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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-02
(45)【発行日】2023-02-10
(54)【発明の名称】操作端末、通信方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20230203BHJP
   H05B 47/00 20200101ALI20230203BHJP
【FI】
H04Q9/00 301B
H04Q9/00 311S
H04Q9/00 361
H05B47/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019028816
(22)【出願日】2019-02-20
(65)【公開番号】P2020136929
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】三浦 啓
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-174425(JP,A)
【文献】特開2013-201087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力線に接続され、
前記電力線に接続されていない照明装置を含む負荷を制御するための操作を受け付ける操作部と、
音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を報知する報知部と、
前記電力線を介して通信を行う通信部と、
を有し、
前記通信部は、前記負荷を制御するための情報の送信と、前記音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信または送信とを、同じ伝送方式により行う操作端末。
【請求項2】
さらに、
音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した情報を変換する変換部と、を有し、
前記通信部は、前記変換部が変換した情報を前記伝送方式により送信する請求項1に記載の操作端末。
【請求項3】
さらに、
前記報知部と異なるものであって、前記操作部への操作に基づいた表示を行う第1表示部を有する請求項1または2に記載の操作端末。
【請求項4】
前記通信部は、電力線を介して通信するものであり、
前記操作端末は、前記電力線を介して電力供給を受けるものである請求項1~3のいずれか1項に記載の操作端末。
【請求項5】
前記電力線は、2線式の電力線を含む請求項4に記載の操作端末。
【請求項6】
前記報知部は、前記文字および画像の少なくとも1以上の情報を表示する第2表示部を含む請求項1~5のいずれか1項に記載の操作端末。
【請求項7】
前記報知部は、前記音の情報を出力する音出力部を含む請求項1~6のいずれか1項に記載の操作端末。
【請求項8】
電力線に接続された操作端末による、前記電力線に接続されていない照明装置を含む負荷を制御するための制御装置と前記負荷との通信方法であって、
前記負荷を制御するための情報の送信と、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信または送信とを、同じ伝送方式により前記電力線を介して行う通信方法。
【請求項9】
コンピュータに請求項8に記載の通信方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作端末、通信方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、親機、照明装置等の負荷およびユーザに操作されるスイッチ等を備え、スイッチへの操作を親機が認識し、当該操作に基づいて親機が負荷を制御する照明制御システムが開示されている(例えば特許文献1)。このような照明制御システムによれば、親機がスイッチへの操作に基づく信号の内容を判断して、当該信号に含まれる宛先の負荷へと信号を送信することから、負荷とスイッチとを一対一に接続し、当該スイッチから当該負荷を制御するための配線が不要となる。これにより、例えば、大規模な建物において照明制御システムにおける配線を少なくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平08-47068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記照明制御システムにおけるスイッチ等の操作端末について、多機能化の要望から、負荷を制御するための機能だけでなく、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を使用した機能も追加することが望まれている。
【0005】
しかし、従来の照明制御システムにおいて、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を使用した機能を有する操作端末を適用する場合、負荷を制御するための情報の通信のための配線とは別に、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の通信のための配線が必要となり、照明制御システム全体が大型化および高コスト化してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、照明制御システムにおいて、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を使用した機能を容易に追加できる操作端末等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る操作端末は、照明装置を含む負荷を制御するための操作を受け付ける操作部と、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を報知する報知部と、通信部と、を有し、前記通信部は、前記負荷を制御するための情報の送信と、前記音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信または送信とを、同じ伝送方式により行う。
【0008】
本発明の一態様に係る通信方法は、照明装置を含む負荷を制御するための制御装置と前記負荷との通信方法であって、前記負荷を制御するための情報の送信と、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信または送信とを、同じ伝送方式により行う。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに上記の通信方法を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様に係る操作端末等によれば、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を使用した機能を容易に追加できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態に係る照明制御システムの一例を示す構成図である。
図2】実施の形態に係る操作端末の一例を示す構成図である。
図3】実施の形態に係る操作端末の一例を示す外観正面図である。
図4】実施の形態に係る操作端末の動作の一例を示すフローチャートである。
図5】実施の形態に係る照明制御システムにおいて用いられる伝送信号の一例を示す図である。
図6】音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を重畳された伝送信号の一例を示す図である。
図7】音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を重畳された伝送信号の他の一例を示す図である。
図8】実施の形態に係る操作端末の他の一例を示す外観正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置および接続形態、並びに、ステップ(工程)およびステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成要素については同じ符号を付している。
【0014】
(実施の形態)
以下、実施の形態について、図1から図8を用いて説明する。
【0015】
[構成]
まず、実施の形態に係る照明制御システムの構成について図1を用いて説明する。
【0016】
図1は、実施の形態に係る照明制御システム100の一例を示す構成図である。
【0017】
照明制御システム100は、操作端末10、伝送ユニット20、無線アクセスポイント(無線AP)30、複数の負荷40を備える。複数の負荷40には、照明装置が含まれる。照明制御システム100において、操作端末10、伝送ユニット20、無線AP30は、電力線110によって相互に接続されている。なお、照明制御システム100では、これらの機器の他にも、他の操作端末、負荷40への電力供給のオンオフを切り替えるリレーまたはセンサ等が電力線110に接続され得るが、図示を省略している。照明制御システム100は、伝送ユニット20が中心となって(言い換えると、伝送ユニット20が親機となって)、照明制御システム100における制御対象である照明装置等の負荷40の制御が可能なシステムである。負荷40としての照明装置の制御とは、照明装置のオンオフ制御、調光制御、シーン制御、監視制御等のことである。シーン制御とは、執務エリア、エントランス、会議室、休憩室、和室、洋室、寝室、書斎等の照明装置の設置場所、または、朝、昼、夜、食事時間、団らん時間等の照明装置が使用される時間帯等に応じて照明装置を調光調色制御することである。監視制御とは、照明装置の制御状態を監視することである。これらの制御は、ユーザによる操作端末10への操作によって行うことができる。
【0018】
伝送ユニット20は、照明制御システム100において中心となって動作する親機コントローラである。伝送ユニット20は、電力線110に接続された操作端末10からの信号を、無線AP30を介して負荷40に送信する。なお、負荷40は、無線AP30を介さずに電力線110に接続されていてもよく、伝送ユニット20は、電力線110に接続された操作端末10からの信号を、直接負荷40に送信してもよい。
【0019】
無線AP30は、負荷40と無線通信を行い、伝送ユニット20からの指示(具体的には、操作端末10が伝送ユニット20へ送信した、負荷40を制御するための情報)に応じて負荷40を制御する。例えば、無線AP30は、負荷40として特定の照明装置をオンする指示を受けた場合には、当該特定の照明装置をオンするように当該特定の照明装置を制御し、特定の照明装置をオフする指示を受けた場合には、当該特定の照明装置をオフするように当該特定の照明装置を制御する。なお、負荷40は、無線AP30の代わりに例えばリレー等を介して電力線110に接続されていてもよい。この場合、リレーは、自身に接続された負荷40への電力供給をオンする指示を受けた場合、自身に接続された負荷40への電力供給をオンし、自身に接続された負荷40への電力供給をオフする指示を受けた場合、自身に接続された負荷40への電力供給をオフする。
【0020】
なお、照明制御システム100は、伝送ユニット20を備えるが、備えていなくてもよく、操作端末10と無線AP30または負荷40とが、伝送ユニット20を介さずに電力線110によって通信を行ってもよい。
【0021】
照明制御システム100では、例えば、時分割の多重伝送方式が採用されており、電力線110は、2線式の電力線を含む。電力線110において、2線間の電位差(例えば±24V)によるパルス信号によって信号(情報)が伝送される。つまり、電力の供給および情報の伝達を電力線110によって同時に行うことができる。また、照明制御システム100では、例えば、サイクリック伝送方式が採用されており、伝送ユニット20から送信された信号は、電力線110に接続された全ての機器を通過していく。各機器は、当該信号の内容を確認し、内容に応じて当該信号を必要とする機器が当該信号を受信する。例えば、各機器は、当該信号に自身のアドレス情報が含まれている場合には当該信号を受信し、自身のアドレス情報が含まれていない場合には当該信号を無視する。この種の照明制御システムとしては例えば、NMAST(登録商標)のようなシステムがある。
【0022】
照明制御システム100によれば、負荷40と操作端末10とを一対一に接続する配線が不要となる。具体的には、負荷40が8つある場合に、負荷40と操作端末10とを一対一に配線接続するときには、少なくとも8本の電源線(もしくは信号線)および1本のグランド線が必要となるが、照明制御システム100では、2線からなる電力線110のみでよい。これにより、例えば、大規模な建物において照明制御システム100における配線を少なくすることができる。
【0023】
操作端末10は、ユーザが照明装置を含む負荷40を制御するための操作を受け付ける装置であり、例えば、施設の壁等に設けられる。なお、操作端末10は、負荷40を制御するための機能だけでなく、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を使用した機能も有する。操作端末10の詳細について、図2および図3を用いて説明する。
【0024】
図2は、実施の形態に係る操作端末10の一例を示す構成図である。図3は、実施の形態に係る操作端末10の一例を示す外観正面図である。
【0025】
操作端末10は、プロセッサ(マイクロプロセッサ)、メモリ、通信インタフェース等を含む装置である。メモリは、ROM、RAM等であり、プロセッサにより実行される制御プログラムを記憶することができる。操作端末10は、操作部11、報知部12、通信部13、取得部14、変換部15および第1表示部16を有する。
【0026】
操作部11は、照明装置を含む負荷40を制御するための操作を受け付ける構成であり、図3に示されるように、例えば、操作端末10の筺体上に設けられたスイッチまたはボタン等である。操作部11が操作されることで、当該操作に応じて負荷40を制御するための情報が生成される。具体的には、操作端末10が有するプロセッサがメモリに格納された制御プログラムを実行することにより、当該操作に応じて負荷40を制御するための情報が生成される。
【0027】
報知部12は、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を報知する構成であり、図3に示されるように、例えば、文字および画像の少なくとも1以上の情報を表示する第2表示部を含む。第2表示部は、例えば、サイネージである。このように、操作端末10は、負荷40を制御するための機能だけでなく、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を使用した機能も実現するために、操作部11に加えて、報知部12を有する。例えば、図3には、文字の情報の一例として「定時退社」という情報が報知部12により報知(表示)されている例が示されている。例えば、通信部13により文字および画像の少なくとも1以上の情報が受信されたり、後述する取得部14により当該情報が取得されたりすることで、報知部12は当該情報を報知する。具体的には、操作端末10が有するプロセッサがメモリに格納された制御プログラムを実行することにより、報知部12は、当該情報を報知する。
【0028】
通信部13は、負荷40を制御するための情報の送信と、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信または送信とを、同じ伝送方式により行う通信インタフェースである。例えば、操作端末10が有するプロセッサがメモリに格納された制御プログラムを実行することにより、このような情報の送受信を行う。通信部13は、電力線110を介して通信するものであり、操作端末10は、電力線110を介して電力供給を受けるものである。つまり、電力線110によって、情報の通信および電力供給の両方を行うことができる。電力線110は、上述したように、2線式の電力線を含む。
【0029】
照明制御システム100で用いられる伝送方式は、例えば、上述したように時分割の多重伝送方式であり、具体的には、NMAST(登録商標)のようなシステムに用いられる伝送方式である。通信部13は、負荷40を制御するための情報の送信をこのような多重伝送方式により行い、また、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信または送信も同じように多重伝送方式により行う。負荷40を制御するための情報の送信と、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信または送信とを、同じ伝送方式により行う方法については、後述する図5から図7で説明する。
【0030】
取得部14は、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を取得する。操作端末10は、例えばマイクロフォンを有し、マイクロフォンを介して音の情報を取得してもよい。また、操作端末10は、例えばカメラを有し、カメラを介して文字または画像の情報を取得してもよい。また、操作端末10は、スマートフォンまたはタブレット等の携帯端末と通信可能であってもよく、携帯端末によって取得された音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を、携帯端末を介して取得してもよい。取得部14は、マイクロフォンまたはカメラ等のハードウェア資源によって実現されてもよいし、プログラム(ソフトウェア)により実現されてもよい。
【0031】
変換部15は、取得部14が取得した情報を変換する。変換部15は、例えば、取得部14が取得した情報を、負荷40を制御するための情報に変換する。具体的には、取得部14が取得した情報が、照明装置をオンさせることを意味する音声である場合に、変換部15は、音声認識により当該音声が照明装置をオンさせることを示していることを認識し、取得部14が取得した情報を、照明装置をオンさせるための情報に変換する。また、変換部15は、例えば、取得部14が取得した情報を、照明制御システム100の設定のための情報に変換してもよい。具体的には、取得部14が取得した情報が、照明装置のシーン制御についての設定のための画像である場合に、変換部15は、画像認識等により当該画像が示すシーン制御についての設定内容を認識し、取得部14が取得した情報をシーン制御についての設定を行うための情報に変換する。なお、画像は、QRコード(登録商標)であってもよく、変換部15は、QRコード(登録商標)が示す内容を認識してもよい。そして、通信部13は、変換部15が変換した情報を、負荷40を制御するための情報の送信、ならびに、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信または送信と同じ伝送方式により送信する。なお、通信部13は、変換前の音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の送信を行ってもよい。
【0032】
第1表示部16は、報知部12と異なるものであって、操作部11への操作に基づいた表示を行う構成であり、図3に示されるように、例えば、LED等により発光する発光部である。例えば、操作部11への操作により照明装置がオンオフされる場合、照明装置がオンされたときには、特定の色(例えば緑)を発光する第1表示部16(LED)がオンされ、照明装置がオフされたときには、特定の色(例えば赤)を発光する第1表示部16(LED)がオンされる。第1表示部16は、従来の操作端末(壁スイッチ等)にも設けられているものである。
【0033】
[動作]
次に、操作端末10の動作について、図4を用いて説明する。
【0034】
図4は、実施の形態に係る操作端末10の動作の一例を示すフローチャートである。
【0035】
まず、操作部11は、照明装置を含む負荷40を制御するための操作を受け付ける(ステップS11)。例えば、操作部11は、照明装置をオンさせるための操作をユーザから受け付ける。
【0036】
次に、通信部13は、負荷40を制御するための情報を送信する(ステップS12)。例えば、当該情報は、電力線110を介していったん通信部13から伝送ユニット20へ送信され、伝送ユニット20は、当該情報に応じた制御をさせる情報を電力線110を介して無線AP30へ送信する。無線AP30は、受信した信号に応じて照明装置をオンさせる。
【0037】
照明装置がオンした場合、照明装置または無線AP30は、伝送ユニット20へ向けて照明装置がオンしたことを示す情報を、電力線110を介して送信する。伝送ユニット20は、照明装置がオンしたことを示す音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を、電力線110を介して操作端末10へ送信する。このようにして、操作端末10の通信部13は、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を受信する(ステップS13)。このとき、負荷40を制御するための情報の送信と、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信とは、同じ伝送方式により行われている。
【0038】
そして、報知部12は、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を報知する(ステップS14)。例えば、報知部12は、照明装置がオンされたことを音、文字および画像の少なくとも1以上の情報によって報知する。なお、報知部12は、照明装置の状態の報知だけでなく、その他の情報を音、文字および画像の少なくとも1以上の情報によって報知してもよい。例えば、予め定められた時刻(例えば17時等)になった場合に、定時に退社することを示す画像の情報が伝送ユニット20から操作端末10へ送信されて、図3に示されるように、報知部12(第2表示部)によりその画像が表示されてもよい。
【0039】
[伝送方式]
次に、負荷40を制御するための情報の送信と、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信または送信とを、同じ伝送方式により行う方法について、図5から図7を用いて説明する。
【0040】
図5は、実施の形態に係る照明制御システム100において用いられる伝送信号の一例を示す図である。例えば、図5には、負荷40を制御するための情報のみが伝送されるときの伝送信号が示される。
【0041】
例えば、NMAST(登録商標)のようなシステムで用いられる伝送方式では、伝送信号は、休止帯Aと、スタート信号帯BおよびCと、データを伝送するための信号送信帯Dと、返信信号を受信するタイムスロットである信号返信帯Eと、エンド信号帯FおよびGとからなる。この伝送信号は、複極(±24V)の時分割多重信号であり、パルス列からなるキャリアをパルス幅変調することによってデータを伝送するものである。なお、このような伝送信号は、NMAST(登録商標)のようなシステムで一般的に用いられているものであるため、詳細な説明は省略する。
【0042】
例えば、このような負荷40を制御するための情報のみが伝送される伝送信号に、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を重畳することで、負荷40を制御するための情報の送信と、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信または送信とを、同じ伝送方式により行う。以下では、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の重畳の方法について、図6および図7を用いて2つの具体例を説明する。
【0043】
図6は、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を重畳された伝送信号の一例を示す図である。
【0044】
図6に示されるように、例えば、休止帯A、スタート信号帯BおよびCにおいて極性が反転しないようにし、休止帯A、スタート信号帯BおよびCに音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を示すパケットPを重畳させる。これにより、負荷40を制御するための情報の送信と、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信または送信との干渉を避けつつ、これらの情報の送受信を共通の電力線110において同じ伝送方式により同時に行うことができる。
【0045】
図7は、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を重畳された伝送信号の他の一例を示す図である。
【0046】
例えば、負荷40を制御するための情報の送信と、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信または送信とは、必ずしも同時に行われなくてもよい。例えば、定期的に(例えば2回に1回等の頻度で)信号送信帯Dにおいて負荷40を制御するための情報についてのデータを送信しないようにし、信号送信帯Dおよび信号返信帯Eに音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を示すパケットPを重畳させる。これにより、負荷40を制御するための情報の送信のタイミングと、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信または送信とのタイミングを分けて、これらの情報の送受信を共通の電力線110において同じ伝送方式により行うことができる。
【0047】
例えば、パケットPを伝送信号に重畳することで、伝送量を最大で40倍にすることが可能となる。
【0048】
[変形例]
なお、上記説明では、報知部12は、文字および画像の少なくとも1以上の情報を表示する第2表示部を含んでいたが、音の情報を出力する音出力部を含んでいてもよい。これについて、図8を用いて説明する。
【0049】
図8は、実施の形態に係る操作端末10の他の一例を示す外観正面図である。
【0050】
図8に示されるように、報知部12は、音出力部として例えばスピーカを含んでいてもよい。例えば、照明装置がオフとなったときに「消灯中です」といった情報が報知部12により報知(音声出力)される。例えば、通信部13により音の情報が受信されたり、取得部14により当該情報が取得されたりすることで、報知部12は当該情報を報知する。
【0051】
[効果等]
以上説明したように、操作端末10は、照明装置を含む負荷40を制御するための操作を受け付ける操作部11と、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を報知する報知部12と、通信部13と、を有する。通信部13は、負荷40を制御するための情報の送信と、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信または送信とを、同じ伝送方式により行う。
【0052】
これによれば、負荷40を制御するための情報の送信と、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信または送信とが同じ伝送方式により行われるため、これらの情報の送受信を共通の電力線110において行うことができる。つまり、例えば、すでに施設等に設置されている負荷40を制御するための機能を有する照明制御システムに、さらに、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を使用した機能も追加する場合に、負荷40を制御するための情報の通信のための配線とは別に、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の通信のための配線を設ける必要がなく、照明制御システム100全体が大型化および高コスト化してしまうことを抑制できる。このように、照明制御システム100において、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を使用した機能を容易に追加できる。
【0053】
例えば、照明制御システム100において、負荷40を制御するための機能、ならびに、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を使用した機能を有する操作端末10と、負荷40を制御するための機能は有するが、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を使用した機能を有さない操作端末とを混在させることができる。したがって、照明制御システム100において、従来から存在する操作端末を、多機能な操作端末10へと徐々に交換していくことも可能となる。
【0054】
また、操作端末10は、さらに、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報を取得する取得部14と、取得部14が取得した情報を変換する変換部15と、を有し、通信部13は、変換部15が変換した情報を上記伝送方式により送信してもよい。
【0055】
音、文字および画像の少なくとも1以上の情報について、例えば伝送ユニット20等において変換しなくてもよく、本態様のように、操作端末10において所望の形式に変換して(例えば、負荷40を制御するための情報に変換して)、負荷40へ向けて送信してもよい。
【0056】
また、操作端末10は、さらに、報知部12と異なるものであって、操作部11への操作に基づいた表示を行う第1表示部16を有していてもよい。
【0057】
これによれば、操作部11へどのような操作がなされたのかを第1表示部16の表示によって確認することができる。また、本発明では、操作端末10は、第1表示部16に加えて報知部12も有するため、操作部11への操作に基づいた表示だけでなく、報知部12によって音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の報知もできる。
【0058】
また、通信部13は、電力線110を介して通信するものであり、操作端末10は、電力線110を介して電力供給を受けるものであってもよい。
【0059】
これによれば、電力供給と情報の送受信とを共通の電力線110によって行うことができる。
【0060】
また、電力線110は、2線式の電力線を含んでいてもよい。
【0061】
これによれば、例えば、負荷40と操作端末10とを一対一に接続する配線が不要となり、照明制御システム100における配線を少なくすることができる。
【0062】
また、報知部12は、文字および画像の少なくとも1以上の情報を表示する第2表示部を含んでいてもよい。
【0063】
これによれば、文字および画像の少なくとも1以上の情報を表示によって報知できる。
【0064】
また、報知部12は、音の情報を出力する音出力部を含んでいてもよい。
【0065】
これによれば、音の情報を音出力によって報知できる。
【0066】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る操作端末10について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0067】
例えば、上記実施の形態では、操作端末10は、取得部14および変換部15を有していたが、有していなくてもよい。
【0068】
また、例えば、上記実施の形態では、操作端末10は、第1表示部16を有していたが、有していなくてもよい。
【0069】
また、例えば、上記実施の形態では、通信部13は、電力線110を介して通信するものであったが、電力線110を介して通信しなくてもよい。例えば、通信部13は、電力の供給に用いられない通信線等を介して通信をしてもよい。
【0070】
また、例えば、上記実施の形態では、伝送方式は、NMAST(登録商標)のようなシステムにおいて用いられる伝送方式であったが、負荷40を制御するための情報の送信と、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信または送信とを、同じ伝送方式により行うことができれば、このような伝送方式に限らない。
【0071】
また、本発明は、操作端末10として実現できるだけでなく、照明装置を含む負荷40を制御するための制御装置(例えば操作端末10)と負荷40との通信方法として実現できる。
【0072】
例えば、図4に示されるように、当該通信方法では、負荷40を制御するための情報の送信(ステップS12)と、音、文字および画像の少なくとも1以上の情報の受信または送信(ステップS13)とを、同じ伝送方式により行う。
【0073】
例えば、それらのステップは、コンピュータ(コンピュータシステム)によって実行されてもよい。そして、本発明は、それらの方法に含まれるステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本発明は、そのプログラムを記録したCD-ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
【0074】
例えば、本発明が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリおよび入出力回路等のハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリまたは入出力回路等から取得して演算したり、演算結果をメモリまたは入出力回路等に出力したりすることによって、各ステップが実行される。
【0075】
また、上記実施の形態の操作端末10に含まれる各構成要素は、専用または汎用の回路として実現されてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態の操作端末10に含まれる各構成要素は、集積回路(IC:Integrated Circuit)であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。
【0077】
また、集積回路はLSIに限られず、専用回路または汎用プロセッサで実現されてもよい。プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部の回路セルの接続および設定が再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサが、利用されてもよい。
【0078】
さらに、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、操作端末10に含まれる各構成要素の集積回路化が行われてもよい。
【0079】
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
10 操作端末
11 操作部
12 報知部
13 通信部
14 取得部
15 変換部
16 第1表示部
40 負荷
110 電力線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8