(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-06
(45)【発行日】2023-02-14
(54)【発明の名称】物件情報処理装置及び物件情報処理方法、物件情報処理プログラム並びに物件情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20230207BHJP
G06Q 30/0241 20230101ALI20230207BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06Q30/0241 446
(21)【出願番号】P 2018152699
(22)【出願日】2018-08-14
【審査請求日】2021-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】399127832
【氏名又は名称】株式会社LIFULL
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【氏名又は名称】奥 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100173510
【氏名又は名称】美川 公司
(72)【発明者】
【氏名】合田 理
(72)【発明者】
【氏名】桑原 敬文
(72)【発明者】
【氏名】上津原 一利
(72)【発明者】
【氏名】村井 雅子
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-171198(JP,A)
【文献】特開2011-170620(JP,A)
【文献】特開2017-091003(JP,A)
【文献】特開2018-088174(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0276362(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-2157833(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産物件の内容を示す
第1物件情報であって当該不動産物件の管理者の作成に基づく
第1物件情報を、当該不動産物件を仲介する仲介者を介して取得する第1取得手段と、
複数の不動産物件の内容を示す物件情報を蓄積するデータベースと、前記取得された
第1物件情報の内容の少なくとも一部と、に基づいて、前記取得された
第1物件情報により内容が示される前記不動産物件を特定する物件特定手段と、
前記特定された不動産物件の内容を示す
第2物件情報を前記データベースから取得する第2取得手段と、
予め設定された複数の項目の内容を前記第1取得手段により取得された
第1物件情報から特定し、且つ、前記第1取得手段により取得された
第1物件情報から特定できない項目の内容を前記第2取得手段により取得された
第2物件情報を用いて補完する補完手段と、
前記補完された第1物件情報を、前記物件特定手段により特定された前記不動産物件の内容を示す物件情報として、前記項目毎に前記管理者の端末に表示させる管理者端末表示制御手段と、
前記補完された第1物件情報が表示された前記管理者の端末から承認指示を受け付けた場合に、当該承認指示の対象となった前記補完された第1物件情報を用いて前記データベースを更新する更新手段と、
を備え
、
前記管理者は、前記第1物件情報及び前記第2物件情報に対応する前記不動産物件の所有者、又は当該所有者から委託された当該不動産物件の管理者であることを特徴とする物件情報処理装置。
【請求項2】
前記第1取得手段は、前記管理者の作成に基づく
前記第1物件情報を掲載する画像データから前記仲介者が抽出した当該
第1物件情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の物件情報処理装置。
【請求項3】
前記第1取得手段は、前記画像データから予め設定された複数の項目ごとに前記仲介者が抽出した前記
第1物件情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の物件情報処理装置。
【請求項4】
前記第2取得手段は、前記不動産物件の住所、名称、広さ及び築年数の各項目に基づいて、前記物件特定手段により特定された不動産物件の内容を示す
前記第2物件情報を前記データベースから取得することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の物件情報処理装置。
【請求項5】
前記補完された
第1物件情報
を前記物件特定手段により特定された前記不動産物件の内容を示す物件情報として用いた当該不動産物件の契約が成約したことを示す成約情報を取得する第3取得手段を更に備え、
前記更新手段は、前記成約情報が取得されたとき、当該成約情報に対応する前記契約に用いられた前記物件情報を用いて前記データベースを更新することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の物件情報処理装置。
【請求項6】
前記管理者の端末から
の前記承認指示の対象となった前記
補完された第1物件情報を前記契約の際に当該契約の対象者に提示する提示手
段を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の物件情報処理装置。
【請求項7】
前記物件特定手段により特定された一の前記不動産物件の内容を示す前記物件情報が複数ある場合に、前記管理者端末表示制御手段は、当該複数の物件情報のうち予め設定された基準に対応した物件情報を、前記一の前記不動産物件の内容を示す物件情報として前記管理者の端末に表示させることを特徴とする請求項
1に記載の物件情報処理装置。
【請求項8】
更新された前記データベースの内容に基づいて、前記管理者が作成した前記第1物件情報を更新する物件情報更新手段を更に備え、
前記管理者端末表示制御手段は、前記物件情報更新手段により更新された内容を含む物件情報を、前記物件特定手段により特定された前記不動産物件の内容を示す物件情報として前記管理者の端末に表示させることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の物件情報処理装置。
【請求項9】
前記不動産物件としての住所及び名称以外の項目で、前記第1取得手段により取得された第1物件情報と、前記第2取得手段により取得された第2物件情報と、の間で内容が異なる項目がある場合、当該内容が異なる項目を示すアラート情報を前記仲介者の端末に表示させる仲介者端末表示制御手段を更に備えることを特徴とする請求項
1から請求項8のいずれか一項に記載の物件情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
不動産物件の内容を示す第1物件情報であって当該不動産物件の管理者の作成に基づく第1物件情報を、当該不動産物件を仲介する仲介者を介して取得する第1ステップと、
複数の不動産物件の内容を示す物件情報を蓄積するデータベースと、前記取得された第1物件情報の内容の少なくとも一部と、に基づいて、前記取得された第1物件情報により内容が示される前記不動産物件を特定する第2ステップと、
前記特定された不動産物件の内容を示す第2物件情報を前記データベースから取得する第3ステップと、
予め設定された複数の項目の内容を前記第1ステップにより取得された第1物件情報から特定し、且つ、前記第1ステップにより取得された第1物件情報から特定できない項目の内容を前記第3ステップにより取得された第2物件情報を用いて補完する第4ステップと、
前記補完された第1物件情報を、前記第2ステップにより特定された前記不動産物件の内容を示す物件情報として、前記項目毎に前記管理者の端末に表示させる第5ステップと、
前記補完された第1物件情報が表示された前記管理者の端末から承認指示を受け付けた場合に、当該承認指示の対象となった前記補完された第1物件情報を用いて前記データベースを更新する第6ステップと、
を実行させる物件情報処理プログラムであって、
前記管理者は、前記第1物件情報及び前記第2物件情報に対応する前記不動産物件の所有者、又は当該所有者から委託された当該不動産物件の管理者であることを特徴とす
る物件情報処理
プログラム。
【請求項11】
コンピュータにより実行される物件情報処理方法であって、
不動産物件の内容を示す
第1物件情報であって当該不動産物件の管理者の作成に基づく
第1物件情報を、当該不動産物件を仲介する仲介者を介して取得する第1ステップと、
複数の不動産物件の内容を示す物件情報を蓄積するデータベースと、前記取得された
第1物件情報の内容の少なくとも一部と、に基づいて、前記取得された
第1物件情報により内容が示される前記不動産物件を特定する第2ステップと、
前記特定された不動産物件の内容を示す
第2物件情報を前記データベースから取得する第3ステップと、
予め設定された複数の項目の内容を前記第1
ステップにより取得された
第1物件情報から特定し、且つ、前記第1ステップにより取得された
第1物件情報から特定できない項目の内容を前記第3ステップにより取得された
第2物件情報を用いて補完する第4ステップと、
前記補完された第1物件情報を、前記第2ステップにより特定された前記不動産物件の内容を示す物件情報として、前記項目毎に前記管理者の端末に表示させる第5ステップと、
前記補完された第1物件情報が表示された前記管理者の端末から承認指示を受け付けた場合に、当該承認指示の対象となった前記補完された第1物件情報を用いて前記データベースを更新する第
6ステップと、
を
含み、
前記管理者は、前記第1物件情報及び前記第2物件情報に対応する前記不動産物件の所有者、又は当該所有者から委託された当該不動産物件の管理者であることを特徴とする物件情報処理
方法。
【請求項12】
不動産物件の内容を示す
第1物件情報であって当該不動産物件の管理者の作成に基づく
第1物件情報を、当該不動産物件を仲介する仲介者を介して取得する第1
取得手段と、
複数の不動産物件の内容を示す物件情報を蓄積するデータベースと、前記取得された
第1物件情報の内容の少なくとも一部と、に基づいて、前記取得された
第1物件情報により内容が示される前記不動産物件を特定する
物件特定手段と、
前記特定された不動産物件の内容を示す
第2物件情報を前記データベースから取得する
第2取得手段と、
予め設定された複数の項目の内容を前記第1取得手段により取得された
第1物件情報から特定し、且つ、前記第1取得手段により取得された
第1物件情報から特定できない項目の内容を前記第2取得手段により取得された
第2物件情報を用いて補完する
補完手段と、
前記補完された第1物件情報を、前記物件特定手段により特定された前記不動産物件の内容を示す物件情報として、前記項目毎に前記管理者の端末に表示させる管理者端末表示制御手段と、
前記補完された第1物件情報が表示された前記管理者の端末から承認指示を受け付けた場合に、当該承認指示の対象となった前記補完された第1物件情報を用いて前記データベースを更新する
更新手段と、
を
備え、
前記管理者は、前記第1物件情報及び前記第2物件情報に対応する前記不動産物件の所有者、又は当該所有者から委託された当該不動産物件の管理者であることを特徴とする物件情報処理
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の不動産物件の内容を示す物件情報を蓄積するデータベースを更新するための処理を行う物件情報処理装置等の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
一般に土地や建物の不動産物件に関連しては、その不動産物件自体を所有/管理する「管理会社」と、その不動産物件を一般の者(より具体的には、例えば不動産物件を借りたり購入したりする者であり、この者を、以下「一般消費者」と称する)に紹介したり斡旋したりする「仲介業者(仲介不動産業者)」と、が存在する。上記仲介業者は、管理会社から不動産物件の内容を示す物件情報を取得し、これに基づいて、一般消費者に当該不動産物件を紹介等する。この仲介業者は、街で多く見かける不動産業者である。
【0003】
以上のような管理会社、仲介業者及び一般消費者の間で授受される物件情報は、その内容として、例えば、物件種別、物件名、所在地、交通、築年数、階数、専有面積、外観画像、間取り情報、及び取引情報等が含まれる。このような物件情報には、対応する不動産物件の契約等に直接用いられることから、その正確性が求められる。
【0004】
一方、このような仲介業者による紹介等の対象となる不動産物件の物件情報を集約してデータベース化し、それを、例えば不動産物件紹介サイトのホームページを介して広く提供することが行われている。このような取り組みに関連する先行技術文献としては、下記特許文献1が挙げられる。この特許文献1に開示されている技術では、取引対象となる不動産物件に関する物件情報を記憶し、その不動産物件に関する権利を有する権利者からその権利を有する旨の通知を受け付けた場合は、記憶している物件情報のうち権利者が権利を有する物件に関する物件情報と、権利者と、を紐付ける構成とされている。即ち、権利者が自ら登録した物件情報ではなく、予め登録された物件情報に対して、その物件情報に関する不動産物件の権利者である旨の登録を権利者から受け付ける構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来技術では、物件情報の登録時における誤りや不正登録の防止の対策はされているが、物件情報が集約されているデータベースの更新については、何ら言及されていない。そして、当該データベースの不正確な更新は、最終的には一般消費者の不利益に繋がってしまう。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、複数の不動産物件の内容を示す物件情報を蓄積するデータベースを正確に更新することが可能な物件情報処理装置及び物件情報処理方法、物件情報処理プログラム並びに物件情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、不動産物件の内容を示す第1物件情報であって当該不動産物件の管理者の作成に基づく第1物件情報を、当該不動産物件を仲介する仲介者を介して取得する第1取得手段と、複数の不動産物件の内容を示す物件情報を蓄積するデータベースと、前記取得された第1物件情報の内容の少なくとも一部と、に基づいて、前記取得された第1物件情報により内容が示される前記不動産物件を特定する物件特定手段と、前記特定された不動産物件の内容を示す第2物件情報を前記データベースから取得する第2取得手段と、予め設定された複数の項目の内容を前記第1取得手段により取得された第1物件情報から特定し、且つ、前記第1取得手段により取得された第1物件情報から特定できない項目の内容を前記第2取得手段により取得された第2物件情報を用いて補完する補完手段と、前記補完された第1物件情報を、前記物件特定手段により特定された前記不動産物件の内容を示す物件情報として、前記項目毎に前記管理者の端末に表示させる管理者端末表示制御手段と、前記補完された第1物件情報が表示された前記管理者の端末から承認指示を受け付けた場合に、当該承認指示の対象となった前記補完された第1物件情報を用いて前記データベースを更新する更新手段と、を備え、前記管理者は、前記第1物件情報及び前記第2物件情報に対応する前記不動産物件の所有者、又は当該所有者から委託された当該不動産物件の管理者であるように構成される。
【0009】
この発明によれば、管理者の作成に基づく物件情報を補完した物件情報を用いて、複数の不動産物件の内容を示す物件情報を蓄積するデータベースを正確に更新することができる。また、不動産物件の所有者、又は当該所有者から委託された当該不動産物件の管理者の承認を得て、より正確にデータベースを更新することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の物件情報処理装置において、前記第1取得手段は、前記管理者の作成に基づく前記第1物件情報を掲載する画像データから前記仲介者が抽出した当該第1物件情報を取得するように構成される。
【0011】
この発明によれば、仲介者における第1物件情報の入力の手間を省きつつ、正確にデータベースを更新することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の物件情報処理装置において、前記第1取得手段は、前記画像データから予め設定された複数の項目ごとに前記仲介者が抽出した前記第1物件情報を取得するように構成される。
【0013】
この発明によれば、仲介者における第1物件情報の入力の手間を省きつつ、複数の項目に亘って正確にデータベースを更新することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の物件情報処理装置において、前記第2取得手段は、前記不動産物件の住所、名称、広さ及び築年数の各項目に基づいて、前記物件特定手段により特定された不動産物件の内容を示す前記第2物件情報を前記データベースから取得するように構成される。
【0015】
この発明によれば、必要な第2物件情報をデータベースから的確に取得することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の物件情報処理装置において、前記補完された第1物件情報を前記物件特定手段により特定された前記不動産物件の内容を示す物件情報として用いた当該不動産物件の契約が成約したことを示す成約情報を取得する第3取得手段を更に備え、前記更新手段は、前記成約情報が取得されたとき、当該成約情報に対応する前記契約に用いられた前記物件情報を用いて前記データベースを更新するように構成される。
【0017】
この発明によれば、不動産物件の契約に実際に用いられた物件情報を用いてより正確にデータベースを更新することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の物件情報処理装置において、前記管理者の端末からの前記承認指示の対象となった前記補完された第1物件情報を前記契約の際に当該契約の対象者に提示する提示手段を更に備える。
【0019】
この発明によれば、管理者の承認を得た正確な補完後の第1物件情報で対応する不動産物件を契約させることができる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の物件情報処理装置において、前記物件特定手段により特定された一の前記不動産物件の内容を示す前記物件情報が複数ある場合に、前記管理者端末表示制御手段は、当該複数の物件情報のうち予め設定された基準に対応した物件情報を、前記一の前記不動産物件の内容を示す物件情報として前記管理者の端末に表示させるように構成される。
【0023】
この発明によれば、より正確な物件情報を管理者に提示してその承認を得ることができる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の物件情報処理装置において、更新された前記データベースの内容に基づいて、前記管理者が作成した前記第1物件情報を更新する物件情報更新手段を更に備え、前記管理者端末表示制御手段は、前記物件情報更新手段により更新された内容を含む物件情報を、前記物件特定手段により特定された前記不動産物件の内容を示す物件情報として前記管理者の端末に表示させるように構成される。
【0025】
この発明によれば、更新されたデータベースの内容に基づいて更新された内容の物件情報について管理者の承認を得ることができ、より正確にデータベースを更新することができる。
【0026】
請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の物件情報処理装置において、前記不動産物件としての住所及び名称以外の項目で、前記第1取得手段により取得された第1物件情報と、前記第2取得手段により取得された第2物件情報と、の間で内容が異なる項目がある場合、当該内容が異なる項目を示すアラート情報を前記仲介者の端末に表示させる仲介者端末表示制御手段を更に備える。
【0027】
この発明によれば、例えばリフォームがされている等、物件情報の変更を仲介者に確認させることができる。
【0028】
請求項10に記載の発明は、コンピュータに、不動産物件の内容を示す第1物件情報であって当該不動産物件の管理者の作成に基づく第1物件情報を、当該不動産物件を仲介する仲介者を介して取得する第1ステップと、複数の不動産物件の内容を示す物件情報を蓄積するデータベースと、前記取得された第1物件情報の内容の少なくとも一部と、に基づいて、前記取得された第1物件情報により内容が示される前記不動産物件を特定する第2ステップと、前記特定された不動産物件の内容を示す第2物件情報を前記データベースから取得する第3ステップと、予め設定された複数の項目の内容を前記第1ステップにより取得された第1物件情報から特定し、且つ、前記第1ステップにより取得された第1物件情報から特定できない項目の内容を前記第3ステップにより取得された第2物件情報を用いて補完する第4ステップと、前記補完された第1物件情報を、前記第2ステップにより特定された前記不動産物件の内容を示す物件情報として、前記項目毎に前記管理者の端末に表示させる第5ステップと、前記補完された第1物件情報が表示された前記管理者の端末から承認指示を受け付けた場合に、当該承認指示の対象となった前記補完された第1物件情報を用いて前記データベースを更新する第6ステップと、を実行させる物件情報処理プログラムであって、前記管理者は、前記第1物件情報及び前記第2物件情報に対応する前記不動産物件の所有者、又は当該所有者から委託された当該不動産物件の管理者であるように構成される。
【0029】
請求項11に記載の発明は、コンピュータにより実行される物件情報処理方法であって、不動産物件の内容を示す第1物件情報であって当該不動産物件の管理者の作成に基づく第1物件情報を、当該不動産物件を仲介する仲介者を介して取得する第1ステップと、複数の不動産物件の内容を示す物件情報を蓄積するデータベースと、前記取得された第1物件情報の内容の少なくとも一部と、に基づいて、前記取得された第1物件情報により内容が示される前記不動産物件を特定する第2ステップと、前記特定された不動産物件の内容を示す第2物件情報を前記データベースから取得する第3ステップと、予め設定された複数の項目の内容を前記第1ステップにより取得された第1物件情報から特定し、且つ、前記第1ステップにより取得された第1物件情報から特定できない項目の内容を前記第3ステップにより取得された第2物件情報を用いて補完する第4ステップと、前記補完された第1物件情報を、前記第2ステップにより特定された前記不動産物件の内容を示す物件情報として、前記項目毎に前記管理者の端末に表示させる第5ステップと、前記補完された第1物件情報が表示された前記管理者の端末から承認指示を受け付けた場合に、当該承認指示の対象となった前記補完された第1物件情報を用いて前記データベースを更新する第6ステップと、を含み、前記管理者は、前記第1物件情報及び前記第2物件情報に対応する前記不動産物件の所有者、又は当該所有者から委託された当該不動産物件の管理者であるように構成される。
【0030】
請求項12に記載の発明は、不動産物件の内容を示す第1物件情報であって当該不動産物件の管理者の作成に基づく第1物件情報を、当該不動産物件を仲介する仲介者を介して取得する第1取得手段と、複数の不動産物件の内容を示す物件情報を蓄積するデータベースと、前記取得された第1物件情報の内容の少なくとも一部と、に基づいて、前記取得された第1物件情報により内容が示される前記不動産物件を特定する物件特定手段と、前記特定された不動産物件の内容を示す第2物件情報を前記データベースから取得する第2取得手段と、予め設定された複数の項目の内容を前記第1取得手段により取得された第1物件情報から特定し、且つ、前記第1取得手段により取得された第1物件情報から特定できない項目の内容を前記第2取得手段により取得された第2物件情報を用いて補完する補完手段と、前記補完された第1物件情報を、前記物件特定手段により特定された前記不動産物件の内容を示す物件情報として、前記項目毎に前記管理者の端末に表示させる管理者端末表示制御手段と、前記補完された第1物件情報が表示された前記管理者の端末から承認指示を受け付けた場合に、当該承認指示の対象となった前記補完された第1物件情報を用いて前記データベースを更新する更新手段と、を備え、前記管理者は、前記第1物件情報及び前記第2物件情報に対応する前記不動産物件の所有者、又は当該所有者から委託された当該不動産物件の管理者であるように構成される。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、複数の不動産物件の内容を示す物件情報を蓄積するデータベースを正確に更新することができる。また、不動産物件の所有者、又は当該所有者から委託された当該不動産物件の管理者の承認を得て、より正確にデータベースを更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本実施形態の物件情報提供システムの概要構成の一例を示す図である。
【
図2】(A)は、本実施形態の物件情報データベースに登録されている情報の一例を示す図であり、(B)は、本実施形態の仲介業者情報データベースに登録されている情報の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態のシステム制御部の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図4】本実施形態の物件情報が掲載された物件情報掲載ページの一例を示す図である。
【
図5】本実施形態の物件情報登録要求ページの一例を示す図(I)である。
【
図6】本実施形態の物件情報登録要求ページの一例を示す図(II)である。
【
図7】本実施形態の物件情報登録要求ページの一例を示す図(III)である。
【
図8】本実施形態の物件情報提供システムの動作例を示すシーケンス図(I)である。
【
図9】本実施形態の物件情報提供システムの動作例を示すシーケンス図(II)である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、物件情報提供システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0034】
[1.物件情報提供システムの構成及び機能]
先ず、
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る物件情報提供システムの構成及び機能について説明する。なお、
図1は、本実施形態の物件情報提供システムの概要構成の一例を示す図である。
【0035】
図1に示すように、本実施形態の物件情報提供システムSは、仲介業者端末1、一般消費者端末2、管理会社端末4及び物件情報提供サーバ3(本発明における「物件情報処理装置の一例)等を備えて構成されている。仲介業者端末1、一般消費者端末2、及び管理会社端末4は、それぞれ、ネットワークNWを介して物件情報提供サーバ3と通信可能になっている。ネットワークNWは、例えば、電話用回線交換ネットワーク、及びインターネットに接続するためのデータ通信用パケット交換ネットワークを含む。なお、
図1の例では、一つの仲介業者端末1と、一つの一般消費者端末2と、一つの管理会社端末4を示しているが、実際には、複数の仲介業者端末1、複数の一般消費者端末2、及び複数の管理会社端末4が存在する。
【0036】
仲介業者端末1は、不動産物件(例えば、建物及び土地などの不動産物件)に関する物件情報を、例えば当該不動産物件を購入したり借りたりする一般消費者に提供する仲介業者(本発明における「仲介者」の一例)により使用されるクライアントである。一般消費者端末2は、仲介業者により提供された物件情報を閲覧する一般消費者(顧客)により使用されるクライアントである。管理会社端末4は、上記不動産物件の管理者(本発明における「管理者」の一例)により使用されるクライアントである。このとき、上記不動産物件の管理者とは、その不動産物件の所有者、又は当該所有者から委託されたその不動産物件の管理者である。そして、上記仲介業者端末1、上記一般消費者端末2、及び上記管理会社端末4は、それぞれ、ブラウザ機能を有する。仲介業者端末1、及び一般消費者端末2は、それぞれ、ブラウザによる要求(リクエスト)に応じて物件情報サイトから提供されたページ(例えば、ウェブページやランディングページ)をディスプレイ上に表れた画面(例えば、ブラウザのウインドウ)に表示する。このようなページは、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)文書やXHTML文書等の構造化文書及び画像データ等により構成される。仲介業者端末1に提供されるページの例として、物件情報の登録を要求するためのページ(以下、「物件情報登録要求ページ」という)などが挙げられる。一方、仲介業者端末1及び一般消費者端末2に提供されるページの例として、物件情報を掲載するためのページ(以下、「物件情報掲載ページ」という)などが挙げられる。管理会社端末4は、物件情報提供サーバ3から提供される後述の確認ページを、ディスプレイ上に表れた画面(例えばブラウザのウインドウ)に表示する。なお、仲介業者端末1、及び一般消費者端末2の例としては、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、スマートフォン、タブレット、及び携帯ゲーム機等が挙げられる。また、管理会社端末4の例としては、パーソナルコンピュータ及びタブレット等が挙げられる。
【0037】
物件情報提供サーバ3は、物件情報サイトを構成するサーバである。物件情報提供サーバ3は、通信部31、記憶部32、及びシステム制御部33等を備え、これらの構成部分はバス34を介して電気的に接続されている。なお、物件情報提供サーバ3は、1台のサーバコンピュータにより構成されてもよいし、複数台のサーバコンピュータにより構成されてもよい。
【0038】
通信部31は、システム制御部33の制御の下、ネットワークNWを介して仲介業者端末1、一般消費者端末2又は管理会社端末4との間で通信を行う。記憶部32は、例えば、ハードディスクライブ等から構成され、OS、及びアプリケーション等を格納する。また、記憶部32には、物件情報データベース(DB)321、及び仲介業者情報データベース(DB)322等が構築されている。
図2(A)は、物件情報データベース321に登録されている情報の一例を示す図であり、
図2(B)は、仲介業者情報データベース322に登録されている情報の一例を示す図である。なお、物件情報データベース321、及び仲介業者情報データベース322は、それぞれ、物件情報提供サーバ3とは異なる他のサーバに備えられてもよい。
【0039】
物件情報データベース321は、不動産物件に関する物件情報と、当該物件情報を提供した仲介業者の仲介業者IDと、当該不動産物件の物件IDとを対応付けて登録(記憶)する。物件情報データベース321によって、多くの物件情報を仲介業者毎に区別して管理することができる。ここで、仲介業者IDは、仲介業者毎に一意に付与された識別情報である。物件IDは、仲介業者毎、且つ不動産物件毎に一意に付与された識別情報である。つまり、同一の不動産物件は、複数の異なる仲介業者により取り扱われることもあり、同一の不動産物件であっても、取扱い仲介業者が異なれば物件IDは異なる。物件情報には、例えば、物件種別、物件名、所在地、交通、築年数、階数、専有面積、外観画像、間取り情報、及び取引情報等が含まれる(
図4参照)。物件種別は、個人住宅(戸建て)、集合住宅(マンション、又はアパート)、土地の別である。物件種別が集合住宅である場合の間取り情報には、各戸(各部屋)毎の所在階、部屋番号、間取り、及び部屋や設備等の画像等が含まれる。取引情報には、例えば、取引種別、及び取引条件が含まれる。取引種別は、賃貸物件、新築物件、中古物件の別である。賃貸物件の取引条件は、賃料、敷金、礼金、及び契約期間等である。新築物件、及び中古物件の取引条件は、売買価格、管理費、及び修繕積立金等である。仲介業者による物件情報の指定は原則として必須である。
【0040】
仲介業者情報データベース322は、物件情報サイトの利用会員になった仲介業者の仲介業者情報を登録(記憶)する。仲介業者情報データベース322により、多くの仲介業者情報を管理することができる。ここで、仲介業者情報には、例えば、仲介業者ID、仲介業者名(例えば、会社名)、所在地(例えば、住所や経度経度)、電話番号、及びメールアドレス等が含まれる。なお、仲介業者情報には、仲介業者IDと共に、物件情報サイトへのログインのために用いられるパスワードも含まれる。
【0041】
システム制御部33は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),及びRAM(Random Access Memory)等から構成され、CPU(コンピュータ)がオペレーティングシステム上で動作するアプリケーションに従って各種処理を実行する。
図3は、システム制御部33の機能ブロックの一例を示す図である。
図3に示すように、システム制御部33は、ページ提供部331、物件情報取得部332、物件情報更新処理部333、及び表示制御部334等として機能する。ここで、ページ提供部331は、本発明における「提示手段」の一例である。物件情報取得部332は、本発明における「第1取得手段」の一例及び「第2取得手段」の一例である。物件情報更新処理部333は、本発明における物件特定手段の一例、「補完手段」の一例、「第3取得手段」の一例、及び「物件情報更新手段」の一例である。表示制御部336は、本発明における「管理者端末表示制御手段」の一例及び「仲介者端末表示制御手段」の一例である。
【0042】
ページ提供部331は、物件情報サイトにアクセスした仲介業者端末1からの要求に応じて、物件情報登録要求ページを、ネットワークNWを介して仲介業者端末1へ提供(送信)する。物件情報取得部332は、仲介業者端末1に提供された物件情報登録要求ページ上で仲介業者端末1のオペレータにより指定された物件情報を、ネットワークNWを介して取得する。そして、物件情報更新処理部333は、物件情報取得部332により取得された物件情報を用いて、最新の当該物件情報を物件情報データベース321に登録する。なお、本実施形態の物件情報の登録方法及びその更新方法については、後ほど詳述する。こうして登録された物件情報の一部は、物件情報サイトにアクセスした一般消費者端末2からの要求に応じて、ページ提供部331により、物件情報掲載ページとして一般消費者端末2へ提供されることになる。
【0043】
図4は、物件情報が掲載された物件情報掲載ページの一例を示す図である。
図4は、一般消費者により指定された検索条件により検索された賃貸物件の一覧が表示された例を示している。
図4に示すように、本実施形態の物件情報掲載ページには、検索条件指定領域R1、物件一覧表示領域R2、及び広告表示領域R3等が設けられている。検索条件指定領域R1は、不動産物件の検索条件を指定するための領域である。物件一覧表示領域R2は、指定された検索条件により検索された不動産物件の一覧を表示する領域である。物件一覧表示領域R2には、検索された不動産物件毎に区切られた物件表示領域R2a、物件表示領域R2b、物件表示領域R2c、…、が、所定の表示順序で設けられている。一般消費者端末2が物件情報掲載ページを受信した時点では、
図4に示すように、表示順序が上位に設定された物件表示領域R2a、物件表示領域R2b、及び物件表示領域R2cが画面に表示される。そして、一般消費者のスクロール操作により物件情報掲載ページがスクロールすることで、表示順序が物件表示領域R2cより下位に設定された物件表示領域R2d以降が画面に表示されることになる。それぞれの物件表示領域には、物件情報中の物件情報の一部(例えば、物件名、物件種別、賃料、所在地、交通、専有面積、間取りなど)、及び詳細ページへのリンク文字やボタンなどが表示される(問合せボタンが表示される場合もある)。例えば、物件表示領域R2aに表示された物件名101及び“詳細を見る”102は、詳細ページへのリンク文字であり、このリンクがクリック又はタップされると、ページ提供部331により詳細ページが提供されることになる。詳細ページには、図示しないが、物件情報中の物件情報のほぼ全部、仲介業者情報、及び問合せボタンが表示される(資料請求ボタンが表示される場合もある)。更に、詳細ページには、図示しないが、その不動産物件についての広告としてのパノラマ画像やスタッフコメントなどが表示される。広告表示領域R3は、選択に応じて不動産物件の広告(例えば、詳細ページへのリンクが設定されたバナー広告)を表示するための領域である。このような広告表示領域R3は、物件情報掲載ページ以外にも、特定のサイト(物件情報サイトには限定されない)から提供されるページ(例えば、ブログページなど)にも設けられる場合もある。
【0044】
図5乃至
図7は、物件情報サイトにアクセスした仲介業者端末1からの要求に応じて、ページ提供部331により仲介業者端末1に送信される物件情報登録要求ページの一例を示す図である。
図5乃至
図7には、仲介業者のオペレータにより物件情報の指定を行う際に、仲介業者端末1に送信されて表示される物件情報登録要求ページが例示されている。
図5乃至
図7に示すように、本実施形態の物件情報登録要求ページには、物件名入力領域R10、必須項目入力領域R11、任意項目入力領域R12、及び図面表示領域R13等が設けられている。物件名入力領域R10は、物件情報の物件情報データベース321への登録が所望される不動産物件の名称を、仲介業者端末1を操作する仲介業者が入力するための領域である。この場合の不動産物件の名称としては、
図5に例示するように、マンション等の集合住宅の場合は、その部屋番号まで入力される。必須項目入力領域R11は、例えば
図5に例示されるような、物件情報として必須の、基本情報(例えば、物件種別や建物名等)、所在地を示す情報、賃料を示す情報、及び交通に関連する情報等の項目が入力可能とされている。任意項目入力領域R12は、
図5に例示する物件名入力領域R10及び必須項目入力領域R11が仲介業者端末1の画面に表示されている状態で、
図5に示す
の部分に表示されているボタンがクリック又はタップされた際に展開されて表示される表示領域である。具体的に、任意項目入力領域R12としては、
図6に例示するように、物件情報の登録が所望される不動産物件を構成する各部屋の広さや、当該不動産物件を例えば一般消費者端末2の一般消費者に選択させる上での訴求ポイント(アピールポイント)となる事項が入力可能とされている。図面表示領域R13は、仲介業者端末1から送信されてきた、後述する図面の画像が表示される領域である。ここで、実施形態の上記図面とは、物件情報の登録が所望される不動産物件の管理者自らが作成したものを仲介業者が取得した図面、又は、当該管理者から仲介業者が得た情報を用いて当該仲介業者が作成した図面であり、通常は、当該仲介業者の店頭等に容易に視認可能に掲示等されている図面である。
【0045】
以上のような物件情報登録要求ページを仲介業者端末1に送信するに当たり、本実施形態の仲介業者端末1は、当該仲介業者端末1を用いる仲介業者が作成した図面を画像として読み込むために必要な図示しないスキャナ等を備えている。そして、物件情報の登録時には、当該登録が所望される不動産物件の内容を記載した上記図面が仲介業者端末1に画像として読み込まれ、その画像に相当する画像データを物件情報として含み、且つ物件情報の登録のための物件情報登録要求ページの要求が、当該仲介業者端末1から物件情報取得部332に送信される。このとき、物件情報取得部332は、当該画像データではなく、仲介業者端末1において読み込まれた画像内にある文字を仲介業者端末1に備えられたOCR(Optical Character Reader)装置で読み込んだ文字データを物件情報として取得してもよい。この場合の画像内にある文字とは、例えば、
図7に例示する図面における「〇×タワー高輪」の文字や、「白金高輪駅徒歩6分」の文字等である。そして、物件情報更新処理部333は、物件情報取得部332により取得された物件情報の内容を認識する。このとき、物件情報更新処理部333は、仲介業者端末1から上記画像データが物件情報として送信されている場合は、その画像データに含まれている文字を抽出し、物件情報の内容を認識する。その後、物件情報更新処理部333は、認識した物件情報の内容の少なくとも一部を手掛かりとして物件情報データベース321内を検索し、仲介業者端末1から送信されてきた物件情報により登録が所望される物件を特定する。ここで、上記物件情報の内容の一部としては、例えば、その不動産物件の住所情報、名称(建物名及び部屋番号等)情報、不動産物件としての広さ(いわゆる平米数)情報、及び築年数を示す情報が挙げられる。そして、物件情報更新処理部333は、これらの情報のうちより多くが一致する不動産物件を、仲介業者端末1から送信されてきた物件情報により登録が所望される不動産物件と特定する。
【0046】
その後、物件情報更新処理部333は、特定された不動産物件の物件情報が、既に物件情報データベース321内に登録されているか否かを判定する。当該登録が所望される不動産物件が、既に物件情報データベース321内に登録されている場合、物件情報更新処理部333は、不動産物件としての住所及び名称以外の項目について、その不動産物件について登録済みの物件情報と、新たに仲介業者端末1から送信されてきた物件情報と、を比較し、それらの内容が合致しているか否か、換言すれば、それらの間の相違点の有無を判定する。これら二つの物件情報に相違点がない場合、物件情報更新処理部333は、物件情報を送信してきた仲介業者端末1を用いる仲介業者により新たにその不動産物件が扱われるようになったとして、物件情報データベース321をその旨に更新する。これに加えて、物件情報更新処理部333は、更新後の物件情報データベース321に登録されているその不動産物件の物件情報の内容を反映させた物件情報登録要求ページを生成し、ページ提供部331を介して仲介業者端末1に送信する。これにより、仲介業者端末1に提供される物件情報登録要求ページでは、図面を用いて当該仲介業者端末1が送信した物件情報が反映されている。
【0047】
一方、不動産物件としての住所及び名称以外の項目で上記二つの物件情報の内容が合致していない、即ち、当該住所及び名称以外の項目で二つの物件情報に相違点がある場合、物件情報更新処理部333は、その相違点が、対応する不動産物件がリフォームされた結果としての相違点であるか否かを判定する。より具体的に、物件情報更新処理部333は、例えば、住所及び名称並びに間取りが同じであるにも拘わらず、物件情報データベース321に登録されていた物件情報としては畳敷きとされている部屋が、新たに仲介業者端末1から送信されてきた物件情報ではフローリングとなっていた場合、それによる相違点はリフォームによる相違点であると判定する。或いは、物件情報更新処理部333は、例えば、二つの物件情報間で、不動産物件の住所と名称が同じであるにも拘わらず、間取りの一部が異なっている場合、それによる相違点はリフォームによる相違点であると判定する。そして、その不動産物件についてリフォームされている部分があると判定した場合、物件情報更新処理部333は、当該リフォームされたと判定された部分について、その部分がリフォームされている可能性がある旨のリフォームアラート表示を、表示制御部334を介して仲介業者端末1上に識別可能に表示させる。そして、仲介業者端末1では、当該リフォームされている可能性のある項目の内容が確認されると共に、必要に応じて物件情報の修正等の対応が行われる。この対応の結果は、仲介業者端末1から物件情報更新処理部333に送信される。そして、物件情報更新処理部333は、仲介業者端末1上でその内容が確認されたリフォームの内容を含んだ新たな物件情報と、当該物件情報により登録が所望される不動産物件について物件情報データベース321に既に登録されている物件情報と、を比較し、当該新たな物件情報に含まれていない内容(即ち、当該新たな物件情報では特定できない項目又は内容)が上記既登録の物件情報に含まれている場合に、当該含まれていない内容を上記既登録の物件情報の内容をもって補完する。
【0048】
次に、物件情報更新処理部333は、既登録の物件情報の内容をもって補完された新たな物件情報(即ち、仲介業者端末1から送信された、物件情報データベース321への登録が所望される新たな不動産物件の物件情報)の内容を、当該不動産物件の管理者に確認させて承認させるべく、当該管理者の管理会社端末4に当該補完後の新たな物件情報の照会依頼を含む上記確認ページを送信する。なお、以下の説明において、当該補完後の新たな物件情報を、「補完後物件情報」と称する。そして、当該照会依頼の内容を承認する旨の承認指示を含む照会結果(例えば、補完後物件情報の内容が正確か否かの照会結果や、上記承認指示を含む照会結果等)が管理会社端末4から送信されたら、物件情報更新処理部333は、当該照会結果を用いて物件情報データベース321を更新する。その後、物件情報更新処理部333は、対応する不動産物件の管理者にその内容が確認/承認された補完後物件情報を、表示制御部334を介して仲介業者端末1上に識別可能に表示させる。そして、仲介業者端末1では、当該補完後物件情報の内容が確認されると共に、必要に応じて補完後物件情報の修正等が行われる。そして、この確認結果を含む物件情報登録要求ページの要求が、改めて、仲介業者端末1から物件情報提供サーバ3に送信される。
【0049】
その後、上記確認結果を含む物件情報登録要求ページの要求を受信した物件情報更新処理部333は、上記確認結果として補完後物件情報が修正されている場合は、当該修正後の補完後物件情報を用いて物件情報データベース321を更新する。その後、物件情報更新処理部333及びページ提供部331は、当該更新後の物件情報データベース321の内容に相当する物件情報を用いて作成された物件登録要求ページ(
図5乃至
図7参照)を仲介業者端末1に送信する。これにより、仲介業者端末1上には、物件情報更新処理部333から送信された物件情報登録要求ページが表示され、確認される。その後、仲介業者端末1では、確認した物件情報登録要求ページの内容でよければ、その内容の物件情報を物件情報データベース321に登録する旨の要求を物件情報提供サーバ3に送信する。これにより、物件情報更新処理部333は、当該要求に対応する物件情報を物件情報データベース321に登録する。
【0050】
次に、例えば不動産物件について契約しようとする一般消費者が仲介業者端末1を用いる仲介業者を訪れた場合、当該仲介業者端末1からは、
図4に例示する物件情報掲載ページの要求がページ提供部331に送信される。これにより、ページ提供部331は、物件情報掲載ページに含ませるべき項目の情報を物件情報データベース321内から検索し、その検索結果が反映された物件情報掲載ページを仲介業者端末1に送信する。そして、仲介業者端末1を用いる仲介業者では、例えば、当該物件情報掲載ページを図示しないディスプレイ等に表示等させつつ、不動産物件の契約に向けた交渉が行われる。そして、当該交渉により成約された場合、その成約の結果には、契約の対象となった不動産物件の具体的な内容を示す物件情報が含まれている。そして、仲介業者端末1からは、当該成約の結果を含む成約情報が、物件情報更新処理部333に送信される。これにより、物件情報更新処理部333は、当該成約情報に基づいて物件情報データベース321を更新する。
【0051】
[2.物件情報提供システムSの動作]
次に、
図8及び
図9を参照して、物件情報提供システムSの動作について説明する。
図8及び
図9は、物件情報提供システムSの動作例を示すシーケンス図である。
【0052】
先ず、
図8を用いて、仲介業者端末1から、新たな不動産物件の物件情報を物件情報データベース321へ登録する場合の動作例について説明する。
【0053】
図8に示すように、新たな物件情報の登録においては、先ず、仲介業者端末1(ブラウザ)は、オペレータの操作に応じて物件情報サイトにアクセスしてログインが完了した後、上記図示しないスキャナ等により図面を読み込む(ステップS1)。次いで、仲介業者端末1は、読み込んだ図面の画像データそのもの又はその中から抽出した文字データを含む物件情報登録要求ページの要求を、ネットワークNWを介して物件情報提供サーバ3へ送信する(ステップS2)。なお、ログインにより仲介業者IDが特定される。次いで、物件情報提供サーバ3(ページ提供部331)は、仲介業者端末1からの上記画像データ等を含む物件情報登録要求ページの要求を受信すると、これを物件情報更新処理部333に出力する。次いで、物件情報提供サーバ3(物件情報更新処理部333)は、物件情報登録要求ページと共に送信されてきた画像データ等の物件情報の内容の少なくとも一部を手掛かりとして物件情報データベース321内を検索し(ステップS3)、仲介業者端末1から送信されてきた物件情報により登録が所望される不動産物件を特定する(ステップS4)。次いで、物件情報提供サーバ3(物件情報更新処理部333)は、特定された不動産物件の物件情報が、既に物件情報データベース321内に登録されているか否かを判定し、更に、その不動産物件について登録済みの物件情報と、新たに仲介業者端末1から送信されてきた物件情報と、を比較し、それらの内容が合致しているか否かを判定する(ステップS5)。次いで、物件情報提供サーバ3(物件情報更新処理部333)は、これら二つの物件情報の内容が合致している場合(ステップS5:YES)、物件情報を送信してきた仲介業者端末1を用いる仲介業者により新たにその不動産物件が扱われるようになったとして、物件情報データベース321をその旨に更新する(ステップS6)。その後、物件情報提供サーバ3は、後述するステップS17に移行する。
【0054】
一方、ステップS5の判定において、上記二つの物件情報の内容が合致していない場合(ステップS5:NO)、物件情報提供サーバ3(物件情報更新処理部333)は、その合致していない点(相違点)が、対応する不動産物件がリフォームされた結果としての相違点であるか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7の判定において、その不動産物件についてリフォームされた部分がない場合(ステップS7:NO)、物件情報提供サーバ3(物件情報更新処理部333)は、後述するステップS11に移行する。一方、ステップS7の判定において、その不動産物件についてリフォームされている部分があると判定した場合(ステップS7:YES)、物件情報提供サーバ3(物件情報更新処理部333)は、当該リフォームされたと判定された部分について、その部分がリフォームされている可能性がある旨のリフォームアラート表示を、表示制御部334を介して仲介業者端末1上に識別可能に表示させる(ステップS8)。次いで、仲介業者端末1(ブラウザ)は、画面に表示されたリフォームアラートの内容がオペレータにより確認され、確認内容に対応する物件情報の修正等が行われると(ステップS9)、その修正等の内容を含む対応結果を、ネットワークNWを介して物件情報提供サーバ3に送信する(ステップS10)。
【0055】
次いで、物件情報提供サーバ3(物件情報更新処理部333)は、ステップS10で送信されていた対応結果に含まれているリフォームの内容を含んだ新たな物件情報と、当該物件情報により登録が所望される不動産物件について物件情報データベース321に既に登録されている物件情報と、を比較し、当該新たな物件情報に含まれていない内容が上記既登録の物件情報に含まれている場合に、当該含まれていない内容を上記既登録の物件情報の内容をもって補完する(ステップS11)。一方、仲介業者端末1から送信されてきた(上記ステップS2参照)物件情報により登録が所望される不動産物件について、当該送信されてきた物件情報の内容と、その不動産物件について物件情報データベース321内に登録済みの物件情報の内容と、が合致していない場合で(上記ステップS5:NO参照)、当該不動産物件についてリフォームされた部分がない場合は(ステップS7:NO)、当該二つの物件情報の間にリフォームによるものでない相違点があることになる。この場合に、物件情報提供サーバ3(物件情報更新処理部333)は、ステップS2で新たに仲介業者端末1から送信されてきた物件情報に含まれていない内容を、当該物件情報により登録が所望される不動産物件について物件情報データベース321に既に登録されている物件情報の内容をもって補完する(ステップS11)。
【0056】
次いで、物件情報提供サーバ3(物件情報更新処理部333)は、ステップS11で内容が補完された補完後物件情報の内容を含む照会依頼を、ネットワークNWを介して管理会社端末4に送信する(ステップS12)。次いで、物件情報提供サーバ3(物件情報更新処理部333)は、当該照会依頼に対応した照会結果が管理会社端末4から送信されたら(ステップS12)、当該照会結果を用いて物件情報データベース321を更新する(ステップS13)。
【0057】
次いで、物件情報提供サーバ3(物件情報更新処理部333)は、上記補完後物件情報を、表示制御部334を介して仲介業者端末1上に表示させる(ステップS14)。仲介業者端末1では、当該補完後物件情報の内容が表示されて確認されると共に、必要に応じて補完後物件情報の修正等が行われる(ステップS15)。このとき、仲介業者端末1の画面上には、例えば、「内容を確認しましたか?」といった注意喚起を促す表示がされる。次いで、仲介業者端末1は、この確認結果を含む物件情報登録要求ページの要求を、改めて物件情報提供サーバ3(物件情報更新処理部333)に送信する(ステップS16)。次いで、上記確認結果を含む物件情報登録要求ページの要求を受信した物件情報提供サーバ3(物件情報更新処理部333)は、上記確認結果として補完後物件情報が修正されている場合は、当該修正後の補完後物件情報を用いて物件情報データベース321を更新する(ステップS17)。次いで、物件情報提供サーバ3(物件情報更新処理部333及びページ提供部331)は、当該更新後の物件情報データベース321の内容に相当する物件情報を用いて作成された物件登録要求ページを、ネットワークNWを介して仲介業者端末1に送信する(ステップS18)。これにより、仲介業者端末1上には、物件情報更新処理部333から送信された物件情報登録要求ページが表示され、確認される(ステップS19)。この確認結果は、ネットワークNWを介して物件情報提供サーバ3(物件情報更新処理部333)に送信される。次いで、物件情報更新処理部333は、上記確認結果として確認された物件情報登録要求ページの内容により、対応する物件情報を物件情報データベース321に登録する。
【0058】
次に、
図9を用いて、仲介業者端末1を用いる仲介業者において新たな不動産物件の契約が行われた場合における物件情報データベース321の更新の動作例について説明する。
【0059】
図9に示すように、当該契約時には、仲介業者端末1から、物件情報掲載ページの要求が、ネットワークNWを介して物件情報提供サーバ3のページ提供部331に送信される(ステップS20)。次いで、物件情報提供サーバ3(ページ提供部331)は、物件情報掲載ページに含ませるべき項目の情報を物件情報データベース321内から検索し、その検索結果が反映された物件情報掲載ページを、ネットワークNWを介して仲介業者端末1に送信する(ステップS21)。次いで、当該物件情報掲載ページを用いた交渉によりその不動産物件についての契約が成約されたら(ステップS22)、仲介業者端末1からは、当該成約の結果を含む成約情報が、ネットワークNWを介して物件情報提供サーバ3の物件情報更新処理部333に送信される(ステップS23)。次いで、物件情報提供サーバ3(物件情報更新処理部333)は、当該成約情報に基づいて物件情報データベース321を更新する(ステップS24)。
【0060】
以上説明したように、本実施形態の物件情報提供システムSによれば、仲介業者を介して取得された、管理者からの情報により作成された図面の内容を物件情報データベース321に蓄積されている物件情報を用いて補完し(
図8ステップS11参照)、その補完された物件情報を用いて物件情報データベース321を更新するので(
図8ステップS13参照)、管理者の作成に基づく物件情報を補完した物件情報を用いて、物件情報データベース321を正確に更新することができる。特に、上記図面に相当する画像データ(
図8ステップS1参照)からOCR装置により抽出した物件情報を用いる場合は、仲介業者における物件情報入力の手間を省きつつ、正確に物件情報データベース321を更新することができる。
【0061】
また、画像データから、既定の複数の項目ごと(より具体的には、例えば、不動産物件の住所情報、名称情報、広さ情報、及び築年数を示す情報等)に仲介業者が抽出した物件情報を取得するので、仲介業者における物件情報入力の手間を省きつつ、複数の項目に亘って正確に物件情報データベース321を更新することができる。更に、補完された物件情報を用いた不動産物件の契約が成約したとき(
図9ステップS22参照)、当該契約に用いられた物件情報を用いて物件情報データベース321を更新するので(
図9ステップS24参照)、不動産物件の契約に実際に用いられた物件情報を用いてより正確に物件情報データベース321を更新することができる。更にまた、補完された物件情報であって管理者からの承認指示(
図8ステップS12参照)の対象となった物件情報を契約の対象者に提示するので(
図9ステップS21参照)、管理者の承認を得た正確な物件情報で、対応する不動産物件を契約させることができる。また、補完された物件情報であって、対応する不動産物件の管理者からの承認指示の対象となった物件情報を用いて物件情報データベース321を更新するので(
図8ステップS13参照)、管理者の承認を得てより正確に物件情報データベース321を更新することができる。更に、住所及び名称以外の項目で、仲介業者端末1から取得された物件情報と、物件情報データベース321から取得された物件情報と、の間で内容が異なる項目がある場合、当該内容が異なる項目を示すリフォームアラート表示を仲介業者端末1に表示させるので(
図8ステップS8及びステップS9参照)、例えばリフォームがされている等、物件情報の変更を仲介業者に確認させることができる。
【0062】
なお、上述した実施形態における管理会社への照会時(
図8ステップS12参照)において、ある一つの不動産物件の内容を示す複数の物件情報が物件情報データベース321内に登録されている場合に、例えば、物件情報データベース321において数件(例えば十件程度)の物件情報間で共通している(即ち、予め設定された基準に対応している)物件情報の内容を、当該一の不動産物件の内容を示す物件情報として、管理会社端末4に表示させるように構成することもできる。この場合には、より正確な物件情報を管理者に提示してその承認を得ることができる。
【0063】
また、上記管理会社への照会時(
図8ステップS12参照)において、更新された物件情報データベース321の内容に基づいて新たに図面を作成し、当該新たな図面に相当する画像データを管理会社端末4に送信して表示させるように構成してもよい。この場合にも、当該更新した内容の物件情報について管理者の承認を得ることができ、より正確に物件情報データベース321を更新することができる。
【0064】
更に、
図8及び
図9にそれぞれ示すシーケンス図に相当するプログラムを、光ディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いは、インターネット等のネットワークから取得して記録しておき、これらを汎用のマイクロコンピュータで読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータを、本実施形態のシステム制御部33として機能させることも可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 仲介業者端末
2 一般消費者端末
3 物件情報提供サーバ
4 管理会社端末
31 通信部
32 記憶部
33 システム制御部
34 バス
101 物件名
321 物件情報データベース
322 仲介業者情報データベース
331 ページ提供部
332 物件情報取得部
333 物件情報更新処理部
334 表示制御部
S 物件情報提供システム
NW ネットワーク
R1 検索条件指定領域
R2 物件一覧表示領域
R3 広告表示領域
R2a、R2b、R2c 物件表示領域
R10 物件名入力領域
R11 必須項目入力領域
R12 任意項目入力領域
R13 図面表示領域