分は、相互の形状に類似し得る、付記230-252または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0764】
(付記254)軸方向に延在する分割線は、1つの円周方向リング上の取付点に取り付けられた曲線状領域を有し、その後に直線状領域が続き、その後に隣接する円周方向リング上の取付点に取り付けられた曲線状領域が続く、付記253に記載の管腔内補綴具。
【0765】
(付記255)軸方向に延在する分割線は、1つの円周方向リング上の取付点に取り付けられた曲線状領域を有し、その後に第1の領域と異なる湾曲の方向を有する第2の曲線状領域が続き、その後に隣接する円周方向リング上の取付点に取り付けられた第2の曲線状領域と異なる湾曲の方向を有する第3の曲線状領域が続く、付記253に記載の管腔内補綴具。
【0766】
(付記256)軸方向に延在する分割線は、S字形を有する、付記230-252または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0767】
(付記257)軸方向に延在する分割線は、W字形を有する、付記230-252または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0768】
(付記258)軸方向に延在する分割線は、蛇行形状を有する、付記230-252または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0769】
(付記259)円周方向に分離可能な軸方向リンクのうちの少なくともいくつかは、足場の拡張に先立って締まり嵌めで係合する、オス型部分と、メス型部分とを有する、入れ子式曲線を備える、付記230-258または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0770】
(付記260)円周方向に分離可能な軸方向リンクのうちの少なくともいくつかは、足場の拡張に先立って締まり嵌めで係合する、オス型部分と、メス型部分とを有する、入れ子式ウェッジを備える、付記259に記載の管腔内補綴具。
【0771】
(付記260)足場はさらに、シロリムス、ノボリムス、バイオリムス、エベロリムス、リダフォロリムス、テムシロリムス、またはゾタロリムスを含む、m-TOR阻害剤を含む、少なくとも1つの薬物を備える、付記143-259または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0772】
(付記261)該足場は、蛇行、ジグザグ、螺旋、開放セル設計、または閉鎖セル設計を備える、パターンを有する、付記143-260または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0773】
(付記262)足場は、圧着構成から拡張構成までバルーン拡張可能である、付記143-261または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0774】
(付記263)円周方向に分離可能な軸方向リンクは、生分解性ポリマーによって継合される、それによって被覆される、またはそれに埋め込まれる、事前形成された切れ目または間隙を備える、付記143-262または265のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0775】
(付記264)生分解性ポリマーは、ポリラクチド、ポリ-L-ラクチド、ポリ-DL-ラクチド、ポリラクチド-co-グリコリド、ポリ(L-乳酸-co-グリコリド)、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリ(L-ラクチド-co-イプシロン-カプロラクトン)、ポリ(DL-ラクチド-co-グリコリド)、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリ(D-ラクチド)、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、またはシアノアクリレートから成る、付記263に記載の管腔内補綴具。
【0776】
(付記265)管腔内補綴具であって、
非分解性材料からパターン化される複数の円周方向リングを有する、足場であって、該足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成され、少なくともいくつかの隣接する円周方向リングは、円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合される、足場を備え、
該円周方向に分離可能な軸方向リンクは、軸方向継合線に沿って、1つまたはそれを上回る対応する屈曲、曲線、直線状面積、角度、もしくはそれらの任意の組み合わせをそれぞれ有する、2つの部分に分割され、該部分は、ともに嵌合し、足場の拡張中に部分の分離を阻止するように構成されるが、生理学的環境内の該足場の拡張後に該軸方向継合線に沿って分離し、該分離可能な軸方向リンクによって継合される該隣接する円周方向リングが円周方向に開放することを可能にするように構成される一方で、該隣接するリングは、該部分を通して軸方向に取り付けられたままである、
管腔内補綴具。
【0777】
(付記266)該部分は、該継合線の長さの一部、殆ど、またはほぼ全てに沿って整合される、付記265に記載の管腔内補綴具。
【0778】
(付記267)該部分は、一連の曲線と、該曲線の間の少なくともいくつかの整合された直線状区分とを備える、付記265に記載の管腔内補綴具。
【0779】
(付記268)部分は、一連の相互係止曲線を伴う区分を備え、その曲線は、足場の軸方向軸に対して0~最大45度の角度で整合される、付記265に記載の管腔内補綴具。
【0780】
(付記269)該足場は、生理学的環境内の拡張に応じて、偶数の円周方向リングを有し、該分離可能な軸方向リンクは、分離し、足場は、開放し、2つ、3つ、4つ、またはそれを上回るユニットに分離し、軸方向リンクは、各ユニット内でリングを継合する、付記230-268のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0781】
(付記270)該足場は、生理学的環境内の拡張に応じて、奇数の円周方向リングを有し、該分離可能な軸方向リンクは、分離し、足場は、開放し、足場は、一体の単一片の非分解性材料として接続される、付記230-268のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0782】
(付記271)該足場内の該円周方向リングの大部分は、分離可能な軸方向リンクによって継合される、付記230-270のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0783】
(付記272)該足場内の該円周方向リングの全ては、分離可能な軸方向リンクによって隣接する円周方向リングに継合される、付記230-270のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0784】
(付記273)管腔内補綴具であって、
支柱と、クラウンとを備える、複数の円周方向リングを有する、足場であって、該リングは、非分解性材料からパターン化され、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成される、足場を備え、
少なくともいくつかの円周方向リングは、2つの整合された支柱の1つまたはそれを上回る区分を備え、各支柱は、リンクまたはコネクタを通して隣接する円周方向リングに継合され、該2つの整合された支柱は、該足場の拡張中にともに保持されるが、生理学的条件下で足場の拡張後に分離するように構成される、
管腔内補綴具。
【0785】
(付記274)該整合された支柱は、支柱の幾何学形状を通して、または生分解性もしくは非分解性ポリマーまたは接着剤を用いて、ともに保持される、付記273に記載の管腔内補綴具。
【0786】
(付記275)該整合された支柱は、足場の拡張中に支柱の機械的係止を提供するための一連の対応する曲線を備える、付記273または274に記載の管腔内補綴具。
【0787】
(付記276)曲線はさらに、曲線の間に直線状部分を備える、付記275に記載の管腔内補綴具。
【0788】
(付記277)曲線状区分は、逆転湾曲の領域を含む、付記275または276に記載の管腔内補綴具。
【0789】
(付記278)該整合された支柱は、対応するS字形、W字形、蛇行形状、またはそれらの組み合わせを有する、付記276に記載の管腔内補綴具。
【0790】
(付記279)該整合された支柱は、該整合された支柱にわたって、またはその間に生分解性ポリマーまたは接着剤を備え、該ステントの拡張中にそれらをともに保持する、付記273-278のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0791】
(付記280)該整合された支柱は、足場に沿って2本の線に配列される、付記273-279のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0792】
(付記281)該整合された支柱は、足場に沿って3本の線に配列される、付記273-279のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0793】
(付記282)該軸方向リンクまたは整合された支柱は、拡張中に、円周方向、半径方向、または軸方向に伸長、圧縮、または回転し、拡張の力に対抗する、それを相殺する、または平衡させるように構成されるため、軸方向リンクまたは整合された支柱は、生理学的環境内の拡張後まで分離しない、付記143、144、173、174、230、265-281のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0794】
(付記283)1つまたはそれを上回る分離可能な軸方向リンクを通して、隣接する全体または隣接する部分円周方向リングに接続される、1つまたはそれを上回る部分円周方向リングをさらに備える、付記230-272のいずれかに記載の管腔内補綴具。
【0795】
(付記284)該補綴具は、非分解性材料から形成され、生理学的条件下の補綴具の拡張後に不連続性を形成するように構成される分離領域を伴って、クラウンによって継合される支柱を有する、円周方向リングを有することは、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具の縦方向圧縮または延在によって誘発される応力を有し、ある場合には、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具の縦方向圧縮または延在によって誘発される最大応力は、不連続性の形成後に少なくとも10%、15%、25%、50%、75%、85%、または90%減少し、ある場合には、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具の縦方向圧縮または延在によって誘発される最大応力は、不連続性の形成後に15%~95%、好ましくは50%~95%、より好ましくは70%~95%減少し、ある場合には、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具の5~7%縦方向圧縮または延在によって誘発される、線形弾性有限要素分析によって測定されるような最大応力は、400e3~800e3PSIに及び、不連続性の形成後、1e3~300e3PSIに及び、時として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具の5~7%縦方向圧縮または延在によって誘発される、線形弾性有限要素分析によって測定されるような最大応力は、300e3~1000e3PSIに及び、不連続性の形成後、1e3~250e3PSIに及び、いくつかの実施例では、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具によって印加される捻転によって誘発される、最大応力は、不連続性の形成後に少なくとも10%、15%、25%、50%、75%、85%、または90%減少し、代替として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具によって印加される捻転によって誘発される、最大応力は、不連続性の形成後に15%~95%、好ましくは50%~95%、より好ましくは70%~95%減少し、いくつかの実施例では、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具に印加される補綴具長の3.5°/cmの捻転変位によって誘発される、線形弾性有限要素分析によって測定されるような最大応力は、80e3~150e3PSIに及び、不連続性の形成後、1e3~65e3PSIに及び、代替として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具に印加される補綴具長の3.5°/cmの捻転変位によって誘発される、線形弾性有限要素分析によって測定されるような最大応力は、65e3~150e3PSIに及び、不連続性の形成後、1e3~50e3PSIに及び、時として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、3点屈曲構成で規定量だけ補綴具を屈曲させるために要求される力は、不連続性の形成後に少なくとも10%、15%、25%、50%、75%、85%、または90%減少し、代替として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、3点屈曲構成で規定量だけ補綴具を屈曲させるために要求される力は、不連続性の形成後に15%~95%、好ましくは50%~95%、より好ましくは70%~95%減少し、ある場合には、分離領域が不連続性を形成することに先立って、約11mm離れた支持体を伴う3点屈曲構成で補綴具の中心を約1mm屈曲させるために要求される力は、1~4Nに及び、不連続性の形成後、0.1~0.8Nに及び、代替として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、約11mm離れた支持体を伴う3点屈曲構成で補綴具の中心を約1mm屈曲させるために要求される力は、0.7~4Nに及び、不連続性の形成後、0.01~0.5Nに及び、いくつかの実施例では、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具を標的半径まで屈曲させることによって誘発される最大応力は、不連続性の形成後に少なくとも10%、15%、25%、50%、75%、85%、または90%減少し、代替として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具を標的半径まで屈曲させることによって誘発される最大応力は、不連続性の形成後に15%~95%、好ましくは50%~95%、より好ましくは70%~95%減少し、時として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された補綴具を70mmの標的半径まで屈曲させる、線形弾性有限要素分析によって測定されるような最大応力は、100e3~800e3PSIに及び、不連続性の形成後、6mmの拡張ステント直径に関して10e3~90e3PSIに及び、時として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された生理学的インプラントが内側に設置された曲線状血管の角度の変化は、不連続性の形成後に少なくとも10%、15%、25%、50%、75%、85%、または90%減少し、代替として、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された生理学的インプラントが内側に設置された曲線状血管の角度の変化は、不連続性の形成後に15%~95%、好ましくは50%~95%、より好ましくは70%~95%減少し、ある事例では、分離領域が不連続性を形成することに先立って、拡張された生理学的インプラントが内側に設置された曲線状血管の角度の変化は、30~70度に及び、不連続性の形成後、10~25度に及び、いくつかの実施例では、分離領域が不連続性を形成することに先立って、所与の角度だけ拡張された補綴具を屈曲させることによって誘発される、最大応力は、不連続性の形成後に少なくとも10%、15%、25%、50%、75%、85%、または90%減少し、分離領域が不連続性を形成することに先立って、所与の角度だけ拡張された補綴具を屈曲させることによって誘発される、最大応力は、不連続性の形成後に15%~95%、好ましくは50%~95%、より好ましくは70%~95%減少し、またはいくつかの実施例では、分離領域が不連続性を形成することに先立って、約7度の所与の角度だけ拡張された補綴具を3.0mm直径まで屈曲させる、線形弾性有限要素分析によって測定されるような最大応力は、100e3~800e3PSIに及び、不連続性の形成後、10e3~90e3PSIに及ぶ、付記143、144、173、174、230、265-281のいずれかに記載の管腔内補綴具。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
管腔内補綴具であって、
非分解性材料からパターン化される複数の円周方向リングを有する足場であって、前記足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成され、少なくともいくつかの隣接する円周方向リング上の取付点は、円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合される、足場
を備え、
前記軸方向リンクのうちの少なくともいくつかは、第1の区画と、第2の区画とを備え、前記第1および第2の区画は、軸方向に延在する分割線によって分割され、前記足場が前記圧着構成である間にその円周方向分離を阻止するように円周方向に相互係止され、前記足場が前記拡張構成であるときに変形して円周方向に係止解除するように構成され、
前記円周方向リングは、前記取付点において分離する一方で、前記軸方向リンクの各区画は、前記区画が係止解除した後に前記取付点に取り付けられたままである、管腔内補綴具。
(項目2)
前記円周方向に分離可能な軸方向リンクは、隣接する円周方向リング上のクラウンの間に延在する、項目1に記載の管腔内補綴具。
(項目3)
前記円周方向に分離可能な軸方向リンクは、隣接する円周方向リング上の支柱の間に延在する、項目1に記載の管腔内補綴具。
(項目4)
前記円周方向に分離可能な軸方向リンクは、1つの円周方向リング上のクラウンと隣接する円周方向リング上の支柱との間に延在する、項目1に記載の管腔内補綴具。
(項目5)
前記少なくともいくつかの軸方向リンクは、前記足場に沿って軸方向線に配列される、項目1に記載の管腔内補綴具。
(項目6)
前記少なくともいくつかの軸方向リンクは、前記足場に沿って螺旋線に配列される、項目1に記載の管腔内補綴具。
(項目7)
前記少なくともいくつかの軸方向リンクは、前記足場に沿って2本の線に配列される、項目1に記載の管腔内補綴具。
(項目8)
前記少なくともいくつかの軸方向リンクは、前記足場に沿って3本の線に配列される、項目1に記載の管腔内補綴具。
(項目9)
前記軸方向に延在する分割線の少なくとも一部は、非線形である、項目1に記載の管腔内補綴具。
(項目10)
軸方向に延在する分割線全体は、非線形である、項目1に記載の管腔内補綴具。
(項目11)
前記軸方向に延在する分割線は、1つまたはそれを上回る曲線状区分と、1つまたはそれを上回る線形区分とを備える、項目10に記載の管腔内補綴具。
(項目12)
前記曲線状区分は、異なる湾曲の領域を含む、項目11に記載の管腔内補綴具。
(項目13)
前記曲線状区分は、逆転湾曲の領域を含む、項目11に記載の管腔内補綴具。
(項目14)
前記足場は、第1および第2の端部を有し、前記分割線は、前記第1の取付点から前記第2の端部に向かって第1の軸方向に延在し、第1の方向転換をして前記第1の端部に向かって第2の軸方向に進行する、項目11に記載の管腔内補綴具。
(項目15)
前記分割線は、第3の方向転換をして前記第1の軸方向に再び進行する、項目14に記載の管腔内補綴具。
(項目16)
前記分割線は、第4の方向転換をして前記第2の軸方向に再び進行する、項目15に記載の管腔内補綴具。
(項目17)
前記方向転換のうちの少なくともいくつかは、135°またはそれを上回る、項目11に記載の管腔内補綴具。
(項目18)
前記方向転換のうちの少なくともいくつかは、180°またはそれを上回る、項目11に記載の管腔内補綴具。
(項目19)
前記方向転換のうちの少なくともいくつかは、180°を上回る、項目11に記載の管腔内補綴具。
(項目20)
前記軸方向に延在する分割線は、1つまたはそれを上回る曲線区分に継合される1つまたはそれを上回る直線状部分を有する、項目11に記載の管腔内補綴具。
(項目21)
前記軸方向に延在する分割線は、1つの円周方向リング上の前記取付点に取り付けられた曲線状領域を有し、その後に直線状領域が続き、その後に前記隣接する円周方向リング上の前記取付点に取り付けられた曲線状領域が続く、項目21に記載の管腔内補綴具。
(項目22)
前記軸方向に延在する分割線は、1つの円周方向リング上の前記取付点に取り付けられた曲線状領域を有し、その後に前記第1の領域と異なる湾曲の方向を有する第2の曲線状領域が続き、その後に前記隣接する円周方向リング上の前記取付点に取り付けられた前記第2の曲線状領域と異なる湾曲の方向を有する第3の曲線状領域が続く、項目14に記載の管腔内補綴具。
(項目23)
前記軸方向に延在する分割線は、S字形を有する、項目1に記載の管腔内補綴具。
(項目24)
前記軸方向に延在する分割線は、W字形を有する、項目1に記載の管腔内補綴具。
(項目25)
前記軸方向に延在する分割線は、蛇行形状を有する、項目1に記載の管腔内補綴具。
(項目26)
前記円周方向に分離可能な軸方向リンクのうちの少なくともいくつかは、前記足場の拡張に先立って締まり嵌めで係合するオス型部分と、メス型部分とを有する入れ子式曲線を備える、項目1に記載の管腔内補綴具。
(項目27)
前記円周方向に分離可能な軸方向リンクのうちの少なくともいくつかは、前記足場の拡張に先立って締まり嵌めで係合するオス型部分と、メス型部分とを有する入れ子式ウェッジを備える、項目1に記載の管腔内補綴具。
(項目28)
管腔内補綴具であって、
非分解性材料からパターン化される複数の円周方向リングを有する足場であって、前記足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成され、少なくともいくつかの隣接する円周方向リングは、円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合される、足場
を備え、
前記円周方向に分離可能な軸方向リンクは、軸方向継合線に沿って、1つまたはそれを上回る対応する屈曲、曲線、直線状面積、角度、もしくはそれらの任意の組み合わせをそれぞれ有する2つの部分に分割され、前記部分は、ともに嵌合し、前記足場の拡張中に前記部分の分離を阻止するように構成されるが、生理学的環境内の前記足場の拡張後に前記軸方向継合線に沿って分離し、前記分離可能な軸方向リンクによって継合される前記隣接する円周方向リングが円周方向に開放することを可能にするように構成される一方で、前記隣接するリングは、前記部分を通して軸方向に取り付けられたままである、管腔内補綴具。
(項目29)
管腔内補綴具であって、
足場であって、前記足場は、複数の円周方向リングを有し、前記複数の円周方向リングは、支柱と、クラウンとを備え、前記リングは、非分解性材料からパターン化され、圧着構成から拡張構成まで拡張するように構成される、足場
を備え、
少なくともいくつかの円周方向リングは、2つの整合された支柱の1つまたはそれを上回る区分を備え、各支柱は、リンクまたはコネクタを通して隣接する円周方向リングに継合され、前記2つの整合された支柱は、前記足場の拡張中にともに保持されるが、生理学的条件下で前記足場の拡張後に分離するように構成される、管腔内補綴具。
【図面の簡単な説明】
【0796】
図1図1は、複数の拡張可能リングを有する円周方向足場を備える、従来技術の管腔内補綴具を図示する。
【0797】
図2A図2Aおよび2Bは、図1の管腔内補綴具の「広げられた」説明図である。
図2B図2Aおよび2Bは、図1の管腔内補綴具の「広げられた」説明図である。
【0798】
図3A図3Aおよび3Bは、リングがジグザグリングではなく蛇行リングであることを除いて、図1、2A、および2Bのものに類似する従来技術の管腔内補綴具の「広げられた」説明図である。
図3B図3Aおよび3Bは、リングがジグザグリングではなく蛇行リングであることを除いて、図1、2A、および2Bのものに類似する従来技術の管腔内補綴具の「広げられた」説明図である。
【0799】
図4A図4Aおよび4Bは、クラウンにおいて継合される支柱によって形成される、ジグザグ、蛇行、または他の円周方向リングを備える、ステント足場を示す。
図4B図4Aおよび4Bは、クラウンにおいて継合される支柱によって形成される、ジグザグ、蛇行、または他の円周方向リングを備える、ステント足場を示す。
【0800】
図5A図5A、5B、6、7、および8A-Cは、継合されたクラウンおよび/または支柱を二等分するものとして形成される、分離領域によって軸方向に継合される、円周方向リングを有する、ステント(足場)の実施例を図示する。
図5B図5A、5B、6、7、および8A-Cは、継合されたクラウンおよび/または支柱を二等分するものとして形成される、分離領域によって軸方向に継合される、円周方向リングを有する、ステント(足場)の実施例を図示する。
図6図5A、5B、6、7、および8A-Cは、継合されたクラウンおよび/または支柱を二等分するものとして形成される、分離領域によって軸方向に継合される、円周方向リングを有する、ステント(足場)の実施例を図示する。
図7図5A、5B、6、7、および8A-Cは、継合されたクラウンおよび/または支柱を二等分するものとして形成される、分離領域によって軸方向に継合される、円周方向リングを有する、ステント(足場)の実施例を図示する。
図8A図5A、5B、6、7、および8A-Cは、継合されたクラウンおよび/または支柱を二等分するものとして形成される、分離領域によって軸方向に継合される、円周方向リングを有する、ステント(足場)の実施例を図示する。
図8B図5A、5B、6、7、および8A-Cは、継合されたクラウンおよび/または支柱を二等分するものとして形成される、分離領域によって軸方向に継合される、円周方向リングを有する、ステント(足場)の実施例を図示する。
図8C図5A、5B、6、7、および8A-Cは、継合されたクラウンおよび/または支柱を二等分するものとして形成される、分離領域によって軸方向に継合される、円周方向リングを有する、ステント(足場)の実施例を図示する。
【0801】
図9図9-12は、頂点間(図9)、頂点・支柱間(図10)、および支柱間(図11)、ならびにその中心にS字形領域を有する伸長軸方向リンクを伴う谷部間(図12)を含む、隣接する円周方向リング上の場所の間に円周方向に分離可能な軸方向リンクを位置付けるための代替的場所を図示する。
図10図9-12は、頂点間(図9)、頂点・支柱間(図10)、および支柱間(図11)、ならびにその中心にS字形領域を有する伸長軸方向リンクを伴う谷部間(図12)を含む、隣接する円周方向リング上の場所の間に円周方向に分離可能な軸方向リンクを位置付けるための代替的場所を図示する。
図11図9-12は、頂点間(図9)、頂点・支柱間(図10)、および支柱間(図11)、ならびにその中心にS字形領域を有する伸長軸方向リンクを伴う谷部間(図12)を含む、隣接する円周方向リング上の場所の間に円周方向に分離可能な軸方向リンクを位置付けるための代替的場所を図示する。
図12図9-12は、頂点間(図9)、頂点・支柱間(図10)、および支柱間(図11)、ならびにその中心にS字形領域を有する伸長軸方向リンクを伴う谷部間(図12)を含む、隣接する円周方向リング上の場所の間に円周方向に分離可能な軸方向リンクを位置付けるための代替的場所を図示する。
【0802】
図13図13は、ステントグラフトに組み込まれる、本発明の支持足場を図示する。
【0803】
図14図14は、実施例1の3ヶ月時点で撮影された3つのOCT静止画像を示す(試験PR153RG)。ステント留置区画のリング内の不連続性は、円の内側に示される。
【0804】
図15図15-18は、分離領域が足場の中で開放する(不連続性を形成する)前および後の足場可撓性、幾何学的歪曲、および応力特性を判定するための試験を図示する。
図16図15-18は、分離領域が足場の中で開放する(不連続性を形成する)前および後の足場可撓性、幾何学的歪曲、および応力特性を判定するための試験を図示する。
図17図15-18は、分離領域が足場の中で開放する(不連続性を形成する)前および後の足場可撓性、幾何学的歪曲、および応力特性を判定するための試験を図示する。
図18図15-18は、分離領域が足場の中で開放する(不連続性を形成する)前および後の足場可撓性、幾何学的歪曲、および応力特性を判定するための試験を図示する。
【0805】
図19図19-28は、足場幾何学形状が、拡張された通りである、または離脱(分離領域が不連続性を形成した)後である、異なる足場幾何学形状における本発明の分離領域の組み込みを図示する。
図20図19-28は、足場幾何学形状が、拡張された通りである、または離脱(分離領域が不連続性を形成した)後である、異なる足場幾何学形状における本発明の分離領域の組み込みを図示する。
図21図19-28は、足場幾何学形状が、拡張された通りである、または離脱(分離領域が不連続性を形成した)後である、異なる足場幾何学形状における本発明の分離領域の組み込みを図示する。
図22図19-28は、足場幾何学形状が、拡張された通りである、または離脱(分離領域が不連続性を形成した)後である、異なる足場幾何学形状における本発明の分離領域の組み込みを図示する。
図23図19-28は、足場幾何学形状が、拡張された通りである、または離脱(分離領域が不連続性を形成した)後である、異なる足場幾何学形状における本発明の分離領域の組み込みを図示する。
図24図19-28は、足場幾何学形状が、拡張された通りである、または離脱(分離領域が不連続性を形成した)後である、異なる足場幾何学形状における本発明の分離領域の組み込みを図示する。
図25図19-28は、足場幾何学形状が、拡張された通りである、または離脱(分離領域が不連続性を形成した)後である、異なる足場幾何学形状における本発明の分離領域の組み込みを図示する。
図26図19-28は、足場幾何学形状が、拡張された通りである、または離脱(分離領域が不連続性を形成した)後である、異なる足場幾何学形状における本発明の分離領域の組み込みを図示する。
図27図19-28は、足場幾何学形状が、拡張された通りである、または離脱(分離領域が不連続性を形成した)後である、異なる足場幾何学形状における本発明の分離領域の組み込みを図示する。
図28図19-28は、足場幾何学形状が、拡張された通りである、または離脱(分離領域が不連続性を形成した)後である、異なる足場幾何学形状における本発明の分離領域の組み込みを図示する。
【0806】
図29図29および30は、本発明の分離領域を組み込み得る、螺旋ワイヤステントを図示する。
図30図29および30は、本発明の分離領域を組み込み得る、螺旋ワイヤステントを図示する。
【0807】
図31図31は、本発明の分離領域を組み込む、閉鎖セル逆巻回螺旋足場を図示する。
【0808】
図32図32-34は、本発明の分離領域を組み込む、輪、左心耳閉鎖、および他の目的等のいくつかの生体構造のために好適である、漏斗形足場を図示する。
図33図32-34は、本発明の分離領域を組み込む、輪、左心耳閉鎖、および他の目的等のいくつかの生体構造のために好適である、漏斗形足場を図示する。
図34図32-34は、本発明の分離領域を組み込む、輪、左心耳閉鎖、および他の目的等のいくつかの生体構造のために好適である、漏斗形足場を図示する。
【0809】
図35A図35A-35Cは、U字形を有する、円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合される複数の円周方向リングを有する、足場を図示する。
図35B図35A-35Cは、U字形を有する、円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合される複数の円周方向リングを有する、足場を図示する。
図35C図35A-35Cは、U字形を有する、円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合される複数の円周方向リングを有する、足場を図示する。
【0810】
図36A図36A-36Cは、S字形を有する、円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合される複数の円周方向リングを備える、足場を図示する。
図36B図36A-36Cは、S字形を有する、円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合される複数の円周方向リングを備える、足場を図示する。
図36C図36A-36Cは、S字形を有する、円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合される複数の円周方向リングを備える、足場を図示する。
【0811】
図36D図36Dは、足場が半径方向に拡張し、軸方向リンクが部分的に円周方向に分離した後の図36A-36Cに示されるパターンを伴って加工された場所を示す、写真である。
【0812】
図37A図37Aおよび37Bは、足場の端部リングが拡張後に軸方向区画への足場の完全分離を防止するように構成される、S字形の円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合される複数の円周方向リングを有する、足場を図示する。
図37B図37Aおよび37Bは、足場の端部リングが拡張後に軸方向区画への足場の完全分離を防止するように構成される、S字形の円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合される複数の円周方向リングを有する、足場を図示する。
【0813】
図38A図38A-38Cは、圧着状態で円周方向に対して斜角で傾斜し(図38B)、拡張に応じて変化し、円周方向に整合され得る(図38C)、分離間隙を伴うS字形を有する円周方向に分離可能な軸方向リンクを有する、足場を図示する。
図38B図38A-38Cは、圧着状態で円周方向に対して斜角で傾斜し(図38B)、拡張に応じて変化し、円周方向に整合され得る(図38C)、分離間隙を伴うS字形を有する円周方向に分離可能な軸方向リンクを有する、足場を図示する。
図38C図38A-38Cは、圧着状態で円周方向に対して斜角で傾斜し(図38B)、拡張に応じて変化し、円周方向に整合され得る(図38C)、分離間隙を伴うS字形を有する円周方向に分離可能な軸方向リンクを有する、足場を図示する。
【0814】
図39A図39A-39Cは、ω字形を伴う円周方向に分離可能な軸方向リンクを有する、複数の円周方向リングを備える、足場を図示する。
図39B図39A-39Cは、ω字形を伴う円周方向に分離可能な軸方向リンクを有する、複数の円周方向リングを備える、足場を図示する。
図39C図39A-39Cは、ω字形を伴う円周方向に分離可能な軸方向リンクを有する、複数の円周方向リングを備える、足場を図示する。
【0815】
図40図40は、隣接する円周方向リング上の支柱の間に接続される、略S字形の円周方向に分離可能な軸方向リンクを有する、複数の円周方向リングを備える、足場を図示する。
【0816】
図41図41は、円周方向に分離可能な軸方向リンクが隣接する円周方向リング上のクラウン領域の間に接続されることを除いて、図40に示されるものに類似する足場を図示する。
【0817】
図42A図42Aおよび42Bは、楔形の幾何学形状を有する、円周方向に分離可能な軸方向リンクを図示する。
図42B図42Aおよび42Bは、楔形の幾何学形状を有する、円周方向に分離可能な軸方向リンクを図示する。
【0818】
図43図43は、隣接する円周方向リング上のキー孔クラウン領域の間に円周方向に分離可能な軸方向リンクを有する、複数の円周方向リングから成る足場を図示する。
【0819】
図44図44は、本発明の原理に従って構築される、曲線状の円周方向に分離可能な軸方向リンクの第1の例示的実施形態を図示する。
【0820】
図45図45は、本発明の原理に従って構築される、第2の例示的円周方向に分離可能な軸方向リンクを図示する。
【0821】
図46A図46A-46Bは、本発明の原理による、曲線状の円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合される複数のリングを備える、ステント足場を図示する。
図46B図46A-46Bは、本発明の原理による、曲線状の円周方向に分離可能な軸方向リンクによって継合される複数のリングを備える、ステント足場を図示する。
【0822】
図47A図47Aおよび47Bは、軸方向に整合された相互係止領域を有する、図46Aのステント足場で使用される円周方向に分離可能な軸方向リンクを図示する。
図47B図47Aおよび47Bは、軸方向に整合された相互係止領域を有する、図46Aのステント足場で使用される円周方向に分離可能な軸方向リンクを図示する。
【0823】
図48A図48Aおよび48Bは、相互係止区画が軸方向分離に対する抵抗を増加させる曲線を有する、図47Aおよび47Bのものに類似する円周方向に分離可能な軸方向リンクを図示する。
図48B図48Aおよび48Bは、相互係止区画が軸方向分離に対する抵抗を増加させる曲線を有する、図47Aおよび47Bのものに類似する円周方向に分離可能な軸方向リンクを図示する。
【0824】
図49A図49Aおよび49Bは、円周方向分離のために必要な力を減少させる、相互係止区画を有する、円周方向に分離可能な軸方向リンクを図示する。
図49B図49Aおよび49Bは、円周方向分離のために必要な力を減少させる、相互係止区画を有する、円周方向に分離可能な軸方向リンクを図示する。
【0825】
図50図50および51は、図46Aおよび46Bに図示されるものに類似するタイプの円周方向に分離可能な軸方向リンクの写真である。図50は、変形および円周方向分離に先立った、その初期構成時のリンクを示す。図51は、部分分離および完全分離構成時の両方のリンクを示す。
図51図50および51は、図46Aおよび46Bに図示されるものに類似するタイプの円周方向に分離可能な軸方向リンクの写真である。図50は、変形および円周方向分離に先立った、その初期構成時のリンクを示す。図51は、部分分離および完全分離構成時の両方のリンクを示す。
【0826】
図52図52は、足場の長さに沿って一対の平行軸方向線に配列される、円周方向に分離可能な軸方向リンクを有する、代替的ステント足場パターンを示す。
【0827】
図53図53は、ステントの周囲に螺旋状に配列される軸方向リンクの一対の列を有する、ステント足場パターンを図示する。
【0828】
図54A図54A-54Cは、部分リング分離を伴う代替的足場構造を図示する。
図54B図54A-54Cは、部分リング分離を伴う代替的足場構造を図示する。
図54C図54A-54Cは、部分リング分離を伴う代替的足場構造を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0829】
図1-3を参照すると、従来の管腔内補綴具10は、ジグザグリング14を含む、略管状足場12を備える。各ジグザグリング14は、曲線状ヒンジ(拡張領域)42によって継合される、複数の略直線状支柱40を含む。補綴具10が「広げられた」構成である、図2Aに示されるように、ヒンジ42は、比較的ともに接近し、補綴具の直径は、典型的には、未拡張または「圧着」と称される、小さい直径もしくは最小直径にある。図2Bに示されるように、対照的に、ステントは、ヒンジ42が開放しており、支柱40が円周方向に離れているように、半径方向に拡張されている。そのようなジグザグステント構造は、金属およびポリマー材料の両方において当技術分野で周知である。
【0830】
図3Aおよび3Bは、「蛇行」ステントと一般的に称される、第2のタイプの従来の管腔内補綴具を図示する。蛇行ステントまたは管腔内補綴具16は、複数の蛇行リング20を伴う円周方向足場18を備える。各リング20は、曲線状または屈曲ヒンジ22によって継合される、複数の略線形支柱21を含む。ヒンジ22は、概して、ジグザグステントの中のヒンジ42の直径よりも大きい直径を有し、支柱21は、概して、ジグザグステントの支柱40のわずかにオフセットしたまたは非平行配向とは対照的に、図3Aの未拡張もしくは圧着構成時に相互と平行に位置するであろう。蛇行ステント16はさらに、最外蛇行リングを円周方向足場の隣接する本体に継合する、第1のタイプの軸方向リンク23を含む。軸方向リンク23は、ヒンジがリンクの全長によって離間されるように、隣接するヒンジ22の外径を継合する。しかしながら、円周方向足場18の本体内で、リンク24は、第1の蛇行リング20の外径から隣接する蛇行リング20の内径まで継合される。このように、ヒンジ22は、図3Aに示されるように、ステントがその圧着または小直径構成であるときに、ともに接近するが位相がずれて離間される。蛇行ステント16が、図3Bに示されるように、バルーンまたは別様に拡張されるとき、ヒンジ22は、広がり、支柱21は、ジグザグ管腔内補綴具10の中の支柱40で示されるよりもはるかに大きく分岐する。一実施例では、拡張領域によって継合される、2つの隣接する支柱の間の角度は、圧着構成時の実質的にゼロから完全拡張構成時の約160°またはそれを上回る角度まで及ぶことができる。
【0831】
本発明は、限定ではないが、前述のようなジグザグ構造および蛇行構造を伴う補綴具を含む、多くのタイプのバルーン拡張型ならびに自己拡張式管腔内補綴具のための方法および構造修正を対象とする。方法および構造修正はまた、ワイヤ、シート、または管、もしくはその他から形成されるかどうかにかかわらず、数例を挙げると、閉鎖リングタイプ、閉鎖セルタイプ、開放セルタイプ、螺旋コイルまたはワイヤタイプ、ワイヤメッシュタイプ、バルーン拡張型タイプ、自己拡張式タイプ等の種々のタイプのステントも対象とする。埋込に応じて、もしくは埋込後に、および/または経時的に、身体管腔を離脱させ、1%~5%に及ぶ半径方向歪み(コンプライアンス)を有し、身体管腔を支持するために展開構成時に十分な強度を有する一方で、0.05mm~1mmに及んで展開構成時に拡張ならびに/もしくは収縮し、初期拡張からの内向き反跳後により大きい直径までさらに拡張し、治療薬に応答して血管収縮および/または血管拡張を呈し、血管ならびに他の身体管腔内の管腔再形成に適応するためにステントの円周方向拡張に対する抵抗を減少させるであろう、補綴具を提供することが、本発明の目的である。いくつかの具体的実施形態または実施例では、本発明の補綴具は、もはや血管拡張および再形成を阻止しなくなるように、経時的に実質的に分解するであろう、生分解性(分解性)ポリマーまたは分解性金属から成る、もしくは主に成るであろう。そのような生分解性ステントでは、本発明は、展開中に、または展開もしくは治癒プロセス後に、身体管腔のための十分な構造支持を提供するが、治癒プロセスの後期中に管腔の後続の再形成への干渉を限定することができるように、ステントの強度または初期強度を増加させる修正を提供するであろう。本発明の他の実施例または実施形態では、管腔内補綴具は、管腔環境内で非分解性もしくは徐々に分解性である、金属または硬質プラスチック等の高強度材料から形成もしくは加工される円周方向足場を備えるであろう。本質的に高い強度を有する補綴具を用いると、本発明は、血管再形成への最小干渉があるように、治癒プロセスの後期中等、展開に応じて、または展開後に、ステントが部品に分かれる、もしくは区画に分かれる、またはパターン化構造に分かれる、もしくは不連続性を形成する分離領域を有することを可能にする、修正を提供するであろう。なおも他の実施形態または実施例では、本発明の管腔内補綴具は、無傷のままであり、展開後に血管拡張を可能にする一方で、血管圧縮に対する抵抗を提供する、能動継手等の継手を提供されてもよい。さらに他の実施例または実施形態では、本発明の補綴具は、ステントの拡張に応じて、高い半径方向強度(破砕抵抗)を提供する、非分解性材料を備えてもよく、材料は、埋込後に脆弱化し、ステントの抵抗を下げ、血管または管腔再形成に応答してさらに拡張する。
【0832】
ステントは、拡張構成時に低い半径方向歪み(コンプライアンス)を有する傾向があり、特に、ステンレス鋼合金、コバルトクロム合金、および白金イリジウム合金等の非分解性金属ならびに金属合金等の塑性的に変形可能であるものである。これは、管腔または血管に刺激を引き起こし得る、動的に(または常に)動く環境内で実質的に剛性構造を有することの結果として、経時的にステントまたは管腔もしくは血管の疲労を引き起こし得る、かつ経時的に有害事象をもたらし得るため、ステントが埋め込まれる生体構造にとって有害であり得る。冠動脈に関する典型的半径方向歪み(コンプライアンス)近似率は、3%~5%に及ぶ。ステント技術は、管腔(または模擬管)内で拡張されたとき、通常、0.1%~0.5%、典型的には、0.1%~0.3%の範囲内の半径方向歪み(複合コンプライアンス)率を有する傾向がある。本発明によると、内側ステント直径が、生理学的条件下で、管腔(または模擬管)の内径の約110%まで管腔(または模擬管)内で拡張されるときに、圧着構成から拡張構成までのステント補綴具の拡張後に、もしくは円周方向不連続性の形成後に、0.5%~5%に及ぶ、好ましくは、1%~5%に及ぶ、より好ましくは、1%~5%に及ぶ、最も好ましくは、1.%~5%もしくは1.5%~5%に及ぶ、半径方向歪み(または複合コンプライアンス)率を有するようにステントを構成することが、本発明の目的であり、管腔(または模擬管)は、4%~5%に及ぶコンプライアンスを有する、もしくは管腔(または模擬管)内の拡張後の本発明のステントは、ステントが埋め込まれる生体構造のものに実質的に類似する半径方向歪み(または複合コンプライアンス)を有するであろう、もしくは本発明のステントは、そのような生体構造(管腔または模擬血管等)内のステントの拡張後、または不連続性の形成後に、ステントが埋め込まれる生体構造の半径方向歪み(コンプライアンス)の少なくとも25%の複合コンプライアンスを有するように構成される、もしくは本発明のステントは、そのような生体構造(管腔または模擬血管等)内のステントの拡張後、または不連続性の形成後に、ステントが埋め込まれる生体構造の半径方向歪み(コンプライアンス)の少なくとも1/3の複合コンプライアンスを有するように構成される、または拡張されたステントは、生理学的条件下で、ステントが埋め込まれる生体構造の半径方向歪み(コンプライアンス)の少なくとも50%の複合コンプライアンス、もしくはステントが埋め込まれる生体構造の半径方向歪み(コンプライアンス)の少なくとも65%の複合コンプライアンスを有し得る。好ましい実施例では、本発明のステントは、身体管腔(または模擬管)内の拡張後もしくは不連続性の形成後に、0.7%~4%に及ぶ、または0.9%~4%に及ぶ、もしくは1%~4%に及ぶ、または1.1%~4%に及ぶ、もしくは1.2%~4%に及ぶ、または1.5%~4%に及ぶ、もしくは2%~4%に及ぶ、複合コンプライアンスを有するように構成され、管腔(または模擬管)は、生理学的条件下で約5%のコンプライアンスを有する。別の好ましい実施例では、0.1%~0.5%に及ぶ、本発明のステントは、身体管腔(もしくは模擬管)内の拡張後に初期複合コンプライアンスを有するように構成され、0.7%~4%に及ぶ、初期コンプライアンス後もしくは不連続性の形成後の第2の複合コンプライアンスを有し、またはステントは、0.1%~0.7%に及ぶ、身体管腔(もしくは模擬管)内の拡張後の初期複合コンプライアンスを有するように構成され、1%~4%に及ぶ、初期コンプライアンス後もしくは不連続性の形成後の第2の複合コンプライアンスを有し、またはステントは、0.1%~1%に及ぶ、身体管腔(もしくは模擬管)内の拡張後の初期複合コンプライアンスを有するように構成され、1.2%~4%に及ぶ、または1.5%~4%に及ぶ、もしくは2%~4%に及ぶ、初期コンプライアンス後もしくは不連続性の形成後の第2の複合コンプライアンスを有し、管腔(または模擬管)コンプライアンスは、約5%である。別の好ましい実施例では、本発明のステントは、管腔(または模擬管)内の拡張後に初期複合コンプライアンス規模を有するように構成され、管腔直径は、2.5mm~3.5mmに及び、管腔(または模擬管)は、約5%のコンプライアンスを有し、拡張後の初期ステント複合コンプライアンス規模は、0.01mm~0.05mmに及び、または0.01mm~0.06mmに及び、もしくは0.01mm~0.07mmに及び、ステントは、生理学的条件下で、0.07mm~0.15mmに及ぶ、または0.08~0.15mmに及ぶ、もしくは0.1mm~0.15mmに及ぶ、初期コンプライアンス後または不連続性の形成後の第2の複合コンプライアンス規模を有する。本発明による足場は、円周方向に離脱し、ステントおよび管腔が上記で説明されるような半径方向コンプライアンス率を有することを可能にするように構成される。足場はまた、円周方向リングの全ての他の特性が類似すると仮定して、それらの長さに沿って半径方向コンプライアンス(半径方向歪み)の異なる領域を有するように形成されてもよい。ステントは、ステントリング区画全体に沿って実質的に類似する半径方向歪み(コンプライアンス)を有してもよい、またはステントの種々のリング区画もしくは領域の間で可変半径方向歪み(コンプライアンス)を有することができる。半径方向歪み(コンプライアンス)は、例えば、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、数例を挙げると、リングあたりの分離領域の数、ステント設計もしくはパターンのタイプ、各リング上の分離領域の場所、分離領域がリング上に位置する構造要素の長さ、幅、および/または厚さ、ステント長もしくは区画に沿った分離領域のパターンを構成することによって、増加または減少させられ得る。一実施例では、所望の半径方向コンプライアンス率を有する、生理学的環境内の本発明のステントの拡張ステント構成時の変位(拡張および/または収縮)の規模は、0.1mm~1mmに及ぶ、好ましくは、0.15mm~0.5mmに及ぶ、より好ましくは、0.2mm~0.5mmに及ぶ。変位(収縮および/または拡張)規模ならびに率は、典型的には、心臓の鼓動、ステント留置区画に隣接する圧力もしくは平均圧力、および/または心筋の収縮性、もしくは他の生理学的条件と結合される(または同期される、もしくは対応する)。拡張ステント構成時に身体管腔を支持するために十分な高い初期強度を有する、ステントを有することが望ましく、同時に、該ステントは、ステントリングの長さ(または区画もしくは領域)に沿って、1つまたはそれを上回る半径方向歪み(コンプライアンス)率の値もしくは範囲を有するように構成される。形状記憶ステントは、材料の性質および処理に起因して、より弱い強度(または破砕力)を有する傾向がある。形状記憶合金から形成されるステントは、そのような強度の弱さを補償する閉鎖セル設計を有する傾向がある。しかしながら、拡張構成時に強度を有し、少なくともいくつかのリング上に分離領域を有して、リングを離脱させる(該リングを離脱させるために十分な1つまたはそれを上回る不連続性を円周方向リング経路に形成する)、形状記憶合金から形成されるステントを有することが望ましい。形状記憶合金から形成されるステントは、したがって、拡張構成時に高い破砕抵抗と、上記で説明されるように、ステントリングの種々の区画に沿って所望の変位または半径方向歪み(コンプライアンス)とを有し、ステントが埋め込まれる生体構造の半径方向歪み(コンプライアンス)に適応するように構成されることができる、またはステントは、所望の半径方向歪み(もしくはコンプライアンス)を有するように構成される。ある場合には、拡張構成時に高い破砕強度を有するステントを有し、ステントリングの円周方向経路に沿って分離領域または破損区分を形成し、ステントもしくは1つまたはそれを上回るステント区画を離脱させ、ステントリングまたはステント区画に関して所望のレベルもしくは範囲の変位または半径方向歪み(コンプライアンス)を達成することによって、半径方向歪み(コンプライアンス)または半径方向変位規模(より大きいもしくはより小さい)を有することが、望ましい。他または同一の場合には、拡張構成時に高い破砕強度を有するステントを有し、ステントリングの円周方向経路に沿って分離領域または破損区分を形成し、ステントまたはステント区画を離脱させ、ステントリングまたはステント区画に関して所望のレベルもしくは範囲の変位または半径方向歪みを達成することによって、半径方向歪みまたは半径方向変位規模(より大きいもしくはより小さい)を有する、および/または拡張規模と異なる収縮規模を有することが、望ましい。加えて、ある場合に説明される支持特徴等のステント設計構成に加えて、本発明のステントは、ステントの他の区画内で、ある所望の半径方向歪み値または変位規模を達成しながら(ステントの他の区画に類似する破砕抵抗、またはより低い破砕抵抗を有しながら)、拡張構成時にステントのいくつかの区画内で高い破砕抵抗を有し、そのような区画内で実質的に低い半径方向歪み率を有するように、構成されることができる。これは、ある区画が、ステントの係留を要求し、したがって、高い破砕抵抗を要求する一方で、ステントの他の区画が、通常、ステントリング区画内で、またはステント弁を含有する区画に隣接して、より高い半径方向歪み(コンプライアンス)率もしくは収縮性規模を要求する、臓弁ステントに特に適し得る。円周方向リング経路内で離脱するように構成される、分離領域を伴って形成されるステントは、それが必要である輪または管腔の収縮性に適応することによって、利点を有し、それが必要ではない、またはインプラント構造を係留もしくは添着することが重要である、面積もしくは区画内で強度および低い半径方向歪み(コンプライアンス)を有し得る。
【0833】
典型的には、一実施例では、非分解性材料は、304V、304L、および316LVステンレス鋼等のステンレス鋼、軟鋼等の合金鋼、コバルトクロム等のコバルトベースの合金、L605、Elgiloy(R)、Phynox(R)、白金クロム、白金イリジウム、および白金ロジウム等の白金ベースの合金、スズベースの合金、ロジウム、ロジウムベースの合金、パラジウム、パラジウムベースの合金、アルミニウムベースの合金、チタンまたはそれらの合金、50:50レニウムモリブデン等のレニウムベースの合金、モリブデンベースの合金、タンタル、金またはそれらの合金、形状記憶金属または合金、クロムベースの合金、線形弾性および/または超弾性ニチノール等のニッケルチタン合金、ニッケル・クロム・モリブデン合金(例えば、INCONEL 625、Hastelloy C-22、Hatelloy C276、Monel 400、Nickelvac 400、および同等物)等のニッケル合金、MP35-N等のニッケル・コバルト・クロム・モリブデン合金、ニッケルモリブデン合金、白金濃縮ステンレス鋼、それらの組み合わせ、もしくは同等物、ならびにステントおよび補綴具製造で一般的に採用されるタイプの他の可鍛性金属、または圧着構成から拡張構成まで拡張されたときに塑性的に変形可能な金属等の金属および金属合金を備える、またはそれらから形成されるであろう。しかしながら、他の実施例では、非分解性材料は、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、UHMW、HDPE、LDPE、またはその他等のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリエーテルスルホン、Ultem、ポリエーテルイミド、ポリウレタン、ポリアミド、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン6-6、またはその他等のナイロン、ポリ塩化ビニル、PTFE、FEP、ETFE、PFA、PVDF、ポリ塩化ビニル、アクリロブタジエンスチレン、デルリン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリフェニルスルフィド、PEBAX、または他の材料等の非分解性ポリマーを備えてもよい。なおも他の実施例では、非分解性材料は、形状もしくは熱記憶合金、形状記憶ポリマー、または超弾性材料、典型的には、ニッケルチタン合金、ばねステンレス鋼、Ni50-Mn28-Ga22、銅-アルミニウム-ニッケル、亜鉛、銅、金、および鉄の合金、Fe-Mn-Si等の鉄ベースの合金、Cu-Zn-AlおよびCu-Al-Ni等の銅ベースの合金、ポリ(ε-カプロラクトン)ジメタクリレート、PVDF/PMMA、PVDF/PVA、PLA/PVAc、またはその他、もしくは同等物等の弾性金属を備えてもよい。
【0834】
金属および金属合金の実施例では、304V、304L、および316LVステンレス鋼等のステンレス鋼、軟鋼等の合金鋼、コバルトクロム等のコバルトベースの合金、L605、Elgiloy(R)、Phynox(R)、白金クロム、白金イリジウム、および白金ロジウム等の白金ベースの合金、スズベースの合金、ロジウム、ロジウムベースの合金、パラジウム、パラジウムベースの合金、アルミニウムベースの合金、チタンまたはそれらの合金、50:50レニウムモリブデン等のレニウムベースの合金、モリブデンベースの合金、タンタル、金またはそれらの合金、銀またはそれらの合金、形状記憶金属または合金、クロムベースの合金、線形弾性および/または超弾性ニチノール等のニッケルチタン合金、ニッケル・クロム・モリブデン合金(例えば、INCONEL 625、Hastelloy C-22、Hatelloy C276、Monel 400、Nickelvac 400、および同等物)等のニッケル合金、MP35-N等のニッケル・コバルト・クロム・モリブデン合金、ニッケルモリブデン合金、タングステンまたはそれらの合金、白金濃縮ステンレス鋼、マグネシウム、20重量%未満の亜鉛またはアルミニウムを伴い、3%未満の鉄、シリコーン、マンガン、コバルト、ニッケル、イットリウム、スカンジウム、または他の希土類金属の1つまたはそれを上回る不純物を伴わない、もしくは伴うマグネシウム合金、亜鉛またはその合金、ビスマスまたはその合金、インジウムまたはその合金、スズまたはスズ鉛等のその合金、銀または銀スズ合金等のその合金、コバルト鉄合金、鉄、80-55-06グレード延性鋳鉄、他の延性鋳鉄、AISI 1010鋼、AISI 1015鋼、AISI 1430鋼、AISI 8620鋼、AISI 5140鋼、または他の鋼鉄等の鉄含有合金、溶融可融合金(40%ビスマス-60%スズ、58%ビスマス-42%スズ、ビスマス・スズ・インジウム合金等)、ビスマス、インジウム、コバルト、タングステン、ビスマス、銀、銅、鉄、亜鉛、マグネシウム、ジルコニウム、モリブデン、インジウム、スズのうちの1つまたはそれを上回るものを含む合金、または他の材料、もしくは同等物を備える、またはそれらから成る。
【0835】
ポリマー材料の実施例では、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、UHMW、HDPE、LDPE、またはその他等のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリエーテルスルホン、Ultem、ポリエーテルイミド、ポリウレタン、ポリアミド、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン6-6、またはその他等のナイロン、ポリ塩化ビニル、PTFE、FEP、ETFE、PFA、PVDF、ポリ塩化ビニル、アクリロブタジエンスチレン、デルリン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリフェニルスルフィド、PEBAX、ラクチド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、および/またはポリラクチド、ポリ(L-ラクチド)、ポリ-DL-ラクチド、ポリラクチド-co-グリコリド(例えば、85%L-ラクチド対15%グリコリドを伴うポリ(L-ラクチド-co-グリコリド))、ポリ(L-ラクチド-co-イプシロン-カプロラクトン)のコポリマー(例えば、約50~約95%L-ラクチド対約50~約5%カプロラクトンの重量比)、ポリ(L-ラクチド-co-トリメチレンカーボネート)、ポリトリメチレンカーボネート、ポリ(グリコリド-トリメチレンカーボネート)、ポリ(ラクチド-グリコリド-トリメチレンカーボネート)、または同等物等のグリコリドのターポリマー、混合物、混合、もしくはそれらの組み合わせ、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸)およびポリ(4-ヒドロキシ酪酸)等のポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリヒドロキシ酪酸/ポリヒドロキシ吉草酸コポリマー(PHV/PHB)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリイミノカーボネート、チロシン由来ポリカーボネート、チロシン由来ポリアクリレート、ヨウ化および/または臭素化チロシン由来ポリカーボネート、ヨウ化および/または臭素化チロシン由来ポリアクリレートポリエステルアミド、ポリカーボネートコポリマー、ポリ(フマル酸プロピレン-co-エチエレングリコール)コポリマー(別名フマル酸無水物)等のラクトンベースのポリマー、ポリ無水物エステル、ポリオルトエステル、シルクエラスチンポリマー、ポリホスファゼン、脂肪族ポリウレタン、ポリヒドロキシ酸、ポリエーテルエステル、ポリエステル、ポリデプシペプチド、ポリ(アルキレンオキサラート)、ポリアスパラギン酸、ポリグルタル酸ポリマー、ポリ-p-ジオキサノン、ポリ-ベータジオキサノン、非対称3,6-置換ポリ-1,4-ジオキサン-2,5-ジオノン、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、ポリデプシペプチド(グリシン-DL-ラクチドコポリマー)、ポリジヒドロピラン、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、ポリ-ベータ-マレイン酸(PMLA)、ポリアルカノエート、ポリ-ベータ-アルカン酸、エラスチン、フィブリン、コラーゲン、糖タンパク質、ゼラチン、またはペクチン等のタンパク質、ポリ-セリン、ポリカプロラクタム、シクロデキストリン、キトサンおよびヒアルロナン等の多糖類、アルギン酸塩、ポリケタール、脂肪酸ベースのポリ無水物、アミノ酸ベースのポリ無水物、ポリ(エステル無水物)、それらの組み合わせを備える、またはそれらから成る。
【0836】
いくつかの実施例または実施形態では、ステントおよび管腔内補綴具の足場ならびに他の構成要素は、本願の全体を通して説明されるように、鋭い金属縁を防止するコーティングを含む、種々の目的のためにコーティングされてもよく、および/またはコーティング材料は、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、UHMW、HDPE、LDPE、またはその他等のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリエーテルスルホン、Ultem、ポリエーテルイミド、ポリウレタン、ポリアミド、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン6-6、またはその他等のナイロン、ポリ塩化ビニル、PTFE、FEP、ETFE、PFA、PVDF、ポリ塩化ビニル、アクリロブタジエンスチレン、デルリン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリフェニルスルフィド、PEBAX、ラクチド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、および/またはポリラクチド、ポリ(L-ラクチド)、ポリ-DL-ラクチド、ポリラクチド-co-グリコリド(例えば、85%L-ラクチド対15%グリコリドを伴うポリ(L-ラクチド-co-グリコリド))、ポリ(L-ラクチド-co-イプシロン-カプロラクトン)のコポリマー(例えば、約50~約95%L-ラクチド対約50~約5%カプロラクトンの重量比)、ポリ(L-ラクチド-co-トリメチレンカーボネート)、ポリトリメチレンカーボネート、ポリ(グリコリド-トリメチレンカーボネート)、ポリ(ラクチド-グリコリド-トリメチレンカーボネート)、または同等物等のグリコリドのターポリマー、混合物、混合、もしくはそれらの組み合わせ、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸)およびポリ(4-ヒドロキシ酪酸)等のポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリヒドロキシ酪酸/ポリヒドロキシ吉草酸コポリマー(PHV/PHB)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリイミノカーボネート、チロシン由来ポリカーボネート、チロシン由来ポリアクリレート、ヨウ化および/または臭素化チロシン由来ポリカーボネート、ヨウ化および/または臭素化チロシン由来ポリアクリレートポリエステルアミド、ポリカーボネートコポリマー、ポリ(フマル酸プロピレン-co-エチエレングリコール)コポリマー(別名フマル酸無水物)等のラクトンベースのポリマー、ポリ無水物エステル、ポリオルトエステル、シルクエラスチンポリマー、ポリホスファゼン、脂肪族ポリウレタン、ポリヒドロキシ酸、ポリエーテルエステル、ポリエステル、ポリデプシペプチド、ポリ(アルキレンオキサラート)、ポリアスパラギン酸、ポリグルタル酸ポリマー、ポリ-p-ジオキサノン、ポリ-ベータジオキサノン、非対称3,6-置換ポリ-1,4-ジオキサン-2,5-ジオノン、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、ポリデプシペプチド(グリシン-DL-ラクチドコポリマー)、ポリジヒドロピラン、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、ポリ-ベータ-マレイン酸(PMLA)、ポリアルカノエート、ポリ-ベータ-アルカン酸、エラスチン、フィブリン、コラーゲン、糖タンパク質、ゼラチン、またはペクチン等のタンパク質、ポリ-セリン、ポリカプロラクタム、シクロデキストリン、キトサンおよびヒアルロナン等の多糖類、アルギン酸塩、ポリケタール、脂肪酸ベースのポリ無水物、アミノ酸ベースのポリ無水物、ポリ(エステル無水物)、それらの組み合わせ、もしくは同等物を備える、またはそれらから成る。
【0837】
一実施例では、腐食性または分解性金属もしくは金属合金材料は、ニッケル、コバルト、タングステンおよびタングステン合金、レニウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、亜鉛、チタンのタングステン合金、マグネシウム、マグネシウム合金AZ31、20重量%未満の亜鉛またはアルミニウムを伴い、3%未満の鉄、シリコーン、マンガン、コバルト、ニッケル、イットリウム、スカンジウム、または他の希土類金属の1つまたはそれを上回る不純物を伴わない、または伴うマグネシウム合金、亜鉛またはその合金、ビスマスまたはその合金、インジウムまたはその合金、スズまたはスズ鉛等のその合金、銀または銀スズ合金等のその合金、コバルト鉄合金、鉄、80-55-06グレード延性鋳鉄、他の延性鋳鉄、AISI 1010鋼、AISI 1015鋼、AISI 1430鋼、AISI 8620鋼、AISI 5140鋼、または他の鋼鉄等の鉄含有合金、溶融可融合金(40%ビスマス-60%スズ、58%ビスマス-42%スズ、ビスマス・スズ・インジウム合金等)、ビスマス、インジウム、コバルト、タングステン、ビスマス、銀、銅、鉄、亜鉛、マグネシウム、ジルコニウム、モリブデン、インジウム、スズのうちの1つまたはそれを上回るものを含む合金、または他の材料、もしくは同等物の金属または金属合金を含む。
【0838】
別の実施例では、分離領域をともに保持するために好適な材料は、分離領域上に、もしくはそれにわたってコーティングとして、および/またはステントの1つまたはそれを上回る表面上に、もしくはそれにわたってコーティングとして、形成されてもよく、そのようなコーティングは、ポリマーおよび金属(分解性または非分解性)を含む、好適なステント材料を含む、薬剤を担持してもよい。好適な材料は、ステントに組み込むために好適な接着剤、コーティング、はんだ、スリーブ、封止剤、封止剤、ポッティング化合物、固定材料、セメント、エネルギー固定、エラストマ、ならびに他の材料から成る。いくつかの実施例は、限定ではないが、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、メチル-2-シアノアクリレート、エチル-2-アクリレート、n-ブチルシアノアクリレート、2-オクチルシアノアクリレート、またはその他等のシアノアクリレート、ゴリラグルー、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、メチル-2-シアノアクリレート、エチル-2-アクリレート、n-ブチルシアノアクリレート、2-オクチルシアノアクリレート、またはその他等のリシンベースの接着剤、ゴリラグルー、TissueGlu、Sylys外科用封止剤、またはその他等のリシンベースの接着剤、フィブリン接着剤、蜜ろう等の接着剤を備える。エポキシ、エポキシアミン、Loctite、Dymax、Master Bond、またはその他からの紫外線硬化性物質、アクリル、シリコーン、熱溶融物、ポリウレタン、ポリエステル等の分解性スリーブ材料、ステント材料、およびコーティング、ポリラクチドおよびそれらのコポリマーならびに混合物、ラクチド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、グリコリドのコポリマー、ポリ(L-ラクチド)、ポリ-DL-ラクチド、ポリラクチド-co-グリコリド(例えば、ポリ(L-ラクチド-co-グリコリド)、ポリ(L-ラクチド-co-イプシロン-カプロラクトン)のコポリマー(例えば、約50~約95%L-ラクチド対約50~約5%カプロラクトンの重量比)、ポリ(L-ラクチド-co-トリメチレンカーボネート)、ポリトリメチレンカーボネート、ポリ-カプロラクトン、ポリ(グリコリド-トリメチレンカーボネート)、ポリ(ラクチド-グリコリド-トリメチレンカーボネート)、または同等物、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸)およびポリ(4-ヒドロキシ酪酸)等のポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリヒドロキシ酪酸/ポリヒドロキシ吉草酸コポリマー(PHV/PHB)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリイミノカーボネート、チロシン由来ポリカーボネート、チロシン由来ポリアクリレート、ヨウ化および/または臭素化チロシン由来ポリカーボネート、ヨウ化および/または臭素化チロシン由来ポリアクリレートポリエステルアミド、ポリカーボネートコポリマー、ポリ(フマル酸プロピレン-co-エチエレングリコール)コポリマー(別名フマル酸無水物)等のラクトンベースのポリマー、ポリ無水物エステル、ポリオルトエステル、シルクエラスチンポリマー、ポリホスファゼン、脂肪族ポリウレタン、ポリヒドロキシ酸、ポリエーテルエステル、ポリエステル、ポリデプシペプチド、ポリ(アルキレンオキサラート)、ポリアスパラギン酸、ポリグルタル酸ポリマー、ポリ-p-ジオキサノン、ポリ-ベータジオキサノン、非対称3,6-置換ポリ-1,4-ジオキサン-2,5-ジオノン、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、ポリデプシペプチド(グリシン-DL-ラクチドコポリマー)、ポリジヒドロピラン、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、ポリ-ベータ-マレイン酸(PMLA)、ポリアルカノエート、ポリ-ベータ-アルカン酸、エラスチン、フィブリン、コラーゲン、糖タンパク質、ゼラチン、またはペクチン等のタンパク質、ポリ-セリン、ポリカプロラクタム、シクロデキストリン、キトサンおよびヒアルロナン等の多糖類、アルギン酸塩、ポリケタール、脂肪酸ベースのポリ無水物、アミノ酸ベースのポリ無水物、ポリ(エステル無水物)、ポリマー混合物、および/またはコポリマー、もしくはそれらの組み合わせ、または同等物等の非分解性接着剤、封止剤、およびポッティング化合物。Sn97Cu3、Sn50Zn49Cu1、Sn95.5Cu4Ag0.5、Sn90Zn7Cu3、Sn98Ag2、Sn96.5Ag3Cu0.5、Sn91Zn9、Sn85Zn15、Sn70Zn30、Sn89Zn8Bi3、Sn83.6Zn7.6In8.8、Sn86.9In10Ag3.1、Sn95Ag3.5Zn1Cu0.5、Sn86.5Zn5.5In4.5Bi3.5、Sn95Sb5、Sn96.2Ag2.5Cu0.8Sb0.6、Sn90Au10、またはその他等の腐食性はんだもしくは可融合金、In97Ag3、In90Ag10、In50Sn50、In52Sn48またはその他等のインジウムもしくはその合金、Zn95Al5、Zn60Sn40、Zn95Sn5、またはその他等の亜鉛もしくはその合金、Bi57Sn42Ag1、Bi58Sn52、またはその他等のビスマスもしくはその合金。Au80Sn20、Au98Si2、Au87.5Ge12.5、Au82In18等の金もしくはその合金等の非腐食性はんだまたは可融合金。分解性および非分解性ポリマーは、ポリエステル、ポリラクチドおよびそれらのコポリマーならびに混合物、ラクチド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、グリコリドのコポリマー、ポリ(L-ラクチド)、ポリ-DL-ラクチド、ポリラクチド-co-グリコリド(例えば、ポリ(L-ラクチド-co-グリコリド)、ポリ(L-ラクチド-co-イプシロン-カプロラクトン)のコポリマー(例えば、約50~約95%L-ラクチド対約50~約5%カプロラクトンの重量比)、ポリ(L-ラクチド-co-トリメチレンカーボネート)、ポリトリメチレンカーボネート、ポリ-カプロラクトン、ポリ(グリコリド-トリメチレンカーボネート)、ポリ(ラクチド-グリコリド-トリメチレンカーボネート)、または同等物、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸)およびポリ(4-ヒドロキシ酪酸)等のポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリヒドロキシ酪酸/ポリヒドロキシ吉草酸コポリマー(PHV/PHB)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリイミノカーボネート、チロシン由来ポリカーボネート、チロシン由来ポリアクリレート、ヨウ化および/または臭素化チロシン由来ポリカーボネート、ヨウ化および/または臭素化チロシン由来ポリアクリレートポリエステルアミド、ポリカーボネートコポリマー、ポリ(フマル酸プロピレン-co-エチエレングリコール)コポリマー(別名フマル酸無水物)等のラクトンベースのポリマー、ポリ無水物エステル、ポリオルトエステル、シルクエラスチンポリマー、ポリホスファゼン、脂肪族ポリウレタン、ポリヒドロキシ酸、ポリエーテルエステル、ポリエステル、ポリデプシペプチド、ポリ(アルキレンオキサラート)、ポリアスパラギン酸、ポリグルタル酸ポリマー、ポリ-p-ジオキサノン、ポリ-ベータジオキサノン、非対称3,6-置換ポリ-1,4-ジオキサン-2,5-ジオノン、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、ポリデプシペプチド(グリシン-DL-ラクチドコポリマー)、ポリジヒドロピラン、ポリアルキル-2-シアノアクリレート、ポリ-ベータ-マレイン酸(PMLA)、ポリアルカノエート、ポリ-ベータ-アルカン酸、エラスチン、フィブリン、コラーゲン、糖タンパク質、ゼラチン、またはペクチン等のタンパク質、ポリ-セリン、ポリカプロラクタム、シクロデキストリン、キトサンおよびヒアルロナン等の多糖類、アルギン酸塩、ポリケタール、脂肪酸ベースのポリ無水物、アミノ酸ベースのポリ無水物、ポリ(エステル無水物)、ポリマー混合物、および/またはコポリマー、もしくはそれらの組み合わせ、または同等物、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル(熱溶融性接着剤)、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン6-6、またはその他等のポリアミド、ポリエステル樹脂、ポリエチレン(熱溶融性接着剤)、UHMW、HDPE、LDPE、またはその他、ポリクロロプレン、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリエーテルスルホン、Ultem、ポリエーテルイミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、PTFE、FEP、ETFE、PFA、PVDF、ポリ塩化ビニル、アクリロブタジエンスチレン、デルリン等のポリアセタール、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリフェニルスルフィド、PEBAX、および/またはコポリマー、ならびに/もしくはそれらの組み合わせを含む。シリコーンゴム、C-フレックス、ポリ(n-ブチルメタクリレート)、ポリ(メタメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、およびポリビニルピロリドンと混合されたポリ(n-ブチルメタクリレート)、クレイトン、ポリ(スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン)(SEBS)、ポリ(スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン)(SEPS)、ポリ(アクリル酸-b-スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン-b-アクリル酸)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)、ポリブタジエン、PVDF-HFPポリ(フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリビニルピロリドン、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ホスホリルコリン、PEBAX、ポリウレタンエラストマ、Tecoflex、Biomer、Pellethane、corethane、シリコーンゴム、ゴム、エラストマ、混合物、コポリマー、それらの組み合わせ、または同等物等の弾性非吸収性ポリマーもしくはエラストマ。形状もしくは熱記憶合金、形状記憶ポリマー、または超弾性材料、典型的には、ニッケルチタン合金、ばねステンレス鋼、Ni50-Mn28-Ga22、銅-アルミニウム-ニッケル、亜鉛、銅、金、および鉄の合金、Fe-Mn-Si等の鉄ベースの合金、Cu-Zn-AlおよびCu-Al-Ni等の銅ベースの合金、または同等物等の非腐食性弾性金属もしくは金属合金。高い初期強度を有し、経時的に脆弱化する、金属または金属合金は、Ti6Al4V、Ti5Al2.5Sn、またはTi-10V-Fe-3Al、SAF2507等のステンレス鋼、Zn5al、Zn10Al、Zn18Al、Zn30Al等の亜鉛合金、白金金属およびその合金、Sn3.9Ag0.6Cu、Sn-3.8Ag-0.7Cu、SnPb、またはSnPbAt等のスズ合金、Al1.7Fe、Al0.7Cu、A1.5MgScZr、Al6Mg0.2Sc0.15Zr、3004、8090、7075、6061、または5056等のアルミニウム合金、Zr55Al10Ni5Cu30等のジルコニウム合金、AZ31BまたはMG11li5Al1Zn0.034Sc(LAZ1151)等のマグネシウム合金、Fe29.7Mn8.7Al1C、30HGSA合金鋼、4140、C45鋼、Fe36Ni、または低炭素鋼等の鉄合金、Ni21Cr17MoまたはHaynes 230等のニッケル合金を含む。Ti6Al4V、Ti5Al2.5Sn、またはTi-10V-Fe-3Al等の従来のチタン合金、SAF2507等のステンレス鋼、白金金属およびその合金、Al1.7Fe、Al0.7Cu、A1.5MgScZr、Al6Mg0.2Sc0.15Zr、3004、8090、7075、6061、または5056等のアルミニウム合金、Zr55Al10Ni5Cu30等のジルコニウム合金、304V、304L、および316LVステンレス鋼、軟鋼等の合金鋼、コバルトクロム等のコバルトベースの合金、L605、Elgiloy(R)、Phynox、白金クロム、白金イリジウム、および白金ロジウム等の白金ベースの合金、スズベースの合金、ロジウム


、ロジウムベースの合金、パラジウム、パラジウムベースの合金、アルミニウムベースの合金、チタンまたはそれらの合金、50:50レニウムモリブデン等のレニウムベースの合金、モリブデンベースの合金、タンタル、金またはそれらの合金、銀またはそれらの銀合金、形状記憶金属または合金、クロムベースの合金、線形弾性および/または超弾性ニチノール等のニッケルチタン合金、ニッケル・クロム・モリブデン合金(例えば、INCONEL 625、Hastelloy C-22、Hatelloy C276、Monel 400、Nickelvac 400、および同等物)等のニッケル合金、MP35-N等のニッケル・コバルト・クロム・モリブデン合金、Ni21Cr17MoまたはHaynes 230等のニッケル合金、もしくはその他、ニッケルモリブデン合金、白金濃縮ステンレス鋼、それらの組み合わせ、または同等物等の非腐食性(非分解性)金属もしくは金属合金。腐食性金属または金属合金(分解性)は、ニッケル、コバルト、タングステン、レニウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、亜鉛、チタンのタングステン合金、マグネシウム、マグネシウム合金、マグネシウム合金AZ31、20重量%未満の亜鉛またはアルミニウムを伴い、3%未満の鉄、シリコーン、マンガン、コバルト、ニッケル、イットリウム、スカンジウム、または他の希土類金属の1つまたはそれを上回る不純物を伴わない、もしくは伴うマグネシウム合金、AZ31BもしくはMG11li5Al1Zn0.034Sc(LAZ1151)、亜鉛またはZn5al、Zn10Al、Zn18Al、Zn30Al等の亜鉛合金等のその合金、ビスマスまたはその合金、インジウムまたはその合金、スズまたはスズ鉛、Sn3.9Ag0.6Cu、Sn-3.8Ag-0.7Cu、SnPb、もしくはSnPbAt等のその合金、銀または銀スズ合金等のその合金、コバルト鉄合金、鉄または80-55-06グレード延性鋳鉄、他の延性鋳鉄、AISI 1010鋼、AISI 1015鋼、AISI 1430鋼、AISI 8620鋼、AISI 5140鋼、Fe29.7Mn8.7Al1C、30HGSA合金鋼、4140、C45鋼、Fe36Ni、低炭素鋼、もしくは他の鋼鉄等のその合金、溶融可融合金(40%ビスマス-60%スズ、58%ビスマス-42%スズ、ビスマス・スズ・インジウム合金等)、ビスマス、インジウム、コバルト、タングステン、ビスマス、銀、銅、鉄、亜鉛、マグネシウム、ジルコニウム、モリブデン、インジウム、スズのうちの1つまたはそれを上回るものを含む合金、もしくは他の材料、または同等物を含む。他の非分解性ポリマー材料は、パリレンおよびC-フレックスを含む。
【0839】
さらなる実施例または実施形態では、デバイスの本体、またはステント、もしくはデバイスの本体を備える材料、またはデバイスの本体の1つまたはそれを上回る層を備える材料は、1つまたはそれを上回る生物学的活性剤を備える。いくつかの実施形態では、生物学的活性剤は、抗増殖剤、抗有糸分裂剤、細胞増殖抑制剤、抗移動剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、抗炎症剤、抗凝固剤、抗血栓剤、血栓溶解剤、抗トロンビン剤、抗フィブリン剤、抗血小板剤、抗虚血剤、降圧剤、抗脂質異常症剤、抗糖尿病剤、抗癌剤、抗腫瘍剤、血管新生阻害剤、血管形成剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗ケモカイン剤、および治癒助長剤から成る群から選択される。ある実施形態では、デバイスの本体は、抗増殖剤、抗有糸分裂剤、細胞増殖抑制剤、または抗移動剤を備える。さらなる実施形態では、デバイスの本体は、抗増殖剤、抗有糸分裂剤、細胞増殖抑制剤、または抗移動剤に加えて、抗凝固剤、抗血栓剤、血栓溶解剤、抗トロンビン剤、抗フィブリン剤、または抗血小板剤を備える。本明細書で開示される生物学的活性剤の具体的実施例は、1つを上回る生物学的効果を及ぼし得ることが理解される。
【0840】
抗増殖剤、抗有糸分裂剤、細胞増殖抑制剤、および抗移動剤の実施例は、限定ではないが、ラパマイシンの哺乳類標的の阻害剤(mTOR)、ラパマイシン(シロリムスとも呼ばれる)、重水素化ラパマイシン、TAFA93、40-O-アルキル-ラパマイシン誘導体、40-O-ヒドロキシアルキル-ラパマイシン誘導体、エベロリムス{40-O-(2-ヒドロキシエチル)-ラパマイシン}、40-O-(3-ヒドロキシ)プロピル-ラパマイシン、40-O-[2-(2-ヒドロキシ)エトキシ]エチル-ラパマイシン、40-O-アルコキシアルキル-ラパマイシン誘導体、バイオリムス{-40-O-(2-エトキシエチル)-ラパマイシン}、40-O-アシル-ラパマイシン誘導体、テムシロリムス{-40-(3-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-2-メチルプロパノエート)-ラパマイシン、またはCCI-779}、40-O-リン含有ラパマイシン誘導体、リダフォロリムス(40-ジメチルホスフィナート-ラパマイシン、またはAP23573)、40(RまたはS)-ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール含有ラパマイシン誘導体、ゾタロリムス{-40-エピ-(N1-テトラゾリル)-ラパマイシン、またはABT-578}、40-エピ-(N2-テトラゾリル)-ラパマイシン、32(RまたはS)-ヒドロキシ-ラパマイシン、ミオリムス(32-デオキソ-ラパマイシン)、ノボリムス(16-O-デスメチル-ラパマイシン)、AP20840、AP23464、AP23675、AP23841、タキサン、パクリタキセル、ドセタキセル、サイトカラシン、サイトカラシンA-J、ラトランクリン、およびそれらの塩、異性体、類似体、誘導体、代謝産物、プロドラッグ、ならびに断片を含む。ラパマイシン用のIUPAC番号付与システムが、本明細書で使用される。ある実施形態では、デバイスの本体は、ミオリムスまたはノボリムスを備える。他の薬物は、例えば、数例を挙げると、メテルギン、アセチルコリン、およびニトログリセリン、それらの類似体、誘導体、ならびに代謝産物を含む、血管拡張剤および血管収縮剤を含む血管作用剤を含む。
【0841】
足場上で、および本発明の方法で使用するために好適な他の具体的薬物は、その完全な開示が参照することによって本明細書に組み込まれる、同一出願人による第US9,119,905号で説明されている。
【0842】
図4Aおよび4Bに示されるような、なおもさらなる実施例では、ステント足場1460は、クラウン1466において継合される支柱1464によって形成される、ジグザグ、蛇行、または他の円周方向リングを備える。軸方向に隣接するリング1462内の全てではないがいくつかの軸方向に隣接するクラウン1464は、隣接するリングを継合する、4方向接合点の中に継合される。接合点1468は、図4Bに示されるように、場所1470において不連続性を形成し、破損し、または二等分し、リングの円周方向分離を可能にする、分離領域である、またはそれを有してもよい。このように、隣接するリング1462は、無傷のままである接合点1468の部分によって軸方向に継合されたままであろう一方で、リングは、本明細書の他の場所に説明されるように、円周方向コンプライアンスを増加させるように円周方向に解放される。接合点1468は、前述で説明された方法のうちのいずれかで分離領域として形成されてもよく、例えば、分解性スリーブまたは接着剤によって継合される、事前形成された切れ目を有する、管腔脈動もしくはその他によって引き起こされる疲労に応答して破損する、脆弱化した領域である、または同等物である。本実施例は、軸方向に隣接するリング上の2つの継合されたクラウンを二等分する、少なくとも1つの分離領域を示すが、別の隣接するリング上の支柱に継合される、1つのリング上のクラウン等の他の構成が、説明されるように二等分されてもよい、または隣接するリング上の支柱に継合される、1つのリング上の支柱が、説明されるように二等分されてもよい。このように、隣接するリングは、二等分されるが無傷のままである軸方向リンク1468によって軸方向に継合されたままであろう一方で、リングは、本明細書の他の場所に説明されるように、円周方向コンプライアンスを増加させるように円周方向に解放される(分離される)。他の実施例では、1つを上回る分離領域が、継合されたリングおよび/または隣接するリング上の支柱を二等分するように形成されてもよい。1468における分離領域は、軸方向リンクをほぼ等しい半分に分割、分離、破壊、もしくは切断してもよい、または軸方向リンクを不平等部分に分離してもよい。それぞれの場合において、隣接する円周方向リングは、分離された軸方向リンクを通して取り付けられたままである。軸方向リンクの円周方向の二等分、分裂、または分割は、必ずしも等しい半分を作成するわけではない。なおも他の事例では、軸方向リンク1468は、軸方向に隣接するリングが分離し得る一方で、随意に、リング上の他の場所において円周方向に分離しながら、リングがその特定の接合点において円周方向に無傷のままであるように、円周方向に分離するように構成されることができる。これらの4方向接合点は、軸方向または円周方向に分離するように配向され得る、キーおよびロック接合点を含む、本明細書に説明される任意のタイプの分離領域を含んでもよい。
【0843】
図5A-8Cのように、ステント足場2460は、クラウン2466によって継合される支柱2464を備えて形成される、ジグザグ、蛇行、または他の円周方向リング2462を備える。軸方向に隣接するリング2462内の全てではないがいくつかの軸方向に隣接するクラウン2466は、軸方向リンク2468によって継合される。軸方向リンク2468は、図6Aおよび6Bに示されるように、リンクおよび両方の隣接するクラウンを二等分して、場所2470において少なくとも1つの不連続性、切れ目、もしくは二等分を形成し、リングの円周方向分離を可能にする、少なくとも1つの分離領域を有してもよい。このように、隣接するリング2462は、二等分されるが無傷のままである軸方向リンク2468によって軸方向に継合されたままであろう一方で、リングは、本明細書の他の場所に説明されるように、円周方向コンプライアンスを増加させるように円周方向に解放される(分離される)。この場合、少なくとも1つの分離領域は、リンク2468および該リンクによって継合される隣接するリング上の2つのクラウンを二等分し、またはリンクおよび1つのリング上の1つのクラウンならびにリンクによって継合される隣接するリング上の支柱を二等分し、もしくはリンクおよび1つのリング上の1つの支柱ならびにリンクによって継合される隣接するリング上の別の支柱を二等分し、前述で説明された方法のうちのいずれかで形成されてもよく、例えば、分解性材料、接着剤によって継合される、形成(事前形成)された切れ目を有する、管腔脈動もしくはその他によって引き起こされる疲労に応答して破損する、脆弱化した領域である、または同等物である。リンクは、直線状リンク、波形リンク、曲線状リンク、オフセットリンク、U字形リンク、S字形リンク、V字形リンク、または他の形状のリンクを含む、本願に説明されるような種々の形状を有することができる。他の実施例では、1つまたはそれを上回る分離領域は、継合されたリングおよび/または隣接するリング上の支柱を二等分するように形成されてもよく、リングを円周方向に分離することに加えて、両方のリングを接続するリンクもまた、分離される。リンクはまた、図5Aおよび5Bに示されるように、リングのクラウンを直接接続することもできる、または図6および7に示されるように、隣接する支柱を接続してもよい。
【0844】
図8A-8Cに示されるように、円周方向に分離可能な軸方向リンク2468は、1つのクラウン上の頂点と、隣接する円周方向リング上のクラウン上の谷部との間に延在する。そのような円周方向に分離可能な軸方向リンクは、隣接する円周方向リング上の他の領域の間に延在してもよい。例えば、図9に示されるように、円周方向に分離可能な軸方向リンク2468aは、第1の円周方向リング2462a上のクラウン2466a上の谷部と、隣接する円周方向リング2462a上のクラウン2466a上の谷部との間に延在してもよい。代替として、図10に示されるように、円周方向に分離可能な軸方向リンク2468bは、第1の円周方向リング2462bのクラウン2466b上の頂点と、隣接する円周方向リング2462b上の支柱2464bとの間に延在することができる。代替として、図11に示されるように、円周方向に分離可能な軸方向リンク2468cは、第1の円周方向リング2462c上の支柱2464cと、第2の円周方向リング2462c上の支柱2464cとの間に延在してもよい。加えて、図12に示されるように、円周方向に分離可能な軸方向リンク2468dは、軸方向リンク2468dが、その中心の近傍にS字形の領域2469dを備え、直線状軸方向リンクによって提供されるものを超える、ある程度の屈曲可能性および軸方向延在可能性を提供することを除いて、図9と同様に、第1の円周方向リング2462d上のクラウン2466d上の谷部と、隣接する円周方向リング2462d上のクラウン2466d上の谷部との間に延在してもよい。S字形または他の屈曲可能で延在可能な領域を組み込む、そのような修正されたリンクは、図8A-12に示される他の円周方向に分離可能な軸方向リンク設計のうちのいずれかに代用されてもよい。また、そのような円周方向に分離可能な軸方向リンクは、本発明の原理内で、第1の円周方向リング上の事実上あらゆる円周方向に分離可能な場所と、隣接する円周方向リング上の任意の円周方向に分離可能な場所との間に延在してもよい。
【0845】
ここで図13を参照すると、ステントグラフト2500は、グラフト構成要素を支持するために使用される本発明の足場を伴って構築されてもよい。足場は、前述で説明された構造のうちのいずれかを有してもよく、グラフトスリーブまたは膜2502の外部にわたって離間された複数の円周方向リング25404を有することが示される。グラフトは、典型的には、ポリエステルまたはePTFE等のPTFEである、任意の従来の材料から成ってもよい。ステントグラフト2500は、脚部の外部にわたって固着される付加的円周方向リング2506および2508によって被覆される脚部を伴う分岐構造を有してもよい。隣接するリングは、接続されていなくてもよい(すなわち、グラフトスリーブへの取付のみによって接続される)、または軸方向リンクによって、もしくは別様に継合されてもよい。足場は、図示されるようにグラフトスリーブの外部上にあってもよい、または代替として、内部上にあってもよい、または同軸の一対のグラフトスリーブの間に挟持される、もしくは埋め込まれてもよい。グラフトは、展開後に初期コンプライアンスを有してもよく、コンプライアンスは、分離領域が生理学的条件下で不連続性を形成した後に増加する。代替として、グラフトは、拡張(展開)に応じて、実質的に剛性であり得、グラフトは、分離領域が生理学的条件下で不連続性を形成した後に、あまり剛性ではなくなる。分離領域は、示されるように軸方向に整合されてもよい、またはグラフトの長さに沿って任意の構成を有してもよい。分離領域の数は、1つのリングから隣接するリングまで変動し得る。分離領域の数は、リングあたり1つの分離領域からリングあたり5つの分離領域まで変動し得る。代替として、1つまたはそれを上回るリングは、いかなる分離領域も有していなくてもよい。好ましい実施例では、生理学的条件は、40~150mmHgの圧力勾配を備える。
【実施例
【0846】
以下の実施例は、限定としてではなくて例証として提供される。
【0847】
(実施例1)IVUSによる血管運動評価:対照の非分解性の塑性的に変形可能なステント(DESyne、Elixir Medical Inc. n=2)と、隣接するリングを接続するS字形の軸方向リンクを伴ってリングあたり3つの均等に離間した分離領域を有するようにパターン化される、6クラウン・3リンクの非分解性の塑性的に変形可能なステントを有する、試験ステント(PR153RG、n=4)とを有する、動物のブタが、試験され、3ヶ月時点まで追跡された。試験デバイスは、分離領域(分離領域の内面、側面、および外面、ならびに分離領域内の空間を含む)を被覆し、ステント表面(管腔、反管腔側表面、および2つの側面)を被覆する、高速分解(1~3ヶ月)ラクチドコポリマーでコーティングされた。ステントはさらに、ノボリムスのトップコートおよびラクチドコポリマー薬物基質でコーティングされた。反管腔側および管腔コーティング厚さは、約10ミクロンであった。試験ステントおよび対照ステント(DESyne、Elixir Medical Inc.)は、飼育ブタの冠動脈に埋め込まれ、その後、それらは、基準(ステント拡張後)から3ヶ月において血管造影法および光学コヒーレントトモグラフィ(OCT)によって連続的に撮像された。3ヶ月時点で、試験および対照デバイスは、ニトログリセリンの存在または非存在下で、血管内超音波(IVUS)撮像を使用して、血管運動(動的拡張および収縮)に関してさらに評価された。画像は、収縮期および拡張期圧中のデバイスおよび血管移動を捕捉した。IVUSビデオからの静止画像を使用して、試験および対照デバイス埋込区画内のデバイスおよび管腔面積が、同一の静止画像に関して、収縮期および拡張期圧中に測定された。
【0848】
ステント留置血管の血管運動は、以下のように実施された。IVUSカテーテルが、ステント留置冠動脈の中に導入され、デバイス埋込血管区画のほぼ中間部分に位置付けられた。IVUSビデオが、ニトログリセリンの非存在下で捕捉された。IVUSカテーテルの位置を乱すことなく、ニトログリセリンのボーラス用量(0.5mg/mLの1mL)が、注射され、IVUSビデオが、ニトロ注射後の約3分に捕捉された。血管およびデバイスの収縮期および拡張期サイクルの静止画像が、ニトログリセリンの存在または非存在下で、血管の2つの圧力サイクルにおけるデバイスおよび管腔面積のそれぞれを測定するために使用された。
【0849】
表1および2は、それぞれ、デバイス埋込から3ヶ月後に評価されるような拡張期および収縮期圧サイクル中の試験(PR153RG)および対照(DESyne)ステントのステント留置区画の平均デバイス面積および平均管腔面積を示す。これらの測定に基づいて、拡張期と収縮期との間のステント留置区画のデバイスおよび管腔面積の平均変化率が、次いで、試験および対照デバイスに関して計算された。表7は、ニトロ前およびニトロ後状態時の両方で、2つの圧力サイクルの間に15%の試験デバイスPR153RGの平均デバイス面積の増加を示す。対照ステントの平均デバイス面積は、ニトロ前に2%、ニトロ後に4%の増加を示した。表8は、試験デバイスPR153RGおよび対照デバイスDESyneステント留置区画に関して、平均管腔面積を示す。試験デバイスステント留置区画は、ニトロ前に11%、ニトロ後に16%の平均管腔面積増加を示す一方で、対照デバイスステント留置区画は、全く増加を示さない、またはニトロ前に0%、ニトロ後に2%の最小限の平均管腔面積増加を示す。図14は、試験PR153RGステント留置区画中のリング内に形成された不連続性のOCT画像を示す。OCTフレーム内の不連続性は、図中の丸く囲まれた面積内にある。対照ステント(図に示されていない)は、リング内に分離領域または不連続性を有していない。
【表1】
【表2】
【0850】
(実施例2)下記に列挙される異なる試験用の有限要素分析モデル試験が、本発明のステントに行われた。模擬動脈は、直径にかわらず、0.010インチの壁厚を有し、内径は、ステントの外径に合致した。動脈壁材料は、0.45のポワソン比を伴う線形弾性材料としてモデル化され、動脈の内面上に100mmHgで加圧されたときに、5%直径コンプライアンスを呈した。ヤング率は、動脈直径に応じて、300~700PSIに変動した。ステント材料は、36,000,000~39,000,000PSI(36e6~39e6PSI)のヤング率と、0.3のポワソン比とを有する、線形弾性材料であった。FEAモデルは、FEMAPおよびNastranソフトウェアを使用し、+/-5%未満まで正確な結果をもたらすことが示される密度において、10ノード修正試験要素の配列から成った。本分析で使用された最小メッシュ密度は、動脈の厚さを通した要素の1つの層と、ステントの厚さを通した要素の2つの層とを有した。
【0851】
(実施例3)3点屈曲試験(図15):ステントが、各リングが3つの分離領域を有する、蛇行リングを有して、75ミクロンの厚さを有するステント材料からパターン化された。ステントは、直径3.5mmの拡張構成であり、模擬動脈に接続される。固定具が、各端部および中央に接続された。端部コネクタの間の最小分離は、11mmであった。モデルの一方の端部における固定具は、下記に示されるように線に沿って枢動することを可能にされたが、別様に移動に対して固定された。反対端における固定具は、ステントの軸の方向に第1の端部に対して枢動および移動することができた。中央における上部の上の固定具は、次いで、ステントに向かって1mm変位され、ステントおよび模擬動脈を屈曲した。線形弾性分析が、使用され、不連続性の形成に先立って1.4Nの推定力をもたらし、これは、不連続性の形成後に0.4Nまで降下した。分離領域に不連続性を伴う本発明のステントは、屈曲力の70%低減をもたらした。
【0852】
「Ormiston」試験:角度屈曲(図16):ステントが、各リングが3つの分離領域を有する、蛇行リングを有して、75ミクロンの厚さを有するステント材料からパターン化された。ステントは、直径3.5mmの拡張構成であり、基礎固定具およびレバーに(それらの間に5mmの支持されていない距離を伴って)接続された。レバー長は、レバーの先端が基礎固定具から30mmであるように、25mmであった。基礎固定具は、その底面上の全ての運動および回転に対して堅く固定された。基礎固定具から最も遠いレバー上の点は、ステントの軸と3.5mm直角に偏向された。線形弾性分析が、使用され、308e3PSIの不連続性の形成に先立った推定応力をもたらし、これは、不連続性の形成後に30.7e3PSIまで降下した。分離領域に不連続性を伴う本発明のステントは、屈曲力の90%低減をもたらした。
【0853】
試験:縦方向圧縮試験(図17Aおよび17B):ステントが、各リングが3つの分離領域を有する、蛇行リングを有して、107ミクロンの厚さを有するステント材料からパターン化された。ステントは、直径6.0mmの拡張構成であり、模擬動脈に接続された。ステント要素のそれぞれの中央の近傍の1つの点が、回転および縦方向運動に対して抑止され、動脈の各端部が、中央に向かって動脈長の3.5%変位された(合計7%の長さ短縮)。加えて、模擬動脈の内面は、それに印加された100mmHの圧力を有した。線形弾性分析が、使用され、566e3PSIの不連続性の形成に先立った推定応力をもたらし、これは、不連続性の形成後に81e3PSIまで降下した。分離領域に不連続性を伴う本発明のステントは、屈曲力の86%低減をもたらした。
【0854】
試験:捻転試験(図18):ステントが、各リングが3つの分離領域を有する、蛇行リングを有して、107ミクロンの厚さを有するステント材料からパターン化された。ステントは、直径6.0mmの拡張構成であり、軸方向および半径方向に固定された両端を伴って、模擬動脈に接続された。ステントの一方の端部が、回転に対して固定された一方で、ステントの自由に回転する端部は、ステント長の1cm毎に3.5度捻転された。加えて、模擬動脈の内面は、それに印加された100mmHの圧力を有した。線形弾性分析が、使用され、110e3PSIの不連続性の形成に先立った推定応力をもたらし、これは、不連続性の形成後に32e3PSIまで降下した。分離領域に不連続性を伴う本発明のステントは、屈曲力の70%低減をもたらした。
【0855】
試験:屈曲試験(図18):ステントが、各リングが3つの分離領域を有する、蛇行リングを有して、107ミクロンの厚さを有するステント材料からパターン化された。ステントは、直径6.0mmの拡張構成であり、対称面において半分に分割されたステントおよび動脈の両方を伴って、模擬動脈に接続された。模擬動脈の残りの半分は、対称面から最も遠い端部においてそれを囲繞した、固定具に取り付けられ、(屈曲の半径を強化するために使用される)底部に沿って可撓性スパインを形成した。加えて、模擬動脈の内面は、それに印加された100mmHの圧力を有した。対称面上の動脈およびステントの全ての点が、その面に限定された。スパインは、図17に示されるように、垂直変位に対して固定された。スパイン上の点は、図18に示されるように、標的半径上の点まで変位された。大型変形非線形弾性分析が、使用され、486e3PSIの不連続性の形成に先立った推定応力をもたらし、これは、不連続性の形成後に69e3PSIまで降下した。分離領域に不連続性を伴う本発明のステントは、屈曲力の86%低減をもたらした。
【0856】
図19-28は、本発明の分離領域を組み込み得る、異なる足場幾何学形状を図示する。図19の足場は、(2つの端部リングの間の内側リングと比較して)延長された支柱および分離領域の両方を組み込む、端部リングを有する。これはまた、ほぼ中間リングクラウンよりも小さい幅および厚さを有する、端部リングクラウンも示す。そのような修正された端部リングは、前述で議論されたように、展開後に端部の剛性を低減させ、コンプライアンスの急激な変化を低減させる。図20は、足場の円筒表面を中心として螺旋状に配列された分離領域を伴う直線状足場を図示する。図21は、本発明の分離領域を組み込む、テーパ状ステントを図示する。図22は、本発明の分離領域を組み込む、完全曲線縮径足場を図示する。図23は、本発明の分離領域を組み込む、平坦縮径足場を図示する。図24は、本発明の分離領域を組み込む、波状または「コークボトル」足場を図示する。図25は、本発明の分離領域を組み込む、円筒形凸状または「外向きに曲がった」表面を有する、足場を図示する。図26は、本発明の分離領域を組み込む、内向きにテーパ状の胴部と、直線状円筒形端部とを有する、足場を図示する。図27は、本発明の分離領域を組み込む、外向きに拡張した胴部と、直線状円筒形端部とを有する、足場を図示する。図28の足場は、2つの付加的足場リングを伴う、図20に類似する構造を有する。図18-28は、隣接する円周方向リングを継合する軸方向リンクの各側面上に位置する分離領域を提供する、ステント幾何学形状の変形例を示す。これらの実施例は、各側面に位置する分離領域を有する、全ての軸方向リンクを伴ってステントの周囲に螺旋状に位置付けられた分離領域の列を示す。そのような構成は、ステントが圧着構成から拡張構成まで拡張するにつれて軸方向リンクにおける応力を減少させ、ステントのより一様な拡張に寄与することによって、安定性をステントに提供する。軸方向リンクは、依然として、拡張および不連続性の形成後に、隣接する円周方向リングを接続するであろう。
【0857】
図29および30は、本発明の分離領域を組み込み得る、螺旋ワイヤステントを図示する。図29は、螺旋ワイヤステントを示し、図30は、螺旋に巻回されたジグザグワイヤを示す。そのような螺旋ワイヤステントは、典型的には、ばね、形状記憶合金等の弾性金属から形成され、典型的には、自己拡張式であろう。
【0858】
図31は、本発明の分離領域を組み込む、閉鎖セル逆巻回螺旋足場を図示する。そのような逆巻回ステントは、典型的には、形状記憶合金等の弾性金属ワイヤまたは管から形成され、自己拡張式であろう。代替として、そのような足場は、金属管からパターン化され、後に、それらの展開寸法に拡張されてもよい。
【0859】
図32-34は、本発明の分離領域を組み込む、輪、左心耳(LAA)閉鎖、および他の目的等のある生体構造のために好適である、漏斗形足場を図示する。これらの設計では、足場のより大きい端部のみが、その円周を中心として分離領域を有するが、しかしながら、そのような分離領域は、本願に説明されるような種々の目的を達成するように足場の種々の領域中に構成され得ることを理解することができる。本拡大端部は、LAAの中に終端するテーパ状端部を伴って、LAAの開口部に位置付けられる。図33に示されるように、被覆が、(塞栓が形成し得る)左心房とLAAとの間の血流を阻止するように、拡大端部にわたって形成されてもよい。代替として、カバーは、図34に示されるように、テーパ状端部にわたり得る。図19-28に示される種々の足場幾何学形状は、離脱(足場リング内の不連続性の形成)後に足場のある幾何学形状を達成するための足場の足場区画のうちの1つまたはそれを上回るものの中の分離領域の組み込みを図示する。例証は、拡張構成時、および離脱前、または生理学的条件下でそのような幾何学形状をもたらすように構成される分離領域の離脱の結果としての足場のものである。好ましい実施例では、足場は、圧着構成から拡張構成まで拡張され、拡張構成時の足場は、略円筒形であり、不連続性の形成後の足場は、生体構造に共形化し、図21-27および32-34の実施例に説明されるような種々の幾何学形状を形成する。図21-34の実施例では、ステント補綴具構成は、典型的には一様な圧着構成を有する、拡張構成であるが、圧着状態時にそのような構成を有してもよい、または該分離領域が不連続性を形成した後にそのような構成を有してもよい。
【0860】
ここで図35A-35Cを参照すると、足場2600は、クラウン2606によって継合される支柱2604を含む、複数の円周方向リング2602を含む。隣接する円周方向リング2602はそれぞれ、U字形の幾何学形状を有し、隣接する円周方向リング2602上のクラウンの間に継合される、円周方向に分離可能な軸方向リンク2608によって継合される。クラウンはまた、図35Bに示されるように、足場が生理学的環境内で拡張されるときに、軸方向リンクおよびクラウンの両方がともに分離し得るように、軸方向リンク2608によって継合される場所で円周方向に分離可能である。図35Bは、軸方向リンク2608のうちのいくつかがまだ分離していないが、大部分が分離している、遷移状態を示すことに留意されたい。図35Cに示されるように、各円周方向に分離可能な軸方向リンク2608は、外側U字形区画2610と、内側U字形区画2612とを含む。外側区画は、内側区画よりも広く、区画はそれぞれ、依然として一緒であるとき、または分離後に、屈曲および軸方向に伸長することが可能である。外側区画と内側区画との間の界面表面または間隙は、隣接するクラウンの間の距離を有意に上回る長さを有する。図示されるように、本界面表面または間隙領域の長さは、拡張前のステント内の隣接するクラウンの間の距離の約3倍である。空間長の増加は、特定の状況および幾何学形状に応じて、変動し得る。
【0861】
ここで図36A-36Cを参照すると、支柱2624と、クラウン2626とを含む、複数の円周方向リング2622を備える、足場2620が、説明されるであろう。隣接する円周方向リング2622は、略S字形を有する、円周方向に分離可能な軸方向リンク2628によって継合される。S字形軸方向リンクはまた、生理学的環境内の埋込および暴露に応答して、屈曲および軸方向に伸長することが可能である。足場は、図36Aではリンク2628の分離に先立って示される一方で、足場は、図36Bでは部分的に分離されて示される。S字形軸方向リンク2628は、より広いおよびより狭い部分の両方を有する、第1の区画2610と、類似するより広いおよびより狭い部分を有する、第2の合同な区画2612とを含む。区画はそれぞれ、分離に先立って隣接する円周方向リング上の一対の支柱2624を継合し、区画は、分離後に無傷のままであり、全ての分離リングが分離した後でさえも、隣接する円周方向リングの部分をともに保持し続ける。
【0862】
図36Dは、足場が半径方向に拡張され、軸方向リンクが部分的に円周方向に分離した後の図36A-36Cに示されるパターンを伴って加工された足場を示す、写真である。
【0863】
ここで図37Aおよび37Bを参照すると、本発明の原理に従って構築される足場2640は、クラウン2646によって継合される複数の支柱2644をそれぞれ含む、複数の円周方向リング2642を備える。隣接する円周方向リング上のクラウンは、図37Aではそれらの分離されていない構成で、図37Bではそれらの分離された構成で示される、円周方向に分離可能な軸方向リンク2648によって継合される。特に注目すべきこととして、最端部円周方向リング2642aは、ある領域またはその部分2650が、これらの残りのブリッジ2650が存在しない場合に完全に分離するであろう、足場の別様に分離された軸方向領域に跨架または架橋するように、分離する。別の言い方をすれば、軸方向リンク2648の完全分離後、支柱およびクラウンの残りのアセンブリは、図37Bに視認されるように、前後にループ状である連続長を形成する。そのような継続的分離は、足場の任意の部分が分離領域の分離後に不注意に解放されるであろう可能性を低減させるために有利であり得る。
【0864】
ここで図38-38Cを参照すると、本発明の原理に従って構築される足場2660は、複数の円周方向リング2662を含み、各リングは、クラウン2666によって継合される個々の支柱2664を含む。各円周方向リングは、3つの円周方向に分離可能な軸方向リンク2668によって、少なくとも1つの隣接する円周方向リングに継合され、軸方向リンクは、略S字形の幾何学形状を有することが示される。図38AおよびBに示されるように、円周方向に分離可能な軸方向リンク2668は、円周方向に対して斜角で配向される、分離界面または間隙2670を有する。図38Cに示されるように、分離界面の配向は、完全拡張に応じて、ステントの周囲の円周方向と略平行に整合されるように、拡張に応じて変化し得る。円周方向から離れるように分離間隙の方向を配向することは、ステントが展開中に規則的に拡張されるにつれて分離領域の安定性を固定化または維持することに役立ち得る。展開後、当然ながら、円周方向に分離可能な軸方向リンクの区画をともに保持する、生分解性ポリマーまたは他の接着剤材料は、分解し、リンクが円周方向に開放することを可能にするであろう。軸の長さに沿った軸方向リンクの長さは、0.10mm~1.4mm、好ましくは、0.2mm~1.1mm、より好ましくは、0.2mm~0.7mmであってもよい。軸方向リンクの軸の長さに沿った長さは、隣接する支柱の長さと比較して10%~150%、好ましくは、隣接する支柱の長さと比較して20%~110%、より好ましくは、隣接する支柱の長さと比較して20%~70%であってもよい。接合線自体は、長さおよび厚さを有し、例えば、長さが0.5~7mm、好ましくは、長さが0.9~5.5mm、より好ましくは、長さが1.4~3.7mm、厚さが60~90ミクロン、または接合の各側面上の表面積が0.03~0.7mmである。
【0865】
ここで図39A-39Cを参照すると、本発明の原理に従って構築される足場2680は、クラウン2686によって継合される複数の支柱2684をそれぞれ含む、複数の円周方向リング2682を含む。隣接する円周方向リングは、ω字形の幾何学形状を有する、3つの円周方向に分離可能な軸方向リンク2688によってともに保持される。図39Bに示されるように、ω字形の円周方向に分離可能な軸方向リンクの各端部は、隣接する円周方向リングの支柱の中で継合されてもよい一方で、図39Cに示されるように、軸方向リンク2688の端部は、各円周方向リンクのクラウン2686の中で継合されてもよい。特に、図39Cに示されるように、軸方向リンク2688の端部は、各クラウンの側面において継合される。代替実施形態(図示される)では、本明細書に図示される円周方向に軸方向のリンクのうちのいずれかは、クラウンの頂点において、またはそれが隣接する支柱を継合する、クラウンの頂点と側方部分との間の任意の点において、継合され得る。
【0866】
ここで図40に示されるように、本発明の原理に従って構築される足場2700は、ステントの周囲に螺旋状に分配される複数のS字形の円周方向に分離可能な軸方向リンク2702を含む。対照的に、図41に示されるように、足場2704は、足場に沿って軸方向に配列される、複数の円周方向に分離可能な軸方向リンク2706であった。足場2700は、円周方向に分離可能な軸方向リンク2702の3つの螺旋配列を有する一方で、足場2704は、円周方向に分離可能な軸方向リンク2706の2つの線形配列を有する。本実施例では、S字形リンクは、いくつかの他の実施例と異なるように角度を付けられる。ここで、S字形リンクの「射出」角は、リンクが取り付けられる支柱のそれぞれに対して90度にある。
【0867】
ここで図42Aおよび42Bを参照すると、本発明による、円周方向に分離可能な軸方向リンクは、種々の形態をとってもよい。前の図では、リンクは、概して、曲線状であるものとして示されているが、楔形等の他の幾何学形状も可能である。図42Aに示されるように、楔形リンク2710は、隣接する円周方向リング2714上の一対の対向クラウン2712上の頂点の間に延在する。代替として、楔形の円周方向に分離可能な軸方向リンク2720は、隣接する円周方向リング2724上の支柱2722の間に延在してもよい。
【0868】
ここで図43を参照すると、支柱2744と、クラウン2746とをそれぞれ含む、複数の円周方向リング2742を備える、足場2740は、隣接する円周方向リングを継合する、S字形の円周方向に分離可能な軸方向リンク2748を有する。クラウンは、「キー孔」クラウンであり、軸方向リンク2748は、図示されるようにキー孔クラウンの部分を開放するように継合される。
【0869】
例示的軸方向リンク構造2800が、図44に図示され、一対の左支柱2802と、一対の右支柱2804とを含む。支柱対は、左支柱2802の基部における取付点から右方向に延在する、第1の直線状区分2808を有する、S字形軸方向リンク領域によって継合される。軸方向リンクは、リンク領域が直線状領域2812に遷移する、第1の屈曲または湾曲2802まで右向きに延在する。湾曲は、遷移領域12の方向が支柱の左側に向かって戻るように、90°を上回り、約135°として示される。第2の曲線状または屈曲領域2014は、次いで、右向き方向に戻るようにリンク領域の方向をとり、第2の直線状または軸方向に整合された部分2816において終端する。S字形軸方向リンク領域は、その中心を通して延設される分割線2818を有し、リンク領域の逆転湾曲によってともに保持される。特に、第1の直線状または軸方向区分2808および第2の直線状または軸方向区分2816内の分割線の両側の区画の間の界面は、円周方向拡張力が足場に印加されるときに、軸方向リンクの円周方向分離に抵抗するように、直接反対にある。
【0870】
ここで図45を参照すると、代替的軸方向リンク構造2850が、図示される。軸方向リンク構造2850はまた、一対の左支柱2852および右支柱2854も有する。左支柱2852は、即時に右向き方向に、第1の曲線状区分2858に、次いで、第2の曲線状領域2860に合併する。直線状の軸方向に整合された領域2868は、次いで、右向き方向に、第3の屈曲または曲線状領域2864に向かって、即時に、右支柱対2854の基部に継合する第4の曲線状領域2866の中に延在する。軸方向リンク2850は、分割線2868によって、第1および第2の区画に分割される。2つの区画は、最初に、軸方向リンク2850の形状が図45に図示されるように留まる限り、ともに保持される。しかしながら、足場が拡張すると、軸方向リンクは、変形し、軸方向リンクが円周方向に分離することを可能にするであろう。例えば、左および右支柱2852ならびに2854への軸方向リンクの取付点は、軸方向に引き離され、軸方向リンクの下側区画が軸方向リンクの上側区画の拘束から抜け出すことを可能にする。
【0871】
さらなる例示的ステント足場2900が、図46Aおよび46Bに図示される。図46Bは、広げられた図でステントまたは足場を図示する。ステント足場は、円周方向に分離可能な軸方向リンク2904によって継合される、複数の円周方向リング2902を含む。軸方向リンク2904は、ステントの円筒本体の周囲の一対の平行螺旋線に配列される。このように、ステントは、全ての軸方向リンクが分離した後に完全に接続されていない、一対の螺旋リボンに分離することができる。軸方向リンク2904は、図47Aおよび47Bにより詳細に図示される。左支柱2906は、略軸方向から円周方向に整合された方向に変わる、第1の曲線状領域2910中で継合する。方向転換は、短い直線状領域2912が左向き方向に戻るように指向され、ステント足場の軸と平行に配向されるまで継続する。左向き方向に短い距離を延在した後、軸方向リンクは、約180°曲がる第2の湾曲に進入し、遷移領域2916に進入する。遷移領域2916は、湾曲を継続し、右側の支柱2908に取り付けられる対称形状の領域の中へ略S字形の遷移を行う。2912において示されるリンク区画の直線状界面領域は、ステント足場自体が円周方向に拡張されるにつれて、円周方向分離に対する十分な抵抗を提供することを理解されたい。
【0872】
円周方向拡張および分離に対する抵抗の程度は、軸方向リンク2904内の短い平坦区画の角度を変化させることによって、調節されることができる。例えば、図48Aおよび48Bに示されるように、平坦領域は、分割線2918に沿った分離に対する抵抗が増加されるように、(右向き方向に対して視認されたときに)下向きに傾転されることができる。代替として、軸方向リンクの円周方向分離に対する抵抗は、図49Aおよび49Bで2942において示されるように、右向き方向へ上向きに短い区画内の分割線の方向を変えることによって減少されることができる。下向き傾斜の角度αおよび/または上向き傾斜の角度αは、円周方向分離に対する抵抗を調節するために増加または減少されることができる。
【0873】
図50および51は、それらの初期係止構成(図50)および部分的解放ならびに完全解放構成(図51)時の図46A-46Bおよび47A-49Bに示されるものに類似する、円周方向に分離可能な軸方向リンクを示す、写真である。
【0874】
図52および53は、一対の軸方向線(図52)または一対の螺旋線(図53)に沿って配列されたS字形リンクを有する、ステント足場のさらなる例示的実施形態を図示する。両方の場合において、ステントは、円周方向に分離可能な軸方向リンクのそれぞれの中の分離線を通して完全に分離するであろう。
【0875】
図54A-54Cは、部分リング分離を伴う代替的足場構造を図示する。分離線は、図54Cに示されるように、ステントが平行線に沿って分離し得るように、図54Aに示されるように、ステント足場の支柱を通して延設される。通常、それを通して形成された分離線を有する「分割」支柱は、(図54Bに示されるように)生分解性スリーブによって、または本明細書に説明される他の固定化手段のうちのいずれかによって、ともに最初に保持されるであろう。
【0876】
本開示のある実施形態または実施例が詳細に説明されているが、本明細書に説明される全ての特徴および利益を提供するわけではない場合がある実施形態または実施例を含む、変形例および修正が、当業者に明白となるであろう。本開示は、具体的に開示される実施形態または実施例を超えて、他の代替的または付加的実施例もしくは実施形態および/または用途ならびに明白な修正およびそれらの均等物まで拡張することが、当業者によって理解されるであろう。加えて、いくつかの変形例が、変動する詳細で示され、説明されているが、本開示の範囲内である他の修正が、本開示に基づいて当業者に容易に明白となるであろう。また、実施形態および実施例の具体的特徴ならびに側面の種々の組み合わせまたは副次的組み合わせが行われ、依然として本開示の範囲内に入り得ることも考慮される。故に、開示される実施形態の種々の特徴および側面は、本開示の変動する様態または実施例を形成するために、相互と組み合わせられ得る、もしくは相互に代用され得ることを理解されたい。すなわち、本明細書に開示される本開示の範囲は、上記で説明される特定の開示される実施形態または実施例によって限定されるべきではないことが意図される。上記で説明される実施形態および実施例の全てに関して、例えば、任意の方法のステップは、連続的に実施される必要はない。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35A
図35B
図35C
図36A
図36B
図36C
図36D
図37A
図37B
図38A
図38B
図38C
図39A
図39B
図39C
図40
図41
図42A
図42B
図43
図44
図45
図46A
図46B
図47A
図47B
図48A
図48B
図49A
図49B
図50
図51
図52
図53
図54A
図54B
図54C