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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-06
(45)【発行日】2023-02-14
(54)【発明の名称】載置台
(51)【国際特許分類】
   A47B 9/16 20060101AFI20230207BHJP
   A47C 4/28 20060101ALI20230207BHJP
   A47B 91/00 20060101ALI20230207BHJP
【FI】
A47B9/16 A
A47C4/28 A
A47C4/28 C
A47B91/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022085928
(22)【出願日】2022-05-26
【審査請求日】2022-11-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521092030
【氏名又は名称】NATURAL MOUNTAIN MONKEYS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100133411
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 龍郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067677
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 彰司
(74)【代理人】
【識別番号】100112416
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 定信
(72)【発明者】
【氏名】南 哲
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-128554(JP,U)
【文献】実公昭48-13377(JP,Y1)
【文献】特開2019-187973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 91/00
A47B 9/16
A47B 3/02
A47C 4/28
日本意匠分類 D7-22、D7-259
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行な二本の上部バーを備える開閉フレームであって、前記二本の上部バーの相互間隔と高さとが同時に変更可能な前記開閉フレームと、前記二本の上部バーに被せて張設されるシート部材であって、張力によって前記開閉フレームの開度を固定し、前記二本の上部バー同士の間の上面が載置面となる前記シート部材と、前記シート部材を前記開閉フレームに固定するための二本の固定バーと、を備え、前記シート部材は、前記二本の固定バーを受入可能な少なくとも三つの固定バー受入部を備え、前記各固定バーが前記開閉フレームに対して着脱可能である、載置台。
【請求項2】
前記各固定バーは、前記開閉フレームに掛止可能な掛止部を備える、請求項1に記載の載置台。
【請求項3】
前記シート部材のいずれかの端部に前記固定バー受入部が少なくとも二つ、互いに隣接して形成される、請求項1又は2に記載の載置台。
【請求項4】
前記シート部材のいずれかの端部に前記固定バー受入部が少なくとも二つ、互いに離間させて形成される、請求項1又は2に記載の載置台。
【請求項5】
前記二本の上部バーの少なくともいずれかが前記二本の固定バーの少なくともいずれかを兼ねている、請求項1に記載の載置台。
【請求項6】
平行な二本の上部バーを備える開閉フレームであって、前記二本の上部バーの相互間隔と高さとを同時に変更可能な前記開閉フレームと、前記二本の上部バーに被せて張設されるシート部材であって、張力によって前記開閉フレームの開度を固定し、前記二本の上部バー同士の間の上面が載置面となる前記シート部材と、前記シート部材を前記開閉フレームに固定するための二本の固定バーと、を備え、前記シート部材は、前記二本の固定バーを受入可能な少なくとも三つの固定バー受入部を備え、前記各固定バーが前記開閉フレームに対して着脱可能である載置台において、前記少なくとも三つの固定バー受入部から選択される二つの固定バー受入部に前記二本の固定バーが挿通され、これら二本の固定バーが前記開閉フレームに取り付けられ、前記少なくとも三つの固定バー受入部から選択される二つの固定バー受入部の組み合わせを変更することで前記載置面の高さが変更される、載置台の高さ変更方法。
【請求項7】
前記二本の上部バーの少なくともいずれかが前記二本の固定バーの少なくともいずれかを兼ねている、請求項6に記載の載置台の高さ変更方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品等を載せることができる載置台に関し、特に、高さ調節可能な載置台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、テーブルや椅子や足載せ台等として使用可能な折り畳み式の載置台において、物品等を載せる載置面又は座面の高さを変更可能とすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-243025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の載置台においては、載置面又は座面の高さを変更可能とするための構成が、載置台と組み合わせて使用する天板の存在を前提としている(特許文献1の段落番号[0037]参照)。このため、載置台単独の状態では、載置面又は座面の高さを変更することは不可能である。
【0005】
本発明は、載置台単独の状態でも載置面の高さが変更可能な載置台を提供しようとするものである。本発明はまた、前記載置台の高さ変更方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る載置台は、平行な二本の上部バーを備える開閉フレームであって、前記二本の上部バーの相互間隔と高さとが同時に変更可能な前記開閉フレームと、前記二本の上部バーに被せて張設されるシート部材であって、張力によって前記開閉フレームの開度を固定し、前記二本の上部バー同士の間の上面が載置面となる前記シート部材と、前記シート部材を前記開閉フレームに固定するための二本の固定バーと、を備え、前記シート部材は、前記二本の固定バーを受入可能な少なくとも三つの固定バー受入部を備え、前記各固定バーは、前記開閉フレームに対して着脱可能であることを特徴とする(請求項1)。
【0007】
本発明の物品載置台によれば、少なくとも三つの固定バー受入部から選択される二つの固定バー受入部に二本の固定バーが挿通される。そして、これら二本の固定バーが開閉フレームに取り付けられる。これにより、シート部材の張力で開閉フレームの開度が固定される。このため、緊張状態のシート部材の上面(載置面)に物品を置いたり、人が腰を掛けたり、足を載せたりすることができる。
【0008】
本発明の載置台によれば、シート部材の少なくとも三つの固定バー受入部の内のいずれの二つに二本の固定バーを挿通するかによって、載置面の高さを変化させることができる。すなわち、少なくとも三つの固定バー受入部の内、相互の離間距離が大きい二つの固定バー受入部に二本の固定バーを挿通してこれら二本の固定バーを開閉フレームに取り付けると、載置面が低くなる。逆に、少なくとも三つの固定バー受入部の内、相互の離間距離が小さい二つの固定バー受入部に二本の固定バーを挿通してこれら二本の固定バーを開閉フレームに取り付けると、載置面が高くなる。
【0009】
実施の一形態として、前記各固定バーは、前記開閉フレームに掛止可能な掛止部を備える態様としてもよい(請求項2)。この場合、各固定バーは、掛止部によって開閉フレームに対して着脱される。これにより、開閉フレームへの各固定バーの着脱が容易に行えるので、シート部材の載置面の高さ調節が容易となる。
【0010】
実施の一形態として、前記シート部材のいずれかの端部に前記固定バー受入部が少なくとも二つ、互いに隣接して形成されている態様としてもよい(請求項3)。
【0011】
実施の一形態として、前記シート部材のいずれかの端部に前記固定バー受入部が少なくとも二つ、互いに離間させて形成されている態様としてもよい(請求項4)。
【0012】
実施の一形態として、前記二本の上部バーの少なくともいずれかが前記二本の固定バーの少なくともいずれかを兼ねている態様としてもよい(請求項5)。このようにすれば、載置台の構成部材数が減少するので、載置台の構成がシンプルになり、コスト低減にも貢献できる。
【0013】
本発明の載置台の高さ変更方法は、平行な二本の上部バーを備える開閉フレームであって、前記二本の上部バーの相互間隔と高さとを同時に変更可能な前記開閉フレームと、前記二本の上部バーに被せて張設されるシート部材であって、張力によって前記開閉フレームの開度を固定し、前記二本の上部バー同士の間の上面が載置面となる前記シート部材と、前記シート部材を前記開閉フレームに固定するための二本の固定バーと、を備え、前記シート部材は、前記二本の固定バーを受入可能な少なくとも三つの固定バー受入部を備え、前記各固定バーが前記開閉フレームに対して着脱可能である載置台において、前記少なくとも三つの固定バー受入部から選択される二つの固定バー受入部に前記二本の固定バーが挿通され、これら二本の固定バーが前記開閉フレームに取り付けられ、前記少なくとも三つの固定バー受入部から選択される二つの固定バー受入部の組み合わせを変更することで前記載置面の高さが変更されることを特徴とする(請求項6)。
【0014】
実施の一形態として、前記二本の上部バーの少なくともいずれかが前記二本の固定バーの少なくともいずれかを兼ねている態様としてもよい(請求項7)。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の一形態に係る載置台の斜視図である。
図2図1の載置台の正面図である。
図3図1及び図2の載置台を構成するシート部材の斜視図である。
図4図1及び図2の載置台を構成する固定バーの側面図である。
図5図3のシート部材を図4の固定バーで開閉フレームに固定する過程の説明図である。
図6図3のシート部材を図4の固定バーで開閉フレームに固定した状態の説明図である。
図7】シート部材の他の具体例の平面図である。
図8】シート部材の他の具体例の平面図である。
図9】シート部材の他の具体例の平面図である。
図10】シート部材の他の具体例の平面図である。
図11】シート部材の他の具体例の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1及び図2に示すように、本発明の実施の一形態に係る載置台1は、平行な二本の上部バー2,2を備える開閉フレーム3と、二本の上部バー2,2に被せて張設されるシート部材4と、このシート部材4を開閉フレーム3に固定するための二本の固定バー5,5と、を備えている。そして、シート部材4は、二本の固定バー5,5を受入可能な少なくとも三つ(図1,2の例では四つ)の固定バー受入部6,6,6・・・を備え、各固定バー5は開閉フレーム3に対して着脱可能である。
【0018】
図1及び図2の載置台1において、少なくとも三つの固定バー受入部6,6,6・・・から選択される二つの固定バー受入部6,6に二本の固定バー5,5が挿通される。そして、これら二本の固定バー5,5が開閉フレーム3に取り付けられる。これにより、開閉フレーム3にシート部材4が固定され、シート部材4の張力で開閉フレーム3の開度が固定される。このため、緊張状態のシート部材4の上面(載置面)4aに物品を置いたり、人が腰を掛けたり足を置いたりすることができる。
【0019】
図1及び図2の載置台1によれば、シート部材4の少なくとも三つの固定バー受入部6,6,6・・・の内のいずれの二つに二本の固定バー5,5を挿通するかによって、載置面4aの高さを変化させることができる。すなわち、少なくとも三つの固定バー受入部6,6,6・・・の内、相互の離間距離が大きい二つの固定バー受入部6,6に二本の固定バー5,5を挿通してこれら二本の固定バー5,5を開閉フレーム3に取り付けると、載置面4aが低くなる。逆に、少なくとも三つの固定バー受入部6,6,6・・・の内、相互の離間距離が小さい二つの固定バー受入部6,6に二本の固定バー5,5を挿通してこれら二本の固定バー5,5を開閉フレーム3に取り付けると、載置面4aが高くなる。
【0020】
図1及び図2の載置台の各構成要素について詳細に説明する。
【0021】
図2に示すように、開閉フレーム3は、平行な二本の上部バー2,2の相互間隔Wと高さH(載置台1を床に置いたときの床面から上部バー2までの高さ)とが同時に変更可能なフレームである。すなわち、開閉フレーム3は、図1に示すように、交差角度変更可能なX字状の二つの脚部材8,8を備え、これら二つの脚部材8,8が二本の上部バー2,2によって互いに連結されている。開閉フレーム3の強度を向上させるために、図1に仮想線で示すように、二つの脚部材8,8を二本の下部バー9,9で互いに連結してもよい。さらに、同じく図1に仮想線で示すように、各下部バー9と各脚部材8との間に、筋交い状の補強プレート9aを架設してもよい。
【0022】
各脚部材8は、二本の棒材10,10が枢支軸11によって交差角度変更可能に連結されたX字状の部材である。したがって、二本の上部バー2,2の相互間隔を狭めれば二本の上部バー2,2の高さHが高くなり、逆に、二本の上部バー2,2の相互間隔Wを広げれば、二本の上部バー2,2の高さHが低くなる。各脚部材8を構成する各棒材10は、図1のような角材であってもよいし、丸棒材であってもよい。棒材10の材質は、木材、金属、プラスチック等、載置台に必要とされる強度に応じて適宜に選定できる。
【0023】
二本の上部バー2,2は、それぞれ、二つの脚部材8,8の対応する上端部同士を互いに連結する。各上部バー2と各脚部材8との連結は、臍(ほぞ)と臍穴との嵌合やねじ軸とナットとのねじ結合等の着脱可能な連結であってもよいし、接着や溶接等の固着であってもよい。着脱可能な連結は、載置台1を組み立て式とする場合に便利である。各上部バー2の断面形状は、図1のような角材であってもよいし、丸棒材であってもよい。上部バー2の材質は、脚部材と同様に、木材、金属、プラスチック等、載置台に必要とされる強度に応じて適宜に選定できる。
【0024】
なお、図1から明らかなように、開閉フレーム3は、上部バー2を含む下向き開口コ字状の二つの脚部材を二本の枢支軸11,11によって交差角度変更可能に連結したものと見ることもできる。
【0025】
シート部材4は、図3に示すような長方形の帯状の部材であり、図1及び図2に示すように、二本の上部バー2,2上に架設される。シート部材4の短辺の寸法は、二本の上部バー2,2上に架設可能な寸法である。シート部材4において、二本の上部バー2,2同士の間の上面が載置面4a又は座面となる。載置面4a上の載置物は、シート部材4の張力で支持される。したがって、シート部材4には、載置物の重量に耐えられるだけの引っ張り強度が必要である。また、後で述べるように、シート部材4は、上部バー2に掛け回された後に、固定バー5によって開閉フレーム3に固定される。このため、シート部材4には、上部バー2に掛け回し可能な柔軟性も必要とされる。
【0026】
前記のような引っ張り強度と柔軟性とを有するシート部材4の好適な一例として、引っ張り強度の大きいプラスチック繊維で織ったプラスチックシートや、帆布等が挙げられる。本実施の一形態では、一例として、超強力糸66ナイロン(元々防弾ベスト用等に開発され、通常のナイロンと比べて引き裂き強度が約3~4倍もある素材)を2520デニールの高密度で織ってハードナイロン(バリスターナイロン2520d)のシートを作製し、このハードナイロンのシートを2枚重ねて縫製したものをシート部材4としている。
【0027】
図3に示すように、シート部材4は、二本の固定バー2,2を受入可能な少なくとも三つ(図3の例では四つ)の固定バー受入部6,6,6・・・を備える。これらの固定バー受入部6,6,6・・・の内の二つの固定バー受入部6,6に二本の固定バー5,5を挿通し、これら二本の固定バー5,5を開閉フレーム3に取り付けることで、シート部材4が開閉フレーム3に固定される。少なくとも三つの固定バー受入部6,6,6・・・の内のいずれの二つに固定バー5,5を挿通するかによって、シート部材4の載置面4aの高さを少なくとも二段階に調節できる。なお、図3では、図示明瞭化の観点から、各固定バー受入部6が開口状態で図示されているが、固定バー5が挿通されていない状態では、シート部材4の柔軟性により固定バー受入部6は平面状となる。
【0028】
二本の固定バー5,5は、シート部材4を開閉フレーム3に固定するための部材である。図1に示すように、一方の固定バー5aは、開閉フレーム3を構成する内側の棒材10a,10a同士の間の間隔に適合する長さを有し、他方の固定バー5bは、開閉フレーム3を構成する外側の棒材10b,10b同士の間の間隔に適合する長さを有する。
【0029】
図4に示すように、各固定バー5の両端部には、開閉フレーム3への着脱手段として、開閉フレーム3に掛止可能な掛止部7,7が配設される。図1に示すように、一方の固定バー5aの各掛止部7aは、開閉フレーム3を構成する内側の二本の棒材10a,10aに掛止可能であり、他方の固定バー5bの各掛止部7bは、開閉フレーム3を構成する外側の二本の棒材10b,10bに掛止可能である。各固定バー5は、開閉フレーム3への着脱手段として、開閉フレーム3に掛止可能な掛止部7を有するので、開閉フレーム3への各固定バー5の着脱が容易に行える。よって、シート部材4の載置面4aの高さ調節が容易となる。
【0030】
図4に示すように、各固定バー5の各掛止部7は、細長い板材をL字状に折り曲げた掛止片12で形成される。各掛止片12は、互いに直角な位置関係にある基部片13と先部片14とで構成される。基部片13は各固定バー5の各端部にねじ15等の固着具で固定される。そして、基部片13の内の固定バー5の端面16から延び出た部分と、固定バー5の端面16と、先部片14とによりフック状の掛止部7が形成され、この掛止部7が、開閉フレーム3を構成する各脚部材8の各棒材10に掛止される。図1に示すように、シート部材4の固定バー受入部6に固定バー5を挿通した状態において、固定バー5の両端部の掛止部7,7は固定バー受入部6の外側に露出する。
【0031】
図5を参照して、開閉フレーム3へのシート部材4の固定方法を説明する。図5(a)、(b)は、図1のB-B断面部におけるシート部材4と上部バー2と固定バー5との関係を示している。また、図5(c)は、図1のA矢印部を上から見た状態を示している。
【0032】
まず、図5(a)に示すように、シート部材4の端部を上から上部バー2に掛け回し、上部バー2の下側で逆方向へと折り返す。次に、図5(b)に示すように、脚部材8を構成する棒材10の上側で、シート部材4のいずれかの固定バー受入部6に固定バー5を挿通する。そして、図5(c)に示すように、その固定バー5の掛止部7を、脚部材8を構成する棒材10へと上部バー2の下側で上から掛止する(掛止した状態は図1も参照)。そして、シート部材4がピンと張るまで二本の上部バー2,2を互いに離間させて開閉フレーム3を開くと、固定バー5が脚部材8の棒材10に沿って斜め上方へと移動し、上部バー2のストッパ作用によって固定バー5とシート部材4が開閉フレーム3に固定される。
【0033】
図6は、図3のシート部材4を図4の固定バー5で開閉フレーム3に固定した状態の説明図である。図6(a)、(b)は、シート部材4の端部に形成される二つの固定バー受入部6,6の内の内側(図3で見て内側)の固定バー受入部6aに固定バー5を挿通してシート部材4を固定した状態であり、図6(a)は図1のA矢視部、図6(b)は図2のB-B断面部を示す。また、図6(c)、(d)は、シート部材4の端部に形成される二つの固定バー受入部6,6の内の外側(図3で見て内側)の固定バー受入部6bに固定バー5を挿通してシート部材4を固定した状態であり、図6(c)は図2のA矢視部、図6(d)は図2のB-B断面部を示す。
【0034】
図6(a)、(b)に示すように、シート部材4の端部に形成される二つの固定バー受入部6,6の内の内側の固定バー受入部6aに固定バー5を挿通してシート部材4を固定すると、脚部材8の棒材10の傾斜角度が急角度θ1になり(その結果、開閉フレーム3の開度が小さくなり)、シート部材4の載置面4aが高くなる。一方、図6(c)、(d)に示すように、シート部材4の端部に形成される二つの固定バー受入部6,6の内の外側の固定バー受入部6bに固定バー5を挿通してシート部材4を固定すると、脚部材8の棒材10の傾斜角度が緩やかな角度θ2になり(その結果、開閉フレーム3の開度が大きくなり)、シート部材4の載置面4aが低くなる。
【0035】
本実施の一形態の載置台1によれば、シート部材4の少なくとも三つの固定バー受入部6,6,6・・・の内のいずれの二つに二本の固定バー5,5を挿通するかによって、載置面4aの高さを変化させることができる。すなわち、図3に示すように、少なくとも三つの固定バー受入部6,6,6・・・の内、相互の離間距離が小さい二つの固定バー受入部6a,6aに二本の固定バー5,5を挿通して、二本の固定バー5,5の各掛止部7,7を各脚部材8に掛止すると、載置面4aが高くなる(図6(a)、(b)参照)。逆に、少なくとも三つの固定バー受入部6,6,6・・・の内、相互の離間距離が大きい二つの固定バー受入部6b,6bに二本の固定バー5,5を挿通して、二本の固定バー5,5の各掛止部7,7を各脚部材8に掛止すると、載置面4aが低くなる(図6(c)、(d)参照)。
【0036】
シート部材4における固定バー受入部6の配設態様は種々考えられる。図3の例では、シート部材4の一端部に二つの固定バー受入部6a,6bが互いに隣接して形成され、同様にシート部材4の他端部にも、二つの固定バー受入部6a,6bが互いに隣接して形成され、合計で四つの固定バー受入部が形成されている。
【0037】
この場合、シート部材4の一端部の二つの固定バー受入部6a,6bのいずれか一方に固定バー5を挿通し、シート部材4の他端部の二つの固定バー受入部6a,6bのいずれか一方に固定バー5を挿通する。これにより、四つの固定バー受入部の内、相互の離間距離が最小D1となる二つの固定バー受入部6a,6a(図3の内側の二つの固定バー受入部6a,6a)に二本の固定バー5,5を挿通して各掛止部7を開閉フレーム3に掛止すれば、シート部材4の載置面4aが最高高さ位置となる。
【0038】
また、四つの固定バー受入部の内、相互の離間距離が最大D3となる二つの固定バー受入部6b.6b(図3の外側の二つの固定バー受入部6b,6b)に二本の固定バー5,5を挿通して各掛止部7を開閉フレーム8に掛止すれば、シート部材4の載置面4aが最低高さ位置となる。そして、四つの固定バー受入部の内、相互の離間距離が最小D1と最大D3の間の中間D2となる二つの固定バー受入部6a,6b(図3の内側の固定バー受入部6aと外側の固定バー受入部6b)に二本の固定バー5,5を挿通して各掛止部7を開閉フレーム8に掛止すれば、シート部材4の載置面4aが最低高さ位置と最高高さ位置の間の中間高さ位置となる。
【0039】
シート部材4に四つの固定バー受入部を形成する場合には、図3の変形例である図7に示すように、シート部材4の一端部に一つの固定バー受入部6cを形成し、シート部材4の他端部に三つの固定バー受入部6d,6e,6fを互いに隣接させて形成してもよい。この場合、シート部材4の一端部の一つの固定バー受入部6cには必ず一方の固定バー5が挿通され、シート部材4の他端部の三つの固定バー受入部6d,6e,6fからいずれか一つの固定バー受入部を選択して他方の固定バー5を挿通する。これにより、図7において、相互の離間距離が最小D1となる二つの固定バー受入部6c,6dに二本の固定バー5,5を挿通して各掛止部7を開閉フレーム3に掛止すれば、シート部材4の載置面4aが最高高さ位置となる。また、相互の離間距離が最大D3となる二つの固定バー受入部6c,6fに二本の固定バー5,5を挿通して各掛止部7を開閉フレーム3に掛止すれば、シート部材4の載置面4aが最低高さ位置となる。さらに、相互の離間距離が中間D2となる二つの固定バー受入部6c,6eに二本の固定バー5,5を挿通して各掛止部7を開閉フレーム3に掛止すれば、シート部材4の載置面4aが中間高さ位置となる。
【0040】
また、図3の変形例である図8に示すように、シート部材4の一端部に二つの固定バー受入部6a,6bを互いに隣接させて形成し、シート部材4の他端部に二つの固定バー受入部6g,6hを互いに離間させて形成してもよい。この場合、シート部材4の一端部の二つの固定バー受入部6a,6bのいずれか一方に一方の固定バー5を挿通し、シート部材4の他端部の二つの固定バー受入部6g,6hのいずれか一方に他方の固定バー5を挿通する。これにより、図8において、相互の離間距離が最小D1となる二つの固定バー受入部6a,6gに二本の固定バー5,5を挿通して各掛止部7を開閉フレーム3に掛止すれば、シート部材4の載置面4aが最高高さ位置となる。また、相互の離間距離が最大D4となる二つの固定バー受入部6b,6hに二本の固定バー5,5を挿通して各掛止部7を開閉フレーム3に掛止すれば、シート部材4の載置面4aが最低高さ位置となる。さらに、相互の離間距離が第一中間距離D2となる二つの固定バー受入部6b,6gに二本の固定バー5,5を挿通して各掛止部7を開閉フレーム3に掛止すれば、シート部材4の載置面4aが第一中間高さ位置(<最高高さ位置)となる。さらにまた、相互の離間距離が第二中間距離D3(D3>D2)となる二つの固定バー受入部6a,6hに二本の固定バー5,5を挿通して各掛止部7を開閉フレーム3に掛止すれば、シート部材4の載置面4aが第二中間高さ位置(<第一中間高さ位置)となる。すなわち、図8の例では、シート部材4に四つの固定バー受入部6a,6b,6g,6hを配設することで、シート部材4の載置面4aの高さを四段階に調節することができる。
【0041】
また、図7の変形例である図9に示すように、シート部材4の一端部に一つの固定バー受入部6cを形成し、シート部材4の他端部に二つの固定バー受入部6a,6bを互いに隣接させて形成してもよい。この場合、シート部材4の一端部の一つの固定バー受入部6cには必ず一方の固定バー5が挿通され、シート部材4の他端部の二つの固定バー受入部6a,6bのいずれかに他方の固定バー5が挿通される。相互の離間距離が最小D1となる二つの固定バー受入部6a,6cに二本の固定バー5,5が挿通されると、シート部材4の載置面4aが最高高さ位置となり、相互の離間距離が最大D2となる二つの固定バー受入部6c,6hに二本の固定バー5,5が挿通されると、シート部材4の載置面4aが最低高さ位置となる。図9の例では、シート部材4に三つの固定バー受入部6a,6b,6cを形成することで、シート部材4の載置面4aの高さが二段階に調節可能となる。
【0042】
図9の変形例である図10に示すように、シート部材4の一端部に一つの固定バー受入部6cを形成し、シート部材4の他端部に二つの固定バー受入部6g,6hを互いに離間させて形成してもよい。この場合、シート部材4の一端部の一つの固定バー受入部6cには必ず一方の固定バー5が挿通され、シート部材4の他端部の二つの固定バー受入部6g,6hのいずれかに他方の固定バー5が挿通される。相互の離間距離が最小D1となる二つの固定バー受入部6c,6gに二本の固定バー5,5が挿通されると、シート部材4の載置面4aが最高高さ位置となり、相互の離間距離が最大D2となる二つの固定バー受入部6c,6hに二本の固定バー5,5が挿通されると、シート部材4の載置面4aが最低高さ位置となる。図10の例でも、シート部材4に三つの固定バー受入部6c,6g,6hを形成することで、シート部材4の載置面4aの高さが二段階に調節可能となる。図10の例の図9の例との違いは、シート部材4の他端部に二つの固定バー受入部6g,6hを互いに離間させて形成したことで、シート部材4の載置面4aの最高高さ位置と最低高さ位置との差が大きくなることである。
【0043】
図11の例は、図10の変形例であり、図10のシート部材4の他端部に互いに離間させて設けた二つの固定バー受入部6g,6hの離間距離を図10の例より大きくしたものである(但し、D1<D2)。この場合、三つの固定バー受入部6c,6g,6hから選択される二つの固定バー受入部に二本の固定バー5,5が挿通される。相互の離間距離が最小D1となる二つの固定バー受入部6g,6hに二本の固定バー5,5が挿通されると、シート部材4の載置面4aが最高高さ位置となり、相互の離間距離が最大D3となる二つの固定バー受入部6c,6hに二本の固定バー5,5が挿通されると、シート部材4の載置面4aが最低高さ位置となり、相互の離間距離が中間D2となる二つの固定バー受入部6c,6gに二本の固定バー5,5が挿通されると、シート部材4の載置面4aが中間高さ位置となる。図11の例では、シート部材4に三つの固定バー受入部6c,6g,6hを形成することで、シート部材4の載置面4aの高さが三段階に調節可能となる。
【0044】
シート部材4における固定バー受入部6の配設数を図示例のものより増やせば、シート部材4の載置面4aがより多段階に高さ調節可能となることは勿論である。
【0045】
他の実施の一形態として、二本の上部バーの少なくともいずれかが二本の固定バーの少なくともいずれかを兼ねている態様としてもよい。図1の例をベースとして具体的に説明すると、図1のA矢印部の固定バー5aを省略し、この固定バー5aが担っていた機能をその上方の上部バー2aに果たさせる。この場合、A矢印部の上部バー2aが開閉フレーム3に対して着脱可能とされ、上部バー2aが、シート部材4を開閉フレーム3に固定するための固定バーとして機能する。すなわち、上部バー2aは、シート部材4のいずれかの固定バー受入部6に挿通された状態で、開閉フレーム3に対して取り付けられる。これにより、上部バー2aにより、シート部材4の一端側が開閉フレーム3に対して固定される。このようにすれば、載置台1の構成部材数が減少するので、載置台1の構成がシンプルになり、コスト低減にも貢献できる。
【0046】
なお、図1の例において、シート部材4の他端側の固定バー5bも前記と同様に省略し、この固定バー5bが担っていた機能をその上方の上部バー2bに果たさせてもよいことは勿論である。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0048】
2 上部バー
3 開閉フレーム
4 シート部材
5 固定バー
6 固定バー受入部
7 掛止部
【要約】
【課題】載置台単独の状態でも載置面の高さが変更可能な載置台を提供する。
【解決手段】平行な二本の上部バー2,2を備える開閉フレーム3であって、前記二本の上部バー2,2の相互間隔と高さとが同時に変更可能な前記開閉フレーム3と、前記二本の上部バー2,2に被せて張設されるシート部材4であって、張力によって前記開閉フレーム3の開度を固定し、前記二本の上部バー2,2同士の間の上面が載置面4aとなる前記シート部材4と、前記シート部材4を前記開閉フレーム3に固定するための二本の固定バー5,5と、を備え、前記シート部材4は、前記二本の固定バー5,5を受入可能な少なくとも三つの固定バー受入部6,6,6・・・を備え、前記各固定バー6が前記開閉フレーム3に対して着脱可能である。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11