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特許7221551埋設管情報提供方法及び、埋設管情報提供システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-06
(45)【発行日】2023-02-14
(54)【発明の名称】埋設管情報提供方法及び、埋設管情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20230207BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20230207BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06Q50/08
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021045715
(22)【出願日】2021-03-19
(65)【公開番号】P2022144630
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2021-03-19
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391044410
【氏名又は名称】フジ地中情報株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】田中 寿一
【合議体】
【審判長】高瀬 勤
【審判官】後藤 亮治
【審判官】相崎 裕恒
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-99920(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0108525(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第111861401(CN,A)
【文献】川崎市公共下水道台帳施設平面図インターネット提供サービス はじめて利用する方へ,[online],川崎市,2017年4月21日,インターネット<URL:https://kawasaki.geocloud.jp/webgis/Resource/howToUse/howtouseDrain.html#mainContent>,[検索日2021年10月6日](P.1,2,5~8)
【文献】水道管の埋設状況を調べられるお客さまへ,[online],神奈川県,2020年8月13日,インターネット<URL:https://www.pref.kanagawa.jp/docs/yn3/notice/p312503.html>,[検索日2021年10月6日](P.1,2)
【文献】[情報漏洩対策]ネットワーク分離環境のデータ保護対策,[online],株式会社アシスト,2016年5月30日,インターネット<URL:https://www.ashisuto.co.jp/product/theme/security/nw.html>,[検索日2021年10月6日](P.1,2)
【文献】曽根直人,林秀彦,菊地章,電子フォームを用いた申請書処理の効率化,[online],鳴門教育大学情報教育ジャーナル,2008年,インターネット<URL:https://www.naruto-u.ac.jp/journal/info-edu/j05005.pdf>,[検索日2022年2月24日](3.2章)
【文献】Googleマップの「ロケーション履歴」とは?便利な使い方や設定方法など紹介,[online],TIME&SPACE by KDDI,2020年9月8日,インターネット<URL:https://time-space.kddi.com/mobile/20200908/2969>,[検索日:2022年2月24日](P.2)
【文献】大垣市上水道配管図提供サービス,[online],2017年5月1日,インターネット<URL:https://www.city.ogaki.lg.jp/0000033208.html>,[検索日2022年7月21日](P.1~4)
【文献】緯度・経度から住所を取得する,[online],2019年5月20日,インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20190520195309/https://www.nanchatte.com/map/getAddressByLatLng.html>,[検索日2022年7月21日](P.1,2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給排水受付業務を支援する為の埋設管情報提供方法であって、
管路図を表示処理しない申請受付装置が、依頼者端末装置からの要求に基づいて、管路図が描画されていない地図表示部を備えた申請画面を表示処理し、表示処理結果を前記依頼者端末装置に返送するステップと、
前記依頼者端末装置が、前記申請画面を介して入力された、依頼者の連絡先を有する調査依頼情報及び、前記地図表示部上で地点を指定することにより入力された給排水受付の対象場所の位置情報を含んだ申請データを前記申請受付装置に対して送信するステップと、
前記申請受付装置が、申請データを受け付けると、前記申請データに基づいて、前記申請データに含まれる情報を、施設台帳管理装置において読取可能にインポートする為のファイル形式である申請データファイルを生成するステップと、
前記申請受付装置が、生成した前記申請データファイルを、外部ネットワークに接続され、事務所担当者が利用する外部接続端末装置に送信するステップと、
前記外部ネットワークに非接続であり、前記事務所担当者が利用する前記施設台帳管理装置が、前記外部接続端末装置が受信した前記申請データファイルをインポートするステップと、
前記施設台帳管理装置が、インポートした前記申請データファイルに含まれた前記位置情報に基づいて、前記対象場所周辺の地図及び管路図を重ねて表示した管路図面を表示処理するステップと、
前記施設台帳管理装置が、表示処理された前記管路図面に基づいて、前記対象場所周辺の地図及び管路図を重ねて表示した画像を有する管路図面ファイルを生成するステップと、
前記外部接続端末装置が、前記連絡先に対して、前記管路図面ファイルを送信するステップと、を有する、
埋設管情報提供方法。
【請求項2】
前記申請データは、更に、前記申請画面を介してアップロードされた添付ファイルを含み、
前記申請受付装置は、前記外部接続端末装置に送信するステップにおいて、前記申請データファイルと共に、添付ファイルを前記外部接続端末装置に送信する、
請求項1に記載の埋設管情報提供方法。
【請求項3】
前記調査依頼情報は、図面提供、既設管確認、埋設状況確認、を少なくとも有する択一選択可能な調査理由を含む、
請求項1又は請求項2に記載の埋設管情報提供方法。
【請求項4】
前記調査依頼情報は、指定工事店番及び依頼者個人名を含むと共に、依頼日時及び、打ち合わせ希望日時の少なくとも一方を含み、
前記施設台帳管理装置が、前記申請データファイルのインポートを受け付けると、前記調査依頼情報及び、前記位置情報を対応付けた申請履歴情報を生成し、データベースに格納するステップと、
前記施設台帳管理装置が、前記申請履歴情報の位置情報に基づいて、地図上に前記申請履歴情報を表示処理するステップを有し、
前記施設台帳管理装置が、前記申請履歴情報に基づいて、地図上に、選択操作可能なオブジェクトを表示処理し、当該オブジェクトが選択操作されると、前記指定工事店番号及び依頼者個人名を含む前記申請履歴情報に含まれる情報を参照可能に表示処理する、
請求項1~3の何れかに記載の埋設管情報提供方法。
【請求項5】
給排水受付業務を支援する為の埋設管情報提供システムであって、
前記埋設管情報提供システムは、依頼者が利用する依頼者端末装置、申請受付装置並びに、事務所担当者が利用する外部接続端末装置及び施設台帳管理装置を備え、
前記依頼者端末装置及び前記申請受付装置並びに、前記申請受付装置及び外部接続端末装置は、外部ネットワークを介して通信可能に構成されると共に、前記施設台帳管理装置は、外部ネットワークに接続不可に構成され、
管路図を表示処理しない前記申請受付装置が、前記依頼者端末装置からの要求に基づいて、管路図が描画されていない地図表示部を備えた申請画面を表示処理し、表示処理結果を前記依頼者端末装置に返送し、
前記依頼者端末装置は、前記申請画面を介して入力された、依頼者の連絡先を有する調査依頼情報及び、前記地図表示部上で地点を指定することにより入力された給排水受付の対象場所の位置情報を含んだ申請データを前記申請受付装置に対して送信し、
前記申請受付装置は、申請データを受け付けると、前記申請データに基づいて、前記申請データに含まれる情報を、施設台帳管理装置において読取可能にインポートする為のファイル形式である申請データファイルを生成し、
生成した前記申請データファイルを前記外部接続端末装置に送信し、
前記施設台帳管理装置は、前記外部接続端末が受信した前記申請データファイルをインポートされると、インポートした前記申請データファイルに含まれた前記位置情報に基づいて、前記対象場所周辺の地図及び管路図を重ねて表示した管路図面を表示処理し、
表示処理された前記管路図面に基づいて、前記対象場所周辺の地図及び管路図を重ねて表示した画像を有する管路図面ファイルを生成し、
前記外部接続端末装置が、前記連絡先に対して、前記管路図面ファイルを送信する、
埋設管情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、埋設管情報提供方法及び、埋設管情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
上水道・下水道・ガス等について、新規に埋設工事を実施する場合、水道事業体(上水道事業体、下水道事業体)やガス会社等に訪問して、現在の埋設状況や、どの設備に新設管を接続すればよいか等を確認すること(いわゆる埋設管調査)が行われている。埋設管の情報は、セキュリティ上の理由からインターネット上には開放されていない。そのため、指定工事店や不動産業者等の依頼者は、水道事業体の事務所(役所、役場等)やガス会社等に赴き、担当者から埋設管の情報を取得していた。
【0003】
特許文献1には、ガスの埋設管の工事見積に際して、見積導出システムと、配設回答システムとが別々の個所で管理されているケースにおいて、指定された住所における配設状況及び見積をユーザに提供する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-111735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特に、上水道・下水道に関しては、水道事業体の事務所において、埋設管の情報提供依頼受付(給排水受付業務)の為に、多くの人的リソースが割かれてしまっている。更には、依頼者が事務所の受付窓口に来訪することで、混雑が生じていた。また、事務所内において、埋設管の台帳として機能するGIS(地理情報システム:Geographic Information System)が、インターネットと遮断されて配置されているケースがある。
【0006】
特許文献1の技術は、小売事業者が埋設管の情報管理を行う会社から情報を取得し、見積業務を効率化することに向けられており、このような事務所における給排水受付業務の負担軽減、混雑緩和を達成することはできない。
【0007】
上記事情を鑑みて、本発明は、埋設管調査の依頼及び管路図の提供を効率化する新規な技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記発明を解決するために、本発明は、給排水受付業務を支援する為の埋設管情報提供方法であって、
依頼者端末装置が、申請画面を介して入力された、依頼者の連絡先を有する調査依頼情報及び、給排水受付の対象場所の位置情報を含んだ申請データを申請受付装置に対して送信するステップと、
前記申請受付装置が、受け付けた前記申請データを、外部ネットワークに接続され、事務所担当者が利用する外部接続端末装置に送信するステップと、
前記外部ネットワークに非接続であり、前記事務所担当者が利用する施設台帳管理装置が、前記申請データをインポートするステップと、
前記施設台帳管理装置が、インポートした前記申請データに含まれた前記位置情報に基づいて、前記対象場所周辺の地図及び管路図を重ねて表示した管路図面を表示処理するステップと、
前記施設台帳管理装置が、前記管路図面に基づいて、管路図面ファイルを生成するステップと、
前記外部接続端末装置が、前記連絡先に対して、前記管路図面ファイルを送信するステップと、を有する。
【0009】
また、本発明は、給排水受付業務を支援する為の埋設管情報提供システムであって、
前記埋設管情報提供システムは、依頼者が利用する依頼者端末装置、申請受付装置並びに、事務所担当者が利用する外部接続端末装置及び施設台帳管理装置を備え、
前記依頼者端末装置及び前記申請受付装置並びに、前記申請受付装置及び外部接続端末装置は、外部ネットワークを介して通信可能に構成されると共に、前記施設台帳管理装置は、外部ネットワークに接続不可に構成され、
前記依頼者端末装置は、申請画面を介して入力された、依頼者の連絡先を有する調査依頼情報及び、給排水受付の対象場所の位置情報を含んだ申請データを前記申請受付装置に対して送信し、
前記申請受付装置は、受け付けた前記申請データを前記外部接続端末装置に送信し、
前記施設台帳管理装置が、前記申請データをインポートし、
インポートした前記申請データに含まれた前記位置情報に基づいて、前記対象場所周辺の地図及び管路図を重ねて表示した管路図面を表示処理し、
前記管路図面に基づいて、管路図面ファイルを生成し、
前記外部接続端末装置が、前記連絡先に対して、前記管路図面ファイルを送信する。
【0010】
このような構成とすることで、特に、埋設管調査の依頼、事務所における受付及び管路図の提供を効率的に行うことができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記申請データは、更に、前記申請画面を介してアップロードされた添付ファイルを含み、
前記申請受付装置は、前記外部接続端末装置に送信するステップにおいて、前記申請データと共に、添付ファイルを前記外部接続端末装置に送信する。
【0012】
このような構成とすることで、調査対象に関する情報等を合わせて送信でき、埋設管調査の依頼及び管路図の提供を更に効率的に行うことができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、依頼者端末装置が、申請画面を介して、申請データの入力を行うステップを有し、
前記申請画面は、地図表示部を備え、
前記申請データに含まれた位置情報の入力は、前記地図表示部に対する座標の指定により行われる。
【0014】
このような構成とすることで、依頼者による住所の打ち間違い等を防止しながら、調査対象の指定を簡単化し、埋設管調査の依頼を更に効率的に行うことができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記調査依頼情報は、図面提供、既設管確認、埋設状況確認、を少なくとも有する択一選択可能な調査理由を含む。
【0016】
このような構成とすることで、管路図の利用目的を把握し、管路図の提供を更に効率的に行うことができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記調査依頼情報は、指定工事店の指定番号、依頼者個人名を含むと共に、依頼日時及び、打ち合わせ希望日時の少なくとも一方を含み、
前記施設台帳管理装置が、前記申請データのインポートを受け付けると、前記調査依頼情報の少なくとも一部及び、前記位置情報を対応付けた申請履歴情報を生成し、データベースに格納するステップを有する。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記施設台帳管理装置は、前記申請履歴情報の位置情報に基づいて、地図上に前記申請履歴情報を表示処理するステップを有する。
【0019】
このような構成とすることで、管路図の提供履歴を格納し、管路図の提供やその記録管理を効率的に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、埋設管調査の依頼及び管路図の提供を効率化する新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図。
図2】一実施の形態のサーバ及び端末装置のハードウェア構成図。
図3】一実施の形態の申請受付装置の機能ブロック図。
図4】一実施の形態の施設台帳管理装置の機能ブロック図。
図5】一実施の形態の給排水受付業務のフローチャート。
図6】一実施の形態の申請画面の画面表示例。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0023】
例えば、本実施形態では埋設管情報提供システムの構成、動作等について説明するが、埋設管情報提供システムが実行する埋設管情報提供方法によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態におけるプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記憶媒体として提供されてもよい。
【0024】
本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。本実施形態において「情報」とは、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)及びメモリ(Memory)等を適宜組み合わせることによって実現される回路である。即ち、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等を含むものである。
【0025】
<システム構成>
【0026】
本実施形態では、埋設管情報提供システム1を用いて、指定工事店や不動産業者等の依頼者が、水道事業体の事務所(役所、役場等)に対して、給排水受付を行う場合について説明する。
【0027】
図1は、一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、埋設管情報提供システム1は、依頼者端末装置2、申請受付装置3、外部接続端末装置4及び、施設台帳管理装置5を備える。
【0028】
依頼者端末装置2、申請受付装置3及び、外部接続端末装置4は、インターネットであるネットワークNWを介して通信可能に構成される。ここで、依頼者端末装置2は、依頼者が操作するスマートフォン、パーソナルコンピュータ等である。申請受付装置3は、ウェブサーバとして動作し、依頼者端末装置2において後述の申請画面を閲覧可能とする。
【0029】
外部接続端末装置4及び施設台帳管理装置5は、事務所に設置された装置であり、事務所担当者によって操作される。外部接続端末装置4は、事務所担当者が操作するパーソナルコンピュータ等であり、施設台帳管理装置5は、上下水道設備の台帳管理を行う為のGISとして機能する。施設台帳管理装置5は、例えば、事務所担当者が操作するパーソナルコンピュータそのものや、事務所内のLAN(Local Area Network)を介してパーソナルコンピュータからアクセス可能なサーバコンピュータとして具体化される。これらのコンピュータは、GISプログラムをインストールされ、施設台帳DBを格納したものである。施設台帳管理装置5は、事務所から見た外部ネットワーク(つまり、ネットワークNW)には収容されていない(非接続、接続不可に構成、あるいは配置されている)。
【0030】
外部接続端末装置4及び施設台帳管理装置5間でのデータの移動は、USBフラッシュドライブやCD等の記憶媒体RDを介して行われてよく、あるいは、事務所内のLANを経由して伝送されてもよい。本実施形態では、事務所内のLANにも施設台帳管理装置5は接続されていないものとし、施設台帳管理装置5へのデータの入出力は、USBフラッシュドライブを用いて行われるものとする。
【0031】
<ハードウェア構成>
図2は、ハードウェア構成の一例を示す図である。図2(a)は、サーバ10(申請受付装置3)のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ10は、ハードウェア構成として、制御部101と、記憶部102と、通信部103と、を備える。
【0032】
制御部101は、CPU等の1又は2以上のプロセッサを含み、OSやブラウザソフト、その他のアプリケーションを実行することで、サーバ10の動作処理全体を制御する。
【0033】
記憶部102は、SSD、HDD、ROM、RAM等である。申請受付装置3としてのサーバ10は記憶部102にウェブサーバプログラムや申請画面のページソース等を格納しており、制御部101が、記憶部102に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0034】
通信部103は、ネットワークNWとの通信制御を実行して、サーバ10を動作させるために必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0035】
図2(b)は、端末装置90(依頼者端末装置2、外部接続端末装置4及び、施設台帳管理装置5)のハードウェア構成の一例を示す図である。端末装置90は、ハードウェア構成として、制御部901と、記憶部902と、通信部903と、入力部904と、出力部905と、を備える。また、外部接続端末装置4及び、施設台帳管理装置5は、記憶媒体RDを接続し、情報の読み書きを行う為のポートを更に有する。
【0036】
端末装置90の制御部901は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、端末装置90の動作処理全体を制御する。端末装置90の記憶部902は、SSD、HDD、ROM、RAM等であって、施設台帳管理装置5としての端末装置90は、GISプログラム、制御部901がプログラムに基づき処理を実行する際に利用する台帳データ等を記憶する。端末装置90の通信部903は、ネットワークNWとの通信を制御する。端末装置90の入力部904は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、依頼者/事務所担当者による操作要求を制御部901に入力する。端末装置90の出力部905は、ディスプレイ等であって、制御部901の処理の結果等を表示する。
【0037】
<機能構成要素>
図3は、申請受付装置3の機能ブロック図である。申請受付装置3は、機能構成要素として、表示処理部31、ファイル生成部33及び、送信部35を備える。これは、ソフトウェア(記憶部902に記憶されている)による情報処理が、ハードウェア(制御部901等)によって具体的に実現されたものである。
【0038】
表示処理部31は、依頼者端末装置2からの要求に基づいて、申請画面を表示処理し、表示処理結果を依頼者端末装置2に送信する。
【0039】
ファイル生成部33は、申請画面を介して依頼者端末装置2より受け付けた申請データに基づいて、施設台帳管理装置5にインポート可能なファイルを生成する。本実施形態では、申請データに含まれた各種情報を、CSV形式で格納したCSVファイルを、生成する。ファイル形式はこれに限らず、既知のファイル形式あるいは、独自のファイル形式を採用してよい。
【0040】
送信部35は、受け付けた申請データ(本実施形態では、CSVファイル)を、外部接続端末装置4に送信する。例えば、申請データを添付した電子メールを所定の宛先に送信し、外部接続端末装置4上で動作するメールクライアントあるいは、外部接続端末装置4のウェブブラウザから操作するウェブアプリケーションを介して、事務所担当者は、送信された申請データを取得する。
【0041】
申請データの送信方法はこれに限らず、例えば、外部接続端末装置4において申請管理のプログラムを実行し、この申請管理プログラムを介して、申請データを取得してもよい。あるいは、申請管理のプログラムを申請受付装置3において実行し、外部接続端末装置4がネットワークNW経由で申請受付装置3にアクセスして、申請データを取得するようにしてもよい。
【0042】
図4は、施設台帳管理装置5の機能ブロック図である。施設台帳管理装置5は、機能構成要素として、取込部51、管路図表示部53、印刷処理部55及び、申請情報処理部57を備える。これは、ソフトウェア(記憶部902に記憶されている)による情報処理が、ハードウェア(制御部901等)によって具体的に実現されたものである。
【0043】
取込部51は、申請データを、GISにインポートする。
【0044】
管路図表示部53は、地理情報を表示処理する。本実施形態では、地理情報として、地図及び管路図を重ねて表示した管路図面を表示処理する。なお、地理情報を表示処理した地図画面に対して、申請データ(CSVファイル)をドラッグアンドドロップすることで、取込部51は、申請データのインポートを実行する。なお、例えば、施設台帳管理装置5(GIS)において、記憶部902や接続された記憶媒体RDからファイル選択を行い、申請データ(CSVファイル)のインポートを行ってもよい。インポートの方法は、任意の方法を採用してかまわない。
【0045】
印刷処理部55は、表示処理された地理情報を、印刷処理する。印刷処理は、例えば、施設台帳管理装置5の出力部に表示されていた地理情報を、画像ファイル、PDF(Portable Document Format)ファイル化する処理を意味する。本実施形態では、管路図面に基づいて、PDF形式の管路図面ファイルを生成する。
【0046】
申請情報処理部57は、インポートされた申請データに基づいて、申請履歴情報を、GISに格納する。
【0047】
<埋設管情報提供システムを用いた給排水受付業務の手順>
図5図6を用いて、埋設管情報提供システムを用いた給排水受付業務の手順について説明する。図5は、本実施形態における給排水受付業務のフローチャートである。
【0048】
<申請データの送信>
まず、ステップS501において、依頼者端末装置2のウェブブラウザアプリケーションから、申請受付装置3に対して、申請画面の表示処理要求が行われる。これを受け、ステップS502において、申請受付装置3の表示処理部31は、申請画面を表示処理して、表示処理結果を依頼者端末装置2に送信する。
【0049】
図6は、申請画面の画面表示例である。申請画面W6は、調査依頼情報入力部W61、地図表示部W62、位置情報入力支援部W64、添付ファイル選択部W65、クリアボタンW66及び、確定ボタンW67を備える。
【0050】
調査依頼情報入力部W61は、依頼者が調査依頼情報を入力する領域である。図示例では、調査依頼情報は、指定工事店番号、法人名、調査依頼者、調査依頼者カナ、依頼日時、調査依頼者電話番号、調査理由、依頼者メールアドレス(依頼者の連絡先)、打ち合わせ希望日時、備考を有する。調査理由は、択一選択可能なチェックボックスにより指定される。選択項目は、図面印刷のみ(図面提供)、既設管確認、埋設状況確認、使用用途などの確認が選択可能に構成される。
【0051】
地図表示部W62は、位置情報を入力する為の地図を表示した領域であり、この地図上の任意地点に、入力部を介したGUI操作によって、ポインタW63を配置することができる。このポインタW63が設置された位置の緯度経度が、排水受付の対象場所の位置情報として入力される。位置情報入力支援部W64は、住所を入力したり、端末装置90が備えるGNSSモジュール等を介して取得した現在位置を入力することで、地図表示部W62上にその場所の地図を表示させる。更に、住所や現在位置の入力に基づいて特定される地点に、ポインタW63を設置する構成としてもよいが、その場合、ポインタW63の設置位置を調整できる手段が設けられていることが好ましい。
【0052】
図示例では、地図表示部W62上に3つのボタンW62A~Cが配置されている。ボタンW62Aは、ポインタW63を地図上の地点に設置した状態と、非設置の状態を切り替えるインターフェースである。地図表示部W62が操作されると、操作に応じて画面上に表示された地図が移動するが、非設置の状態では、例えば、ポインタW63は地図表示部W62中央に位置し、地図の移動の影響を受けない。設置状態の場合は、設置した地点にポインタW63が固定され、地図を移動させると、ポインタW63も地図の移動に追随して移動する。ボタンW62Bが操作されると、地図表示部W62に表示されていた地図が拡大され、ボタンW62Cが操作されると、地図表示部W62に表示されていた地図が縮小する。
【0053】
添付ファイル選択部W65が操作されると、申請データに含める添付ファイルをアップロードすることができる。例えば、排水受付の対象場所の写真等が添付される。調査対象の地点のクリアボタンW66が操作されると、調査依頼情報入力部W61に入力されていた情報がリセット(削除)される。この時、ポインタW63の配置についてもリセットするようにしてもよい。確定ボタンW67が押下されると、依頼者端末装置2のウェブブラウザは、申請データを申請受付装置3に対して送信する。
【0054】
ステップS503において、依頼者は、申請画面を介して、調査依頼情報及び、位置情報を入力する。そして、ステップS504において、依頼者端末装置2は、調査依頼情報及び、位置情報を含む申請データを、申請受付装置3に送信する。この時、添付ファイルが添付されていれば、申請データは更に添付ファイルを含む。
【0055】
<申請データの事務所への送信>
申請受付装置3のファイル生成部33は、受け付けた申請データに基づいて、調査依頼情報の少なくとも一部及び、位置情報を含むCSVファイルを生成する。そして、ステップS505において、申請受付装置3の送信部35は、受け付けた申請データ(CSVファイル)を、外部接続端末装置4に送信する。
【0056】
電子メールで申請データを送信する場合、送信部35は、送信元のアドレスに、調査依頼情報に含まれた依頼者メールアドレスを設定して、送信してよい。また、送信部35は、調査依頼情報に含まれた情報に基づいて、送信する電子メールのメールタイトル及び/又は本文を生成してよい。送信部35は、生成されたCSVファイルとしての申請データを、当メールに添付して送信する。送信部35は、申請データが添付ファイルを含む場合には、更にその添付ファイルも申請データと共に、当メールに添付して送信する。
【0057】
<事務所内作業>
ステップS506において、事務所担当者は外部接続端末装置4を操作し、申請受付装置3からのメールを確認すると、申請データ(添付ファイルのCSVファイル)を、記憶媒体RDに書き込み、申請データを取り出す。そして、施設台帳管理装置5に記憶媒体RDを接続して、申請データを読み出す。そして、ステップS507において、施設台帳管理装置5の入力部を操作して、取込部51は、読み出された申請データをGISにインポートする。
【0058】
なお、外部接続端末装置4及び施設台帳管理装置5がLANにより接続される場合には、施設台帳管理装置5からアクセス可能な保存領域に、申請データを書き込みすることで、申請データを施設台帳管理装置5に受け渡してよい。
【0059】
ステップS508において、施設台帳管理装置5の管路図表示部53は、取込部51がインポートした申請データに含まれる位置情報に基づいて、対象場所周辺の地図及び管路図を重ねて表示した管路図面を表示処理する。
【0060】
そして、ステップS509において、施設台帳管理装置5の印刷処理部55は、表示された管路図面を印刷処理し、管路図面ファイルを生成する。なお、印刷処理は、事務所担当者が入力部を介して、印刷処理部55に対して指示してもよいし、S507~S509の一連の処理が入力部を介した指示を伴うことなく実行されてよい。
【0061】
ステップS510において、事務所担当者は施設台帳管理装置5を操作し、管路図面ファイルを、記憶媒体RDに書き込み、管路図面データを取り出す。ステップS511において、外部接続端末装置4に記憶媒体RDを接続して、管路図面データを読み出す。
【0062】
そして、ステップS512において、管路図面ファイルを、依頼者端末装置2に送信する。管路図面ファイルは、例えば、電子メールに添付され、送信される。
【0063】
<申請履歴情報の管理>
ステップS507において、施設台帳管理装置5(GIS)に申請データがインポートされると、施設台帳管理装置5の申請情報処理部57は、インポートされた申請データに基づいて、調査依頼情報に含まれた少なくとも一部の情報が対応付けられた申請履歴情報を、GISのデータベースに格納する。
【0064】
例えば、申請履歴情報は、申請履歴のID、位置情報及び、インポート日時に加えて、調査依頼情報に含まれた指定番号、依頼者個人名、依頼日時及び、打ち合わせ希望日時を有する。更に、申請履歴情報には、例えば、管路図面ファイルを送信したか否か等を示す調査ステータスや、打ち合わせを実施したか否か等の打ち合わせステータス等が対応付けられてよい。
【0065】
また、施設台帳管理装置5の管路図表示部53は、申請履歴情報の位置情報に基づいて、地図上に申請履歴情報を示すオブジェクトを表示処理してよい。このオブジェクトが指定されると、申請履歴情報に含まれた情報が参照可能に表示される。
【符号の説明】
【0066】
1 :埋設管情報提供システム
2 :依頼者端末装置
3 :申請受付装置
31 :表示処理部
33 :ファイル生成部
35 :送信部
4 :外部接続端末装置
5 :施設台帳管理装置
51 :取込部
53 :管路図表示部
55 :印刷処理部
57 :申請情報処理部
10 :サーバ
101 :制御部
102 :記憶部
103 :通信部
90 :端末装置
901 :制御部
902 :記憶部
903 :通信部
904 :入力部
905 :出力部
NW :ネットワーク
RD :記憶媒体
図1
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図6