(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】冷蔵冷凍装置
(51)【国際特許分類】
F25D 23/12 20060101AFI20230202BHJP
F24C 7/02 20060101ALI20230202BHJP
H05B 6/64 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
F25D23/12 S
F24C7/02 501C
H05B6/64 A
(21)【出願番号】P 2021547556
(86)(22)【出願日】2020-02-11
(86)【国際出願番号】 CN2020074737
(87)【国際公開番号】W WO2020168944
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】201920210463.9
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521358039
【氏名又は名称】青島海尓特種電冰箱有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】520514425
【氏名又は名称】青島海尓電冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(73)【特許権者】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】王 海娟
(72)【発明者】
【氏名】趙 坤坤
(72)【発明者】
【氏名】牟 森
(72)【発明者】
【氏名】李 鵬
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-213475(JP,A)
【文献】特開2002-090030(JP,A)
【文献】中国実用新案第207095130(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/12
F24C 7/02
H05B 6/64
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体及び電磁波加熱装置を含み、
前記箱体は、その内部に少なくとも一つの貯蔵室を規定しており、そのうちの一つの前記貯蔵室は、処理される物体を収容するための加熱室を規定しており、
前記電磁波加熱装置は、前記加熱室に電磁波を供給して前記加熱室における処理される物体を加熱するためのものであり、
前記電磁波加熱装置は、電磁波信号を生成するための電磁波生成モジュール及び前記電磁波生成モジュールに電力を供給するための給電モジュールを有しており、
前記箱体の背面には、後方向に向かって開口する開口部を有する受容溝が設けられ、前記受容溝の前記開口部が蓋体で覆われており、前記受容溝と前記蓋体との間に収容空間が形成されており、前記蓋体には、前記収容空間と前記箱体が配置されている外部環境とを連通するための放熱穴が設けられており、
前記給電モジュールは、前記収容空間に設置され、前記収容空間には、気流が前記放熱穴を通過して前記収容空間と前記箱体が配置された外部環境との間を流れるように駆動して前記給電モジュールを放熱するための放熱ファンがさらに設けら
れ、
前記放熱穴は、前記蓋体の下部に設けられる空気入口穴及び前記蓋体の上部に設けられる空気出口穴を含み、前記放熱ファンの駆動により空気が前記空気入口穴より前記収容空間に流入すると共に前記空気出口穴から排出されることにより、前記給電モジュールに対する強制対流にて放熱し、
前記空気入口穴及び前記空気出口穴は止水フードで覆われており、前記止水フードは、下部において前記蓋体の後面と間隔を空けて設置されることで気流が流れるよう構成されている、
ことを特徴とする冷蔵冷凍装置。
【請求項2】
前記空気入口穴及び前記空気出口穴は、それぞれ横方向に延在する帯状の穴で形成されている、
ことを特徴とする請求項
1に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項3】
前記空気入口穴及び前記空気出口穴は、それぞれ横方向に延在しており、横方向に並んで配置された複数の区切りリブにより、複数のサブ空気入口及び複数のサブ空気出口に区切られる、
ことを特徴とする請求項
1に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項4】
前記止水フードは、前記蓋体の後面において上から下に向かって後方向へ突出して湾曲する弧形状に形成されている、
ことを特徴とする請求項
1に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項5】
前記放熱ファンは、前記給電モジュールの上部に設置されており、
前記放熱ファンは、軸流ファンである、ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項6】
前記給電モジュールは、電源処理回路を集積するためのPCB回路基板を含み、
前記PCB回路基板には、給電電源に接続される入力端子及び前記電磁波生成モジュールに接続される出力端子が設けられ、前記PCB回路基板における電源処理回路により、前記入力端子から入力される電源の電圧を処理してから前記出力端子を介して前記電磁波生成モジュールに出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項7】
一つの前記貯蔵室には、筒体及び扉体を有する貯蔵装置が設置され、前記加熱室は、前記貯蔵装置に形成されており、
前記電磁波加熱装置は、前記筒体に設置される放射アンテナ及び信号処理・測定制御回路をさらに含み、前記放射アンテナは、前記信号処理・測定制御回路に電気接続され、前記電磁波生成モジュールは、前記信号処理・測定制御回路に電気接続され、さらに前記放射アンテナに電気接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項8】
前記電磁波生成モジュールは、前記箱体の発泡層の外側に設置され、予め前記箱体の発泡層に設置された導電線により前記信号処理・測定制御回路に電気接続される、
ことを特徴とする請求項
7に記載の冷蔵冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵冷凍の分野に関し、特に、冷蔵冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品は、冷凍されている過程においては品質が維持され得るが、冷凍された食品を加工又は食べる前には加熱が必要となる。利用者に食品を容易に冷凍又は加熱させるためには、冷蔵庫等などの冷蔵冷凍装置に加熱装置又は電子レンジを設けて食品を加熱することが従来技術として一般的である。しかしながら、加熱装置により食品を加熱すると、必要となる加熱時間が比較的長く、しかも、加熱の時間や温度が把握され難く、食品の水分が蒸発しまたは汁液が流失しやすく、食品の品質が低下する。電子レンジにより食品を加熱すると、速度が速く、効率が高いことから、食品の栄養成分の損失が極めて低いが、水や氷に対するマイクロ波の透過及び吸収が相違し、食品の内部に物質が均一でなく分布され、融解済みの領域に吸収されるエネルギーが多くなり、加熱箇所が散乱し、又は、局所的な過熱となってしまう、という問題が生じやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の出願人は、上記の問題を解決するために、加熱の効率がよい良い電磁波による加熱手法を提出してきたが、先の電磁波加熱装置が過大な加熱空間を占めており、しかも、電磁波加熱装置自体から生じた熱が放出され難く、加熱効果に影響を及ぼす。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、従来技術における少なくとも一つの問題を解決すべく、加熱空間が比較的大きく、空間の利用率が高い冷蔵冷凍装置を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、給電モジュールの温度を効果的に急速に低下させて、給電効率を高め、その使用寿命を延ばす、ということを他の一つの目的とする。
【0006】
本発明は、給電モジュールに対する湿気や埃を避ける、ということをもう一つの目的とする。
【0007】
本発明は、上記の目的を達成するために、箱体及び電磁波加熱装置を含み、前記箱体は、その内部に少なくとも一つの貯蔵室を規定しており、そのうちの一つの前記貯蔵室は、処理される物体を収容するための加熱室を規定しており、前記電磁波加熱装置は、前記加熱室に電磁波を供給して前記加熱室における処理される物体を加熱するためのものであり、前記電磁波加熱装置は、電磁波信号を生成するための電磁波生成モジュール及び前記電磁波生成モジュールに電力を供給するための給電モジュールを有しており、前記箱体の背面には、後方向に向かって開口する開口部を有する受容溝が設けられ、前記受容溝の前記開口部が蓋体で覆われており、前記受容溝と前記蓋体との間に収容空間が形成されており、前記蓋体には、前記収容空間と前記箱体が配置されている外部環境とを連通するための放熱穴が設けられており、前記給電モジュールは、前記収容空間に設置され、前記収容空間には、気流が前記放熱穴を通過して前記収容空間と前記箱体が配置された外部環境との間を流れるように駆動して前記給電モジュールを放熱するための放熱ファンがさらに設けられる、冷蔵冷凍装置を提供する。
【0008】
好ましくは、前記放熱穴は、前記蓋体の下部に設けられる空気入口穴及び前記蓋体の上部に設けられる空気出口穴を含み、前記放熱ファンの駆動により空気が前記空気入口穴より前記収容空間に流入すると共に前記空気出口穴から排出されることにより、前記給電モジュールに対する強制対流にて放熱する。
【0009】
好ましくは、前記空気入口穴及び前記空気出口穴は、それぞれ横方向に延在する帯状の穴で形成されている。
【0010】
好ましくは、前記空気入口穴及び前記空気出口穴は、それぞれ横方向に延在しており、横方向に並んで配置された複数の区切りリブにより、複数のサブ空気入口及び複数のサブ空気出口に区切られる。
【0011】
好ましくは、前記空気入口穴及び前記空気出口穴は止水フードで覆われており、前記止水フードは、下部において前記蓋体の後面と間隔を空けて設置されることで気流が流れるよう構成されている。
【0012】
好ましくは、前記止水フードは、前記蓋体の後面において上から下に向かって後方向へ突出して湾曲する弧形状に形成されている。
【0013】
好ましくは、前記放熱ファンは、前記給電モジュールの上部に設置されており、前記放熱ファンは、軸流ファンである。
【0014】
好ましくは、前記給電モジュールは、電源処理回路を集積するためのPCB回路基板を含み、前記PCB回路基板には、給電電源に接続される入力端子及び前記電磁波生成モジュールに接続される出力端子が設けられ、前記PCB回路基板における電源処理回路により、前記入力端子から入力される電源の電圧を処理してから前記出力端子を介して前記電磁波生成モジュールに出力する。
【0015】
好ましくは、一つの前記貯蔵室には、筒体及び扉体を有する貯蔵装置が設置され、前記加熱室は、前記貯蔵装置に形成されており、前記電磁波加熱装置は、前記筒体に設置される放射アンテナ及び信号処理・測定制御回路をさらに含み、前記放射アンテナは、前記信号処理・測定制御回路に電気接続され、前記電磁波生成モジュールは、前記信号処理・測定制御回路に電気接続され、さらに前記放射アンテナに電気接続される。
【0016】
好ましくは、前記電磁波生成モジュールは、前記箱体の発泡層の外側に設置され、予め前記箱体の発泡層に設置された導電線により前記信号処理・測定制御回路に電気接続される。
【0017】
本発明に係る冷蔵冷凍装置は、電磁波加熱装置を有しており、電磁波加熱装置は、電磁波により、処理される物体を加熱したり解凍したりすることから、加熱効率が高まり、加熱が均一でありながら食品の品質が保証され得る。特に、電磁波生成モジュールに電力を供給するための給電モジュールを箱体の後部の受容溝と蓋板とからなる収容空間に設置し、つまり、給電モジュールを箱体の外部に配置させることから、箱体における貯蔵空間及び加熱室における加熱空間を占めることなく、貯蔵空間と加熱空間とがそれぞれ比較的大きくなり、空間の利用率が比較的高い。
【0018】
それと同時に、給電モジュールを箱体の後側の外部に位置させるため、生じた熱は、箱体に放出されることにより貯蔵室における貯蔵の温度に影響を与えてしまうということが無くなる。また、蓋体に放熱穴を設置し、収容空間に放熱ファンをさらに設置することから、放熱ファンの駆動により気流が速く流れ、給電モジュールから生じた熱を一層急速に外部環境の空間に放出するように促進され、給電モジュールを急速で効果的に降温させ、給電モジュールが連続稼働することにより温度が高くなり、その寿命や効率が低下してしまうということを避けることができると共に、ユーザーが予期せず接触することによるやけどのおそれが無くなる。
【0019】
さらに、給電モジュールを蓋体により覆うことから、給電モジュールが水に濡れ又は埃が付着することを避けることができる。特に、蓋体の空気入口穴及び空気出口穴に止水フードを覆うことから、箱体の後部に位置する水が収容空間に浸入することにより給電モジュールに湿気や埃が付着するということを避けることができ、予期せぬ安全上のリスクを避けることができる。
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明における具体的な実施例を詳しく説明する。当業者は、本発明における上記及び他の目的、利点及び特徴を明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
下記に、図面を参照して、例示的かつ非限定的な形態に基づいて、本発明におけるいくつかの具体的な実施例を詳しく説明する。図面には、同一の符号により、同一又は類似な部品や部分を示す。当業者にとって理解すべきところは、これらの図面が、必ずしも一定の縮尺で描かれたものである必要はないことである。
【
図1】本発明の一実施例による冷蔵冷凍装置の模式的構成図である。
【
図2】本発明の一実施例による冷蔵冷凍装置の模式的断面図である。
【
図3】本発明の一実施例による受容溝及び蓋体の異なる方向からの模式的断面図である。
【
図4】本発明の一実施例による受容溝及び蓋体の異なる方向からの模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、冷蔵冷凍装置を提供する。冷蔵冷凍装置は、冷蔵庫、冷凍庫又は冷蔵及び/又は冷凍の機能を有する他の物貯蔵装置であってもよい。
図1は、本発明の一実施例による冷蔵冷凍装置の模式的構成図であり、
図2は、本発明の一実施例による冷蔵冷凍装置の模式的断面図である。
【0023】
図1乃至
図2を参照すると、本発明に係る冷蔵冷凍装置1は、箱体10を有し、箱体10に少なくとも一つの貯蔵室11が規定されている。さらに、冷蔵冷凍装置1は、貯蔵室11を開閉するための扉体をさらに含む。貯蔵室11のうちの一つは、処理される物体を収容するための加熱室が規定されている。この加熱室は、処理される物体を加熱したり解凍したりするためのものである。具体的には、箱体10に複数の貯蔵室11が形成されていてもよく、例えば、冷蔵室、冷凍室及び温度可変室が含まれてもよい。上述した各室は、温度が互いに異なるため機能も異なる。加熱室は、冷蔵室、冷凍室及び温度可変室のうちのいずれか一つに形成されてもよい。
【0024】
さらに、冷蔵冷凍装置1は、加熱室に電磁波を供給して加熱室で処理される物体を加熱するための電磁波加熱装置をさらに含む。電磁波加熱装置が提供する電磁波は、ラジオ波、マイクロ波などの適切な波長を有する電磁波である。電磁波により処理される物体を加熱するこのような方法は、その加熱効率が高く、加熱が均一となり、しかも、食品の品質が保証され得る。電磁波加熱装置は、通常、電磁波信号を生成するための電磁波生成モジュール21及び電磁波生成モジュール21に電力を供給するための給電モジュール24を有する。電磁波生成モジュール21及び給電モジュール24は、電力が比較的大きく、生じる熱量も比較的多いことから、電磁波生成モジュール21及び給電モジュール24を箱体10の発泡体層の外側に設置することで、箱体10における貯蔵環境への影響を避けることができると共に、熱を適切に放出することもできる。電磁波生成モジュール21は、例えば、箱体10における上部の外側や後部の外側、又は、コンプレッサ室19内などに設置されてもよい。
【0025】
特に、箱体10の背面には、後方向に向かって開口する開口部を有する受容溝12が設けられており、受容溝12における開口部は、蓋体13で覆われており、受容溝12と蓋体13との間に収容空間14が形成されている。蓋体13には、収容空間14と箱体10が配置されている外部環境とが連通するための放熱穴が設けられている。給電モジュール24は、収容空間14に設置されており、収容空間14には、気流が上記放熱穴を通過して収容空間14と箱体10が配置されている外部環境との間を流れるように駆動し、給電モジュール24の放熱を行うための放熱ファン31が設けられている。
【0026】
電磁波生成モジュール21に電力を供給するための給電モジュール24は、箱体10における背面の受容溝12と蓋体13とにより形成される収容空間14に設置されている。つまり、給電モジュール24は、箱体10の後側の外部に位置することから、箱体10における貯蔵空間及び加熱室における加熱空間を占めることなく、貯蔵空間及び加熱空間が共に比較的大きく、空間利用率が比較的高い。
【0027】
同時に、発熱量が比較的大きい給電モジュール24は、箱体10の後側の外部に配置されていることから、生じた熱が箱体10内に放出されて貯蔵室における貯蔵の温度に影響を与えてしまうことが無くなる。さらに重要なことに、蓋体13には放熱穴が設けられており、給電モジュール24から生じる熱を放熱穴を介して放出することができる。さらに、収容空間14に放熱ファン31を設けているため、放熱ファン31の駆動により、気流が加速して流れ、給電モジュール24から生じる熱を一層に急速に外部環境の空間に放出するように促進される。そして、給電モジュール24を急速に効果的に降温させることで、給電モジュール24が連続的に稼働しても、温度が上昇してその寿命や効率が低下してしまうということを避けることができると共に、ユーザーが意図せずに接触することによるやけどのおそれが無くなる。給電モジュール24を箱体10の後側の外部に設置することで、利用者の目に触れないようにすることもでき、全体として外観や使用者の使用感が向上する。
【0028】
さらに、蓋体13は、箱体10における後側外面10aと同一平面に位置するよう配置されてもよい。このようにすることで、冷蔵冷凍装置1は、全体としてその外観が良くなると共に、給電モジュール24の配置により箱体10が大きな空間を占めることが無くなる。
【0029】
図3及び
図4は、本発明の一実施例による受容溝及び蓋体の異なる方向から見た模式的断面図である。
図3及び
図4における切断線は互いに垂直であり、
図3における直線の矢印が気流の主な流れ方向を示し、
図4では給電モジュールを省略している。
図1乃至
図4を参照すると、上述した放熱穴は、蓋体13の下部に設けられる空気入口穴131及び蓋体13の上部に設けられる空気出口穴132を含む。放熱ファン31の駆動により、空気を空気入口穴131から収容空間14に流入させて空気出口穴132から排出させることにより、給電モジュール24に対して強制対流させて放熱する。つまり、空気入口穴131及び空気出口穴132を蓋体13における二つの反対側に設置することで、気流の対流効果を生じさせており、気流の流量が増加し、給電モジュール24に対する放熱の効率が一層高まる。熱風の上昇原理に基づき、空気出口穴132及び空気入口穴131を上下に設置することで、気流の急速な流れを実現できる。特に、空気出口穴132を蓋体13の上部に設置し、空気入口穴131を蓋体13の下部に設置することで、空気出口穴132を介して排出される熱を含む気流が、空気入口穴131を通過することなく、そのまま上昇することとなり、熱量が収容空間14に再び入り放熱効果に影響を及ぼしてしまうことを避けることができる。
【0030】
幾つかの実施例では、空気入口穴131及び空気出口穴132は、それぞれ、横方向に延びる帯状の穴であってもよい。これにより、空気入口穴及び空気出口穴の面積が増加し、気流の速度が速くなると共に、気流が収容空間14に入ってから均一に給電モジュール24へ流れ、均一に排出されるようになり、給電モジュール24に対する放熱の均一性を高めることができる。
【0031】
他の幾つかの実施例では、空気入口穴131及び空気出口穴132は、それぞれ、横方向に延在しており、横方向に並んで配置される複数の区分けリブにより複数の小さなサブ空気入口穴及び複数の小さなサブ空気出口穴1321に分割されてもよい。このような方法によると、送風を均一にして放熱を均一にする効果を図ることができると共に、空気入口穴131及び空気出口穴132が大き過ぎる(例えば、指を入れるおそれがある)ことにより予期せぬ安全上のリスクが生じてしまうということを避けることができる。
【0032】
幾つかの実施例では、空気入口穴131及び空気出口穴132は、それぞれ、止水フード135を覆われていてもよい。止水フード135は、下部が蓋体13の後面から離間して設置されることで、止水フード135の下部と蓋体13の後面との間に隙間が形成され、気流が流れるようになる。蓋体13の設置により、給電モジュール24が水に濡れ又は埃が付着することをある程度は避けることができる。蓋体13の空気入口穴131及び空気出口穴132は、特に止水フード135で覆われており、止水フード135の設置により、放熱気流の正常な流れに影響を及ぼすことなく、箱体10における背面側の水が収容空間14に浸入することによって給電モジュール24に湿気や埃が付着することを避けることができ、予期せぬ安全上のリスクを避けることができる。
【0033】
さらに、止水フード135は、蓋体13の後面において上から下に向かって後方向へ突出して湾曲する弧形状に形成されていてもよい。このような形状の止水フード135は、形状が美感を有するだけでなく、止水フード135に水滴が溜まってしまうことを避けることができ、水を流し出すことができる。
【0034】
幾つかの実施例では、放熱ファン31は、給電モジュール24の上部に設置されてもよい。具体的には、放熱ファン31は、その空気入口が下向きであり、空気出口が上向きに設置される。これにより、放熱ファン31が駆動することで、気流が下から上に向かって収容空間内を急速で流れるようになる。
【0035】
幾つかの実施例では、放熱ファン31は、軸流ファンであってもよい。他の幾つかの実施例では、放熱ファン31は、他の類型のファンであってもよく、例えば、遠心分離ファンや貫流ファンなどであってもよく、空気出口及び空気入口がそれぞれ上下を向くように放熱ファンの通風路を設置すればよい。
【0036】
さらに、放熱ファン31は、その数が一つ、二つ又は三つ以上であってもよい。
【0037】
幾つかの実施例では、給電モジュール24は、電源処理回路を集積するためのPCB回路基板241を含んでもよい。PCB回路基板241は、給電電源に接続される入力端子242及び電磁波生成モジュール21に接続される出力端子243が設けられ、PCB回路基板241における電源処理回路により、入力端子242を介して入力される電源電圧を処理してから出力端子243を介して電磁波生成モジュール21に出力する。具体的には、入力端子242及び出力端子243は、それぞれ、PCB回路基板241における対向する二つの端部に位置してもよい。
【0038】
幾つかの実施例では、一つの貯蔵室11には、筒体61及び扉体62を有する貯蔵装置60が配置されており、この貯蔵装置60に加熱室が形成される。扉体62は、加熱処理を行う時に、閉じた加熱室を形成するように筒体61を閉じて、電磁波の漏洩を避けることができる。
【0039】
さらに、電磁波加熱装置は、筒体61に設置される放射アンテナ22及び信号処理・測定制御回路23をさらに含む。放射アンテナ22は、信号処理・測定制御回路23に電気接続され、電磁波生成モジュール21は、信号処理・測定制御回路23に電気接続され、さらに放射アンテナ22に電気接続される。
【0040】
さらに、電磁波生成モジュール21は、箱体10の発泡層の外側に設置されてもよいし、電磁波生成モジュール21は、予め箱体10の発泡層に設置された導電線50を介して、信号処理・測定制御回路23に電気接続されてもよい。具体的には、電磁波生成モジュール21は、コンプレッサ室19に設置されてもよい。電磁波生成モジュール21と給電モジュール24は、予め箱体10における発泡層に設置された電源配線を介して接続される。
【0041】
具体的に、信号処理・測定制御回路23は、貯蔵装置60の後壁から引き出さされる第一ラジオポート231及び第一信号転送インターフェース232を有し、電磁波生成モジュール21は、第二ラジオポート及び第二信号転送インターフェースを有し、第一ラジオポート231と第二ラジオポートとは、予め箱体10における発泡層に設置されたラジオケーブルを介して接続され、第一信号転送インターフェース232と第二信号転送インターフェースとは、予め箱体10における発泡層に設置された信号転送ケーブルを介して接続される。
【0042】
筒体61は、物品に容易にアクセスするためのアクセス用開口部を有してもよく、扉体62は、導電性を有するエンドプレートを含んでもよい。扉体62を閉じる時に、エンドプレートが筒体61におけるアクセス用開口部を閉じることから、筒体61における加熱室を閉じることになる。エンドプレートは、導電性金属材料で製造される金属製エンドプレートであってもよく、他の導電性材料で製造される導電性エンドプレートであってもよい。扉体62は、エンドプレートに電気接続される少なくとも一つの導電性コネクタをさらに含んでもよい。導電性コネクタは、少なくとも扉体62が筒体61のアクセス用開口部を閉じた閉状態で筒体61に電気接続されるように配置されることにより、扉体62が閉状態にある時に、筒体61と扉体62とにより連続導電性シールド体を形成する。このように、筒体61と扉体62との間に安定的な電気接続を形成して、加熱時に連続導電性シールド体を形成するようにすることで、電磁波が隙間から放出してしまうことを効果的に阻止して、電磁波の放出を効果的に防ぎ、電磁波の放出により人体を傷つけることを防ぐことができる。筒体61は、金属製筒体であってもよいし、例えば、導電性コーティングや導電性金属メッシュなどの電磁シールド機能を有する非金属製筒体を設置してもよい。
【0043】
当業者は、特別な断りがない限り、本発明の実施例に記載されている「上部」、「下部」、「内部」、「外部」、「横方向」、「前」や「後」などの方位又は位置の関係を示すための用語は、冷蔵冷凍装置1を実際に使う状態に準ずるものであり、これらの用語は、本発明の技術的解決手段を容易に説明して理解するためのものに過ぎず、装置又は構成要素が必ず特定の方位を有するように明示的又は暗示的に示唆するものではないことから、本発明を限定するものとして理解されない。
【0044】
以上、本明細書に詳しく説明する上で、本発明における複数の例示的実施例を記載したが、当業者にとって理解するべきところは、本発明に係る趣旨及び範囲を逸脱しない限り、依然として、本発明に開示されている内容に基づいて、本発明に係る原理に該当する数多くの他の変形や修正を直接に特定し又は導出することが可能である。従って、理解可能なことは、本発明の範囲において、あらゆるこれらの他の変形や修正を含むと考えられるべきである。