(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-03
(45)【発行日】2023-02-13
(54)【発明の名称】電池セルの電極アセンブリの製造方法及び電池セル
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0583 20100101AFI20230206BHJP
H01M 10/0587 20100101ALI20230206BHJP
H01M 50/449 20210101ALI20230206BHJP
H01M 50/457 20210101ALI20230206BHJP
H01M 50/46 20210101ALI20230206BHJP
【FI】
H01M10/0583
H01M10/0587
H01M50/449
H01M50/457
H01M50/46
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019079829
(22)【出願日】2019-04-19
【審査請求日】2021-05-31
(32)【優先日】2018-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516309659
【氏名又は名称】ロベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100104662
【氏名又は名称】村上 智司
(72)【発明者】
【氏名】チェ ジュ・ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ホア シャルミマーラ
【審査官】宮田 透
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-526133(JP,A)
【文献】特開2009-009919(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0317375(US,A1)
【文献】特表2019-530176(JP,A)
【文献】特開2012-190697(JP,A)
【文献】特開2011-258434(JP,A)
【文献】特開2016-167416(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0237797(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0104567(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/05-10/0587
H01M 10/04
H01M 4/00- 4/62
H01M 50/40-50/497
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セル(2)の電極アセンブリ(10)を製造する方法であって、
それぞれ第1の側及び反対側の第2の側を有する連続した第1セパレータシート(41)及び連続した第2セパレータシート(42)を設け、該連続した第1セパレータシート(41)及び連続した第2セパレータシート(42)の両方の前記第1の側に接着剤層を塗布し、
前記連続した第1セパレータシート(41)
の前記第2の側と
前記連続した第2セパレータシート(42)の
前記第2の側の間に第1電極(21、22)のセグメント(31、32)を複数配置し、
前記第1セパレータシート(41)の前記第1電極(21、22)のセグメント(31、32)とは反対の側及び前記第2セパレータシート(42)の前記第1電極(21、22)のセグメント(31、32)とは反対の側に
おいて、前記接着剤層上に、第2電極(21、22)のセグメント(31、32)を
連続する前記第1電極のセグメントに対して前記第1セパレータシート(41)と前記第2セパレータシート(42)に交互に複数配置してテープ要素(50)を形成し、
前記テープ要素(50)を、前記第1電極(21、22)のセグメント(31、32)及び前記第2電極(
21、22)のセグメント(31、32)が積層方向(z)に整列するように
常に同じ方向に折り畳む
方法において、
前記第1電極(21、22)のセグメント(31、32)は、前記第1セパレータシート(41)又は前記第2セパレータシート(42)に圧力をかける熱プレスローラ(60)を用いて前記第1セパレータシート(41)と前記第2セパレータシート(42)の間にラミネートされる、方法。
【請求項2】
前記第1電極(21、22)のセグメント(31、32)は、前記第1セパレータシート(41)に圧力をかける第1熱プレス
ローラ(60)及び前記第2セパレータシート(42)に圧力をかける第2熱プレス
ローラ(60)を用いて
、前記第1セパレータシート(41)と前記第2セパレータシート(42)の間にラミネート
される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1セパレータシート(41)及び/又は前記第2セパレータシート(42)に接着剤層
が塗布
され、前記第1電極(21、22)のセグメント(31、32)
が該接着剤層上に配
置される
、請求
項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
請求
項1から3のいずれか一項に記載の方法
を用いて製造された電極アセンブリ(10)を備えた電池セル(2
)。
【請求項5】
前記電池セル(2)はリチウムイオン電池セルである、請求項4記載の電池セル(2)。
【請求項6】
電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、消費者向け電子製品又は定置用途での請求項
4又は5に記載の電池セル(2)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層方向に整列した第1電極のセグメント及び第2電極のセグメントを備えた、電池セルの電極アセンブリを製造する方法に関する。また、本発明は、本発明にかかる方法で製造された電極アセンブリを備えた電池セルに関する。
【背景技術】
【0002】
技術の現状
電気エネルギーは電池によって貯蔵することができる。電池は化学エネルギーを電気エネルギーに変える。なかでも、充電池は何度も充電及び放電を行うことができることが知られている。電池又は電池モジュールは、電気的に直列又は並列に接続された複数の電池セルを備える。
【0003】
特に、充電池又は充電池システムではリチウムイオン電池セルが使われている。リチウムイオン電池セルは比較的高いエネルギー密度を有する。リチウムイオン電池セルは、例えば自動車、特に電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)及びプラグインハイブリッド自動車(PHEV)で使われている。リチウムイオン電池セルは、1つ又は複数の電極アセンブリを備えることができる。
【0004】
電極アセンブリは、カソードと呼ばれる正電極及びアノードと呼ばれる負電極を有する。アノードとカソードはセパレータによって分離されている。電池セルの電極をテープ状に形成し、セパレータを介在させて巻き、ジェリーロールとも称される電極ロールを形成することができる。或いは、電極をシート状に形成し、セパレータのシートを介在させて重ね、電極スタックを形成することができる。
【0005】
米国特許出願公開第2013/0143088号明細書には、電極アセンブリ及びこれを準備するためのプロセスが開示されている。該文献では、複数の第1の単位電極と第2の電極シートが、第1の単位電極と第2の電極シートがセパレータシートを介して対向するように巻かれており、第1の電極と第2の電極は反対の極性を有している。
【0006】
米国特許出願公開第2016/0293994号明細書には、積層/折り畳み型の電極アセンブリ及びその製造方法が開示されている。該文献では、電極アセンブリは、連続した折り畳みセパレータシートを介在させて重畳された複数の積層型単位セルを含んでいる。
【0007】
欧州特許第2765637号明細書には、多孔性コーティング層を有するセパレータ及びこれを備えた電気化学素子が開示されている。該電気化学素子は、例えば、正電極と、負電極と、これらの間に介在するセパレータとを備えたリチウム二次電池である。
【0008】
米国特許第8,574,743号明細書には、交互セパレータ機構を備えた電気化学的装置が開示されている。該文献では、電気化学的装置は、フルセル又はバイセルを多数積層した単位セルと、これらの間に配設された分離フィルムとを備えている。これにより、反対の極性を有する電極層間に分離フィルムとセパレータが交互に積層されている。
【0009】
日本特許第5291811号明細書には、二次電池を製造する方法及び装置が開示されている。該文献では、連続した第1セパレータ上に複数の正極板及び複数の負極板が所定間隔で配置される。その後、該電極板及び第1セパレータ上に別の連続したセパレータが配置される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の開示
電池セル、特にリチウムイオン電池セルの電極アセンブリを製造する方法を提案する。本発明の方法によれば、連続した第1セパレータシートと連続した第2セパレータシートの間に第1電極のセグメントを複数配置する。このとき、前記第1電極のセグメントは、長手方向において隣り合う2つのセグメント間に間隙が残るように配置される。このとき、前記第1電極はアノードであってもカソードであってもよい。
【0011】
前記セパレータシートは、前記長手方向の広がりが短手方向の広がりよりも非常に大きい、例えば100倍~1000倍である平坦なテープである。短手方向とは、前記長手方向に直交する方向である。前記第1電極のセグメントも平坦であるが、その前記長手方向の広がりと前記短手方向の広がりは同程度である。例えば、前記第1電極のセグメントの前記長手方向の広がりは、前記短手方向の広がりの2分の1~前記短手方向の広がりの2倍である。
【0012】
その後、前記第2セパレータシートの前記第1電極のセグメントとは反対の側に第2電極のセグメントを複数配置し、同じく、前記第2セパレータシートの前記第1電極のセグメントとは反対の側に第2電極のセグメントを複数配置する。前記第1電極がアノードである場合、該第2電極はカソードである。前記第1電極がカソードである場合、該第2電極はアノードである。
【0013】
前記第2電極のセグメントも平坦であるが、その前記長手方向の広がりと前記短手方向の広がりは同程度である。例えば、前記第2電極のセグメントの前記長手方向の広がりは、前記短手方向の広がりの2分の1~前記短手方向の広がりの2倍である。前記第2電極のセグメントは前記第1電極のセグメントと同程度の広がりを有する。
【0014】
これにより、テープ要素が形成される。該テープ要素は、前記第1電極のセグメントと、前記セパレータシートと、前記第2電極のセグメントとを備えてなる。このとき、前記第1電極のセグメントが中心に配置されている。該第1電極のセグメントの周囲を前記第1セパレータシート及び前記第2セパレータシートが囲んでいる。前記第2電極のセグメントは前記セパレータシートの外側に配置されている。
【0015】
それから、前記テープ要素を、前記第1電極のセグメント及び前記第2電極のセグメントが積層方向に整列するように折り畳む。このとき、前記第1電極のセグメントと前記第2電極のセグメントの間には必ずセパレータシートが配置される。積層方向とは、前記短手方向に直交し、かつ、前記長手方向に直交する方向である。
【0016】
これにより、前記第1電極のセグメントと前記第2電極のセグメントとを交互に、都度セパレータシートを介在させて備えた電極アセンブリが形成される。このとき、前記第1電極のセグメントによって電極アセンブリの第1電極が形成され、前記第2電極のセグメントによって電極アセンブリの第2電極が形成される。
【0017】
本発明の有利な実施形態によれば、前記第1電極のセグメントは、前記第1セパレータシート又は前記第2セパレータシートに圧力をかける熱プレス部を用いて、前記第1セパレータシートと前記第2セパレータシートの間にラミネートされる。かくして、前記第1セパレータシートと前記第2セパレータシートが、特に前記第1電極のセグメント間の前記間隙において結合される。これにより、前記第1セパレータシート及び前記第2セパレータシートによって前記第1電極のセグメントを受ける袋が形成される。
【0018】
本発明の別の有利な実施形態によれば、前記第1電極のセグメントは、前記第1セパレータシートに圧力をかける第1熱プレス部及び前記第2セパレータシートに圧力をかける第2熱プレス部を用いて、前記第1セパレータシートと前記第2セパレータシートの間にラミネートされる。かくして、前記第1セパレータシートと前記第2セパレータシートが、特に前記第1電極のセグメント間の前記間隙において結合される。これにより、前記第1セパレータシート及び前記第2セパレータシートによって前記第1電極のセグメントを受ける袋が形成される。
【0019】
前記第2電極のセグメントは、前記第1セパレータシートと前記第2セパレータシートに交互に配置されることが好ましい。つまり、前記長手方向において、隣り合う前記第2電極のセグメントは前記セパレータシートの反対の側に配置される。
【0020】
本発明の有利な実施形態によれば、前記テープ要素は、常に同じ方向に、前記第1電極のセグメント及び前記第2電極のセグメントが前記積層方向に整列するように折り畳まれる。
【0021】
本発明の別の有利な実施形態によれば、前記テープ要素は、その都度反対の方向に、前記第1電極のセグメント及び前記第2電極のセグメントが前記積層方向に整列するように折り畳まれる。
【0022】
本発明のさらなる発展形態によれば、前記第1セパレータシート及び/又は前記第2セパレータシートに接着剤層が塗布され、前記第1電極のセグメントは該接着剤層上に配置される。このとき、該接着剤層は、前記第1電極のセグメントが前記第1セパレータシートと前記第2セパレータシートの間に配置される前に塗布される。
【0023】
本発明の別のさらなる発展形態によれば、前記第1セパレータシート及び/又は前記第2セパレータシートに接着剤層が塗布され、前記第2電極のセグメントは該接着剤層上に配置される。このとき、該接着剤層は、前記第2電極のセグメントが前記第1セパレータシート及び前記第2セパレータシート上に配置される前に塗布される。
【0024】
さらに、本発明にかかる方法で製造された電極アセンブリを少なくとも1つ備えた電池セル、特にリチウムイオン電池セルを提案する。
【0025】
本発明にかかる電池セルは、特に電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、定置用電池又は消費者向け電子製品に有利に用いることができる。消費者向け製品とは、特に、携帯電話、タブレット、ノート型パソコン又はハンドヘルドコンピュータである。定置用途は、例えば、風力発電所である。しかしながら、その他の応用も実現可能である。
【発明の効果】
【0026】
本発明にかかる方法は、電池セルの電極アセンブリを比較的短時間でかつ安価に製造することができる。具体的には、電極ロールの作製と電極スタックの作製の有利な特徴を組わせている。ここでは、セパレータシートは、化学結合によって相互に及び電極セグメントに接続される。
【0027】
セパレータシート間の電極セグメントのラミネートによる化学結合は、誤用試験時のセパレートシートの収縮を防止する。誤用試験とは、例えば、釘刺し試験、ホットボックス試験又は外部短絡試験である。連続したセパレータシートも折り畳み方向における機械的強度による収縮を防止する。故に、ラミネート及び連続したセパレータによって安全性が向上する。セパレータシートに接着剤層を設けると、ラミネート後にセパレータシートと電極セグメントとの化学結合がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の上記の実施形態並びに付加的な実施形態をより理解するために、以下の発明を実施するための形態を添付の図面と併せて参照すべきである。添付の図面は以下を示している。
【0029】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。図面は発明の概略的な図を提供するものにすぎない。同様の参照符号は、特段の記載がない限り、全図を通して同様の部分、要素又は構成要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1に、電池セル2の概略図を示す。電池セル2は、例えばポーチ型であり、角柱形状を有するハウジング3を備える。電池セル2は、ハウジング3内に配置された電極アセンブリ10をさらに備える。ハウジング3は、例えば、軟質材料からなる袋又はポーチである。ハウジング3は、電極アセンブリ10の周囲を囲む硬質材料からなることもできる。
【0032】
さらに、電池セル2は、負極端子15及び正極端子16を備える。端子15、16間に電池セル2の出力電圧が供給される。端子15、16は、電池セル2の充電及び放電を行うためのものである。端子15、16はハウジング3から突出している。電極アセンブリ10は、アノード11、カソード12及び該アノード11とカソード12の間に配置されたセパレータ18を備える。
【0033】
アノード11は、アノード合材21及びアノード集電体23を備える。アノード合材21とアノード集電体23は貼り合わされている。アノード集電体23は、電気伝導性を有しており、金属、特に銅からなる。アノード集電体23は電池セル2の負極端子15に電気的に接続される。アノード合材21は活物質を含む。
【0034】
カソード12は、カソード合材22及びカソード集電体24を備える。カソード合材22とカソード集電体24は貼り合わされている。カソード集電体24は、電気伝導性を有しており、金属、特にアルミニウムからなる。カソード集電体24は電池セル2の正極端子16に電気的に接続される。カソード合材22も活物質を含む。
【0035】
図2に、ラミネートプロセスの概略図を示す。連続した第1セパレータシート41が第1コイル61に設けられている。連続した第2セパレータシート42が第2コイル62に設けられている。セパレータシート41、42は、コイル61、62から長手方向xに巻き出される。セパレータシート41、42は、長手方向xの広がりが短手方向の広がりよりも非常に大きい、例えば100倍~1000倍である平坦なテープである。短手方向とは、投影面に直交し、かつ、長手方向xに直交する方向である。
【0036】
第1セパレータシート41と第2セパレータシート42の間にカソードセグメント32が複数配置される。カソードセグメント32も平坦であるが、その長手方向xの広がりと短手方向の広がりは同程度である。例えば、カソードセグメント32の長手方向xの広がりは、短手方向の広がりの2分の1~短手方向の広がりの2倍である。カソードセグメント32は、長手方向xにおいて隣り合う2つのカソードセグメント32間に間隙34が残るように配置される。間隙21は
図3に示す。
【0037】
カソードセグメント32は、第1セパレータシート41に圧力をかける熱プレス部60を用いて、第1セパレートシート41と第2セパレータシート42の間にラミネートされる。かくして、第1セパレータシート41と第2セパレータシート42が、特にカソードセグメント32間の間隙34において結合される。これにより、第1セパレータシート41及び第2セパレータシート42によってカソードセグメント32を受ける袋が形成される。
【0038】
その後、アノードセグメント31がセパレータシート41、42に複数配置され、テープ要素50が形成される。
図3に、テープ要素50の概略図を示す。テープ要素50は、アノードセグメント31と、セパレータシート41、42と、カソードセグメント32とを備えてなる。このとき、カソードセグメント32が中心に配置され、該カソードセグメント32の周囲を第1セパレータシート41及び第2セパレータシート42が囲んでいる。アノードセグメント31はセパレータシート41、42の外側に配置されている。
【0039】
アノードセグメント31も平坦であるが、その長手方向xの広がりと短手方向の広がりは同程度である。例えば、アノードセグメント31の長手方向xの広がりは、短手方向の広がりの2分の1~短手方向の広がりの2倍である。アノードセグメント31はカソードセグメント32と同程度の広がりを有する。
【0040】
既述の通り、カソードセグメント32は、長手方向xにおいて隣り合う2つのカソードセグメント32間に間隙34が残るように配置される。アノードセグメント31は、第1セパレータシート41のカソードセグメント32とは反対の側及び第2セパレータシート42のカソードセグメント32とは反対の側に配置される。
【0041】
アノードセグメント31は、第1セパレータシート41と第2セパレータシート42に交互に配置される。つまり、長手方向xにおいて、隣り合うアノードセグメント31はセパレータシート41、42の反対の側に配置される。
【0042】
図4a、
図4b及び
図4cに、
図3に挙げたテープ要素50を折り畳む際の各段階を示す。テープ要素50は、カソードセグメント32及びアノードセグメント31が積層方向zに整列するように折り畳まれる。積層方向zとは、短手方向に直交し、かつ、長手方向xに直交する方向である。
【0043】
図4aから始まり、テープ要素50の、カソードセグメント32及びアノードセグメント31をそれぞれ1つずつ含む第1部分が180°折り畳まれ、残留テープ要素50上に配置される。折り畳み方向は矢印Aで示す。このとき、該第1部分は、残残留テープ要素50の第2部分上に、該第1部分のカソードセグメント32、該第1部分のアノードセグメント31、該第2部分のカソードセグメント32及び該第2部分のアノードセグメント31が積層方向zに整列するように配置される。
【0044】
このテープ要素50の第1折り畳み工程後、前記第1部分は、前記第2部分上に
図4bに示すように配置されている。このとき、隣り合うアノードセグメント31とカソードセグメント32の間には必ずセパレートシート41,42が配置されている。
【0045】
図4cに示した第2の折り畳み工程では、前記第1部分及び前記第2部分が180°折り畳まれ、テープ要素50の第3部分上に配置される。折り畳み方向はここでも矢印Aで示す。このようなテープ要素50の折り畳み工程が、電極アセンブリ10が形成されるまで複数回繰り返される。
【0046】
本実施形態では、テープ要素50は、常に、矢印Aで示した同じ方向に折り畳まれる。代替形態では、テープ要素50は、その都度反対の方向に折り畳むことができる。
【0047】
図5に、
図1に示した電池セル2の電極アセンブリ10の概略図を示す。電極アセンブリ10は、積層方向zに整列し、都度セパレータシート41,42によって分離されたアノードセグメント31とカソードセグメント32とを交互に備えてなる。
【0048】
このとき、アノードセグメント31によって電極アセンブリ10のアノード11が形成され、カソードセグメント32によって電極アセンブリ10のカソード12が形成される。第1セパレータシート41及び第2セパレータシート42によってセパレータ18が形成される。
【0049】
アノードセグメント31は、図示しないアノードタブを備えており、該アノードタブは短手方向に突出している。該アノードタブはアノード集電体23の一部である。該アノードタブは相互に電気的かつ機械的に接続される。これにより、アノードセグメント31は、アノード11を形成する際、電気的に並列に接続される。
【0050】
カソードセグメント32は、図示しないカソードタブを備えており、該カソードタブは短手方向に突出している。該カソードタブはカソード集電体24の一部である。該カソードタブは相互に電気的かつ機械的に接続される。これにより、カソードセグメント32は、カソード12を形成する際、電気的に並列に接続される。
【0051】
説明を目的として、具体的な実施形態を参照しながら記述してきた。しかしながら、上記の説明的議論は、すべてを包括すること或いは発明を開示した形態そのものに限定することを意図したものではない。上記の教示及び添付の請求の範囲に包含される教示を踏まえた多くの変更形態及び変形形態が可能である。上記の実施形態は、他の当業者が本発明、並びに意図する用途に適した種々の変更を加えた種々の実施形態を利用できるように本発明の原理及びその実行可能な応用を説明するために選択して説明したものである。