(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-02
(45)【発行日】2023-02-10
(54)【発明の名称】トリガタイプを自動的に識別する方法、装置及びオシロスコープ
(51)【国際特許分類】
G01R 13/20 20060101AFI20230203BHJP
G01R 13/32 20060101ALI20230203BHJP
H04L 25/08 20060101ALI20230203BHJP
【FI】
G01R13/20 N
G01R13/32 E
H04L25/08 Z
(21)【出願番号】P 2022528126
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(86)【国際出願番号】 CN2020093159
(87)【国際公開番号】W WO2021093309
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】201911118740.4
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521104470
【氏名又は名称】北京普源精電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】RIGOL TECHNOLOGIES, INC.
【住所又は居所原語表記】Rm. 102, 1F-5F, Bldg. 4, Yard 9, Feng Hao Dong Lu, Haidian District, Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】索世昌
(72)【発明者】
【氏名】蒋文裕
(72)【発明者】
【氏名】王悦
(72)【発明者】
【氏名】王▲鉄▼▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】李維森
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第3182140(EP,A1)
【文献】米国特許第6621913(US,B1)
【文献】特開平2-263166(JP,A)
【文献】米国特許第6026350(US,A)
【文献】特開2011-242388(JP,A)
【文献】特開平8-178964(JP,A)
【文献】特開2010-217179(JP,A)
【文献】特開2011-59107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 13/32
G01R 13/20
G01R 31/28
G01R 19/17
H01L 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリガタイプを自動的に識別する方法であって、
トリガされる信号を取得することと、
前記トリガされる信号の特徴パラメータデータをリアルタイムで計算することであって、前記特徴パラメータデータはバスプロトコルマッチング情報及び少なくとも1つの特徴パラメータの変化情報の少なくとも1種を含むことと、
前記特徴パラメータデータに応じて、前記トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプを決定することと、を含
み、
前記トリガされる信号を安定してトリガ可能な複数のトリガタイプを決定した後に、
前記トリガされる信号を安定してトリガ可能な前記複数のトリガタイプからトリガタイプがユーザによって選択される、又は
前記複数のトリガタイプの順番に従って、前記トリガされる信号を安定してトリガ可能な前記複数のトリガタイプから前記トリガされる信号をトリガするために、ランキング第1位のトリガタイプが前記ユーザによって選択される、
方法。
【請求項2】
決定された前記トリガタイプは複数あり、前記特徴パラメータデータに応じて、前記トリガされる信号を安定してトリガ可能な複数のトリガタイプを決定した後に、
前記した前記トリガされる信号を安定してトリガ可能な前記複数のトリガタイプの少なくとも1つのトリガタイプを表示することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
決定された前記トリガタイプは複数あり、前記特徴パラメータデータに応じて、前記トリガされる信号を安定してトリガ可能な複数のトリガタイプを決定した後に、
前記複数のトリガタイプから、1つのトリガタイプを選択して前記トリガされる信号をトリガすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの特徴パラメータの変化情報は、
ピークツーピーク値変化情報、エッジ傾き変化情報、周波数変化情報、パルス幅変化情報及びエンベロープ変化情報の少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記特徴パラメータデータはエッジ傾き変化情報を含み、前記トリガされる信号のエッジ傾き変化情報を計算する過程は、
前記トリガされる信号のエッジ傾きを検出することであって、前記エッジ傾きは立ち上がりエッジ傾きと立ち下がりエッジ傾きとを含むことと、
第1の時間内における前記エッジ傾きの最大値と最小値の差値が所定のエッジ傾き変化閾値を超えるか否かを判断することであって、前記エッジ傾き変化閾値は立ち上がりエッジ傾き変化閾値と立ち下がりエッジ傾き変化閾値とを含むこととを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記特徴パラメータデータは周波数変化情報を含み、前記トリガされる信号の周波数変化情報を計算する過程は、
前記トリガされる信号の周波数を検出することと、
第2の時間内における前記トリガされる信号の周波数の最大値と最小値の差値が所定の周波数変化閾値を超えるか否かを判断することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記特徴パラメータデータはパルス幅変化情報を含み、前記トリガされる信号のパルス幅変化情報を計算する過程は、
前記トリガされる信号に対応するパルス信号を生成することと、
前記パルス信号のパルス幅を検出することと、
第3の時間内における前記パルス信号のパルス幅の最大値と最小値の差値が所定の第1のパルス幅変化閾値を超えるか否かを判断することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記特徴パラメータデータはエンベロープ変化情報を含み、前記トリガされる信号のエンベロープ変化情報を計算する過程は、
前記トリガされる信号が変調信号であるか否かを判断し、前記トリガされる信号が変調信号である場合、変調波に対応するパルス信号を生成することと、
前記パルス信号のパルス幅と周期を検出することと、
第4の時間内における前記パルス信号のパルス幅の最大値と最小値の差値が所定の第2のパルス幅変化閾値を超えるか否かを判断し、且つ第5の時間内における前記変調波の周期の最大値と最小値の差値が所定の周期変化閾値を超えるか否かを判断することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記特徴パラメータデータは前記バスプロトコルマッチング情報を含み、前記トリガされる信号のバスプロトコルマッチング情報を計算する過程は、
少なくとも2つのチャネルに前記トリガされる信号が存在する場合、前記
少なくとも2つのチャネルの各チャネルのトリガされる信号がクロック信号であるか否かを判断し、前記各チャネルのトリガされる信号がクロック信号である場合、事前設定されたマッチングルールを用いて、前記トリガされる信号が付随クロック付きのバスプロトコルとマッチングするか否かを判断することと、
1つのみのチャネルに前記トリガされる信号が存在する場合、事前設定されたマッチングルールを用いて、前記トリガされる信号が付随クロックなしのバスプロトコルとマッチングするか否かを判断することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記特徴パラメータデータに応じて、前記トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプを決定することは、
前記特徴パラメータデータに含まれる情報の異なる内容に応じて、前記トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプを決定することを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
トリガタイプを自動的に識別する装置であって、
トリガされる信号を取得するように設定される取得ユニットと、
前記トリガされる信号の特徴パラメータデータをリアルタイムで計算するように設定される特徴抽出ユニットであって、前記特徴パラメータデータはバスプロトコルマッチング情報及び少なくとも1つの特徴パラメータの変化情報の少なくとも1種を含む特徴抽出ユニットと、
前記特徴パラメータデータに応じて、前記トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプを決定するように設定されるトリガタイプ分析ユニットと、
を含
み、
前記トリガされる信号を安定してトリガ可能な複数のトリガタイプを決定した後に、
前記トリガされる信号を安定してトリガ可能な前記複数のトリガタイプからトリガタイプがユーザによって選択される、又は
前記複数のトリガタイプの順番に従って、前記トリガされる信号を安定してトリガ可能な前記複数のトリガタイプから前記トリガされる信号をトリガするためにランキング第1位のトリガタイプが前記ユーザによって選択される、
装置。
【請求項12】
前記トリガタイプ分析ユニットにより決定された前記トリガタイプは複数あり、前記装置は、
前記した前記トリガされる信号を安定してトリガ可能な前記複数のトリガタイプの少なくとも1つのトリガタイプを表示するように設定される表示ユニットをさらに含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記トリガタイプ分析ユニットにより決定された前記トリガタイプは複数あり、前記装置は、
前記複数のトリガタイプから、1つのトリガタイプを選択して前記トリガされる信号をトリガするように設定される自動トリガユニットをさらに含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの特徴パラメータの変化情報は、
ピークツーピーク値変化情報、エッジ傾き変化情報、周波数変化情報、パルス幅変化情報及びエンベロープ変化情報の少なくとも1つである、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記特徴パラメータデータはエッジ傾き変化情報を含み、前記特徴抽出ユニットで前記トリガされる信号のエッジ傾き変化情報を計算する過程は、
前記トリガされる信号のエッジ傾きを検出することであって、前記エッジ傾きは立ち上がりエッジ傾きと立ち下がりエッジ傾きとを含むことと、
第1の時間内における前記エッジ傾きの最大値と最小値の差値が所定のエッジ傾き変化閾値を超えるか否かを判断することであって、前記エッジ傾き変化閾値は立ち上がりエッジ傾き変化閾値と立ち下がりエッジ傾き変化閾値とを含むこととを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記特徴パラメータデータは周波数変化情報を含み、前記特徴抽出ユニットで前記トリガされる信号の周波数変化情報を計算する過程は、
前記トリガされる信号の周波数を検出することと、
第2の時間内における前記トリガされる信号の周波数の最大値と最小値の差値が所定の周波数変化閾値を超えるか否かを判断することとを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記特徴パラメータデータはパルス幅変化情報を含み、前記特徴抽出ユニットで前記トリガされる信号のパルス幅変化情報を計算する過程は、
前記トリガされる信号に対応するパルス信号を生成することと、
前記パルス信号のパルス幅を検出することと、
第3の時間内における前記パルス信号のパルス幅の最大値と最小値の差値が所定の第1のパルス幅変化閾値を超えるか否かを判断することとを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記特徴パラメータデータはエンベロープ変化情報を含み、前記特徴抽出ユニットで前記トリガされる信号のエンベロープ変化情報を計算する過程は、
前記トリガされる信号が変調信号であるか否かを判断し、前記トリガされる信号が変調信号である場合、変調波に対応するパルス信号を生成することと、
前記パルス信号のパルス幅と周期を検出することと、
第4の時間内における前記パルス信号のパルス幅の最大値と最小値の差値が所定の第2のパルス幅変化閾値を超えるか否かを判断し、且つ第5の時間内における前記変調波の周期の最大値と最小値の差値が所定の周期変化閾値を超えるか否かを判断することとを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記特徴パラメータデータは前記バスプロトコルマッチング情報を含み、前記特徴抽出ユニットで前記トリガされる信号のバスプロトコルマッチング情報を計算する過程は、
少なくとも2つのチャネルに前記トリガされる信号が存在する場合、前記
少なくとも2つのチャネルの各チャネルのトリガされる信号がクロック信号であるか否かを判断し、前記各チャネルのトリガされる信号がクロック信号である場合、事前設定されたマッチングルールを用いて、前記トリガされる信号が付随クロック付きのバスプロトコルとマッチングするか否かを判断することと、
1つのみのチャネルに前記トリガされる信号が存在する場合、事前設定されたマッチングルールを用いて、前記トリガされる信号が付随クロックなしのバスプロトコルとマッチングするか否かを判断することとを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項20】
前記トリガタイプ分析ユニットは、前記特徴パラメータデータに含まれる情報の異なる内容に応じて、前記トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプを決定するように設定される、請求項11に記載の装置。
【請求項21】
メモリとプロセッサとを含み、前記メモリはプログラムを記憶するように設定され、前記プロセッサは前記プログラムを実行するように設定され、請求項1~10のいずれか一項に記載のトリガタイプを自動的に識別する方法を実現する、オシロスコープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年11月15日に中国専利局に出願された出願番号が第201911118740.4号の中国専利出願の優先権を主張し、当該出願のすべての内容が参照によって本願に援用される。
【0002】
本願はオシロスコープの技術分野、例えば、トリガタイプを自動的に識別する方法、装置及びオシロスコープに関する。
【背景技術】
【0003】
オシロスコープのトリガとは、ユーザが要求に応じて条件を設定し、オシロスコープのサンプリングされるデータストリームのある波形が設定された条件を満たすと、オシロスコープが該波形とその隣接部分をリアルタイムでキャプチャすることを意味する。ユーザが設定した条件はトリガ条件と呼ばれる。トリガの作用は興味ある事件をキャプチャして波形を安定的に表示することである。オシロスコープのトリガタイプは様々であり、パラメータの設定過程も複雑で、これにより、オシロスコープに慣れないユーザ又は操作経験のないユーザは信号の特徴に応じてトリガタイプを合理的に選択することができず、信号のデバッグ過程で多くの時間を消耗してしまう。
【0004】
現在のオシロスコープはAUTO(自動トリガ)機能を備える。AUTO機能とは、ユーザが手動でオシロスコープの「auto」キーを押した後に、オシロスコープが現在の信号の幅と周波数に応じて水平ポジション及び垂直ポジションを自動的に調整することにより、波形ができる限り垂直方向に画面全体に亘って分布され、水平方向に1つ又は2つの周期を表示し、同時にトリガタイプをエッジトリガに設定し、最終的によりよい観察効果を達成するものである。ある信号について、より適切なトリガタイプはエッジトリガではないが、関連技術におけるAUTO機能は、エッジトリガのトリガタイプしか識別及び配置できないため、現在、新しいトリガタイプの識別方法が強く求められている。
【発明の概要】
【0005】
本願は、ユーザが選択するか、又は自動的に選択してトリガするために、事前設定されたルールに応じて、トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプを得るトリガタイプを自動的に識別する方法、装置及びオシロスコープを提案する。
【0006】
第1の態様では、本願はトリガタイプを自動的に識別する方法を提供し、前記方法は、
トリガされる信号を取得することと、
前記トリガされる信号の特徴パラメータデータをリアルタイムで計算することであって、前記特徴パラメータデータはバスプロトコルマッチング情報及び少なくとも1つの特徴パラメータの変化情報の少なくとも1種を含むことと、
前記特徴パラメータデータに応じて、前記トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプを決定することとを含む。
【0007】
第2の態様では、本願はトリガタイプを自動的に識別する装置をさらに提供し、前記装置は、
トリガされる信号を取得するように設定される取得ユニットと、
前記トリガされる信号の特徴パラメータデータをリアルタイムで計算するように設定される特徴抽出ユニットであって、前記特徴パラメータデータはバスプロトコルマッチング情報及び少なくとも1つの特徴パラメータの変化情報の少なくとも1種を含む特徴抽出ユニットと、
前記特徴パラメータデータに応じて、前記トリガされる信号を安定的してトリガ可能なトリガタイプを決定するように設定されるトリガタイプ分析ユニットとを含む。
【0008】
第3の態様では、本願はメモリとプロセッサとを含み、前記メモリはプログラムを記憶するように設定され、前記プロセッサは前記プログラムを実行するように設定され、第1の態様のいずれか1種の前記トリガタイプを自動的に識別する方法を実現するオシロスコープを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本願の一実施例に係るトリガタイプを自動的に識別する方法のフローチャートである。
【
図2】本願の一実施例に係るトリガされる信号の最大値と最小値の模式図である。
【
図3】本願の一実施例に係る立ち上がり時間と立ち下がり時間の模式図である。
【
図4】本願の一実施例に係るパルス信号とトリガされる信号の模式図である。
【
図5】本願の一実施例に係る最小パルス幅に応じてサンプリングパルス信号を生成する模式図である。
【
図6】本願の一実施例に係る同じエッジ区間内のサンプリングパルスの数を計算する模式図である。
【
図7】本願の一実施例に係るトリガタイプを自動的に識別する装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願に係るトリガタイプを自動的に識別する方法は、ADC(analog to digital converter、アナログ-デジタルコンバータ)でサンプリングした後の波形データをリアルタイムで分析し、即ち、分析して計算し、トリガされる信号のバスプロトコルマッチング情報及び少なくとも1つの特徴パラメータの変化情報の少なくとも1種などの特徴パラメータデータを得て、得られたトリガされる信号の特徴パラメータデータの分析に応じて、トリガされる信号を安定的してトリガ可能なトリガタイプを決定し、さらにトリガされる信号をよりよく観察及びテストする。
【0011】
図1を参照し、本願の一実施例に係るトリガタイプを自動的に識別する方法のフローチャートであり、該方法はステップS11~ステップS13を含む。
【0012】
ステップS11では、トリガされる信号を取得する。
【0013】
ステップS11を実行し、オシロスコープのADCにより出力されたトリガされる信号を取得する。オシロスコープのアナログフロントエンドは最初のアナログ信号に対して増幅又は減衰の前処理を行い、その後に高速ADCで収集、量子化及び符号化してアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0014】
ステップS12では、トリガされる信号の特徴パラメータデータをリアルタイムで計算する。
【0015】
特徴パラメータデータはバスプロトコルマッチング情報及び少なくとも1つの特徴パラメータの変化情報の少なくとも1種を含む。本願では、特徴パラメータの変化情報はピークツーピーク値変化情報、エッジ傾き変化情報、周波数変化情報、パルス幅変化情報及びエンベロープ変化情報を含むがそれらに限定されない。トリガされる信号の最大値をすべて結ぶ線及び最小値をすべて結ぶ線はトリガされる信号のエンベロープ信号である。バスプロトコルマッチング情報は、トリガされる信号のデータフォーマットなどの情報を分析することにより識別されたどのタイプのバスプロトコルとマッチングするかの情報である。トリガされる信号がバスプロトコルとマッチングすることは、トリガされる信号が該バスプロトコルに対応するバスにより伝送されることを示す。その後で適切なトリガタイプを選択してトリガするように、トリガされる信号の特徴パラメータデータを分析して計算する。
【0016】
ステップS13では、計算して得られた特徴パラメータデータに応じて、トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプを決定する。決定されたトリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプは複数あってもよく、トリガされる信号を安定してトリガ可能な複数のトリガタイプを決定した後に、ユーザが選択するために決定されたトリガされる信号を安定してトリガ可能なすべてのトリガタイプを直接に表示可能であるか、或いは、各種のトリガタイプの順番を事前設定し、これによりトリガされる信号を安定してトリガ可能な複数のトリガタイプを決定した後に、各種のトリガタイプの順番に応じて、トリガされる信号を安定してトリガ可能なすべてのトリガタイプから、順番が最も前のトリガタイプを選択してトリガされる信号をトリガする。なお、各種のトリガタイプの順番は、ユーザが修正できない固定順序を事前に設計してもよく、ユーザが各種のトリガタイプの順番を設定するように配置システムを設定してもよく、トリガされる信号の特性に応じて、決定されたトリガタイプをそのトリガ効果に従って自動的に順序付けてもよい。
【0017】
一実施例において、決定された前記トリガタイプは複数あり、前記特徴パラメータデータに応じて、前記トリガされる信号を安定してトリガ可能な複数のトリガタイプを決定した後に、
前記した前記トリガされる信号を安定してトリガ可能な前記複数のトリガタイプの少なくとも1つのトリガタイプを表示することをさらに含む。
【0018】
一実施例において、決定された前記トリガタイプは複数あり、前記特徴パラメータデータに応じて、前記トリガされる信号を安定してトリガ可能な複数のトリガタイプを決定した後に、
前記複数のトリガタイプから、1つのトリガタイプを選択して前記トリガされる信号をトリガすることをさらに含む。
【0019】
計算して得られたトリガされる信号の特徴パラメータデータは少なくとも1つであってもよい。一実施例において、計算して得られたトリガされる信号の特徴パラメータデータは、バスプロトコルマッチング情報及び少なくとも1つの特徴パラメータの変化情報の少なくとも1種を含み、ただし、少なくとも1つの特徴パラメータの変化情報は、ピークツーピーク値変化情報、エッジ傾き変化情報、周波数変化情報、パルス幅変化情報及びエンベロープ変化情報の少なくとも1つである。複数の特徴パラメータデータを統括的に分析することにより、トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプをより正確で全面的に分析する。
【0020】
以下、各種の特徴パラメータデータの計算過程を詳細に紹介する。
【0021】
(1)トリガされる信号のエッジ傾き変化情報の計算過程はステップA11~ステップA12を含む。
【0022】
A11:トリガされる信号のエッジ傾きを検出する。エッジ傾きは立ち上がりエッジ傾きと立ち下がりエッジ傾きとを含む。
【0023】
一実施例において、トリガされる信号のエッジ傾きを検出する過程は次のステップを含む。
A111:トリガされる信号の最大値と最小値をリアルタイムで検出し、最大値と最小値が第1の所定時間内で大きく変化しないことを検出した場合、現在記録されている最大値と最小値を現在のトリガされる信号の最大値と最小値として決定し、それぞれV
maxとV
minに記し、
図2を参照し、トリガされる信号の最大値V
maxと最小値V
minの模式図を示す。V
max及びV
minによって合理的な閾値及び垂直シフト位置を設定可能である。
【0024】
例示的に、トリガされる信号の最大値と最小値の検索過程に現在の最大値と最小値をラッチし、ラッチされた最大値と最小値をそれぞれ新たに識別される最大値と最小値と比較し、新たに識別される最大値とラッチされた最大値の差値が所定の第1の閾値を超える場合、ラッチされた最大値を新たに識別される最大値に置き換え、ラッチされた最小値と新たに識別される最小値の差値が所定の第2の閾値を超える場合、ラッチされた最小値を新たに識別される最小値に置き換える。前記第1の所定時間は100msさらに1sであってもよく、第1の所定時間内、例えば、100ms又は1s内でラッチされた最大値と最小値がいずれも変化しない場合、現在のラッチされた値をトリガされる信号の最大値と最小値として決定する。
【0025】
なお、実際にサンプリングはリアルタイムで中断されないため、トリガされる信号の最大値と最小値の検出もリアルタイムで中断されずに行われる。
【0026】
ピークツーピーク値変化情報の計算過程は、トリガされる信号のピークツーピーク値の最大値と最小値を計算し、ピークツーピーク値の最大値と最小値の差値が所定のピークツーピーク値変化閾値を超えるか否かを判断することである。ピークツーピーク値の最大値と最小値を検出する過程は、トリガされる信号の最大値と最小値を検出する過程と類似するため、本実施例では繰り返し説明しない。
【0027】
A112:トリガされる信号の最大値と最小値の差値を計算し、差値に所定の第1の係数を掛けてから最小値を加算して低閾値を得る。
【0028】
第1の係数は0を超え、且つ1未満である。
【0029】
A113:トリガされる信号の最大値と最小値の差値に所定の第2の係数を掛けてから最小値を加算して高閾値を得る。
【0030】
第2の係数は第1の係数を超え、且つ1未満である。例示的に、第1の係数は、0.2、第2の係数は0.8である。低閾値Vcmpl=Vmin+0.2*(Vmax-Vmin)。高閾値Vcmph=Vmin+0.8*(Vmax-Vmin)。
【0031】
A114:立ち上がりエッジ傾きと立ち下がりエッジ傾きを計算する。
【0032】
図3を参照し、立ち上がりエッジ段階での低閾値V
cmplから高閾値V
cmphまでに対応する時間を立ち上がり時間Thとして記録し、対応する立ち上がりエッジ傾き=(V
cmph-V
cmpl)/Thである。立ち下がりエッジ段階での高閾値V
cmphから低閾値V
cmplまでに対応する時間を立ち下がり時間Tlとして記録し、対応する立ち下がりエッジ傾き=(V
cmph-V
cmpl)/Tlである。なお、立ち上がりエッジ傾きと立ち下がりエッジ傾きの計算もリアルタイムで中断されずに行われる。
【0033】
A12:第1の時間内におけるエッジ傾きの最大値と最小値の差値が所定のエッジ傾き変化閾値を超えるか否かを判断し、エッジ傾き変化閾値は立ち上がりエッジ傾き変化閾値と立ち下がりエッジ傾き変化閾値とを含む。
【0034】
例示的に、立ち上がりエッジ傾きの最大値と最小値の差値を計算し、且つ立ち下がりエッジ傾きの最大値と最小値の差値を計算する。立ち上がりエッジ傾き又は立ち下がりエッジ傾きの最大値と最小値を検出する過程は、トリガされる信号の最大値と最小値を検出する過程と類似するため、本実施例では繰り返し説明しない。
【0035】
第1の時間内における立ち上がりエッジ傾きの最大値と最小値の差値が所定の立ち上がりエッジ傾き変化閾値を超えるか否かを判断する。さらに、一定の時間内で立ち下がりエッジ傾きの最大値と最小値の差値が所定の立ち下がりエッジ傾き変化閾値を超えるか否かを判断する。
【0036】
(2)トリガされる信号の周波数変化情報の計算過程はステップA21~ステップA22を含む。
【0037】
A21:トリガされる信号の周波数を検出する。
【0038】
周波数測定法又は周期測定法を用いてトリガされる信号の周波数を計算可能である。例示的に、第2の所定時間内でトリガされる信号の立ち上がりエッジの数を検出し、立ち上がりエッジの数≧2の場合、周波数測定法を用いてトリガされる信号の周波数を計算して得て、立ち上がりエッジの数が0又は1の場合、周期測定法を用いてトリガされる信号の周波数を計算して得る。
【0039】
A22:第2の時間内におけるトリガされる信号の周波数の最大値と最小値の差値が所定の周波数変化閾値を超えるか否かを判断する。
【0040】
第2の時間内でトリガされる信号の周波数の最大値と最小値の差値が所定の周波数変化閾値以下であると、トリガされる信号の周波数が変化しないことを決定する。
【0041】
(3)トリガされる信号のパルス幅変化情報の計算過程はステップA31~ステップA33を含む。
【0042】
A31:トリガされる信号に対応するパルス信号を生成する。
【0043】
一実施例において、トリガされる信号に対応するパルス信号を生成する過程は次のステップを含む。
【0044】
A311:トリガされる信号の最大値と最小値を検出する。
【0045】
ステップA311はステップA111と一致するため、本実施例では繰り返し説明しない。
【0046】
A312:トリガされる信号の最大値と最小値の平均値を計算する。
【0047】
トリガされる信号の最大値と最小値の平均値Vcmp=0.5*(Vmax+Vmin)である。平均値Vcmpはトリガされる信号の波形の中間位置を示す。
【0048】
A313:平均値に従って、トリガされる信号に対応するパルス信号を生成する。
【0049】
平均値V
cmpを閾値レベルとして、閾値レベルに応じてトリガされる信号に対応する二値信号、即ち、パルス信号を生成する。例示的に、
図4を参照し、トリガされる信号の平均値よりも大きい点に対応する高レベルを決定し、トリガされる信号のる平均値よりも小さい点に対応する低レベルを決定し、さらに対応するパルス信号を生成する。
【0050】
A32:パルス信号のパルス幅を検出する。
【0051】
例示的に、生成されたパルス信号に応じて、トリガされる信号のパルス幅の最大値と最小値を検出する。
【0052】
A33:第3の時間内におけるパルス信号のパルス幅の最大値と最小値の差値が所定の第1のパルス幅変化閾値を超えるか否かを判断する。
【0053】
トリガされる信号が周期信号である場合、第3の時間内におけるパルス幅の最大値と最小値は等しいか、又は差が小さく、トリガされる信号が非周期信号である場合、一定の時間内におけるパルス幅の最大値と最小値の差値が大きい。この特徴によってトリガされる信号が周期信号であるか否かを分析する。
【0054】
(4)トリガされる信号のエンベロープ変化情報の計算過程はステップA41~ステップA43を含む。
【0055】
A41:トリガされる信号が変調信号であるか否かを判断し、トリガされる信号が変調信号である場合、変調波に対応するパルス信号を生成する。
【0056】
一実施例において、一定の時間内におけるトリガされる信号の最大値の変化値と最小値の変化値を検出し、最大値の変化値が所定の変化閾値を超えるか、或いは最小値の変化値が所定の変化閾値を超える場合、トリガされる信号はAM(Amplitude Modulation、振幅変調)変調信号であることを決定する。トリガされる信号の周期時間幅でグループ化し、グループ内の最大値と最小値を検索し、それぞれ、最大値をすべて結ぶ、最小値をすべて結ぶ、得られた上、下2つの波形はトリガされる信号のエンベロープ信号、つまり、変調波である。変調波のピークツーピーク値を計算して得てから、ピークツーピーク値に応じて比較閾値レベルを設定し、比較閾値レベルが変調波の幅の中間位置に位置することを保証し、さらに変調波に対応するパルス信号を得る。
【0057】
A42:パルス信号のパルス幅と周期を検出し、
変調波に対応するパルス信号に基づいて、隣接する2つの立ち上がりエッジ間の時間は変調波の周期であると検出し、立ち上がりエッジから隣接する次の立ち下がりエッジまでの時間を検出すると、正のパルス幅を得ることができ、立ち下がりエッジから隣接する次の立ち上がりエッジまでの時間を検出すると、負のパルス幅を得ることができる。本実施例でパルス信号のパルス幅を検出することは正のパルス幅を検出することを指す。
【0058】
A43:第4の時間内におけるパルス信号のパルス幅の最大値と最小値の差値が所定の第2のパルス幅変化閾値を超えるか否かを判断し、且つ第5の時間内で変調波の周期の最大値と最小値の差値が所定の周期変化閾値を超えるか否かを判断する。
【0059】
(5)トリガされる信号のバスプロトコルマッチング情報の計算過程はステップA51~ステップA52を含む。
【0060】
A51:少なくとも2つのチャネルに前記トリガされる信号が存在する場合、前記2つ以上のチャネルの各チャネルのトリガされる信号がクロック信号であるか否かを判断し、前記各チャネルのトリガされる信号がクロック信号である場合、事前設定されたマッチングルールを用いて、前記トリガされる信号が付随クロック付きのバスプロトコルとマッチングするか否かを判断する。
【0061】
本実施例において、例えば、シリアルペリフェラルインターフェース(Serial Peripheral Interface、SPI)及び集積回路バス(Inter-Integrated Circuit、IIC)などのバス自体がクロック付きのバスを1つのタイプに分類する。IICバスについては、トリガされる信号がIIC開始条件、終了条件、データ伝送フォーマットに適合するか否か、アイドル状態時のクロックバスとデータバスが高レベルであるか否か、及び1フレーム内のデータ伝送のデータ数が9bitsの整数倍であるか否かを判断する。トリガ信号がIIC開始条件、終了条件、データ伝送フォーマットに該当し、アイドル状態時のクロックバスとデータバスが高レベルであり、さらに1フレーム内のデータ伝送のデータ数が9bitsの整数倍である場合、トリガされる信号はIICバスプロトコルとマッチングすることを決定し、それに応じてトリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプはIICバストリガであることを決定する。
【0062】
SPIバスについては、トリガ信号の1フレーム内のデータ伝送のデータ数が8bitsの整数倍であるか否かを判断し、トリガ信号の1フレーム内のデータ伝送のデータ数が8bitsの整数倍である場合、トリガされる信号はSPIバスプロトコルとマッチングすることを決定し、それに応じてトリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプはSPIバストリガであることを決定する。
【0063】
なお、クロック信号については後続きのトリガタイプの判断を行なわない。
【0064】
A52:1つのみのチャネルに前記トリガされる信号が存在する場合、事前設定されたマッチングルールを用いて、トリガされる信号が付随クロックなしのバスプロトコルとマッチングするか否かを判断する。
【0065】
一実施例において、事前設定されたマッチングルールを用いて、トリガされる信号が付随クロックなしのバスとマッチングするか否かを判断することは次のステップを含む。
【0066】
A521::前記トリガされる信号のシンボルレートを計算する。
【0067】
本実施例において、例えば、RS232、ローカル相互接続ネットワーク(Local Interconnect Network、LIN)、コントローラエリアネットワーク(Controller Area Network、CAN)及びユニバーサル非同期受信機/送信機(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter、UART)などのバス自体がクロック信号なしのバスを1つのタイプに分類する。トリガされる信号のシンボルレートを計算することは、
図5に示すように、トリガされる信号の最小パルス幅をリアルタイムで検出し、該最小パルス幅に応じてサンプリングパルス信号を生成することである。
図6に示すように、トリガされる信号で1つの同じエッジ区間Trrを見つけ、この区間内のサンプリングパルスの数Nsを記録する。その後に、平均値T=Trr/Nsを計算し、比較的正確なシンボルレートf=1/Tを得る。
【0068】
A522:シンボルレートに応じてデータサンプリング間隔を計算して得る。
【0069】
A523:データサンプリング間隔でトリガされる信号をサンプリングして得る。
【0070】
A524:事前設定されたマッチングルールを用いて、データサンプリング間隔でサンプリングして得られたトリガされる信号が付随クロックなしのバスプロトコルとマッチングするか否かを判断する。
【0071】
トリガされる信号がRS232バスプロトコルとマッチングすると判断した場合、トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプはRS232バストリガであることを決定し、トリガされる信号がLINバスプロトコルとマッチングすると判断した場合、トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプはLINバストリガであることを決定し、トリガされる信号がCANバスプロトコルとマッチングすると判断した場合、トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプはCANバストリガであることを決定する。
【0072】
RS232バスのアイドルレベルは低レベルであり、UARTバスのアイドルレベルは高レベルである。アイドルレベルの持続時間は比較的長いため、最大幅のパルスの極性を判断することにより、どのバスプロトコルとマッチングするかを決定することができる。例示的に、最大幅のパルスの極性は負極性であると、RS232バスプロトコルとマッチングする。バスのデータフォーマットは開始+データ(選択可能なパリティビット)+終了ビットであり、2つのアイドルレベル間の開始+データ(選択可能なパリティビット)+終了ビットのデータビットの数をカウントし、データビットの数が10以下である場合、RS232及びUARTバスプロトコルとマッチング可能であることを決定し、データビットの数が10を超える場合、RS232バスプロトコルとマッチングしなくてもUARTバスプロトコルとマッチングしないことを決定する。
【0073】
特徴パラメータデータに応じて、前記トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプを決定することは、特徴パラメータデータに含まれる情報の異なる内容に応じて、トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプを決定することを含む。一実施例において、計算して得られたトリガされる信号の特徴パラメータデータはピークツーピーク値変化情報、エッジ傾き変化情報、周波数変化情報、パルス幅変化情報及びエンベロープ変化情報を含み、これらの特徴パラメータデータに応じて、前記トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプを決定する過程は次の通りであってもよい。
【0074】
1、周波数変化情報は周波数の最大値と最小値の差値が所定の周波数変化閾値以下であることであり、ピークツーピーク値変化情報はピークツーピーク値の最大値と最小値の差値が所定のピークツーピーク値変化閾値以下であることであり、さらにエッジ傾き変化情報は立ち上がりエッジ傾きの最大値と最小値の差値が所定の立ち上がりエッジ傾き変化閾値以下であり、且つ立ち下がりエッジ傾きの最大値と最小値の差値が所定の立ち下がりエッジ傾き変化閾値以下であることである場合、トリガされる信号は単一の周期信号でトリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプはエッジトリガであることを決定すると見なされる。
【0075】
2、周波数変化情報は周波数の最大値と最小値の差値が所定の周波数変化閾値以下であることであり、ピークツーピーク値変化情報はピークツーピーク値の最大値と最小値の差値が所定のピークツーピーク値変化閾値以下であることであり、そしてエッジ傾き変化情報は立ち上がりエッジ傾きの最大値と最小値の差値が所定の立ち上がりエッジ傾き変化閾値を超えることであることと、エッジ傾き変化情報は立ち下がりエッジ傾きの最大値と最小値の差値が所定の立ち下がりエッジ傾き変化閾値を超えることであることとの少なくとも1つを満たす場合、トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプはエッジトリガ及び傾きトリガであることを決定して表示し、この時、ユーザが異常なエッジ信号を検索すると、傾きトリガを選択可能であり、傾き特徴を気にしないと、エッジトリガを選択可能である。
【0076】
3、周波数変化情報は周波数の最大値と最小値の差値が所定の周波数変化閾値を超えることであり、ピークツーピーク値変化情報はピークツーピーク値の最大値と最小値の差値が所定のピークツーピーク値変化閾値以下であることであり、さらにエッジ傾き変化情報は立ち上がりエッジ傾きの最大値と最小値の差値が所定の立ち上がりエッジ傾き変化閾値を超えることであることと、エッジ傾き変化情報は立ち下がりエッジ傾きの最大値と最小値の差値が所定の立ち下がりエッジ傾き変化閾値を超えることであることとの少なくとも1つを満たす場合、トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプは傾きトリガ及びエッジトリガであることを決定して表示し、この時、ユーザが異常なエッジ信号を検索すると、傾きトリガを選択可能であり、傾き特徴を気にしないと、トリガされる信号はスキャン信号である可能性があるため、エッジトリガは安定したトリガにより適している。
【0077】
4、周波数変化情報は周波数の最大値と最小値の差値が所定の周波数変化閾値を超えることであり、ピークツーピーク値変化情報はピークツーピーク値の最大値と最小値の差値が所定のピークツーピーク値変化閾値以下であることであり、エッジ傾き変化情報は立ち上がりエッジ傾きの最大値と最小値の差値が所定の立ち上がりエッジ傾き変化閾値以下であり、立ち下がりエッジ傾きの最大値と最小値の差値が所定の立ち下がりエッジ傾き変化閾値以下であることであり、さらにパルス幅変化情報はパルス幅の最大値と最小値の差値が所定の第1のパルス幅変化閾値を超えることである場合、トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプはパルス幅トリガであることを決定する。
【0078】
5、周波数変化情報は周波数の最大値と最小値の差値が所定の周波数変化閾値を超えることであり、ピークツーピーク値変化情報はピークツーピーク値の最大値と最小値の差値が所定のピークツーピーク値変化閾値以下であることであり、エッジ傾き変化情報は立ち上がりエッジ傾きの最大値と最小値の差値が所定の立ち上がりエッジ傾き変化閾値以下であり、立ち下がりエッジ傾きの最大値と最小値の差値が所定の立ち下がりエッジ傾き変化閾値以下であることであり、且つトリガされる信号はburst特徴を満たす場合、トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプはタイムアウトトリガ及びN番目のエッジトリガであることを決定する。
【0079】
6、周波数変化情報は周波数の最大値と最小値の差値が所定の周波数変化閾値以下であることであり、ピークツーピーク値変化情報はピークツーピーク値の最大値と最小値の差値が所定のピークツーピーク値変化閾値を超えることであり、そしてエンベロープ変化情報はパルス幅の最大値と最小値の差値が所定の第2のパルス幅変化閾値以下であり、且つ周期の最大値と最小値の差値が所定の周期変化閾値以下であることである場合、トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプはパルス幅トリガであることを決定する。
【0080】
7、周波数変化情報は周波数の最大値と最小値の差値が所定の周波数変化閾値以下であることであり、ピークツーピーク値変化情報はピークツーピーク値の最大値と最小値の差値が所定のピークツーピーク値変化閾値を超えることであり、そしてエンベロープ変化情報はパルス幅の最大値と最小値の差値が所定の第2のパルス幅変化閾値を超えることであることと、エンベロープ変化情報は周期の最大値と最小値の差値が所定の周期変化閾値を超えることであることとの少なくとも1つを満たす場合、トリガされる信号に偶発的なオーバーシュートが存在すると、トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプは超振幅トリガであることを決定し、トリガされる信号に偶発的なラント(runt)が存在すると、トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプはラントトリガ(runt trigger)であることを決定する。
【0081】
8、周波数変化情報は周波数の最大値と最小値の差値が所定の周波数閾値を超えることであり、ピークツーピーク値変化情報はピークツーピーク値の最大値と最小値の差値が所定のピークツーピーク値変化閾値を超えることである場合、トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプはエッジトリガであることを決定する。
【0082】
前述の各方法実施例について、簡単に説明するために、すべて一連の動作の組み合わせとして表したが、当業者は、本出願が説明された動作順序に限定されないことを知っているべきである。なぜなら本願に基づき、あるステップは他の順序又は同時に行うことを採用できるからである。
【0083】
下記は本願の装置実施例であり、本願の方法実施例を実行するために使用可能である。本願の装置実施例に開示していない詳細については、本願の方法実施例を参照する。
【0084】
図7を参照し、本願の一実施例に係るトリガタイプを自動的に識別する装置の構造模式図であり、前記装置は、
トリガされる信号を取得するように設定される取得ユニット71と、
トリガされる信号の特徴データをリアルタイムで計算するように設定される特徴抽出ユニット72であって、特徴パラメータデータはバスプロトコルマッチング情報及び少なくとも1つの特徴パラメータの変化情報の少なくとも1種を含む特徴抽出ユニット72と、
計算して得られた特徴パラメータデータに応じて、トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプを決定するように設定されるトリガタイプ分析ユニット73とを含む。
【0085】
一実施例において、前記トリガタイプ分析ユニットにより決定された前記トリガタイプは複数あり、前記装置は、
前記した前記トリガされる信号を安定してトリガ可能な前記複数のトリガタイプの少なくとも1つを表示するように設定される表示ユニットをさらに含む。
【0086】
一実施例において、前記トリガタイプ分析ユニットにより決定された前記トリガタイプは複数あり、前記装置は、
前記複数のトリガタイプから、1つのトリガタイプを選択して前記トリガされる信号をトリガするように設定される自動トリガユニットをさらに含む。
【0087】
一実施例において、前記少なくとも1つの特徴パラメータの変化情報は、
ピークツーピーク値変化情報、エッジ傾き変化情報、周波数変化情報、パルス幅変化情報及びエンベロープ変化情報の少なくとも1つである。
【0088】
一実施例において、前記特徴パラメータデータはエッジ傾き変化情報を含み、前記特徴抽出ユニットで前記トリガされる信号のエッジ傾き変化情報を計算する過程は、
前記トリガされる信号のエッジ傾きを検出することであって、前記エッジ傾きは立ち上がりエッジ傾きと立ち下がりエッジ傾きとを含むことと、
第1の時間内における前記エッジ傾きの最大値と最小値の差値が所定のエッジ傾き変化閾値を超えるか否かを判断することであって、前記エッジ傾き変化閾値は立ち上がりエッジ傾き変化閾値と立ち下がりエッジ傾き変化閾値とを含むこととを含む。
【0089】
一実施例において、前記特徴パラメータデータは周波数変化情報を含み、前記特徴抽出ユニットで前記トリガされる信号の周波数変化情報を計算する過程は、
前記トリガされる信号の周波数を検出することと、
第2の時間内における前記トリガされる信号の周波数の最大値と最小値の差値が所定の周波数変化閾値を超えるか否かを判断することとを含む。
【0090】
一実施例において、前記特徴パラメータデータはパルス幅変化情報を含み、前記特徴抽出ユニットで前記トリガされる信号のパルス幅変化情報を計算する過程は、
前記トリガされる信号に対応するパルス信号を生成することと、
前記パルス信号のパルス幅を検出することと、
第3の時間内における前記パルス信号のパルス幅の最大値と最小値の差値が所定の第1のパルス幅変化閾値を超えるか否かを判断することとを含む。
【0091】
一実施例において、前記特徴パラメータデータはエンベロープ変化情報を含み、前記特徴抽出ユニットで前記トリガされる信号のエンベロープ変化情報を計算する過程は、
前記トリガされる信号が変調信号であるか否かを判断し、前記トリガされる信号が変調信号である場合、変調波に対応するパルス信号を生成することと、
前記パルス信号のパルス幅と周期を検出することと、
第4の時間内における前記パルス信号のパルス幅の最大値と最小値の差値が所定の第2のパルス幅変化閾値を超えるか否かを判断し、且つ第5の時間内における前記変調波の周期の最大値と最小値の差値が所定の周期変化閾値を超えるか否かを判断することとを含む。
【0092】
一実施例において、前記特徴パラメータデータは前記バスプロトコルマッチング情報を含み、前記特徴抽出ユニットで前記トリガされる信号のバスプロトコルマッチング情報を計算する過程は、
少なくとも2つのチャネルに前記トリガされる信号が存在する場合、前記2つ以上のチャネルの各チャネルのトリガされる信号がクロック信号であるか否かを判断し、前記各チャネルのトリガされる信号がクロック信号である場合、事前設定されたマッチングルールを用いて、前記トリガされる信号が付随クロック付きのバスプロトコルとマッチングするか否かを判断することと、
1つのみのチャネルに前記トリガされる信号が存在する場合、事前設定されたマッチングルールを用いて、前記トリガされる信号が付随クロックなしのバスプロトコルとマッチングするか否かを判断することとを含む。
【0093】
一実施例において、前記トリガタイプ分析ユニットは、前記特徴パラメータデータに含まれる情報の異なる内容に応じて、前記トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプを決定するように設定される。
【0094】
本実施例はメモリとプロセッサとを含むオシロスコープを提供し、メモリはプログラムを記憶するように設定され、プロセッサはメモリに記憶されたプログラムを呼出し可能であり、プログラムは、
トリガされる信号を取得することと、
前記トリガされる信号の特徴パラメータデータをリアルタイムで計算することであって、前記特徴パラメータデータはバスプロトコルマッチング情報及び少なくとも1つの特徴パラメータの変化情報の少なくとも1種を含むことと、
前記特徴パラメータデータに応じて、前記トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプを決定することとに用いられる。
【0095】
前記プログラムのリファインメント機能及び拡張機能は上記の説明を参照可能である。
【0096】
オシロスコープのハードウェア構造は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのメモリ、及び少なくとも1つの通信バスが含まれ、且つプロセッサとメモリは通信バスを介して相互通信を完了する。
【0097】
いくつかの実施例では、プロセッサは、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit、特定集積回路)、又は本願の実施例を実施するように構成される少なくとも1つの集積回路などであってもよい。
【0098】
メモリは、少なくとも1つのタイプの読み取り可能な記憶媒体が含まれる。読み取り可能な記憶媒体は、フラッシュメモリ、ハードディスク、マルチメディアカード、及びカードタイプのメモリなどのNVM(non-volatile memory、不揮発性メモリ)であってもよい。読み取り可能な記憶媒体は、さらに高速RAM(random access memory、ランダムアクセスメモリ)メモリであってもよい。
【0099】
該オシロスコープはさらにユーザインターフェースを含んでもよく、ユーザインターフェースは、入力ユニット(例えば、キーボード)、音声入力装置(例えば、マイクロフォンを含む音声識別機能を有するデバイス)、及び音声出力装置(例えば、音響、イヤホンなど)の少なくとも1つを含んでもよい。例示的に、ユーザインターフェースは、標準の有線インターフェース及び無線インターフェースの少なくとも1つをさらに含んでもよい。
【0100】
該オシロスコープは、ディスプレイをさらに含んでもよく、ディスプレイはディスプレイスクリーン又はディスプレイユニットとも呼ばれる。いくつかの実施例では、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ、タッチ液晶ディスプレイ、及びOLED(Organic Light-Emitting Diode、有機発光ダイオード)ディスプレイなどであってもよい。ディスプレイは、波形情報を表示するように設定され、視覚的なユーザインターフェースを表示するように設定される。
【0101】
例示的に、該オシロスコープはさらにタッチセンサを含んでもよい。タッチセンサで提供されるユーザがタッチ操作を行うための領域は、タッチ領域と呼ばれる。また、タッチセンサは、抵抗式タッチセンサ、静電容量式タッチセンサなどであってもよい。さらに、タッチセンサは、接触式タッチセンサだけでなく、近接式タッチセンサなどを含んでもよい。また、タッチセンサは、単一のセンサであってもよく、例えば、アレイに配置された複数のセンサであってもよい。ユーザはタッチ領域をタッチすることにより情報を入力することができる。
【0102】
また、該オシロスコープのディスプレイの面積は、タッチセンサの面積と同じであってもよく、異なってもよい。例示的に、タッチディスプレイスクリーンを形成するように、ディスプレイとタッチセンサを積み重ねて設定する。該装置は、タッチディスプレイスクリーンに基づいてユーザがトリガしたタッチ操作を検知する。
【0103】
以上で説明された装置の実施例は、模式的なものにすぎず、前記別個の部材として説明されたユニットは、物理的に分離されていてもされていなくてもよく、ユニットとして表示された部材は、物理的なユニットであってもなくてもよい。実際の必要に応じて、そのうちの一部又はすべてのモジュールを選択して本実施例の技術案の目的を達成することができる。当業者は、創造的な労働を行わない場合、それを理解して実行することができる。
【0104】
本明細書では、第1及び第2などの関係用語は、1つのエンティティ又は操作を他のエンティティ又は操作と区別するためのものにすぎず、これらのエンティティ又は操作の間にこのような実際の関係又は順序が存在することを必ずしも要求又は暗示するものではない。さらに、「含む」、「包含」又はそれらの他の任意の変形は、非排他的な包含を含むことにより、一連の要素を含む過程、方法、物品又はデバイスは、それらの要素だけでなく明確にリストされた他の要素を含むか、又はそのような過程、方法、物品、又はデバイスに固有の要素も含むことを意図する。さらなる制限がない場合、「1つの...を含む」という句により限定される要素は、前記要素を含む過程、方法、物品又はデバイスに他の同じ要素がさらに存在することを排除するものではない。
【0105】
上記の技術案に係るトリガタイプを自動的に識別する方法、装置及オシロスコープにおいて、方法は、ユーザが選択するか、又は自動的に選択してトリガするために、バスプロトコルマッチング情報と少なくとも1つの特徴パラメータの変化情報の少なくとも1種を含むトリガされる信号の特徴パラメータデータを分析し、該トリガされる信号を安定してトリガ可能なトリガタイプを得ることを含む。本願に係る識別トリガタイプの方法は、トリガされる信号のバスプロトコルマッチング情報及び少なくとも1つの特徴パラメータの変化情報の少なくとも1種に応じて、現在のトリガされる信号により適しているトリガタイプを識別し、さらにトリガされる信号をよりよく観察及びテストすることができる。