IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三星ダイヤモンド工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-多機能スクライブヘッド 図1
  • 特許-多機能スクライブヘッド 図2
  • 特許-多機能スクライブヘッド 図3
  • 特許-多機能スクライブヘッド 図4
  • 特許-多機能スクライブヘッド 図5
  • 特許-多機能スクライブヘッド 図6
  • 特許-多機能スクライブヘッド 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-03
(45)【発行日】2023-02-13
(54)【発明の名称】多機能スクライブヘッド
(51)【国際特許分類】
   C03B 33/03 20060101AFI20230206BHJP
   B28D 5/00 20060101ALI20230206BHJP
【FI】
C03B33/03
B28D5/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018211751
(22)【出願日】2018-11-09
(65)【公開番号】P2019089695
(43)【公開日】2019-06-13
【審査請求日】2021-10-18
(31)【優先権主張番号】10-2017-0150253
(32)【優先日】2017-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390000608
【氏名又は名称】三星ダイヤモンド工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】柳 俊圭
【審査官】篠原 法子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-091178(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0067185(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1279733(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 33/02 - 33/037
B28D 5/00 - 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端にはモータベースブロックが結合され、他端にはホルダベースプレートが結合されるメインボディプレートを有し、前記モータベースブロックと、前記ホルダベースプレートとの間には、リアクションシリンダが結合される支持部と、
前記モータベースブロックの貫通孔を通じて一側が昇降手段と連結されて昇降し、プッシャーシリンダを有する昇降部と、
前記ホルダベースプレートの貫通孔を通じて前記昇降部の他側と連結されるホルダを有するヘッド部と、
前記リアクションシリンダに連結される第1のレギュレータと前記プッシャーシリンダに連結される第2のレギュレータと、を有するレギュレータ部を含み、
前記第1のレギュレータは、前記リアクションシリンダが前記昇降手段に所定の反発力を発生させるようにする圧力を発生させ、
前記第2のレギュレータは、前記プッシャーシリンダが前記ホルダから発生する反発力に対する荷重制御をするように圧力を発生させる多機能スクライブヘッド。
【請求項2】
サーボヘッドでの使用時に、前記リアクションシリンダはオフとし、前記プッシャーシリンダはオンとし、
前記プッシャーシリンダは、前記第2のレギュレータの最大圧力を使用することにより、前記昇降手段のトルクをロスなく伝達する請求項1に記載の多機能スクライブヘッド。
【請求項3】
低圧ヘッドでの使用時に、前記リアクションシリンダはオンとし、前記プッシャーシリンダはオンとし、
前記リアクションシリンダは、前記第1のレギュレータによって圧力制御を行うことにより、前記昇降手段のトルクがトルク安定区間で動作できるまで前記昇降手段に反力を発生させ、
前記プッシャーシリンダは、前記第2のレギュレータによって最大圧力を使用することにより、前記昇降手段と前記リアクションシリンダにより組み合わせられたトルクを伝達する請求項1に記載の多機能スクライブヘッド。
【請求項4】
エアヘッドでの使用時に、前記リアクションシリンダはオフとし、前記プッシャーシリンダはオンとし、
前記昇降手段の高さを制御しながら、前記プッシャーシリンダは、前記第2のレギュレータによってカット圧力を一定に維持する請求項1に記載の多機能スクライブヘッド。
【請求項5】
前記支持部は、
前記メインボディプレートに形成される第1のガイド経路と、
前記昇降手段の動作を制御するストッパ及び前記ストッパを支持するストッパブロックをさらに含むが
前記昇降手段は、前記モータベースブロックの貫通孔を通じて前記昇降部と連結されて前記昇降部を昇降させる請求項1に記載の多機能スクライブヘッド。
【請求項6】
前記昇降部は、
一側部が撓み、前記一側部から撓んで延長される他側部の内面に第2のガイド経路が形成されるボールスクリュー装着ブロックと、
前記ボールスクリュー装着ブロックの前記一側部の外部と連結されるボールスクリューと、
前記一側部の内部に結合される前記プッシャーシリンダと、
一側が前記ボールスクリューと結合され、他側が前記昇降手段に結合されるカップリングと、
一面に前記ボールスクリュー装着ブロックの前記第2のガイド経路を昇降する第1のガイド部材を有するシリンダ上部装着ブロックと、
一面に前記第1のガイド経路を昇降し、他面が前記ボールスクリュー装着ブロックに連結される第2のガイド部材を有するシリンダ下部装着ブロックと、
下部が前記シリンダ上部装着ブロックの他面に結合され、側面が前記プッシャーシリンダの動作を制御するプッシャーシリンダストッパと結合するシリンダプッシャーをさらに含む請求項に記載の多機能スクライブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多機能スクライブヘッドに関するもので、より詳細には、サーボヘッド、エアヘッドまたは低圧ヘッドのいずれか一つでの使用が選択的に可能な多機能スクライブヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガラス基板を含む脆性基板を必要なサイズに切断するために、切断ホィールを備えた切断装置が使用されている。このような切断装置は、切断ホィールを基板の表面に圧接させた状態で荷重を加えながら走行させ、転がり運動する切断ホィールによって、基板表面にスクライブラインを形成させる構造を有する。このスクライブラインが形成された後には、スクライブラインに曲げ力を印加すると、基板が分断される。
【0003】
従来、このようなスクライブラインを形成するスクライブ装置のスクライブヘッドは、顧客の選好度及び設備に応じてヘッドタイプが異なるように選定された。一例として、ヘッドタイプをエアヘッドまたはサーボヘッドに選定することができた。ところで、顧客がスクライブ装置のスクライブヘッドをエアヘッドに選定して作業を遂行中に、スクライブヘッドをサーボヘッドに変更することを要請する場合、現場では作業中であるエアヘッドタイプのスクライブヘッドをスクライブ装置から分解し、再度サーボヘッドタイプのスクライブヘッドをスクライブ装置に結合しなければならない問題点があった。すなわち、作業の柔軟性が劣る問題点があった。
【0004】
さらに、最近、顧客は漸次に低圧型ヘッドタイプのスクライブヘッドを要求しているが、既存のスクライブ装置との互換性及び技術的な問題により、対応することが困難な問題点があった。
【0005】
一方、既存のエアヘッドタイプのスクライブヘッドでは、電気供給が途切れるとヘッドを束ねる部分が自由落下しながら落ちてヘッド破損が発生する問題点もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】公開特許公報第2002-020133号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、前記のような要求を解消するために提案されたものであって、その目的は、サーボヘッド、エアヘッドまたは低圧ヘッドのいずれか一つでの使用が選択的に可能な多機能スクライブヘッドを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係る多機能スクライブヘッドは、一端にはモータベースブロックが結合され、他端にはホルダベースプレートが結合されるメインボディプレートを有し、前記モータベースブロックと、前記ホルダベースプレートとの間には、リアクションシリンダが結合される支持部と、前記モータベースブロックの貫通孔を通じて一側が昇降手段と連結されて昇降し、プッシャーシリンダを有する昇降部と、前記ホルダベースプレートの貫通孔を通じて前記昇降部の他側と連結されるホルダを有するヘッド部と、前記リアクションシリンダに連結される第1のレギュレータと前記プッシャーシリン
ダに連結される第2のレギュレータを有するレギュレータ部を含み、前記第1のレギュレータは、前記リアクションシリンダが前記昇降手段に所定の反発力を発生させるようにする圧力を発生させ、前記第2のレギュレータは、前記プッシャーシリンダが前記ホルダから発生する反発力に対する荷重制御をするように圧力を発生させる
【0012】
また、本発明に係る多機能スクライブヘッドにおいて、サーボヘッドでの使用時に、前記リアクションシリンダはオフとし、前記プッシャーシリンダはオンとし、前記プッシャーシリンダは、前記第2のレギュレータの最大圧力を使用することにより、前記昇降手段のトルクをロスなく伝達する。
【0013】
また、本発明に係る多機能スクライブヘッドにおいて、低圧ヘッドでの使用時に、前記リアクションシリンダはオンとし、前記プッシャーシリンダはオンとし、前記リアクションシリンダは、前記第1のレギュレータによって圧力制御を行うことにより、前記昇降手段のトルクがトルク安定区間で動作できるまで、前記昇降手段に反力を発生させ、前記プッシャーシリンダは、前記第2のレギュレータにより、最大圧力を使用することにより、前記昇降手段と前記リアクションシリンダにより組み合わせられたトルクを伝達する。
【0014】
また、本発明に係る多機能スクライブヘッドにおいて、エアヘッドでの使用時に、前記リアクションシリンダはオフとし、前記プッシャーシリンダはオンとし、前記昇降手段の高さを制御しながら、前記プッシャーシリンダは、前記第2のレギュレータによってカット圧力を一定に維持する。
【0015】
また、本発明に係る多機能スクライブヘッドにおいて、前記支持部は、前記メインボディプレートに形成される第1のガイド経路と、前記昇降手段の動作を制御するストッパ及び前記ストッパを支持するストッパブロックをさらに含むが、前記昇降手段は、前記モータベースブロックの貫通孔を通じて前記昇降部と連結されて前記昇降部を昇降させる。
【0016】
また、本発明に係る多機能スクライブヘッドにおいて、前記昇降部は、一側部が撓み、前記一側部から撓んで延長される他側部の内面に第2のガイド経路が形成されるボールスクリュー装着ブロックと、前記ボールスクリュー装着ブロックの前記一側部の外部と連結されるボールスクリューと、前記一側部の内部に結合される前記プッシャーシリンダと、一側が前記ボールスクリューと結合され、他側が前記昇降手段に結合されるカップリングと、一面に前記ボールスクリュー装着ブロックの前記第2のガイド経路を昇降する第1のガイド部材を有するシリンダ上部装着ブロックと、一面に前記第1のガイド経路を昇降し、他面が前記ボールスクリュー装着ブロックに連結される第2のガイド部材を有するシリンダ下部装着ブロックと、下部が前記シリンダ上部装着ブロックの他面に結合され、側面が前記プッシャーシリンダの動作を制御するプッシャーシリンダストッパと結合するシリンダプッシャーをさらに含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、サーボヘッド、エアヘッドまたは低圧ヘッドのいずれか一つでの使用が選択的に可能な多機能スクライブヘッドを提供する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施例に係る多機能スクライブヘッドの結合された内部構成を示す結合斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係る多機能スクライブヘッドの分解された構成を示す分解斜視図である。
図3】本発明の一実施例に係る多機能スクライブヘッドにおいてトルク-回転速度の特性を示すグラフである。
図4】本発明の一実施例に係る多機能スクライブヘッドにおいて電源オフ及び待機中である状態を示す図である。
図5】本発明の一実施例に係る多機能スクライブヘッドにおいてサーボヘッドタイプのスクライブヘッド状態を示す図である。
図6】本発明の一実施例に係る多機能スクライブヘッドにおいて低圧ヘッドタイプのスクライブヘッド状態を示す図である。
図7】本発明の一実施例に係る多機能スクライブヘッドにおいてエアヘッドタイプのスクライブヘッド状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例に対して関連図面を参照して詳細に説明することにする。
【0020】
図1は、本発明に係る多機能スクライブヘッドの結合された内部構成を示す結合斜視図であり、図2は、本発明に係る多機能スクライブヘッドの分解された構成を示す分解斜視図である。
【0021】
図1及び図2を参照すると、本発明に係る多機能スクライブヘッド1000は、支持部100と、昇降部200と、ヘッド部300と、レギュレータ部400を含む。このような多機能スクライブヘッド1000の構成はカバー190によって保護される。
【0022】
支持部100は、本発明に係る多機能スクライブヘッド1000の昇降部200が昇降できるように支持する役割を遂行する。
【0023】
このような支持部100は、メインボディプレート110と、このメインボディプレート110の一端に結合されるモータベースブロック111と、メインボディプレート110の他端に結合されるホルダベースプレート112を含む。
【0024】
一方、メインボディプレート110の一面一側には、リアクションシリンダ150と、このリアクションシリンダ150を保護するリアクションシリンダブロック140が結合される。このようなリアクションシリンダ150は、後述する第1のレギュレータ410によって予め定められた圧力の反力を昇降手段160に発生させる役割を遂行する。
【0025】
また、メインボディプレート110の一面他側には、第1のガイド経路113が形成される。この第1のガイド経路113は、後述する昇降部200が昇降する動作を案内する役割を遂行するようになる。
【0026】
また、モータベースブロック111と、リアクションシリンダ140との間には、昇降手段160の動作を制御するストッパ120と、このストッパを支持するストッパブロック130をさらに含む。このようなストッパ120がない場合には、昇降手段160によってボールスクリュー220が制御されず、下降するようになる。したがって、このようなボールスクリュー220の制限されない下降動作を制御するためにストッパ120が用いられる。
【0027】
次いで、昇降部200は、支持部100の第1のガイド経路113を通じて昇降する。
【0028】
このような昇降部200は、支持部100のモータベースブロック111の貫通孔を通じて一側が昇降手段160と連結されて昇降する。
【0029】
ここで、プッシャーシリンダ260は、第2のレギュレータ420によって、後述するホルダ310から発生する反発力に対する荷重を制御する役割を遂行する。
【0030】
また、昇降部200は、ボールスクリュー装着ブロック210と、ボールスクリュー220と、シリンダ上部装着ブロック230と、シリンダ下部装着ブロック240と、カップリング250と、プッシャーシリンダ260と、を含む。
【0031】
ボールスクリュー装着ブロック210は、一側部が撓み、このような一側部から撓んで延長される他側部の内面に第2のガイド経路211が形成される。
【0032】
ボールスクリュー220は、ボールスクリュー装着ブロック210の一側部の外部と連結される。
【0033】
カップリング250は、一側がボールスクリュー220と結合され、他側が昇降手段160に結合され、プッシャーシリンダ260は、ボールスクリュー装着ブロック210の一側部の内部に結合される。
【0034】
一方、シリンダ上部装着ブロック230は、一面にボールスクリュー装着ブロック210の第2のガイド経路211を昇降する第1のガイド部材231を含む。
【0035】
また、シリンダ下部装着ブロック240は、一面に前記第1のガイド経路113を昇降し、他面が前記ボールスクリュー装着ブロック210に連結される第2のガイド部材241を含む。
【0036】
最後に、昇降部200は、下部がシリンダ上部装着ブロック230の他面に結合され、側面がプッシャーシリンダ260の動作を制御するプッシャーシリンダストッパ181と結合するシリンダプッシャー180をさらに含む。
【0037】
このようなシリンダプッシャー180は、シリンダ上部装着ブロック230によって、第2のガイド経路211を昇降して動作するようになる。
【0038】
一方、ヘッド部300は、ホルダ310とこのホルダ(310)を保護するホルダハウジング320を含む。ホルダ310には、スクライブラインを形成するためのカッターやローラーなどが装着される。また、ホルダ310は、ホルダベースプレート112の貫通孔を通じて昇降部200の他側と連結される。
【0039】
最後に、レギュレータ部400は、第1のレギュレータ410と、第2のレギュレータ420を含む。
【0040】
ここで、第1のレギュレータ410は、多機能スクライブヘッド1000の外部でリアクションシリンダ150に連結される。
【0041】
また、第2のレギュレータ420は、多機能スクライブヘッド1000の外部でプッシャーシリンダ260に連結される。
【0042】
すなわち、第1のレギュレータ410と、第2のレギュレータ420は、多機能スクライブヘッド1000内に含まれず、個別に多機能スクライブヘッド1000に連結される。
【0043】
このような第1のレギュレータ410は、リアクションシリンダ150が昇降手段160に希望の反発力を発生させるようにする圧力を発生するようになる。
【0044】
また、第2のレギュレータ420は、プッシャーシリンダ260がホルダ310から発生する反発力に対する荷重制御をするように圧力を発生するようになる。
【0045】
次いで、図3は、本発明の一実施例に係る多機能スクライブヘッドにおいて、トルク-回転速度の特性を示すグラフである。
【0046】
図3を参照すると、横軸はトルク(N・m)量を示す軸であり、縦軸は回転速度(min-1)を示す軸である。ここで、A領域は連続使用領域を示し、B領域は反復使用領域を示す。特に、B領域は昇降手段のトルク安定区間を示す。
【0047】
このようにトルク-回転速度の特性を示すグラフを用いて、本発明の一実施例に係る多機能スクライブヘッド1000は、サーボヘッドや、低圧ヘッドや、エアヘッドなどのように選択的に利用可能である。
【0048】
すなわち、サーボヘッドでの使用時を検討すると、プッシャーシリンダ260を強い圧力で前進動作させると、ホィール(図示省略)を通じて伝達される反力がプッシャーシリンダ260を通るときに相殺されず、そのまま昇降手段160まで伝達させることによって、既存のサーボヘッドと同様に使用が可能である。このとき、リアクションシリンダ150はオフ状態(待機状態)であるようになる。
【0049】
次いで、低圧ヘッドでの使用時を検討すると、一般的な昇降手段160、例えば、サーボモータは低圧区間、すなわち、低いトルク区間で再現性があるように使用することができない(一般モータの低いトルク区間では、非線形モータトルクの特性を有しているので、制御が不可能である)。このとき、レギュレータ部400を使用して一定の圧力の反力をリアクションシリンダ150を通じて昇降手段160に反力で動作させると、昇降手段160は、カッターの荷重+リアクションシリンダ150の反力荷重に該当するトルクを発生させなければならない。これにより、リアクションシリンダ150の反力を昇降手段トルクの安定区間まで大きくする場合、昇降手段160が安定して動作を行うことができるようになり、ホィールの圧力制御を一貫して行うことができるようになる。すなわち、薄板カット用低圧ヘッドでの使用が可能となる。このとき、プッシャーシリンダ260はオン状態でありながら、最大圧力にセッティングされていなければならない。
【0050】
また、エアヘッドでの使用時を検討すると、昇降手段160をトルク制御ではなく、位置制御をしながら、プッシャーシリンダ260を第2のレギュレータ420に圧力制御をするようになると、既存のエアヘッドと同様に使用が可能である。このとき、リアクションシリンダ150はオフ状態(待機状態)であるようになる。
【0051】
これに対して、図4-図7を参照して、更に検討する。
【0052】
図4は、本発明に係る多機能スクライブヘッドにおいて電源オフ及び待機中である状態を示す図である。
【0053】
図4を参照すると、本発明に係る多機能スクライブヘッド1000が電源オフ又は待機中である状態では、リアクションシリンダ150が昇降手段160と、プッシャーシリンダ260の電源オフ時に作動してヘッド部300の落下を防止するようになる。
【0054】
すなわち、既存のエアヘッドでは、電気供給が途切れると、ヘッドを束ねる部分が重力によって自由落下しながらヘッド破損が発生したりしたが、本発明によると、リアクションシリンダ150のオンにより、ヘッドの落下を防止する効果がある。
【0055】
すなわち、電源オフ又は待機中である状態では、昇降手段160はオフであり、リアクションシリンダ150はオンであり、プッシャーシリンダ260はオフである。
【0056】
図5は、本発明に係る多機能スクライブヘッドにおいてサーボヘッドタイプのスクライブヘッド状態を示す図である。
【0057】
図5を参照すると、本発明に係る多機能スクライブヘッド1000をサーボヘッドでの使用時、リアクションシリンダ150はオフとし、プッシャーシリンダ260はオンとし、昇降手段160はトルクを制御するようになる。
【0058】
より詳細に説明すると、プッシャーシリンダ260は、第2のレギュレータ420の最大圧力を使用することにより、昇降手段160のトルクをロスなくホィールに伝達するようになる。
【0059】
図6は、本発明に係る多機能スクライブヘッドにおいて低圧ヘッドタイプのスクライブヘッド状態を示す図である。
【0060】
図6を参照すると、本発明に係る多機能スクライブヘッド1000を低圧ヘッドでの使用時に、リアクションシリンダ150はオンとし、プッシャーシリンダ260はオンとし、昇降手段160はトルクを制御するようになる。
【0061】
より詳細に説明すると、リアクションシリンダ150は、第1のレギュレータ410によって圧力制御をすることにより、昇降手段160のトルクがトルク安定区間で動作できるまで昇降手段160に反力を発生させる。
【0062】
また、プッシャーシリンダ260は第2のレギュレータ420により、最大圧力を使用することにより、昇降手段160とリアクションシリンダ150による組み合わせられたトルクをホィールに伝達するようになる。
【0063】
図7は、本発明に係る多機能スクライブヘッドにおいてヘッドタイプのスクライブヘッド状態を示す図である。
【0064】
図7を参照すると、本発明に係る多機能スクライブヘッド1000においてエアヘッドでの使用時に、リアクションシリンダ150はオフとし、プッシャーシリンダ260はオンとし、昇降手段160は高さを制御するようになる。
【0065】
より詳細に説明すると、プッシャーシリンダ260は第2のレギュレータ420によってカット圧力を一定に維持するようになる。
【0066】
このように、本発明によると、サーボヘッド、エアヘッドまたは低圧ヘッドのいずれか一つでの使用が選択的に可能な多機能スクライブヘッド1000を提供する効果がある。
【0067】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎないもので、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で様々な修正及び変形が可能なものである。したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施例により、本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、下記の請求範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0068】
100 支持部
110 メインボディプレート
111 モータベースブロック
112 ホルダベースプレート
113 第1のガイド経路
120 ストッパ
130 ストッパブロック
150 リアクションシリンダ
160 昇降手段
170 保護カバー
180 シリンダプッシャー
181 プッシャーシリンダストッパ
200 昇降部
210 ボールスクリュー装着ブロック
211 第2のガイド経路
220 ボールスクリュー
230 シリンダ上部装着ブロック
231 第1のガイド部材
240 シリンダ下部装着ブロック
241 第2のガイド部材
250 カップリング
260 プッシャーシリンダ
300 ヘッド部
310 ホルダ
320 ホルダハウジング
400 レギュレータ部
410 第1のレギュレータ
420 第2のレギュレータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7