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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-03
(45)【発行日】2023-02-13
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/54 20060101AFI20230206BHJP
   A47C 3/16 20060101ALI20230206BHJP
   A47C 3/18 20060101ALI20230206BHJP
【FI】
A47C7/54 B
A47C7/54 F
A47C3/16
A47C3/18 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019182423
(22)【出願日】2019-10-02
(65)【公開番号】P2021058230
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】519003848
【氏名又は名称】偉建実業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100159189
【弁理士】
【氏名又は名称】日比野 香
(72)【発明者】
【氏名】黄 偉
(72)【発明者】
【氏名】西村 章
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04966413(US,A)
【文献】特開2013-095357(JP,A)
【文献】特開2004-041493(JP,A)
【文献】特開2004-065530(JP,A)
【文献】特開平06-022828(JP,A)
【文献】特開2018-171990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/54
B60N 2/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座者の上半身を保持するために、座部を回転させる台座部と、腰部安定・保持するため左右側部を斜め上方へと曲折し、座面後方を上方へ曲折した座部、左右両肩部が左右に旁出した背もたれ部及びヘッドレスト部をそれぞれ前後に可動・保持するようにヒンジで接続構成し、その背もたれ部左右旁出部に、上腕部と前腕部で構成する腕支持部をそれぞれ可動・下方から保佐あるいは保持するようにヒンジで接続した全体の構成とし、その背もたれ部左右旁出部に設けた腕支持部の上腕保持部のアームは、左右それぞれのアームが水平前方位置から斜め下方へと上下に可動、かつ任意の角度で保持するようにヒンジで接続し、その上腕保持部のアームと前腕部アームとは、肘あたりで左右それぞれの前腕部アームが前方位置から斜め内側へと左右水平に回動、かつ任意の角度で保持するようにヒンジで接続したもので、その左右の腕支持部はそれぞれ個別に操作することが可能としたことを特徴とした(座椅子を含む)椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子(座椅子を含む)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の椅子や座椅子に設けられた肘掛は、肘を掛ける或いは前腕部をのせるために使用されており、それはほぼ水平状態に固定されたものや、ほぼ水平にした肘掛を跳ね上げ式にしたもの或いは上下に回動することを可能としたものが一般的であった。
この様な肘掛付き椅子或いは座椅子は休息などのための着座用が一般的であって、肘掛はせいぜい肘をかけたり、前腕部を載置する程度のように用いられたに過ぎないものであった。
【0003】
しかし、近年ではスマホやタブレットなどの普及に伴い、椅子や座椅子に座りながら長時間手首や指先のみを使って娯楽や作業等をする機会が増えてきており、同様に電子ブックや読書等のように長時間同じような姿勢や体勢を保持することが行われている。そしてそのような作業等の姿勢をとることは従来休息のため等の着座姿勢にはなかった腕を上げ、頭を下げた姿勢、所謂スマホ姿勢といわれている腕を上げ、頭を下に向ける姿勢・体勢で首や肩、背中に負荷がかかり痛みが生じるストレートネック(首等に負荷のかかる従来の姿勢を示す図8参照)なる症状に罹る人が多くなってきており、腕や体に多大な負荷がかかってくるという問題が生じてきている。
【0004】
この様な新たな椅子や座椅子の使用状況の変化の中で生じた問題を解決するためには、従来からの椅子や座椅子に設けていたような肘掛などのみでは対応できなくなってきている。
【0005】
この改善策として、上半身や頭部の楽な姿勢体勢を保持するとともに長時間中空に持ち上げている上腕と前腕を下方から優しく保持することにより手首と手先の作業等に集中できるようにする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平9-267678号公報
【文献】特開2013-215224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1及び2に記載の椅子及び座椅子にあっては、跳ね上げ機構による肘掛と、使用時に肘掛けを得る可倒式アームレストであるため、着座者の上腕及び前腕を自由な位置角度で下方から保持する事が出来ず、長時間の作業等姿勢を得る事が出来ないという問題が生じている。
そのため肘をのせる或いは肘をかけるのみではなく着座者の姿勢やスマホや作業等の際の腕等の疲労を軽減するために左右に腕支持部機構を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の構成を基本とする。
(1) 椅子又は座椅子の座部上方を回転させる台座部と、腰部安定・保持するため左右側部を斜め上方へと曲折し、座面後方を上方へ曲折した座部と左右両肩部が左右に旁出した背もたれ部及びヘッドレスト部をそれぞれ前後に可動・保持するようにしたヒンジで接続構成され、背もたれ部上方寄りの背もたれ部左右旁出部両側に上腕と前腕をそれぞれ保持する腕保持部を設けたことを特徴とする。
(2) 座部と背もたれ部及び背もたれ部とヘッドレストはそれぞれヒンジで接続され、それぞれに上下方向に回動することにより適時な角度で固定する事が出来る。
(3) 背もたれ部と腕保持部の上腕部と前腕部もそれぞれヒンジで接続されるが、背もたれ部と上腕部を接続するヒンジにより上腕部は水平前方位置から斜め下方へと上下に回動、角度固定し、上腕部と前腕部を接続するヒンジにより前腕部は前方正面位置から斜め内側へと左右水平方向へ回動、或いは回動・角度固定することを特徴とする。
(4) 着座者は自分にとって快適な着座姿勢に合わせるため、上記(2)により疲れにくい背もたれ角度、首に優しい頭部保持角度に調節をする。
そして、着座者の作業等、つまり、長時間行うスマホ、電子書籍、手先の細かい作業など を行うために上腕や前腕を下方から保持することにより疲れにくい保持角度を上記(3)により調整する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、着座者が着座時に左右の腕支持部を左右に広げてゆったりとして着座する事 が出来、着座する人のスマホ操作や読書などの目的のために、着座者の体形や体勢に対応した背もたれ角度及びヘッドレスト角度を調整することができ、着座者の目的に応じた体勢をとるためにスマホ等の目的物を手に取り着座者の体勢の負担を和らげ、腕の負担や疲れにくい状態を得るために、上腕と前腕の位置や角度を自由に調整、セットすることが可能であり、さらに着座姿勢を変化させたいときにも各部の位置や角度を随時再調整や微妙な調整を可能とするものである。さらに着座姿勢から立ち上がる時にも左右の腕部を左右に広げるなどすることにより容易に立ち上がることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
(実施例1)
図1】6の台座部にクッションカバーを被せた椅子部を載置した場合の実施方法を示した斜視図である。
図2】16の台座フレームに椅子フレーム部を載置した方法を示した斜視図である。
図3】(A)クッションカバーを被せた椅子部の腕保持部を上下に回動する状態を示した右側面図である。
図4】(B)フレーム部の腕保持部を上下に回動する状態を示した右側面図である。
図5】(A)クッションカバーを被せた椅子部の前腕部を左右に回動する状態を示した平面図である。
図6】(B)フレーム部の前腕部を左右に回動する状態を示した平面図である。
図7】クッションカバーを被せた椅子部に着座してスマホ等を使用している状態を示した正面図である。
図8】クッションカバーを被せた椅子部の背もたれ部の回動状態を示す右側面図である。
図9】クッションカバーを被せた椅子部のヘッドレストの回動状態を示す右側面図である。
図10】従来から見られる椅子部においては、首や肩、背中に負荷がかかり痛みが生じる所謂ストレートネックな姿勢を示す右側面図である。
図11】クッションカバーを被せた椅子部でスマホ等を使用している状態を示す右側面図である。
図12】クッションカバーを被せた椅子部で作業等をしないときでもゆったりと過ごせる状態を示した斜視図である。(実施例2)
図13】脚部にクッションカバーを被せた椅子部を載置した場合の実施方法を示した斜視図である。
図14】脚部に椅子フレームの椅子部を載置した場合の実施方法を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示す座椅子の構成は台座部6に座部2が回転するように載置し、背もたれ部とヘッドレスト部が前後に動き、任意な角度を保持する事が出来る構成とし、背もたれ上部左右に旁出した部分に水平前方位置から斜め下方へと上下に動く右上腕部4ALと同様な動きをする左上腕部4AR(図3図4参照)、さらにそのそれぞれの先に左右に前方位置から斜め内側へと左右水平に動く右腕部4BLと同様に動く左前腕部4BRとで構成されている。
【0012】
図2に示す座椅子の金属材等で構成されたフレーム構造10は、台座部16の上に座部12を回転するように載置し、背もたれ部13とヘッドレスト15をヒンジ20とヒンジ21で前後に動き、任意の角度に保持できるようにした構成とし、背もたれ上部旁出した部分の左右に右上腕部14ALと左上腕部14ARを左右ヒンジ22で水平前方位置から斜め下方へと上下に動き、任意の角度に保持できるようにし、そのそれぞれの先にヒンジ23で接続した前腕部を前方位置から斜め内側へと水平に左右に動くようにした、或いはヒンジ23で左右に動くようにし任意の角度で保持する事が出来るようにした右腕部14BLと同様に動く左前腕部14BRとで構成されている。
【0013】
台座部16と座部12の間には回転台24を設けて座部が左右に回転する事が出来るようにしている。
【0014】
フレーム構成のうち、図2に示すように座面左右側部12を斜め上方へと曲折し、後方の立ち上げた部位3Aと背もたれ中央部の3Bの横幅は同様とし、その上部13の肩相当部は左右に張り出した横広幅とした構成にしている。



【0015】
背もたれ部とヘッドレストは図8図9に示すようにラチェエット機構等により前後に動き、着座者の意とする任意な角度で上半身及び首を保持する事が出来る。
【0016】
腕部4R,4Lは、ラチェット機構等を有するヒンジ22によりほぼ水平位置P1から下方P2程の位置までの間を多段階に可動し、着座者の望む位置に固定し、腕を保持する。そしてその腕部の先の前腕部はラチェット機構等を有するヒンジ23によりほぼ前方並行さしだし位置P11から前側腕組み状のP12程の位置までの間を多段階に可動し、着座者の望む位置に固定し、前腕を保持する。或いはただ単にヒンジ23により左右に自由に可動することもできる。
【0017】
この様な背もたれ部、ヘッドレスト、上腕部、前腕部と各ヒンジの構成により、図7図11に示すように着座者が望む姿勢維持とともに、スマホやタブレット等の長時間の使用に対しても背もたれ等姿勢や、上腕と前腕を下から保持することにより上腕及び前腕のしびれや疲れ等を防ぐ事が出来るものである。また、図12のように前腕を上半身に引き寄せ身体が抱きかかえられ包まれたようにすることもできるためリラックス効果を得る事も出来る。さらに、その様子は抱き枕を抱えたような安心感やリラックス効果も期待できる。
【0018】
また、着座するときや退座するときには、上腕部及び前腕部の上下動と左右に広き、開動することにより着座や退座をスムーズに行うことができる
【0019】
なお、ヒンジ23を介さなくとも上腕から前腕部が左右等に可動し着座者を囲い込むような動きをし、腕を下方から保持するなど上述と同様な機能を生じる場合には合成樹脂などの可撓性のある素材とすることとしてもよい。
【0020】
図13図14は、椅子脚部に設置した状態を示す。
【符号の説明】
【0021】
1 クッションカバーを被せた椅子部
2 クッションカバーを被せた椅子部の座部。
3 椅子部の背もたれ部
4L クッションカバーを被せた椅子部の左腕保持部
4R クッションカバーを被せた椅子部の右腕保持部
5 ヘッドレスト部
6 台座部
10 椅子部フレーム図
12 フレーム座部
13 フレーム背もたれ部
14L フレーム左腕保持部
14R フレーム右腕保持部
15 フレームヘッドレスト部
16 フレーム台座
20 フレーム背もたれヒンジ
21 フレームヘッドレストヒンジ
22 フレーム上腕ヒンジ
23 フレーム前腕ヒンジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14