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特許7221687情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-06
(45)【発行日】2023-02-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/424 20140101AFI20230207BHJP
   A63F 13/54 20140101ALI20230207BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20230207BHJP
   A63F 13/44 20140101ALI20230207BHJP
   A63F 13/814 20140101ALI20230207BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20230207BHJP
   G10L 15/10 20060101ALI20230207BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20230207BHJP
【FI】
A63F13/424
A63F13/54
A63F13/53
A63F13/44
A63F13/814
G10L15/00 200H
G10L15/10 500Z
G06F3/16 650
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018247665
(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公開番号】P2020103790
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】廣重 演久
(72)【発明者】
【氏名】伊吹山 初子
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-217425(JP,A)
【文献】特開平06-315572(JP,A)
【文献】特開2002-248261(JP,A)
【文献】特表2007-527022(JP,A)
【文献】たけしの挑戦状 カラオケ屋の秘密 あのクソゲーを少しずつ攻略(2),YouTube [online] [video],2015年11月13日,https://www.youtube.com/watch?v=9QnnFyE2HCE,[2022年10月17日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
G10L 15/00
G10L 15/10
G06F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤにゲームをプレイさせる情報処理装置であって、
前記ゲームに対する操作の指定をスペル文言の選択操作により前記プレイヤから受け付ける指定受付部と、
音声入力を前記プレイヤから受け付け、第1の音声データとして出力する音声受付部と、
前記第1の音声データと、記憶部が記憶する前記操作と対応付けられた前記スペル文言の第2の音声データとの比較結果に基づき、前記操作に応じた効果を異ならせて前記ゲームで発動させる発動部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記第2の音声データを、音声の再生及び文言の表示の少なくとも一方により前記プレイヤに提示する提示部、
を更に有すること
を特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記発動部は、前記第1の音声データと前記第2の音声データとの一致度に基づき、前記操作に応じた効果を異ならせて前記ゲームで発動させること
を特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記発動部は、前記第1の音声データによる音声と前記第2の音声データによる音声とのタイミング、音程、音量及びイントネーションの少なくとも1つの一致度に基づき、前記操作に応じた効果を異ならせて前記ゲームで発動させること
を特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記発動部は、前記第1の音声データによる音声に含まれる前記第1の音声データによる音声と前記第2の音声データによる音声との音程、音の長さ及びスピードの少なくとも1つの一致度と、前記第1の音声データによる音声に含まれるビブラート、しゃくり、こぶし及びフォールの少なくとも1つに基づき、前記操作に応じた効果を異ならせて前記ゲームで発動させること
を特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項6】
プレイヤにゲームをプレイさせる情報処理装置が、
前記ゲームに対する操作の指定をスペル文言の選択操作により前記プレイヤから受け付けるステップと、
音声入力を前記プレイヤから受け付け、第1の音声データとして出力するステップと、
前記第1の音声データと、記憶部が記憶する前記操作と対応付けられた前記スペル文言の第2の音声データとの比較結果に基づき、前記操作に応じた効果を異ならせて前記ゲームで発動させるステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項7】
プレイヤにゲームをプレイさせる情報処理装置を、
前記ゲームに対する操作の指定をスペル文言の選択操作により前記プレイヤから受け付ける指定受付部、
音声入力を前記プレイヤから受け付け、第1の音声データとして出力する音声受付部、
前記第1の音声データと、記憶部が記憶する前記操作と対応付けられた前記スペル文言の第2の音声データとの比較結果に基づき、前記操作に応じた効果を異ならせて前記ゲームで発動させる発動部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば縦スクロール型のシューティングゲームは従来から知られている。シューティングゲームは、自機を操作して敵および敵が放出した攻撃弾を避けながら、自機から攻撃弾を発射して敵に命中させることによって敵を倒しながらゲームが進行する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-214888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、縦スクロール型のシューティングゲームと同種の構成のゲームのワンパターン化を課題としている。また、このようなゲームのワンパターン化の課題は、縦スクロール型のシューティングゲームに限るものでなく、他のゲームにも存在する。このように従来のゲームではユーザに対してゲームの魅力を訴求する工夫が必要であった。
【0005】
本開示は、プレイヤがゲーム内において効果を発動するための新たな仕組みを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の態様によれば、プレイヤにゲームをプレイさせる情報処理装置であって、前記ゲームに対する操作の指定をスペル文言の選択操作により前記プレイヤから受け付ける指定受付部と、音声入力を前記プレイヤから受け付け、第1の音声データとして出力する音声受付部と、前記第1の音声データと、記憶部が記憶する前記操作と対応付けられた前記スペル文言の第2の音声データとの比較結果に基づき、前記操作に応じた効果を異ならせて前記ゲームで発動させる発動部と、を有する情報処理装置が提供される。

【発明の効果】
【0007】
一の側面によれば、プレイヤがゲーム内において効果を発動するための新たな仕組みを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るゲームシステムの一例を示す図である。
図2】一実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】一実施形態に係るサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】一実施形態に係る携帯端末の機能構成の一例を示す図である。
図5】一実施形態に係るサーバの機能構成の一例を示す図である。
図6】一実施形態に係るゲーム画像の一例を示す図である。
図7】一実施形態に係るスペルパネルの一例を示す図である。
図8】一実施形態に係るスペルストックエリアに表示されているスペルのスワイプ操作の一例を示す図である。
図9】一実施形態に係るスペルテーブルの一例を示す図である。
図10】一実施形態に係るゲームシステムのゲーム処理を説明するフローチャートである。
図11】一実施形態に係るS28の魔法発動処理を説明するフローチャートである。
図12】プレイヤに詠唱文章を詠唱させる画面イメージの一例の図である。
図13】発動された魔法攻撃のイメージの示す一例の図である。
図14】プレイヤに詠唱文章を詠唱させる画面イメージの一例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態ではスクロール型シューティングゲームの例を説明するがスクロール型シューティングゲームに限定するものではない。
【0010】
[ゲームシステム]
まず、一実施形態に係るゲームシステム10について、図1を参照して説明する。一実施形態に係るゲームシステム10は、携帯端末20a、20b、20cとサーバ30とがネットワーク40を介して通信可能に接続された構成である。なお、携帯端末20a、20b、20cは総称して「携帯端末20」とも呼ぶ。
【0011】
携帯端末20は、プレイヤがゲームをプレイする情報処理装置の一例である。情報処理装置はスマートフォンなどの携帯電話機、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置等である。携帯端末20はプレイヤからの操作をタッチパネル操作や音声入力により受け付け、プレイヤにゲームをプレイさせる。なお、携帯端末20の個数は3つに限定されるものではなく、3つ以外であってもよい。
【0012】
サーバ30は携帯端末20との間でデータを送受信することで、ゲームに必要な機能を携帯端末20に提供する情報処理装置の一例である。サーバ30はクラウドコンピュータにより実現してもよい。なお、図1に示したサーバ30の個数は、1つに限定されるものではなく、2つ以上で分散処理してもよい。
【0013】
例えばサーバ30は携帯端末20へのゲームプログラム(アプリケーション)のダウンロード処理やプレイヤのログイン処理、プレイヤ情報やゲームスコアの管理などに利用される。図1のゲームシステム10はサーバ30が含まれる例を示したが、携帯端末20にゲームプログラムが最初から搭載されており、サーバ30との通信が不要なゲームであれば、サーバ30が含まれていなくてもよく、携帯端末20がネットワーク40に接続されていなくてもよい。
【0014】
図2は、携帯端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。携帯端末20は、CPU(Central Processing Unit)121、記憶装置122、通信装置123、入力装置124及び表示装置125を有する。CPU121は、携帯端末20を制御する。記憶装置122は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージである。
【0015】
通信装置123は、通信を制御するネットワーク回路などの通信デバイスである。入力装置124はタッチパネルのタッチパッド(位置入力装置)、カメラ、マイクなどの入力デバイスである。表示装置125はタッチパネルのディスプレイ、スピーカなどの出力デバイスである。タッチパネルはタッチパッドとディスプレイとを組み合わせることで実現される。
【0016】
図3は、サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ30は、CPU131、記憶装置132及び通信装置133を有する。CPU131は、サーバ30を制御する。記憶装置132は、例えばROMやRAMなどのメモリ、HDDやSSDなどのストレージである。通信装置133は、通信を制御するネットワークカードなどの通信デバイスである。
【0017】
図4は、携帯端末20の機能構成の一例を示す図である。図4の携帯端末20は、記憶部21、制御部22、操作部23、表示部24及び端末側通信部25を有する。記憶部21は、後述するスペルテーブル26、ゲームプログラム27などのプログラム、そのプログラムが利用するデータなどを記憶している。なお、記憶部21は、記憶装置122により実現されてもよいし、ネットワーク40を介して接続された記憶装置により実現されてもよい。
【0018】
図4に戻り、制御部22は、携帯端末20の全体の制御を行う。制御部22は、CPU121がゲームプログラム27に記載された処理を実行することにより実現される。操作部23は入力装置124に対するプレイヤの各種操作を受け付ける。表示部24は表示装置125にゲーム画像を表示する。なお、操作部23はCPU121が入力装置124を制御することで実現される。また、表示部24は、CPU121が表示装置125を制御することで実現される。
【0019】
ここで入力装置124に対するプレイヤの各種操作とは、CPU121に処理を実行させるため、プレイヤが操作部23を操る操作をいう。入力装置124に対するプレイヤの各種操作には、例えばタッチパネルへのタッチ操作、スワイプ操作、ハードキーを押下する操作などが含まれる。なお、スワイプ操作とはプレイヤがタッチパネルに触れながら接触位置を移動させる(指を滑らせる)操作をいう。また、入力装置124に対するプレイヤの各種操作には、例えばマイクへの音声入力による操作も含まれる。
【0020】
操作部23はゲームをプレイするプレイヤから各種操作を受け付ける。制御部22はプレイヤから受け付けた各種操作に基づき、ゲームを進行させる。表示部24は制御部22が生成した後述のようなゲーム画像を表示する。端末側通信部25は、サーバ30と通信する。端末側通信部25はCPU121がゲームプログラム27を実行し、ゲームプログラム27に従って通信装置123を制御することで実現される。
【0021】
図5は、サーバ30の機能構成の一例を示す図である。図5のサーバ30は、記憶部31、サーバ制御部32及びサーバ側通信部33を有する。記憶部31は、ゲームプログラム35、サーバプログラム36などのプログラム、そのプログラムが利用するデータなどを記憶している。なお、記憶部31は記憶装置132により実現されてもよいし、ネットワーク40を介して接続された記憶装置により実現されてもよい。
【0022】
図5に戻り、サーバ制御部32は、サーバ30の全体の制御を行う。サーバ制御部32は、CPU131がサーバプログラム36に記載された処理を実行することにより実現される。また、サーバ制御部32は記憶部31に記憶されているゲームプログラム35、そのゲームプログラム35が利用するデータやテーブルを携帯端末20へダウンロードさせるダウンロード処理を行う。
【0023】
サーバ側通信部33は、携帯端末20と通信する。サーバ側通信部33は、CPU131がサーバプログラム36を実行し、サーバプログラム36に従って通信装置133を制御することで実現される。
【0024】
[ゲーム概要]
図6は本実施形態に係るゲーム画像の一例を示す図である。図6のゲーム画像1000にはスワイプエリア1002が設けられている。プレイヤはスワイプエリア1002をスワイプすることで、ゲーム画像1000に弾1004を表示させ、弾1004を移動させることができる。弾1004が表示されるゲーム画像1000上の位置は、プレイヤが触れているスワイプエリア1002の位置に対応する。
【0025】
また、スワイプエリア1002の四隅はゲーム画像1000において弾1004が移動可能なエリア(バトルフィールド)の四隅に対応する。例えばプレイヤがスワイプエリア1002の左上に触れると、弾1004はバトルフィールドの左上に表示される。スワイプエリア1002の大きさをバトルフィールドよりも十分に小さくすることで、プレイヤはバトルフィールドに表示された弾1004を少ない指の動きで自由に移動させることができる。
【0026】
バトルフィールドには敵キャラクタ1006が表示されている。プレイヤは弾1004を移動させて敵キャラクタ1006に接触させることで、敵キャラクタ1006を攻撃してダメージを与えることができる。また、バトルフィールドにはプレイヤキャラクタ1010が表示されている。プレイヤキャラクタ1010は敵キャラクタ1006や敵キャラクタ1006が放出した弾と接触するとダメージを受ける。
【0027】
また、バトルフィールドにはクリスタル1008が出現することがある。クリスタル1008は、敵キャラクタ1006の破壊により出現させてもよいし、所定時間の経過により出現させてもよいし、与えたダメージにより出現させてもよいし、ステージクリアにより出現させてもよい。このように、クリスタル1008の出現条件は様々である。
【0028】
弾1004をクリスタル1008に接触させたり、破壊したりすることで、プレイヤは図7に示すスペルパネル1100をバトルフィールドに出現させることができる。図7はスペルパネルの一例を示す図である。図7(A)は1つのクリスタル1008から1つのスペルが表示される例を示している。図7(B)は1つのクリスタル1008から2つのスペルが表示される例を示している。
【0029】
プレイヤはバトルフィールドに表示されたスペルパネル1100に弾1004を接触させたり、破壊したりすることで、そのスペルを取得できる。図7(A)のスペルパネル1100の例では弾1004を接触させたり、破壊したりしたスペルパネル1100のスペルを取得できる。また、図7(B)のスペルパネル1100の例では、取得したいスペル側に弾1004を接触させたり、取得したいスペル側から破壊したりすることで、取得するスペルをプレイヤに選択させることができる。なお、ここではクリスタル1008からスペルパネル1100が出現する例を示したが、クリスタル1008の出現を省略してスペルパネル1100を直接出現させるようにしてもよい。
【0030】
クリスタル1008やスペルパネル1100はスクロールや制限時間の経過によりバトルフィールドから消滅する。したがって、プレイヤは出現したクリスタル1008やスペルパネル1100からスペルを取得するか否かを自由に選択できる。なお、プレイヤが取得したスペルは、弾1004による攻撃とは別の魔法攻撃や特殊攻撃などの強力な攻撃を行うために使用される。
【0031】
スペルを使用した攻撃は、プレイヤに有利な効果又はプレイヤに不利な効果などのスペルに応じて発動される効果の一例である。例えばプレイヤに有利な効果には、直接的な敵への攻撃の他、プレイヤへのバフ(各種能力の上昇)や敵へのデバフ(各種能力の低下)なども含まれてもよい。また、スペルはプレイヤに有利な効果を発動させるオブジェクトの一例である。
【0032】
以下ではプレイヤがスペルを使用して魔法攻撃を行う例を説明する。なお、プレイヤは実際に声を出して詠唱することで、携帯端末20に音声入力を行い、ゲーム内において魔法攻撃を発動させる。プレイヤが実際に声を出して詠唱することでゲーム内に発動させた魔法攻撃は、後述するように、音声入力されたプレイヤの詠唱の上手さ、詠唱の早さ、声の大きさ等により、その効果が異なる。例えば音声入力されたプレイヤの詠唱と、予め記憶部21に記憶させている声優等による詠唱と、の一致度が高いほど詠唱が上手いと判定してゲーム内で発動する魔法攻撃の効果が増えるものであってもよい。また、例えば音声入力されたプレイヤの詠唱のスピードが早いほど、ゲーム内で発動する魔法攻撃の効果が増えるものであってもよい。さらに、例えば音声入力されたプレイヤの詠唱における声の大きさが大きいほど、ゲーム内で発動する魔法攻撃の効果が増えるものであってもよい。
【0033】
プレイヤが取得したスペルは、図6に示すようにスペルストックエリア1012に表示される。図6のスペルストックエリア1012は、プレイヤが取得したスペルが左詰で表示される例を示している。プレイヤはスペルストックエリア1012に表示されているスペルをスワイプ操作により選択することで、魔法攻撃を発動させるための処理に進むことができる。
【0034】
なお、プレイヤは図8(A)に示すようにスペルストックエリア1012に表示されている全てのスペルをスワイプ操作で一度に選択して魔法攻撃を発動できる。また、プレイヤは図8(B)に示すようにスペルストックエリア1012に表示されているスペルの一部をスワイプ操作により選択して魔法攻撃を発動してもよい。
【0035】
スペルは例えば図9に示すようなスペルテーブル26に記憶されている。図9はスペルテーブル26の一例を示す図である。図9のスペルテーブル26は、スペルごとに、スペル文言(単語)と、そのスペル文言を読む声優などの音声を録音した音声データと、が対応付けられている。図9に示したスペル文言は、魔法攻撃を発動する際に詠唱する文章を構成する。魔法攻撃を発動する際に詠唱する文章(以下、詠唱文章と呼ぶ)の音声データは、詠唱文章を構成する一又は複数のスペル文言の音声データにより生成できる。例えば一のスペル文言で構成される詠唱文章は、一のスペル言語の音声データにより音声データが生成される。また、複数のスペル文言で構成される詠唱文章は、複数のスペル言語の音声データを繋げることで音声データが生成される。図9のスペル文言は発動される魔法攻撃の種類をプレイヤにイメージさせる内容であることが望ましい。
【0036】
例えばスペル文言「水禍よ」であれば、魔法攻撃の属性が「水」であることをプレイヤにイメージさせることができる。また、例えばスペル文言「穿抜け」や「薙払え」などであれば、魔法攻撃の有効範囲の形状をプレイヤにイメージさせることができる。また、例えばスペル文言「女神の」や「精霊の」であれば、魔法攻撃の威力をプレイヤにイメージさせることができる。
【0037】
このように、プレイヤが取得できるスペルのスペル文言は、そのスペルを選択したときに発動される魔法攻撃の種類をプレイヤにイメージさせることができる。なお、図9に示したスペルテーブルは一例であって、魔法攻撃の属性、有効範囲、威力を表すスペルの系統の他、魔法攻撃の対象を指定するターゲット系、特定の敵への特効効果を付与する特効系、状態異常を付与する状態異常系、組み合わせて使用するコンボ系、バトルフィールドに影響を及ぼすフィールド系、罠や壁を設置するジャマー系、プレイヤキャラクタや敵の動きの速度を変化させる速度系、バフ系、デバフ系、召喚獣などを召喚する召喚系、敵を吹き飛ばすノックバック系など、様々考えられる。
【0038】
制御部22はプレイヤがスペルストックエリア1012からスワイプ操作により選択した1つ又は複数のスペルに応じて、魔法攻撃を発動するための処理に進む。魔法攻撃を発動するための処理(魔法発動処理)は、プレイヤが実際に声を出して詠唱文章を詠唱することで、携帯端末20に音声入力を行い、ゲーム内において魔法攻撃を発動させる処理である。
【0039】
なお、制御部22は発動する魔法攻撃の種類を、1つ又は複数のスペルと魔法攻撃とを対応付けたテーブルを利用して選択するようにしてもよいし、スペルごとにスペルタイプとランク値とを設定し、プレイヤにより選択された1つ又は複数のスペルのスペルタイプごとに算出したランク値を利用して選択するようにしてもよい。
【0040】
[ゲーム動作]
次に、携帯端末20でプレイヤによりプレイされるゲームの動作について図10を参照しながら説明する。図10は、一実施形態に係るゲームシステム10のゲーム処理を説明するフローチャートである。なお、図10は携帯端末20でプレイヤによりプレイされるゲームの動作のうち、スペルの収集に関する動作と、収集したスペルを使用した魔法攻撃に関する動作と、を表している。その他の動作については省略している。
【0041】
ゲームの開始後、携帯端末20の制御部22は表示部24に図6のようなゲーム画像を表示させてプレイヤにゲームをプレイさせる。制御部22は敵キャラクタ1006の破壊などのクリスタル1008の出現条件が満たされたか否かを判定する(S10)。
【0042】
S10においてクリスタル1008の出現条件が満たされた場合、制御部22はバトルフィールドにクリスタル1008を表示させる(S12)。S10においてクリスタル1008の出現条件が満たされていなければ、制御部22はS12をスキップする。
【0043】
また、制御部22はクリスタル1008へ弾1004を接触させるなどのスペルパネル1100の出現条件が満たされたか否かを判定する(S14)。S14においてスペルパネル1100の出現条件が満たされた場合、制御部22はバトルフィールドにスペルパネル1100を表示させる(S16)。S14においてスペルパネル1100の出現条件が満たされていなければ、制御部22はS16をスキップする。
【0044】
また、制御部22はスペルパネル1100に弾1004が接触させるなどのプレイヤによるスペルの選択(取得)が行われたか否かを判定する(S18)。S18においてプレイヤによりスペルが選択された場合、制御部22はバトルフィールドのスペルパネル1100を消去し、プレイヤが選択したスペルをスペルストックエリア1012に左詰で表示する(S20)。S18においてプレイヤによりスペルが選択されなければ、制御部22はS20をスキップする。
【0045】
また、制御部22は制限時間の経過などのクリスタル1008又はスペルパネル1100の消滅条件が満たされたか否かを判定する(S22)。S22においてクリスタル1008又はスペルパネル1100の消滅条件が満たされた場合、制御部22はクリスタル1008又はスペルパネル1100をバトルフィールドから消去する(S24)。S24においてクリスタル1008又はスペルパネル1100の消滅条件が満たされていなければ制御部22はS24をスキップする。
【0046】
また、制御部22はプレイヤによるスペルストックエリア1012へのスワイプ操作があるか否かを判定する(S26)。S26においてプレイヤによるスペルストックエリア1012へのスワイプ操作があった場合、制御部22は後述の魔法発動処理を行う(S28)。S26においてプレイヤによるスペルストックエリア1012へのスワイプ操作が無ければ制御部22はS28をスキップする。
【0047】
また、制御部22はゲームが終了したか否かを判定する(S30)。ゲームが終了していない場合、制御部22はS10に戻り処理を続ける。ゲームが終了していれば図10に示したフローチャートの処理を終了する。
【0048】
図11はS28の魔法発動処理を説明するフローチャートである。図10のS26においてプレイヤによるスペルストックエリア1012へのスワイプ操作があった場合、制御部22は図11の魔法発動処理を開始する。制御部22は、スワイプ操作によりプレイヤが選択したスペルをスペルストックエリア1012から消去する。そして、制御部22はスワイプ操作によりプレイヤがスペルストックエリア1012から選択したスペルを特定する(S50)。
【0049】
また、制御部22はS50において特定した一又は複数のスペルの音声データを詠唱文章の音声データとして記憶部21のスペルテーブル26から選択する(S52)。制御部22はS50において特定した一又は複数のスペルのスペル文言も詠唱文章として記憶部21のスペルテーブル26から選択する。
【0050】
また、制御部22は例えば図12に示すような画面1200を表示することで、実際に声を出して詠唱文章をプレイヤに詠唱させる。図12はプレイヤに詠唱文章を詠唱させる画面イメージの一例の図である。図12の画面1200は詠唱文章1210が表示されると共に、詠唱文章を詠唱するスピードの目安を視覚的に示す矢印1220が表示される例である。図12の例では矢印1220の塗りつぶし部分1230が左から右方向に移動することで、詠唱文章を詠唱するスピードの目安を視覚的に示している。なお、図12の例に限定されるものではなく、その他の方法であってもよい。例えば音や振動を利用して詠唱文章を詠唱するスピードの目安をプレイヤに伝えてもよい。
【0051】
また、矢印1220の塗りつぶし部分1230が示す詠唱文章を詠唱するスピードの目安は、音声データにより再生される詠唱のスピードに基づいて決められている。プレイヤは矢印1220の塗りつぶし部分1230の移動に合わせて詠唱文章を実際に声を出して詠唱することで、音声入力を行う(S54)。
【0052】
また、制御部22は再生した詠唱文章の音声データと、プレイヤにより音声入力された詠唱文章の音声データとの比較処理を行う(S56)。例えばS56の比較処理では、再生した詠唱文章の音声データとプレイヤによる詠唱文章の音声データとのスピードの一致度を算出する。S56の比較処理はスピードの一致度に限定されず、音階、音量、イントネーション、波長などの一致度を算出してもよい。なお、ステップS56における比較処理では、音声の類似度を評価する既存の技術を利用する。
【0053】
また、制御部22はS50において特定した一又は複数のスペルの組み合わせに対応する魔法攻撃を、例えば一又は複数のスペルと魔法攻撃とを対応付けたテーブルを利用して選択する(S58)。S50において特定した1つ又は複数のスペルから魔法攻撃を選択するS58の処理は、他の処理を採用してもよく、例えばスペルごとにスペルタイプとランク値とを設定し、S50において特定した一又は複数のスペルのスペルタイプ及びランク値から所定のロジックにより魔法攻撃を選択するようにしてもよい。
【0054】
また、制御部22はS60において選択した魔法攻撃を、S56の比較結果に基づき変化させて魔法攻撃を発動させる。例えば制御部22はS56の比較処理における再生した詠唱文章の音声データとプレイヤによる詠唱文章の音声データとのスピードの一致度が高いほど、魔法攻撃の効果が高くなるように魔法攻撃を発動させる。
【0055】
また、制御部22はS56の比較処理における再生した詠唱文章の音声データとプレイヤによる詠唱文章の音声データとの音程、音量、イントネーション、波長などの一致度が高いほど、魔法攻撃の効果が高くなるように魔法攻撃を発動させるようにしてもよい。さらに、S56の比較処理における再生した詠唱文章の音声データとプレイヤによる詠唱文章の音声データとの一致度は、スピード、音程、音量、イントネーション、波長などの一致度の組み合わせにより判断するようにしてもよい。
【0056】
図13は、発動された魔法攻撃のイメージの示す一例の図である。図13(A)はS56の比較処理における一致度が低い場合の魔法攻撃のイメージを表している。また、図13(B)はS56の比較処理における一致度が図13(A)よりも高い場合の魔法攻撃のイメージを表している。図13(B)の魔法攻撃は図13(A)の魔法攻撃よりも威力が増加している。なお、S60における魔法攻撃の効果の変化は威力の変化に限らず、魔法攻撃の有効範囲の変化、魔法攻撃の性質の変化、魔法攻撃の表示の変化など、様々考えられる。図13に示すように、発動される魔法攻撃は、S56の比較処理における一致度により、ゲーム画像に表示される演出や魔法攻撃による効果が異なるものとなる。
【0057】
このように、本実施形態によれば、声優等による詠唱の声に合わせてプレイヤが詠唱することにより魔法攻撃が発動させると共に、声優等による詠唱の声に一致するほど、魔法攻撃の効果が高くなるため、プレイヤによる詠唱の没入感を高めることができる。
【0058】
[変形例]
上記した図12の画面1200では、詠唱文章1210と共に、詠唱文章を詠唱するスピードの目安を視覚的に示す矢印1220を表示することで、プレイヤに詠唱文章を詠唱させていたが、図14の画面1300を表示することで、プレイヤに詠唱文章を詠唱させるようにしてもよい。
【0059】
図14はプレイヤに詠唱文章を詠唱させる画面イメージの一例の図である。図14の画面1300は詠唱文章1310が表示されると共に、詠唱の音程や音の長さ、スピードなどの目安を視覚的に示す欄1320が表示される例である。図14の例では欄1320に表示されたオブジェクト1330が左から右方向に移動することで、詠唱文章を詠唱するスピードの目安を視覚的に示している。また、図14の例では欄1320に表示されたオブジェクト1340により詠唱の音程や音の長さの目安を視覚的に示している。
【0060】
なお、図14の例ではオブジェクト1340に加え、プレイヤが行った詠唱の音程や音の長さをオブジェクト1350として表示することで、再生された詠唱との一致度を確認させながらプレイヤに詠唱を行わせることができる。また、プレイヤが行った詠唱に、加点要因の一例としての「しゃくり」「こぶし」「フォール」「ビブラート」等が含まれていた場合は、加点要因を示す印1360を表示し、再生された詠唱との一致度を上昇させるようにしてもよい。
【0061】
図14の詠唱の音程や音の長さ、スピードなどの目安を視覚的に示す欄1320は音声データにより再生される詠唱に基づいて表示させる。プレイヤは欄1320を参考にしながら、詠唱文章を声に出して詠唱できる。
【0062】
また、図12の画面1200や図14の画面1300は、声優等による詠唱の声に合わせてプレイヤが詠唱する例を示したが、声優等による詠唱を先に再生した後でプレイヤに詠唱させてもよいし、プレイヤに詠唱させた後で声優等による詠唱を再生するようにしてもよい。また、図12の画面1200や図14の画面1300は、複数音声(2名以上のプレイヤによる入力を含む)による詠唱であってもよい。例えば2名以上のプレイヤにより詠唱の入力を行った場合には、用意されている音声ファイルとの比較ではなく、入力された2名以上のプレイヤによる詠唱の「ハモり」や「テンポ」などを比較して、一致度を判断するようにしてもよい。なお、詠唱の「ハモり」とは、上下の音階を調和させて詠唱することをいう。
【0063】
さらに、図12の画面1200や図14の画面1300は一例であって、図12の画面1200の詠唱文章を詠唱するスピードの目安を視覚的に示す矢印1220や図14の画面1300の詠唱の音程や音の長さ、スピードなどの目安を視覚的に示す欄1320を省略する構成も考えられる。この場合は、プレイヤが詠唱を開始するタイミングを図12の画面1200や図14の画面1300において示す表示、音又は振動などの仕組みが必要となる。矢印1220が省略された画面1200及び欄1320が省略された画面1300では再生される詠唱に合わせることの難易度を上昇させることができる。
【0064】
また、S56は、詠唱文章の単位で比較処理を行ってもよいし、詠唱文章を構成するスペルの単位で比較処理を行ってもよい。例えば詠唱文章を構成するスペルの単位で比較処理を行う場合はスペルごとに効果を変化させるようにしてもよい。このように、詠唱文章を構成するスペルの単位で比較処理を行う場合は、詠唱の一致度が高かった一部のスペルの効果を高めることができるので、ゲームの戦略性を高めることもできる。
【0065】
開示した一実施形態に係るゲームシステム10、携帯端末20及びサーバ30は例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。また、上記した複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【0066】
例えば本実施形態ではスクロール型シューティングゲームの例を説明したが、その他のジャンルのコンピュータゲームにも適用可能である。例えばアクションゲーム、ロールプレイングゲーム、パズルゲーム、シミュレーションゲーム、スポーツゲーム、音楽ゲームやレースゲームなど、様々なジャンルのコンピュータゲームに適用できる。
【符号の説明】
【0067】
10 ゲームシステム
20 携帯端末
21 記憶部
22 制御部
23 操作部
24 表示部
25 端末側通信部
26 スペルテーブル
27 ゲームプログラム
30 サーバ
31 記憶部
32 サーバ制御部
33 サーバ側通信部
35 ゲームプログラム
36 サーバプログラム
40 ネットワーク
1210、1310 詠唱文章
図1
図2
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