(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-02
(45)【発行日】2023-02-10
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230203BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230203BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20230203BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20230203BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20230203BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/30 365
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/22 Z
H05B33/02
(21)【出願番号】P 2020207447
(22)【出願日】2020-12-15
【審査請求日】2020-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2019-0180093
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲セムリヌリ▼
(72)【発明者】
【氏名】金 度 亨
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-053292(JP,A)
【文献】特開2019-016474(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0287093(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0228927(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0102502(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0069873(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-46
H01L 27/32
51/50
H05B 33/00-33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と非表示領域を含む基板と、
前記基板の上部に形成された無機
絶縁層と、
前記無機
絶縁層の上部に形成された有機
絶縁層と、
前記基板の表示領域に形成され、第1電極、発光層及び第2電極を含む発光素子と、
前記有機
絶縁層の上部に形成され、前記非表示領域の少なくとも一部に形成される基底配線とを含み、
前記基底配線および前記第2電極は、互いに電気的に接続し、
前記基底配線が、互いに隣接して配置された少なくとも一つの凹部、および少なくとも一つの凸部を含み、前記凹部は前記基板に向かって凹となっており、前記凸部は前記第2電極に向かって凸となっており、
前記無機
絶縁層が、前記の非表示領域に形成された少なくとも一つのトレンチ部を含み、
前記トレンチ部が、前記凸部と重畳する、ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記有機
絶縁層が、
前記凸部と重畳する有機
絶縁層凸部と、
前記凹部と重畳する有機
絶縁層凹部とを含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記有機
絶縁層が、
前記凸部に対応する第1厚さと、
前記凹部に対応する第2厚さとを有し、
前記第1厚さは、前記第2厚さよりも厚い、請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記無機
絶縁層が、
前記凸部に対応する第3厚さと、および
前記凹部に対応する第4厚さとを有し、
前記第4厚さは、前記第3厚さよりも厚い、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記無機
絶縁層の前記第4厚さが、前記有機
絶縁層の前記第1厚さおよび第2厚さの差を補償するように設定される、請求項4に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記基板上に形成されたリンク配線をさらに含み、
前記リンク配線が、前記凸部と非重畳するように配置された、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記凹部及び前記凸部が、第1高さ(h1)の段差を有するように形成され、
前記第1高さは300nm~900nmである、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
表示領域と非表示領域を含む基板と、
前記基板の上部に形成された無機
絶縁層と、
前記無機
絶縁層の上部に形成された有機
絶縁層と、
前記基板の表示領域に形成され、第1電極、発光層及び第2電極を含む発光素子と、
前記有機
絶縁層の上部に形成され、前記非表示領域の少なくとも一部に形成される基底配線と、
前記基底配線の前記凹部と、部分的に重畳するように形成される開口部とを含み、
前記基底配線および前記第2電極は、互いに電気的に接続し、
前記基底配線が、互いに隣接して配置された少なくとも一つの凹部、および少なくとも一つの凸部を含み、前記凹部は前記基板に向かって凹となっており、前記凸部は前記第2電極に向かって凸となっており、
前記開口部が、前記基底配線の一面および他面を貫通させる、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記凸部が、前記凹部に対して複数の高さの段差を有する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記トレンチ部が、前記無機
絶縁層の上面に対して複数の深さの段差を有する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
表示領域と非表示領域を含む基板と、
前記基板の上部に形成された無機
絶縁層であって、前記非表示領域に形成された少なくとも1つのトレンチ部を含む、前記無機
絶縁層と、
前記無機
絶縁層の上部に形成された有機
絶縁層と、
前記基板の表示領域に形成され、第1電極、発光層及び第2電極を含む発光素子と、
前記有機
絶縁層の上部に形成され、前記非表示領域の少なくとも一部に形成される基底配線と、
前記トレンチ部に収容される補助基底配線と
を含み、
前記基底配線および前記第2電極は、互いに電気的に接続し、
前記基底配線が、互いに隣接して配置された少なくとも一つの凹部、および少なくとも一つの凸部を含み、前記凹部は前記基板に向かって凹となっており、前記凸部は前記第2電極に向かって凸となっているディスプレイ装置。
【請求項12】
保護層を更に含み、
前記保護層が前記補助基底配線の少なくとも一部を露出させるコンタクトホールを含み、
前記基底配線は、前記コンタクトホールの少なくとも一部を埋めるように具備される、請求項11に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ディスプレイ装置は、移動通信端末器、電子手帳、電子書籍、PMP(Portable Multimedia Player)、UMPC(Ultra Mobile PC)、モバイルフォン、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ウォッチフォン(watch phone)、電子パッド、ウェアラブル機器、ウォッチ電話、携帯情報機器、ナビゲーション、車両制御ディスプレイ機器、テレビ、ノートパソコン、及びモニタなどの様々な電子機器の表示画面として広く使用されている。
【0003】
ディスプレイ装置に基底電源を供給する基底配線は、ディスプレイ装置の非表示領域に形成することができる。基底配線が残留応力が高い物質で形成されたり、厚い厚さで形成される場合、基底配線でクラックが発生し、ディスプレイ装置の信頼性の確保に問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、基底配線の破損に対する抵抗性が高いディスプレイ装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0006】
また、本発明は、低抵抗を有する基底配線を含むディスプレイ装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0007】
上記した本発明の技術的課題に加えて、本発明の他の特徴および利点は、以下の記述や、そのような記述および説明から、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解することができるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願の一例によるディスプレイ装置は、表示領域と非表示領域を含む基板、基板の上部に形成された無機層、無機層の上部に形成された有機層、基板の表示領域に形成され、第1電極、発光層および第2電極を含む発光素子、および有機層の上部に形成され、非表示領域の少なくとも一部に形成される基底配線を含み、基底配線及び第2電極は、互いに電気的に接続し、基底配線は、互いに近隣して配置された少なくとも一つの凹部および少なくとも一つの凸部を含む。
【0009】
本出願によると、基底配線は段差の差を有する凹部および凸部を含むことにより、ディスプレイ装置の製造工程中に残留するストレスまたはディスプレイ装置の外部に起因したストレスから破損に対する抵抗性が向上するディスプレイ装置を提供することができる。
【0010】
本出願によると、基底配線は増加した表面積を有することで、低い抵抗を提供して、輝度の均一性が改善したディスプレイ装置を提供することができる。
【0011】
上記した本出願の効果に加えて、本出願の他の特徴および利点は、以下の記述や、そのような記述および説明から、本出願が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本出願の一例によるディスプレイ装置の平面図である。
【
図2】
図1のI-I’線に沿って示した断面図である。
【
図3】
図1のII-II’線に沿って示した断面図である。
【
図4】
図1のIII-III’線に沿って示した断面図である。
【
図6】本出願の一例によるディスプレイ装置の平面図である。
【
図7】本出願による表示領域および基底配線を概略的に示した図である。
【
図8】
図7のIV-IV’線に沿って示した断面図である。
【
図9】
図7のV-V’線に沿って示した断面図である。
【
図10】
図7のVI-VI’線に沿って示した断面図である。
【
図12】本出願の一例によるディスプレイ装置の平面図である。
【
図13】本出願による表示領域および基底配線を概略的に示した図である。
【
図14】
図13のVII-VII’線に沿って示した断面図である。
【
図15】
図13のVIII-VIII’線に沿って示した断面図である。
【
図16】
図13のIX-IX’線に沿って示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本出願の利点と特徴、そしてそれらを達成する方法は添付の図と共に詳細に後述する一例を参照すると明確になるだろう。しかし、本出願は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、異なる多様な形態で具現され得るものであり、単に本実施例は、本出願の開示を完全にし、本出願が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らしめるために提供されるものであり、本出願は、請求項の範疇によってのみ定義される。
【0014】
本出願の一例を説明するため、図に示した形状、大きさ、比率、角度、個数などは、例示的なものであって、本出願が図に示した事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一参照符号は同一の構成要素を指す。また、本出願を説明するにおいて、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0015】
本出願で言及した「含むことができる」、「有することができる」、「からなる」などが使用されている場合、「~だけ」が使用されていない限り、他の部分を追加することができる。構成要素を単数で表現した場合に特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0016】
構成要素を解釈するに当たり、別途の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0017】
位置関係についての説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~横に」などで2つの部分の位置関係が説明されている場合、「すぐに」または「直接」が使用されていない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0018】
時間の関係についての説明である場合、例えば、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、「~前に」などで時間的前後関係が説明されている場合、「すぐに」または「直接」が使用されていない以上、連続的でない場合も含むことができる。
【0019】
第1、第2などが多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であることもあり得る。
【0020】
「少なくとも一つ」の用語は、一つ以上の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むものと理解されなければならない。例えば、「第1項目、第2項目、および第3項目の中の少なくとも一つ」の意味は、第1項目、第2項目、または第3項目各々だけではなく、第1項目、第2項目、および第3項目の中から二つ以上で提示され得るすべての項目の組み合わせを含むとすることができる。
【0021】
本出願のいくつかの例のそれぞれの特徴が部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能で、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各例を互いに対して独立的に実施することもでき、関連の関係で一緒に実施することもできる。
【0022】
以下では、本出願の実施例に係るディスプレイ装置の例を添付した図を参照して詳細に説明する。各図の構成要素に参照符号を付加することにおいて、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図上に表示されていても、可能な限り同一の符号を有することができる。そして、添付した図に示された構成要素のスケールは、説明の便宜上、実際と異なるスケールを有するので、図に示したスケールに限定されない。
【0023】
図1は、本出願の一例によるディスプレイ装置の平面図であり、
図2は、
図1のI-I’線に沿って示した断面図であり、
図3は、
図1のII-II’線に沿って示した断面図である。
【0024】
図1~
図3を参照すると、本出願の一例によるディスプレイ装置は、表示領域(DA)と非表示領域(NDA)を含む基板110、基板110の上部に形成された無機層120、無機層120の上部に形成された有機層130、基板110の表示領域(DA)に形成され、第1電極141、発光層143及び第2電極145を含む発光素子140、および有機層130の上部に形成され、非表示領域(NDA)の少なくとも一部に形成される基底配線200を含み、基底配線200及び第2電極145は、互いに電気的に接続し、基底配線200は、互いに隣接して配置された少なくとも一つの凹部210および少なくとも一つの凸部230を含む。
【0025】
基板110は、ベース基板として、フレキシブル基板またはガラス基板であり得る。一例によると、基板110は、透明ポリイミド(Polyimide)材質を含むことができるが、これに限定されず、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate)などの透明プラスチック材質からなり得る。一例によると、基板110は、二酸化ケイ素(SiO2)または酸化アルミニウム(Al2O3)を主成分として含むガラス基板であり得る。
【0026】
基板110には、画面を表示する表示領域(DA)および表示領域を囲む非表示領域(NDA)を定義することができる。また、非表示領域(NDA)の一側には、パッド領域を形成することができ、パッド領域には、後述するディスプレイ駆動回路部180を配置することができる。
【0027】
無機層120は、基板110の上部に形成されたバッファ層121、ゲート絶縁層123、層間絶縁層125、保護層127を含むことができるが、無機層の構成が
図2に示して記載したバッファ層121、ゲート絶縁層123、層間絶縁層125、保護層127に制限されるものではない。
【0028】
バッファ層121は、無機物である窒化シリコン(SiNx)または酸化シリコン(SiOx)の単一層または窒化シリコン(SiNx)と酸化シリコン(SiOx)の多重層からなり得る。バッファ層121は、バッファ層121上に形成される層と基板110との間の接着力を向上させることができる。
【0029】
ゲート絶縁層123は、バッファ層121および、後述するアクティブ層(ACT)上に配置される。ゲート絶縁層123は、無機物である窒化シリコン(SiNx)または酸化シリコン(SiOx)の単一層または窒化シリコン(SiNx)または酸化シリコン(SiOx)の多重層で構成することができる。ゲート絶縁層123には、ソース電極(SE)及びドレイン電極(DE)のそれぞれがアクティブ層(ACT)のソース領域およびドレイン領域のそれぞれにコンタクトするためのコンタクトホールを具備する。
【0030】
層間絶縁層125は、ゲート電極(GE)を覆うように設けることができ、層間絶縁層125は、薄膜トランジスタ(T)を保護する機能をすることができる。層間絶縁層125は、アクティブ層(ACT)とソース電極(SE)またはドレイン電極(DE)を接触させるために、該当領域が削除され得る。例えば、層間絶縁層125は、ソース電極(SE)が貫通するコンタクトホールおよびドレイン電極(DE)が貫通するコンタクトホールを含むことができる。一例によると、層間絶縁層125は、シリコン酸化膜(SiO2)またはシリコン窒化膜(SiN)を含むことができ、またはシリコン酸化膜(SiO2)およびシリコン窒化膜(SiN)を含む多重層で構成することができる。
【0031】
保護層127は、後述する薄膜トランジスタ(T)をカバーするように配置することができる。保護層127は、薄膜トランジスタ(T)を保護するための絶縁層である。保護層127は、無機物である窒化シリコン(SiNx)または酸化シリコン(SiOx)の単一層または窒化シリコン(SiNx)または酸化シリコン(SiOx)の多重層で構成することができる。保護層127は、発光素子140の第1電極141が薄膜トランジスタ(T)と接続するためのコンタクトホールを具備することができる。
【0032】
本出願の一例によると、後述するトレンチ部の形成のための工程的な側面を考慮してバッファ層121、ゲート絶縁層123、層間絶縁層125、保護層127を含む無機層120は、酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(SiNx)の中から選択された一つの物質で無機層120を構成することができる。ただし、本出願の実施例は、これに限定されるものではなく、バッファ層、ゲート絶縁層、層間絶縁層、及び保護層のそれぞれは、酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(SiNx)の中から択一して用いたり、または両者が積層された複層構造を適用することができる。
【0033】
また、バッファ層121、ゲート絶縁層123、層間絶縁層125、保護層127のそれぞれを構成する物質は、前述した酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(SiNx)に制限されるわけではなく、当業界でバッファ層121、ゲート絶縁層123、層間絶縁層125、保護層127に用いられる物質であれば限定せずに用いることができる。
【0034】
有機層130は、無機層120の上部に配置することができる。有機層130は、薄膜トランジスタ(T)の上部を平坦化するための絶縁層であって、有機物からなり得る。保護層127は、薄膜トランジスタ(T)の上部の形状に沿って形成されるので、薄膜トランジスタ(T)およびストレージキャパシタにより保護層127が平坦化されずに段差が存在し得る。そこで、有機層130は、薄膜トランジスタ(T)の上部を平坦化して、発光素子140は、実質的に平坦な領域に形成することができる。有機層130には、薄膜トランジスタ(T)のドレイン電極(DE)を露出させるためのコンタクトホールを形成することができる。一例によると、有機層130は、塗布時に平坦化特性を有するフォトアクリル(Photo acryl)またはベンゾシクロブテン(BCB)などのような有機系絶縁材質からなることができる。
【0035】
本出願の一例による有機層130は、後述する基底配線200の凹部210と重畳する領域では、表示領域(DA)の有機層130と比較して相対的に薄い厚さで提供することができ、基底配線200の凸部230と重畳する領域では、表示領域(DA)の有機層130と比較して、実質的に同一の厚さを有するように提供することができる。
【0036】
また、本出願の一例によるディスプレイ装置は、少なくとも一つの薄膜トランジスタ(T)を含むことができる。例えば、薄膜トランジスタ(T)は、駆動薄膜トランジスタまたはスキャン薄膜トランジスタであり得る。
【0037】
一例によると、薄膜トランジスタは、アクティブ層(ACT)、アクティブ層(ACT)上に形成されるゲート電極(GE)、アクティブ層(ACT)およびゲート電極(GE)の間に配置されるゲート絶縁層123、アクティブ層(ACT)の一側に接続したソース電極(SE)、およびアクティブ層(ACT)の他側に接続したドレイン電極(DE)を含み、ゲート電極(GE)とソース電極(SE)およびドレイン電極(DE)を互いに電気的に離隔させつつ、薄膜トランジスタを保護する層間絶縁層125および薄膜トランジスタ(T)をカバーする保護層127をさらに含むことができる。ここで、ゲート絶縁層123、層間絶縁層125および保護層127は、先に説明したゲート絶縁層123、層間絶縁層125および保護層127と同様の構成であるため、重複する内容は省略することにする。
【0038】
アクティブ層(ACT)は、基板110の画素領域に設けることができる。アクティブ層(ACT)は、ゲート電極(GE)、ソース電極(SE)及びドレイン電極(DE)と重畳するように配置することができ、アクティブ層(ACT)は、チャネル領域およびソース/ドレイン領域を含むことができ、チャネル領域は、アクティブ層(ACT)の中央領域に形成され、ソース/ドレイン領域は、チャネル領域を挟んで互いに並んで形成することができる。
【0039】
ゲート電極(GE)は、薄膜トランジスタ(T)のアクティブ層(ACT)にゲート電圧を印加することができる。一例によると、ゲート電極(GE)は、単一層または二重層に蒸着して形成することができる。例えば、ゲート電極(GE)は、モリブデン(Mo)のような金属物質を含むことができるが、これに限定されるものではなく、当業界に公知された物質であれば限定せずに用いることができる。
【0040】
ソース電極(SE)及びドレイン電極(DE)は、アクティブ層(ACT)のソース領域およびドレイン領域のそれぞれとオーミックコンタクト(Ohmic Contact)を形成し、低い抵抗を有する金属物質で形成することができる。
【0041】
薄膜トランジスタ(T)は、
図2で、ゲート電極(GE)がアクティブ層(ACT)の上部に位置するトップゲート構造で図示したが、本出願の薄膜トランジスタ(T)の構造が、これに制限されるものではなく当業界で用いられる薄膜トランジスタ(T)の多様な構造を適用することができる。
【0042】
発光素子140は、第1電極141、発光層143及び第2電極145を含むことができる。発光素子140は、表示領域に形成することができ、発光素子140は、発光素子を駆動するための薄膜トランジスタ(T)と電気的に接続した第1電極141、発光層143及び第2電極145を含むことができる。
【0043】
第1電極141は、アノード電極として、有機層130上にパターン形態で設けることができる。第1電極141は、有機層130に設けられたコンタクトホールを介して薄膜トランジスタ(T)のドレイン電極(DE)と電気的に接続することによって薄膜トランジスタから出力されるデータ信号を受信することができる。第1電極141は、金属材質または透明導電性酸化物を含むことができ、例えば、銅(Cu)、モリブデンチタン(MoTi)、インジウムスズ酸化物(ITO)などの材質を含むことができる。また、第1電極141は、単一層または複数層で提供することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0044】
発光層143は、特定の色の光を発光するための発光層(EL)であって、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層および白色発光層のいずれか一つを含むことができる。もし、発光層(EL)が白色発光層を含む場合、発光素子(E)の上部に白色発光層からの白色光を他の色の光に変換するためのカラーフィルターを配置することができる。また、発光層(EL)は、発光層以外に、正孔輸送層、正孔注入層、電子注入層、電子輸送層をさらに含むこともできる。
【0045】
第2電極145は、仕事関数が低い導電性物質で構成することができる。第2電極145は、例えばアルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはこれらの合金で形成することができる。
【0046】
図1~
図3において、第1電極141、発光層143及び第2電極145を含む発光素子140は、第2電極145を介して光が外部に出力される上部発光方式のディスプレイ装置を基準に説明したものであるが、本出願の実施例が、これに限定されるものではない。
【0047】
第2電極145は、表示領域(DA)と重畳するように複数の画素に共通に形成することができる。また、第2電極145は、表示領域(DA)に重畳するように配置され、非表示領域(NDA)の少なくとも一部と重畳するように形成することができる。具体的には、第2電極145は、
図1に示すように、表示領域(DA)と重畳しながら非表示領域(NDA)の基底配線200と重畳するように形成することができる。したがって、第2電極145は、非表示領域(NDA)で基底配線200と物理的に接触した構造で形成することができる。
【0048】
また、本出願の一例によるディスプレイ装置は、バンク150をさらに含むことができる。バンク150は、第1電極141の少なくとも一部と重畳しながら、有機層130上に配置することができる。バンク150は、表示領域(DA)の発光層143を囲むように配置することができ、表示領域(DA)および非表示領域(NDA)の境界に配置することができる。一例によると、バンク150は、有機物からなり得る。例えば、バンク150は、ポリイミド(polyimide)、アクリル(acryl)またはベンゾシクロブテン(benzocyclobutene; BCB)系樹脂からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0049】
スキャン駆動集積回路170は、基板110の非表示領域(NDA)に設けられる。スキャン駆動集積回路170は、ディスプレイ駆動回路部180から提供されるスキャン制御信号を表示領域に備えられた画素に提供することができる。
【0050】
ディスプレイ駆動回路部180は、基板110の非表示領域(NDA)に設けられたパッド部に接続して、ディスプレイ駆動システムから供給される映像データに対応する映像を各画素に表示することができる。一例によるディスプレイ駆動回路部180は、軟性回路フィルム181、データ駆動集積回路183、プリント回路基板185、およびタイミング制御部187を含むことができる。
【0051】
基底配線200は、表示領域(DA)に近接した非表示領域(NDA)と、少なくとも一部が重畳するように配置することができ、有機層130の上部に配置することができる。
【0052】
図1で、基底配線200は、表示領域(DA)を基準にY方向に一側および他側に位置する非表示領域(NDA)に形成するように図示したが、本出願の実施例が、これに限定されるのではない。例えば、ディスプレイ装置の設計条件によって表示領域(DA)を囲む非表示領域の一側のみに形成することができ、または
図1に示したディスプレイ装置で、X方向に一側および他側に追加で配置することで、ディスプレイ装置の表示領域(DA)の外側をすべて囲む形態で配置することができる。基底配線200は、基底電源を供給する配線であり得る。
【0053】
また、発光素子140の第2電極145は、基底配線200の少なくとも一部と非表示領域(NDA)で接触するように配置することができる。
【0054】
第2電極145は、基底配線200と接触して基底電圧またはグラウンド電圧の供給を受けることができ、基底配線200と電気的に接触することにより、第2電極145に印加される抵抗を下げることができる。
【0055】
基底配線200は、発光素子140の第1電極141と同一の物質で形成することができ、同じ工程を経て準備することができる。一例によると、基底配線200および発光素子140の第1電極141は、有機層130の上部に、同じ工程および同じ物質で形成することができ、後続で予め設定されたパターンで、フォトリソグラフィ工程を介して第1電極141および基底配線200は、区分することができる。
【0056】
例えば、基底配線200は、銅(Cu)、モリブデンチタン(MoTi)、インジウムスズ酸化物(ITO)などの材質を含むことができる。また、基底配線200は、単一層または複数層で提供することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。基底配線200がモリブデン(Mo)を含む金属物質を含み、製造工程中に発生するストレスが高い物質で形成されたり、基底配線200が厚い厚さで形成されることが要求される場合、基底配線200は、基底配線200の製造工程中に発生するストレスによってクラックが発生し得、ディスプレイ装置の駆動中に発生するストレスまたは外部からの衝撃によってクラックが発生し得る。
【0057】
本出願の一例によると、非表示領域(NDA)に配置されたリンク配線300をさらに含むことができる。リンク配線300は、ディスプレイ装置の画素を駆動するためのゲートリンク配線およびデータリンク配線のうちの少なくとも一つであり得る。ただし、リンク配線300は、これに限定されるものではなく、ディスプレイ装置を駆動するために必要な様々なリンク配線中の一つであり得る。
【0058】
一例によると、リンク配線300は、薄膜トランジスタ(T)のゲート電極(GE)と同じ物質および同じ工程で準備することができるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
図3に示したように、リンク配線300は、非表示領域(NDA)の少なくとも一部に配置することができる。また、リンク配線300は、基底配線200の凹部210と並びながら、基底配線200の凹部210と重畳するように配置することができる。
【0060】
図1に示したように、本出願の一例による基底配線200は、互いに隣接して配置された少なくとも一つの凹部210および少なくとも一つの凸部230を含むことができる。また、凹部210および凸部230のそれぞれは、一方向に整列したラインパターンで形成することができる。ここで、一方向は、好ましくY方向であり得るが、本出願の実施例が、これに限定されるものではない。
【0061】
また、本出願の基底配線200の凹部210および凸部230は、所定の段差を有するように形成することができる。このような段差により基底配線200にディスプレイ装置の製造工程中に発生し得る残留応力またはディスプレイ装置の外部で発生し得るストレスが印加される場合、ストレスが分散される構造を提供することで、ディスプレイ装置の信頼性が向上させることができる。
【0062】
図2及び
図3に示すように、第2電極145が基底配線200の凸部230に対応する位置で接触している場合、非表示領域(NDA)の有機層130は、少なくとも一部分T1の厚さを有するように設定することができる。ここで、非表示領域(NDA)の有機層130の厚さT1は、表示領域(DA)の有機層130の厚さと実質的に同一の厚さであり得る。第2電極145が基底配線200の凹部210に対応する位置で接触している場合、非表示領域(NDA)の有機層130は、少なくとも一部分T2の厚さを有するように設定することができる。ここで、非表示領域(NDA)の有機層130のT2の厚さは、T1の厚さの約半分に相当する厚さであり得る。
【0063】
一例によると、基底配線200は、凹部210および凸部230によって形成される段差構造を有することにより、表面積が増加し得、凹部210および凸部230の段差構造を有しない基底配線の構造と比較して、表面積が増加した基底配線200の構造を提供することができる。これにより、本出願による基底配線200を含むディスプレイ装置は、発光素子140の第2電極145の抵抗値を下げることができ、画素内の輝度の均一性を上昇させることができ、ディスプレイ装置の駆動信頼性を向上させることができる。基底配線200の凹部210および凸部230が有する段差及びその詳細な構造は、
図4及び
図5を参照して、後述することにする。
【0064】
図4は、
図1のIII-III’線に沿って示した断面図であり、
図5は、
図4のA部分を拡大して示したものである。
図4及び
図5で、非表示領域(NDA)の構造を除いては、
図1~
図3で説明したディスプレイ装置と同様であるので重複する内容の説明は省略することにする。
【0065】
図4及び
図5を参照すると、基底配線200は、凹部210および凸部230によって形成される所定の段差(step height、h1)を有することで表面積が増加し得、凹部210および凸部230の段差構造を有しない基底配線の構造と比較して表面積が増加した基底配線200の構造を提供することができる。これにより、本出願による基底配線200を含むディスプレイ装置は、発光素子140の第2電極145の抵抗値を下げることができ、ディスプレイ装置の駆動信頼性を向上させることができる。
【0066】
ここで、基底配線200の凹部210および凸部230は、凹部210および凸部230が有する段差(step height、h1)を基準に、次のように定義ことができる。凹部210は、段差(h1)の半分の高さ以下に形成された領域として定義することができ、凸部230は、段差(h1)の半分の高さ以上に形成された領域として定義することができる。
【0067】
無機層120は、少なくとも一つのトレンチ部129を含むことができ、トレンチ部129は、基底配線200の凸部230と重畳し、基底配線200の凹部210と非重畳するように配置することができる。本出願によるディスプレイ装置は、無機層120に形成された少なくとも一つのトレンチ部129を介して、無機層120を介して伝播されるストレスが緩和され得、ディスプレイ装置の信頼性を向上させることができる。また、トレンチ部129は、リンク配線300と平行に配置することができ、トレンチ部129は、リンク配線300と非重畳する領域に形成することができる。
【0068】
トレンチ部129は、所定の深さ(depth、d1)を有するように形成することができ、トレンチ部129の深さ(d1)は、200nm~800nmの範囲を有することができる。一例によると、トレンチ部129は、200nm~800nmの深さを有するように設定することができ、好ましくは、約600nmの深さを有するように設定することができる。トレンチ部129の深さ(h1)が200nm未満の場合には、無機層120を介して伝播されるストレスが分散される効果が低いことがあり得、トレンチ部129の深さ(d1)が800nmを超える場合には、無機層120に形成されるトレンチ部129の配置密度が制限されることによって、ストレスの分散される効果が低下し得る。ただし、本出願によるトレンチ部129の深さが上記の数値範囲に限定されるものではなく、ディスプレイ装置の設計に応じて変更して適用することができる。
【0069】
また、
図4及び
図5で、トレンチ部129が層間絶縁層125および保護層127の除去を介して形成した例が示されたが、これは図面の限定的な図示によるもので、本出願の実施例は、これに限定されるものではない。したがって、本出願の実施例では、トレンチ部129の深さは、ディスプレイ装置で求められる適正な深さに応じてバッファ層121、ゲート絶縁層123、層間絶縁層125および保護層127のうち選択的に除去して準備することができる。
【0070】
有機層130は、前述した無機層120のトレンチ部129を充填するように配置することができる。また、本出願による有機層130は、基底配線200の凹部210および凸部230に対応する構造を形成するために、有機層130の上部面は有機層凹部131および有機層凸部133を含むように準備することができる。一例によると、有機層凹部131および有機層凸部133は、非表示領域(NDA)の有機層130の凹部131に対応する部分を除去して準備することができる。
【0071】
一例によると、基底配線200は、有機層凹部131および有機層凸部133の形状に対応する形状を有することができ、有機層凹部131および有機層凸部133は、基底配線200の凹部210および凸部230が有する同一の段差を有するように準備することができる。また、基底配線200は、高いステップカバレッジ特性を有する工程で準備することができ、これにより、有機層凹部131および有機層凸部133の形状を維持しながら、形成することができる。
【0072】
有機層130は、基底配線の凸部230と重畳する上部面である第1面130a、基底配線の凹部210と重畳する上部面である第2面130b、有機層130は、基底配線の凸部230と重畳する下部面である第3面130c、および基底配線の凹部210と重畳する下部面である第4面130dを定義することができる。
【0073】
第1面130a及び第3面130cの距離は、有機層の第1厚さ(t1)として定義することができ、第1厚さ(t1)は、表示領域(DA)の有機層130の厚さとトレンチ部129がエッチングされた深さ(d1)の厚さを加えた厚さであり得る。したがって、非表示領域(NDA)の有機層130の第1厚さ(t1)は、T1の厚さとトレンチ部129がエッチングされた深さ(d1)の厚さを加えた厚さであり得る。第2面130b及び第4面130dの距離は、有機層の第2厚さ(t2)として定義することができ、第2厚さ(t2)は、第1厚さ(t1)の半分以下の厚さであり得る。ただし、本出願で有機層130の第2厚さ(t2)が第1厚さ(t1)の半分以下に制限されるものではない。また、第2厚さ(t2)は、
図3での有機層130のT2の厚さと同じ厚さであり得る。
【0074】
無機層120の厚さ(t3、t4)は、次のように定義することができる。ここで、無機層120の厚さを定義する際に下部の基準となるのは、凹部210と重畳する領域は、リンク配線300の上部面を基準とし、凸部230と重畳する領域は、バッファ層121は、ディスプレイ装置の構成によって省略することができることを考慮してバッファ層121の上部面を基準とすることにする。
【0075】
無機層120の第4厚さ(t4)は、リンク配線300の上部面から基底配線200の凹部210と重畳する無機層120の厚さとして定義することができる。無機層120の第3厚さ(t3)は、バッファ層121の上部面で基底配線200の凸部230と重畳する無機層120の厚さとして定義することができる。このように、第3厚さ(t3)および第4厚さ(t4)を考慮する時は、バッファ層121の厚さを除くことにする。
【0076】
本出願では、凹部210および凸部230を有する基底配線200の構造において、基底配線200が凹部210および凸部230にかけて、同じレベルのキャパシタンスを有するためには、第1厚さ(t1)の有機層130と第3厚さ(t3)の無機層120によるキャパシタンス値と第2厚さ(t2)の有機層130と第4厚さ(t4)の無機層120によるキャパシタンス値が同等なレベルでなければならない。有機層凹部131に対応する第2厚さ(t2)が、有機層凸部133に対応する第1厚さ(t1)と比較して所定の厚さだけ減少して形成される場合、これを補償するために、有機層130の下部に位置する無機層120の厚さを増加させて基底配線200が同等レベルの寄生キャパシタンスを有するように設定することができる。
【0077】
例えば、有機層130の第1厚さ(t1)が約2umであれば、有機層130の第2厚さ(t2)は約1umであり得る。このとき、無機層120の第4厚さ(t4)は、有機層130の第2厚さ(t2)と有機層130の第1厚さ(t1)の差を補償する厚さを有することができる。例えば、有機層130がフォトアクリル(photo acrylate)系の樹脂で準備される場合、有機層130の誘電率は約3.7F/mであり、無機層120が、酸化シリコン(SiOx)で準備される場合、酸化シリコンの誘電率は約4.3F/mである。この場合、無機層120の誘電率は、有機層130の誘電率に比べて約1.16倍高いことが分かる。
【0078】
キャパシタンスは、次の式(1)のように計算することができる。
C=ε0
*εr
*A/d (1)
ここで、ε0は真空の誘電率であり、εrは誘電体の誘電率であり、Aは、誘電体の面積であり、dは誘電体の両端間の距離である。
【0079】
式(1)に示すように、ある誘電体のキャパシタンスは誘電率に比例するようになり、距離に反比例することになる。したがって、有機層130の所定の厚さが減少すると、式(1)でキャパシタンスの値が増加することになり得る。これにより、基底配線200の下部に位置する有機層130の厚さが減少することになれば、基底配線200の下部に位置するリンク配線300を含む金属配線よって影響を受け得る。例えば、基底配線200の凹部210に対応する有機層130の厚さが、第2厚さ(t2)が第1厚さ対比1um減少した厚さに設定される場合、無機層120において、有機層130で減少した厚さの約1.16倍程度に追加確保されるように無機膜の厚さを補償設定することが好ましい。
【0080】
基底配線200の凹部210および凸部230が有する段差(h1)は、次のように説明することができる。例えば、有機層130の第1厚さ(t1)が約2umであれば、有機層130の第2厚さ(t2)は約1umであり得る。このとき、前述した無機層120のトレンチ部129の深さ(d1)が約600nmほどの深さで形成される場合、有機層凸部133と有機層凹部131の段差の差は約400nm程度発生し得る。また、有機層130の上部に配置される基底配線200は、有機層凸部133および有機層凹部131で発生した段差をそのまま維持するように配置することができ、これにより、基底配線200の凹部210および凸部230は、約400nmほどの段差を有するように形成することができる。したがって、このような段差を有する基底配線200は、段差のない基底配線と比較して表面積が増加した構造を提供することができる。
【0081】
また、一例によると、基底配線200の下部に位置する有機層130の厚さが約1.2~2μmの範囲に設定される場合、有機層130によって形成されるキャパシタンスは、基底配線200の動作に影響を与えない無視できるレベルであり得る。
【0082】
基底配線200は、先に
図1及び
図2で説明したように、凹部210および凸部230を含むことができ、基底配線200の凹部210および凸部230は、有機層130で形成された有機層凹部131および有機層凸部133に沿って形成することができる。
【0083】
ここで、基底配線200の凹部210は、凹部210および凸部230が有する段差(step height、h1)を基準に、以下のように定義することができる。基底配線200の凹部210は、段差(h1)の半分の高さ以下に形成された領域として定義することができ、基底配線200の凸部230は、段差(h1)の半分の高さ以上に形成された領域として定義することができる。
【0084】
一例によると、リンク配線300は、非表示領域(NDA)の少なくとも一部に配置することができ、基底配線200の凹部210および凸部230のそれぞれと一方向に並ぶように配置することができる。また、リンク配線300は、凹部210と重畳するように配置することができる。
【0085】
また、非表示領域(NDA)の基底配線200と重畳するように配置される第2電極145の場合、先に説明した凹部210および凸部230を含む基底配線200の形状を維持しながら、形成することができる。したがって、第2電極145は、基底配線200の凹部210および凸部230によって形成される段差構造を有することにより、表面積が増加して発光素子140の第2電極145の抵抗値を下げることができ、画素内の輝度の均一性を上昇させることができ、ディスプレイ装置の駆動信頼性を向上させることができる。また、第2電極145は、基底配線200の凹部210および凸部230によって所定の段差を有するように形成することができる。このような段差により、第2電極145は、ディスプレイ装置の残留応力またはディスプレイ装置の外部で発生し得るストレスが印加される場合、ストレスが分散される構造を提供することで、ディスプレイ装置の信頼性を向上することができる。
【0086】
図6は、本出願の一例によるディスプレイ装置の平面図であり、
図7は、本出願による表示領域および基底配線を概略的に示したものであり、
図8は、
図7のIV-IV’線に沿って示した断面図である。
図6~
図8のディスプレイ装置は、基底配線の凹部210に重畳するように配置された開口部250をさらに含むことおよび基底配線の凹部210および凸部230と関連した構成的特徴を除いては、同一の構成を有するので、重複する内容は省略することとする。また、図に示していないが、
図6及び
図7に基底配線の凸部230をY方向に横切る断面構造は、
図2の断面構造と同じであり得る。
【0087】
図6~
図8を参照すると、本出願の一例によるディスプレイ装置は、凹部210と重畳するように形成された開口部250をさらに含むことができる。ここで、基底配線200の開口部250は、ホールパターン、トレンチパターンなどと呼ぶことができる。
【0088】
開口部250は、基底配線200の凹部210に形成することができ、一定の間隔で離隔して配置することができる。また、開口部250は、一方向に、例えば、XまたはY方向に、伸長した形態であり得る。
【0089】
開口部250の形状は、
図6及び
図7に菱形形状で示しているが、これに限定されるものではなく、円形、楕円形、正方形、長方形、および多角形など、多様な形態で形成することができる。開口部250の大きさは、凹部210に収容することができる大きさであれば限定されない範囲で設定することができる。
【0090】
図6~
図8のディスプレイ装置で基底配線200は、凹部210に対応する開口部250をさらに含むとしても、開口部250でのみ基底配線200が切断されたものであり、凹部210および凸部230が、全体的に1つの構成で連結された構造であり得る。
【0091】
一例によると、基底配線200の開口部250は、ディスプレイ装置または基底配線200を形成する過程で発生するストレスまたは外部要因によるストレスが基底配線200または基底配線200に隣接した領域に印加される場合、このようなストレスを分散させる役割をすることができる。
【0092】
基底配線200の上部に形成される第2電極145は、開口部250を充たす形態で備えることができる。
【0093】
一例によると、開口部250の導入により、基底配線200の面積が減少し、基底配線200の抵抗は増加し得る。したがって、本出願の一例によるディスプレイ装置は、開口部250をさらに含む場合、このような抵抗の減少を補償するための補助基底配線290をさらに含むことができる。補助基底配線290を含むディスプレイ装置に対しては、
図12~
図16を参照して後述することにする。
【0094】
図9は、
図7のV-V’線に沿って示した断面図であり、
図10は、
図7のVI-VI’線に沿って示した断面図であり、
図11は
図10のB部分を拡大して示した図である。
【0095】
図9~
図11を参照すると、基底配線200は、凹部210および凸部230によって形成される複数の段差(h1、h2)を有することで表面積が増加することができ、凹部210および凸部230の段差構造を有しない基底配線の構造と比較して、表面積が増加した基底配線200の構造を提供することができる。これにより、本出願による基底配線200を含むディスプレイ装置は、発光素子140の第2電極145の抵抗値を下げることができ、ディスプレイ装置の駆動信頼性を向上させることができる。
【0096】
一例によると、基底配線200の凸部230は、複数の階段構造を有することができる。基底配線200の凸部230は、複数の階段構造を有することにより、ディスプレイ装置または基底配線200を形成する過程で発生するストレスまたは外部要因によるストレスが基底配線200または基底配線200に隣接する領域に印加される場合、そのようなストレスをさらに分散させる役割をすることができる。
【0097】
ここで、基底配線200の凹部210および凸部230は、凹部210および凸部230が有する段差(step height、h1)を基準に、以下のように定義することができる。凹部210は、段差(h1)の半分の高さ以下に形成された領域として定義することができ、凸部230は、段差(h1)の半分の高さ以上に形成された領域として定義することができる。
【0098】
一例によると、基底配線200の凸部230は、2つの階段構造を含むように形成される場合、基底配線200の凸部230は、有機層の第2面130bと重畳する凹部210の上部面から第1高さ(h1)及び第2高さ(h2)の段差を有する階段構造を含むことができる。また、
図9~
図11において、凸部230は、二つの階段を有する構造で図示したが、本出願の実施例がこれに限定されるものではなく、複数の階段を有する多段構造を含むことができる。
【0099】
無機層120は、少なくとも一つのトレンチ部129を含むことができ、トレンチ部129は、基底配線200の凸部230と重畳し、基底配線200の凹部210と非重畳するように配置することができる。本出願によるディスプレイ装置は、無機層120に形成された少なくとも一つのトレンチ部129を介して無機層120を介して伝播されるストレスを緩和することができ、ディスプレイ装置の信頼性を向上させることができる。また、トレンチ部129は、リンク配線300と平行に配置することができ、トレンチ部129は、リンク配線300と非重畳する領域に形成することができる。
【0100】
また、無機層120のトレンチ部129は、先に説明した基底配線200の凸部230に形成された複数の段差(h1、h2)に対応する複数の深さ(d1、d2)を含むことができる。このとき、トレンチ部129の第2深さ(d2)および無機層の第6厚さ(t6)は、有機層の第5厚さ(t5)が第1厚さ(t1)に比べ減少したことを補償するために調節することができる。また、
図9~
図11において、トレンチ部129は、二つの階段を有する構造で示したが、本出願の実施例がこれに限定されるものではなく、複数の階段を有する多段構造を含むことができる。
【0101】
また、
図9~
図11でトレンチ部129が層間絶縁層125および保護層127の除去を介して形成した例を示したが、これは図面の限定的な図示によるもので、本出願の実施例はこれに限定されるものではない。したがって、本出願の実施例では、トレンチ部129の深さは、ディスプレイ装置で求められる適正な深さによってバッファ層121、ゲート絶縁層123、層間絶縁層125および保護層127のうち選択的に除去して準備することができる。
【0102】
有機層130は、前述した無機層120のトレンチ部129を充填するように配置することができる。また、本出願による有機層130は、基底配線200の凹部210および凸部230に対応する構造を形成するために、有機層130の上部面は有機層凹部131および有機層凸部133を含むように準備することができる。一例によると、有機層凹部131および有機層凸部133は、非表示領域(NDA)の有機層130の凹部131に対応する部分を除去して準備することができる。
【0103】
このとき、有機層凸部133は、前述した基底配線200の凸部230に対応する多段構造を有するように準備することができる。
【0104】
一例によると、基底配線200は、有機層凹部131および有機層凸部133の形状に対応する形状を有することができ、有機層凹部131および有機層凸部133は、基底配線200の凹部210および凸部230が有する同一の段差を有するように準備することができる。また、基底配線200は、高いステップカバレッジ特性を有する工程で準備することができ、これにより、有機層凹部131および有機層凸部133の形状を維持しながら、形成することができる。
【0105】
有機層130は、基底配線の凸部230と重畳する上部面である第1面130a、基底配線の凹部210と重畳する上部面である第2面130b、有機層130は、基底配線の凸部230と重畳する下部面である第3面130c、および基底配線の凹部210と重畳する下部面である第4面130dを定義することができる。また、有機層130は、凸部230に追加で形成された階段と重畳する第5面130eおよびトレンチ部129に追加で形成された階段と重畳する第6面130fを定義することができる。
【0106】
第1面130a及び第3面130cの距離は、有機層の第1厚さ(t1)として定義することができ、第1厚さ(t1)は、表示領域(DA)の有機層130の厚さとトレンチ部129がエッチングされた深さ(d1)の厚さを加えた厚さであり得る。したがって、非表示領域(NDA)の有機層130の第1厚さ(t1)は、T1の厚さとトレンチ部129がエッチングされた深さ(d1)の厚さを加えた厚さであり得る。第2面130b及び第4面130dの距離は、有機層の第2厚さ(t2)として定義することができ、第2厚さ(t2)は、第1厚さ(t1)の半分以下の厚さであり得る。ただし、本出願で有機層130の第2厚さ(t2)が第1厚さ(t1)の半分以下に制限されるものではない。また、第2厚さ(t2)は、
図3での有機層130のT2の厚さと同じ厚さであり得る。また、第5面130e及び第6面130fの距離は、第5厚さ(t5)で定義することができる。第5厚さ(t5)は、第2厚さ(t2)より厚く、第1厚さ(t1)よりも薄い厚さであり得る。
【0107】
無機層120の厚さ(t3、t4、t6)は、次のように定義することができる。ここで、無機層120の厚さを定義する際に、下部の基準が凹部210と重畳する領域は、リンク配線300の上部面を基準にし、凸部230と重畳する領域は、バッファ層121はディスプレイ装置の構成に応じて省略することができることを考慮してバッファ層121の上部面を基準とすることにする。
【0108】
無機層120の第4厚さ(t4)は、リンク配線300の上部面から基底配線200の凹部210と重畳する無機層120の厚さとして定義することができる。無機層120の第3厚さ(t3)は、バッファ層121の上部面から、基底配線200の凸部230及び第1深さ(d1)に形成されたトレンチ部129と重畳する無機層120の厚さで定義することができる。無機層120の第6厚さ(t6)は、バッファ層121の上部面から、基底配線200の凸部230及び第2深さ(d2)で形成されたトレンチ部129と重畳する無機層120の厚さで定義することができる。このように、第3厚さ(t3)および第6厚さ(t6)を考慮する際にバッファ層121の厚さを除くことにする。
【0109】
無機層120の厚さ(t3、t4、t6)は、有機層130の厚さが第1厚さ(t1)を基準に、第2厚さ(t2)または第5厚さ(t5)に減少する場合、これに対応するように無機層の厚さを第4厚さ(t4)または第6厚さ(t6)に増加させて補償することができる。これにより、本出願では、基底配線200が有するキャパシタンスは実質的に同等のレベルに維持することができる。
【0110】
基底配線200の凹部210および凸部230が有する段差(h1、h2)は、次のように説明することができる。例えば、有機層130の第1厚さ(t1)が約2umであれば、有機層130の第2厚さ(t2)は約1umであり得る。また、先に説明した無機層120のトレンチ部129の深さ(d1)が約600nm程度の深さで形成される場合、有機層凸部133および有機層凹部131の段差の差は、約400nmだけ発生することができる。また、有機層130の上部に配置される基底配線200は、有機層凸部133および有機層凹部131で発生した段差をそのまま維持するように配置することができ、これにより、基底配線200の凹部210および凸部230は、約400nm程度の段差を有するように形成することができる。したがって、このような段差を有する基底配線200は、段差のない基底配線と比較して表面積が増加した構造を提供することができる。
【0111】
このとき、トレンチ部129の第2深さ(d2)は、第1深さ(d1)の以下の範囲で制約なしに設定することができ、凸部230が有する第2段差(h2)は、第1段差(h1)以下の範囲で制約なしに設定することができる。
【0112】
図12は、本出願の一例によるディスプレイ装置の平面図であり、
図13は、本出願による表示領域および基底配線を概略的に示したものである。
図14は、
図13のVII-VII’線に沿って示した断面図であり、
図15は、
図13のVIII-VIII’線に沿って示した断面図である。
図16は、
図13のIX-IX’線に沿って示した断面図である。
【0113】
図12~
図16は、本出願によるディスプレイ装置は、補助基底配線290、および基底配線200および補助基底配線290を電気的に接続させるためのコンタクトホール(CH)をさらに含むことができる。
【0114】
凹部210に開口部250を導入する場合、基底配線200の面積が減少し、基底配線200の抵抗が増加し得る。
図12~
図16のディスプレイ装置は、このような基底配線200の抵抗の増加を補償するための補助基底配線290をさらに含むことができる。
【0115】
一例によると、補助基底配線290は、無機層120に形成されたトレンチ部129に収容されるように配置することができる。また、基底配線200の凸部230および補助基底配線290を接続するためのコンタクトホール(CH)をさらに含むことができる。
【0116】
補助基底配線290は、無機層120のトレンチ部129に収容されるように配置することができる。ここで、補助基底配線290は、補助金属層、補助電極などと呼ぶことができる。
【0117】
コンタクトホール(CH)は、凸部230の少なくとも一部に配置することができ、コンタクトホール(CH)は、基底配線200の凹部210および補助基底配線290を電気的に接続するための経路を提供することができる。コンタクトホール(CH)は、凸部230の少なくとも一部分に形成することができ、有機層130を除去し、無機層120の少なくとも一部を除去して形成することができる。
【0118】
図14に示したように、本出願の一例によるディスプレイ装置は、凹部210と重畳するように形成された開口部250をさらに含むことができる。ここで、基底配線200の開口部250は、ホールパターン、トレンチパターンなどと呼ぶことができる。開口部250は、基底配線200の凹部210に形成することができ、一定の間隔で離隔して配置することができる。開口部250の形状は、
図12及び
図13に菱形形状に図示したが、これに限定されるものではなく円形、楕円形、正方形、および多角形など、多様な形態で形成することができる。開口部250の大きさは、凹部210に収容することができる大きさであれば限定されない範囲で設定することができる。
【0119】
一例によると、基底配線200の開口部250は、ディスプレイ装置または基底配線200を形成する過程で発生するストレスまたは外部要因によるストレスが基底配線200または基底配線200に隣接する領域に印加される場合、このようなストレスを分散させる役割をすることができる。ただし、このような開口部250は、基底配線200の面積を減少させることによって、基底配線200の抵抗を増加させ得る。
【0120】
図15及び
図16に示したように、基底配線200は、凸部230でコンタクトホール(CH)を介してトレンチ部129に収容されるように形成された補助基底配線290と電気的に接続した構造を提供することにより、開口部250の導入により上昇した抵抗を補償することができる。また、コンタクトホール(CH)の形成によって、コンタクトホール(CH)の内部に増加した面積で基底配線200が形成されることにより、開口部250の導入により上昇した抵抗を追加的に補償することができる。
【0121】
一例によると、補助基底配線290は、基板110の上部に配置されたリンク配線300と非重畳するように配置することが好ましく、このような構造を介して補助基底配線290およびリンク配線300の干渉を最小限に抑えることができる。
【0122】
本出願の一例によるディスプレイ装置は、以下のように説明することができる。
【0123】
本出願の一例によるディスプレイ装置は、表示領域と非表示領域を含む基板、基板の上部に形成された無機層、無機層の上部に形成された有機層、基板の表示領域に形成され、第1電極、発光層および第2電極を含む発光素子、および有機層の上部に形成され、非表示領域の少なくとも一部に形成される基底配線を含み、基底配線及び第2電極は、互いに電気的に接続し、基底配線は、互いに近隣して配置された少なくとも一つの凹部および少なくとも一つの凸部を含む。
【0124】
本出願のいくつかの例によると、無機層は、非表示領域に形成された少なくとも一つのトレンチ部を含むことができる。
【0125】
本出願のいくつかの例によると、トレンチ部は凸部と重畳することができる。
【0126】
本出願のいくつかの例によると、有機層は、凸部と重畳する有機層凸部、および凹部と重畳する有機層凹部を含むことができる。
【0127】
本出願のいくつかの例によると、有機層は、凸部に対応する第1厚さ、および凹部に対応する第2厚さを有し、第1厚さは、第2厚さよりも厚いことができる。
【0128】
本出願のいくつかの例によると、無機層は、凸部に対応する第3厚さ、および凹部に対応する第4厚さを有し、第4厚さは、第3厚さよりも厚いことができる。
【0129】
本出願のいくつかの例によると、無機層の第4厚さは、有機層の第1厚さおよび第2厚さの差を補償するように設定することができる。
【0130】
本出願のいくつかの例によると、第1基板上に形成されたリンク配線をさらに含み、リンク配線は、凸部と非重畳するように配置することができる。
【0131】
本出願のいくつかの例によると、凹部および凸部の第1高さ(h1)の段差を有するように形成され、第1高さは300nm~900nmであり得る。
【0132】
本出願のいくつかの例によると、凹部と少なくとも一部分重畳するように形成される開口部をさらに含み、開口部は、基底配線の一面および他面を貫通させることができる。
【0133】
本出願のいくつかの例によると、凸部は凹部に対して複数の高さの段差を有することができる。
【0134】
本出願のいくつかの例によると、トレンチ部は無機層の上面に対して複数の深さの段差を有することができる。
【0135】
本出願のいくつかの例によると、トレンチ部に収容される補助基底配線をさらに含むことができる。
【0136】
本出願のいくつかの例によると、保護層は、補助基底配線の少なくとも一部を露出させるコンタクトホールを含み、基底配線はコンタクトホールの少なくとも一部を埋めるように具備することができる。
【0137】
上述した本出願の例で説明した特徴、構造、効果などは、本出願の少なくとも一つの例に含まれており、必ずしも一つの例のみに限定されるものではない。さらに、本出願の少なくとも一つの例で例示された特徴、構造、効果などは、本出願が属する分野の通常の知識を有する者によって他の例にも組み合わせ、または変形して実施可能である。したがって、このような組み合わせと変形に係る内容は、本出願の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【0138】
以上で説明した本出願は、前述した実施例及び添付した図面に限定されるものではなく、本出願の技術的事項を逸脱しない範囲内で、複数の置換、変形及び変更が可能であることは、本出願が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明らかであろう。したがって、本出願の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲そしてその等価概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本出願の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0139】
110:基板
DA:表示領域
NDA:非表示領域
120:無機層
121:バッファ層
123:ゲート絶縁層
125:層間絶縁層
127:保護層
129:トレンチ部
130:有機層
131:有機層凹部
133:有機層凸部
140:発光素子
150:バンク
170:ゲート駆動部
180:ディスプレイ駆動部
200:基底配線
210:凹部
230:凸部
250:開口部
290:補助基底配線
300:リンク配線
CH:コンタクトホール