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特許7220543情報処理装置、ストッカ及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-02
(45)【発行日】2023-02-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、ストッカ及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20230101AFI20230203BHJP
【FI】
G06Q10/08
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018192050
(22)【出願日】2018-10-10
(65)【公開番号】P2020060973
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 淳一
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-212588(JP,A)
【文献】特開2016-212750(JP,A)
【文献】特開2018-036821(JP,A)
【文献】特開2018-122997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施錠可能であり操作者の操作により解錠する納品庫を有するストッカに用いられる情報処理装置であって、
前記納品庫のほかに物品を保管可能である保管場所が定められており、
操作者から物品の保管依頼情報を取得し、使用可能な前記納品庫がなく前記保管場所に物品を保管可能であるときには、前記操作者からの保管依頼に識別情報を付与して記憶部に記憶し、前記保管場所へ前記物品を移動する旨の案内情報を出力する情報制御部、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記情報制御部は、前記操作者の情報を取得し、前記操作者が予め定められた業者であるときには、前記案内情報を出力したあと前記保管場所に前記物品を保管した旨の保管完了情報を取得すると保管依頼された前記物品の保管情報の管理を開始する一方、前記操作者が予め定められた業者でないときには、前記案内情報を出力すると保管依頼された前記物品の保管情報の管理を開始する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報制御部は、操作者から前記識別情報を含む物品の受取依頼情報を取得し、該物品が保管場所に保管されているときには前記納品庫ではない、保管されている前記保管場所で物品を受け取る旨の保管受取情報を出力する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報制御部は、前記操作者の情報を取得し、前記操作者が予め定められた業者であるときには、前記保管受取情報を出力したあと前記保管場所から前記物品を受け取った旨の受取完了情報を取得すると保管されていた前記物品の保管管理を完了する一方、前記操作者が予め定められた業者でないときには、前記保管受取情報を出力すると保管されていた前記物品の保管管理を完了する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ストッカは、画面を表示する表示部を備え、前記情報制御部は、前記案内情報を前記表示部に表示出力させるか、
前記ストッカは、印刷媒体に印刷する印刷部を備え、前記情報制御部は、前記案内情報を前記印刷部に印刷出力させる、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報制御部は、前記保管場所に前記物品を保管した旨の保管完了情報及び/又は前記保管場所から前記操作者が前記物品を受け取った旨の受取完了情報をネットワークを介して取得する、請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
施錠可能であり、操作者の操作により解錠される納品庫と、
請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
を備えたストッカ。
【請求項8】
施錠可能な納品庫を備え、操作者の操作を受け付けて前記納品庫を解錠するストッカに用いられる情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記納品庫のほかに物品を保管可能である保管場所が定められており、操作者から物品の保管依頼情報を取得し、使用可能な前記納品庫がなく前記保管場所に物品を保管可能であるときには、前記操作者からの保管依頼に識別情報を付与して記憶部に記憶し、前記保管場所へ前記物品を移動する旨の案内情報を出力するステップ、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、情報処理装置、ストッカ及び情報処理方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、ストッカシステムとしては、サーバで受け付けられた注文の情報が店舗のホストコンピュータを介して店舗のPOS端末に送られ、店舗のストッカから商品が搬出される際に、注文IDが認証され、これが一致する場合にのみ商品の搬出が可能になるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このストッカでは、店員を介さずに商品の受け渡しを円滑に行いうるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-63504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のストッカシステムでは、ストッカに空きがない場合については考慮されておらず、ストッカに空きがない場合は、システムを利用することができなかった。
【0005】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであり、物品を収容する納品庫が利用できない場合においても、物品の受け渡しを行い装置で物品の管理を行うことができる情報処理装置、ストッカ及び情報処理方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の情報処理装置、ストッカ及び情報処理方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本明細書で開示する情報処理装置は、
施錠可能であり操作者の操作により解錠する納品庫を有するストッカに用いられる情報処理装置であって、
前記納品庫のほかに物品を保管可能である保管場所が定められており、
操作者から物品の保管依頼情報を取得し、使用可能な前記納品庫がなく前記保管場所に物品を保管可能であるときには、前記操作者からの保管依頼に識別情報を付与して記憶部に記憶し、前記保管場所へ前記物品を移動する旨の案内情報を出力する情報制御部、
を備えたものである。
【0008】
この情報処理装置では、操作者から物品の保管依頼情報を取得し、使用可能な納品庫がなく保管場所に物品を保管可能であるときには、操作者からの保管依頼に識別情報を付与して記憶部に記憶し、保管場所へ前記物品を移動する旨の案内情報を出力する。即ち、この情報処理装置では、ストッカの納品庫が全て利用済みである場合は、ストッカ外の保管場所に物品を保管させつつ、その物品の情報管理を行うのである。この情報処理装置では、納品庫が利用できない場合においても、物品の受け渡しを行い、装置でこの物品の情報管理を行うことができる。ここで、ストッカは店舗に配設されており、保管場所は店舗のバックヤードとしてもよい。
【0009】
本開示の情報処理装置において、前記情報制御部は、前記操作者の情報を取得し、前記操作者が予め定められた業者であるときには、前記案内情報を出力したあと前記保管場所に前記物品を保管した旨の保管完了情報を取得すると保管依頼された前記物品の保管情報の管理を開始する一方、前記操作者が予め定められた業者でないときには、前記案内情報を出力すると保管依頼された前記物品の保管情報の管理を開始するものとしてもよい。この情報処理装置では、操作者がストッカシステムを理解している業者の場合は、保管完了情報を入力させたあと物品の情報管理を開始するため、より確実な物品の受け渡し及び情報管理を行うことができる。また、操作者が一般者であるときはこの保管完了情報の入力を省略して物品の情報管理を開始するため、一般者においてもストッカを利用しやすい。
【0010】
本開示の情報処理装置において、前記情報制御部は、操作者から前記識別情報を含む物品の受取依頼情報を取得し、該物品が保管場所に保管されているときには前記納品庫ではない、保管されている前記保管場所で物品を受け取る旨の保管受取情報を出力するものとしてもよい。この情報処理装置では、出力された保管受取情報の内容を確認することによって、操作者が物品の受取先を認識することができる。このとき、前記情報制御部は、前記操作者の情報を取得し、前記操作者が予め定められた業者であるときには、前記保管受取情報を出力したあと前記保管場所から前記物品を受け取った旨の受取完了情報を取得すると保管されていた前記物品の保管管理を完了する一方、前記操作者が予め定められた業者でないときには、前記保管受取情報を出力すると保管されていた前記物品の保管管理を完了するものとしてもよい。この情報処理装置では、操作者がストッカシステムを理解している業者の場合は、受取完了情報を入力させたあと物品の情報管理を完了するため、より確実な物品の受け渡し及び情報管理を行うことができる。また、操作者が一般者であるときは、この受取完了情報の入力を省略して物品の情報管理を完了するため、一般者においてもストッカを利用しやすい。
【0011】
本開示の情報処理装置において、前記ストッカは、画面を表示する表示部を備え、前記情報制御部は、前記案内情報を前記表示部に表示出力させるか、前記ストッカは、印刷媒体に印刷する印刷部を備え、前記情報制御部は、前記案内情報を前記印刷部に印刷出力させるものとしてもよい。この情報処理装置では、案内情報を表示画面上や印刷物で視認することができる。また、印刷物については、担当者に提示するなど、保管場所においても利用することができる。
【0012】
本開示の情報処理装置において、前記情報制御部は、前記保管場所に前記物品を保管した旨の保管完了情報及び/又は前記保管場所から前記操作者が前記物品を受け取った旨の受取完了情報をネットワークを介して取得するものとしてもよい。この情報処理装置では、保管完了情報や受取完了情報をより確実に取得することができる。
【0013】
本開示のストッカは、施錠可能であり操作者の操作により解錠される納品庫と、上述したいずれかに記載の情報処理装置と、を備えたものである。このストッカでは、上述した情報処理装置と同様に、納品庫が利用できない場合においても、物品の受け渡しを行い、ストッカでこの物品の情報管理を行うことができる。
【0014】
本開示の情報処理方法は、
施錠可能であり操作者の操作により解錠する納品庫を有するストッカに用いられる情報処理方法であって、
前記納品庫のほかに物品を保管可能である保管場所が定められており、操作者から物品の保管依頼情報を取得し、使用可能な前記納品庫がなく前記保管場所に物品を保管可能であるときには、前記操作者からの保管依頼に識別情報を付与して記憶部に記憶し、前記保管場所へ前記物品を移動する旨の案内情報を出力するステップ、
を含むものである。
【0015】
この情報処理方法は、上述した情報処理装置と同様に、納品庫が利用できない場合においても、物品の受け渡しを行い、装置でこの物品の情報管理を行うことができる。なお、この情報処理方法において、上述した情報処理装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した情報処理装置の各機能を実現するような構成を追加してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】物品管理システム10及びストッカシステム11の一例を表す概略説明図。
図2】記憶部53に記憶された情報の一例を表す説明図。
図3】保管管理処理ルーチンの一例を表すフローチャート。
図4】表示操作部42に表示する発送画面70の一例を表す説明図。
図5】表示操作部42に表示する納品画面73の一例を表す説明図。
図6】表示操作部42に表示する受取画面74の一例を表す説明図。
図7】表示操作部42に表示する集荷画面75の一例を表す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本開示の実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本開示の一実施形態である物品管理システム10及びストッカシステム11の構成の一例を表す概略説明図である。図2は、制御装置50の記憶部53に記憶された対応情報56及び利用状況情報57の一例を表す説明図である。物品管理システム10は、物流を管理するシステムであり、ストッカシステム11、店舗システム20、配送システム60を含む。
【0018】
ストッカシステム11は、ストッカ管理装置30と、1又は2以上のストッカ40とを備えている。ストッカ管理装置30は、ストッカ40の使用状況などを管理するサーバとして構成されており、ネットワーク13を介してストッカ40と情報のやりとりを行う。ストッカ管理装置30は、制御部31と、通信部38とを備えている。制御部31は、CPU32、記憶部33などにより構成され装置全体の制御を司るものである。記憶部33は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶するものである。通信部38は、ストッカ40などの外部機器と通信を行うものである。記憶部33には、ストッカ情報34や利用情報データベース(DB)35などが記憶されている。ストッカ情報34には、例えば、ストッカシステム11が有するストッカ40の識別番号や配置場所などの情報が含まれる。利用情報DB35には、各ストッカ40に記憶されている対応情報56や利用状況情報57などの情報が集約されて記憶されている。この利用情報DB35は、ストッカ40の現在の利用状況のほか、利用記録も記憶される。
【0019】
ストッカ40は、利用者14が、所望の送り先に物品17を発送する際に用いられると共に、配送集荷場69から配送された物品17を利用者14へ受け渡す際に用いられる装置である。また、ストッカ40は、利用者14が一時的に物品17を保管するコインロッカーとしても利用可能である。ストッカ40は、多数の利用者14が利用可能であり、通勤、通学などの外出時に物品17を受け取ることができるよう、コンビニエンスストアなどの店舗21、オフィス、各種公共施設など様々な場所に設置されている。このストッカ40は、施錠可能な複数(例えば11個)の納品庫41を備えている。納品庫41の各々は、物品17を収容可能な内部空間を有しており、前面の扉44と、扉44の施錠及び解錠を行うロック機構45と、納品庫41内の物品の有無を検出する物品センサ46と、扉44の開閉を検出する開閉センサ47とを備えている。物品センサ46は、光を用いた非接触式のセンサとしてもよいし、素子を用いた接触式のセンサとしてもよい。この納品庫41のひとつには、情報処理装置としての制御装置50が収容され、その扉44には、表示操作部42と、読取装置43と、印刷部49とが配設されている。表示操作部42は、ストッカ40の前面に配置されたタッチパネルであり、物品17の配達集荷者19及び利用者14への各種情報の表示や、配達集荷者19及び利用者14からの各種操作の入力を行う。読取装置43は、利用者14や配達集荷者19などが納品庫41の解錠に用いる解錠コード(例えばパスワード)やIDを読み取るコードリーダである。また、店舗21によっては、物品17を保管可能であるバックヤード22があり、ストッカ40に収容できない物品17をこのバックヤード22に預けることができるように設定されている。各店舗21では、バックヤード22の大きさに応じて、物品17を保管する個数が予め規定されている。ここでは、物品17を保管可能である保管場所としてのバックヤード22をストッカ40の仮想納品庫とも称する。制御装置50は、制御部51と、通信部58とを備えている。制御部51は、CPU52、記憶部53などにより構成され装置全体の制御を司るものである。記憶部53は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶するものである。通信部58は、ストッカ管理装置30などの外部機器と通信を行うものである。記憶部53には、図2に示すように、対応情報56や利用状況情報57などが記憶されている。この対応情報56や利用状況情報57は、利用情報DB35に含まれるものと同様である。ストッカ管理装置30とストッカ40とは、通信を行うことにより、これらの情報を最新のものに同期させる。対応情報56は、業者の識別情報IDと業者名とが対応付けられた情報である。利用状況情報57には、納品庫名(納品庫ID)と、利用状況と、保管している物品17に対応付けられた保管IDなど情報が含まれる。この利用状況情報57には、ストッカ40の納品庫41のIDのほか、バックヤード22の仮想納品庫のIDとその利用状況、保管IDなどが含まれる。利用状況には、使用、未使用のほか、物品17が発送品であり業者の集荷待ちであるか、物品17が配送品であり利用者14の受け取り待ちであるかの情報も含まれる。保管IDは、ストッカ40での保管管理が開始されるときにストッカ40により付与される。ストッカシステム11では、店舗21の仮想納品庫としてのバックヤード22に保管される物品17の情報も利用状況情報57に記録され、その情報管理をストッカシステム11で行うことができる。
【0020】
店舗システム20は、各店舗21の情報を管理するシステムである。店舗21には、1以上のレジがあり、ネットワークを介して情報をやりとりする。店舗21は、例えば、コンビニエンスストアなどであり、物品17の発送をストッカ40を用いて行うことができるようになっている。また、店舗21では、店舗担当員15が受け付けを行い、バックヤード22に物品17を保管する。
【0021】
配送システム60は、物品17を配送、集荷する際の管理に利用されるシステムである。配送管理PC61は、配送集荷場69に配設されたコンピュータであり、物品17の流通状態での情報を管理する。配送管理PC61は、制御部62と、記憶部63と、通信部68とを備えている。制御部62は、CPU、ROM及びRAMなどにより構成され装置全体の制御を司るものである。記憶部63は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶するものである。通信部68は、インターネットなどのネットワーク12、13を介して、他の配送管理PC61やストッカ管理装置30などと通信を行うものである。業者は、この配送管理PC61から、ストッカ管理装置30へストッカ40の使用要求などを送信する。また、業者は、配達集荷者19により、配送集荷場69からストッカ40へ商品17を配送させ、ストッカ40から配送集荷場69へ物品17を集荷する。
【0022】
次に、ストッカシステム11の動作、特に、納品庫41へ物品17を収納し、納品庫41から物品17を取り出す際の処理について説明する。図3は、ストッカ40の制御装置50によって実行される保管管理処理ルーチンの一例を表すフローチャートである。このルーチンは、記憶部53に記憶され、ストッカ40の起動と共に実行される。ここでは、ストッカ40の取扱い経験のある配達集荷者19と、ストッカ40に慣れていない利用者14とがストッカ40を利用する際の処理について説明する。このルーチンが開始されると、制御装置50のCPU52は、まず、表示操作部42に入力があったか否かを判定し(S100)、入力がないときには、表示操作部42に入力があるまで待機する。一方、S100で表示操作部42への入力があったときには、CPU52は、入力内容が物品17の受け付けであるか受け取りであるかを判定する(S110)。CPU52は、例えば、表示操作部42に表示されている画面の入力内容に基づいてこの判定を行うことができる。このとき、CPU52は、表示画面から、操作者から物品の保管依頼の受け付けによる保管依頼情報か、操作者から管理ID(識別情報)を含む物品の受取依頼情報のいずれかを取得する。
【0023】
入力内容が物品17を受け付ける保管依頼情報であるときには、CPU52は、現在、使用可能な納品庫41がストッカ40にあるか否かを判定する(S120)。CPU52は、例えば、利用状況情報57を読み出し、これに含まれる利用状況に基づいて判定することができる。使用可能な納品庫41があるときには、CPU52は、使用可能な1つの納品庫41を解錠し、扉44を開放する(S130)。次に、CPU52は、扉44が閉じられたか否かを開閉センサ47の信号に基づいて判定し(S140)、扉44が閉じられていないときには、そのまま待機する。一方、扉44が閉じられたときには、CPU52は、利用状況情報57を更新し、ストッカ管理装置30へ出力する(S280)。なお、CPU52は、扉44が閉じられた際に、物品センサ46の信号に基づいて物品17があるか否かを確認し、物品17が検出できないときには、その旨のエラー画面を表示する。また、利用状況情報57の更新において、CPU52は、受け付けた納品庫41及び物品17に対応する管理IDを新たに付与し、現在の利用状況を含めて該当する納品庫IDに対応付けて利用状況情報57に記憶させる。
【0024】
一方、S120で使用可能な納品庫41がストッカ40にないときには、外部の保管場所(バックヤード22)に空きがあるか否かを判定し(S150)、外部の保管場所に空きがない場合はその旨のメッセージを表示し(S160)、S290以降の処理を実行する。一方、外部の保管場所に空きがあるときには、CPU52は、操作者が所定業者であるとの情報が読取装置43を介して入力されたか否かを判定する(S170)。このストッカ40では、配達集荷者19は、読取装置43に身分証を読み取らせる処理を行うよう予め設定されている。操作者が所定業者でないときには、CPU52は、操作者が一般の利用者14であると判定し、案内情報としての発送画面70を表示操作部42に表示出力させる(S180)。また、CPU52は、発送画面70の表示出力を行うと共に、店舗21のレジで受け付け可能なバーコードや案内情報としての上記メッセージ表示欄71に表示したメッセージを含むレシートを印刷部49により印刷出力する。利用者14は、このレシートと物品17をレジで店舗担当員15に提出し、保管依頼を完了させる。
【0025】
図4は、表示操作部42に表示する発送画面70の一例を表す説明図である。この発送画面70には、メッセージ表示欄71や入力キー72が配置されている。入力キー72には、例えば、処理を終了させる終了キーや、処理を中止する中止キー、内容の確認を入力する確認キーなどがある。メッセージ表示欄71には、外部の保管場所へ物品17を移動する旨の案内情報が表示出力される。店舗21では、外部の保管場所の利用時には、店舗担当員15がレジで物品17の保管依頼を受け付けし、物品17を外部の保管場所へ移動するよう定められている。このため、ここでは、メッセージ表示欄71には、物品17を店舗21のレジへ移動する旨のメッセージが表示される。利用者14は、この表示内容を確認し、レシートと物品17をレジへ提出する。
【0026】
一方、S170で操作者が所定業者である情報が入力されたときには、CPU52は、入力がストッカ40の取扱い経験のある配達集荷者19であると判定し、案内情報としての納品画面73を表示操作部42に表示出力させる(S190)。図5は、表示操作部42に表示する納品画面73の一例を表す説明図である。納品画面73は、発送画面70と同様に、メッセージ表示欄71と入力キー72とが配置されている。この納品画面73のメッセージ表示欄71には、物品17を店舗21のレジへ移動する旨のメッセージと、バックヤード22での物品17の保管を依頼したのち表示操作部42で保管完了を入力する旨のメッセージとが表示される。また、納品画面73の表示時に、CPU52は、上述と同様にバーコードや案内情報としての上記メッセージを含むレシートを印刷部49により印刷出力する。配達集荷者19は、このレシートと物品17を持ち、レジで店舗担当員15に提出して保管依頼を完了させたのち、表示操作部42から保管完了した旨の入力を行う。このストッカシステム11では、操作者がストッカ40の取扱い経験のある配達集荷者19のときは、物品17のバックヤード22への保管依頼の完了時には、その旨の情報をストッカ40に入力させることによって、より確実な管理を行うのである。一方、操作者がストッカ40に不慣れな一般の利用者であるときは、この入力を省略させるのである。そして、CPU52は、レジでの物品17の保管依頼後に保管完了情報を表示操作部42から入力されるまで待機する(S200)。
【0027】
S180のあと、又はS200で表示操作部42から保管完了情報が入力されると、CPU52は、保管依頼された物品17に対応付けられる管理IDを付与してこの物品17の保管管理を開始し(S210)、S280で利用状況情報57を更新すると共に、更新した利用状況情報57をストッカ管理装置30へ出力する。利用状況情報57の更新において、CPU52は、受け付けた仮想納品庫及び物品17に対応する管理IDを新たに付与し、該当する納品庫IDの利用状況を使用中に変更し利用状況情報57に記憶させる。
【0028】
一方、S110で入力内容が物品17を受け取る受取依頼情報であるときには、CPU52は、納品庫41に保管された物品17の受け取りであるか否かを利用状況情報57に含まれる利用状況の情報に基づいて判定する(S220)。納品庫41からの受け取りであるときには、CPU52は、認証を伴ったS130での解錠処理、S140での扉44の閉鎖を判定し、S280で利用状況情報57を更新してストッカ管理装置30へ出力する処理を行う。S130では、CPU52は、受取用のIDとパスワードとを入力させ、認証処理を行い解錠する。CPU52は、入力されたパスワードが認証できない場合はその旨のエラー画面を表示する。また、S140においては、CPU52は、扉44が閉じられたか否かを開閉センサ47の信号に基づいて判定する。なお、CPU52は、扉44が閉じられた際に、物品センサ46の信号に基づいて物品17があるか否かを確認し、物品17があるときには、その旨のエラー画面を表示する。また、利用状況情報57の更新において、CPU52は、受け取りが完了した納品庫41の利用状況を未使用に変更し、管理IDを削除させる。
【0029】
一方、S220で納品庫41に保管された物品17の受け取りでないとき、即ち、外部の保管場所からの物品17の受け取りであるときには、CPU52は、操作者が所定業者である情報が読取装置43を介して入力されたか否かを判定する(S230)。操作者が所定業者でないときには、CPU52は、操作者が一般の利用者14であると判定し、案内情報としての受取画面74を表示操作部42に表示出力させる(S240)。図6は、表示操作部42に表示する受取画面74の一例を表す説明図である。この受取画面74には、メッセージ表示欄71や入力キー72が配置されている。メッセージ表示欄71には、外部の保管場所へ物品17を受け取りに行く旨の案内情報が表示出力される。上述と同様に、メッセージ表示欄71には、店舗21のレジで物品17を受け取る旨のメッセージが表示される。また、受取画面74の表示時に、CPU52は、バーコードや上記メッセージを含むレシートを印刷部49により印刷出力する。利用者14は、このレシートを持ち、レジで店舗担当員15に提出し、物品17の受け取りを完了させる。
【0030】
一方、S230で操作者が所定業者である情報が入力されたときには、CPU52は、入力がストッカ40の取扱い経験のある配達集荷者19であると判定し、案内情報としての集荷画面75を表示操作部42に表示出力させる(S250)。図7は、表示操作部42に表示する集荷画面75の一例を表す説明図である。集荷画面75は、受取画面74と同様に、メッセージ表示欄71と入力キー72とが配置されている。この集荷画面75のメッセージ表示欄71には、店舗21のレジへ物品17を受け取りに移動する旨のメッセージと、外部の保管場所から物品17を受け取ったのち表示操作部42で受取完了を入力する旨のメッセージとが表示される。また、集荷画面75の表示時に、CPU52は、上述と同様にバーコードや上記メッセージを含む集荷リストを印刷部49により印刷出力する。配達集荷者19は、この集荷リストを持ち、レジで店舗担当員15に提出して物品17の受け取りを完了させたのち、表示操作部42から受取完了した旨の入力を行う。なお、CPU52は、受け取り完了の入力の際に、上記集荷リストを表示させてもよい。このストッカシステム11では、操作者がストッカ40の取扱い経験のある配達集荷者19のときは、物品17のバックヤード22からの受け取りの完了時には、その旨の情報をストッカ40に入力させることによって、より確実な管理を行うのである。一方、操作者がストッカ40に不慣れな一般の利用者であるときは、この入力を省略させるのである。また、配達集荷者19は、集荷リストがあるため、バックヤード22からの受け取り忘れた場合でも、それに気付きやすい。そして、CPU52は、レジでの物品17の受け取り後に受取完了情報を表示操作部42から入力されるまで待機する(S260)。
【0031】
S240のあと、又はS260で表示操作部42から受取完了情報が入力されると、CPU52は、受取完了した物品17に対応付けられた管理IDを削除するなどしてこの物品17の保管管理を完了し(S270)、S280で利用状況情報57を更新すると共に、更新した利用状況情報57をストッカ管理装置30へ出力する。利用状況情報57の更新において、CPU52は、受け取りが完了した納品庫41の利用状況を未使用に変更し、管理IDを削除させる。
【0032】
S280のあと、CPU52は、保管管理処理が全て終了したか否かを、例えば、ストッカ40の電源がオフになったか否かにより判定し(S290)、保管管理処理が終了していないときには、S100以降の処理を実行し、保管管理処理が終了したときには、CPU52はそのままこのルーチンを終了する。
【0033】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のストッカ40が本開示のストッカに相当し、制御装置50が情報処理装置に相当し、納品庫41が納品庫に相当し、バックヤード22が保管場所に相当し、管理IDが識別情報に相当し、記憶部53が記憶部に相当し、CPU52が情報制御部に相当し、表示操作部42が表示部に相当し、印刷部49が印刷部に相当する。また、利用者14及び配達集荷者19が操作者に相当する。更に、ストッカ40の動作を説明することにより、本開示の情報処理方法を開示する。
【0034】
以上説明した実施形態のストッカ40の制御装置50は、操作者(利用者14、配達集荷者19)から物品17の保管依頼情報を取得し、使用可能な納品庫41がなくバックヤード22(保管場所)に物品17を保管可能であるときには、操作者からの保管依頼に管理ID(識別情報)を付与して記憶部53に記憶し、保管場所へ物品17を移動する旨の案内情報を含む画面を表示出力する。即ち、この制御装置50では、ストッカ40の納品庫41が全て利用済みである場合は、ストッカ40の外部の保管場所に物品17を保管させつつ、その物品17の情報管理を行うのである。この制御装置50では、納品庫41が利用できない場合においても、物品17の受け渡しを行い、ストッカシステム11でこの物品17の情報管理を行うことができる。
【0035】
また、CPU52は、操作者の情報を取得し、操作者が予め定められた配達集荷者19(業者)であるときには、案内情報を出力したあと保管場所に物品17を保管した旨の保管完了情報を取得すると保管依頼された物品の保管情報の管理を開始する一方、操作者が予め定められた業者でないときには、案内情報を出力すると保管依頼された物品の保管情報の管理を開始する。この制御装置50では、操作者がストッカシステム11を理解している業者の場合は、保管完了情報を入力させたあと物品17の情報管理を開始するため、より確実な物品17の受け渡し及び情報管理を行うことができる。また、操作者が一般者であるときは、この保管完了情報の入力を省略して物品17の情報管理を開始するため、一般者においてもストッカ40を利用しやすい。
【0036】
更に、CPU52は、操作者から識別情報を含む物品17の受取依頼情報を取得し、この物品17が保管場所に保管されているときには納品庫41ではない、保管されている保管場所で物品17を受け取る旨の保管受取情報を出力する。この制御装置50では、出力された保管受取情報の内容を確認することによって、操作者が物品17の受取先を認識することができる。更にまた、CPU52は、操作者の情報を取得し、操作者が予め定められた配達集荷者19であるときには、保管受取情報を出力したあと保管場所から物品17を受け取った旨の受取完了情報を取得すると保管されていた物品17の保管管理を完了する一方、操作者が予め定められた業者でないときには、保管受取情報を出力すると保管されていた物品の保管管理を完了する。この制御装置50では、操作者がストッカシステム11を理解している業者の場合は、受取完了情報を入力させたあと物品17の情報管理を完了するため、より確実な物品の受け渡し及び情報管理を行うことができる。また、操作者が一般者であるときは、この受取完了情報の入力を省略して物品の情報管理を完了するため、一般者においてもストッカ40を利用しやすい。
【0037】
更にまた、CPU52は、案内情報を表示部に表示出力させるか、案内情報を印刷部49に印刷出力させるため、この制御装置50では、案内情報を表示画面上や印刷物で視認することができる。また、印刷物については、店舗担当員15に提示するなど、外部の保管場所においても利用することができる。
【0038】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0039】
例えば、上述した実施形態では、配達集荷者19が操作者であるときには、バックヤード22での物品17の保管依頼を行い、ストッカ40で保管完了情報の入力を行ったのちこの物品17の保管情報の管理を開始するものとしたが、特にこれに限定されず、この処理完了の入力を省略して保管情報の管理を開始するものとしてもよい。また、上述した実施形態では、配達集荷者19が操作者であるときには、バックヤード22からの物品17の受け取りを行い、ストッカ40で受取完了情報の入力を行ったのち、この物品17の保管情報の管理を開始するものとしたが、この受取完了情報の入力を省略して保管情報の管理を開始するものとしてもよい。また、上述した実施形態では、一般の利用者14が操作者であるときには、案内情報を出力すると物品17の保管情報の管理を開始するものとしたが、その後のストッカ40での受付完了情報の入力を待って物品17の保管情報の管理を開始するものとしてもよい。また、上述した実施形態では、一般の利用者14が操作者であるときには、案内情報を出力すると物品17の保管情報の管理を完了するものとしたが、その後のストッカ40での受取完了情報の入力を待って物品17の保管情報の管理を完了するものとしてもよい。即ち、利用者14及び配達集荷者19、あるいは保管完了及び受取完了のいずれかにおいて、同じ開始処理又は完了処理を適用するものとしてもよいし、異なる開始処理又は完了処理を適用してもよい。こうしても、ストッカ40では、納品庫41が利用できない場合においても、物品17の受け渡しを行い、ストッカシステム11でこの物品17の保管情報の管理を行うことができる。
【0040】
上述した実施形態では、ストッカ40は店舗21に配設されており、納品庫41ではない外部の保管場所は店舗21のバックヤードであるものとしたが、物品17を納品庫41ではない外部の保管場所に保管することを確保できるものとすれば、特にこれに限定されず、例えば、オフィス、各種公共施設などとしてもよい。
【0041】
上述した実施形態では、ストッカ40は、表示操作部42に案内情報を表示出力すると共に、印刷部49でレシートを印刷出力するものとしたが、特にこれに限定されず、いずれか少なくとも一方を実行するものとすればよい。こうしても、ストッカ40では、納品庫41が利用できない場合においても、物品17の受け渡しを行い、ストッカシステム11でこの物品17の保管情報の管理を行うことができる。
【0042】
上述した実施形態では、店舗システム20との情報のやりとりは、印刷部49での印刷物で行うよう説明したが、特にこれに限定されず、店舗21及び店舗システム20においても、ネットワーク12,13に接続されたサーバなどの管理装置又は管理PCなどを備え、CPU52は、保管場所に物品17を保管した旨の保管完了情報及び/又は保管場所から操作者が物品17を受け取った旨の受取完了情報を、上記ネットワーク12,13を介して取得するものとしてもよい。この制御装置50では、保管完了情報や受取完了情報をより確実に取得することができる。
【0043】
上述した実施形態では、案内情報は物品17をレジに持って行く旨のメッセージとしたが、物品17を納品庫41とは異なる外部の保管場所へ移動する旨伝える情報であれば、特にこれに限られず、例えば、外部の保管場所へ預ける旨のメッセージとしてもよい。また、案内情報は、メッセージに限られず、標識や記号としてもよいし、音声案内としてもよい。
【0044】
上述した実施形態では、配送集荷場69との間で配達と集荷を行う業者を配達集荷者19として説明したが、配達のみを行う配達者と集荷のみを行う集荷者としてもよい。
【0045】
上述した実施形態では、本開示の情報処理装置の機能を有する制御装置50を、ストッカ40が備えるものとしたが、保管情報の管理を行う制御装置50の機能はいずれにあってもよく、ストッカ管理装置30が制御装置50の機能を備えてもよいし、配送システム60の配送管理PC61が制御装置50の機能を備えてもよいし、店舗システム20に管理PCを設置し、この管理PCが制御装置50の機能を備えてもよい。こうしても、ストッカ40では、納品庫41が利用できない場合においても、物品17の受け渡しを行い、ストッカシステム11でこの物品17の保管情報の管理を行うことができる。
【0046】
上述した実施形態では、本開示の情報処理装置の機能を制御装置50として説明したが、情報処理方法としてもよいし、情報処理方法を実現するプログラムとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本開示のストッカは、商品を配送する商品流通システムの技術分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
10 物品管理システム、11 ストッカシステム、12,13 ネットワーク、14 利用者、15 店舗担当員、17 物品、19 配達集荷者、20 店舗システム、21 店舗、22 バックヤード、30 ストッカ管理装置、31 制御部、32 CPU、33 記憶部、34 ストッカ情報、35 利用情報DB、38 通信部、40 ストッカ、41 納品庫、42 表示操作部、43 読取装置、44 扉、45 ロック機構、46 物品センサ、47 開閉センサ、50 制御装置、51 制御部、52 CPU、53 記憶部、56 対応情報、57 利用状況情報、58 通信部、60 配送システム、61 配送管理PC、62 制御部、63 記憶部、68 通信部、69 配送集荷場、70 発送画面、71 メッセージ表示欄、72 入力キー、73 納品画面、74 受取画面、75 集荷画面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7