(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】少なくとも1台の輸送器を備えた輸送装備、およびこのような輸送装備を製造、作動および維持管理する方法
(51)【国際特許分類】
B62B 5/00 20060101AFI20230202BHJP
B62B 3/00 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
B62B5/00 Z
B62B3/00 F
(21)【出願番号】P 2020545688
(86)(22)【出願日】2019-02-22
(86)【国際出願番号】 DE2019000045
(87)【国際公開番号】W WO2019166038
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】202018001120.7
(32)【優先日】2018-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】202018001297.1
(32)【優先日】2018-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102018002625.7
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102018003664.3
(32)【優先日】2018-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102018004282.1
(32)【優先日】2018-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520296864
【氏名又は名称】エバライン,マルティン
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】エバライン,マルティン
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-512637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 1/00- 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別手段によって個別化され、1台以上の商品積載器と1個以上のハンドルとを有し、それぞれ同一な輸送器と積層される輸送器を少なくとも一つ有し、同一および/または異なる輸送器に少なくとも二つの電源型電子装置が配置されており、
前記電源型電子装置
の少なくとも一つはユーザーインターフェースの機能をし、
前記電源型電子装置
の少なくとも一つは検知器
を備え、
前記電源型電子装置の各々がデータ処理手段と無線データ送信器とを有する輸送装備であって、
前記電源型電子装置が備える前記少なくとも一つの前記検知器が、前記電源型電子装置の前記少なくとも一つおよび/または前記電源型電子装置の他の少なくとも一つについての前記輸送装備上の空間的位置
を検知するように前記電源型電子装置が輸送装備に配置され、
前記輸送装備は、少なくとも二つの電子装置について、
前記検知器とデータ処理手段と無線データ送信器とを用いて、各々の識別子と輸送装備上の空間的位置とが互いに割り当てられ得るように各々の識別子と輸送装備上の空間的位置とを決定することを特徴とする輸送装備。
【請求項2】
前記輸送装備は、輸送器を積層してなることを特徴とする、請求項1に記載の輸送装備。
【請求項3】
前記少なくとも一つの輸送器は、ショッピングカート、プラットフォームトロリー、手荷物トロリー、ロールコンテナ、トレイトロリー、ローラーバスケット、ショッピングバスケット、トレイまたはハンドトラックであることを特徴とする、請求項1に記載の輸送装備。
【請求項4】
前記少なくとも二つの電子装置は、前記少なくとも一つの輸送器のハンドル、商品積載器、シャシーおよび/またはチャイルドシート装置に配置され、複数の同一な輸送器の積層体の二つの積層デッドスペースに各々位置することを特徴とする、請求項1に記載の輸送装備。
【請求項5】
前記少なくとも一つの電子装置は、前記少なくとも一つの輸送器のハンドル、商品積載器、シャシーまたはチャイルドシート装置に連結され、このような連結により、当該電子装置の意図された位置が前記少なくとも一つの輸送器に配置された他の電子装置に連結されるようにすることを特徴とする、請求項1に記載の輸送装備。
【請求項6】
前記少なくとも二つの電子装置は、ハウジングと識別によってのみ区分されることを特徴とする、請求項1に記載の輸送装備。
【請求項7】
前記輸送装備は、検知器から自身の識別子および/または他の電子装置の識別子を、検知器によって生成された画像データと共にまたは当該画像データの一部として他の電子装置に送信することを特徴とする、請求項1に記載の輸送装備。
【請求項8】
少なくとも一つの電源型電子装置の空間的配置が光学および/または音響の能動生成または受動的に利用可能な信号を用いて決定され、当該信号によって識別子が暗号化されて送信されることを特徴とする、請求項1に記載の輸送装備。
【請求項9】
少なくとも一つの電源型電子装置に対して輸送装備に第1および第2空間的位置が提供され、両位置において電子装置が少なくとも一つの輸送器の同一な取り付け部に連結され、第1空間的位置を取る少なくとも一つの電子装置と取り付け部との間に電気接点が位置し、第2空間的位置を取る少なくとも一つの電子装置と取り付け部との間には電気接点がないことを特徴とする、請求項1に記載の輸送装備。
【請求項10】
無線電源として無線誘導充電器が用いられ、このような無線電源は、各々の電子装置の局部的蓄電器だけを充電するか、または送信器の役割もし、または同一な電子装置内で送信器に電気を供給し、当該送信器は少なくとも一つの他の電子装置に誘導電気を送ることを特徴とする、請求項1に記載の輸送装備。
【請求項11】
前記輸送装備は、少なくとも二つの電子装置の相互関連した識別子と空間的位置データとを用いて、少なくとも二つの電子装置に対する誘導充電過程を開始、制御または終了することを特徴とする、請求項1に記載の輸送装備。
【請求項12】
前記輸送装備は、輸送装備そのものや一部の存在、構成、配置、機能、破損有無および/または意図された/意図されていない使用を含めて状態や状態変化に関するデータを生成することを特徴とする、請求項1に記載の輸送装備。
【請求項13】
前記輸送装備は、少なくとも一つのユーザーインターフェースを用いてユーザーが利用できる輸送装備の過去および/または現在の状態や状態変化に関するデータを生成するか、および/または当該データを輸送装備に属しないデータ処理器に無線で送信することを特徴とする、請求項1に記載の輸送装備。
【請求項14】
前記輸送装備は、第1に、少なくとも一つの第1検知器の助けにより、少なくとも一つの第1電子装置の位置に関する位置データを持続的に生成し、当該位置データは輸送装備に作用する妨害作用の妨害信号として検知され、第2に、生成された位置データを用いて少なくとも一つの第2検知器に対する妨害の影響を決定し、第3に、妨害信号を考慮して、第2検知器によって生成されたデータを補正および/または持続的にデノイズ(denoise)をすることを特徴とする、請求項1に記載の輸送装備。
【請求項15】
請求項1に記載の輸送装備を製造、作動および維持管理する方法であって、
少なくとも一つの他の電子装置が識別手段を介して少なくとも一つの電源型電子装置によって個別的に探知される第1ステップ、
少なくとも一つの検知器が輸送装備での少なくとも一つの他の電子装置の空間的位置を決定し、および/または少なくとも二つの検知器が自身の位置を共通空間区域の探知によって決定する第2ステップ、および
輸送装備が、少なくとも二つの電子装置について、データ処理手段と無線データ送信器とを用いて、各々の識別子と輸送装備上の空間的位置とが互いに割り当てられ得るように各々の識別子と輸送装備上の空間的位置とを決定する第3ステップを含み、
第1ステップと第2ステップは逆順や同時に実行されるかまたは一つのステップとして実行されることを特徴とする方法。
【請求項16】
輸送装備は、輸送器を積層してなることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
検知器によって生成された画像データと共にまたは当該画像データの一部として、検知器として作用する少なくとも一つの電源型電子装置から自身の識別子および/または他の電子装置の検知された識別子が他の電子装置に無線で送信されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも一つの電源型電子装置の空間的配置が光学および/または音響の能動生成または受動的に利用可能な信号を用いて決定され、当該信号によって識別子も送信されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも一つの電源型電子装置が少なくとも一つの輸送器の取り付け部において第1空間的位置に配置され、前記第1空間的位置において電源型電子装置と取り付け部との間に電気接点が位置し、次に電源型電子装置が取り付け部において第2空間的位置に配置され、第2空間的位置においては電源型電子装置と取り付け部との間に電気接点がないことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
輸送装備は、少なくとも二つの電子装置に電気を供給する誘導充電過程を開始、制御または終了するために、少なくとも二つの電子装置の互いに割り当てられた空間的位置データと識別子とを用いることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
互いに割り当てられた識別子と空間的位置データとを用いて、輸送器は、存在、構成、配置、機能、破損有無および/または意図された/意図されていない使用を含めて輸送装備やその一部の状態や状態変化に関するデータを生成することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
輸送装備は、少なくとも一つのユーザーインターフェースを用いてユーザーが利用できる輸送装備の過去および/または現在の状態や状態変化に関するデータを生成するか、および/または当該データを輸送装備に属しないデータ処理器に無線で送信することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
第1ステップとして、輸送装備は、少なくとも一つの第1検知器の助けにより、少なくとも一つの第1電子装置の位置に関する位置データを持続的に生成し、位置変化が輸送装備に作用する妨害作用の妨害信号として検知され、
第2ステップとして、生成された位置データを用いて少なくとも一つの第2検知器に対する妨害の影響を決定し、
第3ステップとして、妨害信号を考慮して、第2検知器によって生成されたデータを補正および/または持続的にデノイズし、
これらの三つのステップが輸送器によって互いに持続的に並列に実行されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
第1ステップとして、識別手段によって個別化された携帯通信機器が第1輸送装備の意図された位置に配置され、
第1ステップによる第2ステップとして、輸送装備上の携帯通信機器の空間的位置と識別子とが互いに割り当てられ得るように輸送装備上の携帯通信機器の空間的位置と識別子とが第1輸送装備によって決定され、
第2ステップによる第3ステップとして、携帯通信機器と第1輸送装備との間に無線データ連結がセットアップされ、他の電子装置として携帯通信機器を備えた第2輸送装備が形成され、携帯通信機器が輸送装備の意図された位置から除去されれば、携帯通信機器と輸送装備との間の無線データ連結が維持されるかまたは維持されず、携帯通信機器の除去によって第1輸送装備が再び形成され、
第4ステップとして、第1輸送装備の少なくとも一つの輸送器を類似した輸送器と積層して積層組み合わせ体に該当する第3輸送装備が形成され、第3輸送装備の形成により、携帯通信機器と輸送装備との間の無線データ連結が切れることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、識別手段によって個別化され、1台以上の商品積載器と1個以上のハンドルとを有し、それぞれ同一な輸送器と積層される輸送器を少なくとも一つ有し、同一および/または異なる輸送器に少なくとも二つの電源型電子装置が配置されており、少なくとも一つの電子装置はユーザーインターフェースの機能をし、少なくとも一つの電子装置は検知器の機能をし、電子装置の各々がデータ処理手段と無線データ送信器とを有する輸送装備に関する。
【0002】
本発明は、このような輸送装備を製造、作動および維持管理する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
輸送器を1台以上備えた輸送装備は、輸送器を一つや複数備えた輸送装備として知られている。
【0004】
輸送器が一つのみであり、電子装備はなく、電源が不要な輸送装備は、三つのカテゴリーに分類される。
【0005】
第1カテゴリーの輸送装備は、上下に積層され、シャシーとキャスターを有しないものであって、セルフサービス店舗で使われるバスケットと飲食施設で使われるトレイがある。第2カテゴリーの輸送装備は、上下に積層され、キャスターは有するが、シャシーは有しないものであって、セルフサービス店舗で使われるローラーバスケットがある。第3カテゴリーの輸送装備は、水平に積層され、キャスターとシャシーを有するものであって、ショッピングカート、プラットフォームトロリー、手荷物トロリー、ロールコンテナ、トレイトロリーおよびハンドトラックがある。ローラーで動く輸送装備は、電動式ではないものが普通である。
【0006】
複数台の輸送器を備えた輸送装備は、同一な輸送器を積層したものと、このような目的で用いられる様々な輸送器を組み合わせたものがある。このような組み合わせは、ショッピングバスケットとショッピングバスケットを支持するプラットフォームトロリーとからなるか、または携帯型商品コンテナと当該商品コンテナを支持するロールコンテナとからなる。ハンドルは、プッシュハンドルと支持ハンドルは勿論、輸送装備を手や機械で動かすための関連装置がある。
【0007】
第3カテゴリーの輸送装備は、ユーザーインターフェースおよび/または検知器の機能を有する電源型電子装置を備えるものが普通である。電子装置が複数である場合、互いにケーブルを介して連結され、電源の役割は勿論、電子装置の相互認識、データ交換および電子装置をデータ処理システムに統合する役割をする。蓄電器を充電する間、移動式輸送器を充電所に固定し、この時には使えない。
【0008】
WO2000/073971A1に紹介されたシステムは、輸送器に着脱される複数の電子装置からなり、データの処理およびストレージ装置、バーコートリーダー、光電バリアーおよび秤は、輸送器に設置される場合にのみ電気が供給される。電子装置と輸送装備との間の電気プラグ連結部は、通信ポートの役割もしなければならない。したがって、データ交換と輸送器に対する機械的付着のために、プラグ連結部が電源の役割をするようになっている。輸送器と金銭登録器との間の通信は、ケーブルポートを通してまたは無線で行われなければならない。
【0009】
電源型電子装置を備えた輸送装備とその用途は、US4,071,740A、US5,287,266A、US5,361,8871A、JP2004 110805A、US6,484,939B1、US5,773,954A、US5,821,513A、US5,250,789A、US6,910,697B2、US2006/0289637A1、US8,751,318B2、WO2016/135142A1、US2018/0025412A1、US2018/0218351A1およびEP15893050A1に紹介されている。輸送器での識別手段の探知は、WO2016/019936A2に紹介されている。Tracxpointの「AIC」や「人工知能カート」も公知されている。ケーブルとプラグの連結は、電源型電子装置を備えた輸送器の製作費が高く、維持管理が難しく、エラーが生じ易く、適用分野と実用性を制限させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、以上で説明した種類の輸送装備をさらに開発して最大に様々な種類の輸送装備を作り、輸送器を自由に組み合わせて複数の輸送器を備えた輸送装備を形成することにある。生産、維持管理および作動を安価で単純化しようとする。このような方式は、請求項1の特徴部に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、少なくとも一つの輸送器を備えた輸送装備は、各々の電源型電子装置について、互いに割り当てることができる輸送器上の空間的位置と識別子とを自律的で自動的に決定することができる。この場合、電源型電子装置のシステム統合が可能であり、この場合、無線データ連結をするための活動とケーブル連結が不要である。複数の輸送器を備えた輸送装備への輸送器の手動式や機械式組み合わせは勿論、生産と維持管理のために非電源式輸送器として知られた機械式組み立ては依然として維持される。
【0012】
様々なオプションを技術的に実現することができる。
【0013】
電子装置全体は無線電源を有する。各々の蓄電器を充電するかまたは取り換えるための統合装置と結合された蓄電器がこの目的に合う。これは、輸送装備の安全に有利であり、電子装置間の電流の流れを防止する。
【0014】
蓄電器を取り換えるための装置としては交換式バッテリーをホールドする装置があるが、バッテリーを輸送装備の正常な維持管理サイクルの一部として取り換えなければならない場合、最小6ヶ月のバッテリー寿命が必要であって、低電力消費装備にその使用が制限される。したがって、本発明においては、統合された蓄電器を充電する装置として誘導充電器を用い、この場合、ケーブル連結とバッテリー取り換えを避けることができるので好ましい。
【0015】
輸送装備は、少なくとも2個の電子装置に電気を供給する誘導充電過程を開始、制御、終了するために、このような電子装置の空間的位置データと相互関連した識別子とを用いる。このために、輸送装備は、評価のためにエネルギー供給器に位置データを送信、および/または位置データに合わせて生成された制御信号を送信、および/または輸送装備自身の電子装置を制御することができる。したがって、誘導エネルギー源に対するエネルギー受信器の空間的位置に関連して、そして各々のエネルギー条件に関連して、充電過程を最適化することができる。また、エネルギー効率と必要な充電時間と周期に関するデータも得ることができるが、このようなデータは輸送装備と適用例に応じて大きく異なりうる。無線誘導充電器の好ましい用途は、各電子装置のエネルギー貯蔵器の充電は勿論、送信器としてまたは同一な電源型電子装置の内部で少なくとも一つの他の電源型電子装置に対する誘導送電のための送信器に電気を供給することにある。この場合、輸送器の電子装置の間でエネルギーを伝達することができ、好ましくは、大型蓄電器を備えた装置から電力消費の低い装置に、そして輸送器の間でエネルギーを伝達することができる。また、積層配列された輸送器の間でもエネルギーを伝達することができる。無線誘導充電器としては、米国サンノゼ所在のEnergous社のDA2210、DA2223 WattUpとして知られたRF-Power Receiver ICを用いることができる。また、米国Watertown所在のWitricity社の知的所有権を参考にすることもできる。このような充電システムの助けにより、少なくとも一つの輸送器を備えた輸送装備の全ての電子装置を充電することができ、同一な輸送器を積層したものも充電することができる。
【0016】
全ての電源型電子装置は、無線データ送信手段を備える。データを無線で送受信する既存の装置も用いることができる。電磁波の他に、超音波も用いることができる。このために、有利な価格の標準化された要素とソフトウェアを用いることができる。無線電源と無線データ送信器の統合は輸送器に機械的にのみ装備を設置するようにし、これは、電子制御装備を含む電子的機能を既に自律的に利用することができるためである。機械的な設置の結果、少なくとも一つの電源型電子装置が識別手段によって他の電源型電子装置を個別的に認識できるようにする輸送器の能動的作動状態が可能である。輸送器を製造する時、設置前や後に電源型電子装置に電気を供給することができる。
【0017】
各電子装置の識別手段は、能動作動状態で機械可読であり、無線データ送信器を用いるものであり、識別子によって各々の電子装置を個別化することにより、同一であるかまたは異なる電子装置と区分できる。本発明において、設置しようとする電子装置が既に個別化識別子を有しており、このような識別子がROMに格納されるが、設置後に生成されて個別化されてもよい。
【0018】
全ての電源型電子装置はデータ処理手段を有し、場合によっては、SoC、周辺検知器、輸送器に設置されたタブレットコンピュータ、ユーザーインターフェースなどを用いる。データ処理手段がコントローラであって、技術的システムに統合された埋め込みシステムであるか、または制御機能のみを実行するかまたはしない広義のデータ処理処置であってもよい。データ処理装備は、電源型電子装置のシステム統合を維持管理し意図された使用を支援するのに好適である。
【0019】
少なくとも一つのデータ処理器を電気が供給された電子装置のうちの一つに統合する場合、ユーザーインターフェースの機能を有し、この機能のためのデータ処理器を必要とする電子装置に特に好適である。少なくとも一つの電子制御器がデータ処理器と同一であってもよいが、輸送器の他の電源型電子装置として別途に配置されてもよい。データ処理器は、無線読み取り識別手段の識別子と電源型電子装置の検知された空間的配置に関するデータとをこれらが互いに割り当てられ得るように格納する。この場合、様々な機能を支援することができる。これに必要なコンピュータプログラムを直列に事前設置すれば、データ処理器を備えて設置しなければならない電子装置も必要な要素を有するようになる。この場合、製作、組み立て、ビルドアップ、維持管理するや否や、復元し電気供給ができる少なくとも一つの輸送器を備えた輸送装備が自律的で自体的に作動待機状態にあるようになる。
【0020】
少なくとも一つの輸送器を備えた輸送装備での電子装置の空間的配置の決定と、電気供給された電子装置の識別手段の無線読み取りとの組み合わせにより、電子装置の間に電気/データケーブルを配置しなくても輸送器に配置された電子装置の確実な自動探知が可能である。識別手段の読み取りと空間的配置の決定の単独では、このような機能を実現することができない。電子装置を識別手段や個別化識別子なしにターゲッティングすることはできず、識別手段によってターゲッティングすることができるが、輸送装備に属するものとして識別し、輸送装備に属しない電子装置と区分することはできない。識別手段と空間的位置の決定の組み合わせという本発明を通じてのみ識別とターゲッティングを成功することができ、それにより、自動システム統合を実現して、純粋な機械式輸送器を生産し維持管理することができる。それと同様に、輸送装備の手動式組み合わせやアセンブリは機械式活動に限定される。
【0021】
空間的配置は、電子装置の種類と配置によって決定される。それについては、
図1を参照して説明する。
【0022】
これらの実施形態は、本発明に必須な空間的ポジショニングの機能を既存の手段によって経済的に達成できることを示す。
【0023】
プログラミングだけによって決定された割り当てに比べて、実際に空間的配置の決定だけによって輸送装備のセルフモニタリングとセルフチェックの可能性を示し、これは、本発明の概念上で重要である。
【0024】
本発明の輸送装備は、輸送装備そのものや一部の存在、構成、配置、機能、破損有無および/または意図された/意図されていない使用を含めて状態や状態変化に関するデータを生成する。輸送装備は、少なくとも一つのユーザーインターフェースを用いてユーザーが利用できる輸送器の過去および/または現在の状態や状態変化に関するデータを生成するか、および/またはこのデータを輸送装備に属しないデータ処理器に無線で送信したりもする。識別子と位置データの割り当てと電子装置に対する持続的な電気供給により、使用しようとする輸送装備の作動状態が設定され、その間、輸送装備は、製造業者、維持管理、使用および/または破損状態と関連データを少なくとも2台の電源型電子装置と少なくとも一つの検知器を用いて記録し、特に画像データ、測定データおよびそれより誘導されたデータを少なくとも一つのデータ処理器を用いて格納するか、または少なくとも一つのユーザーインターフェースを用いて光学および/または音響信号によって認識可能にし、関連データを無線データ連結によって送信する。
【0025】
電子装置の位置の正確な決定は、変形、破損、部品損失、類似した破損は勿論、振動の検知を支援し、この場合、ローラーの破損や不適切な地面や危険な状況を表示することができる。カメラ画像の形態および/またはセンサから得た他のデータの形態で輸送器の自己認識と組み合わせられて、輸送装備と輸送器の安全、使用および維持管理に重要な情報を自動的に得ることができ、それをユーザーインターフェースを介してユーザーに知らせることができる。周知のように、輸送装備を特に市場で安全で適切に使用するようにすることは市場運営者に非常に重要であり、これは、非常に様々な顧客が輸送装備をほぼ制御し難いほど使用するためである。このような問題を克服することは、輸送装備の価値が高いほどさらに重要である。
【0026】
できるだけ正確な位置決定の他の重要な長所は、少なくとも一つの第1検知器のデータを用いて少なくとも一つの第2検知器に影響を与える妨害や信号を修正することにある。輸送装備は、第1に、少なくとも一つの第1検知器の助けにより、少なくとも一つの第1電子装置の位置に関する位置データを持続的に生成し、この位置データは輸送装備に作用する妨害作用の妨害信号として検知され、第2に、生成された位置データを用いて少なくとも一つの第2検知器に対する妨害の影響を決定し、第3に、妨害信号を考慮して、第2検知器によって生成されたデータを補正および/または持続的にデノイズ(denoise)をすることができる。このように支援される以上の三つのステップは、輸送装備を使う間、持続的で且つ並列に実行されることが好ましい。例えば、光学的に登録された振動や加速度データは秤のデータをデノイズするのに適切であり、これは、秤の圧力センサが同一な振動や加速度に露出されて、妨害作用の寄与度が測定結果と分離され、商品の重さを移動中の輸送装備においても正確に測定することができるためである。このために、スプリングなどを用いて輸送器にカメラを付着して、干渉信号を増幅しデノイズを改善する。
【0027】
少なくとも一つの輸送器を備えた本発明の輸送装備は重要な処理に有利である。例えば、US2018/0025412A1に紹介したように作動区域での位置決定方法に特に有利であり、これは、電子装置の空間的位置の検知が既存の手段を用いて作動区域の探知まで拡張されるためである。少なくとも一つの輸送器での第1電子装置の使用を第2電子装置の機械学習に適用することもできる。例えば、ユーザーによるバーコードスキャンを用いて光学的商品の認識を訓練することができる。この場合、バーコードは商品を固有認識し、このような固有情報は正しい光学的認識を確認し不正確な光学的認識を修正するのに用いられる。機械学習アルゴリズムは、このような情報を用いて光学的商品の認識を改善する。
【0028】
顧客に他の輸送装備の選択機会を与えることが、セルフサービス店舗では一般的である。少なくとも1種類のショッピングカートと他のローラーバスケットやハンドバスケット(hand basket)は割引店の最小装備である。大型マーケット、ショッピングモール、空港などは、トレイを使用するケータリングサービスを提供したりする。ショッピングバスケットを支持するショッピングカートを含む複数の輸送器を備えた輸送装備に輸送器を組み合わせる場合が多い。本発明は、少なくとも一つの輸送器を備えた輸送装備の構成と輸送器のデザインとは関係なく、三つのカテゴリーの輸送器の全てに適用できるという点で、新しくて都合が良い。この場合、カテゴリーと種類をオーバーラップする標準化、部品一貫性、および様々な輸送器を統一された適用過程に統合することが可能である。
【0029】
複数の同一な輸送器の積層組み合わせ時、輸送器の少なくとも2個の電子装置が2個の積層デッドスペースを占める。少なくとも2個の電子装置は、ハンドル、商品積載器、シャシーおよび/またはチャイルドシート装置に配置されることが好ましい(
図6~7、WO2012/034556A2を参照)。
【0030】
また、少なくとも一つの電子装置が少なくとも一つの輸送器のハンドル、商品積載器、シャシーまたはチャイルドシート装置に連結され、このような連結により、この電子装置の意図された位置が少なくとも一つの輸送器に配置された他の電子装置に連結されるようにすることができる。四角形やほぼ四角形であり、また水平であるかまたは若干傾斜した表面をトレイやバスケットやトロリーの一部であろうとなかろうと、商品積載器の共通特徴とみなすことができる。特に、傾斜した表面がプラットフォーム、バスケットベース、さらにはバスケットを受納するフレームであってもよい。この場合、標準部品からなる電子装置をコーナーや両コーナー間の中央に配置することができる。コーナーに位置した電子装置はコーナー保護部の機能もし、中央に位置した電子装置はバンパーの役割もして、従来のコーナー保護部とバンパーを代替できる。
【0031】
人体工学的条件でハンドルの標準化を支援することができる。特に、ハンドルは、片手で握るショッピングバスケットのハンドル、長いロッドの端に配置されたローラーバスケットのハンドル、両手で握るハンドルバー付きのショッピングカート、プラットフォームトロリー、手荷物トロリーのハンドル、およびロールコンテナにある片手用ハンドル対の四つに区分することができる。このようなハンドルは、手によって隠される実際に握る部分の他に、電子装置を配置するのに適切な他の区間や部分を有する。例えば、ハンドル両側のハンドルバー区間、ローラーバスケットハンドルの拡張型バー、ハンドルバー付きのハンドルの中央や左右側の区間は勿論、ハンドル対のハンドルの取り付け区間に電子装置を配置することができる。勿論、他の形状や配置も可能である。
【0032】
電子装置がハウジングを有し、このハウジングがコーナー保護部、バンパー、補強部、締結部などの機械的機能をすることもできる。また、ゴム製のマレット(mallet)などを用いて簡単に組み立てることもできる。このために、電子装置のハウジングが取り付け部に結合するための打撃面やスナップ結合部を有することができる。
【0033】
電子装置のこのような標準化は、大量生産と維持管理は勿論、適用プロセスの統合に有利である。例えば、商品の検知のためのディープラーニング(deep learning)に基づいた認識システムは、用いられるカメラやセンサが常に同じであれば遥かに実現し易い。この場合、フォールトトレランス(fault tolerance)が極めて低いので、本発明の標準化が必須である。誘導電源の場合にも、標準化は決定的に有利である。誘導電源が同一に充電され、使用中の電力消費も最適化することができる。
【0034】
工業や物流の分野は勿論、最終消費者が使用する輸送装備が同一な電子装備を有すれば、色々な段階の供給網を均一で包括的なプロセスによって支援することができる。
【0035】
以上で説明した電子装置は、ハウジングの形状の他にも、色々な取り付け部に対して同一な部分で実現することができる。このようなデザインによれば、少なくとも2個の電子装置がハウジングと識別によってのみ区分される。すなわち、ハウジングの形状だけを変えて電子装置を棚やディスプレイのような他の装備に統合してもよく、輸送器だけで実現される機能を拡張補充することができる。このように拡張されたシステムを創造する機能も本発明の輸送装備の基本長所である。したがって、一定のハードウェアが一定のソフトウェアを支援し、ユーザーのために一貫して決定的な適用概念を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】2個の電源型電子装置を備えた輸送器を備えた輸送装備の概略図である。
【
図2】第1または第2カテゴリーの輸送器の概念図である。
【
図4】第1または第2カテゴリーの2個の輸送器を示す図である。
【
図5】第3カテゴリーの2個の輸送器を示す図である。
【
図6】取り付け部のユーザーインターフェースの役割をする電子装置を示す図である。
【
図7】取り付け部の検知器の役割をする電子装置を示す図である。
【
図8】色々な輸送器を備えた輸送装備を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1の輸送装備1は、識別手段9によって個別化(確認)される一つ以上の輸送器1aを有し、輸送器1aは、商品積載器2とハンドル3とを有し、それぞれ同一な輸送器1aと積層されることができる。同一および/または異なる輸送器1aに少なくとも2個の電源型電子装置4が配置され、電子装置4のうち少なくとも一つはユーザーインターフェース6の機能をし、少なくとも一つは検知器5の役割をし、電子装置4の各々がデータ処理手段13と無線データ送信器15とを有する。
【0038】
各々の電子装置4は、マシーン検知識別子10を用いて、少なくとも一つの識別手段9によって個別化(確認)されることができる。輸送装備1の少なくとも一つの他の電子装置4の位置を検知器5によって把握できるように電子装置4が輸送装備1に配置される。例えば、検知器5がユーザーインターフェースのカメラ17の視野にあってもよい。輸送装備1は、少なくとも二つの電子装置4について、データ処理手段13と無線データ送信器15とを用いて、各々の識別子10と輸送装備1上の空間的位置とが互いに割り当てられ得るように各々の識別子10と輸送装備1上の空間的位置とを決定する。
【0039】
トランスポンダーの助けによる電子装置4の識別子10の相互検知ではこのような目的を達成することができず、これは、輸送装備1での空間的位置を決定して識別子10に割り当てることができないためである。システムは、どんな電子装置4なのかは知るが、どこにあるかは知らない。例えば、(本分野で知られた)カメラを用いた空間的位置の相互記録方式も識別子10は記録しないため、識別子10と空間的位置の割り当てが不可能である。すなわち、どこに電子装置4が配置されるかは知ることができるが、どんな電子装置4なのかは知ることができない。二つの既存の方式の単純な組み合わせによっては本発明の方式に接近することができず、これは、識別子10と空間的位置とを探知しても識別子10と空間的位置とを互いに割り当てることができないためである。どんな電子装置4があり、電子装置4がどこに位置するかは知ることができるが、どんな電子装置4がどこに位置するかは知ることができない。何よりも、用いられた手段を特定することなく割り当てをする構成を実現することができる。特定の輸送装備1を類似した輸送装備1と区分して個別化して、特定の輸送装備1での位置の探知をすることが必要である。
【0040】
本発明によれば、少なくとも一つの第1電子装置4がまだ個別化されていない輸送装備1での自身の位置を探知するように構成される。この輸送装備1は少なくとも一つの第2電子装置4を有し、類似した輸送装備1での電子装置4の位置は常に同一である。第1電子装置4と第2電子装置4は同一な信号や等価的で互いに割り当てることができる他の信号を登録し、このような信号は輸送装備1を個別化するのに適している。第1、第2装置4の間のデータ交換の助けとこれらの装置4によって検知される信号に基づいて、電子装置4が同一であり、個別化された輸送装備に位置すると決定する。電子装置4が既に識別子10を有していて識別子10が各々の空間位置に割り当てられるか、または特定の輸送装備1での配置の決定の結果として識別子10が生成される。識別子10と空間的位置データ20とを交換すれば、信号がこれ以上なくても輸送装備1の電子装置4の統合がなされて続く。第1電子装置4は位置そのものを探知するため、その位置データ20を自身の識別子10に割り当てる。探知された信号に基づいて、第1電子装置4が第2電子装置4の存在を登録して、類似した輸送装備1において常に同じ位置にあるという事実に基づいて、第1電子装置4によって位置を決定することができる。例えば、第1電子装置4はカメラ付きの検知器5として、第2電子装置4は圧力センサ付きの検知器5として存在する。各々に割り当てられる信号は商品積載器2に積載された商品から供給され、商品は少なくとも一つのカメラ17によって光学的に検知され、少なくとも一つの圧力センサが商品の重さを登録する。一方、重い商品の場合、カメラ17が輸送装備1の変形や、測定された重さに割り当てできる輸送装備1の部品の位置変化を登録することもできる。その他にも、輸送装備1には割り当てられるが、特定の電子装置4には割り当てられない識別手段9、例えば、ナンバープレートによって信号が与えられてもよい。
【0041】
本発明の他の実施形態によれば、第1電子装置4が、第2電子装置4の割り当てられた識別子10と位置とを検知した後、関連の識別子10と位置データ20とを第2電子装置4に送ることができる。したがって、第2電子装置4が自身の位置に対する第1電子装置4の位置を決定し、第1電子装置4の識別子10と位置データ20とを生成する。このようなデータを第1電子装置4に送れば、第1電子装置4にそもそもは識別子や位置データがなくても、第1電子装置4がこのデータを格納して個別化することができる。一例として、第1電子装置4がカメラ17付きの検知器5であり、第2電子装置4がユーザーインターフェース6であり、ユーザーインターフェース6のハウジングに外部から見える識別手段9があり、カメラ17を用いてユーザーインターフェース6に割り当てられた識別子10を位置と同時に検知することができる。
【0042】
このような二つの実施形態の様々な変形例と組み合わせも可能である。輸送装備の構造、電子装置の種類などが基本的に最適の方式を決定する。
【0043】
識別手段9が用いるマシーン認識識別子10がストレージ装置から読み取られるかまたはカメラ17やスキャナーによって記録される識別子10であれば、識別手段9がQRコード(登録商標)のような見えるコードのキャリアや電子ストレージ媒体として存在することができる。識別子10は、永久的に存在するか、または必要時に生成されることができる。少なくとも一つの検知器5は、輸送装備1の一部の認識に基づいて輸送装備1上の自身の位置を判断することもできる。
【0044】
識別子10と空間的位置とを把握するための輸送装備1は、空間的配置と情報技術デザインの両方ともを有しなければならない。例えば、検知器5のカメラ17は識別手段9を照準し、識別手段にあるQRコードを読み取りできるべきであり、識別子10と空間的位置データ20を割り当てるためのデータ処理手段13を利用できるべきである。データ処理手段13は、識別子10及び位置データ20の処理及び割り当てのためのハードウェア及びソフトウェアを必要とする。すなわち、機械的、検知/情報技術手段の各々ではなく統合技術によってこのような構成がなされる。
【0045】
図1は、輸送器1aが1台である輸送装備1や、輸送器1aと同一な輸送装備1を示す。輸送装備1が複数の輸送器1aの組み合わせとして、例えば、一つや複数のショッピングバスケットを支持する輸送トロリーからなることもできる。輸送装備1が複数の輸送器1aからなると、輸送器1aが互いに対して所定の位置を取り、各々の輸送器1aは勿論、輸送装備1全体の電子装置4の空間的位置を決定することができる。輸送装備1内での複数の輸送器1aの空間的位置のために、輸送器1aが1台である輸送装備1と輸送器1aが2台以上である輸送装備1に対する解決法が同様である。
【0046】
各々の識別手段9は、マシーン認識識別子10を用いて、作動した電子装置4の個別化をすることができる。データ処理手段13がコントローラ13aおよび/またはデータ処理処置13bとして存在する。電子装置4ごとに、蓄電器12、蓄電器12を充電する電源11および無線データ送信器15を備える。電子装置4が作動する能動作動状態であるため、第1に、他の電子装置4が識別手段9を介して少なくとも一つの作動した電子装置4によって個別的に認識され、第2に、少なくとも一つの検知器5と少なくとも一つのデータ処理器13bとを用いた少なくとも一つの他の作動した電子装置4の空間的配置が輸送装備1と各々の輸送器1aにおいて決定され、このような配置に関する空間的位置データ20が生成され、第3に、各々の作動した電子装置4について、識別子10と位置データ20とが互いに少なくとも一つのデータ処理器13bを用いて割り当てられる。
【0047】
これは、
図1の輸送装備1の製造、作動および維持管理方法からなり、輸送装備1は、各々の作動した電子装置4について、識別子9と輸送装備1上の空間的位置とを互いに割り当てることができるように自体的に且つ自動的に決定する。一方、このような決定が電子装置4の電源や開始信号によって単に自動的に行われてもよく、例えば、輸送装備1のスイッチの作動や無線送信制御信号がさらに必要であってもよい。この方法も本発明に属する。
【0048】
第1ステップとして、少なくとも一つの他の電子装置4が識別手段9を介して少なくとも一つの作動した電子装置4によって個別的に探知される。このために、電子装置4が能動的に識別子10を送信するか、または受動式識別子10が能動および/または受動RFIDタグによって能動的に収集される。識別子10は、既に存在するものであるか、またはこの目的で新たに生成されてもよい。識別子10を送信する技術的手段や直接/間接的な手段は、本発明とは関係がない。決定的なのは、読み取りや送信過程の結果として識別子10を少なくとも一つのデータ処理器13Bに適用できるということである。
【0049】
第2ステップとして、少なくとも一つの検知器5が輸送装備1での少なくとも一つの他の電子装置4の空間的位置を決定するか、または少なくとも2個の検知器5がこれらの位置を共通空間区域14の探知によって決定する。空間区域14の探知は、この空間区域14内のオブジェクトの探知と同じである。少なくとも一つのデータ処理器13Bが空間位置データ20を生成するのに用いられる。
【0050】
第1、第2ステップが逆順や同時にまたは一つのステップのみが実行されてもよい。例えば、QRコード付きのステッカーを空間区域14内のオブジェクトとして検知し、識別手段9として電子装置4を個別化すれば、空間的配置と識別子10とが一つのステップで決定される。第1、第2ステップが並列過程やシングル過程であれば好ましい。
【0051】
第3ステップとして、輸送装備1は、少なくとも2個の電源型電子装置4に対するデータ処理手段13と無線データ送信器15とを用いて、輸送装備1での各々の識別子10と各々の空間位置とを決定して各々の識別子10と各々の空間位置とを互いに割り当てるようにする。
【0052】
検知器5である少なくとも一つの作動した電子装置4から、検知器5によって生成された画像データの全体や一部と共に、自身の識別子10および/または他の電子装置4の探知された識別子が他の電子装置4に無線で送信される。例えば、検知器である少なくとも2個の電子装置4によって空間区域14がカバーされ、生成された画像データは各々の電子装置4の識別子10と共に送信されるようになっている。画像データと識別子10が無線で送信され、ジョイント送信(joint transmission)によって識別子10と画像データの割り当てがなされる。このようにカバーされる空間区域14のために、データ処理器13bの助けにより、画像データを生成する電子装置4の空間位置データ20を計算するのに画像データを用いることができ、次に識別子10に画像データを割り当てることができる。このために、例えば、ユーザーインターフェース6の機能を有する第1電子装置4がカメラ17と検知器5とを有する。少なくとも一つの第2電子装置4は、検知器5の役割をして、カメラ17を有する。第1、第2電子装置4のカメラ17は視野を一部重ねて、両カメラ17とも空間区域14を検知する。このような目的に合うコンピュータプログラムを備えた第1電子装置4、6のデータ処理器13bにより、空間区域14にあり、両カメラ17によって探知されるオブジェクトや過程は同一なものとして識別されるため、カメラ17の位置と電子装置4の位置をカメラ17によって供給された画像情報から計算することができる。位置データ20を計算するための識別子10と画像データが共に送信されれば、これらの割り当てが明確になり、単一過程からなる。少なくとも一つの輸送器1aを備えた輸送装備1が商品を輸送する場合、空間区域14内の複数の検知器5によって探知された公知の大きさと形状とを有する商品を用いて、高い正確度の検知された商品に対する検知器の位置を決定することができる。少なくとも一つのカメラによって検知された輸送装備の区間もこの目的に適している。
【0053】
少なくとも一つの作動した電子装置4の空間的配置を光学および/または音響的であり、能動的や受動的な信号を用いて決定することもでき、この信号は識別子10を介して暗号化されて送信される。例えば、外部から見えるQRコードによって電子装置4を個別化するか、赤外線信号がビットシーケンスを暗号化して識別子10を送信することができる。識別子10の送信と距離および位置の決定との両方ともに超音波信号を用いることもできる。送受信方向の空間的制限を用いて空間的配置を決定することもでき、これは、赤外線信号を用いる場合には適切であるものの、QRコードを探知する時には不適切である。この場合にも、識別子10と空間的位置データ20の割り当てを1回の作業で支援する。
【0054】
輸送装備1が少なくとも一つの電子装置4を備えた輸送器1aを用い、輸送器1aに第1、第2空間位置が提供され、両位置において電子装置4が同一な取り付け部8に連結され、第1空間位置を占める少なくとも一つの電子装置4と
図6~7に示す取り付け部8との間に導電接点があり、第2空間位置を占める少なくとも一つの電子装置4と取り付け部8との間にはいかなる接点もない。このようなバージョンは、輸送器1aが金属からなる場合に好適である。ケーブルではない輸送器1aの金属部分が電子装置4間の導体の役割をする。一次には、電子装置4の間に流れる電流を電子装置4が用いて、識別手段9を介して他の電子装置4を個別的に認識し、二次には、電子装置4を同時に用いて、輸送器1aでの電子装置4の空間的配置を決定する。接点は、電気信号を受ける検知器5の役割をする。電気接点は取り付け部8の電子装置4位置にのみ配置され、輸送器1aでの電子装置4の空間位置がこのような配置に決定される。この実施形態においては、電流が流れる時にのみ、検知手段9がプログラムされ、個別化識別子10を備えるようにすることができる。輸送器1aを使用する間、人や商品と接触する金属部分には電流が流れてはいけない。取り付け部8の少なくとも一つの電子装置4の1番目の空間位置がセットアップ過程で識別子と位置データとを送信する役割を臨時にするが、2番目の永久位置は使用状態を設定する役割をする。このために、2段階の組み立て過程が可能である。1番目のセットアップ時に電子装置4が1番目の位置において事前に組み立てられ、次に自動セットアップ過程が数秒内に終わる。次に、2番目のセットアップ過程で電子装置4が1番目から2番目の位置に移動する。このような過程がゴム製のマレット(mallet)で打撃するなどによって非常に簡単に行われることができる。
【0055】
輸送手段のデザインと用法に応じて、前記三つの実施形態を適切に組み合わせるか、または他の類似した実施形態を実現することもできる。
【0056】
各々の電子装置4について、識別子10と位置データ20とを互いに割り当てることができる。第3ステップとして、このような割り当てを、データを取る電子装置4の少なくとも一つのデータ処理器13bを用いて実行する。識別子10と電子装置4の位置データとを少なくとも一つの電子装置4に格納することができる。格納された識別子10は電子装置の交換時に自動的にアップデートされるが、付近の他の輸送器1aのような他のソースから来る信号がこの輸送装備1に属しない時には登録される。
【0057】
輸送器1aが一つ以上である本発明の輸送装備1を複数の様々な電子装置4で実現し、様々な条件に合わせることができる。
【0058】
例えば、ユーザーインターフェース6の機能を有する電子装置4が光学/音響信号装置やスクリーン/タッチスクリーンであり、検知器5の機能を有する電子装置4がバーコードスキャナー、カメラ17、赤外線センサ、超音波センサまたは圧力センサを備えるか、または電子装置4がユーザーインターフェース6と検知器5の機能を両方とも有することもできる。バーコードスキャナーがオーディオ信号を出すか、またはセンサがタッチスクリーンに設置されることもできる。一般に、ユーザーインターフェース6はユーザーのための機能を有するが、検知器5はオブジェクトや過程を検知する。信号を出したり受けたりする装置、特にユーザーインターフェース6と検知器5の役割をしないRFIDタグは、本発明の観点での電子装置4ではない。ユーザーインターフェース6と検知器5とを備えた輸送装備1は物流取り引き過程で使われるところ、例えば、購買顧客による商品の記録と請求や倉庫での在庫移動の記録に使われる。
【0059】
識別手段9は、識別手段9を運ぶオブジェクトを類似したオブジェクト、特に文字コード、バーコード、QRコードは勿論、トランスポンダーのようなデータ保有手段と区分して識別するようにするものとして理解すれば良い。識別子10は、一連番号や個別コードは勿論、データとしての存在のように差別化する特性として理解すれば良い。
【0060】
図2は平らなバスケット形態の商品積載器2、1対のハンドル3および3個の電子装置4を備えた輸送器1aを示しており、2個の電子装置4は検知器5であり、1個の電子装置4はユーザーインターフェース6である。商品積載器2の底部にローラー16を配置することもできる。ハンドル3の代わりに、ハンドバスケットのように、商品積載器2の中央に枢動可能に付いたハンドル3を用いることもできる。電子装置4の位置と個数も
図1~2とは異なってもよい。
図2の基本原理を備えたトレイ、ショッピングバスケットおよびローラーバスケットを用いることもできる。
【0061】
図3のショッピングカート形態の輸送器1aはバスケット形態の第1商品積載器2aとプラットフォーム型の第2商品積載器2bとを有し、後方にあるプッシュハンドル形態のハンドル3の中央にユーザーインターフェース6形態の電子装置4が位置する。バスケット前の上部と下部に、各々、第1電子装置4aと、検知器5機能の第2電子装置4bとがあり、上部の電子装置4aは第1商品積載器2aであるバスケット内の商品を検索し、下部の電子装置4bは第2商品積載器2bであるプラットフォームの商品を検索する。
図3の基本原理をショッピングカート、プラットフォームトロリー、手荷物トロリー、ロールコンテナ、トレイトロリーに適用できるが、これらに限定されず、他の積み重ね型の輸送器にも適用できる。
【0062】
ショッピングカートハンドル3は一般に幾つかの部分からなり、左側コーナー部、中間部および右側コーナー部に分けるのが、幅や生産、組み立ておよびハンドル長さが異なるカートに適応するのに特に有利である。ハンドル3の検知器5を用いて前方上部バスケットコーナーでの検知器5の位置を決定すれば、ハンドルコーナー区間に検知器5を設置するのに有利である。一方、ユーザーインターフェース6がハンドル3の中央に位置すれば、ユーザーがユーザーインターフェース6を使用する時に輸送器1aの押す方向に位置を取ることができる。したがって、コーナー部と中間部とからなり電子装置4を備えた全体ハンドル3を備え、電子装置の要素がコーナーと中間の間に分散し、コーナーと中間の機械的アセンブリーにプラグイン連結によって電機電子的に設置されるのが有利である。
【0063】
ユーザーインターフェースの役割をする電子装置4を輸送器1aに永久的に設置するか、またはスマートフォンやタブレットのような移動通信機器によって着脱可能に形成し、ホルダーのような所定の位置に設置することもできる。このような位置は、固定に用いる機械的手段に関係なく重要である。
【0064】
図4は
図2の実施形態の輸送器1aを2台を積層した状態を示しており、各々の輸送器1aに対して一般的な積層間隔を有し、輸送器1aの積層間隔と形状と積層方向に応じて輸送器1aの前後に積層に使われない積層デッドスペース7a、7bが発生する。
図4に示された検知器5とユーザーインターフェース6形態の電子装置4とハンドル3は、
図3で説明したとおりである。
【0065】
図5は、
図3の実施形態の輸送器1aを2台を第3カテゴリーに積層した状態を示す。輸送器1a後側のユーザーインターフェース6としてデザインされた電子装置4と検知器5としてデザインされた電子装置4が積層デッドスペース7a、7bの各々に位置する。
【0066】
図6は、電子装置4の取り付け部8を示す。この電子装置4は、ユーザーインターフェース6として機能し、無線読み取り格納識別子10を備えた識別手段9によって個別化される。誘導充電器のような無線電源11により、バッテリーのような蓄電器12を充電する。蓄電器12は、ブルートゥース(登録商標)やWLAN連結のためにデータ処理器13bと無線データ送信器15に電気を供給する。電子装置4のタッチスクリーンがユーザーインターフェース6の役割をする。
【0067】
図7の電子装置4は検知器5の役割をし、無線読み取り/検知識別子10を備えた識別手段9によって個別化される。受信コイルのような無線誘導充電器11aやRFパワーレシーバーICのような無線電源11がバッテリーのような蓄電器12を充電し、蓄電器12はコントローラ13aと無線データ送信器15に電気を供給する。電気を受ける装置として、検知器5として電子装置4の機能をするカメラ17がある。
【0068】
図6~7は一例であり、他のデザインも可能である。電子装置4はいずれも自給自足型(self sufficient)であり、充電のためのケーブル連結が必要ない。このために、無線誘導充電器11aを備える。
【0069】
図8の輸送装備1は少なくとも1台の輸送器1aを有し、この輸送器1aはトロリー形態の第1輸送器1bとショッピングバスケット形態の2台の他の輸送器1cとを含む。輸送器1cは、第1輸送器1b上の特定位置を占めるようになっている。このために、例えば、プラットフォームとして用いられる商品積載器2の溝に輸送器1cを正確に嵌めて固定することができる。正確な配置により、各々の輸送器1b、1c上の電子装置4の位置は勿論、輸送装備1上の全ての電子装置4の位置も全体的に決定される。したがって、輸送装備1の全ての電子装置4のシステム統合が、輸送器1b、1cでの電子装置4のシステム統合と同様になされる。これが本発明の長所の証拠である。輸送器1b、1cは集合所に別途に積層された輸送トロリーとショッピングバスケットで使用準備状態にあり、このような状態で繰り返し分離し任意に組み合わせられて輸送装備1を形成する。すなわち、新しい組み合わせのためには、新たに形成された輸送装備1の電子装置4が互いを同一所属として識別し、システムとして統合しなければならない。積層物が輸送装備1であれ、積層物内の各々の輸送器1aが輸送装備であれ、関係なく適用される。システム統合がユーザーが認識できない時間内や待機時間なしに自動的に信頼性あるように実行されれば、複数の輸送器1aを一つの輸送装備1に形成するのが現実的である。所定位置にある電子装置4が、各々使用過程の間、ユーザーのための機能を実行し、一つのシステムとして統合すれば、待機時間も避けることができる。例えば、各々異なる検知器5によって生成されたカメラデータを局部的に格納した後にデータ処理器13bにおいて組み合わせることができる。反復的な再組み合わせの問題を
図3の実施形態にも同様に適用して、ユーザーインターフェース6の役割をする電子装置4を一つ以上の輸送器1aを有する輸送装備1や一つ以上の輸送器1aに臨時に配置する。一つ以上の輸送器1aを有する輸送装備1に提供された電子装置4、すなわち、ユーザーインターフェース6と検知器5とが輸送装備1上の所望の位置を占める時、この輸送装備1が正確に形成され、電子装置4がこれ以上この位置を占めない時、輸送装備1が解体される。プログラミング手段を用いて輸送装備1を所定の構成にすることができる。例えば、ショッピングカートのみ、バスケットのみ、一つや二つのバスケットが載せられたショッピングカートを輸送装備1に構成し、顧客が自由にオプションを選択するようにすることができる。一つ以上の輸送器1aを備えた輸送装備ではないものが何かまたは他の輸送装備1が何かを規定するのに有用である。例えば、第1にバスケットを有する輸送トロリー、第2に輸送トロリーの積層物、第3にバスケットの積層物を各々異なる輸送装備1と規定するか、またはこのような積層物は輸送装備ではないと規定することができる。積層物を全体として考慮すれば、この積層物内の電子装置4の位置が使用しようとした一つ以上の輸送器1aを備えた輸送装備1の構成とは異なる。各々異なる空間的配置は勿論、所望しない構成も、本発明によれば、所望する構成と区分することができる。例えば、不安定な位置、盗みやすい位置などは、電子装置のシステム統合を支援しないようにすることができる。NFCやブルートゥースのような既存のペアリング技術は、存在は決定するものの空間的配置は決定しない一定範囲内の信号だけを登録するので利用されない。例えば、拡声器を備えた生活空間で自由に動くユーザーのスマートフォンをペアリングする場合のように既存の技術を適用する場合には、空間的不確定とそれによる空間的自由は有利であるが、輸送器1aを備えた輸送装備1の場合には、空間的不確定が不利であり、重要な区分をすることができない。特に、少なくとも一つの輸送器1aと共に使用しようとする輸送装備1ではない、統合されていない同一な輸送器1aを積層した場合、電子装置4が使用しようとする電子装置より互いにさらに近くにあるようになる。したがって、存在基準、空間的接近度、信号範囲に応じた自律システムの統合は非常に不適切な反面、少なくとも一つの輸送器1aを備えた輸送装備1での電子装置4の空間的配置の基準は、輸送装備1の構造および構成と関係なく同一所属に属する電子装置4を常に信頼性あるように識別し、且つ、同一所属ではない電子装置4と区別する。
【0070】
輸送装備1を一つ以上の輸送器1aで作ることができ、輸送装備1の各々は同一な輸送器1aを異に適用することができ、例えば、第1には、積層形態で提供し、第2には、商品の輸送に使用し、輸送器1aの組み合わせを異に構成された輸送装備1に変更することもできる。輸送装備1のこのような柔軟で汎用的な適用は、各々の電子装置4に対して少なくとも一つの識別子10と3個以上の空間座標x、y、zを決定してシステム統合に用いる輸送装備1の各々の性能に基づく。これと関連した他の方法も例を挙げた。識別手段9は、識別子10を見せたり格納したり生成したりすることができる。外部から見えるQRコードやバーコードが識別子10をディスプレイするのに特によく、これらは電子装置4および/または取り付け部8および/または他の所定の位置に配列され、電子装置4に割り当てられる。輸送装備1を商品の輸送、購買、請求に使用することができるため、操作に備えたセキュリティが重要である。識別子10を組み合わせてセキュリティレベルを高めることができる。例えば、内部に格納されて可視的な第1識別子10、検知器5に見える可視的な第2識別子10、および第3識別子10によって電子装置4を個別化することができ、例えば、ハッシュ値(hash value)は、電子装置4の画像データを用いて計算され、輸送装備1上の電子装置4での配置の関数として生成される。輸送装備1が市場から商品を動かし請求することのような利用を支援するように提供された値を電子装置4の少なくとも2個の識別子10が有しなければならない。誤作動や操作の場合、輸送装備1が自律的にそれを通知するかまたはユーザーインターフェース6を介して通知することができる。
【0071】
下記のように一つ以上の識別子10や一つ以上の識別子10の使用も可能である。
【0072】
第1輸送器1aを備えたトロリーと、第2輸送器1aとしてトロリーに配置されたバスケットとから輸送装備1を構成することができる。検知器5ではないユーザーインターフェース6が輸送トロリーに配置され、検知器5はバスケットに配置される。一例として、複数の輸送トロリーと複数のバスケットを持続的に変え、このような輸送装備1に組み合わせた後に再び分離することができる。輸送トロリーのバスケットが所望の位置を占めるや否や、検知器5がユーザーインターフェース6に割り当てられた可視的な第1識別子10を検知し、内部に格納された自身の識別子10と共に無線で送信する。ユーザーインターフェースは内部に格納された第2識別子10を用いてデータを確認し、第2識別子は可視的な第1識別子に固有に割り当てられる。輸送装備1に属せず輸送トロリーの意図された位置に配置されない第2バスケットが輸送トロリー付近にあり、検知器5がユーザーインターフェース6の第1識別子10を検知することができる。さて、輸送装備1への所属有無は、位置データ20に基づいて決定される。検知器5は、検知された識別子10を見せる可視的識別手段9が意図された位置である場合にのみこの識別子10を送信する。このような作業は、検知器5の視野内での識別手段9の大きさと方向から決定できる。このような決定により、輸送装備1と相互間の2台の電子装置4の位置が同時に決定される。また、検知器5は検知された識別手段9の画像データをユーザーインターフェース6に送信し、意図された位置はこのようなデータに基づいてユーザーインターフェース6によって確認される。システム統合のためのこのような段階は、簡単であり、明瞭であり、経済的でもある。
【0073】
輸送器1aを備えた輸送装備1の単独で生成するかまたは他の輸送装備1および他のデータ処理器と共に生成したデータを用いて輸送装備1の運転状態が持続的に最適化され、このデータは輸送装備1を形成する輸送器1aと他の輸送器1a、輸送器1aの使用環境および各ユーザーの使用パターンに関連する。
【0074】
このような最適化は非常に有用である。例えば、局部的な照明状態、商品の集合、その他の使用環境データを用いて、検知器5で実行した光学的商品の認識を地域環境に合わせることができる。各ユーザの使用プロファイルがこのような作業に非常に有利である。一般的なセルフサービス店舗の顧客は少量の商品だけを選択するため、検知器5がユーザーの関心を引く商品だけを検知すれば良い。この場合、相当に少ない品物を区分しなければならないため、計算速度が大幅に減り、速度と信頼性が高くなり、ユーザーフレンドリーである。
【0075】
輸送器1a自身の状態に関するデータを補正やフォーカシングや変化適応に用いることができる。例えば、輸送器1aの積載や積み下ろし、輸送器1aの積層、追加除去などによる位置変化による変形が変化の一例である。
【0076】
最後に、本発明の様々な適用例について例を挙げて説明する。
【0077】
ショッピングカート形態の第1輸送装備1の電子装置4が輸送装備の品質、特に製作公差、正しい組み立て、表面コーティングの品質、全ての部分の存在を点検する。輸送装備1のユーザーインターフェース6はあり得る欠陥を表示する。輸送装備1によって送信されたデータに基づいて、積載前にテストリポートが生成され、異常のないショッピングカートだけが伝達されたことを確認する。
【0078】
輸送が終わった後、ショッピングカートは顧客によって引き継がれる。ショッピングカートのうち2台がユーザーインターフェース6を介して輸送破損を表示すれば、輸送装備1によって送信されたデータに基づいて他の検査リポートが生成され、輸送破損であると決定するか、そうでなければ、伝達が誤りないことを確認する。破損品は両プロトコルに基づいて輸送装備に割り当てられる。
【0079】
顧客や小売店にある第2輸送装備1としてのハンドバスケットをショッピングカートと組み合わせて第3輸送装備1を形成するか、またはハンドバスケットを各々ショッピングカートのように使用することもできる。第3輸送装備1は勿論、これの繰り返された解体とショッピングカートとバスケットの別途の使用に対する同一なシステム統合がこの輸送装備1によって自動的に行われる。1番目のユーザーがショッピングカート上にバスケットを不安定におけば、ユーザーインターフェース6がそれをユーザーに表示し修正を要求する。ユーザーは位置を修正し、安全な輸送装備1をもってショッピングを始めることができる。2番目のユーザーは、万引のためにバスケットの底部に商品を隠そうとする。この場合、ショッピングカートにバスケットが不正確に位置するのが普通であり、このような不正確な位置が探知されれば、輸送装備1が無線データ送信でセキュリティ要員に知らせる。3番目のユーザーは、輸送装備1の許容積載重量を超えて変形を起こし、その変形が輸送装備1によって登録される。輸送装備1はユーザーに警報し、それによる全ての破損データを送信する。輸送装備1の電子装置4が破損すれば、それを取り換えなければならない。輸送装備1は、破損を検知し、生産品質欠陥や輸送破損の検知と同様にデータを送信する。数年間使われたショッピングカートのメッキされた金属部分は50%程度腐食し、このような腐食はショッピングカートと共に輸送装備1を形成するバスケットの検知器5によって検知され、輸送装備1が関連データを送信して、当該部分を取り換えしたり再メッキしたりするようにする。バスケットが破損すれば、破損したバスケットをショッピングカートに正しく位置させることができないため、輸送装備1がそれを検知してバスケットを取り換えることができる。
【0080】
一方、請求項15に記載されて以下にて説明した方法のように、顧客が自身の携帯通信機器を輸送装備1に臨時に統合することもできる。このために、第1ステップとして、識別手段9によって個別化された携帯通信機器を輸送装備1の該当位置に配置する。第2ステップとして、第1輸送装備1により、この輸送装備1上の携帯通信機器の位置と識別子10とを決定して割り当てる。第3ステップとして、携帯通信機器と第1輸送装備1との間に無線データ連結をセットアップし、携帯通信機器を他の電子装置4にして第2輸送装備1を形成する。この時、携帯通信機器を意図された位置から除去した時、携帯通信機器と輸送装備1との間に無線データ連結を維持するかまたはしないようにすることができ、携帯通信機器の選択的除去によって第1輸送装備1が再び形成される。第4ステップとして、第1輸送装備1の一つ以上の輸送器1aを類似した輸送器1aと積層して積層型の第3輸送装備1を形成し、第3輸送装備1の形成により、携帯通信機器と輸送装備1との間の無線データ連結は切れる。このような過程は、小売業は勿論、物流と産業にも有用に適用することができる。