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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】障害認識装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/00 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
G01R31/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021517047
(86)(22)【出願日】2019-10-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 CN2019111020
(87)【国際公開番号】W WO2020083061
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】201811244607.9
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518056748
【氏名又は名称】新華三技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】NEW H3C TECHNOLOGIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊 平
(72)【発明者】
【氏名】厳 春喜
(72)【発明者】
【氏名】周 木子
【審査官】越川 康弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-035849(JP,A)
【文献】特開2001-352674(JP,A)
【文献】特開平02-070223(JP,A)
【文献】特開2014-211382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源供給ユニット(PSU)が配電ユニット(PDU)のソケットに接続されて使用されている被検出通信デバイスの障害有無を認識する携帯型の障害認識装置であって、
検出部品と、
前記検出部品に接続された、第1の測量端点と第2の測量端点とを含むプラグインターフェースと、
前記検出部品と前記プラグインターフェースとが接続された直流電源と、を備え、
前記第1の測量端点及び前記第2の測量端点がそれぞれ、前記ソケットに接続されていない前記PSUの第1の端及び前記PSUの第2の端に接続された場合に、前記検出部品が、前記第1の測量端点と前記第2の測量端点との間の電圧値を取得し、前記電圧値に基づいて前記PSUに障害が発生されたか否かを確定するように構成され、
前記検出部品は、前記電圧値が全波整流をする前記PSUのダイオードブリッジに含まれる二つのダイオードのターンオン状態のターンオン電圧の合計よりも大きい第1の閾値以上であり、かつ、前記電圧値が前記第1の閾値よりも大きく前記直流電源の電圧値よりも小さい第2の閾値以下であると、前記PSUに障害が発生されなかったと確定し、前記電圧値が前記第1の閾値未満であると、前記PSUに障害が発生されたと確定し、前記電圧値が前記第2の閾値よりも大きいと、前記PSUに障害が発生されたと確定するように構成され
前記PSUに短絡障害が発生した場合に、前記二つのダイオードは、ターンオン状態となっている、
ことを特徴する障害認識装置。
【請求項2】
前記検出部品は、
前記電圧値が前記第1の閾値未満であると、前記PSUに短絡障害が発生されたと確定し、前記電圧値が前記第2の閾値よりも大きいと、前記PSUに開回路障害が発生されたと確定するように構成されている、
ことを特徴する請求項1に記載の障害認識装置。
【請求項3】
前記検出部品の入力ピンが前記第1の測量端点に接続され、
前記検出部品のグランドピンが前記第2の測量端点に接続される
ことを特徴する請求項1に記載の障害認識装置。
【請求項4】
抵抗器をさらに備え、
前記直流電源の正極が前記抵抗器の第1の端に接続され、
前記抵抗器の第2の端が前記第1の測量端点に接続され、
前記直流電源の負極が前記第2の測量端点に接続される
ことを特徴する請求項1に記載の障害認識装置。
【請求項5】
スイッチをさらに備え、
前記スイッチの第1の端が前記直流電源の正極に接続され、
前記スイッチの第2の端が前記抵抗器の第1の端に接続され、
前記PSUに対して障害認識を実行しないときに、前記スイッチをオフにし、
前記PSUに対して障害認識を実行するときに、前記スイッチをオンにする
ことを特徴する請求項4に記載の障害認識装置。
【請求項6】
発光ダイオードをさらに備え、
前記検出部品の第1の出力ピンが前記発光ダイオードの正極に接続され、前記発光ダイオードの負極がグランド端に接続され、
前記電圧値が第1の閾値以上であり、かつ、前記電圧値が第2の閾値以下であると、前記検出部品は、第1の信号を出力し、前記発光ダイオードが、前記第1の信号に従って第1の色を表示することによって、前記PSUに障害が発生されなかったことを示し、
前記電圧値が前記第1の閾値未満であると、前記検出部品は、第2の信号を出力し、前記発光ダイオードが、前記第2の信号に従って第2の色を表示することによって、前記PSUに短絡障害が発生されたことを示し、
前記電圧値が前記第2の閾値よりも大きいと、前記検出部品は、第3の信号を出力し、前記発光ダイオードが、前記第3の信号に従って第3の色を表示することによって、前記PSUに開回路障害が発生されたことを示す
ことを特徴する請求項1に記載の障害認識装置。
【請求項7】
音声警報部品をさらに備え、
前記検出部品の第2の出力ピンが前記音声警報部品に接続され、
前記電圧値が第1の閾値未満である場合、または前記電圧値が第2の閾値よりも大きい場合、前記検出部品は、第4の信号を出力し、前記音声警報部品が、前記第4の信号に従って警報音を発することによって、前記PSUに障害が発生されたことを示す
ことを特徴する請求項1に記載の障害認識装置。
【請求項8】
表示部品をさらに備え、
前記検出部品の第3の出力ピンが前記表示部品に接続され、
前記電圧値が第1の閾値以上であり、かつ、前記電圧値が第2の閾値以下であると、前記検出部品は、第5の信号を出力し、前記表示部品が、前記第5の信号に従って第1の数値を表示することによって、前記PSUに障害が発生されなかったことを示し、
前記電圧値が前記第1の閾値未満であると、前記検出部品は、第6の信号を出力し、前記表示部品が、前記第6の信号に従って第2の数値を表示することによって、前記PSUに短絡障害が発生されたことを示し、
前記電圧値が前記第2の閾値よりも大きいと、前記検出部品は、第7の信号を出力し、前記表示部品が、前記第7の信号に従って第3の数値を表示することによって、前記PSUに開回路障害が発生されたことを示す
ことを特徴する請求項1に記載の障害認識装置。
【請求項9】
前記検出部品が、マイクロコントローラである
ことを特徴する請求項1乃至8の中のいずれか1項に記載の障害認識装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
通信デバイス(たとえばスイッチ、ルータ、サーバなど)は、一般的に、PSU(Power Supply Unit、電源供給ユニット)を備える。PSUは、外部電源システムに接続された電圧を通信デバイス内の各部品に必要な電圧に変換する装置である。大量の通信デバイスを同じPDU(Power Distribution Unit、配電ユニット、つまり配電ソケット)に接続することができる。PDUは、エアサーキットブレーカ(またはエアスイッチと呼ばれる)を介して外部電源システムに接続できる。
【図面の簡単な説明】
【0002】
以下、本発明の実施例または従来技術での構成をより明確に説明するために、本発明の実施例または従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は、本発明に記載された一部の実施例に過ぎず、当業者にとって、本発明の実施例のこれら図面から他の図面を得ることができる。
図1】通信デバイスの接続を示す概略図である。
図2】本発明の1実施形態に係る障害認識装置の構成を示す概略図である。
図3】本発明のもう1実施形態に係る障害認識装置の構成を示す概略図である。
図4】本発明の別の1実施形態に係る障害認識装置の構成を示す概略図である。
図5】本発明の1実施形態に係る通信デバイス内のPSUの構成を示す概略図である。
図6】本発明の1実施形態に係るPSUの等価回路を示す概略図である。
図7】本発明の1実施形態に係る障害認識装置とPSUの接続を示す概略図である。
図8】本発明のもう1実施形態に係るPSUの等価回路を示す概略図である。
図9】本発明のもう1実施形態に係る障害認識装置とPSUの接続を示す概略図である。
図10】本発明の別の1実施形態に係るPSUの等価回路を示す概略図である。
図11】本発明の別の1実施形態に係る障害認識装置とPSUの接続を示す概略図である。
図12】本発明のさらなる1実施形態に係る障害認識装置の構成を示す概略図である。
図13】本発明のさらなる1実施形態に係る障害認識装置の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
本発明で使用される用語は、発明を限定するのではなく、特定の実施例を説明することのみを目的としている。本発明および特許請求の範囲で使用される「1種」、「前記」、および、「当該」の単数形も、文脈が他の意味を明確に示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連してリストされた1つまたは複数の項目の任意可能な組み合わせまたはすべての可能な組み合わせを含むことをさらに理解すべきである。
【0004】
本発明では、第1、第2、第3などの用語を使用してさまざまな情報を説明する可能性があるが、これら情報はこれら用語に限定されないことを理解すべきである。これら用語は、同一の種類の情報を互いに区別するためにのみ使用される。たとえば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の情報は、第2の情報とも呼ばれ得、同様に、第2情報は、第1情報とも呼ばれ得る。文脈に応じて、本明細書で使用される「もし」という単語は、「…、場合」、「…、と」、または、「確定されたことに応じて」と解釈されることができる。
【0005】
図1に示すように、AC(交流)電源は、エアスイッチを介してPDUに接続される。PDUは、ソケット1、ソケット2、…、ソケットnなどの複数のソケットインターフェースを含む。PDUは、通信デバイス1、通信デバイス2、…、通信デバイスnなどの複数の通信デバイスに接続できる。通信デバイス1のPSU1は、PDUのソケット1に接続され、通信デバイス2のPSU2は、PDUのソケット2に接続され、…、通信デバイスnのPSUnが、PDUのソケットnに接続される。
【0006】
ある通信デバイスのPSUに障害が発生されると、エアスイッチのトリップを引き起こし、PDUに接続されたすべての通信デバイスの電源がオフになり、すなわちすべての通信デバイスが機能しなくなる可能性がある。このような障害が一旦発生されると、保守担当者は、どの通信デバイスのPSUに障害が発生されたかをすばやく特定し、続いて障害が発生されたPSUに対して処理を実行する必要がある。しかしながら、従来の方法では、どの通信デバイスのPSUに障害が発生されたかを効果的に特定することができない。
【0007】
本発明の実施例は、障害認識装置を提案し、当該障害認識装置は、DC(直流)電源と、抵抗器と、検出部品と、検出部品に接続されたプラグインターフェースと、を備え得るが、これらに限定されない。当該プラグインターフェースは、第1の測量端点と第2の測量端点とを含み得る。
【0008】
図2は、当該障害認識装置の構成を示す概略図であり、DC電源21の正極211は、抵抗器22の第1の端221に接続され、抵抗器22の第2の端222は、第1の測量端点23に接続され、DC電源21の負極212は、第2の測量端点24に接続される。
【0009】
なお、検出部品25の入力ピン(すなわち入力端)251は、第1の測量端点23に接続され得、かつ、検出部品25のグランドピン(すなわちグランド端)252は、第2の測量端点24に接続されることができる。
【0010】
その中で、DC電源21は、いくつかのリチウムイオン電池または乾電池が直列に接続されて構成されることができる。DC電源21の電圧値は、たとえば5ボルト(V)または他の電圧値に調整されることができ、これに対して限定しない。
【0011】
その中で、抵抗器22は、単一の抵抗器であってもよく、直列の2つの抵抗器で構成されていてもよく、直列の複数の抵抗器で構成されていてもよく、これに対して限定しない。たとえば、抵抗器22は、直列の電流制限抵抗器および調整可能な抵抗器から構成され得、電流制限抵抗器および調整可能な抵抗器の抵抗値は、いずれも、調整可能であり、この抵抗値に対して限定しない。
【0012】
その中で、検出部品25は、マイクロコントローラを備え得るが、これらに限定されないし、この検出部品25のタイプに対して限定しない。検出部品25は、信号検出、サービス処理、信号出力などの機能を実装するために使用される。
【0013】
その中で、第1の測量端点23および第2の測量端点24は、障害認識装置の2つの測量端点であり、被検出通信デバイスのPSUの第1の端(たとえばAC入力の活線であり、すなわちL線の端点である)および第2の端(たとえばAC入力の中性線であり、すなわちN線の端点である)をそれぞれ接続するために使用される。
【0014】
具体的に、通信デバイス内のPSUに対して障害認識を実行するときに、第1の測量端点23は、PSUの第1の端に接続され、第2の測量端点24は、PSUの第2の端に接続されるために使用される。
【0015】
たとえば、通信デバイスAのPSUに対して障害認識を実行するときに、第1の測量端点23は、通信デバイスAのPSUの第1の端に接続され、第2の測量端点24は、通信デバイスAのPSUの第2の端に接続される。通信デバイスBに対して障害認識を実行するときに、第1の測量端点23は、通信デバイスBのPSUの第1の端に接続され、第2の測量端点24は、通信デバイスBのPSUの第2の端に接続される。
【0016】
1例において、図3に示すように、当該障害認識装置は、1つのハンドヘルド装置であり得、ハンド部31とプラグインターフェース32とを備え得る。テストするときに、まず、被検出通信デバイスのPSUおよびPDUとの間の接続をオフにし、次に、プラグインターフェース32を被検出通信デバイスのPSUに直接挿入することができる。このようにして、第1の測量端点23が当該通信デバイスのPSUの第1の端に接続され、第2の測量端点24が当該通信デバイスのPSUの第2の端に接続される。
【0017】
その中で、当該プラグインターフェースは、国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission、IECと略称される)の仕様に準拠するインターフェースであってもよいし、他のタイプのインターフェースであってもよく、これに対して限定しない。
【0018】
1例において、図4に示すように、障害認識装置は、スイッチ26をさらに備え得、このスイッチ26のタイプに対して限定しなく、任意のタイプのスイッチであり得る。スイッチ26の第1の端261は、DC電源21の正極211に接続され、スイッチ26の第2の端262は、抵抗器22の第1の端221に接続される。
【0019】
PSUに対して障害認識を実行しないときに、スイッチ26をオフにすることができ、このようにして、DC電源21と抵抗器22との間がオフ状態にあり、障害認識装置が非動作状態にある。
【0020】
PSUに対して障害認識を実行するときに、スイッチ26をオンにすることができ、このようにして、DC電源21と抵抗器22との間がオン状態にあり、障害認識装置が動作状態にある。
【0021】
スイッチ26は、さらに、障害認識装置の他の部分、たとえば、抵抗器22と検出部品25の入力ピン251との間、または検出部品25のグランドピン252とDC電源21との間に配置され得る。本発明は、スイッチ26の具体的な配置位置に対して限定しない。なお、スイッチの数は、複数のスイッチがあるなど、実際のニーズに応じて設定することもできる。本発明はこれに対して限定しない。
【0022】
上記の適用シナリオでは、検出部品25は、第1の測量端点23と第2の測量端点24との間の電圧値を取得し、当該電圧値に基づいて被検出通信デバイスのPSUに障害が発生されたか否かを確定するために使用される。
【0023】
具体的に、当該電圧値が第1の閾値以上であり、かつ、当該電圧値が第2の閾値以下であると、検出部品25は、PSUに障害が発生されなかったと確定することができる。ここで、第2の閾値は、第1の閾値よりも大きい。
【0024】
なお、当該電圧値が第1の閾値未満であると、検出部品25は、PSUに障害が発生されたと確定することができる。または、当該電圧値が第2の閾値よりも大きいと、検出部品25は、PSUに障害が発生されたと確定することができる。
【0025】
その中で、当該電圧値が第1の閾値未満であると、検出部品25は、PSUに短絡障害が発生されたと確定することができる。当該電圧値が第2の閾値よりも大きいと、検出部品25は、PSUに開回路障害が発生されたと確定することができる。
【0026】
以下、具体的な適用シナリオと組み合わせて、障害認識過程を説明する。図5は、通信デバイス内のPSUの構成を示す概略図である。このPSUは、単なる例であり、一般的なPSUを等価に簡略化されたものである。実際に適用するときに、PSUの構成はより複雑であり、このPSUの構成に対して限定しない。
【0027】
図5に示すように、PSUの活線(すなわちL線)端点は、PSUの第1の端であり得、PSUの中性線(すなわちN線)端点は、PSUの第2の端であり得る。障害認識装置がPSUに接続されると、第1の測量端点23は、PSUのL線の端点に接続され、第2の測量端点24は、PSUのN線の端点に接続され得る。
【0028】
図5では、PSUは、ヒューズF1と、等価抵抗R1と、等価静電容量C1(たとえば電解静電容量C1)と、スイッチMOS(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)チューブQ1と、4つのダイオード(たとえばダイオードD1、ダイオードD2、ダイオードD3、および、ダイオードD4)と、をさらに備え得る。これら部品の接続関係および機能は、従来のPSUを参照することができ、ここでは繰り返して説明しない。
【0029】
適用シナリオ1において、PSUに障害が発生されなかった場合、テストするときに、被検出通信デバイスのPSUに接続された障害認識装置は、DC電源であり、図5に示されたPSUは、図6に示されたPSUと同等であり得る。すなわち、図6は、1つの正常状態のPSUの等価回路であり得る。障害認識装置の第1の測量端点23をPSUのL線の端点に接続し、障害認識装置の第2の測量端点24をPSUのN線の端点に接続すると、新たな等価回路は図7に示したとおりである。
【0030】
図7に示すように、スイッチ26がオンにされていると、U1=U0*Ra/(Ra+Rb)である。ここで、U1は、検出部品25の入力ピン251と検出部品25のグランドピン252との間の電圧値、すなわち、第1の測量端点23と第2の測量端点24との間の電圧値である。U0は、5VなどのDC電源21の電圧値である。Raの値とPSUの等価抵抗R1の抵抗値は、等しい。Rbは、障害認識装置の抵抗器22の抵抗値であり、Rbの抵抗値は、経験に応じて設定でき、これに対して限定しない。
【0031】
U0、Ra、および、Rbは、すべて既知の値であるため、U0、Ra、および、Rbを利用してU1を確定することができる。RaおよびRbの値が変化する可能性があることを考慮すると、U1は、一意の値ではない。実際の操作では、電圧区間を設定し、U1が当該電圧区間にあるようにする。たとえば、電圧区間は、[第1の閾値、第2の閾値]である。PSUに障害が発生されないと、U1は、電圧区間[第1の閾値、第2の閾値]にある。
【0032】
上記のように、検出部品25は、第1の測量端点23と第2の測量端点24との間の電圧値U1を検出する。電圧値U1が電圧区間[第1の閾値、第2の閾値]内にある場合、すなわち、電圧値U1が第1の閾値以上であり、かつ、電圧値U1が第2の閾値以下である場合、検出部品25は、PSUに障害が発生されなかったと確定する。
【0033】
1例において、第1の閾値および第2の閾値は、経験に応じて設定されることができる。第1の閾値は、短絡障害を示す電圧値であり得、第2の閾値は、開回路障害を示す電圧値であり得る。たとえば、第1の閾値は、1.5Vであり得、第2の閾値は、4.5Vであり得る。ここでの第1の閾値および第2の閾値は、単なる例であり、別の例で、第1の閾値は、2Vであり得、第2の閾値は、5Vであり得る。第1の閾値が短絡障害を示すことができ、第2の閾値が開回路障害を示すことができる限り、本発明はこれに対して限定しない。
【0034】
電圧値U1が第1の閾値未満であると、検出部品25は、被検出通信デバイスのPSUに短絡障害が発生されたと確定する。電圧値U1が第2の閾値よりも大きいと、検出部品25は、被検出通信デバイスのPSUに開回路障害が発生されたと確定する。
【0035】
適用シナリオ2において、PSUに短絡障害が発生された場合、たとえば、静電容量C1またはスイッチMOSチューブQ1に短絡障害が発生され、かつ、ヒューズF1が正常である場合、図5に示されたPSUは、図8に示されたPSUと同等になる。すなわち、図8は、短絡障害が発生されたPSUの等価回路である。障害認識装置の第1の測量端点23をPSUのL線の端点に接続し、障害認識装置の第2の測量端点24をPSUのN線の端点に接続すると、新なの等価回路は図9に示したとおりである。
【0036】
図9に示すように、スイッチ26がオンにされていると、DC電源21の電圧値U0は、ダイオードD1のターンオン電圧とダイオードD2ターンオン電圧の合計よりも大きいので、ダイオードD1およびダイオードD2がすべてオンになる。これに応じて、U1=Ua+Ubであり、U1は、検出部品25の入力ピン251と検出部品25のグランドピン252との間の電圧値、すなわち、第1の測量端点23と第2の測量端点24との間の電圧値である。Uaは、ダイオードD1の両側の電圧値であり、Ubは、ダイオードD2の両側の電圧値であり、UaとUbはいずれも0.7Vなどの比較的固定された値である。上記のように、U1=0.7*2=1.4Vである。
【0037】
当然ながら、上記は、単なる例であり、ダイオードD1とダイオードD2のターンオン電圧が比較的固定されているため、ダイオードD1の電圧値UaおよびダイオードD2の電圧値Ubを利用してU1を確定することができる。U1は、第1の閾値よりも小さい電圧値である。
【0038】
上記のように、検出部品25は、第1の測量端点23と第2の測量端点24との間の電圧値U1を検出し、電圧値U1が第1の閾値(たとえば1.5V)未満であると、検出部品25は、被検出通信デバイスのPSUに短絡障害が発生されたと確定する。
【0039】
適用シナリオ3において、PSUに開回路障害が発生された場合、たとえば、ヒューズF1がオフにされ、PSUのL線の端点とPSUのN線の端点との間の抵抗が無限大(開回路)であると、図5に示されたPSUは、図10に示されたPSUと同等になる。すなわち、図10は、開回路障害が発生されたPSUの等価回路である。障害認識装置の第1の測量端点23をPSUのL線の端点に接続し、障害認識装置の第2の測量端点24をPSUのN線の端点に接続すると、新なの等価回路は図11に示したとおりである。
【0040】
図11に示すように、スイッチ26がオンにされていると、PSUのL線の端点とPSUのN線の端点との間が開回路状態にあるため、U1は、DC電源21の電圧値U0と等しい。U1は、検出部品25の入力ピン251と検出部品25のグランドピン252との間の電圧値、すなわち第1の測量端点23と第2の測量端点24との間の電圧値である。したがって、検出部品25は、DC電源21の電圧値U0を利用してU1を確定することができる。U1は、第2の閾値よりも大きい電圧値であり得る。
【0041】
上記のように、検出部品25は、第1の測量端点23と第2の測量端点24との間の電圧値U1を検出する。電圧値U1が第2の閾値(たとえば4.5V)よりも大きいと、検出部品25は、被検出通信デバイスのPSUに開回路障害が発生されたと確定することができる。
【0042】
適用シナリオ1、適用シナリオ2、および、適用シナリオ3と組み合わせて、検出部品25は、第1の測量端点23と第2の測量端点24との間の電圧値U1を検出する。電圧値U1が電圧区間[第1の閾値、第2の閾値]にあると、検出部品25は、被検出通信デバイスのPSUに障害が発生されなかったと確定することができる。電圧値U1が第1の閾値未満であると、検出部品25は、被検出通信デバイスのPSUに短絡障害が発生されたと確定することができる。電圧値U1が第2の閾値よりも大きいと、検出部品25は、被検出通信デバイスのPSUに開回路障害が発生されたと確定することができる。
【0043】
1例において、図12に示すように、障害認識装置は、発光ダイオード27をさらに備え得、検出部品25の第1の出力ピン(すなわち第1の出力端)253が発光ダイオード27の正極に接続され、発光ダイオード27の負極がグランド端に接続される。
【0044】
これに応じて、電圧値U1が第1の閾値以上であり、かつ、電圧値U1が第2の閾値以下であると、検出部品25は、第1の信号を出力し、発光ダイオード27は、第1の信号に従って第1の色を表示する。たとえば、第1の信号は、発光ダイオード27を駆動して、当該発光ダイオード27が第1の色を表示するようにすることができる。第1の色は、PSUに障害が発生されなかったことを示すために使用される。電圧値U1が第1の閾値未満であると、検出部品25は、第2の信号を出力し、発光ダイオード27は、第2の信号に従って第2の色を表示する。たとえば、第2の信号は、発光ダイオード27を駆動して、当該発光ダイオード27が第2の色を表示するようにすることができる。第2の色は、PSUに短絡障害が発生されたことを示すために使用される。電圧値U1が第2の閾値よりも大きいと、検出部品25は、第3の信号を出力し、発光ダイオード27は、第3の信号に従って第3の色を表示する。たとえば、第3の信号は、発光ダイオード27を駆動して、当該発光ダイオード27が第3の色を表示するようにすることができる。第3の色は、PSUに開回路障害が発生されたことを示すために使用される。第1の出力ピンは、1つのピンを表すこともできるし、1組のバスを構成する複数のピンを表すこともできる。障害認識装置は、当該バスを介して発光ダイオード27に接続されることができることを説明する必要がある。
【0045】
その中で、第1の色は、緑色であり得、すなわち発光ダイオード27が緑色を表示するときに、PSUに障害が発生されなかったことを示す。第2の色は、赤色であり得、すなわち発光ダイオード27が赤色を表示するときに、PSUに短絡障害が発生されたことを示す。第3の色は、黄色であり得、すなわち発光ダイオード27が黄色を表示するときに、PSUに開回路障害が発生されたことを示す。
【0046】
その中で、上記の発光ダイオード27は、3色発光ダイオードであり得る。すなわち、この発光ダイオード27は、緑色、赤色、または、黄色を表示することができ、この発光ダイオード27に対して限定しない。
【0047】
1例において、障害認識装置は、電流制限抵抗器をさらに備え得、当該電流制限抵抗器は、検出部品25の第1の出力ピンと発光ダイオード27の正極との間に接続される。
【0048】
もう1つの例において、図13に示すように、当該障害認識装置は、発光ダイオードL1、発光ダイオードL2、および、発光ダイオードL3をさらに備え得る。発光ダイオードL1は、赤色を表示することができ、発光ダイオードL2は、黄色を表示することができ、発光ダイオードL3は、緑色を表示することができ。しかも、検出部品25は、出力ピン254、出力ピン255、および、出力ピン256を介して、発光ダイオードL1、発光ダイオードL2、および、発光ダイオードL3にそれぞれ接続される。これに応じて、電圧値U1が第1の閾値以上であり、かつ、電圧値U1が第2の閾値以下であると、検出部品25は、発光ダイオードL3に信号を出力することができ、当該信号は、発光ダイオードL3を駆動して、当該発光ダイオードL3が点灯されるようにし、PSUに障害が発生されなかったことを示す。電圧値U1が第1の閾値であると、検出部品25は、発光ダイオードL1に信号を出力することができ、当該信号は、発光ダイオードL1を駆動して、当該発光ダイオードL1が点灯されるようにし、PSUに短絡障害が発生されたことを示す。電圧値U1が第2の閾値よりも大きいと、検出部品25は、発光ダイオードL2に信号を出力することができ、当該信号は、発光ダイオードL2を駆動して、当該発光ダイオードL2が点灯されるようにし、PSUに開回路障害が発生されたことを示す。
【0049】
1例において、上記の障害認識装置は、電流制限抵抗器r1、電流制限抵抗器r2、および、電流制限抵抗器r3をさらに備え得る。電流制限抵抗器r1は、発光ダイオードL1の正極と検出部品25の出力ピン254との間に接続され、電流制限抵抗器r2は、発光ダイオードL2の正極と検出部品25の出力ピン255との間に接続され、電流制限抵抗器r3は、発光ダイオードL3の正極と検出部品25の出力ピン256との間に接続される。
【0050】
1例において、障害認識装置は、音声警報部品(図面では音声警報部品を示していない)をさらに備え得、検出部品25の第2の出力ピン(すなわち第2の出力端)は、音声警報部品に接続され得る。これに応じて、電圧値U1が第1の閾値以上であり、かつ、電圧値U1が第2の閾値以下であると、検出部品25は、信号を出力しなく、このようにして、音声警報部品は、警報音を発さなくて、PSUに障害が発生されなかったことを示す。電圧値U1が第1の閾値未満であるか、または電圧値U1が第2の閾値よりも大きいと、検出部品25は、第4の信号を出力することができ、当該第4の信号は、音声警報部品が第4の信号に従って警報音を発するようにする。たとえば、当該第4の信号は、音声警報部品を駆動して、当該音声警報部品が警報音を発するようにし、PSUに障害が発生されたことを示す。第2の出力ピンは、1つのピンを表すこともできるし、1組のバスを構成する複数のピンを表すこともできる。障害認識装置は、当該バスを介して音声警報部品に接続されることができることを説明する必要がある。
【0051】
1例において、障害認識装置は、表示部品(図面では表示部品を示していない)をさらに備え得、検出部品25の第3の出力ピン(すなわち第3の出力端)は、表示部品に接続され得る。これに応じて、電圧値U1が第1の閾値以上であり、かつ、電圧値U1が第2の閾値以下であると、検出部品25は、第5の信号を出力することができ、表示部品が、第5の信号に従って第1の数値を表示するようにする。たとえば、当該第5の信号は、表示部品を駆動して、当該表示部品が第1の数値を表示するようにする。当該第1の数値は、PSUに障害が発生されなかったことを示すことができる。電圧値U1が第1の閾値未満であると、検出部品25は、第6の信号を出力することができ、当該第6の信号は、表示部品が第6の信号に従って第2の数値を表示するようにする。たとえば、当該第6の信号は、表示部品を駆動して、当該表示部品が第2の数値を表示するようにする。当該第2の数値は、PSUに短絡障害が発生されたことを示すことができる。電圧値U1が第2の閾値よりも大きいと、検出部品25は、第7の信号を出力することができ、当該第7の信号は、表示部品が第7の信号に従って第3の数値を表示するようにする。たとえば、当該第7の信号は、表示部品を駆動して、当該表示部品が第3の数値を表示するようにする。当該第3の数値は、PSUに開回路障害が発生されたことを示すことができる。第3の出力ピンは、1つのピンを表すこともできるし、1組のバスを構成する複数のピンを表すこともできる。障害認識装置は、当該バスを介して表示部品と接続されることができることを説明する必要がある。
【0052】
上記の構成に基づいて、本発明の実施例では、通信デバイスに通常電源が供給されていない場合、障害認識装置を使用して、どの通信デバイスに障害が発生されたかを効果的に特定することができる。これにより、保守担当者が、障害が発生された通信デバイスをすばやく特定し、続いて障害が発生された通信デバイスに対して処理を実行するようにして、サービス保証能力を向上させ、動作効率を向上させた。
【0053】
説明の便宜上、以上の装置を説明するときに、機能によってさまざまな単位に分割してそれぞれ説明した。当然ながら、本発明を実施するときに、各単位の機能を同じ1つまたは複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアで実施することができる。
【0054】
当業者は、本発明の実施例が、方法、システム、または、コンピュータプログラム製品として提供され得ることを理解すべきである。したがって、本発明は、完全なハードウェア実施例、完全なソフトウェア実施例、または、ソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例の形態を採用することができる。さらに、本発明の実施例は、コンピュータ使用可能プログラムコードを含む、1つまたは複数のコンピュータ使用可能記録媒体(ディスクストレージ、CD-ROM、光メモリなどを含むがこれらに限定されない)上で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を採用することができる。
【0055】
本発明は、本発明の実施例に係る方法、デバイス(システム)、および、コンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照して説明される。フローチャートおよび/またはブロック図内の各々のフローおよび/またはブロック、ならびにフローチャートおよび/またはブロック図内のフローおよび/またはブロックの組み合わせては、コンピュータプログラム命令によって実施できることを理解すべきである。これらコンピュータプログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、または他のプログラム可能なデータ処理デバイスのプロセッサに提供することによって、機械を生成することができ、その結果、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理デバイスのプロセッサによって実行される命令が、フローチャートの1つまたは複数のフローおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロック内に指定された機能を実行するための装置を生成するようにする。
【0056】
さらに、これらコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理デバイスを特定の方法で動作するように導くことができるコンピュータ可読メモリに格納することもでき、その結果、当該コンピュータ可読メモリに格納された命令が、命令装置を含む製品を生成するようにする。当該命令装置は、フローチャートの1つまたは複数のフローおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロック内に指定された機能を実施する。
【0057】
これらコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理デバイスにロードされることによって、コンピュータまたは他のプログラム可能なデバイスが一連の操作ステップを実行してコンピュータ実装の処理を生成するようにすることができる。したがって、コンピュータまたは他のプログラム可能なデバイスで実行される命令が、フローチャートの1つまたは複数のフローおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロック内に指定された機能を実施するステップを提供するようにする。
【0058】
上記の説明は、本発明の実施例にすぎず、本発明を限定するために使用されない。当業者にとって、本発明は、様々な修正と変化を有することができる。本発明の精神および原理の範囲内で行われたいかなる修改、同等の置き換え、改善などは、いずれも本発明の請求項の範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
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図5
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図7
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図9
図10
図11
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図13