IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許-心臓興奮の可視化のための方法 図1
  • 特許-心臓興奮の可視化のための方法 図2
  • 特許-心臓興奮の可視化のための方法 図3A
  • 特許-心臓興奮の可視化のための方法 図3B
  • 特許-心臓興奮の可視化のための方法 図4
  • 特許-心臓興奮の可視化のための方法 図5
  • 特許-心臓興奮の可視化のための方法 図6
  • 特許-心臓興奮の可視化のための方法 図7A
  • 特許-心臓興奮の可視化のための方法 図7B
  • 特許-心臓興奮の可視化のための方法 図7C
  • 特許-心臓興奮の可視化のための方法 図8
  • 特許-心臓興奮の可視化のための方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】心臓興奮の可視化のための方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/339 20210101AFI20230202BHJP
   A61B 5/367 20210101ALI20230202BHJP
【FI】
A61B5/339
A61B5/367
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021562899
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-23
(86)【国際出願番号】 US2020029265
(87)【国際公開番号】W WO2020219513
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】62/838,013
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511177374
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーク ハグフォース
(72)【発明者】
【氏名】サイモン プラナイティス
(72)【発明者】
【氏名】ドン デノ
(72)【発明者】
【氏名】エマ ダビス
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-526107(JP,A)
【文献】特開2008-073279(JP,A)
【文献】特表2018-502643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/318-5/367
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アニメーション化された心臓興奮マップを生成する方法であって、
電気解剖学的マッピングシステムにおいて、心臓表面上の伝導速度ベクトル場を定義する前記心臓表面の伝導速度マップを受け取ることと、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る粒子の流れをシミュレートすることと、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記心臓表面のグラフィック表現上において、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子のシミュレートされた前記流れのアニメーション表現を出力することと、
を含んでおり、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることは、前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場内に前記粒子を空間的にランダムに生成することを含む、
方法。
【請求項2】
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることは、前記電気解剖学的マッピングシステムが予め設定された時間の間、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることは、前記電気解剖学的マッピングシステムが前記心臓表面の局所興奮タイミングデータに基づいて決定された時間の間、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記粒子が、前記粒子の瞬間位置において、前記心臓表面の局所興奮時間よりもサイクル長の10%を超えて時間的に遅れているか、または前記粒子が、前記粒子の瞬間位置において、前記サイクル長の1%を超えて前記心臓表面の前記局所興奮時間よりも時間的に早いかのいずれかである場合に、前記時間は終了する、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることは、前記粒子がブロックのラインに到達するまで、前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることは、前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る複数の粒子の流れをシミュレートすることを含み、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記心臓表面のグラフィカル表現上に、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子のシミュレートされた前記流れのアニメーション表現を出力することは、前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記心臓表面の前記グラフィカル表現上に、前記伝導速度ベクトル場を通る前記複数の粒子のシミュレートされた前記流れのアニメーション表現を出力することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記心臓表面の前記グラフィック表現上の、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子のシミュレートされた前記流れの前記アニメーション表現は、前記粒子が徐々に消失する減衰軌跡をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
電気解剖学的マッピングシステムを使用して、アニメーション化された心臓興奮マップを生成する方法であって、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、心臓表面の3次元表現を表示することと、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記心臓表面上の伝導速度ベクトル場を定義する前記心臓表面の伝導速度マップを受け取ることと、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる複数の粒子のシミュレーションを表示することと、
を含んでおり、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる複数の粒子のシミュレーションを表示することは、前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場内に前記複数の粒子を空間的にランダムに生成することを含む、
方法。
【請求項9】
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる複数の粒子のシミュレーションを表示することは、前記電気解剖学的マッピングシステムが、予め設定された時間の間、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる前記複数の粒子の各粒子の前記シミュレーションを表示することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる複数の粒子のシミュレーションを表示することは、前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記心臓表面の局所興奮タイミングマップによって決定される時間の間、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる前記複数の粒子の各粒子の前記シミュレーションを表示することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記粒子が、前記粒子の瞬間位置において、前記心臓表面の局所興奮時間よりもサイクル長の10%を超えて時間的に遅れているか、または前記粒子が、前記粒子の瞬間位置において、前記心臓表面の前記局所興奮時間よりも前記サイクル長の1%を超えて時間的に早いかのいずれかである場合に、前記時間は終了する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる複数の粒子のシミュレーションを表示することは、前記複数の粒子の各粒子がブロックのラインに到達するまで、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる前記各粒子の前記シミュレーションを表示することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は平成31年4月24日に出願された米国仮出願第62/838,013号の優先権の利益を主張するものであり、これは、参照により、本明細書に完全に記載されているものとして本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は一般に、電気生理学的可視化およびマッピングに関する。より具体的には、本開示は、モデルの表面上で心臓の興奮を可視化するためのアニメーション化された電気生理学的マップを生成するためのシステム、方法、および装置に関する。
【0003】
心臓電気生理学的マッピングなどの解剖学的マッピングは、多数の診断および治療手順に用いられる。一定の手順では、例えば、診断カテーテルから得られる心電図信号から、脱分極波に関連する様々な成分が検出され、局所興奮時間(「LAT」)マップ、伝導速度(「CV」)マップ、ピーク・ピーク(「PP」)電圧マップ、または複合分裂電位(「CFE」)マップなどのマップを生成するために使用される。典型的には、そのようなマップは、興奮(到達)時間、電圧、および分裂の程度などのパラメータを表すために色および/または陰影を使用する静的マップである。
【0004】
場合によっては、心臓の興奮波前面は心臓を横切るように進むため、その方向性を理解することが困難なことがある。しかし、特定の心不整脈に関連するパターンを正確に識別するためには、この情報を正確に知ることがしばしば重要である。いくつかの例では、そのような情報によって、そのような情報がなければより伝統的な静的マップからは識別することが困難な、より複雑なリズムの検出が容易になりうる。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で開示されるのは、アニメーション化された心臓の興奮マップを生成する方法である。この方法は、電気解剖学的マッピングシステムが、心臓表面上の伝導速度ベクトル場を定義する心臓表面の伝導速度マップを受け取ることと、電気解剖学的マッピングシステムが前記伝導速度ベクトル場を通る粒子(あるいは、本明細書の実施例において、複数の粒子)の流れをシミュレートすることと、電気解剖学的マッピングシステムが心臓表面のグラフィック表現上において伝導速度ベクトル場を通る粒子(あるいは、該当する場合、複数の粒子)のシミュレートされた流れのアニメーション表現を出力することと、を含む。
【0006】
本開示の実施形態では、電気解剖学的マッピングシステムは、伝導速度ベクトル場内に粒子をランダムに生成し、予め設定された時間の間、伝導速度ベクトル場を通る粒子の流れをシミュレートしてもよい。
【0007】
本開示の他の実施形態では、電気解剖学的マッピングシステムは、心臓表面の局所興奮タイミングデータに基づいて(例えば、アニメーション化された心臓興奮マップの現在の再生時間における心臓興奮波前面の位置に対応する、伝導速度ベクトル場内の位置において)、伝導速度ベクトル場内に粒子を生成する。電気解剖学的マッピングシステムは、予め設定された時間の間、または代替的に、心臓表面の局所興奮タイミングデータに基づいて決定された時間の間(例えば、粒子が、粒子の瞬間位置において、心臓表面の局所興奮タイミングデータよりもサイクル長の10%を超えて遅れているか、または粒子の瞬間位置において、心臓表面の局所興奮タイミングデータよりもサイクル長の1%を超えて早いかのいずれとなるまで)、伝導速度ベクトル場を通る粒子の流れをシミュレートしてもよい。また、電気解剖学的マッピングは、粒子がブロックのラインに到達するときに、伝導速度ベクトル場を通る粒子の流れのシミュレートを停止してもよい。
【0008】
心臓表面のグラフィック表現上の伝導速度ベクトル場を通る粒子のシミュレートされた流れのアニメーション表現は、粒子の減衰軌跡を含むことができる。
【0009】
電気解剖学的マッピングシステムを使用して、アニメーション化された心臓興奮マップを生成する方法であって、電気解剖学的マッピングシステムが心臓表面の3次元表現を表示することと、電気解剖学的マッピングシステムが、心臓表面上の伝導速度ベクトル場を定義する心臓表面の伝導速度マップを受け取ることと、電気解剖学的マッピングシステムが、伝導速度ベクトル場を通って流れる複数の粒子のシミュレーションを表示することと、を含む方法もまた、本明細書で開示される。
【0010】
本開示の態様によれば、電気分解マッピングシステムは伝導速度ベクトル場内に複数の粒子をランダムに生成し、予め設定された時間の間、伝導速度ベクトル場を通って流れる複数の粒子の各粒子のシミュレーションを表示する。
【0011】
本開示の他の態様では、電気解剖学的マッピングシステムが心臓表面の局所興奮タイミングマップに従って複数の粒子の各粒子を生成する。次いで、電気解剖学的マッピングシステムは予め設定された時間の間、または代替的に、心臓表面の局所興奮タイミングマップによって決定される時間の間(例えば、粒子が、粒子の瞬間位置において、心臓表面の局所興奮時間よりもサイクル長の10%を超えて遅れるか、または粒子の瞬間位置において、心臓表面の局所興奮時間よりもサイクル長の1%を超えて早いかのいずれかになるまで)、伝導速度ベクトル場を通って流れる複数の粒子の各粒子のシミュレーションを表示することができる。また、電気解剖学的マッピングシステムは粒子がブロックのラインに到達するときに、粒子の流れのシミュレーションを停止してもよい。
【0012】
本開示はまた、電気解剖学的マッピングシステムを使用して心臓表面の3次元モデル上に心臓興奮をグラフィカルに表す方法を提供する。この方法は、電気解剖学的マッピングシステムが、心臓表面上の伝導速度ベクトル場を定義する心臓表面の伝導速度マップを受け取ることと、電気解剖学的マッピングシステムが心臓表面の3次元モデル内のピクセルを特定することと、電気解剖学的マッピングシステムが特定されたピクセルの分散指標を計算することと、計算された分散指標が予め設定された閾値を超える場合、電気解剖学的マッピングシステムが心臓表面の3次元モデル上にピクセルを分散の領域としてグラフィカルに表すことを含む。
【0013】
電気解剖学的マッピングシステムが特定されたピクセルの分散指標を計算することは、電気解剖学的マッピングシステムが、心臓表面の伝導速度マップから、特定されたピクセルの予め設定された距離内の複数の伝導速度ベクトルを特定することと、電気解剖学的マッピングシステムが、複数の伝導速度ベクトルの各伝導速度ベクトルに対して、特定されたピクセルと伝導速度ベクトルの位置との間のベクトルを定義することと、定義されたベクトルと伝導速度ベクトルの方向とのドット積を計算すること、それによって、複数のドット積を計算することと、電気解剖学的マッピングシステムが、複数のドット積を加算して、特定されたピクセルの分散指標を計算することと、を含むことができる。
【0014】
本発明の前述および他の態様、特徴、詳細、有用性、および利点は、以下の説明および特許請求の範囲を読むこと、ならびに添付の図面を参照することから明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】例示的な電気解剖学的マッピングシステムの概略図である。
【0016】
図2】本開示の態様に関連して使用することができる例示的なカテーテルを示す。
【0017】
図3A】多電極カテーテルおよびそれに関連するバイポールによって担持される電極のための英数字のラベル付け規則を示す。
図3B】多電極カテーテルおよびそれに関連するバイポールによって担持される電極のための英数字のラベル付け規則を示す。
【0018】
図4】本明細書で開示される例示的な実施形態による、アニメーション化された興奮マップを生成する際に実行され得る代表的な工程のフローチャートである。
【0019】
図5】心臓形状の3次元モデル上に電気解剖学的マッピングシステムによって出力される伝導速度ベクトル場を示す。
【0020】
図6】本開示の態様による、ランダムに生成された粒子を使用する、アニメーション化された興奮マップからのフレームを示す。
【0021】
図7A】本開示の追加の態様による、局所興奮タイミング情報に従って生成された粒子を使用する、アニメーション化された活動マップからのフレームを示す。フレームは漸進的であり、必ずしも連続的ではない。
図7B】本開示の追加の態様による、局所興奮タイミング情報に従って生成された粒子を使用する、アニメーション化された活動マップからのフレームを示す。フレームは漸進的であり、必ずしも連続的ではない。
図7C】本開示の追加の態様による、局所興奮タイミング情報に従って生成された粒子を使用する、アニメーション化された活動マップからのフレームを示す。フレームは漸進的であり、必ずしも連続的ではない。
【0022】
図8】本明細書に開示される実施形態による、流れシミュレーション下の粒子の不透明度(すなわち、可視度)の変化を示す例示的な曲線である。
【0023】
図9】本明細書で開示される例示的な実施形態による分散マップを生成する際に実行することができる代表的な工程のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
複数の実施形態が開示されているが、本開示のさらに他の実施形態が、例示的な実施形態を示し説明する以下の詳細な説明から、当業者に明らかになるであろう。従って、図面および詳細な説明は、本質的に例示的であると見なされ、それらに限定するものではない。
【0025】
本開示は電気生理学マップ(例えば、心電図マップ)を作成するためのシステム、方法、および装置を提供する。例示の目的のために、いくつかの例示的な実施形態が、心臓電気生理学手順を参照して本明細書で詳細に説明される。より具体的には、本開示の態様は、イリノイ州アボットパークのAbbott LaboratoriesのAdvisor(商標)HDグリッドマッピングカテーテルなどの高密度(HD)グリッドカテーテルを使用して収集された電気生理学的データ点を、同様にAbbott LaboratoriesのEnSite Precision(商標)心臓マッピングシステムなどの電気解剖学的マッピングシステムと共に使用して、心臓興奮アニメーションを作成することに関連して説明される。しかしながら、当業者は、本明細書の開示を、他のコンテキストおよび/または他の装置に対してどのように有利に適用するかを理解するであろう。
【0026】
図1は、心臓カテーテルをナビゲートし、患者11の心臓10に生じる電気的活動を測定し、そのように測定された電気的活動に関連するか、またはそれを表す電気的活動および/または情報を3次元的にマッピングすることによって、心臓電気生理学研究を行うための例示的な電気解剖学的マッピングシステム8の概略図を示す。システム8は例えば、一つまたは複数の電極を使用して患者の心臓10の解剖学的モデルを作成するために使用することができる。システム8はまた、例えば患者の心臓10の診断データマップを作成するために、心臓表面に沿った複数の点で電気生理学的データを測定し、電気生理学的データが測定された各測定点についての位置情報に関連して測定データを記憶するために使用され得る。
【0027】
当業者が認識するように、システム8は典型的には3次元空間内の物体の位置、およびいくつかの態様では物体の向きを決定し、それらの位置を少なくとも一つの基準に対して決定された位置情報として表現する。
【0028】
説明を簡単にするために、患者11は楕円として概略的に示されている。図1に示す実施形態では、患者11の身体表面に適用される3組の表面電極(例えば、パッチ電極)が示されており、本明細書ではx軸、y軸、およびz軸と呼ばれる三つのほぼ直交する軸を画定する。他の実施形態では、電極は他の配置で位置してもよく、例えば、特定の身体表面上に複数の電極が配置されてもよい。さらなる代替として、電極は、身体表面上にある必要はなく、体内に配置され得る。
【0029】
図1において、x軸表面電極12、14は第1の軸に沿って、例えば、患者の胸部領域の側面において(例えば、各腕の下の患者の皮膚に適用されて)患者に適用され、左および右電極と呼ばれてもよい。y軸電極18、19は、x軸にほぼ直交する第2の軸に沿って、例えば、患者の内側大腿部および頸部領域に沿って患者に適用され、左脚電極および頸部電極と呼ぶことができる。z軸電極16、22は、x軸およびy軸の両方にほぼ直交する第3の軸に沿って、例えば患者の胸部領域の胸骨および脊柱に沿って適用され、胸部電極および背部電極と呼ばれてもよい。心臓10は、これらの対の表面電極12/14、18/19、および16/22の間にある。
【0030】
追加の表面基準電極(例えば、「腹部パッチ」)21は、システム8のための基準電極および/またはグランド電極を提供する。腹部パッチ電極21は、以下でさらに詳細に説明する心臓内固定電極31の代替物であってもよい。さらに、患者11は、従来の心電図(「ECG」または「EKG」)システムのリードのほとんどまたはすべてを所定の位置に有することができることも理解されるべきである。特定の実施形態では、例えば、患者の心臓10上の心電図を感知するために、12本のECGリードの標準セットを利用することができる。このECG情報はシステム8に利用可能である(例えば、コンピュータシステム20への入力として提供することができる)。ECGリードが良く理解されている限り、また図面を明確にするために、図1には一つのリード6とそのコンピュータ20への接続のみが示されている。
【0031】
少なくとも一つの電極17を有する代表的なカテーテル13も示されている。この代表的なカテーテル電極17は、本明細書全体を通して「ロービング電極」、「移動電極」、または「測定電極」と呼ばれる。典型的には、カテーテル13上または複数のこのようなカテーテル上の複数の電極17が使用される。一実施形態では例えば、システム8は患者の心臓および/または血管系内に配置された12個のカテーテル上に64個の電極を備えることができる。他の実施形態では、システム8が複数(例えば、8つ)のスプラインを含む単一のカテーテルを利用することができ、各スプラインは、複数(例えば、8つ)の電極を含む。
【0032】
しかしながら、前述の実施形態は単に例示的なものであり、任意の数の電極および/またはカテーテルを使用することができる。例えば、本開示の目的のために、例示的な多電極カテーテル、特にHDグリッドカテーテルの一部分が図2に示されている。HDグリッドカテーテル13は、パドル202に連結されたカテーテル本体200を含む。カテーテル本体200は、第1および第2の本体電極204、206をそれぞれさらに含むことができる。パドル202は第1のスプライン208、第2のスプライン210、第3のスプライン212、および第4のスプライン214を含むことができ、これらは、近位カプラ216によってカテーテル本体200に結合され、遠位カプラ218によって互いに結合される。一実施形態では第1のスプライン208及び第4のスプライン214が一つの連続的な部分とすることができ、第2のスプライン210及び第3のスプライン212は別の連続的な部分とすることができる。他の実施形態では、様々なスプライン208、210、212、214は(例えば、それぞれ、近位および遠位カプラ216、218によって)互いに結合された別個の部分とすることができる。HDカテーテル13は任意の数のスプラインを含むことができ、図2に示すスプラインが四つの構成は、単に例示的なものに過ぎないことを理解されたい。
【0033】
上述のように、スプライン208、210、212、214は任意の数の電極17を含むことができ、図2では、16個の電極17が4×4配列で配置されて示されている。
また、電極17は、スプライン208、210、212、214に沿って及びそれらの間で測定して、等間隔で及び/又は等間隔でなく離間させることができることを理解されたい。この説明を容易に参照するために、図3Aは、電極17に英数字ラベルを割り当てる。
【0034】
当業者が認識するように、任意の二つの隣接する電極17は、バイポールを画定する。したがって、カテーテル13上の16個の電極17はスプラインに沿って12個(例えば、電極17aと17bの間、または電極17cと17dの間)、スプラインを横断して12個(例えば、電極17aと17cの間、または電極17bと17dの間)、およびスプライン間で18個(例えば、電極17aと17dの間、または電極17bと17cの間)の合計42個のバイポールを画定する。
【0035】
本明細書において、参照しやすくするために、図3Bは、スプラインに沿ったバイポールおよびスプラインを横断するバイポールに英数字ラベルが割り当てられる。図3Bは対角バイポールのための英数字ラベルを省略しているが、これは図示を明確にするためだけのものである。本明細書の教示は、対角バイポールに関しても適用することができることが明確に考えられる。
【0036】
次に、任意のバイポールは、当業者によく知られている技法に従って、バイポーラ電位図を生成するために使用することができる。さらに、これらのバイポーラ電気記録図は組み合わされ(例えば、線形に組み合わされ)、電極クリークのための電界ループを計算することによって、カテーテル13の平面の任意の方向に、興奮タイミング情報を含む電気記録図を生成することができる。参照により本明細書に組み込まれるものとされる米国特許出願第15/953,155号は、HDグリッドカテーテル上の電極のクリークのための電界ループの計算についての詳細を開示している。
【0037】
いずれにしても、カテーテル13は、その上の電極17によって画定される様々なバイポールのための複数の電気生理学的データ点を同時に収集するために使用されることができ、そのような電気生理学的データ点のそれぞれは、(例えば、選択されたバイポールの位置および向きのような)位置特定情報と、選択されたバイポールのための電位図信号との両方を含む。例示の目的のために、本開示による方法は、カテーテル13によって収集された個々の電気生理学的データ点を参照して記載される。しかしながら、本明細書の教示はカテーテル13によって収集された複数の電気生理学的データ点に、連続して及び/または同時に適用することができることを理解されたい。
【0038】
カテーテル13(または複数のこのようなカテーテル)は、典型的には一つまたは複数のイントロデューサを介して、そしてよく知られた手順を使用して、患者の心臓および/または血管系に導入される。実際、経中隔アプローチのような、カテーテル13を患者の心臓に導入するための種々のアプローチは当業者によく知られており、したがって、本明細書でさらに説明する必要はない。
【0039】
各電極17は患者の体内にあるので、位置データはシステム8によって電極17毎に同時に収集される。同様に、各電極17は心臓表面から電気生理学的データ(例えば、表面電位図)を収集するために使用され得る。当業者は電気生理学的データ点(例えば、接触および非接触電気生理学的マッピングの両方を含む)の取得および処理のための種々の様式に精通しており、そのため、本明細書に開示される技術の理解のためには、それについてのさらなる議論が必要ではない。同様に、当技術分野でよく知られている様々な技法を使用して、複数の電気生理学データ点から心臓の幾何学的形状および/または心臓の電気的活動のグラフィック表現を生成することができる。さらに、当業者が電気生理学データ点から電気生理学マップを作成する方法を理解する限り、その態様は、本開示を理解するのに必要な範囲でのみ本明細書に記載される。
【0040】
ここで図1に戻ると、いくつかの実施形態では、任意の固定基準電極31(例えば、心臓10の壁に取り付けられる)が第2のカテーテル29上に示される。較正の目的のために、この電極31は静止していてもよく(例えば、心臓の壁に、またはその近くに取り付けられていてもよい)、またはロービング電極(例えば、電極17)と一定の空間的関係にあるように配置されていてもよく、したがって、「ナビゲーション基準」または「局所基準」と呼ばれてもよい。固定された基準電極31は、上述の表面基準電極21に加えて、またはその代わりに使用されてもよい。多くの場合、心臓10内の冠状静脈洞電極または他の固定電極は電圧および変位を測定するための基準として使用することができる。すなわち、以下で説明するように、固定基準電極31は、座標系の原点を定義することができる。
【0041】
各表面電極は多重スイッチ24に結合され、表面電極の対は表面電極を信号発生器25に結合するコンピュータ20上で実行されるソフトウェアによって選択される。代替的に、スイッチ24をなくし、各測定軸(すなわち、各表面電極対)に対して一つずつ、信号発生器25の複数(例えば、三つ)のインスタンスを設けてもよい。
【0042】
コンピュータ20は例えば、従来の汎用コンピュータ、専用コンピュータ、分散コンピュータ、または他の任意のタイプのコンピュータを備えることができる。コンピュータ20は単一の中央処理装置(「CPU」)などの一つまたは複数のプロセッサ28、または一般に並列処理環境と呼ばれる複数の処理装置を備えることができ、これらは、本明細書で説明する様々な態様を実施するための命令を実行することができる。
【0043】
一般に、生物学的導体内でのカテーテルナビゲーションを実現するために、三つの名目上直交する電場が、駆動され感知される一連の電気双極子(例えば、表面電極対12/14、18/19、および16/22)によって生成される。あるいは、これらの直交場を分解し、任意の対の表面電極を双極子として駆動して、効果的な電極三角測量を提供することができる。同様に、電極12、14、18、19、16、および22(または任意の数の電極)は、心臓内の電極に電流を駆動するか、または心臓内の電極からの電流を感知するために、任意の他の有効な配置で配置され得る。例えば、複数の電極を患者11の背部、側部、及び/又は腹部に配置することができる。さらに、そのような非直交方法は、システムの柔軟性を高める。任意の所望の軸について、所定のセットの駆動(ソース-シンク)構成から生じ、ロービング電極において測定される電位は、代数的に結合されて、単に直交軸に沿って均一な電流を駆動することによって得られるのであろうものと同一の有効電位を生じさせてもよい。
【0044】
したがって、表面電極12、14、16、18、19、22のうちの任意の二つは腹部パッチ21などのグランド基準に関する双極子のソースおよびドレインとして選択されてもよく、一方、励起されていない電極はグランド基準に関して電圧を測定する。心臓10内に配置されたロービング電極17は、電流パルスからの電場にさらされ、腹部パッチ21のような接地に対して測定される。実際には、心臓10内のカテーテルは、図示された16個よりも多いか又は少ない電極を含むことができ、各電極電位を測定することができる。前述のように、少なくとも一つの電極を心臓の内面に固定して固定基準電極31を形成することができ、これも腹部パッチ21などのグランドに対して測定され、これはシステム8が位置を測定する座標系の原点として定義することができる。表面電極、内部電極、及び仮想電極の各々からのデータセットは全て、心臓10内のロービング電極17の位置を決定するために使用されてもよい。
【0045】
測定された電圧は、基準電極31のような基準位置に対する、ロービング電極17のような心臓内部の電極の三次元空間内の位置を決定するために、システム8によって使用されてもよい。すなわち、基準電極31で測定された電圧は座標系の原点を規定するために使用されてもよく、一方、ロービング電極17で測定された電圧は原点に対するロービング電極17の位置を示すために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、座標系は三次元(x、y、z)直交座標系であるが、極座標系、球座標系、円筒座標系などの他の座標系も考えられる。
【0046】
前述の議論から明らかであるように、心臓内の電極の位置を決定するために使用されるデータは、表面電極対が心臓に電場を印加している間に測定される。電極データはまた、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,263,397号に記載されているように、電極位置の生の位置データを改善するために使用される呼吸補償値を生成するために使用されてもよい。電極データはまた、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,885,707号に記載されるように、患者の身体のインピーダンスの変化を補償するために使用されてもよい。
【0047】
したがって、一代表的な実施形態では、システム8はまず、一組の表面電極を選択し、次いで、それらを電流パルスで駆動する。電流パルスが送達されている間、残りの表面電極および生体内電極のうちの少なくとも一つを用いて測定された電圧などの電気的活動が測定され、記憶される。呼吸および/またはインピーダンスシフトなどのアーチファクトの補償は、上述のように実行されてもよい。
【0048】
開示の態様において、システム8は(例えば、上述のような)インピーダンスベースおよび磁気ベースの位置決め能力の両方を組み込んだハイブリッドシステムであり得る。
したがって、例えば、システム8は、一つまたは複数の磁場発生器に結合された磁気源30も含むことができる。明確にするために、二つの磁界発生器32および33のみが図1に示されているが、本教示の範囲から逸脱することなく、追加の磁界発生器(例えば、パッチ電極12、14、16、18、19、および22によって画定されるものに類似する三つのほぼ直交する軸を画定する、合計6つの磁界発生器)を使用できることを理解されたい。同様に、当業者は、そのように生成された磁場内でカテーテル13を位置特定するために、一つまたは複数の磁気位置特定センサ(例えば、コイル)を含むことができることを理解するであろう。
【0049】
いくつかの実施形態では、システム8はAbbott LaboratoriesのEnsite(商標)Velocity(商標)またはEnSite Precision(商標)心臓マッピングおよび可視化システムである。しかしながら、例えば、Boston Scientific Corporation(マサチューセッツ州マールボロ)のRHYTHMIA HDX(登録商標)マッピングシステム、Biosense Webster, Inc.(カリフォルニア州アーバイン)のCARTOナビゲーションおよびロケーションシステム、Northern Digital Inc.(オンタリオ州ウォータールー)のAURORA(登録商標)システム、Sterotaxis, Inc.(ミズーリ州セントルイス)のNIOBE(登録商標)Magnetic Navigation System、Abbott LaboratoriesのMediGuide(登録商標) Technologyのような、その他の位置特定システムを本明細書の開示に関連して使用してもよい。
【0050】
次の特許(その全てが、参照により全体が本明細書に組み込まれる)、即ち、米国特許6,990,370、米国特許6,978,168、米国特許6,978,168、米国特許6,947,785、米国特許6,939,309、米国特許6,728,562、米国特許6,640,119、米国特許5,983,126、および米国特許5,697,377に記載されている位置特定およびマッピングシステムもまた、本発明と共に使用することができる。
【0051】
本開示の態様は電気生理学的マッピングに関し、特に、心臓興奮のアニメーション化されたマップを生成することに関する。このようなアニメーション化されたマップのグラフィック表現は、例えばディスプレイ23上に出力することができる。したがって、システム8は、アニメーション化された心臓興奮マップを生成し、それを(例えば、ディスプレイ23上に)出力するために使用することができる興奮アニメーションモジュール58を含むことができる。
【0052】
本教示による一つの例示的な方法は図4として提示される代表的なステップのフローチャート400を参照して説明される。いくつかの実施形態では、例えば、フローチャート400は図1の電気解剖学的マッピングシステム8によって(例えば、プロセッサ28および/または興奮アニメーションモジュール58によって)実行され得るいくつかの例示的なステップを表し得る。以下に説明する代表的なステップは、ハードウェアまたはソフトウェアで実施可能であることが理解されるべきである。説明のために、本明細書では、「信号プロセッサ」という用語は本明細書の教示のハードウェアベースおよびソフトウェアベースの実装の両方を説明するために使用され得る。
【0053】
ブロック402において、システム8は、心臓表面の伝導速度マップを受け取る。本開示の態様によれば、伝導速度マップは、心臓表面上の伝導速度ベクトル場を定義する。例えば、図5は、伝導速度マップ500を、心臓形状504の3次元モデル上に複数の矢印502を用いてグラフで示し、矢印の各々は特定の位置における伝導速度ベクトルを表す。
【0054】
伝導速度マップが当業者に一般的に知られている限り、それらは本明細書で詳細に説明される必要はない。しかしながら、例示の目的で、参照により本明細書に完全に記載されているものとして本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2017/0042449号は、HDグリッドカテーテル13を使用する伝導速度ベクトルの計算、および心臓表面モードでのそのような伝導速度ベクトルの(例えば、矢印としての)グラフィック表現を開示している。
【0055】
ブロック404では、システム8は、伝導速度マップによって定義される伝導速度ベクトル場内の粒子を生成する。本開示のいくつかの実施形態では、システム8が伝導速度マップによって定義される伝導速度ベクトル場内の粒子をランダムに生成する。
【0056】
本開示の他の実施形態では、システム8が心臓表面の局所興奮タイミングマップに基づいて伝導速度ベクトル場内に粒子を生成する。伝導速度マップと同様に、時間データ(例えば、時間t0)に対する心臓興奮のタイミングを記述する局所興奮タイミングマップは、当業者によく知られており、本明細書でさらに説明する必要はない。
【0057】
具体的には、図8に関連して以下でさらに詳細に説明するように、心臓表面上の任意の所与の位置について、その位置での局所興奮時間がアニメーション化された心臓興奮マップの再生時間と一致するときに、システム8はその位置で粒子を生成することができることが考えられる。別の言い方をすれば、局所興奮タイミングマップが時間基準に対する任意の所与の時点における心臓興奮波前面の位置を反映する限り、システム8は、心臓興奮波前面が各位置に近づくにつれて、それらの各位置において粒子を生成する。
【0058】
ブロック406では、システム8は、生成された粒子の伝導速度ベクトル場を通る流れをシミュレートする。シミュレーションの時間ステップは、(後述する)ブロック408でシミュレーションが出力されるときに、生成された粒子がピクセルをスキップしないように選択することができる(例えば、生成された粒子が、一つのピクセルから隣接するピクセルに移動することによってスムーズに流れるように見える)。同様に、シミュレーションの時間ステップは、ブロック408での出力時に、生成された粒子がブロックのラインを飛び越えて現れること回避するために、十分に粒状である必要がある。
【0059】
したがって、開示の態様において、シミュレーションの時間ステップは、フレームとフレームの間で生成された粒子が最大でも1ピクセルだけ移動するように、現在の伝導速度およびピクセル解像度を使用して計算することができる。例えば、ピクセル分解能が0.33mm/ピクセルであり、現在の伝導速度が0.5mm/msである場合、シミュレーション時間ステップは、(0.33mm/ピクセル)/(0.55mm/ms)=0.167ms/ピクセル、または0.167msのシミュレーション時間ステップとして計算することができる。
【0060】
当業者はベクトル場を通る粒子の流れのシミュレーションに精通しており、したがって、本開示のこの様態は、本明細書で詳細に説明する必要はない。しかしながら、伝導速度ベクトル場は3次元であるが、粒子の流れはブロック408において表面上でシミュレートされることを理解すべきである。したがって、本開示の実施形態では、粒子はまず、表面上で生成され、次いで、伝導速度ベクトル場に従って(例えば、選択されたシミュレーション時間ステップにわたって、生成された粒子の瞬間位置における局所伝導速度ベクトルによって影響されるように)、3次元で反復的に移動され、表面に投影される。
【0061】
開示の態様によれば、システム8は「シミュレーション時間」の間、伝導速度ベクトル場を通る生成された粒子の流れをシミュレートし、これは本開示の実施形態では、予め設定された時間とすることができる。予め設定されたシミュレーション時間を使用することはランダムに生成されたパーティクルに特に望ましい場合があるが、予め設定されたシミュレーション時間は、局所興奮時間データに従って生成された粒子にも使用され得る。
本開示の実施形態では、シミュレーション時間はサイクル長の少なくとも約半分である。
【0062】
当業者であれば、ブロック408における出力としてのシミュレーション時間とシミュレーションの再生速度との間に直接的な関係があり得ることも理解するであろう。
つまり、ブロック408での出力としてのシミュレーションの再生速度が増加するにつれて、システム8が生成された粒子の流れをシミュレートする時間の長も増加する可能性がある。
【0063】
本開示の他の態様では、シミュレーション時間は心臓表面の局所興奮タイミングマップに基づいて決定される。言い換えると、本開示の実施形態では、粒子が局所的なタイミング情報に基づいて、生成も消滅もし得る。例えば、本開示の態様では、典型的なサイクル長が約220msと約1000msとの間であるとき、粒子がサイクル長の約10%を超えて興奮波前面から遅れる場合、および/またはサイクル長の約1%を超えて興奮波前面より早い場合に消滅してもよい。
【0064】
開示のさらに他の態様では、システム8は、ブロックのラインに到達するまで、伝導速度ベクトル場を通る生成された粒子の流れをシミュレートし、その時点で粒子は消滅する。参照により本明細書に完全に記載されるものとして本明細書に組み込まれる平成31年4月18日に出願された米国仮出願第62/835,937号は、電気生理学マップ(および、特に、本明細書にも記載されるような局所興奮タイミングおよび/または伝導速度マップ)を使用してブロックのラインを特定するための方法、装置、およびシステムを開示しる。
【0065】
ブロック408において、システム8はシミュレートされた粒子の流れのアニメーション表示を心臓表面のグラフィック表示(例えば、ディスプレイ23)上に出力する。この出力は、本明細書ではアニメーション化された心臓興奮マップと呼ばれる。シミュレーションがアニメーション表現として出力される時間(本明細書では「表示時間」と呼ぶ)は、粒子の流れが施術者に視覚的に見えるようにするために、シミュレーション時間よりもはるかに長くなり得ることを理解されたい。例えば、シミュレーション時間はサイクル長の約半分(例えば、数分の1秒)であってもよいが、シミュレーションのアニメーション表示は約1秒の表示時間を有するように、減速されてもよい。
【0066】
図6および図7A-7Cは、本開示の様々な態様による、アニメーション化された心臓興奮マップからの静止フレームを示す。例えば、図6は、心臓形状604上にフローライン602としてランダムに生成された粒子の流れを反映する、アニメーション化された心臓興奮マップ600からの一つの静止フレームを示す。心臓形状604上で動くフローライン602を観察することによって、施術者は潜在的な切除対象(例えば、分散または急変の領域)を視覚的に特定することができる。
【0067】
一方、図7A-7Cはアニメーション化された心臓興奮マップ700の三つの進行(必ずしも連続的ではない)フレームを示し、ここで、システム8は局所興奮タイミング情報に従って粒子702を生成し、粒子702を心臓形状704上でシミュレートする。粒子702はブロックのライン(例えば、ライン706)に到達すると消滅する。粒子702が連続したフレームで心臓形状704上を移動するのを観察することにより、施術者は心臓興奮波前面の伝播を視認することができる。
【0068】
図8は、本開示の態様による、シミュレーション下にある粒子の心臓形状上の任意の所定位置の可視性(不透明度)を示す曲線である。所定位置における粒子生成は時刻112で開始し、粒子は(例えば、興奮波前面が特定の位置に近づくにつれて)フェードインする。粒子生成は粒子が所定の位置で最大の可視性を持つため、時刻114(例えば、興奮波前面が所定位置と一致する時刻)で完了する。次いで、所定位置における粒子の存在は傾斜110に沿って(例えば、興奮波前面が所定位置から離れるにつれて)、時刻116において完全に消滅するまでフェードアウトする。このグラフィックアプローチは、粒子が心臓表面上を流れるにつれて、粒子が徐々に消失する軌跡(本明細書では「減衰軌跡」と呼ぶ)を残すという印象を与える。
【0069】
本明細書に開示されるアニメーション化された心臓興奮マップは、スタンドアロンマップとしてだけでなく、他の電気生理学マップ(例えば、ピークツーピーク電圧マップ、複合分裂電位図マップ、LATマップ、および/または同様のもの上に追加の層としてレンダリングされる)と併せても表示され得る。例えば、本開示の実施形態では、アニメーション化された心臓興奮マップは分散マップと共に表示され、施術者が心臓表面上の分散またはブレイクアウトの領域を視覚的に特定するのを助けることができる。
【0070】
図9は、本教示による分散マップを計算する例示的な方法に対応する代表的なステップのフローチャート900を表す。いくつかの実施形態では、フローチャート900は図1の電気解剖学的マッピングシステム8によって(例えば、プロセッサ28および/または興奮アニメーションモジュール58によって)実行することができるいくつかの例示的なステップを表すことができるが、以下で説明する代表的なステップはハードウェア実装またはソフトウェア実装のいずれともすることができることを理解されたい。説明のために、「信号プロセッサ」という用語は、本明細書では本明細書の教示のハードウェアベースおよびソフトウェアベースの実装の両方を説明するために使用され得る。
【0071】
フローチャート900は、ブロック402においてシステム8が伝導速度マップを受け取ることから始まる。ブロック402は上述されており、簡潔にするために、ブロック402の詳細はここでは繰り返さない。
【0072】
ブロック902において、システム8は心臓表面のモデル(例えば、図5のモデル504、図6のモデル604、または図7A-7Cのモデル704)内のピクセルを特定する。
【0073】
ブロック904において、システム8はブロック402において受け取った伝導速度マップから、ブロック902において特定されたピクセルの予め設定された距離内の複数の伝導速度ベクトルを特定する。これらの伝導速度ベクトルは本明細書では「隣接伝導速度ベクトル」と呼ばれる。本開示の実施形態では、予め設定された距離は約0mm-約30mmであり得る。本開示の特定の実施形態は、約2mmまたは約7mmの予め設定された距離を利用する。
【0074】
隣接伝導速度ベクトルは、カテーテル13上の電極17によって直接測定された電気生理学的データ点の伝導速度ベクトルだけでなく、心臓表面モデル上の他の位置(例えば、心臓幾何学上の他の画素)の伝導速度ベクトルも含むことができることを理解されたい。これらの追加の位置には、カテーテル13上の電極17によって直接測定された電気生理学的データ点からの補間を介して、関連する電気生理学の指標(例えば、伝導速度、局所興奮時間など)の値を割り当てることができる。より一般的には、本明細書の教示がカテーテル13上の電極17によって直接測定される電気生理学的データ点だけでなく、心臓表面モデル内の個々のピクセルにも適用され得ることが考えられる。
【0075】
ブロック906において、システム8はブロック902において特定されたピクセルと各隣接する伝導速度ベクトルとの間のベクトルを定義し、本明細書では「接続ベクトル」と呼ばれる。
【0076】
ブロック908において、システム8は例えば、隣接伝導速度ベクトルとそれらの接続ベクトルとの間のドット積の和及び/又は平均を使用することによって、分散指標を計算する。したがって、開示の実施形態では、システム8は隣接伝導速度ベクトルおよびそれらの接続ベクトルを単位ベクトルに正規化し、それらの間のドット積を計算し、次いで、ドット積の和および/または平均を計算する。
【0077】
伝導が平行または均一な領域は、ゼロに近い分散指標(例えば、平均ドット積)を有する。大きな正の分散指標は、特定されたピクセルが分散または急変の領域であることを示唆する。一方、大きな負の分散指標は、特定されたピクセルが衝突の領域であることを示唆する。
【0078】
ループ910によって示されるように、複数の位置について(例えば、心臓形状内のすべてのピクセルについて)分散指標を計算することによって、システム8は分散マップを計算することができる。次いで、システム8は分散マップを(例えば、図7A-7Cの点描領域708として)グラフィカルに表すことができる。
【0079】
実際、分散指標が急変(または衝突)の指標と見なされる閾値は、ユーザが定義できることが考えられる。例えば、ディスプレイ23のグラフィカル・ユーザ・インターフェース上に適切な制御(例えば、スライダ)を提供することができ、スライダを調整することによって、施術者は、分散マップ上に急変(または衝突)の領域が現れるまで閾値を調整することができる。
【0080】
いくつかの実施形態が特定の程度で上述されたが、当業者は本発明の精神または範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多くの変更を行うことができる。
【0081】
例えば、本明細書の教示はリアルタイムで(例えば、電気生理学的研究の間に)、または後処理の間に(例えば、それより前に実施された電気生理学的研究の間に収集された電気生理学的データ点に)適用され得る。
【0082】
別の例は図9に関連して上述した分散指標に対する以下の代替分散指標である。特に、隣接伝導ベクトルが単位ベクトルに正規化されると、それらの平均(本明細書では「R」と呼ぶ)を計算することができ、Rの値はゼロと1との間になる。
伝導が平行または均一な領域では、Rは1に近い。
急変/分散または衝突の領域では、Rはゼロに近い。
変形例も考えられる。例えば、増加する分散指標値を増加する分散に直感的に関連付けることができるので、Rの逆数またはRの自然対数の平方根を代わりに使用することができる。
【0083】
方向に関する全ての言及(例えば、上方、下方、上方向、下方向、左、右、左方向、右方向、上、下、より上、より下、垂直、水平、時計回り、および反時計回り)は読者の本発明の理解を助けるための識別目的のためにのみ使用され、特に本発明の位置、向き、または使用に関して限定をするものではない。
結合に関する言及(例えば、取り付けられた、結合された、接続された等)は広義に解釈されるべきであり、要素の接続の間に中間部材を含み得、要素間に相対運動を含み得る。したがって、結合に関する言及は、二つの要素が直接接続され、互いに固定された関係にあることを必ずしも暗示しない。
【0084】
上記の説明に含まれるか、または添付の図面に示されるすべての事項は、例示的なものにすぎず、限定するものではないと解釈されるべきであることが意図される。詳細または構造の変更は、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の精神から逸脱することなく行うことができる。本明細書は、下記の項目に記載された実施形態を開示する。
[項目1]
アニメーション化された心臓興奮マップを生成する方法であって、
電気解剖学的マッピングシステムにおいて、心臓表面上の伝導速度ベクトル場を定義する前記心臓表面の伝導速度マップを受け取ることと、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る粒子の流れをシミュレートすることと、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記心臓表面のグラフィック表現上において、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子のシミュレートされた前記流れのアニメーション表現を出力することと、
を含む方法。
[項目2]
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることは、前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場内に前記粒子をランダムに生成することを含む、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることは、前記電気解剖学的マッピングシステムが予め設定された時間の間、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることをさらに含む、項目2に記載の方法。
[項目4]
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることは、前記電気解剖学的マッピングシステムが前記心臓表面の局所興奮タイミングデータに基づいて、前記伝導速度ベクトル場内に前記粒子を生成することを含む、項目1に記載の方法。
[項目5]
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記心臓表面の前記局所興奮タイミングデータに基づいて前記伝導速度ベクトル場内に前記粒子を生成することは、前記電気解剖学的マッピングシステムが、アニメーション化された前記心臓興奮マップの現在の再生時間における心臓興奮波前面の位置に対応する、前記伝導速度ベクトル場内の位置において前記粒子を生成することをさらに含む、項目4に記載の方法。
[項目6]
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることは、前記電気解剖学的マッピングシステムが予め設定された時間の間、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることをさらに含む、項目4に記載の方法。
[項目7]
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることは、前記電気解剖学的マッピングシステムが前記心臓表面の前記局所興奮タイミングデータに基づいて決定された時間の間、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることをさらに含む、項目4に記載の方法。
[項目8]
前記粒子が、前記粒子の瞬間位置において、前記心臓表面の前記局所興奮タイミングデータよりもサイクル長の10%を超えて遅れているか、または前記粒子が、前記粒子の瞬間位置において、前記サイクル長の1%を超えて前記心臓表面の前記局所興奮タイミングデータよりも早いかのいずれかである場合に、前記時間は終了する、項目7に記載の方法。
[項目9]
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることは、前記粒子がブロックのラインに到達するまで、前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることをさらに含む、項目4に記載の方法。
[項目10]
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子の流れをシミュレートすることは、前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通る複数の粒子の流れをシミュレートすることを含み、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記心臓表面のグラフィカル表現上に、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子のシミュレートされた前記流れのアニメーション表現を出力することは、前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記心臓表面の前記グラフィカル表現上に、前記伝導速度ベクトル場を通る前記複数の粒子のシミュレートされた前記流れのアニメーション表現を出力することを含む、項目1に記載の方法。
[項目11]
前記心臓表面の前記グラフィック表現上の、前記伝導速度ベクトル場を通る前記粒子のシミュレートされた前記流れの前記アニメーション表現は、前記粒子の減衰軌跡をさらに含む、項目1に記載の方法。
[項目12]
電気解剖学的マッピングシステムを使用して、アニメーション化された心臓興奮マップを生成する方法であって、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、心臓表面の3次元表現を表示することと、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記心臓表面上の伝導速度ベクトル場を定義する前記心臓表面の伝導速度マップを受け取ることと、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる複数の粒子のシミュレーションを表示することと、
を含む、方法。
[項目13]
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる複数の粒子のシミュレーションを表示することは、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場内に前記複数の粒子をランダムに生成することと、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、予め設定された時間の間、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる前記複数の粒子の各粒子の前記シミュレーションを表示することと、
を含む、項目12に記載の方法。
[項目14]
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる複数の粒子のシミュレーションを表示することは、前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記心臓表面の局所興奮タイミングマップに従って、前記複数の粒子の各粒子を生成することを含む、項目12に記載の方法。
[項目15]
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる複数の粒子のシミュレーションを表示することは、前記電気解剖学的マッピングシステムが、予め設定された時間の間、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる前記複数の粒子の各粒子の前記シミュレーションを表示することをさらに含む、項目14に記載の方法。
[項目16]
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる複数の粒子のシミュレーションを表示することは、前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記心臓表面の前記局所興奮タイミングマップによって決定される時間の間、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる前記複数の粒子の各粒子の前記シミュレーションを表示することをさらに含む、項目14に記載の方法。
[項目17]
前記粒子が、前記粒子の瞬間位置において、前記心臓表面の前記局所興奮タイミングデータよりもサイクル長の10%を超えて遅れているか、または前記粒子が、前記粒子の瞬間位置において、前記心臓表面の前記局所興奮タイミングデータよりも前記サイクル長の1%を超えて早いかのいずれかである場合に、前記時間は終了する、項目16に記載の方法。
[項目18]
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる複数の粒子のシミュレーションを表示することは、前記複数の粒子の各粒子がブロックのラインに到達するまで、前記伝導速度ベクトル場を通って流れる前記各粒子の前記シミュレーションを表示することをさらに含む、項目14に記載の方法。
[項目19]
電気解剖学的マッピングシステムを使用して、心臓表面の3次元モデル上に心臓興奮をグラフィカルに表す方法であって、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記心臓表面上の伝導速度ベクトル場を定義する前記心臓表面の伝導速度マップを受け取ることと、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記心臓表面の前記3次元モデル内のピクセルを特定することと、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、特定された前記ピクセルの分散指標を計算することと、
計算された前記分散指標が予め設定された閾値を超える場合、前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記心臓表面の前記3次元モデル上に前記ピクセルを分散の領域としてグラフィカルに表すことと、
を含む方法。
[項目20]
前記電気解剖学的マッピングシステムが、特定された前記ピクセルの分散指標を計算することは、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記心臓表面の前記伝導速度マップから、特定された前記ピクセルの予め設定された距離内の複数の伝導速度ベクトルを特定することと、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記複数の伝導速度ベクトルの各伝導速度ベクトルに対して、
特定された前記ピクセルと前記伝導速度ベクトルの位置との間のベクトルを定義することと、
定義された前記ベクトルと前記伝導速度ベクトルの方向とのドット積を計算することにより、
複数のドット積を計算することと、
前記電気解剖学的マッピングシステムが、前記複数のドット積を加算して、特定された前記ピクセルの前記分散指標を計算することと、
を含む、項目19に記載の方法。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9