(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-03
(45)【発行日】2023-02-13
(54)【発明の名称】脱落防止具
(51)【国際特許分類】
F16B 39/38 20060101AFI20230206BHJP
【FI】
F16B39/38 A
(21)【出願番号】P 2019156116
(22)【出願日】2019-08-28
【審査請求日】2022-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】503154813
【氏名又は名称】有限会社SIT
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】添田 真弓
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-128761(JP,A)
【文献】特開2012-037010(JP,A)
【文献】特開2010-121708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 39/02-39/22
F16B 39/38
F16B 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の大きさの巻回半径で、かつ、多角形状に巻回された部分を含む第1のコイル素線を有する、第1のコイルバネ部と、
該第1のコイルバネ部の巻回半径方向に対して略直交する方向に延びると共に同第1のコイルバネ部の巻回中心を通る中心軸線を中心に、かつ、略円形状に略同一径で、かつ、同第1のコイルバネ部の巻回半径よりも小さい巻回半径で巻回された第2のコイル素線を有し、かつ、同中心軸線が延びる方向における同第1のコイルバネ部の位置とは異なる位置に配置された第2のコイルバネ部と、
一端が前記第1のコイルバネ部の前記第1のコイル素線の一端と接続しており、かつ、一端とは反対側の他端が前記第2のコイルバネ部の前記第2のコイル素線の一端と接続しており、かつ、前記中心軸線から離れる方向へ突出した第3のコイル素線を有する、第1のアーム部と、
前記第2のコイルバネ部の前記第2のコイル素線の、前記第3のコイル素線と接続した一端とは反対側の他端と接続しており、かつ、前記中心軸線から離れる方向へ突出した第4のコイル素線を有する、第2のアーム部とを備え、
巻回された前記第2のコイル素線の前記一端と前記中心軸線とを結ぶ第1の線と、巻回された同第2のコイル素線の前記他端と同中心軸線とを結ぶ第2の線との間の、同中心軸線が延びる方向に見たときの角度が90°以上180°以下であり、かつ、同第2のコイル素線の前記一端と前記第3のコイル素線との接続箇所である第1の接続箇所及び同第2のコイル素線の前記他端と前記第4のコイル素線との接続箇所である第2の接続箇所がそれぞれ湾曲し
ており、
前記第2のコイルバネ部の前記第2のコイル素線は、ボルトに装着される前であって前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部が互いに近づく方向へ押される前において、略円形状に巻回された
脱落防止具。
【請求項2】
前記第1のアーム部の突出長さと、前記第2のアーム部の突出長さとが互いに略同じである
請求項1に記載の脱落防止具。
【請求項3】
前記第1のコイルバネ部の前記第1のコイル素線は略六角形状に巻回された
請求項1または請求項2に記載の脱落防止具。
【請求項4】
前記第1のアーム部の突出先端及び前記第2のアーム部の突出先端がそれぞれ湾曲しており、かつ、同第2のアーム部の突出先端の曲率の方が、同第1のアーム部の突出先端の曲率よりも大きい
請求項1、請求項2または請求項3に記載の脱落防止具。
【請求項5】
所定の大きさの巻回半径で、かつ、多角形状に巻回された部分を含む第1のコイル素線を有する、第1のコイルバネ部と、
該第1のコイルバネ部の巻回半径方向に対して略直交する方向に延びると共に同第1のコイルバネ部の巻回中心を通る第1の中心軸線を中心に、かつ、略円形状に略同一径で、かつ、同第1のコイルバネ部の巻回半径よりも小さい巻回半径で巻回された第2のコイル素線を有し、かつ、同第1の中心軸線が延びる方向における同第1のコイルバネ部の位置とは異なる位置に配置された第2のコイルバネ部と、
一端が前記第1のコイルバネ部の前記第1のコイル素線の一端と接続しており、かつ、一端とは反対側の他端が前記第2のコイルバネ部の前記第2のコイル素線の一端と接続しており、かつ、前記第1の中心軸線から離れる方向へ突出した第3のコイル素線を有する、第1のアーム部と、
前記第2のコイルバネ部の前記第2のコイル素線の、前記第3のコイル素線と接続した一端とは反対側の他端と接続しており、かつ、前記第1の中心軸線から離れる方向へ突出した第4のコイル素線を有する、第2のアーム部とを備え、
前記第2のコイル素線の前記一端と前記第3のコイル素線との接続箇所である第1の接続箇所及び同第2のコイル素線の前記他端と前記第4のコイル素線との接続箇所である第2の接続箇所が、前記第1の中心軸線に対して略平行に延びる第2の中心軸線を中心として前記第2のコイルバネ部の巻回半径より大きい半径を有する仮想の略円形体と交差し、かつ、同第2のコイル素線の前記一端と同第3のコイル素線との接続箇所及び同第2のコイル素線の前記他端と同第4のコイル素線との接続箇所がそれぞれ湾曲し
ており、
前記第2のコイルバネ部の前記第2のコイル素線は、ボルトに装着される前であって前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部が互いに近づく方向へ押される前において、略円形状に巻回された
脱落防止具。
【請求項6】
所定の大きさの巻回半径で、かつ、多角形状に巻回された部分を含む第1のコイル素線を有する、第1のコイルバネ部と、
該第1のコイルバネ部の巻回半径方向に対して略直交する方向に延びると共に同第1のコイルバネ部の巻回中心を通る中心軸線を中心に、かつ、略円形状に略同一径で、かつ、同第1のコイルバネ部の巻回半径よりも小さい巻回半径で巻回された第2のコイル素線を有し、かつ、同中心軸線が延びる方向における同第1のコイルバネ部の位置とは異なる位置に配置された第2のコイルバネ部と、
一端が前記第1のコイルバネ部の前記第1のコイル素線の一端と接続しており、かつ、一端とは反対側の他端が前記第2のコイルバネ部の前記第2のコイル素線の一端と接続しており、かつ、前記中心軸線から離れる方向へ突出した第3のコイル素線を有する、第1のアーム部と、
前記第2のコイルバネ部の前記第2のコイル素線の、前記第3のコイル素線と接続した一端とは反対側の他端と接続しており、かつ、前記中心軸線から離れる方向へ突出した第4のコイル素線を有する、第2のアーム部とを備え、
巻回された前記第2のコイル素線の前記一端と前記中心軸線とを結ぶ第1の線と、巻回された同第2のコイル素線の前記他端と同中心軸線とを結ぶ第2の線との間の、同中心軸線が延びる方向に見たときの角度が90°以上180°以下であり、かつ、同第2のコイル素線の前記一端と前記第3のコイル素線との接続箇所である第1の接続箇所及び同第2のコイル素線の前記他端と前記第4のコイル素線との接続箇所である第2の接続箇所がそれぞれ湾曲しており、
前記第1のアーム部の突出先端及び前記第2のアーム部の突出先端がそれぞれ湾曲しており、かつ、同第2のアーム部の突出先端の曲率の方が、同第1のアーム部の突出先端の曲率よりも大きい
脱落防止具。
【請求項7】
所定の大きさの巻回半径で、かつ、多角形状に巻回された部分を含む第1のコイル素線を有する、第1のコイルバネ部と、
該第1のコイルバネ部の巻回半径方向に対して略直交する方向に延びると共に同第1のコイルバネ部の巻回中心を通る第1の中心軸線を中心に、かつ、略円形状に略同一径で、かつ、同第1のコイルバネ部の巻回半径よりも小さい巻回半径で巻回された第2のコイル素線を有し、かつ、同第1の中心軸線が延びる方向における同第1のコイルバネ部の位置とは異なる位置に配置された第2のコイルバネ部と、
一端が前記第1のコイルバネ部の前記第1のコイル素線の一端と接続しており、かつ、一端とは反対側の他端が前記第2のコイルバネ部の前記第2のコイル素線の一端と接続しており、かつ、前記第1の中心軸線から離れる方向へ突出した第3のコイル素線を有する、第1のアーム部と、
前記第2のコイルバネ部の前記第2のコイル素線の、前記第3のコイル素線と接続した一端とは反対側の他端と接続しており、かつ、前記第1の中心軸線から離れる方向へ突出した第4のコイル素線を有する、第2のアーム部とを備え、
前記第2のコイル素線の前記一端と前記第3のコイル素線との接続箇所である第1の接続箇所及び同第2のコイル素線の前記他端と前記第4のコイル素線との接続箇所である第2の接続箇所が、前記第1の中心軸線に対して略平行に延びる第2の中心軸線を中心として前記第2のコイルバネ部の巻回半径より大きい半径を有する仮想の略円形体と交差し、かつ、同第2のコイル素線の前記一端と同第3のコイル素線との接続箇所及び同第2のコイル素線の前記他端と同第4のコイル素線との接続箇所がそれぞれ湾曲しており、
前記第1のアーム部の突出先端及び前記第2のアーム部の突出先端がそれぞれ湾曲しており、かつ、同第2のアーム部の突出先端の曲率の方が、同第1のアーム部の突出先端の曲率よりも大きい
脱落防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は脱落防止具に関する。詳しくは、ボルトから被固定物やナットが脱落することを防止する脱落防止具に係るものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、建築構造物を構成する二つの部材を固定するための方法として、溶接によって固定する方法や、ボルトとナットによって締結する方法が用いられている。
【0003】
また、溶接による固定は、溶接設備が必要となり、施工に手間と時間がかかり、また、固定を解除する場合も設備が必要となり、固定解除に手間と時間がかかるので、ボルトとナットによって締結する方法が多く採用されている。
【0004】
しかし、ボルトとナットによって締結する方法において、ボルトやナットが振動等を受けることにより、締結後にボルトやナットが緩むことがあるため、ボルトやナットが緩んで、ボルトから被固定物やナットが脱落しないようにする発明が幾つか提案されている。
【0005】
例えば特許文献1には、
図5(b)に示すような緩み止め具100が記載されている。
すなわち、緩み止め具100は、ボルト101に螺合されたナット102の緩みを防止するものである。
【0006】
また、緩み止め具100は、
図5(a)に示すコイルバネ104と、
図5(b)に示すリング材106とを備える。
また、コイルバネ104は、ボルト101の外径よりわずかに小さく、弾性変形することによって、半径方向に拡張しながらネジ溝に係止し得る内径で渦巻き状の環状に形成されている。
【0007】
また、コイルバネ104の素線107の先端部105は、
図5(b)に示すように斜めに加工されている。その結果、先端部105がボルト101とナット102の隙間に入り込みつつ螺合することにより、先端部105がストッパーとなってナット102が戻り方向に回転できなくなる。
【0008】
また、リング材106は、
図5(b)に示すように上面すなわちナット102に向いた面のとは反対側の面の直径と、下面すなわちナット102に向いた面の直径が互いに異なり、外面が傾斜した円筒状で形成されている。
【0009】
また、リング材106の内径は、ボルト101のネジ溝に装着したコイルバネ104の外径とほぼ同じである。
また、
図5(b)に示すように、ネジ溝に装着したコイルバネ104の外周を覆うようにリング材106を取付けることで、緩み止め具100の装着はより確実になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、特許文献1に記載の緩み止め具は、ネジ溝への装着を確実にすることはできるが、ネジ溝へ装着し易くする工夫は行われていない。
そのため、特許文献1に記載の緩み止め具を急いでボルトのネジ溝に装着しなければならない場合、緩み止め具の装着が遅くなるという問題が生じる可能性がある。
【0012】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、ボルトに装着し易い脱落防止具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明の脱落防止具は、所定の大きさの巻回半径で、かつ、多角形状に巻回された部分を含む第1のコイル素線を有する、第1のコイルバネ部と、該第1のコイルバネ部の巻回半径方向に対して略直交する方向に延びると共に同第1のコイルバネ部の巻回中心を通る中心軸線を中心に、かつ、略円形状に略同一径で、かつ、同第1のコイルバネ部の巻回半径よりも小さい巻回半径で巻回された第2のコイル素線を有し、かつ、同中心軸線が延びる方向における同第1のコイルバネ部の位置とは異なる位置に配置された第2のコイルバネ部と、一端が前記第1のコイルバネ部の前記第1のコイル素線の一端と接続しており、かつ、一端とは反対側の他端が前記第2のコイルバネ部の前記第2のコイル素線の一端と接続しており、かつ、前記中心軸線から離れる方向へ突出した第3のコイル素線を有する、第1のアーム部と、前記第2のコイルバネ部の前記第2のコイル素線の、前記第3のコイル素線と接続した一端とは反対側の他端と接続しており、かつ、前記中心軸線から離れる方向へ突出した第4のコイル素線を有する、第2のアーム部とを備え、巻回された前記第2のコイル素線の前記一端と前記中心軸線とを結ぶ第1の線と、巻回された同第2のコイル素線の前記他端と同中心軸線とを結ぶ第2の線との間の、同中心軸線が延びる方向に見たときの角度が90°以上180°以下であり、かつ、同第2のコイル素線の前記一端と前記第3のコイル素線との接続箇所である第1の接続箇所及び同第2のコイル素線の前記他端と前記第4のコイル素線との接続箇所である第2の接続箇所がそれぞれ湾曲したものである。
【0014】
ここで、所定の大きさの巻回半径で、かつ、多角形状に巻回された部分を含む第1のコイル素線を有する、第1のコイルバネ部によって、緩む方向へナットが回転しようとしても第1のコイルバネ部に当たってそれ以上動き難いため、緩む方向へナットが回転することを抑制できる。
【0015】
本発明で言う「所定の大きさ」とは、例えばナットの側面に接触できる大きさである。
また、第1のコイルバネ部の巻回半径とは、多角形の外接円の半径を意味する。
【0016】
また、第1のコイルバネ部の巻回半径方向に対して略直交する方向に延びると共に第1のコイルバネ部の巻回中心を通る中心軸線を中心に、かつ、略円形状に略同一径で、かつ、第1のコイルバネ部の巻回半径よりも小さい巻回半径で巻回された第2のコイル素線を有し、かつ、中心軸線が延びる方向における第1のコイルバネ部の位置とは異なる位置に配置された第2のコイルバネ部によって、ボルトの脚部に形成されたネジ溝に嵌合することができる。
【0017】
また、一端が第1のコイルバネ部の第1のコイル素線の一端と接続しており、かつ、一端とは反対側の他端が第2のコイルバネ部の第2のコイル素線の一端と接続しており、かつ、中心軸線から離れる方向へ突出した第3のコイル素線を有する、第1のアーム部と、第2のコイルバネ部の第2のコイル素線の、第3のコイル素線と接続した一端とは反対側の他端と接続しており、かつ、中心軸線から離れる方向へ突出した第4のコイル素線を有する、第2のアーム部とによって、第1のアーム部と第2のアーム部を例えば2つの指で挟んで押し、第1のアーム部と第2のアーム部をお互いが近づく方向へ動かして、第2のコイルバネ部を拡径することができる。
【0018】
また、巻回された第2のコイル素線の一端と中心軸線とを結ぶ第1の線と、巻回された第2のコイル素線の他端と中心軸線とを結ぶ第2の線との間の、中心軸線が延びる方向に見たときの角度が90°以上180°以下であることによって、第1の接続箇所及び第2の接続箇所が、角度が90°未満であるときよりも第2のコイルバネ部の巻回中心から離れた位置に存在することになるので、第2のコイルバネ部を拡径するために第1のアーム部と第2のアーム部を互いに近づけたとき、第1の接続箇所及び第2の接続箇所が第2のコイルバネ部の内側に入り込み難い。
【0019】
また、第1の接続箇所及び第2の接続箇所がそれぞれ湾曲していることによって、接続箇所が直線である構成では楕円に拡径してしまうのに対して第2のコイルバネ部を正円に拡径することができ、第2のコイルバネ部にボルトの脚部を挿通させ易い。
【0020】
また、本発明の脱落防止具において、第1のアーム部の突出長さと、第2のアーム部の突出長さとが互いに略同じである構成とすることができる。
【0021】
この場合、第1のアーム部の突出長さと、第2のアーム部の突出長さとが互いに異なる構成よりも、2つの指で挟むようにしてアーム部を押し易い。
【0022】
また、本発明の脱落防止具において、第1のコイルバネ部の第1のコイル素線は略六角形状に巻回された構成とすることができる。
【0023】
この場合、第1のコイルバネ部がナットの形状に対応しているので、ナットの側面に第1のコイルバネ部が当たり易くなり、緩む方向へナットが回転することをさらに抑制し易くなる。
【0024】
また、本発明の脱落防止具において、第1のアーム部の突出先端及び第2のアーム部の突出先端がそれぞれ湾曲しており、かつ、第2のアーム部の突出先端の曲率の方が、第1のアーム部の突出先端の曲率よりも大きい構成とすることができる。
【0025】
この場合、第1のアーム部を構成する第3のコイル素線の両端がそれぞれ、第1のコイルバネ部の第1のコイル素線と第2のコイルバネ部の第2のコイル素線とに接続しているので第2のコイルバネ部の拡径時に第1のアーム部は移動せず、移動する第2のアーム部を押す力を、第1のアーム部を押す力よりも小さくさせることができ、その結果、第2のアーム部の押し過ぎによるコイル素線のヘタリを抑制できる。
【0026】
また、上記の目的を達成するために、本発明の脱落防止具は、所定の大きさの巻回半径で、かつ、多角形状に巻回された部分を含む第1のコイル素線を有する、第1のコイルバネ部と、該第1のコイルバネ部の巻回半径方向に対して略直交する方向に延びると共に同第1のコイルバネ部の巻回中心を通る第1の中心軸線を中心に、かつ、略円形状に略同一径で、かつ、同第1のコイルバネ部の巻回半径よりも小さい巻回半径で巻回された第2のコイル素線を有し、かつ、同第1の中心軸線が延びる方向における同第1のコイルバネ部の位置とは異なる位置に配置された第2のコイルバネ部と、一端が前記第1のコイルバネ部の前記第1のコイル素線の一端と接続しており、かつ、一端とは反対側の他端が前記第2のコイルバネ部の前記第2のコイル素線の一端と接続しており、かつ、前記第1の中心軸線から離れる方向へ突出した第3のコイル素線を有する、第1のアーム部と、前記第2のコイルバネ部の前記第2のコイル素線の、前記第3のコイル素線と接続した一端とは反対側の他端と接続しており、かつ、前記第1の中心軸線から離れる方向へ突出した第4のコイル素線を有する、第2のアーム部とを備え、前記第2のコイル素線の前記一端と前記第3のコイル素線との接続箇所である第1の接続箇所及び同第2のコイル素線の前記他端と前記第4のコイル素線との接続箇所である第2の接続箇所が、前記第1の中心軸線に対して略平行に延びる第2の中心軸線を中心として前記第2のコイルバネ部の巻回半径より大きい半径を有する仮想の略円形体と交差し、かつ、同第2のコイル素線の前記一端と同第3のコイル素線との接続箇所及び同第2のコイル素線の前記他端と同第4のコイル素線との接続箇所がそれぞれ湾曲したものである。
【0027】
ここで、所定の大きさの巻回半径で、かつ、多角形状に巻回された部分を含む第1のコイル素線を有する、第1のコイルバネ部によって、緩む方向へナットが回転しようとしても第1のコイルバネ部に当たってそれ以上動き難いため、緩む方向へナットが回転することを抑制できる。
【0028】
また、第1のコイルバネ部の巻回半径方向に対して略直交する方向に延びると共に第1のコイルバネ部の巻回中心を通る第1の中心軸線を中心に、かつ、略円形状に略同一径で、かつ、第1のコイルバネ部の巻回半径よりも小さい巻回半径で巻回された第2のコイル素線を有し、かつ、第1の中心軸線が延びる方向における第1のコイルバネ部の位置とは異なる位置に配置された第2のコイルバネ部によって、ボルトの脚部に形成されたネジ溝に嵌合することができる。
【0029】
また、一端が第1のコイルバネ部の第1のコイル素線の一端と接続しており、かつ、一端とは反対側の他端が第2のコイルバネ部の第2のコイル素線の一端と接続しており、かつ、第1の中心軸線から離れる方向へ突出した第3のコイル素線を有する、第1のアーム部と、第2のコイルバネ部の第2のコイル素線の、第3のコイル素線と接続した一端とは反対側の他端と接続しており、かつ、第1の中心軸線から離れる方向へ突出した第4のコイル素線を有する、第2のアーム部とによって、第1のアーム部と第2のアーム部を例えば2つの指で挟んで押し、第1のアーム部と第2のアーム部をお互いが近づく方向へ動かして、第2のコイルバネ部を拡径することができる。
【0030】
また、第2のコイル素線の前記一端と前記第3のコイル素線との接続箇所である第1の接続箇所及び同第2のコイル素線の前記他端と前記第4のコイル素線との接続箇所である第2の接続箇所が、前記第1の中心軸線に対して略平行に延びる第2の中心軸線を中心として前記第2のコイルバネ部の巻回半径より大きい半径を有する仮想の略円形体と交差していることによって、第2のコイルバネ部を拡径するために第1のアーム部と第2のアーム部を互いに近づけたとき、第2のコイル素線の一端と第3のコイル素線との接続箇所である第1の接続箇所及び第2のコイル素線の他端と第4のコイル素線との接続箇所である第2の接続箇所が第2のコイルバネ部の内側に入り込み難い。
【0031】
また、第1の接続箇所及び第2の接続箇所がそれぞれ湾曲していることによって、接続箇所が直線である構成では楕円に拡径してしまうのに対して第2のコイルバネ部を正円に拡径することができ、第2のコイルバネ部にボルトの脚部を挿通させ易い。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る脱落防止具は、ボルトに装着し易い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明を適用した第1の例の脱落防止具を示す概略斜視図である。
【
図2】本発明を適用した第1の例の脱落防止具を示す概略平面図である。
【
図3】本発明を適用した第1の例の脱落防止具をボルトとナットに装着したときの様子を示す概略図である。
【
図4】本発明を適用した第2の例の脱落防止具を示す概略平面図である。
【
図5】従来の緩み止め具を構成するコイルバネを示す概略図(a)と、従来の緩み止め具をボルトに装着したときの様子を示す概略図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明を適用した第1の例の脱落防止具を示す概略斜視図である。
また、
図2は、本発明を適用した第1の例の脱落防止具を示す概略平面図である。
また、
図3は、本発明を適用した第1の例の脱落防止具をボルトとナットに装着したときの様子を示す概略図である。
【0035】
図1に示す本発明の第1の例の脱落防止具1は、第1のコイルバネ部2を備える。
ここで、第1のコイルバネ部2は、第1のコイル素線2Aを有する。
また、第1のコイル素線2Aは、所定の大きさ例えばナット16の側面に接触できる大きさの巻回半径で、かつ、略六角形状に巻回された部分を含む。
【0036】
すなわち、第1のコイルバネ部2の巻回半径方向と同じ方向に拡がる平面における第1のコイルバネ部2の形状は略六角形状であり、第1のコイルバネ部2は、6つの頂部2Bを有する。
【0037】
また、本発明の脱落防止具1は、第2のコイルバネ部3を備える。
ここで、第2のコイルバネ部3は、第2のコイル素線3Aを有する。
【0038】
また、第2のコイル素線3Aは、第1のコイルバネ部2の巻回半径方向に対して略直交する方向に延びると共に第1のコイルバネ部2の巻回中心を通る第1の中心軸線7を中心に、かつ、略円形状に略同一径で、かつ、第1のコイルバネ部2の巻回半径よりも小さい巻回半径で巻回されている。
【0039】
すなわち、第2のコイルバネ部3の巻回半径方向と同じ方向に拡がる平面における第2のコイルバネ部3の形状は略円形状である。
また、第2のコイルバネ部3の内径は、ボルト15の脚部15Bの外径よりもわずかに小さい。これは緊縮力を発生させるためである。
【0040】
また、第2のコイルバネ部3は、第1の中心軸線7が延びる方向における第1のコイルバネ部2の位置とは異なる位置に配置されている。
【0041】
また、本発明の脱落防止具1は、第1のアーム部4を備える。
ここで、第1のアーム部4は、第3のコイル素線4Aを有する。
【0042】
また、第3のコイル素線4Aの一端が第1のコイルバネ部2の第1のコイル素線2Aの一端と接続しており、かつ、第3のコイル素線4Aの、一端とは反対側の他端が第2のコイルバネ部3の第2のコイル素線3Aの一端と接続しており、かつ、第3のコイル素線4Aは第1の中心軸線7から離れる方向へ突出している。
【0043】
また、
図1に示すように第1のアーム部4の突出先端4Bは湾曲している。
【0044】
また、本発明の脱落防止具1は、第2のアーム部5を備える。
ここで、第2のアーム部5は、第4のコイル素線5Aを有する。
【0045】
また、第4のコイル素線5Aは、第2のコイルバネ部3の第2のコイル素線3Aの、第3のコイル素線4Aと接続した一端とは反対側の他端と接続しており、かつ、第1の中心軸線7から離れる方向へ突出している。
【0046】
また、
図1に示すように第2のアーム部5の突出先端5Bは湾曲している。
【0047】
また、第2のアーム部5の突出先端5Bの曲率は、第1のアーム部4の突出先端4Bの曲率よりも大きい。
すなわち、第1のアーム部4の突出先端4Bの方が、第2のアーム部5の突出先端5Bよりも緩やかに湾曲している。
【0048】
また、巻回された第2のコイル素線3Aの一端と第1の中心軸線7とを結ぶ第1の線9と、巻回された第2のコイル素線3Aの他端と第1の中心軸線7とを結ぶ第2の線10との間の、第1の中心軸線7が延びる方向に見たときの角度である中心角12は90°以上180°以下である。
図2に示す例では、中心角12は110°である。
【0049】
また、第2のコイル素線3Aの一端と第3のコイル素線4Aとの接続箇所である第1の接続箇所13、及び第2のコイル素線3Aの他端と第4のコイル素線5Aとの接続箇所である第2の接続箇所14はそれぞれ湾曲している。
【0050】
また、第1のアーム部4の突出長さと、第2のアーム部5の突出長さとは互いに略同じである。
すなわち、第1の接続箇所13から第1のアーム部4の突出先端4Bまでの長さと、第2の接続箇所14から第2のアーム部5の突出先端5Bまでの長さとは互いに略同じである。
【0051】
また、
図2には、第1の中心軸線7に対して略平行に延びる第2の中心軸線8を中心として第2のコイルバネ部3の巻回半径より大きい半径を有する仮想の略円形体6が示されている。
ここで、中心角12が90°以上180°以下であるので、第1の接続箇所13及び第2の接続箇所14が、仮想の略円形体6と交差している。
すなわち、第1の接続箇所13及び第2の接続箇所14は、第2のコイルバネ部3の第2のコイル素線3Aの位置よりも第2のコイルバネ部3の巻回中心から離れた位置に存在している。
【0052】
また、第1の中心軸線7及び第2の中心軸線8は、実体を有さない仮想の直線である。
【0053】
本発明の脱落防止具において、必ずしも第1のアーム部の突出長さと、第2のアーム部の突出長さとが互いに略同じでなくてもよく、例えば第1のアーム部の突出長さの方が第2のアーム部の突出長さよりも長かったり、第1のアーム部の突出長さの方が第2のアーム部の突出長さよりも短かったりすることもできる。
【0054】
しかし、第1のアーム部の突出長さと、第2のアーム部の突出長さとが互いに略同じであれば、第1のアーム部の突出長さと、第2のアーム部の突出長さとが互いに異なる構成よりも、2つの指で挟むようにしてアーム部を押し易いので好ましい。
【0055】
また、本発明の脱落防止具において、必ずしも第1のコイルバネ部の第1のコイル素線は略六角形状に巻回されていなくてもよく、他の多角形状例えば略四角形状、略五角形状、略八角形状に巻回された構成とすることもできる。
【0056】
しかし、第1のコイルバネ部の第1のコイル素線が略六角形状に巻回されていれば、第1のコイルバネ部がナットの形状に対応しているので、ナットの側面に第1のコイルバネ部が当たり易くなり、緩む方向へナットが回転することをさらに抑制し易くなるため好ましい。
【0057】
また、本発明の脱落防止具において、必ずしも第2のアーム部の突出先端の曲率の方が、第1のアーム部の突出先端の曲率よりも大きくなくてもよい。
【0058】
しかし、第2のアーム部の突出先端の曲率の方が、第1のアーム部の突出先端の曲率よりも大きければ、第2のコイルバネ部の拡径時に移動する第2のアーム部を押す力を、第1のアーム部を押す力よりも小さくさせることができ、その結果、第2のアーム部の押し過ぎによるコイル素線のヘタリを抑制できるので好ましい。
【0059】
次に、本発明の第1の例の脱落防止具1を、ナット16が取付けられたボルト15とナット16に装着する方法を説明する。
【0060】
本発明の脱落防止具1が備える、第1のアーム部4及び第2のアーム部5をそれぞれ、例えば親指と人差し指あるいは中指とを用いて
図2に示す加圧方向11に押す。
【0061】
すると、第1のアーム部4と第2のアーム部5は互いに近づく方向へ動いて、第2のコイルバネ部3の内径は拡がる。
第2のコイルバネ部3の内径が拡がった状態で、本発明の脱落防止具1を回転することなく
図3に示すように、第2のコイルバネ部3の第2のコイル素線で囲まれた空間に、ネジ溝15Cとネジ山15Dが形成されたボルト15の脚部15Bを挿通する。
【0062】
このとき、第2のコイル素線3Aの一端と第3のコイル素線4Aとの接続箇所である第1の接続箇所13、及び第2のコイル素線3Aの他端と第4のコイル素線5Aとの接続箇所である第2の接続箇所14は、第2のコイルバネ部3の第2のコイル素線で囲まれた空間に入り込み難いので、ボルト15の脚部15Bの挿通を邪魔することはない。
【0063】
また、このとき、第1のコイルバネ部2の巻回半径は、第2のコイルバネ部3の巻回半径よりも大きい上に、ナット16の側面に接触できる大きさの巻回半径であるので、第1のコイルバネ部2の第1のコイル素線で囲まれた空間にも、ボルト15の脚部15Bとナット16を挿通する。
【0064】
そして、ナット16の角部に、本発明の脱落防止具1の第1のコイルバネ部2の頂部2Bを当接させると共に、ボルト15の脚部15Bに形成されたネジ溝15Cに対応する位置に、第2のコイルバネ部3の第2のコイル素線3Bを配置させた後、親指と人差し指あるいは中指を第1のアーム部4及び第2のアーム部5それぞれから離す。
【0065】
すると、第1のアーム部4と第2のアーム部5は互いに遠のく方向へ動いて、拡がっていた第2のコイルバネ部3の内径は縮小して元に戻り、第2のコイルバネ部3の第2のコイル素線3Bはネジ溝15Cに嵌合する。
このとき、緊縮力によって、ナット16の緩む方向と同じ方向への第2のコイルバネ部3の回転が抑制されるので、ナット16も第2のコイルバネ部3に当たって緩む方向への回転が抑制され、ナット16の脱落を防止できる。
【0066】
また、緩む方向へナット16が回転しようとしても、第1のコイルバネ部2がナット16に当たってそれ以上ナット16は動き難いため、緩む方向へナット16が回転することを抑制できる。
【0067】
図4は、本発明を適用した第2の例の脱落防止具を示す概略平面図である。
【0068】
図4に示す本発明の第2の例の脱落防止具21は、第1のコイルバネ部22を備える。
ここで、第1のコイルバネ部22は、第1のコイル素線22Aを有する。
また、第1のコイル素線22Aは、ナットの側面に接触できる大きさの巻回半径で、かつ、略六角形状に巻回された部分を含む。
【0069】
すなわち、第1のコイルバネ部22の巻回半径方向と同じ方向に拡がる平面における第1のコイルバネ部22の形状は略六角形状であり、第1のコイルバネ部22は、6つの頂部22Bを有する。
【0070】
また、本発明の脱落防止具21は、第2のコイルバネ部23を備える。
ここで、第2のコイルバネ部23は、第2のコイル素線23Aを有する。
【0071】
また、第2のコイル素線23Aは、第1のコイルバネ部22の巻回半径方向に対して略直交する方向に延びると共に第1のコイルバネ部の巻回中心を通る中心軸線26を中心に、かつ、略円形状に略同一径で、かつ、第1のコイルバネ部22の巻回半径よりも小さい巻回半径で巻回されている。
また、中心軸線26は、実体を有さない仮想の直線である。
【0072】
すなわち、第2のコイルバネ部23の巻回半径方向と同じ方向に拡がる平面における第2のコイルバネ部23の形状は略円形状である。
また、第2のコイルバネ部23の内径は、ボルトの脚部の外径よりもわずかに小さい。これは緊縮力を発生させるためである。
【0073】
また、第2のコイルバネ部23は、中心軸線26が延びる方向における第1のコイルバネ部22の位置とは異なる位置に配置されている。
【0074】
また、本発明の脱落防止具21は、第1のアーム部24を備える。
ここで、第1のアーム部24は、第3のコイル素線24Aを有する。
【0075】
また、第3のコイル素線24Aの一端が第1のコイルバネ部22の第1のコイル素線22Aの一端と接続しており、かつ、第3のコイル素線24Aの、一端とは反対側の他端が第2のコイルバネ部23の第2のコイル素線23Aの一端と接続しており、かつ、第3のコイル素線24Aは中心軸線26から離れる方向へ突出している。
【0076】
また、第1のアーム部24の突出先端24Bは湾曲している。
【0077】
また、本発明の脱落防止具21は、第2のアーム部25を備える。
ここで、第2のアーム部25は、第4のコイル素線25Aを有する。
【0078】
また、第4のコイル素線25Aは、第2のコイルバネ部23の第2のコイル素線23Aの、第3のコイル素線24Aと接続した一端とは反対側の他端と接続しており、かつ、中心軸線26から離れる方向へ突出している。
【0079】
また、第2のアーム部25の突出先端25Bは湾曲している。
【0080】
また、第2のアーム部25の突出先端25Bの曲率は、第1のアーム部24の突出先端24Bの曲率よりも大きい。
すなわち、第1のアーム部24の突出先端24Bの方が、第2のアーム部25の突出先端25Bよりも緩やかに湾曲している。
【0081】
また、巻回された第2のコイル素線23Aの一端と中心軸線26とを結ぶ第1の線27と、巻回された第2のコイル素線23Aの他端と中心軸線26とを結ぶ第2の線28との間の、中心軸線26に見たときの角度である中心角29は90°以上180°以下である。
図4に示す例では、中心角29は180°である。
【0082】
また、第2のコイル素線23Aの一端と第3のコイル素線24Aとの接続箇所である第1の接続箇所30、及び第2のコイル素線23Aの他端と第4のコイル素線25Aとの接続箇所である第2の接続箇所31はそれぞれ湾曲している。
【0083】
また、第1のアーム部24の突出長さと、第2のアーム部25の突出長さとは互いに略同じである。
すなわち、第1の接続箇所30から第1のアーム部24の突出先端24Bまでの長さと、第2の接続箇所31から第2のアーム部25の突出先端25Bまでの長さとは互いに略同じである。
【0084】
また、本発明の第1の例の脱落防止具1と同様に、本発明の第2の例の脱落防止具21の中心角29も90°以上180°以下であるので、第1の接続箇所30及び第2の接続箇所31が、図示していない仮想の略円形体と交差している。
【0085】
また、本発明の第2の例の脱落防止具21を、ナットが取付けられたボルトとナットに装着する方法は、本発明の第1の例の脱落防止具1を、ナットが取付けられたボルトとナットに装着する方法と同じであるので、その説明を省略する。
【0086】
以上のように、本発明の脱落防止具においては、巻回された第2のコイル素線の一端と中心軸線とを結ぶ第1の線と、巻回された第2のコイル素線の他端と中心軸線とを結ぶ第2の線との間の、中心軸線が延びる方向に見たときの角度が110°あるいは180°すなわち90°以上180°以下であるので、この角度が90°未満であるときよりも第1の接続箇所及び第2の接続箇所が第2のコイルバネ部の巻回中心から離れた位置に存在することになり、第2のコイルバネ部を拡径するために第1のアーム部と第2のアーム部を互いに近づけたとき、第1の接続箇所及び第2の接続箇所が第2のコイルバネ部の内側、すなわち第2のコイルバネ部の第2のコイル素線で囲まれた空間に入り込み難い。
【0087】
従って、第1の接続箇所及び第2の接続箇所が、第2のコイルバネ部の第2のコイル素線で囲まれた空間へのボルトの脚部の挿通を邪魔することはないため、本発明の脱落防止具はボルトに装着し易い。
【符号の説明】
【0088】
1 脱落防止具
2 第1のコイルバネ部
2A 第1のコイル素線
2B 頂部
3 第2のコイルバネ部
3A 第2のコイル素線
4 第1のアーム部
4A 第3のコイル素線
4B 第1のアーム部の突出先端
5 第2のアーム部
5A 第4のコイル素線
5B 第2のアーム部の突出先端
6 仮想の略円形体
7 第1の中心軸線
8 第2の中心軸線
9 第1の線
10 第2の線
11 加圧方向
12 中心角
13 第1の接続箇所
14 第2の接続箇所
15 ボルト
15A 頭部
15B 脚部
15C ネジ溝
15D ネジ山
16 ナット
21 脱落防止具
22 第1のコイルバネ部
22A 第1のコイル素線
22B 頂部
23 第2のコイルバネ部
23A 第2のコイル素線
24 第1のアーム部
24A 第3のコイル素線
24B 第1のアーム部の突出先端
25 第2のアーム部
25A 第4のコイル素線
25B 第2のアーム部の突出先端
26 中心軸線
27 第1の線
28 第2の線
29 中心角
30 第1の接続箇所
31 第2の接続箇所