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特許7220544ベルト片寄補正装置及び定着装置並びに画像形成装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-02
(45)【発行日】2023-02-10
(54)【発明の名称】ベルト片寄補正装置及び定着装置並びに画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20230203BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20230203BHJP
【FI】
G03G15/20 535
G03G21/16 147
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018192909
(22)【出願日】2018-10-11
(65)【公開番号】P2020060717
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】塚本 公秀
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-151906(JP,A)
【文献】特開2008-169047(JP,A)
【文献】特開2018-132619(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0108334(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端ベルトと、
前記無端ベルトの外側を押圧する加圧ローラと、
前記無端ベルトの内側に配置され、前記加圧ローラとの間で前記無端ベルトを挟持する対向部材と、
前記加圧ローラの両端部に配置され、片端に回動支点との支点係合部を有し、前記支点係合部と反対側で付勢部材に係止され、回転可能に支持した前記加圧ローラを前記対向部材に向かって押圧する一対の加圧部材と、
前記一対の加圧部材のうち一つの加圧部材を、前記加圧ローラの押圧方向と交差する方向に移動させる移動部材と、を備え、
前記加圧ローラもしくは対向部材の少なくとも1方が弾性層を有し、
前記移動部材は、前記弾性層の変形が管理された状態で、前記加圧部材を移動させることによって前記無端ベルトの片寄を制御し、
前記弾性層の変形は、前記各移動部材が有する移動規制部が、前記各回動支点から所定の位置に配置されたストッパとそれぞれ当接することで管理される、ベルト片寄補正装置。
【請求項2】
無端ベルトと、
前記無端ベルトの外側を押圧する加圧ローラと、
前記無端ベルトの内側に配置され、前記加圧ローラとの間で前記無端ベルトを挟持する対向部材と、
前記加圧ローラの両端部に配置され、片端に回動支点との支点係合部を有し、前記支点係合部と反対側で付勢部材に係止され、回転可能に支持した前記加圧ローラを前記対向部材に向かって押圧する一対の加圧部材と、
前記一対の加圧部材のうち一つの加圧部材を、前記加圧ローラの押圧方向と交差する方向に移動させる移動部材と、を備え、
前記加圧ローラもしくは対向部材の少なくとも1方が弾性層を有し、
前記移動部材は、前記弾性層の変形が管理された状態で、前記加圧部材を移動させることによって前記無端ベルトの片寄を制御し、
前記移動部材によって移動する前記加圧部材は、前記加圧部材を所定方向へ移動案内する案内部を前記支点係合部に有する、ベルト片寄補正装置。
【請求項3】
無端ベルトと、
前記無端ベルトの外側を押圧する加圧ローラと、
前記無端ベルトの内側に配置され、前記加圧ローラとの間で前記無端ベルトを挟持する対向部材と、
前記加圧ローラの両端部に配置され、片端に回動支点との支点係合部を有し、前記支点係合部と反対側で付勢部材に係止され、回転可能に支持した前記加圧ローラを前記対向部材に向かって押圧する一対の加圧部材と、
前記一対の加圧部材のうち一つの加圧部材を、前記加圧ローラの押圧方向と交差する方向に移動させる移動部材と、を備え、
前記加圧ローラもしくは対向部材の少なくとも1方が弾性層を有し、
前記移動部材は、前記弾性層の変形が管理された状態で、前記加圧部材を移動させることによって前記無端ベルトの片寄を制御し、
前記弾性層の変形は、前記各移動部材が有する移動規制部が、前記各回動支点から所定の位置に配置されたストッパとそれぞれ当接することで管理され、
前記移動部材によって移動する前記加圧部材は、前記加圧部材を所定方向へ移動案内する案内部を前記支点係合部に有し、
前記移動部材によって移動する前記加圧部材は、前記案内部と前記移動規制部とによって移動方向が規制される、ベルト片寄補正装置。
【請求項4】
前記移動部材によって移動される前記加圧部材の移動方向は、前記案内部では略直線方向で、前記移動規制部では、円弧状である請求項3に記載のベルト片寄補正装置。
【請求項5】
前記対向部材は定着ローラであり、
前記各移動規制部と前記各ストッパは、前記定着ローラの回転軸と平行な方向に沿って延びた所定の曲面形状部をそれぞれ有する、請求項3または4に記載のベルト片寄補正装置。
【請求項6】
前記無端ベルト端部の位置を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に基づいて前記移動部材の移動量を制御する制御部を有する、請求項1、請求項3から請求項5のいずれか一つに記載のベルト片寄補正装置。
【請求項7】
前記移動部材は、カム軸と該カム軸に形成された第1カム部とからなり、前記移動部材が移動させる前記加圧部材は、前記第1カム部と当接するカム当接部を有し、
前記制御部は前記カム軸の回転量を制御することで前記移動部材の移動量を制御する、請求項6に記載のベルト片寄補正装置。
【請求項8】
前記各ストッパが、前記カム軸の前記移動規制部と対向する位置に形成される、請求項7に記載のベルト片寄補正装置。
【請求項9】
前記各ストッパは、前記弾性層の変形量を所定値に維持する変形量維持領域と、前記加圧ローラを前記無端ベルトから離間する位置に移動させる離接移動領域を有する第2カムである、請求項8に記載のベルト片寄補正装置。
【請求項10】
前記無端ベルトが定着ベルトであり、前記対向部材が定着ローラである、請求項1から請求項9のいずれか一つに記載のベルト片寄補正装置を備えた、定着装置。
【請求項11】
請求項1から請求項9のいずれか一つに記載のベルト片寄補正装置を備えた、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルト片寄補正装置、及び、該ベルト片寄補正装置を備えた定着装置並びに複写機、複合機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のベルトローラに巻き掛けられた無端ベルトは、部品のバラツキ等により、該ベルトの周回方向に直交する幅方向に片寄ることが多い。このため、ベルトの片寄りを補正する手段が従来から提案されている。例えば、特許文献1には、複数のローラに張架されて回転駆動される無端ベルトのベルト片寄りを補正するために、無端ベルトに張架された複数のローラの少なくとも1つを傾倒する構成が開示されている(特許文献1の段落[0034]、図4図5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-198293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、無端ベルトに張架された複数のローラの少なくとも1つを傾倒するので、ベルト片寄りを補正するための部材の構成が複雑化し、それだけ装置の大型化を招くことになる。
【0005】
そこで、本発明の発明者は、無端ベルトを外側から加圧する加圧ローラに着目し、これを揺動させることにより、構成の簡素化および装置の小型化を図ることができるベルト片寄補正装置について既に提案している。
【0006】
そして、本発明の発明者は、このベルト片寄補正装置の実用性を高めるためには、前記加圧ローラを揺動させるときの加圧条件と前記加圧ローラの揺動方向について更に改良する必要があることを見出した。そして、適切な加圧条件を維持できる方向に前記加圧ローラを揺動できる具体的な構成を見出した。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ベルト片寄補正装置の実用性を高めることを可能にする構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、本発明では、次のベルト片寄補正装置及び画像形成装置を提供する。
【0009】
(1)ベルト片寄補正装置
本発明に係るベルト片寄補正装置は、無端ベルトの片寄を補正するベルト片寄補正装置であって、無端ベルトと、前記無端ベルトの外側を押圧する加圧ローラと、前記無端ベルトの内側に配置され、前記加圧ローラとの間で前記無端ベルトを挟持する対向部材と、前記加圧ローラの両端部に配置され、片端に回動支点との支点係合部を有し、前記支点係合部と反対側で付勢部材に係止され、回転可能に支持した前記加圧ローラを前記対向部材に向かって押圧する一対の加圧部材と、前記一対の加圧部材のうちひとつの加圧部材を、前記加圧ローラの押圧方向と交差する方向に移動させる移動部材と、を備え、前記加圧ローラもしくは対向部材の少なくとも1方が弾性層を有し、前記移動部材は、前記弾性層の変形が管理された状態で、前記加圧部材を移動させることによって前記無端ベルトの片寄を制御し、前記弾性層の変形は、前記各移動部材が有する移動規制部が、前記各回動支点から所定の位置に配置されたストッパとそれぞれ当接することで管理されることを特徴とする。
【0010】
(2)定着装置
本発明に係る定着装置は、前記無端ベルトが定着ベルトであり、前記対向部材が定着ローラである前記ベルト片寄補正装置を備えた定着装置であることを特徴とする。
【0011】
(3)画像形成装置
本発明に係る画像形成装置は、前記ベルト片寄補正装置を有する定着装置を備えた画像形成装置であって、前記無端ベルトが定着ベルトであり、前記対向部材が定着ローラであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
加圧ローラ172の両端部に配置され、片端に回動支点113との支点係合部110eを有し、支点係合部110eと反対側で付勢部材に係止され、回転可能に支持した加圧ローラ172を定着ベルト173を介して弾性層171cを有する定着ローラ171に向かって押圧する一対の加圧部材110のひとつを、弾性層171cの変形が管理された状態で、移動部材140、141によって加圧ローラ172の押圧方向と交差する方向に移動させる。
【0013】
これによって、定着ローラ171の弾性層171cの変形によって形成される定着ニップNに作用する力が安定する。その結果、定着ベルト173の走行性が安定し、精度良く片寄制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態に係るベルト片寄補正装置を備えた画像形成装置を正面から視た概略断面図である。
図2】実施形態1の定着装置の概略構成を示す正面図である。
図3】実施形態1の定着装置の概略構成を示す平面図である。
図4】実施形態1の定着装置の加圧機構を示す正面図である。
図5】加圧ローラ位置の制御範囲を説明した図である。
図6A】加圧ローラの離間状態を説明した概略正面図である。
図6B】加圧ローラが転写ベルトと線接触した状態を説明した概略正面図である。
図6C】加圧ローラが定着ニップを形成した状態を説明した概略正面図である。
図7】加圧レバーの移動方向と加圧ローラの移動方向の関係を説明した概略正面図である。
図8】定着ベルト位置を検知する検知部を説明した図。
図9】ベルト片寄を補正制御する制御部の構成を説明した図である。
図10】実施形態2の定着装置を示す正面図である。
図11】実施形態3の定着装置を斜めから見た図である。
図12】実施形態3の定着装置における第1カムと第2カムの設置位置を説明した図である。
図13A】実施形態3の定着装置における第2カムの形状を説明した図である。
図13B】実施形態3の定着装置における第1カムの形状を説明した図である。
図14】実施形態3の定着装置において第2カムによって加圧ローラが離間した状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0016】
<画像形成装置の全体構成>
図1は、本発明の実施の形態に係るベルト片寄補正装置300を備えた画像形成装置200を正面から視た概略断面図である。なお、図1において、符号Xは、奥行き方向を示しており、符号Yは、幅方向Xに直交する左右方向を示しており、符号Zは、上下方向を示している。このことは、後述する図2以降の図面においても同様である。
【0017】
図1に示す画像形成装置200は、画像読取装置90により読み取られた画像データ、又は、外部から伝達された画像データに応じて、記録用紙等のシートPに対して電子写真方式により多色及び単色の画像を形成するカラー画像形成装置である。なお、画像形成装置200は、モノクロ画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置200は、他の形態のカラー画像形成装置であってもよい。
【0018】
画像形成装置200は、原稿送り装置208と、画像形成装置本体210とを備えており、画像形成装置本体210には、画像形成部202とシート搬送系203とが設けられている。
【0019】
画像形成部202は、露光装置1(具体的には書き込み光学系の露光ユニット)、複数の現像装置2~2(具体的には現像ユニット)、複数の感光体ドラム3~3、複数の感光体クリーナー部4~4、複数の帯電器5~5、1次転写ベルト装置6、複数のトナーカートリッジ装置21~21(具体的にはトナーカートリッジユニット)及び定着装置17(具体的には定着ユニット)を備えている。また、シート搬送系203は、給紙トレイ81、封筒等がセットされる手差し給紙トレイ82及び排出トレイ15を備えている。
【0020】
画像形成装置本体210の上部には、原稿(図示省略)が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の下部には原稿の画像を読み取るための前記画像読取装置90が設けられている。また、原稿載置台92の上側には前記原稿送り装置208が設けられている。画像読取装置90で読み取られた原稿の画像は、画像データとして画像形成装置本体210に送られ、画像形成装置本体210において画像データに基づき形成された画像がシートPに記録される。
【0021】
画像形成装置200において扱われる画像データは、複数色(この例ではブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色)を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像装置2~2、感光体ドラム3~3、感光体クリーナー部4~4、帯電器5~5及びトナーカートリッジ装置21~21は、各色に応じた複数種類(この例では4種類)の画像を形成するようにそれぞれ複数個(この例では4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)に設定され、これらによって複数(この例では4つ)の画像ステーションが構成されている。
【0022】
画像形成装置200では、画像形成を行うにあたり、前記給紙トレイ81又は手差し給紙トレイ82からシートP等の被印刷物(以下、シートPという)を供給し、シート搬送路Sに沿って設けられた搬送ローラ12a~12aによってレジストローラ13までシートPを搬送する。次に、シートPと1次転写ベルト装置6において周回方向Mに周回移動される1次転写ベルト61上のトナー像を整合するタイミングで2次転写ベルト装置10によってシートPを搬送し、シートP上にトナー像を転写する。その後、シートPを定着装置17における定着ローラ171と加圧ローラ172との間に通過させることによってシートP上の未定着トナーを熱で溶融、固着し、搬送ローラ12a及び排出ローラ部31を経て排出トレイ15上に排出する。また、画像形成装置200において、シートPの表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、シートPを排出ローラ部31から反転経路Srへ逆方向に搬送して、搬送ローラ12bを経てシートPの表裏を反転させてレジストローラ13へ再度導き、シートPの表面と同様にして、シートPの裏面にトナー像を定着させて排出トレイ15へ排出する。こうして、画像形成装置200は、一連の印刷動作を完了する。
【0023】
なお、4つの画像形成ステーションのうち少なくとも一つを用いて、モノクロ画像を形成し、モノクロ画像を1次転写ベルト装置6の1次転写ベルト61に転写することも可能である。このモノクロ画像も、カラー画像と同様に、1次転写ベルト61からシートPに転写され、シートP上に定着される。
【0024】
<定着装置>
(実施の形態1)
次に、本実施の形態に係るベルト片寄補正装置300をベルト定着方式の定着装置17に適用した例について説明する。
―定着装置の基本構成―
図2および図3は、定着装置17の概略構成を示す正面図及びその平面図である。図4(a)は、定着装置17を図3の矢印bから見た図で、奥行き方向の奥側から見た図である。図4(b)は、定着装置17を図3の矢印cから見た図で、奥行方向の正面側から見た図である。図5は、定着装置17を図2の矢印aから見た図で、装置巾方向の右側から見た図である。ここで定着装置17は、複数のベルトローラ(この例では定着ローラ171及び加熱ローラ174)と、複数のベルトローラに巻き掛けられた無端ベルト(この例では定着ベルト173)、定着ベルト173を、定着ローラ171との間で狭持し、定着ベルト173と一緒に回転する加圧ローラ172とを備えている。定着ベルト173と加圧ローラ172との接触部Nは、定着ニップと呼ばれ、この部分においてシートPを狭持して搬送する。
【0025】
加熱ローラ174の内側には熱源178が配置されており、熱源178からの熱を受けて加熱ローラ174は加熱される。定着ベルト173は、加熱された加熱ローラ174から熱を受け取り所定の温度に加熱される。所定の温度に加熱された定着ベルト173は、定着ニップNに送られ、定着ニップNにてシートP上に形成されたトナー画像を熱と圧力でシートPに定着させる。定着ベルト173の温度は、温度検知手段177(具体的にはサーミスタ等の温度センサ)からの信号に基づき所定の定着温度に維持される。
【0026】
ここで、定着ローラ171は、表面にシリコンゴム等の弾性を有する部材からなる弾性層171cを有し、回転軸171a、171aが定着装置17の枠体(具体的には定着フレームFL)に軸受け171b,171b(図3を参照)を介して回転自在に設けられている。弾性層171cは、スポンジのような多孔質状に形成さていてもよい。また、定着ローラ171の下流にはシートPを定着ローラ171から剥離させる上剥離部材150が配置される。
【0027】
加圧ローラ172は、シリコーンゴム等のゴム部材からなる弾性層172bを有し、回転軸172a、回転軸172aが、軸受け110d,110dを介して加圧レバー110a、加圧レバー110bに回動自在に支持されている。ここで、加圧レバー110aは、加圧ローラ172の奥行き方向xの奥側軸受け110dと係合し、これを支持する軸受支持部110cと、端部に、定着フレームFLに設けられた回動支軸113と係合する係合部110eと、係合部110eと反対側の端部に付勢部材との係止部110gとを有する。また、加圧レバー110bは、加圧ローラ172の奥行き方向の正面側軸受け110dを支持する軸受け支持部110cと、端部に、定着フレームFLに設けられた回動支軸113と係合する係合部110fと、係合部110fと反対側の端部に付勢部材との係止部110gとを有する。
回動支軸113は、中心軸β3が、定着ローラの回転軸β1と平行となるように配置される。加圧レバー110aと加圧レバー110bは、係合部110gに取り付けられた付勢部材(図示なし)の付勢力によって加圧ローラ172を定着ローラ171側に付勢、押圧する。ここで、付勢部材の係合部110gと反対側の端部は、定着フレームFLの係止部に係止されており、加圧ローラ172に所定の付勢力が作用するように設置されている。なお、加圧ローラ172の下流には、シートPを加圧ローラ172から剥離させるための下剥離部材151が配置される。
【0028】
定着ベルト173は、ポリイミド等のエンジニアリング用樹脂、もしくはニッケル等の金属からなる基材(図示せず)にシリコーンゴム等のゴム部材からなる弾性層(図示せず)を設けたものである。また、ポリイミドやポリカーボネート等のエンジニアリング用樹脂の表面に離型層を設けたものを使用してもよい。
【0029】
加熱ローラ174は、回転軸174aが定着装置17の枠体(具体的には本体フレームFL)に軸受け174bを介して回転自在に設けられるが、軸受け174bが、定着ローラ171とは反対側へ付勢力を付与する付勢部材(例えばコイルスプリング)等によって付勢・移動可能に支持される構成にすることで、定着ベルト173に所定の張力を付与する構成にしてもよい。また、加熱ローラ174は、回転軸174aと回転軸174aの間(中央部)に定着ベルト173を懸架する胴部74cを有している。なお、加熱ローラ174には、回転軸174aと胴部174cの外径がほぼ同じとなる金属管材を用いてもよい。胴部74cと軸受け174bとの間に、定着ベルト173の端部を保護案内するカラー部材174dを配置してもよい。
【0030】
定着装置17は、作動機構備えている。作動機構、後述するように、加圧ローラ172の定着ローラ171に対する圧接、圧力調整、圧接解除を行う手段として作用し、加圧ローラ172の揺動により定着ベルト173の片寄りを補正する手段として作用する。なお、作動機構については、のちほど詳しく説明する。
【0031】
以上説明した定着装置17では、画像形成装置本体210に装着された状態において、画像形成装置本体210側の作動機構(図示せず)からの回転駆動力がギヤ(図示せず)を介して定着ローラ171の回転軸171aに伝達されて、定着ローラ171が所定の回転方向E1に回転駆動される(図2を参照)。定着ローラ171の回転に伴い、定着ベルト173が定着ローラ171の回転方向E1と同じ周回りの周回方向Eに周回移動して加熱ローラ174が回転方向E1に回転し、更に加圧ローラ172が定着ローラ171の回転方向E1とは逆方向E2に従動回転する。そして、未定着のトナー像Tが形成されてシート搬送方向Hに搬送されるシートPを受け取り、シートPを定着ベルト173と加圧ローラ172との間に挟み込んで搬送し、定着ニップ域Nで加熱及び加圧する。なお、定着ローラ171の回転軸171aではなく、加圧ローラの172の回転軸172aをギヤで駆動してもよい。
【0032】
なおまた、定着装置17は、定着ベルト173の内側又は外側に配置され、且つ、定着ベルト173の張り力を付与するように定着ベルト173に対して外側又は内側へ押圧するテンションローラを備えていてもよい。また、定着ローラ171及び/又は加圧ローラ172に、熱源178が設けられていてもよい。また、テンションローラが設けられる場合、テンションローラに熱源178が設けられていてもよい。また、定着ベルト173が更に他のローラに巻き掛けられる場合、他のローラの少なくとも一つに熱源178が設けられていてもよい。
―ベルト片寄補正原理と課題―
本実施形態1における定着ベルト173の片寄補正方法について説明する。
【0033】
定着ベルト173の片寄補正は、図5に示すように、加圧ローラ172の回転軸線β2を定着ローラ171の回転軸線β1に対して積極的に傾けることによって行われる。図中のαは、定着ローラ172の回転軸線β1をセンターに、加圧ローラの回転軸線β2の傾き範囲を示したものである。詳しい構造は後述するが、加圧ローラ171の奥行方向xの奥側軸受け110dの位置を固定しておき、奥行き方向xの正面側軸受け110dの位置を巾方向zに移動させると、定着ニップNから送りだされる定着ベルト173の方向(図5中の矢印が示す向き)が変化する。これによって定着ベルト173の片寄を補正することができる。
【0034】
特に定着ニップNには、溶融トナーをシート材Pに十分定着させるために、大きな力が作用しているため、効果的に定着ベルト173の片寄補正を行うことができる。しかし、加圧ローラ172が定着ベルト173をグリップする力も大きくなるため、定着ニップNに作用する力の方向や定着ニップNの形状が安定せずに変化すると、定着ニップNから送りだされる定着ベルト173の方向が不安定になり、つまり定着ベルト173の走行性が不安定になり、精度よい片寄制御が困難になるなど、実用性での課題があった。
―ニップ形状安定化機構―
ここでは、本実施の形態1における定着ニップNの形状安定化機構について説明する。
【0035】
図6A図6B図6Cは、加圧レバー110aが加圧ローラ172を定着ローラ171に押圧し、定着ニップNが形成されるまでの、状態変化を示した図である。
【0036】
図6Aは、加圧ローラ172が定着ローラ171上の定着ベルト173から離間した状態を示した図で、加圧レバー110aには、移動規制部110jと、下剥離部材151が取り付けられている。また、回動軸部113から所定の位置に円筒状のストッパ142が配置されている。回動軸部113とストッパ142は、定着フレームFLに所定の位置関係に配置されている。
【0037】
図6Bは、加圧ローラ171が定着ベルト173と接触(線接触)した状態を示した図で、この状態では、定着ニップNは線状で、定着ローラ171はほとんど押圧されていない。
【0038】
図6Cは、付勢部材によって所定の付勢力F1が加圧レバー110aの係止部110gに作用した状態を示した図で、加圧ローラ172は、定着ベルト173を定着ローラ171に押圧し、所定の定着ニップNが形成されている。この時、加圧レバー110aの移動規制部110jはストッパ142と当接し、加圧レバー110aはそれ以上回転できない状態になっているが、定着ニップNには、係止部110gに作用する力F1から移動規制部110jに作用する反力F2を差し引いた力に基づく力が作用する。定着ニップNは、この力によって定着ローラ171の弾性層171aが変形することで形成される。つまり、加圧レバー110aが、図6Bの位置から定着ローラ171の弾性層171aを押し始め、そこからδだけ回転する間、弾性層171aの変形量が増加し、定着ニップNが形成される。
弾性層171aを形成するシリコンゴムなどのゴム材はこの変形量が大きい条件で使用すると、弾性特性が劣化する速度が早くなる傾向があり、長期間にわたって安定して使用するためには、変形量が耐圧を超えない範囲で使用する必要がある。この変形量は、弾性層171aの厚さDに対する圧縮変形量dの比、すなわち圧縮比で表すことができ、本実施形態1では、移動規制部110jがストッパ142と当接することで、弾性層171aの圧縮率が所定値以下、例えば30%以下となるように管理することで、長期間にわたって同じ定着ニップ形状と押圧を維持することができる。
―加圧ローラ当接位置移動機構―
ここでは、本実施の形態1における加圧ローラ172の当接位置移動機構について説明する。
【0039】
図7は、加圧ローラ172の片側端部を定着ローラ171の周方向に移動させる機構を説明した図である。
【0040】
図7に示された加圧レバー110bは、加圧ローラ172の回転軸部172aのうち、x方向(奥行方向)の正面側の回転軸172aを支持する軸受け110dを支持するものであり、支点係合部110fは、回動支点113に対して加圧レバー172が移動可能なように案内する案内部110hを有する。また加圧レバー110bは、カム141とのカム当接部110iを有する。カム141は、カム軸140の周りに形成されており、カム軸140を図示しない駆動源によって回転させることで、加圧レバー110bの位置を変えることができる。
【0041】
次に図7を用いて加圧ローラ172の当接位置を変更する機構について説明する。図7は、加圧ローラ141のx方向(奥行方向)の正面側の端部が、背面側端部より下にある状態を表している。この状態からカム軸140が反時計方向に回ると、すなわちP1の方向に回転すると、加圧レバー110bの係止部110gに付勢部材による付勢力が作用しているため、移動規制部110jはストッパ142の外周面に沿って接触移動する。移動規制部110jとストッパ142は、定着ローラ171の回転軸β1と平行な方向に延伸されており、表面が円筒状に形成されているため、移動規制部110jは、ストッパ142の周りを円弧状のラインR1に沿って移動する。この時、回動支点113との係合部110fは、案内部110hによって所定の直線方向S1に移動する。すなわち、移動規制部110jが円弧状に移動し、係合部110fが直線状に移動することで、加圧ローラ172は、定着ローラ171の外周部に沿って円弧状に移動する。これによって加圧ローラ171の位置によらず常に定着ベルト173を定着ローラ171の中心部側に押圧できるため、定着ニップNからのベルトの送り出し方向と量が安定する。つまり定着ベルト173の走行性が安定する。なお図中のBは、カムが丁度中立位置にある場合の加圧ローラ172の中心位置である。
―ベルト片寄検知と補正制御―
ここでは、定着ベルト173の片寄検知と、検知結果に基づいて定着ベルト173の片寄りを補正する制御部について説明する。
【0042】
図9は、定着ベルト173の片寄補正制御部の構成を説明した図である。制御部220は、所定時間ごとにベルト位置検知部187からのベルト位置信号を入手、定着ベルト173の端部が定着ローラ171の回転軸β1方向に決められた所定位置を通過するのをベルト位置検知部187が検知するごとに、定着ローラ171の回転軸β1に対する加圧ローラ172の回転軸β2の傾き量が変わるように、カム軸140の回転方向と回転量を制御する。これによって、定着ベルト173の片寄を補正制御することができる。なお、カム軸140の回転方向と回転量については、カム軸140の端部に形成された被検知部がセンサーを通過するタイミングを基準値として記憶部222に記憶しておき、そこからの回転送り量をもとに処理部で計算によって求められる。被検知部がセンサーを通過したタイミングとそこから現在までのカム軸140の回転送り量を記憶部に記憶しておき、その結果をもとにカム軸140の回転方向と回転量を決めるようにしてもよい。。
【0043】
また図9に示すように、画像形成装置200は、画像形成装置200全体の制御を司る制御部220を更に備えていてもよい。なお、制御部220は定着装置17やベルト片寄補正装置300に備えられていてもよい。制御部220は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータからなる処理部221と、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを含む記憶部222とを有している。制御部220は、処理部221が記憶部222のROMに予め格納された制御プログラムを記憶部222のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行うようになっている。
【0044】
図10は、定着ベルト173の片寄検知部を斜めから見た斜視図である。
【0045】
定着ベルト173の幅方向Xにおける一方側(この例では正面側)の外側には、定着ベルト173の周回方向Eに直交する幅方向Xにおける所定の基点を検知する単一の基点検知部187が設けられている。基点検知部187は、この例では、透過型フォトセンサ187aと、可動部187b(具体的にはアクチュエータ)とを備えている。透過型フォトセンサ187aは、光を出射する発光部187a1と、発光部187a1からの光を受光する受光部187a2とを有している。可動部187bは、透過型フォトセンサ187aに対する透光位置と遮光位置との間で回動軸187cの軸線周りの回動方向Qに回動自在に回動軸187cに支持されている。可動部187bは、回動軸187cに回動自在に設けられた本体部187b1と、本体部187b1に設けられた被検知部187b2と、本体部187b1に被検知部187b2と周方向における異なる角度で設けられた当接部187b3とを有している。本体部187b1は、円筒状の部材とされており、回動軸187cに設けられた一対の規制部材187c1,187c1により軸線方向の移動が規制されている。被検知部187b2は、回動方向Qにおける一方向Q1又は他方向Q2に旋回することで、回動方向Qにおいて透過型フォトセンサ187aにおける発光部187a1から受光部187a2への光を遮る遮光位置と、発光部187a1から受光部187a2へ光を透過させる透光位置とをとる。当接部187b3は、定着ベルト173の幅方向Xにおける一方側(この例では正面側)の端部に当接する。可動部187bは、付勢部材187d(具体的には巻バネ)により当接部187b3が定着ベルト173に当接する方向(この例では一方向Q1)に付勢されている。
【0046】
そして、基点検知部187(具体的には透過型フォトセンサ187a)は、制御部220の入力系に電気的に接続されている。これにより、制御部220は、被検知部187b2の遮光位置又は透光位置での受光部187a2にオフ信号又はオン信号を基点検知部187から受け取ることで、定着ベルト173における一方側の端部(基点の一例)の有無を検出(認識)することができる。
―実施形態1の効果―
加圧レバー110a、100bが、ストッパ142と接触する移動規制部110jを有し、これによって定着ローラ171の弾性層171cの変形量が管理されるため、定着ニップNに作用する圧力条件が安定する。その結果、定着ベルト173の走行性が安定し、精度良く片寄制御を行うことができる。
また加圧ローラ172の片側端部を、定着ローラ171の外周部に沿って円弧状に移動させることができるので、片寄補正時のベルトの走行性を安定化できる。
(実施の形態2)
第2実施形態の定着装置18は、熱源にセラミックヒータ等の面状発熱体を用いたこと以外は、第1実施例と同じであるため、重複した説明は省略する。
【0047】
図11は、定着装置18の正面図である。定着ベルト230は、定着ローラではなく、面状発熱体30と加圧ローラ231との間に教示されニップNを形成している。加圧ローラ面状発熱体30はガイド部材31に保持されており、加圧ローラ231によって押圧されてもガイド部材31が反らないように補強部材32で補強されている。
【0048】
加圧ローラ231は、適切な定着ニップNを得るために、弾性層231aを有する。
【0049】
加圧ローラ231の移動機構は、第1実施形態と同じである。
―実施形態2の効果―
定着ベルト230を加圧ローラ231との間で挟持して定着ニップNを形成する部材(対向部材)が、ローラ形状でない場合であっても、加圧ローラ231の弾性層231aの変形を管理した状態で加圧ローラ231の片側端部を移動させることができるので、片寄補正時の定着ベルト230の走行性が安定し、精度良く定着ベルト230の片寄りを補正することができる。
(実施の形態3)
第3実施形態の定着装置19は、加圧レバー110bに形成された案内部110hと係合する第1カム131の回転軸120上で、加圧レバー110a、110bが有する移動規制部110j、110jと対向する位置に形成され、各移動規制部110jと当接することで定着ローラ171の弾性層171cの変形量を規制する第2カム132を有する点と、第2カム132が、定着ローラ171と加圧ローラ172の軸間距離を変化させる形状を有する点で異なるだけであるため、重複した説明は省略する。
【0050】
図11は、定着装置19を斜めから見た斜視図で、構造を分かりやすくするため一部を断面カットした図である。図12は、第1カム131と第2カム132の設置位置を説明した図である。図13は、第2カム132の形状を説明した図である。図14は、第2カム132の回転によって、加圧ローラ172が定着ローラ171と定着ベルト173から離間した状態を示した図である。
【0051】
図11に示すように、加圧レバー110bの案内部110hと係合する第1カム131を有する回転軸120は、各移動規制部110jと当接する第2カム132を両端部に有する。また、回転軸120は、第2カム132の外側にカム軸受111をそれぞれ有し、図示しない定着フレームFLに回転可能に支持される。また、片側の端部にカム回転ギア112を有する。回転軸120は、図示しない画像形成装置側に配置された駆動源によって、カム回転ギア112が回転されることによって第1カム131と第2カム132を回転させる。
【0052】
移動規制部110jは、外周部が円筒状で、加圧レバー110a、110bが有する各ボス100kに回動可能に支持されている。なお、移動規制部110jの表面は連続した所定の曲面を有しておれば円筒状でなくてもよい。また、回動可能に配置しなくてもよい。
【0053】
第1カム131は、図13から分かるように、回転軸120を削って、中心軸が回転軸120の回転軸からofだけオフセットされた偏芯カム形状となっている。
【0054】
第1カム131の中立位置は、図13A図13Bに記載のSの位置であり、回転軸120を図示しない駆動源によってR2の方向にそれぞれSb、Stの間で回転移動させることで、加圧レバー110bの位置が移動される。このとき第1カム131の移動規制部110jとの接触位置は、加圧レバー110a、110bの各係止部110gに作用する付勢力によって図13中のSbからStの間を円弧状に移動する。この時、SbからStが含まれる領域S1の範囲は、回転軸120中心からの距離が一定値Lsであるため、加圧ローラ172が定着ローラ171の周囲を所定の円弧状に移動するのは、前述したとおりである。
【0055】
また第2カム132の領域S2は、回転軸120の中心からの距離がLsからLeまで徐々に遠くなる形状となっている(離間移動領域)。そのため第2カム132を、図に対して左回りに回転させると、図14に示すように、移動規制部110jが回転軸120の回転中心から遠ざかるように移動し、移動規制部110jの当接位置がEに到達すると、加圧ローラ172が定着ベルト173の表面から離間するようになる。
―実施形態3の効果―
第1カム131を有する回転軸120の両端部に、移動規制部110Jと当接する第2カム132を設けることで、定着ローラ171の弾性層171cの変形量を管理することができ、定着ベルト173の走行性を安定させることができる。また移動規制部110Jと第2カム132の当接面が、連続した所定の曲面で形成されているので、移動規制部110jを第2カム132の曲面に沿って移動させることができる。その結果、加圧ローラ132の片側端部を定着ローラ171の外周部に沿った円弧状に移動させることができ、片寄補正時の定着ベルト173の走行性を安定化できる。また、加圧ローラ132の離接動作を、一つの駆動源によって実現することができる。
【0056】
(その他の実施の形態)
なお、本実施の形態では、本発明に係るベルト片寄補正装置300を画像形成装置200の定着装置17に適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、画像形成装置200における他のユニット(1次転写ベルト装置6や2次転写ベルト装置10等)に適用することも可能である。また、画像形成装置200以外の装置に対しても本発明は適用可能である。
【0057】
また、本実施の形態では、無端ベルト(定着ベルト173)を2つのベルトローラ(定着ローラ171及び加熱ローラ174)に巻き掛けられるようにしたが、3つ以上のベルトローラに巻き掛けられるようにしてもよい。
【0058】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。更に、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0059】
17、18、19 定着装置
110a、110b 加圧レバー(加圧部材)
110e、110f 支点係合部
110h 案内部
110i カム当接部
110j 移動規制部
110g 係止部
111 カム軸受
112 カム軸回転ギア
113 回動支軸(回動支点)
131 第1カム
132 第2カム
140 カム軸(移動部材)
141 カム(移動部材)
142 ストッパ
171 定着ローラ(ベルトローラ)、(対向部材)
172 加圧ローラ
174 加熱ローラ(ベルトローラ)
173 定着ベルト(無端ベルト)
200 画像形成装置
220 制御部
300 ベルト片寄補正装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14