(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-03
(45)【発行日】2023-02-13
(54)【発明の名称】既存のプロセスにおける動力回収タービン機器の追加によるプロセスの改善
(51)【国際特許分類】
F01K 7/16 20060101AFI20230206BHJP
【FI】
F01K7/16
(21)【出願番号】P 2020547032
(86)(22)【出願日】2019-03-15
(86)【国際出願番号】 US2019022451
(87)【国際公開番号】W WO2019178469
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-10-29
(32)【優先日】2018-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598055242
【氏名又は名称】ユーオーピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】フレイ、スタンレー ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】エイブナー、トーマス
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-538130(JP,A)
【文献】特開2001-182903(JP,A)
【文献】特表2017-524039(JP,A)
【文献】特表2014-515801(JP,A)
【文献】特表2013-513085(JP,A)
【文献】特開2006-205135(JP,A)
【文献】特開平06-166640(JP,A)
【文献】特開平04-334703(JP,A)
【文献】特開昭58-085324(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0260151(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0019530(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0011523(US,A1)
【文献】米国特許第04338788(US,A)
【文献】米国特許第04057736(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第02022837(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01K 7/00- 7/44
F01K 23/00-23/18
F01D 15/10
B01D 3/00- 3/42
C07C 7/00- 7/20
H02J 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
石油、石油化学、又は化学プラントにおいてエネルギーを回収するためのプロセスであって、
プロセスゾーンにおいて第1の制御弁(430)を上に有する第1の流体ストリームを識別することと、
前記第1の制御弁(430)の位置に第1の動力回収タービン(410)を設置することと、
前記第1の流体ストリームの少なくとも一部分を前記第1の動力回収タービン(410)を通して方向付けて、そこから電力を生成することと、
前記電力を回収することと、
回収された
電力を、第1のサブステーション内の600VAC未満の電圧を有する低電圧交流電流バスへ提供することと、または前記回収された
電力の電圧を増加して、前記第1のサブステーション内の5kVACよりも大きな電圧を有する中電圧交流電流バスに提供することと、を含む、プロセス。
【請求項2】
前記第1の動力回収タービン(410)が、前記第1の制御弁(430)と並列に、又は前記第1の制御弁(430)と直列に設置されている、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記第1の動力回収タービン(410)の設置が、前記第1の制御弁(430)のみを有する前記第1の流体ストリームと比較して、前記第1の流体ストリームのより低い温度をもたらし、
前記より低い温度が、前記第1の動力回収タービン(410)なしでの動作と比較して、前記石油、石油化学、又は化学プラントの一部分の冷却を増加させることによって前記石油、石油化学、又は化学プラントにおけるスループットを増大する、請求項1~2のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項4】
複数の圧力低減デバイスからの情報を受信することであって、前記複数の圧力低減デバイスが、前記第1の動力回収タービン(410)と前記第1の制御弁(430)とを備える、受信することと、
前記複数の圧力低減デバイスの各々に対する動力損失値又は動力生成値を決定することと、
前記複数の圧力低減デバイスの各々からの前記動力損失値又は前記動力生成値に基づいて、
総動力損失値又は総動力生成値を決定することと、
前記総動力損失値又は前記総動力生成値を少なくとも1つの表示画面上に表示することと、を更に含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
機械的駆動部(ポンプ及び圧縮機)における動力消費の最小化は、エネルギーの追加を最小限に抑えることができる領域を探して、新たなユニット設計ステップ中に必要な動力及び熱入力を詳細に評価することによって行うことができる。しかしながら、機器の数を最小限に抑えることによって資本を節約する必要があるため、圧縮機及びポンプは、多くの場合、プロセスストリームが圧縮機又はポンプで単一の高圧ヘッダーまで圧縮又は加圧されるためにサイズが大きくなり過ぎ、次いで、最小限の資本設計に起因する固有のエネルギー非効率を明らかにする非常に低い圧力のサービスへの著しい圧力低下を有するいくつかの下流分枝へ下流で多岐管化される。多岐管化が存在しない状況であっても、従来の流れ制御は、必然的にエネルギーを散逸させ、後で潜在的なエネルギー回収のポイントとなり得るドライバの下流の制御弁を含む。
【0002】
既存のプロセスが改造されている場合、大型ドライバ及び制御弁の資本コストは既に費やされており、資本節約の機会が存在しない。その結果、機器を変更してエネルギーを節約し、プロセスを改造するために必要なダウンタイムをとるという選択肢は、多くの場合、省エネルギープロジェクトに対して投資回収率が悪いという結果をもたらす。
【0003】
したがって、既存の機器を利用しながらコスト効率の高い動力回収タービンを使用して既存のプロセスを改善する方法が必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図2】本発明の改造されたプロセスの一実施形態の図解である。
【
図3】本発明の改造されたプロセスの別の実施形態の図解である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
エネルギーを節約するだけでなく、既存のプラントのボトルネック解消ももたらす動力回収タービンの追加は、資本最小化及び完了速度が主要な目標である新たな設備よりも改造の機会をはるかに魅力的にすることができる。
【0006】
プロセスにおける流体ストリームが動力回収タービン発電機を通過するとき、流体ストリームの出口温度は、制御弁のみを通過する流体ストリームからのものよりも低い。特定の流体ストリームのために利用可能な冷却の量によって制限されるプロセスの場合、出口ストリームのより低い温度は、プロセスの増大したスループットを可能にすることができる。この増大したスループットは、タービン発電機からの動力回収に加えて、著しい利益を提供する。増大したスループットと動力回収との組み合わせは、設備投資の経済的な正当性を改善する。
【0007】
本発明の一態様は、石油、石油化学、又は化学プラントにおいてエネルギーを回収するためのプロセスである。一実施形態では、プロセスは、プロセスゾーンにおいて第1の制御弁を上に有する第1の流体ストリームを識別することと、第1の制御弁の位置に第1の動力回収タービンを設置することと、第1の流体ストリームの少なくとも一部分を第1の動力回収タービンを通して方向付けて、そこから直流電流として電力を生成することと、電力を回収することと、を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1の動力回収タービンは、第1の制御弁と並列に設置される。いくつかの実施形態では、第1の動力回収タービンは、第1の制御弁と直列に設置される。いくつかの実施形態では、第1の動力回収タービンは、第1の制御弁に取って代わる。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の制御弁は、プロセス流体が弁ステムの活性パッキングに接触することを避けるために、通常動作においてプロセスから分離されている。これは、典型的には、制御弁の両側にあるゲート弁を閉じることによって行うことができる。本発明は既存のプロセスユニットに改造又は修正を伴うため、制御弁及び分離ゲート弁は、典型的には既に存在しており、タービンに現在の「バックアップ」制御弁を含めることは、改造中の追加のコストを伴わない。
【0010】
いくつかの実施形態では、動力回収タービンは、漏れ及び漏えい排出を起こしやすい活性グランドがない状態で封止されている。この種のタービンデバイスは、125kW AMB Expander/Generator for Waste Heat Recovery,Reference:Journal of Engineering for Gas Turbines and Power,July 2011,Vol 133,Pages 072503-1~072503-6の開発に記載されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の流体ストリームがガスである場合、第1の動力回収タービンの設置は、制御弁のみを有する第1の流体ストリームと比較して、第1の流体ストリームのより低い温度をもたらし、かつ、より低い温度は、動力回収タービン発電機なしでの動作と比較して、プラントの一部分の冷却を増加させることによってプラントスループットのボトルネックを解消する。冷却の増加は、タービンが、制御弁よりも第1の流体ストリームからより多くのエネルギーを抽出するために発生する。タービンは、タービンを駆動するための機械的及び熱エネルギーの損失を伴う等エントロピー膨張を近似する。これは、システムからエネルギーを抽出又は熱が伝達されることなく圧力降下が行われる弁を通じた断熱性で高度に不可逆的な膨張と比較される。タービンからのより低い温度は、例えば、より高い出口温度をもたらす弁のケースよりも少ないガスで反応器床を冷却することによって、より大きなスループットを可能にすることができる。このより低いガス流要件により、ガスの圧縮セクションにおけるエネルギー節約、又は代わりに、より低温のガス急冷ストリームにより温度制限がいくらか緩和されるため、高温により制限される反応器への炭化水素供給量を増加させることができる、のいずれかが可能になる。多くの発熱反応器床は、典型的には、望ましくない反応は、一旦開始すると、壊滅的に急速に温度を上昇させ始め得るので、熱放出の自動伝播の可能性を回避するために高温限界を有する。いくつかの実施形態では、プラントの一部分は反応ゾーン内にある。
【0012】
いくつかの実施形態では、プロセスは、回収された電力を直流電流に整流し、電力を回収された交流電流に逆変換することと、回収された交流電流を第1のサブステーションに供給することと、を更に含む。
【0013】
プロセスのサブステーションは、三相、低電圧(例えば、<600VAC)電力グリッドなどの、プロセスユニットサービスのグループへの配電専用の電気エリアである。典型的には、製油所、若しくは石油化学又は化学プラント内にいくつかのプロセス及びユーティリティのサブステーションが存在し、主配電システムが位置する1つの主サブステーションが存在する。プロセスサブステーションは、変圧器、電気建築物、異なる電圧レベルの開閉装置、モータ制御センター(MCC)、及び単相配電盤から構成される。大部分のプロセスサブステーションは、非常に大きなkWの電気負荷に対応し、それの一部は低電圧(例えば、<600V)であり、その一部は中電圧(より大型モータのための、例えば、>250HP)である。その結果、典型的なプロセスサブステーションは、中電圧バス及び低電圧バスの両方を有する。
【0014】
いくつかの実施形態では、電力が回収されると、インバータの出力は、プロセスサブステーションの低電圧配電システムに接続することができ、又は、十分に大きな量の電力が回収された場合には、プロセスサブステーションの中電圧配電システムに昇圧され得る。昇圧電圧を有する大きな量の回収された電力はまた、他のプロセスサブステーション又は主サブステーション内の中電圧システムに接続することもできる(中電圧は一般的に電圧降下を減らすために使用される)。しかしながら、これは、変圧、開閉装置、ケーブル配線などの追加コストを招き、追加の機器のためにかなりの不動産を必要とする。
【0015】
いくつかの実施形態では、サブステーションは、少なくとも1つの交流電流バスを含み、DC/ACインバータの出力は、サブステーション内の低電圧(例えば、<600VAC)バスなどの少なくとも1つの交流電流バスに電気的に接続される。
【0016】
いくつかの実施形態では、サブステーションは、少なくとも1つの交流電流バスを備え、DC/ACインバータの出力は、中電圧に電気的に変圧され、次いで、プロセスサブステーション内の中電圧(例えば、5kVAC又は15kVACクラス)バスに接続される。
【0017】
いくつかの実施形態では、第2のサブステーションがあり、第1のサブステーションの出力は第2のサブステーションに電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、第2のサブステーションは、第1のサブステーションの電圧よりも高い電圧を有し、DC/ACインバータの電圧を、中電圧などの第2のサブステーションのより高い電圧に昇圧するための昇圧変圧器が存在する。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1のサブステーションは、少なくとも2つの石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンに電気的に接続される。いくつかの実施形態では、第1のサブステーションの出力は、少なくとも2つのプロセスゾーン内の1つの機器に電気的に接続される。
【0019】
いくつかの実施形態では、電力は、ガイド翼又は電力生成回路上の可変負荷のいずれかによって可能になる流れに対する可変抵抗を有する動力回収タービンを介して生成される。タービンから発せられる電力はDCであり、単一のラインに組み合わされ、電力グリッドと同期して同じ電圧でDC電力をACに変換するインバータに送られ得る。動力回収タービンはDC出力を生成するので、変動して可変の回転速度を個別に有し得る動力回収タービンを制御するために、周波数、回転速度などを同期させることを心配せずに、それらの電流が組み合わされることを可能にする。
【0020】
いくつかの実施形態では、処理ユニット内のプロセスストリームの流量を制御し、プロセスストリームからエネルギーを回収するためのプロセスは、タービンを通る流れに対する抵抗を変化させるために、いくつか例を挙げると、可変ノズルタービン、入口可変ガイド翼、又は直接連結された可変電気負荷を使用してプロセスストリームの流量を制御するために、1つ以上の可変抵抗動力回収タービンを通るプロセスストリームの一部分を方向付けることを含む。
【0021】
可変抵抗タービンの回転に対する抵抗は、タービン上で回転する磁石(複数可)からの磁界内にある外部可変負荷電気回路によって変化させることができる。より多くの負荷が回路上に置かれると、タービンの回転に対する抵抗がより高い。このことにより、タービン全体でより多くの圧力低下が与えられ、プロセスストリームの流れが遅くなる。デバイス内のアルゴリズムはまた、タービンRPM及び回路上の負荷を測定することによって、デバイスを通る実際の流れを計算することもできる。回転流に対する抵抗はまた、可変位置入口ガイド翼によって変化させることができる。いくつかの実施形態では、電力は、ガイド翼又は電力生成回路上の可変負荷のいずれかによって可能になる流れに対する可変抵抗を有する動力回収タービンを介して生成される。ガイド翼位置、電力出力及びRPMを使用して実際の流れを計算するためのアルゴリズムを使用することができる。
【0022】
タービンの遅い制御応答が問題である場合、タービンの使用は、遅い応答又は「緩い」制御ポイントアプリケーションに限定される。遅い応答のアプリケーションは、新しい(又は目標の)条件が元の(又は開始時の)条件と少なくとも10%異なる場合、変化の半分が完了するために、少なくとも1秒、又はそれ以上、例えば10秒、少なくとも1分、少なくとも10分、又は1時間以上の、元の(又は開始時の)定常状態条件から新しい(又は目標)定常状態条件(例えば、温度、圧力、流量)の中間(つまり、50%の差)に達する応答時間を有することが考えられる。
【0023】
いくつかの実施形態では、電力グリッドは、プロセスサブステーションの内部の電力グリッド、プロセスサブステーションの外部の電力グリッド、又はその両方を含む。電力グリッドがプロセスサブステーションの内部にあるとき、DC/ACインバータの出力は、プロセスサブステーションにおいて直接使用することができる。例えば、プロセスサブステーション内に1つ以上の交流電流バスが存在してもよい。あるいは、電力グリッドがプロセスサブステーションの外部にあるとき、プロセスサブステーションよりも高い電圧にある場合がある。この場合、プロセスサブステーションに変圧器が存在して、それがDC/ACインバータの出力を、プロセスサブステーションの外部の電力グリッドのより高い電圧に昇圧する。
【0024】
いくつかの実施形態では、プロセスは、第2の制御弁を上に有する第2の流体ストリームを識別することと、第2の制御弁の位置に第2の動力回収タービンを設置することと、第2の流体ストリームの少なくとも一部分を第2の動力回収タービンを通して方向付けて、そこから直流電流として電力を生成することと、第1の動力回収タービンからの直流電流を、第2の動力回収タービン発電機からの直流電流と組み合わせることと、を更に含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、プロセスは、回収された直流電流を、プラント内の1つの機器に供給することを更に含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、プロセスは、複数の圧力低減デバイスから情報を受信することであって、複数の圧力低減デバイスが、第1の動力回収タービンと、第1の制御弁と、又は、両方とも、を備える、受信することと、圧力低減デバイスの各々に対する動力損失値又は動力生成値を決定することと、圧力低減デバイスの各々からの動力損失値又は動力生成値に基づいて、総動力損失値又は総動力生成値を決定することと、総動力損失値又は総動力生成値を少なくとも1つの表示画面上に表示することと、を更に含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、プロセスは、総動力損失値又は総動力生成値に基づいて、プロセスゾーン内の少なくとも1つのプロセスパラメータを調整することを更に含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、プロセスは、動力損失値又は動力生成値を少なくとも1つの表示画面上に表示することを更に含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、プロセスは、少なくとも1つのプロセスパラメータが調整された後に、圧力低減デバイスの各々について更新された動力損失値又は更新された動力生成値を決定することと、圧力低減デバイスの各々からの更新された動力損失値又は更新された動力生成値に基づいて、プロセスゾーンの更新された総動力損失値又は更新された総動力生成値を決定することと、更新された総動力損失値又は更新された総動力生成値を少なくとも1つの表示画面上に表示することと、を更に含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、プロセスは、プロセスゾーンの外側の条件に関連付けられた情報を受信することを更に含み、総動力損失値又は総動力生成値目標が、プロセスゾーンの外側の条件に関連付けられた情報に一部基づいて決定される。
【0031】
いくつかの実施形態では、プロセスは、プロセスゾーンのスループットに関連付けられた情報を受信することを更に含み、総動力損失値又は総動力生成値が、プロセスゾーンのスループットに関連付けられた情報に一部基づいて決定される。
【0032】
いくつかの実施形態では、プロセスは、総動力損失値又は総動力生成値に基づいて、プロセスゾーンの部分の少なくとも1つのプロセスパラメータを調節しながら、プロセスゾーンのスループットを維持することを更に含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、プロセスは、プロセスゾーンにおいて第1の制御弁を上に有する第1の流体ストリームを識別することと、第1の制御弁の位置に第1の動力回収タービンを設置することと、第1の流体ストリームの少なくとも一部分を第1の動力回収タービンを通して方向付けて、そこから交流電流として電力を生成することと、電力を回収することと、回収された電力を直流電流に整流し、電力を回収された交流電流に逆変換することと、回収された交流電流を第1のサブステーションに供給することと、を含む。
【0034】
改造アプローチは、制御弁を通って流れる流体ストリームを含む任意のタイプのプロセスに適用することができる。追加の利点は、動力回収タービン発電機を出るより低いプロセス温度により、低減又は克服することができるボトルネックがあるプロセスにおいて得ることができる。適切なプロセスとしては、水素処理ゾーン、アルキル化ゾーン、分離ゾーン、異性化ゾーン、触媒改質ゾーン、流体触媒分解ゾーン、水素化ゾーン、脱水素ゾーン、オリゴマー化ゾーン、脱硫ゾーン、アルコールからオレフィンへのゾーン、アルコールからガソリンへのゾーン、抽出ゾーン、蒸留ゾーン、酸味水ストリッピングゾーン、液相吸着ゾーン、硫化水素還元ゾーン、アルキル化ゾーン、トランスアルキル化ゾーン、コーキングゾーン、及び重合ゾーン、が含まれるが、これらに限定されない。
【0035】
図1は、改造プロセスを説明するために使用することができる既存の水素処理プロセス100を示す。水素ストリーム105は、圧縮機110で圧縮される。圧縮された水素ストリーム115は、2つの部分、第1及び第2の水素ストリーム120及び125に分割される。第1の水素ストリーム120は、炭化水素供給ストリーム130と組み合わされ、熱交換器135を通じて送られて、温度を上昇させる。部分的に加熱された供給ストリーム140は、燃焼加熱器145に送られて、燃焼加熱器145を出る供給ストリーム150の温度を、水素処理反応ゾーン155の所望の入口温度まで上昇させる。
【0036】
第2の水素ストリーム125は、4つの一部、水素急冷ストリーム200、205、210、215に分割される。水素急冷ストリーム200、205、210、215の各々は、水素処理床に入る水素の流れを制御するための関連する制御弁220、225、230、235を有する。
【0037】
図示のように、水素処理反応ゾーン155は、5つの水素処理床160、165、170、175、及び180を有する。水素処理される水素及び炭化水素供給物を含有する加熱された供給ストリーム150は、第1の水素処理床160に入り、そこで水素処理を受ける。第1の水素処理床160からの流出液は、第1の水素急冷ストリーム200と混合されて、第1の急冷された水素処理されたストリーム240を形成する。
【0038】
第1の急冷された水素処理されたストリーム240は、第2の水素処理床165に送られ、そこで更なる水素処理を受ける。第2の水素処理床165からの流出液は、第2の水素急冷ストリーム205と混合されて、第2の急冷された水素処理されたストリーム245を形成する。
【0039】
第2の急冷された水素処理されたストリーム245は、第3の水素処理床170に送られ、そこで更なる水素処理を受ける。第3の水素処理床170からの流出液は、第3の水素急冷ストリーム210と混合されて、第3の急冷された水素処理されたストリーム250を形成する。
【0040】
第3の急冷された水素処理されたストリーム250は、第4の水素処理床175に送られ、そこで更なる水素処理を受ける。第4の水素処理床175からの流出液は、第4の水素急冷ストリーム215と混合されて、第4の急冷された水素処理されたストリーム255を形成する。
【0041】
第4の急冷された水素処理されたストリーム255は、第5の水素処理床180に送られ、そこで更なる水素処理を受ける。第5の水素処理床180からの流出液260は、供給物との熱交換、塩分を溶解及び抽出するための水洗浄、蒸気液体分離、ストリッピング、第2の段階の水素処理、蒸留、及び多くの組み合わせでのアミン処理などの、様々な処理ゾーンに送ることができる。
【0042】
図2は、修正されたプロセス275の一実施形態を示す。水素ストリーム105は、圧縮機110で圧縮される。圧縮された水素ストリーム115は、2つの部分、第1及び第2の水素ストリーム120及び125に分割される。第1の水素ストリーム120は、炭化水素供給ストリーム130と組み合わされ、熱交換器135を通じて送られて、温度を上昇させる。部分的に加熱された供給ストリーム140は、燃焼加熱器145に送られて、燃焼加熱器145を出る供給ストリーム150の温度を、水素処理反応ゾーン155の所望の入口温度まで上昇させる。
【0043】
第2の水素ストリーム125は、動力を生成し、第2の水素ストリーム125の圧力を低下させる動力回収タービン190に送られる。減圧水素ストリーム195は、4つの一部、水素急冷ストリーム200、205、210、215に分割される。水素急冷ストリーム200、205、210、215の各々は、水素処理床に入る水素の流れを制御するための関連する制御弁220、225、230、235を有する。
【0044】
水素処理される水素及び炭化水素供給物を含有する供給ストリーム150は、第1の水素処理床160に入り、そこで水素処理を受ける。第1の水素処理床160からの流出液は、第1の水素急冷ストリーム200と混合されて、第1の急冷された水素処理されたストリーム240を形成する。
【0045】
第1の急冷された水素処理されたストリーム240は、第2の水素処理床165に送られ、そこで更なる水素処理を受ける。第2の水素処理床165からの流出液は、第2の水素急冷ストリーム205と混合されて、第2の急冷された水素処理されたストリーム245を形成する。
【0046】
第2の急冷された水素処理されたストリーム245は、第3の水素処理床170に送られ、そこで更なる水素処理を受ける。第3の水素処理床170からの流出液は、第3の水素急冷ストリーム210と混合されて、第3の急冷された水素処理されたストリーム250を形成する。
【0047】
第3の急冷された水素処理されたストリーム250は、第4の水素処理床175に送られ、そこで更なる水素処理を受ける。第4の水素処理床175からの流出液は、第4の水素急冷ストリーム215と混合されて、第4の急冷された水素処理されたストリーム255を形成する。
【0048】
第4の急冷された水素処理されたストリーム255は、第5の水素処理床180に送られ、そこで更なる水素処理を受ける。第5の水素処理床180からの流出液260は、供給物との熱交換、塩分を溶解及び抽出するための水洗浄、蒸気液体分離、ストリッピング、第2の段階の水素処理、蒸留、及び多くの組み合わせでのアミン処理などの、様々な処理ゾーンに送ることができる。
【0049】
図3は、修正されたプロセス300の別の実施形態を示す。水素ストリーム305は、圧縮機310で圧縮される。圧縮された水素ストリーム315は、第1及び第2の部分、水素ストリーム320及び325に分割される。第1の水素ストリーム320は、炭化水素供給ストリーム330と混合され、熱交換器335を通じて送られて、温度を上昇させる。部分的に加熱された供給ストリーム340は、燃焼加熱器345に送られて、燃焼加熱器345を出る供給ストリーム350の温度を、水素処理反応ゾーン355の所望の入口温度まで上昇させる。
【0050】
第2の水素ストリーム325は、4つの水素急冷ストリーム390、395、400、405に分割される。水素急冷ストリーム390、395、400、405の各々は、動力を生成し、水素処理床に入る水素の流れを制御するための動力回収タービン410、415、420、425、並びに、水素処理床に入る水素の流れを制御するための制御弁430、435、440、445を有する。
【0051】
水素急冷ストリーム390、395、400、405は、動力回収タービン410、415、420、425、制御弁430、435、440、445のいずれか、又はその両方を通って方向付けられ得る。例えば、第1の水素急冷ストリーム390の第1の分画を、動力回収タービン410に向けることができ、第2の分画を、制御弁430に向けることができる。第1の分画は、0%から100%まで変化し得、第2の分画は、100%から0%まで変化し得る。したがって、水素急冷ストリーム390、395、400、405の流れは、動力回収タービン410、415、420、425、制御弁430、435、440、445、又はその両方によって制御され得、両方を含むシステムにおける優れたプロセスの柔軟性を可能にする。
【0052】
水素処理反応ゾーン355は、5つの水素処理床360、365、370、375、及び380を有する。水素処理される水素及び炭化水素供給物を含有する供給ストリーム350は、第1の水素処理床360に入り、そこで水素処理を受ける。第1の水素処理床360からの流出液は、第1の水素急冷ストリーム390と混合されて、第1の急冷された水素処理されたストリーム450を形成する。
【0053】
第1の急冷された水素処理されたストリーム450は、第2の水素処理床365に送られ、そこで更なる水素処理を受ける。第2の水素処理床365からの流出液は、第2の水素急冷ストリーム395と混合されて、第2の急冷された水素処理されたストリーム455を形成する。
【0054】
第2の急冷された水素処理されたストリーム455は、第3の水素処理床370に送られ、そこで更なる水素処理を受ける。第3の水素処理床370からの流出液は、第3の水素急冷ストリーム400と混合されて、第3の急冷された水素処理されたストリーム460を形成する。
【0055】
第3の急冷された水素処理されたストリーム460は、第4の水素処理床375に送られ、そこで更なる水素処理を受ける。第4の水素処理床375からの流出液は、第4の水素急冷ストリーム405と混合されて、第4の急冷された水素処理されたストリーム465を形成する。
【0056】
第4の急冷された水素処理されたストリーム465は、第5の水素処理床380に送られ、そこで更なる水素処理を受ける。第5の水素処理床380からの流出液470は、上述のように、様々な処理ゾーンに送ることができる。
【0057】
動力回収タービンの設置は、典型的には、タービン機能不全の場合の緊急制御オプションとして、又はタービンの流量制御を支援するためのいずれかとして、制御弁の追加を必要とすることに留意されたい。既存のユニットの修正の本発明の場合、全ての制御弁を設置するコストは、元のプロジェクトで償却されており、そのため、改造にタービンを追加することは、新しいユニット構造にそのコストを含めることに対して必要な制御弁の資本コストを回避する。
【0058】
本発明のデバイス及びプロセスは、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンで利用されるものとして企図されている。既知のように、このような石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンは、典型的には制御センター内のコンピュータ上のプロセス制御システムを利用する。
【0059】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明されるプロセス制御システムは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)又は他のプログラム可能な論理デバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェア構成要素、又は本明細書に記載されている機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせ、を備えたコンピュータ上で実装又は実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、又はプロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせであってもよく、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、2つ以上のマイクロプロセッサ、又は前述の任意の他の組み合わせであってもよい。
【0060】
プロセス制御システムに関連付けられたプロセスのステップは、ハードウェアに直接含まれるアルゴリズム、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、又は2つの組み合わせで具現化されてもよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又は当該技術分野において既知の任意の他の形態の記憶媒体内に存在してもよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むように、プロセッサと通信している。これは、記憶媒体が、プロセッサと一体であるか、又はプロセッサに備わることを含む。プロセッサ及び記憶媒体は、ASIC内に存在してもよい。ASICは、ユーザ端末に存在してもよい。あるいは、プロセッサ及び記憶媒体は、ユーザ端末内の個別の構成要素として存在してもよい。これらのデバイスは、単に、コンピュータ可読記憶媒体の例示的な非限定的な例であることを意図するものである。プロセッサ及び記憶媒体又はメモリはまた、典型的には、入力チャネル、制御論理のプロセッサ、制御システム内の出力チャネル、及び制御センター内のオペレータステーションの間のような、異なる構成要素、コンピュータプロセッサ、などの間の有線又は無線通信を可能にするハードウェア(例えば、ポート、インターフェース、アンテナ、増幅器、信号プロセッサなど)と通信している。
【0061】
コンピュータ及びプロセッサと通信しているとは、情報又はデータを送受信する能力を指す。データ又は情報の送信は、無線送信(例えば、Wi-Fi又はBluetoothによる)又は有線送信(例えば、イーサネットRJ45ケーブル又はUSBケーブルを使用する)であり得る。無線送信の場合、無線送受信機(例えば、Wi-Fi送受信機)は、各プロセッサ又はコンピュータと通信している。送信は、コンピュータの要求時に、コンピュータからの要求に応じて、又は他の方法で自動的に実行することができる。データは、任意の組み合わせで、プッシュ、プル、フェッチなどされ得、又は任意の他の様態で送信及び受信することができる。
【0062】
したがって、本発明によれば、プロセス制御システムは、動力回収タービン410、415、420、425によって生成された電気の量に関連して、動力回収タービン410、415、420、425からの情報を受信することが企図されている。動力回収タービン410、415、420、425は、生成された電気の量を(プロセッサを介して)決定することが企図されている。あるいは、情報を受信するプロセス制御システムは、動力回収タービン410、415、420、425によって生成された電気の量を決定する。いずれの構成においても、動力回収タービン410、415、420、425によって生成された電気の量は、制御センター内のコンピュータと関連付けられた少なくとも1つの表示画面上に表示される。石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンが複数の動力回収タービン410、415、420、425を備える場合、プロセス制御システムは、動力回収タービン410、415、420、425の各々によって生成された電気の量に関連付けられた情報を受信することが更に企図されている。プロセス制御システムは、動力回収タービン410、415、420、425の各々に関連付けられた情報に基づいて生成された総電力を決定し、表示画面上に生成された総電力を表示する。生成された総電力は、個々の動力回収タービン410、415、420、425によって生成された電力の量の代わりに、又はそれと併せて表示されてもよい。
【0063】
上述のように、動力回収タービン410、415、420、425によって回収される電気エネルギーは、多くの場合、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーン内のストリームに加えられたストリームからのエネルギーを除去する結果である。このため、本発明によるプロセスは、ストリーム(複数可)に加えられるエネルギーを低下させるために調整される石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンに関連付けられた様々な処理条件を提供することが企図されている。各タービン付近に設置された並列制御弁は、関連する制御弁からの流れを減らして、タービンからのより高いエネルギー回収を有する同じ流れを維持しながら、より多くの動力を回収するために各タービンを調整することによってまずバランスをとることができる。
【0064】
プロセス制御システムは、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンのスループットに関連付けられた情報を受け取り、電気が、典型的には石油、石油化学、又は化学プロセスゾーン全体に加えられるエネルギーを表すため、タービン(複数可)の目標電力生成値を決定することが企図される。目標電力生成値の決定は、電気が所定のレベル又はその付近にあるときに行われてもよい。換言すれば、生成された電気の量が所定のレベルを満たすか又は超える場合、プロセス制御システムは、1つ以上の処理条件を決定して、目標電力生成値に到達するまで生成される電気の量を調整し低下させることができる。
【0065】
このため、プロセス制御システムは、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンに関連受けられた様々な処理条件に対する1つ以上の変化を分析して、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンのタービンによって回収されるエネルギーの量を低下させる。好ましくは、処理条件は、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンのスループットを調整することなく調整される。これにより、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンが同じスループットを有するが、同じスループットに関連付けられたより低い運転コストを有することが可能になる。プロセス制御ソフトウェアは、目標電力生成値と生成された総電力との間の差を計算し、表示画面上に表示し得る。
【0066】
例えば、プロセス制御ソフトウェアは、生成された総電力が所定のレベルを超えていることを認識し得る。したがって、プロセス制御ソフトウェアは、目標電力生成値を決定し得る。石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンに通常関連付けられた他のセンサ及びデータ収集デバイスから受信した他のデータ及び情報に基づいて、プロセス制御ソフトウェアは、ひとつの機器で消費される燃料の量を低下させることができると決定し得る。石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンのスループットを維持しながら、ひとつの機器で消費される燃料の量を低下させる。これは、タービンによって生成される電気を低下し得る一方で、より低い燃料消費は、同じスループットに対してより低い運転コストを提供する。
【0067】
したがって、本発明は、典型的に失われるエネルギーを、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンの他の場所で使用される形態に変換するだけでなく、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーンには、石油、石油化学、又は化学プロセスゾーン全体に関連付けられたエネルギー投入量を減らし、よりエネルギー効率の高いプロセスを利用することによって利益を高める機会が提供される。
【0068】
例えば、弁、ポンプ、フィルタ、冷却器などの様々な他の構成要素は、その詳細は十分に当業者の知識の範囲内であり、その説明は、本発明の実施形態を実践又は理解するために必要ではないと考えられるため、図面には示されていないことを、当業者は認識し、理解すべきである。
【0069】
前述の本発明の詳細な説明で、少なくとも1つの例示の実施形態が提示されてきたが、膨大な数の変更例が存在することを理解されたい。例示的な実施形態又は複数の例示的な実施形態は、あくまで例であり、いかなるようにも本発明の範囲、適用性、又は構成を制限することを意図しないこともまた理解されたい。むしろ、前述の詳細な説明は、当業者らに本発明の例示の実施形態を実装するのに簡便なロードマップを提供するだろう。添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、例示の実施形態に説明された要素の機能及び構成に様々な変更を加えることができるものと理解される。
【0070】
特定の実施形態
以下を特定の実施形態と併せて説明するが、この説明は、前述の説明及び添付の特許請求の範囲を例示するものであり、限定するものではないことが理解されるであろう。
【0071】
本発明の第1の実施形態は、石油、石油化学、又は化学プラントにおいてエネルギーを回収するためのプロセスであって、プロセスゾーンにおいて第1の制御弁を上に有する第1の流体ストリームを識別することと、第1の制御弁の位置に第1の動力回収タービンを設置することと、第1の流体ストリームの少なくとも一部分を第1の動力回収タービンを通して方向付けて、そこから電力を生成することと、電力を回収することと、を含む、プロセス。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第1の動力回収タービンは、第1の制御弁と並列に設置される。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第1の動力回収タービンは、第1の制御弁と直列に設置される。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第1の動力回収タービンは、第1の制御弁に取って代わる。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第1の制御弁は、通常動作においてプロセスから分離されている。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、動力回収タービンは、漏れ及び漏えい排出を起こしやすい活性グランドがない状態で封止されている。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、動力回収タービンは、漏れ及び漏えい排出を起こしやすい活性グランドがない状態で封止されている。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第1の動力回収タービンの設置は、制御弁のみを有する第1の流体ストリームと比較して、第1の流体ストリームのより低い温度をもたらし、かつ、より低い温度は、動力回収タービン発電機なしでの動作と比較して、プラントの一部分の冷却を増加させることによってプラントスループットのボトルネックを解消する。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、プラントの一部分は反応ゾーン内にある。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、回収された電力を直流電流に整流し、直流電流を回収された交流電流に逆変換することと、回収された交流電流を第1のサブステーションに供給することと、を更に含む。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第2の制御弁を上に有する第2の流体ストリームを識別することと、第2の制御弁の位置に第2の動力回収タービンを設置することと、第2の流体ストリームの少なくとも一部分を第2の動力回収タービンを通して方向付けて、そこから直流電流として電力を生成することと、第1の動力回収タービンからの直流電流を、第2の動力回収タービン発電機からの直流電流と組み合わせることと、を更に含む。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、回収された直流電流を、プラント内のひとつの機器に供給することを更に含む。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、複数の圧力低減デバイスから情報を受信することであって、複数の圧力低減デバイスは、第1の動力回収タービン、第1の制御弁、又はその両方を備える、受信することと、圧力低減デバイスの各々に対する動力損失値又は動力生成値を決定することと、圧力低減デバイスの各々からの動力損失値又は動力生成値に基づいて、総動力損失値又は総動力生成値を決定することと、総動力損失値又は総動力生成値を少なくとも1つの表示画面上に表示することと、を更に含む。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、総動力損失値又は総動力生成値に基づいて、プロセスゾーン内の少なくとも1つのプロセスパラメータを調整することを更に含む。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、動力損失値又は動力生成値を少なくとも1つの表示画面上に表示することを更に含む。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、少なくとも1つのプロセスパラメータが調整された後に、圧力低減デバイスの各々について更新された動力損失値又は更新された動力生成値を決定することと、圧力低減デバイスの各々からの更新された動力損失値又は更新された動力生成値に基づいて、プロセスゾーンの更新された総動力損失値又は更新された総動力生成値を決定することと、更新された総動力損失値又は更新された総動力生成値を少なくとも1つの表示画面上に表示することと、を更に含む。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、プロセスゾーンの外側の条件に関連付けられた情報を受信することを更に含み、総動力損失値又は総動力生成値は、プロセスゾーンの外側の条件に関連付けられた情報に一部基づいて決定される。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、プロセスゾーンのスループットに関連付けられた情報を受信することを更に含み、総動力損失値又は総動力生成値は、プロセスゾーンのスループットに関連付けられた情報に一部基づいて決定される。本発明のある実施形態は、本項の先の実施形態から本項の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、総動力損失値又は総動力生成値に基づいて、プロセスゾーンの部分の少なくとも1つのプロセスパラメータを調節しながら、プロセスゾーンのスループットを維持することを更に含む。
【0072】
本発明の第2の実施形態は、石油、石油化学、又は化学プラントにおいてエネルギーを回収するためのプロセスであって、プロセスゾーンにおいて第1の制御弁を上に有する第1の流体ストリームを識別することと、第1の制御弁の位置に第1の動力回収タービンを設置することと、第1の流体ストリームの少なくとも一部分を第1の動力回収タービンを通して方向付けて、そこから交流電流として電力を生成することと、電力を回収することと、回収された電力を直流電流に整流し、直流電流を回収された交流電流に逆変換することと、回収された交流電流を第1のサブステーションに供給することと、を含む。
【0073】
更に説明することなく、前述の説明を用いて、当業者が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明を最大限に利用し、本発明の本質的な特性を容易に確認でき、本発明の様々な変更及び修正を行い、様々な使用及び条件に適合させることができると考えられる。したがって、先行する好ましい特定の実施形態は、単なる例示として解釈されるべきであり、いかなるようにも本開示の残りを限定するものではなく、添付の特許請求の範囲内に含まれる様々な修正及び同等の構成を網羅することを意図するものである。
【0074】
上記では、全ての温度は摂氏度で記載され、全ての部及び百分率は、別途記載のない限り、重量基準である。