(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】無人航空機及びその投下システム
(51)【国際特許分類】
A01M 1/00 20060101AFI20230202BHJP
A01M 29/34 20110101ALI20230202BHJP
B64D 1/08 20060101ALI20230202BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20230202BHJP
A01P 7/04 20060101ALI20230202BHJP
A01N 63/14 20200101ALI20230202BHJP
【FI】
A01M1/00 Z
A01M29/34
B64D1/08
B64C39/02
A01P7/04
A01N63/14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021074183
(22)【出願日】2021-04-26
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】202011271264.2
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519385179
【氏名又は名称】雲南省煙草公司昆明市公司
【氏名又は名称原語表記】Kunming Tobacco Corporation of China National Tobacco Company
(73)【特許権者】
【識別番号】521180887
【氏名又は名称】▲蘇▼州推▲動▼者生物科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲チャン▼ ▲イウ▼国
(72)【発明者】
【氏名】王 志江
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ 冉奚
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 雅▲瓊▼
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ 永▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】李 杰
(72)【発明者】
【氏名】王 亮
(72)【発明者】
【氏名】叶 ▲賢▼文
(72)【発明者】
【氏名】史 ▲愛▼民
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 道琴
(72)【発明者】
【氏名】白 超
【審査官】大塚 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-068748(JP,A)
【文献】特開2020-096589(JP,A)
【文献】特開2004-298030(JP,A)
【文献】中国実用新案第210734508(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第110294072(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00
A01M 29/34
B64D 1/08
B64C 39/02
A01P 7/04
A01N 63/14
A01C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の昆虫放出装置が保管される保管容器であって、放出口を有し、複数の前記昆虫放出装置は次々と前記放出口から滑り出られる前記保管容器と、
前記保管容器に接続され、且つ第1状態と第2状態とで切り替わる投下装置であって、前記放出口にマッチする投下チェンバーと、前記放出口にマッチするブロック構造とを有し、
前記投下装置が第1状態である時、前記投下チェンバーは前記放出口にドッキングして、前記保管容器内の昆虫放出装置を受け止め、前記投下装置が第2状態である時、前記投下チェンバー内の昆虫放出装置は前記投下チェンバーから落下でき、且つ前記ブロック構造は前記放出口を遮蔽する前記投下装置とを含み、
前記放出口の大きさを調整でき、且つ/又は前記投下チェンバーの大きさを調整でき、
前記投下チェンバーは可動の調整内壁を有し、前記調整内壁が対向する他の内壁に対して間隔を変えるように動くことにより前記投下チェンバーの大きさの調整を実現することを特徴とする、
無人航空機の投下システム。
【請求項2】
複数の昆虫放出装置が保管される保管容器であって、放出口を有し、複数の前記昆虫放出装置は次々と前記放出口から滑り出られる前記保管容器と、
前記保管容器に接続され、且つ第1状態と第2状態とで切り替わる投下装置であって、前記放出口にマッチする投下チェンバーと、前記放出口にマッチするブロック構造とを有し、
前記投下装置が第1状態である時、前記投下チェンバーは前記放出口にドッキングして、前記保管容器内の昆虫放出装置を受け止め、前記投下装置が第2状態である時、前記投下チェンバー内の昆虫放出装置は前記投下チェンバーから落下でき、且つ前記ブロック構造は前記放出口を遮蔽する前記投下装置とを含み、
前記放出口の大きさを調整でき、且つ/又は前記投下チェンバーの大きさを調整でき、
前記投下チェンバーは、該投下チェンバーの底壁としての調整内壁を有し、該底壁としての調整内壁が該投下チェンバーの深さ方向に動くことにより該投下チャンバーの大きさの調整を実現することを特徴とする、
無人航空機の投下システム。
【請求項3】
前記投下装置
(130)は前記保管容器
(110)に対して
回転可能に接続される
回転部材である投下部品
(132)を含み、前記投下チェンバー
(131)及び前記ブロック構造
(133)はいずれも前記投下部品
(132)に設けられ、
前記投下部品(132)が前記保管容器(110)に対して回転することで、前記投下装置(130)が前記第1状態と前記第2状態とで切り替わることを特徴とする請求項1
または2に記載の無人航空機の投下システム。
【請求項4】
少なくとも2つの前記保管容器を含み、且つ少なくとも2つの前記保管容器は取り外し可能に接続され、前記投下チェンバーの大きさは少なくとも2つの前記保管容器の放出口のいずれにもマッチするように調整できることを特徴とする請求項1
または2に記載の無人航空機の投下システム。
【請求項5】
前記保管容器
(110)の前記放出口
(111)に近い
底面上には
細い開口の規制ノッチ
(115)が設けられ、前記投下装置
(130)は前記規制ノッチ
(115)の形状にマッチする
ロッド状の規制部品
(135)をさらに含み、前記投下装置
(130)が
前記第1状態である時、前記規制部品
(135)は
前記保管容器
(110)の外側に位置し、前記投下装置
(130)が
前記第2状態である時、前記規制部品
(135)は前記規制ノッチ
(115)を介して前記保管容器
(110)の内部空間に挿入されることを特徴とする請求項1
または2に記載の無人航空機の投下システム。
【請求項6】
前記投下装置には監視構造と、インジケータとが設けられ、前記投下装置が
前記第1状態で、且つ前記監視構造は前記投下チェンバー内に前記昆虫放出装置が収容されていることを検出した場合に、前記インジケータを駆動して点灯させ、前記投下装置が
前記第1状態で、且つ前記監視構造は前記投下チェンバー内に前記昆虫放出装置がないことを検出した場合に、前記インジケータが消灯することを特徴とする請求項1
または2に記載の無人航空機の投下システム。
【請求項7】
請求項1から
6のいずれか1項に記載の投下システムを含むことを特徴とする無人航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昆虫放出分野に関し、特に、無人航空機及びその投下システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この部分の内容は本発明の背景情報で、必ずしも従来技術と認められるものではない。
【0003】
農業生産において、害虫防除作業は主に農薬防除及び生物的防除の2種類がある。生物的防除とは主に昆虫の入った昆虫放出装置を人力で植物又は植物栽培場に投下し、昆虫放出装置から昆虫を放つことで、生物的害虫防除の目的を達成するものである。食品安全性がますます重んじられる今、生物的害虫防除は一般的に受け入れられるようになり、社会的にも意味深いと言えよう。
【0004】
昆虫放出装置をより素早く投下して植物又は植物栽培場に配置するためには、投下作業を行うには無人航空機が従来より多用される。しかし一般には、無人航空機の投下システムが1種の昆虫放出装置の構造にしかマッチしないため、適用範囲が狭い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、主に従来の無人航空機の投下システムは1種の昆虫放出装置の構造にしかマッチせず、適用範囲が狭いという課題を解決するために、無人航空機及びその投下システムを提供するものであり、投下システムは様々な昆虫放出装置の構造にマッチし、無人航空機の投下システムの適用範囲が拡大される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の実情に鑑みてなされたものであって、
複数の昆虫放出装置が保管される保管容器であって、放出口を有し、複数の前記昆虫放出装置は次々と前記放出口から滑り出られる前記保管容器と、
前記保管容器に接続され、且つ第1状態と第2状態とで切り替わる投下装置であって、前記放出口にマッチする投下チェンバーと、前記放出口にマッチするブロック構造とを有し、前記投下装置が第1状態である時、前記投下チェンバーは前記放出口にドッキングして、前記保管容器内の昆虫放出装置を受け止め、前記投下装置が第2状態である時、前記投下チェンバー内の昆虫放出装置は前記投下チェンバーから落下でき、且つ前記ブロック構造は前記放出口を遮蔽する前記投下装置とを含み、
前記放出口の大きさを調整でき、且つ/又は前記投下チェンバーの大きさを調整できることを特徴とする無人航空機の投下システムを提供する。
【0007】
選択可能で、前記投下チェンバーは可動の調整内壁を有し、前記調整内壁の動きにより前記投下チェンバーの大きさの調整を実現する。
【0008】
選択可能で、前記投下チェンバーは投下チェンバーの深さ方向に沿って伸縮できる調整側壁を有し、前記調整側壁の伸縮により前記投下チェンバーの大きさの調整を実現する。
【0009】
選択可能で、前記投下チェンバーは少なくとも第1サイドウォール、第2サイドウォール及び前記第1サイドウォールと前記第2サイドウォールとの間に位置するミドルウォールによって画定され、前記ミドルウォールは少なくとも2つのミドルサブウォールを含み、且つ前記ミドルウォールにおけるミドルサブウォールの数量を調整できる。
【0010】
選択可能で、前記放出口には可動のストッパーが設けられ、前記ストッパーの動きにより、前記放出口の大きさの調整を実現する。
【0011】
選択可能で、前記投下装置は前記保管容器に対して可動に接続された投下部品を含み、前記投下チェンバー及び前記ブロック構造はいずれも前記投下部品に設けられる。
【0012】
選択可能で、前記投下部品は前記保管容器に対して回転可能に接続され、前記投下部品が前記保管容器に対して回転することで、前記投下装置が第1状態と第2状態とで切り替わるようにする。
又は、前記投下部品は前記保管容器に対して移動可能に接続され、前記投下部品が前記保管容器に対して移動することで、前記投下装置が第1状態と第2状態とで切り替わるようにする。
【0013】
選択可能で、前記無人航空機の投下システムは少なくとも2つの前記保管容器を含み、且つ前記少なくとも2つの保管容器は取り外し可能に接続され、前記投下チェンバーの大きさは少なくとも2つの前記保管容器の放出口のいずれにもマッチするように調整できる。
【0014】
選択可能で、前記保管容器の前記放出口に近い位置には規制ノッチが設けられ、前記投下装置は前記規制ノッチにマッチする規制部品をさらに含み、前記投下装置が第1状態である時、前記規制部品は保管容器の外側に位置し、前記投下装置が第2状態である時、前記規制部品は前記規制ノッチを介して前記保管容器の内部空間に挿入される。
【0015】
選択可能で、前記投下装置には監視構造と、インジケータとが設けられ、前記投下装置が第1状態で、且つ前記監視構造は前記投下チェンバー内に前記昆虫放出装置が収容されていることを検出した場合に、前記インジケータを駆動して点灯させ、前記投下装置が第1状態で、且つ前記監視構造は前記投下チェンバー内に前記昆虫放出装置がないことを検出した場合に、前記インジケータが消灯する。
【0016】
さらに本発明は、本発明に係る投下システムを含む無人航空機を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の無人航空機の投下システムでは、放出口及び/又は投下チェンバーの大きさを調整することで、無人航空機の投下システムが異なるサイズ又は形状の昆虫放出装置にマッチでき、つまり無人航空機の投下システムは様々な昆虫放出装置の構造にマッチし、その適用範囲が拡大される。
【0018】
本発明の無人航空機では、放出口及び/又は投下チェンバーの大きさを調整することで、無人航空機の投下システムが異なるサイズ又は形状の昆虫放出装置にマッチでき、つまり無人航空機の投下システムは様々な昆虫放出装置の構造にマッチし、その適用範囲が拡大される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】本発明の一実施例に係る無人航空機の投下システムの構造概略図である。
【
図3】
図2に示す無人航空機の投下システムのM-M方向の断面図である。
【
図5】
図2の無人航空機の投下システムのN-N方向の断面図である。
【
図6】
図3の無人航空機の投下システムで投下装置が第2状態である時の断面図である。
【
図7】本発明の別の実施例に係る無人航空機の投下システムの断面図である。
【
図8】本発明の別の実施例に係る無人航空機の投下システムの断面図である。
【
図9】本発明の別の実施例に係る無人航空機の投下システムの構造概略図である。
【
図10】
図9の無人航空機の投下システムの別の角度からの構造概略図である。
【
図11】
図9の無人航空機の投下システムで投下装置が第2状態である時の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の技術案とその有益な効果を分かりやすく明瞭にするために、いくつかの実施例を挙げて詳細に説明する。なお、図面は実際の寸法関係に従って作成されるとは限らず、局所では特徴の詳細を表現するために拡大又は縮小が認められる。特に定義がない限り、本明細書で使用される科学技術用語は本発明の属する技術分野の科学技術用語と意味が同じである。
【0021】
本発明の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「高さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」等で示した方位又は位置関係は図面に示す方位又は位置関係に基づくもので、本発明の説明の簡素化のためのものに過ぎず、対象となる装置又は部品は必ず特定の方位に設けられ、特定の方位から構成又は操作されなければならないことを言わず、本発明に対する限定と理解されない。
【0022】
本発明では、用語「第1」、「第2」は一意に説明するために使用されるもので、対象となる特徴の相対的な重要性又は対象となる技術特徴の数量を示すものと理解されない。したがって、「第1」、「第2」で限定された特徴は明示的に少なくとも1つの当該特徴を含む。本発明の説明で、「複数」とは少なくとも2つを意味し、例えば2つ、3つなどであり、「いくつか」とは少なくとも1つを意味し、例えば1つ、2つ、3つなどであり、他に具体的な限定がなされた場合はこの限りではない。
【0023】
本発明では、明確な限定がない限り、用語「取り付ける」、「連結」、「接続」、「固定」、「設置」などは広義に理解される。例えば、「接続」とは、固定して接続されることでもよいし、取り外し可能に接続されることでもよく、又は一体的になることでもよい。機械的に接続されることでもよいし、電気的接続されることでもよい。直接的に連結されることでもよいし、介在物を介して間接的に連結されることでもよく、さらには2つの部品が内部に連通すること又は2つの部品の相互の作用関係でもよい。当業者にとっては、状況に応じて本発明における前記用語の意味を具体的に理解することができる。
【0024】
本発明では、明確な限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」もしくは「上面」、又は「下」、「下方」もしくは「下面」に位置するとは、第1特徴が第2特徴に直接的に接触することでもよいし、又は第1特徴と第2特徴が介在物を介して間接的に接触することでもよい。且つ、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」に位置するとは第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上方に位置することでもよいし、又は第1特徴の水平面からの高さが第2特徴の同高さより大きいことを意味してもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下面」に位置するとは第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下方に位置することでもよいし、又は第1特徴の水平面からの高さが第2特徴の水平面からの高さより小さいことでもよい。
【0025】
図2から
図6に示すように、本発明の一実施例に係る無人航空機の投下システム100は、保管容器110と、投下装置130とを含む。保管容器110にはいくつかの昆虫放出装置20が保管される。保管容器110は放出口111を有し、いくつかの昆虫放出装置20は次々と放出口111から滑り出られる。投下装置130は保管容器110に接続され、且つ第1状態と第2状態とで切り替わることができ、投下装置130は放出口111にマッチする投下チェンバー(投下空間)131と、放出口111にマッチするブロック構造133とを有し、
図3及び
図4が参照されるとおり、投下装置130が第1状態である時、投下チェンバー131は放出口111にドッキングして、保管容器110内の昆虫放出装置20を受け止め、
図6が参照されるとおり、投下装置130が第2状態である時、投下チェンバー131内の昆虫放出装置20は投下チェンバー131から落下でき、且つブロック構造133は放出口111を遮蔽する。放出口111の大きさを調整でき、前記投下チェンバー131の大きさも調整できる。
【0026】
昆虫放出装置20の一つの構造は
図1に示すとおりである。昆虫放出装置20の両端にいずれも虫出孔が設けられ、羽化前の天敵昆虫は昆虫放出装置内に収容される。このようにして、無人航空機の投下システム100が昆虫放出装置20を植物又は植物栽培場に投下すると、昆虫放出装置内の天敵昆虫は羽化後、昆虫放出装置20の虫出孔から外部空間に入る。なお、昆虫放出装置の形状は
図1に示す形状に限らず、球状など規則的な形状でもよいし又は不規則的な形状であってもよい。
【0027】
なお、放出口111は大きさを調整した後、当該大きさを保つことができ、且つ投下チェンバーの大きさを調整した後も、昆虫放出装置20から支障なく出るように、当該状態を保つ必要がある。
【0028】
前記無人航空機の投下システム100は、放出口111及び投下チェンバー131の大きさの調整により、異なるサイズ又は形状の昆虫放出装置20は保管容器110から滑り出て放出空間に落下することができ、つまり無人航空機の投下システム100は様々なサイズ又は形状の昆虫放出装置20にマッチし、無人航空機の投下システム100の適用範囲が拡大される。
【0029】
また、投下チェンバー131が少なくとも2つの昆虫放出装置20を受け入れ、2つ又は複数の昆虫放出装置20が保管容器110の放出口111から滑り出て投下チェンバー131に落下できるほど、放出口111及び/又は投下チェンバー131の調整範囲が大きい場合、投下装置130が第1状態から第2状態に切り替わる時、2つ又は複数の昆虫放出装置20は投下チェンバー131から落下し、投下システムの投下効率が向上する。さらに、単位面積当たりの昆虫放出装置20の投下数量がほぼ変わらない場合には、一度に複数の昆虫放出装置20を投下することにより、投下装置130が第1状態と第2状態とで切り替わる回数を減らすことができ、単位面積当たりの昆虫放出装置20の投下数量を増やしたい場合には、一度に複数の昆虫放出装置20を投下することにより、投下装置130が第1状態と第2状態とで切り替わる回数が大幅に増えることを避ける。
【0030】
なお、放出口及び投下チェンバーはいずれも大きさを調整できる。具体的には昆虫放出装置20の大きさと形状に基づいて、放出口か投下チェンバーを選択して大きさを調整してもよいし、又は放出口及び投下チェンバーの両方の大きさを調整してもよい。例えば、投下チェンバーの大きさだけを調整して、投下チェンバー内に受け入れられる昆虫放出装置20の数量を変えることができる。あるいは、異なる大きさ又は形状の昆虫放出装置20にマッチするように、放出口の大きさ及び放出空間の大きさを調整する。あるいは、放出口の大きさを調整して、保管容器から滑り出る昆虫放出装置20の数量を変える。
【0031】
また、投下装置130が第2状態である時、ブロック構造133は放出口111をブロックして、昆虫放出装置20が保管容器110から滑り出ることを避けるために用いられる。放出口111の大きさを調整すれば、ブロック構造133の大きさを変えなくても、昆虫放出装置20が保管容器110から滑り出ることを避けられる。なお、別の可能な実施例では、ブロック構造133も大きさが調整でき、投下装置130が第2状態である時、昆虫放出装置20が保管容器110から滑り出ることを止められるのであればよい。
【0032】
また、レシプロモータなどにより投下装置130が第1状態と第2状態とで切り替わるように駆動することにより、人力を使わなくても昆虫放出装置20が投下される。
【0033】
具体的には、
図5が参照されるとおり、本実施例で、投下チェンバー131は可動の調整内壁1311を有し、調整内壁1311の動きにより投下チェンバー131の大きさの調整を実現する。
【0034】
より具体的には、投下装置130の調整内壁1311が設けられた構造の位置は、投下チェンバー131の大きさを調整するように移動できる。
【0035】
選択可能で、調整内壁1311が設けられた構造は投下チェンバー131の他の側壁又は投下装置130の他の構造に当接し、且つ当接面には、位置調整後の調整内壁1311が当該位置に保持されるように、粗化処理が行われ又は制限構造が設けられる。
【0036】
また、別の可能な実施例では、投下装置の調整内壁が設けられた構造は、投下チェンバーの大きさを調整するように回転でき、又は、別の可能な実施例では、投下装置の調整内壁が設けられた構造は伸縮でき、調整内壁が動くと、投下チェンバーの大きさが調整される。
【0037】
本実施例で、調整内壁1311は投下チェンバー131の一方の内側壁である。別の可能な実施例では、調整内壁は投下チェンバーの底壁など他の内壁であってもよい。
【0038】
本実施例で、投下チェンバー131は1つの調整内壁1311だけを有する。別の可能な実施例では、投下チェンバー内の調整内壁の数量は1つに限らず、少なくとも2つであってもよい。
【0039】
また、投下チェンバーが少なくとも2つの調整内壁を有する場合には、少なくとも2つの調整内壁の動作は完全には同じでなくてもよく、なお且つ少なくとも2つの調整内壁の位置で任意の2つの調整内壁は隣接して設けられてもよいし、対向して設けられてもよいし又は間隔を開けて設けられてもよい。
【0040】
本実施例で、放出口111には可動のストッパー113が設けられ、ストッパー113の動きにより、放出口111の大きさの調整を実現する。
【0041】
さらに、本実施例で、ストッパー113は放出口111の内側壁に設けられ、これによって、ストッパー113を設けると保管容器110と投下装置130が接続されることも、ストッパー113が投下容器内に設けられると投下容器の内面が滑らかでないことも、さらには昆虫放出装置20の損傷も避けられる。
【0042】
具体的には、本実施例で、投下装置130は保管容器110に対して可動に接続された投下部品132を含み、投下チェンバー131及びブロック構造133はいずれも投下部品132に設けられる。これによって投下部品132の動作を調整するだけで、投下装置130が第1状態と第2状態とで切り替わるため、操作しやすい。
【0043】
さらに、本実施例で、投下部品132は保管容器110に対して回転可能に接続され、投下部品132は保管容器110に対して回転することで、投下装置130が第1状態と第2状態とで切り替わるようにする。
【0044】
なお、別の可能な実施例では、投下装置が第1状態と第2状態とで切り替わるように、投下部品は保管容器に対して移動可能に接続されてもよい。
【0045】
本実施例で、投下装置130が第2状態である時、ブロック構造133は部分的に放出口111に挿入される。これによって、投下装置が第2状態に切り替わる時、ブロック構造133が放出口111に挿入されながら、放出口111から滑り出ようとする昆虫放出装置20が保管容器110の内部空間の方へ持ち上げられ、そして保管容器110の放出口111に近い昆虫放出装置20が規制され、保管容器110内の昆虫放出装置20が互いに止め合ってスムーズに滑り出られないことは避けられる。
【0046】
選択可能で、本実施例で、投下装置130には監視構造及びインジケータ134が設けられ、投下装置130が第1状態で、且つ監視構造は投下チェンバー131内に昆虫放出装置20が収容されていることを検出した場合に、インジケータ134を駆動して点灯させ、投下装置130が第1状態で、且つ監視構造は投下チェンバー131内に昆虫放出装置20がないことを検出した場合に、インジケータ134が消灯する。このようにして、保管容器110内に昆虫放出装置20がないと、操作者はすぐに気づくことができる。
【0047】
選択可能で、監視構造は赤外線センサ、重量センサなどの構造であってもよく、投下チェンバー内に昆虫放出装置20があるかどうかを監視できるものであればよい。
【0048】
選択可能で、投下装置が第2状態である時、インジケータ134は点灯の状態を保ってもよいし、監視構造の監視結果によって点灯又は消灯の状態を保ってもよい。
【0049】
さらに、選択可能で、別の可能な実施例では、投下装置にはさらに音声報知器が設けられる。投下装置が第1状態で、且つ監視構造は投下チェンバー内に昆虫放出装置20がないことを検出した時、音声報知器が動作すれば、すぐに操作者に気づかせることができる。また、注意効果を高めるためには、インジケータ及び音声報知器は両方とも投下装置に設けられてもよい。
【0050】
選択可能で、別の可能な実施例では、投下装置が第2状態である時、且つ監視構造は投下チェンバー131内に昆虫放出装置20がないことを検出した場合に、無人航空機の投下システムの動作を制御するように人力受信がしやすい制御システムに信号を送信してもよく、操作者が当該情報を受け取ると、無人航空機の投下システムに更なる操作指示を与える。
【0051】
又は、投下装置が第2状態で、且つ監視構造は投下チェンバー131内に昆虫放出装置20がないことを検出した場合に、無人航空機の投下システムの動作を制御するように人力受信がしやすい制御システムに信号を送信してもよく、制御システムは直接的に無人航空機を制御して帰航させると、物資を補足でき、無人航空機の自動化も向上する。
【0052】
本実施例で、放出口の大きさも投下チェンバーの大きさも調整できる。なお、別の可能な実施例では、放出口の大きさだけが調整できるように設定してもよい。なお、放出口が投下チェンバーにマッチする点で変わりはなく、つまり放出口の大きさの調整範囲内にあっては、投下チェンバーの大きさは放出口の大きさにマッチする。又は、別の可能な実施例では、投下チェンバーの大きさだけが調整できるように設定してもよい。
【0053】
選択可能で、別の可能な実施例では、無人航空機の投下システムは少なくとも2つの保管容器と、保管容器と一対一で対応してそれぞれ設けられたいくつかの投下装置とをさらに含んでもよい。また、異なる保管容器に対応する投下装置が互いに干渉することを避けるために、異なる保管容器に対応する投下装置を互い違いに設けて、無人航空機の投下システムの使用スペースを減らすようにしてもよい。
【0054】
図7に示すように、本発明の別の実施例に係る無人航空機の投下システム200は、無人航空機の投下システム100と違って、投下チェンバー131は投下チェンバー131の深さ方向であるP-P方向に沿って伸縮できる調整側壁1313を有し、調整側壁1313の伸縮により投下チェンバー131の大きさの調整を実現する。
【0055】
図8に示すように、本発明の別の実施例に係る無人航空機の投下システム300は、無人航空機の投下システム100と違って、投下チェンバー131は少なくとも第1サイドウォール1312、第2サイドウォール1314及び第1サイドウォール1312と第2サイドウォール1314との間に位置するミドルウォール1316によって画定される。ミドルウォール1316は少なくとも2つのミドルサブウォール1318を含み、且つミドルウォール1316におけるミドルサブウォール1318の数量を調整できる。
【0056】
選択可能で、可能な一実施例では、無人航空機の投下システム100は少なくとも2つの保管容器110を含み、且つ少なくとも2つの保管容器110は取り外し可能に接続され、投下チェンバー131の大きさは少なくとも2つ保管容器110の放出口111のいずれにもマッチするように調整できる。
【0057】
このようにして、場合によっては適切な数量の保管容器110を取り付けて、無人航空機の投下システム100内により多くの昆虫放出装置20を保管することで、昆虫放出装置20の補足の回数を減らし、作業効率を高めることができる。
【0058】
図9から
図11に示すように、本発明の別の実施例に係る無人航空機の投下システム400は、無人航空機の投下システム100と違って、保管容器110の放出口に近い位置に規制ノッチ115が設けられ、投下装置130は規制ノッチ115にマッチする規制部品135をさらに含む。投下装置130が第1状態である時、規制部品135は保管容器110の外側に位置する。投下装置130が第2状態である時、規制部品135は規制ノッチ115を介して保管容器110の内部空間に挿入される。したがって、投下装置130が第1状態から第2状態に切り替わる間、規制部品135は次第に規制ノッチ115を介して保管容器110の内部空間に挿入され、そして保管容器110の放出口111に近い昆虫放出装置20が規制され、保管容器110内の昆虫放出装置20が互いに止め合ってスムーズに滑り出られないことは避けられる。
【0059】
本実施例で、保管容器110には2つの規制ノッチ115が設けられ、投下装置130は2つの規制部品135を含む。なお、別の可能な実施例では、保管容器110における規制ノッチ115の数量は2つに限定されず、投下装置130における規制部品135の数量も2つに限定されず、放出口111に近い昆虫放出装置20が規制されるようにするものであればよい。
【0060】
さらに本発明は、本発明に係る投下システムを含む無人航空機を提供する。
【0061】
本発明の無人航空機では、放出口及び/又は投下チェンバーの大きさを調整することで、無人航空機の投下システムが異なるサイズの昆虫放出装置にマッチでき、つまり無人航空機の投下システムは様々な昆虫放出装置の構造にマッチし、投下装置の適用範囲が拡大される。
【0062】
なお、無人航空機は1つ又は複数の投下システムを含んでもよい。
【0063】
なお、上記の実施例はいずれも例示的なもので、特許請求の範囲に係る全ての可能な実施形態が含まれるものではない。本開示の範囲から逸脱しない範囲において、前記実施例に様々な変形や変更を行うことができる。また、前記実施例の各技術特徴を任意に組み合わせることで、本発明に明確な記載のない別の実施例を得られる。したがって、前記実施例は本発明のいくつかの実施形態を示すものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲に限定を加えるものではない。
【符号の説明】
【0064】
100,200,300,400…無人航空機の投下システム、110…保管容器、111…放出口、113…ストッパー、115…規制ノッチ、130…投下装置、131…投下チェンバー、1311…調整内壁、1313…調整側壁、1312…第1サイドウォール、1314…第2サイドウォール、1316…ミドルウォール、1318…ミドルサブウォール、133…ブロック構造、135…規制部品、132…投下部品、134…インジケータ、20…昆虫放出装置。