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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-02
(45)【発行日】2023-02-10
(54)【発明の名称】食品及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/32 20060101AFI20230203BHJP
   B65D 65/46 20060101ALI20230203BHJP
【FI】
B65D81/32 K
B65D65/46
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2017568169
(86)(22)【出願日】2016-07-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-07-19
(86)【国際出願番号】 US2016041023
(87)【国際公開番号】W WO2017007779
(87)【国際公開日】2017-01-12
【審査請求日】2019-07-05
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】62/190,693
(32)【優先日】2015-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508122415
【氏名又は名称】モノソル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100137626
【弁理士】
【氏名又は名称】田代 玄
(72)【発明者】
【氏名】中野 一郎
【合議体】
【審判長】藤原 直欣
【審判官】稲葉 大紀
【審判官】藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3074057(JP,U)
【文献】実開昭61-83887(JP,U)
【文献】特開2008-74432(JP,A)
【文献】実開昭62-7883(JP,U)
【文献】特開2011-140333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/32
B65D 81/34
B65D 65/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装製品であって、
内部容積及び開放可能な端を有する調理容器と、
前記調理容器の前記密封された内部容積内に配置された第1の食品と、
液体の形態である第2の食品で充填され、前記調理容器の前記密封された内部容積内に配置された小袋であって、可食性である水溶性フィルムから製造され、可食性の水溶性接着剤により調理容器の壁に接着される、小袋と、を備え
前記水溶性フィルムは、ポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールと、相溶化剤と、室温で固体である糖アルコール可塑剤との水溶性混合物を含み、
前記水溶性フィルムは、およそ10μm~60μmの範囲の厚さ、及び、およそ15g以下の重量を有し、それにより、調理のために前記調理容器に水を追加したときに前記小袋の全体が視認可能な残りの断片なく溶解する、包装製品。
【請求項2】
前記小袋が、前記調理容器の前記開放可能な端が開放されたときに、前記小袋が前記第1の食品により視界から隠れるように、前記第1の食品の少なくとも一部分の真下に位置付けられる、請求項1に記載の包装製品。
【請求項3】
ポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールが、前記水溶性フィルムの総重量に基づいて、およそ35~90重量%の範囲の量である、請求項に記載の包装製品。
【請求項4】
前記糖アルコール可塑剤が、およそ247J/g以下の融解熱、及びおよそ5~35phrの範囲の濃度を有する、請求項に記載の包装製品。
【請求項5】
前記糖アルコール可塑剤が、およそ192J/g~247J/gの範囲の融解熱、及びおよそ20phr以下の濃度を有する、請求項に記載の包装製品。
【請求項6】
前記相溶化剤が、カルボキシメチルセルロースを含み、
前記糖アルコール可塑剤が、キシリトールを含む、請求項1または3のいずれか一項に記載の包装製品。
【請求項7】
前記第1の食品が、即席パスタ、即席米、即席スープ、パン生地を用いた食品、または乾燥食品のうちの少なくとも1つを含む、請求項2~のいずれか一項に記載の包装製品。
【請求項8】
前記第2の食品が、油、胡麻油、ヤシ油、オリーブ油、または液体調味剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項に記載の包装製品。
【請求項9】
第3の食品で充填され、前記調理容器内に配置された、第2の小袋であって、可食性である水溶性フィルムから製造される、第2の小袋を備える、請求項1~のいずれか一項に記載の包装製品。
【請求項10】
前記第2の食品が、油を含み、前記第3の食品が、液体調味剤を含む、請求項に記載の包装製品。
【請求項11】
前記調理容器の前記開放可能な端に取り付けられ、これを密閉する、取り外し可能な蓋を備える、請求項2~10のいずれか一項に記載の包装製品。
【請求項12】
前記調理容器が、
底壁と、
前記底壁から上向きに各々延在する、第1の側壁及び第2の側壁と、
前記調理容器の前記開放可能な端を密閉するように、前記第2の側壁の内部表面に取り外し可能に密封係合する前記第1の側壁の内部表面と、を含む、請求項2~10のいずれか一項に記載の包装製品。
【請求項13】
前記第1の側壁の前記内部表面または前記第2の側壁の前記内部表面のうちの少なくとも1つが、前記調理容器が開放された後に、前記調理容器の前記内部容積を再密封することができるように、再密封機構を含む、請求項12に記載の包装製品。
【請求項14】
食用即席食品を調製する方法であって、
第1の食品、及び液体の形態である第2の食品で充填された小袋を含有する調理容器から蓋を取り外す工程であって、前記小袋が、可食性である水溶性フィルムから製造され、かつ、可食性の水溶性接着剤により調理容器の壁に接着される、工程と、
水を含む調理用流体を前記調理容器に追加して、前記小袋を溶解させ、それによって前記第2の食品の前記第1の食品との分散が最終食品を形成することを可能にする工程と、を含
前記水溶性フィルムは、ポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールと、相溶化剤と、室温で固体である糖アルコール可塑剤との水溶性混合物を含み、
前記水溶性フィルムは、およそ10μm~60μmの範囲の厚さ、及び、およそ15g以下の重量を有し、それにより、前記調理用流体を前記調理容器に追加したときに前記小袋の全体が視認可能な残りの断片なく溶解する、方法。
【請求項15】
調理用流体を前記調理容器に追加する工程が、前記調理容器に熱水を追加することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
水を沸騰させるのに十分な量の時間、電子レンジ内に前記調理容器を置くことを含む、請求項14または15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記小袋が、前記蓋が取り外されたときに、前記小袋が前記第1の食品により視界から隠れるように、前記第1の食品の少なくとも一部分の真下に位置付けられる、請求項1416のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の食品が、即席パスタ、即席米、即席スープ、パン生地を用いた食品、または乾燥食品のうちの少なくとも1つを含む、請求項1417のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の食品が、油、胡麻油、ヤシ油、オリーブ油、または液体調味剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記接着剤がポリビニルアルコール系接着剤である、請求項1に記載の包装製品。
【請求項21】
前記接着剤がポリビニルアルコール系接着剤である、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2015年7月9日に出願された、米国特許出願第62/190,693号の優先権を主張し、その全体的な内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、包装食品に関し、より具体的には、調理中に放出され、即席食品の他の内容物と混合される、調味料または調理用製剤を含む、即席食品に関する。
【背景技術】
【0003】
即席食品は、一般に、保存可能期間が比較的長く、熱水または沸騰水を追加することによって比較的短時間(例えば、数分)で調理することができる、乾燥食品を含む。多くの即席食品は、乾燥食品の味及び/または調理特性を改善するために、1つ以上の材料と共に乾燥食品を包装する。かかる材料の例には、粉末調味料、液体調味料、油、ならびに他の調味料及び調理用製剤が含まれる。
【0004】
乾燥食品と直接接触して保存される場合、材料は、乾燥食品の保存可能期間を短縮する可能性を有する。乾燥食品及び材料を使用前に分けて保存するために、材料は、通常、材料と乾燥食品との間に障壁を提供する小袋内に封入される。
【0005】
従来型の小袋は、典型的に、非可食性の不溶性材料から製造される。その結果、消費者は、調理前に小袋を引き裂き開封し、空にして、捨てなければならない。これらの作業を行うことは、面倒であり、即席食品の利便性を損なう。いくつかの事例では、消費者が、ハサミを使用して小袋を切り開くことを必要とされる場合さえあり得る。さらに、消費者が小袋を引き裂くか、または切り開くことを必要とされると、材料がこぼれる可能性が増大する。
【0006】
本開示は、上に述べられている課題または必要性のうちの1つ以上に対処する、即席食品及びその調製方法を記載している。
【発明の概要】
【0007】
本開示の一態様は、調理容器、第1の食品、及び第2の食品で充填された小袋から構成される包装製品を含む。調理容器は、内部容積を有し得、第1の食品及び小袋は、密封された内部容積内に配置され得る。小袋は、水溶性フィルムでもあり、可食性でもある、フィルムから製造され得る。
【0008】
本開示の別の態様は、食用即席食品を調製する方法を提供している。本方法は、第1の食品、及び第2の食品で充填された小袋を含有する調理容器から蓋を取り外す工程を含み得る。小袋は、可食性である水溶性フィルムから製造され得る。本方法は、調理容器に水を追加して、小袋を浸漬及び溶解させる工程をさらに含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の原則に従って構築された包装製品10の一実施形態の断面図である。
図2】その取り外し可能な蓋40が部分的に剥がされた状態の図1の包装製品の平面図である。
図3図1に図示されている小袋18の拡大断面図である。
図4】本開示の原則に従って構築された包装製品60の別の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ヒト及び/または動物の食用即席食品、及びかかる製品を調製する方法を含む、包装食品が、本明細書に開示されている。一般に、本開示による包装食品は、密封された内部容積を有し、密封することができる少なくとも2つの食品を含有する、調理容器を含む。食品の1つは、熱水もしくは沸騰水、または冷水もしくは室温の水であっても、流体を追加することによって比較的迅速に(例えば、数分または数秒以内に)再生することができる、即席麺または即席米等の乾燥食品であり得る。他の食品は、乾燥食品の味を改質する調味料等の調味剤、及び/または乾燥食品の調理性能を改質する油もしくはバター等の調理用製剤であってもよい。保存及び分配中に食品を互いに分けて保存するために、調味料及び/または調理用製剤を、小袋内に封入してもよい。小袋は、調理容器に水を加えたときに小袋が溶解して、その内容物を放出するように、水溶性材料から製造され得る。これにより、消費者が小袋を切りまたは引き裂き開封する必要性が軽減され、よって消費者への利便性を改善し、小袋の内容物が包装製品からこぼれ出る可能性が減少する。水溶性であることに加えて、小袋の材料は、可食性であり得、風味がなくてもよく(少なくともヒトに対して)、その結果、小袋は、調理済み食品の味に影響をほとんどまたは全く与えない。さらに、小袋は、小袋が視界から隠れるように、乾燥食品と容器の底との間に位置付けられ得る。小袋を視界から隠れるように配置することで、消費者が小袋を不必要に引き裂くか、または切り開こうとする可能性が減少する。
【0011】
次に、包装食品の前述の要素及びその調製方法の各々が、より詳細に記載される。
【0012】
図1は、本開示の原則に従って構築された包装食品10の一実施形態の断面図である。包装食品10は、内部容積14を画定する調理容器12と、内部容積14内に配置された第1の食品16と、内部容積14内に配置された小袋18と、小袋18内に密封された第2の食品20(図3を参照)とを含む。少なくとも1つの実施形態において、第1及び第2の食品16及び20は、異なる物質である。1つ超の小袋(例えば、2つ、3つ、4つ、または5つの小袋等)が、調理容器12内に含まれてもよく、小袋の各々は、例えば、同じまたは異なる食品を含有してもよい。包装食品10は、単独の品目として、または複数の他の包装食品を含む小塊状で販売されてもよく、かかる事例では、包装食品を、木箱または箱(図示せず)等の二次的な包装に収容してもよい。
【0013】
調理容器12は、一般的な平坦な底壁32を有する本体30を含んでもよく、その結果、調理容器12は、不注意に落としたり、または転がったりすることなく、平坦な表面上に載置することができる。本体30はまた、底壁32から上向きに延在し、周縁36で終端する、環状側壁34を有し得る(図2を参照)。周縁36は、調理容器12の上部に開口38を画定し得、これは、消費者が、調理目的で水または他の液体を内部容積14に追加すること、ならびに食べるために食品16及び20を取り出す器具を挿入することを可能にする。使用前に調理容器12の内部容積14を密閉するために、取り外し可能な蓋40は、周縁36に取り付け及び/または密封係合し得る。取り外し可能な蓋40を、本体30に対する損傷または永久的な変形を生じさせることなく、消費者が取り外し可能な蓋40を引き剥がすことを可能にする接着剤により周縁36に接着させてもよい。
【0014】
図1及び2に示されているように、調理容器12は、逆円錐台と同様の幾何学的形状を有し得る。このように、開口38は、円形であってもよく、環状側壁34は、垂直方向に対して外向きに傾斜し得る。他の幾何学的形状は、特に、例えば、円柱、四角柱形状、半球、非対称の3次元幾何学的形状を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、環状側壁34は、例えば、把持及び/または装飾目的のために、全体的または部分的に、垂直方向に対して内向きに傾斜していてもよい。
【0015】
調理容器12の本体30は、剛性な水溶性材料から製造される場合があり、調製中に予測される追加された水の温度または加熱された水の温度のそれを超える、融点、ガラス転移点、及び/または結晶点を有し得る。したがって、調理容器12は、沸騰水(100℃)による食品16及び20の調理中に、その形状を保持し得る。いくつかの実施形態において、本体30に対して使用される材料は、生分解性であり得る。本体30に対する好適な材料の非制限的な例には、特に、ラミネート紙、ラミネート厚紙、ポリスチレン、発泡スチロール、生分解性プラスチック、アルミニウム、及びスチールが含まれる。取り外し可能な蓋40は、本体30を変形させることなく、図2に示されているように、消費者が取り外し可能な蓋40を剥がすことができるように、本体30に使用される材料と同じまたは比較的より可撓性の材料から製造され得る。
【0016】
第1及び第2の食品16及び20が調理済みであることが可能な容器の提供に加えて、調理容器12はまた、保存及び分配中に第1及び第2の食品16及び20に対する保護的な包装を提供し得る。さらに、調理容器12は、包装製品10に対するトレードドレスを提供する装飾的な外側表面を有してもよい。
【0017】
図1をさらに参照すると、第1の食品16は、調理容器12の内部容積14を部分的またはほとんど全体的に充填し得る。第2の食品20と比較すると、第1の食品16は、調理容器12の内部容積14の実質的により大きい部分(例えば、過半数)を占有し得る。いくつかの実施形態において、第1の食品16は、熱水もしくは沸騰水の追加によるか、または冷水もしくは室温の水の追加による他の実施形態において再構成される(例えば、水で戻し、任意に調理する)乾燥食品であり得る。本明細書で使用される場合、「室温の水」とは、およそ(例えば、±10%)20~22℃の範囲の温度を有する水を指す。いくつかの実施形態において、第1の食品16を沸騰水もしくは熱水で調理するか、または戻すのにかかる時間は、ほんの数分または数秒であり得る。いくつかの実施形態において、第1の食品16は、麺、即席麺、ラーメン等のパン生地を用いた製品を含んでもよい。代替的または追加的に、第1の食品16は、米、即席米、スープ、即席スープ、乾燥野菜、乾燥果実、及び/または乾燥肉を含んでもよい。
【0018】
第2の食品20は、小袋18内に全体的に含有され得るため、調理前に第1の食品20と混合するか、または別様に相互作用することを防ぎ得る。いくつかの実施形態において、第2の食品20は、第1の食品16の味を改質する調味料として機能し得る。他の実施形態において、第2の食品20は、第1の食品16の味を改質する食感改質剤として機能し得る。追加の実施形態において、第2の食品20は、第1の食品16の調理特性を改質する調理用製剤として機能し得る。第2の食品20は、前述の特性のうちの1つ以上を有してもよい。第2の食品20は、例えば、粉末、固体、ゼラチン、または液体の形態であってもよい。第2の食品20を、標的溶解速度を有するように選択することができる。第2の食品20を、単独での、または第1の食品16と組み合わせた、その味、食感、または調理改質プロファイルに基づいて選択することもできる。第2の食品20の非制限的な例には、調味料(例えば、塩、砂糖、コショウ、香辛料、もしくはそれらの任意の組み合わせ)、油(例えば、ヤシ油、胡麻油、オリーブ油等)、バター、液体ベースのスープ、卵、牛乳(粉末状もしくは液体)、タンパク質(大豆もしくは牛乳系)、水溶性繊維、ビタミン、または前述のものの任意の組み合わせが含まれる。
【0019】
図1に図示されているように、小袋18は、第1の食品16の真下に位置付けられ得る。いくつかの実施形態において、小袋18は、調理容器12の底壁32と直接接触して位置付けられ得る。小袋18を調理容器12の底壁32に、またはその近くに位置付けることによって、小袋18は、第1の食品16により部分的または完全に視界から隠れる場合があり、調理容器12に流体を追加したときに小袋の浸漬を可能にし得る。したがって、小袋18は、取り外し可能な蓋40を取り除いたときに消費者に露わにならない場合があり、小袋18の溶解及び第2の食品20の分散に対する環境が改善される。
【0020】
図1をさらに参照すると、小袋18は、例えば、底壁32及び/または側壁34等の容器12の壁に接着剤42で接着され得る。いくつかの実施形態において、接着剤42は、水溶性であり得る。いくつかの実施形態において、接着剤42は、可食性であり得る。例えば、接着剤42は、ポリビニルアルコール(PVOH)系接着剤である可能性があり、その結果、調理容器12を水に追加したときに、接着剤42は溶解する。接着剤42は、配送及び/または分配中に包装製品10が経験する擦れ合い及び/または振動の結果として、小袋18が調理容器12の上部に移動することを防ぐ助けとなり得る。したがって、接着剤42は、小袋18を第1の食品16の真下に隠れた状態で保存する助けとなり得る。代替的な実施形態において、小袋18を、調理容器12に接着しなくてもよい。
【0021】
次に、図3を参照すると、小袋18は、同じ小袋の単一の仕切りまたは複数の仕切りで、第2の食品20を囲んでもよく、1層以上の水溶性フィルムから形成されてもよい。水溶性フィルムは、水溶性であることに加えて、可食性であることが可能である。いくつかの実施形態において、水溶性フィルムは、商標Vivos(登録商標)フィルムの名でMonoSol LLCにより販売されている、商業用に変性されたPVOH系フィルムのうちの1つである。水溶性フィルムはまた、米国特許出願公開第2014/0199460号で記載されているフィルムのうちの1つ以上であってもよく、その全体は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0022】
図3に図示されている小袋18の実施形態は、水溶性フィルムの上層50及び水溶性フィルムの下層52により形成されている。上層及び下層50及び52は、例えば、接着剤、熱封止、振動溶着、超音波溶着、溶剤溶着、またはそれらの任意の組み合わせを用いて、小袋18の周囲56の周りに共に密封され得る。小袋の内部容積54は、およそ(例えば、±10%)1.25mL~30mL、または15mL~30mL、または25mL~30mL、または1.25mL~15mLの範囲にあり得る。内部容積54は、第2の食品の選択に依存するだろう。より強い風味材料(例えば、香辛性材料)は、より薄い香味料(例えば、魚、ハーブ等)またはより小塊状の材料(例えば、乾燥野菜)より少ない容積を必要とするだろう。
【0023】
上層及び下層50及び52の各々は、およそ(例えば、±10%)10~60μm、または20~50μm、または25~45μm、または30~45μm、または33~43μm、または35~40μm、または38μmの範囲の厚さ58を有し得る。厚さ58は、例えば、水中での小袋18の標的溶解速度または時間、水溶性フィルムを分解する第2の食品20の能力、ならびに/またはフィルムの安定性、溶解プロファイル、及び強度に影響を与える他の要因を含む1つ以上の要因に応じて選択され得る。好ましくは、水溶性フィルムは、調理容器12に水を追加したときに小袋18の全体が溶解するような、かつ調理後に調理容器12内に小袋18の残りの視認可能な断片が残らないような、厚さ58を有する。また、小袋18の全体が溶解することを確実にするために、小袋18の総重量(第2の食品20の重量を除く)は、およそ(例えば、±10%)0.1mg~15gの範囲にあり得る。小袋18の総重量は、第2の食品の選択の選択に依存するだろう。乾燥食品等の乾燥材料は、比較的より小さい重量である一方、より高密度の材料(例えば、油)は、より大きい総重量であるだろう。
【0024】
水溶性フィルムの様々な潜在的な組成物が、「水溶性フィルム」と題された表題部の下で、下により詳細に記載されている。
【0025】
次に、包装製品10を使用する方法が記載される。最初に、消費者は、本体30から、取り外し可能な蓋40を分離または取り外し得る。小袋18が第1の食品16の真下に隠れている場合があるため、消費者に、小袋18が見えない場合があり、したがって、小袋18を調理容器12から取り外そうとしない可能性がある。次に、消費者は、小袋18を浸漬させて、小袋18の第1の食品16及び底壁32の溶解と第2の食品18の分散との間に小袋18を捕捉する調理容器12の内部容積14に、水、または別の可食性及び/もしくは調理用流体を追加し得る。いくつかの実施形態において、追加された水は、沸騰しているか、または室温以上であり、その結果、調理容器12にエネルギーをさらに追加することは、不要である。他の実施形態において、室温の水または冷水であっても、調理容器12の内部容積14に追加してもよい。かかる実施形態において、調理容器12は、その後、水を沸騰させるためのさらなるエネルギー(例えば、電子レンジ、オーブン、ストーブ等)に供される場合がある。
【0026】
加熱処理中に、水は、小袋18の水溶性フィルムを溶解し得る。結果として、第2の食品20が、小袋18から放出され、第1の食品16と混合及び/または物理的に相互作用する。このステップは、香味料及び/または第1の食品16の調理特性を改質し得る。上に述べられているように、好ましい実施形態において、小袋18を構築するために使用される水溶性フィルム(複数可)は、小袋18が水中に完全に溶解することを生じさせる厚さ58及び/または総重量を有し得、その結果、小袋18の視認可能な残りの断片は、プロセスの完了時に残らない。最後に、消費者は、プロセスの結果として最終食品に組み合わされ得る第1及び第2の食品16及び20を食し得る。
【0027】
本発明の実施形態の包装製品10は、調理容器12の開放端38を被覆するために取り外し可能な蓋40を用いているが、代替的な実施形態において、取り外し可能な蓋は、図4に図示されている包装製品60の実施形態等、省略されている場合がある。ここで、包装製品60は、平坦で剛性な底壁72ならびに第1及び第2の可撓性の側壁74及び76により形成された調理容器62を含む。第1及び第2の可撓性の側壁74及び76は、各々、剛性な底壁72から上向きに延在する。
【0028】
いくつかの実施形態において、第1の可撓性の側壁74の内部表面78の上端は、密封係合しており、かつ/または第2の可撓性の側壁76の内部表面80の上端に直接接続される。いくつかの実施形態において、密封は、例えば、接着剤、熱封止、振動溶着、超音波溶着、溶剤溶着、またはそれらの任意の組み合わせを用いて達成され得る。この密封は、第1及び第2の可撓性の側壁74及び76を互いに引っ張ることにより、消費者が永久的に破る場合がある。図4に図示されているような他の実施形態において、第1の可撓性の側壁74の内部表面78の上端は、再密封機構82により、第2の可撓性の側壁76の内部表面80の上端に直接接続され得る。係合されるとき、再密封機構82は、水84または調理容器62の内部の他の液体が、調理容器62の上端を通して漏れ出ることを抑制するか、または防ぐ。再密封機構は、第1の可撓性の側壁74の内部表面78及び第2の可撓性の側壁76の内部表面80のうちの1つまたは両方上に配置された、プラスチック帯及び/または突起部(図示せず)を相互連結し得る。スライダ(図示せず)が、相互連結しているプラスチック帯及び/または突起部に係合及び係合解除するように、前後にスライドすることができる調理容器62の外部上に提供され得る。したがって、調理容器62を、消費者が繰り返し開閉することができる。これにより、調理済みの第1及び第2の食品16及び20の一部分を食べた後に調理容器62を再密封し、残り物を後で食べるために保存する能力を消費者に提供し得る。
【0029】
水溶性フィルム
小袋18を構築するために使用される様々な例示的な組成物または水溶性フィルムが、下に記載されている。下に記載されている組成物のいくつかまたはすべてが、ヒトの食用に安全であり得る。
【0030】
いくつかの実施形態において、水溶性フィルムは、第1の水溶性ポリマーと、ポリマー相溶化剤(例えば、セルロースエーテルポリマーまたは変性デンプン)と、室温で固体である糖アルコール可塑剤との水溶性混合物を含み得る。任意に、水溶性フィルムは、可食性であり得る。少なくとも1つの実施形態において、水溶性フィルムは、透明であり、長期間、その透明度を維持する能力を有し得る。本明細書に開示されている水溶性フィルムは、包装材料として使用するための熱成形性(例えば、小袋への)及び好適な靱性を含む、1つ以上の他の任意の利点を有する可能性がある。例えば、任意の可食性の実施形態を、例えば、包装として使用するための好適な堅牢性を有するように、本明細書の開示に従って指定することができる。具体的には、本開示の実施形態の1つの種類に従った水溶性フィルムは、予想外に有利な引き裂き強度、さらに任意に、予想外に有利な溶解度を実証することができる。
【0031】
本明細書で使用される場合、「含む」という用語は、特定されているものに加えて、他の製剤、要素、ステップ、または特徴の潜在的な包含を含む。
【0032】
本明細書で使用される場合、別段特定されない限り、センチポイズ(cP)におけるPVOH粘度のすべての測定値は、20℃で4%溶液のものであり、カルボキシメチルセルロース粘度のすべての測定値は、25℃で2%溶液のものである。
【0033】
本明細書で使用される場合「実質的な透明度」は、およそ(例えば、±10%)2.0mmの厚さに成形されたとき、少なくとも30日間保存した後に、本明細書に記載されているX-RITE SP60 Series Sphere Spectrophotometer X-64の色度計、または実質的な等価物により判定されるような、およそ(例えば、±10%)37.0%以下の測定された不透明度を有する水溶性フィルムを指す。
【0034】
本明細書で使用される場合「Δ%の不透明度」とは、本明細書に記載されているX-RITE SP60 Series Sphere Spectrophotometer X-64の色度計、または実質的な等価物により判定されるような、フィルム成形後のt=0でのフィルムの不透明度と調整及び保存後の同じフィルムの不透明度との間の不透明度における変化を指す。
【0035】
本明細書で使用される場合、「改善された透明度」とは、およそ(例えば、±10%)2.0ミルの厚さに成形されたときに、本明細書に記載されているX-RITE SP60 Series Sphere Spectrophotometer X-64の色度計、または実質的な等価物により判定されるような、任意に少なくとも30日間の保存後に、37.0%以下の不透明度を実証する、本明細書の開示による水溶性フィルムを指す。
【0036】
本明細書で使用される場合、「好ましい溶解度」とは、本明細書の開示によるフィルムを指す。使用を企図される厚さに関わらず、およそ(例えば、±10%)2.0ミルの厚さで、23℃の水中に、50秒未満、好ましくは,40秒未満、最も好ましくは30未満で完全に溶解する。
【0037】
本明細書で使用される場合、「良好な引き裂き強度」とは、MSTM 107RD Standard Test Method for Propagation Tear Resistance of Polyvinyl Alcohol Filmに従って、エルメンドルフ引き裂き試験機型番40043、または等価物によって測定されるような、23℃+/-3℃での少なくとも400g/ミルの引き裂き強度、及び35%RH+/-5%の相対湿度(RH)を指す。
【0038】
本明細書で使用される場合、別段特定されない限り、「重量%(wt.%)」及び「重量%(wt%)」という用語は、全体的なフィルム(適用可能であるとき)の重量による「乾燥」(非水)部分、または小袋(適用可能であるとき)内に包含された全体的な組成物の重量による部分における特定された要素の組成物を指すことを企図している。本明細書で使用される場合、別段特定されない限り、「phr」という用語は、100個の部分の水溶性PVOH樹脂当たりの部分における特定された要素の組成物を指すことを企図している。
【0039】
水溶性フィルム、その中に使用される任意の材料、及びその製造方法は、当該技術分野においてよく知られている。1つの種類の実施形態において、水溶性フィルムには、ポリビニルアルコール(PVOH)が含まれる。PVOHは、ポリビニルアセテートの、通常、加水分解または鹸化と呼ばれるアルコール分解により一般的に調製される合成樹脂である。事実上すべてのアセテート基がアルコール基に変換された、完全に加水分解されたPVOHは、およそ(例えば、±10%)140°F(60℃)より高温の熱水中でのみ溶解する、強い水素結合の高結晶性ポリマーである。十分な数のアセテート基がポリビニルアセテートの加水分解後に残ることを可能にされた場合、次に、PVOHポリマーは部分的に加水分解されているものとして知られており、より弱い水素結合であり、結晶性が低く、およそ(例えば、±10%)50°F(10℃)未満の冷水で溶解可能である。中間冷水/温水可溶性フィルムは、例えば、中間の部分的に加水分解されたPVOH(例えば、およそ(例えば、±10%)94%~およそ(例えば、±10%)98%の加水分解の程度の)を含むことができ、例えば、およそ(例えば、±10%)40℃以上の温度での急速な溶解等、温水でのみ容易に溶解可能である。部分的に加水分解された種類は、技術的にビニルアルコール・ビニルアセテート共重合体であるが、完全及び部分的に加水分解されたPVOHの種類は、一般にPVOHホモポリマーと称される。
【0040】
本開示の水溶性フィルム中に含まれるPVOHの加水分解(DH)の程度は、およそ(例えば、±10%)75%~およそ(例えば、±10%)99%である可能性がある。加水分解の程度が減少されると、樹脂から製造されたフィルムは、およそ(例えば、±10%)20℃未満の温度での機械的強度は減少するが溶解度は速くなるだろう。加水分解の程度が増加すると、樹脂から製造されたフィルムは、機械適用度が強くなる傾向があり、熱成形性が減少する傾向があるだろう。PVOHの加水分解の程度を、樹脂の水溶解度が温度依存性であるように選択することができるため、樹脂、相溶化剤ポリマー、及び追加の材料から製造されたフィルムの溶解度にも影響を与える。1つの種類の実施形態において、フィルムは、冷水可溶性である。10℃未満の温度の水に溶解可能な冷水可溶性フィルムは、およそ(例えば、±10%)75%~およそ(例えば、±10%)90%の範囲の、またはおよそ(例えば、±10%)80%~およそ(例えば、±10%)90%の範囲の、またはおよそ(例えば、±10%)85%~およそ(例えば、±10%)90%の範囲の加水分解の程度を有するPVOHを含むことができる。別の種類の実施形態において、フィルムは、熱水可溶性である。例えば、熱水可溶性フィルムは、本明細書に記載されている第2の食品を包含する小袋等の用途に有利である。少なくともおよそ(例えば、±10%)60℃の温度で水に溶解可能な熱水可溶性フィルムは、少なくともおよそ(例えば、±10%)98%の加水分解の程度を有するPVOHを含むことができる。
【0041】
PVOHに加えて、またはPVOHの代わりに使用する、他のフィルム成形水溶性樹脂には、限定されないが、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、水溶性アクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン、プルラン、限定されないが、グアーガム、キサンタンガム、カラギーナン、及びデンプンを含む、水溶性天然ポリマー、限定されないが、エトキシル化デンプン及びヒドロキシプロピル化デンプンを含む、水溶性ポリマー誘導体、前述のものの共重合体、ならびに前述のもののうちのいずれかの組み合わせを含むことができる。
【0042】
水溶性ポリマーは、例えば、およそ(例えば、±10%)30重量%~およそ(例えば、±10%)90重量%の範囲の量でフィルム組成物内に含まれる可能性がある。すべての可塑剤、相溶化剤、及び二次的な添加物の組み合わされた量と比較して、水溶性ポリマーの量の重量比は、例えば、およそ(例えば、±10%)0.5~およそ(例えば、±10%)9、およそ(例えば、±10%)0.5~およそ(例えば、±10%)5、またはおよそ(例えば、±10%)1~3、またはおよそ(例えば、±10%)1~2の範囲にある可能性がある。
【0043】
本明細書に記載されているフィルム内に使用するための水溶性ポリマー(限定されないが、PVOHポリマーを含む)は、およそ(例えば、±10%)3.0~およそ(例えば、±10%)27.0cP、またはおよそ(例えば、±10%)3.0cP~およそ(例えば、±10%)15cP、またはおよそ(例えば、±10%)6.0~およそ(例えば、±10%)10.0cPの範囲の粘度により特徴付けることができる。PVOHポリマーの粘度は、British Standard EN ISO15023-2:2006Annex E Brookfield Testの方法で記載されているULアダプタによるブルックフィールドLV型粘度計を用いて、新たに製造された溶液を測定することにより判定される。20℃での4%水性ポリビニルアルコール溶液の粘度を記載することは、国際的慣行である。本明細書で特定されているcPにおけるすべての粘度は、別段特定されない限り、20℃での4%水性ポリビニルアルコール溶液の粘度を指すことが理解されるべきである。
【0044】
PVOHポリマーの粘度が、同じPVOHポリマーの重量平均分子量
【化1】
と相関があり、
【化2】
に対する代用品としてよく使用されることは、当該技術分野でよく知られている。したがって、水溶性ポリマーの重量平均分子量は、およそ(例えば、±10%)30,000~およそ(例えば、±10%)175,000、またはおよそ(例えば、±10%)30,000~およそ(例えば、±10%)100,000、またはおよそ(例えば、±10%)55,000~およそ(例えば、±10%)80,000の範囲にある可能性がある。
【0045】
1つの種類の実施形態において、水溶性ポリマーの分子量は、およそ(例えば、±10%)55,000~およそ(例えば、±10%)80,000の範囲にある。予想外なことに、およそ(例えば、±10%)55,000~およそ(例えば、±10%)80,000の範囲の分子量を有するポリマーを含む、本開示による水溶性フィルムは、透明度が改善されることを実証している。水溶性ポリマーの分子量が過度に高い場合、結果として生じる水溶性フィルムは、実質的な透明度を維持しない。
【0046】
1つの種類の実施形態において、ソルビトールのおよそ(例えば、±10%)8cps及び10phrの4%溶液粘度を有する、PVOH(例えば、およそ(例えば、±10%)87.7%加水分解された)の混合物を含む水溶性フィルムは、30日間実質的な透明度を実証することができる。対照的に、ソルビトールの23cps及び10phrの粘度を有する、PVOH(およそ(例えば、±10%)87.7%加水分解された)の混合物を含む水溶性フィルムは、4日間のみ、実質的な透明度を実証している。
【0047】
いくつかの実施形態において、本開示の水溶性フィルムは、室温で固体である糖アルコール可塑剤に対する相溶化剤を含むことができる。本明細書で使用される場合、「相溶化剤」は、およそ(例えば、±10%)15phr~およそ(例えば、±10%)20phr(およそ(例えば、±10%)2:1~およそ(例えば、±10%)1:2~室温で固体である糖アルコール可塑剤の割合)の割合で水溶性フィルム内に含まれるときに、別様に、水溶性フィルムの透明度を失わせるであろう糖アルコール荷重で透明度を維持する水溶性フィルムを生じる成分である。例えば、相溶化剤を含む水溶性フィルムは、別様に、相溶化剤を含まない同一のフィルムより長期間、2.0%以下のΔ%不透明度を維持することができる。相溶化剤は、およそ(例えば、±10%)10hr~およそ(例えば、±10%)25phrの範囲で、またはおよそ(例えば、±10%)13phr~およそ(例えば、±10%)22phrの範囲で、またはおよそ(例えば、±10%)15phr~およそ(例えば、±10%)20phrの範囲で本開示の水溶性フィルム内に含まれる可能性がある。水溶性フィルム内に含まれる相溶化剤の量が減少されると、水溶性フィルムは、透明度を失う傾向がある。水溶性フィルム内に含まれる相溶化剤の量が増加されると、水溶性フィルムは、より脆弱になり、溶解時間がよりゆっくりとなる。
【0048】
好適な相溶化剤には、限定されないが、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル、その塩、ペクチン多糖、アルギン酸ナトリウム多糖、酸変性、ヒドロキシプロピル化デンプン(例えば、Grain Processing Corporation,Muscatine,Iowaから入手可能なPure-Cote B760またはB790)、ヒドロキシエチルデンプン(例えば、Tate & Lyle Ingredients Americas LLC,2200 E.Eldorado Street,Decater,ILから入手可能なEthylex 2035)等の変性デンプン、ならびに前述のもののうちのいずれかの組み合わせが含まれる。1つの種類の実施形態において、相溶化剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)が含まれる。CMCの置換の程度は、例えば、およそ(例えば、±10%)0.60~およそ(例えば、±10%)0.95である可能性がある。本明細書で使用される場合、「置換度」とは、単量体単位当たりのカルボキシルメチルナトリウム基(CH2COO(Na))と置換された水酸基の数を指す。1つの種類の実施形態において、CMCの2%水溶液の粘度は、ブルックフィールドLV型粘度計上で、25℃で測定されるように、およそ(例えば、±10%)20~およそ(例えば、±10%)80cPの範囲にある。別の種類の実施形態において、相溶化剤は、ヒドロキシプロピル化デンプンを含む。1つの種類の実施形態において、ヒドロキシプロピル化デンプンは、9.1%水分含有量、およそ(例えば、±10%)6.3のpH、0.20重量%の灰分含有量、及び0.173重量%のタンパク質含有量を有する可能性がある。別の種類の実施形態において、相溶化剤は、ヒドロキシエチルデンプンを含む。エトキシ化の程度は、ポリマーの総重量により分割された置換単位の総重量として、例えば、およそ(例えば、±10%)2重量%~およそ(例えば、±10%)3重量%である可能性がある。
【0049】
本開示による水溶性フィルムは、室温で固体である糖アルコール可塑剤をさらに含む。室温で固体である糖アルコール可塑剤には、限定されないが、イソマルト、マルチトール、ソルビトール、キシリトー、エリスリトール、アドニトール、ズルシトール、ペンタエリスリトール、マンニトール、及びそれらの組み合わせが含まれる。好適な糖アルコールは、Rochem Intl.(Ronkonkoma,NY)、Roquette(Lestrem,France)、及びSigma-Aldrich Co,LLC(St.Louis,MO)から入手可能である。
【0050】
室温で固体である糖アルコール可塑剤は、およそ(例えば、±10%)5phr~およそ(例えば、±10%)35phr、またはおよそ(例えば、±10%)5phr~およそ(例えば、±10%)25phr、またはおよそ(例えば、±10%)10phr~およそ(例えば、±10%)25phr、またはおよそ(例えば、±10%)10phr~およそ(例えば、±10%)25phr、例えば、10phr、15phr、20phr、25phr、または30phrの範囲の量で、本開示の水溶性フィルム内に含まれ得る。室温で固体である糖アルコール可塑剤は、相溶化剤と室温で固体である糖アルコール可塑剤との割合が、およそ(例えば、±10%)2:1~1:2、例えば、およそ(例えば、±10%)2:1、およそ(例えば、±10%)1.9:1、およそ(例えば、±10%)1.8:1、およそ(例えば、±10%)1.7:1、およそ(例えば、±10%)1.6:1、およそ(例えば、±10%)1.5:1、およそ(例えば、±10%)1.4:1、およそ(例えば、±10%)1.3:1、およそ(例えば、±10%)1.2:1、およそ(例えば、±10%)1.1:1、およそ(例えば、±10%)1:1、およそ(例えば、±10%)0.9:1、およそ(例えば、±10%)0.8:1、およそ(例えば、±10%)0.7:1、およそ(例えば、±10%)0.6:1、及び/またはおよそ(例えば、±10%)0.5:1の範囲にあるような量で本開示の水溶性フィルム内に存在している可能性がある。いくつかの実施形態において、水溶性フィルム内に含まれる糖アルコールの量が増加すると、水溶性フィルムの透明度は、悪影響を受ける。水溶性フィルム内に含まれる糖アルコールの量が減少されると、水溶性フィルムの溶解度は、悪影響を受ける。すなわち、例えば、一定温度で、等しい厚さのフィルムは、溶解により長い時間がかかるだろう。
【0051】
1つの種類の実施形態において、室温で固体である糖アルコール可塑剤は、室温で固体である2つ以上の糖アルコール可塑剤を含む。2つ以上の糖アルコール可塑剤は、任意の相対的な量でフィルム組成物内に含まれる可能性がある。例えば、2つ以上の糖アルコール可塑剤は、等しい量でフィルム組成物内に含まれる可能性があるか、または室温で固体である糖アルコール可塑剤のうちの1つは、商業供給業者により提供されているような別の糖アルコール可塑剤内の微量不純物である可能性がある。別の種類の実施形態において、室温で固体である糖アルコール可塑剤は、比較的高い融解熱(例えば、247J/g超、または192J/g超)を含む糖アルコール可塑剤、及び比較的低い融解熱(それぞれ、例えば、247J/g未満、または192J/g未満)を有する第2の糖アルコール可塑剤を含むだろう。
【0052】
1つの種類の実施形態において、室温で固体である糖アルコール可塑剤は、イソマルト、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、アドニトール、マンニトール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、さらに任意に、水溶性フィルム内に存在する相溶化剤と糖アルコールとの割合は、およそ(例えば、±10%)2:1である。下に記載されているように、およそ(例えば、±10%)2.0ミルの厚さに成形された、この種類の実施形態による水溶性フィルム(記載されている相溶化剤と糖アルコールとの割合を含む)は、相溶化剤が含まれていないことを除いて同様の組成物からなる水溶性フィルムより、少なくとも4日間超、または少なくとも21日間超、または少なくとも25日間超、2.0%以下のΔ%不透明度を維持した。
【0053】
別の種類の実施形態において、室温で固体である糖アルコール可塑剤は、イソマルト、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、アドニトール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、さらに任意に、水溶性フィルム内に存在する相溶化剤と糖アルコールとの割合は、2:1未満である。およそ(例えば、±10%)2.0ミルの厚さに成形された、この種類の実施形態に従った水溶性フィルム(記載されている相溶化剤と糖アルコールとの割合を含む)は、CMCが含まれていないことを除いて同様の組成物からなる水溶性フィルムより、少なくとも12日間超、または少なくとも19日間超、または少なくとも23日間超、または少なくとも28日間超、2.0%以下のΔ%不透明度を維持することが示された。
【0054】
予想外なことに、炭素数、分子量、または糖アルコールの構造(直鎖状対環状または構造異性体)と、相溶化剤による糖アルコールの相溶化との間に相関がないことが発見された。すなわち、相溶化剤を含む水溶性フィルムの透明度の改善を、炭素数、分子量、または糖アルコールの構造(直鎖状対環状または構造異性体)に基づいて予測することはできなかった。上に述べられているように、本明細書で使用される場合、「透明度の改善」とは、分光光度計により測定されるような、37.0%以下、例えば、36.8%以下、または36.6%以下の不透明度を実証する水溶性フィルムを指す。受容不能な量の水溶性フィルムは、水溶性フィルムが37.2%以上、37.3%以上、または37.4%以上の不透明度を有するときに生じる。さらに予想外なことに、透明度が改善された水溶性フィルム(同じ糖アルコールで相溶化剤を含まないフィルムに対して)を生じる、所与の相溶化剤/糖アルコールの組み合わせの能力を、糖アルコールの融解熱に基づいて予測することができる。1つの種類の実施形態において、改善された透明度は、およそ(例えば、±10%)247J/g以下の融解熱により特徴付けられる、室温で固体である糖アルコール可塑剤が、およそ(例えば、±10%)20phr以下の量で相溶化剤を含む、水溶性フィルムに内に含まれるときに実証される。およそ(例えば、±10%)20phr以下の量で相溶化剤を含む水溶性フィルム内に含まれるときに改善された透明度を実証する好適な糖アルコール可塑剤は、イソマルト、マルチトール、ソルビトール、アドニトール、及びキシリトール、ならびにそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含むか、本質的にこれらからなるか、またはこれらからなることができる。例えば、247J/gの融解熱を有する、10phrのキシリトールを含む水溶性フィルムは、30日後に36.6の不透明度を実証することが示された。対照的に、289J/gの融解熱を有する、10phrのペンタエリスリトールを含む水溶性フィルムは、30日後に38.6の不透明度を実証し、望ましくない曇りを有した。別の非排他的な種類の実施形態において、改善された透明度は、およそ(例えば、±10%)247J/g以下の融解熱により特徴付けられる、室温で固体であり、共通平面内の少なくとも2つの隣接する非立体障害水酸基を有する、アルコール可塑剤が、およそ(例えば、±10%)20phr以下の量で水溶性フィルム内に含まれるときに実証される。理論により束縛されるものではないが、共通平面内の少なくとも2つの隣接する非立体障害水酸基は、糖アルコールの水酸基のPVOHの水酸基との水素結合をより好むと考えられている。さらに、理論により束縛されるものではないが、糖アルコールのPVOHとの水素結合相互作用が、フィルム形成において糖アルコールを安定化し、247J/g以下の融解熱により特徴付けられる、糖アルコールのより大きい荷重を可能にすると考えられている。別の種類の実施形態において、改善された透明度は、およそ(例えば、±10%)192J/g以下の融解熱により特徴付けられる、室温で固体である糖アルコール可塑剤が、およそ(例えば、±10%)25phr~およそ(例えば、±10%)35phr、またはおよそ(例えば、±10%)30phrの量で相溶化剤を含む、水溶性フィルム内に含まれるときに実証される。およそ(例えば、±10%)25phr~およそ(例えば、±10%)35phr、またはおよそ(例えば、±10%)30phrの量で相溶化剤を含む水溶性フィルム内に含まれるときに改善された透明度を実証する、好適な糖アルコール可塑剤には、限定されないが、イソマルト、ソルビトール、及びそれらの組み合わせが含まれる。例えば、192J/gの融解熱を有する、30phrのソルビトールを含む、水溶性フィルムは、30日後に35.7の不透明度を実証することが示された。対照的に、232J/gの融解熱を有する、30phrのアドニトールを含む、水溶性フィルムは、30日後に42.4の不透明度を有し、望ましくない曇りの外観を有した。別の非排他的な種類の実施形態において、改善された透明度は、およそ(例えば、±10%)192J/g以下の融解熱により特徴付けられる、室温で固体であり、共通平面内の少なくとも2つの隣接する非立体障害水酸基を有する、糖アルコール可塑剤が、およそ(例えば、±10%)25phr~およそ(例えば、±10%)35phr、例えば、30phrの量で水溶性フィルム内に含まれるときに実証される。理論により束縛されるものではないが、共通平面内の少なくとも2つの隣接する非立体障害水酸基は、糖アルコールの水酸基のPVOHの水酸基との水素結合をより好むと考えられている。さらに、理論により束縛されるものではないが、糖アルコールのPVOHとの水素結合相互作用は、フィルム形成において糖アルコールを安定化し、192J/g以下の融解熱により特徴付けられる、糖アルコールのより大きい荷重を可能にすると考えられている。
【0055】
1つの種類の実施形態において、水溶性フィルムは、PVOHと、CMCと、キシリトールと、ソルビトールとの混合物を含む。CMCとキシリトールとの割合は、例えば、3:1である可能性があり、相溶化剤と室温で固体である糖アルコール可塑剤全体との割合は、およそ(例えば、±10%)2:1~1:2の範囲にある。予想外なことに、3:1のCMCとキシリトールとの割合を含む、水溶性フィルムは、好ましい溶解度及び良好な引き裂き強度の両方を実証した。上に記載されているように、本明細書で使用されるとき、「好ましい溶解度」とは、およそ(例えば、±10%)2.0ミルの厚さで、23℃の水中に、50秒未満、好ましくは40未満、最も好ましくは30秒未満で完全に溶解するフィルムを指す。本明細書で使用される場合、「良好な引き裂き強度」とは、下の引き裂き強度の測定値の節に記載されているように、エルメンドルフ引き裂き試験機型番40043、または等価物により測定されるような、少なくとも400g/ミルの引き裂き強度を指す。驚くべきことに、3:1のCMCとキシリトールとの割合を含む水溶性フィルムは、キシリトールが主な成分であるCMCとキシリトールとの割合を含む水溶性フィルムより溶解速度が速かった。3:1のCMCとキシリトールとの割合を含む水溶性フィルムの溶解速度はまた、CMCを含まないことを除いて同じ組成物からなる水溶性フィルムが溶解する速度と比較可能であった。CMC及びキシリトールを含む水溶性フィルムの溶解速度は、CMCがキシリトールより溶解速度が遅いために、水溶性フィルム内のCMCの量が増加したときに減少すると予想されるだろう。
【0056】
さらに予想外なことに、3:1のCMCとキシリトールとの割合を含む水溶性フィルムは、CMCまたはキシリトールのいずれかのみを含む水溶性フィルムに対して引き裂き強度の増加を実証している。CMC及びキシリトールの両方が、PVOHから構成された水溶性フィルムの引き裂き強度を独立して減少させることが知られている。水溶性フィルム内の両成分の包含は、個々の効果を組み合わせて、PVOH系水溶性フィルムの引き裂き強度を、CMCのみを含む水溶性フィルムのPVOHの引き裂き強度と、キシリトールのみを含む水溶性フィルムのPVOHの引き裂き強度との間のあるレベルにまで、減少させることが予想されるだろう。
【0057】
本開示による水溶性フィルムは、限定されないが、室温で液体である可塑剤、界面活性剤、フィルム形成剤、アンチブロッキング剤、内部放出剤、及び他の機能性材料を含む、他の任意の追加の材料を、例えば、その企図された目的に好適な量で含んでもよい。
【0058】
水は、PVOH及び他のポリマーに対する非常に有効な可塑剤として認識されているが、ポリマーフィルムが、低い及び高い相対湿度を含む様々な周囲条件に対する少なくとも部分的な耐性(堅牢性)を有する必要があるため、水の揮発性により、その実用性が制限される。グリセリンは、水より揮発性が非常に低く、PVOH及び他のポリマーに対する有用な可塑剤として確立されている。グリセリンまたは他のかかる液体可塑剤は、フィルム製剤に使用される程度が過度に高い場合に、それ自体で、表面「発汗」及びべたつきを生じさせる可能性がある。これは、表面の粉末化等の方法では発汗が軽減されない場合に、消費者の手への許容できない感覚、さらにはロール上またはシートの束におけるフィルムのブロッキング等のフィルムにおける問題を生じさせる可能性がある。これは、過剰な可塑化として特徴付けられ得るだろう。しかしながら、過剰に少ない可塑剤をフィルムに追加した場合、フィルムは、例えば、小袋等の最終使用形態へと変換されるべき、多くのエンドユーザに対する十分な延性及び柔軟性を欠き得る。
【0059】
本開示の水溶性フィルムに使用される室温で液体である可塑剤には、限定されないが、グリセロール、ジグリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングルコール、テトラエチレングリコール、最大MW400までのポリエチレングリコール、2メチル1,3プロパンジオール、乳酸、及びそれらの組み合わせが含まれる。より少ない可塑剤が使用される際、フィルムは、より脆弱になるが、より多くの可塑剤が使用される際、フィルムは、引っ張り強度を失う。室温で液体である可塑剤は、例えば、およそ(例えば、±10%)25phr~およそ(例えば、±10%)50phr、またはおよそ(例えば、±10%)30phr~およそ(例えば、±10%)45phr、またはおよそ(例えば、±10%)35phr~およそ(例えば、±10%)40phrの範囲の量で水溶性フィルム内に含まれる可能性がある。
【0060】
水溶性フィルムに使用される界面活性剤は、当該技術分野でよく知られている。任意に、界面活性剤は、成形時にポリマー溶液の分散を助けるために含まれる。本開示の水溶性フィルムに好適な界面活性剤には、限定されないが、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、グリセロール及びプロピレングリコールのラクチル化脂肪酸エステル、脂肪酸のラクチル化エステル、アルキル硫酸ナトリウム、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート8、レシチン、グリセロール及びプロピレングリコールのアセチル化脂肪酸エステル、ならびに脂肪酸のアセチル化エステル、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。したがって、界面活性剤は、例えば、およそ(例えば、±10%)2phr未満、例えば、およそ(例えば、±10%)1phr未満、またはおよそ(例えば、±10%)0.5phr未満の量の水溶性フィルム内に含まれる可能性がある。
【0061】
本開示による水溶性フィルムのある種類の実施形態は、水溶性フィルムが可食性であることにより特徴付けられる。この種類の実施形態において、水溶性ポリマーは、PVOH、変性PVOH、限定されないが、グアーガム、キサンタンガム、カラギーナン、及びデンプンを含む、水溶性天然ポリマー、限定されないが、エトキシル化デンプン及びヒドロキシプロピル化デンプンを含む、水溶性ポリマー誘導体、前述のものの共重合体、及び前述のものの組み合わせのうちの1つ以上を含むか、本質的にこれらからなることができるか、またはこれらからなることができる。1つの種類の可食性の実施形態において、水溶性ポリマーは、結果として生じるフィルムが、許容可能な引き裂き強度、溶解度、引っ張り強度、破断点伸び、及び破断エネルギーをいまだ実証することを可能にするであろう、可能な限り最低の量でフィルム組成物内に含まれる。本開示による水溶性フィルム内に包含される任意の材料は、例えば、室温で液体である可塑剤、界面活性剤、相溶化剤、共重合体、及び共フィルム形成剤のうちの1つ以上を含む。液体可塑剤は、グリセロール、ジグリセロール、プロピレングリコール、低分子量ポリエチレングリコール(例えば、液体整合性を有する、例えば、200、300、及び600等の分子量を有する)、モノアセチン、トリアセチン、クエン酸トリエチル、及び1,3-ブタンジオールのうちの1つ以上を含むか、本質的にこれらからなるか、またはこれらからなる可能性がある。界面活性剤は、例えば、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、グリセロール及びプロピレングリコールのラクチル化脂肪酸エステル、脂肪酸のラクチル化エステル、アルキル硫酸ナトリウム、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、レシチン、グリセロール及びプロピレングリコールのアセチル化脂肪酸エステル、ならびに脂肪酸のアセチル化エステルを含むか、本質的にこれらからなるか、またはこれらからなる可能性がある。フィルム形成剤は、プルラン、ペクチン、デンプン、ゼラチン、及びアルギン酸ナトリウムのうちの1つ以上を含むか、本質的にこれらからなるか、またはこれらからなる可能性がある。他の任意の材料は、本開示に鑑みて、当業者に明らかであろう。可食性の水溶性フィルム内に包含される成分は、アメリカ食品医薬品局により「一般に安全と認められる」(GRAS)と指定されている成分、及び/または欧州連合における割り当てられた許容可能なE番号による成分、及び/またはGRASとしてまだ指定されていないか、もしくはE番号が付されていないが、適切な試験を通過し、フィルム内に使用するように提案された量でヒトの食用に安全と実証されている成分である可能性がある。
【0062】
本開示による水溶性フィルムは、非常に実用的な靱性を実証するように、本明細書の開示により指定されている可能性がある。本明細書で使用される場合、「非常に実用的な靱性」とは、本明細書に記載されている範囲内に該当する、引っ張り強度、破断点伸び、及び破断エネルギー値のうちの1つ以上、任意に、引っ張り強度、破断点伸び、及び破断エネルギー値の3つすべての組み合わせを指す。したがって、この態様の本発明によると、本開示による水溶性フィルムは、下の引っ張り強度の測定値の節で記載されているように、Model5543Instron(登録商標)Tensile Tester、または等価物上で測定されるような、少なくともおよそ(例えば、±10%)10N/mm2、またはおよそ(例えば、±10%)12N/mm2超、またはおよそ(例えば、±10%)14N/mm2超、またはおよそ(例えば、±10%)16N/mm2超の引っ張り強度を有する可能性がある。この態様の本発明による水溶性フィルムは、下の引っ張り強度の測定値の節で記載されているように、Mode5543Instron(登録商標)Tensile Tester、または等価物上で測定されるような、少なくともおよそ(例えば、±10%)250%、およそ(例えば、±10%)300%超、またはおよそ(例えば、±10%)350%超、またはおよそ(例えば、±10%)400%超の破断点伸び値を有する可能性がある。この態様の本発明による水溶性フィルムは、下の引っ張り強度の測定値の節で記載されているように、Model5543Instron(登録商標)Tensile Tester、または等価物上で測定されるような、少なくともおよそ(例えば、±10%)0.5J/mm2、またはおよそ(例えば、±10%)1.0J/mm2超、またはおよそ(例えば、±10%)1.23J/mm2超の破断エネルギーを有する可能性がある。1つの種類の実施形態において、本開示による水溶性フィルムは、PVOH、CMC相溶化剤、ならびに室温で固体である糖アルコール可塑剤としてのキシリトール及びソルビトールの組み合わせを含み、CMCと糖アルコール可塑剤との割合は、およそ(例えば、±10%)1.1:1である。この実施形態による水溶性フィルムは、23℃での良好な溶解時間、例えば、およそ(例えば、±10%)22.8秒、良好な引っ張り強度、例えば、およそ(例えば、±10%)21.3N/mm2、良好な破断点伸び、例えば、およそ(例えば、±10%)467.3%、及び良好な破断エネルギー、例えば、およそ(例えば、±10%)1.7J/mm2を実証している。別の種類の実施形態において、本開示による水溶性フィルムは、PVOH、変性デンプン相溶化剤、及び室温で固体である糖アルコール可塑剤としてのキシリトール及びソルビトールの組み合わせを含み、相溶化剤と糖アルコール可塑剤との割合は、およそ(例えば、±10%)1.1:1である。この実施形態による水溶性フィルムは、23℃での良好な溶解時間、例えば、およそ(例えば、±10%)31.4秒、良好な引っ張り強度、例えば、およそ(例えば、±10%)19.6N/mm2、良好な破断点伸び、例えば、およそ(例えば、±10%)497.7%、及び良好な破断エネルギー、例えば、およそ(例えば、±10%)1.5J/mm2を実証している。
【0063】
水溶性フィルムを、水溶性の小袋へと形成することができる。小袋は、当該技術分野ですでに一般に知られている様々な方法を含む。任意の好適な機器及び方法を用いて製造され得る。水溶性フィルムを、任意に、好適な成形に描画することができる。プロセス中に、水溶性フィルムに熱を加えて、熱成形として一般に知られているプロセスを生じることができる。本開示による水溶性フィルムは、熱封止可能である。本明細書で使用される場合、「熱封止可能な」とは、下の熱封止の測定値に記載されているように、およそ(例えば、±10%)275°F~およそ(例えば、±10%)300°F(135℃~およそ(例えば、±10%)150℃)の範囲の温度で熱封止されたときに、フィルムを引き裂くことなしには手で剥がれず、Perrysburg,OHのLako Tool&Manufacturing,Incから入手可能なTS-12 Heat Sealer、または等価物で熱封止されたときに、いかなる分解の指標(すなわち、褐変または気泡)も示さない、フィルムを指す。1つの種類の実施形態において、熱封止可能な水溶性フィルムは、下の引っ張り強度の測定値に記載されているように、下のModel5543Instron(登録商標)Tensile Tester、または等価物上で得られた測定値により判定される際、少なくともおよそ(例えば、±10%)0.30、少なくともおよそ(例えば、±10%)0.32、少なくともおよそ(例えば、±10%)0.35、または少なくともおよそ(例えば、±10%)0.36のピーク荷重比(すなわち、密封ピーク荷重とフィルムピーク荷重との割合)有する。本開示による水溶性フィルムは、熱成形可能である。本明細書で使用される場合、「熱成形可能な」とは、およそ(例えば、±10%)23℃での伸び、及び少なくともおよそ(例えば、±10%)250%、または少なくともおよそ(例えば、±10%)300%の35%相対湿度を有し、熱安定性である、水溶性フィルムを指す。
【0064】
前述の実施形態の水溶性フィルムのいくつかは、透明であるが、本開示の範囲は、透明なフィルムの小袋18を構築することに限定されない。いくつかの実施形態において、小袋18を製造するために使用される水溶性フィルムは、不透明であるか、または実質的に不透明である。またさらなる実施形態において、水溶性フィルムは、調理容器12または62の内壁の色と同様であるか、または全く同じである色を有し得る。一実施形態において、水溶性フィルムは、白色であってもよく、調理容器12または62の内壁も、白色であってもよい。またさらなる実施形態において、水溶性フィルムの色は、調理容器12または62の内部の食品16の色に合致するように選択され得、そのため、これら2つは、視覚的に区別できない。
【0065】
前述のものより、本開示が、有利に、消費者がより便利かつ単純に使用することができる、即席食品、及びその調製方法を提供していることが分かる。本開示による即席食品は、有利に、水に溶解し、消費者に可食性である材料の小袋を含む。したがって、消費者は、即席食品の調理前に、材料の小袋を引き裂き開封し、空にし、かつ/または捨てる必要がない。むしろ、消費者は、単に、包装製品に水を追加することができる。
【0066】
本発明は、様々な実施形態と関連して記載されているが、本発明は、さらなる改変が可能であることが理解されるだろう。本出願は、本発明の原則に一般に従った、本発明が関連する技術範囲内の既知の慣行内の、本開示からのかかる逸脱を含む、本発明の任意の変形例、使用例、または適用例を含めることを企図している。
図1
図2
図3
図4