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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-02
(45)【発行日】2023-02-10
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/155 20200101AFI20230203BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20230203BHJP
【FI】
H05B47/155
H05B47/16
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019032984
(22)【出願日】2019-02-26
(65)【公開番号】P2020140765
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】神田 隆司
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-33811(JP,A)
【文献】特開2017-33747(JP,A)
【文献】特開2017-139241(JP,A)
【文献】特開2018-198229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の広さの部屋に設置され、照明光を出射する照明装置であって、
色温度が互いに異なる少なくとも二つの光源と、
前記少なくとも二つの光源の各々の出射光の光束を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、制御モードとして、第一モードと、第二モードとを有し、
前記第一モードにおいて、前記照明光の光束は、前記所定の広さに適した光束の最大値であり、
前記第二モードにおいて、前記照明光の光束は、前記第一モードにおける前記照明光の光束より大きく、かつ、前記照明光の色温度は、前記第一モードにおける前記照明光の色温度と異なり、
前記制御部は、前記少なくとも二つの光源のうち、色温度が互いに異なる二つの光源の出射光の光束だけを制御することで、前記第一モード及び前記第二モードを実現する
照明装置。
【請求項2】
前記第二モードにおいて、前記照明光の色温度は、前記第一モードにおける前記照明光の色温度より高い
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
所定の広さの部屋に設置され、照明光を出射する照明装置であって、
色温度が互いに異なる少なくとも二つの光源と、
前記少なくとも二つの光源の各々の出射光の光束を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、制御モードとして、第一モードと、第二モードとを有し、
前記第一モードにおいて、前記照明光の光束は、前記所定の広さに適した光束の最大値であり、
前記第二モードにおいて、前記照明光の光束は、前記第一モードにおける前記照明光の光束より大きく、かつ、前記照明光の色温度は、前記第一モードにおける前記照明光の色温度と異なり、
前記第二モードにおいて、前記照明光の色温度は、前記第一モードにおける前記照明光の色温度より低
明装置。
【請求項4】
前記少なくとも二つの光源は、出射光の色温度が6000K以上、7000K以下の第一光源と、出射光の色温度が2600K以上、2900K以下の第二光源とを含む
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第二モードにおいて前記第一光源に供給される電流値は、前記第一モードにおいて前記第一光源に供給される電流値より大きい
請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第二モードにおいて前記第二光源に供給される電流値は、前記第一モードにおいて前記第二光源に供給される電流値と等しい
請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記第二モードにおいて前記第二光源に供給される電流値は、前記第一モードにおいて前記第二光源に供給される電流値より大きい
請求項4に記載の照明装置。
【請求項8】
前記第二モードにおいて前記第一光源に供給される電流値は、前記第一モードにおいて前記第一光源に供給される電流値と等しい
請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第二モードでの制御の開始から所定の制限時間が経過した後に、前記第二モードでの制御を終了する
請求項1~8のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第二モードでの制御の開始から所定の制限時間が経過した後に、前記第一モードでの制御を行う
請求項1~9のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項11】
所定の広さの部屋に設置され、照明光を出射する照明装置であって、
色温度が互いに異なる少なくとも二つの光源と、
前記少なくとも二つの光源の各々の出射光の光束を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、制御モードとして、第一モードと、第二モードとを有し、
前記第一モードにおいて、前記照明光の光束は、前記所定の広さに適した光束の最大値であり、
前記第二モードにおいて、前記照明光の光束は、前記第一モードにおける前記照明光の光束より大きく、かつ、前記照明光の色温度は、前記第一モードにおける前記照明光の色温度と異なり、
前記少なくとも二つの光源は、出射光の色温度が6000K以上、7000K以下の第一光源と、出射光の色温度が2600K以上、2900K以下の第二光源とを含み、
前記第二モードにおいて前記第一光源に供給される電流値は、前記第一モードにおいて前記第一光源に供給される電流値より大きく、
前記第二モードにおいて前記第二光源に供給される電流値は、前記第一モードにおいて前記第二光源に供給される電流値と等しい
照明装置。
【請求項12】
所定の広さの部屋に設置され、照明光を出射する照明装置であって、
色温度が互いに異なる少なくとも二つの光源と、
前記少なくとも二つの光源の各々の出射光の光束を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、制御モードとして、第一モードと、第二モードとを有し、
前記第一モードにおいて、前記照明光の光束は、前記所定の広さに適した光束の最大値であり、
前記第二モードにおいて、前記照明光の光束は、前記第一モードにおける前記照明光の光束より大きく、かつ、前記照明光の色温度は、前記第一モードにおける前記照明光の色温度と異なり、
前記少なくとも二つの光源は、出射光の色温度が6000K以上、7000K以下の第一光源と、出射光の色温度が2600K以上、2900K以下の第二光源とを含み、
前記第二モードにおいて前記第二光源に供給される電流値は、前記第一モードにおいて前記第二光源に供給される電流値より大きく、
前記第二モードにおいて前記第一光源に供給される電流値は、前記第一モードにおいて前記第一光源に供給される電流値と等しい
照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、調光可能な照明装置が知られている。照明装置が屋内において使用される場合に、照明装置によって照明される部屋の明るさの範囲は、一般社団法人日本照明工業会によって、部屋の広さに応じて規定されている。調光可能な照明装置においては、部屋の広さに適した光束の照明光を調光率100%の照明光として、より少ない光束の照明光を出射できる。
【0003】
照明装置においては、例えば、細かい文字を読む場合などに、調光率100%の照明光より明るい照明光が必要とされる場合がある。特許文献1には、調光率100%における光束を超える光束を出射できる照明装置が記載されている。特許文献1に記載された照明装置においては、光源として用いられるLED(Light Emitting Diode)の定格出力における光束が、調光率100%における光束より大きいことを利用して、調光率100%における光束を超える光束を出射している。つまり、特許文献1に記載された照明装置においては、LEDに、調光率100%における光束を超え、かつ、定格出力における光束以下の光束を出射させることで、調光率100%における光束を超える光束を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-118759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された照明装置においては、調光率100%における光束を超える場合に、調光率100%における色温度に固定されるため、所望の色温度の照明光を得られない。
【0006】
そこで、本発明は、調光率100%を超え、かつ、所望の色温度の照明光を出射できる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る照明装置の一態様は、所定の広さの部屋に設置され、照明光を出射する照明装置であって、色温度が互いに異なる少なくとも二つの光源と、前記少なくとも二つの光源の各々の出射光の光束を制御する制御部とを備え、前記制御部は、制御モードとして、第一モードと、第二モードとを有し、前記第一モードにおいて、前記照明光の光束は、前記所定の広さに適した光束の最大値であり、前記第二モードにおいて、前記照明光の光束は、前記第一モードにおける前記照明光の光束より大きく、かつ、前記照明光の色温度は、前記第一モードにおける前記照明光の色温度と異なる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、調光率100%を超え、かつ、所望の色温度の照明光を出射できる照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1に係る照明装置の全体構成を示す概略回路図である。
図2図2は、実施の形態1に係る照明装置からの照明光の光束及び色温度の関係の一例を示す模式的なグラフである。
図3図3は、実施の形態1に係る照明装置の制御方法の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、実施の形態2に係る照明装置の全体構成を示す概略回路図である。
図5図5は、実施の形態2に係る照明装置からの照明光の光束及び色温度の関係の一例を示す模式的なグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0012】
(実施の形態1)
実施の形態1に係る照明装置について説明する。
【0013】
[1-1.全体構成]
まず、本実施の形態に係る照明装置の全体構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る照明装置10の全体構成を示す概略回路図である。図1には、入力電源2と、照明装置10を操作するためのリモートコントローラ(リモコン)70とが併せて示されている。
【0014】
照明装置10は、所定の広さの部屋に設置され、照明光を出射する装置である。照明装置10の形状などは、特に限定されない。照明装置10は、例えば、シーリングライトである。また、照明装置10は、ランプなどであってもよい。照明装置10は、色温度が互いに異なる少なくとも二つの光源と、少なくとも二つの光源の各々の出射光の光束を制御する制御部60とを備える。本実施の形態では、少なくとも二つの光源は、第一光源41と、第二光源42とを含む。また、照明装置10は、電源回路20と、少なくとも二つの点灯回路とをさらに備える。
【0015】
第一光源41及び第二光源42は、互いに色温度が異なる光源である。第一光源41は、例えば、出射光の色温度が6000K以上、7000K以下の光源である。第二光源42は、例えば、出射光の色温度が2600K以上、2900K以下の光源である。本実施の形態では、第一光源41の色温度は、6500Kであり、第二光源42の色温度は、2700Kである。以上のような、色温度の第一光源41及び第二光源42を用いることにより、昼白色から電球色までの範囲において、調色可能な照明装置10を実現できる。第一光源41及び第二光源42として、例えば、一つ以上のLEDチップを備える白色LED光源を用いることができる。第一光源41及び第二光源42の各々は、一つのLEDチップを備えてもよいし、直列又は並列に接続された複数のLEDチップを備えてもよい。
【0016】
入力電源2は、照明装置10に交流電力を供給する系統電源である。入力電源2は、例えば、商用交流電源である。
【0017】
電源回路20は、入力電源2から入力された電圧を変換して出力する回路である。本実施の形態では、電源回路20は、交流電圧を直流電圧に変換する回路である。電源回路20は、例えば、ダイオードブリッジなどの整流回路、平滑コンデンサ、ブーストコンバータなどを有する。
【0018】
少なくとも二つの点灯回路は、それぞれ、少なくとも二つの光源に電流を供給する回路である。つまり、少なくとも二つの点灯回路のうちの一つは、少なくとも二つの光源のうちの一つに電流を供給する。本実施の形態では、少なくとも二つの点灯回路は、第一点灯回路31と、第二点灯回路32とを含む。
【0019】
第一点灯回路31は、第一光源41に電流を供給する回路である。本実施の形態では、第一点灯回路31は、電源回路20から直流電圧を入力され、制御部60から受信した制御信号に基づいて第一光源41に直流電流を供給する。第二点灯回路32は、第二光源42に電流を供給する回路である。本実施の形態では、第二点灯回路32は、電源回路20から直流電圧を入力され、制御部60から受信した制御信号に基づいて第二光源42に直流電流を供給する。第一点灯回路31及び第二点灯回路32として、例えば、バックコンバータなどのDC/DCコンバータなどを用いることができる。
【0020】
制御部60は、少なくとも二つの光源の各々の出射光の光束を制御する処理部である。本実施の形態では、制御部60は、リモートコントローラ70から送信された操作信号などに基づいて第一点灯回路31及び第二点灯回路32を制御することによって、第一光源41及び第二光源42の出射光の光束を制御する。制御部60は、第一点灯回路31を制御するための制御信号を第一点灯回路31に送信し、第二点灯回路32を制御するための制御信号を第二点灯回路32に送信する。制御部60は、例えば、プログラムを内蔵したマイクロコンピュータなどで実現される。
【0021】
リモートコントローラ70は、照明装置10を遠隔操作する装置である。リモートコントローラ70は、ユーザの操作に基づいて、照明装置10の制御部60に操作信号を送信することによって、照明装置10を遠隔操作する。リモートコントローラ70は、無線通信又は有線通信によって操作信号を送信する。本実施の形態では、リモートコントローラ70は、赤外線通信などの無線通信によって操作信号を送信する。
【0022】
[1-2.照明光の光束及び色温度]
次に、本実施の形態に係る照明装置10からの照明光の光束及び色温度について図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態に係る照明装置10からの照明光の光束及び色温度の関係の一例を示す模式的なグラフである。図2の横軸及び縦軸は、それぞれ、照明光の色温度及び光束を示す。本実施の形態では、第一光源41及び第二光源42からの各光束を合計した全光束が、照明光の光束に相当する。
【0023】
照明装置10の制御部60は、制御モードとして、通常モードと、第一モードと、第二モードとを有する。
【0024】
通常モードにおいては、制御部60は、色温度6500Kの第一光源41の光束を0から第一通常上限値LF1までの範囲で制御し、色温度2700Kの第二光源42の光束を0から第二通常上限値LF2までの範囲で制御する。これに伴い、照明光の色温度及び光束は、図2に示される斜線でハッチングされた領域内で調整される。
【0025】
上述の制御部60が有する制御モードのうち、第一モードは、通常モードに含まれる。第一モードにおいて、照明光の光束は、照明装置10が設置される部屋の所定の広さに適した光束の最大値である。言い換えると、第一モードは、照明装置10の通常モードにおける全灯状態に対応する制御モードである。図2に示される例では、第一モードにおいて、照明装置10は、図2に示される点M1に相当する色温度がT1[K]の照明光を出射する。第一モードにおける照明光の色温度T1は、2700Kより高く、6500Kより低ければ特に限定されない。第一モードにおける色温度T1は、例えば、6200Kであってもよい。このように、第一モードにおける照明光を昼白色とすることで、細かい文字などを見やすく、かつ、明るい照明光を実現できる。第一モードにおける照明光の光束LFM1が調光率100%における光束と定められる。図2に示される点M1の照明光の光束LFM1は、一般社団法人日本照明工業会によって、部屋の畳数に応じて定められている部屋の明るさの範囲の最大値に相当する。以下では、この点M1の照明光の光束LFM1を、照明装置10が設置される部屋の「所定の広さに適した光束の最大値」ともいう。この最大値は、上述のとおり所定の広さに応じて変化する。
【0026】
上述のとおり、通常モードにおいては、第一光源41の光束は、0から第一通常上限値LF1までの範囲で変化する。第一通常上限値LF1の光束を出射させる場合に第一光源41に供給される電流値は、第一光源41の定格電流より低く設定される。また、第二光源42の光束は、0から第二通常上限値LF2までの範囲で変化する。第二通常上限値LF2の光束を出射させる場合に第二光源42に供給される電流値は、第二光源42の定格電流より低く設定される。以上のように第一光源41及び第二光源42に供給される電流が設定されることにより、通常モードにおいて、第一光源41及び第二光源42に定格電流を超える電流が供給されることをより確実に防ぐことができる。
【0027】
制御部60の制御モードに含まれる第二モードにおいては、第一モードにおいて第一光源41と第二光源42とに供給される電流が定格電流より小さいことを利用して、第一光源41及び第二光源42の少なくとも一方の光束を第一モードより大きくする。この場合、第二モードにおいて第一光源41に供給される電流値は、第一モードにおいて第一光源41に供給される電流値より大きい。言い換えると、第二モードにおいて第一点灯回路31が第一光源41に供給する電流値は、第一モードにおいて第一点灯回路31が第一光源41に供給する電流値より大きい。第二モードにおいて、照明光の光束は、第一モードにおける照明光の光束より大きく、かつ、照明光の色温度は、第一モードにおける照明光の色温度と異なる。これにより、調光率100%である第一モードより明るい照明光を実現でき、かつ、照明光の色温度を第一モードにおける照明光の色温度と異なる所望の色温度に調整できる。
【0028】
本実施の形態では、第二モードにおいて、照明光の色温度は、第一モードにおける照明光の色温度より高い。この場合、照明光の光束及び色温度は、図2の領域M2aで示される範囲内で調整され得る。このように、第一モードにおける照明光より高い色温度を有する照明光によれば、第一モードにおける照明光を用いる場合より、細かい文字などを見やすくなる。
【0029】
本実施の形態において、第二モードにおける照明光の光束が、第一モードにおける照明光の光束より大きく、かつ、第二モードにおける照明光の色温度が第一モードにおける照明光の色温度より高いという条件が満たされれば、第二モードにおいて第二光源42に供給される電流値は特に限定されない。例えば、第二モードにおいて第二光源42に供給される電流値は、第一モードにおいて第二光源42に供給される電流値と等しくてもよい。
【0030】
また、一般に、昼白色の白色光を出射するLEDチップのなどの光源の方が、電球色の白色光を出射するLEDチップよりも電力変換効率が高い。したがって、本実施の形態に係る照明装置10では、第二モードにおいて第一モードと同じ色温度の照明光を出射する場合より、電力変換効率を高めることができる。
【0031】
図2に示される例では、第二モードにおいて、第一光源41の光束は、第一通常上限値LF1より大きく、第一定格上限値LF1r以下の範囲で変化し得る。また、第二光源42の光束は、0以上、第二定格上限値LF2r以下の範囲で変化し得る。これにより、照明装置10は、図2に示される領域M2aの色温度及び光束を有する照明光を出射できる。なお、図2に示される一点鎖線は、2700Kより高く、6500Kより低い色温度の範囲において、第一光源41及び第二光源42によって実現し得る最大の光束を示す。
【0032】
図2に示されるように、領域M2aにおいては、光束の最大値は、LFaとなる。本実施の形態では、光束が最大となる場合の照明光の色温度は、T1と同程度であるが、T1よりわずかに高い。なお、本実施の形態では、第二モードにおいて、光束が最大となる色温度はT1と同程度であるが、光束が最大となる色温度はT1より高く、第一光源41の色温度より低ければ特に限定されない。
【0033】
[1-3.制御方法]
次に、本実施の形態に係る照明装置10において第二モードで制御する場合の制御方法の一例について説明する。照明装置10において、制御モードの切り替えは、リモートコントローラ70などを操作することによって自在に行うことができる。なお、長時間にわたって第二モードで制御を行うことに起因する各光源の劣化が問題となり得る場合には、第二モードでの制御に制限時間を設けてもよい。以下、第二モードでの制御に制限時間を設ける例について、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態に係る照明装置10の制御方法の一例を示すフローチャートである。
【0034】
図3に示されるように、まず、制御部60は、第二モードでの制御の開始を指示する第二モード開始信号を受信する(S12)。本実施の形態では、制御部60は、ユーザによって操作されたリモートコントローラ70などから、第二モード開始信号を受信する。なお、第二モード開始信号は、リモートコントローラ70以外から受信してもよいし、制御部60において、第二モード開始信号を生成してもよい。例えば、制御部60において、タイマー機能を用いて、所定のタイミングで第二モード開始信号を生成してもよい。
【0035】
続いて、制御部60は、第二モードでの制御を開始する(S14)。つまり、制御部60は、照明光の光束が、第一モードにおける照明光の光束より大きく、かつ、照明光の色温度が、第一モードにおける照明光の色温度と異なるように、第一光源41及び第二光源42の各光束を制御する。本実施の形態では、制御部60は、照明光の色温度が第一モードにおける照明光の色温度より高くなるように第一光源41及び第二光源42を制御する。
【0036】
続いて、制御部60は、第二モードの継続時間が、予め定められた制限時間を経過しているか否かを判定する(S16)。より具体的には、制御部60は、タイマー機能などを用いて、第二モードの継続時間と、所定の制限時間とを比較する。
【0037】
ここで、第二モードの継続時間が、所定の制限時間を経過していない場合には(S16でNo)、再度ステップS16を行う。一方、第二モードの継続時間が、所定の制限時間を経過している場合には(S16でYes)、制御部60は、第二モードでの制御を終了する(S18)。
【0038】
以上のように、本実施の形態に係る照明装置10において、制御部60は、第二モードでの制御の開始から予め定められた制限時間が経過した後に第二モードでの制御を終了する。これにより、第二モードでの制御において、第一光源41及び第二光源42に定格電流に近い電流を供給する場合にも、第一光源41及び第二光源42の寿命の短縮を抑制できる。
【0039】
制御部60は、第二モードでの制御を終了した後において、通常モードで制御を行う。制御部60は、例えば、第一モードでの制御を行ってもよい。これにより、第二モードでの制御終了時における、照明光の光束の変化を最小限に抑制できる。このため、第二モードでの制御終了時における照明光の変化を抑制できる。
【0040】
[1-4.まとめ]
以上のように、本実施の形態に係る照明装置10は、所定の広さの部屋に設置され、照明光を出射する照明装置10であって、色温度が互いに異なる少なくとも二つの光源と、少なくとも二つの光源の各々の出射光の光束を制御する制御部60とを備える。制御部60は、制御モードとして、第一モードと、第二モードとを有する。第一モードにおいて、照明光の光束は、所定の広さに適した光束の最大値であり、第二モードにおいて、照明光の光束は、第一モードにおける照明光の光束より大きく、かつ、照明光の色温度は、第一モードにおける照明光の色温度と異なる。
【0041】
これにより、調光率100%である第一モードより明るい照明光を実現でき、かつ、照明光の色温度を第一モードにおける照明光の色温度と異なる所望の色温度に調整できる照明装置10を実現できる。
【0042】
また、照明装置10において、第二モードにおいて、照明光の色温度は、第一モードにおける照明光の色温度より高くてもよい。
【0043】
これにより、照明装置10は、第二モードにおいて、第一モードにおける照明光より細かい文字などを見やすい色温度の照明光を出射できる。
【0044】
また、照明装置10において、少なくとも二つの光源は、出射光の色温度が6000K以上、7000K以下の第一光源41と、出射光の色温度が2600K以上、2900K以下の第二光源42とを含んでもよい。
【0045】
これにより、昼白色から電球色までの範囲において、調色可能な照明装置10を実現できる。
【0046】
また、照明装置10において、第二モードにおいて第一光源41に供給される電流値は、第一モードにおいて第一光源41に供給される電流値より大きくてもよい。
【0047】
また、照明装置10において、第二モードにおいて第二光源42に供給される電流値は、第一モードにおいて第二光源42に供給される電流値と等しくてもよい。
【0048】
また、照明装置10において、制御部60は、第二モードでの制御の開始から所定の制限時間が経過した後に第二モードでの制御を終了してもよい。
【0049】
これにより、第二モードでの制御において、第一光源41及び第二光源42に定格電流に近い電流を供給する場合にも、第一光源41及び第二光源42の寿命の短縮を抑制できる。
【0050】
また、照明装置10において、第二モードでの制御を終了した後において、制御部60は、第一モードでの制御を行ってもよい。
【0051】
これにより、第二モードでの制御終了時における、照明光の光束の変化を最小限に抑制できる。このため、第二モードでの制御終了時における照明光の変化を抑制できる。
【0052】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る照明装置について説明する。本実施の形態に係る照明装置は、第二モードにおける照明光の色温度において、実施の形態1に係る照明装置10と相違する。以下、本実施の形態に係る照明装置について、実施の形態1に係る照明装置10との相違点を中心に図4及び図5を用いて説明する。
【0053】
図4は、本実施の形態に係る照明装置110の全体構成を示す概略回路図である。本実施の形態に係る照明装置110は、色温度が互いに異なる少なくとも二つの光源と、少なくとも二つの光源の各々の出射光の光束を制御する制御部160とを備える。図4に示されるように、少なくとも二つの光源は、第一光源41と、第二光源42とを含む。照明装置110は、電源回路20と、少なくとも二つの点灯回路とをさらに備える。少なくとも二つの点灯回路は、第一点灯回路31と、第二点灯回路32とを含む。
【0054】
本実施の形態に係る第一光源41、第二光源42、第一点灯回路31、第二点灯回路32及び電源回路20は、それぞれ、実施の形態1に係る第一光源41、第二光源42、第一点灯回路31、第二点灯回路32及び電源回路20と同様の構成を有する。
【0055】
制御部160は、実施の形態1に係る制御部60と同様に、少なくとも二つの光源の各々の出射光の光束を制御する処理部である。本実施の形態では、制御部160は、リモートコントローラ70から送信された操作信号などに基づいて第一点灯回路31及び第二点灯回路32を制御することによって、第一光源41及び第二光源42の出射光の光束を制御する。また、制御部160は、制御モードとして、通常モードと、第一モードと、第二モードとを有する。通常モード及び第一モードは、それぞれ、実施の形態1に係る通常モード及び第一モードと同様である。本実施の形態に係る第二モードにおいて、実施の形態1に係る第二モードと同様に、照明光の光束は、第一モードにおける照明光の光束より大きく、かつ、照明光の色温度は、第一モードにおける照明光の色温度と異なる。本実施の形態では、第二モードにおいて、照明光の色温度は、第一モードにおける照明光の色温度より低い。
【0056】
ここで、本実施の形態に係る照明装置110の照明光の光束及び色温度について図5を用いて説明する。図5は、本実施の形態に係る照明装置110からの照明光の光束及び色温度の関係の一例を示す模式的なグラフである。図5の横軸及び縦軸は、それぞれ、照明光の色温度及び光束を示す。本実施の形態においても実施の形態1と同様に、第一光源41及び第二光源42からの各光束を合計した全光束が、照明光の光束に相当する。
【0057】
本実施の形態では、第二モードにおいて、照明光の光束及び色温度は、図5の領域M2bで示される範囲内で調整され得る。なお、図5に示される一点鎖線は、図2と同様に、2700Kより高く、6500Kより低い色温度の範囲において、第一光源41及び第二光源42によって実現し得る最大の光束を示す。図5に示されるように、領域M2bにおいては、光束の最大値は、LFbとなる。本実施の形態では、光束が最大となる場合の照明光の色温度T2は、第一モードにおける色温度T1より低く、第二光源42の色温度より高ければ特に限定されない。
【0058】
以上のように、第二モードにおいて、照明光の色温度は、第一モードの色温度より低い。言い換えると、本実施の形態に係る照明装置110では、実施の形態1に係る照明装置10の照明光と比較して、第二モードにおける第二光源42からの光束の割合が多い。この場合、第二モードにおいて第二光源42に供給される電流値は、第一モードにおいて第二光源42に供給される電流値より大きい。言い換えると、第二モードにおいて第二点灯回路32が第二光源42に供給する電流値は、第一モードにおいて第二点灯回路32が第二光源42に供給する電流値より大きい。ここで、一般に、通常モードにおいて、電球色に相当する色温度を有する光源より、昼白色に相当する色温度を有する光源の方が、定格電流に近い電流が供給される傾向にある。このため、第一モードにおいては、第二光源42より第一光源41の方がより大きいストレスが印加されている。逆に言うと、第二光源42の方が第一光源41より、光束を増大させる余地が大きい。したがって、本実施の形態に係る照明装置110のように、第一光源41の光束を第一モードにおける光束より増大させるより、第二光源42の光束を第一モードにおける光束より増大させる方が、光源に印加されるストレスは低減され得る。したがって、本実施の形態に係る照明装置110の方が、第二モードにおいて、照明光の色温度を第一モードの色温度と同一とする場合より、各光源に印加されるストレスを抑制し得る。これに伴い、第二モードでの制御による各光源の寿命の短縮を抑制できる。
【0059】
本実施の形態において、第二モードにおける照明光の光束が、第一モードにおける照明光の光束より大きく、かつ、第二モードにおける照明光の色温度が第一モードにおける照明光の色温度より低いという条件が満たされれば、第二モードにおいて第一光源41に供給される電流値は特に限定されない。例えば、第二モードにおいて第一光源41に供給される電流値は、第一モードにおいて第一光源41に供給される電流値と等しくてもよい。
【0060】
(変形例など)
以上、本発明の照明装置について、各実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではない。
【0061】
例えば、上記各実施の形態においては、少なくとも二つの光源が第一光源41と第二光源42だけを含む例を示したが、少なくとも二つの光源の構成はこれに限定されない。少なくとも二つの光源は、三つ以上の互いに色温度の異なる光源を含んでもよい。また、光源の個数に合わせて、点灯回路の個数も三つ以上としてもよい。
【0062】
また、各光源は、LEDチップ以外の固体発光素子を用いた光源であってもよい。例えば、光源27は、有機EL(Electro Luminescence)素子であってもよい。
【0063】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
10、110 照明装置
20 電源回路
41 第一光源
42 第二光源
60、160 制御部
図1
図2
図3
図4
図5