(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-02
(45)【発行日】2023-02-10
(54)【発明の名称】トップエミッション型OLED表示基板、トップエミッション型OLED表示装置、及びトップエミッション型OLED表示基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05B 33/02 20060101AFI20230203BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230203BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20230203BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20230203BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230203BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20230203BHJP
H05B 33/26 20060101ALI20230203BHJP
【FI】
H05B33/02
G09F9/30 338
G09F9/30 365
H01L27/32
H05B33/10
H05B33/14 A
H05B33/22 Z
H05B33/26 Z
(21)【出願番号】P 2018512381
(86)(22)【出願日】2017-08-08
(86)【国際出願番号】 CN2017096405
(87)【国際公開番号】W WO2018099124
(87)【国際公開日】2018-06-07
【審査請求日】2020-02-28
【審判番号】
【審判請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】201611090179.X
(32)【優先日】2016-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ツァン
(72)【発明者】
【氏名】チェン シャオチュアン
【合議体】
【審判長】松波 由美子
【審判官】里村 利光
【審判官】石附 直弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-222592(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0035807(US,A1)
【文献】特開2016-122612(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0062194(KR,A)
【文献】特開2007-121537(JP,A)
【文献】特開2010-056017(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B33/00-33/28
H01L51/50-51/56
H01L27/32
G09F9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色光を発光する白色発光表示基板であり、複数のサブピクセル領域を有するトップエミッション型OLED表示基板
と、
前記トップエミッション型OLED表示基板の発光面に対向するカラーフィルタ基板と、を備えたOLED表示装置であって、
前記複数のサブピクセル領域の各々において、
前記トップエミッション型OLED表示基板は、
ベース基板と、
前記ベース基板に形成され、反射電極であるドレイン電極を含む薄膜トランジスタと、
前記ドレイン電極の前記ベース基板から離間する側に形成された平坦化層であって、前記平坦化層は、複数のサブ層を含み、前記平坦化層の前記複数のサブ層の屈折率は、
前記平坦化層が前記ベース基板から離れるほど厚さ方向に沿って
段階状に減少する、平坦化層と、
前記ドレイン電極の前記ベース基板から離間する側に形成されたOLEDと、を備え、
前記OLEDは、
前記ドレイン電極の前記ベース基板から離間する側に形成され、実質的に透明な電極であり、前記ドレイン電極に電気的に接続される第1の電極と、
前記第1の電極の前記ドレイン電極から離間する側に形成され
、赤色発光層、緑色発光層、及び青色発光層が積層された有機層と、
前記有機層の前記第1の電極から離間する側に形成され、実質的に透明な電極である第2の電極と、を有し、
前記ドレイン電極及び前記第2の電極は、マイクロキャビティ構造を形成し、
前記マイクロキャビティ構造の光学距離は、前記ドレイン電極と前記第2の電極との間の各層の光路長の合計と等しく、前記光路長は、光が通過する
前記各層の屈折率と光が通過する
前記各層の厚さとの積であり、
前記光学距離は前記赤色発光層から発光される赤色光の波長、前記緑色発光層から発光される緑色光の波長、前記青色発光層から発光される青色光の波長の非整数倍であり、前記赤色光、前記緑色光、及び前記青色光の波長が300nm-900nmの範囲にあり、
前記ドレイン電極の前記ベース基板における正射影は、前記
有機層の発光領域の前記ベース基板における正射影を覆うことを特徴とする
OLED表示装置。
【請求項2】
前記ドレイン電極の前記ベース基板における正射影は、前記
有機層の発光領域の前記ベース基板における正射影と重なることを特徴とする請求項1に記載の
OLED表示装置。
【請求項3】
前記ドレイン電極の前記ベース基板における正投影は、前記第1の電極の前記ベース基板における正投影を覆うことを特徴とする請求項1に記載の
OLED表示装置。
【請求項4】
前記ドレイン電極の前記ベース基板における正射影は、前記第1の電極の前記ベース基板における正投影と重なることを特徴とする請求項3に記載の
OLED表示装置。
【請求項5】
前記平坦化層の前記ドレイン電極から離間する側に形成されたパッシベーション層と、を更に備える、ことを特徴とする請求項1に記載の
OLED表示装置。
【請求項6】
前記マイクロキャビティ構造の光学距離は、前記パッシベーション層、前記平坦化層、前記有機層及び前記第1の電極の光路長の合計と等しいことを特徴とする請求項5に記載の
OLED表示装置。
【請求項7】
前記ドレイン電極は、低反射率の金属材料からなり、前記低反射率の金属材料は、可視光波長範囲の光の反射が80%以下となる金属材料であることを特徴とする請求項1に記載の
OLED表示装置。
【請求項8】
前記ドレイン電極は、モリブデンまたはニッケルからなることを特徴とする請求項7に記載の
OLED表示装置。
【請求項9】
前記第2の電極は、金属材料からなることを特徴とする請求項1に記載の
OLED表示装置。
【請求項10】
前記第2の電極は、マグネシウム:銀合金からなることを特徴とする請求項9に記載の
OLED表示装置。
【請求項11】
前記第1の電極の厚さは、800Å~2000Åの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の
OLED表示装置。
【請求項12】
前記平坦化層の厚さは、10000Å~30000Åの範囲であることを特徴とする請求項5に記載の
OLED表示装置。
【請求項13】
対向するカラーフィルタ基板に向けて白色光を発光する白色発光表示基板であり、複数のサブピクセル領域を有するトップエミッション型OLED表示基板の製造方法であって、
前記複数のサブピクセル領域の各々において、ベース基板上に反射性導電物質からなるドレイン電極を含む薄膜トランジスタを形成する工程、
前記ドレイン電極の前記ベース基板から離間する側に平坦化層を形成する工程であって、前記平坦化層は、複数のサブ層を含み、前記平坦化層の前記複数のサブ層の屈折率は、
前記平坦化層が前記ベース基板から離れるほど厚さ方向に沿って
段階状に減少する、工程、及び、
前記ドレイン電極の前記ベース基板から離間する側にOLEDを形成する工程を有し、
前記OLEDを形成する工程は、
前記ドレイン電極の前記ベース基板から離間する側に、実質的に透明な導電性材料からなり、前記ドレイン電極に電気的に接続される第1の電極を形成するステップ、
前記第1の電極の前記ドレイン電極から離間する側に、
赤色発光層、緑色発光層、及び青色発光層が積層された有機層を形成するステップ、及び
前記有機層の前記第1の電極から離間する側に、実質的に透明な導電性材料からなる第2の電極を形成するステップを含み、
前記ドレイン電極及び前記第2の電極は、マイクロキャビティ構造を形成し、
前記マイクロキャビティ構造の光学距離は、前記ドレイン電極と前記第2の電極との間の各層の光路長の合計と等しく、前記光路長は、光が通過する
前記各層の屈折率と光が通過する
前記各層の厚さとの積であり、
前記光学距離は前記赤色発光層から発光される赤色光の波長、前記緑色発光層から発光される緑色光の波長、前記青色発光層から発光される青色光の波長の非整数倍であり、前記赤色光、前記青色光、及び前記緑色光の波長が300nm-900nmの範囲にあり、
前記ドレイン電極の前記ベース基板における正射影は、前記
有機層の発光領域の前記ベース基板における正射影を覆うことを特徴とするトップエミッション型OLED表示基板の製造方法。
【請求項14】
前記第2の電極の形成は、気相堆積工程によって実行されることを特徴とする請求項13に記載のトップエミッション型OLED表示基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、表示技術、特にトップエミッション型OLED表示基板、トップエミッション型OLED表示装置、及びトップエミッション型OLED表示基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
OLED(Organic Light-Emitting Diode、有機発光ダイオード)表示装置は、自己発光型装置であり、バックライトを必要としないのである。OLED表示装置は、従来の液晶表示装置(LCD)に比べてより鮮やかな色及びより広い色域を実現することができる。さらに、OLED表示装置は、典型的なLCDよりも柔軟性があり、薄く、軽くすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
OLED表示装置は、通常として、陽極と、有機発光層を含む有機層と、陰極とを備える。OLEDは、ボトムエミッション型OLEDまたはトップエミッション型OLEDのいずれかであり得る。ボトムエミッション型OLEDでは、光は陽極側から取り出される。ボトムエミッション型OLEDでは、通常として陽極は透明であり、陰極は反射型である。これに対して、トップエミッション型OLEDでは、陰極側から光が取り出される。陰極は光学的に透明であり、陽極は反射型である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、複数のサブピクセル領域を有するトップエミッション型OLED表示基板を提供する。該トップエミッション型OLED表示基板は、サブピクセル領域の各々において、基板と、前記基板上に形成され、反射電極であるドレイン電極を含む薄膜トランジスタと、前記ドレイン電極の前記ベース基板から離間する側に形成されたOLEDとを備え、前記OLEDは、前記ドレイン電極の前記ベース基板から離間する側に形成され、前記ドレイン電極に電気的に接続される、実質的に透明な電極である第1の電極と、前記第1の電極の前記ドレイン電極から離間する側に形成され、有機発光層を含む有機層と、前記有機層の前記第1の電極から離間する側に形成され、実質的に透明な電極である第2の電極と、を有する。
【0005】
好ましくは、前記ドレイン電極の前記ベース基板における正投影は、前記有機発光層の発光領域の前記ベース基板における正投影を実質的に覆う。
【0006】
好ましくは、前記ドレイン電極の前記ベース基板における正投影は、前記有機発光層の発光領域の前記ベース基板における正投影と実質的に重なる。
【0007】
好ましくは、前記ドレイン電極の前記ベース基板における正投影は、前記第1の電極層の前記ベース基板における正投影を実質的に覆う。
【0008】
好ましくは、前記ドレイン電極の前記ベース基板における正投影は、前記第1の電極層の前記ベース基板における正投影と実質的に重なる。
【0009】
好ましくは、ドレイン電極及び第2の電極は、マイクロキャビティ構造を形成する。
【0010】
好ましくは、前記マイクロキャビティ構造の光学距離は、前記ドレイン電極と前記第2の電極との間の各層の光路長の合計に実質的に等しい。
【0011】
好ましくは、光学距離はλの非整数倍であり、ここでは、λは前記有機発光層から発せられる光の波長である。
【0012】
好ましくは、前記トップエミッション型OLED表示基板は、更に、前記ドレイン電極の前記ベース基板から離間する側に形成された平坦化層、及び前記平坦化層の前記ドレイン電極から離間する側に形成されたパッシベーション層を備える。
【0013】
好ましくは、前記光学距離は、実質的には前記パッシベーション層、前記平坦化層、前記有機層、および前記第1の電極の光路長の合計に等しい。
【0014】
好ましくは、ドレイン電極は、低反射率の金属材料からなる。
【0015】
好ましくは、ドレイン電極はモリブデン又はニッケルからなる。
【0016】
好ましくは、前記第2の電極は金属材料からなる。
【0017】
好ましくは、前記第2の電極は、マグネシウム:銀合金からなる。
【0018】
好ましくは、前記第1の電極の厚さは、約800Å~2000Åの範囲である。
【0019】
好ましくは、前記平坦化層の厚さは、約10000Å~30000Åの範囲の厚さである。
【0020】
好ましくは、前記平坦化層は、複数のサブ層を含む。前記平坦化層の前記複数のサブ層の屈折率は、ベース基板から離れるほど厚さ方向に沿って減少する。
【0021】
他の様態では、本発明はここに記載のトップエミッション型OLED表示基板またはここに記載の方法によって製造されたトップエミッション型OLED表示装置を提供する。
【0022】
もう一つの他の形態では、本発明は複数のサブピクセル領域を有するトップエミッション型OLED表示基板を製造する方法を提供する。該方法は、前記複数のサブピクセル領域の各々において、前記ベース基板上に、反射性導電材料からなるドレイン電極を含む薄膜トランジスタを形成する工程、及び前記ドレイン電極の前記ベース基板から離間する側にOLEDを形成する工程を有し、前記OLEDを形成する工程は、前記ドレイン電極の前記ベース基板から離間する側に、実質的に透明な導電性物質からなり、前記ドレイン電極に電気的に接続される第1の電極を形成するステップと、前記第1の電極の前記ドレイン電極から離間する側に、有機発光層を含む有機層を形成するステップと、前記有機層の前記第1の電極から離間する側に、実質的に透明な導電性物質からなる第2の電極を形成するステップと、を含む。
【0023】
好ましくは、第2の電極の形成は、気相堆積によって実行される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下の図面は、開示された様々な実施形態を示す単なる例示であり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【
図1】本開示の一実施形態におけるトップエミッション型OLED基板の構造を示す図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態における有機層の構造を示す図である。
【
図3】従来のOLED表示基板と本開示のトップエミッション型OLED表示基板との発光スペクトルを対比したものである。
【
図4】本開示の幾つかの実施形態におけるトップエミッション型OLED基板の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施形態を参照して本開示を詳しく説明する。いくつかの実施形態に係わる以下の説明は、例示および説明のみを目的としてここに提示したものであり、本開示の範囲を包括するか、又は限定することは意図していない。
【0026】
従来のOLED表示装置の開口率を向上させるため、通常としては、トップエミッション型OLED基板が用いられる。従来のトップエミッション型OLED表示基板では、比較的強いマイクロキャビティ効果が観察されている。従来の表示基板では、陽極及び陰極がマイクロキャビティの2つの反射ミラーを構成する。マイクロキャビティの光学距離は比較的小さく、マイクロキャビティ効果が比較的強い。強いマイクロキャビティ効果のため、従来のトップエミッション型OLED表示基板から発せられる光は、狭いスペクトルを有する。従って、マイクロキャビティ効果により、従来のトップエミッション型OLED表示基板において全スペクトル発光を達成することは非常に困難である。よって、従来のOLED表示装置の性能及び発光品質には限界がある。
【0027】
以上に鑑み、本発明は、特に、トップエミッション型OLED表示基板、トップエミッション型OLED表示装置、及び従来技術の制限および欠点に起因する1つまたは複数の問題を実質的に回避できるトップエミッション型OLED表示基板の製造方法を提供する。一態様では、本開示は、複数のサブピクセル領域を有するトップエミッション型OLED表示基板を提供する。幾つかの実施形態では、該トップエミッション型OLED表示基板は、前記複数のサブピクセル領域の各々において、ベース基板と、前記ベース基板上に形成され、反射型ドレイン電極を含む薄膜トランジスタと、前記反射型ドレイン電極の前記ベース基板から離間する側に形成されたOLEDとを備える。好ましくは、該OLEDは、ドレイン電極のベース基板から離間する側に形成され、実質的に透明な電極であり、ドレイン電極に電気的に接続される第1の電極と、該第1の電極のドレイン電極から離間する側に形成され、有機発光層を含む有機層と、該有機層の第1の電極から離間する側に形成され、実質的に透明な電極である第2の電極とを備える。該トップエミッション型OLED表示基板は、実質的に第1の電極から第2の電極に向かう方向に沿って光を発するように構成される。
【0028】
ここでは、「サブピクセル領域」という用語は、アレイ基板を有する表示パネルのサブピクセルに対応するアレイ基板内の領域を指す。サブピクセル領域は、サブピクセル領域とサブピクセル間領域とを含む。ここでは「実質的に透明」という用語は、可視波長範囲の光の少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、および少なくとも95%)が透過可能であることを指す。
【0029】
図1は、本開示の幾つかの実施形態におけるトップエミッション型OLED表示基板の構造を示す図である。
図1に示すように、幾つかの実施形態では、トップエミッション型OLED表示基板は、ベース基板1、ベース基板1上に形成された薄膜トランジスタ20、薄膜トランジスタ20のベース基板1から離間する側に形成されたパッシベーション層9、及びパッシベーション層9の薄膜トランジスタ20から離間する側に形成されたOLED30を備える。いくつかの実施形態では、薄膜トランジスタ20は、特に、ドレイン電極7と、活性層3と、ゲート電極5とを含む。ドレイン電極7は、活性層3のドレイン電極コンタクト領域に電気的に接続されている。好ましくは、OLED30は、パッシベーション層9のドレイン電極7から離間する側に位置される。
【0030】
幾つかの実施形態では、OLED30は、パッシベーション層9のドレイン電極7から離間する側に形成された第1の電極10と、第1の電極10のパッシベーション層から離間する側に形成された有機層11と、有機層11の第1の電極10から離間する側に形成された第2の電極12とを備える。好ましくは、トップエミッション型OLED表示基板は、実質的に第1の電極10から第2の電極12の方向に向かって光を発するように構成される。第1の電極10は、ドレイン電極7に電気的に接続される。好ましくは、第1の電極10は、実質的に透明な電極である。好ましくは、第1の電極10はOLED30の陽極であり、第2の電極12はOLED30の陰極である。
【0031】
幾つかの実施形態では、有機層11は、有機発光層11aを含む。有機発光層11aは、
図1に示すように、発光領域Eを有する。いくつかの実施形態では、ドレイン電極7のベース基板1における正投影は、有機発光層11aの発光領域Eのベース基板1における正投影を実質的に覆う。好ましくは、ドレイン電極7のベース基板1における正投影は、有機発光層11aの発光領域Eのベース基板1における正投影と実質的に重なる。好ましくは、ドレイン電極7のベース基板1における正投影は、有機発光層11aのベース基板1における正投影を実質的に覆う。より好ましくは、ドレイン電極7のベース基板1における正投影は有機発光層11aのベース基板1における正投影と実質的に重なる。好ましくは、ドレイン電極7の幅は、有機発光層11aの発光領域Eの幅と実質的に等しいかそれよりも大きい。より好ましくは、ドレイン電極7の幅は、有機発光層11aの幅と実質的に等しいか又はそれよりも大きい。好ましくは、ドレイン電極7のベース基板1における正投影は、第1の電極層10のベース基板1における正投影を実質的に覆う。より好ましくは、ドレイン電極7のベース基板1における正投影は、第1の電極層10のベース基板1における正投影と実質的に重なる。好ましくは、ドレイン電極7の幅は、第1の電極層10の幅と実質的に等しいかそれよりも大きい。より好ましくは、ドレイン電極7の幅は、第1の電極層10の幅と実質的に等しい。更に好ましくはドレイン電極7の幅は第2の電極12の幅と実質的に等しい。
【0032】
図2は、本開示の幾つかの実施形態における有機層の構造を示す図である。
図1、2に示すように、幾つかの実施形態では、有機層11は、第1の電極10に形成された第1の正孔注入層111と、第1の正孔注入層111の第1の電極10から離間する側に形成された第2の正孔注入層112と、第2の正孔注入層112の第1の正孔注入層111から離間する側に形成された赤色発光層113と、赤色発光層113の第2の正孔注入層112から離間する側に形成された緑色発光層114と、緑色発光層114の赤色発光層113から離間する側に形成された第1の電子輸送層115と、第1の電子輸送層115の緑色発光層114から離間する側に形成された第1の電荷発生層116と、第1の電荷発生層116の第1の電子輸送層115から離間する側に形成された第3の正孔注入層117と、第3の正孔注入層117の第1の第1の電荷発生層116から離間する側に形成された正孔輸送層118と、正孔輸送層118の第3の正孔注入層117から離間する側に形成された青色発光層119と、青色発光層119の正孔輸送層118から離間する側に形成された第2の電極輸送層120と、前記第2の電極輸送層120の青色発光層119から離間する側に形成された第2の電荷発生層121と、を含む。
【0033】
図1に示すように、幾つかの実施形態では、トップエミッション型OLED表示装置基板は、活性層3とベース基板1との間にあるバッファ層2をさらに含む。好ましくは、トップエミッション型OLED表示基板は、ゲート電極5と活性層3との間にあるゲート絶縁層4をさらに含む。より好ましくは、トップエミッション型OLED表示基板は、ゲート電極5とドレイン電極7との間にある層間誘電体層6をさらに含む。更に好ましくは、トップエミッション型OLED表示基板は、ドレイン電極7と同一層にあるソース電極をさらに含む。最も好ましくは、トップエミッション型OLED表示基板は、第2の電極12のベース基板1から離間する側に形成された保護層13をさらに含む。
【0034】
幾つかの実施形態では、トップエミッション型OLED表示基板は、ドレイン電極7のベース基板1から離間する側に形成された平坦化層8をさらに含む。好ましくは、パッシベーション層9は、平坦化層8のドレイン電極7から離間する側に形成される。好ましくは、平坦化層8及びパッシベーション層9は、ドレイン電極7と第1の電極10との間に形成される。
【0035】
幾つかの実施形態では、トップエミッション型OLED表示基板は、層間誘電体層6及びゲート絶縁膜4を貫通する第1のビア(VIA)14をさらに含む。ドレイン電極7は、第1のビア14を介して活性層3に電気的に接続される。
【0036】
幾つかの実施形態では、トップエミッション型OLED表示基板は、更に平坦化層8およびパッシベーション層9を貫通する第2のビア15をさらに含む。第1電極10は、第2のビア15を介してドレイン電極7に電気的に接続される。
【0037】
ドレイン電極7を形成するには、種々の好適な反射性導電材料を用いることができる。好適な反射性導電材料は、例えば、比較的低い反射率を有する反射性導電性材料等が挙げられる。好ましくは、ドレイン電極7は、モリブデンやニッケルなどの低反射率金属からなる。反射率の低い反射性導電材料からなるドレイン電極7を用いることにより、トップエミッション型OLED表示基板におけるマイクロキャビティ効果がさらに低減される。好ましくは、ドレイン電極7は、互いに積層された複数のサブ層を含む。一実施例では、ドレイン電極7は、チタン/アルミニウム/チタンの3層構造を含む。ここでは、「低反射率」という用語は、可視波長範囲の光を約80%以下(例えば、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約40%以下、約30%以下)反射する材料又は層を指す。
【0038】
第1の電極10を形成するため、種々の好適な導電性材料を用いることができる。好適な導電性材料は、例えば、金属酸化物などの実質的に透明な導電性材料が挙げられる。好ましくは、第1の電極10は、インジウムスズ酸化物からなる。実質的に透明な導電性材料からなる第1の電極10を用いることにより、第1の電極10の反射率が大幅に低減され、トップエミッション型OLED表示基板におけるマイクロキャビティ効果がさらに低減される。
【0039】
平坦化層8を形成するには、種々の好適な絶縁材料を用いることができる。好適な絶縁材料は、比較的低い屈折率を有する絶縁材料、例えば、比較的低い屈折率を有する絶縁性重合体材料が挙げられる。好ましくは、平坦化層8はポリジメチルシロキサン(PDMS)からなる。平坦化層8を比較的屈折率の低い絶縁材料で形成することにより、ドレイン電極7による光反射をより低減し、トップエミッション型OLED表示基板におけるマイクロキャビティ効果を最小限に抑えることができる。
【0040】
パッシベーション層9を形成するには、種々の好適な絶縁材料を用いることができる。好適な絶縁材料は、窒化シリコン(SiNx)を含む。
【0041】
第2の電極12を形成するには、種々の好適な導電性材料を用いることができる。好適な導電性材料は、例えば実質的に透明な金属材料が挙げられる。好ましくは、第2の電極12は、マグネシウム:銀合金(Mg:Ag)からなる。より好ましくは、第2の電極12はナノ銀からなる。実質的に透明な金属製の第2の電極12を用いることにより、表示基板の製造プロセスには、第2の電極12の形成に用いる実質的に透明な金属酸化物材料に対してスパッタリングを施す必要がなく、スパッタリングプロセスに起因する有機層への潜在的な損傷を完全に回避することができ、よって製造プロセスが簡略化され、製品の品質および使用寿命が向上される。好ましくは、第2の電極12は、気相堆積、例えば、プラズマ化学気相堆積によって形成される。
【0042】
好ましくは、バッファ層2の厚さは、約2000Å~約5000Åの範囲である。より好ましくは、バッファ層2の厚さは約4000Åである。
【0043】
好ましくは、活性層3の厚さは、約300Å~約800Åの範囲である。より好ましくは、活性層3の厚さは約450Åである。
【0044】
好ましくは、ゲート絶縁層4の厚さは、約800Å~約1200Åの範囲である。より好ましくは、ゲート絶縁層4の厚さは、約1000Åである。
【0045】
好ましくは、ゲート電極5の厚さは、約2000Å~約3000Åの範囲である。より好ましくは、ゲート電極5の厚さは約2500Åである。
【0046】
好ましくは、層間誘電体層6の厚さは、約3000Å~約6000Åの範囲である。より好ましくは、層間誘電体層6の厚さは約5000Åである。
【0047】
好ましくは、ドレイン電極7の厚さは、約1500Å~約3000Åの範囲である。より好ましくは、ドレイン電極7の厚さは約2000Åである。
【0048】
好ましくは、平坦化層8の厚さは、約15000Å~約25000Åの範囲である。より好ましくは、平坦化層8の厚さは、約20000Åである。
【0049】
好ましくは、パッシベーション層9の厚さは、約500Å~約1500Åの範囲である。より好ましくは、パッシベーション層9の厚さは約1000Åである。
【0050】
好ましくは、第1の電極10の厚さは、約1000Å~約2000Åの範囲である。より好ましくは、第1の電極10の厚さは約1500Åである。
【0051】
好ましくは、第1の正孔注入層111の厚さは約50Å、第2の正孔注入層112の厚さは約330Å、赤色発光層113の厚さは約100Å、緑色発光層114の厚さは約300Å、第1の電子輸送層115の厚さは約100Å、第1の電荷発生層116の厚さは約200Å、第3の正孔注入層117の厚さは約1100Å、正孔輸送層118の厚さは約100Å、青色発光層119の厚さは約250Å、第2の電子輸送層120の厚さは約400Å、第2の電荷発生層121の厚さは約1000Åである。
【0052】
好ましくは、平坦化層8の屈折率は約1.5である。より好ましくは、パッシベーション層9の屈折率は約2.0である。好ましくは、第1の電極10の屈折率は、約1.8である。好ましくは、有機層11の各サブ層(例えば、有機発光層11a、第1の正孔注入層111、緑色発光層114など)の屈折率は、約1.8である。
【0053】
好ましくは、平坦化層8は、複数のサブ層を含む。好ましくは、平坦化層8の前記複数のサブ層の各々は、異なる屈折率を有する。より好ましくは、平坦化層8の前記複数のサブ層の屈折率は、平坦化層8の深さ方向に沿って階段状にまたは直線状に変化する。更に好ましくは、平坦化層8の前記複数のサブ層の屈折率は、ベース基板1から離間する厚さ方向に沿って(例えば、階段状または直線状に)減少する。同様に、幾つかの実施形態では、本表示基板の他の層のいずれかは、複数のサブ層を含んでもよく、前記複数のサブ層の屈折率は、特定の層の深さ方向に沿って、段階状または直線状に変化してもよい。好ましくは、前記複数のサブ層の屈折率は、ベース基板1から離間する厚さ方向に沿って減少する(例えば、段階状又は直線状)。
【0054】
図1に示すように、幾つかの実施形態では、ドレイン電極7および第2の電極12は、マイクロキャビティ構造Mを構成する。ここでは、「マイクロキャビティ」という用語は、固体発光デバイスにおける光共振キャビティを指す。例えば、本開示の文脈によると、ドレイン電極7および第2の電極12は、マイクロキャビティ構造M内の2つの反射ミラーを構成する。好ましくは、マイクロキャビティ構造Mは、ドレイン電極7と第2の電極12との間の各層の光路長の合計に実質的に等しい光学距離を有する。ここでは、「光路長」は、測定光が移動する媒質の屈折率nと測定光が屈折率nの媒質を通過する距離との積である、すなわち、光路長は、測定光が屈折率nを有する媒質を通過するのにかかる時間の間に、測定光が真空中を移動する距離に等しい。
【0055】
幾つかの実施形態では、マイクロキャビティ構造Mの光学距離はλの非整数倍であり、λは有機発光層から発せられる光の波長である。マイクロキャビティ構造Mの光学距離をλの非整数倍にすることにより、マイクロキャビティ構造Mのマイクロキャビティ効果を効果的に低減することができる。
【0056】
幾つかの実施形態では、マイクロキャビティ構造Mの光学距離は、パッシベーション層9、平坦化層8、有機層11、および第1の電極10の光路長の合計に実質的に等しい。好ましくは、マイクロキャビティ構造Mの光学距離は、DPLN8×NPLN8+DPVX9×NPVX9+DIT010×NITO10+DHIL111×NHIL111+DHIL112×NHIL112+DREML113×NREML113+DGEML114×NGEML114+DETL115×NETL115+DCGL116×NCGL116+DHIL117×NHIL117+DHTL118×NHTL118+DBEML119×NBEML119+DETL120×NETL120+DCGL121×NCGL121と実質的に等しい。好ましくは、マイクロキャビティ構造Mの光学距離は、20000Å×1.5+1000Å×2.0+1500Å×1.8+50Å×1.8+330Å×1.8+100Å×1.8+300Å×1.8+100Å×1.8+200Å×1.8+1100Å×1.8+100Å×1.8+250Å×1.8+400Å×1.8+100Å×1.8=41774Åと実質的に等しく、しかもk×λと実質的に等しくない。上式では、DPLN8は平坦化層8の厚さ、NPLN8は平坦化層8の屈折率、DPVX9はパッシベーション層9の厚さ、NPVX9はパッシベーション層9の屈折率、DIT010は第1の電極10の厚さ、NITO10は第1の電極10の屈折率、DHIL111は第1の正孔注入層111の厚さ、NHIL111は第1の正孔注入層111の屈折率、DHIL112は第2の正孔注入層112の厚さ、NHIL112は第2の正孔注入層112の屈折率、DREML113は赤色発光層113の厚さ、NREML113は赤色発光層113の屈折率、DGEML114は緑色発光層114の厚さ、NGEML114は緑色発光層114の屈折率、DETL115は第1の電子輸送層115の厚さ、NETL115は第1の電子輸送層115の屈折率、DCGL116は第1の電荷発生層116の厚さ、NCGL116は第1の電荷発生層116の屈折率、DHIL117は第3正孔注入層117の厚さ、NHIL117は第3の正孔注入層117の屈折率、DHTL118は正孔輸送層118の厚さ、NHTL118は正孔輸送層118の屈折率、DBEML119は青色発光層119の厚さ、NBEML119は青色発光層119の屈折率、DETL120は第2の電極輸送層120の厚さ、NETL120は第2の電極輸送層120の屈折率、DCGL121は第2の電荷発生層121の厚さ、NCGL121は第2電荷発生層121の屈折率であり、kは正の整数、λは有機発光層から発せられる光の波長である。
【0057】
好ましくは、平坦化層8は、複数のサブ層を含む。平坦化層8の光路長は、平坦化層8の前記複数のサブ層の光路長の合計に実質的に等しい。同様に、いくつかの実施形態では、本表示基板の他の層のいずれかは、複数のサブ層を含んでもよく、かつ特定の層の光路長は、該特定の層の前記複数のサブ層の光路長の合計と実質的に等しい。
【0058】
本表示基板では、マイクロキャビティ構造Mの光学距離はλの非整数倍に設計され、λは有機発光層から発せられる光の波長である。例えば、マイクロキャビティ構造Mの光学距離は、ドレイン電極7と第2の電極12との間の各層の厚さ及び屈折率を選択することによって設定することができる。かかる設計により、マイクロキャビティ構造Mのマイクロキャビティ効果は、効果的に削減される。
【0059】
図3は、本開示の幾つかの実施形態におけるOLED表示基板の発光スペクトルと従来のOLED表示基板の発光スペクトルとの比較図である。
図3において、従来のOLED表示基板の発光スペクトルはA、本開示の発光スペクトルはBと表記された。従来のOLED表示基板と比べて、本開示のトップエミッション型OLED表示基板は、マイクロキャビティ効果が低減されている。
図3に示すように、本開示のトップエミッション型OLED表示基板は、従来のOLED表示基板に比べて発光スペクトルが広い。こうして、本開示のトップエミッション型のOLED表示基板は、全スペクトル発光を達成することができる。
【0060】
図4は、本開示の幾つかの実施形態におけるトップエミッション型OLED表示基板の構造を示す図である。
図4に示すように、幾つかの実施形態では、トップエミッション型OLED表示基板は、パッシベーション層を含まない(
図1のものと比較して)。平坦化層8は、第1の電極10とドレイン電極7との間に形成されている。具体的には、平坦化層8は、ドレイン電極7のベース基板1から離間する側に形成され、且つ第1の電極10は平坦化層8のドレイン電極7から離間する側に形成される。第2のビア15は平坦化層8を貫通して伸びており、第1の電極10は第2のビア15を介してドレイン電極7に電気的に接続されている。
【0061】
好ましくは、マイクロキャビティ構造Mの光学距離は、平坦化層8、有機層11、および第1の電極10の光路長の合計に実質的に等しい。
【0062】
幾つかの実施形態では、本表示基板は、第1の電極10と第2の電極12との間ではなく、ドレイン電極7と第2の電極10との間にマイクロキャビティが形成されている。第1の電極10は、ドレイン電極7に対応する位置に配置されている。ドレイン電極7の幅は、第1電極10の幅に等しいかそれより大きい。本表示基板のマイクロキャビティ構造は、従来の表示基板に比べて、光学距離がはるかに大きく、マイクロキャビティ効果が大幅に低減される。本表示基板は、光の全スペクトル発光と、発光特性の向上とを達成した。第1の電極10は、例えば金属酸化物などの実質的に透明な導電性材料からなり、第1の電極10の反射率およびマイクロキャビティ効果を低減させた。第2の電極12は、金属材料で形成されており、第2の電極12を形成するための電極材料を堆積するためのスパッタリング工程が不要となり、スパッタリング工程に伴う有機層11の損傷を回避することができる。製造プロセスの簡略化、および製品品質や使用寿命の向上を達成することができる。ドレイン電極7と第2の電極12との間の各層の厚さと屈折率を選択することにより、光学距離はλの非整数倍に設定することができ、本表示基板におけるマイクロキャビティ効果をさらに低減することができる。
【0063】
また、他の態様によると、本開示はここに記載のトップエミッション型OLED表示基板を用いるトップエミッション型OLED表示装置を提供する。好ましくは、トップエミッション型OLED表示基板は白色発光表示基板である。より好ましくは、トップエミッション型OLED表示装置は、トップエミッション型OLED表示装置の発光面に対向するカラーフィルタ基板をさらに含む。更に好ましくは、トップエミッション型OLED表示装置は、前記トップエミッション型OLED表示基板の光出射側に封止層を有し、カラーフィルタ基板は、封止層の前記トップエミッション型OLED表示基板から離間する側に形成される。
【0064】
別の態様では、本開示は、複数のサブピクセル領域を有するトップエミッション型OLED表示基板を製造する方法を提供する。幾つかの実施形態では、該方法は、前記複数のサブピクセル領域の各々において、前記ベース基板上に反射性導電物質からなるドレイン電極を含む薄膜トランジスタが形成する工程と、前記ドレイン電極のベース基板から離間する側にOLEDを形成する工程を有する。好ましくは、前記OLEDを形成する工程は、前記ドレイン電極の前記ベース基板から離間する側に、実質的に透明な導電材料からなり、前記ドレイン電極に電気的に接続される第1の電極を形成するステップと、前記第1の電極の前記ドレイン電極から離間する側に、有機発光層を含む有機層を形成するステップと、前記有機層の前記第1の電極から離間する側に第2の電極を形成するステップとを含む。好ましくは、トップエミッション型OLED表示基板は、実質的に第1の電極から第2の電極への方向に向かって光を発するように形成される。
【0065】
好ましくは、ドレイン電極および有機発光層は、ドレイン電極のベース基板における正投影が有機発光層の発光領域のベース基板における正投影を実質的に覆うように形成される。より好ましくは、ドレイン電極および有機発光層は、ドレイン電極のベース基板における正投影が有機発光層の発光領域のベース基板における正投影と実質的に重なるように形成される。好ましくは、ドレイン電極および第1の電極層は、ドレイン電極のベース基板における正投影が第1の電極層のベース基板における正投影を実質的に覆うように形成される。より好ましくは、ドレイン電極および第1の電極層は、ドレイン電極のベース基板における正投影が第1の電極層のベース基板における正投影と実質的に重なるように形成される。
【0066】
好ましくは、該方法は、ドレイン電極のベース基板から離間する側に平坦化層を形成するステップをさらに有する。更に好ましくは、該方法は、平坦化層のドレイン電極から離間する側にパッシベーション層を形成するステップをさらに有する。
【0067】
本発明の実施形態に関する前述の説明は、例示および説明のために提示されたものである。本開示を包括することを意図するものでもなく、本発明を開示された正確な形態または例示的な実施形態に限定することも意図していない。したがって、前述の説明は、限定的ではなく例示的なものとみなされるべきである。当業者にとって、多くの変形および変更があることは明らかである。以上の実施形態は、本発明の原理および最良形態の実用的な適用を説明するために選択され、それにより、意図された特定の使用または実施に適した様々な変更および様々な実施形態について当業者に本発明を理解させることを可能にする。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義されることが意図されており、その中で、すべての用語は、特に明記しない限り最も広い合理的な意味である。したがって、「発明」、「本発明」などの用語は、特許請求の範囲を特定の実施形態に限定するものではなく、本発明の例示的な実施形態への言及は本発明の限定を意味するものではなく、そのような制限に推測されるべきではない。本発明は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲によってのみ限定される。さらに、これらの請求項では、名詞または要素の前に「第1」、「第2」などを使用することがある。そのような用語は、命名法として理解されるべきであり、特定の数が与えられていない限り、そのような命名法によって変更される要素の数に制限を与えるものと解釈されるべきではない。記載された利点および長所は、本発明のすべての実施形態に適用されるわけではない。請求項によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって記載された実施形態に変更を加えることができることを理解されたい。さらに、本開示における要素および構成要素は、その要素または構成要素が請求項において明示的に列挙されているかどうかにかかわらず、一般に公開することを意図していない。
【0068】
本出願は、2016年11月29日に出願された中国特許出願201611090179.X号を基礎出願とするものであり、基礎出願の開示内容は参照によって本出願に組み込まれている。