(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-03
(45)【発行日】2023-02-13
(54)【発明の名称】汚染防止スキンケアマトリックス、その調製方法及び使用、並びに化粧品
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9706 20170101AFI20230206BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20230206BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20230206BHJP
A61Q 17/00 20060101ALI20230206BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230206BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230206BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20230206BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20230206BHJP
A61K 8/42 20060101ALI20230206BHJP
A61K 8/63 20060101ALI20230206BHJP
A61K 8/35 20060101ALI20230206BHJP
A61K 8/67 20060101ALI20230206BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20230206BHJP
【FI】
A61K8/9706
A61K8/9789
A61K8/49
A61Q17/00
A61Q19/00
A61K8/34
A61K8/73
A61K8/60
A61K8/42
A61K8/63
A61K8/35
A61K8/67
A61K8/44
(21)【出願番号】P 2020219963
(22)【出願日】2020-12-31
【審査請求日】2020-12-31
(31)【優先権主張番号】202010325092.6
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516115577
【氏名又は名称】広東丸美生物技術股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】孫 懐慶
(72)【発明者】
【氏名】孫 雲起
(72)【発明者】
【氏名】郭 朝万
(72)【発明者】
【氏名】佐佐木 公夫
(72)【発明者】
【氏名】曾 令椿
(72)【発明者】
【氏名】王 開慧
(72)【発明者】
【氏名】裴 運林
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲てい▼
【審査官】小川 慶子
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-537494(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保湿剤と汚染防止剤とを含み、前記汚染防止剤はDepollutine(登録商標)、Ciste’M(登録商標)、HerbaShield(登録商標) URB
、和ism(登録商標)<宇治茶>及びEctoin(登録商標)を含む、ことを特徴とする汚染防止スキンケアマトリックス。
【請求項2】
前記汚染防止スキンケアマトリックスは、保湿剤10~50重量部、Depollutine(登録商標) 0.5~3重量部、Ciste’M(登録商標) 0.5~3重量部、HerbaShield(登録商標) URB 0.5~3重量部、和ism(登録商標)<宇治茶>0.5~3重量部及びEctoin(登録商標) 0.3~2重量部を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の汚染防止スキンケアマトリックス。
【請求項3】
前記汚染防止スキンケアマトリックスは、
抗炎症剤、防腐剤、酸化防止剤及びキレート剤の少なくとも1種をさらに含み、
前記保湿剤はグリセリン、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、トレハロース、ヒアルロン酸ナトリウム及びパンテノールの少なくとも1種を含み、
前記抗炎症剤はグリチルリチン酸ジカリウ
ムを含み、
前記防腐剤は1,2-ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、1,2-ペンチレングリコール及び4’-ヒドロキシアセトフェノンの少なくとも1種を含み、
前記酸化防止剤は酢酸トコフェロールを含み、
前記キレート剤はEDTA-2Na及び/又はEDTA-4Naを含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の汚染防止スキンケアマトリックス。
【請求項4】
前記汚染防止スキンケアマトリックスは、抗炎症剤0.1~5重量部、防腐剤1~5重量部、酸化防止剤0.5~3重量部、キレート剤0.1~1重量部の少なくとも1種をさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載の汚染防止スキンケアマトリックス。
【請求項5】
前記汚染防止スキンケアマトリックスは、保湿剤10~50重量部、Depollutine(登録商標) 0.5~3重量部、Ciste’M(登録商標) 0.5~3重量部、HerbaShield(登録商標) URB 0.5~3重量部、和ism(登録商標)<宇治茶>0.5~3重量部、Ectoin(登録商標) 0.3~2重量部、抗炎症剤0.1~5重量部、防腐剤1~5重量部、酸化防止剤0.5~3重量部、キレート剤0.1~1重量部、及び残部の水を含み、各成分の重量部は合計100重量部である、ことを特徴とする請求項4に記載の汚染防止スキンケアマトリックス。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の汚染防止スキンケアマトリックスの調製方法であって、保湿剤と汚染防止剤を混合して前記汚染防止スキンケアマトリックスを得ることを含み、
前記汚染防止剤はDepollutine(登録商標)、Ciste’M(登録商標)、HerbaShield(登録商標) URB、和ism(登録商標)<宇治茶>及びEctoin(登録商標)を含む、ことを特徴とする調製方法。
【請求項7】
保湿剤を加熱・溶解してから、残りの成分を保湿剤に加えて前記汚染防止スキンケアマトリックスを得て、
前記加熱・溶解の温度は80~90℃であり、
保湿剤を加熱・溶解した後に均質化処理してから残りの成分を加え、
前記均質化処理の時間は25~35sである、ことを特徴とする請求項6に記載の調製方法。
【請求項8】
水と保湿剤を85℃に加熱し、30秒間均質化して保湿剤を完全に溶解させて混合物を得ることと、
前記混合物の温度が45℃に冷却された後、前記混合物に残りの成分を加えることとを含む、ことを特徴とする請求項7に記載の調製方法。
【請求項9】
請求項1~5のいずれか一項に記載の汚染防止スキンケアマトリックスの、化粧品の調製における使用。
【請求項10】
請求項1~5のいずれか一項に記載の汚染防止スキンケアマトリックスを含む、ことを特徴とする化粧品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧品の技術分野に関し、特に、汚染防止スキンケアマトリックス、その調製方法及び使用、並びに化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
空気汚染と過度の光への頻繁な曝露は、皮膚の健康に対する主な脅威の1つである。空気汚染物は、いくつかの方面で皮膚に影響を与える可能性があり、例えば、炎症による刺激、酸化ストレスの誘発、皮膚老化の加速を引き起こしやすく、過度の光は、皮膚老化の加速を引き起こし可能性もある。汚染による皮膚の損傷及び老化に対抗するために、汚染を防止し、皮膚の老化を遅らせることができるスキンケア産品を選択して皮膚を保護することができる。
上記した問題を鑑みて本発明は提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、さまざまな汚染から保護し、皮膚への汚染物質の吸着を減少し、皮膚への汚染物質の損傷を回避し、且つ皮膚のアレルギー症状を軽減し、皮膚を浄化し、皮膚の老化を遅らせることができる汚染防止スキンケアマトリックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る汚染防止スキンケアマトリックスは、保湿剤と汚染防止剤とを含み、前記汚染防止剤はDepollutine(登録商標)、Ciste’M(登録商標)、HerbaShield(登録商標) URB、和ism(登録商標)<宇治茶>及びEctoin(登録商標)を含む。
【0005】
さらに、前記汚染防止スキンケアマトリックスは、保湿剤10~50重量部、Depollutine(登録商標) 0.5~3重量部、Ciste’M(登録商標) 0.5~3重量部、HerbaShield(登録商標) URB 0.5~3重量部、和ism(登録商標)<宇治茶> 0.5~3重量部及びEctoin(登録商標) 0.3~2重量部を含む。
【0006】
さらに、前記汚染防止スキンケアマトリックスは、
抗炎症剤、防腐剤、酸化防止剤及びキレート剤の少なくとも1種をさらに含み、
好ましくは、前記保湿剤はグリセリン、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、トレハロース、ヒアルロン酸ナトリウム及びパンテノールの少なくとも1種を含み、
好ましくは、前記抗炎症剤はグリチルリチン酸ジカリウムを含み、
好ましくは、前記防腐剤は1,2-ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、1,2-ペンチレングリコール及び4’-ヒドロキシアセトフェノンの少なくとも1種を含み、
好ましくは、前記酸化防止剤は酢酸トコフェロールを含み、
好ましくは、前記キレート剤はEDTA-2Na及び/又はEDTA-4Naを含む。
【0007】
さらに、前記汚染防止スキンケアマトリックスは、抗炎症剤0.1~5重量部、防腐剤1~5重量部、酸化防止剤0.5~3重量部、キレート剤0.1~1重量部の少なくとも1種をさらに含む。
【0008】
さらに、前記汚染防止スキンケアマトリックスは、保湿剤10~50重量部、Depollutine(登録商標) 0.5~3重量部、Ciste’M(登録商標) 0.5~3重量部、HerbaShield(登録商標) URB 0.5~3重量部、和ism(登録商標)<宇治茶>0.5~3重量部、Ectoin(登録商標) 0.3~2重量部、抗炎症剤0.1~5重量部、防腐剤1~5重量部、酸化防止剤0.5~3重量部、キレート剤0.1~1重量部、及び残部の水を含み、以上各成分の重量部は合計100重量部である。
【0009】
上記した汚染防止スキンケアマトリックスの調製方法は、保湿剤と汚染防止剤を混合して前記汚染防止スキンケアマトリックスを得ることを含み、
前記汚染防止剤はDepollutine(登録商標)、Ciste’M(登録商標)、HerbaShield(登録商標) URB、和ism(登録商標)<宇治茶>及びEctoin(登録商標)を含む。
【0010】
さらに、保湿剤を加熱・溶解してから、残りの成分を保湿剤に加えて前記汚染防止スキンケアマトリックスを得て、
好ましくは、前記加熱・溶解の温度は80~90℃であり、
好ましくは、保湿剤を加熱・溶解した後に均質化処理してから残りの成分を加え、
好ましくは、前記均質化処理の時間は25~35sである。
【0011】
さらに、水と保湿剤を85℃に加熱し、30秒間均質化して保湿剤を完全に溶解させて混合物を得ることと、
前記混合物の温度が45℃に冷却された後、前記混合物に残りの成分を加えることと、を含む。
【0012】
上記した汚染防止スキンケアマトリックスの化粧品の調製における使用。
【0013】
上記した汚染防止スキンケアマトリックスを含む化粧品。
【発明の効果】
【0014】
従来の技術に比べて、本発明は、少なくとも以下の有益な効果を達成できる。
本発明に係る汚染防止スキンケアマトリックスは、さまざまな汚染から保護し、皮膚への汚染物質の吸着を減少し、皮膚への汚染物質の損傷を回避し、且つ皮膚のアレルギー症状を軽減し、皮膚を浄化し、皮膚の老化を遅らせることができる。また、汚染防止剤のDepollutine(登録商標)、Ciste’M(登録商標)、HerbaShield(登録商標) URB、和ism(登録商標)<宇治茶>及びEctoin(登録商標)同士は互いに組み合わせて、汚染防止保護の効果は単一使用よりも顕著であり、同時に皮膚の損傷を修復し、皮膚の安定性を維持する効果はより優れている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術案を明確且つ完全に説明し、説明される実施例は、本発明の一部の実施例であり、すべての実施例ではないことは明らかである。ここで図面に一般的に記載及び図示されている本発明の実施例の構成要素は、様々な異なる構成で配置及び設計することができる。
【0016】
本発明の一態様において、本発明は保湿剤と汚染防止剤とを含む汚染防止スキンケアマトリックスを提供しており、前記汚染防止剤はDepollutine(登録商標)、Ciste’M(登録商標)、HerbaShield(登録商標) URB、和ism(登録商標)<宇治茶>及びEctoin(登録商標)を含む。
【0017】
本発明に係る汚染防止スキンケアマトリックスは、さまざまな汚染から保護し、皮膚への汚染物質の吸着を減少し、皮膚への汚染物質の損傷を回避し、且つ皮膚のアレルギー症状を軽減し、皮膚を浄化し、皮膚の老化を遅らせることができる。また、汚染防止剤Depollutine(登録商標)、Ciste’M(登録商標)、HerbaShield(登録商標) URB、和ism(登録商標)<宇治茶>及びEctoin(登録商標)同士は互いに組み合わせて、汚染防止保護の効果は単一使用よりも顕著であり、同時に皮膚の損傷を修復し、皮膚の安定性を維持する効果はより優れている。上記汚染防止剤がそのうちの成分のいずれかを欠いている場合、拮抗作用(antagonistic effect)が生じる可能性があり、汚染防止効果を十分に達成できない。
【0018】
なお、上記Depollutine(登録商標)(Givaudanから入手)は、水、アルギニンPCA及びフェオダクチラム(PHAEODACTYLUM TRICORNUTUM)抽出物を含み、上記HerbaShield(登録商標) URB (Lipoid Kosmetik AGから入手)はオランダガラシ花の抽出物、オランダガラシ葉の抽出物、オランダガラシ茎の抽出物、水添レシチン、スギナ抽出物、セイヨウイラクサ(Urtica dioica)葉の抽出物及び塩化ナトリウムを含み、上記Ciste’M(登録商標)(BASFから入手)はマルトデキストリン及びシスツスモンスペリエンシス(CISTUS MONSPELIENSIS)抽出物を含み、上記和ism(登録商標)<宇治茶>(丸善から入手)は茶(CAMELLIA SINENSIS)葉の抽出物、BG及び水を含み、上記Ectoin(登録商標)(Bitopから入手)はエクトインを含む。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態では、前記汚染防止スキンケアマトリックスは、
保湿剤10~50重量部(例えば、10重量部、20重量部、30重量部、40重量部又は50重量部等であってもよい)、Depollutine(登録商標) 0.5~3重量部(例えば、0.5重量部、1重量部、2重量部又は3重量部等であってもよい)、Ciste’M(登録商標) 0.5~3重量部(例えば、0.5重量部、1重量部、2重量部又は3重量部等であってもよい)、HerbaShield(登録商標) URB 0.5~3重量部(例えば、0.5重量部、1重量部、2重量部又は3重量部等であってもよい)、和ism(登録商標)<宇治茶>0.5~3重量部及びEctoin(登録商標) 0.3~2重量部(例えば、0.3重量部、1重量部、1.5重量部又は2重量部等であってもよい)。これにより、汚染防止スキンケアマトリックスの汚染防止及び老化遅延の効果はより優れている。上記含有量の範囲に対して、Depollutine(登録商標)、Ciste’M(登録商標)、HerbaShield(登録商標) URB、和ism(登録商標)<宇治茶>及びEctoin(登録商標)の少なくとも1種の含有量が低すぎると、拮抗作用が生じる可能性があり、汚染防止効果を十分に達成できず、Depollutine(登録商標)、Ciste’M(登録商標)、HerbaShield(登録商標) URB、和ism(登録商標)<宇治茶>及びEctoin(登録商標)の少なくとも1種の含有量が高すぎると、拮抗作用が生じる可能性があり、汚染防止効果を十分に達成できない。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態では、前記汚染防止スキンケアマトリックスは、抗炎症剤、防腐剤、酸化防止剤及びキレート剤の少なくとも1種をさらに含み。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態では、前記保湿剤はグリセリン、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、トレハロース、ヒアルロン酸ナトリウム及びパンテノールの少なくとも1種を含み、前記抗炎症剤はグリチルリチン酸ジカリウムを含み、前記防腐剤は1,2-ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、1,2-ペンチレングリコール及び4’-ヒドロキシアセトフェノンの少なくとも1種を含み、前記酸化防止剤は酢酸トコフェロールを含み、前記キレート剤はEDTA-2Na及び/又はEDTA-4Naを含む。これにより、上記材料は、供給源が幅広く、価格が低いで汚染防止スキンケアマトリックスの有効性を向上させることができる。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態では、前記汚染防止スキンケアマトリックスは、抗炎症剤0.1~5重量部(例えば、0.1重量部、1重量部、2重量部、3重量部、4重量部又は5重量部等であってもよい)、防腐剤1~5重量部(例えば、1重量部、2重量部、3重量部、4重量部又は5重量部等であってもよい)、酸化防止剤0.5~3重量部(例えば、0.1重量部、1重量部、2重量部又は3重量部等であってもよい)、キレート剤0.1~1重量部(例えば、0.1重量部、0.2重量部、0.4重量部、0.6重量部、0.8重量部又は1重量部等であってもよい)の少なくとも1種をさらに含む。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態では、前記汚染防止スキンケアマトリックスは、保湿剤10~50重量部、Depollutine(登録商標) 0.5~3重量部、Ciste’M(登録商標) 0.5~3重量部、HerbaShield(登録商標) URB 0.5~3重量部、和ism(登録商標)<宇治茶>0.5~3重量部、Ectoin(登録商標) 0.3~2重量部、抗炎症剤0.1~5重量部、防腐剤1~5重量部、酸化防止剤0.5~3重量部、キレート剤0.1~1重量部、及び残部の水を含み、以上各成分の重量部は合計100重量部である。これにより、さまざまな汚染から保護し、皮膚への汚染物質の吸着を減少し、皮膚への汚染物質の損傷を回避し、且つ皮膚のアレルギー症状を軽減し、皮膚を浄化し、さらに皮膚の老化を遅らせることができる
【0024】
本発明の他の態様において、本発明は上記した汚染防止スキンケアマトリックスの調製方法を提供しており、前記調製方法は保湿剤と汚染防止剤を混合して前記汚染防止スキンケアマトリックスを得ることを含み、前記汚染防止剤はDepollutine(登録商標)、Ciste’M(登録商標)、HerbaShield(登録商標) URB、和ism(登録商標)<宇治茶>及びEctoin(登録商標)を含む。これにより、操作が簡単で便利であり、実現しやすい。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態では、保湿剤を加熱・溶解してから、残りの成分を保湿剤に加えて前記汚染防止スキンケアマトリックスを得て、前記加熱溶解の温度は80~90℃(例えば、80℃、85℃又は90℃等であってもよい)である。これにより、保湿剤を完全に溶解させて品質に優れた汚染防止スキンケアマトリックスを得ることに寄与する。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態では、保湿剤を加熱・溶解した後に均質化処理してから残りの成分を加え、前記均質化処理の時間は25~35s(例えば、25s、30s又は35s等であってもよい)である。これにより、得られた汚染防止スキンケアマトリックスがより細かい。
【0027】
本発明のいくつかの具体的な実施形態では、汚染防止スキンケアマトリックスの調製方法は、
水と保湿剤を85℃に加熱し、30秒間均質化して保湿剤を完全に溶解させて混合物を得ることと、
前記混合物の温度が45℃に冷却された後、前記混合物に残りの成分を加えることと、を含む。
【0028】
水相鍋内で水と保湿剤を85℃に加熱可能であることは理解できる。
【0029】
本発明の他の態様において、本発明は上記した汚染防止スキンケアマトリックスの化粧品の調製における使用を提供する。
【0030】
本発明の他の態様において、本発明は上記した汚染防止スキンケアマトリックスを含む化粧品を提供する。
【0031】
上記化粧品は、水、乳液又はカラーメイク等を含んでもよいが、これらに限定されないことは理解できる。
【0032】
以下、具体的な実施形態を参照しながら、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明する。衝突しない場合、下記の実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせることができる。
【0033】
(実施例)
実施例1~6及び比較例1~5における汚染防止スキンケアマトリックスの各成分の重量部を下記表1に示した。
【0034】
【表1】
ただし、表1の実施例及び比較例における各成分の含有量は、100重量部未満の場合、水で100重量部に補充した。
【0035】
実施例1~6及び比較例1~5の汚染防止スキンケアマトリックスの調製方法は以下の通りであった。
1.水と保湿剤を水相鍋に入れ、攪拌して85℃まで加熱し、30秒間均質化して完全に溶解させた。
2.攪拌して45℃まで冷却し、残りの原料を入れて汚染防止スキンケアマトリックスを得た。
【0036】
(試験例1)
<パッチテスト>
パッチテストの具体的な操作方法は、20人のボランティアの内腕にパッチテストを実行し、48時間後の結果を観察することであった。
【0037】
実施例1~6及び比較例1~5の汚染防止スキンケアマトリックスを用いてパッチテストを実行し、テスト結果を表2に示した。
【表2】
【0038】
(試験例2)
<肌の黄ぐすみの改善テスト>
肌の黄ぐすみの改善テストの操作方法は、分光光度計を用いて皮膚の明るさをテストし、使用前、4週及び8週使用後の皮膚の明るさ及び色素沈着の改善程度を判断することであった。
【0039】
実施例1~6及び比較例1~5の汚染防止スキンケアマトリックスを用いて肌の黄ぐすみ改善テストを実行し、実施例1~6及び比較例1~5の汚染防止スキンケアマトリックスを連続30日間使用した後、肌色のL値増加率をテストし、テスト結果を表3に示した。
【表3】
【0040】
(試験例3)
<抗炎症能力テスト――NF-kb抑制率(転写因子)>
腫瘍壊死因子α(TNF-α)又はインターロイキン等の炎症性サイトカインを用いて、ヒトケラチノサイトを刺激してNF-kbを活性化し、細胞の炎症反応を誘発し、同時に一定のサンプル溶液を加えて細胞を処理し、NF-kbの発現能力を観察した。サンプル溶液を加えていない細胞と比較することにより、細胞炎症反応に対するサンプル溶液の抑制パーセンテージを測定可能であった。
【0041】
環境汚染は皮膚の炎症を引き起こす可能性があり、NF-kB(転写因子)は身体の炎症反応における主要な調節タンパク質であり、さまざまな炎症性タンパク質因子の産生と放出を制御することが知られていた。
【0042】
実施例1~6及び比較例1~5の汚染防止スキンケアマトリックスを用いて抗炎症能力テストを実行し、テスト結果を表4に示した。
【表4】
【0043】
(試験例4)
DPPH消去能力テスト:0.2mmol/LのDPPH溶液と異なる濃度のサンプル溶液を調製し、DPPH溶液とサンプル溶液を混合し、30分間静置して反応した後に結果を測定した。次の式に従って、測定される液体のDPPH消去率を計算した。
【数1】
【0044】
ただし、A1はDPPH溶液とサンプルを混合して30分間反応させ後に測定した吸光度値を表し、A2はサンプル溶液とエタノールを混合して30分間反応させた後に測定した吸光度値を表し、A0はDPPH溶液とエタノールを混合して30分間反応させた後に測定した吸光度値を表した。
【0045】
実施例1~6及び比較例1~5の汚染防止スキンケアマトリックスを用いてDPPH消去能力テストを実行し、テスト結果を表5に示した。
【表5】
【0046】
(試験例5)
<細胞生存率(MTT法を用いて細胞生存率をテストした)>
ヒト皮膚線維芽細胞11重量部を37℃でタバコに30分間曝露した後、実施例1~6及び比較例1~5の汚染防止スキンケアマトリックスをそれぞれ使用して細胞生存率テストを実行し、テスト結果を表6に示した。
【表6】
【0047】
実施例7~11及び比較例6~8における汚染防止スキンケアマトリックスの各成分の重量部を表7に示した。
【表7】
ただし、表1の実施例及び比較例における各成分の含有量は、100重量部未満の場合、水で100重量部に補充した。
【0048】
実施例7~11及び比較例6~8の汚染防止スキンケアマトリックスの調製方法は以下の通りであった。
1.水と保湿剤を水相鍋に入れ、攪拌して85℃まで加熱し、30秒間均質化して完全に溶解させた。
2.攪拌して45℃まで冷却し、残りの原料を入れて汚染防止スキンケアマトリックスを得た。
【0049】
実施例7~11及び比較例6~8の汚染防止スキンケアマトリックスを用いてDPPH消去能力テスト及び抗炎症能力テストを実行し、テスト結果を下記の表8に示した。
【表8】
【0050】
最後に説明すべきものは、上記の実施例は本発明の技術案を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではなく、上記の各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、依然として上記の各実施例に記載の技術案を修正するか、又は技術的特徴の一部又はすべてを同等に置き換えることができ、これらの修正又は置き換えは、対応する技術案の本質を本発明の各実施例の技術案の範囲から逸脱させないことを理解すべきである。