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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-03
(45)【発行日】2023-02-13
(54)【発明の名称】切断可能LEDストリップ
(51)【国際特許分類】
   F21S 4/24 20160101AFI20230206BHJP
   H05B 45/3725 20200101ALI20230206BHJP
   H05B 45/48 20200101ALI20230206BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20230206BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20230206BHJP
   F21Y 107/70 20160101ALN20230206BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230206BHJP
【FI】
F21S4/24
H05B45/3725
H05B45/48
H01L33/00 J
F21Y103:10
F21Y107:70
F21Y115:10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020504309
(86)(22)【出願日】2018-07-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-01
(86)【国際出願番号】 US2018043812
(87)【国際公開番号】W WO2019023415
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-07-21
(31)【優先権主張番号】15/662,931
(32)【優先日】2017-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18152335.8
(32)【優先日】2018-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】チュー,イーフェン
(72)【発明者】
【氏名】ダイアナ,フレデリック ステファン
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104053943(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0181919(US,A1)
【文献】特表2016-527683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 4/00
H05B 45/00
H01L 33/00
F21Y 103/10
F21Y 107/70
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)ストリップであって、
第1の基準信号を受信する入力端子と、
電力バスの端部に結合されて第1の電流信号によって駆動される第1のLEDであり、当該第1のLEDに前記電力バスを介して前記第1の電流信号が供給される、第1のLEDと、
前記第1の基準信号に基づいて前記第1の電流信号の流量を制御するように構成された電流複製回路と、
当該LEDストリップが第1の位置で切断されることの結果として前記第1のLEDが前記電力バスの前記端部から切り離されるときに、前記第1のLEDを前記電力バスに再び結合するように構成された第1のスイッチング素子と、
当該LEDストリップが第2の位置で切断されることの結果として第2のLEDが前記電力バスの前記端部から切り離されるときに、前記第2のLEDを前記電力バスに再び結合するように構成された第2のスイッチング素子と、
前記第1のスイッチング素子の第1の制御端子を前記電力バスに結合する第1の導電体であり、前記第1の位置に配置されている第1の導電体と、
前記第2のスイッチング素子の第2の制御端子を前記電力バスに結合する第2の導電体であり、前記第2の位置に配置されている第2の導電体と、
を有し、
前記第1のスイッチング素子は、当該LEDストリップが前記第1の位置で切断されることの結果として前記第1の導電体が分断されるときに、閉状態に遷移するように構成され、且つ、前記第2のスイッチング素子は、当該LEDストリップが前記第2の位置で切断されることの結果として前記第2の導電体が分断されるときに、閉状態に遷移するように構成され、
前記第1の基準信号は、1つ以上の外部LEDを駆動する第2の電流信号の流量を表し、且つ
前記電流複製回路は、前記第1の電流信号の流量を前記第2の電流信号の流量に一致させるように構成される、
LEDストリップ。
【請求項2】
当該LEDストリップは更に、前記第1のスイッチング素子の制御端子を前記電力バスに結合する導電体を有し、前記第1のスイッチング素子は、当該LEDストリップが前記第1の位置で切断されることの結果として該導電体が分断されるときに、閉状態に遷移するように構成される、請求項1に記載のLEDストリップ。
【請求項3】
前記第1のLEDの上流に配置された第2のLEDであり、前記第1のLEDと直列にされて前記電力バスの前記端部に結合されている第2のLED、
を更に有する請求項1に記載のLEDストリップ。
【請求項4】
当該LEDストリップが前記第1の位置で切断されるとき、前記第2のLEDが当該LEDストリップから除去され、且つ前記第1のLEDが当該LEDストリップ内に残り、
当該LEDストリップが前記第2の位置で切断されるとき、前記第1のLED及び前記第2のLEDの双方が当該LEDストリップ内に残る、
請求項に記載のLEDストリップ。
【請求項5】
前記第1の基準信号は電圧信号であり、且つ
前記電流複製回路は、少なくとも部分的に前記第1のLEDによって発生される電圧降下を表す第2の基準信号と、前記第1の基準信号と、の間の差に基づいて前記第1の電流信号の流量を制御するように構成された演算増幅器を含む、
請求項1に記載のLEDストリップ。
【請求項6】
前記電流複製回路は更に、前記第1のLEDと直列に結合された抵抗を含み、前記第2の基準信号は、前記抵抗を用いて生成される、請求項に記載のLEDストリップ。
【請求項7】
前記電流複製回路は更に、前記演算増幅器に電力供給するように構成された電圧レギュレータを含む、請求項に記載のLEDストリップ。
【請求項8】
発光ダイオード(LED)ストリップであって、
第1の基準信号を受信する入力端子と、
電力バスの端部に結合されて第1の電流信号によって駆動される第1のLEDであり、当該第1のLEDに前記電力バスを介して前記第1の電流信号が供給される、第1のLEDと、
前記第1の基準信号に基づいて前記第1の電流信号の流量を制御するように構成された電流複製回路と、
当該LEDストリップが第1の位置で切断されることの結果として前記第1のLEDが前記電力バスの前記端部から切り離されるときに、前記第1のLEDを前記電力バスに再び結合するように構成された第1のスイッチング素子と、
前記第1のLEDの上流に配置された第2のLEDであり、前記第1のLEDと直列にされて前記電力バスの前記端部に結合されている第2のLEDと、
を有し、
当該LEDストリップが前記第1の位置で切断されるとき、前記第2のLEDが当該LEDストリップから除去され、且つ前記第1のLEDが当該LEDストリップ内に残り、当該LEDストリップが第2の位置で切断されるとき、前記第1のLED及び前記第2のLEDの双方が当該LEDストリップ内に残
前記第1の基準信号は、1つ以上の外部LEDを駆動する第2の電流信号の流量を表し、且つ
前記電流複製回路は、前記第1の電流信号の流量を前記第2の電流信号の流量に一致させるように構成される、
LEDストリップ。
【請求項9】
当該LEDストリップは更に、前記第1のスイッチング素子の制御端子を前記電力バスに結合する導電体を有し、前記第1のスイッチング素子は、当該LEDストリップが前記第1の位置で切断されることの結果として該導電体が分断されるときに、閉状態に遷移するように構成される、請求項に記載のLEDストリップ。
【請求項10】
当該LEDストリップが前記第2の位置で切断されることの結果として前記第2のLEDが前記電力バスの前記端部から切り離されるときに、前記第2のLEDを前記電力バスに再び結合するように構成された第2のスイッチング素子、を更に有する請求項に記載のLEDストリップ。
【請求項11】
当該LEDストリップは更に、
前記第1のスイッチング素子の第1の制御端子を前記電力バスに結合する第1の導電体であり、前記第1の位置に配置されている第1の導電体と、
前記第2のスイッチング素子の第2の制御端子を前記電力バスに結合する第2の導電体であり、前記第2の位置に配置されている第2の導電体と、
を有し、
前記第1のスイッチング素子は、当該LEDストリップが前記第1の位置で切断されることの結果として前記第1の導電体が分断されるときに、閉状態に遷移するように構成され、且つ
前記第2のスイッチング素子は、当該LEDストリップが前記第2の位置で切断されることの結果として前記第2の導電体が分断されるときに、閉状態に遷移するように構成される、
請求項10に記載のLEDストリップ。
【請求項12】
前記第1の基準信号は電圧信号であり、且つ
前記電流複製回路は、少なくとも部分的に前記第1のLEDによって発生される電圧降下を表す第2の基準信号と、前記第1の基準信号と、の間の差に基づいて前記第1の電流信号の流量を制御するように構成された演算増幅器を含む、
請求項に記載のLEDストリップ。
【請求項13】
前記電流複製回路は更に、前記第1のLEDと直列に結合された抵抗を含み、前記第2の基準信号は、前記抵抗を用いて生成される、請求項12に記載のLEDストリップ。
【請求項14】
前記電流複製回路は更に、前記演算増幅器に電力供給するように構成された電圧レギュレータを含む、請求項12に記載のLEDストリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して発光ダイオード(LED)光源に関し、より具体的には、切断可能なLEDストリップに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)ストリップは、一般的な屋内照明、装飾照明、自動車照明、及び景観照明を含む様々な照明用途に使用されることができる。LEDストリップは、しばしば、特定の用途に適合するサイズに切断されることができ、この特性は、それらLEDストリップを、照明デザイナー及び照明器具メーカーにとって魅力的なものにする。しかしながら、一部のLEDストリップは、必要とされるサイズに常に十分な精度で切断されることができるわけではない。例えば、セグメント化設計を特徴とするフレキシブルLEDストリップは、それらのセグメント長(例えば、30cm)の倍数である長さで切断されることになり得る。そのようなストリップは、コストの観点から望ましいことがあるが、より高い精度で切断されることができないことは、それらの有用性を制限してしまい得る。
【0003】
従って、より高い精度で所望の長さに切断されることができる新たなLEDストリップに対するニーズが存在する。さらに、セグメント化設計を特徴とするフレキシブルLEDストリップのコスト上の利点の一部を保持しつつ、より高い精度でサイズを定められることができるLEDストリップシステムに対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0004】
本開示はこのニーズに対処する。開示の態様によれば、発光ダイオード(LED)ストリップが開示される。LEDストリップは、第1の基準信号を受信する入力端子と、電力バスの端部に結合されて第1の電流信号によって駆動される第1のLEDであり、当該第1のLEDに電力バスを介して第1の電流信号が供給される、第1のLEDと、第1の基準信号に基づいて第1の電流信号の流量を制御するように構成された電流複製回路と、当該LEDストリップが第1の位置で切断されることの結果として第1のLEDが電力バスの端部から切り離されるときに、第1のLEDを電力バスに再び結合するように構成された第1のスイッチング素子とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
以下に記載される図面は、単に例示目的でのものである。図面は、本開示の範囲を限定することを意図していない。図に示される同様の参照符号は、様々な実施形態における同じ部分を示す。
図1】開示の態様に従った、セグメント化設計を特徴とするLEDストリップの一例の図である。
図2A】開示の態様に従った、照明器具内での図1のLEDストリップの使用を例示する図である。
図2B】開示の態様に従った、切断可能LEDストリップと共にの、図1のLEDストリップの使用を例示する図である。
図3A】開示の態様に従った、図1のLEDストリップが図2Bの切断可能LEDストリップに接続される手法を例示する図である。
図3B】開示の態様に従った、図1のLEDストリップ及び図2Bの切断可能LEDストリップのそれぞれの接続インタフェースを例示する図である。
図4】開示の態様に従った、切断可能LEDストリップの一例を示す図である。
図5A】開示の態様に従った、切断可能LEDストリップの他の一例を示す図である。
図5B】開示の態様に従った、図5Aの切断可能LEDストリップの動作を例示する図である。
図6】開示の態様に従った、切断可能LEDストリップの更なる他の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
一態様において、他のLEDストリップ設計よりも正確にサイズが定められるように切断されることができる切断可能LEDストリップが開示される。例えば、切断可能LEDストリップは、セグメント化されたLEDストリップを切断することができる精度よりも何倍も高い精度で切断されることができる。
【0007】
他の一態様において、切断可能LEDストリップは、例えば一般的な屋内照明、装飾照明、自動車照明、及び景観照明などの様々な用途での使用のために単独で提供されるLEDストリップとし得る。
【0008】
他の一態様において、切断可能LEDストリップは、切断可能LEDストリップと同じ精度で切断されることはできないがいっそう低コストで作製される主LEDストリップ、を含んだキット内に設けられてもよい。切断可能LEDストリップがそのようなキット内に設けられるとき、切断可能LEDストリップは、望まれるように主LEDストリップを増補するために使用されることができる。例えば、主LEDストリップが30cmの倍数の長さに切断することができるものであり、且つ35cmの長さが必要とされる場合、所望の長さを達成するために、主LEDストリップの30cmセグメントを、切断可能LEDストリップの5cmセグメントで増補することができる。
【0009】
他の一態様において、切断可能LEDストリップは、当該切断可能LEDストリップを駆動する電流を、主LEDストリップを駆動するために使用される電流に一致させるための電流複製回路を含み得る。電流の一致は、主LEDストリップと切断可能LEDストリップとにわたって均一な輝度を確保するために必要であり得る。
【0010】
他の一態様において、電流複製回路は、定電流及び定電圧のどちらの電力供給とも適合し得る。これは、切断可能LEDストリップが様々な状況で容易に配備されることを可能にする。
【0011】
他の一態様において、発光ダイオード(LED)ストリップが開示され、当該LEDストリップは、第1の基準信号を受信する入力端子と、電力バスの端部に結合されて第1の電流信号によって駆動される第1のLEDであり、当該第1のLEDに電力バスを介して第1の電流信号が供給される、第1のLEDと、第1の基準信号に基づいて第1の電流信号の流量を制御するように構成された電流複製回路と、当該LEDストリップが第1の位置で切断されることの結果として第1のLEDが電力バスの端部から切り離されるときに、第1のLEDを電力バスに再び結合するように構成された第1のスイッチング素子とを含む。
【0012】
他の一態様において、発光ダイオード(LED)ストリップが提供され、当該LEDストリップは、電力バスと、複数の除去可能セクションとを有し、いずれの除去可能セクションも、(a)少なくとも1つの他の除去可能セクション内に位置する1つ以上の他のLEDと直列に電力バスの端部に接続された、それぞれのLEDと、(b)LEDストリップが隣接位置にて切断されることの結果として第1のLEDが電力バスの端部から切り離されるときに、それぞれのLEDを電力バスに再び結合するように構成された、それぞれのスイッチング素子と、を含む。
【0013】
他の一態様において、第1の発光ダイオード(LED)を含む第1のLEDストリップと、第2のLEDストリップとを有するシステムが提供される。第2のLEDストリップは、第1のLEDストリップから、第1のLEDを駆動する第1の電流信号の流量を表す第1の基準信号を受信するように構成される。第2のLEDストリップは、電力バスと、該電力バスの端部に直列に接続されて第2の電流信号によって駆動される複数の第2のLEDと、第1の基準信号に基づいて第2の電流信号の流量を第1の電流信号の流速に一致させるように構成された電流複製回路とを含む。
【0014】
図1は、開示の態様に従ったLEDストリップ100の一例の図である。LEDストリップ100は、直線状の照明器具での使用に適したフレキシブルLEDストリップである。LEDストリップは、定電流又は定電圧のいずれかのLED電源に並列に接続され得る複数のセグメント110を含んでいる。セグメント110の各々が、一定の長さ(例えば、30cm)を持つとともに、一連のLED120を含む。LEDストリップ100は、リール130上に巻き上げられ得るとともに、リリースライナー140が剥がし取られるときに露出する接着剤バッキングを含み得る。
【0015】
本例において、LEDストリップ100は、一定の長さを持つ一連の繰り返しセグメント110に製造されている。その可撓性にかかわらず、LEDストリップの長さは、単位セグメント当たり僅かに増加又は減少し得るのみである。総駆動電流と電圧との間の実用的なトレードオフを達成するために、各セグメント内のLED同士が直列に接続される。従って、LEDストリップが長さに切断されるとき、それは完全なるセグメントによって切断されなければならない。換言すれば、フレックスストリップ100は、器具に合わせてカスタム設計されるのでない限り、必ずしも、それが取り付けられる全ての器具の長さに一致するわけではなく、その複数のセグメントのうち収まることができない1つの一片が残って照明器具の外側に垂れ下がるか、あるいは照明器具内に暗いゾーンを作り出すか、のいずれかとなる。新たな器具ごとにフレックスストリップを設計することは、この問題を解決するが、様々なLEDストリップモデルの在庫が膨れ上がるという問題を生み出してしまう。
【0016】
図2Aは、その中にLEDストリップ100の一部が組み込まれた照明器具210の一例を示している。図示のように、照明器具210の長さは、その内部に配置された2つのセグメント110の合計長さより大きいが、セグメントの長さの3倍よりは小さい。従って、セグメント110のうちの2つが照明器具210に組み込まれるとすると、照明器具210内の利用可能な空間の一部が充たされないままであり、それが、照明器具210が点灯されるときに暗いスポットの出現につながり得る。
【0017】
図2Bは、照明器具210内の充たされない空間を占有する切断可能LEDストリップ220の使用を例示する図である。本例において、切断可能LEDストリップ220は、埋められる空間の長さに切断されてセグメント110に接続されることで、照明器具210の全長にわたる連続した光源を形成している。
【0018】
図3Aは、LEDストリップ100の少なくとも1つのセグメント110を切断可能LEDストリップ220と共に含むシステム300の一例を示している。図示のように、切断可能LEDストリップ220は、所望のサイズに切断された後に、コネクタ310を介してLEDストリップ100に接続されることができる。コネクタ310は、セグメント110の端部上の端子を切断可能LEDストリップ220の端子に結合するように構成された任意の好適タイプのコネクタとし得る。例えば、コネクタ310は、スライドインワイヤコネクタ、ストリップ・ツー・ストリップコネクタ、ギャップレスコネクタ、及び/又は何らかの他の好適タイプのコネクタを含み得る。
【0019】
図3Bは、LEDストリップ100と切断可能LEDストリップ220との接続端子構成の一例を示している。図示のように、LEDストリップ100の各セグメント110が、電力(PWR)端子322、グランド(GND)端子326、及び基準(REF)端子324を含む3つの端子のセットを備え得る。同様に、切断可能LEDストリップ220は、電力端子332、グランド端子336、及び基準端子334を含み得る。LEDストリップ100のセグメント110を切断可能LEDストリップ220に接続するためにコネクタ310が使用されるとき、電力端子322が電力端子332に結合され、グランド端子326がグランド端子336に結合され、そして、基準端子324が基準端子334に結合される。
【0020】
開示の態様によれば、電力端子322及び332は、切断可能LEDストリップ220をLEDストリップ100の電源に接続するために使用され得る。同様に、グランド端子326及び336は、切断可能LEDストリップ220をグランドに接続するために使用され得る。また、基準端子324及び334は、LEDストリップセグメント110から切断可能LEDストリップ220に基準信号を送るために使用され得る。基準信号は、セグメント110内のLEDを通る電流の流量を表す任意の好適タイプの信号とし得る。更に後述するように、基準信号は、均一な輝度を確保するために、切断可能LEDストリップ内の電流をLEDセグメント110内の電流に一致させるために使用される。
【0021】
本例では、LEDストリップ100が1つのセグメント110のみを含んでいるが、LEDストリップ100が一連の複数のセグメント110を含む代替実装が可能である。それに加えて、あるいは代えて、電源に並列に接続された一連のセグメントをLEDストリップ100が含むとき、基準信号は、それらのセグメントのうちの1つ(例えば、最後のセグメント)内のLEDのみを駆動するのに使用される電流の流量を表し得る。それに加えて、あるいは代えて、一部の実装において、基準信号は、特定のセグメント(例えば、最後のセグメント)内のLEDのうちの一部のみを駆動するのに使用される電流の流量を表してもよい。
【0022】
本例では、LEDストリップセグメント110及び切断可能LEDストリップ220が同じインタフェースを有しているが、一部の実装において、それらの接続インタフェースが異なっていてもよい。例えば、それらの接続インタフェースが、異なる数の端子を有してもいてもよく、あるいは、それらの接続インタフェースのうちの一方が、ある端子を欠いていてもよい。他の一例として、LEDストリップセグメント110の接続インタフェース内の端子が、切断可能LEDストリップ220の端子とは異なるサイズ、形状、又は位置を有していてもよい。接続インタフェースが異なるとき、コネクタ310は、2つのインタフェース間のアダプタという二次的な役割を果たし得る。従って、本開示は、LEDストリップセグメント110又は切断可能LEDストリップ220のいずれについても特定のタイプの接続インタフェースに限定されない。
【0023】
図4は、開示の態様に従った切断可能LEDストリップ400の一例の図である。切断可能LEDストリップ400は、電源セクション410と、一連の除去可能セクション420と、一連の分離領域430とを含んでいる。分離領域430は、図示のように、除去可能セクション420と交互に配置される。
【0024】
電源セクション410は、入力インタフェース412及び電流複製回路414を含み得る。入力インタフェース412は、例えば図3Bに関して説明した端子332、334、及び336などの、1つ以上の接続端子を含み得る。それに加えて、あるいは代えて、入力インタフェース412は、入力インタフェース412によって受信される複数の信号のうちのいずれかを調整又は変更するための1つ以上の電子部品及び/又は回路を含んでいてもよい。
【0025】
入力インタフェース412を介して受信される信号は、基準信号及び電力信号を含み得る。電力信号及び基準信号はどちらも、切断可能LEDストリップ400に接続される外部のLEDストリップから受信され得る。本例によれば、基準信号は、外部LEDストリップ内の1つ以上のLEDを駆動する電流の流量を表し得る。電力信号は、外部LEDの電源から受信され得る。電源は、LEDとは別個であってもよいし、LEDに一体化されていてもよい。外部LEDストリップ及び切断可能LEDストリップは、電源に並列に接続され得る。
【0026】
電力信号は、切断可能LEDストリップ400の部分である1つ以上のLED422を駆動するために使用され得る。電流複製回路は、電力信号の流量を、外部LEDストリップ内の1つ以上のLEDを駆動するのに使用される信号の流量に一致させるように構成された任意の好適タイプの回路を含み得る。換言すれば、電流複製回路は、外部LEDストリップ及び切断可能LEDストリップの均一な輝度を確保するために、外部LEDストリップにおける電流を切断可能LEDストリップに複製し得る。
【0027】
除去可能セクション420は各々、電源セクション410に結合されたままとなる除去可能セクション420の機能に影響を及ぼすことなく、切断可能LEDストリップから除去されることができる。除去可能セクション420は各々、それぞれのLED422と、それぞれの予備トラック424と、それぞれのスイッチング素子426とを含み得る。除去可能セクション420のいずれでも、上記それぞれのLED422は、そのセクションに組み込まれた1つ以上のLEDを含み得る。除去可能セクション420のいずれでも、上記それぞれの予備トラック424は、切断可能LEDストリップ400が2つのピースに切断された後に残るLED422のいずれに対しても代替電流経路を提供し得る。除去可能セクション420のいずれでも、上記それぞれのスイッチング素子426は、その除去可能セクションからすぐ上流の分離領域が切断されるときに、その除去可能セクションの上記それぞれの予備トラックを閉じるように構成され得る。
【0028】
名称が示唆するように、分離領域430は、切断可能LEDストリップの長さを短くするために切断可能LEDストリップ400を安全に切断することができるLEDストリップ400内の位置である。切断可能LEDストリップ400が、分離領域430のいずれかにて2つのピースに切断されるとき、その分離領域から下流に位置する除去可能セクション内のLEDの機能は保持される。一部の実装において、切断可能LEDストリップ400をそこで切断することができることをユーザに知らせるために、分離領域430の各々がマーキングされ得る。加えて、あるいは代えて、一部の実装では、切断可能LEDストリップ400の異なる部分をユーザが引き離すことを容易にするために、分離領域430の各々が穿孔され及び/又は切り込みを入れられてもよい。1つの可能な分離領域実装の例について、図5A-5Bに関して更に後述する。
【0029】
図5Aは、開示の態様に従った切断可能LEDストリップ500の一例の図である。切断可能LEDストリップ500は、電源セクション510と、複数の除去可能セクション520と、複数の分離領域530とを含んでいる。電源セクション510は、図4に関して説明した電源セクション410と同じ又は同様とし得る。除去可能セクション520の各々が、それぞれのLEDと、それぞれの予備トラックと、それぞれのスイッチング素子とを含み得る。分離領域530の各々が、図示のように、それぞれのトリップワイヤを含み得る。
【0030】
図示のように、異なる除去可能セクション520内のLEDが、電力バスの端部に直列に接続される。除去可能セクション520のそれぞれの予備トラックが、電力バスに並列に接続される。予備トラックは互いに離間され、各予備トラックが、その予備トラックを開閉するように構成されたそれぞれのスイッチング素子を備える。一部の実装において、それぞれのスイッチング素子は各々、2つの接続端子と制御端子Cとを備え、そして、制御端子に与えられる信号(例えば、電圧信号)に応じて、2つの接続端子間の経路を開閉するように構成される。各スイッチング素子のそれぞれの制御端子Cは、それぞれのトリップワイヤを介して電力バスに接続される。電力バスが無傷であるとき、電力バスの電圧がスイッチング素子の制御端子Cに与えられ、スイッチング素子は開状態のままである。
【0031】
図5Bを参照するに、切断可能LEDストリップが、分離領域530xにて残存部分と除去部分とに切断されると、除去可能セクション520x内のLEDが電力バスの端部から切り離される。しかしながら、切断可能LEDストリップ500が切断されることの結果として分離領域530x内のトリップワイヤも切断され、これが、除去可能セクション520x内のスイッチング素子の制御端子Cに電力バスの電圧が与えられ続けることを不可能にする。除去可能セクション520xのスイッチング素子の制御端子Cにおける電圧の不存在(又は単なる低下)は、切断可能LEDストリップ500がエネルギー供給されるときに、そのスイッチング素子を閉じさせる。これが、ひいては、除去可能セクション520x内のLEDを、それよりも下流に位置する1つ以上の他のLEDと共に電力バスに再接続させる。
【0032】
図6は、LEDストリップ650に接続された切断可能LEDストリップ600を含むシステムの回路図である。LEDストリップ650は、電源S1と、抵抗Rsと直列に接続された複数のLEDとを含んでいる。電源S1は、外部電源又は内蔵電源のいずれであってもよい。また、電源S1は、定電流電源であってもよいし、定電圧電源であってもよい。本例では、LEDストリップ650が1つのセグメントを含んでいるが、LEDストリップ650が点灯されるときにセグメントの各々に同じ電流が流れるように、LEDストリップ650が、電源S1に並列に接続された複数のセグメントを含む代替実装が可能である。
【0033】
切断可能LEDストリップ600は、それぞれPWR、REF、及びGNDとラベル付けされた端子を介してLEDストリップ650に接続されており、LEDストリップ650の電源S1によって電力供給される。切断可能LEDストリップ600は、図示のように、電源セクション610と、複数の除去可能セクション620と、複数の分離領域630とを含んでいる。分離領域630及び除去可能セクション620は交互に配置されている。
【0034】
電源セクション610は、LEDストリップ650内のLEDを駆動するのに使用される電流を切断可能LEDストリップ600に複製するように構成された電流複製回路を含んでいる。図示のように、LEDストリップ650内のLEDは、第1の電流信号Iで駆動され、切断可能LED600内のLEDは、第2の電流信号Iで駆動される。従って、一部の実装において、電流複製回路は、第2の電流信号Iの流量を第1の電流信号Iの流量と一致させるように構成された任意の好適タイプの回路を含み得る。一部の実装において、第2の電流信号Iの流量が第1の電流信号Iの流量に等しいときに、第2の電流信号Iの流量が第1の電流信号Iの流量に一致すると見なされ得る。加えて、あるいは代えて、一部の実装では、第2の電流信号Iの流量が第1の電流信号Iの流量の所定の差以内にあるときに、第2の電流信号Iの流量が第1の電流信号Iの流量に一致すると見なされてもよい。従って、一部の実装において、電流複製回路は、切断可能LEDストリップ600内のLEDに、LEDストリップ650内のLEDと同じ(又は同等の)電流を受けさせ、それにより、システムの均一な輝度を確保し得る。
【0035】
加えて、あるいは代えて、一部の実装において、電流複製回路は、LEDストリップ650内のLEDと切断可能LEDストリップ600内のLEDとの間の違いを補償するために、意図的に、電流Iからある差だけオフセットされた電流を切断可能LEDストリップ600内のLEDに受けさせてもよい。例えば、そのような実装において、電流複製回路は、電流信号Iの流量が電流Iの流量よりも所定量だけ低い又は高いのいずれかであることを保証してもよい。
【0036】
より具体的には、図6の例において、電流複製回路は、その出力を金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)Q1に送るように構成された演算トランスコンダクタンス増幅器(OTA)U1を含んでいる。演算増幅器U1は、その入力で第1の基準信号と第2の基準信号とを受信する。第1の基準信号は、抵抗Rsを用いて生成され、それは電流信号Iの流量を指し示す。第2の基準信号は、抵抗Rs1を用いて生成され、それは切断可能LEDストリップ600内のLEDを横切る電流信号Iの流量を指し示す。第1の基準信号及び第2の基準信号はどちらも電圧信号とすることができ、第1の基準信号は抵抗Rsでの電圧降下であり、第2の基準信号は抵抗Rs1での電圧降下である。一部の実装において、演算増幅器U1は、第1の基準信号と第2の基準信号との間の差を使用して、電流信号Iの流量を電流信号Iの流量と一致させ得る。
【0037】
一部の実装において、抵抗Rs及びRs1は同じ抵抗値を有し得る。一部の実装において、電源セクション610は、1つ以上のLEDを含み得る。一部の実装において、パワーMOSFET Q1は、除去可能セクション620の全てが除去されたときの電圧降下を受け入れるのに十分な電力定格を持つように選定され得る。一部の実装において、OTA U1は、電圧レギュレータU2を用いて電力供給され得る。電圧レギュレータU2は、伝統的なTL431系の電圧レギュレータ及び/又は任意の他の好適タイプの電圧レギュレータとし得る。それに代えて、一部の実装では、コストを節減するために、電圧レギュレータU2の代わりにツェナーダイオードが用いられてもよい。
【0038】
除去可能セクション620の各々が、それぞれのLED L1と、それぞれの予備トラックN3-N4と、それぞれのpチャネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(PMOS)Q2と、それぞれの抵抗R1と、それぞれの抵抗R2とを含み得る。いずれの特定の除去可能セクション620においても、PMOS Q2並びに抵抗R1及びR2の機能は、電力バスN1-N2の一部が切断されたときに、LED L1のアノードを電力バスN1-N2に接続することである。いずれの特定の除去可能セクション620においても、PMOS Q2のゲートが、その除去可能セクションからすぐ上流に位置する分離領域630内に置かれた導電体640(例えば、トリップワイヤ)によって、通常はそのソースに短絡されている。これは、PMOS Q2をターンオフさせ、それ故に、それの上記それぞれの予備トラックN3-N4をオープンに維持する。
【0039】
切断可能LEDストリップ600が、特定の分離領域630にて2つのピースに切断されると、その分離領域の上記それぞれの導電体640が分断される。結果として、その特定の分離領域630からすぐ下流に位置する除去可能セクション620に、幾つかの変化が生じる。説明の容易さのため、この分離領域を、“対応する除去可能領域”として参照する。より具体的には、対応する除去可能領域の2つの抵抗R1及びR2が、PMOS Q2のゲートをバイアスする抵抗分圧器を形成する。これが、対応する分離領域のPMOS Q2をターンオンさせ、その予備トラックN3-N4を閉じる。対応する除去可能領域のPMOS Q2がターンオンされると、PMOS Q2が、そのドレインに接続されているLEDのアノードを電力バスN1-N2に接続し、故に、回路を自動的に閉じる。
【0040】
一部の態様において、切断可能LEDストリップ600の設計は、定電圧電源(例えば、取り得る出力電流の範囲内で一定の所与の出力電圧を提供する電源)及び定電流電源(例えば、取り得る出力電圧の範囲内で一定の所与の出力電流を提供する電源)の双方に適合することができる。一部の実装において、切断可能LEDストリップ600の長さが増加するにつれて、定電圧ドライバは、電流を増加させて定電圧を確保し得る。加えて、あるいは代えて、一部の実装において、大抵の市販のPMOSが20Vの最大|Vgs|を有する一方で、LEDストリップの一般的なバス電圧は24Vから48Vの範囲内にあるので、PMOS Q2のゲート-ソース間電圧を制限するために、抵抗R1及びR2によって形成される抵抗分圧器が必要とされ得る。
【0041】
図1-6は、単なる例として提供されている。これらの図に関して説明された要素の少なくとも一部は、異なる順序で配置され、組み合わされ、且つ/或いは完全に省略され得る。理解されることには、ここに記載された例の提供、並びに、“例えば~など”、“例えば”、“含む”、“一部の態様において”、“一部の実装において”及びこれらに類するもののように言い回される句は、開示された事項をそれら特定の例に限定するものとして解釈されるべきでない。本明細書中で使用されるとき、用語“切断”は2つの部分(例えば、残存部分と除去部分)へのLEDストリップの分割をもたらす如何なるアクションをも指すことができる。本明細書中で使用されるとき、切断なる用語は、のナイフ、ハサミ、又は何らかの他の器具の使用を前提としておらず、また、それを排除もしない。本明細書中で使用されるとき、用語“切断”は、例えば引き裂き、引き離し、切り離しなどのアクションを包含する。
【0042】
本発明を詳細に記載してきたが、当業者が理解することには、本開示を所与として、ここに記載された発明概念の精神から逸脱することなく、本発明に変更が為され得る。故に、図示して説明した特定の実施形態に本発明の範囲を限定する意図はない。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6