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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-06
(45)【発行日】2023-02-14
(54)【発明の名称】アスファルト供給装置
(51)【国際特許分類】
   E01C 19/10 20060101AFI20230207BHJP
【FI】
E01C19/10 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019056813
(22)【出願日】2019-03-25
(65)【公開番号】P2020158981
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000232508
【氏名又は名称】日本道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】浅井 友章
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-024405(JP,A)
【文献】特開2004-225251(JP,A)
【文献】特開2001-279609(JP,A)
【文献】米国特許第04218145(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスファルト合材の構成材料であるアスファルトを貯蔵し、アスファルト入口とアスファルト出口とを備えているアスファルトタンクと、
空気圧で作動するアクチュエータで駆動することで、前記アスファルトタンクのアスファルト入口を開閉する入口側切替コックと、
空気圧で作動するアクチュエータで駆動することで、前記アスファルトタンクのアスファルト出口を開閉する出口側切替コックと、
前記入口側切替コックを駆動するための空気圧、前記出口側切替コックを駆動するための空気圧のうちの少なくともいずれかの空気圧を、もっぱら前記入口側切替コックや前記出口側切替コックを駆動させるために蓄える専用のエアータンクと、
エアーコンプレッサと圧力スイッチとを有し、
前記エアータンクには、前記エアーコンプレッサから圧縮空気が供給されるようになっており、前記圧力スイッチは、前記エアータンク内の空気の圧力を検出するようになっており、前記エアータンク内の空気の圧力が所定の値よりも低くなったときには、前記エアーコンプレッサから前記エアータンクに圧縮空気を供給し、前記エアータンク内の空気の圧力が所定の値よりも高くなったときには、前記エアーコンプレッサから前記エアータンクへの圧縮空気の供給を停止するように構成されていることを特徴とするアスファルト供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアスファルト供給装置において、
前記アスファルトを移送するためのポンプと、
前記アスファルトを計量する計量器と、
前記専用のエアータンクに蓄えられている空気圧で作動するアクチュエータで駆動することで、前記計量器と前記アスファルトタンクとの間におけるアスファルトの流路を開閉する計量器側切替コックと、
を有し、前記ポンプを稼働しているときに前記入口側切替コックと前記出口側切替コックと前記計量器側切替コックとを切替えることで、前記アスファルトタンクから出てきたアスファルトを前記アスファルトタンクに戻す動作状態、前記アスファルトタンクから出てきたアスファルトを前記計量器に流す動作状態にすることができるように構成されていることを特徴とするアスファルト供給装置。
【請求項3】
請求項1に記載のアスファルト供給装置において、
前記アスファルトを移送するためのポンプと、
前記アスファルトを計量する計量器と、
前記専用のエアータンクに蓄えられている空気圧で作動するアクチュエータで駆動することで、前記計量器と前記アスファルトタンクとの間におけるアスファルトの流路を開閉する計量器側切替コックと、
を有し、
前記アスファルトタンクは複数設けられており、
前記複数のアスファルトタンクのそれぞれに、前記入口側切替コックと前記出口側切替コックとが設けられており、
前記専用のエアータンクは、総ての前記入口側切替コックと総ての前記出口側切替コックと前記計量器側切替コックを駆動するための空気圧を蓄えるように構成されており、
前記ポンプを稼働しているときに前記各入口側切替コックと前記各出口側切替コックと前記計量器側切替コックとを切替えることで、前記各アスファルトタンクのうちの少なくとも所定の1つのアスファルトタンクから出てきたアスファルトを前記所定の1つのアスファルトタンクに戻す動作状態、前記各アスファルトタンクのうちの少なくとも所定の1つのアスファルトタンクから出てきたアスファルトを前記計量器に流す動作状態にすることができるように構成されていることを特徴とするアスファルト供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアスファルト供給装置に係り、特に、流体圧で駆動する切替コックを有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気圧で駆動する切替コックを有するアスファルト供給装置301が知られている(図1参照)。従来のアスファルト供給装置301は、複数のアスファルトタンク303(303A、303B、303C、303D)と切替コック305とポンプ307と計量器309とを備えて構成されている。
【0003】
従来のアスファルト供給装置301では、ポンプ307が稼働しているときに、切替コック305を適宜切替えることで、アスファルトタンク303A(303B、303C、303D)から出てきたアスファルトを計量器309に送るか、アスファルトタンク303から出てきたアスファルトをアスファルトタンク303A(303B、303C、303D)に戻すようになっている。
【0004】
ここで、従来の技術に関する文献として、たとえば特許文献1を掲げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-24405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来のアスファルト供給装置301では、切替コック305が、上述したように、空気圧で稼働するエアーシリンダで駆動するようになっている。さらに説明すると、切替コック305が、パイロット式の切替弁のように構成されており、空気圧シリンダによって切替コック305のメインシートが開閉するようになっている(空気圧シリンダが切替コック305のメインの弁体を駆動するようになっている)。
【0007】
したがって、従来のアスファルト供給装置301では、エアーコンプレッサからのエアーの供給が途絶えると、切替コック305での切替えができないことになる。
【0008】
また、アスファルト供給装置301を停止するときには、エアーコンプレッサの停止後に、アスファルト供給装置301の操作盤で電源を切ると、切替コック305を作動させる空気圧シリンダが動作しないときがある。
【0009】
すなわち、エアーコンプレッサが停止することで、切替コック305の弁体を駆動する空気圧シリンダに供給されるエアー量と圧力が不足し、切替コック305が完全に切り替わらず、たとえば、アスファルトタンク303A内のアスファルトが、アスファルトタンク303B内に入ってしまうことがある。
【0010】
本発明は、エアーコンプレッサで生成されたエアー(エアーの圧力)で作動するアクチュエータで稼働する切替コックを備えたアスファルトプラントにおいて、エアーコンプレッサが停止した場合であっても、切替コックを稼働させることができるものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、アスファルト合材の構成材料であるアスファルトを貯蔵し、アスファルト入口とアスファルト出口とを備えているアスファルトタンクと、空気圧で作動するアクチュエータで駆動することで、前記アスファルトタンクのアスファルト入口を開閉する入口側切替コックと、空気圧で作動するアクチュエータで駆動することで、前記アスファルトタンクのアスファルト出口を開閉する出口側切替コックと、前記入口側切替コックを駆動するための空気圧、前記出口側切替コックを駆動するための空気圧のうちの少なくともいずれかの空気圧を、もっぱら前記入口側切替コックや前記出口側切替コックを駆動させるために蓄える専用のエアータンクと、エアーコンプレッサと圧力スイッチとを有し、前記エアータンクには、前記エアーコンプレッサから圧縮空気が供給されるようになっており、前記圧力スイッチは、前記エアータンク内の空気の圧力を検出するようになっており、前記エアータンク内の空気の圧力が所定の値よりも低くなったときには、前記エアーコンプレッサから前記エアータンクに圧縮空気を供給し、前記エアータンク内の空気の圧力が所定の値よりも高くなったときには、前記エアーコンプレッサから前記エアータンクへの圧縮空気の供給を停止するように構成されているアスファルト供給装置である。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアスファルト供給装置において、前記アスファルトを移送するためのポンプと、前記アスファルトを計量する計量器と、前記専用のエアータンクに蓄えられている空気圧で作動するアクチュエータで駆動することで、前記計量器と前記アスファルトタンクとの間におけるアスファルトの流路を開閉する計量器側切替コックとを有し、前記ポンプを稼働しているときに前記入口側切替コックと前記出口側切替コックと前記計量器側切替コックとを切替えることで、前記アスファルトタンクから出てきたアスファルトを前記アスファルトタンクに戻す動作状態、前記アスファルトタンクから出てきたアスファルトを前記計量器に流す動作状態にすることができるように構成されているアスファルト供給装置である。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のアスファルト供給装置において、前記アスファルトを移送するためのポンプと、前記アスファルトを計量する計量器と、前記専用のエアータンクに蓄えられている空気圧で作動するアクチュエータで駆動することで、前記計量器と前記アスファルトタンクとの間におけるアスファルトの流路を開閉する計量器側切替コックとを有し、前記アスファルトタンクは複数設けられており、前記複数のアスファルトタンクのそれぞれに、前記入口側切替コックと前記出口側切替コックとが設けられており、前記専用のエアータンクは、総ての前記入口側切替コックと総ての前記出口側切替コックと前記計量器側切替コックを駆動するための空気圧を蓄えるように構成されており、前記ポンプを稼働しているときに前記各入口側切替コックと前記各出口側切替コックと前記計量器側切替コックとを切替えることで、前記各アスファルトタンクのうちの少なくとも所定の1つのアスファルトタンクから出てきたアスファルトを前記所定の1つのアスファルトタンクに戻す動作状態、前記各アスファルトタンクのうちの少なくとも所定の1つのアスファルトタンクから出てきたアスファルトを前記計量器に流す動作状態にすることができるように構成されているアスファルト供給装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、エアーコンプレッサで生成されたエアー(エアーの圧力)で作動するアクチュエータで稼働する切替コックを備えたアスファルトプラントにおいて、エアーコンプレッサが停止した場合であっても、切替コックを稼働させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係るアスファルト供給装置の概略構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係るアスファルト供給装置の概略構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係るアスファルト供給装置のエアータンクまわりの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に係るアスファルト供給装置1は、道路等の舗装に使用されるアスファルト合材を生産するアスファルトプラントにアスファルトを供給するものであり、図2で示すように、アスファルトタンク3と入口側切替コック(入口側切り換え弁)5と出口側切替コック(出口側切り換え弁)7と専用の流体タンク9とを備えて構成されている。
【0017】
アスファルトタンク3は、アスファルト合材の構成材料であるアスファルトを格納(貯蔵)するようになっており、アスファルト入口11とアスファルト出口13とを備えている。
【0018】
入口側切替コック5は、流体圧で作動するアクチュエータ(たとえば、空気圧シリンダ;油圧シリンダ等の流体圧シリンダでもよい)15で駆動することで、アスファルトタンク3のアスファルト入口11を開閉するようになっている。
【0019】
出口側切替コック7も、入口側切替コック5と同様に、流体圧で作動するアクチュエータ17で駆動することで、アスファルトタンク3のアスファルト出口13を開閉するようになっている。
【0020】
専用の流体タンク(専用の流体圧タンク;たとえば、専用のエアータンク)9は、空気圧を蓄えるアキュムレータとしての機能を有し、入口側切替コック5を駆動するための流体圧(入口側切替コック駆動用の圧縮空気)と出口側切替コック7を駆動するための流体圧との両方の流体圧を蓄えるようになっている。
【0021】
なお、専用の流体タンク9に蓄えられる空気圧は、もっぱら入口側切替コック5や出口側切替コック7を駆動させるためものである。
【0022】
すなわち、1つの専用の流体タンク(1系統の複数の流体タンクでもよい)9で、入口側切替コック5を駆動するための流体圧と出口側切替コック7を駆動するための流体圧との両方の流体圧のみを蓄えるようになっている。
【0023】
なお、専用の流体タンク9が、入口側切替コック5を駆動するための流体圧、出口側切替コック7を駆動するための流体圧のうちの少なくともいずれかの流体圧のみを蓄えるよう構成されていてもよい。また、専用の流体タンク9を2つ(2系統でもよい)設け、1つの専用の流体タンク9が入口側切替コック5を駆動するための流体圧のみを蓄え、他の1つの専用の流体タンク9が出口側切替コック7を駆動するための流体圧のみを蓄えるよう構成してもよい。
【0024】
また、アスファルト供給装置1には、アスファルトを移送するためのポンプ19と、アスファルトを計量する計量器21と、計量器21とアスファルトタンク3との間のアスファルト流路を開閉する計量器側切替コック23とが設けられている。
【0025】
そして、ポンプ19を稼働しているときに入口側切替コック5と出口側切替コック7と計量器側切替コック23とを適宜切替えることで、次に示すアスファルト循環状態もしくはアスファルト計量器供給状態にすることができるように構成されている。
【0026】
アスファルト循環状態は、アスファルトタンク3から出てきたアスファルトを、計量器21に流すことなく、アスファルトタンク3に戻す動作状態であり、アスファルト計量器供給状態は、アスファルトタンク3から出てきたアスファルトを、アスファルトタンク3に戻すことなく、計量器21に流す動作状態である。
【0027】
アスファルト計量器供給状態で、計量器21を通過して計量されたアスファルトは、ミキサー10に供給され、骨材やフィラーと混合され、道路等の舗装に使用されるアスファルト合材が生産されるようになっている。
【0028】
アスファルトタンク3(3A、3B、3C、3D)は複数(たとえば4つ)設けられている。
【0029】
複数のアスファルトタンク3それぞれの内部には、アスファルトが格納されているが、たとえば、複数のアスファルトタンク3A、3B、3C、3Dそれぞれに内部に格納されているアスファルトは、これらの仕様がお互いに異なっている。
【0030】
すなわち、アスファルトタンク3Aに格納されているアスファルトの性状とアスファルトタンク3Bに格納されているアスファルトの性状とはお互いに異なっている。そして、ある所定の仕様のアスファルト合材を生産する場合には、アスファルトタンク3Aに格納されているアスファルトを所定量用いるようになっている。
【0031】
また、別の所定の仕様のアスファルト合材を生産する場合には、アスファルトタンク3Aに格納されている所定量のアスファルトと、アスファルトタンク3Bに格納されている所定量のアスファルトとを用いるようになっている。
【0032】
入口側切替コック5(5A、5B、5C、5D)も、アスファルトタンク3に対応して複数(たとえば4つ)設けられている。出口側切替コック7(7A、7B、7C、7D)も、アスファルトタンク3に対応して複数(たとえば4つ)設けられている。すなわち、複数のアスファルトタンク3のそれぞれに、入口側切替コック5と出口側切替コック7とが設けられている。
【0033】
さらに説明すると、アスファルトタンク3Aのアスファルト入口11Aの近傍には、入口側切替コック5Aが設けられており、アスファルトタンク3Bのアスファルト入口11Bの近傍には、入口側切替コック5Bが設けられており、アスファルトタンク3Cのアスファルト入口11Cの近傍には、入口側切替コック5Cが設けられており、アスファルトタンク3Dのアスファルト入口11Dの近傍には、入口側切替コック5Dが設けられている。
【0034】
また、アスファルトタンク3Aのアスファルト出口13Aの近傍には、出口側切替コック7Aが設けられており、アスファルトタンク3Bのアスファルト出口13Bの近傍には、出口側切替コック7Bが設けられており、アスファルトタンク3Cのアスファルト出口13Cの近傍には、出口側切替コック7Cが設けられており、アスファルトタンク3Dのアスファルト出口13Dの近傍には、出口側切替コック7Dが設けられている。
【0035】
専用の流体タンク9は、上述したように、総ての入口側切替コック5と総ての出口側切替コック7とを駆動するための圧縮空気を蓄えるものである。
【0036】
そして、ポンプ19を稼働しているときに各入口側切替コック5と各出口側切替コック7と計量器側切替コック23とを適宜切替えることで、上述したアスファルト循環状態もしくは上述したアスファルト計量器供給状態にすることができるようになっている。
【0037】
さらに詳しく説明すると、入口側切替コック5Aは、空気圧シリンダ15Aで駆動するようになっており、入口側切替コック5Bは、空気圧シリンダ15Bで駆動するようになっており、入口側切替コック5Cは、空気圧シリンダ15Cで駆動するようになっており、入口側切替コック5Dは、空気圧シリンダ15Dで駆動するようになっている。
【0038】
また、出口側切替コック7Aは、空気圧シリンダ17Aで駆動するようになっており、出口側切替コック7Bは、空気圧シリンダ17Bで駆動するようになっており、出口側切替コック7Cは、空気圧シリンダ17Cで駆動するようになっており、出口側切替コック7Dは、空気圧シリンダ17Dで駆動するようになっている。
【0039】
計量器側切替コック23は、入口側切替コック5等と同様にして、流体圧で作動するアクチュエータ(たとえば、空気圧シリンダ;油圧シリンダ等の流体圧シリンダでもよい)25で駆動することで、アスファルトの流路を切り換えるようになっている。
【0040】
専用の流体タンク9に蓄えられている圧縮空気は、各空気圧シリンダ15と各空気圧シリンダ17とに加えて、空気圧シリンダ25を作動させるためにも使用されるようになっている。
【0041】
ここで、アスファルト供給装置1についてさらに詳しく説明する。図1の参照符号27は、入口側切替コック5、出口側切替コック7、計量器側切替コック23の弁体を模式的に示している。図1の参照符号29は、弁体27に設けられているアスファルトの流路を模式的に示している。
【0042】
入口側切替コック5Aの弁体27は、空気圧シリンダ15Aによりたとえば回動し、参照符号5Aaで示す姿勢と、参照符号5Abで示す姿勢とのうちのいずれかの姿勢をとるようになっている。
【0043】
同様にして、入口側切替コック5Bの弁体27も、参照符号5Baで示す姿勢と、参照符号5Bbで示す姿勢とのうちのいずれかの姿勢をとり、入口側切替コック5Cの弁体27も、参照符号5Caで示す姿勢と、参照符号5Cbで示す姿勢とのうちのいずれかの姿勢をとり、入口側切替コック5Dの弁体27も、参照符号5Daで示す姿勢と、参照符号5Dbで示す姿勢とのうちのいずれかの姿勢をとるようになっている。
【0044】
また、出口側切替コック7Aの弁体27も、参照符号7Aaで示す姿勢と、参照符号7Bbで示す姿勢とのうちのいずれかの姿勢をとり、出口側切替コック7Bの弁体27も、参照符号7Baで示す姿勢と、参照符号7Bbで示す姿勢とのうちのいずれかの姿勢をとり、出口側切替コック7Cの弁体27も、参照符号7Caで示す姿勢と、参照符号7Cbで示す姿勢とのうちのいずれかの姿勢をとり、出口側切替コック7Dの弁体27も、参照符号7Daで示す姿勢と、参照符号7Dbで示す姿勢とのうちのいずれかの姿勢をとり、計量器側切替コック23の弁体27も、参照符号23aで示す姿勢と、参照符号23bで示す姿勢とのうちのいずれかの姿勢をとるようになっている。
【0045】
また、アスファルト供給装置1には、エアーコンプレッサ31と圧力スイッチ33とが設けられている。エアータンク9には、エアーコンプレッサ31から圧縮空気が供給されるようになっている。圧力スイッチ33は、エアータンク9内の空気の圧力を検出するようになっている。そして、エアータンク9内の空気の圧力が所定の値よりも低くなったときには、エアーコンプレッサ31からエアータンク9に圧縮空気を供給し、エアータンク9内の空気の圧力が所定の値よりも高くなったときには、エアーコンプレッサ31からエアータンク9への圧縮空気の供給を停止するようになっている。
【0046】
ここで、エアーコンプレッサ31や専用の流体タンク9などについて、図3を参照しつつさらに詳しく説明する。
【0047】
エアーコンプレッサ31は、エアーコンプレサ本体(圧縮機)35とエアータンク37とを備えて構成されている。エアーコンプレサ本体35は、モータ等の原動機で駆動することで空気を圧縮しこの圧縮した空気を吐出するようになっている。エアータンク37は、エアーコンプレサ本体35に付属しているものであり、エアーコンプレサ本体35から吐出された圧縮空気を蓄え、この蓄えた圧縮空気を吐出するようになっている。
【0048】
エアータンク37から吐出された圧縮空気は、枝分かれしている空気流路(配管)45を通って、稼働に圧縮空気を必要とする機器(たとえば、アスファルトプラント39、リサイクルプラント41、その他の装置43、アスファルト供給装置1)に供給されて消費されるようになっている。
【0049】
配管45の枝分かれしている部位47とアスファルト供給装置1との間で延びている空気流路(アスファルト供給装置用空気流路)49の途中には、逆止弁(チェク弁)51が設けられている。この逆止弁51によって、枝分かれしている部位47からアスファルト供給装置1に向かって圧縮空気が流れるが、アスファルト供給装置1から枝分かれしている部位47に向かっては圧縮空気が流れないようになっている。
【0050】
また、アスファルト供給装置用空気流路49の、逆止弁51とアスファルト供給装置1との間で延びている部位には、専用の流体タンク9と圧力スイッチ33とが接続されている。なお、アスファルト供給装置用空気流路49には、駆動に圧縮空気を使用する他の機器は接続されていない。
【0051】
したがって、専用の流体タンク9に蓄えられる圧縮空気圧は、アスファルトプラント39、リサイクルプラント41やその他の装置43に消費されることなく、もっぱらアスファルト供給装置1の入口側切替コック5や出口側切替コック7を駆動させるために消費されるようになっている。
【0052】
ここで、アスファルト供給装置1の動作を説明する。
【0053】
まず、アスファルトタンク3A内のアスファルトを計量器21に供給する場合についてする。
【0054】
このときには、ポンプ19が稼働しており、出口側切替コック7Aの弁体27が参照符号7Aaで示す姿勢になっており、計量器側切替コック23の弁体27が参照符号23aで示す姿勢になっている。
【0055】
これにより、所定量のアスファルトが、アスファルトタンク3Aからミキサー10に供給される。
【0056】
次に、アスファルトタンク3A内のアスファルトをアスファルトタンク3Aに戻す場合についてする。
【0057】
このときにも、ポンプ19が稼働しており、出口側切替コック7Aの弁体27が参照符号7Aaで示す姿勢になっており、計量器側切替コック23の弁体27が参照符号23bで示す姿勢になっており、入口側切替コック5Aの弁体27が参照符号5Aaで示す姿勢になっている。
【0058】
これにより、アスファルトタンク3Aから出てきたアスファルトがアスファルトタンク3Aに戻る。
【0059】
次に、アスファルトタンク3B内のアスファルトを計量器21に供給する場合についてする。
【0060】
このときにも、ポンプ19が稼働しており、出口側切替コック7Aの弁体27が参照符号7Abで示す姿勢になっており、出口側切替コック7Bの弁体27が参照符号7Baで示す姿勢になっており、計量器側切替コック23の弁体27が参照符号23aで示す姿勢になっている。
【0061】
次に、アスファルトタンク3B内のアスファルトをアスファルトタンク3Bに戻す場合についてする。
【0062】
このときにも、ポンプ19が稼働しており、出口側切替コック7Aの弁体27が参照符号7Abで示す姿勢になっており、出口側切替コック7Bの弁体27が参照符号7Baで示す姿勢になっており、計量器側切替コック23の弁体27が参照符号23bで示す姿勢になっており、入口側切替コック5Aの弁体27が参照符号5Abで示す姿勢になっており、入口側切替コック5Bの弁体27が参照符号5Baで示す姿勢になっている。
【0063】
以上、アスファルトタンク3A、3Bにおけるアスファルトの移送について説明したが、アスファルトタンク3Cやアスファルトタンク3Dにおけるアスファルトの移送も同様になされる。
【0064】
アスファルト供給装置1によれば、入口側切替コック5を駆動するための流体圧、出口側切替コック7を駆動するための流体圧、計量器側切替コック23を駆動するための流体圧を蓄える専用の流体タンク9を備えているので、エアーコンプレッサ31が停止した場合であっても、切替コック5、7、23を駆動させることができる。
【0065】
したがって、アスファルト供給装置1を停止するとき、エアーコンプレッサ31の停止後、アスファルト供給装置1の操作盤で切替コック5、7、23の切替えをするときに、切替コック5、7、23を駆動するシリンダ15、17、25を作動させることができる。
【0066】
また、アスファルト供給装置1によれば、計量器側切替コック23によって計量器21で計量されるスファルトの量を決めることができるので、ポンプ19のオン・オフでアスファルトの量を決める場合に比べて、正確な量のアスファルトを計量器21へ送ることができる。
【0067】
また、アスファルト供給装置1によれば、ポンプ19を稼働しているときに各入口側切替コック5と各出口側切替コック7と計量器側切替コック23とを切替えることで、所定の1つのアスファルトタンク3(たとえば3A)から出てきたアスファルトを上記所定の1つのアスファルトタンク3(たとえば3A)に戻す動作状態にすることができるので、所定の1つのアスファルトタンク3(たとえば3A)内のアスファルトが、他のアスファルトタンク3(たとえば3B)内に入ってしまうことが防止され、仕様(性状)の異なったアスファルトがお互いに混ざってしまうことが防止される。
【0068】
また、ポンプ19を稼働しているときに各入口側切替コック5と各出口側切替コック7と計量器側切替コック23とを切替えることで、所定の1つのアスファルトタンク3から出てきたアスファルトをアスファルトタンク3に戻すことなく計量器21に流す動作状態にすることができるので、所定の1つのアスファルトタンク3内のアスファルトのみを計量器21で計量することができる。
【0069】
なお、上記説明では、入口側切替コック5を駆動する空気圧シリンダ15と、出口側切替コック7を駆動する空気圧シリンダ17とが別の空気圧シリンダになっているが、入口側切替コック5を駆動する空気圧シリンダで出口側切替コックを駆動するように構成してもよい(空気圧シリンダを共用してもよい)。
【0070】
たとえば、入口側切替コック5Aで駆動する空気圧シリンダ15Aで、出口側切替コック7Aを駆動するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 アスファルト供給装置
3、3A、3B、3C、3D アスファルトタンク
5、5A、5B、5C、5D 入口側切替コック
7、7A、7B、7C、7D 出口側切替コック
9 専用の流体タンク
11、11A、11B、11C、11D アスファルト入口
13、13A、13B、13C、13D アスファルト出口
15、15A、15B、15C、15D アクチュエータ(空気圧シリンダ)
17、17A、17B、17C、17D アクチュエータ(空気圧シリンダ)
19 ポンプ
25 アクチュエータ
23 計量器側切替コック
図1
図2
図3