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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】ネットワーク診断
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/06 20090101AFI20230202BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20230202BHJP
   H04W 88/08 20090101ALI20230202BHJP
【FI】
H04W24/06
H04W84/12
H04W88/08
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020552272
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 CN2019080009
(87)【国際公開番号】W WO2019184965
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-09-28
(31)【優先権主張番号】201810291516.4
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518056748
【氏名又は名称】新華三技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】NEW H3C TECHNOLOGIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 翔
(72)【発明者】
【氏名】張 海涛
【審査官】篠田 享佑
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0091382(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0246416(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク診断方法であって、
当該ネットワーク診断方法は、
第1アクセスポイント(AP)がネットワーク管理機器からのモード切替指令を受信するステップと、
前記第1APが、前記モード切替指令に基づいて、運転中のWLANサービスモードから前記WLAN Doctorモードに切り替えられるステップと、
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)診断(Doctor)モードで運転される前記第1APが、前記第1APの診断領域に存在する第2APの作業チャネル情報を取得するステップと、
前記第1APが前記第2APの作業チャネル情報に基づいて、クライアント(Client)を模擬することにより、前記第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストするステップと、を含み、
前記第2APが運転するWLANサービスモードは、前記WLAN Doctorモードと異なり、
前記作業チャネル情報により、前記第2APの作業チャネルのチャネル品質を検出することが可能であり、
前記第1APが、前記第1APの診断領域に存在する第2APの作業チャネル情報を取得するステップは、
前記第1APが前記ネットワーク管理機器から送信されたネットワーク診断指令を受信することと、
前記第1APが前記ネットワーク診断指令から前記第2APの作業チャネル情報を取得することと、を含み、
前記ネットワーク管理機器が前記第2APによって供給されたWLANサービスが異常であることを受信した場合に、前記ネットワーク診断指令は、前記ネットワーク管理機器から送信される、
ことを特徴とするネットワーク診断方法。
【請求項2】
前記第1APが、前記第1APの診断領域に存在する第2APの作業チャネル情報を取得した後、前記ネットワーク診断方法は、
前記第1APが前記第2APの作業チャネル情報に基づいて前記第2APの作業チャネルのチャネル品質をテストし、チャネル品質テスト結果を前記ネットワーク管理機器へ報告するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク診断方法。
【請求項3】
前記第1APが前記第2APの作業チャネル情報に基づいて、クライアント(Client)を模擬することにより、前記第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストするステップは、
前記第1APがClientを模擬して前記第2APの作業チャネル情報に基づいて前記第2APへの関連付けを行い、前記第1APの前記第2APへの関連付けに成功した後、前記第1APがClientを模擬してIPアドレスを要求し且つ認証を要求し、前記IPアドレス及び前記認証の取得に成功した後、前記第1APがClientを模擬してネットワークに接続することにより、前記第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストすることを含むことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク診断方法。
【請求項4】
前記第1APがClientを模擬してネットワークに接続することにより、前記第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストすることは、
前記第1APがClientを模擬してドメイン名システム(DNS)サーバへDNS要求を送信することにより、前記DNSサーバに対して、アクセスすべきネットワークのドメイン名についてドメイン名解析を行うよう要求することと、
前記第1APがClientを模擬して前記DNSサーバから返信されたDNS応答を受信し、前記アクセスすべきネットワークのネットワークIPアドレスを前記DNS応答から解析することと、
前記第1APがClientを模擬して前記ネットワークIPアドレスに基づいて前記アクセスすべきネットワークへアクセスすることにより、前記第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストすることと、を含むことを特徴とする請求項に記載のネットワーク診断方法。
【請求項5】
前記ネットワーク診断方法は、
前記第1APがネットワーク情報をネットワーク管理機器へ報告するステップを更に含み、
前記ネットワーク情報は、
前記第1APの前記第2APへの関連付けの関連付け過程情報及び関連付け結果と、
前記第1APがIPアドレスを要求するIPアドレス要求過程情報及びIPアドレス要求結果と、
前記第1APに対する認証の認証過程情報及び認証結果と、
ドメイン名解析結果と、のうちの少なくとも一種を含み、
前記ドメイン名解析結果は、前記第1APがDNSサーバからのDNS応答に基づいて決定した、前記DNSサーバによってアクセスすべきネットワークのドメイン名についてドメイン名解析を行った結果であることを特徴とする請求項に記載のネットワーク診断方法。
【請求項6】
前記ネットワーク診断方法は、
前記第1APが、第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストしたテスト結果をネットワーク管理機器へ報告するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク診断方法。
【請求項7】
WLAN診断(Doctor)モードで運転される第1APに用いられるネットワーク診断装置であって、
ネットワーク管理機器からのモード切替指令を受信し、前記モード切替指令に基づいて、前記第1APが運転中のWLANサービスモードからWLAN Doctorモードに切り替えられるように制御するための作業モードユニットと、
前記第1APの診断領域に存在する第2APの作業チャネル情報を取得するための取得ユニットと、
前記取得ユニットで取得された第2APの作業チャネル情報に基づいて、クライアント(Client)を模擬することにより、前記第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストするための診断ユニットと、を備え、
前記第2APが運転するWLANサービスモードは、前記WLAN Doctorモードと異なり、
前記作業チャネル情報により、前記第2APの作業チャネルのチャネル品質を検出することが可能であり、
前記取得ユニットは、
前記ネットワーク管理機器から送信されたネットワーク診断指令を受信し、
前記ネットワーク診断指令から前記第2APの作業チャネル情報を取得し、
前記ネットワーク管理機器が前記第2APによって供給されたWLANサービスが異常であることを受信した場合に、前記ネットワーク診断指令は、前記ネットワーク管理機器から送信される、
ことを特徴とするネットワーク診断装置。
【請求項8】
前記ネットワーク診断装置は、
前記取得ユニットで取得された第2APの作業チャネル情報に基づいて、前記第2APの作業チャネルのチャネル品質をテストし、チャネル品質テスト結果を前記ネットワーク管理機器へ報告するためのテストユニットを更に備えることを特徴とする請求項に記載のネットワーク診断装置。
【請求項9】
前記診断ユニットは、
前記第1APがClientを模擬して前記第2APの作業チャネル情報に基づいて前記第2APへの関連付けを行うように制御し、前記第1APの前記第2APへの関連付けに成功した後、前記第1APがClientを模擬してIPアドレスを要求し且つ認証を要求するように制御し、前記IPアドレス及び前記認証の取得に成功した後、前記第1APがClientを模擬してネットワークに接続することで前記第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストするように制御するために用いられることを特徴とする請求項に記載のネットワーク診断装置。
【請求項10】
前記診断ユニットは、前記第1APがClientを模擬してネットワークに接続することで前記第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストするように制御することは、具体的に、
前記第1APがClientを模擬してドメイン名システム(DNS)サーバへDNS要求を送信することにより、前記DNSサーバに対してアクセスすべきネットワークのドメイン名についてドメイン名解析を行うよう要求するように制御し、
前記第1APがClientを模擬して前記DNSサーバから返信されたDNS応答を受信し、前記アクセスすべきネットワークのネットワークIPアドレスを前記DNS応答から解析するように制御し、
前記第1APがClientを模擬して前記ネットワークIPアドレスに基づいて前記アクセスすべきネットワークへアクセスすることにより、前記第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストするように制御することを特徴とする請求項に記載のネットワーク診断装置。
【請求項11】
前記診断ユニットは、更に、
ネットワーク情報をネットワーク管理機器へ報告すために用いられ、
前記ネットワーク情報は、
前記第1APの前記第2APへの関連付けの関連付け過程情報及び関連付け結果と、
前記第1APがIPアドレスを要求するIPアドレス要求過程情報及びIPアドレス要求結果と、
第1APに対する認証の認証過程情報及び認証結果と、
ドメイン名解析結果と、
前記第1APが第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストしたテスト結果と、のうちの少なくとも一種を含み、
前記ドメイン名解析結果は、前記第1APがDNSサーバからのDNS応答に基づいて決定した、前記DNSサーバによってアクセスすべきネットワークのドメイン名についてドメイン名解析を行った結果であることを特徴とする請求項に記載のネットワーク診断装置。
【請求項12】
機器読み取り可能な記憶媒体であって、
前記機器読み取り可能な記憶媒体には、機器の実行可能な指令が記憶され、
前記機器の実行可能な指令が実行されることにより、請求項1に記載の方法は、実施されることを特徴とする機器読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク通信技術に関し、特にネットワーク診断方法、装置及び機器読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network、WLAN)は、無線通信技術を用いて一定の領域内で確立されたネットワークであり、無線チャネルを伝送媒体として、伝統的な有線ローカルエリアネットワーク(Local Area Netwrok、LAN)の機能を供給する。
【0003】
WLANは、特点として、環境に非常に大きく影響され、動的でリアルタイムに変化するネットワークである。したがって、高品質のWLANを維持し続けるために、通常、ネットワーク管理者がWLANに対して絶たずに診断を行う必要がある。
【0004】
コストの点から考慮すると、多くの固定場所、例えば、ホテル等には、通常、駐在するネットワーク管理者がいない。ネットワーク管理者がいない場合に、如何にしてネットワークを診断するかは、現在解決すべき技術問題となる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
ここでの図面は、明細書に組み込まれて明細書の一部を構成し、本発明に合致する実施例を示しつつ、明細書の記載とともに本発明の原理を解釈するために用いられる。
図1】本発明に係る例示的な実施例のフローチャートである。
図2】本発明に係る応用ネットワーキングの模式図である。
図3】本発明に係るステップ102の例示的な実施例の実施フローチャートである。
図4】本発明に係るステップ303の例示的な実施例のフローチャートである。
図5】本発明に係る例示的な実施例のネットワーキング図である。
図6】本発明に係るネットワーク診断装置の例示的な実施例の構成図である。
図7】本発明に係る図6に示す装置のハードウェア構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の目的、解決手段及びメリットがより明瞭になるように、以下に図面及び具体的な実施例を組み合わせて本発明を詳細に説明する。
【0007】
図1は、本発明に係る例示的な実施例のフローチャートである。当該方法は、WLAN診断(Doctor)モードで運転される第1アクセスポイント(Access Point、AP)に適用される。ここで、第1APは、単に後文のAPと区分するために名付けられたものであり、1つの特定のAPに限定されるものではない。
【0008】
第1APは、WLAN Doctorモードにおいて運転される。図1に示すように、当該フローは、以下のステップを含んでもよい。
【0009】
ステップ101では、WLAN Doctorモードで運転される第1APが、第1AP診断領域に存在する第2APの作業チャネル情報を取得し、第2APが運転するWLANサービスモードは、WLAN Doctorモードと異なる。
【0010】
ここで、第2APは、単に記述の便宜上で名付けられたものであり、1つの特定のAPに限定されるものではない。
【0011】
一実施例として、本発明において、第1AP診断領域は、第1APの監視し得る領域である。例えば、図2に示すネットワーク構造では、第1APが廊下に設けられるAP200であると仮定すれば、当該廊下に設けられるAP200の監視し得る領域は、客間21~客間24の領域となり、第1AP診断領域は、客間21~客間24の領域となる。
【0012】
一例において、ステップ101では、第1APがローカルの配置に基づいて、第1AP診断領域に存在する第2APの作業チャネル情報を取得してもよい。
【0013】
別の例において、ステップ101では、第1APがネットワーク管理機器からのネットワーク診断指令に基づいて第1AP診断領域に存在する第2APの作業チャネル情報を取得することは、具体的に、ネットワーク診断指令を受信し、本AP診断領域に存在する第2APの作業チャネル情報を前記ネットワーク診断指令から取得することを含んでもよい。ここでのネットワーク管理機器は、クラウド管理プラットフォーム、または、ローカルのネットワーク機器(例えば、サーバ等)であってもよい。
【0014】
一実施例として、ここでのネットワーク診断指令は、ネットワーク管理機器が第2APから供給されたWLANサービスの異常を知ったときに配信したものであり、第2APから供給されたWLANサービスを診断するために専用されている。例えば、図2に示すように、客間21にWLANの異常が発生し、ホテルネットワーク管理者は、客間21におけるお客さんのクレームを受けた後で移動端末を介して客間21におけるWLANサービスの異常を指示する外部指令をネットワーク管理機器へ報告する。こうして、ネットワーク管理機器は、外部指令を受信すると、客間21を監視可能であるとともにWLAN Doctorモードで運転されるAP200(廊下に設けられ、第1APに相当)へネットワーク診断指令を配信することにより、AP200(第1APに相当)が客間21におけるAP201(第2APに相当)から供給されたWLANサービスを専ら診断するようトリガする。
【0015】
ステップ102では、第1APが前記第2APの作業チャネル情報に基づいて、クライアント(Client)を模擬することにより、前記第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストする。
【0016】
ステップ102から分かるように、本発明において、第1APは、Clientを模擬することで第1AP診断領域における第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストし、WLANをリアルタイムで診断可能であり、ネットワーク管理者の関与を必要とせず、人工コストを低減できるとともに、ネットワーク異常時の処理速度を速めることができ、ネットワークアクセスの回復効率を向上させる。
【0017】
これで、図1に示すフローは、完了する。
【0018】
図1に示すフローにおいて、一実施例として、第1APは、専ら実際の需要に応じて指定の位置に配置された、WLAN Doctorを実行するための少なくとも1つのAPであってもよい。ここで、専ら実際の需要に応じて配置された、WLAN Doctorを実行するための第1APは、電源を入れると、WLAN Doctorモードにおいて運転されて作業する。
【0019】
図1に示すフローにおいて、別の実施例として、第1APは、WLANサービスモードで運転される少なくとも1つのAPであってもよい。この前提の下で、上記図1に示すフローを実行する前に、第1APは、先にモード切替を行い、運転中のWLANサービスモードからWLAN Doctorモードに切り替えられる。
【0020】
一例において、第1APが運転中のWLANサービスモードからWLAN Doctorモードに切り替えられるのは、受信されたモード切替指令に基づいて実行される。ここでのモード切替指令は、ネットワーク管理機器からのものであってもよい。
【0021】
図1に示すフローにおいて、ステップ102の実現方式は、非常に多くあり得る。下文では、図3に示すフローは、1種の実現方式を示す。
【0022】
図3は、本発明に係るステップ102で実現される例示的な実施例のフローチャートである。図3に示すように、当該フローは、以下のステップを含んでもよい。
【0023】
ステップ301では、第1APがClientを模擬して第2APの作業チャネル情報に基づいて第2APへの関連付けを行い、前記第2APへの関連付けに成功した後、ステップ302を実行する。
【0024】
一例において、第1APがClientを模擬して第2APの作業チャネルに切り替えられることで第2APと関連付けさせ、具体的な関連付け方式は、従来のClientとAPとの関連付けの方式に類似するため、ここで繰り返し説明しない。
【0025】
説明すべきことは、本発明において、第1APがClientを模擬して第2APとの関連付けを試す全過程がネットワーク管理機器によって完全に把握され得ることを保証するために、一例示において、第1APは、更に、第1APがClientを模擬して第2APとの関連付けを行う関連付け過程情報及び関連付け結果をネットワーク管理機器へ報告する必要がある。
【0026】
一例において、関連付け過程情報とは、第1APがClientを模擬して第2APとの関連付けを行う過程情報を指す。例えば、第1APがClientを模擬して第2APとの関連付けを行うステップは、主に、第1APがClientを模擬して第2APへ関連付け検知要求を送信し、第2APから返信された関連付け検知応答を受信することを含む場合に、関連付け過程情報は、関連付け検知要求の送信に成功したか否かの情報、関連付け検知応答の受信に成功したか否かの情報を含む。
【0027】
一例において、関連付け結果は、関連付けに成功したか否かの情報を含む。第1APがClientを模擬して第2APとの関連付けに成功した場合に、関連付け結果は、関連付け成功情報を含み、逆に、関連付け結果は、関連付け失敗情報を含む。
【0028】
ここで、第1APがClientを模擬して第2APとの関連付けを行う関連付け過程情報、及び関連付け結果をネットワーク管理機器へ報告することにより、第1APがClientを模擬して第2APとの関連付けを行う全過程がネットワーク管理機器によって全方位で監視され得ることは保証でき、異常時にも異常原因をタイムリーに診断できる。以下では、例を挙げて異常時に異常原因をタイムリーに診断することを記述する。異常が関連付け検知要求の送信に失敗したことであることを例とし、ネットワーク管理機器は、第1APから報告された、関連付け検知要求の送信に失敗した旨の情報を受信したときに、第2APの上り出口流量帯域幅を検出し、当該検出された上り出口流量帯域幅が必要な帯域幅リミットよりも遥かに低いと発見すれば、関連付け検知要求の送信に失敗した原因がネットワーク帯域幅の不足であると分析する。
【0029】
ステップ302では、第1APがClientを模擬してIP(Internet Protocol)アドレスを要求し且つ認証を要求し、IPアドレス及び認証の取得に成功した後、ステップ303を実行する。
【0030】
本発明において、第1APがClientを模擬してIPアドレスを要求し且つ認証を要求することは、固定の時間前後順を有さない。第1APは、Clientを模擬し、IPアドレスを要求してから認証を要求してもよく、認証を要求してからIPアドレスを要求してもよいが、本発明では具体的に限定されない。
【0031】
ここで、第1APがClientを模擬してIPアドレスを要求する方式は、従来のClientがIPアドレスを要求する方式と類似するため、ここで繰り返し説明しない。
【0032】
説明すべきことは、本発明において、第1APがClientを模擬してIPアドレスを要求する全過程がネットワーク管理機器によって完全に把握され得ることを保証するために、一例示において、第1APは、更に、Clientを模擬してIPアドレスを要求するIPアドレス要求過程情報及びIPアドレス要求結果をネットワーク管理機器へ報告する必要がある。
【0033】
一例において、IPアドレス要求過程情報とは、第1APがIPアドレスを要求する過程情報を指す。例えば、第1APがClientを模擬してIPアドレスを要求する過程は、主に、第1APがClientを模擬して動的ホスト構成プロトコル(Dynamic Host Configuration Protocol、DHCP)サーバへDHCPディスカバー(Discover)パケットを送信することと、DHCPサーバから返信されたDHCPオファー(Offer)パケットを受信することと、DHCPサーバへDHCP要求(Request)パケットを送信することと、DHCPサーバから返信されたDHCP確認(ACK)パケットを受信することとを含み、IPアドレス要求過程情報は、DHCP Discoverパケットの送信に成功したか否か、DHCPサーバから返信されたDHCP Offerパケットの受信に成功した否か、DHCP Requestパケットの送信に成功したか否か、DHCPサーバから返信されたDHCP ACKパケットの受信に成功したか否かを含む。
【0034】
一例において、IPアドレス要求結果は、IPアドレスの情報の取得に成功したか否かを含み、第1APがClientを模擬してIPアドレスを取得することに成功した場合に、IPアドレス要求結果は、IPアドレス取得成功情報を含み、逆に、IPアドレス要求結果は、IPアドレス取得失敗情報を含む。一例示において、IPアドレス要求結果がIPアドレス取得失敗情報を含むときに、第1APが失敗原因を知っていれば、IPアドレス取得結果は、失敗原因を更に含んでもよい。
【0035】
ここで、第1APがClientを模擬してIPアドレスを要求する過程におけるIPアドレス要求過程情報、及びIPアドレス要求結果を、ネットワーク管理機器へ報告するため、ネットワーク管理機器は、第1APがClientを模擬してIPアドレスを要求する全過程を全方位で監視することを保証可能であるとともに、異常時に異常原因をタイムリーに診断できる。以下では、例を挙げて異常時に異常原因をタイムリーに診断することを記述する。異常がDHCP Requestパケット送信の失敗であることを例とすると、ネットワーク管理機器は、第1APから報告された、DHCP Requestパケットの送信に失敗した旨の情報を受信したときに、第1APとDHCPサーバとの間の出口流量帯域幅を検出し、出口流量帯域幅が所定帯域幅リミットよりも遥かに低いと発見すれば、DHCP Requestパケット送信の失敗の原因がネットワーク帯域幅の不足であると分析する。また、異常がDHCPサーバから返信されたDHCP ACKパケットを成功に受信していないことであることを例とすると、ネットワーク管理機器は、第1APから報告された、DHCPサーバから返信されたDHCP ACKパケットの受信に成功しなかった旨の情報を受信したときに、DHCPサーバ処理パケットの状況を検知することでDHCPサーバの負荷を判断し、DHCPサーバで並行処理されているDHCP Requestパケットの数が設定された並行数よりも遥かに高いと発見すれば、DHCPサーバから返信されたDHCP ACKパケットを成功に受信しなかった原因が、DHCPサーバの負荷負担が大きいことであると分析する。
【0036】
ステップ302では、第1APがClientを模擬して認証を要求するとは、第1APがClientを模擬して認証サーバへ、本APの模擬したClientに対して認証を行うよう要求することを指す。ここでの認証は、MAC認証、Portal認証、802.1x認証等の常用認証であってもよく、本発明では具体的に限定されない。
【0037】
説明すべきことは、本発明において、第1APの模擬したClientに対して認証を行う全過程がネットワーク管理機器によって完全に把握され得ることを保証するために、一例示において、第1APは、更に、第1APの模擬したClientに対して認証を行う認証過程情報、及び認証結果をネットワーク管理機器へ報告する必要がある。
【0038】
一例において、認証過程情報とは、認証サーバが第1APの模擬したClientに対して認証を行う過程情報を指し、上述した関連付け過程情報、IPアドレス取得過程情報と類似し、ここで繰り返し説明しない。
【0039】
一例において、認証結果は、認証に成功したか否かの情報を含む。
【0040】
ここで、第1APの模擬したClientに対して認証を行う時の認証過程情報、及び認証結果をネットワーク管理機器へ報告するため、第1APの模擬したClientに対して認証を行う時の全過程がネットワーク管理機器によって全方位で監視されることは保証可能であり、異常時にも異常原因をタイムリーに診断できる。
【0041】
ステップ303では、第1APは、Clientを模擬してネットワークに接続することにより、第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストする。
【0042】
一実施例として、下文の図4に示すフローでは、本ステップ303において、第1APが如何にしてClientを模擬してネットワークに接続することで第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストするかは、例示されている。ここで繰り返し説明しない。
【0043】
一例において、第1APは、更に、第1APがClientを模擬して第2APから供給されたWLANサービス品質をテストしたテスト結果をネットワーク管理機器へ報告する必要がある。ネットワーク管理機器は、テスト結果を受信した後、テスト結果に基づいて、第2APから供給されたWLANサービスの品質を分析し、第2APから供給されたWLANサービスが異常である場合に、ネットワーク管理機器は、タイムリーに警告を発しまたは異常原因を作業員へフィードバックすることで作業員が異常原因に応じて異常を解決するよう促し、ネットワークをリアルタイムで追跡することを実現する。
【0044】
これで、図3に示すフローは、完了する。図3に示すフローにより、第1APが真にClientを模擬して第2APから供給されたWLANサービス品質をテストすることは、実現される。
【0045】
図4は、本発明に係るステップ303の例示的な実施例のフローチャートである。図4に示すように、当該フローは、以下のステップを含んでもよい。
【0046】
ステップ401では、第1APがClientを模擬してドメイン名システム(Domain Name System、DNS)サーバへDNS要求を送信することにより、前記DNSサーバに対して、アクセスすべきネットワークのドメイン名についてドメイン名解析を行うよう要求する。
【0047】
本ステップ401は、第1APの模擬したClientに対する認証に成功したときに実行される。第1APの模擬したClientに対する認証に成功したのは、第1APがClientを模擬して正常のインターネット利用行為を開始できることを意味する。正常のインターネット利用行為を開始するときに、アクセスすべきネットワークに対してドメイン名解析を行う必要がある。ステップ401は、ドメイン名解析を要求する過程である。DNSサーバがDNS要求を受信した後で如何にしてドメイン名解析を行うかは、具体的な実現過程が従来のドメイン名解析過程と類似するため、繰り返し説明しない。
【0048】
一例において、ここでアクセスすべきネットワークは、予め指定されたネットワークテストのためのネットワークであってもよい。
【0049】
別の例において、ここでアクセスすべきネットワークは、需要に応じてランダム的にアクセスするネットワークであり、本発明において具体的に限定されない。
【0050】
ステップ402では、第1APがClientを模擬して前記DNSサーバから返信されたDNS応答を受信し、アクセスすべきネットワークのネットワークIPアドレスを前記DNS応答から解析する。
【0051】
一例において、DNS応答がネットワークIPアドレスを含む場合に、DNS応答に付加されるネットワークIPアドレスは、一般的にDNS要求に基づいて解析されたアクセスすべきネットワークのIPアドレスであり、その際、ドメイン名解析に成功したことを意味し、逆に、ドメイン名解析に失敗したことを意味する。
【0052】
ステップ403では、第1APがClientを模擬して前記ネットワークIPアドレスに基づいて前記アクセスすべきネットワークへアクセスすることにより、前記第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストする。
【0053】
一例において、第2APから供給されたWLANサービスの品質は、ネットワーク速度で表される。第2APから供給されたWLANのネットワーク速度が、設定されたネットワーク速度以上であるときに、第2APから供給されたWLANサービス品質が良好であると示し、逆に、第2APから供給されたWLANサービス品質が悪いと示し、第2APから供給されたWLANサービス品質のテストは最終的に実現される。
【0054】
説明すべきことは、本発明において、第1APがClientを模擬してドメイン名解析を要求する全過程がネットワーク管理機器によって完全に把握され得ることを保証するために、一例示において、第1APは、更に、第1APがClientを模擬して受信したドメイン名解析結果をネットワーク管理機器へ報告する必要がある。ここでのドメイン名解析結果は、第1APが前記DNS応答に基づいて決定した、前記DNSサーバによってアクセスすべきネットワークのドメイン名についてドメイン名解析を行った結果である。一例において、第1APがClientを模擬してDNSサーバへDNS要求を送信した後、受信されたDNS応答にネットワークIPアドレスが付加されている場合に、DNS解析に成功したことを意味し、このような場合に、ドメイン名解析結果とは、ドメイン名解析に成功したことを指し、逆に、ドメイン名解析結果とは、ドメイン名解析に失敗したことを指す。
【0055】
これで、図4に示すフローは、完了する。
【0056】
説明すべきことは、本発明において、第1APは、更に、取得された第2APの作業チャネル情報に基づいて第2APの作業チャネルのチャネル品質をテストし、チャネル品質テスト結果をネットワーク管理機器へ報告する必要がある。一実施例として、ここでのチャネル品質テスト結果は、ネットワーク信号強度、チャネル利用率、信号干渉状況等を含むが、これらに限定されない。第1APがチャネル品質テスト結果をネットワーク管理機器へ報告した後、ネットワーク管理機器は、第1APから報告されたチャネル品質テスト結果に基づいて、第2APから供給されたWLANサービスが正常であるか否かを判断してもよい。具体的に、ネットワーク管理機器が第1APから報告されたチャネル品質テスト結果に基づいて、第2APから供給されたWLANサービスが正常であるか否かを判断することは、非常に多くの実現方式があり得る。以下では、例を挙げて1種の実現方式を記述する。
【0057】
一実施例として、ネットワーク管理機器は、機械学習アルゴリズムにより、第1APから報告されたチャネル品質テスト結果に基づいて、第2APから供給されたWLANサービスが正常であるか否かを判断する。図2を例とすると、第2APの作業チャネルがチャネル1とされ、ネットワーク管理機器が受信した第1APから報告されたチャネル1のチャネル品質テスト結果(現在信号強度を例とする)がa21とされた場合に、ネットワーク管理機器は、受信されたチャネル1の現在信号強度に基づいて、チャネル1の信号強度にばらつきがあるか否かを判断し、そうであれば、第2APから供給されたWLANサービスが異常であると決定し、そうでなければ、第2APから供給されたWLANサービスが正常であると決定する。ここで、ネットワーク管理機器が受信されたチャネル1の現在信号強度に基づいてチャネル1の信号強度にばらつきが発生したか否かを判断することは、例として、受信されたチャネル1の現在信号強度がチャネル1の既存のチャネル強度区間範囲を超えたか否かをチェックし、そうであれば、チャネル1の信号強度にばらつきが発生したと決定し、そうでなければ、チャネル1の信号強度にばらつきが発生しなかったと決定する。例えば、チャネル1の現在信号強度が-70であれば、チャネル1の既存のチャネル強度区間範囲(ある時間帯に渡ってチャネル1の信号強度を累積して得られた)を超えたため、チャネル1の信号強度にばらつきが発生したと決定する。
【0058】
一例において、ネットワーク管理機器は、第2APから供給されたWLANサービスが異常であると判断したときに、警告を発し、または指定の目標例えば固定場所(例えばホテル)の作業員へフィードバックすることにより、ネットワークをできるだけ速く回復する。
【0059】
図3図4に示すフローから分かるように、第1APがClientを模擬して実行した各操作の過程情報及び結果(ネットワーク情報と総称)は、ネットワーク管理機器へ報告される。第1APがClientを模擬するネットワーク情報は、上述した通りに、主に、第1APがClientを模擬して前記第2APとの関連付けを行う関連付け過程情報及び関連付け結果と、第1APがClientを模擬してIPアドレスを要求する時のIPアドレス要求過程情報及びIPアドレス要求結果と、第1APで模擬されたClientに対して認証を行う認証過程情報及び認証結果と、第1APがDNSサーバからのDNS応答に基づいて決定した、前記DNSサーバによってアクセスすべきネットワークのドメイン名についてドメイン名解析を行った結果と、を含む。
【0060】
ネットワーク管理機器は、第1APから報告されたネットワーク情報を受信した後、ネットワーク情報に基づいてネットワーク異常を診断し、ネットワーク異常が診断で判明されたときに、警告を発し、または指定目標例えば固定場所(ホテルを例とする)の作業員へフィードバックする。説明すべきことは、本発明において、ネットワーク管理機器がネットワーク異常を診断で判明したときにも、当該ネットワーク異常は、第1APがClientを模擬して実行した各操作の過程情報及び結果(ネットワーク情報と総称)に基づいて決定したものであるため、異常原因が非常に容易に分かる。こうして、異常を指定目標例えば固定場所(ホテルを例とする)の作業員へフィードバックする際、異常原因を説明してもよい。これにより、指定目標例えば固定場所(ホテルを例とする)の作業員がタイムリーに機器を取り換えてネットワークへのアクセスを回復し、即ち、機器の取り換えをリアルタイムで実行可能であり、何のネットワーク経験も持たない作業員でも異常を解決できる。
【0061】
依然として図3に示すフローから分かるように、本発明において、第1APは、更に、Clientを模擬して第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストしたテスト結果をネットワーク管理機器へ報告する。ネットワーク管理機器は、第1APがClientを模擬して第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストしたテスト結果を受信し、受信されたテスト結果に基づいて、第2APから供給されたWLANサービス状況を診断してもよい。
【0062】
更に、第1APと同様にWLAN Doctorモードで運転される複数のAPが何れも第1APの作業方式に従って作業したときに、ネットワーク管理機器は、第1APと同様にWLAN Doctorモードで運転される複数のAPから報告されたテスト結果を受信する。こうして、ネットワーク管理機器は、受信されたテスト結果に基づいてWLANを最適化してもよい。具体的に、ネットワーク管理機器は、ビッグデータによって各APから報告されたテスト結果を分析することで全WLANのネットワーク体験を分析し、分析結果に基づいて全WLANを最適化してもよい。
【0063】
以下では、1つの具体的な実施例により、本発明に係る方法を記述する。
【0064】
図5は、本発明に係る例示的な実施例のネットワーキング図である。図5において、ネットワーク管理機器は、クラウド管理プラットフォームとして例示される。
【0065】
図5は、ホテルへの応用を例とする。図5に示すように、需要に応じて、ホテルにおいて廊下に位置し且つ現在WLANサービスモードで運転されるAP500がWLAN Doctorを実行する必要があると決定する。
【0066】
クラウド管理プラットフォームは、AP500へモード切替指令を送信し、モード切替指令は、AP500が運転中のWLANサービスモードからWLAN Doctorモードへ切り替えられるよう指示するために用いられる。
【0067】
クラウド管理プラットフォームとAP500の間に存在するACは、AP500に先立ってクラウド管理プラットフォームからのモード切替指令を受信し、受信されたモード切替指令をAP500へ転送する。
【0068】
AP500は、モード切替指令を受信した後、運転中のWLANサービスモードからWLAN Doctorモードに切り替えられる。これで、AP500は、WLAN Doctorモードで運転される。説明すべきことは、別の例において、WLAN Doctor専用の1つのAPも単独で配置してもよい。当該WLAN Doctor専用のAPが一旦配置できると、当該APは、WLAN Doctorモードで運転される。本実施例は、単にAP500を例として記述する。
【0069】
AP500は、運転中のWLANサービスモードからWLAN Doctorモードに切り替えられた後、クラウド管理プラットフォームへモード切替成功のメッセージを返信する。クラウド管理プラットフォームとAP500の間に存在するACは、クラウド管理プラットフォームに先立ってAP500からのモード切替成功のメッセージを受信し、受信されたモード切替成功のメッセージをクラウド管理プラットフォームへ転送する。クラウド管理プラットフォームは、AP500からのモード切替成功のメッセージを受信した後、ネットワーク診断指令をAP500へ配信する。ネットワーク診断指令には、AP500の診断領域に存在する少なくとも1つのAPの作業チャネル情報が付加されている。ここで、モード切替指令にAP501~AP504の作業チャネル情報が付加されることを例とする。
【0070】
クラウド管理プラットフォームとAP500の間に存在するACは、AP500に先立ってクラウド管理プラットフォームからのネットワーク診断指令を受信すると、ネットワーク診断指令をAP500へ転送する。
【0071】
AP500は、クラウド管理プラットフォームからのネットワーク診断指令を受信し、受信されたネットワーク診断指令から、本AP診断領域に存在するAP501~AP504の作業チャネル情報を取得する。
【0072】
AP501の作業チャネル情報を取得することを例とする。
【0073】
AP500は、AP501の作業チャネル情報に基づいてAP501の作業チャネル(チャネル1と記す)のチャネル品質(例えば、信号強度、チャネル利用率、信号干渉状況等)をテストし、チャネル品質テスト結果をクラウド管理プラットフォームへ報告する。クラウド管理プラットフォームは、チャネル1のチャネル品質テスト結果を受信し、チャネル品質テスト結果に基づいて、機械学習アルゴリズムによって、AP501から供給されたWLANサービスが正常であるか否かを判断する(判断方式は、上述した通りである)。一例において、クラウド管理プラットフォームは、AP501から供給されたWLANサービスが異常であると判断したときに、警告を発してもよい。
【0074】
AP500は、Clientの行為を模擬し、AP501の作業チャネル情報に基づいてAP501との関連付けを行い、関連付け過程情報、関連付け結果をクラウド管理プラットフォームへ報告する。
【0075】
AP500は、AP501との関連付けに成功した後、Clientの行為を模擬してIPアドレスを要求し、且つ認証を要求する。AP500は、Clientを模擬してIPアドレスを要求する時のIPアドレス要求過程情報、及びIPアドレス要求結果をクラウド管理プラットフォームへ報告し、AP500は、本AP500の模擬したClientに対して認証を行った認証過程情報、及び認証結果をクラウド管理プラットフォームへ報告する。
【0076】
AP500は、IPアドレス及び認証の取得に成功した後、正常インターネット利用行為を開始してもよい。その際、DNSサーバへDNS要求を送信することにより、DNSサーバに対して、アクセスすべきネットワークのドメイン名についてドメイン名解析を行うよう要求する。
【0077】
AP500は、Clientを模擬してDNSサーバから返信されたDNS応答を受信し、アクセスすべきネットワークのネットワークIPアドレスをDNS応答から解析する。一実施例として、AP500は、更に、Clientを模擬したドメイン名解析結果をクラウド管理プラットフォームへ報告する必要がある。ここでのドメイン名解析結果は、AP500がDNSサーバからのDNS応答に基づいて決定した、DNSサーバがアクセスすべきネットワークのドメイン名についてドメイン名解析を行った結果である。一例において、AP500がClientを模擬してDNSサーバへDNS要求を送信した後、受信されたDNS応答にネットワークIPアドレスが付加されている場合に、DNS解析に成功したと意味する。このような場合に、ドメイン名解析結果とは、ドメイン名解析に成功したことを指し、逆に、ドメイン名解析結果とは、ドメイン名解析に失敗したことを指す。
【0078】
ドメイン名解析に成功した後、AP500は、DNS応答に付加されるネットワークIPアドレスに基づいて、前記アクセスすべきネットワークへアクセスすることにより、AP501から供給されたWLANサービスの品質をテストする。AP500は、テスト結果をクラウド管理プラットフォームへ報告し、クラウド管理プラットフォームは、測定結果に基づいてAP501の実ネットワーク状況を診断し、ネットワーク異常が診断されたときに、タイムリーに警告を発しまたは異常原因を作業員へフィードバックし、作業員が異常原因に応じて機器を取り換えるように促し、異常を迅速に解決し、ネットワークを24時間リアルタイムで追跡することも実現できる。
【0079】
以上では、AP501を例としてAP500が如何にしてAP501から供給されたWLANサービスの品質をテストするかを記述した。同様に、AP500も、上記原理にしたがってAP502~AP504から供給されたWLANサービスの品質をテストする。
【0080】
AP500が、AP501~AP504から供給されたWLANサービス品質のテスト結果をクラウド管理プラットフォームへ報告した後、クラウド管理プラットフォームは、報告されたテスト結果に基づいてビッグデータ分析を行い、全WLANのネットワーク体験を分析し、即ち、分析結果に基づいて全WLANを最適化することが可能である。
【0081】
以上は、本発明に係る実施例を分析した。以下では、本発明に係る装置を記述する。
【0082】
図6は、本発明に係るネットワーク診断装置の例示的な実施例の構成図である。当該装置60は、WLANDoctorモードで運転される第1APに適用され、装置60は、取得ユニット601及び診断ユニット602を備える。取得ユニット601は、第1AP診断領域に存在する第2APの作業チャネル情報を取得し、前記第2APが運転するWLANサービスモードは、前記WLAN Doctorモードと異なる。診断ユニット602は、前記取得ユニットで取得された第2APの作業チャネル情報に基づいて、クライアント(Client)を模擬することにより、前記第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストする。
【0083】
図6に示すように、装置60は、作業モードユニット603及びテストユニット604を更に備える。作業モードユニット603は、モード切替指令を受信し、前記モード切替指令に基づいて、前記第1APが運転中のWLANサービスモードからWLAN Doctorモードに切り替えられるように制御する。テストユニット604は、取得ユニット601で取得された第2APの作業チャネル情報に基づいて第2APの作業チャネルのチャネル品質をテストし、チャネル品質テスト結果をネットワーク管理機器へ報告する。
【0084】
一例において、前記取得ユニット601は、具体的に、ネットワーク診断指令を受信し、前記ネットワーク診断指令から前記第2APの作業チャネル情報を取得する。
【0085】
一例において、前記診断ユニット602は、具体的に、前記第1APがClientを模擬して前記第2APの作業チャネル情報に基づいて前記第2APへの関連付けを行うように制御し、第1APの前記第2APへの関連付けに成功した後、前記第1APがClientを模擬してIPアドレスを要求し且つ認証を要求するように制御し、IPアドレス及び認証の取得に成功した後、前記第1APがClientを模擬してネットワークに接続することで第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストするように制御する。
【0086】
一例において、前記診断ユニット602は、前記第1APがClientを模擬してネットワークに接続することで第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストすることは、具体的に、前記第1APがClientを模擬してドメイン名システム(DNS)サーバへDNS要求を送信することにより、前記DNSサーバに対して、アクセスすべきネットワークのドメイン名についてドメイン名解析を行うよう要求するように制御し、
前記第1APがClientを模擬して前記DNSサーバから返信されたDNS応答を受信し、前記アクセスすべきネットワークのネットワークIPアドレスを前記DNS応答から解析するように制御し、且つ、前記第1APがClientを模擬して前記ネットワークIPアドレスに基づいて前記アクセスすべきネットワークへアクセスすることにより、前記第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストするように制御する。
【0087】
一例において、前記診断ユニット602は、更に、前記第1APの前記第2APへの関連付けの関連付け過程情報及び関連付け結果をネットワーク管理機器へ報告し、及び/又は、前記第1APがIPアドレスを要求するIPアドレス要求過程情報及びIPアドレス要求結果をネットワーク管理機器へ報告し、及び/又は、第1APに対する認証の認証過程情報及び認証結果をネットワーク管理機器へ報告し、及び/又は、ドメイン名解析結果を前記ネットワーク管理機器へ報告し(前記ドメイン名解析結果は、第1APがDNSサーバからのDNS応答に基づいて決定した、前記DNSサーバによってアクセスすべきネットワークのドメイン名についてドメイン名解析を行った結果である)、及び/又は、第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストしたテスト結果をネットワーク管理機器へ報告する。
【0088】
これで、図6に示す装置の構成図は、完了する。
【0089】
図7は、本発明に係る図6に示す装置のハードウェア構成図である。図7に示すように、当該ハードウェア構造は、プロセッサ701と、機器の実行可能な指令が記憶される機器読み取り可能な記憶媒体702とを備える。
【0090】
プロセッサ701と機器読み取り可能な記憶媒体702とは、システムバスを介して互いに通信可能である。また、プロセッサ701は、機器読み取り可能な記憶媒体702におけるネットワーク診断論理に対応する機器の実行可能な指令を読み取って実行することにより、上述したネットワーク診断方法を実施可能である。一実施例において、プロセッサ701は、前記第1APの診断領域に存在する第2APの作業チャネル情報を取得し、前記第2APの作業チャネル情報に基づいて、クライアント(Client)を模擬することにより、前記第2APから供給されたWLANサービスの品質をテストするように構成され、前記第2APが運転するWLANサービスモードは、前記WLAN Doctorモードと異なる。
【0091】
本文で言及された機器読み取り可能な記憶媒体702は、如何なる電気的なもの、磁気的なもの、光学的なものまたは他の物理的記憶装置であってもよく、情報(例えば、実行可能な指令、データ等)を含むか記憶可能である。例えば、機器読み取り可能な記憶媒体702は、ランダムアクセスメモリ(英語:Radom Access Memory、RAMと略称)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、フラッシュメモリ、記憶ドライバ(例えば、ハードディスクドライバ)、ソリッド・ステート・ディスク、如何なるタイプの記憶ディスク(例えば、光ディスク、dvd等)、または、類似する記憶媒体やそれらの組み合わせであってもよい。
【0092】
これで、図7に示すハードウェア構造記述は、完了する。
【0093】
本発明は、機器の実行可能な指令を含む機器読み取り可能な記憶媒体、例えば、図7における機器読み取り可能な記憶媒体702を更に提供する。前記機器の実行可能な指令がネットワーク診断装置におけるプロセッサによって実行されることにより、上述したネットワーク診断方法は、実施される。
【0094】
上述したのは、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではない。本発明の精神及び原則内でなされた如何なる変更、均等物による置換、改良等も、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7