(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-03
(45)【発行日】2023-02-13
(54)【発明の名称】ワイパ装置
(51)【国際特許分類】
B60S 1/24 20060101AFI20230206BHJP
【FI】
B60S1/24
(21)【出願番号】P 2019114803
(22)【出願日】2019-06-20
【審査請求日】2022-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】川端 悠介
(72)【発明者】
【氏名】マルバイ レデントル バナヤデオ
(72)【発明者】
【氏名】パチェコ ジャン ジェリー ドゥ
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-215975(JP,A)
【文献】特開2009-227016(JP,A)
【文献】特開2011-105098(JP,A)
【文献】特開2017-124675(JP,A)
【文献】特開2009-190698(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2738054(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のピボット軸と、
前記第1のピボット軸の基端部を回転可能に支持するブラケットと、
前記ブラケットよりも前記第1のピボット軸の先端部側に配置され、前記第1のピボット軸に固定される第1のリンクアーム、前記第1のリンクアームの駆動側に連結される第2のリンクアーム、及び前記第1のリンクアームの従動側に連結される第3のリンクアームを備えるリンク機構と、
前記第1のリンクアームと、前記第2のリンクアーム及び前記第3のリンクアームのいずれか一方と、に対して前記ブラケットの反対側に配置されたピボットカバーと、を備え、
前記ピボットカバーは、
前記第1のピボット軸が挿入された挿入部と、前記挿入部の周囲に形成される板状の本体部と、前記本体部に突設され前記ブラケットに固定される複数の固定部とを備え、
前記固定部は、
前記第1のピボット軸の先端部から基端部に向かう方向に前記本体部から延在された脚部と、前記脚部の一端に設けられ前記ブラケットを前記第1のピボット軸の軸方向から挟持する係合部とを有することを特徴とするワイパ装置。
【請求項2】
前記第2のリンクアーム及び前記第3のリンクアームは、長手方向が水平方向に沿うように配置されており、 前記第2のリンクアームは、前記第3のリンクアームよりも重力方向の下方に位置しており、
前記ピボットカバーは、
前記第1のリンクアーム及び前記第2のリンクアームに対して前記ブラケットの反対側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のワイパ装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のワイパ装置において、
前記リンク機構を介して前記第1のピボット軸に回転力を与える電動モータを備え、
前記リンク機構は、
前記第2のリンクアームに前記電動モータを連結する第4のリンクアームと、
前記第3のリンクアームに第2のピボット軸を連結する第5のリンクアームと、
を備え、
前記第1のピボット軸及び前記第2のピボット軸の先端部に固定される第1のワイパアーム及び第2のワイパアームと、
を備えることを特徴とするワイパ装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイパ装置において、
前記第3のリンクアームは、長手方向が水平方向に沿うように配置されており、
前記ピボットカバーは、
前記第3のリンクアームの長手方向に対して交差する水平方向において、前記第2のリンクアームに対して前記第1のピボット軸の反対側に設けられた第1の排水部と、
前記第3のリンクアームの長手方向に対して交差する水平方向において、前記第2のリンクアームと前記第3のリンクアームとの間に設けられた第2の排水部と、
を備えることを特徴とするワイパ装置。
【請求項5】
前記電動モータは、前記第3のリンクアームの長手方向において前記第1のピボット軸と前記第2のピボット軸との間に配置されており、
前記ピボットカバーは、
前記本体部における前記第1のピボット軸に対して前記第3のリンクアームと反対側の端部に設けられた第1の排水部と、
前記本体部における前記第1のピボット軸に対して前記第3のリンクアームの側の端部であって前記第1のピボット軸よりも前記電動モータの側の端部に設けられた第2の排水部と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のワイパ装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のワイパ装置において、
前記ピボットカバーは、前記固定部と前記本体部との接続部の近傍に孔部を有し、
前記ブラケットは、前記孔部と係合する凸部を有することを特徴とするワイパ装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のワイパ装置において、
前記第1のリンクアームに装着されたカバー部材をさらに備えることを特徴とするワイパ装置。
【請求項8】
前記カバー部材は、
前記第1のリンクアームにおける前記第1のピボット軸の先端部側を向く面を覆う上面部と、
前記上面部に設けられ前記第1のピボット軸が挿入された装着部と、
前記上面部の幅方向の両側辺から突設された一対の側壁部と、
前記側壁部の端部に設けられ前記第1のリンクアームに係止される係止部と、
を有することを特徴とする請求項7に記載のワイパ装置。
【請求項9】
前記カバー部材は、前記第1のリンクアームの長手方向における重力方向下側の端部に、前記上面部から前記第1のピボット軸の先端部側に向かって突出する壁部を有することを特徴とする請求項8に記載のワイパ装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のワイパ装置において、
前記第2のリンクアームに装着されたロッドカバーをさらに備え、
前記ロッドカバーは、
前記第2のリンクアームにおける前記第1のピボット軸の先端部側を向く面の全面を覆う被覆部と、
前記被覆部の幅方向の両側辺から突設された一対の側面被覆部と、
前記側面被覆部の端部に設けられ前記第2のリンクアームに係止される係止部と、
を有することを特徴とするワイパ装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のワイパ装置において、
前記挿入部は、前記第1のピボット軸に非接触に挿入されていることを特徴とするワイパ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ワイパ装置として、車体の内側から挿通孔を経てピボット軸が突出され、ピボット軸でワイパアームを揺動させて、ワイパアームに取り付けられたワイパブレードでフロントガラスを払拭する構成が知られている。このワイパ装置は、ブラケットを介して車体の内側に取り付けられ、ブラケットに対してピボット軸の先端側にクランクアームが固定されている。また、クランクアームに対してピボット軸の先端側に、ピボットカバーがピボット軸に嵌合された状態で配置され、ブラケットに固定されている。ピボットカバーでピボット軸の周囲を覆うことにより、挿通孔から車体内に浸入した雨水等をピボットカバーで受けて排水する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のワイパ装置は、クランクアームがブラケットに対してピボット軸の先端側に固定され、クランクアームに対してピボット軸の先端側にピボットカバーが配置されている。また、クランクアームはピボット軸を軸にして摺動移動(揺動移動)する。よって、摺動移動するクランクアームを避けてピボットカバーをブラケットに固定する必要があり、ブラケットに取り付ける箇所が少なくなることが考えられる。このため、ピボットカバーを防水性、排水性に適した形状に確保することが難しく、この観点から改良の余地が残されていた。
【0005】
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、防水性、排水性に優れたピボットカバーを備えたワイパ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明に係るワイパ装置は、第1のピボット軸と、前記第1のピボット軸の基端部を回転可能に支持するブラケットと、前記ブラケットよりも前記第1のピボット軸の先端部側に配置され、前記第1のピボット軸に固定される第1のリンクアーム、前記第1のリンクアームの駆動側に連結される第2のリンクアーム、及び前記第1のリンクアームの従動側に連結される第3のリンクアームを備えるリンク機構と、前記第1のリンクアームと、前記第2のリンクアーム及び前記第3のリンクアームのいずれか一方と、に対して前記ブラケットの反対側に配置されたピボットカバーと、を備え、前記ピボットカバーは、前記第1のピボット軸が挿入された挿入部と、前記挿入部の周囲に形成される板状の本体部と、前記本体部に突設され前記ブラケットに固定される複数の固定部とを備え、前記固定部は、前記第1のピボット軸の先端部から基端部に向かう方向に前記本体部から延在された脚部と、前記脚部の一端に設けられ前記ブラケットを前記第1のピボット軸の軸方向から挟持する係合部とを有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係るワイパ装置において、前記第2のリンクアーム及び前記第3のリンクアームは、長手方向が水平方向に沿うように配置されており、前記第2のリンクアームは、前記第3のリンクアームよりも重力方向の下方に位置しており、前記ピボットカバーは、前記第1のリンクアーム及び前記第2のリンクアームに対して前記ブラケットの反対側に配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るワイパ装置において、請求項1または請求項2に記載のワイパ装置において、前記リンク機構を介して前記第1のピボット軸に回転力を与える電動モータを備え、前記リンク機構は、前記第2のリンクアームに前記電動モータを連結する第4のリンクアームと、前記第3のリンクアームに第2のピボット軸を連結する第5のリンクアームと、を備え、前記第1のピボット軸及び前記第2のピボット軸の先端部に固定される第1のワイパアーム及び第2のワイパアームと、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るワイパ装置において、前記第3のリンクアームは、長手方向が水平方向に沿うように配置されており、前記ピボットカバーは、前記第3のリンクアームの長手方向に対して交差する水平方向において、前記第2のリンクアームに対して前記第1のピボット軸の反対側に設けられた第1の排水部と、前記第3のリンクアームの長手方向に対して交差する水平方向において、前記第2のリンクアームと前記第3のリンクアームとの間に設けられた第2の排水部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るワイパ装置において、前記電動モータは、前記第3のリンクアームの長手方向において前記第1のピボット軸と前記第2のピボット軸との間に配置されており、前記ピボットカバーは、前記本体部における前記第1のピボット軸に対して前記第3のリンクアームと反対側の端部に設けられた第1の排水部と、前記本体部における前記第1のピボット軸に対して前記第3のリンクアームの側の端部であって前記第1のピボット軸よりも前記電動モータの側の端部に設けられた第2の排水部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るワイパ装置において、前記ピボットカバーは、前記固定部と前記本体部との接続部の近傍に孔部を有し、前記ブラケットは、前記孔部と係合する凸部を有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係るワイパ装置において、前記第1のリンクアームに装着されたカバー部材をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係るワイパ装置において、前記カバー部材は、前記第1のリンクアームにおける前記第1のピボット軸の先端部側を向く面を覆う上面部と、前記上面部に設けられ前記第1のピボット軸が挿入された装着部と、前記上面部の幅方向の両側辺から突設された一対の側壁部と、前記側壁部の端部に設けられ前記第1のリンクアームに係止される係止部と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明に係るワイパ装置において、前記カバー部材は、前記第1のリンクアームの長手方向における重力方向下側の端部に、前記上面部から前記第1のピボット軸の先端部側に向かって突出する壁部を有することを特徴とする。
【0015】
本発明に係るワイパ装置において、前記第2のリンクアームに装着されたロッドカバーをさらに備え、前記ロッドカバーは、前記第2のリンクアームにおける前記第1のピボット軸の先端部側を向く面の全面を覆う被覆部と、前記被覆部の幅方向の両側辺から突設された一対の側面被覆部と、前記側面被覆部の端部に設けられ前記第2のリンクアームに係止される係止部と、を有することを特徴とする。
【0016】
本発明に係るワイパ装置において、前記挿入部は、前記第1のピボット軸に非接触に挿入されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1のピボット軸に挿入された挿入部を有するピボットカバーに、複数の固定部を備える。これにより、ワイパ装置に防水性、排水性に優れたピボットカバーを備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る実施形態のワイパ装置を備えた車両を示す正面図。
【
図3】実施形態におけるワイパ装置を示す分解斜視図。
【
図4】実施形態におけるピボットカバーを示す斜視図。
【
図5】実施形態におけるピボットカバーを下方から見た状態を示す斜視図。
【
図6】実施形態におけるピボットカバーから第1のブラケットを外して下方から見た状態を示す斜視図。
【
図7】実施形態におけるカバー部材及びロッドカバーを示す平面図。
【
図8】実施形態におけるカバー部材及びロッドカバーを下方から見た状態を示す斜視図。
【
図9】実施形態における
図7のIX-IX線に沿う断面図。
【
図10】実施形態における
図7のX-X線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態に係るワイパ装置について、図面を参照して説明をする。
(車両)
図1は、ワイパ装置5を備えた車両1を示す正面図である。尚、以下の説明において、重力方向上下を単に上方向、下方向と称し、重力方向に直交する方向を水平方向と称して説明する場合がある。
図1に示すように、車両1には、フロントガラス2を払拭するために、第1のワイパブレード3aと第2のワイパブレード3bとが設けられている。
【0020】
第1のワイパブレード3aは、第1のワイパアーム4aの先端に取り付けられている。第1のワイパブレード3aは、第1のワイパアーム4aに内装されている不図示のスプリングにより、フロントガラス2側に向かって付勢されている。第2のワイパブレード3bは、第2のワイパアーム4bの先端に取り付けられている。第2のワイパブレード3bは、第2のワイパアーム4bに内装されている不図示のスプリングにより、フロントガラス2側に向かって付勢されている。
【0021】
車両1の内部には、各ワイパアーム4a,4bを駆動して払拭動作を行わせるためにワイパ装置5が設けられている。このワイパ装置5の払拭パターンは、各ワイパアーム4a,4bを支持する各ピボット軸6a,6bがフロントガラス2の車幅方向運転席側と車幅方向略中央に配置される所謂タンデム式になっている。そして、各ワイパアーム4a,4bはワイパ装置5により駆動されて上反転位置と下反転位置との間で同一方向に揺動してフロントガラス2を払拭する。
【0022】
(ワイパ装置)
図2は、ワイパ装置5を示す斜視図である。
図1、
図2に示すように、ワイパ装置5は、ワイパモータ8と、出力軸9と、リンク機構10と、第1のピボット軸6a及び第2のピボット軸6bと、第1のワイパアーム4a及び第2のワイパアーム4bと、第1のブラケット(ブラケット)12及び第2のブラケット13と、を備えている。
【0023】
ワイパ装置5は、第1のブラケット12及び第2のブラケット13がパイプフレーム15で連結されている。第1のブラケット12及び第2のブラケット13が車両1に取り付けられることにより、ワイパ装置5が車両1の内部に固定されている。
第1のブラケット12の支持部17(
図5参照)に第1のピボット軸6aの基端部6a2が回転可能に支持されている。第1のブラケット12は、ピボットカバー32の位置決め孔部49(後述する)と係合する凸部18(
図3も参照)を有する。第1のブラケット12の凸部18については後で説明する。
また、第2のブラケット13の支持部19に第2のピボット軸6bの基端部6b2が回転可能に支持されている。
【0024】
第1のピボット軸6aは、フロントガラス2の下方の車幅方向外側に配置されている。第2のピボット軸6bは、フロントガラス2の下方の車幅方向略中央に配置されている。第1のピボット軸6aの先端部6a1には、第1のワイパアーム4aの基端が固定されている。また、第2のピボット軸6bの先端部6b1には、第2のワイパアーム4bの基端が固定されている。
【0025】
第1のピボット軸6a及び第2のピボット軸6bは、リンク機構10により、同期して回転可能に連結されている。リンク機構10は、出力軸9を介してワイパモータ8に連結されている。出力軸9は、第1のブラケット12に回転可能に支持されている。出力軸9にワイパモータ8が連結されている。ワイパモータ8は、第1のブラケット12に取り付けられ、出力軸9に連結する減速機23と、減速機23に連結する電動モータ22とを備えている。ワイパモータ8は、後述する第2のリンクコンロッド29の長手方向において第1のピボット軸6aと第2のピボット軸6bとの間に配置されている。ワイパモータ8は、電動モータ22の回転を出力軸9に減速機23を介して伝達する。出力軸9の回転がリンク機構10で揺動運動に変換される。つまり、ワイパモータ8は、リンク機構10を介して第1のピボット軸6a及び第2のピボット軸6bを正逆回転させる。
【0026】
(リンク機構)
図3は、ワイパ装置5を示す分解斜視図である。
図2、
図3に示すように、リンク機構10は、第1のクランクアーム(第4のリンクアーム)25と、第1のリンクコンロッド(第2のリンクアーム)26と、第2のクランクアーム(第1のリンクアーム)27と、第3のクランクアーム(第5のリンクアーム)28と、第2のリンクコンロッド(第3のリンクアーム)29と、ピボットカバー32と、カバー部材33と、ロッドカバー34と、を備えている。
【0027】
第1のクランクアーム25は、基端が出力軸9に固定され、先端が第1のリンクコンロッド26の一端26aに第1のボールジョイント36を介して揺動可能に連結されている。すなわち、第1のリンクコンロッド26には、第1のクランクアーム25、出力軸9等を介してワイパモータ8が連結されている。
すなわち、第1のリンクコンロッド26は、他端26bが第2のクランクアーム27の一端27aに第2のボールジョイント37を介して揺動可能に連結されている。すなわち、第2のクランクアーム27は、一端27aが、ワイパモータ8の回転を伝達する駆動側になる。
【0028】
第2のクランクアーム27は、中間部27bが第1のピボット軸6aの基端部6a2に固定されている。また、第2のクランクアーム27は、他端27cが第2のリンクコンロッド29の一端29aに第3のボールジョイント38を介して揺動可能に連結されている。すなわち、第2のクランクアーム27は、他端27cが、ワイパモータ8の回転が伝達される従動側になる。
このように、第2のクランクアーム27は、一端27aに第1のリンクコンロッド26が連結されており、他端27gに第2のリンクコンロッド29が連結されている。さらに、第2のクランクアーム27は、一端27aと他端27cとの間の中間部27bに第1のピボット軸6aの基端部6a2が固定されている。
【0029】
また、第2のリンクコンロッド29は、他端29bが第3のクランクアーム28の先端に第4のボールジョイント39を介して揺動可能に連結されている。第2のリンクコンロッド29は、長手方向が車幅方向に延び、かつ、重力方向に交差する水平方向に沿うように配置されている。第1のリンクコンロッド26は、長手方向が第2のリンクコンロッド29の長手方向に対して平行に延び、かつ、水平方向に沿うように配置されている。具体的には、第2のリンクコンロッド29の車体前方で、かつ、第2のリンクコンロッド29の下方に第1のリンクコンロッド26が配置されている。
第3のクランクアーム28は、基端が第2のピボット軸6bの基端部6b2に固定されている。すなわち、第2のリンクコンロッド29に第3のクランクアーム28を介して第2のピボット軸6bに連結されている。
【0030】
(ワイパ装置の動作)
次に、ワイパ装置5の動作について説明する。
ワイパモータ8の電動モータ22が作動することにより、電動モータ22の回転が減速機23を経て出力軸9から出力される。出力軸9の回転が第1のクランクアームに伝達され、第1のクランクアーム25が揺動する。第1のクランクアーム25が揺動することにより、第1のリンクコンロッド26を介して第2のクランクアーム27の一端27aが作動し、第2のクランクアーム27が第1のピボット軸6aを軸に回転する。
第2のクランクアーム27が回転することにより第1のピボット軸6aが回動する。第1のピボット軸6aが回動することにより、第1のピボット軸6aの先端部6a1に取り付けられた第1のワイパアーム4a(
図1参照)が第1のピボット軸6aと一体に所定範囲内を揺動運動する。
【0031】
また、第1のピボット軸6aに固定された第2のクランクアーム27と、第2のピボット軸6bに固定された第3のクランクアーム28とが、第2のリンクコンロッド29等を介して連結されている。よって、第2のクランクアーム27が回転することにより第3のクランクアーム28が揺動する。第3のクランクアーム28が揺動することにより第2のピボット軸6bが回動する。
【0032】
これにより、
図1に示すように、第2のピボット軸6bの先端部6b1に取り付けられた第2のワイパアーム4bも、第1のワイパアーム4aと同期して所定範囲内を揺動運動する。第1のワイパアーム4a及び第2のワイパアーム4bが揺動運動することにより、第1のワイパブレード3a及び第2のワイパブレード3bでフロントガラス2を払拭する。
【0033】
(ピボットカバー)
図4は、ピボットカバー32を示す斜視図である。
図5は、ピボットカバー32を下方から見た状態を示す斜視図である。
図6は、ピボットカバー32から第1のブラケット12を外して下方から見た状態を示す斜視図である。
図4から
図6に示すように、ピボットカバー32は、第2のクランクアーム27及び第1のリンクコンロッド26に対して第1のブラケット12の反対側(すなわち、上方)に配置されている。ピボットカバー32は、第2のクランクアーム27及び第1のリンクコンロッド26の上方に配置された状態において、第2のクランクアーム27及び第1のリンクコンロッド26の下方に位置する第1のブラケット12に固定されている。
【0034】
ピボットカバー32は、挿入部42と、本体部43と、複数の固定部44,45,46と、第1の排水部47と、第2の排水部48と、位置決め孔部(孔部)49と、カバー周壁51と、を有する。
本体部43は、板状に形成され、第2のクランクアーム27及び第1のリンクコンロッド26の上方において、概ね水平に配置されている。本体部43の内部に挿入部42が形成されている。換言すれば、挿入部42の周囲に板状の本体部43が形成されている。
【0035】
挿入部42は、本体部43の表面に対して直交する方向を向いて貫通された環状に形成され、本体部43の表面から第1のピボット軸6aに沿って上方へ向けて立ち上げられている。挿入部42に第1のピボット軸6aが下方から非接触に挿入され、本体部43の表面から上方に突出されている。
挿入部42に第1のピボット軸6aが非接触に挿入されることにより、第1のピボット軸6aが回動する際に、摺動抵抗を小さく抑え、第1のピボット軸6aの摺動効率を高めることができる。
【0036】
本体部43には、複数の固定部44,45,46が設けられている。複数の固定部44,45,46として、例えば、第1の固定部44、第2の固定部45、第3の固定部46を例示するが、これに限定するものではない。
第1の固定部44は、本体部43のうち、挿入部42が設けられている第1の端部43aにおいて、第2のリンクコンロッド29の長手方向の一方の端部43bに形成されている。本体部43の一方の端部43bは、第1のピボット軸6aに対して出力軸9の側の端部である。さらに、一方の端部43bは、第2のリンクコンロッド29の長手方向に交差する水平方向において、第2のリンクコンロッド29と第1のリンクコンロッド26との間の空間に位置する。
【0037】
第2の固定部45は、第1の端部43aにおいて、第2のリンクコンロッド29の長手方向の他方の端部43cに形成されている。本体部43の他方の端部43cは、第1のピボット軸6aに対して出力軸9の反対側の端部である。他方の端部43cは、第2のクランクアーム27の中間部27bの近傍の空間に位置する。
【0038】
第3の固定部46は、本体部43のうち第2の端部43dに形成されている。第2の端部43dは、第2のリンクコンロッド29の長手方向に交差する水平方向において、第1のピボット軸6aに対して第1の端部43aの反対側で、かつ、第1のリンクコンロッド26を超えた位置である。さらに、第2の端部43dは、第1のリンクコンロッド26の近傍の空間に位置する。
第1の固定部44、第2の固定部45、及び第3の固定部46は、第1のピボット軸6aの周囲において、第1のピボット軸6aの近傍の空間に位置する。
【0039】
第1の固定部44は、脚部53と、係合部54と、を有する。
脚部53は、第2のピボット軸6bの先端部6b1から基端部6b2に向かう方向に向けて(すなわち、下方に向けて)本体部43から延在されている。
係合部54は、脚部53の一端(下端)に設けられ、第1のブラケット12の裏面に接触する方向に突出されている。第1のブラケット12の表面には当接部55が接触されている。当接部55は、脚部53のうち、第1のブラケット12の表面側の部位に形成されている。よって、第1のブラケット12の表面に当接部55が接触され、第1のブラケット12の裏面に係合部54が接触される。これにより、第1のブラケット12が第1のピボット軸6aの軸方向から当接部55と係合部54とに挟持される。すなわち、第1の固定部44は、第1のブラケット12に固定されている。
【0040】
第2の固定部45は、脚部57と、係合部58と、当接部59と、を有する。第2の固定部45は、第1の固定部44と同様に、第1のブラケット12が第1のピボット軸6aの軸方向から当接部59と係合部58とに挟持される。すなわち、第2の固定部45は、第1のブラケット12に固定されている。
第3の固定部46は、脚部62と、係合部63と、当接部64と、を有する。第3の固定部46は、第1の固定部44と同様に、第1のブラケット12が第1のピボット軸6aの軸方向から当接部64と係合部63とに挟持される。すなわち、第3の固定部46は、第1のブラケット12に固定されている。
【0041】
第1の固定部44、第2の固定部45、及び第3の固定部46の3つの固定部は、第1のピボット軸6aの周囲において、第1のピボット軸6aの近傍の空間に位置した状態で第1のブラケット12に固定されている。よって、ピボットカバー32は、本体部43が、第2のクランクアーム27及び第1のリンクコンロッド26の上方に配置された状態において安定した状態に保持されている。
すなわち、第1のブラケット12とピボットカバー32との間に第2のクランクアーム27、第1のリンクコンロッド26が介在している状態において、各固定部44,45,46により、ピボットカバー32を第1のブラケット12に安定して固定できる。
これにより、ピボットカバー32を水平方向において大きな形状に形成できる。
以下、ピボットカバー32の防水性、排水性について説明する。
【0042】
本体部43の周縁にはカバー周壁51が本体部43に対して直交するように上方へ向けて立ち上げられている。また、本体部43に第1の排水部47及び第2の排水部48(
図2も参照)が設けられている。
第1の排水部47は、本体部43における第1のピボット軸6aに対して第2のリンクコンロッド29と反対側の第2の端部43dに設けられている。換言すれば、第1の排水部47は、第2のリンクコンロッド29の長手方向に対して交差する水平方向において、第1のリンクコンロッド26に対して第1のピボット軸6aの反対側の第2の端部43dに設けられている。第1の排水部47は、底部47a、両側のカバー周壁51で断面U字状に形成され、第1のピボット軸6aの反対側を向いて開口されている。底部47aは、第1の排水部47の開口に向けて下り勾配に形成されている。
【0043】
第2の排水部48は、第2のリンクコンロッド29の長手方向の一方の端部43bにおいて、第1の固定部44より挿入部42寄りの部位に設けられている。換言すれば、第2の排水部48は、第2のリンクコンロッド29の長手方向に対して交差する水平方向において、第2のリンクコンロッド29と第1のリンクコンロッド26との間の空間(いわゆる、デッドスペース)を利用して設けられている。第2の排水部48は、断面U字状に形成され、第2のリンクコンロッド29の側に開口されている。
【0044】
第2の排水部48を第2のリンクコンロッド29と第1のリンクコンロッド26との間の空間を利用して設けることにより、第2の排水部48を、例えば、第2の固定部45の側に設ける必要がない。よって、ピボットカバー32を第2の固定部45の側に大きく張り出す必要がなく、ピボットカバー32をコンパクトに形成できる。これにより、ワイパ装置5を車両1の空間に取り付ける際のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0045】
ここで、ピボットカバー32は、ワイパ装置5が車両1に取り付けられた状態において、第1の端部43aが第2の端部43dより上方に配置されている。よって、ピボットカバー32に滴下した雨水等は、第1の端部43aに比べて第2の端部43dの側に流れる。そこで、第2の排水部48に対して第1の排水部47が大きく形成されている。これにより、ピボットカバー32に滴下した雨水等を第1の排水部47から好適に排水できる。
【0046】
ここで、車両1の走行中に、例えば、ピボットカバー32に滴下した雨水等が、第1の端部43aの側に流れることが考えられる。そこで、第2の排水部48を、第1の端部43aの一方の端部43bにおいて、第1の固定部44より挿入部42寄りの部位に設けるようにした。よって、第1の端部43aの側に流れた雨水等を第2の排水部48から好適に排水できる。
尚、第1の端部43aには、カバー周壁51が立ち上げられている。よって、第1の端部43aの側に流れた雨水等が第1の端部43aから滴下されることを抑制できる。
これにより、ピボットカバー32に第1の排水部47及び第2の排水部48の2つの排水部を設けることで、第1のピボット軸6aの付近から浸入した雨水等を、車両1の下側や、第2のクランクアーム27から遠ざけた位置に排水できる。
また、第1の端部43aには、挿入部42が立ち上げられている。よって、第1の端部43aの側に流れた雨水等が挿入部42から滴下されることを抑制できる。
【0047】
また、ピボットカバー32の本体部43に位置決め孔部49が形成されている。位置決め孔部49は、接続部66の近傍に形成されている。接続部66は、第1の固定部44と本体部43とを接続する部位である。すなわち、位置決め孔部49は、第1の固定部44の近傍に設けられている。
位置決め孔部49は、第1のブラケット12の凸部18(
図2、
図3参照)に係合する。位置決め孔部49を第1のブラケット12の凸部18に係合することにより、ピボットカバー32の第1のブラケット12に対して位置決めができる。
特に、位置決め孔部49が第1の固定部44の近傍に設けられることにより、第1の固定部44を第1のブラケット12に容易に位置決めできる。
【0048】
ここで、
図2、
図3に示すように、第1のブラケット12、リンク機構10、及びピボットカバー32の本体部43が、第1のピボット軸6aの基端部6a2から先端部6a1に向かう方向において順に配置されている。具体的には、第1のブラケット12、第2のクランクアーム27及び第1のリンクコンロッド26、ピボットカバー32が、第1のピボット軸6aの基端部6a2から先端部6a1に向かう方向において順に配置されている。
この状態に、ピボットカバー32の第1の固定部44、第2の固定部45、第3の固定部46の3か所が第1のブラケット12に固定されている。よって、ピボットカバー32は、本体部43が、第2のクランクアーム27及び第1のリンクコンロッド26の上方に配置された状態において安定した状態に保持されている。
【0049】
すなわち、第1のブラケット12とピボットカバー32との間に第2のクランクアーム27、第1のリンクコンロッド26が介在している状態において、各固定部44,45,46により、ピボットカバー32を第1のブラケット12に安定して固定できる。
よって、ピボットカバー32を水平方向において大きな形状に形成できる。これにより、ピボットカバー32の防水性、排水性を向上させ、ピボットカバー32を防水性、排水性に優れた部材とすることができる。
【0050】
(カバー部材)
図3、
図6に示すように、第2のクランクアーム27は、例えば、上面27dと、両側面27eと、下面27fと、を有する。上面27dの幅方向の両側辺と、下面27fの幅方向の両側辺とが両側面27eで連結されている。上面27dは、第2のクランクアーム27における第1のピボット軸6aの先端部6a1の側を向く面である。
上面27d、両側面27e、及び下面27fで第2のクランクアーム27が、例えば、断面矩形状に形成されている。第2のクランクアーム27の中間部27bにカバー部材33が装着されている。
【0051】
図7は、カバー部材33及びロッドカバー34を示す平面図である。
図8は、カバー部材33及びロッドカバー34を下方から見た状態を示す斜視図である。
図9は
図7のIX-IX線に沿う断面図である。
図7から
図9に示すように、カバー部材33は、上面部33aと、装着部33bと、一対の側壁部33cと、複数の係止部33dと、壁部33eと、を有する。
上面部33aは、第2のクランクアーム27のうち中間部27bの上面27dを覆う。装着部33bは、上面部33aに環状に形成され、第1のピボット軸6aの延長方向に貫通されている。装着部33bは、上面27dから突出された第1のピボット軸6aに嵌合されている。この状態において、装着部33bと第1のピボット軸6aとの間が閉塞された状態に保たれている。
【0052】
一対の側壁部33cは、上面部33aの幅方向の両側辺から両側面27eに沿って下方へ向けて張り出されている。一対の側壁部33cは、下側壁部33fが第2のクランクアーム27の下面27fから下方へ向けて突設されている。複数の係止部33dは、一対の側壁部33cの端部(具体的には、下側壁部33f)に設けられ、第2のクランクアーム27の下面27fに係止されている。
複数の係止部33dは、例えば、一対の側壁部33cを弾性変形させることにより、第2のクランクアーム27の下面27fに係止される。これにより、カバー部材33は、第2のクランクアーム27の中間部27bに固定されている。
【0053】
カバー部材33が第2のクランクアーム27の中間部27bに固定された状態において、装着部33bと第1のピボット軸6aとの間が閉塞された状態に保たれている。また、カバー部材33は、ピボットカバー32の挿入部42と第1のピボット軸6a(
図4参照)との隙間の下方に配置されている。
よって、例えば、ピボットカバー32の挿入部42と第1のピボット軸6aとの隙間から雨水等が滴下した際に、滴下した雨水等をカバー部材33で受けることができる。カバー部材33で受けた雨水等を上面部33aから一対の側壁部33cを経て下側壁部33fから好適に排水できる。これにより、挿入部42から滴下した雨水等の被水をカバー部材33で防止できる。
尚、ピボットカバー32の挿入部42と第1のピボット軸6aとの隙間をオイルシールで閉塞することも可能である。
【0054】
上面部33a及び一対の側壁部33cに壁部33eを有する。ここで、第2のリンクコンロッド29は、第1のリンクコンロッド26より上方に配置されている。よって、第2のクランクアーム27は、一端27aが他端27cより下方に位置する。そこで、壁部33eを、第2のクランクアーム27の一端27aの側の端部33iに形成するようにした。つまり、壁部33eは、第2のクランクアーム27の長手方向における重力方向下側に設けられている。
【0055】
壁部33eは、第1の壁部位33gと、一対の第2の壁部位33hと、を有する。第1の壁部位33gは、上面部33aから第1のピボット軸6aの先端部6a1の側に向けて突出されている。一対の第2の壁部位33hは、一対の側壁部33cから水平方向に向けて突出されている。
カバー部材33に壁部33eを形成することにより、カバー部材33に付着した水滴が、例えば、カバー部材33の上面部33aを伝って第1のリンクコンロッド26の一端27aの側へ流れることを抑制できる。
尚、第2のリンクコンロッド29にカバー部材33を設けることも可能である。
【0056】
(ロッドカバー)
図3に示すように、第1のリンクコンロッド26は、リンク機構10の摺動中において、一端26aの側や、他端26bの側が、上下方向においてピボットカバー32から外れた位置に配置される。すなわち、一端26aの第1のボールジョイント36の側や、他端26bの第2のボールジョイント37の側が、上下方向においてピボットカバー32から外れた位置に配置される。
第1のボールジョイント36や第2のボールジョイント37への雨水等の浸入を抑制する必要がある。そこで、第1のリンクコンロッド26にロッドカバー34を上方から装着するようにした。
【0057】
図10は
図7のX-X線に沿う断面図である。
図7、
図8、
図10に示すように、第1のリンクコンロッド26は、例えば、上面26cと、両側面26dと、下面26eと、を有する。上面26cは、第1のリンクコンロッド26における第1のピボット軸6aの先端部6a1の側を向く面である。
上面26cの幅方向の両側辺と、下面26eの幅方向の両側辺とが両側面26dで連結されている。上面26c、両側面26d、及び下面26eで第1のリンクコンロッド26が、例えば断面矩形状に形成されている。
【0058】
ロッドカバー34は、被覆部34aと、一対の側面被覆部34bと、複数の係止部34cと、庇部34dと、複数の位置決めピン34eと、を有する。被覆部34aは、第1のリンクコンロッド26の上面26cの全面を覆う。被覆部34aの幅方向の両側辺から一対の側面被覆部34bが下方へ向けて突設されている。一対の側面被覆部34bは、第1のリンクコンロッド26の両側面26dを覆うように、両側面26dに沿って配置されている。
一対の側面被覆部34bのうち、第2のボールジョイント37に対応する箇所において、一対の側面被覆部34bから庇部34dが水平方向に張り出されている。
【0059】
複数の係止部34cは、一対の側面被覆部34bの下端部(端部)に設けられている。複数の係止部34cは、第1のリンクコンロッド26の下面26eに係止されている。この状態において、複数の位置決めピン34eが第1のリンクコンロッド26の位置決め孔26fに挿入されている。
複数の位置決めピン34eが位置決め孔26fに挿入されて位置決めされた状態において、複数の係止部34cが第1のリンクコンロッド26の下面26eに係止される。この状態において、第1のリンクコンロッド26の長手方向全域がロッドカバー34で上方から覆われている。
【0060】
図3、
図7に示すように、第1のリンクコンロッド26は、リンク機構10の摺動中において、一端26aの第1のボールジョイント36の側や、他端26bの第2のボールジョイント37の側が、上下方向においてピボットカバー32から外れた位置に配置される。
第1のリンクコンロッド26の長手方向全域がロッドカバー34で上方から覆われることにより、第1のボールジョイント36や第2のボールジョイント37がロッドカバー34で覆われている。
【0061】
これにより、第1のリンクコンロッド26の側に滴下した雨水等が、第1のボールジョイント36や第2のボールジョイント37に回り込むように浸入することをロッドカバー34で抑制できる。
さらに、一対の庇部34dが第2のボールジョイント37に対応する箇所に設けられている。これにより、第1のリンクコンロッド26の側に滴下した雨水等が、第2のボールジョイント37に回り込むように浸入することを一対の庇部34dで一層良好に抑制できる。
【0062】
尚、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
【符号の説明】
【0063】
1…車両1、4a,4b…第1、第2のワイパアーム、5…ワイパ装置、6a,6b…第1、第2のピボット軸、6a1,6b1…先端部、6a2,6b2…基端部、10…リンク機構、12…第1のブラケット(ブラケット)、18…凸部、22…電動モータ、25…第1のクランクアーム(第4のリンクアーム)、26…第1のリンクコンロッド(第2のリンクアーム)、26c…上面(第2のリンクアームにおける第1のピボット軸の先端部の側を向く面)、27…第2のクランクアーム(第1のリンクアーム)、27a…第2のクランクアームの一端、27d…上面(第1のリンクアームにおける第1のピボット軸の先端部の側を向く面)、28…第3のクランクアーム(第5のリンクアーム)、29…第2のリンクコンロッド(第3のリンクアーム)、32…ピボットカバー、33…カバー部材、33a…上面部、33b…装着部、33c…一対の側壁部、33d…係止部、33e…壁部、33i…カバー部材の端部(第2のクランクアームの一端の側の端部)、34…ロッドカバー、34a…被覆部、34b…一対の側面被覆部、34c…係止部、42…挿入部、43…本体部、44…第1の固定部(複数の固定部)、45…第2の固定部(複数の固定部)、46…第3の固定部(複数の固定部)、47…第1の排水部、48…第2の排水部、49…位置決め孔部(孔部)、53,57,62…脚部、54,58,63…係合部、66…接続部