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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-03
(45)【発行日】2023-02-13
(54)【発明の名称】身体揺動装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 23/02 20060101AFI20230206BHJP
【FI】
A61H23/02 334
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021064069
(22)【出願日】2021-04-05
(65)【公開番号】P2022027443
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2021-04-05
【審判番号】
【審判請求日】2021-11-01
(31)【優先権主張番号】P 2020128883
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518348919
【氏名又は名称】亀井 正通
(74)【代理人】
【識別番号】100087491
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 享
(74)【代理人】
【識別番号】100104271
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 保子
(72)【発明者】
【氏名】亀井 正通
【合議体】
【審判長】村上 聡
【審判官】松田 長親
【審判官】井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-54797(JP,A)
【文献】特表2002-515804(JP,A)
【文献】特開2008-206866(JP,A)
【文献】特開2001-95858(JP,A)
【文献】特開2008-289796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横臥状態の使用者を支持する揺動パネルと、前記揺動パネルを面内方向に揺動可能に支持する支持装置と、前記揺動パネルを前記支持装置に対して揺動させる駆動手段と、前記駆動手段による揺動を制御する揺動制御手段とを備え、
前記揺動制御手段は、前記揺動パネルの前記支持装置に対する水平方向の振幅Aを少なくとも0cm~6cmの範囲での調整が可能であり、かつ15cmを超えない範囲で調整可能な振幅調整手段と、前記揺動パネルの揺動の周期Tを少なくとも0.5秒~2.0秒の範囲で調整可能な周期調整手段と、前記揺動パネルの揺動における加速度を、最大加速度の絶対値が0.1G~0.4Gとなる範囲で、間隔をおいてパルス的に作用させることで急加速および急減速による瞬間的な衝撃力を生じさせるように調整する加速度調整手段とを備え、
前記揺動制御手段によって前記揺動パネルの揺動の振幅、周期および急加速、急減速を含む加速、減速の繰り返しを制御することにより、前記使用者の骨格、筋肉、血液を含む全身に対して前記駆動手段からの加速度に応じた力を作用させ、前記使用者の骨格、筋肉、血液を含む全身の組織の間で、それぞれの組成や形態の相違によって生じる相互作用によって、身体の広範囲にわたって揺動力を生じさせるようにしたことを特徴とする身体揺動装置。
【請求項2】
請求項1記載の身体揺動装置において、前記揺動パネルの上面側には、前記使用者の身体の移動を抑制する拘束手段が設けられていることを特徴とする身体揺動装置。
【請求項3】
請求項1記載の身体揺動装置において、前記支持装置には前記揺動パネルの質量を含めた上載荷重を測定する上載荷重測定手段が設けられていることを特徴とする身体揺動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が装置の上に横たわった状態で、全身的な広範囲にわたる血行の改善、骨格バランスの改善などを図ることができる身体バランス矯正装置および身体バランス矯正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人体の血行を改善する装置としては、従来、マッサージチェアやフットマッサージャーなどのマッサージ装置が多種開発され、市販されている。また、骨格を矯正する器具としては、牽引式の矯正器具や、コルセット、サポーターなどがある。
【0003】
特許文献1には、マットレスタイプのマッサージ装置として、長尺平板状の基体を有し、この基体の幅方向両側に一対のガイドレールが敷かれ、また長手方向両側にモータを駆動源とする駆動装置とピローベースとが配設されたものが開示されている。ガイドレールには、駆動装置によって往復移動される伝動用ベルト、回転自在なマッサージローラを有した移動体が設けられ、移動体は伝動用ベルトに連結されている。そして、伝動用ベルトが駆動装置により往復移動されると、これに伴って移動体も往復移動し、その上に仰向けに横たわった使用者は往復移動する移動体のマッサージローラによりマッサージを受けることができるというものである。
【0004】
また、特許文献2には、同様のマッサージ装置において、装置の下側に配置したクッション材を有するマットとマットの上に設けたマッサージローラを備え、使用者の足をマッサージローラ側に押さえ付けるための帯状体を設け、この帯状体の取り付けを面状ファスナで行うようにしたマッサージ装置が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、同様のマッサージ装置において、マッサージローラによって利用者の背面をマッサージすることができるとともに、脚部と首部とにはマッサージローラによって押圧するだけのマッサージでなく、揉みほごすマッサージを受けることができるようにしたマッサージ装置が開示されている。
【0006】
この他、特許文献4には、高齢者などが布団の中で寝ながら使用することができることというニーズに対し、軽量で厚みの薄いマッサージ器を提供することを目的とし、底板と、底板の上面上で滑動する振動板であって、長板形状に形成された振動板と、駆動部と、前記振動板の上面のうち長手方向の一端側に位置する部分の上方で、前記底板を土台として駆動部を支持する支持部と、前記振動板が底板の上面上で滑動して振動するように、駆動部の動力を、振動板の上面のうちの駆動部の直下部分を介して振動板に伝達する動力伝達部と、支持部から振動板を振動可能に吊り下げる吊下部と、を備えるマッサージ器が開示されている。
【0007】
特許文献5には、被験者を頭部・足部方向へ往復状に移動させる往復移動台として、台に乗せられた被験者を台とともに頭部方向及び足部方向へ移動させるために、揺動運動で操作できる移動可能な台を有する台組立体が開示されている。この台組立体は台の揺動運動の速度、振動数及び対称性における変形を利用したものであり、睡眠誘発、無呼吸予防、覚醒作用、不静止脚症候群及び有痛脚・爪先動き症候群からの解放、非侵襲性運動換気、非侵襲性震動換気、非侵襲性心肺蘇生、非侵襲性反対拍動、拍動量の増大、非侵襲性心肺バイパス鼓舞、メディエイタ解放、及び腸運動の刺激などに用いることができるとされている。
【0008】
特許文献6には、揺動機構の小型化が可能であり、移動や設置が容易な揺動マットとして、使用者が横たわるためのマット本体と、マット本体を往復運動させる揺動部と、マット本体および揺動部を内包するマットカバーとを備え、揺動部は、マット本体を支持する本体支持部材と、本体支持部材の往復移動を支持する揺動支持部材と、本体支持部材を往復移動させる駆動部としてのモータなどを備えた揺動マットが開示されている。
【0009】
特許文献7には、安眠や健康増進等、多目的に使用できるベッドとして、人体を支える支持板を、ベッド本体部の上に駆動機構を介して水平方向に往復動可能に支持し、ベッド本体部と支持板との間に方向転換時の衝撃を緩和する緩衝手段を設けたベッドが開示されている。
【0010】
非特許文献1には、救急車の減速時に現れる血圧変動のモデル化に関し、「救急車が急ブレーキをかけたときのように、長く持続する加速度が被験者に作用すると被験者の血圧が変動する。その特徴として、加速度の作用する方向と反対方向にある人体各部の血圧が上昇する傾向がある。これは人体を体液で満たされた管と仮定した場合に、管の軸方向に作用する加速度によって生じる内圧の変化と同様の現象であると考えられる。さらに、加速度による静脈血の強制的な移動によって血圧変動を生じているということも考えられる。」といった記述がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】実公平04-20434号公報
【文献】特許第2866306号公報
【文献】特許第4576110号公報
【文献】特許第6426452号公報
【文献】国際公開第98/39996号
【文献】特開2017-051552号公報
【文献】特開2003-052488号公報
【非特許文献】
【0012】
【文献】佐川貢一他、救急車の減速時にあらわれる血圧変動のモデル化、医用電子と生体工学第31巻第2号、pp35-42、1993年6月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述した特許文献1~3記載のマットレスタイプのマッサージ装置は、横たわった使用者にマッサージローラによる押圧力を加える際、使用者の体重のかなりの割合をマッサージローラが直接受ける構造であるため、マッサージローラやその軸部の径だけでなく駆動機構全体が頑丈なものでなければならない。
【0014】
そのため、マッサージ装置全体の重量も非常に大きくなり、取り扱いに不便であるという課題がある。また、使用者に対し、マッサージローラから比較的強い力が作用するため、使用状況によってはマッサージ箇所に局所的な炎症が生じたり、高齢者の場合、骨折の恐れもある。
【0015】
特許文献4記載のマッサージ器は、高齢者などが布団の中で寝ながら使用することができる軽量で厚みの薄いマッサージ器として開発されたものであるが、駆動部としてのモータの回転をクランク機構を介して振動板に伝え、底板の上面上で滑動させながら振動板を振動させるというものであり、大きなマッサージ効果は期待できない。
【0016】
特許文献5記載の往復移動台は、病院などでモニタリングされている状態の被検者あるいは入院患者などに対し、その症状に応じて、症状の軽減、治療、あるいは緊急対応を目的として、台を振動させるようにしたものである。
【0017】
すなわち、その明細書に、「被験者の息切れ知覚を減らすために、30~40ヘルツの範囲にある振動数の振動を台にもたらす」、「例えば、麻酔をかけられて麻痺した犬がその胸部を振動数15~30ヘルツ、上方及び下方への振幅2~4mmの震動板に載せられて側臥位置に置かれ」、「被験者の換気源として、台の上における被験者の呼吸システムの、約1.5~2.5cmの振幅で3~12ヘルツの範囲にある共振振動数であるいはその近傍で揺動するように操作できる。」、「3~12ヘルツで往復台が振動すると、1)心肺機能回復法、2)反対拍動法、3)心臓の1回拍出量、及び4)非侵襲性心肺バイパス形成法のための心肺支援あるいは心臓支援としても機能する。」といった記載があるように、病院での治療などを目的とし、小さい振幅で高周波数の振動を用いた技術である。
【0018】
特許文献6記載の発明は、使用者が横たわる部分を往復運動させる揺動部としているものであるが、マット自体、睡眠誘導のための柔らかいものが想定されており、使用者に対しては非常に緩やかな揺動を与えるものである。
【0019】
特許文献7記載の発明も、揺動式のベッドに関するものであるが、ベッド本体部と支持板との間に、方向転換時の衝撃を緩和する緩衝手段を設けるようにして、揺動時に身体に過度な力が作用しないようにしたものである。
【0020】
本発明は、従来技術における上述のような課題の解決を図ったものであり、従来のマッサージ装置のローラや振動板からの力を、もみほぐしや押圧、刺激といった形で直接人体に力を加えるのではなく、使用者の人体を揺動させながら加速および減速させることで、使用者の骨格、筋肉、血液を含む全身に対して強い揺動力を作用させ、身体の内側から血行の改善、骨格バランスの改善などを図ることができる身体バランス矯正装置および身体バランス矯正方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の身体バランス矯正装置は、横臥状態の使用者を支持する揺動パネルと、前記揺動パネルを面内方向に揺動可能に支持する支持装置と、前記揺動パネルを前記支持装置に対して揺動させる駆動手段と、前記駆動手段による揺動を制御する揺動制御手段とを備え、前記揺動制御手段は、前記揺動パネルの前記支持装置に対する水平方向の振幅Aを少なくとも0cm~6cmの範囲、かつ15cm以内の範囲で調整可能な振幅調整手段と、前記揺動パネルの揺動の周期Tを少なくとも0.5秒~2.0秒の範囲で調整可能な周期調整手段と、前記揺動パネルの揺動における加速および減速を調整する加速度調整手段とを備え、前記揺動制御手段によって前記揺動パネルの揺動の振幅、周期およびの加速、減速の繰り返しを制御することにより、前記使用者の骨格、筋肉、血液を含む全身に対して前記駆動手段からの加速度に応じた力を作用させるようにしたことを特徴とするものである。
【0022】
本発明の身体バランス矯正装置は、原理的に、従来のマッサージ装置のように駆動源が発生するエネルギーにより、もみほぐしや押圧、刺激といった形で直接人体に力を加えるものとは異なり、駆動源が発生するエネルギーを揺動パネルを介して使用者の人体を揺動させるための力として用い、特に加速、減速の繰り返しを制御することにより、人体にそのときの加速度に相当する力を加え、使用者の身体の内部の骨格、筋肉、血液を含む全身の組織の間で、それぞれの組成や形態の相違によって生じる相互作用によって、身体の広範囲にわたって血行を改善し、骨格や関節の位置を矯正し、身体バランスを矯正することができる。
【0023】
すなわち、本発明の身体バランス矯正装置では、使用者は揺動パネルの上に横臥状態となるため、揺動パネルの往復の繰り返しにおける加速度の方向とその大きさに応じて、血管内を流れる血流に作用する力も交互に方向を変えることになる。例えば、マッサージチェアなどでは頭部への血流が不足する恐れがあるのに対し、横臥状態では血流の偏りが生じにくいという利点がある。
【0024】
揺動パネルとともに人体が揺動される間、加速と減速、好ましくは急加速、急減速を含む加速と減速を繰り返すことで、血管の内壁と血流の間では摩擦力を生じながらも血行が改善されていく。
【0025】
同様に、骨格や筋肉などの他の組織についても、横臥状態で体を伸ばしたリラックスした状態で人体が揺動される間、加速と減速、好ましくは急加速、急減速を含む加速と減速を繰り返すことで、相互にもみほぐす力が作用し、骨格の矯正を含めた身体バランスの矯正効果が得られる。
【0026】
急加速、急減速に関しては、例えば-0.5G~+0.5G程度の範囲で加速度を調整することが考えられる。実際の制御においては、上述した振幅Aの範囲および周期Tの範囲で、瞬間的な衝撃力が加わるように、最大加速度の絶対値が0.1G~0.4G程度となるように加速度を調整することで、身体バランスの矯正効果を高めることができる。この場合、急加速と急減速の組み合わせを、間隔をおいてパルス的に作用させるとよい。
【0027】
振幅調整手段に関し、揺動パネルの支持装置に対する水平方向の振幅A(片振幅)を少なくとも0cm~6cmの範囲、かつ15cm以内の範囲で調整可能であることを限定したのは、本発明の身体バランス矯正装置の作動の制御においては、後述するように、揺動パネルの揺動を開始した後の、振幅の制御範囲は2cm~6cm程度が適当であると考えられ、少なくともその範囲での制御が可能であることを保証するものであり、それ以上の広い範囲で制御可能なものを排除する意味ではない。ただし、片振幅で15cm(両振幅で30cm)を超える範囲での制御は実用的でないため、15cm以内としたものである。
【0028】
周期調整手段に関し、揺動パネルの揺動の周期Tを少なくとも0.5秒~2.0秒の範囲で調整可能であることを限定したのは、本発明の身体バランス矯正装置の作動の制御においては、後述するように、揺動パネルの揺動を開始した後の、振幅の制御範囲は0.8秒~1.5秒程度が適当であると考えられ、少なくともその範囲での制御が可能であることを保証するものである。
【0029】
なお、0.5秒~2.0秒というのは、身体を揺動させる周期を限定したものであり、マッサージ機としての高周波のバイブレーターによる振動とは作用が全く異なるものである。
【0030】
揺動パネルは支持装置に対し、低摩擦材を用いたすべり面を介して支持される構造とすることができる。すなわち、揺動パネルと支持装置の接触面に、例えばフッソ樹脂などの低摩擦材を用いたすべり面を形成すれば、より小さい駆動力で揺動パネルを揺動させることができる。
【0031】
あるいは、揺動パネルを支持装置に対し複数のローラまたはボールローラを介して支持する構成として、揺動パネルと支持装置間の摩擦を低減するようにしてもよい。
【0032】
揺動パネルを支持装置に対して揺動させるための駆動手段としては、リニアサーボモータやボールネジを利用した直線駆動装置が適している。これらは駆動部をコンパクトな構造とすることができ、またマイコンなどを用いた制御手段により、加速および減速をスムーズに行わせることができる。
【0033】
制御手段は揺動の速度や振幅を制御する機能の他、急加速、急減速を含む加速および減速のパターンを多数記憶させて、使用者の状況に合わせてパターンを選択できるようにするとよい。
【0034】
なお、揺動パネルの揺動方向は、基本的には使用者の身体の軸方向であるが、身体の軸方向と直角な方向、あるいはさらに斜め方向にも揺動する機構としてもよい。
【0035】
また、本発明の身体バランス矯正装置の副次的な機能として、制御手段による加速および減速を緩やかなパターンで行うようにすれば、使用者がリラックスでき、また使用者に睡眠導入効果を与えることもできる。
【0036】
また、揺動時の使用者の身体の移動を抑制するために各種拘束手段を用いてもよい。拘束手段は完全に固定する必要はなく、ある程度身体の移動を抑制できるものでよい。
【0037】
拘束手段としては例えば帯状の拘束具を用いることができる。その場合、面ファスナなどで取り外し可能なものが便利である。この他、ひも状、リング状の拘束具なども使用可能である。
【0038】
また、拘束手段については、身体と揺動パネルとの間に用いるものに限らず、身体バランス矯正装置の支持装置部、あるいは身体バランス矯正装置とは別体の器具、あるいは近くにある任意の固定物につないで使用することもできる。例えば、拘束具の一端を使用者の足首などに取り付けることで、揺動パネルの揺動と並行して足首に繰り返しの荷重が追加的に作用し、それによる身体バランスの矯正とマッサージ効果も期待することができる。
【0039】
あるいは、例えば、拘束具の一端を使用者の足首に取り付け、他端を単に人が繰り返し引っ張ることによっても揺動パネルを揺動させるのと近い効果が得られる。
【0040】
また、身体バランス矯正装置の支持装置に、揺動パネルの質量を含めた上載荷重を測定する上載荷重測定手段を設けることができる。その場合、使用者が載る前後の荷重の差によって使用者の体重が図れるだけでなく、使用者の体重に応じて駆動手段から使用者に作用する加速度と、その加速度によって使用者に作用する力あるいは衝撃力を調整あるいは補正することができる。
【0041】
また、本発明の身体バランス矯正装置において、揺動パネルを平面的にみて複数の揺動パネルユニットに分割し、揺動パネルユニットごとに支持装置に対して揺動させる駆動手段を設け、それらの駆動手段による揺動パネルユニットの揺動を個々に制御するようにしてもよい。
【0042】
例えば、使用者の身体方向に対し、揺動パネルを左右に2分割した形態とした場合、それぞれの揺動パネルユニットの揺動の方向を逆向きに制御すれば、使用者の右半身と左半身との間に周期的なひねりを加える形でマッサージ作用を加えることもできる。
【0043】
あるいは、使用者の身体方向に対し、揺動パネルを前後に2分割した形態とした場合、それぞれの揺動パネルユニットの揺動の方向を逆向きに制御すれば、使用者の上半身と下半身との間に周期的なひねりを加える形でマッサージ作用を加えることもできる。
【0044】
また、揺動パネルを前後左右に4分割した形態とし、それぞれの揺動パネルユニットの揺動の方向を制御するようにしてもよい。この場合、左側の前後の揺動パネルユニットを同期させて前後方向に揺動させ、右側の前後の揺動パネルユニットを同期させて左側の2枚と反対方向に揺動させれば、揺動パネルを左右に2分割した場合と同様の動きとすることができる。
【0045】
同様に、前側の左右の揺動パネルユニットを同期させて左右方向に揺動させ、後側の左右の揺動パネルユニットを同期させて後側の2枚と反対方向に揺動させれば、揺動パネルを前後に2分割した場合と同様の動きとすることができる。
【0046】
さらに、揺動パネルを前後左右に4分割した4枚の揺動パネルユニットをそれぞれ別々の動きとなるように制御することもできる。
【0047】
また、本発明の身体バランス矯正方法は、横臥状態の使用者を支持する揺動パネルと、前記揺動パネルを面内方向に揺動可能に支持する支持装置と、前記揺動パネルを前記支持装置に対して揺動させる駆動手段と、前記駆動手段による揺動を制御する揺動制御手段とを備え、前記揺動制御手段は、前記揺動パネルの前記支持装置に対する水平方向の振幅Aを少なくとも0cm~6cmの範囲、かつ15cm以内の範囲で調整可能な振幅調整手段と、前記揺動パネルの揺動の周期Tを少なくとも0.5秒~2.0秒の範囲で調整可能な周期調整手段と、前記揺動パネルの揺動における加速および減速を調整する加速度調整手段とを備えた身体バランス矯正装置を用い、前記揺動制御手段によって前記揺動パネルの揺動の振幅、周期およびの加速、減速の繰り返しを制御することにより、前記使用者の骨格、筋肉、血液を含む全身に対して前記駆動手段からの加速度に応じた力を作用させることを特徴とするものである。
【0048】
揺動制御手段による揺動パネルの揺動を開始した後の、振幅の制御範囲は2cm~6cm程度、周期の制御範囲は0.8秒~1.5秒程度が適当である。この範囲で加速、減速、あるいは急加速、急減速を加えることで、加速度に応じた力、あるいは衝撃力が使用者の身体全体に加わり、使用者の身体の内部の骨格、筋肉、血液を含む全身の組織の間で、それぞれの組成や形態の相違によって生じる相互作用によって、身体の広範囲にわたって血行を改善し、骨格や関節の位置を矯正し、身体バランスを矯正しつつ、精神的にもリラックスさせることができる。
【0049】
また、本発明の身体バランス矯正装置の他の形態は、横臥状態の使用者を支持する揺動パネルと、前記揺動パネルを面内方向に揺動可能に支持する支持装置と、前記揺動パネルを前記支持装置に対して揺動させる駆動手段と、前記駆動手段による揺動を制御する揺動制御手段とを備え、前記揺動パネルは平面的にみて複数の揺動パネルユニットに分割されており、前記揺動パネルユニットごとに支持装置に対して揺動させる駆動手段を設けてあり、前記揺動制御手段は、前記揺動パネルユニットそれぞれの前記支持装置に対する水平方向の振幅Aを調整可能な振幅調整手段と、前記揺動パネルユニットそれぞれの揺動の周期Tを調整可能な周期調整手段と、前記揺動パネルユニットそれぞれの揺動における加速および減速を調整する加速度調整手段とを備え、前記揺動制御手段によって前記揺動パネルユニットそれぞれの揺動の振幅、周期およびの加速、減速の繰り返しを制御することにより、前記使用者の骨格、筋肉、血液を含む全身に対して前記揺動パネルユニットそれぞれに対応する前記駆動手段からの加速度に応じた力を作用させるようにしたことを特徴とするものである。
【0050】
また、本発明の身体バランス矯正方法の他の形態は、横臥状態の使用者を支持する揺動パネルと、前記揺動パネルを面内方向に揺動可能に支持する支持装置と、前記揺動パネルを前記支持装置に対して揺動させる駆動手段と、前記駆動手段による揺動を制御する揺動制御手段とを備え、前記揺動パネルは平面的にみて複数の揺動パネルユニットに分割されており、前記揺動パネルユニットごとに支持装置に対して揺動させる駆動手段を設けてあり、前記揺動制御手段は、前記揺動パネルユニットそれぞれの前記支持装置に対する水平方向の振幅Aを調整可能な振幅調整手段と、前記揺動パネルユニットそれぞれの揺動の周期Tを調整可能な周期調整手段と、前記揺動パネルユニットそれぞれの揺動における加速および減速を調整する加速度調整手段とを備えた身体バランス矯正装置を用い、前記揺動制御手段によって前記揺動パネルユニットそれぞれの揺動の振幅、周期およびの加速、減速の繰り返しを制御することにより、前記使用者の骨格、筋肉、血液を含む全身に対して前記揺動パネルユニットそれぞれに対応する前記駆動手段からの加速度に応じた力を作用させることを特徴とするものである。
【0051】
本実施形態において、例えば、使用者の身体方向に対し、揺動パネルを左右に2分割した形態とした場合、それぞれの揺動パネルユニットの揺動の方向を逆向きに制御すれば、使用者の右半身と左半身との間に周期的なひねりを加える形でマッサージ作用を加えることもできる。
【0052】
あるいは、使用者の身体方向に対し、揺動パネルを前後に2分割した形態とした場合、それぞれの揺動パネルユニットの揺動の方向を逆向きに制御すれば、使用者の上半身と下半身との間に周期的なひねりを加える形でマッサージ作用を加えることもできる。
【0053】
また、揺動パネルを前後左右に4分割した形態とし、それぞれの揺動パネルユニットの揺動の方向を制御するようにしてもよい。この場合、左側の前後の揺動パネルユニットを同期させて前後方向に揺動させ、右側の前後の揺動パネルユニットを同期させて左側の2枚と反対方向に揺動させれば、揺動パネルを左右に2分割した場合と同様の動きとすることができる。
【0054】
同様に、前側の左右の揺動パネルユニットを同期させて左右方向に揺動させ、後側の左右の揺動パネルユニットを同期させて後側の2枚と反対方向に揺動させれば、揺動パネルを前後に2分割した場合と同様の動きとすることができる。
【0055】
さらに、揺動パネルを前後左右に4分割した4枚の揺動パネルユニットをそれぞれ別々の動きとなるように制御することもできる。
【0056】
個々の揺動パネルユニットに関しては、好ましくは、揺動パネルユニットそれぞれの揺動の振幅を0cm~6cm、周期を0秒~1.5秒の範囲で制御することにより、使用者の身体の内部の骨格、筋肉、血液を含む全身の組織の間で、それぞれの組成や形態の相違によって生じる相互作用によって、身体の広範囲にわたって血行を改善し、骨格や関節の位置を矯正し、身体バランスを矯正し、また個々の揺動パネルユニットの動きに応じて様々なマッサージ効果を与えることができる。
【発明の効果】
【0057】
本発明の身体バランス矯正装置は、原理的に、従来のマッサージ装置のように駆動源が発生するエネルギーにより、もみほぐしや押圧、刺激といった形で直接人体に力を加えるものとは異なり、駆動源が発生するエネルギーを揺動パネルを介して使用者の人体を揺動させるための力として用いるものであり、加速と減速、特に急加速、急減速における大きな加速度が作用することで、使用者の身体の内部の骨格、筋肉、血液を含む全身の組織の間で、それぞれの組成や形態の相違によって生じる相互作用によって、身体の広範囲にわたって血行を改善し、骨格や関節の位置を矯正し、身体バランスを矯正することができる。
【0058】
すなわち、本発明の身体バランス矯正装置では、使用者は揺動パネルの上に横臥状態となるため、揺動パネルの往復の繰り返しにおいて、血管内を流れる血流に作用する力も交互に方向を変えることになる。例えば、マッサージチェアなどでは頭部への血流が不足する恐れがあるのに対し、横臥状態では血流の偏りが生じにくいという利点がある。
【0059】
同様に、骨格や筋肉などの他の組織についても横臥状態で体を伸ばしたリラックスした状態で人体が揺動される間、加速と減速が繰り返され、相互にもみほぐす力が作用し、骨格の矯正を含めた身体バランスの矯正効果が得られる。
【0060】
また、駆動手段により、揺動パネルとともに人体が揺動され、加速と減速が繰り返される際、揺動パネルと身体部位の接触位置においても摩擦抵抗力が働き、使用者は慣性力を感じるが、このとき接触位置における摩擦抵抗力が身体部位に対する押圧力として作用し、マッサージ効果も得られる。
【0061】
使用者が身体の特定部位についてこのマッサージ効果を得たいと思えば、横臥状態において、その身体部位を揺動パネルに押し付けるような姿勢をとることで、また必要に応じて専用のパッドなどを使用することで、その部分に対するマッサージ効果を得ることができる。
【0062】
長い時間椅子にすわっていることで身体の各所に歪みが生じ、肩こり、首こり、頭痛などの原因になるとされているが、このような症状に対しては本発明の身体バランス矯正装置で正しい姿勢で仰向けになるだけでも、毎日の繰り返しにより、骨格バランスや血行、リンパの流れが改善され、これらの症状が改善される。
【0063】
特に、運動能力が低下し、骨がもろくなっている高齢者の場合、身体の表面から押圧力を加えるマッサージ器具の場合のような事故の恐れもなく、また自ら体を動かさなくても血行の改善、リンパの流れの改善、身体バランスの改善が図れるため、安全に効果的な健康増進効果が得られるというメリットが大きい。
【0064】
また、身体バランスが改善され、その後に筋肉トレーニングを行うときに必要な身体の柔軟性も増し、結果としてより健康的な生活を送ることができるようになる。
【0065】
すなわち、本発明の身体バランス矯正装置は、上述のようにして、老若男女を問わず全ての人に効果があり、身体バランスのみならず、心をリラックスさせ、気の流れも良くなり、平穏な生活を送ることで長寿にもつながるといった効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】本発明の身体バランス矯正装置によって身体の内部に生ずる力の説明図であり、(a)は揺動パネルが図の左方向に加速されたときの身体の内部に生ずる力の方向を示す断面図、(b)は(a)に対応する平面図、(c)は揺動パネルが図の右方向に加速されたときの身体の内部に生ずる力の方向を示す断面図、(d)は(c)に対応する平面図である。
図2】本発明の身体バランス矯正装置によって揺動パネルから人体に作用する力の説明図であり、(a)は図の左側で減速し、加速方向が逆転する瞬間に揺動パネルから人体に作用する力の方向を示す断面図、(b)は図の右側で減速し、加速方向が逆転する瞬間に揺動パネルから人体に作用する力の方向の一例を示す断面図である。
図3】本発明の身体バランス矯正装置における支持装置に対する揺動パネルの揺動方向を示す斜視図である。
図4】本発明の身体バランス矯正装置の他の実施形態として、使用者の身体方向に対し、揺動パネルを左右に2分割した形態とした場合を平面的に示した説明図である。
図5】本発明の身体バランス矯正装置のさらに他の実施形態として、使用者の身体方向に対し、揺動パネルを前後に2分割した形態とした場合を平面的に示した説明図である。
図6】本発明の身体バランス矯正装置のさらに他の実施形態として、揺動パネルを前後左右に4分割した形態とした場合を平面的に示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下、本発明を添付した図面に基づいて説明する。
図3は本発明の身体バランス矯正装置1における支持装置2に対する揺動パネル3の揺動方向の一例を示したものであり、図中、往復の矢印の方向が、揺動パネル3の揺動方向であり、使用者の身体の軸方向となる。支持装置2は支持台形状のものに限らず、駆動手段を設置可能なものであれば、薄肉のパネル状のものでもよい。また、内部に補強リブを有する中空箱型形状のものなどでもよい。
【0068】
図1は本発明の身体バランス矯正装置の一実施形態について、揺動パネル3を揺動させたときの使用者Hの身体の内部に生ずる力の説明図である。
【0069】
図中、符号4を付した破線部は駆動手段としてのリニアサーボモータなどの駆動装置であり、この例では支持装置1の内側上部と揺動パネル3の下面中央部との間に介在させて、直線方向に駆動力を加える場合を想定している。符号5は制御手段としてのマイコンを備えたコントローラである。
【0070】
駆動装置4は1台に限らず、複数台を分散配置し、同期させて駆動するようにしてもよい。また、取付け位置は例えば支持装置1の側面と揺動パネル3の周縁部との間とすることもできる。
【0071】
支持装置1の上面と揺動パネル3の下面とは、低摩擦材を用いたすべり面を介して支持する構造としたり、あるいは複数のローラまたはボールローラなどを介して支持する構造とすることで、より小さい駆動力で揺動パネル3を揺動させることができる。
【0072】
この図1において、(a)は揺動パネル3が図の左方向に加速されたときの使用者Hの身体の内部に生ずる力の方向を断面図として示したものであり、(b)はそれに対応する平面図である。(c)は揺動パネル3が図の右方向に加速されたときの使用者Hの身体の内部に生ずる力の方向を断面図として示したものであり、(d)はそれに対応する平面図である。
【0073】
揺動パネル3は、支持装置1に対する水平方向の振幅Aを少なくとも0cm~6cmの範囲、かつ15cm以内の範囲で、また揺動の周期Tを少なくとも0.5秒~2.0秒の範囲で調整可能としており、コントローラ5からの制御指令により揺動パネル3の揺動における加速および減速を調整する。
【0074】
揺動パネル3の揺動を開始した後のコントローラ5による振幅Aの制御範囲は2cm~6cm程度、周期Tの制御範囲は0.8秒~1.5秒程度が適当である。この範囲で加速、減速、あるいは急加速、急減速を加えることで、加速度に応じた力、あるいは衝撃力が使用者の身体全体に加わり、使用者の身体の内部の骨格、筋肉、血液を含む全身の組織の間で、それぞれの組成や形態の相違によって生じる相互作用によって、身体の広範囲にわたって血行を改善し、骨格や関節の位置を矯正し、身体バランスを矯正しつつ、精神的にもリラックスさせることができる。
【0075】
本発明の身体バランス矯正装置は、原理的に、従来のマッサージ装置のように駆動源が発生するエネルギーにより、もみほぐしや押圧、刺激といった形で直接人体に力を加えるものとは異なり、駆動装置4が発生する駆動エネルギーを揺動パネル3を介して使用者Hの人体を揺動させるための力として用い、人体が揺動しているときに、使用者Hの身体の内部の骨格、筋肉、血液を含む全身の組織の間で、それぞれの組成や形態の相違によって生じる相互作用によって、血行を改善し、骨格や関節の位置を矯正し、身体バランスを矯正するものである。
【0076】
すなわち、使用者Hは揺動パネル3の上に横臥状態となるため、揺動パネル3の往復の繰り返しにおいて、血管内を流れる血流に作用する力も交互に方向を変えることになる。揺動パネル3とともに人体が揺動される間、急加速、急減速を含む加速と減速が繰り返され、血管の内壁と血流の間では摩擦力を生じながらも血行が改善されていく。
【0077】
同様に、骨格や筋肉などの他の組織についても横臥状態で体を伸ばしたリラックスした状態で人体が揺動される間、加速と減速が繰り返され、相互にもみほぐすような力が作用し、骨格の矯正を含めた身体バランスの矯正効果が得られる。
【0078】
図2は本発明の身体バランス矯正装置によって揺動パネルから人体に作用する力の説明図であり、(a)は図の左側で減速し、加速方向が逆転する瞬間に揺動パネルから人体に作用する力の方向を示す断面図、(b)は図の右側で減速し、加速方向が逆転する瞬間に揺動パネルから人体に作用する力の方向を示す断面図である。
【0079】
本発明の身体バランス矯正装置は、図1で説明した機能に加え、駆動装置4により、揺動パネル3とともに人体が揺動され、加速と減速が繰り返される際、揺動パネル3と使用者Hの身体部位の接触位置においても摩擦抵抗力が働き、使用者Hは慣性力を感じるが、このとき接触位置における摩擦抵抗力が身体部位に対する押圧力として作用し、マッサージ効果が得られる。
【0080】
使用者Hが身体の特定部位についてこのマッサージ効果を得たいと思えば、横臥状態において、その身体部位を揺動パネル3に押し付けるような姿勢をとることで、また使用者の好みに応じて専用のパッドなどを使用することで、その部分に対するマッサージ効果を得ることができる。
【0081】
図4は本発明の身体バランス矯正装置の他の実施形態として、使用者の身体方向に対し、揺動パネル3を左右に2分割した形態とした場合を平面的に示したものである。
【0082】
前述した図1の横臥状態の使用者を支持する揺動パネル3と、揺動パネル3を面内方向に揺動可能に支持する支持装置2と、揺動パネル3を支持装置2に対して揺動させる駆動装置4と、駆動装置4による揺動を制御するコントローラ5を備える身体バランス矯正装置1の構成に対し、図4の実施形態は、揺動パネル3を使用者Hの身体方向に対し左右に2分割した形態としたものである。
【0083】
この場合、それぞれの揺動パネルユニット3a、3bの揺動の方向を逆向きに制御すれば、使用者の右半身と左半身との間に周期的なひねりを加える形でマッサージ作用を加えることができる。なお、左右の揺動パネルユニット3a、3bを同期させて同じ方向に揺動させることもできる。
【0084】
図5は本発明の身体バランス矯正装置のさらに他の実施形態として、使用者の身体方向に対し、揺動パネル3を前後に2分割した形態とした場合を平面的に示したものである。
【0085】
この場合、使用者の身体方向に対し、それぞれの揺動パネルユニット3a、3bの揺動の方向を逆向きに制御すれば、使用者の上半身と下半身との間に周期的なひねりを加える形でマッサージ作用を加えることもできる。なお、左右の揺動パネルユニット3a、3bを同期させて同じ方向に揺動させることもできる。
【0086】
図6は本発明の身体バランス矯正装置のさらに他の実施形態として、揺動パネルを前後左右に4分割した形態とした場合を平面的に示したものである。
【0087】
この場合、例えば左側の前後の揺動パネルユニット3a、3cを同期させて前後方向に揺動させ、右側の前後の揺動パネルユニット3b、3dを同期させて左側の2枚と反対方向に揺動させれば、揺動パネル3を左右に2分割した場合と同様の動きとすることができる。
【0088】
同様に、前側の左右の揺動パネルユニット3a、3bを同期させて左右方向に揺動させ、後側の左右の揺動パネルユニット3c、3dを同期させて後側の2枚と反対方向に揺動させれば、揺動パネルユニットを前後に2分割した場合と同様の動きとすることができる。
【0089】
さらに、揺動パネルを前後左右に4分割した4枚の揺動パネルユニット3a、3b、3c、3dを、それぞれ別々の動きとなるように制御することもできる。
【0090】
4分割した4枚の揺動パネルユニット3a、3b、3c、3d間には、これらのバラバラな動きに対しても追随可能な弾性体6などを介在させることで、隙間が生じないようにすることができる。
【符号の説明】
【0091】
H…使用者、
1…身体バランス矯正装置、2…支持装置、3…揺動パネル、4…駆動装置、5…コントローラ、
3a、3b、3c、3d…揺動パネルユニット、6…弾性体
図1
図2
図3
図4
図5
図6