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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-06
(45)【発行日】2023-02-14
(54)【発明の名称】スプレーガン
(51)【国際特許分類】
   B05B 9/01 20060101AFI20230207BHJP
【FI】
B05B9/01
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019008055
(22)【出願日】2019-01-21
(65)【公開番号】P2020116495
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】593228852
【氏名又は名称】熊田 貴之
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(72)【発明者】
【氏名】熊田 貴之
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】実開平08-000241(JP,U)
【文献】実開昭61-098557(JP,U)
【文献】特開昭52-148813(JP,A)
【文献】特開2006-218451(JP,A)
【文献】特開2004-243163(JP,A)
【文献】実開昭60-171573(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00-17/08
B05D 1/00-7/26
B08B 3/00-3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンポンプを備えたスプレーガンであって、
前記ピストンポンプが、
側面に液体が吸入される吸入口が開口し、先端に液体の吐出口が開口するシリンダと、
前記シリンダ内を往復動するピストンと、
前記シリンダ内において前記吸入口と前記吐出口との間に設けられた円環状のガスケットと、
前記ピストンの先端部及び基端部の間に設けられた連結部に収容されるシール部材と、
前記シリンダの前記吐出口に接続された逆止弁とを備え、
前記ピストンの先端部が、前記ガスケットが収容される収容凹部を備えており、
前記ガスケットが、前記収容凹部内において前記ピストンの往復動の方向に沿って移動可能に設けられていることを特徴とするスプレーガン。
【請求項2】
前記ガスケットが、前記シリンダよりも柔らかい材料で形成されている請求項1記載のスプレーガン。
【請求項3】
前記ガスケットが、前記シリンダの内壁面と嵌合する外径を有し、
前記ガスケットの内径が、前記ピストンにおいて前記収容凹部が形成されている部分の直径よりも大きく、かつ、前記ピストンにおいて前記収容凹部が形成されていない部分の直径よりも小さく設定されている請求項1記載のスプレーガン。
【請求項4】
前記ガスケットが、前記収容凹部内に収容された状態で前記シリンダの内壁面と嵌合しており、前記ピストンが前記吐出口側へ移動した際に前記収容凹部の前記吸入口側の端面と当接するように構成された請求項3記載のスプレーガン。
【請求項5】
前記ピストンの先端部の直径が、前記シリンダの内径よりも小さい請求項1記載のスプレーガン。
【請求項6】
前記先端部が、
前記吸入口と対向する側面を有する大径部と、
前記大径部よりも先端側において前記ガスケットと対向する側面が形成された小径部と、
前記小径部よりも直径が大きく、当該小径部の先端側に着脱可能に取り付けられるストッパと、を備え、
前記収容凹部が、前記小径部に前記ストッパを取り付けることにより形成される請求項3記載のスプレーガン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンポンプにより塗料や洗浄液等の液体を噴射するスプレーガンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示されるように、スプレーガンはシリンダとピストンからなるピストンポンプをケーシング内に備えたものがある。このピストンポンプのシリンダは、側面に液体が供給される吸入口、及び、先端に形成された液体の吐出口を備えている。シリンダ内からピストンが基端側へ引き抜かれると吸入口から液体がシリンダ内に吸入される。また、ピストンが先端側へと押し込まれると吸入された液体が吐出口から吐出される。
【0003】
ところで、このようなピストンポンプで十分な液体噴霧圧力を得ようとすると、シリンダとピストンとの間の嵌め合いを例えば0.01mm単位ですり合わせる必要がある。
【0004】
また、経年変化による摩耗等によってシリンダとピストンとの隙間が大きくなって、液体噴霧圧力が低下した場合には、ピストンポンプ全体を交換する必要がある。加えて、新しいピストンポンプの製造時には前述したような高い精度が要求されるので、一般ユーザが自分で部品交換することは非常に難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用登録新案公報第2586406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述したような問題に鑑みてなされたものであり、シリンダとピストンとの嵌め合いについて高い精度ですり合わせを行わなくても十分な液体噴霧圧力を得ることができ、液体噴霧圧力が低下した場合でも一部の部品を交換するだけで元の状態に戻すことが可能となるスプレーガンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明に係るスプレーガンは、ピストンポンプを備えたスプレーガンであって、前記ピストンポンプが、側面に液体が吸入される吸入口が開口し、先端に液体の吐出口が開口するシリンダと、前記シリンダ内を往復動するピストンと、前記シリンダ内において前記吸入口と前記吐出口との間に設けられた円環状のガスケットと、を備え、前記ピストンの先端部が、前記ガスケットが収容される収容凹部を備えており、前記ガスケットが、前記収容凹部内において前記ピストンの往復動の方向に沿って移動可能に設けられていることを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、前記シリンダの吐出口側に液体が充填された状態で前記ピストンを前記吐出口側に押し込まれると前記ガスケットは液体に押されて前記収容凹部内において前記吸入口側へと押し付けられる。この結果、前記ガスケットにより前記シリンダと前記ピストンとの隙間が閉鎖され、シールが形成される。このため、液体の噴射時には前記シリンダの吐出口側にある液体が前記吸入口側へと戻るのを防ぐことができる。
【0009】
このように前記ガスケットが逆止弁として作用するので、従来のように前記シリンダと前記ピストンとの間全体でシールが形成されるように高精度で嵌め合いが実現されるようにすり合わせる必要がない。
【0010】
また、経年劣化によって前記ガスケットが摩耗し、シール性が低下し、十分な液体噴霧圧力が得られなくなった場合にはこのガスケットを交換すれば、元の状態に戻すことができる。このため、前記シリンダ及び前記ピストンを交換する必要がなく、一般ユーザでも交換作業が可能となる。
【0011】
経年変化によって主に前記ガスケットに摩耗が生じ、前記シリンダ及び前記ピストンには摩耗が生じにくくして、液体噴霧圧力が低下した際に交換する部品を前記ガスケットだけに限定できるようにするには、前記ガスケットが、前記シリンダよりも柔らかい材料で形成されていればよい。
【0012】
前記ピストンが前記吸入口側へ引かれた際には前記シリンダの内壁面と前記ピストンの側面との間に前記吸入口から前記吐出口に至る流路が形成され、前記ピストンが前記吐出口側へ押し込まれた際には前記ガスケットによって前記シリンダの内壁面と前記ピストンの側面との間にシールが形成されるようにするには、前記ガスケットが、前記シリンダの内壁面と嵌合する外径を有し、前記ガスケットの内径が、前記ピストンにおいて前記収容凹部が形成されている部分の直径よりも大きく、かつ、前記ピストンにおいて前記収容凹部が形成されていない部分の直径よりも小さく設定されていればよい。
【0013】
前記吸入口と前記ピストンとの位置合わせを行わなくても液体噴出圧力の変化を生じにくくするには、前記ピストンの先端部の直径が、前記シリンダの内径よりも小さいものであればよい。
【0014】
前記ガスケットが摩耗した場合には一般ユーザでも簡単に交換できるようにするには、前記ピストンが、前記吸入口と対向する側面を有する大径部と、前記大径部よりも先端側において前記ガスケットと対向する側面が形成された小径部と、前記小径部よりも直径が大きく、当該小径部の先端側に着脱可能に取り付けられるストッパと、を備え、前記収容凹部が、前記小径部に前記ストッパを取り付けることにより形成されるものであればよい。
【発明の効果】
【0015】
このように本発明に係るスプレーガンであれば、前記ガスケットが前記ピストンに形成された収容凹部内において前記ピストンの往復動の方向に移動可能に設けられているので、ガスケットを逆止弁として作用させて液体の吐出時には前記シリンダの吐出口側に液体が前記吸入口側へと逆流しないようにシールを形成することができる。このため、前記シリンダと前記ピストンとの間には隙間を形成することができ、従来のようにシリンダの内壁面とピストンの側面との間全体でシールが形成されるように高い精度ですり合わせる必要がない。
【0016】
したがって、前記シリンダと前記ピストンが摩耗等によって経年劣化するのを防ぐことができ、前記ガスケットだけが摩耗が進行するようにできる。この結果、液体噴出圧力が低下した場合には前記ガスケットを交換するだけで元の状態にできる。また、前記ガスケットの交換だけであれば、一般ユーザであっても自分で交換作業を行う事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態におけるスプレーガンの外観を示す模式図。
図2】同実施形態におけるスプレーガンの内部構造を示す模式図。
図3】同実施形態におけるスプレーガンのピストンポンプ部分を拡大した模式的断面図。
図4】同実施形態におけるピストンポンプの動作を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態におけるスプレーガン100について図1乃至図4を参照しながら説明する。
【0019】
図1に示すスプレーガン100は、衣類等の染み抜き機として用いられるものであり、このスプレーガン100によって洗浄液は飛沫状にされて、染みのある箇所に吹き付けられる。
【0020】
図2に示すようにこのスプレーガン100は、ピストンポンプ3によって供給ホースSを介して吸入される洗浄液に圧力をかけて、ピストンポンプ3の吐出口52に設けられたノズル部4を介して飛沫状となった洗浄液を噴射する。
【0021】
より具体的には、このスプレーガン100はケーシングC内に複数の機構が収容されており、そのグリップ部分Gの内部にはモータ1が設けられている。また、ケーシングCのバレル部分Bの内部にはモータ1によって駆動されるカム機構2と、カム機構2の出力軸によりピストン6が往復駆動され、洗浄液が吐出されるピストンポンプ3と、ピストンポンプ3から吐出される洗浄液を飛沫状にするノズル部4と、が収容されている。
【0022】
以下では図3及び図4を参照しながら主にピストンポンプ3の詳細について説明する。
【0023】
図3に示すようにピストンポンプ3は、概略中空円筒状をなすシリンダ5と、シリンダ5内に挿入され、概略中実円筒状のピストン6と、ピストン6の先端側に形成された円環状の収容凹部6Dに収容される円環状のガスケット7と、を備えたものである。なお、シリンダ5及びピストン6は例えばステンレスで形成されており、ガスケット7はシリンダ5及びピストン6よりも柔らかい例えばグラファイト等の材料で形成されている。
【0024】
シリンダ5は、側面に開口し、洗浄液の供給ホースSと接続される吸入口51と、先端に開口し、ピストン6により押し出される洗浄液が吐出される吐出口52と、を備えている。また、シリンダ5の内壁面は吸入口51が形成されている部分の周囲が他の部分よりも内径が大きく形成された拡径部53が設けられている。この拡径部53によってピストン6が挿入された状態で洗浄液が流入する空間が形成される。
【0025】
ピストン6は、カム機構2の出力軸と連結される基端部61と、シリンダ5の内壁面との間に隙間を形成し、吸入口51から吐出口52までの洗浄液の流路を形成する先端部62と、からなる。また、基端部61と先端部62との間に設けられた連結部63には、シール部材631が収容される環状溝が形成されている。カム機構2によって、図4に示すようにピストン6は往復直線運動を繰り返し、洗浄液の吸入、吐出を繰り返す。なお、図3及び図4に示すようにピストン6の連結部63及びシール部材631は、ピストン6が移動してもシリンダ5の拡径部53よりも基端側に常に位置するように設けられている。
【0026】
また、シール部材631、及び、シリンダ5と基端部61との間に形成されるシールによって、洗浄液に圧力がかかった場合でもシリンダ5の基端側の開口から洗浄液が漏出しないように構成されている。このため、この実施形態ではピストンポンプ3の基端側にはドレン機構を設けていない。
【0027】
図3に示すようにピストン6の基端部61はシリンダ5の内径とほぼ同じ直径を有しており、シリンダ5の内壁面に対して軸方向にがたなく摺動するように構成されている。
【0028】
ピストン6の先端部62は、全体として基端部61よりも直径が小さく設定されており、先端部62の側面はシリンダ5の内壁面に対して所定距離離間している。
【0029】
この先端部62には、シリンダ5の吸入口51と吐出口52との間に前述したガスケット7が配置されるように当該ガスケット7を収容する円環状の収容凹部6Dが形成されている。収容凹部6Dもガスケット7と同様に円環状に形成されているが、ガスケット7よりも大きく形成されている。
【0030】
具体的には先端部62は、連結部63と隣接し、シリンダ5の吸入口51と対向する側面を有する大径部6Aと、大径部6Aよりも吐出口52側に設けられ、前記ガスケット7の内側周面と対向する小径部6Bと、小径部6Bよりも直径の大きい円板状のものであり、小径部6Bの吐出側に対して着脱可能に取り付けられるストッパ6Cと、からなる。ここで、ストッパ6Cは例えばネジ止めによって小径部6Bの吐出口52側の端面に固定される。小径部6Bに対してストッパ6Cが取り付けられることにより、大径部6Aの吐出口52側の端面、小径部6Bの側面、ストッパ6Cの吸入口51側の端面によって前述した収容凹部6Dが形成される。言い換えると、小径部6Bにストッパ6Cが取り付けられていない状態で先にガスケット7が小径部6Bの周囲に設けられ、その後ストッパ6Cを取り付けることでガスケット7は収容凹部6D内に設けられる。このため、ストッパ6Cを着脱することにより、ガスケット7については交換可能である。
【0031】
また、ストッパ6Cの側面には軸方向に延びるスロットが複数形成されており、シリンダ5の内壁面と間には隙間が形成される。このスロットを介して洗浄液が吐出口52側へと流入するように構成されている。
【0032】
小径部6Bの直径は、ガスケット7の内径よりも小さく形成されており、ガスケット7の内側周面と小径部6Bの側面との間には隙間が形成される。一方、ガスケット7の外径はシリンダ5の内径とほぼ同じもしくは若干大きく形成されており、ガスケット7の外側周面はシリンダ5の内壁面に対して嵌合する。
【0033】
また、小径部6Bの軸方向の幅寸法はガスケット7の軸方向の幅寸法よりも大きく形成されており、収容凹部6D内においてガスケット7は軸方向、すなわち、ピストン6の往復直線運動の方向に移動可能に構成されている。このため、洗浄液の圧力によってガスケット7は大径部6Aの端面、又は、ストッパ6Cの端面のいずれかに押し付けられる。
【0034】
ストッパ6Cの吐出口52側の端面により押し出された洗浄液は、シリンダ5の吐出口52の近傍に接続されたノズル部4へ流入する。ノズル部4は、弾性ばねで支持された球体により構成された逆止弁41を備えたものであり、洗浄液に所定の圧力がかかった場合にのみ開放される。
【0035】
このように構成されたスプレーガン100におけるピストンポンプ3の一巡の動作について図4を参照しながら説明する。図4(a)はピストン6が下死点にある状態を示し、図4(c)はピストン6が上死点にある状態を示す。また、図4(b)は下死点から上死点に至る途中の状態を示し、図4(d)は上死点から下死点に至る途中の状態を示す。
【0036】
図4の各図に示すように、ピストン6の動きに応じてシリンダ5の吐出口52側に形成される空間が伸縮するだけでなく、その動きに合わせてガスケット7も収容凹部6D内において移動する。
【0037】
具体的には図4(a)に示すようにピストン6が下死点にある状態ではガスケット7はストッパ6Cの吸入口51側の端面に接触した状態となる。この状態では、ピストン6により洗浄液は加圧されていないので、ストッパ6Cとガスケット7との間にはシールは形成されていない。したがって、吸入口51から吸入される洗浄液は拡径部53、ガスケット7の内側周面と小径部6Bの側面との隙間、ストッパ6Cの端面とガスケット7の端面との隙間を通って、シリンダ5の吐出口52側の空間まで流入する。
【0038】
次に図4(b)に示すようにピストン6が吐出口52側へと押し込まれ始めると、ガスケット7は大径部6Aの端面側に移動する。この際、シリンダ5の吐出口52側の空間にある洗浄液はピストン6により加圧されるので、ガスケット7は大径部6Aの端面に対して押し付けられる。この結果、ガスケット7はシールを形成して、ガスケット7と大径部6Aとの間から吸入口51側へと洗浄液が逆流しないように作用する。
【0039】
図4(c)に示すようにピストン6が上死点に至った状態では十分な液体噴出圧力が実現されて、ノズル部4の逆止弁41が開放されて洗浄液が飛沫状となった状態で外部に噴出する。
【0040】
最後に図4(d)に示すようにピストン6が引き抜かれ始めると、ガスケット7はストッパ6Cと係合した状態になり、吸入口51側へと移動する。
【0041】
このように本実施形態におけるスプレーガン100は、ピストン6の先端部62に形成された収容凹部6D内に設けられる円環状のガスケット7をピストン6の往復動の方向に移動可能に設けているので、ピストン6が押し込まれて洗浄液が加圧される際にはだけ、吸入口51側へ洗浄液が逆流するのを防ぐシールを形成することができる。
【0042】
また、ガスケット7によって逆流防止のシールを形成できるので、従来のようにシリンダ5の内壁面とピストン6の側面の全体でシールが形成されるように、精密に加工する必要がない。
【0043】
また、ピストン6の先端部62とシリンダ5の内壁面は接触していないので、原理的に摩耗は生じない。このため、洗浄液が加圧される部分においてシリンダ5の内壁面を摺動する部材はガスケット7だけに限定できるので、経年変化によって大きく摩耗が生じるのをガスケット7だけとなる。
【0044】
したがって、摩耗により洗浄液に十分な液体噴出圧力を加えられなくなった場合には、ガスケット7を交換するだけでよく、シリンダ5やピストン6を交換する必要がない。
【0045】
さらに、ガスケット7はストッパ6Cを着脱するだけで交換可能であるので、一般ユーザであっても交換作業が可能となる。
【0046】
加えて、吸入口51の周囲には拡径部53が形成されているので、ピストン6の間に隙間が必ず形成されるので、従来のように吸入口51に対してピストン6を正確に位置合わせしなくても、ほぼ同じ液体噴出圧力を実現することができる。
【0047】
その他の実施形態について説明する。
【0048】
前記実施形態では、スプレーガンは染み抜き機において洗浄液を噴霧するために用いていたが、例えば染料等を噴霧するために本発明に係るスプレーガンを用いても構わない。また、本発明に係るスプレーガンは、機械を洗浄するために用いてもよいし、室内や車内をクリーニングするために用いても構わない。
【0049】
収容凹部は、小径部に対してストッパを装着することにより形成されていたが、小径部とストッパを一体に形成し、例えば円環状の溝として形成しても構わない。
【0050】
ガスケットの材質については前記実施形態で説明したものに限られない。このましくは、シリンダ及びピストンよりもガスケットは柔らかい材質で形成されていればよい。
【0051】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形や各実施形態の一部同士の組み合わせを行っても構わない。
【符号の説明】
【0052】
100・・・スプレーガン
3 ・・・ピストンポンプ
5 ・・・シリンダ
51 ・・・吸入口
52 ・・・吐出口
6 ・・・ピストン
6A ・・・大径部
6B ・・・小径部
6C ・・・ストッパ
6D ・・・収容凹部
7 ・・・ガスケット
図1
図2
図3
図4