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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-02
(45)【発行日】2023-02-10
(54)【発明の名称】照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/19 20200101AFI20230203BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20230203BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B47/155
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021529163
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(86)【国際出願番号】 JP2020025850
(87)【国際公開番号】W WO2021002390
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】P 2019125440
(32)【優先日】2019-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】密島 康一
(72)【発明者】
【氏名】前原 稔
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-056670(JP,A)
【文献】特開2018-163780(JP,A)
【文献】特開2015-018636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/19
H05B 47/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のグループに分類可能であり、各照明器具が受信部を含む複数の前記照明器具と、
前記受信部に無線信号を送信する送信部、及び操作部を有する無線リモコンと、
を備え、
前記無線リモコンの前記操作部が、
前記複数のグループのうちから1以上の前記グループを選択すると共に、選択した前記グループにおいて、そのグループに所属する1以上の前記照明器具が実現可能な異なる複数の光照射状態のうちから1の前記光照射状態を選択的に実現させる照射実行操作部と、
1以上の前記グループにおいて、前記グループに属する前記1以上の照明器具に照射させることが可能な1以上の前記光照射状態を、複数の異なる光照射状態の候補から選択するための光選択操作部と、
を有し、
前記無線リモコンは、1以上の前記グループに関して前記グループに属する前記1以上の照明器具に時間の経過と共に変化する前記光照射状態の候補を再現させる情報を含む光再現信号を、前記送信部に送信させる制御部を有し、
前記光選択操作部は、前記光再現信号が前記送信部に送信されて、1以上の前記グループに関して、前記グループに所属する前記1以上の照明器具が時間の経過と共に変化する前記光照射状態の候補を再現する光再現モードを選択するための光再現操作部、及び前記光再現モードが選択されている状態において、前記光照射状態の候補を再現している1以上の前記グループに関して、前記グループに属する前記1以上の照明器具が設定後に再現可能となる1の前記光照射状態を設定する光設定操作部を含み、
前記光選択操作部は、1以上の前記グループにおいて、設定後に前記グループに所属する前記1以上の照明器具が実現可能な前記光照射状態を1以上選択できる、照明システム。
【請求項2】
前記光再現信号は、再現可能な情報が前記無線リモコンの記憶部に記載されている有限個かつ複数の前記光照射状態の候補を1以上の前記グループに関して前記グループに属する前記1以上の照明器具に順次再現させる情報を含む、請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
複数のグループに分類可能であり、各照明器具が受信部を含む複数の前記照明器具と、
前記受信部に無線信号を送信する送信部、及び操作部を有する無線リモコンと、
を備え、
前記無線リモコンの前記操作部が、
前記複数のグループのうちから1以上の前記グループを選択すると共に、選択した前記グループにおいて、そのグループに所属する1以上の前記照明器具が実現可能な異なる複数の光照射状態のうちから1の前記光照射状態を選択的に実現させる照射実行操作部と、
1以上の前記グループにおいて、前記グループに属する前記1以上の照明器具に照射させることが可能な1以上の前記光照射状態を、複数の異なる光照射状態の候補から選択するための光選択操作部と、を有し、
1以上の前記グループに関して、前記グループに所属する前記1以上の照明器具が設定後に照射可能である複数の光照射状態は、デフォルトで予め定められている1以上の第1光照射状態と、前記光選択操作部の操作で設定される1以上の第2光照射状態とを含み、
前記1以上の第1光照射状態が、前記グループに所属する前記1以上の照明器具が出射可能な照明光のうちで最も強度が強い照明光を出射する全灯と、光を照射しない消灯とのうちの少なくとも一方を含む、照明システム。
【請求項4】
前記実現可能な異なる複数の光照射状態が、前記グループに所属する前記1以上の照明器具が出射可能な照明光のうちで最も強度が強い照明光を出射する全灯と、光を照射しない消灯とを含み、前記全灯と前記消灯は、デフォルトで予め設定されている、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の照明システム。
【請求項5】
1以上の前記グループに関して、少なくとも1つの前記照明器具が照射可能な1以上の器具光照射状態を、複数の異なる器具光照射状態の候補から選択するための器具光選択操作部を備える、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の照明システム。
【請求項6】
複数のグループに分類可能であり、各照明器具が受信部を含む複数の前記照明器具と、
前記受信部に無線信号を送信する送信部、及び操作部を有する無線リモコンと、
を備え、
前記無線リモコンの前記操作部が、
前記複数のグループのうちから1以上の前記グループを選択すると共に、選択した前記グループにおいて、そのグループに所属する1以上の前記照明器具が実現可能な異なる複数の光照射状態のうちから1の前記光照射状態を選択的に実現させる照射実行操作部と、
1以上の前記グループにおいて、前記グループに属する前記1以上の照明器具に照射させることが可能な1以上の前記光照射状態を、複数の異なる光照射状態の候補から選択するための光選択操作部と、を有し、
前記無線リモコンとは別体の前記照明器具が、手動で操作される操作部であって、その照明器具が所属するグループを設定できるグループ設定操作部を有する、照明システム。
【請求項7】
複数のグループに分類可能であり、各照明器具が受信部を含む複数の前記照明器具と、
前記受信部に無線信号を送信する送信部、及び操作部を有する無線リモコンと、
を備え、
前記無線リモコンの前記操作部が、
前記複数のグループのうちから1以上の前記グループを選択すると共に、選択した前記グループにおいて、そのグループに所属する1以上の前記照明器具が実現可能な異なる複数の光照射状態のうちから1の前記光照射状態を選択的に実現させる照射実行操作部と、
1以上の前記グループにおいて、前記グループに属する前記1以上の照明器具に照射させることが可能な1以上の前記光照射状態を、複数の異なる光照射状態の候補から選択するための光選択操作部と、を有し、
前記照明器具の前記受信部が、前記無線リモコンが送信した前記無線リモコンの識別情報の登録信号を受信すると、その登録信号を受信した照明器具の記憶部が、前記識別情報を特定できるリモコン識別情報を記憶し、前記無線リモコンにおける調光制御が、前記記憶部に前記リモコン識別情報が記憶された照明器具に対して実行可能になる、照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の照明器具と、照明器具の点灯制御が可能な無線リモコンとを備える照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、複数の照明器具を備える照明システムにおいて複数の照明器具をグループ制御することがある。このグループ制御では、例えば、複数の照明器具を複数のグループに分類した上で、同じグループに所属する1以上の照明器具で同一の調光制御を実行する。また、他の照明システムとしては、特許文献2の従来技術欄に記載されているものがある。この照明システムでは、ワイヤレスネットワークを利用し、スマートフォンを用いた照明器具の調光制御を実行できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-98034号公報
【文献】特表2017-533551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
グループ制御は、「窓際」、「執務エリア」、「リビング」、「ダイニング」、又は「共用部」等の各グループの属性に基づいて、同一のグループに属する複数の照明器具で、ニーズに適応した調光制御ができる。また、スマートフォンは、複雑な操作が可能であるので、多様性に富んだ調光制御を実現できる。
【0005】
係る背景において、人によっては、スマートフォンに不慣れ等の理由で、無線リモコンが所望される場合がある。そのような場合において、スマートフォンに比べて操作に制約がある無線リモコンで、グループ制御ができ、更には、より多様性に富んだ調光制御が可能であると好ましい。
【0006】
そこで、本開示の目的は、無線リモコンで、グループ制御ができるだけでなく、より多様性に富んだ調光制御が可能になる照明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本開示に係る照明システムは、複数のグループに分類可能であり、各照明器具が受信部を含む複数の照明器具と、受信部に無線信号を送信する送信部、及び操作部を有する無線リモコンと、を備え、無線リモコンの操作部が、複数のグループのうちから1以上のグループを選択すると共に、選択したグループにおいて、そのグループに所属する1以上の照明器具が実現可能な異なる複数の光照射状態のうちから1の光照射状態を選択的に実現させる照射実行操作部と、1以上のグループにおいて、グループに属する1以上の照明器具に照射させることが可能な1以上の光照射状態を、複数の異なる光照射状態の候補から選択するための光選択操作部と、を有する。
【0008】
なお、上記光選択操作部は、2以上のグループで同時に、グループに属する1以上の照明器具に照射させることが可能な1以上の光照射状態を複数の異なる光照射状態の候補から選択できる操作部でもよい。又は、光選択操作部は、1つのグループ毎でしか、グループに属する1以上の照明器具に照射させることが可能な1以上の光照射状態を複数の異なる光照射状態の候補から選択できない操作部でもよい。また、照明システムが備える全てのグループで、グループに属する1以上の照明器具に照射させることが可能な1以上の光照射状態を、複数の異なる光照射状態の候補から選択できてもよい。又は、照明システムが備える複数のグループのうちの一部のグループのみで、グループに属する1以上の照明器具に照射させることが可能な1以上の光照射状態を、複数の異なる光照射状態の候補から選択できてもよい。言い換えれば、グループに属する1以上の照明器具に照射させることが可能な1以上の光照射状態を複数の異なる光照射状態の候補から選択できない1以上のグループが存在してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る照明システムによれば、無線リモコンで、グループ制御ができるだけでなく、より多様性に富んだ調光制御を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係る照明システムにおけるグループ設定と各照明器具へのリモコン識別情報の登録の一例について説明する図である。
図2】上記照明器具の機能ブロック図である。
図3】上記照明システムの親リモコンの機能ブロック図である。
図4】上記親リモコンの裏側部分の操作部を示す正面図である。
図5】上記親リモコンにおける前側扉部分の操作部を示す図1の部分拡大平面図である。
図6】(a)は、変形例の無線リモコンの前側扉部分の操作部を示す平面図であり、(b)は、その変形例の無線リモコンの裏側部分の操作部を示す平面図である。
図7】他の変形例の無線リモコンの裏側部分の操作部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、以下の実施例では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明において、各種制御装置13,21は、コンピュータ、例えば、マイクロコンピュータによって好適に構成され、各種制御部13a,21a、すなわち、各種プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む。また、各種記憶部13b,21bは、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリや、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリで構成される。CPUは、記憶部13b,21bに予め記憶されたプログラム等を読み出して実行する。また、不揮発性メモリは、制御プロラムや所定の閾値等を予め記憶する。また、揮発性メモリは、読み出したプログラムや処理データを一時的に記憶する。
【0012】
また、本開示の照明システム1が行う無線通信の規格は、如何なる規格でもよく、規格としては、例えば、Bluetooth(登録商標)やZigBee(登録商標)等を採用できる。また、以下の説明で現れる複数の所定時間(各種所定時間)は、全て異なる時間に設定されてもよく、複数の所定時間が、同じ時間の2以上の所定時間を含んでもよい。また、以下で説明する無線リモコン20,30,120,220は、照明システムでしか使用できないリモコン、より詳しくは、照明システムの各種設定や、照明システムに含まれる照明器具の調光制御にしか用いることができないリモコンでもよく、スマートフォンでもなく、タブレットでもなくてもよい。また、以下で説明される構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素であり、必須の構成要素ではない。また、本開示は、以下の実施例およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態に係る照明システム1におけるグループ設定と各照明器具への親リモコン20のリモコン識別情報の登録について説明する図である。なお、リモコン識別情報とは、親リモコン20の識別子(ID:identification)を特定できる情報である。図1に示すように、照明システム1は、複数の照明器具10、無線リモコンとしての親リモコン20、及び無線リモコンとしての子リモコン30を備える。なお、照明システム1は、複数の照明器具10を備えるが、図1には、一つの照明器具10のみを図示している。また、図1には、子リモコン30が1つしか図示されていないが、照明システム1は、2以上の子リモコン30を備えてもよく、又は子リモコン30を備えなくてもよい。
【0014】
各照明器具10は、如何なるライトでもよい。例えば、複数の照明器具10は、全てが図1に示すシーリングライトで構成されてもよく、全てがLED(Light Emitting Diode)電球で構成されてもよく、全てがラインライトで構成されてもよい。又は、複数の照明器具10は、全てがフロアライトで構成されてもよく、全てがスポットライトで構成されてもよく、全てがペンダントライトで構成されてもよく、全てがダウンライトで構成されてもよい。又は、複数の照明器具10は、異なる2以上の種類のライトを含んでもよい。
【0015】
図2は、照明器具10の機能ブロック図である。図2に示すように、各照明器具10は、電源装置11、光源モジュール12、制御装置13、送受信部14、及びグループ設定操作部15を有する。電源装置11は、図示しない電源基板に設けられた図示しない変換回路を有し、この変換回路に入力された商用電源からの交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力を光源モジュール12に供給する。
【0016】
光源モジュール12は、例えば、基板と、基板に実装される1以上のLEDを有する。光源モジュール12は、異なる色温度や色差を有する種類のLEDを有してもよく、この場合、調光制御の自由度を大きくできる。なお、光源モジュールが有する発光部は、LEDで構成されなくてもよく、例えば、半導体レーザ素子、有機EL(Electro Luminescence)素子若しくは無機EL素子等の固体発光素子、又は白熱灯等で構成されてもよい。
【0017】
制御装置13は、制御部13aと、記憶部13bを有する。制御部13aは、親リモコン20や子リモコン30が送信した照明光に関する情報(例えば、明るさ、色、方向、消灯、全灯等)を含んだ調光信号を、アンテナ等で構成される送受信部14を介して受ける。また、制御部13aは、受けた調光信号に基づいて、記憶部13bに予め記憶された照明光を再現可能な情報に基づいて各調光信号に対応する照明光を実現する制御を実行する。親リモコン20や子リモコン30が照明器具10の照明光の明るさと色を制御できる場合を例に説明を行うと、この場合、例えば、光源モジュール12が、異なる色温度や色差を有する複数のLEDを有し、上記電源基板が、LED毎にトランジスタ等で構成されるスイッチング部を有する。そして、制御部13aが、上記調光信号に基づいて各スイッチング部をオンオフ制御する。各スイッチング部のオンオフ制御においてスイッチング部毎にオンとなっている時間を制御することで、照明器具10が出射する照明光の明るさ及び色を、親リモコン20や子リモコン30で指定された明るさ及び色にできる。
【0018】
グループ設定操作部15は、手動で操作される操作部であり、照明器具10において外部に露出している箇所に設けられる。グループ設定操作部15は、例えば、スライドスイッチ、ディップスイッチ、又はロータリースイッチ等で構成される。グループ設定操作部15は、照明器具10が所属するグループを設定するのに用いられる。
【0019】
図1に示す例では、グループ設定操作部15が、ディップスイッチで構成されて7つの押圧部15a~15gを有し、人が照明器具10の状態を、異なる6つの状態のうちのいずれかに設定できるようになっている。図1に示す例では、例えば、押圧部15aが押圧されると、照明器具10がグループ1に所属し、押圧部15bが押圧されると、照明器具10がグループ2に所属する。また、押圧部15cが押圧されると、照明器具10がグループ3に所属し、押圧部15dが押圧されると、照明器具10がグループ4に所属する。また、押圧部15eが押圧されると、照明器具10がグループ5に所属する。したがって、各照明器具10において、押圧部15a~押圧部15eを選択することで、照明システム1が備える照明器具10の夫々で、照明器具10が所属するクループを設定できる。
【0020】
また、押圧部15fが押圧されると、照明器具10が専用のアプリがインストールされたスマートフォン(図示せず)による操作によってグループが設定可能な状態になる。ここで、例えば、照明器具10におけるグループ設定の初期値が、グループ1となっていて、押圧部15fが押圧されている状態で、スマートフォン操作がされなかった場合、押圧部15fが押圧されてから所定時間経過後に照明器具10が自動的にグループ1に設定されるようになっていてもよい。
【0021】
また、以下で説明するように、照明システム1では、親リモコン20のID情報を特定できるリモコン識別情報を照明器具10の記憶部13bに登録(記憶)できるが、押圧部15gが押圧されると、照明器具10の記憶部13bに登録されているリモコン識別情報を消去できる。押圧部15gは、例えば、子リモコン30が存在しない場合において唯一の無線リモコンである親リモコン20が故障した場合や、親リモコン20と子リモコン30のセットを最新のものに取り換える場合等に使用する。
【0022】
なお、各グループに所属する照明器具10の数は、1以上の如何なる数でもよい。また、各照明器具10のグループをユーザが設定や変更できる場合について説明した。しかし、照明器具10は、グループ設定操作部15を有さなくてもよく、照明システムの各グループに所属する1以上の照明器具は、例えば予め施工業者等によって操作端末等でグループ設定され、設定後にユーザが変更できなくてもよい。
【0023】
次に、照明システム1における照明器具10の記憶部13bへの親リモコン20のリモコン識別情報の登録(記憶)方法、子リモコン30への親リモコン20のIDのコピー方法、及び一度記憶部13bに登録した親リモコン20のリモコン識別情報の消去方法について説明する。
【0024】
先ず、親リモコン20の基本構成について説明する。図3は、親リモコン20の機能ブロック図である。図3に示すように、親リモコン20は、制御装置21、送受信部22、及び操作部23を備え、制御装置21は、制御部21aと、記憶部21bを有する。制御部21aは、人が操作部23を操作することで入力した情報と記憶部21bに記憶されている情報とに基づいて、アンテナ等で構成される送受信部22を信号受信状態に制御したり、送受信部22に上記調光信号を送信させたりする。また、操作部23は、照射実行操作部24、設定釦25、及びコピー釦26を有し、照射実行操作部24は、6つの釦24a~24fで構成される。各釦24a~26を用いた動作については、後で詳しく説明する。
【0025】
次に、照明器具10の記憶部13bへの親リモコン20のリモコン識別情報の登録動作について説明する。図1を参照して、照明システム1を最初に所定の設置個所に設置して、照明器具10に初めて電力が供給されると、制御部13aが記憶部13bに予め記憶されている親リモコン20のID登録プログラムを参照して、電力を最初に供給してから所定時間、例えば、30秒~20分の範囲内のいずれかの時間の間、所定間隔おきにID要求信号を送受信部14に外部に送信させる。
【0026】
一方、人が、親リモコン20の設定釦25を押圧すると、親リモコン20がスキャンモードとなって、制御部21aによる制御で送受信部22がID要求信号を受信可能な状態になる。親リモコン20は、例えば、照射実行操作部24が設けられた前側扉部分28と、裏側部分を有する。また、前側扉部分28は、例えば、図1に矢印Aで示すように親リモコン20の幅方向の一方側に旋回可能になっているか、又は裏側部分に対して親リモコン20の長手方向にスライド可能になっている。図4は、裏側部分29の操作部を示す正面図であり、前側扉部分28の図示を省略した正面図である。図4に示すように、設定釦25は、例えば、コピー釦26と共に裏側部分29に設けられる。
【0027】
親リモコン20が上記所定時間の間にスキャンモードとなって親リモコン20がID要求信号を受信すると、親リモコン20が自身のID情報を含むID登録信号を外部に送信する。各照明器具10の送受信部14がこのID登録信号を受信すると、その照明器具10の記憶部13bが親リモコン20のIDを特定できるリモコン識別情報を記憶する。照明器具10に対する親リモコン20の調光制御は、この記憶部13bによるリモコン識別情報の記憶により実行可能になる。
【0028】
次に、子リモコン30への親リモコン20のIDのコピー方法について説明する。子リモコン30は、例えば、親リモコン20と同一のハードウエアで構成され、同一の機能を有する。例えば、人が親リモコン20のコピー釦26(図3,4参照)を所定時間以上長押しすると、親リモコン20がその長押しの後から所定時間の間スキャンモードとなる。また、子リモコン30の設定釦25が所定時間以上長押しされると、子リモコン30の送信部から登録依頼信号がその長押しの後から所定時間の間、所定時間毎に外部に出力される。
【0029】
それらの操作で、親リモコン20がスキャンモードになっている状態で、親リモコン20の送受信部22が子リモコン30からの登録依頼信号を受信すると、親リモコン20が自身のID情報を含むID登録信号を外部に送信する。子リモコン30が、そのID登録信号を子リモコン30の送受信部で受信すると、子リモコン30の記憶部に記憶されているIDが上書きされ、親リモコン20のIDと同一になる。この手続きによって、各照明器具10が、子リモコン30を認識できるようになり、子リモコン30が照明器具10を調光制御できるようになる。
【0030】
以上の手続きにより、各照明器具10でそれが所属するグループを設定でき、更には、各照明器具10の記憶部13bに親リモコン20のリモコン識別情報を登録できる。
【0031】
照明システム1では、親又は子リモコン20,30は、全てのグループにおいて、各グループに所属する1以上の照明器具が実現可能な1以上の光照射状態(照明シーン)を複数の光照射状態の候補から選択できる。更には、親又は子リモコン20,30は、1以上のグループで、選択して登録した1以上の光照射状態と、消灯とのうちから1の光照射状態を選択でき、1以上のグループで、選択したその1の光照射状態を、グループに所属する1以上の照明器具に再現させることができる。
【0032】
以下、そのような動作を実現できる2つの実施例及び変形例について説明する。なお、上述のように、親リモコン20は、子リモコン30と同一のハードウエアで構成され、親リモコン20と、子リモコン30は、同一の操作を実行できる。以下では、親リモコン20の設定操作について説明し、子リモコン30の設定操作については、説明を省略する。また、以下では親リモコン20を単にリモコン20と言及する。
【0033】
(第1実施例)
第1実施例では、照射実行操作部24は、複数のグループのうちから1以上のグループを選択すると共に、選択したグループにおいて、そのグループに所属する1以上の照明器具10が実現可能な異なる複数の光照射状態のうちから1の光照射状態を選択的に実現させる。また、操作部23が、各グループに属する1以上の照明器具10に照射させることが可能な1以上の光照射状態を、グループ毎に複数の異なる光照射状態の候補から選択するための光選択操作部を備える。
【0034】
また、リモコン20の記憶部21bにグループ毎にそのグループに属する1以上の照明器具10に時間の経過と共に変化する光照射状態の候補を再現させる再現プログラムが記憶されている。また、制御部21aが、その再現プログラムを実行させるプログラム実行信号を送受信部22に送信させる。
【0035】
また、光選択操作部は、照明光再現プログラムを起動させて、グループ毎に各グループに所属する1以上の照明器具10に時間の経過と共に変化する光照射状態の候補を再現させる光再現モードを選択するための光再現操作部、及び光再現モードが選択されている状態において、そのグループに属する1以上の照明器具が設定後に再現可能となる1の光照射状態を設定する光設定操作部を含む。また、光選択操作部は、設定後に各グループに所属する1以上の照明器具が実現可能な光照射状態を1以上選択できる。また、第1実施例では、照射実行操作部24及び設定釦25が、光選択操作部を兼用し、光再現操作部及び光設定操作部を兼用する。より詳細に説明すると、第1実施例では、光再現プログラムは、再現可能な情報が記憶部21bに記載されている有限個かつ複数の光照射状態の候補をグループ毎にそのグループに属する1以上の照明器具10に順次再現させる。
【0036】
換言すれば、第1実施例では、リモコン20は、グループ毎にそのグループに属する1以上の照明器具10に時間の経過と共に変化する光照射状態の候補を再現させる情報を含む光再現信号を送受信部22に送信させる制御部21aを有する。また、光選択操作部は、光再現信号が送受信部22に送信されて、グループ毎に各グループに所属する1以上の照明器具10が時間の経過と共に変化する光照射状態の候補を再現する光再現モードを選択するための光再現操作部、及び光再現モードが選択されている状態において、そのグループに属する1以上の照明器具10が設定後に再現可能となる1の光照射状態を設定する光設定操作部を含む。また、より詳細に説明すると、光再現信号は、再現可能な情報が記憶部21bに記載されている有限個かつ複数の光照射状態の候補をグループ毎にそのグループに属する1以上の照明器具10に順次再現させる情報を含む。
【0037】
次の表1に、照明システムが備える全ての照明器具10が、シーリングライトであり、各グループに所属する1以上のシーリングライトが、同じ照明光を出射すると共にオフィスにおける巨大業務スペースの一区画(例えば、北東窓側区画、南西通路側区画等)に配置される場合において、各グループに所属する1以上のシーリングライトが実現可能である1以上の光照射状態の選択先の有限個かつ複数の光照射状態の候補例を示す。
【0038】
また、表2に、グループ1に所属する1以上の照明器具が、リビングに配置され、シーリングライト、ラインライト、及びフロアライトで構成される場合において、グループ1に所属する1以上の照明器具が実現可能である1以上の光照射状態の選択先の有限個かつ複数の光照射状態の候補例を示す。
【0039】
また、表3に、表2にグループ1の複数の光照射状態の候補例を示す照明システムにおいて、グループ2に所属する1以上の照明器具が、ダイニングに配置され、ペンダントライト、及びスポットライトで構成される場合において、グループ2に所属する1以上の照明器具が実現可能である1以上の光照射状態の選択先の有限個かつ複数の光照射状態の候補例を示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
表1に光照射状態の候補例を示す照明システムでは、全てのグループにおいて、設定後に再現できる1以上の光照射状態が、表1に示す同一(共通)の有限個かつ複数の光照射状態の候補例から選択される。また、表2及び表3に光照射状態の候補例を示す照明システムでは、複数のグループが、有限個かつ複数の光照射状態の候補例が異なる2以上のグループを有する。
【0044】
次に、各グループにおける光照射状態を設定できる操作の一例について説明する。なお、各グループにおける光照射状態を設定できる操作は、次に示す操作以外にも無数(無限)に存在する。また、リモコンの操作部も、リモコンの仕様によって異なり、各グループにおける光照射状態を設定できる操作は、リモコンの仕様によっても異なる。しかし、各グループにおける光照射状態を設定するいずれの設定操作でも、各設定操作の夫々で、光照射状態の設定を可能にするプログラムは、リモコンの記憶部に記憶される。
【0045】
なお、リモコンの仕様が異なっても、図6(a)に前側扉部分128を示し図6(b)に裏側部分129を示す無線リモコン120のように、図5に前側扉部分28を示すリモコン20との比較で、数字が記載された釦の数が異なるだけの場合、以下の設定操作と同一の操作で光照射状態を設定できる。
【0046】
次に、表1に光照射状態の候補例を示す照明システムで、グループ1に所属する1以上のシーリングライトに5つの再現可能の光照射状態を設定する操作の一例について具体的に説明する。この操作を行うときには、人は、先ず、設定釦25を連続的な操作で複数回短押しするようになっている。
【0047】
ここで、短押しは、押圧時間が所定時間以下の押圧とすることができ、その所定時間は、例えば2秒以下の任意の時間とできる。また、上記連続的な操作が成立する条件として、前の操作が終わってから次の操作が始まるまでの時間が所定時間以下である操作とすることができ、その所定時間は、例えば3秒以下の任意の時間とできる。
【0048】
その後、人が、釦24aを所定時間以上長押しすると、人がリモコン20で、グループ1の設定が可能になる。その後、人が、釦24aを押圧すると、光再現モードとなって、リモコン20からの光再現信号を受けたグループ1に所属する1以上のシーリングライトが、表1の候補1の光照射状態を所定時間再現し、その後、候補2の光照射状態を所定時間再現する。この各候補の光照射状態を、候補1から候補10まで続けて行い、候補10の光照射状態が終わると、再度、各候補の光照射状態を、候補1から候補10まで続けて行い、この動作を繰り返す。
【0049】
人が選択を行うときには、人は選択を意図した候補の光照射状態が再現されているときに釦24aを押圧する。これで、グループ1が選択されているときに、釦24aが押圧されたときの、グループ1に所属する1以上の照明器具が再現する光照射状態を設定でき、光再現モードが終了する。
【0050】
次に、釦24bを押圧すると、再度、光再現モードとなって、リモコン20からの信号を受けたグループ1に所属する1以上のシーリングライトが、上述の候補1から候補10までの光照射状態の再現を続けて行う。人が選択を意図した候補の光照射状態が再現されているときに釦24bを押圧することで、グループ1の釦24bが押圧されたときにグループ1に所属する1以上の照明器具が再現する照射状態を設定できる。
【0051】
この操作を、釦24eまで同様に行う。本実施例では、グループ1に所属する1以上の照明器具が再現できる照射状態が6つ存在する。5つは、上述の設定方法で設定された照射状態であり、1つは、デフォルトで予め定められた消灯である。使用時に各照射状態を実現する操作については、後で説明する。
【0052】
グループ1の釦24eが押圧されたときに、グループ1に所属する1以上の照明器具が再現する照射状態まで設定し終わった後に、人が設定釦25を押圧するとグループ1の設定が完了する。また、他のグループの設定も、グループ1の設定と同様の方法で実行できる。例を挙げると、グループ2の設定の場合、設定釦25を連続的な操作で複数回短押した後、釦24bを所定時間以上長押しすると、人がリモコン20で、グループ2の設定が可能になる。その後は、グループ1の設定方法と同一である。また、人が一旦設定した照射状態を変更したい場合には、その変更したいグループに関し、設定のときと同じ操作を行った後、最後に設定釦25を押圧することで変更を更新できるようにしてもよい。
【0053】
また、1つのグループにおいて複数の光照射状態の候補から光照射状態を選択して実際に照射可能とする場合について説明した。しかし、2以上のグループにおいて複数の光照射状態の候補から所望の光照射状態を同時に選択できるようになっていてもよい。次に、そのような同時の選択方法について、無線リモコンとして、図5に示す前側扉部分28の操作部を有すると共に図7に示す裏側部分229の操作部を有する他の変形例の無線リモコン220を用い、無線リモコン220の記憶部に、複数の光照射状態の候補として、上記表1に記載の候補が記憶されている場合を例に説明を行う。
【0054】
図7に示すように、無線リモコン220は、設定釦251、点灯/シーン切替用スライドスイッチ252、及びグループ選択/解除操作部225を備える。また、グループ選択/解除操作部225は、グループ1用選択/解除スライドスイッチ225a、グループ2用選択/解除スライドスイッチ225b、グループ3用選択/解除スライドスイッチ225c、グループ4用選択/解除スライドスイッチ225d、及びグループ5用選択/解除スライドスイッチ225eを含む。なお、以下では、グループi(iは、1~5のいずれかの整数)用選択/解除スライドスイッチを、単にグループi用スライドスイッチという。
【0055】
2以上のグループにおいて複数の光照射状態の候補から所望の光照射状態を同時に選択する場合には、先ず、点灯/シーン切替用スライドスイッチ252をシーン設定側にスライドさせる。その後、同時に選択を実行したい2以上のグループに対応する2以上のグループi用スライドスイッチを解除側ではなくて選択側にスライドさせ、選択を希望しない0以上3以下のグループに対応するグループi用スライドスイッチを解除側にスライドさせる。
【0056】
その後、釦24a(図5参照)を押圧すると、上述のように、各候補の光照射状態の再現が、候補1から候補10まで続けて行われ、候補10の光照射状態の再現が終わると、再度、各候補の光照射状態の再現が、候補1から候補10まで続けて行われ、この動作が繰り返される。人が選択を意図した候補の光照射状態が再現されているときに釦24aを押圧すると、釦24aが押圧されたときに実現される光照射状態の設定が、2以上のグループで同時に実行される。
【0057】
また、その後、釦24bを押圧すると、再度、候補1から候補10の再現が実行され、人が選択を意図した候補の光照射状態が再現されているときに釦24bを押圧すると、釦24bが押圧されたときに実現される光照射状態の設定が、2以上のグループで同時に実行される。このように、この設定方法では、2以上のグループにおいて、最大、5つの光照射状態を同時に設定することができる。なお、2以上のグループにおいて、同時に所望の光照射状態を設定する方法も、無限個存在し、それを容易に実現可能とする無線リモコンの構成も無限個存在する。しかし、それら全ての場合で、無線リモコンの記憶部に、夫々の操作でそのような光照射状態の設定を可能にするプログラムが記憶されていることは勿論である。
【0058】
以上、表1に光照射状態の候補例を示す照明システムにおける各グループの照射状態の設定について説明した。この設定方法は、表2、3に光照射状態の候補例を示す照明システムにおける各グループの光照射状態の設定にも適用できる。以下の表4に表2、3に光照射状態の候補例を示す照明システムにおいてグループ1で設定された照射状態の一例を示し、表5にグループ2で設定された照射状態の一例を示す。
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
次に、設定後のリモコン20の使用時における各グループの光照射状態の実現操作について説明する。グループ1において所望する光照射状態を実現させるときには、先ず、釦24aを所定時間以上長押しする。その後、釦24a~24eのいずれかの釦を押圧すると、グループ1に所属する1以上の照明器具が、リモコン20からの信号を受けて、押圧された釦24a~24eで設定されている光照射状態を実現する。
【0062】
グループ2において所望する光照射状態を実現させるときには、先ず、釦24bを所定時間以上長押しする。その後、釦24a~24eのいずれかの釦を押圧すると、グループ2に所属する1以上の照明器具が、リモコン20からの信号を受けて、押圧された釦24a~24eで設定されている光照射状態を実現する。他のグループでも、同様の操作方法で、5つのうちのいずれかの光照射状態を実現できる。
【0063】
なお、この実現方法では、2以上のグループで5つのうちのいずれかの光照射状態を実現できるようにしてもよい。例えば、グループ1とグループ2の夫々で同時に5つのうちのいずれかの光照射状態を実現する場合には、グループ1における光照射状態の実現操作の後、続けて、グループ2における光照射状態の実現操作を行うことで、そのような光照射状態を実現できるようにしてもよい。
【0064】
また、2以上のグループで同時に5つのうちのいずれかの光照射状態を実現できるようにしてもよい。そのような操作は無限に存在するが、そのうちの一例について説明すると、照明システムが、図5に前側扉部分28の操作部を示し図7に裏側部分229の操作部を示す無線リモコン220を備えていてもよい。そして、点灯/シーン切替用スライドスイッチ252を点灯側にスライドさせた上で、同時に点灯させたいグループに対応する2以上のグループi用スライドスイッチを選択側にスライドさせ、他の0以上3以下のグループi用スライドスイッチを解除側にスライドさせるようにしてもよい。そして、そのような状態において、人が釦24a~24eのうちの1つを押圧することで、同時に点灯させたい2以上のグループの夫々に関して、各グループに所属している1以上の照明器具10に、押圧した釦24a~24eのうちの1つに対応する光照射状態を同時に実行させるようにしてもよい。
【0065】
また、人が単に釦24aを所定時間以下押圧(短押し)すると、グループ1に所属する1以上の照明器具10に最初に設定した光照射状態を再現させるようにしてもよく、人が単に釦24bを短押しすると、グループ2に所属する1以上の照明器具10に最初に設定した光照射状態を再現させるようにしてもよい。このように、人が単に釦24a~24eのいずれかを短押しすると、その短押しした釦24a~24eに対応するグループに所属する1以上の照明器具10がそのグループにおいて最初に設定した光照射状態を実現してもよく、例えば、表4の例では、照明シーン「勉強」が実現するようにしてもよく、表5の例では、照明シーン「食事」が実現するようにしてもよい。
【0066】
また、人が釦24a~24eのうちの2以上の釦24a~24eを短押しすると、短押しされた2以上の釦24a~24eに対応する2以上のグループにおいて、各グループに所属する1以上の照明器具10に最初に設定した光照射状態を再現させるようにしてもよい。例えば、人が釦24aと釦24bを短押しすると、グループ1に所属する1以上の照明器具10に最初に設定した光照射状態を再現させると共に、グループ2に所属する1以上の照明器具10に最初に設定した光照射状態を再現させるようにしてもよい。
【0067】
また、各グループに所属する1以上の照明器具のみを消灯させる場合には、消灯を意図したグループに対応する釦24a~24eを所定時間以上長押しした後、「消灯」と記載されている釦24fを押圧することで、消灯を意図したグループに所属する以上の照明器具のみを消灯させるようにしてもよい。例えば、各グループ1に所属する1以上の照明器具のみを消灯させる場合には、釦24aを所定時間以上長押しした後、釦24fを押圧するようにしてもよい。また、釦24fを単に押圧時間が所定時間以下の短押しすると、照明システム1が備える複数の照明器具10のうちで点灯している全ての照明器具10が消灯するようにしてもよい。
【0068】
なお、第1実施例では、光照射状態の1つである消灯が、デフォルトで予め設定され、人が選択する必要がなかった。ここで、デフォルトで予め設定され、人が選択する必要がない光照射状態として、消灯に加えて全灯が存在していてもよく、消灯が存在していなくて全灯のみが存在していてもよい。又は、デフォルトで予め設定され、人が選択する必要がない光照射状態として、消灯及び全灯以外の光照射状態が存在していてもよい。又は、デフォルトで予め設定されている光照射状態が全く存在しなくてもよい。なお、ここで、全灯とは、グループに所属する1以上の照明器具10が出射可能な照明光のうちで最も強度が強い照明光を出射する光照射状態である。また、デフォルトで予め設定されている光照射状態は、第1光照射状態を構成し、光選択操作部の操作で設定される光照射状態は、第2光照射状態を構成する。
【0069】
以上、第1実施例によれば、リモコン20の操作部23が、各グループに属する1以上の照明器具10に照射させることが可能な1以上の光照射状態を、グループ毎に複数の異なる光照射状態の候補から選択するための光選択操作部を有するので、各グループに属する1以上の照明器具10に実現させることができる光照射状態の範囲を広範囲なものにできる。したがって、スマートフォンとの比較において操作部の構成に制約があって、スマートフォンと比較して操作部の操作の自由度が低いリモコン20でもグループ制御ができるだけでなく、より多様性に富んだ調光制御が可能になる。
【0070】
更には、選択の候補となる光照射状態が、予め記憶部に再現可能な情報が記憶されている有限個かつ複数の光照射状態であるので、リモコン20の制御部21aが、所望の光照射状態の選択及び設定の際に行う制御も単純なものにできる。
【0071】
なお、第1実施例及びその変形例では、光再現プログラムが、再現可能な情報が記憶部21bに記載されている有限個かつ複数の光照射状態の候補を1以上のグループにおいてグループに属する1以上の照明器具10に順次再現させる場合について説明した。
【0072】
しかし、設定の際に候補となる光照射状態は、有限個でなくてもよく、無限個でもよい。例えば、光照射状態の候補を表1に示した照明システムにおいて、表1に示す有限個の光照射状態の候補の代わりに、再現モードとなると、明るさを0%から100%まで連続的に増大させて、100%となったら再度、明るさを0%から100%まで連続的に増大させるプログラムがリモコン20の記憶部21bに予めインストールされていてもよい。そして、明るさが、設定を行う釦24a~24eが押されたときに再現されていた明るさに設定され、設定動作を行う釦24a~24eが押されると、再現モードが終了するようにしてもよい。
【0073】
又は、例えば、再現モードとなると、乱数を用いたモンテカルロ法を用いて明るさをランダムに変化させるプログラムがリモコン20の記憶部21bに予めインストールされていてもよい。そして、明るさが、設定を行う釦24a~24eが押されたときに再現されていた明るさに設定され、設定動作を行う釦24a~24eが押されると、再現モードが終了するようにしてもよい。
【0074】
また、照明システム1が備える全てのグループで、使用時に照射できる1以上の光照射状態を複数の光照射状態の候補のうちから選択できる場合について説明した。しかし、照明システムが備える一部のグループのみでそれに属する1以上の照明器具が使用時に照射できる1以上の光照射状態を複数の光照射状態の候補のうちから選択できてもよい。そして、照明システムが、そのような選択をできない一部のグループを有してもよい。
【0075】
また、第1実施例では、各グループでデフォルトで予め設定されていなくて設定可能な5つの光照射状態の全てを人の操作により決定する場合について説明した。しかし、次の第2実施例のように、各グループで実現可能な複数の光照射状態のうちの1つの光照射状態のみを人が設定し、残りの光照射状態のうちで、デフォルトで予め設定されていない光照射状態を自動的に設定するようにしてもよい。
【0076】
(第2実施例)
第2実施例でも、例えば、リモコン20を用いることができ、その記憶部21bには、上記表1に示す光照射状態の候補が予め記憶されている。この場合において、各グループにおいて、人が上述の方法で、釦24aを長押しした後に釦24aを押圧することで実現される光照射状態を1つ設定する。但し、人は、実現できる光照射状態のうちで最大の明るさを有する光照射状態を設定する。
【0077】
すると、リモコン20の空釦の数に応じて、残りの光照射状態のうちで、デフォルトで予め設定されていない光照射状態が自動的に設定される。例を挙げると、人が表1に示す候補から全灯(パネル光100%)を選択すると、制御部21aが記憶部21bに予め記憶されている自動設定のプログラムを参照して、リモコンの空釦の数に応じて明るさを均等に割り当てる算出を行う。
【0078】
具体的には、図5に示すリモコン20の例では、空釦が、24b~24eの4つであるので、制御部21aが(100%÷(4+1))=20%を算出し、空釦の明るさが自動的に80%、60%、40%、20%と設定される。よって、グループ1において釦24aを長押しした後に釦24aを押圧することで実現される光照射状態が、人が設定したパネル光100%の光照射状態になり、グループ1において釦24aを長押しした後に釦24bを押圧することで実現される光照射状態が、自動設定されたパネル光80%の光照射状態になる。また、グループ1において釦24aを長押しした後に釦24cを押圧することで実現される光照射状態が、自動設定されたパネル光60%の光照射状態になり、グループ1において釦24aを長押しした後に釦24dを押圧することで実現される光照射状態が、自動設定されたパネル光40%の光照射状態になる。また、グループ1において釦24aを長押しした後に釦24eを押圧することで実現される光照射状態が、自動設定されたパネル光20%の光照射状態になる。なお、グループ1において釦24aを長押しした後に「消灯」と記載された釦24fを押圧すると消灯となるのは、第1実施例と同一である。また、2以上のグループでこの操作を同時に実行できることも図7を用いて行った説明から明らかである。
【0079】
(照明器具毎の器具光照射状態の設定)
上述の実施例及び変形例では、グループに所属する照明器具毎の器具光照射状態の設定を、同じグループに所属する他の照明器具の器具光照射状態に対して独立に行うことができなかった。しかし、無線リモコンは、1以上のグループに関して、少なくとも1つの照明器具が照射することが可能な1以上の器具光照射状態を、複数の異なる器具光照射状態から選択するための器具光選択操作部を備えてもよい。
【0080】
そのような器具光選択操作部の構成及びそれを用いた動作は無限に存在するが、そのうちで、無線リモコンが、リモコン20である場合に実現可能である一例について説明すると、照明システムが備える各照明器具は、識別子、例えば、RFタグ(radio frequency)、バーコード、又はQRコード(登録商標)等を有してもよい。そして、識別子が、例えば、RFリーダ等の読み取り機器、及び読み取り機器と無線リモコンの通信等を通じて無線リモコンの記憶部に予め記憶されていてもよい。
【0081】
また、各グループにおいて各照明器具と釦24a~24eのいずれかが対応づけられていてもよい。また、照明器具毎に器具光照射状態の複数の候補(上で説明したように有限でも無限でも可能)が、予めリモコン20の記憶部21bに記憶されていてもよい。
【0082】
このような条件のもとで、無線リモコンが、各グループの各照明器具に関して、対応する複数の器具光照射状態の候補を所定時間毎に移り替わるように順次再現させる操作を実行可能でもよく、そのような操作を行う操作部を有してもよい。また、無線リモコンが、選択を意図する器具光照射状態が再現されているときに、その再現されている器具光照射状態を対応する照明器具の器具光照射状態として登録する操作を実行可能でもよく、そのような操作を行う操作部を有してもよい。
【0083】
また、照明器具毎に器具個別の器具光照射状態が登録されているときに、照明システムの使用時において、グループ毎に各グループで選択した1以上の照明器具に関し、各照明器具が照明器具毎に設定された器具個別の器具光照射状態を実現する操作が可能でもよく、無線リモコンがそのような操作を行う操作部を有してもよい。
【0084】
なお、今までの説明から明らかなように、この変形例の動作を可能にする具体的な操作は、無数(無限)に存在するが、いずれの操作が選ばれてもよい。
【0085】
この変形例によれば、1以上のグループにおいてグループに所属する1以上の照明器具が互いに連携して一体となった光照射状態の登録と実現(再現)が可能になるだけでなく、少なくとも1つの照明器具に関し、器具個別の器具光照射状態の登録が可能になると共に、その照明器具に関して、設定された器具個別の器具光照射状態を再現することが可能になる。したがって、リモコン登録の自由度と無線リモコンが再現できる照明シーンの範囲を格段に広範囲なものとできる。
【符号の説明】
【0086】
1 照明システム、 10 照明器具、 13 照明器具の制御装置、 13a 制御部、 13b、 記憶部、 14 送受信部、 15a~15g 押圧部、 20 親リモコン、 21 親リモコンの制御装置、 21a 制御部、 21b 記憶部、 22 送受信部、 23 操作部、 24 照射実行操作部、 24a~24f 釦、 25 設定釦、 30 子リモコン、 120,220 無線リモコン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7