(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-03
(45)【発行日】2023-02-13
(54)【発明の名称】レイヤードディビジョンマルチプレキシングを利用した信号マルチプレキシング装置および信号マルチプレキシング方法
(51)【国際特許分類】
H04J 99/00 20090101AFI20230206BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20230206BHJP
H03M 13/35 20060101ALI20230206BHJP
H03M 13/27 20060101ALI20230206BHJP
【FI】
H04J99/00 100
H04L27/26 111
H03M13/35
H03M13/27
(21)【出願番号】P 2021213011
(22)【出願日】2021-12-27
(62)【分割の表示】P 2020011794の分割
【原出願日】2015-02-25
【審査請求日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】10-2014-0021978
(32)【優先日】2014-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0026040
(32)【優先日】2015-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】596099882
【氏名又は名称】エレクトロニクス アンド テレコミュニケーションズ リサーチ インスチチュート
【氏名又は名称原語表記】ELECTRONICS AND TELECOMMUNICATIONS RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100096921
【氏名又は名称】吉元 弘
(72)【発明者】
【氏名】パク、ソン-イク
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェ-ヨン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ソン-ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヘン-モク
(72)【発明者】
【氏名】ホ、ナム-ホ
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-527927(JP,A)
【文献】特開2000-101542(JP,A)
【文献】国際公開第2012/157282(WO,A1)
【文献】Yiyan Wu(他3名),Cloud Transmission: A New Spectrum-Reuse Friendly Digital Terrestrial Broadcasting Transmission System,IEEE Transactions on Broadcasting,VOL.58, NO.3,2012年06月21日,pp.329-337
【文献】MONTALBAN Jon et al.,Cloud Transmission: System Performance and Application Scenarios,IEEE Transactions on Broadcasting,Volume: 60, Issue: 2,2014年02月20日,pp.170-184
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 99/00
H04L 27/26
H03M 13/35
H03M 13/27
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンハンストレイヤ信号のパワーを低減することによって、パワーリデューストエンハンストレイヤ信号を生成するように構成されたインジェクションレベルコントローラと、 マルチプレキシングされた信号を生成するために、コアレイヤ信号と、前記パワーリデューストエンハンストレイヤ信号とを結合するように構成された結合器と、
パワーリデューストマルチプレキシングされた信号を生成するために、前記マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記コアレイヤ信号に相応するパワーに低減するように構成されたパワーノーマライザと、
前記コアレイヤ信号に相応するコアレイヤ、および前記パワーリデューストエンハンストレイヤ信号に相応するエンハンストレイヤ信号にともに適用されるインターリービングを行うように構成されたタイムインターリーバと、
を備え、
前記インジェクションレベルコントローラは、スケーリングファクターに相応
して前記エンハンストレイヤ信号の前記パワーを低減し、前記パワーノーマライザは、ノーマライジングファクターに相応する前記マルチプレキシングされた信号の前記パワーを低減し、 前記ノーマライジングファクターは、0より大きく、かつ、1より小さい値であ
り、
前記スケーリングファクターと前記ノーマライジングファクターとは、前記インジェクションレベルコントローラのパワーの低減の変化にしたがって、反対の方向に変化し、
前記スケーリングファクターは、前記エンハンストレイヤ信号にのみ適用され、前記ノーマライジングファクターは、前記コアレイヤ信号および前記パワーリデューストエンハンストレイヤ信号にともに適用されることを特徴とする信号マルチプレキシング装置。
【請求項2】
前記スケーリングファクターは、前記インジェクションレベルコントローラの前記パワーの低減が大きいほど減少し、前記ノーマライジングファクターは、前記インジェクションレベルコントローラの前記パワーの低減が大きいほど増加することを特徴とする請求項
1に記載の信号マルチプレキシング装置。
【請求項3】
前記インジェクションレベルコントローラの前記パワーの低減が4.0dBに相応する場合、前記スケーリングファクターは第1のスケーリング値に相応し、前記ノーマライジングファクターは第1のノーマライジング値に相応し、
前記インジェクションレベルコントローラの前記パワーの低減が5.0dBに相応する場合、前記スケーリングファクターは第2のスケーリング値に相応し、前記ノーマライジングファクターは第2のノーマライジング値に相応し、
前記第1のスケーリング値は前記第2のスケーリング値よりも大きく、前記第2のノーマライジング値は前記第1のノーマライジング値よりも大きく、前記第1のノーマライジング値は前記第1のスケーリング値よりも大きいことを特徴とする請求項
1に記載の信号マルチプレキシング装置。
【請求項4】
前記信号マルチプレキシング装置は、
前記コアレイヤ信号に相応するBICMエンコーディングを実行するように構成されたコアレイヤBICM(Bit-Interleaved Coded Modulation)ユニットと、
前記エンハンストレイヤ信号に相応するBICMエンコーディングを実行するように構成されたエンハンストレイヤBICMユニットと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の信号マルチプレキシング装置。
【請求項5】
エンハンストレイヤ信号のパワーを低減することによって、パワーリデューストエンハンストレイヤ信号を生成するステップと、
コアレイヤ信号と、前記パワーリデューストエンハンストレイヤ信号とを結合して、マルチプレキシングされた信号を生成するステップと、
前記マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記コアレイヤ信号に相応するパワーに低減するステップと、
前記コアレイヤ信号に相応するコアレイヤ、および前記エンハンストレイヤ信号に相応するエンハンストレイヤにともに適用されるインターリービングを行うステップと、
を備え、
前記マルチプレキシングされた信号の前記低減するパワーは、ノーマライジングファクターに相応し、前記パワーリデューストエンハンストレイヤ信号は、スケーリングファクターに相応して生成され、
前記ノーマライジングファクターは、0より大きく、かつ、1より小さい値であ
り、
前記スケーリングファクターと前記ノーマライジングファクターとは、前記パワーリデューストエンハンストレイヤ信号に相応するパワーの低減の変化にしたがって、反対の方向に変化し、
前記スケーリングファクターは、前記エンハンストレイヤ信号にのみ適用され、前記ノーマライジングファクターは、前記コアレイヤ信号および前記パワーリデューストエンハンストレイヤ信号にともに適用されることを特徴とする信号マルチプレキシング方法。
【請求項6】
前記パワーの低減が4.0dBに相応する場合、前記スケーリングファクターは第1のスケーリング値に相応し、前記ノーマライジングファクターは第1のノーマライジング値に相応し、
前記パワーの低減が5.0dBに相応する場合、前記スケーリングファクターは第2のスケーリング値に相応し、前記ノーマライジングファクターは第2のノーマライジング値に相応し、
前記第1のスケーリング値は前記第2のスケーリング値よりも大きく、前記第2のノーマライジング値は前記第1のノーマライジング値よりも大きく、前記第1のノーマライジング値は前記第1のスケーリング値よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の信号マルチプレキシング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送システムで使用される放送信号送/受信技術に関し、特に、2つ以上の信号をマルチプレキシング/デマルチプレキシングして送/受信する放送信号送/受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
BICM(Bit-Interleaved Coded Modulation)は帯域-効率的な(bandwidth-efficient)伝送技術で、エラー訂正符号化器(error-correction coder)、ビット単位インターリーバ(bit-by-bit interleaver)および高次数の変調器(modulator)が結合された形態である。
【0003】
BICMは、エラー訂正符号化器としてLDPC(Low-Density Parity Check)符号器またはターボ符号器を用いることにより、簡単な構造で優れた性能を提供することができる。また、BICMは、変調次数(modulation order)とエラー訂正符号の長さおよび符号率などを多様に選択可能なため、高い水準のフレキシビリティ(flexibility)を提供する。この利点のため、BICMは、DVB-T2やDVB-NGHのような放送標準で使用されているだけでなく、他の次世代放送システムでも使用される可能性が高い。
【0004】
一般的に、信号をマルチプレキシング(multiplexing)するためには、TDM(Time Division Multiplexing)またはFDM(Frequency Division Multiplexing)が広く使用される。最近は、次世代放送システムに適用可能なTDMおよびFDMより高い水準のフレキシビリティ(flexibility)と優れた性能を提供する新たなマルチプレキシング手法に対する必要性が切実に提起されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、TDM(Time Division Multiplexing)やFDM(Frequency Division Multiplexing)より高い水準のフレキシビリティと優れた性能を提供することができる新たな信号マルチプレキシング技術を提供することである。
【0006】
また、本発明の目的は、2つ以上のレイヤそれぞれに相応する2つ以上の信号それぞれを、互いに異なるパワーレベルで結合して、効率的に信号をマルチプレキシング/デマルチプレキシングすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための、本発明に係る信号マルチプレキシング装置は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号を、互いに異なるパワーレベルで結合(combine)する結合器と、前記コアレイヤ信号および前記エンハンストレイヤ信号にともに適用されるインターリービングを行うタイムインターリーバとを含む。
【0008】
この時、信号マルチプレキシング装置は、前記エンハンストレイヤ信号のパワーを低減してパワーリデューストエンハンストレイヤ信号を生成するインジェクションレベルコントローラをさらに含むことができる。この時、結合器は、前記コアレイヤ信号および前記パワーリデューストエンハンストレイヤ信号を結合して、マルチプレキシングされた信号を生成することができる。
【0009】
この時、信号マルチプレキシング装置は、前記コアレイヤ信号に相応するコアレイヤBICM部と、前記コアレイヤBICM部と異なるBICMエンコーディングを行うエンハンストレイヤBICM部とをさらに含むことができる。
【0010】
この時、コアレイヤBICM部は、エンハンストレイヤBICM部より低いビット率を有し、コアレイヤBICM部がエンハンストレイヤBICM部よりロバスト(robust)であり得る。
【0011】
この時、信号マルチプレキシング装置は、前記マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記コアレイヤ信号に相応するパワーに低下させるパワーノーマライザをさらに含むことができる。
【0012】
この時、パワーノーマライザは、ノーマライジングファクター(normalizing factor)に相応し、前記マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記結合器によって上昇した分だけ低下させることができる。
【0013】
この時、インジェクションレベルコントローラは、スケーリングファクターに相応できる。この時、ノーマライジングファクターおよびスケーリングファクターはそれぞれ、0より大きく、かつ、1より小さい値であり、前記スケーリングファクターは、前記インジェクションレベルコントローラに相応するパワー減少が大きいほど減少し、前記ノーマライジングファクターは、前記インジェクションレベルコントローラに相応するパワー減少が大きいほど増加することができる。
【0014】
この時、インジェクションレベルコントローラは、インジェクションレベルを、3.0dBから10.0dBの間で0.5dBの間隔で変化させることができる。
【0015】
この時、エンハンストレイヤ信号は、前記コアレイヤ信号に相応するコアレイヤデータの復元に相応するキャンセレーション(cancellation)に基づいて復元されるエンハンストレイヤデータに相応できる。
【0016】
この時、コアレイヤBICM部は、前記コアレイヤデータをエラー訂正符号化するコアレイヤエラー訂正符号化器と、前記コアレイヤデータに相応するビットインターリービングを行うコアレイヤビットインターリーバと、前記コアレイヤデータに相応するモジュレーションを行うコアレイヤシンボルマッパとを含むことができる。
【0017】
この時、エンハンストレイヤBICM部は、前記エンハンストレイヤデータをエラー訂正符号化するエンハンストレイヤエラー訂正符号化器と、前記エンハンストレイヤデータに相応するビットインターリービングを行うエンハンストレイヤビットインターリーバと、前記エンハンストレイヤデータに相応するモジュレーションを行うエンハンストレイヤシンボルマッパとを含むことができる。
【0018】
この時、エンハンストレイヤエラー訂正符号化器は、コアレイヤエラー訂正符号化器より符号率が高く、エンハンストレイヤシンボルマッパは、コアレイヤシンボルマッパより少なめにロバスト(less robust)であり得る。
【0019】
この時、結合器は、前記コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号より低いパワーレベルの1つ以上の拡張レイヤ(extension layer)信号を、前記コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号とともに結合することができる。
【0020】
また、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号を、互いに異なるパワーレベルで結合するステップと、前記コアレイヤ信号および前記エンハンストレイヤ信号にともに適用されるインターリービングを行うステップとを含む。
【0021】
この時、信号マルチプレキシング方法は、前記エンハンストレイヤ信号のパワーを低減してパワーリデューストエンハンストレイヤ信号を生成するステップをさらに含むことができる。この時、前記結合するステップは、前記コアレイヤ信号および前記パワーリデューストエンハンストレイヤ信号を結合して、マルチプレキシングされた信号を生成することができる。
【0022】
この時、信号マルチプレキシング方法は、前記マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記コアレイヤ信号に相応するパワーに低下させるステップをさらに含むことができる。
【0023】
この時、前記マルチプレキシングされた信号のパワーを低下させるステップは、前記マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記結合するステップによって上昇した分だけ低下させることができる。
【0024】
この時、前記パワーリデューストエンハンストレイヤ信号を生成するステップは、インジェクションレベルを、3.0dBから10.0dBの間で0.5dBの間隔で変化させることができる。
【0025】
この時、前記結合するステップは、前記コアレイヤ信号および前記エンハンストレイヤ信号より低いパワーレベルの1つ以上の拡張レイヤ(extension layer)信号を、前記コアレイヤ信号および前記エンハンストレイヤ信号とともに結合することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、TDM(Time Division Multiplexing)やFDM(Frequency Division Multiplexing)より高い水準のフレキシビリティと優れた性能を提供することができる新たな信号マルチプレキシング技術を提供することができる。
【0027】
また、本発明は、2つ以上のレイヤそれぞれに相応する2つ以上の信号それぞれを、互いに異なるパワーレベルで結合して、効率的に信号をマルチプレキシング/デマルチプレキシングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信システムを示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信方法を示す動作フローチャートである。
【
図3】
図1に示された信号マルチプレキシング装置の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示された信号マルチプレキシング装置の他の例を示すブロック図である。
【
図5】
図1に示された信号デマルチプレキシング装置の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図1に示された信号デマルチプレキシング装置の他の例を示すブロック図である。
【
図7】コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号の結合によるパワー上昇を示す図である。
【
図8】
図1に示された信号マルチプレキシング装置のさらに他の例を示すブロック図である。
【
図9】
図1に示された信号マルチプレキシング装置のさらに他の例を示すブロック図である。
【
図10】
図1に示された信号デマルチプレキシング装置のさらに他の例を示すブロック図である。
【
図11】
図1に示された信号デマルチプレキシング装置のさらに他の例を示すブロック図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法を示す動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を添付した図面を参照して詳細に説明する。ここで、繰り返される説明、本発明の要旨を不必要にあいまいにし得る公知の機能、および構成に関する詳細な説明は省略する。本発明の実施形態は、当業界における平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状および大きさなどは、より明確な説明のために誇張されることがある。
【0030】
以下、本発明に係る好ましい実施形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信システムを示すブロック図である。
【0032】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信システムは、放送信号送信装置110と、無線チャネル120と、放送信号受信装置130とを含む。
【0033】
放送信号送信装置110は、コアレイヤデータおよびエンハンストレイヤデータをマルチプレキシングする信号マルチプレキシング装置111と、OFDM送信機113とを含む。
【0034】
信号マルチプレキシング装置111は、コアレイヤデータに相応するコアレイヤ信号およびエンハンストレイヤデータに相応するエンハンストレイヤ信号を、互いに異なるパワーレベルで結合(combine)し、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号にともに適用されるインターリービングを行ってマルチプレキシングされた信号を生成する。
【0035】
OFDM送信機113は、マルチプレキシングされた信号を、OFDM通信方式を利用してアンテナ117を介して送信し、送信されたOFDM信号が無線チャネル120を介して放送信号受信装置130のアンテナ137を介して受信されるようにする。
【0036】
放送信号受信装置130は、OFDM受信機133と、信号デマルチプレキシング装置131とを含む。無線チャネル120を介して送信された信号がアンテナ137を介して受信されると、OFDM受信機133は、同期(synchronization)、チャネル推定(channel estimation)および等化(equalization)過程などによりOFDM信号を受信する。
【0037】
信号デマルチプレキシング装置131は、OFDM受信機133を介して受信された信号から先にコアレイヤデータを復元し、復元されたコアレイヤデータに相応するキャンセレーション(cancellation)によりエンハンストレイヤデータを復元する。
【0038】
図1には明示的に示されていないが、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信システムは、コアレイヤデータおよびエンハンストレイヤデータ以外にも、1つ以上の拡張レイヤデータをマルチプレキシング/デマルチプレキシングすることができる。この時、拡張レイヤデータは、コアレイヤデータおよびエンハンストレイヤデータより低いパワーレベルでマルチプレキシングされる。さらに、2つ以上の拡張レイヤが含まれる場合、1番目の拡張レイヤのインジェクションパワーレベルより2番目の拡張レイヤのインジェクションパワーレベルが低く、2番目の拡張レイヤのインジェクションパワーレベルより3番目の拡張レイヤのインジェクションパワーレベルが低いとよい。
【0039】
図2は、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信方法を示す動作フローチャートである。
【0040】
図2を参照すれば、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信方法は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号を、互いに異なるパワーレベルで結合してマルチプレキシングする(S210)。
【0041】
また、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信方法は、マルチプレキシングされた信号をOFDM送信する(S220)。
【0042】
さらに、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信方法は、送信された信号をOFDM受信する(S230)。
【0043】
この時、ステップS230は、同期(synchronization)、チャネル推定(channel estimation)および等化(equalization)過程などを行うことができる。
【0044】
また、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信方法は、受信された信号からコアレイヤデータを復元する(S240)。
【0045】
さらに、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信方法は、コアレイヤ信号のキャンセレーションによりエンハンストレイヤデータを復元する(S250)。
【0046】
特に、
図2に示されたステップS240およびステップS250は、ステップS210に相応するデマルチプレキシング動作に相当するものであるとよい。
【0047】
図3は、
図1に示された信号マルチプレキシング装置の一例を示すブロック図である。
【0048】
図3を参照すれば、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング装置は、コアレイヤBICM部310と、エンハンストレイヤBICM部320と、インジェクションレベルコントローラ330と、結合器340と、タイムインターリーバ350とを含むことができる。
【0049】
一般的に、BICM(Bit-Interleaved Coded Modulation)装置は、エラー訂正符号化器と、ビットインターリーバと、シンボルマッパとから構成され、
図3に示されたコアレイヤBICM部310およびエンハンストレイヤBICM部320もそれぞれ、エラー訂正符号化器と、ビットインターリーバと、シンボルマッパとを含むことができる。
【0050】
図3に示されているように、コアレイヤデータ(Core Layer data)およびエンハンストレイヤデータ(Enhanced Layer data)はそれぞれ、互いに異なるBICM部を通過した後、結合器340を介して合わされる。
【0051】
すなわち、コアレイヤデータはコアレイヤBICM部310を通過し、エンハンストレイヤデータはエンハンストレイヤBICM部320を通過した後、インジェクションレベルコントローラ330を経て結合器340で結合される。この時、エンハンストレイヤBICM部320は、コアレイヤBICM部310とは異なるBICMエンコーディングを行うことができる。すなわち、エンハンストレイヤBICM部320は、コアレイヤBICM部310より高いビット率に相応するエラー訂正符号化やシンボルマッピングを行うことができる。また、エンハンストレイヤBICM部320は、コアレイヤBICM部310より少なめにロバスト(less robust)なエラー訂正符号化やシンボルマッピングを行うことができる。
【0052】
例えば、コアレイヤエラー訂正符号化器が、エンハンストレイヤエラー訂正符号化器よりビット率が低いとよい。この時、エンハンストレイヤシンボルマッパは、コアレイヤシンボルマッパより少なめにロバスト(less robust)であり得る。
【0053】
結合器340は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号を、互いに異なるパワーレベルで結合(combine)すると考えられる。
【0054】
コアレイヤデータは、ロバスト(robust)な受信のために低い符号率(low code rate)のFEC(Forward error correction)コードを用いるのに対し、エンハンストレイヤデータは、高いデータ伝送率のために高い符号率のFECコードを用いることができる。
【0055】
すなわち、コアレイヤデータは、エンハンストレイヤデータと比較して、同一の受信環境でより広い放送区域(coverage)を有することができる。
【0056】
エンハンストレイヤBICM部320を通過したエンハンストレイヤデータは、インジェクションレベルコントローラ330を介してそのゲイン(またはパワー)が調節され、結合器340によってコアレイヤデータと結合される。
【0057】
すなわち、インジェクションレベルコントローラ330は、エンハンストレイヤ信号のパワーを低減してパワーリデューストエンハンストレイヤ信号を生成する。
【0058】
この時、結合器340は、コアレイヤ信号およびパワーリデューストエンハンストレイヤ信号を結合して、マルチプレキシングされた信号を生成すると考えられる。
【0059】
結合器340によって結合されたデータは、チャネルで発生するバーストエラー(burst error)を分散させるためのタイムインターリーバ(time interleaver)350を通過した後、マルチパス(multi-path)およびドップラー(Doppler)にロバストなOFDM送信機を経て伝送される。
【0060】
この時、タイムインターリーバ350は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号にともに適用されるインターリービングを行うことが考えられる。すなわち、コアレイヤとエンハンストレイヤがタイムインターリーバを共有することで不必要なメモリの使用を防止し、受信機におけるレイテンシーを低減することができる。
【0061】
後述するが、エンハンストレイヤ信号は、コアレイヤ信号に相応するコアレイヤデータの復元に相応するキャンセレーション(cancellation)に基づいて復元されるエンハンストレイヤデータに相応するものであるとよい。
【0062】
図4は、
図1に示された信号マルチプレキシング装置の他の例を示すブロック図である。
【0063】
図4を参照すれば、信号マルチプレキシング装置が、コアレイヤデータおよびエンハンストレイヤデータ以外にも、N個(Nは1以上の自然数)の拡張レイヤ(Extension Layers)に相応するデータをともにマルチプレキシングすることが分かる。
【0064】
すなわち、
図4に示された信号マルチプレキシング装置は、コアレイヤBICM部310、エンハンストレイヤBICM部320、インジェクションレベルコントローラ330、結合器340およびタイムインターリーバ350以外にも、N個の拡張レイヤBICM部410,...,430およびインジェクションレベルコントローラ440,...,460を含む。
【0065】
図4に示されたコアレイヤBICM部310、エンハンストレイヤBICM部320、インジェクションレベルコントローラ330、結合器340およびタイムインターリーバ350については、
図3を通じてすでに詳細に説明した。
【0066】
N個の拡張レイヤBICM部410,...,430は、それぞれ独立してBICMエンコーディングを行い、インジェクションレベルコントローラ440,...,460は、それぞれの拡張レイヤに相応するパワーリデューシングを行い、パワーリデューシングされた拡張レイヤ信号が結合器340を介して他のレイヤ信号と結合されるようにする。
【0067】
特に、インジェクションレベルコントローラ440,...,460それぞれに相応するパワー減少は、インジェクションレベルコントローラ330のパワー減少より大きいことが好ましい。すなわち、
図4に示されたインジェクションレベルコントローラ330,440,...,460は、下へ向かうほど大きなパワー減少に相応できる。
【0068】
本発明において、パワー調節は、入力信号のパワーを増加または減少させるものであってもよく、入力信号のゲインを増加または減少させるものであってもよい。
【0069】
タイムインターリーバ350は、結合器340によって結合された信号に対するインターリービングを行うことにより、レイヤの信号にともに適用されるインターリービングを行う。
【0070】
図5は、
図1に示された信号デマルチプレキシング装置の一例を示すブロック図である。
【0071】
図5を参照すれば、本発明の一実施形態に係る信号デマルチプレキシング装置は、タイムデインターリーバ510と、コアレイヤBICMデコーダ520と、エンハンストレイヤシンボル抽出器530と、エンハンストレイヤBICMデコーダ540とを含む。
【0072】
この時、
図5に示された信号デマルチプレキシング装置は、
図3に示された信号マルチプレキシング装置に相応するものであるとよい。
【0073】
タイムデインターリーバ510は、同期(synchronization)、チャネル推定(channel estimation)および等化(equalization)などの動作を行うOFDM受信機から受信信号を受信し、チャネルで発生したバーストエラー(burst error)の分散に関する動作を行う。
【0074】
タイムデインターリーバ510の出力は、コアレイヤBICMデコーダ520に提供され、コアレイヤBICMデコーダ520は、コアレイヤデータを復元する。
【0075】
この時、コアレイヤBICMデコーダ520は、コアレイヤシンボルデマッパと、コアレイヤビットデインターリーバと、コアレイヤエラー訂正復号化器とを含む。コアレイヤシンボルデマッパは、シンボルに関連するLLR(Log-Likelihood Ratio)値を計算し、コアレイヤビットデインターリーバは、計算されたLLR値をバーストエラーに強く混合し、コアレイヤエラー訂正復号化器は、チャネルで発生したエラーを訂正する。
【0076】
特に、コアレイヤエラー訂正復号化器は、情報(information)ビットのみを出力してもよく、情報ビットとパリティビットとが結合された全体ビットを出力してもよい。この時、コアレイヤエラー訂正復号化器は、情報ビットのみをコアレイヤデータとして出力し、情報ビットにパリティビットが結合された全体ビットをエンハンストレイヤシンボル抽出器530に出力することができる。
【0077】
エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、コアレイヤBICMデコーダ520のコアレイヤエラー訂正復号化器から全体ビットを受信し、タイムデインターリーバ510の出力信号からエンハンストレイヤシンボルを抽出する。
【0078】
この時、エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、バッファと、減算器(subtracter)と、コアレイヤシンボルマッパと、コアレイヤビットインターリーバとを含む。バッファは、タイムデインターリーバ510の出力信号を格納する。コアレイヤビットインターリーバは、コアレイヤBICMデコーダの全体ビット(情報ビット+パリティビット)を受信して、送信機と同一のコアレイヤビットインターリービングを行う。コアレイヤシンボルマッパは、インターリービングされた信号から送信機と同一のコアレイヤシンボルを生成する。減算器は、バッファに格納された信号からコアレイヤシンボルマッパの出力信号を減算することにより、エンハンストレイヤシンボルを取得し、これをエンハンストレイヤBICMデコーダ540に伝達する。
【0079】
この時、エンハンストレイヤシンボル抽出器530に含まれるコアレイヤビットインターリーバおよびコアレイヤシンボルマッパは、
図3に示されたコアレイヤのビットインターリーバおよびシンボルマッパと同一のものであるとよい。
【0080】
エンハンストレイヤBICMデコーダ540は、エンハンストレイヤシンボルを受信して、エンハンストレイヤデータを復元する。
【0081】
この時、エンハンストレイヤBICMデコーダ540は、エンハンストレイヤシンボルデマッパと、エンハンストレイヤビットデインターリーバと、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器とを含むことができる。エンハンストレイヤシンボルデマッパは、エンハンストレイヤシンボルに関連するLLR(Log-Likelihood Ratio)値を計算し、エンハンストレイヤビットデインターリーバは、計算されたLLR値をバーストエラーに強く混合し、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器は、チャネルで発生したエラーを訂正する。
【0082】
すなわち、
図5に示された信号デマルチプレキシング装置は、先にコアレイヤデータを復元し、受信信号シンボルからコアレイヤシンボルをキャンセレーション(cancellation)してエンハンストレイヤシンボルのみを残した後、エンハンストレイヤデータを復元する。
図3および
図4を通じてすでに説明したように、それぞれのレイヤに相応する信号が互いに異なるパワーレベルで結合されるので、最も強いパワーで結合された信号から復元されてこそ、最もエラーの少ないデータ復元が可能である。
【0083】
図6は、
図1に示された信号デマルチプレキシング装置の他の例を示すブロック図である。
【0084】
図6を参照すれば、本発明の一実施形態に係る信号デマルチプレキシング装置は、タイムデインターリーバ510と、コアレイヤBICMデコーダ520と、エンハンストレイヤシンボル抽出器530と、エンハンストレイヤBICMデコーダ540と、1つ以上の拡張レイヤシンボル抽出器650,670と、1つ以上の拡張レイヤBICMデコーダ660,680とを含む。
【0085】
この時、
図6に示された信号デマルチプレキシング装置は、
図4に示された信号マルチプレキシング装置に相応するものであるとよい。
【0086】
タイムデインターリーバ510は、同期(synchronization)、チャネル推定(channel estimation)および等化(equalization)などの動作を行うOFDM受信機から受信信号を受信し、チャネルで発生したバーストエラー(burst error)の分散に関する動作を行う。
【0087】
タイムデインターリーバ510の出力は、コアレイヤBICMデコーダ520に提供され、コアレイヤBICMデコーダ520は、コアレイヤデータを復元する。
【0088】
この時、コアレイヤBICMデコーダ520は、コアレイヤシンボルデマッパと、コアレイヤビットデインターリーバと、コアレイヤエラー訂正復号化器とを含む。コアレイヤシンボルデマッパは、シンボルに関連するLLR(Log-Likelihood Ratio)値を計算し、コアレイヤビットデインターリーバは、計算されたLLR値をバーストエラーに強く混合し、コアレイヤエラー訂正復号化器は、チャネルで発生したエラーを訂正する。
【0089】
特に、コアレイヤエラー訂正復号化器は、情報(information)ビットのみを出力してもよく、情報ビットとパリティビットとが結合された全体ビットを出力してもよい。この時、コアレイヤエラー訂正復号化器は、情報ビットのみをコアレイヤデータとして出力し、情報ビットにパリティビットが結合された全体ビットをエンハンストレイヤシンボル抽出器530に出力することができる。
【0090】
エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、コアレイヤBICMデコーダ520のコアレイヤエラー訂正復号化器から全体ビットを受信し、タイムデインターリーバ510の出力信号からエンハンストレイヤシンボルを抽出する。
【0091】
この時、エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、バッファと、減算器(subtracter)と、コアレイヤシンボルマッパと、コアレイヤビットインターリーバとを含む。バッファは、タイムデインターリーバ510の出力信号を格納する。コアレイヤビットインターリーバは、コアレイヤBICMデコーダの全体ビット(情報ビット+パリティビット)を受信して、送信機と同一のコアレイヤビットインターリービングを行う。コアレイヤシンボルマッパは、インターリービングされた信号から送信機と同一のコアレイヤシンボルを生成する。減算器は、バッファに格納された信号からコアレイヤシンボルマッパの出力信号を減算することにより、エンハンストレイヤシンボルを取得し、これをエンハンストレイヤBICMデコーダ540に伝達する。
【0092】
この時、エンハンストレイヤシンボル抽出器530に含まれるコアレイヤビットインターリーバおよびコアレイヤシンボルマッパは、
図4に示されたコアレイヤのビットインターリーバおよびシンボルマッパと同一のものであるとよい。
【0093】
エンハンストレイヤBICMデコーダ540は、エンハンストレイヤシンボルを受信して、エンハンストレイヤデータを復元する。
【0094】
この時、エンハンストレイヤBICMデコーダ540は、エンハンストレイヤシンボルデマッパと、エンハンストレイヤビットデインターリーバと、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器とを含むことができる。エンハンストレイヤシンボルデマッパは、エンハンストレイヤシンボルに関連するLLR(Log-Likelihood Ratio)値を計算し、エンハンストレイヤビットデインターリーバは、計算されたLLR値をバーストエラーに強く混合し、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器は、チャネルで発生したエラーを訂正する。
【0095】
特に、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器は、情報(information)ビットのみを出力してもよく、情報ビットとパリティビットとが結合された全体ビットを出力してもよい。この時、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器は、情報ビットのみをエンハンストレイヤデータとして出力し、情報ビットにパリティビットが結合された全体ビットを拡張レイヤシンボル抽出器650に出力することができる。
【0096】
拡張レイヤシンボル抽出器650は、エンハンストレイヤBICMデコーダ540のエンハンストレイヤエラー訂正復号化器から全体ビットを受信し、エンハンストレイヤシンボル抽出器530の減算器の出力信号から拡張(extension)レイヤシンボルを抽出する。
【0097】
この時、拡張レイヤシンボル抽出器650は、バッファと、減算器(subtracter)と、エンハンストレイヤシンボルマッパと、エンハンストレイヤビットインターリーバとを含む。バッファは、エンハンストレイヤシンボル抽出器の減算器の出力信号を格納する。エンハンストレイヤビットインターリーバは、エンハンストレイヤBICMデコーダの全体ビット(情報ビット+パリティビット)を受信して、送信機と同一のエンハンストレイヤビットインターリービングを行う。エンハンストレイヤシンボルマッパは、インターリービングされた信号から送信機と同一のエンハンストレイヤシンボルを生成する。減算器は、バッファに格納された信号からエンハンストレイヤシンボルマッパの出力信号を減算することにより、拡張レイヤシンボルを取得し、これを拡張レイヤBICMデコーダ660に伝達する。
【0098】
この時、拡張レイヤシンボル抽出器650に含まれるエンハンストレイヤビットインターリーバおよびエンハンストレイヤシンボルマッパは、
図4に示されたエンハンストレイヤのビットインターリーバおよびシンボルマッパと同一のものであるとよい。
【0099】
拡張レイヤBICMデコーダ660は、拡張レイヤシンボルを受信して、拡張レイヤデータを復元する。
【0100】
この時、拡張レイヤBICMデコーダ660は、拡張レイヤシンボルデマッパと、拡張レイヤビットデインターリーバと、拡張レイヤエラー訂正復号化器とを含むことができる。拡張レイヤシンボルデマッパは、拡張レイヤシンボルに関連するLLR(Log-Likelihood Ratio)値を計算し、拡張レイヤビットデインターリーバは、計算されたLLR値をバーストエラーに強く混合し、拡張レイヤエラー訂正復号化器は、チャネルで発生したエラーを訂正する。
【0101】
特に、拡張レイヤシンボル抽出器および拡張レイヤBICMデコーダは、拡張レイヤが2つ以上の場合、それぞれ2つ以上備えられる。
【0102】
すなわち、
図6に示された例において、拡張レイヤBICMデコーダ660の拡張レイヤエラー訂正復号化器は、情報(information)ビットのみを出力してもよく、情報ビットとパリティビットとが結合された全体ビットを出力してもよい。この時、拡張レイヤエラー訂正復号化器は、情報ビットのみを拡張レイヤデータとして出力し、情報ビットにパリティビットが結合された全体ビットを次の拡張レイヤシンボル抽出器670に出力することができる。
【0103】
拡張レイヤシンボル抽出器670および拡張レイヤBICMデコーダ680の構造および動作は、上述した拡張レイヤシンボル抽出器650および拡張レイヤBICMデコーダ660の構造および動作から容易に分かる。
【0104】
図6に示された信号デマルチプレキシング装置は、最も先にコアレイヤデータを復元し、コアレイヤシンボルのキャンセレーションを利用してエンハンストレイヤデータを復元し、エンハンストレイヤシンボルのキャンセレーションを利用して拡張レイヤデータを復元することが分かる。拡張レイヤは2つ以上備えられ、この場合、より高いパワーレベルで結合された拡張レイヤから復元される。
【0105】
図3および
図4に示された信号マルチプレキシング装置は、根本的に2つ以上の信号を互いに異なるパワーレベルで結合するものであるので、結合後のパワーレベルを調節する必要があり得る。すなわち、結合器によってコアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号を結合する場合、結合されたマルチプレキシング信号のパワーは、結合前のコアレイヤ信号やエンハンストレイヤ信号よりパワーレベルが高いとよく、信号の送/受信過程でこのようなパワー増加による信号の歪みなどの問題が発生することがある。
【0106】
図7は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号の結合によるパワー上昇を示す図である。
【0107】
図7を参照すれば、コアレイヤ信号にインジェクションレベル(injection level)だけパワー減少したエンハンストレイヤ信号が結合されてマルチプレキシングされた信号が生成された場合、マルチプレキシングされた信号のパワーレベルが、コアレイヤ信号やエンハンストレイヤ信号のパワーレベルより高いことが分かる。
【0108】
この時、
図3および
図4に示されたインジェクションレベルコントローラ(injection level controller)によって調節されるインジェクションレベルは、3.0dBから10.0dBまで0.5dBの間隔で調節される。インジェクションレベルが3.0dBの場合、エンハンストレイヤ信号のパワーが、コアレイヤ信号のパワーより3dBだけ低い。インジェクションレベルが10.0dBの場合、エンハンストレイヤ信号のパワーが、コアレイヤ信号のパワーより10dBだけ低い。このような関係は、コアレイヤ信号とエンハンストレイヤ信号との間にのみ適用されるのではなく、エンハンストレイヤ信号と拡張レイヤ信号または拡張レイヤ信号の間にも適用可能である。
【0109】
図8は、
図1に示された信号マルチプレキシング装置のさらに他の例を示すブロック図である。
【0110】
図8を参照すれば、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング装置は、コアレイヤBICM部310と、エンハンストレイヤBICM部320と、インジェクションレベルコントローラ330と、結合器340と、パワーノーマライザ810と、タイムインターリーバ350とを含むことができる。
【0111】
一般的に、BICM(Bit-Interleaved Coded Modulation)装置は、エラー訂正符号化器と、ビットインターリーバと、シンボルマッパとから構成され、
図3に示されたコアレイヤBICM部310およびエンハンストレイヤBICM部320もそれぞれ、エラー訂正符号化器と、ビットインターリーバと、シンボルマッパとを含むことができる。
【0112】
図8に示されているように、コアレイヤデータ(Core Layer data)およびエンハンストレイヤデータ(Enhanced Layer data)はそれぞれ、互いに異なるBICM部を通過した後、結合器340を介して合わされる。
【0113】
すなわち、コアレイヤデータはコアレイヤBICM部310を通過し、エンハンストレイヤデータはエンハンストレイヤBICM部320を通過した後、インジェクションレベルコントローラ330を経て結合器340で結合される。この時、エンハンストレイヤBICM部320は、コアレイヤBICM部310とは異なるBICMエンコーディングを行うことができる。すなわち、エンハンストレイヤBICM部320は、コアレイヤBICM部310より高いビット率に相応するエラー訂正符号やシンボルマッピングを行うことができる。また、エンハンストレイヤBICM部320は、コアレイヤBICM部310より少なめにロバスト(less robust)なエラー訂正符号やシンボルマッピングを行うことができる。
【0114】
例えば、コアレイヤエラー訂正符号化器が、エンハンストレイヤエラー訂正符号化器よりビット率が低いとよい。この時、エンハンストレイヤシンボルマッパは、コアレイヤシンボルマッパより少なめにロバスト(less robust)であり得る。
【0115】
結合器340は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号を、互いに異なるパワーレベルで結合(combine)すると考えられる。
【0116】
コアレイヤデータは、ロバスト(robust)な受信のために低い符号率(low code rate)のFEC(Forward error correction)コードを用いるのに対し、エンハンストレイヤデータは、高いデータ伝送率のために高い符号率のFECコードを用いることができる。
【0117】
すなわち、コアレイヤデータは、エンハンストレイヤデータと比較して、同一の受信環境でより広い放送区域(coverage)を有することができる。
【0118】
エンハンストレイヤBICM部320を通過したエンハンストレイヤデータは、インジェクションレベルコントローラ330を介してそのゲイン(またはパワー)が調節され、結合器340によってコアレイヤデータと結合される。
【0119】
すなわち、インジェクションレベルコントローラ330は、エンハンストレイヤ信号のパワーを低減してパワーリデューストエンハンストレイヤ信号を生成する。
【0120】
この時、インジェクションレベルコントローラ330は、インジェクションパワーレベルを、3.0dBから10.0dBまで0.5dBの間隔で調節することができる。
【0121】
この時、結合器340は、コアレイヤ信号およびパワーリデューストエンハンストレイヤ信号を結合して、マルチプレキシングされた信号を生成すると考えられる。
【0122】
結合器340によって結合された信号は、コアレイヤ信号とエンハンストレイヤ信号との結合によって発生したパワー上昇分だけパワーを低下させるためにパワーノーマライザ810に提供され、パワー調節が行われる。すなわち、パワーノーマライザ810は、結合器340によってマルチプレキシングされた信号のパワーを、コアレイヤ信号に相応するパワーレベルに低下させる。結合された信号のレベルが1レイヤ信号のレベルより高いため、放送信号送/受信システムの残りの部分で振幅クリッピング(amplitude clipping)などを防止するために、パワーノーマライザ810のパワーノーマライジングが必要である。
【0123】
エンハンストレイヤ信号S
Eがコアレイヤ信号S
Cに予め設定されたインジェクションレベルによってインジェクションされる時、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号のパワーレベルが1にノーマルライズされると仮定すれば、結合信号は
【数1】
のように表現される。
【0124】
この時、αは、多様なインジェクションレベルに相応するスケーリングファクター(scaling factor)を表す。すなわち、インジェクションレベルコントローラ330は、スケーリングファクターに相応するものであるとよい。
【0125】
例えば、エンハンストレイヤのインジェクションレベルが3dBであれば、結合された信号は
【数2】
のように表現される。
【0126】
結合された(combined)信号(マルチプレキシングされた信号)のパワーが、コアレイヤ信号と比較して増加したため、パワーノーマライザ810は、このようなパワー増加を緩和(mitigate)させなければならない。
【0127】
パワーノーマライザ810の出力は
【数3】
のように表現される。
【0128】
この時、βは、エンハンストレイヤの多様なインジェクションレベルに応じたノーマライジングファクター(normalizing factor)を表す。
【0129】
エンハンストレイヤのインジェクションレベルが3dBの場合、コアレイヤ信号対比、結合信号のパワー増加は50%である。したがって、パワーノーマライザ810の出力は
【数4】
のように表される。
【0130】
下記表1は、多様なインジェクションレベルに応じたスケーリングファクターαとノーマライジングファクターβを表す(CL:Core Layer、EL:Enhanced Layer)。
【表1】
【0131】
すなわち、パワーノーマライザ810は、ノーマライジングファクター(normalizing factor)に相応し、マルチプレキシングされた信号のパワーを、結合器340によって上昇した分だけ低下させると考えられる。
【0132】
この時、ノーマライジングファクターおよびスケーリングファクターはそれぞれ、0より大きく、かつ、1より小さい有理数であるとよい。
【0133】
この時、スケーリングファクターは、インジェクションレベルコントローラ330に相応するパワー減少が大きいほど減少し、ノーマライジングファクターは、インジェクションレベルコントローラ330に相応するパワー減少が大きいほど増加することができる。
【0134】
パワーノーマライジングされた信号は、チャネルで発生するバーストエラー(burst error)を分散させるためのタイムインターリーバ(time interleaver)350を通過した後、マルチパス(multi-path)およびドップラー(Doppler)にロバストなOFDM送信機を経て送信される。
【0135】
この時、タイムインターリーバ350は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号にともに適用されるインターリービングを行うことが考えられる。すなわち、コアレイヤとエンハンストレイヤがタイムインターリーバを共有することで不必要なメモリの使用を防止し、受信機におけるレイテンシーを低減することができる。
【0136】
後述するが、エンハンストレイヤ信号は、コアレイヤ信号に相応するコアレイヤデータの復元に相応するキャンセレーション(cancellation)に基づいて復元されるエンハンストレイヤデータに相応するものであるとよく、結合器340は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号より低いパワーレベルの1つ以上の拡張レイヤ(extension layer)信号を、前記コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号とともに結合することができる。
【0137】
図9は、
図1に示された信号マルチプレキシング装置のさらに他の例を示すブロック図である。
【0138】
図9を参照すれば、信号マルチプレキシング装置が、コアレイヤデータおよびエンハンストレイヤデータ以外にも、N個(Nは1以上の自然数)の拡張レイヤ(Extension Layers)に相応するデータをともにマルチプレキシングすることが分かる。
【0139】
すなわち、
図9に示された信号マルチプレキシング装置は、コアレイヤBICM部310、エンハンストレイヤBICM部320、インジェクションレベルコントローラ330、結合器340、パワーノーマライザ810およびタイムインターリーバ350以外にも、N個の拡張レイヤBICM部410,...,430およびインジェクションレベルコントローラ440,...,460を含む。
【0140】
図9に示されたコアレイヤBICM部310、エンハンストレイヤBICM部320、インジェクションレベルコントローラ330、結合器340およびタイムインターリーバ350については、
図3を通じてすでに詳細に説明した。
【0141】
N個の拡張レイヤBICM部410,...,430は、それぞれ独立してBICMエンコーディングを行い、インジェクションレベルコントローラ440,...,460は、それぞれの拡張レイヤに相応するパワーリデューシングを行い、パワーリデューシングされた拡張レイヤ信号が結合器340を介して他のレイヤ信号と結合されるようにする。
【0142】
特に、インジェクションレベルコントローラ440,...,460それぞれに相応するパワー減少は、インジェクションレベルコントローラ330のパワー減少より大きいことが好ましい。すなわち、
図9に示されたインジェクションレベルコントローラ330,440,...,460は、下へ向かうほど大きなパワー減少に相応できる。
【0143】
本発明において、パワー調節は、入力信号のパワーを増加または減少させるものであってもよく、入力信号のゲインを増加または減少させるものであってもよい。
【0144】
パワーノーマライザ810は、結合器340によって複数のレイヤ信号が結合されることからもたらされるパワー増加を緩和(mitigate)させる。
【0145】
タイムインターリーバ350は、ノーマライジングされた信号に対するインターリービングを行うことにより、レイヤの信号にともに適用されるインターリービングを行う。
【0146】
図10は、
図1に示された信号デマルチプレキシング装置のさらに他の例を示すブロック図である。
【0147】
図10を参照すれば、本発明の一実施形態に係る信号デマルチプレキシング装置は、タイムデインターリーバ510と、デノーマライザ1010と、コアレイヤBICMデコーダ520と、エンハンストレイヤシンボル抽出器530と、デインジェクションレベルコントローラ1020と、エンハンストレイヤBICMデコーダ540とを含む。
【0148】
この時、
図10に示された信号デマルチプレキシング装置は、
図8に示された信号マルチプレキシング装置に相応するものであるとよい。
【0149】
タイムデインターリーバ510は、同期(synchronization)、チャネル推定(channel estimation)および等化(equalization)などの動作を行うOFDM受信機から受信信号を受信し、チャネルで発生したバーストエラー(burst error)の分散に関する動作を行う。
【0150】
デノーマライザ1010は、送信機のパワーノーマライザに相応するもので、パワーノーマライザで減少させた分だけパワーを高める。
【0151】
図10に示された例において、デノーマライザ1010は、タイムインターリーバ510の出力信号のパワーを調節するものとして示されたが、実施形態によって、デノーマライザ1010は、タイムインターリーバ510の前に位置し、インターリービングされる前にパワー調節が行われるようにしてもよい。
【0152】
すなわち、デノーマライザ1010は、タイムインターリーバ510の前または後に位置し、コアレイヤシンボルデマッパのLLR計算などのために信号の大きさを増幅すると考えられる。
【0153】
タイムデインターリーバ510の出力(またはデノーマライザ1010の出力)は、コアレイヤBICMデコーダ520に提供され、コアレイヤBICMデコーダ520は、コアレイヤデータを復元する。
【0154】
この時、コアレイヤBICMデコーダ520は、コアレイヤシンボルデマッパと、コアレイヤビットデインターリーバと、コアレイヤエラー訂正復号化器とを含む。コアレイヤシンボルデマッパは、シンボルに関連するLLR(Log-Likelihood Ratio)値を計算し、コアレイヤビットデインターリーバは、計算されたLLR値をバーストエラーに強く混合し、コアレイヤエラー訂正復号化器は、チャネルで発生したエラーを訂正する。
【0155】
特に、コアレイヤエラー訂正復号化器は、情報(information)ビットのみを出力してもよく、情報ビットとパリティビットとが結合された全体ビットを出力してもよい。この時、コアレイヤエラー訂正復号化器は、情報ビットのみをコアレイヤデータとして出力し、情報ビットにパリティビットが結合された全体ビットをエンハンストレイヤシンボル抽出器530に出力することができる。
【0156】
エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、コアレイヤBICMデコーダ520のコアレイヤエラー訂正復号化器から全体ビットを受信し、タイムデインターリーバ510の出力信号からエンハンストレイヤシンボルを抽出する。
【0157】
この時、エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、バッファと、減算器(subtracter)と、コアレイヤシンボルマッパと、コアレイヤビットインターリーバとを含む。バッファは、タイムデインターリーバ510またはデノーマライザ1010の出力信号を格納する。コアレイヤビットインターリーバは、コアレイヤBICMデコーダの全体ビット(情報ビット+パリティビット)を受信して、送信機と同一のコアレイヤビットインターリービングを行う。コアレイヤシンボルマッパは、インターリービングされた信号から送信機と同一のコアレイヤシンボルを生成する。減算器は、バッファに格納された信号からコアレイヤシンボルマッパの出力信号を減算することにより、エンハンストレイヤシンボルを取得し、これをデインジェクションレベルコントローラ1020に伝達する。
【0158】
この時、エンハンストレイヤシンボル抽出器530に含まれるコアレイヤビットインターリーバおよびコアレイヤシンボルマッパは、
図8に示されたコアレイヤのビットインターリーバおよびシンボルマッパと同一のものであるとよい。
【0159】
デインジェクションレベルコントローラ1020は、エンハンストレイヤシンボルを受信して、送信機のインジェクションレベルコントローラによって減少したパワーだけパワーを増加させる。すなわち、デインジェクションレベルコントローラ1020は、入力信号を増幅してエンハンストレイヤBICMデコーダ540に提供する。例えば、送信機でエンハンストレイヤ信号のパワーをコアレイヤ信号のパワーより3dB小さく結合したならば、デインジェクションレベルコントローラ1020は、入力信号のパワーを3dB増加させる役割を果たす。
【0160】
エンハンストレイヤBICMデコーダ540は、デインジェクションレベルコントローラ1020によってパワーが上昇したエンハンストレイヤシンボルを受信して、エンハンストレイヤデータを復元する。
【0161】
この時、エンハンストレイヤBICMデコーダ540は、エンハンストレイヤシンボルデマッパと、エンハンストレイヤビットデインターリーバと、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器とを含むことができる。エンハンストレイヤシンボルデマッパは、エンハンストレイヤシンボルに関連するLLR(Log-Likelihood Ratio)値を計算し、エンハンストレイヤビットデインターリーバは、計算されたLLR値をバーストエラーに強く混合し、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器は、チャネルで発生したエラーを訂正する。
【0162】
すなわち、
図10に示された信号デマルチプレキシング装置は、先にコアレイヤデータを復元し、受信信号シンボルからコアレイヤシンボルをキャンセレーション(cancellation)してエンハンストレイヤシンボルのみを残した後、エンハンストレイヤシンボルのパワーを増加させてエンハンストレイヤデータを復元する。
【0163】
図11は、
図1に示された信号デマルチプレキシング装置のさらに他の例を示すブロック図である。
【0164】
図11を参照すれば、本発明の一実施形態に係る信号デマルチプレキシング装置は、タイムデインターリーバ510と、デノーマライザ1010と、コアレイヤBICMデコーダ520と、エンハンストレイヤシンボル抽出器530と、エンハンストレイヤBICMデコーダ540と、1つ以上の拡張レイヤシンボル抽出器650,670と、1つ以上の拡張レイヤBICMデコーダ660,680と、デインジェクションレベルコントローラ1020,1150,1170とを含む。
【0165】
この時、
図11に示された信号デマルチプレキシング装置は、
図9に示された信号マルチプレキシング装置に相応するものであるとよい。
【0166】
タイムデインターリーバ510は、同期(synchronization)、チャネル推定(channel estimation)および等化(equalization)などの動作を行うOFDM受信機から受信信号を受信し、チャネルで発生したバーストエラー(burst error)の分散に関する動作を行う。
【0167】
デノーマライザ1010は、送信機のパワーノーマライザに相応するもので、パワーノーマライザで減少させた分だけパワーを高める。
【0168】
図11に示された例において、デノーマライザ1010は、タイムインターリーバ510の出力信号のパワーを調節するものとして示されたが、実施形態によって、デノーマライザ1010は、タイムインターリーバ510の前に位置し、インターリービングされる前にパワー調節が行われるようにしてもよい。
【0169】
すなわち、デノーマライザ1010は、タイムインターリーバ510の前または後に位置し、コアレイヤシンボルデマッパのLLR計算などのために信号の大きさを増幅すると考えられる。
【0170】
タイムデインターリーバ510の出力(またはデノーマライザ1010の出力)は、コアレイヤBICMデコーダ520に提供され、コアレイヤBICMデコーダ520は、コアレイヤデータを復元する。
【0171】
この時、コアレイヤBICMデコーダ520は、コアレイヤシンボルデマッパと、コアレイヤビットデインターリーバと、コアレイヤエラー訂正復号化器とを含む。コアレイヤシンボルデマッパは、シンボルに関連するLLR(Log-Likelihood Ratio)値を計算し、コアレイヤビットデインターリーバは、計算されたLLR値をバーストエラーに強く混合し、コアレイヤエラー訂正復号化器は、チャネルで発生したエラーを訂正する。
【0172】
特に、コアレイヤエラー訂正復号化器は、情報(information)ビットのみを出力してもよく、情報ビットとパリティビットとが結合された全体ビットを出力してもよい。この時、コアレイヤエラー訂正復号化器は、情報ビットのみをコアレイヤデータとして出力し、情報ビットにパリティビットが結合された全体ビットをエンハンストレイヤシンボル抽出器530に出力することができる。
【0173】
エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、コアレイヤBICMデコーダ520のコアレイヤエラー訂正復号化器から全体ビットを受信し、タイムデインターリーバ510の出力信号からエンハンストレイヤシンボルを抽出する。
【0174】
この時、エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、バッファと、減算器(subtracter)と、コアレイヤシンボルマッパと、コアレイヤビットインターリーバとを含む。バッファは、タイムデインターリーバ510またはデノーマライザ1010の出力信号を格納する。コアレイヤビットインターリーバは、コアレイヤBICMデコーダの全体ビット(情報ビット+パリティビット)を受信して、送信機と同一のコアレイヤビットインターリービングを行う。コアレイヤシンボルマッパは、インターリービングされた信号から送信機と同一のコアレイヤシンボルを生成する。減算器は、バッファに格納された信号からコアレイヤシンボルマッパの出力信号を減算することにより、エンハンストレイヤシンボルを取得し、これをデインジェクションレベルコントローラ1020に伝達する。
【0175】
この時、エンハンストレイヤシンボル抽出器530に含まれるコアレイヤビットインターリーバおよびコアレイヤシンボルマッパは、
図9に示されたコアレイヤのビットインターリーバおよびシンボルマッパと同一のものであるとよい。
【0176】
デインジェクションレベルコントローラ1020は、エンハンストレイヤシンボルを受信して、送信機のインジェクションレベルコントローラによって低下させたパワーだけパワーを増加させる。すなわち、デインジェクションレベルコントローラ1020は、入力信号を増幅してエンハンストレイヤBICMデコーダ540に提供する。
【0177】
エンハンストレイヤBICMデコーダ540は、デインジェクションレベルコントローラ1020によってパワーが上昇したエンハンストレイヤシンボルを受信して、エンハンストレイヤデータを復元する。
【0178】
この時、エンハンストレイヤBICMデコーダ540は、エンハンストレイヤシンボルデマッパと、エンハンストレイヤビットデインターリーバと、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器とを含むことができる。エンハンストレイヤシンボルデマッパは、エンハンストレイヤシンボルに関連するLLR(Log-Likelihood Ratio)値を計算し、エンハンストレイヤビットデインターリーバは、計算されたLLR値をバーストエラーに強く混合し、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器は、チャネルで発生したエラーを訂正する。
【0179】
特に、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器は、情報(information)ビットのみを出力してもよく、情報ビットとパリティビットとが結合された全体ビットを出力してもよい。この時、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器は、情報ビットのみをエンハンストレイヤデータとして出力し、情報ビットにパリティビットが結合された全体ビットを拡張レイヤシンボル抽出器650に出力することができる。
【0180】
拡張レイヤシンボル抽出器650は、エンハンストレイヤBICMデコーダ540のエンハンストレイヤエラー訂正復号化器から全体ビットを受信し、デインジェクションレベルコントローラ1020の出力信号から拡張(extension)レイヤシンボルを抽出する。
【0181】
この時、デインジェクションレベルコントローラ1020は、エンハンストレイヤシンボル抽出器530の減算器の出力信号のパワーを増幅させることができる。
【0182】
この時、拡張レイヤシンボル抽出器650は、バッファと、減算器(subtracter)と、エンハンストレイヤシンボルマッパと、エンハンストレイヤビットインターリーバとを含む。バッファは、デインジェクションレベルコントローラ1020の出力信号を格納する。エンハンストレイヤビットインターリーバは、エンハンストレイヤBICMデコーダの全体ビット(情報ビット+パリティビット)を受信して、送信機と同一のエンハンストレイヤビットインターリービングを行う。エンハンストレイヤシンボルマッパは、インターリービングされた信号から送信機と同一のエンハンストレイヤシンボルを生成する。減算器は、バッファに格納された信号からエンハンストレイヤシンボルマッパの出力信号を減算することにより、拡張レイヤシンボルを取得し、これをデインジェクションレベルコントローラ1150に伝達する。
【0183】
この時、拡張レイヤシンボル抽出器650に含まれるエンハンストレイヤビットインターリーバおよびエンハンストレイヤシンボルマッパは、
図9に示されたエンハンストレイヤのビットインターリーバおよびシンボルマッパと同一のものであるとよい。
【0184】
デインジェクションレベルコントローラ1150は、送信機で当該レイヤのインジェクションレベルコントローラによって減少した分だけパワーを増加させる。
【0185】
拡張レイヤBICMデコーダ660は、デインジェクションレベルコントローラ1150によってパワーが増加した拡張レイヤシンボルを受信して、拡張レイヤデータを復元する。
【0186】
この時、拡張レイヤBICMデコーダ660は、拡張レイヤシンボルデマッパと、拡張レイヤビットデインターリーバと、拡張レイヤエラー訂正復号化器とを含むことができる。拡張レイヤシンボルデマッパは、拡張レイヤシンボルに関連するLLR(Log-Likelihood Ratio)値を計算し、拡張レイヤビットデインターリーバは、計算されたLLR値をバーストエラーに強く混合し、拡張レイヤエラー訂正復号化器は、チャネルで発生したエラーを訂正する。
【0187】
特に、拡張レイヤシンボル抽出器および拡張レイヤBICMデコーダは、拡張レイヤが2つ以上の場合、それぞれ2つ以上備えられる。
【0188】
すなわち、
図6に示された例において、拡張レイヤBICMデコーダ660の拡張レイヤエラー訂正復号化器は、情報(information)ビットのみを出力してもよく、情報ビットとパリティビットとが結合された全体ビットを出力してもよい。この時、拡張レイヤエラー訂正復号化器は、情報ビットのみを拡張レイヤデータとして出力し、情報ビットにパリティビットが結合された全体ビットを次の拡張レイヤシンボル抽出器670に出力することができる。
【0189】
拡張レイヤシンボル抽出器670、拡張レイヤBICMデコーダ680およびデインジェクションレベルコントローラ1170の構造および動作は、上述した拡張レイヤシンボル抽出器650、拡張レイヤBICMデコーダ660およびデインジェクションレベルコントローラ1150の構造および動作から容易に分かる。
【0190】
図11に示されたデインジェクションレベルコントローラ1020,1150,1170は、下へ向かうほどより大きなパワー上昇に相応するものであるとよい。すなわち、デインジェクションレベルコントローラ1020よりデインジェクションレベルコントローラ1150がパワーをより大きく増加させ、デインジェクションレベルコントローラ1150よりデインジェクションレベルコントローラ1170がよりパワーを大きく増加させることができる。
【0191】
図11に示された信号デマルチプレキシング装置は、最も先にコアレイヤデータを復元し、コアレイヤシンボルのキャンセレーションを利用してエンハンストレイヤデータを復元し、エンハンストレイヤシンボルのキャンセレーションを利用して拡張レイヤデータを復元することが分かる。拡張レイヤは2つ以上備えられ、この場合、より高いパワーレベルで結合された拡張レイヤから復元される。
【0192】
図12は、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法を示す動作フローチャートである。
【0193】
図12を参照すれば、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法は、コアレイヤデータにBICMを適用する(S1210)。
【0194】
また、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法は、エンハンストレイヤデータにBICMを適用する(S1220)。
【0195】
ステップS1220で適用されるBICMと、ステップS1210で適用されるBICMとは異なるものであるとよい。この時、ステップS1220で適用されるBICMが、ステップS1210で適用されるBICMより少なめにロバストであり得る。この時、ステップS1220で適用されるBICMのビット率が、ステップS1210で適用されるビット率より大きくなる。
【0196】
この時、エンハンストレイヤ信号は、前記コアレイヤ信号に相応するコアレイヤデータの復元に相応するキャンセレーション(cancellation)に基づいて復元されるエンハンストレイヤデータに相応するものであるとよい。
【0197】
また、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法は、エンハンストレイヤ信号のパワーを低減してパワーリデューストエンハンストレイヤ信号を生成する(S1230)。
【0198】
この時、ステップS1230は、インジェクションレベルを、3.0dBから10.0dBの間で0.5dBの間隔で変化させることができる。
【0199】
また、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法は、コアレイヤ信号およびパワーリデューストエンハンストレイヤ信号を結合して、マルチプレキシングされた信号を生成する(S1240)。
【0200】
すなわち、ステップS1240は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号を、互いに異なるパワーレベルで結合するが、エンハンストレイヤ信号のパワーレベルが、コアレイヤ信号のパワーレベルより低いようにして結合する。
【0201】
この時、ステップS1240は、前記コアレイヤ信号および前記エンハンストレイヤ信号より低いパワーレベルの1つ以上の拡張レイヤ(extension layer)信号を、前記コアレイヤ信号および前記エンハンストレイヤ信号とともに結合することができる。
【0202】
また、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法は、ステップS1250によってマルチプレキシングされた信号のパワーを低下させる(S1250)。
【0203】
この時、ステップS1250は、マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記コアレイヤ信号のパワーだけ低下させることができる。この時、ステップS1250は、前記マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記ステップS1240によって上昇した分だけ低下させることができる。
【0204】
また、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法は、前記コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号にともに適用されるインターリービングを行う(S1260)。
【0205】
図12に示された信号マルチプレキシング方法は、
図2に示されたステップS240,S250に相応するものであるとよい。
【0206】
以上、本発明に係る信号マルチプレキシング装置および方法は、上記のように説明された実施形態の構成と方法が限定されて適用されるのではなく、上記の実施形態は、多様な変形が可能となるように各実施形態の全部または一部が選択的に組み合わされて構成されてもよい。