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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-03
(45)【発行日】2023-02-13
(54)【発明の名称】ドア
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/16 20060101AFI20230206BHJP
   E06B 1/56 20060101ALI20230206BHJP
   E06B 1/18 20060101ALI20230206BHJP
【FI】
E06B5/16
E06B1/56 A
E06B1/18 M
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019098126
(22)【出願日】2019-05-24
(65)【公開番号】P2020193446
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-11-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】吉留 大介
(72)【発明者】
【氏名】近藤 祐汰
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-115510(JP,A)
【文献】実公昭63-026543(JP,Y2)
【文献】特公平06-027468(JP,B2)
【文献】実開昭57-111977(JP,U)
【文献】特開2016-142014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 5/16
E06B 1/00-1/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材料からなる室外側形材と、金属材料からなる室内側形材と、室外側形材と室内側形材を連結する断熱性を備えたブリッジ材からなる枠材を備え、
室外側形材と室内側形材は、それぞれ外周面が平坦でかつ内周面にナット部が形成された外周側壁部を備えており、
室外側形材と室内側形材の外周側壁部の外周面に、平板状の開き止め金具がナット部に対して固定手段で固定されており、固定手段は、開き止め金具の外周面から突出しておらず、
室外側形材の外周側壁部の外周面に熱膨張耐火材が開き止め金具を避けて、且つ開き止め金具に隣接して配置されており、熱膨張耐火材の厚さ寸法は開き止め金具の厚さ寸法に比べて同等か小さく形成されているドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物等の開口部に配置されるドアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物の開口部、特に玄関に配置されるドアとして、高い断熱性を有する玄関ドアが知られている。(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-164325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、建築物等の開口部に配置されるドアについて、断熱性能とともに火災時における耐火性能が求められている。
【0005】
本発明は、サッシにおいて、断熱性能及び耐火性能を合わせて備えるドアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、金属材料からなる室外側形材と、金属材料からなる室内側形材と、室外側形材と室内側形材を連結する断熱性を備えたブリッジ材からなる枠材を備え、室外側形材と室内側形材は、それぞれ外周面が平坦でかつ内周面にナット部が形成された外周側壁部を備えており、室外側形材と室内側形材の外周側壁部の外周面に、平板状の開き止め金具がナット部に対して固定手段で固定されており、固定手段は、開き止め金具の外周面から突出しておらず、室外側形材の外周側壁部の外周面に熱膨張耐火材が開き止め金具を避けて、且つ開き止め金具に隣接して配置されており、熱膨張耐火材の厚さ寸法は開き止め金具の厚さ寸法に比べて同等か小さく形成されているドアである。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態のドアの構成により、断熱性能及び耐火性能を合わせて付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るドアの内観図である。
図2】本発明の一実施形態に係るドアの竪断面図であり、図1のx-x断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係るドアの横断面図であり、図1のy-y断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係るドアの枠体の斜視図である
図5】本発明の一実施形態に係るドアの枠体の断面図であり、(a)は開き止め金具を固定する前の状態を示す図であり、(b)は開き止め金具を固定した後の状態を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係るドアの枠体の断面図であり、(a)は幅広の開き止め金具を固定した状態を示す図であり、(b)は開き止め金具を固定した後の状態を示す他の実施形態の図である。
図7】本発明の一実施形態に係るドアの竪枠の下方部分の拡大斜視図であり、開き止め金具を固定する前の状態を示す図である
図8】本発明の一実施形態に係るドアの竪枠の下方部分の拡大斜視図であり、開き止め金具を固定した後の状態を示す図である
図9】本発明の一実施形態に係るドアの竪枠の上方部分の拡大斜視図であり、幅広の開き止め金具を固定する前の状態を示す図である
図10】本発明の一実施形態に係るドアの竪枠の上方部分の拡大斜視図であり、幅広の開き止め金具を固定した後の状態を示す図である
図11】本発明の他の実施形態に係るドアの竪枠の下方部分の拡大斜視図であり、開き止め金具を固定した後の状態を示す図である
図12】本発明の他の実施形態に係るドアの竪枠の上方部分の拡大斜視図である
図13】本発明の実施形態に係るドアの枠体にネジ部を設ける工程を説明する説明図である
図14】本発明の他の実施形態に係るドアの竪断面図である。
図15】本発明の他の実施形態に係るドアの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態は、建物の玄関のリフォームに用いられる防火リフォーム玄関ドアである。以下、図面を参考に説明する。
【0010】
実施形態の防火リフォーム玄関ドアは、図1に示すように、上枠11、下枠12及び左右の竪枠13,13を四周に組んでなるドア枠1と、ドア枠1の内周に配置されて人の出入り口を開閉する主ドア2と、副ドア3を備えている。
【0011】
(ドア枠の上枠)
ドア枠1を構成する上枠11は、図2に示すように、躯体開口部Aの内周面室外側に配置される上室外側形材111と、躯体開口部の内周面室内側に配置される上室内側形材112と、上室外側形材111と上室内側形材112を連結する上ブリッジ材113を有している。
【0012】
上室外側形材111は、アルミ合金等の押出形材により形成され、断面略矩形中空形状をなしており、室内側面に上ブリッジ材113を係合するための係合部を有している。
そして、上室外側形材111は、室外側内周面(下面)に上枠11と主ドア2及び副ドア3の上面との間の空間に雨水等が侵入するのを防止する水切り片s1が設けられているとともに、外周面には、加熱発泡材fが配置されている。
【0013】
上室内側形材112は、アルミ合金等の押出形材により形成され、本体部と、本体部の下面から下方に延設される戸当り片部112kを有しており、本体部の室外側に上ブリッジ材113を係合する係合部を有している。
そして、上室内側形材112は、戸当り片部112kの屋外側面に、ドア閉鎖時に主ドア2及び副ドア3の上方室内側面に当接する戸当たり材t1が設けられている。
【0014】
上ブリッジ材113は、例えば合成樹脂等の断熱性を備える材料により形成され、上室外側形材111と上室内側形材112の間に上下に間を空けて配置される二つのブリッジ材113a,113bから構成されている。
そして、上室外側形材111と上室内側形材112が上ブリッジ材113により連結されることで、上枠11が形成されている。
【0015】
上枠11は、上室内側形材112が躯体開口部Aにネジb1等によりネジ止め固定されることで躯体開口部Aに固定されており、上室外側形材111の屋外側には、上枠11と躯体との間を塞ぐカバー部材114がネジ止め固定等によって取り付けられている。
【0016】
(ドア枠の下枠)
ドア枠1を構成する下枠12は、図2に示すように、アルミ合金等の押出形材により形成され、躯体開口部Aの内周面を覆う見込み壁部12aと、見込み壁部12aの室内側に立ち上がる戸当り壁部12bを有し、戸当り壁部12bの屋外側面に、ドア閉鎖時に主ドア2及び副ドア3の下方室内側面に当接する戸当たり材t2が設けられている。
【0017】
(ドア枠の竪枠)
ドア枠1を構成する左右の竪枠13,13は、図3に示すように、同一形状をしており、躯体開口部Aの内周面室外側に配置される竪室外側形材131と、躯体開口部Aの内周面室内側に配置される竪室内側形材132と、竪室外側形材131と竪室内側形材132を連結する竪ブリッジ材133を有している。
【0018】
竪室外側形材131は、アルミ合金等の押出形材により形成され、断面略矩形中空形状をなしており、室内側面に竪ブリッジ材133を係合するための係合部を有している。
また、竪室外側形材131は、外周面に加熱発泡材fが配置されている。
【0019】
竪室内側形材132は、アルミ合金等の押出形材により形成され、本体部と、本体部の内周面から内周方向に延設される戸当り片部132kを有しており、本体部の室外側に竪ブリッジ材133を係合する係合部を有している。
そして、竪室内側形材132は、戸当り片部132kの屋外側面にドア閉鎖時に主ドア2もしくは副ドア3の左右端室内側面に当接する戸当たり材t3が設けられている。
【0020】
竪ブリッジ材133は、例えば合成樹脂等の断熱性を備える材料により形成され、竪室外側形材131と竪室内側形材132の間に左右に間を空けて配置される二つのブリッジ材133a,133bから構成されている。
そして、竪室外側形材131と竪室内側形材132が竪ブリッジ材133により連結され、竪枠13,13が形成されている。
【0021】
竪枠13は、竪室内側形材132が躯体開口部Aにネジb3等により固定されることで躯体開口部Aに固定されており、竪室外側形材131の屋外側には、竪枠13と躯体との間を塞ぐカバー部材134がネジ止め固定等によって取り付けられている。
【0022】
そして、ドア枠1は、図4に示すように、左右の竪枠13,13の内周面に上枠11及び下枠12の左右端部を突き合わせてタッピングネジ等によって固定されることで、四周に組んで形成されている。
【0023】
(主ドア)
主ドア2は、図1ないし図3に示すように、樹脂製の芯材21の室内外に鋼板等の板材22a,22bを配置し、板材間に発泡板材等からなる断熱材23が配置されて形成されており、中央部分にはガラス等が嵌め込まれてなる明採り部24が形成されている。
そして、主ドア2の左右両竪辺には、アルミ合金等の框材25,25が配置され、左竪枠13の内周面にヒンジ81によって支持されている。
【0024】
(副ドア)
副ドア3は、主ドア2と同様に、樹脂製の芯材31の室内外に鋼板等の板材32a,32bを配置し、板材32a,32b間に発泡板材等からなる断熱材33が配置されて形成されており、中央部分にはガラス等が嵌め込まれてなる明り採り部34が形成されている。
そして、副ドア3の左右両竪辺には、アルミ合金等の框材35,35が配置され、右竪枠13の内周面にヒンジ82によって支持されている。
【0025】
(ドア枠の開き止め構造)
以上、リフォーム玄関ドアは、ドア枠1を室外側形材と室内側形材を断熱性を有するブリッジ材によって連結して形成することで断熱性能を向上させている。
しかし、室外側形材と室内側形材を連結するブリッジ材は、断熱性を有する樹脂材料等によって形成されていることから、火災発生時にブリッジ材が熱により溶けて室外側形材と室内側形材が分離してしまい、室外側形材が躯体から外れて玄関ドアが崩壊する危険性があった。
【0026】
そこで、本実施形態の防火リフォーム玄関ドアのドア枠1は、室外側形材と室内側形材を連結する開き防止部材(金具)を設けることで、火災時にブリッジ材が溶けても室外側形材と室内側形材との分離を防ぎ、玄関ドアが崩壊することを防止している。
以下、本実施形態の防火リフォーム玄関ドアのドア枠1、特に、上枠11及び左右の竪枠13,13の構成について、左の竪枠13を例にあげて、図面を参考に説明する。
【0027】
開き止め部材(金具)5は、スチール等の金属材料からなる平板から形成され、本実施形態の玄関ドアの左の竪枠13(ドア枠)においては、図4に示すように、室外側形材131と室内側形材132が竪枠13の長さ方向複数個所(3箇所)において平板状の開き止め金具51,52,53によって連結されている。
【0028】
本実施形態の竪枠13(ドア枠)は、図5(a)に示すように、(竪)室外側形材131と、(竪)室内側形材132と、(竪)ブリッジ材133を有している。
【0029】
室外側形材131は、躯体開口部Aに対向する外周側壁部131aと、ドア枠1の内周面を形成する内周側壁部131bと、外周側壁部131aと内周側壁部131bの室内側同士を連絡する室内側壁部131cと、外周側壁部131aと内周側壁部131bの室外側同士を連絡する室外側壁部131dを有する断面略矩形中空形状の形材により形成されている。
【0030】
室外側形材131は、室内側壁部131cの室内側面に2条のブリッジ材係合部131e,131fが形成されており、外周側壁部131aの外周面は平坦面に形成されている。
そして、室外側形材131は、外周側壁部131aの内周面にナット部131hが形成されている。
【0031】
室内側形材132は、躯体開口部Aに対向する外周側壁部132aと、ドア枠1の内周面を形成する内周側壁部132bと、外周側壁部132aと内周側壁部132bの室内側同士を連絡する室内側壁部132cを有する断面略U字状の形材により形成されている。
【0032】
室内側形材132は、外周側壁部132aの室内側端と内周側壁部132bの室内側端にそれぞれブリッジ材係合部132d,132eが形成されており、外周側壁部132aの外周面は平坦面に形成されている。
そして、室内側形材132は、外周側壁部132aの内周面にナット部132hが形成されている。
【0033】
竪ブリッジ材133は、内周側に配置されるブリッジ材133aと、外周側に配置されるブリッジ材133bの2つの部材からなる。そして、両ブリッジ材133a,133bが室外側形材131のブリッジ材係合部131e,131fと室内側形材132のブリッジ材係合部132d,132eに係合され、室外側形材131と室内側形材132は外周面が面一となるように連結され、竪枠13を形成している。
【0034】
室外側形材131のナット部131hと室内側形材132のナット部132hは、各形材の長さ方向複数個所に形成されており、図7図9に示すように、ブリッジ材133によって連結された室外側形材131のナット部131hと室内側形材132のナット部132hは、長手方向で位置が一致するように配置されている。
【0035】
そして、本実施形態の竪枠13(ドア枠)は、図5(b)に示すように、室外側形材131及び室内側形材132の平坦な外周面に平板状の開き止め金具5が当接され、開き止め金具5はネジ等の固定手段7,7によってナット部131h,132hに固定されている。
【0036】
開き止め金具5を固定するネジ等の固定手段7は、開き止め金具5を竪枠13に固定した状態でネジ頭が開き止め金具5の外周側に突出することがなく、竪枠13は、外周面が平坦な面として維持されている。
なお、固定手段7を開き止め金具5の外周側に突出させないようにするために、開き止め金具5に固定手段7のネジ頭等を収容する空間を設ければよいが、開き止め金具5の外周側に突出させないための構成は限定されるものではない。
【0037】
竪枠13の上方位置に配置される開き止め金具51は、図9図10に示すように、主ドア2もしくは副ドア3を支持するヒンジ81,82が取り付けられる位置にあわせて配置されており、図4及び図6(a)に示すように、竪枠13の中間位置及び下方位置に配置される開き止め金具52,53に比べて見込み方向及び見付け方向の寸法が大きく形成され、主ドア2もしくは副ドア3を支持するヒンジ81,82の補強部材を兼用している。
【0038】
そして、図5図7ないし図10に示すように、竪枠13は、室外側形材131の外周面に熱膨張耐火材f131,f132が配置されている。
熱膨張耐火材f131,f132は、室外側形材131の外周面に見込み方向に2条に隣設されており、上方位置に配置される開き止め金具51によって上下に分断されている。
【0039】
室外側形材131の外周面に配置される熱膨張耐火材f131,f132の厚さ寸法は、開き止め金具51,52,53の厚さ寸法に比べて同等か小さく形成されており、ドア枠1の外周面の平坦状態を維持している。
【0040】
なお、室外側形材131の外周面に配置される熱膨張耐火材の配置形態は限定されるものではない。
例えば、竪枠13は、図6(b),図11図12に示すように、室外側形材131の外周面の室外側位置に長手方向全長に熱膨張耐火材f131が配置され、熱膨張耐火材f131の室内側に配置される熱膨張耐火材f132のみが上方位置に配置される開き止め金具51によって上下に分断されていてもよい。
それによって、室外側に配置される熱膨張耐火材f131は、竪枠13の長手方向に連続して配置されることとなり、竪枠13と障子との間を確実に閉塞することができる。
また、熱膨張耐火材を2条に配置することで、竪枠13に複数配置される開き止め金具5の寸法によっては一方の熱膨張耐火材を分断して配置することができ、施工が容易となる。
【0041】
開き止め金具5を固定するナット部131h、132hは、ホップナット等によって設けることが好ましい。
例えば、図13(a),(b)に示すように、鍔部6aを有するポップナット6の雌ネジ部6bに対して取付冶具61の雄ネジ部61aを螺合し、取付冶具61が取付けられたポップナット6を、図13(c)に示すように、室外側形材131もしくは室内側形材132の外周側壁部131a,132aに形成された孔に挿入する。
【0042】
その後、取付冶具61の雄ネジ部61aを引っ張ることでポップナット6の雌ネジ部6bを変形させ、図13(d)に示すように、鍔部6aと変形した部位6cで外周側壁部131a,132aを挟持させて固定する。
最後に、図13(e)に示すように、取付冶具61の雄ネジ部61aを回転させてポップナット6から外すことで、室外側形材131及び室内側形材132の外周側壁部131a,132aの内周面にナット部131h,132hを形成することができる。
【0043】
以上のように、各実施形態の玄関ドアにおいては、ドア枠の外周面が面一に形成されているので、躯体開口部に対して取付が簡単で、かつ、正確に位置決めして取り付けることができる。
また、室外側形材及び室内側部材が、複数個所で開き防止金具によって連結されているので、断熱性能を維持しながら、火災時に室外側形材と室内側部材が分離することを防止して、防火性能を高めることができる。
【0044】
また、開き止め金具を、平板状に形成し、ドア枠の内周に設けられたナット部とネジ等の固定手段を用いてドア枠(室外側形材及び室内側部材)を連結しているが、ナット部に固定される固定手段が開き止め金具が外周側に突出することを抑えているので、四周に組んだドア枠と躯体開口部との間の必要なクリアランスを小さく抑えることができ、施工性を維持することができる。
【0045】
さらに、開き止め金具の室外側に隣接して熱膨張耐火材を配置しているので、竪枠を躯体に固定するためのネジ孔を塞がず、躯体に直接固定されていない室外側部材がガタついて躯体開口部から離間しても、室外側部材と躯体開口部との間を熱膨張耐火材によって埋めることができ、ドア枠と躯体開口部との間に隙間が空くことを防止することができる。
【0046】
そして、熱膨張耐火材の厚み寸法を開き止め金具の厚み寸法と同等かもしくは小さくしているので、四周組したドア枠を躯体開口部に配置するときに熱膨張耐火材が躯体開口部に接触して剥がれ落ちる等の施工ミスを防止することができる。
【0047】
以上、本実施形態の玄関ドアについて説明したが、例えば、室内側部材を断面中空形状に形成したり、室外側部材を断面略U字状に形成したりするなど、ドア枠を構成する枠体の断面形状は何ら限定されるものでもない。
【0048】
また、ドアについても、副ドアを有さないドアや勝手口などのドアでもよい。
例えば、防火リフォーム玄関ドアは、図14図15に示すように、既設ドア枠の内周に配置され、上枠11、下枠12及び左右の竪枠13,13を四周に組んでなるドア枠1と、ドア枠1の内周に配置されて人の出入り口を開閉するドア2を有するドアでもよい。
【0049】
図14に示す上枠11は、躯体開口部Aに固定された既設上枠101の内周面に配置されている。
上枠11は、上室外側形材111と、上室内側形材112と、上室外側形材111と上室内側形材112を連結する上ブリッジ材113を有しており、上室内側形材112が躯体開口部Aにネジb1等によりネジ止め固定されることで躯体開口部Aに固定されている。
上室外側形材111の屋外側には、上枠11と躯体との間を塞ぐカバー部材114がネジ止め固定等によって取り付けられているとともに、上室内側形材112の屋内側には、上枠11と躯体との間を塞ぐ内カバー部材115が取り付けられている。
【0050】
また、図14に示す下枠12は、躯体開口部Aに固定された既設下枠102の内周側に配置されている。
下枠12は、見込み壁部12aと、見込み壁部12aの室内側に立ち上がる戸当り壁部12bを有しており、戸当り壁部12bが躯体開口部Aにネジb2等によりネジ止め固定されることで躯体開口部Aに固定されている。
【0051】
また、図15に示す左右の竪枠13,13は、躯体開口部Aの内周面に固定された既設竪枠103の内周側に配置されており、竪室外側形材131と、竪室内側形材132と、竪室外側形材131と竪室内側形材132を連結する竪ブリッジ材133を有しており、竪室外側形材131及び竪室内側形材132が躯体開口部Aにネジb3等により固定されることで躯体開口部Aに固定されている。
竪室外側形材131の屋外側には、竪枠13と躯体との間を塞ぐカバー部材134がネジ止め固定等によって取り付けられているとともに、竪室内側形材132の屋内側には、竪枠13と躯体との間を塞ぐ内カバー部材135が取り付けられている。
【0052】
以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0053】
1 :ドア枠
13 :竪枠
131 :(竪)室外側形材
131h :ナット部
132 :(竪)室内側形材
132h :ナット部
133 :ブリッジ材
51-53:開き止め金具
f131-f132:熱膨張耐火材

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15