(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-03
(45)【発行日】2023-02-13
(54)【発明の名称】物品供給装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/18 20060101AFI20230206BHJP
B65G 47/53 20060101ALI20230206BHJP
B65G 47/46 20060101ALI20230206BHJP
G01G 19/387 20060101ALI20230206BHJP
【FI】
B65G47/18
B65G47/53 A
B65G47/46 A
G01G19/387 C
(21)【出願番号】P 2018167646
(22)【出願日】2018-09-07
【審査請求日】2021-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】飛岡 弘樹
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-214936(JP,A)
【文献】特開平05-024656(JP,A)
【文献】特開2018-118835(JP,A)
【文献】特開平09-248523(JP,A)
【文献】特開2018-066660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/18
B65G 47/34-47/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を供給する物品供給装置であって、
物品を搬送する第1搬送機構と、
前記第1搬送機構による前記物品の搬送経路において、前記物品の通過を許容する許容状態と、前記物品を前記搬送
経路外に排出する排出状態とに切換え可能な物品排出機構と、
前記物品排出機構で前記搬送経路外へ排出された物品を、当該物品供給装置の物品の供給先に向けて搬送する第2搬送機構と、
前記第1搬送機構、前記物品排出機構、及び、前記第2搬送機構の駆動を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1搬送機構を駆動状態に制御すると共に、前記物品排出機構を、前記排出状態に切換えることなく、前記許容状態に制御して、前記搬送経路を搬送されてきた物品を、前記搬送経路外へ排出することなく、通過させる通過モードに制御可能であ
り、
前記制御部による制御モードを設定するための設定操作がされる制御モード設定部と、前記第1搬送機構、前記物品排出機構、及び、前記第2搬送機構を停止させるための停止操作がされる操作部とを備え、
前記制御モード設定部は、前記制御モードとして、第1制御モードと第2制御モードとを切換え設定可能であり、
前記制御部は、前記第1制御モードが設定されているときには、前記操作部の前記停止操作に応答して、前記第1搬送機構、前記物品排出機構、及び、前記第2搬送機構の全てを停止させ、前記第2制御モードが設定されているときには、前記操作部の前記停止操作に応答して、前記第2搬送機構を停止させる一方、前記通過モードに制御する、
ことを特徴とする物品供給装置。
【請求項2】
物品を供給する物品供給装置であって、
物品を搬送する第1搬送機構と、
前記第1搬送機構による前記物品の搬送経路において、前記物品の通過を許容する許容状態と、前記物品を前記搬送経路外に排出する排出状態とに切換え可能な物品排出機構と、
前記物品排出機構で前記搬送経路外へ排出された物品を、当該物品供給装置の物品の供給先に向けて搬送する第2搬送機構と、
前記第2搬送機構によって搬送されてきた物品を、当該物品供給装置の物品の供給先に向けて更に搬送する第3搬送機構と、
前記第1搬送機構、前記物品排出機構、前記第2搬送機構、及び、前記第3搬送機構の駆動を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1搬送機構を駆動状態に制御すると共に、前記物品排出機構を、前記排出状態に切換えることなく、前記許容状態に制御して、前記搬送経路を搬送されてきた物品を、前記搬送経路外へ排出することなく、通過させる通過モードに制御可能であり、
前記制御部による制御モードを設定するための設定操作がされる制御モード設定部と、前記第1搬送機構、前記物品排出機構
、前記第2搬送機構
、及び、前記第3搬送機構を停止させるための停止操作がされる操作部とを備え、
前記制御モード設定部は、前記制御モードとして、第1制御モードと第2制御モードとを切換え設定可能であり、
前記制御部は、前記第1制御モードが設定されているときには、前記操作部の前記停止操作に応答して、前記第1搬送機構、前記物品排出機構
、前記第2搬送機構
、及び、前記第3搬送機構の全てを停止させ、前記第2制御モードが設定されているときには、前記操作部の前記停止操作に応答して、前記第2搬送機構
及び前記第3搬送機構を停止させる一方、前記通過モードに制御する、
ことを特徴とする物品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を供給する物品供給装置に関し、更に詳しくは、例えば、供給される物品を組合せ計量して所定重量範囲の物品を排出する組合せ秤への物品の供給などに好適な物品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
組合せ秤は、複数の計量部を有し、各計量部に供給された物品の重量を種々組合せた合計重量である組合せ重量が、所定重量範囲となる計量部の組合せを選択し、選択した計量部の物品を排出するものである。
【0003】
かかる組合せ秤には、物品の供給は人手によって行われ、物品の排出は自動で行われる、いわゆる、半自動式の組合せ秤がある。この半自動式の組合せ秤は、単体重量が比較的大きく不定形な物品や機械によるハンドリングが難しい物品、例えば、粘着性のある鶏肉などの肉片や魚介類などを取り扱う上で好適である。
【0004】
かかる半自動式の組合せ秤では、例えば、特許文献1に記載されているように、供給コンベアによって、物品(被計量物)が組合せ秤の天板上に供給される。作業者は、天板上に堆積した物品を掴んで、組合せ秤の投入口へ投入する。
【0005】
組合せ秤へ供給される物品が、例えば、鮮度が重要視される鶏肉等のように、物品の搬送方向の上手側の解体ラインから一定量ずつ定期的に搬送されてくるような物品である場合には、組合せ秤の運転中において、例えば、組合せ秤の下手側で物品を包装する包装機が、包装袋の補充や交換などで一時停止する場合、あるいは、組合せ秤の作業者が交代する場合などには、一時的にしろ、物品が組合せ秤の天板上に山積みとなって滞留してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
物品供給装置によって、人手によらずに組合せ秤へ物品を自動的に供給する場合、天板上に堆積した物品を掴んで、組合せ秤の投入口へ投入する作業者が介在しないことになるので、物品を、天板に供給することなく、組合せ秤の投入口へ直接供給する必要がある。この場合、物品供給装置は、上手側の解体ラインから一定量ずつ定期的に搬送されてくる物品を、天板を介することなく、組合せ秤の投入口へ直接供給することになる。
【0008】
組合せ秤の運転中に、例えば、組合せ秤の下手側の包装機が、包装袋の補充や交換などで一時停止することがある。この場合、物品を滞留させる天板がないために、物品供給装置を停止させると、上手側の解体ラインから物品供給装置へ搬送されてくる物品は、物品供給装置の最も上手側の始端部に、山積みとなって滞留する。このため、一時停止した後の物品供給装置の運転の再開時には、山積みとなった物品を円滑に搬送することができず、物品の供給に支障を来たすことになる。
【0009】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、供給先に、物品を自動で供給できると共に、供給先への物品の供給を停止するときに、当該物品供給装置の上手側から当該物品供給装置へ供給される物品が、滞留するのを防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0011】
(1)本発明は、物品を供給する物品供給装置であって、
物品を搬送する第1搬送機構と、前記第1搬送機構による前記物品の搬送経路において、前記物品の通過を許容する許容状態と、前記物品を前記搬送経路外に排出する排出状態とに切換え可能な物品排出機構と、前記物品排出機構で前記搬送経路外へ排出された物品を、当該物品供給装置の物品の供給先に向けて搬送する第2搬送機構と、前記第1搬送機構、前記物品排出機構、及び、前記第2搬送機構の駆動を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記第1搬送機構を駆動状態に制御すると共に、前記物品排出機構を、前記排出状態に切換えることなく、前記許容状態に制御して、前記搬送経路を搬送されてきた物品を、前記搬送経路外へ排出することなく、通過させる通過モードに制御可能であり、
前記制御部による制御モードを設定するための設定操作がされる制御モード設定部と、前記第1搬送機構、前記物品排出機構、及び、前記第2搬送機構を停止させるための停止操作がされる操作部とを備え、前記制御モード設定部は、前記制御モードとして、第1制御モードと第2制御モードとを切換え設定可能であり、前記制御部は、前記第1制御モードが設定されているときには、前記操作部の前記停止操作に応答して、前記第1搬送機構、前記物品排出機構、及び、前記第2搬送機構の全てを停止させ、前記第2制御モードが設定されているときには、前記操作部の前記停止操作に応答して、前記第2搬送機構を停止させる一方、前記通過モードに制御する。
【0012】
当該物品供給装置の物品の供給先に向けて搬送する第2搬送機構は、前記供給先を目指して物品を搬送するものであればよく、例えば、前記供給先に直接物品を搬送するものでもよく、あるいは、前記供給先に物品を直接供給する別の搬送機構へ物品を搬送する、すなわち、前記供給先へ物品を間接的に搬送するものであってもよい。
【0013】
本発明の物品供給装置によると、第1搬送機構の搬送方向の上手側において物品が、例えば、一定量ずつ定期的に供給されるような場合、供給される物品は、第1搬送機構によって搬送され、その搬送径路において物品排出機構によって搬送経路外に排出され、排出された物品は、第2搬送機構によって、当該物品供給装置の物品の供給先に向けて搬送されて、前記供給先に物品が供給される。
【0014】
これに対して、当該物品供給装置の物品の供給先への物品の供給を停止する必要があるときには、制御部は、通過モードに制御することによって、第1搬送機構を駆動状態にすると共に、物品排出機構を、排出状態に切換えることなく、許容状態にして、搬送経路を搬送されてきた物品を、搬送経路外へ排出することなく、通過させることができる。これによって、第1搬送機構の搬送方向の上手側において、例えば、一定量ずつ定期的に供給されるような物品は、物品排出機構で排出されることなく、第1搬送機構によって搬送方向の下手側へ搬送されるので、当該物品供給装置の全体を停止させた場合のように、第1搬送機構の物品の搬送方向の上手側に、物品が山積みになって滞留することがない。同時に、物品排出機構によって、物品の供給先に向けて物品を搬送する第2搬送機構へ物品が排出されることはなく、したがって、物品の供給先に向けて物品が搬送されることもない。
【0016】
本発明の物品供給装置によると、当該物品供給装置の運転中において、供給先への物品の供給を停止させる必要が生じると想定されるような場合には、制御モード設定部を操作して、予め第2制御モードを設定しておく、あるいは、供給先への物品の供給を停止させる必要が生じたときには、制御モード設定部を操作して、第2制御モードを設定する。
【0017】
この第2制御モードが設定されている状態で運転している場合に、供給先への物品の供給を停止させるときには、操作部による停止操作を行うことによって、第2搬送機構を停止させる一方、通過モードに制御する。
【0018】
これによって、第1搬送機構の物品の搬送方向の上手側において、例えば、一定量ずつ定期的に供給されるような物品は、物品排出機構で排出されることなく、第1搬送機構によって搬送方向の下手側へ搬送されるので、当該物品供給装置の全体を停止させた場合のように、第1搬送機構の物品の搬送方向の上手側に、物品が山積みになって滞留することがない。また、物品排出機構によって、当該物品供給装置の物品の供給先に向けて物品を搬送する第2搬送機構へ物品が排出されることはなく、したがって、物品の供給先へ向けて物品が搬送されることもない。
【0019】
また、当該物品供給装置の上手側から当該物品供給装置への物品の供給が停止されて当該物品供給装置の運転を停止するような場合には、制御モード設定部を操作して、第2制御モードを第1制御モードに切換え設定し、操作部による停止操作を行う。これによって、第1搬送機構、物品排出機構、及び、第2搬送機構の全てを停止させる、すなわち、当該物品供給装置を停止させることができる。
【0022】
(2)本発明は、物品を供給する物品供給装置であって、
物品を搬送する第1搬送機構と、前記第1搬送機構による前記物品の搬送経路において、前記物品の通過を許容する許容状態と、前記物品を前記搬送経路外に排出する排出状態とに切換え可能な物品排出機構と、前記物品排出機構で前記搬送経路外へ排出された物品を、当該物品供給装置の物品の供給先に向けて搬送する第2搬送機構と、前記第2搬送機構によって搬送されてきた物品を、当該物品供給装置の物品の供給先に向けて更に搬送する第3搬送機構と、前記第1搬送機構、前記物品排出機構、前記第2搬送機構、及び、前記第3搬送機構の駆動を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記第1搬送機構を駆動状態に制御すると共に、前記物品排出機構を、前記排出状態に切換えることなく、前記許容状態に制御して、前記搬送経路を搬送されてきた物品を、前記搬送経路外へ排出することなく、通過させる通過モードに制御可能であり、
前記制御部による制御モードを設定するための設定操作がされる制御モード設定部と、前記第1搬送機構、前記物品排出機構、前記第2搬送機構、及び、前記第3搬送機構を停止させるための停止操作がされる操作部とを備え、前記制御モード設定部は、前記制御モードとして、第1制御モードと第2制御モードとを切換え設定可能であり、前記制御部は、前記第1制御モードが設定されているときには、前記操作部の前記停止操作に応答して、前記第1搬送機構、前記物品排出機構、前記第2搬送機構、及び、前記第3搬送機構の全てを停止させ、前記第2制御モードが設定されているときには、前記操作部の前記停止操作に応答して、前記第2搬送機構及び前記第3搬送機構を停止させる一方、前記通過モードに制御する。
【0023】
本発明によると、第2搬送機構によって搬送されてきた物品を、第3搬送機構によって、物品の供給先に向けて更に搬送するので、この第3搬送機構において、物品を停止したり、搬送したりして、物品の供給先の要求に応じたタイミングで物品を供給するのが容易となる。
本発明によると、当該物品供給装置の運転中において、供給先への物品の供給を停止させる必要が生じると想定されるような場合には、制御モード設定部を操作して、予め第2制御モードを設定しておく、あるいは、供給先への物品の供給を停止させる必要が生じたときには、制御モード設定部を操作して、第2制御モードを設定する。
【0024】
この第2制御モードが設定されている状態で運転している場合に、供給先への物品の供給を停止させるときには、操作部による停止操作を行うことによって、第2搬送機構及び第3搬送機構を停止させる一方、通過モードに制御する。
【0025】
これによって、第1搬送機構の搬送方向の上手側に、供給される物品は、物品排出機構で排出されることなく、第1搬送機構によって搬送方向の下手側へ搬送されるので、当該物品供給装置の全体を停止させた場合のように、第1搬送機構の搬送方向の上手側に、物品が山積みになって滞留することがない。また、物品排出機構によって、物品の供給先に向けて物品を搬送する第2搬送機構へ物品が排出されることはなく、したがって、前記供給先へ向けて物品が搬送されることもない。
【0026】
また、当該物品供給装置の上手側から当該物品供給装置への物品の供給が停止されて当該物品供給装置の運転を停止するような場合には、制御モード設定部を操作して、第2制御モードを第1制御モードに切換え設定し、操作部による停止操作を行う。これによって、第1搬送機構、物品排出機構、第2搬送機構、及び、第3搬送機構の全てを停止させる、すなわち、当該物品供給装置を停止させることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、第1搬送機構の物品の搬送方向の上手側において、物品が、例えば、一定量ずつ定期的に供給されるような場合、供給される物品は、第1搬送機構によって搬送され、その搬送径路において物品排出機構によって搬送経路外に排出され、排出された物品は、第2搬送機構によって、当該物品供給装置の物品の供給先に向けて搬送されて、前記供給先に物品が供給される。
【0036】
これに対して、当該物品供給装置の物品の供給先への物品の供給を停止する必要があるときには、制御部は、通過モードに制御することによって、第1搬送機構を駆動状態にすると共に、物品排出機構を、排出状態に切換えることなく、許容状態にして、搬送経路を搬送されてきた物品を、搬送経路外へ排出することなく、通過させることができる。これによって、第1搬送機構の搬送方向の上手側において、例えば、一定量ずつ定期的に供給されるような物品は、物品排出機構で排出されることなく、第1搬送機構によって搬送方向の下手側へ搬送されるので、当該物品供給装置の全体を停止させた場合のように、第1搬送機構の搬送方向の上手側に、物品が山積みになって滞留することがない。同時に、物品排出機構によって、当該物品供給装置の物品の供給先に向けて物品を搬送する第2搬送機構へ物品が排出されることはなく、したがって、物品の供給先に向けて物品が搬送されることもない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態に係る物品供給装置を備える計量システムの全体斜視図である。
【
図4】
図4は一組の物品分配箇所を示す斜視図である。
【
図6】
図6は物品を検知する物品検知センサの配置状態を示す概略平面図である。
【
図7】
図7は
図1の計量システムの制御構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の一実施形態に係る物品供給装置を備えた計量システムを図面に基づいて説明する。
【0039】
図1は、本発明の一実施形態に係る物品供給装置を備えた計量システムの全体構成を示す斜視図、
図2はその平面図、
図3はその側面図である。この実施形態の計量システムは、物品供給を行う物品供給装置1と、従来では、物品の供給が人手によって行われていた半自動式の組合せ秤2とを備えている。半自動式の組合せ秤とは、物品の供給は人手によって行われ、物品の排出は自動で行われる組合せ秤をいう。
【0040】
この計量システムは、半自動式の組合せ秤2に対して、本実施形態に係る物品供給装置1によって物品を、自動で供給するものであり、全体として、物品の供給及び排出を自動で行う、自動式の組合せ秤と称することもできる。
【0041】
半自動式の組合せ秤2で、組合せ計量された所定重量範囲の物品は、組合せ秤2の下手側の図示しない包装機へ搬送されて、包装機で包装される。
【0042】
この実施形態の物品供給装置1は、第1搬送機構としての前段搬送機構3と、その搬送径路の複数箇所、この例では3箇所に配備した物品排出機構4と、各物品排出機構4にそれぞれ対応する3台の第2搬送機構としての分配搬送機構5と、各分配搬送機構5に対応して複数台ずつ、この例では3台ずつ並列配備した第3搬送機構としての振動フィーダ6とを備えている。
【0043】
前段搬送機構3は、搬送ベルト7を、
図2において、矢符Aで示されるように、右方から左方に一定の速度で回転駆動されるベルトコンベヤで構成されている。前段搬送機構3の搬送ベルト7の右方の始端側において、解体されたブロイラーの肉片が、物品wとして供給される。ブロイラーの解体ラインは、例えば、包装機の包装袋の補充や交換などで包装機及び組合せ秤2を一時停止するような場合にも停止されず、物品wは、前段搬送機構3の搬送ベルト7の右方の始端側に供給され続ける。
【0044】
物品排出機構4は、前段搬送機構3における搬送径路を挟む一方側に設置されて縦支点aを中心にして、揺動駆動可能な長板状のガイド部材8を備えている。このガイド部材8は、
図2中の実線で示すように、搬送径路の前記一方側に外れて搬送方向に沿った退避姿勢となる許容状態では、前段搬送機構3による搬送径路上の物品wの通過が許容される。ガイド部材8が駆動されて、
図2中の仮想線で示すように、前記縦支点aを中心に搬送経路側へ揺動すると、長板状のガイド部材8が、平面視で搬送径路に斜めに交差した排出姿勢の排出状態となる。この排出状態では、搬送径路に沿って搬送される物品wは、搬送経路を斜めに横切るように交差しているガイド部材8の板面に沿って、徐々に搬送径路の他方側の外方へ案内されて、搬送経路から排出される。
【0045】
ガイド部材8によって案内排出された物品wは、排出シュート9を介して前記他方側の下方に滑落案内される。
【0046】
前記分配搬送機構5は、物品排出機構4によって排出されてきた物品wを受け取る投入ファネル10と、投入ファネル10に投入された物品wを搬送する旋回コンベヤ14とを備えている。旋回コンベヤ14は、投入ファネル10で滑落案内された物品wを搬送する搬送ベルト11と、搬送ベルト11の両脇に起立配備された左右の側板12と、両側板12の終端部に取付けられた排出カバー13とを備えている。
【0047】
旋回コンベヤ14は、物品wを、3台の各振動フィーダ6に振分ける。
【0048】
振動フィーダ6は、
図3に示すように、樋状のトラフ15を加振機16に脱着可能に連結した直進フィーダであり、トラフ15を振動駆動することで載置した物品wを、供給先である組合せ秤2に振動搬送するように構成されている。
【0049】
この実施形態では、1台の分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対して、振動フィーダ6が3台ずつ並列配備され、旋回コンベヤ14の中央位置及びその両側の回動端位置への切換え回動に応じて、投入コンベヤとしての各旋回コンベヤ14から3台の各振動フィーダ6のトラフ15に物品wをそれぞれ投入することができる。したがって、全体として、直線状に並列配備された9台の振動フィーダ6によって、9箇所の供給先へ物品wを振動搬送することができる。
【0050】
各振動フィーダ6では、その駆動及び停止によって、物品wを搬送及び停止させることができるので、物品wを、振動フィーダ6のトラフ15の終端部まで搬送して待機させるように制御し、組合せ秤2からの物品投入口25への排出要求に応じたタイミングで物品を、組合せ秤2へ供給することができる。
【0051】
図1,
図2に示すように、半自動式の組合せ秤2の上面には、多数個、この例では9個の物品投入口25が左右に直線状に列設されており、これら物品投入口25が物品供給装置1の分配排出部、すなわち、振動フィーダ6群の終端に臨むよう組合せ秤2が設置される。また、各物品投入口25には、内開き観音扉状に開閉される左右一対の投入ゲート26が駆動開閉可能に備えられている。各投入ゲート26は、対応する各振動フィーダ6からの物品の排出を要求している期間は開放される。
【0052】
この実施形態の計量システムでは、半自動式の組合せ秤2の物品の計量処理量が、物品供給装置1の前段搬送機構3への物品の供給量と同等又はそれを上回るように、物品の供給量や組合せ秤2の運転速度等が設定される。
【0053】
【0054】
この組合せ秤2は、基本的に従来の半自動式の組合せ秤と同様である。組合せ秤2の各物品投入口25の投入ゲート26の直下には、供給ホッパ40が配設され、各々の供給ホッパ40の下方には、2つの収納室41-1、41-2を有する計量部としての計量ホッパ41が配設されている。
【0055】
各供給ホッパ40は、独立して開閉可能な2つの排出ゲート40a、40bを備え、一方の排出ゲート40aを開放することによって、計量ホッパ41の一方の収納室41-1に物品を排出し、他方の排出ゲート40bを開放することによって、計量ホッパ41の他方の収納室41-2に物品を排出することが可能である。
【0056】
各計量ホッパ41は、その一方の収納室41-1に排出ゲート41aが設けられると共に、他方の収納室41-2に排出ゲート41bが設けられ、各排出ゲート41a、41bを開放することにより、各収納室41-1,41-2から別々に物品を排出することが可能である。
【0057】
各計量ホッパ41には、ロードセル等の重量センサ42が取り付けられており、この重量センサ42によって計量ホッパ41内の物品の重量が検出され、その出力が、後述の組合せ秤2の制御部に送られる。これにより組合せ秤2の制御部は、計量ホッパ41内の物品の重量の変化に基づいて、計量ホッパ41の各々の収納室41-1,41-2内の物品の重量を算出し、各計量ホッパ41の各々の収納室41-1,41-2内の物品の重量に基づいて、後述の組合せ演算を行う。
【0058】
計量ホッパ41の下方には、計量ホッパ41から排出された物品を受けて搬送する集合コンベヤ43が配設されている。この集合コンベヤ43によって搬送された物品は、図示しない包装機へ供給される。包装機では、供給された物品を真空包装する。
【0059】
組合せ秤2の制御部は、物品を保持している計量ホッパ41の各収納室41-1、41-2内の物品の重量を種々組合せた合計重量である組合せ重量が、所定重量範囲となる収納室41-1、41-2の組合せを1つ選択する組合せ演算を行い、選択された収納室41-1、41-2の物品を、集合コンベヤ43へ排出する。集合コンベヤ43は、所定重量範囲の物品を包装機へ搬送して供給する。
【0060】
上記のような構成を有する本実施形態の計量システムでは、前段搬送機構3の搬送方向の上手側である始端部に供給された物品wは、物品排出機構4によって搬送方向の3箇所から排出されて夫々の分配搬送機構5に送り込まれる。各分配搬送機構5に送り込まれた物品wは、更に3箇所に分配されて振動フィーダ6に送り込まれ、都合、9台の振動フィーダ6によって分配搬送された物品wが、組合せ秤2の各物品投入口25にそれぞれ供給される。組合せ秤2では、各物品投入口25に供給された物品wの組合せ計量を行って所定重量範囲の物品wを、集合コンベヤ43を介して図示しない下手側の包装機へ供給する。包装機では、供給された物品を、包装袋等の包装材で包装する。
【0061】
なお、3台の物品排出機構4を通過して前段搬送機構3の終端に至った物品wは、搬出されて回収容器などに回収され、適時、人手によって再び前段搬送機構3の始端部に供給される。
【0062】
上記のような物品の供給においては、各箇所における物品wの有無、及び、組合せ秤2の各物品投入口25、各振動フィーダ6、各分配搬送機構5、物品排出機構4での物品の要求状況に応じて、各物品排出機構4、各分配搬送機構5、及び、各振動フィーダ6が制御されることになる。
【0063】
前段搬送機構3の搬送経路には、各物品排出機構4の直前における検知領域を通過する物品wをそれぞれ検知する第1物品検知センサSa(1)~Sa(3)が配置されている。
【0064】
また、各物品排出機構4によって排出された物品wが通過する各排出シュート9の基部には、排出された物品を検知する第2物品検知センサSb(1)~Sb(3)がそれぞれ配置されている。
【0065】
各分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の、搬送方向の上手側である始端部及び下手側である終端部には、始端部及び終端部における物品wをそれぞれ検知する第3物品検知センサSc(1)~Sc(3)及び第4物品検知センサSd(1)~Sd(3)がそれぞれ配置されている。
【0066】
各振動フィーダ6の各トラフ15の搬送方向の上手側である始端部及び下手側である終端部には、始端部及び終端部における物品wをそれぞれ検知する第5物品検知センサSe(1)~Se(9)、及び、第6物品検知センサSf(1)~Sf(9)が、それぞれ配置されている。
【0067】
図7は、この実施形態の計量システムの制御構成を示すブロック図である。
【0068】
この実施形態の計量システムは、全体を制御する制御装置(制御部)として、プログラマブルコントローラ(以下、「PLC」と略記する)27を備えている。
【0069】
PLC27は、通常モード、停止モード、通過モードの3つの制御モードを有し、いずれか一の制御モードで物品供給装置1を制御する。通常モードでは前段搬送機構3、物品排出機構4、分配搬送機構5、及び、振動フィーダ6を駆動状態に制御する。停止モードでは前段搬送機構3、物品排出機構4、分配搬送機構5、及び、振動フィーダ6を全て停止状態に制御する。通過モードでは前段搬送機構3を駆動状態に制御すると共に物品排出機構4を許容状態に制御し、分配搬送機構5及び振動フィーダ6を停止状態に制御する。
【0070】
このPLC27には、制御モードを設定するための制御モード設定部及び停止操作等を行うための操作部としての機能を有する操作表示端末であるプログラマブル表示器29が接続されている。このプログラマブル表示器29では、前段搬送機構3や旋回コンベヤ14の搬送速度及び振動フィーダ6の振動強度等の各種の設定操作や停止操作、及び、各種の表示が行われる。
【0071】
また、PLC27には、半自動式の組合せ秤2の制御部28から9個の各物品投入口25への物品の排出をそれぞれ要求するときに、排出要求信号(1)~(9)がそれぞれ入力されると共に、上記の各物品検知センサSa(1)~Sa(3),Sb(1)~Sb(3),Sc(1)~Sc(3),Sd(1)~Sd(3),Se(1)~Se(9),Sf(1)~Sf(9)の検知出力が入力される。
【0072】
PLC27は、前段搬送機構3を、前段搬送機構駆動制御回路30を介して制御し、物品排出機構4の各ガイド部材8を、ガイド部材駆動回路31を介して制御する。また、PLC27は、各分配搬送機構5の各旋回コンベヤ14を、旋回コンベヤ駆動制御回路32及び旋回コンベヤ旋回駆動制御回路33を介して制御し、各振動フィーダ6を、振動フィーダ駆動回路34を介して制御する。
【0073】
PLC27による物品供給装置1の制御では、物品供給装置1における物品の搬送方向の最も下手となる振動フィーダ6の制御を行い、次に、その上手となる分配搬送機構5の制御を行い、更に、その上手となる物品排出機構4の制御を行う。
【0074】
このPLC27は、基本的に、組合せ秤2から各物品投入口25への物品の排出要求があると、排出要求のあった物品投入口25に直ちに物品を排出できるように制御するものであり、各振動フィーダ6のトラフ15の終端部へ物品を搬送して待機できるように制御する。
【0075】
すなわち、振動フィーダ6では、トラフ15の終端部に物品がないときには、トラフ15の始端部で検知された物品を、トラフ15の終端部まで搬送し、トラフ15の始端部で検知された物品がないときには、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対して物品の投入を要求する。
【0076】
分配搬送機構5の旋回コンベヤ14では、物品の投入要求のあった振動フィーダ6のトラフ15へ物品を直ちに投入できるように、旋回コンベヤ14の終端部に物品を搬送すると共に、回動位置が制御される。旋回コンベヤ14の終端部に物品がないときには、旋回コンベヤ14の始端部で検知された物品を終端部へ搬送し、旋回コンベヤ14の始端部で物品が検知されないときには、物品排出機構4に対して物品の投入を要求する。
【0077】
物品の投入要求があった物品排出機構4では、物品排出機構4の直前の検知領域を通過する物品が検知されると、ガイド部材8を駆動して搬送経路に進出する排出姿勢とし、搬送される物品を、搬送経路外の分配搬送機構5の旋回コンベヤ14へ供給する。
【0078】
具体的には、前段搬送機構3の搬送経路の各物品排出機構4の直前における検知領域を通過する物品wをそれぞれ検知する第1物品検知センサSa(1)~Sa(3)の検知出力に基づいて、PLC27は、物品排出機構4を排出状態に切換え制御することで、搬送経路の複数個所での物品の排出を開始させることができる。また、各物品排出機構4によって排出された物品wを検知する第2物品検知センサSb(1)~Sb(3)の検知出力に基づいて、PLC27は、物品が排出された後には、物品排出機構4を、物品の通過を許容する許容状態に切換え制御することで、搬送経路の複数個所での物品の排出を終了させることができる。
【0079】
第2物品検知センサSb(1)~Sb(3)が排出される物品を検知している期間は、PLC27に検知出力を継続して与える。PLC27は、第2物品検知センサSb(1)~Sb(3)の検知出力の継続時間に基づいて、物品排出機構4の排出状態の継続時間、すなわち、物品排出機構4によって物品を分配搬送機構5へ排出する時間を制御する。
【0080】
上記のように、物品の投入要求があった物品排出機構4では、ガイド部材8を駆動して搬送経路に進出する排出姿勢とし、搬送される物品を、搬送経路外の分配搬送機構5の旋回コンベヤ14へ供給するので、前段搬送機構3の搬送ベルト7の始端側から供給される物品wは、物品排出機構4によって、旋回コンベヤ14からの物品の投入要求に応じて、3台の旋回コンベヤ14のいずれかに供給される。
【0081】
上記ように、組合せ秤2から各物品投入口25への物品の排出要求があると、振動フィーダ6から排出要求のあった物品投入口25へ物品が排出され、トラフ15に物品がなくなった振動フィーダ6には、分配搬送機構5から物品が投入され、物品がなくなった分配搬送機構5には、物品排出機構4によって物品が排出されて供給される。
【0082】
したがって、物品の物品供給装置1からの排出量が、組合せ秤2の計量処理能力を上回ると、組合せ秤2からの物品の排出要求はなくなる。物品の排出要求がないので、振動フィーダ6は、物品を組合せ秤2へ排出せず、振動フィーダ6に物品が存在するときには、分配搬送機構5へ物品の投入を要求することはない。物品の投入要求がないので、分配搬送機構5は、振動フィーダ6へ物品を投入せず、分配搬送機構5に物品が存在するときには、物品排出機構4へ物品の供給を要求することはない。物品の供給要求がないので、物品排出機構4は、分配搬送機構5へ物品を供給せず、前段搬送機構3の搬送ベルト7の始端部に供給された物品は、物品排出機構4を通過し、搬送ベルト7の終端側へ搬送される。
【0083】
すなわち、物品供給装置1の前段搬送機構3への物品の供給量が、一時的に、組合せ秤2の計量処理量を超えるような場合には、前段搬送機構3によって搬送される物品を、物品排出機構4のガイド部材8で排出させることなく、通過させることで対応することができる。
【0084】
このように本実施形態では、前段搬送機構3の搬送方向の上手側において、ブロイラーの解体ラインから物品を供給すると、その搬送径路の3箇所において、物品排出機構4のガイド部材8によって搬送経路外の3台の各分配搬送機構5の各旋回コンベヤ14へ排出される。排出された物品は、各旋回コンベヤ14によって、3台の各振動フィーダ6の各トラフ15にそれぞれ振分け搬送される。すなわち、前段搬送機構3の搬送方向の上手側1箇所に供給した物品を、9台の振動フィーダ6の各トラフ15に振分け搬送し、各振動フィーダ6の各トラフ15によって、物品の供給先である組合せ秤2の9個の物品投入口25へそれぞれ供給することができる。組合せ秤2では、組合せ計量を行って所定重量範囲の物品wを、図示しない下手側の包装機へ供給し、包装機で包装される。
【0085】
本実施形態のように、物品を計量して包装機で包装するシステムでは、包装機による物品の包装単位を変更する、例えば、1kgの包装単位を2kgの包装単位に変更する場合がある。また、物品の種類を変更する、例えば、物品を、ブロイラーから地鶏に変更する場合がある。以下の説明では、「物品の包装単位」及び「物品の種類」を含めて「品種」と称する場合がある。
【0086】
品種を変更する場合には、一旦、物品供給装置1、組合せ秤2、及び、包装機の運転を停止させ、組合せ秤2では、例えば、目標組合せ重量等の設定を変更し、包装機では、例えば、包装材を取替える等の所要の作業が行われる。
【0087】
この実施形態の物品供給装置1では、運転中に、そのまま品種を変更した運転に移行することはできず、一旦運転を停止させて、物品の品種の変更設定をした後に、運転を再開するようになっている。
【0088】
この物品供給装置1を一旦停止させている間、物品供給装置1の上手側の解体ラインからの物品の供給は停止されることはなく、物品は、前段搬送機構3の搬送ベルト7の搬送方向の上手側である始端部に供給され続ける。なお、物品の種類を変更する、例えば、ブロイラーを地鶏に変更するような場合にも解体ラインは停止されることはなく、ブロイラーと地鶏との供給間隔が少し広くなるだけである。
【0089】
物品供給装置1が停止している間に、前段搬送機構3の搬送ベルト7の始端部には、供給された物品が山積みとなって滞留するのを防止するために、この実施形態では、PLC27による制御モードとして、解体ラインが停止されて、物品が物品供給装置1へ供給されず、物品供給装置1の運転を停止させるような場合に対応する第1制御モードと、解体ラインは停止されず、物品が、物品供給装置1へ供給され、品種を変更するために、物品供給装置1を一時的に停止させるような場合に対応する第2制御モードとを、プログラマブル表示器29を操作して切換え設定できるようにしている。
【0090】
第1制御モードとしての連動モードが設定されている場合に、物品供給装置1の運転中に、プログラマブル表示器29よって停止操作を行うと、PLC27は、物品供給装置1の全体を停止させる。すなわち、前段搬送機構3の搬送ベルト7、物品排出機構4のガイド部材8、分配搬送機構5及び振動フィーダ6の全てを停止させる。
【0091】
この連動モードによって、物品供給装置1を停止させるのは、主に、計量システム全体の運転を停止させる場合であり、解体ラインが停止されて、物品供給装置1への物品の供給がなくなり、組合せ秤2及び包装機も停止させる場合である。
【0092】
この連動モードでは、プログラマブル表示器29によって、運転開始の操作がされたときには、物品供給装置1の全体の運転を開始する。すなわち、前段搬送機構3の搬送ベルト7、物品排出機構4のガイド部材8、分配搬送機構5及び振動フィーダ6の全てを稼動状態とし、通常の運転が開始される。
【0093】
第2制御モードとしての単独モードが設定されている場合に、物品供給装置1の運転中に、プログラマブル表示器29よって停止操作を行うと、PLC27は、分配搬送機構5及び振動フィーダ6は停止させる一方、通過モードに制御する。この通過モードでは、前段搬送機構3の搬送ベルト7は停止させることなく、駆動状態に制御すると共に、物品排出機構4のガイド部材8を、搬送径路に斜めに交差した排出状態に切換えることなく、搬送方向に沿った退避姿勢となる許容状態に制御する。これによって、通過モードでは、前段搬送機構3の搬送ベルト7によって搬送される物品は、搬送経路外へ排出されることなく、物品排出機構4を通過して、物品の搬送方向の下手側へ搬送される。
【0094】
この単独モードによって、物品供給装置1を停止させるのは、品種を変更する場合などのように、物品供給装置1、組合せ秤2及び包装機を一時的に停止させる必要があるようなときである。
【0095】
この単独モードにおける停止によって、解体ラインから供給される物品は、物品排出機構4によって搬送経路外へ排出されることなく、物品排出機構4を通過し、前段搬送機構3の搬送ベルト7の下手側へ搬送されるので、物品が、前段搬送機構3の搬送ベルト7の始端部に、山積みとなって滞留することがない。
【0096】
また、物品排出機構4によって、物品が搬送経路外へ排出されて分配搬送機構5へ供給されることがなく、一時的に停止している組合せ秤2の物品投入口25へ物品が供給されることもない。
【0097】
なお、物品供給装置1を停止させたい場合には、プログラマブル表示器29を操作して、単独モードから連動モードへ制御モードを切換え設定し、プログラマブル表示器29を停止操作すればよい。
【0098】
PLC27は、連動モードが設定されているときには、プログラマブル表示器29の停止操作に応答して、物品供給装置1を停止モードで制御し、単独モードが設定されているときには、プログラマブル表示器29の停止操作に応答して、物品供給装置1を通過モードに制御する。
【0099】
以下、品種を変更する場合について、詳細に説明する。
【0100】
先ず、物品の包装単位を変更する場合について説明する。
【0101】
品種の変更があることを想定して、プログラマブル表示器29を操作して、上記の単独モードを設定する、あるいは、品種の変更前に単独モードを設定する。
【0102】
物品の包装単位、例えば、1kgの包装単位での運転中に、包装単位を2kgに変更する場合には、プログラマブル表示器29を停止操作して、上記のように物品供給装置1の運転を一旦停止する。これによって、分配搬送機構5及び振動フィーダ6は停止する一方、通過モードとなる。この通過モードでは、前段搬送機構3の搬送ベルト7は駆動状態に制御されると共に、物品排出機構4のガイド部材8が、排出状態に切換えられることなく、物品を通過させる許容状態に制御される。
【0103】
これよって、ブロイラーの解体ラインから物品供給装置1の前段搬送機構3へ供給される物品は、物品排出機構4によって搬送経路外へ排出されることなく、物品排出機構4を通過し、前段搬送機構3の搬送ベルト7の下手側へ搬送されるので、物品が、前段搬送機構3の搬送ベルト7の始端部に、山積みとなって滞留することがない。
【0104】
物品供給装置1の運転を、単独モードで停止させる一方、組合せ秤2及び包装装置の運転を一旦停止させる。組合せ秤2では、例えば、目標組合せ重量等の設定を変更したり、包装機では、例えば、包装材を取替える等の所要の作業が行われる。
【0105】
また、物品供給装置1においても、物品供給装置1のプログラマブル表示器29を操作して、品種の変更に対応した設定変更、例えば、振動フィーダ6の振動パラメータの設定変更等を行う。
【0106】
その後、物品供給装置1のプログラマブル表示器29を操作して単独モードから連動モードへ制御モードを切換え設定する。そして、組合せ秤2及び包装機の運転を再開する一方、物品供給装置1のプログラマブル表示器29を操作して運転を再開する。
【0107】
このように物品の包装単位を変更する場合には、単独モードを設定しておくことによって、物品供給装置1の運転を停止させるための停止操作をすると、前段搬送機構3の搬送ベルト7は駆動されると共に、物品排出機構4のガイド部材8は、排出状態に切換えられることなく、許容状態に制御される通過モードになるので、ブロイラーの解体ラインから、前段搬送機構3の搬送ベルト7の始端部へ供給される物品は、物品排出機構4によって搬送経路外へ排出されることなく、物品排出機構4を通過し、搬送ベルト7によって下手側へ搬送されるので、物品が、前段搬送機構3の搬送ベルト7の始端部に山積みとなって滞留することがない。
【0108】
なお、物品の包装単位の変更の場合には、物品の種類の変更ではないので、分配搬送機構5及び振動フィーダ6の停止によって、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14及び振動フィーダ6に残った物品は、運転の再開によって、そのまま組合せ秤2へ供給される。
【0109】
次に物品の種類を変更する場合、例えば、解体ラインから物品供給装置1へ供給される物品の種類を、例えば、ブロイラーから地鶏に変更する場合について説明する。
【0110】
物品の包装単位の変更と同様に、プログラマブル表示器29によって、単独モードが設定されている。
【0111】
解体ラインから物品供給装置1へ供給される物品の種類が、ブロイラーである場合の運転中に、ブロイラーを地鶏に変更するときには、物品供給装置1の運転を一旦停止させる必要があるので、物品供給装置1のプログラマブル表示器29を停止操作する。この停止操作のタイミングは、変更前の種類であるブロイラーが、振動フィーダ6から組合せ秤2の物品投入口25へ供給された時点以降であるのが好ましい。
【0112】
単独モードにおける停止操作によって、分配搬送機構5及び振動フィーダ6は停止する一方、通過モードに制御される。この通過モードでは、前段搬送機構3の搬送ベルト7は駆動状態に制御されると共に、物品排出機構4のガイド部材8は、排出状態に切換えられることなく、物品を通過させる許容状態に制御される。
【0113】
この物品供給装置1の単独モードによる運転の停止と共に、組合せ秤2及び包装装置の運転を一旦停止させ、所要の作業が行われる。
【0114】
また、物品供給装置1においても、物品供給装置1のプログラマブル表示器29を操作して、物品の種類の変更に対応する設定の変更を行う。
【0115】
その後、物品供給装置1のプログラマブル表示器29を操作して単独モードから連動モードへ制御モードを切換え設定する。そして、組合せ秤2及び包装機の運転を再開すると共に、物品供給装置1のプログラマブル表示器29を操作して運転を再開する。
【0116】
このように物品の種類を変更する場合に、物品供給装置1の運転を停止したときには、前段搬送機構3の搬送ベルト7を駆動すると共に、物品排出機構4のガイド部材8を、排出状態に切換えることなく、許容状態に制御する通過モードにするので、搬送ベルト7の始端部へ解体ラインから供給される物品は、物品排出機構4によって搬送経路外へ排出されることなく、物品排出機構4を通過し、搬送ベルト7によって下手側へ搬送されるので、物品が、前段搬送機構3の搬送ベルト7の始端部に、山積みに滞留することがない。
【0117】
なお、物品の種類の変更の場合には、上記のように停止操作のタイミングを、
変更前の種類であるブロイラーが、振動フィーダ6から組合せ秤2の物品投入口25へ供給された時点以降のタイミングとすることによって、分配搬送機構5及び振動フィーダ6の停止によって、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14及び振動フィーダ6に残った物品は、変更後の物品である地鶏となる。したがって、運転を再開したときには、組合せ秤2へは変更後の地鶏が供給される。
【0118】
なお、前記停止操作のタイミングがずれて、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14や振動フィーダ6に、変更前の種類であるブロイラーが残った場合には、運転の再開前に、作業者が旋回コンベヤ14や振動フィーダ6から取除けばよく、あるいは、物品供給装置1の運転を再開して、変更前の種類であるブロイラーが振動フィーダ6から組合せ秤2の物品投入口25へ排出されて、変更後の種類である地鶏が組合せ秤2の物品投入口25へ排出される間は、組合せ秤2の集合コンベヤ43を、逆転駆動して包装機とは反対方向へ物品を搬送してブロイラーを排除してもよい。
【0119】
上記のように本実施形態によれば、品種を変更する場合には、単独モードを設定して停止操作を行うことによって、前段搬送機構3の搬送ベルト7を駆動すると共に、物品排出機構4のガイド部材8を、排出状態に切換えることなく、許容状態に制御する通過モードに制御するので、搬送ベルト7の始端部へ解体ラインから供給される物品が、搬送ベルト7の始端部に、山積みに滞留することがなく、物品が、組合せ秤2へ供給されることもない。
【0120】
また、本実施形態によれば、前段搬送機構3の搬送方向の上手側において物品を供給すると、その搬送径路の3箇所において、物品排出機構4のガイド部材8によって搬送経路外の3台の各分配搬送機構5の各旋回コンベヤ14へ排出される。排出された物品は、各旋回コンベヤ14によって、3台の各振動フィーダ6の各トラフ15にそれぞれ振分け搬送される。すなわち、前段搬送機構3の搬送方向の上手側1箇所に供給した物品を、9台の振動フィーダ6の各トラフ15に振分け搬送し、各振動フィーダ6の各トラフ15によって、組合せ秤2の9個の物品投入口25へ供給することができる。
【0121】
したがって、粘着性を有するブロイラーの肉片である物品wを、組合せ秤2の9個の物品投入口25へ自動で供給することができ、従来のように、作業者が、物品を一々掴んで半自動式の組合せ秤の物品投入口へ投入する作業を行う必要がなく、大幅に作業者の労力を軽減することができる。
【0122】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0123】
(1)上記実施形態では、品種を変更する場合に、通過モードに制御できるようにしたが、品種を変更する場合に限らず、例えば、旋回する旋回コンベヤ14を緊急停止させるための緊急停止スイッチ等が操作されたようなときに、通過モードに制御するようにしてもよい。
【0124】
(2)上記実施形態では、品種を変更する場合の停止操作では、分配搬送機構及び振動フィーダを停止させる一方、通過モードに制御できるようにしたが、本発明の他の実施形態として、分配搬送機構及び振動フィーダを停止させることなく、稼働状態のままで、通過モードに制御できるようにしてもよい。
【0125】
(3)上記実施形態では、品種を変更する場合の停止操作では、分配搬送機構及び振動フィーダを停止させる一方、通過モードに制御できるようにしたが、本発明の他の実施形態として、搬送経路を搬送されてきた物品を、搬送経路外へ排出することなく、通過させるようした後、すなわち、通過モードに制御した後、遅れて分配搬送機構及び振動フィーダを停止させてもよい。例えば、分配搬送機構及び振動フィーダに残存している物品を、分配搬送機構及び振動フィーダから排出した後に、分配搬送機構及び振動フィーダを停止させるようにしてもよい。
【0126】
(4)前段搬送機構は、物品wの大きさ、重量、性状、等に応じて任意に選択することができ、例えば、硬質樹脂材あるいは金属材からなる多数の横向きスラットバーを繋いで環状ベルトにしたスラット型コンベヤ、金網ベルトコンベヤ、等を利用することもできる。
【0127】
(5)物品排出機構を、搬送径路脇に、搬送方向と直交する方向に出退可能なプッシャーを配設し、プッシャーを搬送経路内へ進出させて物品を搬送経路の外側方に押出す形態とすることもできる。
【0128】
(6)第2搬送機構としての分配搬送機構は、旋回コンベヤでなくてもよくまた、コンベヤに代えて振動搬送する形態とすることもできる。
【0129】
(7)物品の供給先等によっては、第2搬送機構は、省略しても良い。例えば、第3搬送機構としての振動フィーダと同数の物品排出機構4を備えている場合には、第2搬送機構を省略して物品排出機構3が直接振動フィーダに物品を供給するようにしても良い。この場合、制御部であるPLC27は、通常モードでは前段搬送機構3、物品排出機構4、及び、振動フィーダ6を駆動状態に制御する。停止モードでは前段搬送機構3、物品排出機構4、及び、振動フィーダ6を全て停止状態に制御する。通過モードでは前段搬送機構3を駆動状態に制御すると共に物品排出機構4を許容状態に制御し、振動フィーダ6を停止状態に制御する。
【0130】
更に、第3搬送機構も省略して物品排出機構4が、半自動式の組合せ秤2の物品投入口25に物品を直接供給するようにしても良い。この場合、PLC27は、通常モードでは前段搬送機構3、及び、物品排出機構4を駆動状態に制御する。停止モードでは前段搬送機構3、及び、物品排出機構4を全て停止状態に制御する。通過モードでは前段搬送機構3を駆動状態に制御すると共に物品排出機構4を許容状態に制御する。
【0131】
(8)上記実施形態では、制御部であるPLC27は、制御モード設定部により第1制御モードとして連動モードが設定されているときには、操作部の停止操作に応答して、第1搬送機構としての前段搬送機構3、物品排出機構4、及び、第2搬送機構としての分配搬送機構5の全てを停止させ、第2制御モードとして単独モードが設定されているときには、操作部の停止操作に応答して、分配搬送機構5を停止させる一方、通過モードに制御するものとしたが、物品供給装置1に供給される物品の搬送方向の上手側の解体ラインのいずれかに、光学センサや撮像装置などの物品供給状態を検出可能な装置を設け、当該装置が検出した解体ラインから物品供給装置1への物品の供給状態に基づいて、制御モード設定部による設定モードに関わらず、制御モードを切換えるものであってもよい。例えば、連動モードが設定されているときに、物品供給装置1へ供給される物品が検出されたときには、PLC27は物品供給装置1を通過モードに制御する。
【0132】
(9)第3搬送機構としての振動フィーダは、ベルトコンベヤ式にしてもよい。
【0133】
(10)物品の供給先は、組合せ秤に限らないのは勿論であり、供給先の数も9箇所に限らず、任意である。
【0134】
(11)上記実施形態では、物品として、解体されたブロイラーの肉片に適用して説明したが、かかる肉片に限らず、物品供給装置の上手側から、当該物品供給装置への供給が殆ど停止されないような物品、例えば、物品供給装置の物品の供給先の装置が停止しても供給が停止されないような物品であればよい。
【0135】
以下に、本発明の特許請求範囲に記載の発明の他の実施態様を、その作用効果と共に付記する。
【0136】
(1)本発明の他の実施態様では、前記第2搬送機構は、前記物品排出機構で前記搬送経路外へ排出された物品を、複数個所に振分け搬送する分配搬送機構である。
【0137】
この実施態様によると、当該物品供給装置の物品の供給先に向けて物品を搬送する第2搬送機構は、物品を複数個所に振分け搬送する分配搬送機構であるので、分配搬送機構では、物品の複数の供給先にそれぞれ対応する複数個所に、物品を振分け搬送することができる。
【0138】
(2)本発明の更に他の実施態様では、前記第3搬送機構を複数備え、各第3搬送機構は、前記分配搬送機構の各振分け先に振分けられた物品を、それぞれ振動搬送する振動フィーダである。
【0139】
この実施態様によると、複数の各振動フィーダによって、複数の物品の供給先へ物品をそれぞれ振動搬送して供給することができる。
【0140】
(3)本発明の他の実施態様では、前記第1搬送機構へ供給される前記物品の種類が変更されるときには、前記制御モード設定部によって前記第2制御モードが設定されている状態で、前記操作部で前記停止操作がされる。
【0141】
第1搬送機構へ供給される物品の種類が変更されるときには、例えば、当該物品供給装置の物品の供給先の装置において、変更される物品の種類に応じた変更作業等が必要となって、供給先の装置が停止される場合がある。かかる場合には、当該物品供給装置による供給先の装置への物品の供給を停止する必要がある。
【0142】
この実施態様によると、第1搬送機構へ供給される物品の種類が変更されるときには、制御モード設定部によって第2制御モードが設定されている状態で、操作部で停止操作がされるので、第1搬送機構の物品の搬送方向の上手側に供給される物品は、物品排出機構で排出されることなく、第1搬送機構によって物品の搬送方向の下手側へ搬送されるので、供給先の装置が停止している間、供給先の装置へ物品が供給されることがなく、また、第1搬送機構の物品の搬送方向の上手側に、物品が山積みになって滞留することもない。
【0143】
(4)本発明の更に他の実施態様では、当該物品供給装置の物品の前記供給先が、組合せ秤であり、該組合せ秤によって組合せ計量されて排出される物品が包装機によって包装されるものであり、前記包装機による物品の包装単位が変更されるときには、前記制御モード設定部によって前記第2制御モードが設定されている状態で、前記操作部で前記停止操作がされる。
【0144】
当該物品供給装置の物品の供給先である組合せ秤によって、組合せ計量されて排出された物品は、包装機で包装されるが、包装機での物品の包装単位が変更されるときには、例えば、包装材の取替え作業等が必要となるために、包装機を一時停止させる必要があり、また、組合せ秤では、包装単位に応じた目標組合せ重量等の変更作業等が必要となるために、組合せ秤を一時停止させる必要がある。かかる場合には、当該物品供給装置による組合せ秤への物品の供給を停止する必要がある。
【0145】
この実施態様によると、包装機による物品の包装単位が変更されるときには、制御モード設定部によって第2制御モードが設定されている状態で、操作部で停止操作がされるので、第1搬送機構の物品の搬送方向の上手側に供給される物品は、物品排出機構で排出されることなく、第1搬送機構によって搬送方向の下手側へ搬送されるので、供給先の組合せ秤が停止している間、組合せ秤へ物品が供給されることがなく、また、第1搬送機構の搬送方向の上手側に、物品が山積みになって滞留することもない。
【符号の説明】
【0146】
1 物品供給装置
2 組合せ秤
3 前段搬送機構(第1搬送機構)
4 物品排出機構
5 分配搬送機構(第2搬送機構)
6 振動フィーダ(第3搬送機構)
8 ガイド部材
14 旋回コンベヤ
15 トラフ
27 PLC(制御装置)
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