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特許7220774空気交換バックアップユニットを備えたNBCろ過システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-02
(45)【発行日】2023-02-10
(54)【発明の名称】空気交換バックアップユニットを備えたNBCろ過システム
(51)【国際特許分類】
   A62B 13/00 20060101AFI20230203BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20230203BHJP
   F24F 8/108 20210101ALI20230203BHJP
【FI】
A62B13/00
F24F7/06 B
F24F8/108
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021505647
(86)(22)【出願日】2019-03-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 IL2019050293
(87)【国際公開番号】W WO2020031169
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-01-17
(31)【優先権主張番号】261094
(32)【優先日】2018-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(73)【特許権者】
【識別番号】521040488
【氏名又は名称】ベス-エル ジフロン ヤアコヴ インダストリーズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beth-El Zikhron Yaaqov Industries, Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】コーガー,サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,ジョナサン
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/015943(WO,A1)
【文献】特開2014-167379(JP,A)
【文献】米国特許第06328775(US,B1)
【文献】特開2004-270445(JP,A)
【文献】実開平06-048695(JP,U)
【文献】実公昭49-028837(JP,Y1)
【文献】登録実用新案第3147237(JP,U)
【文献】特開平05-268812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 7/00-33/00
F24F 7/06
F24F 8/108
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタユニット;前記フィルタユニットに気流接続されたブロワー;および前記ブロワーに機械的に接続された空気交換バックアップユニットを備える、防護シェルター用のNBCろ過システムであって、
前記空気交換バックアップユニットが、互いに連続的にリンクされて折り畳み式アームを形成する複数のヒンジ式セグメントを含み、該ヒンジ式セグメントは、相互に回転運動を伝達するように構成され、前記空気交換バックアップユニットの第1の端部は前記ブロワーを駆動し、前記空気交換バックアップユニットの第2の端部は取り外し可能な手回しクランクを支持し、前記手回しクランクを手動で回転させることにより前記ブロワーのインペラが回転し、前記NBCろ過システムが天井近くの位置に取り付けられ、前記空気交換バックアップユニットが平常時は選択的に折り畳まれている、
ことを特徴とする、NBCろ過システム。
【請求項2】
前記ヒンジ式セグメントのそれぞれは、該セグメントの一端から他端へ回転運動を伝達する機械的ドライブを備えていることを特徴とする、請求項1に記載のNBCろ過システム。
【請求項3】
前記ヒンジ式セグメントを対にする各リンクは、1つのセグメントから他のセグメントへ回転運動を伝達する回転可能なシャフトを備え、該シャフトはヒンジ軸と同じ軸を共有することを特徴とする、請求項1に記載のNBCろ過システム。
【請求項4】
前記ヒンジ式セグメントの少なくとも1つはさらに、第1の増速トランスミッションの少なくとも1つのステージを含むことを特徴とする、請求項1に記載のNBCろ過システム。
【請求項5】
前記空気交換バックアップユニットの前記第1の端部が、前記ブロワーを駆動する電気モータに旋回可能に取り付けられ、前記手回しクランクを手動で回転させることにより前記電気モータのャフトが実質的に前記電気モータの定格回転数で回転することを特徴とする、請求項4に記載のNBCろ過システム。
【請求項6】
前記空気交換バックアップユニットの前記第2の端部が、前記手回しクランクの手動クランキングに都合のよい位置で前記防護シェルターの壁にしっかりと取り付けることができることを特徴とする、請求項1に記載のNBCろ過システム。
【請求項7】
前記モータが、第2の増速トランスミッションを介して前記ブロワーを駆動することを特徴とする、請求項5に記載のNBCろ過システム。
【請求項8】
前記第2の増速トランスミッションが、3000rpm超の回転速度で前記ブロワーのインペラを駆動できることを特徴とする、請求項7に記載のNBCろ過システム。
【請求項9】
前記ブロワーを駆動する前記電気モータが、4極誘導モータであることを特徴とする、請求項5に記載のNBCろ過システム。
【請求項10】
前記第2の増速トランスミッションが、マルチグルーブVベルトドライブ;歯付きベルトドライブ;ローラーチェーンドライブ;および逆歯チェーンドライブからなる群より選択されることを特徴とする、請求項7に記載のNBCろ過システム。
【請求項11】
前記ローラーチェーンドライブまたは前記逆歯チェーンドライブのピッチサイズが、4mm~6mmの間で選択されることを特徴とする、請求項10に記載のNBCろ過システム。
【請求項12】
前記ヒンジ式セグメントのそれぞれが、前記第1の増速トランスミッションの1つのステージを含むことを特徴とする、請求項4に記載のNBCろ過システム。
【請求項13】
前記第1の増速トランスミッションが、ローラーチェーンドライブの3つのステージを含むことを特徴とする、請求項12に記載のNBCろ過システム。
【請求項14】
前記ローラーチェーンドライブのピッチサイズが、6mm~10mmの間で選択されることを特徴とする、請求項13に記載のNBCろ過システム。
【請求項15】
操作中、前記第1の増速トランスミッションが、前記モータのシャフトに取り付けられた一方向フリーホイールを介して、前記モータに回転運動を伝達することを特徴とする、請求項5に記載のNBCろ過システム。
【請求項16】
前記第1の増速トランスミッションの第1の中間シャフトが、前記空気交換バックアップユニットの第1のセグメントと第2のセグメントとの間のヒンジ軸も画定し、前記第1の増速トランスミッションの第2の中間シャフトが、前記空気交換バックアップユニットの前記第2のセグメントと第3のセグメントとの間のヒンジ軸も画定することを特徴とする、請求項13に記載のNBCろ過システム。
【請求項17】
前記空気交換バックアップユニットが4つのセグメントを含み、該セグメントのそれぞれが、前記ブロワーを直接駆動するのに十分な全体的な伝達比を提供する前記第1の増速トランスミッションの1つのステージを備えることを特徴とする、請求項に記載のNBCろ過システム。
【請求項18】
前記空気交換バックアップユニットが2つのセグメントを含み、専用の増速トランスミッションが、前記空気交換バックアップユニットと前記モータとの間に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載のNBCろ過システム。
【請求項19】
前記空気交換バックアップユニットが第1の増速比を備え、前記専用の増速トランスミッションが、全体として必要な増速比を提供するように計算された追加の第2の増速比を提供することを特徴とする、請求項18に記載のNBCろ過システム。
【請求項20】
停電の際に防護シェルターに新鮮な空気を導入する方法であって、
a.フィルタユニット;電気モータによって駆動されるブロワー;前記電気モータに旋回可能に取り付けられた第1の端部を有する空気交換バックアップユニット;および前記空気交換バックアップユニットの第2の端部に選択的に取り付けられた取り外し可能な手回しクランクを含む、天井近くに取り付けられたNBCろ過システムを提供する工程であって、前記空気交換バックアップユニットが、互いに連続的にリンクされて折り畳み式アームを形成する複数のヒンジ式セグメントを含み、該ヒンジ式セグメントが、相互に回転運動を伝達するように構成される、工程;
を伝達するように構成される。
b.停電時に前記空気交換バックアップユニットを展開する工程;
c.前記空気交換バックアップユニットの前記第2の端部を、前記手回しクランクの手動クランキングに都合のよい位置で防護シェルターの壁に取り付ける工程;
d.前記取り外し可能な手回しクランクを前記空気交換バックアップユニットの前記第2の端部に取り付ける工程;および
e.停電が続く間に前記手回しクランクを回転させる工程
を含む、方法。
【請求項21】
f.電力が復活したときに前記手回しクランクを回転させる工程eを停止する工程;
g.前記取り外し可能な手回しクランクを前記空気交換バックアップユニットの前記第2の端部から取り外す工程;
h.前記空気交換バックアップユニットの前記第2の端部を前記防護シェルターの壁から取り外す工程;および
i.前記空気交換バックアップユニットを折り畳む工程
をさらに含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共同防護シェルターのNBCろ過システムに関する。より詳細には、空気交換バックアップユニットを備えたNBCろ過システムに関する。
【背景技術】
【0002】
イスラエルでは、オフィスビル、ショッピングモール、商業施設、娯楽施設などの公共建造物は、緊急時に使用するためにNBC防護スペースを保持する必要がある。防護スペースには、NBCろ過システムが含まれる。保持されたスペースは、平時は他の定期的な目的に使用されてもよい。通常、このスペースは、重い家具を必要とせず、緊急時に迅速に片付けることができる会議室または待合室として使用される。このような建物における床面積1平方メートルあたりのコストが高いため、NBCろ過システムが占めるスペースは最小限であることが所望である。
【0003】
規制では、そのような公共のNBCろ過システムは、粒子フィルタおよびガス吸着フィルタで構成されるフィルタユニット、および、一定の空気交換率に適した電動ブロワーを含むべきであることが示されている。さらに、NBCろ過システムには、停電時に手動で操作するための手回しクランクのような人力インターフェースを含む、人力によって活動される空気交換バックアップユニットが必要である。空気交換バックアップユニットは、電力が利用できない場合は電力の代わりに人力を使用して防護シェルターに新鮮な空気を導入する。通常、空気交換バックアップユニットは、手回しクランクによって手動で回転される入力シャフトおよび電動ブロワーを回転させるために係合される出力シャフトを有する、増速ギアを含む。手回しクランクは、正常時にスペースを空けるために取り外し可能でもよい。
【0004】
「Nuclear Biological Chemical」の略であるNBCという用語は、ここでは広義の解釈で使用されており、核、生物、放射能、および化学の1つまたは複数を意味する。したがって、ろ過システムに必ずしもすべての機能が実装されていない。例えば、生物学的および化学的攻撃防護を提供するが、核攻撃防護を全くまたは部分的にしか提供しないろ過システムは、依然としてNBCろ過システムと考えられる。
【0005】
イスラエル国特許出願第244631号は、セキュリティルームの換気およびろ過システムを提案し、これは以下を含む:セキュリティルームを換気するために空気を送るブロワー;ブロワーに接続されて空気をろ過するエアフィルタ;エアフィルタおよびブロワーを内部に収納できるハウジング;および、ハウジング下の空間を利用できるようにハウジングをセキュリティルームの天井の収納位置に上昇させ、かつ、ハウジングをセキュリティルームの床の作動位置に降下させる機構。
【0006】
しかしながら、提案された解決策は煩雑であり、緊急時にろ過システム全体を降下させる必要がある。システム全体の重量が100kgに達する可能性があり、平均的な人が簡単に操作できるようにする必要がある昇降機構は、それ自体が複雑になる。
【0007】
本出願人のイスラエル国特許出願第246827号は、特許文献1としても公開され、床面積を節約し全体的なスペースを節約する、共同防護シェルター用の操作が簡単なNBCろ過システムについて説明する。出願第246827号によると、NBCろ過システムは、シェルターの占有者が快適に手の届かない場所にあるスペースに含まれているため、使用可能な床面積を節約する一方で、起動、手動操作、およびNBCろ過システムの状態を変更するための手段は、シェルターの占有者が快適に手の届く範囲内の位置から操作される。上記の出願はまた、本発明を実施するための基本的な構造上のオプションを示唆している。
【0008】
具体的には、NBCろ過システムおよび空気交換バックアップユニットが平均的な人の身長よりも高い位置にあるNBCろ過システムを操作するオプションが提案されている。このオプションは、手回しクランクまたはフットペダルなどの人力インターフェースが、手の届かないNBCろ過システムに離れて機械的または電気的に接続されることを提案している。
【0009】
提案される空気交換バックアップユニットは、平均的な人が使用するのに適切な高さにおいて別のユニットとして配置された手回しクランクによって遠隔で駆動される。手回しクランクは、片側で壁に支持されており、必要に応じて反対側で取り外し可能なフロアスタンドで支持され、使用中に手回しクランクをしっかりと保持する。必要に応じて、フロアスタンドが不要になるように、適切な支持性能ベアリングを使用してのみ手回しクランクを壁に取り付けることができる。動力は、手回しクランクおよび電動ブロワーシャフトに取り付けられたプーリーまたはスプロケットを備えた駆動ベルトまたはチェーンなどの機械的動力伝達手段を介して伝達される。
【0010】
しかしながら、実際の設置では、NBCろ過システムはさまざまな場所およびさまざまな高さに取り付けられているようである。さまざまの場所は、建物の構造間の吸気管の位置のバリエーションによって実施される。このように場所が異なるため、さまざまな設置に単一の駆動解決策を使用することは困難である。
【0011】
さらに、提案されたチェーンまたはベルト駆動は、外部にあり増速ギアに追加される通気システムの効率を低下させる。さらに、特許文献2で提供される解決策は原則的なものであるが、より具体的な構造上の実装が必要である。
【0012】
したがって、効率的な節電操作、異なる建設現場での設置の容易さ、および維持費の削減を可能にするために、上記の従来技術のシステムをさらに最適化する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】国際公開第2018/015943号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の主な目的は、従来技術のシステムの欠点および制限を克服し、空気交換バックアップユニットの最適化構造を有する共同防護シェルターのNBCろ過システムを提供することである。提案される最適化構造は、設置の柔軟性を維持しながら、空気交換バックアップユニットのさまざまな構成要素の効率的な操作および統合を提供する。その結果、ろ過システムは、単一タイプの空気交換バックアップユニットを使用して、さまざまな位置および方向で簡単に設置できる。
【0015】
本発明の実施形態によれば、天井近くの位置に取り付けられたNBCろ過システムが提供され、以下を備える:フィルタユニット、フィルタユニットに気流接続されたブロワー、およびブロワーに機械的に接続された空気交換バックアップユニット。空気交換バックアップユニットは、互いに連続的にリンクされて折り畳み式アームを形成する複数のヒンジ式セグメントを含む。ヒンジ式セグメントは、相互に回転運動を伝達するように構成されている。空気交換バックアップユニットの第1の端部はブロワーを駆動し、空気交換バックアップユニットの第2の端部は取り外し可能な手回しクランクを支持する。手回しクランクを手動で回転させると、ブロワーのインペラが回転する。空気交換バックアップユニットは、平常時は選択的に折り畳まれている。
【0016】
実施形態の一態様によれば、ヒンジ式セグメントのそれぞれは、セグメントの一端から他端へ回転運動を伝達する機械的ドライブを備えている。
【0017】
実施形態の別の態様によれば、ヒンジ式セグメントを対にする各リンクは、ヒンジ軸と同じ軸を共有する回転可能なシャフトを備えている。
【0018】
実施形態の一態様によれば、ヒンジ式セグメントの少なくとも1つはさらに、第1の増速トランスミッションの少なくとも1つのステージを含む。
【0019】
別の態様によれば、空気交換バックアップユニットの第1の端部は、ブロワーを駆動する電気モータに旋回可能に取り付けられている。手回しクランクを手動で回転させると、電気モータのシャフトが実質的に電気モータの定格回転数で回転する。
【0020】
さらに別の態様によれば、空気交換バックアップユニットの第2の端部は、手回しクランクの手動クランキングに都合のよい位置で防護シェルターの壁にしっかりと取り付けることができる。
【0021】
本発明の別の態様によれば、停電の際に防護シェルターに新鮮な空気を導入する方法が提供される。この方法は、以下の1つまたは複数の工程を含む:
a.以下を含む天井近くに取り付けられたNBCろ過システムを提供する工程:フィルタユニット;電気モータによって駆動されるブロワー;前記電気モータに旋回可能に取り付けられた第1の端部を有する空気交換バックアップユニット;および前記空気交換バックアップユニットの第2の端部に選択的に取り付けられた取り外し可能な手回しクランク;前記空気交換バックアップユニットは、互いに連続的にリンクされて折り畳み式アームを形成する複数のヒンジ式セグメントを含み、ヒンジ式セグメントは、相互に回転運動を伝達するように構成される。
b.停電時に空気交換バックアップユニットを展開する工程。
c.空気交換バックアップユニットの第2の端部を、前記手回しクランクの手動クランキングに都合のよい位置で防護シェルターの壁に取り付ける工程。
d.取り外し可能な手回しクランクを空気交換バックアップユニットの第2の端部に取り付ける工程。
e.および、停電が続く間に手回しクランクを回転させる工程。
【0022】
この方法はさらに、以下の1つまたは複数の工程を含んでもよい:
f.電力が復活したときにクランキング動作を停止する工程。
g.取り外し可能な手回しクランクを空気交換バックアップユニットの第2の端部から取り外す工程。
h.空気交換バックアップユニットの第2の端部を防護シェルターの壁から取り外す工程。
i.および、空気交換バックアップユニットを折り畳む工程。
【0023】
本発明、および本発明を実際に実行することができる方法は、非限定的な例としてのみ、以下の説明のための図を参照して理解され、同様の参照番号は同様の較正要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に従って作製された空気交換バックアップユニットを用いるNBCろ過システムの正面図
図2図1のNBCろ過システムの斜視図
図3】半分折り畳まれた空気交換バックアップユニットを示す、図1のNBCろ過システムの斜視図
図4】取り付けブラケットおよびブロワーのカバーが取り外された、図3に示されるNBCろ過システムの斜視図
図5】空気交換バックアップユニットおよびブロワーの斜視背面図
図6】オープンフレーム型の空気交換バックアップユニットの斜視概略図
図7図6に示される2つのセグメントの分解斜視図
図8図5の空気交換バックアップユニットおよびブロワーの分解斜視図
図9】ブロワーおよび空気交換バックアップユニットの電気的および手動駆動システムを示す斜視スケルトン図
図10】本発明の別の実施形態に従って作製された空気交換バックアップユニットの斜視図
図11】本発明のさらに別の実施形態に従って作製された空気交換バックアップユニットの斜視図
図12】NBCろ過システムの操作方法を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明を詳細に説明する前に、本発明に関連するいくつかの用語を定義する。本出願を通して以下の定義が用いられることに留意すべきである。
【0026】
本発明の目的で、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「下(below)」、「上(above)」、「左」、「右」、「水平」、「垂直」、「上方(upper)」、「下方(down)」などの方向を示す用語は、本発明のさまざまの実装形態の説明において単に便宜のために使用される。本発明を実施するアセンブリは、さまざまに方向づけられてもよい。
【0027】
本発明の目的で、「複数」という用語は、2つまたは2つより多くを指す。
【0028】
本発明の目的で、「ヒンジ式要素」という用語は、少なくとも1つのヒンジを備えているか、またはヒンジ点の周りで当該要素の旋回を可能にする少なくとも1つのヒンジ点を有する要素を指す。
【0029】
本発明の目的で、「セグメント」という用語は、アセンブリが分離または分割される部品の1つを指す。
【0030】
本発明の目的で、「空気交換バックアップユニット」という用語は、停電の場合に防護シェルターに新鮮な空気を導入するように構成された、人力によってエネルギーを与えられる装置を指す。
【0031】
本発明の目的で、「折り畳み可能」という用語は、それが使用されていないときに小さいスペースに折り畳むことができる構造を指す。
【0032】
本発明の目的で、「逆歯チェーン」または「サイレントチェーン」という用語は、標準または修正歯車と係合するようにそのリンク上に形成された歯を備えたある種の駆動チェーンを指す。
【0033】
本発明の目的で、「ピッチ」という用語は、ローラーチェーン内のローラーなどの、連続対応する物理的事象の間の距離を指す。
【0034】
「NBC」という用語は、核、生物、化学および放射能の脅威のいずれか、またはそれらの任意の組合せを含む、あらゆる種類の危険物質の一般的な略語として、この文章を通して使用される。そのような組合せには、例えば、NBC、CBRN、CBR、BC、BおよびCが含まれ得る。
【0035】
図を参照すると、本発明の一実施形態によれば、図1には、全体が10で示された共同防護シェルター用のNBCろ過システムの正面図が示されている。図2は、同様のNBCろ過システムの斜視図を示しており、破線は防護シェルターの近くの内部境界を表している。図1および2には、プレフィルタ14、フィルタユニット30、および全体が20で示された空気交換バックアップユニット20が見える。粗い粒子を保持することを目的としたプレフィルタ14は、建設中に建物のコンクリート壁に埋め込まれた空気取り入れ口に取り付けられる。空気取り入れ口は、従来技術で知られているように、ブラストバルブをさらに含んでもよい。フィルタユニット30は通常、粒子フィルタおよびガス吸着フィルタを含む。フィルタユニット30はさらに、本発明の範囲外である内部バイパスおよび切替弁(図示せず)を含んでもよい。さらに図4には、フィルタユニット30に気流接続されたブロワー40が示される。ブロワー40は通常、ブロワー40を防護シェルターの壁に固定する取り付けブラケットとしても機能するカバー32によって覆われている。空気交換バックアップユニット20は、ブロワー40に機械的に接続され、停電時に手動で操作されて、ブロワー40のインペラ76(図9)を回転させる回転運動の伝達によってブロワー40に電力を供給する。
【0036】
ある実施形態によれば、ブロワー40は通常、電力が利用可能である間は電気モータ42によって駆動される。空気交換バックアップユニット20は、ブロワー40に直接、または本明細書で以下に説明するように電気モータ42を介して、機械的に接続されてもよい。空気交換バックアップユニットは、複数のヒンジ式セグメントを含み、ここでは、例として、互いに連続的にリンクされる3つのセグメント22(a、b、およびc)を用いて示されている。折り畳み可能なアームを形成するリンクされたヒンジ式セグメントは、図3および4において部分的に折り畳まれて示される。
【0037】
図5を参照すると、空気交換バックアップユニット20の第1の端部24は、ブロワー40を駆動する電気モータ42に旋回可能に取り付けられている。空気交換バックアップユニットの動作中、停電の場合、回転運動は、以下で説明するように、ヒンジ式セグメント22(a、bおよびc)を介して、通常は一方向フリーホイールを介して、手回しクランク28から電気モータ42のシャフト44(図8)に伝達される。
【0038】
空気交換バックアップユニット20の第2の端部26は、取り外し可能な手回しクランク28を支持する。約40rpmの通常の手動操作での手回しクランク28の回転によって、電気モータ42のシャフト44が実質的に電気モータの定格速度で回転される。空気交換バックアップユニット20の第2の端部26は、例えば専用の固定ブラケット60によって、手回しクランクの手動クランキングに便利な位置で防護シェルターの壁にしっかりと取り付けることができる。空気交換バックアップユニット20は、図3および図4に示されるように、平常時に選択的に折り畳まれてもよい。
【0039】
図3および図4を参照すると、空気交換バックアップユニット20は部分的に折り畳まれた状態で示され、ヒンジ式セグメント22は、ヒンジの周りに折り畳まれて、Z字形を形成する。セグメントは、下部セグメント22aが上部セグメント22cと接触する点までさらに折り畳まれて、空気交換バックアップユニット20が、ブロワー40の取り付けブラケットとしても機能するカバー32の後ろに隠されてもよいことが理解されるであろう。その結果、空気交換バックアップユニット20は、防護シェルターの居住者には実質的に見えなくなる。図2に示すように、NBCろ過システム10は、全体として、天井近くの防護シェルターの壁に取り付けられている。したがって、平常時に、空気交換バックアップユニット20が折り畳まれると、NBCろ過システム10は、防護シェルターで行われる通常の活動を妨害しない。
【0040】
背景技術で述べたように、実際の設置では、NBCろ過システムはさまざまな位置およびさまざまな高さに取り付けられる。さまざまな位置は、建物の構造間の吸気管の位置の変化によって実行される。本発明の実施形態は、空気交換バックアップユニット20の折り畳みアーム構造を任意の設置位置に単純に適合させることによって、この問題を解決する。図1および図2では垂直方向に示されているが、空気交換バックアップユニット20は、停電時の動作中であっても、部分的に折り畳まれるかまたは防護シェルターの壁に対角線上に固定されることによって、異なる取り付け位置を補正することができることに留意すべきである。上記の回転運動は、ヒンジ式セグメントの任意の角度沈下(angular settlement)において同じ効率で、手回しクランク28からヒンジ式セグメント22(a、bおよびc)を介して伝達される。
【0041】
上記のように、空気交換バックアップユニット20の動作中、停電の場合、回転運動は、手回しクランク28からヒンジ式セグメント22を介して電気モータ42に伝達される。回転運動の伝達方法は、図6および図7を参照して説明される。ある実施形態によれば、互いにリンクされた3つのヒンジ式セグメント22が図6に示される。ヒンジ式セグメントは、駆動システムを露出させる単純な開放構成を使用する。ヒンジ式セグメント22のそれぞれは、セグメントの一端から他端に回転運動を伝達する機械的ドライブ52を備えている。例えば、それぞれがセグメントの一端に取り付けられ、ベルトまたはチェーンドライブによって回転可能に接続された一対の滑車、プーリ、またはスプロケットによる。あるいは、一対または複数の嵌合ギアを用いてもよい。必要に応じて、機械的ドライブ52の1つまたはすべてが、伝達比または伝達ステージを画定しうる。任意の実施形態によれば、ヒンジ式セグメント22の少なくとも1つは、第1の増速伝達の少なくとも1つのステージを含む。あるいは、第1の増速伝達は、以下に示されるように、空気交換バックアップユニット20の一端に別個に配置されてもよい。
【0042】
セグメントの一端から他端に回転運動を伝達する上記の機械的ドライブに加えて、ヒンジ式セグメント22は、相互に回転運動を伝達するように構成される。これは、図6においてより明確に示され、図5の2つのセグメント22が展開されて示されている。構造要素53は、両端に開口部54を備えた平らな細長い本体として作製される。一体型シャフトベアリング55(ウォーターポンプベアリングとしても知られている)、または両側を通過して伸長するシャフト56を有する専用ベアリングアセンブリが、開口部54のそれぞれに提供される。ベアリング55の外径またはベアリング55のハウジングは、構造要素53をリンクするヒンジとして機能する。構造要素53は、ベアリング55が開口部54に自由適合することにより、ベアリング55の周りで旋回可能である。ベアリング55を所定の位置に保持するために、保持クリップがさらに提供されてもよい。スプロケット57、58は、ベアリング55のシャフト56の両端に取り付けられている。スプロケット57、58は、圧入、キー、平面、ロックねじ、またはシャフト56の周りのスプロケット57、58の自由回転を防止する任意の他のロック要素によって、シャフト56に固定的に取り付けられてもよい。その結果、シャフト56は、シャフト56の一端に取り付けられたスプロケット58とシャフト56の他端に取り付けられたスプロケット57との間で回転運動を伝達する。スプロケット58は、上記のように、セグメント22aの機械的ドライブ52aによって駆動される。そして、スプロケット57は、セグメント22bの機械的ドライブ52bを駆動している。シャフト56は、ベアリング55によって画定されるセグメント22a、22bの間のヒンジと同じ軸を共有することに留意されたい。したがって、ヒンジ式セグメント22(a、bおよびc)(図6)を対にするヒンジのそれぞれは、回転運動を1つのセグメントから他のセグメントに伝達しかつヒンジ軸と同じ軸を共有する回転可能なシャフト56を備えている。シャフト56は、セグメント22(a、bおよびc)間で回転運動を伝達する。スプロケット57および58の直径または歯数の比率は、各ステージの増速量または各セグメントの機械的ドライブを示す。
【0043】
図5は、NBCろ過システムから取り出された空気交換バックアップユニット20およびブロワー40の斜視背面図を示している。全体が20で示された空気交換バックアップユニットは、半分折り畳まれて示されている。空気交換バックアップユニット20の第2の端部26は、周囲突出部36およびロックピン34を備えている。第2の端部26は、専用固定ブラケット60の周囲凹部64を備えた適合ポケット62に周囲突出部36を係合させることにより、専用固定ブラケット60(図4)にしっかりと取り付けることができる。手回しクランク28の動作中に、ロックピン34をブラケット60のロック穴66に係合させて、空気交換バックアップユニット20の第2の端部26の移動を防止することができる。空気交換バックアップユニット20の第2の端部26を固定ブラケット60に方向付ける経路が、68と記された矢印によって示されている(図4)。空気交換バックアップユニット20の第2の端部26を防護シェルターの壁にしっかりと取り付けるための他の手段が提供され得ることが理解されるであろう。そのような他の手段には、ほぞ穴およびほぞ、手動ファスナー、レバーラッチファスナー、円錐継手および他の既知の手段が含まれてもよい。
【0044】
図4および5を参照すると、ブロワー40の吸気ポート46は、可撓性ダクト70を介してフィルタユニット30に気流接続される。ブロワー40の吹出ポート48は、防護シェルターの空間に開放されており、ろ過された空気が制限なしに空間に拡散される。図4に示されるように、ブロワー40は、直接または第2の増速トランスミッション74を介して、電気モータ42によって駆動される。経済的および長期的な信頼性の理由から、標準4極誘導モータ42が好ましいかもしれない。
【0045】
図8を参照すると、ブロワー40およびモータ42は、空気交換バックアップユニット20に関連する位置から移動される。セグメント22aおよび22cのカバー38aおよび38cのそれぞれもまた、位置から移動されて、全体として20で示される空気交換バックアップユニットの第1の増速トランスミッションの伝達ステージ72aおよび72cを露出させる。上記の実施形態によれば、構造要素は、空洞23を用いて作製され、移動する駆動要素との接触からユーザを保護するカバー38を備えていることに留意されたい。上記の実施形態によれば、ヒンジ式セグメント22のそれぞれは、セグメントの一端から他端に回転運動を伝達する機械的ドライブ72(a、bおよびc)を備えている。図示される実施形態によれば、ヒンジ式セグメント22(a、bおよびc)のそれぞれは、空気交換バックアップユニット20の第1の増速トランスミッションの1つのステージを含む。
【0046】
図9を参照すると、構造要素が取り外され、伝達要素が露出している空気交換バックアップユニットが示されている。ある実施形態によれば、第1の増速トランスミッションは、3つのステージ72(a、bおよびc)を含むローラーチェーンドライブとして構成される。ヒンジ式セグメント22(a、bおよびc)を対にするリンクのそれぞれは、ヒンジ軸と同じ軸を共有する回転可能なシャフト88、98を備えている。他の任意の数のヒンジ式セグメントおよび伝達ステージを使用してもよいことが明らかであるが、効率の理由から、最適な数は、所望の増速比を提供する最小数である。ローラーチェーンドライブのピッチサイズは、6mm~10mmの間で選択される。第1の増速トランスミッションの異なるステージは、各ステージに関連する異なるモーメントおよび回転速度のために、異なるピッチサイズを許容しうることが理解されよう。
【0047】
より詳細には、さらに図9を参照すると、停電の際の手回しクランク28の手動操作中に、第1のスプロケット82が入力シャフト81を介して手回しクランク28によって直接回転される。第1のスプロケット82は、第1のドライブチェーン86を介して、好ましくは第1のスプロケット82よりも小さい第2のスプロケット84を回転させる。第1のスプロケット82、第1のドライブチェーン86、および第2のスプロケット84は共に、空気交換バックアップユニット20の第1の増速トランスミッションの第1のステージ72aを形成している。図9に示されるように、第2のスプロケット84は、空気交換バックアップユニット20を構成する折り畳み式アームの第1のセグメント22aと第2のセグメント22bとの間のヒンジ軸も画定する第1の中間シャフト88の一端に取り付けられる。第3のスプロケット92は、第1の中間シャフト88の他端に取り付けられ、したがって、第2のスプロケット84と同じ回転速度を許容する。
【0048】
第3のスプロケット92は、第2のドライブチェーン96を介して、好ましくは第3のスプロケット92よりも小さい第4のスプロケット94を回転させる。第3のスプロケット92、第2のドライブチェーン96、および第4のスプロケット94は共に、空気交換バックアップユニット20の第1の増速トランスミッションの第2のステージ72bを形成している。第4のスプロケット94は、空気交換バックアップユニット20を構成する折り畳み式アームの第2のセグメント22bと第3のセグメント22cとの間のヒンジ軸も画定する第2の中間シャフト98の一端に取り付けられる。第5のスプロケット102は、第2の中間シャフト98の他端に取り付けられ、したがって、第4のスプロケット94と同じ回転速度を許容する。
【0049】
第5のスプロケット102は、第3のドライブチェーン106を介して、好ましくは第5のスプロケット102よりも小さい最終スプロケット104を回転させる。第5のスプロケット102、第3のドライブチェーン106、および最終スプロケット104は共に、空気交換バックアップユニット20の第1の増速トランスミッションの第3のステージ72cを形成している。
【0050】
最終スプロケット104は、フリーホイールクラッチまたはフリーホイールベアリングとしても知られている一方向フリーホイールを介してモータシャフト44の第1の端部107に取り付けられている。一方向フリーホイールは、空気交換バックアップユニット20によるモータシャフト44の回転を可能にするが、モータが電圧印加されているときのフリーホイールによる第1の増速トランスミッションの回転を防止する。異なるタイプの一方向またはクラッチ機構、例えば、当技術分野で知られているラチェット機構または巻線ばね機構を代わりに使用してもよいことが理解されよう。
【0051】
さらに図9を参照すると、第2の増速トランスミッション74は、該当する場合、モータシャフト44の第2の端部108に取り付けられた第1のスプロケット110、ドライブチェーン112、および第1のスプロケット110よりも小さい第2のスプロケット114を備える。第2の増速トランスミッション74の第2のスプロケット114は、ブロワーシャフト116の第1の端部に取り付けられている。ブロワーシャフト116の第2の端部は、ブロワー40のインペラ76を支持する。
【0052】
ブロワー40を駆動する第2の増速トランスミッション74は、既知の4極誘導タイプのモータ42を使用して、3000rpmを超える回転速度でブロワーのインペラ76を駆動することができる。伝送損失を最小限に抑えるために、第2の増速トランスミッション74は、以下を含むいくつかの選択肢の間で選択される、低摩擦で効率的な駆動システムであり得る:マルチグルーブ(multi-groove)Vベルトドライブ、歯付きベルトドライブ、ローラーチェーンドライブ、またはサイレントチェーンとしても知られている逆歯チェーンドライブ。この第2の増速トランスミッションの高速および低トルクにより、ローラーチェーンドライブまたはサイレントチェーンドライブを使用する場合、ピッチサイズは3mm~6mmの間で選択される。ダイレクトギアドライブ、シングルまたはマルチVベルトドライブ、フラットベルトドライブおよびラダーチェーンドライブなどの他のトランスミッションタイプを使用できることが理解されよう。
【0053】
図10を参照すると、4つのセグメント22(a、b、cおよびd)が使用される異なる実施形態が示されている。各セグメントは、第1の増速トランスミッションの1つのステージ52(a、b、cおよびd)を備えている。3セグメント構成よりも全体的な伝達比が高くなる可能性があるため、第2の増速トランスミッションおよび好ましくは3000rpmより高い定格速度のモータ42がブロワー40を直接駆動する必要はない。空気交換バックアップユニット20は、停電および手回しクランク28の手動操作の場合に、モータ44のシャフトの他端を駆動している。
【0054】
図11を参照すると、2つのセグメント22aおよび22bのみが使用される追加の実施形態が示されている。図11の実施形態に示されるように、各セグメント22aおよび22bの両端のスプロケット59は同じサイズである。したがって、空気交換バックアップユニット20では速度の増加はない。増速タスクのために、空気交換バックアップユニット20とモータ42との間に取り付けられた専用の増速トランスミッション39が提供される。しかしながら、増速トランスミッションステージの任意の組合せを使用できることが理解されよう。空気交換バックアップユニット20は、特定の第1の増速比を備えてもよく、専用の増速トランスミッション39は、全体として必要な増速比を提供するように計算された追加の第2の増速比を提供する。
【0055】
本発明は、上記のような装置に関する保護、並びに、天井近くに取り付けられたNBCろ過システムおよび折り畳み式アーム構造の空気交換バックアップユニットを用いて停電の際に防護シェルターに新鮮な空気を導入するという所望の結果を達成するために取られる方法の工程を求める。
【0056】
したがって、図12を参照して、以下の1つまたは複数の工程を含む方法が提供される:
a.以下を含む天井近くに取り付けられたNBCろ過システムを提供する工程:フィルタユニット;電気モータによって駆動されるブロワー;電気モータに旋回可能に取り付けられた第1の端部を有する空気交換バックアップユニット;および空気交換バックアップユニットの第2の端部に選択的に取り付けられた取り外し可能な手回しクランク。空気交換バックアップユニットは、互いに連続的にリンクされて折り畳み式アームを形成する複数のヒンジ式セグメントを含む。ヒンジ式セグメントは、相互に回転運動を伝達するように構成される。
b.停電時に空気交換バックアップユニットを展開する工程。図12のフローチャートの活動120および122として示される。
c.空気交換バックアップユニットの第2の端部を、手回しクランクの手動クランキングに都合のよい位置で防護シェルターの壁に取り付ける工程。フローチャートの活動124として示される。
d.取り外し可能な手回しクランクを空気交換バックアップユニットの第2の端部に取り付ける工程。フローチャートの活動126として示される。
e.停電が続く間に手回しクランクを回転させる工程。フローチャートの活動128および決定130として示される。
【0057】
この方法はさらに、以下の1つまたは複数の工程を含んでもよい:
f.電力が復活したときにクランキング動作を停止する工程。フローチャートの活動132として示される。
g.取り外し可能な手回しクランクを空気交換バックアップユニットの第2の端部から取り外す工程。フローチャートの活動134として示される。
h.空気交換バックアップユニットの第2の端部を防護シェルターの壁から取り外す工程。フローチャートの活動136として示される。
i.空気交換バックアップユニットを折り畳む工程。フローチャートの活動138として示される。
【0058】
フローチャートの活動120から128は、空気交換バックアップユニットの手動操作を開始するために必要であるが、以下の活動132から138は、必要に応じて、または後になってあるいは折り畳み状態に戻す前にシステムをさらにチェックする専任の保守担当者によって実行されてもよいことが理解されるであろう。
【0059】
上記で説明され添付図面に示される本発明の特定の実施形態は、単に例示のためだけに示されていることが理解されるであろう。本発明の他の変形、修正、および応用を、当業者は容易に思いつくであろう。したがって、すべてのそのような変形が本発明の範囲および原理内と考えられることが明らかである。よって、本明細書で求められる保護は、以下の特許請求の範囲に記載される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12