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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-02
(45)【発行日】2023-02-10
(54)【発明の名称】実装装置、制御装置及び設定方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/08 20060101AFI20230203BHJP
【FI】
H05K13/08 Q
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019559898
(86)(22)【出願日】2017-12-19
(86)【国際出願番号】 JP2017045529
(87)【国際公開番号】W WO2019123534
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-06-01
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】天野 雅史
(72)【発明者】
【氏名】小谷 一也
【合議体】
【審判長】平田 信勝
【審判官】小川 恭司
【審判官】保田 亨介
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-65815(JP,A)
【文献】特開2003-273590(JP,A)
【文献】特開2013-123020(JP,A)
【文献】特開平8-111599(JP,A)
【文献】特開2012-39096(JP,A)
【文献】米国特許第4914513(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 - 13/08
H05K 3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を基板に配置する実装処理を実行する実装装置であって、
複数の部品を採取して移動する実装ヘッドと、
前記実装ヘッドに採取された前記部品を撮像する撮像部と、
前記撮像された部品の画像処理において、該部品の画像を複数に分割して2以上が担当して並列処理する第1処理及び、該部品の画像ごとに1つが担当して並列処理する第2処理のうち少なくとも一方を実行する複数の制御部と、を備え、
前記複数の制御部は、前記実装ヘッドに採取され同一工程で一度に保持される複数の部品のうち、画像処理に要する必要処理時間が、目標時間を超える部品に対して前記第1処理を行い、前記目標時間を超えない部品に対して、前記複数の制御部のうちのひとつの制御部が前記目標時間を超えない部品の画像処理を行い、前記複数の制御部は、前記第1処理を行ったとしても前記必要処理時間が前記目標時間を超える部品がある場合は、前記複数の部品のうち、該部品より前の画像処理において更に分割可能なものを遡って分割する、実装装置。
【請求項2】
前記複数の制御部は、複数の撮像画像を用いて該撮像画像よりも画質の高い画像を生成する超解像処理において、前記第1処理及び/又は第2処理を実行する、請求項1に記載の実装装置。
【請求項3】
前記目標時間は、前記実装ヘッドに同時保持される部品数、該部品の配置座標、該部品毎の配置座標間隔、部品形状及び部品サイズのうち1以上を含む実装条件に基づいて設定されている、請求項1又は2に記載の実装装置。
【請求項4】
前記複数の制御部は、前記部品の位置認識、前記部品の形状認識、前記部品の部位認識、前記部品の部位検査のうち1以上の前記画像処理において前記第1処理及び/又は前記第2処理を実行する、請求項1~3のいずれか1項に記載の実装装置。
【請求項5】
前記複数の制御部は、該制御部の数に対応する画像数に分割する対応分割、前記画像をライン単位の領域で分割するライン領域分割、前記画像を均等に分割する均等分割のうち1以上の分割画像を用いて前記第1処理を実行する、請求項1~4のいずれか1項に記載の実装装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記撮像された部品の画像処理に対して、該部品の画像を複数に分割して2以上の前記制御部が担当して並列処理する第1処理及び、該部品の画像ごとに1つの前記制御部が担当して並列処理する第2処理のうち少なくとも一方を設定する、請求項1~5のいずれか1項に記載の実装装置。
【請求項7】
複数の部品を採取して移動する実装ヘッドと前記実装ヘッドに採取された前記部品を撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像された画像を処理する複数の制御部とを備え該部品を基板に配置する実装処理を実行する実装装置を含む実装システムに用いられる制御装置であって、
前記撮像された部品の画像処理に対して、該部品の画像を複数に分割して2以上の前記制御部が担当して並列処理する第1処理及び、該部品の画像ごとに1つの前記制御部が担当して並列処理する第2処理のうち少なくとも一方を設定
記実装ヘッドに採取され同一工程で一度に保持される複数の部品のうち、画像処理に要する必要処理時間が、目標時間を超える部品に対して前記第1処理を行い、前記目標時間を超えない部品に対して、前記複数の制御部のうちのひとつの制御部が前記目標時間を超えない部品の画像処理を行い、前記複数の制御部は、前記第1処理を行ったとしても前記必要処理時間が前記目標時間を超える部品がある場合は、前記複数の部品のうち、該部品より前の画像処理において更に分割可能なものを遡って分割する設定部を備えた制御装置。
【請求項8】
複数の部品を採取して移動する実装ヘッドと前記実装ヘッドに採取された前記部品を撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像された画像を処理する複数の制御部とを備え該部品を基板に配置する実装処理を実行する実装装置を含む実装システムに用いられる設定方法であって、
前記実装ヘッドに採取され同一工程で一度に保持される複数の部品のうち、画像処理に要する必要処理時間が、目標時間を超える部品があるか否かを判定するステップと、
前記目標時間を超える該部品の画像処理に対して、該部品の画像を複数に分割して2以上の前記制御部が担当して並列処理する第1処理を設定し、前記目標時間を超えない部品に対して、前記複数の制御部のうちのひとつの制御部が前記目標時間を超えない部品の画像処理を行い、前記複数の制御部は、前記第1処理を行ったとしても前記必要処理時間が前記目標時間を超える部品がある場合は、前記複数の部品のうち、該部品より前の画像処理において更に分割可能なものを遡って分割するよう設定するステップと、
を含む設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、実装装置、制御装置及び設定方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、実装装置としては、撮像により得た画像データに含まれる部品の一部を含む処理領域の設定を行い、処理領域に対して超解像処理を行う処理部と、部分的に超解像処理された画像データに基づいて部品の位置及び角度を認識する処理を行うものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この実装装置では、多様な部品に対して組立制御の精度を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/049723号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、電子部品は、微細化傾向にあり、例えば、大量の微細電極を有する大型部品なども存在する。このような大型部品において、電極自体は非常に小さいために、その検出には、上述した特許文献1のように、超解像処理を行うことが求められる。超解像処理などを行う領域が増加すると、画像処理に時間がかかり、時間あたりの部品装着点数を低下することがあった。このように、実装装置では、部品を撮像した撮像画像の画像処理をより効率的に実行することが求められていた。
【0005】
本明細書で開示する発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、画像処理をより効率的に実行することができる実装装置、制御装置及び設定方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
部品を基板に配置する実装処理を実行する実装装置であって、
複数の部品を採取して移動する実装ヘッドと、
前記実装ヘッドに採取された前記部品を撮像する撮像部と、
前記撮像された部品の画像処理において、該部品の画像を複数に分割して2以上が担当して並列処理する第1処理及び、該部品の画像ごとに1つが担当して並列処理する第2処理のうち少なくとも一方を実行する複数の制御部と、を備えたものである。
【0008】
この実装装置では、部品の画像を複数に分割して2以上の制御部が担当して並列処理する第1処理や、部品の画像ごとに1つの制御部が担当して並列処理する第2処理によって、部品の撮像画像の画像処理を実行する。この実装装置では、第1処理や第2処理の並列処理を実行することにより、画像処理をより効率的に実行することができる。
【0009】
本開示の実装装置において、前記複数の制御部は、複数の撮像画像を用いて該撮像画像よりも画質の高い画像を生成する超解像処理において、前記第1処理及び/又は第2処理を実行するものとしてもよい。この実装装置では、画像処理に時間のかかる超解像処理に対して、より効率的に実行することができる。ここで、「画質」とは、撮像対象(部品や部品の部位)を正しく認識可能な画像の質の指標をいうものとする。例えば、「高画質の画像」とは、より高い確率で正しい位置や形状を得ることができる画像をいい、よりノイズの少ない画像や、より高解像度の画像、より拡大率の高い画像などをいうものとする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実装システム10の一例を示す概略説明図。
図2】実装部13及び撮像部18の説明図。
図3】並列処理条件設定ルーチンの一例を示すフローチャート。
図4】目標時間と処理配分に関する一例を示す説明図。
図5】実装処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
図6】第1画像51、第2画像52及び第3画像53の説明図。
図7】画像処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
図8】超解像処理の一例を示す説明図。
図9】処理領域を4分割する一例を示す説明図。
図10】別の画像処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
図11】処理領域を分割しない一例を示す説明図。
図12】別の画像処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本開示の一例である実装システム10の概略説明図である。図2は、実装部13及び撮像部18の一例を示す説明図である。実装システム10は、例えば、部品Pを基板Sに実装する処理を実行するシステムである。この実装システム10は、実装装置11と、ホストコンピュータ(PC)30とを備えている。実装システム10は、部品Pを基板Sに実装する実装処理を実施する複数の実装装置11が上流から下流に配置された実装ラインとして構成されている。図1では、説明の便宜のため実装装置11を1台のみ示している。なお、本実施形態において、左右方向(X軸)、前後方向(Y軸)及び上下方向(Z軸)は、図1、2に示した通りとする。また、部品P1,P2,P3(図2参照)などは、部品Pと総称する。
【0012】
実装装置11は、図1に示すように、基板処理部12と、実装部13と、部品供給部17と、撮像部18と、制御部20とを備えている。基板処理部12は、基板Sの搬入、搬送、実装位置での固定、搬出を行うユニットである。基板処理部12は、図1の前後に間隔を開けて設けられ左右方向に架け渡された1対のコンベアベルトを有している。基板Sはこのコンベアベルトにより搬送される。
【0013】
実装部13は、部品Pを部品供給部17から採取し、基板処理部12に固定された基板Sへ配置するユニットである。実装部13は、ヘッド移動部14と、実装ヘッド15と、吸着ノズル16とを備えている。ヘッド移動部14は、ガイドレールに導かれてXY方向へ移動するスライダと、スライダを駆動するモータとを備えている。実装ヘッド15は、複数の部品を採取してヘッド移動部14によりXY方向へ移動するものである。この実装ヘッド15は、スライダに取り外し可能に装着されている。実装ヘッド15の下面には、1以上の吸着ノズル16が取り外し可能に装着されている。実装ヘッド15は、部品Pを採取する複数の吸着ノズル16(図2では4個)が円周上に配置されている。吸着ノズル16は、負圧を利用して部品を採取する採取部材であり、実装ヘッド15に取り外し可能に装着されている。この採取部材は、吸着ノズル16のほか、部品Pを機械的に保持するメカニカルチャックなどとしてもよい。
【0014】
部品供給部17は、実装部13へ部品Pを供給するユニットである。この部品供給部17には、部品Pを保持したテープを有するフィーダが複数装着されている。このフィーダは、テープに保持された部品Pを採取位置へ送り出す。この部品供給部17は、部品Pを複数配列して載置するトレイを有するトレイユニットを備えていてもよい。実装装置11で用いる部品Pには、図2に示すように、部品P1~P3などが含まれる。部品P1~P3は、比較的大きいサイズを有する大型部品であり、板状の本体部40と、微細な部位であるバンプ42とを有している。バンプ42は、本体部40の下部に多数配列されている電極である。この部品P1~P3は、実装処理時にバンプ42の形状や存在などの検査を要する。
【0015】
撮像部18は、画像を撮像する装置であり、実装ヘッド15に採取され保持された1以上の部品Pの画像を撮像するパーツカメラである。この撮像部18は、部品供給部17と基板処理部12との間に配置されている。この撮像部18の撮像範囲は、撮像部18の上方である。撮像部18は、部品Pを保持した実装ヘッド15が撮像部18の上方を通過する際、1又は2以上の画像を撮像し、撮像画像データを制御部20へ出力する。
【0016】
制御部20は、図1に示すように、複数のCPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、第1CPU21、第2CPU22、第3CPU23、第4CPU24と、各種データを記憶する記憶部25などを備えている。制御部20は、基板処理部12、実装部13、部品供給部17、撮像部18へ制御信号を出力し、実装部13や部品供給部17、撮像部18からの信号を入力する。この制御部20は、第1CPU21~第4CPU24が、実装制御処理、画像処理、通信処理、データの管理処理などのうちいずれかを分担して実行する。記憶部25には、実装条件情報26が記憶されている。この実装条件情報26には、部品Pを実装する際の配置順、部品Pの識別情報(ID)、部品形状及び部品サイズなどの部品情報、使用する吸着ノズルの情報、基板S上の配置位置(座標)の情報のほか、超解像処理の要否情報なども含まれている。なお、超解像処理とは、複数の撮像画像からこれよりも高画質な画像を生成する処理(マルチフレーム超解像処理)をいう。実装装置11は、ホストPC30で生成された実装条件情報35を実装処理の前までにホストPC30から取得し、記憶部25に記憶させる。
【0017】
ホストPC30は、実装システム10の各装置の情報を管理するコンピュータである。ホストPC30は、図1に示すように、制御装置31と、記憶部33と、表示部38と、入力装置39とを備えている。制御装置31は、CPU32を中心とするマイクロプロセッサとして構成されている。記憶部33は、例えばHDDなど、処理プログラムなど各種データを記憶する装置である。表示部38は、各種情報を表示する液晶画面である。入力装置39は、作業者が各種指令を入力するキーボード及びマウス等を含む。記憶部33には、実装条件情報35が記憶されている。実装条件情報35は、ホストPC30で作成され、記憶部33に記憶され必要に応じて実装装置11へ送信される。この実装条件情報35は、実装条件情報26と同様の情報を含んでいる。
【0018】
次に、こうして構成された本実施形態の実装システム10の動作、まず、部品Pを撮像した画像データの処理を複数のCPUに配分する設定処理について説明する。図3は、ホストPC30のCPU32が実行する並列処理条件設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、記憶部33に記憶され、作業者の設定開始入力に基づいて実行される。このルーチンが開始されると、CPU32は、まず、並列処理を実行する実装装置11が用いる実装条件情報35を記憶部33から読み出して取得する(S100)。この実装条件情報35には、例えば、部品Pの情報や配置順、配置位置、部品Pの部位検査の有無、超解像処理の要否など、処理配分を判定可能な情報が含まれていればよく、作成途中(仮設定)のものであってもよい。
【0019】
次に、CPU32は、実装ヘッド15が同一工程で一度に保持する部品群を設定し(S110)、その部品群から対象部品を選択する(S120)。CPU32は、取得した実装条件情報35に含まれる配置順に部品群を設定し、並列処理に関する設定を行う対象部品を選択する。次に、CPU32は、対象部品の処理内容を取得し(S130)、撮像部18での撮像後における、配置位置に配置されるまでの目標時間を算出する(S140)。この目標時間は、例えば、実装ヘッド15に同時保持される部品数、部品の配置座標、部品毎の配置座標間隔、部品形状及び部品サイズのうち1以上を含む実装条件に基づいて設定されるものとしてもよい。例えば、CPU32は、実装ヘッド15に保持する部品Pのそれぞれの基板S上の配置位置の間隔(配置座標間隔)と移動速度などに基づいて対象部品の目標時間を算出する。続いて、CPU32は、複数CPUによる並列処理が対象部品に必要であるか否かを判定する(S150)。この並列処理とは、画像処理領域を分割し、複数のCPUでこの分割領域を同時に処理することをいう。CPU32は、例えば、対象部品の部品形状や部品サイズ、超解像処理の要否情報などに基づいて対象部品の画像処理に要する必要処理時間を概算し、その必要処理時間が目標時間を超えるか否かに基づいて並列処理の要又は不要を判定する。CPU32は、並列処理を要すると判定したときには、CPUのリソースに基づいて画像処理領域を配分する(S160)。なお、制御装置31では、部品Pの画像を複数に分割して2以上のCPU(第1CPU21~第4CPU24)がこれを担当して並列処理する第1処理及び、部品Pの画像ごとに1つのCPUがこれを担当して並列処理する第2処理のうち少なくとも一方を実装時の処理条件として設定する。また、制御装置31は、部品Pの位置認識、部品Pの形状認識、部品Pの部位認識、部品Pの部位検査のうち1以上の画像処理において第1処理や第2処理を実行するように実装時の処理条件を設定する。更に、制御装置31は、超解像処理において、第1処理や第2処理を実行するように実装時の処理条件を設定する。
【0020】
図4は、目標時間と処理配分に関する一例を示す説明図であり、図4Aが目標時間に対する各部品が要する処理時間の関係図であり、図4Bが処理領域の分割の説明図である。ここでは、図2に示すように、部品P3、部品P2、及び2個の部品P1を採取し、超解像処理を行った画像を用いて部品Pの部位(バンプ42)の認識及び検査を行い、採取順で配置させる場合を一例として説明する。CPU32は、撮像部18で実装ヘッド15を撮像したのち、各部品の配置位置へ順に移動し配置する時間を求める。CPU32は、部品Paに対し(図4B)、目標時間taを算出する(図4A)。次に、CPU32は、部品Paに対し、必要処理時間Taを算出する。なお、CPU32は、部品Pb,Pc,Pdに対しても同様に、それぞれ目標時間tb,tc,tdと、必要処理時間Tb,Tc,Tdとを算出する。続いて、CPU32は、必要処理時間Ta,Tbがそれぞれ目標時間ta,tbを超えないため、画像処理領域の分割は行わず、第1CPU21が処理領域A,Bの処理を行うよう処理担当を設定する。一方、CPU32は、必要処理時間Tcが目標時間tcを超えるため、これを超えない範囲で画像処理領域の分割を行う。ここでは、CPU32は、第1CPU21が処理領域C1を担当し、第2CPU22が処理領域C2を担当するよう処理領域の分割及び処理担当を設定する。この分割は、例えば、CPUの数に対応する画像数に分割する対応分割、画像をライン単位の領域で分割するライン領域分割、画像を均等に分割する均等分割のうち1以上を行うものとしてもよい。また、この領域分割において、画像処理領域は、例えば、画像処理対象となる部品Pの部位(例えばバンプ42)が分割されない領域で分割されることが好ましい。このような分割は、部品形状データに基づいて行うことができる。そして、CPU32は、必要処理時間Tdが目標時間tdを超えるため、これを超えない範囲で画像処理領域の分割を行う。ここでは、CPU32は、ライン領域分割及び均等分割により、第1CPU21が処理領域D1、第2CPU22が処理領域D2、第3CPU23が処理領域D3及び第4CPU24が処理領域D4をそれぞれ担当するよう処理領域の分割及び処理担当を設定する。なお、CPU32は、処理領域D4を分割しても必要処理時間Tdが目標時間tdを超える場合は、それより前の画像処理において更に分割可能なものを遡って分割するものとしてもよい。ここでは、例えば、処理領域Cを4分割するものとしてもよい。このように、CPU32は画像処理による配置待ち時間が生じないように1以上のCPUでの並列処理を設定する。
【0021】
S160のあと、または、S150で並列処理を要さないと判定したのち、CPU32は、部品群の全てに対し並列処理の判定を行った否かを判定し(S170)、部品群の全てを判定していないときには、S120以降の処理を実行する。即ち、次の部品群を設定し、対象部品を選択して必要に応じて画像処理を配分する。一方S170で部品群の全てを判定したときには、上記設定した内容を並列処理設定として実装条件情報35に含めて記憶部33に記憶し(S190)、このルーチンを終了する。実装条件情報35は、その後、実装装置11に送信され、実装条件情報26として記憶部25に記憶される。
【0022】
次に、設定した実装条件情報26を用いて実装装置11が部品Pを基板Sに実装する処理について説明する。図5は、制御部20により実行される実装処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、記憶部25に記憶され、作業者の実装開始入力に伴い実行される。このルーチンが開始されると、制御部20は、まず、実装条件情報26を読み出して取得し(S200)、基板Sの搬送及び固定処理を基板処理部12に行わせる(S210)。次に、制御部20は、実装条件情報26の配置順に基づいて同一工程で実装ヘッド15が保持する部品Pを設定する(S220)。次に、制御部20は、必要に応じて吸着ノズル16を装着、変更し、部品Pの採取及び移動処理を実装部13に行わせる(S230)。制御部20は、このとき撮像部18の上方を通過するよう実装ヘッド15を移動させる。次に、制御部20は、実装ヘッド15に保持された部品Pの撮像処理を撮像部18に実行させる(S240)。このとき、実装ヘッド15に超解像処理が必要な部品Pが保持されているときには、実装ヘッド15の位置を変えた画像を複数枚撮像する。撮像部18が画像を撮像すると、制御部20は、画像処理及び検査処理を行いながら移動処理及び配置処理を実行する(S250)。
【0023】
ここで、S250の処理について図4を一例として説明する。図6は、第1画像51、第2画像52及び第3画像53の説明図である。図7は、制御部20が第1~第4CPUを用いて並列処理する画像処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。図8は、超解像処理の一例を示す説明図であり、図8Aが低画質画像の図、図8Bが超解像処理での高画質画像の説明図、図8Cが低画質画像の画素座標の図。図8Dが超解像処理の高画質画像の画素座標の図、図8Eがバンプの撮像画像51A~53Aの図、図8Fが超解像画像54Aの説明図である。例えば、図4の例では、制御部20は、部品Paの配置位置まで実装ヘッド15を移動させると共に、処理領域Aに対して超解像処理を行い本体部40に形成されたバンプ42の画像を解析し、形状や欠如などの有無の検査を行い、部品P3を配置する。また、同様に、制御部20は、部品Pb、Pc、Pdの配置位置まで実装ヘッド15を移動させ、その移動の時間に画像処理を行う。なお、制御部20は、エラーの検査結果が得られたときは、その部品Pを所定の廃棄場所に廃棄させる。
【0024】
この超解像処理は、複数の撮像画像を用い、撮像画像51A~53Aなどとの正確な移動量を求め、仮の高画質画像を生成し、この仮の画像に対してぼけ推定処理、再構成処理を行い、撮像画像に比して高画質の画像を生成する。図8Bに示すように、低画質画像を整数以外のピクセルピッチの範囲(例えば、0.5ピクセル、1.5ピクセルなど)でずらして撮像した画像を重ね合わせると、画素間の情報をより増やすことができる。また、実際に撮像した画像を用いるため、単に推定して画素間の情報を補間するのに比して、信頼性の高い高画質画像を生成することができる。この超解像処理は、単純に処理量が多いため、時間がかかる処理である。制御部20では、図7に示すように、4つのCPUにより並列処理で画像処理を行う。
【0025】
また、制御部20は、図7に示す画像処理を実行する。この画像処理を実行すると、第1CPU21は、処理領域Aの画像処理(例えば超解像処理)を実行し(S301)、処理領域Aの部品の位置を決定し、部位の検査処理を実行し(S305)、処理領域Bの画像処理を実行し(S311)、処理領域Bの部品の位置を決定し、部位の検査処理を実行する(S315)。続いて、第1CPU21は、処理領域C1の画像処理を実行し(S321)、これと並列に第2CPU22は、処理領域C2の画像処理を実行し(S322)、処理領域Cの部品の位置を決定し、部位の検査処理を実行する(S325)。S325では、画像の分割状況により、各CPUが分担して行うことができる場合は分担して行う。各CPUが分担できない場合は、いずれか1以上のCPUが画像をまとめる処理や位置決定処理、検査処理を実行する。そして、第1CPU21は、処理領域D1の画像処理を実行し(S331)、これと並列に第2CPU22が処理領域D2の画像処理(S332)、第3CPU23が処理領域D3の画像処理(S333)、第4CPU24が処理領域D4の画像処理を実行し(S334)、処理領域Dの部品の位置を決定し、部位の検査処理を実行する(S335)。実装装置11は、並列処理することにより、各部品Pの目標時間tに間に合うように画像処理を実行する。
【0026】
実装処理ルーチンの説明に戻り、S250のあと、制御部20は、現基板の実装処理が完了したか否かを判定し(S260)、完了していないときには、S220以降の処理を実行する。即ち、制御部20は、次に採取する部品Pを設定し、必要に応じて吸着ノズル16を取り替え、部品Pを撮像し、画像処理を並列処理しながら部品Pを基板Sに配置させる。一方、S260で現基板の実装処理が完了したときには、制御部20は、実装完了した基板Sを基板処理部12により排出させ(S270)、生産完了したか否かを判定する(S280)。生産完了していないときには、制御部20は、S210以降の処理を実行する一方、生産完了したときには、このルーチンを終了する。
【0027】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の実装ヘッド15が実装ヘッドに相当し、撮像部18が撮像部に相当し、第1CPU21~第4CPU24が複数の制御部に相当し、CPU32が設定部に相当する。また、制御装置31が制御装置に相当し、実装装置11が実装装置に相当する。なお、本実施形態では、ホストPC30の動作を説明することにより本開示の設定方法の一例も明らかにしている。
【0028】
以上説明した実施形態の実装装置11は、部品Pの画像を複数に分割して2以上の制御部(第1CPU21~第4CPU24)が担当して並列処理する第1処理や、部品の画像ごとに1つの制御部が担当して並列処理する第2処理によって、部品Pの撮像画像の画像処理を実行する。この実装装置11では、第1処理や第2処理の並列処理を実行することにより、画像処理をより効率的に実行することができる。また、複数の制御部は、複数の撮像画像を用いてこの撮像画像よりも高画質の画像を生成する超解像処理において、第1処理及び/又は第2処理を実行する。この実装装置11では、画像処理に時間のかかる超解像処理に対して、より効率的に実行することができる。更に、複数の制御部は、実装ヘッド15に採取される複数の部品Pのうち各々の部品Pに設定される目標時間に基づいて各々の部品Pの画像に対して第1処理又は第2処理を行う。この実装装置11では、目標時間に適した第1処理や第2処理を行うため、画像処理をより効率的に実行することができる。更にまた、実装装置11は、実装ヘッドに同時保持される部品数、部品の配置座標、部品毎の配置座標間隔、部品形状及び部品サイズのうち1以上を含む実装条件に基づいて目標時間を設定する。この実装装置11では、このような各々の部品Pに関する実装条件に適した処理を行うことにより、実装処理に要する時間をより短縮することができる。
【0029】
また、複数の制御部は、部品Pの位置認識、部品Pの形状認識、部品Pの部位認識、部品Pの部位検査のうち1以上の画像処理において第1処理及び/又は第2処理を実行する。この実装装置11では、部品Pや部品Pの一部の認識や検査において、画像処理をより効率的に実行することができる。更に、複数の制御部は、制御部の数に対応する画像数に分割する対応分割、画像をライン単位の領域で分割するライン領域分割、画像を均等に分割する均等分割のうち1以上の分割画像を用いて第1処理を実行する。例えば、対応分割では、各制御部に画像処理が割り当てられるため、より効率的に画像処理することができる。また、ライン領域分割では、画像データにおいて画素のライン毎に処理するほうが効率がよいため、画像処理をより効率的に実行することができる。また、均等分割では、処理を均等に分割できるため、画像処理をより効率的に実行することができる。
【0030】
更に、制御装置31は、撮像された部品Pの画像処理に対して、部品Pの画像を複数に分割して2以上のCPU(制御部)が担当して並列処理する第1処理及び、部品Pの画像ごとに1つの制御部が担当して並列処理する第2処理のうち少なくとも一方を設定する。この制御装置31は、上述した実装装置11と同様に第1処理や第2処理の並列処理を実行することにより、画像処理をより効率的に実行することができる。
【0031】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0032】
例えば、上述した実施形態では、第1処理や第2処理を組み合わせた画像処理条件を設定するものとしたが、特にこれに限定されず、部品Pの目標時間や必要処理時間に基づいて、部品種ごとに同じ処理領域の分割を行うものとしてもよい。あるいは、上述した実施形態では、部品Pの目標時間や必要処理時間に基づいて、処理領域の分割を行うものとしたが、特にこれに限定されず、目標時間や必要処理時間に関係せず処理領域の分割を行うものとしてもよい。図9は、処理領域を4分割する一例を示す説明図である。図10は、処理領域を4分割したときの別の画像処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。図9に示すように、制御部が4つあるときは、処理領域を4分割するものとしてもよい。また、処理領域は、図4では、ライン領域分割される例を示したが、図9のように、縦横に均等分割されるものとしてもよい。制御装置31のCPU32は、最初に配置する部品Paの処理領域A1~A4を第1CPU21~第4CPU24がそれぞれ担当するよう処理担当を設定する。次に、CPU32は、2番目に配置する部品Pbの処理領域B1~B4を第1CPU21~第4CPU24がそれぞれ担当するよう処理担当を設定する。続いて、CPU32は、3番目に配置する部品Pcの処理領域C1~C4を第1CPU21~第4CPU24がそれぞれ担当するよう処理担当を設定する。そして、CPU32は、4番目に配置する部品Pdの処理領域D1~D4を第1CPU21~第4CPU24がそれぞれ担当するよう処理担当を設定する。
【0033】
実装装置11の制御部20は、この設定を用いて、実装処理ルーチンを実行し、図10に示す画像処理を実行する。この画像処理を実行すると、第1CPU21は、処理領域A1の画像処理(例えば超解像処理)を実行する(S341)。また、これと並列に第2CPU22~第4CPU24が処理領域A2~A4の画像処理をそれぞれ実行し(S342~344)、処理領域Aの部品の位置を決定し、部位の検査処理を実行する(S345)。S345は、画像の分割状況により、各CPUが分担して行うことができる場合は分担して行う。各CPUが分担できない場合は、いずれか1以上のCPUが画像をまとめる処理や位置決定処理、検査処理を実行する。次に、第1CPU21~第4CPU24は、処理領域B1~B4の画像処理を並列で実行し(S351~S354)、処理領域Bの部品の位置を決定し、部位の検査処理を実行する(S355)。続いて、第1CPU21~第4CPU24は、処理領域C1~C4の画像処理を並列で実行し(S361~S364)、処理領域Cの部品の位置を決定し、部位の検査処理を実行する(S365)。そして、第1CPU21~第4CPU24は、処理領域D1~D4の画像処理を並列で実行し(S371~S374)、処理領域Bの部品の位置を決定し、部位の検査処理を実行する(S375)。この実装装置11は、画像を複数に分割して並列処理することにより、画像処理をより効率的に実行することができる。
【0034】
また、上述した実施形態では、第1処理や第2処理を組み合わせた画像処理条件を設定するものとしたが、特にこれに限定されず、部品Pの目標時間や必要処理時間に基づいて、画像を分割せず、第2処理だけで並列処理するものとしてもよい。あるいは、上述した実施形態では、部品Pの目標時間や必要処理時間に基づいて、処理領域の分割を行うものとしたが、特にこれに限定されず、目標時間や必要処理時間に関係せず、且つ処理領域の分割を行わずに第2処理だけで並列処理するものとしてもよい。図11は、処理領域を分割しない一例を示す説明図である。図12は、処理領域を分割せずに並列処理を行う別の画像処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。図11に示すように、4つの部品を採取し、制御部が4つあるときは、そのまま処理を並列にするものとしてもよい。制御装置31のCPU32は、図11に示すように、部品Pa~Pdの処理領域A~Dを第1CPU21~第4CPU24がそれぞれ並列で担当するよう処理担当を設定する。そして、実装装置11の制御部20は、この設定を用いて、実装処理ルーチンを実行し、図12に示す画像処理を実行する。この画像処理を実行すると、第1CPU21~第4CPU24は、処理領域A~Dの画像処理を並列で実行し(S381~S384)、処理領域A~Dの部品の位置を決定し、部位の検査処理を実行する(S391~394)。この実装装置11は、画像を分割せずに並列処理することにより画像処理をより効率的に実行することができる。
【0035】
上述した実施形態では、超解像処理の実行時に並列処理を行うものとして説明したが、特にこれに限定されず、画像処理の処理時間が目標時間を超えるときなどに画像処理の並列処理を行うものとしてもよい。この実装装置11においても、並列処理を実行することにより、画像処理をより効率的に実行することができる。
【0036】
上述した実施形態では、ホストPC30の制御装置31が、画像処理における並列処理を設定するものとして説明したが、特にこれに限定されず、実装装置11の制御部20が並列処理を設定するものとしてもよい。この実装装置11では、部品の画像処理に対してより適切な処理内容を設定することができる。また、並列処理を設定する装置は、特に限定されず、例えば、実装システム10のネットワークに接続されたホストPC30とは別のクライアントコンピュータや、基板Sに実装された部品Pの状態を検査する検査装置などがこの並列処理を設定するものとしてもよい。
【0037】
上述した実施形態では、本開示を実装装置11やホストPC30として説明したが、例えば、実装方法や設定方法としてもよいし、上述した処理をコンピュータが実行するプログラムとしてもよい。
【0038】
ここで、本開示の実装装置において、前記複数の制御部は、前記実装ヘッドに採取される複数の部品のうち各々の部品に設定される目標時間に基づいて該各々の部品の画像に対して前記第1処理又は前記第2処理を行うものとしてもよい。この実装装置では、目標時間に適した第1処理や第2処理を行うため、画像処理をより効率的に実行することができる。この実装装置において、前記目標時間は、前記実装ヘッドに同時保持される部品数、該部品の配置座標、該部品毎の配置座標間隔、部品形状及び部品サイズのうち1以上を含む実装条件に基づいて設定されているものとしてもよい。この実装装置では、このような各々の部品に関する実装条件に適した処理を行うことにより、実装処理に要する時間をより短縮することができる。
【0039】
本開示の実装装置において、前記複数の制御部は、前記部品の位置認識、前記部品の形状認識、前記部品の部位認識、前記部品の部位検査のうち1以上の前記画像処理において前記第1処理及び/又は前記第2処理を実行するものとしてもよい。この実装装置では、部品や部品の一部の認識や検査において画像処理をより効率的に実行することができる。
【0040】
本開示の実装装置において、前記複数の制御部は、該制御部の数に対応する画像数に分割する対応分割、前記画像をライン単位の領域で分割するライン領域分割、前記画像を均等に分割する均等分割のうち1以上の分割画像を用いて前記第1処理を実行するものとしてもよい。例えば、対応分割では、各制御部に画像処理が割り当てられるため、より効率的に画像処理することができる。また、ライン領域分割では、画像データにおいて画素のライン毎に処理するほうが効率がよいため、画像処理をより効率的に実行することができる。また、均等分割では、処理を均等に分割できるため、画像処理をより効率的に実行することができる。
【0041】
本開示の実装装置において、前記制御部は、前記撮像された部品の画像処理に対して、該部品の画像を複数に分割して2以上の前記制御部が担当して並列処理する第1処理及び、該部品の画像ごとに1つの前記制御部が担当して並列処理する第2処理のうち少なくとも一方を設定するものとしてもよい。この実装装置では、部品の画像処理に対してより適切な処理内容を設定することができる。
【0042】
本開示の制御装置は、
部品を採取して移動する実装ヘッドと前記実装ヘッドに採取された前記部品を撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像された画像を処理する複数の制御部とを備え該部品を基板に配置する実装処理を実行する実装装置を含む実装システムに用いられる制御装置であって、
前記撮像された部品の画像処理に対して、該部品の画像を複数に分割して2以上の前記制御部が担当して並列処理する第1処理及び、該部品の画像ごとに1つの前記制御部が担当して並列処理する第2処理のうち少なくとも一方を設定する設定部、
を備えたものである。
【0043】
この制御装置は、上述した実装装置と同様に第1処理や第2処理の並列処理を実行することにより、画像処理をより効率的に実行することができる。なお、この制御装置において、上述した実装装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した実装装置の各機能を実現するような構成を追加してもよい。
【0044】
本開示の設定方法は、
部品を採取して移動する実装ヘッドと前記実装ヘッドに採取された前記部品を撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像された画像を処理する複数の制御部とを備え該部品を基板に配置する実装処理を実行する実装装置を含む実装システムに用いられる設定方法であって、
前記撮像された部品の画像処理に対して、該部品の画像を複数に分割して2以上の前記制御部が担当して並列処理する第1処理及び、該部品の画像ごとに1つの前記制御部が担当して並列処理する第2処理のうち少なくとも一方を設定するステップ、
を含むものである。
【0045】
この設定方法は、上述した実装装置と同様に第1処理や第2処理の並列処理を設定することにより、画像処理をより効率的に実行することができる。なお、この設定方法において、上述した実装装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した実装装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本明細書で開示する実装装置、制御装置及び設定方法は、部品を基板上に配置する実装処理を行う装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
10 実装システム、11 実装装置、12 基板処理部、13 実装部、14 ヘッド移動部、15 実装ヘッド、16 吸着ノズル、17 部品供給部、18 撮像部、20 制御部、21~24 第1~第4CPU、25 記憶部、26 実装条件情報、30 ホストPC、31 制御装置、32 CPU、33 記憶部、35 実装条件情報、38 表示部、39 入力装置、40 本体部、42 バンプ、51,51A 第1画像、52,52A 第2画像、53,53A 第3画像、54A 超解像画像、A~D,A1~A4,B1~B4,C1~C4,D1~D4 処理領域、ta~td 目標時間、Ta~Td 必要処理時間、P,P1~P3,Pa~Pd 部品、S 基板。
図1
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