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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】子守帯
(51)【国際特許分類】
   A47D 13/02 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
A47D13/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021087764
(22)【出願日】2021-05-25
(65)【公開番号】P2021186673
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2021-05-26
(31)【優先権主張番号】10-2020-0066609
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518352813
【氏名又は名称】チェ ビョンシク
【氏名又は名称原語表記】CHAE, Byung-Sik
【住所又は居所原語表記】103-703 (Bangbaedong, Bangbae seoripool, e-pyeonhansesang), 50 Hyoryoengro 33Gil, Seocho-Gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】チェ ビョンシク
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開実用新案第20-2010-0007127(KR,U)
【文献】特開2019-111171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47D 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤ちゃんの体をかばって支持する本体と、
使用者の肩に着用できるように前記本体に結合される肩バンドと、
使用者の腰に着用できるように前記本体に結合される腰バンドと、
前記本体によって支持される赤ちゃんのお尻部分を前記本体を補助して支持するように前記腰バンドに分離可能に結合され、使用者の操作によって赤ちゃんのお尻部分を支持または支持を解除するように選択作動する補助支持手段と、を含み、
前記補助支持手段は、
前記腰バンドの前方面に結合されるベース板と、
赤ちゃんのお尻部分を支持するか、または支持を解除するように前記ベース板から展開または摺綴される形で前記ベース板に回動可能に結合されるヒップ支持板と、
前記ヒップ支持板の回転軸をなすように前記ベース板およびヒップ支持板に同時に貫通結合され、回転拘束された状態で軸方向に直線移動可能に配置される作動シャフトと、
前記作動シャフトに一方向に弾性力を加えるように前記ベース板に装着される弾性部材を含み、
前記作動シャフトの外周面の一部区間には、かみ合い突出部が形成され、
前記ヒップ支持板には、前記作動シャフトの一方向移動時に前記かみ合い突出部と回転拘束するようにかみ合う係止段差部が形成され、
前記係止段差部は前記ヒップ支持板が展開状態で回転した一定角度でのみ前記かみ合い突出部とかみ合わせ可能であり、
前記ヒップ支持板には、前記作動シャフトが貫通結合されるように支持板貫通ホールが形成され、前記係止段差部は、前記支持板貫通ホールの内周面に長さ方向に沿って一部区間に形成され、
前記作動シャフトの直線移動に応じて前記かみ合い突出部と前記係止段差部がかみ合って前記ヒップ支持板が回転拘束され、
前記作動シャフトは、前記ヒップ支持板が展開状態に回転することにより、前記弾性部材の弾性力によって前記係止段差部とかみ合うように一方向に直線移動し、使用者の操作によって弾性力の反対方向に移動して前記ヒップ支持板の位置固定状態を解除する子守帯。
【請求項2】
前記作動シャフトのかみ合い突出部は、外側面が前記ヒップ支持板の支持板貫通ホールの内周面にスライド接触するように円周面を有する形態に形成される請求項に記載の子守帯。
【請求項3】
前記ベース板には、前記作動シャフトが回転拘束された状態で直線移動可能に貫通結合するようにベース結合部が形成される請求項に記載の子守帯。
【請求項4】
前記腰バンドには、前方面にガイドレールが突出して形成される固定板が結合され、
前記ベース板は、前記ガイドレールに下向きスライド挿入される方式で前記固定板に分離可能に結合される請求項1に記載の子守帯。
【請求項5】
前記固定板には、前記ベース板がスライド挿入された状態で前記ベース板の下端を上向き支持するように別の上向き支持部が前方面に突出して形成される請求項に記載の子守帯。
【請求項6】
前記ヒップ支持板には、複数の通風ホールが形成される請求項1に記載の子守帯。
【請求項7】
前記ヒップ支持板の一面には、前記ベース板を横切る方向に複数のリブが形成される請求項1に記載の子守帯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子守帯(Baby Carrier)に関する。より具体的には、使用者の操作によって赤ちゃんのお尻部分を補助支持するか、または支持を解除するように選択作動する補助支持手段を装着することによって、赤ちゃんを下ろさずに子守帯モードとヒップシートモードを迅速かつ便利にモード切り替えできる。そして、補助支持手段の作動シャフトの移動を通じてヒップ支持板を回転拘束するか、または拘束解除させることによって、ヒップ支持板を展開状態で位置固定するか、またはヒップ支持板を摺綴する作業を非常に便利かつ迅速に行い得るため、使用の利便性をさらに向上させ得る子守帯に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、赤ちゃんの保護者は、両腕で赤ちゃんの体重を支え、赤ちゃんの面倒を見るか、または抱くようになる。このような姿勢では、保護者の腕や腰などに無理が生じ、安定的かつ楽な姿勢で長時間赤ちゃんの面倒を見ることは困難である。
【0003】
このような理由で赤ちゃんを保護者の背中に負うか、または胸に抱くことができるようにするおんぶ紐ないし子守帯などが広く用いている。
【0004】
一般的に子守帯は、赤ちゃんを胸に抱くことができるように形成されるが、赤ちゃんを座らせると、赤ちゃんの体重の大部分が使用者の肩に荷重が集中される構造であるため、使用者の肩に無理な力が発生され、長時間楽な姿勢で赤ちゃんの面倒を見られない問題がある。
【0005】
最近は、赤ちゃんの体重が使用者の腰および骨盤に分散するように赤ちゃんを抱くことができるヒップシートが使われている。しかし、このようなヒップシートは、赤ちゃんの体重が大部分使用者の腰に集中され、使用者の腰に無理になる問題がある。
【0006】
このように従来の子守帯とヒップシートは、使用者の肩または腰のような特定の身体部分に赤ちゃんの体重が集中され、長時間着用のときに使用者に痛みを誘発することになる。
【0007】
このような問題を解決するために最近は、子守帯とヒップシートを結合した形態の製品が開発されているが、このような製品の場合は、子守帯モードとヒップシートモード切り替え時に赤ちゃんを下ろした状態でモード切り替えができるように形成されているため、迅速なモード切り替えが不可能で使用しにくく、その構造および作動方式が複雑で製作が難しく、使用が不便であるなどの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国登録特許第10-1693079号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来技術の問題点を解決するために発明したものであって、本発明の目的は、使用者の操作によって赤ちゃんのお尻部分を補助支持するか、または支持を解除するように選択作動する補助支持手段を装着することによって、赤ちゃんを下ろさずに子守帯モードとヒップシートモードを迅速かつ便利にモード切り替えできる子守帯を提供するものである。
【0010】
本発明の他の目的は、補助支持手段の作動シャフトの移動を通じてヒップ支持板を回転拘束するか、または拘束解除させることによって、ヒップ支持板を展開状態で位置固定するか、またはヒップ支持板を摺綴する作業を非常に便利かつ迅速に行い得るため、使用の利便性がより向上する子守帯を提供するものである。
【0011】
本発明のまた他の目的は、補助支持手段の展開および摺綴構造を単純化することによって、製作が容易であり、製作コストを削減でき、変形や損傷なしに安定的な構造をなして作動の安定性および耐久性を向上させ得る子守帯を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、赤ちゃんの体をかばって支持する本体と、使用者の肩に着用できるように前記本体に結合される肩バンドと、使用者の腰に着用できるように前記本体に結合される腰バンドと、前記本体によって支持される赤ちゃんのお尻部分を前記本体を補助して支持するように前記腰バンドに分離可能に結合され、使用者の操作によって赤ちゃんのお尻部分を支持または支持を解除するように選択作動する補助支持手段と、を含み、前記補助支持手段は、前記腰バンドの前方面に結合されるベース板と、赤ちゃんのお尻部分を支持するか、または支持を解除するように前記ベース板から展開または摺綴される形で前記ベース板に回動可能に結合されるヒップ支持板と、前記ヒップ支持板の回転軸をなすように前記ベース板およびヒップ支持板に同時に貫通結合され、軸方向に直線移動可能に配置される作動シャフトと、を含み、前記作動シャフトは、一方向に直線移動時に前記ヒップ支持板を展開した状態で位置固定させることを特徴とする子守帯を提供する。
【0013】
このとき、前記補助支持手段は、前記作動シャフトに一方向に弾性力を加えるように前記ベース板に装着される弾性部材をさらに含み、前記作動シャフトは、前記弾性部材の弾性力によって一方向に移動して前記ヒップ支持板を展開した状態で位置固定させ、使用者の操作によって弾性力の反対方向に移動して前記ヒップ支持板の位置固定状態を解除し得る。
【0014】
また、前記作動シャフトの外周面の一部区間には、かみ合い突出部が形成され、前記ヒップ支持板には、前記作動シャフトの一方向移動時に前記かみ合い突出部と回転拘束するようにかみ合う係止段差部が形成され、前記作動シャフトの直線移動に応じて前記かみ合い突出部と前記係止段差部がかみ合って前記ヒップ支持板が回転拘束され、位置固定され得る。
【0015】
また、前記ヒップ支持板には、前記作動シャフトが貫通結合されるように支持板貫通ホールが形成され、前記係止段差部は、前記支持板貫通ホールの内周面に長さ方向に沿って一部区間に形成され、前記作動シャフトは、前記ヒップ支持板が展開状態に回転することにより、前記弾性部材の弾性力によって前記係止段差部とかみ合うように一方向に直線移動することができる。
【0016】
また、前記作動シャフトのかみ合い突出部は、外側面が前記ヒップ支持板の支持板貫通ホールの内周面にスライド接触するように、円周面を有する形に形成され得る。
【0017】
また、前記ベース板には、前記作動シャフトが回転拘束された状態で直線移動可能に貫通結合するようにベース結合部が形成され得る。
【0018】
また、前記腰バンドには、前方面にガイドレールが突出して形成される別の固定板が結合され、前記ベース板は、前記ガイドレールに下向きスライド挿入される方式で前記固定板に分離可能に結合され得る。
【0019】
また、前記固定板には、前記ベース板がスライド挿入された状態で前記ベース板の下端を上向き支持するように別の上向き支持部が前方面に突出して形成され得る。
【0020】
また、前記ヒップ支持板には、複数の通風ホールが形成され得る。
【0021】
また、前記ヒップ支持板の一面には、前記ベース板を横切る方向に複数のリブが形成され得る。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、使用者の操作によって赤ちゃんのお尻部分を補助支持するか、または支持を解除するように選択作動する補助支持手段を装着することによって、赤ちゃんを下ろさずに子守帯モードとヒップシートモードを迅速かつ便利にモード切り替えできる効果がある。
【0023】
また、補助支持手段の作動シャフトの移動を通じてヒップ支持板を回転拘束するか、または拘束解除させることによって、ヒップ支持板を展開状態で位置固定するか、またはヒップ支持板を摺綴する作業を非常に便利かつ迅速に行い得るため、使用の利便性がより向上する効果がある。
【0024】
また、補助支持手段の展開および摺綴構造を単純化することによって、製作が容易で製作コストを削減でき、変形や損傷なしに安定的な構造をなして作動の安定性および耐久性を向上させ得る効果がある。
【0025】
また、補助支持手段を腰バンドに着脱可能に構成することによって、使用者の必要に応じて補助支持手段を容易に分離結合し得、より便利に使用できる効果がある。
【0026】
また、補助支持手段の剛性を強化するとともに支持力を強化することによって、構造的な安定性を向上させ、子守帯の着用による使用者の疲労感を低減させ得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施例による子守帯の外形を概略的に示した斜視図である。
図2】本発明の一実施例による子守帯の補助支持手段についてのモード切り替え状態を概略的に示した側面図である。
図3】本発明の一実施例による補助支持手段の分離結合構造を概略的に示した図面である。
図4】本発明の一実施例による補助支持手段の外形を概略的に示した背面斜視図である。
図5】本発明の一実施例による補助支持手段の構成を概略的に示した一部の分解斜視図である。
図6】本発明の一実施例による作動シャフトの形状を概略的に示した斜視図である。
図7】本発明の一実施例によるヒップ支持板の係止段差部についての形状を概略的に示した切開斜視図である。
図8】本発明の一実施例によってヒップ支持板が展開された状態で作動シャフトとヒップ支持板の結合構造を概略的に示した切開斜視図である。
図9】本発明の一実施例によってヒップ支持板が展開された状態で作動シャフトの加圧操作状態を概略的に示した切開斜視図である。
図10】本発明の一実施例によってヒップ支持板が摺綴された状態で作動シャフトとヒップ支持板の結合構造を概略的に示した切開斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の好ましい実施例を添付された図面を参照して具体的に説明する。まず各図面の構成要素に参照符号を付加することにおいて、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されても、できるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意するべきである。また、本発明を説明するにおいて、係る公知の構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にし得ると判断される場合は、その詳細な説明は省略する。
【0029】
図1は、本発明の一実施例による子守帯の外形を概略的に示した斜視図であり、図2は、本発明の一実施例による子守帯の補助支持手段についてのモード切り替え状態を概略的に示した側面図であり、図3は、本発明の一実施例による補助支持手段の分離結合構造を概略的に示した図面である。
【0030】
本発明の一実施例による子守帯は、使用者の必要に応じて赤ちゃんのお尻部分を補助支持し、使用者に伝達される疲労感を緩和させることができるものであって、赤ちゃんの体をかばって支持する本体10と、使用者の肩に着用できるように本体10に結合される肩バンド20と、使用者の腰に着用できるように本体10に結合される腰バンド30と、本体10によって支持される赤ちゃんのお尻部分を本体10を補助して支持することができる補助支持手段40と、を含んで構成される。
【0031】
補助支持手段40は、腰バンド30に分離可能に結合され、赤ちゃんが本体10に支持された状態で使用者の操作によって赤ちゃんのお尻部分を支持または支持を解除するように選択作動する。
【0032】
このように補助支持手段40を通じて赤ちゃんのお尻部分を支持するようになると、肩バンド20に集中する荷重が減少し、腰バンド30側に荷重が分散する。これによって使用者は、自分の疲労度に応じて補助支持手段40を作動させて子守帯を通じて伝達される荷重を分散させ得るため、長時間の着用時にも疲労せずに安定的に赤ちゃんを抱くことができる。
【0033】
本発明の一実施例による補助支持手段40は、ベース板100と、ヒップ支持板200と、作動シャフト300と、を含んで構成される。
【0034】
ベース板100は、腰バンド30の前方面に結合されるが、プレート形で腰バンド30の曲線ラインに沿って後方面が凹面に湾曲した形に形成される。
【0035】
このとき、腰バンド30には、前方面にガイドレール510が突出して形成される別の固定板500が結合され、ベース板100は、固定板500のガイドレール510に下向きスライド挿入される方式で固定板500に分離可能に結合される。ベース板100には、ガイドレール510にスライド挿入されるように下端が開放された形のガイド溝110が形成される。固定板500は、腰バンド30の内部に挿入される形で腰バンド30に固定されるが、糸で縫う形で固定されるか、または別の接着剤などを用いて接着される形で固定され得るなど、その固定方式は、様々に変更可能である。このとき、固定板500のガイドレール510は、腰バンド30の前方面に外部露出するように配置され、このように腰バンド30の前方面に外部露出したガイドレール510にベース板100がスライド挿入されて結合される。
【0036】
また、固定板500には、ベース板100がスライド挿入された状態でベース板100の下端を上向き支持するように別の上向き支持部520が前方面に突出して形成され得る。ベース板100は、このような上向き支持部520によって上向き支持されることによって、安定的に腰バンド30に装着維持されることができる。
【0037】
また、固定板500の後方面の下端エッジ部位は、使用過程で赤ちゃんの荷重によって使用者の腹部部位を圧迫することができるため、下端に行くほど前方に向かって傾斜する形で曲面を有する曲線チャンファリングした形に形成され得る。このような形状によって固定板500の下端部位で厚さの減少によって強度が低下し得るため、これを補強するために固定板500の前方面の下端エッジ部位は、前方に向かって突出する補強突出部530が形成され得る。
【0038】
ヒップ支持板200は、赤ちゃんのお尻部分を支持するか、または支持を解除するように、ベース板100から展開または摺綴される形としてベース板100に回動可能に結合される。より具体的に、図2の(a)および(b)に示すように、ヒップ支持板200は、一端がベース板100の上端に回動可能に結合され、ベース板100から前方突出するように展開されるか、またはベース板100と平行な方向に摺綴されるように構成される。図2の(b)に示すように、ヒップ支持板200が突出展開された状態で赤ちゃんのお尻部分が支持され、図2の(a)に示すように、ヒップ支持板200が摺綴された状態では、赤ちゃんのお尻部分についての支持を解除する。
【0039】
作動シャフト300は、ヒップ支持板200の回転軸をなすようにベース板100およびヒップ支持板200に同時に貫通結合され、軸方向に直線移動可能に配置される。作動シャフト300は、ヒップ支持板200の両側端部にそれぞれ配置され、作動シャフト300の外側先端には、使用者の操作のための取っ手部301が形成され得る。使用者は、取っ手部301を加圧する方式で作動シャフト300を軸方向に沿って内側方向に移動させ得る。取っ手部301は、後述する別の弾性部材400(図5参照)の弾性力によって外側方向に移動し得、使用者の作動シャフト300についての加圧操作は、このような弾性力に対抗して行われる。
【0040】
このとき、作動シャフト300は、ヒップ支持板200の回転軸をなすと同時に軸方向移動を通じてヒップ支持板200を回転拘束するか、または拘束解除するように構成される。例えば、作動シャフト300は、外側方向に直線移動時にヒップ支持板200を展開した状態で回転拘束し、位置固定させ得、使用者によって加圧操作されて内側方向に直線移動時に、ヒップ支持板200の回転拘束状態を解除し得る。このような作動シャフト300は、弾性部材400の弾性力によって外側方向に移動するため、ヒップ支持板200が展開状態に回転すると、作動シャフト300が弾性力によって外側方向に移動してヒップ支持板200を回転拘束し、ヒップ支持板200を摺綴しようとする場合、作動シャフト300を内側方向に加圧操作し、この状態でヒップ支持板200を摺綴し得る。ヒップ支持板200が摺綴された状態では、作動シャフト300は、ヒップ支持板200によって移動拘束されて外側方向に移動できず、したがって、ヒップ支持板200についての回転拘束状態は、解除された状態で維持される。
【0041】
このような構造によって図2の(a)に示すように、ヒップ支持板200がベース板100に摺綴された状態では、作動シャフト300が内側方向に移動した状態を維持してヒップ支持板200を回転拘束しないため、作動シャフト300についての操作なしに、単純にヒップ支持板200を展開させる操作だけで、図2の(b)に示すように、ヒップ支持板200を展開させ得る。ヒップ支持板200が展開されると、作動シャフト300が弾性力によって外側方向に移動してヒップ支持板200を回転拘束するため、ヒップ支持板200は、展開した状態で位置固定されて赤ちゃんのお尻部分を支持することになる。以降、ヒップ支持板200を摺綴するためには、作動シャフト300を内側方向に加圧操作してヒップ支持板200についての回転拘束状態を解除し、この状態でヒップ支持板200を摺綴させ得る。
【0042】
ヒップ支持板200が摺綴された状態では、本体10に支持された赤ちゃんのお尻部分が支持されないため、子守帯モードの状態であり、ヒップ支持板200が展開した状態では、本体10に支持された赤ちゃんのお尻部分をヒップ支持板200が補助支持するようになるため、ヒップシートモードの状態になる。子守帯モードの状態では、相対的に肩バンド20に荷重が集中され、ヒップシートモードの状態では、相対的に腰バンド30に荷重が集中される。したがって、使用者は、自分の疲労度に応じてヒップ支持板200を展開するか、または摺綴して荷重を分散させ得、これによって長時間着用しても疲労感が緩和される。特に、子守帯モードとヒップシートモードへのモードの切り替え時に赤ちゃんを下ろさずに、本体10を通じて支持した状態で補助支持手段40を作動させ得るため、より迅速かつ便利に使用できる。
【0043】
一方、ヒップ支持板200は、展開した状態で赤ちゃんのお尻部分と接触し、赤ちゃんのお尻部分を支持するようになるため、赤ちゃんのお尻部分の通風のために複数の通風ホール210が形成され得る。また、ヒップ支持板200は、赤ちゃんのお尻部分を安定的に支持するように、ヒップ支持板200を横切る方向に複数のリブ220が形成され得(図4参照)、これらのリブ220を介して強度が強化され、支持安定性が向上する。
【0044】
次に、本発明の一実施例による補助支持手段40の構成についてより詳細に調べる。
【0045】
図4は、本発明の一実施例による補助支持手段の外形を概略的に示した背面斜視図であり、図5は、本発明の一実施例による補助支持手段の構成を概略的に示した一部の分解斜視図であり、図6は、本発明の一実施例による作動シャフトの形状を概略的に示した斜視図であり、図7は、本発明の一実施例によるヒップ支持板の係止段差部についての形状を概略的に示した切開斜視図であり、図8は、本発明の一実施例によってヒップ支持板が展開された状態で作動シャフトとヒップ支持板の結合構造を概略的に示した切開斜視図であり、図9は、本発明の一実施例によってヒップ支持板が展開された状態で作動シャフトの加圧操作状態を概略的に示した切開斜視図であり、図10は、本発明の一実施例によってヒップ支持板が摺綴された状態で作動シャフトとヒップ支持板の結合構造を概略的に示した切開斜視図である。
【0046】
本発明の一実施例による補助支持手段40は、ベース板100にヒップ支持板200が回動可能に結合されて展開および摺綴されるように構成され、作動シャフト300は、ヒップ支持板200の回転軸をなすようにベース板100およびヒップ支持板200に同時に貫通結合され、軸方向に直線移動可能に配置される。
【0047】
このような補助支持手段40は、作動シャフト300に外側移動方向に弾性力を加えるように、ベース板100に装着される弾性部材400をさらに含んで構成され、作動シャフト300は、弾性部材400の弾性力によって外側方向に移動してヒップ支持板200を展開した状態で回転拘束して位置固定させ、使用者の加圧操作によって弾性力の反対方向(内側方向)に移動してヒップ支持板200の回転拘束状態を解除する。
【0048】
より具体的に説明すると、ベース板100の前方面の一側には、作動シャフト300が貫通結合するようにベース結合部130が形成され、ベース結合部130は、作動シャフト300が回転拘束された状態で直線移動可能に貫通結合するように形成される。すなわち、作動シャフト300は、ベース板100のベース結合部130に貫通され、回転拘束された状態で軸方向に直線移動可能に装着される。
【0049】
作動シャフト300の外周面には、回転拘束状態で直線移動するための直線移動用突出部320が形成され、ベース結合部130には、作動シャフト300が貫通するように形成されるベース貫通ホール131の内側面に直線移動用突出部320と回転拘束するようにかみ合うベース突出段差部132が形成される。
【0050】
ベース結合部130は、ベース板100の両側端部にそれぞれ形成され、2つのベース結合部130の間には、内部に弾性部材400を収容することができる弾性部材収容部120が形成される。弾性部材収容部120は、内部弾性部材400の調整や分離交換などのために別の仕上げカバー121が分離結合される方式で内部空間が開閉されるように構成され得る。
【0051】
また、ヒップ支持板200の両側端部にも作動シャフト300が貫通結合するように支持板結合部230が形成され、支持板結合部230には、作動シャフト300が貫通するように支持板貫通ホール231が形成される。支持板結合部230は、ベース結合部130の外側にそれぞれ配置され得る。
【0052】
作動シャフト300は、支持板結合部230およびベース結合部130を順次に貫通し、内側先端が弾性部材収容部120に位置するように配置される。作動シャフト300の内側先端部には、作動シャフト300の外側方向の移動範囲を制限するようにストッパ突起330が形成され、ストッパ突起330は、ベース結合部130のベース貫通ホール131の側面にかみ合うことができるように形成される。弾性部材収容部120に収容された弾性部材400は、作動シャフト300の内側先端部を外側方向に加圧するように配置される。
【0053】
したがって、作動シャフト300は、直線移動用突出部320とベース突出段差部132の相互かみ合いによって回転拘束された状態で支持板結合部230とベース結合部130を貫通して軸方向に直線移動し、弾性部材400の弾性力によって外側方向に移動するように弾性支持される。
【0054】
このとき、作動シャフト300の外周面の一部区間には、直線移動用突出部320と軸方向に離隔した位置に別のかみ合い突出部310が形成され、ヒップ支持板200には、作動シャフト300の外側方向移動時にかみ合い突出部310と回転拘束するようにかみ合う係止段差部232が形成される。係止段差部232は、支持板結合部230の支持板貫通ホール231の内周面に長さ方向に沿って一部区間に形成されるが、図7に示すように、支持板貫通ホール231の内周面から軸中心方向に突出する形態に形成され得る。
【0055】
係止段差部232とかみ合い突出部310は、ヒップ支持板200が展開位置に回転した状態でのみ互いにかみ合うことができるように形成される。例えば、図8に示すように、ヒップ支持板200が展開した状態では、係止段差部232の配置位置がかみ合い突出部310とかみ合い可能な状態で回転するようになり、このような回転状態になると、作動シャフト300が弾性力によって外側方向に移動して作動シャフト300のかみ合い突出部310がヒップ支持板200の係止段差部232にかみ合ってヒップ支持板200が回転拘束される。
【0056】
これとは異なり、図10に示すように、ヒップ支持板200が摺綴された状態では、係止段差部232の配置位置がかみ合い突出部310とかみ合い不可能な状態で回転するようになり、このような回転状態になると、作動シャフト300がかみ合い突出部310が係止段差部232の側面に係止固定されて外側方向に移動できなくなり、これによって、かみ合い突出部310と係止段差部232がかみ合えないため、ヒップ支持板200の回転拘束状態が解除される。
【0057】
一方、図9に示すように、ヒップ支持板200が展開された状態で作動シャフト300を内側方向に加圧することになると、かみ合い突出部310と係止段差部232のかみ合い状態が解除されるため、ヒップ支持板200の回転拘束状態が解除される。これによって使用者は、作動シャフト300を加圧した状態でヒップ支持板200を摺綴状態で回転操作することができる。
【0058】
このとき、かみ合い突出部310は、支持板貫通ホール231内で係止段差部232を外れた区間に位置することになるが、この状態でヒップ支持板200が回転できるように、作動シャフト300のかみ合い突出部310は、外側面がヒップ支持板200の支持板貫通ホール231の内周面にスライド接触するように円周面を有する形態に形成され得る。このようにかみ合い突出部310の外周面が支持板貫通ホール231の内周面にスライド接触するように形成されることによって、ヒップ支持板200についての回転拘束状態を解除することはもちろんヒップ支持板200の位置をガイドし、回転軸としての機能を安定的に行うことになる。
【0059】
以上の作動状態を整理すると、図8に示すように、ヒップ支持板200が展開された状態では、作動シャフト300が弾性部材400の弾性力によって外側方向に突出するように移動し、かみ合い突出部310と係止段差部232がかみ合うため、ヒップ支持板200が回転拘束された状態で位置固定されて赤ちゃんのお尻部分を支持する。
【0060】
この状態におけるヒップ支持板200を摺綴するためには、図9に示すように、作動シャフト300を弾性部材400の弾性力と反対方向(内側方向)に加圧操作してかみ合い突出部310と係止段差部232のかみ合い状態を解除する。この状態では、ヒップ支持板200の回転拘束状態が解除されるため、ヒップ支持板200を摺綴状態で回転させ得る。作動シャフト300を内側方向に加圧した状態でヒップ支持板200を摺綴する方向に回転させると、作動シャフト300についての加圧操作力を解除しても、係止段差部232の配置位置が変化し、かみ合い突出部310が係止段差部232の側面に係止支持され、これによって作動シャフト300が外側方向に移動できず、弾性部材400が圧搾された状態で内側方向に移動した状態を維持する。したがって、ヒップ支持板200が展開された状態で作動シャフト300を加圧した状態でヒップ支持板200を摺綴方向に回転開始した後は、作動シャフト300についての加圧状態を解除してもヒップ支持板200を継続して摺綴状態で回転させ得る。
【0061】
図10に示すように、ヒップ支持板200が摺綴された状態でも同様の配置構造が維持されるため、作動シャフト300は、内側方向に移動した状態に維持される。このようなヒップ支持板200の摺綴状態は、ヒップ支持板200についての回転拘束状態が解除された状態であるため、この状態でヒップ支持板200を展開状態に回転させる作業は、作動シャフト300についての別の操作なしに、単にヒップ支持板200のみを展開方向に回転させる作業だけで達成できる。
【0062】
このような構造のよって、ヒップ支持板200についての摺綴および展開動作を非常に便利かつ迅速に行い得るため、ヒップシートモードおよび子守帯モードについてのモード切り替えを簡単に行い得る。
【0063】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎないものであって、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正および変形が可能であろう。したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護の範囲は、次の請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0064】
10:本体
20:肩バンド
30:腰バンド
40:補助支持手段
100:ベース板
200:ヒップ支持板
210:通風ホール
220:リブ
232:係止段差部
300:作動シャフト
310:かみ合い突出部
400:弾性部材
500:固定板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10