(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-03
(45)【発行日】2023-02-13
(54)【発明の名称】プリント回路基板アセンブリおよびそのパッケージング方法、ならびに自動車
(51)【国際特許分類】
H01L 21/56 20060101AFI20230206BHJP
【FI】
H01L21/56 R
(21)【出願番号】P 2019564814
(86)(22)【出願日】2018-05-23
(86)【国際出願番号】 EP2018063532
(87)【国際公開番号】W WO2018215555
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-03-01
(31)【優先権主張番号】201710381610.4
(32)【優先日】2017-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516000549
【氏名又は名称】ヴァレオ、コンフォート、アンド、ドライビング、アシスタンス
【氏名又は名称原語表記】VALEO COMFORT AND DRIVING ASSISTANCE
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン、シューラー
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-170728(JP,A)
【文献】特開2016-092332(JP,A)
【文献】特開2015-060968(JP,A)
【文献】特開2006-108398(JP,A)
【文献】特開平11-330317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/56
H01L 23/28 - 23/31
H01L 25/00 - 25/18
H05K 5/00 - 5/03
H05K 7/14
B29C 33/00 - 33/08
B29C 39/00 - 39/12
B29C 43/00 - 43/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板アセンブリ(10)をパッケージするための方法であって、
プリント回路基板(PCB)(11)と、前記プリント回路基板上に組み立てられた複数の素子(12)と、を含むプリント回路基板アセンブリ(10)を供給するステップと、
前記プリント回路基板アセンブリを担持し、前記プリント回路基板アセンブリを収容するためのスペース(21)を画定するように構成された支持体(20)を供給するステップと、
前記支持体(20)が前記プリント回路基板アセンブリ(10)を担持して位置決めできるように、前記プリント回路基板アセンブリ(10)を前記支持体(20)の前記スペース(21)に配置し、前記支持体(20)およびそれによって担持される前記プリント回路基板アセンブリ(10)を金型(31、32)に配置するステップと、
少なくとも前記プリント回路基板アセンブリ(10)をカプセル化し、前記プリント回路基板アセンブリ(10)を前記支持体(20)に対して固定するパッケージ構造体(40)を形成するように、成形プロセスを使用して金型にパッケージ材料を充填するステップと、
を含み、
前記支持体(20)は、オープンフレームの形態であり、パッケージされる前記プリント回路基板アセンブリ(10)を複数の場所(23)で担持するための複数の支持アーム(200)を含む、方法。
【請求項2】
前記支持体(20)を供給するステップは、パッケージされた前記プリント回路基板アセンブリ(10)を外部構造体に固定するための固定構造体(22)を前記支持体上に供給するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記固定構造体(22)は、パッケージされた前記プリント回路基板アセンブリ(10)を前記外部構造体に固定するために外部ブラケットと協働するように構成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記支持体(20)は、前記固定構造体(22)により、パッケージされた前記プリント回路基板アセンブリ(10)を前記外部構造体に直接固定するように構成されたブラケットを形成する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記固定構造体(22)を供給するステップは、前記固定構造体を前記支持体(20)と一体に形成するステップを含む、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記固定構造体(22)を供給するステップは、前記支持体(20)とは別個に形成された固定具を前記支持体に組み立てるステップを含む、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記支持体(20)を供給するステップは、前記パッケージ材料と適合性のある材料で前記支持体を製造するステップをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記パッケージ材料は発泡材料を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記成形プロセスは、オーバーモールドプロセスまたはインサートモールドプロセスを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記パッケージ構造体(40)は、前記プリント回路基板アセンブリおよび前記支持体(20)と一体構造体を形成する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
パッケージされたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)モジュールであって、
スペース(21)を画定し、パッケージされた前記プリント回路基板アセンブリを外部構造体に固定するように構成された支持体(20)と、
前記スペース(21)に収容され、プリント回路基板(PCB)と、前記プリント回路基板上に組み立てられた複数の素子(12)と、を含むプリント回路基板アセンブリと、
少なくとも前記プリント回路基板アセンブリをカプセル化して、前記プリント回路基板アセンブリを前記支持体(20)に対して固定するパッケージ構造体(40)と、
を含み、
前記支持体(20)は、オープンフレームの形態であり、パッケージされる前記プリント回路基板アセンブリ(10)を複数の場所(23)で担持するための複数の支持アーム(200)を含む、パッケージされたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)モジュール。
【請求項12】
前記支持体(20)には、パッケージされた前記プリント回路基板アセンブリモジュールを前記外部構造体に固定するための固定構造体(22)が設けられている、請求項11に記載のパッケージされたプリント回路基板アセンブリモジュール。
【請求項13】
前記固定構造体(22)は、パッケージされた前記プリント回路基板アセンブリ(10)を前記外部構造体に固定するために外部ブラケットと協働するように構成される、請求項12に記載のパッケージされたプリント回路基板アセンブリモジュール。
【請求項14】
前記支持体(20)は、前記固定構造体(22)により、パッケージされた前記プリント回路基板アセンブリ(10)を前記外部構造体に直接固定するように構成されたブラケットを形成する、請求項12に記載のパッケージされたプリント回路基板アセンブリモジュール。
【請求項15】
前記固定構造体(22)は、前記支持体(20)と一体に形成された構造体を含む、請求項12から14のいずれか一項に記載のパッケージされたプリント回路基板アセンブリモジュール。
【請求項16】
前記固定構造体は、前記支持体(20)とは別個に形成されて、前記支持体(20)に組み立てられた固定具を含む、請求項12から14のいずれか一項に記載のパッケージされたプリント回路基板アセンブリモジュール。
【請求項17】
前記支持体(20)の材料は、前記パッケージ構造体(40)の材料と適合性がある、請求項11から16のいずれか一項に記載のパッケージされたプリント回路基板アセンブリモジュール。
【請求項18】
前記パッケージ構造体(40)の材料は発泡材料を含む、請求項11から17のいずれか一項に記載のパッケージされたプリント回路基板アセンブリモジュール。
【請求項19】
前記パッケージ構造体(40)は、オーバーモールド構造体またはインサートモールド構造体を含む、請求項11から18のいずれか一項に記載のパッケージされたプリント回路基板アセンブリモジュール。
【請求項20】
パッケージされた前記プリント回路基板アセンブリモジュールは、自動車の構成要素である、請求項11から19のいずれか一項に記載のパッケージされたプリント回路基板アセンブリモジュール。
【請求項21】
請求項11から20のいずれか一項に記載のパッケージされたプリント回路基板アセンブリモジュー
ルを含む自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、電子素子のパッケージングおよび組み立ての分野に関し、特に、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)およびそのパッケージング方法、ならびにプリント回路基板アセンブリを有する自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)は、プリント回路基板(PCB)とその上に組み立てられた様々な素子を含み、複数の制御動作機能を実現するために様々な用途で使用される。プリント回路基板アセンブリは通常、例えば発泡ポリプロピレン(EPP)のような発泡材料などの低密度材料を含むパッケージ材料によって形成されたパッケージ構造体に収容またはパッケージされ、そのようなパッケージ構造体は、PCBAの機械的および/または環境的分離または保護を提供し、軽量化および/または構成要素数の削減を実現するような方法で機能的構成要素を実現することを目的としている。
【0003】
パッケージされたPCBAを車両フレームまたは他のフレームなどの他の部材に取り付けまたは組み立てるために、そのような取り付けまたは組み立てを達成するために、パッケージ構造体に追加の固定部材を設けることも望ましい。しかしながら、パッケージ材料は通常、信頼できる設置または組み立てのための固定構造体を提供または実装するのに十分な機械的強度または機能を提供することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来技術に存在する上記および他の問題および欠陥の少なくとも1つを解決または克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)をパッケージするための方法を提供し、本方法は、
プリント回路基板(PCB)と、プリント回路基板上に組み立てられた複数の素子と、を含むプリント回路基板アセンブリを供給するステップと、
プリント回路基板アセンブリを担持し、プリント回路基板アセンブリを収容するためのスペースを画定するように構成された支持体を供給するステップと、
支持体がプリント回路基板アセンブリを担持して位置決めできるように、プリント回路基板アセンブリを支持体のスペースに配置し、支持体およびそれによって担持されるプリント回路基板アセンブリを金型に配置するステップと、
少なくともプリント回路基板アセンブリをカプセル化し、プリント回路基板アセンブリを支持体に対して固定するパッケージ構造体を形成するように、成形プロセスを使用して金型にポリマー材料を充填するステップと、
を含む。
【0006】
一実施形態では、支持体を供給するステップは、パッケージされたプリント回路基板アセンブリを外部構造体に固定するための固定構造体を支持体上に供給するステップをさらに含む。
【0007】
一実施形態では、固定構造体は、パッケージされたプリント回路基板アセンブリを外部構造体に固定するために外部ブラケットと協働するように構成される。
【0008】
一実施形態では、支持体は、固定構造体により、パッケージされたプリント回路基板アセンブリを外部構造体に直接固定するように構成されたブラケットを形成する。
【0009】
一実施形態では、固定構造体を供給するステップは、固定構造体を支持体と一体に形成するステップを含む。
【0010】
一実施形態では、固定構造体を供給するステップは、支持体とは別個に形成された固定具を支持体に組み立てるステップを含む。
【0011】
一実施形態では、支持体を供給するステップは、ポリマー材料と適合性のある材料で支持体を製造するステップをさらに含む。
【0012】
一実施形態では、ポリマー材料は発泡材料を含む。
【0013】
一実施形態では、成形プロセスは、オーバーモールドプロセスまたはインサートモールドプロセスを含む。
【0014】
一実施形態では、パッケージ構造体は、プリント回路基板アセンブリおよび支持体と一体構造体を形成する。
【0015】
本発明の実施形態によれば、パッケージされたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)モジュールがさらに提供され、パッケージされたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)モジュールは、
スペースを画定し、パッケージされたプリント回路基板アセンブリを外部構造体に固定するように構成された支持体と、
スペースに収容され、プリント回路基板(PCB)と、プリント回路基板上に組み立てられた複数の素子と、を含むプリント回路基板アセンブリと、
少なくともプリント回路基板アセンブリをカプセル化して、プリント回路基板アセンブリを支持体に対して固定するパッケージ構造体と、
を含む。
【0016】
一実施形態では、支持体には、パッケージされたプリント回路基板アセンブリモジュールを外部構造体に固定するための固定構造体が設けられている。
【0017】
一実施形態では、固定構造体は、支持体と一体に形成された構造体を含む。
【0018】
一実施形態では、固定構造体は、パッケージされたプリント回路基板アセンブリを外部構造体に固定するために外部ブラケットと協働するように構成される。
【0019】
一実施形態では、支持体は、固定構造体により、パッケージされたプリント回路基板アセンブリを外部構造体に直接固定するように構成されたブラケットを形成する。
【0020】
一実施形態では、固定構造体は、支持体とは別個に形成されて、支持体に組み立てられた固定具を含む。
【0021】
一実施形態では、支持体の材料は、パッケージ構造体の材料と適合性がある。例えば、パッケージ構造体の材料は発泡材料を含む。
【0022】
一実施形態では、パッケージ構造体は、オーバーモールド構造体またはインサートモールド構造体を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、パッケージされたプリント回路基板アセンブリモジュールは、自動車の構成部品、または自動車内または自動車上に配置された構成要素である。
【0024】
本発明の実施形態は、本発明の実施形態のいずれか1つに記載されたパッケージされたプリント回路基板アセンブリモジュールを含む自動車をさらに提供する。
【0025】
本発明の他の目的および利点は、添付の図面を参照した本発明の以下の詳細な説明から明らかになり、それは本発明の完全な理解を助ける。
【0026】
本発明のこれらおよび/または他の態様および利点は、添付の図面と併せて好ましい実施形態の以下の説明から明らかになり、容易に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態によるプリント回路基板アセンブリ(PCBA)をパッケージするための方法のフローチャートを概略的に示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、パッケージされる前のプリント回路基板アセンブリ(PCBA)の構造体の斜視図を概略的に示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるプリント回路基板アセンブリ(PCBA)を担持する支持体の構造体の斜視図を概略的に示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、金型に配置された支持体と、支持体に担持されたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)の斜視図を概略的に示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、金型に配置された支持体および支持体に担持されたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)がパッケージされた状態の斜視図を概略的に示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、金型に配置された支持体および支持体に担持されたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)がパッケージされて、型開き後の状態の斜視図を概略的に示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるパッケージされたPCBAモジュールの構造体の斜視図を概略的に示す図である。
【
図8】本発明の別の実施形態による、プリント回路基板PCB)を担持する支持体の構造体の上部斜視図を概略的に示す図である。
【
図9】本発明の別の実施形態による、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)および複数の素子を担持する支持体の構造体の上部斜視図を概略的に示す図である。
【
図10】本発明の別の実施形態によるプリント回路基板アセンブリ(PCBA)を担持する支持体の構造体の底面斜視図を概略的に示す図である。
【
図11】本発明の別の実施形態によるパッケージされたPCBAモジュールの構造体の斜視図を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面と組み合わせて詳細に説明する。本説明における同一または類似の符号は、同一または類似の構成要素を示す。
【0029】
さらに、以下の詳細な説明では、説明の目的で、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために多くの特定の詳細が記載されている。しかし、これらの特定の詳細なしでも1つまたは複数の実施形態を実施することができることは明らかである。他の場合には、図面を簡素化するために、周知の構造体とデバイスが例示によって具体化されている。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態によるプリント回路基板アセンブリ(PCBA)をパッケージするための方法のプロセスを概略的に示す。
図2~
図6および
図2、
図9~
図10は、この方法の様々なステップを概略的に示す。図に示すように、この方法は、以下を含む。
ステップS11:プリント回路基板(PCB)と、プリント回路基板上に組み立てられた複数の素子12と、を含むプリント回路基板アセンブリ(PCBA)を供給する。一実施形態では、複数の素子12は電気コネクタを形成する。
【0031】
図2は、パッケージまたは封止される例示的なプリント回路基板アセンブリ(PCBA)10を示し、それは、プリント回路基板(PCB)11と、プリント回路基板上に組み立てられた複数の素子12、例えば、スイッチ、照明装置、モーターまたはディスプレイ画面などを含むがこれらに限定されない様々な電気素子を含む。明確にするために、
図2は、プリント回路基板11上に組み立てられたまたは取り付けられた電気コネクタ12を単に概略的に示している。
【0032】
この方法にはさらに以下が含まれる。
ステップS12:パッケージされるプリント回路基板アセンブリを担持するように構成され、パッケージされるプリント回路基板アセンブリを収容するためのスペース21を画定することができる支持体12を供給する、
ステップS13:支持体がプリント回路基板アセンブリを担持して位置決めできるように、プリント回路基板アセンブリを支持体のスペースに配置し、支持体およびそれによって担持されるプリント回路基板アセンブリを金型に配置する、
ステップS14:少なくともプリント回路基板アセンブリをカプセル化し、プリント回路基板アセンブリを支持体に対して固定するパッケージ構造体を形成するように、成形プロセスを使用して金型にパッケージ材料を充填する。
【0033】
図3、
図9および
図10に示すように、パッケージされるプリント回路基板アセンブリ10を担持するか、少なくともプリント回路基板11を担持するように構成された支持体20が供給される。支持体20は、パッケージされるプリント回路基板アセンブリ10またはそのプリント回路基板11を収容するためのスペース21を画定する。図示した実施形態では、支持体20は、オープンフレームの形態であり、パッケージされるプリント回路基板アセンブリ10またはそのプリント回路基板11を複数の場所23で担持するための複数の、例えば3つの支持アーム200を含む。支持体20の形状またはサイズは、プリント回路基板アセンブリ10を安定して担持するために、パッケージされるプリント回路基板アセンブリ10またはそのプリント回路基板11の形状またはサイズに一致する。支持体がプリント回路基板アセンブリを適切に担持して位置決めできるように構成される限り、支持体の特定の構造体および形状は本明細書では限定されないことを理解されたい。
【0034】
図3、
図8および
図9に示すように、各アーム200は、プリント回路基板11を引っ掛けて配置するように構成された終端部203を含む。
【0035】
続いて、成形プロセスは、支持体20およびそれによって担持されるプリント回路基板アセンブリ10をパッケージするように適合される。本明細書で使用する場合、適切な成形プロセスには、それには限定されないが、オーバーモールドプロセスまたはインサートモールドプロセスが含まれる。
【0036】
図4および
図5に示すように、
図3の支持体12およびプリント回路基板アセンブリ10を備えた実施形態の場合、下部金型31が設けられ、支持体20およびそれによって担持されるプリント回路基板アセンブリ10が下部金型31に配置され、次いで、上部金型32が設けられ、型締めのために下部金型31上に配置される。下部金型31および上部金型32は、支持体20およびそれによって担持されるプリント回路基板アセンブリ10を収容するためのキャビティを集合的に画定し、キャビティは、支持体20およびそれによって担持されるプリント回路基板アセンブリ10の全体的な輪郭に一致する輪郭を有する。次に、適切なパッケージ材料がキャビティに注入または充填され、冷却または硬化後に、パッケージ材料が、少なくともプリント回路基板アセンブリ10をカプセル化して、プリント回路基板アセンブリ10を支持体20に対して固定するパッケージ構造体40を形成する。最後に、型開きが実行され、
図6に示すように、最初に上部金型32を取り外され、次いで、パッケージされたプリント回路基板アセンブリ10および支持体20が、
図7に示すように、パッケージされたPCBAモジュール100を得るために下部金型31から解放される。成形プロセス中に、支持体20は、プリント回路基板アセンブリを所定の位置に配置して維持し、そのようにして、成形プロセス中のプリント回路基板アセンブリの変位を回避することが分かる。
【0037】
同じことが、
図9の支持体20およびプリント回路基板アセンブリ10を備えた別の実施形態にも当てはまる。当業者は、
図9および
図10の他の実施形態に適合した下部金型および上部金型の製造方法を知っていることに留意されたい。したがって、実施形態では、下部金型および上部金型は図示していない。
【0038】
本発明の実施形態によれば、成形プロセスにより、パッケージ構造体40は、プリント回路基板アセンブリ10および支持体20をしっかりとぴったりとカプセル化する、例えば、パッケージ構造体40は、プリント回路基板アセンブリ10および支持体20と一体構造体またはワンピース構造体を形成する。
【0039】
図示した実施形態では、プリント回路基板アセンブリ10上の電気コネクタ12はパッケージ化されず、他の電気デバイスに接続されるようにパッケージ構造体40から露出している。しかしながら、他の実施形態では、プリント回路基板アセンブリ上の他の素子または構造体は、必要に応じてパッケージ構造体から露出させることができる。
【0040】
本発明の実施形態によれば、支持体を供給するステップS12は、支持体20上に、パッケージされたプリント回路基板アセンブリを車両フレームまたは他のフレームもしくはシェルなどの外部構造体に固定するかまたは組み立てるように構成された固定または組み立て構造体22を供給するステップをさらに含むことができる。したがって、固定または組み立て構造体22は、パッケージ構造体40上ではなく支持体20上に設けられるため、パッケージされたプリント回路基板アセンブリは、パッケージ構造体を損傷することなく、外部構造体に安全かつ確実に固定されるかまたは組み立てられるため、製品の信頼性が向上する。
【0041】
図3の実施形態に示すように、支持体20には、ガイドレール221、バックルまたは突起222、223、凹部、開口部などを含む複数の固定または組み立て構造体22が設けられる。固定または組み立て構造体22は、パッケージされたプリント回路基板アセンブリ10を車両フレームまたは他のフレームもしくはシェルなどの外部構造体に固定するかまたは組み立てるために、外部ブラケット(図示せず)と協働するように構成される。外部ブラケットは、外部構造体上に配置される。したがって、外部ブラケットは、ガイドレール221、バックルまたは突起222、223と協働するように構成される。したがって、固定または組み立て構造体22は、外部構造体などの他の構造体に直接固定されまたは組み立てられない。
図3に示す非限定的な実施形態では、3つの外部ブラケットとそれぞれ協働するために、3つの固定または組み立て構造体22が設けられる。
【0042】
しかし、本発明はそれに限定されず、必要に応じて、ねじまたは他のねじ接続構造体などの他の適切な固定または組み立て構造体も設けることができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、固定または組み立て構造体22は、支持体20と一体的にまたは集合的に形成することができる。例えば、支持体20と、その上に固定または組み立て構造体22、例えば、前述のように、シートスタンピング成形または成形プロセスによるガイドレール、バックル、突起、凹部、開口部、ねじ構造体など、を形成することが可能である。
図3は、支持体20と一体的または集合的に形成された固定または組み立て構造体22を示す。
【0044】
他の実施形態では、支持体20とは別個に形成された固定具、例えば支持体20への取り付けねじ、ガイドレールなどを支持体20に組み立てることができるが、それは本発明では特に定義しない。
【0045】
図8~
図10の別の実施形態に示すように、支持体20は、固定構造体22により、パッケージされたプリント回路基板アセンブリ10を車両フレームまたは他のフレームもしくはシェルなどの外部構造体に直接固定するか組み立てるように構成されたブラケットを形成する。
【0046】
したがって、固定または組み立て構造体22は、外部構造体などの他の構造体と直接協働するように構成される。したがって、支持体20は、支持体20を、
図3の実施形態のガイドレール221、バックルもしくは突起222、223、および外部ブラケットを含む複数の固定または組み立て構造体22と完全に置き換えることができる。したがって、
図8~
図10のこの他の実施形態は、外部構造体などの他の構造体上に外部ブラケットを有することを回避する。これにより、パッケージされたプリント回路基板アセンブリを外部構造体に固定するか組み立てるためのコストと、固定または組み立てに必要なすべての素子の重量を削減することができる。
【0047】
図8は、支持体20と、複数の素子12のない複数の固定または組み立て構造体22とを示す。
【0048】
図9は、支持体20と、複数の素子12を備えた複数の固定または組み立て構造体22とを示す。
【0049】
一実施形態では、固定または組み立て構造体22は、外部構造体などの他の構造体にねじ込まれるねじを受け入れるように配置された少なくとも1つの穴224を含む。
【0050】
図8および
図9に示す非限定的な実施形態では、それぞれ2つの穴224を含む2つの固定または組み立て構造体22が供給される。2つの固定または組み立て構造体22は、支持体20の一部である。
【0051】
図9に示すように、パッケージされたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)を外部構造体などの他の構造体にしっかりと組み立てまたは固定しやすくするために、2つの固定または組み立て構造体22が複数の素子12の各側に配置される。
【0052】
いくつかの実施形態では、固定または組み立て構造体22は、支持体20と一体的にまたは集合的に形成することができる。例えば、支持体20と、その上に固定または組み立て構造体22、例えば、前述のように、シートスタンピング成形または成形プロセスによるガイドレール、バックル、突起、凹部、開口部、ねじ構造体など、を形成することが可能である。
図10は、支持体20と一体的または集合的に形成された固定または組み立て構造体22を示す。
【0053】
図7に示すように、外部ブラケットにより、パッケージされたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)を外部構造体などの他の構造体にしっかりと組み立てまたは嵌合するために、固定もしくは組み立て構造体または固定具22はパッケージされず、パッケージ構造体40から露出している。いくつかの実施形態では、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)がパッケージ化される前に、固定もしくは組み立て構造体または固定具が支持体20上に設けられるか形成される。他の実施形態では、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)がパッケージされた後に、適切な固定もしくは組み立て構造体または固定具が支持体20上に設けられる。
【0054】
図11に示すように、パッケージされたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)を外部構造体などの他の構造体にしっかりと直接組み立てまたは嵌合するために、固定または組み立て構造体22はパッケージされず、パッケージ構造体40から露出している。いくつかの実施形態では、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)がパッケージされる前に、固定または組み立て構造体22が支持体20上に設けられるか形成される。
【0055】
本発明の実施形態では、支持体20は、パッケージ材料と適合性のある材料で製造することができる、すなわち、支持体20の材料は、パッケージ材料と適合性があるので、支持体20をパッケージ材料に接着するか取り付けることができる。非限定的な実施形態では、支持体20は、金属材料、または非限定的な例のポリプロピレンなどのプラスチック材料で製造することができる。ポリプロピレンにより、パッケージされたPCBAモジュール100の重量を減らすことができる。同様に、複数の素子12は、金属材料、または非限定的な例のポリプロピレンなどのプラスチック材料で製造することができる。
【0056】
例示として、プリント回路基板アセンブリをパッケージするためのパッケージ材料は、ポリマー材料、例えば、発泡ポリプロピレン(EPP)などの発泡材料を含むがこれに限定されない低密度材料を使用することができる。いくつかの例では、パッケージ材料は、熱可塑性材料または熱硬化性材料であってもよい。他のいくつかの例では、パッケージ材料は絶縁材料であってもよい。他の例では、パッケージ材料は、例えば、照明または装飾の機能などの光透過に適した透明材料を含むことができ、または不透明材料または反射材料であってもよい。
【0057】
図2~
図7および
図2、
図8~
図11に示すように、本発明の実施形態は、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)10、支持体20およびパッケージ構造体40を含むパッケージされたPCBAモジュール100をさらに提供し、プリント回路基板アセンブリ10は、支持体20によって担持され、プリント回路基板(PCB)11と、プリント回路基板11上に組み立てられた複数の素子12と、を含み、パッケージ構造体40は、少なくともプリント回路基板アセンブリ10をカプセル化し、プリント回路基板アセンブリ10を支持体20に対して固定する。
【0058】
本発明の例示的な実施形態では、固定または組み立て構造体22は、パッケージ構造体ではなく支持体20に設けられるので、パッケージ構造体を損傷することなく、パッケージされたプリント回路基板アセンブリを外部構造体に安全かつ確実に固定または組み立てることができるため、製品の信頼性が向上する。例示として、固定または組み立て構造体22は、支持体20と一体に形成された構造体を含む。代わりにまたはさらに、固定または組み立て構造体22は、支持体20とは別個に形成されて支持体20に組み立てられた固定具を含む。
【0059】
一実施形態では、パッケージ構造体40の材料は発泡材料を含み、支持体20の材料はパッケージ構造体の材料と適合性のある材料を含む。別の実施形態では、パッケージ構造体40は、オーバーモールド構造体またはインサートモールド構造体である。
【0060】
いくつかの実施形態では、そのようなパッケージされたPCBAモジュール100は、自動車の構成要素であってもよい。しかし、本発明は自動車の用途に限定されず、そのようなパッケージされたPCBAモジュールは、建設機械、航空機、船舶または他の電子デバイスなどの他の分野に適用できることを当業者は理解するであろう。
【0061】
本発明について添付の図面を参照して説明したが、添付の図面に開示した実施形態は、実施例により本発明の好ましい実施形態を例示することを意図しているが、本発明を限定するものとして解釈するべきではない。図面中の寸法比率は、単に概略的なものであり、本発明を限定するものとして解釈するべきではない。
【0062】
一般的な発明概念のいくつかの実施形態を表示および説明したが、当業者は、一般的な発明概念の原理および趣旨から逸脱することなくこれらの実施形態に変更を加えることができ、本発明の範囲は特許請求の範囲およびその均等物によって定義されることを理解するであろう。