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特許7221929容量性流体レベル検出のためのレセプタクルホルダ、システム、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-06
(45)【発行日】2023-02-14
(54)【発明の名称】容量性流体レベル検出のためのレセプタクルホルダ、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/04 20060101AFI20230207BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20230207BHJP
   G01F 23/26 20220101ALI20230207BHJP
   C12Q 1/6844 20180101ALN20230207BHJP
【FI】
G01N35/04 H
C12M1/00 A
G01F23/26 B
C12Q1/6844 Z
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2020500836
(86)(22)【出願日】2018-07-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-31
(86)【国際出願番号】 US2018041286
(87)【国際公開番号】W WO2019014124
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-07-06
(31)【優先権主張番号】62/530,743
(32)【優先日】2017-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500169900
【氏名又は名称】ジェン-プローブ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ファム, チュン キュー.
(72)【発明者】
【氏名】ジェファーズ, ジェリー ダブリュー. ザ セカンド
(72)【発明者】
【氏名】ビュゼ, デイビット
(72)【発明者】
【氏名】グラブス, スティーブン ジー.
【審査官】北条 弥作子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-189633(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0059386(US,A1)
【文献】特開2004-093518(JP,A)
【文献】特開2014-145661(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0256806(US,A1)
【文献】特開昭62-289769(JP,A)
【文献】特開平11-133035(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0322822(US,A1)
【文献】特表2016-513975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-35/10
C12M 1/00- 3/10
C12Q 1/00- 3/00
G01F 23/00
G01F 23/14-23/2965
G01F 23/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの体収容レセプタクルを支持するためのレセプタクルホルダであって、
本体であって、
第1の体収容レセプタクルを受容するように構成されている第1の凹部および前記本体の外部上部表面を画定する電気伝導性部分と、
前記電気伝導性部分に取り付けられた非電気伝導性部分と、を備える、本体と、
前記本体の前記非電気伝導性部分上に配置されており、かつ前記レセプタクルホルダに関する情報を記憶する、RFIDトランスポンダと、を備える、レセプタクルホルダ。
【請求項2】
前記第1の凹部内に受容された前記第1の体収容レセプタクルを更に備える、請求項1に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項3】
前記電気伝導性部分が、第2の体収容レセプタクルを受容するように構成されている第2の凹部を更に画定する、請求項1または2に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項4】
前記第1の凹部および前記第2の凹部が、類似の寸法を有する、請求項3に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項5】
前記第1の凹部および前記第2の凹部が、異なる寸法を有する、請求項3に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項6】
前記第1の凹部が、前記第1の体収容レセプタクルの形状に適合する、請求項1~5のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項7】
前記非電気伝導性部分が、凹部を画定し、
前記RFIDトランスポンダが、前記非電気伝導性部分によって画定された前記凹部内に完全に配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項8】
前記レセプタクルホルダに関する前記情報が、(a)レセプタクル識別子、(b)ホルダ識別子、および(c)前記第1の体収容レセプタクル内に収容された体を使用して実施されるプロセスの識別子のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項9】
前記レセプタクルホルダに関する前記情報が、(a)前記レセプタクル識別子、および(b)前記ホルダ識別子のうちの少なくとも1つを含み、
(a)前記レセプタクル識別子、および(b)前記ホルダ識別子のうちの前記少なくとも1つの各々が、前記第1の体収容レセプタクル内に収容された体を使用してどのプロセスが実施されるかを示す、請求項8に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項10】
前記電気伝導性部分が、単一の単片である、請求項1~9のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項11】
前記非電気伝導性部分が、単一の単片である、請求項1~10のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項12】
前記非電気伝導性部分が、(a)前記第1の体収容レセプタクルの一部分を受容するように構成されており、かつ(b)前記電気伝導性部分の前記第1の凹部と軸方向に整列している、チャネルを画定する、請求項1~11のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項13】
前記非電気伝導性部分が、少なくとも1つの締結具を使用して前記電気伝導性部分に締結されている、請求項1~12のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項14】
前記第1の体収容レセプタクル内の体を使用して実施されるプロセスを識別するためのユーザ提供表示を受容するように構成されている表面を更に備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項15】
前記ユーザ提供表示を受容するように構成されている前記表面が、乾燥消去書き込み表面を備え、
前記ユーザ提供表示が、筆記具からの非永続的なマーキングを備える、請求項14に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項16】
少なくとも1つの体収容レセプタクルを支持するためのレセプタクルホルダであって、
本体であって、
第1の体収容レセプタクルを受容するように構成されている第1の凹部を画定する非電気伝導性部分と、
電気伝導体であって、
前記第1の凹部の一部分に隣接する第1の電気伝導性部分と、
前記第1の電気伝導性部分に電気的に結合されており、かつ前記レセプタクルホルダから分離した電気接地または電圧源に電気的に結合されるように構成されている、第2の電気伝導性部分と、を備える、電気伝導体と、を備える、本体と、
前記非電気伝導性部分上に配置されており、かつ前記レセプタクルホルダに関する情報を記憶する、RFIDトランスポンダと、を備える、レセプタクルホルダ。
【請求項17】
前記第1の電気伝導性部分が、前記第1の体収容レセプタクルの閉鎖された端部を受容するように構成されている凹部を画定し、前記第1の電気伝導性部分の前記凹部が、前記第1の体収容レセプタクルの前記閉鎖された端部の形状に適合する、請求項16に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項18】
前記第2の電気伝導性部分が、前記本体の外部表面を画定する、請求項16または17に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項19】
前記外部表面が、前記本体の底部表面を備える、請求項18に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項20】
前記第1の電気伝導性部分および前記第2の電気伝導性部分が、個別の構成要素である、請求項16~19のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項21】
前記第1の電気伝導性部分が、前記第2の電気伝導性部分に取り付けられている、請求項20に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項22】
前記第1の電気伝導性部分および前記第2の電気伝導性部分が、単一の単片を形成する一体的な構成要素である、請求項16~19のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項23】
前記第1の凹部内に受容された前記第1の体収容レセプタクルを更に備える、請求項16~22のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項24】
前記非電気伝導性部分が、第2の体収容レセプタクルを受容するように構成されている第2の凹部を更に画定する、請求項16~23のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項25】
前記第1の凹部および前記第2の凹部が、類似の寸法を有する、請求項24に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項26】
前記第1の凹部および前記第2の凹部が、異なる寸法を有する、請求項24に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項27】
前記非電気伝導性部分が、凹部を画定し、
前記RFIDトランスポンダが、前記非電気伝導性部分によって画定された前記凹部内に完全に配置されている、請求項16~26のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項28】
前記レセプタクルホルダに関する前記情報が、(a)レセプタクル識別子、(b)ホルダ識別子、および(c)前記第1の体収容レセプタクル内に収容された体を使用して実施されるプロセスの識別子のうちの少なくとも1つを含む、請求項16~27のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項29】
レセプタクルホルダに関する前記情報が、(a)前記レセプタクル識別子、および(b)前記ホルダ識別子のうちの少なくとも1つを含み、
(a)前記レセプタクル識別子、および(b)前記ホルダ識別子のうちの前記少なくとも1つの各々が、前記第1の体収容レセプタクル内に収容された体を使用してどのプロセスが実施されるかを示す、請求項28に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項30】
前記非電気伝導性部分が、単一の単片である、請求項16~29のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項31】
前記第1の体収容レセプタクル内の体を使用して実施されるプロセスを識別するためのユーザ提供表示を受容するように構成されている表面を更に備える、請求項16~30のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
【請求項32】
前記ユーザ提供表示を受容するように構成されている前記表面が、乾燥消去書き込み表面を備え、
前記ユーザ提供表示が、筆記具からの非永続的なマーキングを備える、請求項31に記載のレセプタクルホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容量性技法を通して流体レベルを検出するための流体収容レセプタクルおよびシステムを支持するホルダ、ならびに関連する使用方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
サンプルを処理している間、サンプル処理器
.具は、レセプタクル内に収容された流体を消費して、それによって流体レベルを低下させることができる。正確に流体移送を制御するために、サンプル処理器具は、例えば、容量性流体レベル感知を使用して、レセプタクル内で流体レベルを検出することができる。容量性流体レベル感知で、流体収容レセプタクル内の流体は、電気接地または電圧源に容量結合され、それによってコンデンサの1つの伝導体を形成する。この電気的結合は、流体収容レセプタクルを支持するホルダを形成するために、電気伝導性材料を使用して達成することができる。しかしながら、電気伝導性材料は、レセプタクルホルダ上のRFIDトランスポンダとサンプル処理器具のRFIDリーダとの間の情報送信に干渉することができる。例えば、電気伝導性材料は、RFIDトランスポンダへ、またはそこから放出されるエネルギーを反射し、情報送信を劣化させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体収容レセプタクルを支持するためのレセプタクルホルダは、本体およびRFIDトランスポンダを含むことができる。本体は、第1の流体収容レセプタクルを受容するように構成されている第1の凹部を画定する電気伝導性部分と、電気伝導性部分に取り付けられた非電気伝導性部分と、を含むことができる。RFIDトランスポンダは、本体の非電気伝導性部分上に配置されており、かつレセプタクルホルダに関する情報を記憶する。レセプタクルホルダはまた、第1の凹部内に受容された第1の流体収容レセプタクルを含むことができる。
【0004】
レセプタクルホルダはまた、第1の流体収容レセプタクル内の流体を使用して実施されるプロセスのユーザ提供インジケータを受容するように構成されている表面を更に含むことができる。この表面は、乾燥消去書き込み表面を含むことができ、ユーザ提供インジケータは、筆記具からの非永続的なマーキングであり得る。
【0005】
電気伝導性部分は、第2の流体収容レセプタクルを受容するように構成されている第2の凹部を更に画定することができる。第1の凹部および第2の凹部は、類似の寸法を有することができるか、または第1の凹部および第2の凹部は、異なる寸法を有することができる。電気伝導性部分は、単一の単片であり得る。
【0006】
第1の凹部は、第1の流体収容レセプタクルの形状に適合することができる。
【0007】
非電気伝導性部分は、凹部を画定することができ、RFIDトランスポンダは、非電気伝導性部分によって画定された凹部内に完全に配置され得る。非電気伝導性部分は、単一の単片であり得る。
【0008】
非電気伝導性部分は、第1の流体収容レセプタクルの一部分を受容するように構成されており、かつ電気伝導性部分の第1の凹部と軸方向に整列している、チャネルを画定することができる。非電気伝導性部分は、少なくとも1つの締結具を使用して電気伝導性部分に締結され得る。
【0009】
レセプタクルホルダに関する情報は、(a)レセプタクル識別子、(b)ホルダ識別子、および(c)第1の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施されるプロセスの識別子のうちの少なくとも1つを含むことができる。(a)レセプタクル識別子、および(b)ホルダ識別子のうちの少なくとも1つは、第1の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施されるプロセスとの既知の関連を有することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体収容レセプタクルを支持するためのレセプタクルホルダは、本体およびRFIDトランスポンダを含むことができる。本体は、第1の流体収容レセプタクルを受容するように構成されている第1の凹部を画定する非電気伝導性部分と、電気伝導体と、を含むことができる。電気伝導体は、第1の凹部の一部分に隣接する第1の電気伝導性部分を含むことができる。電気伝導体はまた、第1の電気伝導性部分に電気的に結合されており、かつレセプタクルホルダから分離した電気接地または電圧源に電気的に結合されるように構成されている、第2の電気伝導性部分を含むことができる。RFIDトランスポンダは、非電気伝導性部分上に配置されており、かつレセプタクルホルダに関する情報を記憶する。レセプタクルホルダはまた、第1の凹部内に受容された第1の流体収容レセプタクルを含むことができる。
【0011】
第1の電気伝導性部分は、第1の流体収容レセプタクルの閉鎖された端部を受容するように構成されている凹部を画定する。第1の電気伝導性部分の凹部は、第1の流体収容レセプタクルの閉鎖された端部の形状に適合する。第1の電気伝導性部分および第2の電気伝導性部分が、互いに取り付けられた個別の構成要素であり得、第1の電気伝導性部分および第2の電気伝導性部分は、単一の単片を形成する一体的な構成要素であり得る。
【0012】
第2の電気伝導性部分は、本体の外部表面を画定することができる。外部表面は、本体の底部表面を含むことができる。
【0013】
非電気伝導性部分は、第2の流体収容レセプタクルを受容するように構成されている第2の凹部を更に画定する。第1の凹部および第2の凹部は、類似の寸法を有することができるか、または第1の凹部および第2の凹部は、異なる寸法を有することができる。
【0014】
非電気伝導性部分は、凹部を画定することができ、RFIDトランスポンダは、非電気伝導性部分によって画定された凹部内に完全に配置され得る。
【0015】
非電気伝導性部分は、単一の単片であり得る。
【0016】
レセプタクルホルダに関する情報は、(a)レセプタクル識別子、(b)ホルダ識別子、および(c)第1の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施されるプロセスの識別子のうちの少なくとも1つを含むことができる。例えば、レセプタクル識別子、およびホルダ識別子のうちの少なくとも1つは、第1の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施されるプロセスとの既知の関連を有することができる。
【0017】
レセプタクルホルダはまた、第1の流体収容レセプタクル内の流体を使用して実施されるプロセスのユーザ提供インジケータを受容するように構成されている表面を更に含むことができる。ユーザ提供インジケータを受容するように構成されている表面は、乾燥消去書き込み表面を含むことができ、ユーザ提供インジケータは、筆記具からの非永続的なマーキングを含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、流体取り扱いのための方法は、RFIDリーダを使用して、第1のレセプタクルホルダに関する情報を読み取ることを含むことができる。第1のレセプタクルホルダに関する情報は、第1の流体収容レセプタクルを支持する第1のレセプタクルホルダの第1の本体上に配置された第1のRFIDトランスポンダから送信されている。本方法はまた、RFIDリーダによって読み取られた第1のレセプタクルホルダに関する情報に基づいて、ロボット流体移送デバイスを第1の流体収容レセプタクルと整列させることを含むことができる。本方法は、ロボット流体移送デバイスの電気伝導性プローブと、第1の流体収容レセプタクル内に収容された流体に容量結合された電気接地または電圧源との間の静電容量の変化を検出して、いつプローブが、第1の流体収容レセプタクル内に収容された流体に接触したかを判定することを更に含むことができる。また、本方法は、ロボット流体移送デバイスを使用して、第1の流体収容レセプタクル内に収容された流体の一部分を吸引することを含むことができる。
【0019】
本方法はまた、流体移送デバイスを使用して、流体の吸引された部分を第2のレセプタクル内に分配することを含むことができる。
【0020】
本方法はまた、RFIDリーダを使用して、第2のレセプタクルホルダに関する情報を読み取ることを含むことができる。第2のレセプタクルホルダに関する情報は、第2の流体収容レセプタクルを支持する第2のレセプタクルホルダの第2の本体上に配置された第2のRFIDトランスポンダから送信され得る。本方法は、RFIDリーダによって読み取られた第2のレセプタクルホルダに関する情報に基づいて、ロボット流体移送デバイスを第2の流体収容レセプタクルと整列させることを含むことができる。本方法は、ロボット流体移送デバイスの電気伝導性プローブと、第2の流体収容レセプタクル内に収容された流体に容量結合された電気接地または電圧源との間の静電容量の変化を検出して、いつプローブが、第2の流体収容レセプタクル内に収容された流体に到達したのかを判定することを更に含むことができる。また、本方法は、ロボット流体移送デバイスを使用して、第2の流体収容レセプタクル内に収容された流体の一部分を吸引することを含むことができる。
【0021】
本方法はまた、流体移送デバイスを使用して、流体の吸引された部分を第2の流体収容レセプタクルから第2のレセプタクル内に分配することを含むことができる。
【0022】
本方法は、記載された実施形態のうちのいずれかのレセプタクルホルダを使用することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、サンプル処理の方法は、サンプル処理器具のユーザインターフェースにおいて、ユーザが、少なくとも1つの第1のユーザ入力を入力することを促すことを含むことができる。促すことは、サンプル処理器具内の第1のレセプタクルホルダ上に配置された第1のRFIDトランスポンダから送信された第1の情報に基づくことができる。少なくとも1つの第1のユーザ入力は、第1のレセプタクルホルダに関する第2の情報を示す。本方法は、ユーザインターフェースにおいて、少なくとも1つの第1のユーザ入力を受信することと、サンプル処理器具を使用して、少なくとも1つの第1のユーザ入力に基づいて、少なくとも1つの第1のサンプルを処理することと、を含むことができる。
【0024】
本方法はまた、ユーザインターフェース上に、第1のレセプタクルホルダがサンプル処理器具内に存在するか否かの指標を表示することを含むことができる。
【0025】
第2の情報は、第1の流体収容レセプタクルが第1のレセプタクルホルダ内に配置されているかどうかの指標を含むことができる。第2の情報はまた、第1の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施される第1のアッセイの指標を含むことができ、処理工程は、少なくとも1つの第1のサンプルに第1のアッセイを実施することを含むことができる。第2の情報はまた、第1の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施することができる第1のアッセイの最大数の指標を含むことができる。
【0026】
本方法はまた、ユーザインターフェース上に、第1の流体収容レセプタクルが第1のレセプタクルホルダ上に配置されているという指標を表示することを含むことができる。
【0027】
第2の情報は、第2の流体収容レセプタクルが第1のレセプタクルホルダ内に配置されているかどうかの指標を含むことができる。第2の情報は、第2の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施される第2のアッセイの指標を更に含むことができる。第2の情報は、第2の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施することができる第2のアッセイの最大数を更に含むことができる。また、処理工程は、少なくとも1つの第1のサンプルに第2のアッセイを実施することを含むことができる。
【0028】
本方法はまた、ユーザインターフェース上に、第2の流体収容レセプタクルが第1のレセプタクルホルダ上に配置されているという指標を表示することを含むことができる。
【0029】
少なくとも1つの第1のユーザ入力は、ユーザインターフェース上に表示されたオプションのメニューからの選択、またはユーザ入力される英数字テキストを含むことができる。
【0030】
第1の流体収容レセプタクル内の流体は、核酸増幅のためのプライマーおよび特定の分析物の検出のためのプローブを含む、再構成用緩衝液を含む。
【0031】
第1のユーザ入力を受信する工程は、ユーザが、第1の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施されるアッセイの第1のレセプタクルホルダ上でユーザ提供インジケータを視覚的に参照した後に、行われ得る。
【0032】
本方法はまた、サンプル処理器具のユーザインターフェースにおいて、ユーザが、サンプル処理器具内の第2のレセプタクルホルダ上に配置された第2のRFIDトランスポンダから送信された第3の情報に基づいて、少なくとも1つの第2のユーザ入力を入力することを促すことを含むことができる。少なくとも1つの第2のユーザ入力は、第2のレセプタクルホルダに関する第4の情報を示すことができる。本方法はまた、サンプル処理器具のユーザインターフェースにおいて、少なくとも1つの第2のユーザ入力を受信することと、サンプル処理器具を使用して、少なくとも1つの第2のユーザ入力に基づいて、少なくとも1つの第2のサンプルを処理することと、を含む。
【0033】
本方法はまた、ユーザインターフェース上に、第2のレセプタクルホルダがサンプル処理器具内に存在するか否かの指標を表示することを含むことができる。
【0034】
第4の情報は、第3の流体収容レセプタクルが第2のレセプタクルホルダ内に配置されているかどうかの指標を含むことができる。第4の情報は、第3の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施される第3のアッセイの指標を含むことができる。
【0035】
処理工程は、少なくとも1つの第2のサンプルに第3のアッセイを実施することを含むことができる。第4の情報は、第3の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施することができる第3のアッセイの最大数を含むことができる。
【0036】
本方法は、ユーザインターフェース上に、第3の流体収容レセプタクルが第2のレセプタクルホルダ上に配置されているという指標を表示することを含むことができる。
【0037】
第4の情報は、第4の流体収容レセプタクルが第2のレセプタクルホルダ内に配置されているかどうかの指標を含むことができる。第4の情報は、第4の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施される第4のアッセイの指標を含むことができる。また、処理工程は、少なくとも1つの第2のサンプルに第4のアッセイを実施することを含むことができる。
【0038】
第4の情報は、第4の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施することができる第4のアッセイの最大数を更に含むことができる。
【0039】
本方法は、ユーザインターフェース上に、第4の流体収容が第2のレセプタクルホルダ上に配置されているという指標を表示することを含むことができる。
【0040】
少なくとも1つの第2のユーザ入力は、ユーザインターフェース上に表示されたオプションのメニューからの選択を含むことができる。少なくとも1つの第2のユーザ入力は、ユーザ入力される英数字テキストを含むことができる。
【0041】
第3の流体収容レセプタクル内の流体は、核酸増幅のためのプライマーおよび特定の分析物の検出のためのプローブを含む、再構成用緩衝液を含むことができる。
【0042】
少なくとも1つの第2のユーザ入力を受信する工程は、ユーザが、第2のレセプタクルホルダ上でユーザ提供インジケータを視覚的に参照した後に行われ得る。
【0043】
実施形態の更なる特徴および効果、ならびには様々な実施形態の構造および動作は、添付図面を参照して以下に詳細に説明される。なお、本発明は、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されない。そのような実施形態は、図解の目的のためにのみ本明細書に提示される。追加の実施形態は、本明細書に包含される教示に基づいて、当業者(複数可)にとって明らかであろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
少なくとも1つの流体収容レセプタクルを支持するためのレセプタクルホルダであって、
本体であって、
第1の流体収容レセプタクルを受容するように構成されている第1の凹部を画定する電気伝導性部分と、
前記電気伝導性部分に取り付けられた非電気伝導性部分と、を備える、本体と、
前記本体の前記非電気伝導性部分上に配置されており、かつ前記レセプタクルホルダに関する情報を記憶する、RFIDトランスポンダと、を備える、レセプタクルホルダ。
(項目2)
前記第1の凹部内に受容された前記第1の流体収容レセプタクルを更に備える、項目1に記載のレセプタクルホルダ。
(項目3)
前記電気伝導性部分が、第2の流体収容レセプタクルを受容するように構成されている第2の凹部を更に画定する、項目1または2に記載のレセプタクルホルダ。
(項目4)
前記第1の凹部および前記第2の凹部が、類似の寸法を有する、項目3に記載のレセプタクルホルダ。
(項目5)
前記第1の凹部および前記第2の凹部が、異なる寸法を有する、項目3に記載のレセプタクルホルダ。
(項目6)
前記第1の凹部が、前記第1の流体収容レセプタクルの形状に適合する、項目1~5のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
(項目7)
前記非電気伝導性部分が、凹部を画定し、
前記RFIDトランスポンダが、前記非電気伝導性部分によって画定された前記凹部内に完全に配置されている、項目1~6のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
(項目8)
前記レセプタクルホルダに関する前記情報が、(a)レセプタクル識別子、(b)ホルダ識別子、および(c)前記第1の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施されるプロセスの識別子のうちの少なくとも1つを含む、項目1~7のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
(項目9)
前記レセプタクルホルダに関する前記情報が、(a)前記レセプタクル識別子、および(b)前記ホルダ識別子のうちの少なくとも1つを含み、
(a)前記レセプタクル識別子、および(b)前記ホルダ識別子のうちの前記少なくとも1つが、前記第1の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施される前記プロセスとの既知の関連を有する、項目8に記載のレセプタクルホルダ。
(項目10)
前記電気伝導性部分が、単一の単片である、項目1~9のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
(項目11)
前記非電気伝導性部分が、単一の単片である、項目1~10のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
(項目12)
前記非電気伝導性部分が、(a)前記第1の流体収容レセプタクルの一部分を受容するように構成されており、かつ(b)前記電気伝導性部分の前記第1の凹部と軸方向に整列している、チャネルを画定する、項目1~11のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
(項目13)
前記非電気伝導性部分が、少なくとも1つの締結具を使用して前記電気伝導性部分に締結されている、項目1~12のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
(項目14)
前記第1の流体収容レセプタクル内の流体を使用して実施されるプロセスのユーザ提供インジケータを受容するように構成されている表面を更に備える、項目1~13のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
(項目15)
前記ユーザ提供インジケータを受容するように構成されている前記表面が、乾燥消去書き込み表面を備え、
前記ユーザ提供インジケータが、筆記具からの非永続的なマーキングを備える、項目14に記載のレセプタクルホルダ。
(項目16)
少なくとも1つの流体収容レセプタクルを支持するためのレセプタクルホルダであって、
本体であって、
第1の流体収容レセプタクルを受容するように構成されている第1の凹部を画定する非電気伝導性部分と、
電気伝導体であって、
前記第1の凹部の一部分に隣接する第1の電気伝導性部分と、
前記第1の電気伝導性部分に電気的に結合されており、かつ前記レセプタクルホルダから分離した電気接地または電圧源に電気的に結合されるように構成されている、第2の電気伝導性部分と、を備える、電気伝導体と、を備える、本体と、
前記非電気伝導性部分上に配置されており、かつ前記レセプタクルホルダに関する情報を記憶する、RFIDトランスポンダと、を備える、レセプタクルホルダ。
(項目17)
前記第1の電気伝導性部分が、前記第1の流体収容レセプタクルの閉鎖された端部を受容するように構成されている凹部を画定し、前記第1の電気伝導性部分の前記凹部が、前記第1の流体収容レセプタクルの前記閉鎖された端部の形状に適合する、項目16に記載のレセプタクルホルダ。
(項目18)
前記第2の電気伝導性部分が、前記本体の外部表面を画定する、項目16または17に記載のレセプタクルホルダ。
(項目19)
前記外部表面が、前記本体の底部表面を備える、項目18に記載のレセプタクルホルダ。
(項目20)
前記第1の電気伝導性部分および前記第2の電気伝導性部分が、個別の構成要素である、項目16~19のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
(項目21)
前記第1の電気伝導性部分が、前記第2の電気伝導性部分に取り付けられている、項目20に記載のレセプタクルホルダ。
(項目22)
前記第1の電気伝導性部分および前記第2の電気伝導性部分が、単一の単片を形成する一体的な構成要素である、項目16~19のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
(項目23)
前記第1の凹部内に受容された前記第1の流体収容レセプタクルを更に備える、項目16~22のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
(項目24)
前記非電気伝導性部分が、第2の流体収容レセプタクルを受容するように構成されている第2の凹部を更に画定する、項目16~23のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
(項目25)
前記第1の凹部および前記第2の凹部が、類似の寸法を有する、項目24に記載のレセプタクルホルダ。
(項目26)
前記第1の凹部および前記第2の凹部が、異なる寸法を有する、項目24に記載のレセプタクル。
(項目27)
前記非電気伝導性部分が、凹部を画定し、
前記RFIDトランスポンダが、前記非電気伝導性部分によって画定された前記凹部内に完全に配置されている、項目16~26のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
(項目28)
前記レセプタクルホルダに関する前記情報が、(a)レセプタクル識別子、(b)ホルダ識別子、および(c)前記第1の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施されるプロセスの識別子のうちの少なくとも1つを含む、項目16~27のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
(項目29)
レセプタクルホルダに関する前記情報が、(a)前記レセプタクル識別子、および(b)前記ホルダ識別子のうちの少なくとも1つを含み、
(a)前記レセプタクル識別子、および(b)前記ホルダ識別子のうちの前記少なくとも1つが、前記第1の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施される前記プロセスとの既知の関連を有する、項目28に記載のレセプタクルホルダ。
(項目30)
前記非電気伝導性部分が、単一の単片である、項目16~29のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
(項目31)
前記第1の流体収容レセプタクル内の流体を使用して実施されるプロセスのユーザ提供インジケータを受容するように構成されている表面を更に備える、項目16~30のいずれか一項に記載のレセプタクルホルダ。
(項目32)
前記ユーザ提供インジケータを受容するように構成されている前記表面が、乾燥消去書き込み表面を備え、
前記ユーザ提供インジケータが、筆記具からの非永続的なマーキングを備える、項目31に記載のレセプタクルホルダ。
(項目33)
流体取り扱いのための方法であって、
RFIDリーダを使用して、第1のレセプタクルホルダに関する情報を読み取る工程であって、前記第1のレセプタクルホルダに関する前記情報が、第1の流体収容レセプタクルを支持する前記第1のレセプタクルホルダの第1の本体上に配置された第1のRFIDトランスポンダから送信されている、前記情報を読み取る工程と、
前記RFIDリーダによって読み取られた前記第1のレセプタクルホルダに関する前記情報に基づいて、ロボット流体移送デバイスを前記第1の流体収容レセプタクルと整列させる工程と、
前記ロボット流体移送デバイスの電気伝導性プローブと、前記第1の流体収容レセプタクル内に収容された流体に容量結合された電気接地または電圧源との間の静電容量の変化を検出して、いつ前記プローブが、前記第1の流体収容レセプタクル内に収容された前記流体に接触したかを判定する工程と、
前記ロボット流体移送デバイスを使用して、前記第1の流体収容レセプタクル内に収容された前記流体の一部分を吸引する工程と、を含む、方法。
(項目34)
前記流体移送デバイスを使用して、前記流体の吸引された部分を第2のレセプタクル内に分配することを更に含む、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記RFIDリーダを使用して、第2のレセプタクルホルダに関する情報を読み取ることであって、前記第2のレセプタクルホルダに関する前記情報が、第2の流体収容レセプタクルを支持する前記第2のレセプタクルホルダの第2の本体上に配置された第2のRFIDトランスポンダから送信されている、前記情報を読み取ることと、
前記RFIDリーダによって読み取られた前記第2のレセプタクルホルダに関する前記情報に基づいて、前記ロボット流体移送デバイスを前記第2の流体収容レセプタクルと整列させることと、
前記ロボット流体移送デバイスの前記電気伝導性プローブと、前記第2の流体収容レセプタクル内に収容された流体に容量結合された前記電気接地または電圧源との間の静電容量の変化を検出して、いつ前記プローブが、前記第2の流体収容レセプタクル内に収容された前記流体に到達したのかを判定することと、
前記ロボット流体移送デバイスを使用して、前記第2の流体収容レセプタクル内に収容された前記流体の一部分を吸引することと、を更に含む、項目33または34に記載の方法。
(項目36)
前記流体移送デバイスを使用して、前記流体の吸引された部分を前記第2の流体収容レセプタクルから第2のレセプタクル内に分配することを更に含む、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記第2のレセプタクルホルダが、項目1~32に記載の前記レセプタクルホルダのいずれか1つである、項目35または36に記載の方法。
(項目38)
前記第1のレセプタクルホルダが、項目1~32に記載の前記レセプタクルホルダのいずれか1つである、項目33~37のいずれか一項に記載の方法。
(項目39)
サンプル処理の方法であって、
サンプル処理器具のユーザインターフェースにおいて、ユーザが、前記サンプル処理器具内の第1のレセプタクルホルダ上に配置された第1のRFIDトランスポンダから送信された第1の情報に基づいて、少なくとも1つの第1のユーザ入力を入力することを促す工程であって、前記少なくとも1つの第1のユーザ入力が、前記第1のレセプタクルホルダに関する第2の情報を示す、促す工程と、
前記サンプル処理器具の前記ユーザインターフェースにおいて、前記少なくとも1つの第1のユーザ入力を受信する工程と、
前記サンプル処理器具を使用して、前記少なくとも1つの第1のユーザ入力に基づいて、少なくとも1つの第1のサンプルを処理する工程と、を含む、方法。
(項目40)
前記ユーザインターフェース上に、前記第1のレセプタクルホルダが前記サンプル処理器具内に存在するか否かの指標を表示する工程を更に含む、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記第2の情報が、第1の流体収容レセプタクルが前記第1のレセプタクルホルダ内に配置されているかどうかの指標を含む、項目39または40に記載の方法。
(項目42)
前記第2の情報が、前記第1の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施される第1のアッセイの指標を更に含み、
前記処理工程が、前記少なくとも1つの第1のサンプルに前記第1のアッセイを実施することを含む、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記第2の情報が、前記第1の流体収容レセプタクル内に収容された前記流体を使用して実施することができる第1のアッセイの最大数を更に含む、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記ユーザインターフェース上に、前記第1の流体収容レセプタクルが前記第1のレセプタクルホルダ上に配置されているという指標を表示する工程を更に含む、項目41~43のいずれか一項に記載の方法。
(項目45)
前記第2の情報が、第2の流体収容レセプタクルが前記第1のレセプタクルホルダ内に配置されているかどうかの指標を含む、項目39~44のいずれか一項に記載の方法。
(項目46)
前記第2の情報が、前記第2の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施される第2のアッセイの指標を更に含み、
前記処理工程が、前記少なくとも1つの第1のサンプルに前記第2のアッセイを実施することを更に含む、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記第2の情報が、前記第2の流体収容レセプタクル内に収容された前記流体を使用して実施することができる第2のアッセイの最大数を更に含む、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記ユーザインターフェース上に、前記第2の流体収容レセプタクルが前記第1のレセプタクルホルダ上に配置されているという指標を表示する工程を更に含む、項目45~47のいずれか一項に記載の方法。
(項目49)
前記少なくとも1つの第1のユーザ入力が、前記ユーザインターフェース上に表示されたオプションのメニューからの選択を含む、項目39~48のいずれか一項に記載の方法。
(項目50)
前記少なくとも1つの第1のユーザ入力が、ユーザ入力される英数字テキストを含む、項目39~49のいずれか一項に記載の方法。
(項目51)
前記第1の流体収容レセプタクル内の前記流体が、核酸増幅のためのプライマーおよび特定の分析物の検出のためのプローブを含む、再構成用緩衝液を含む、項目39~50のいずれか一項に記載の方法。
(項目52)
前記第1のユーザ入力を受信する工程は、ユーザが、前記第1の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施される前記アッセイの前記第1のレセプタクルホルダ上でユーザ提供インジケータを視覚的に参照した後に行われる、項目39~51のいずれか一項に記載の方法。
(項目53)
前記サンプル処理器具の前記ユーザインターフェースにおいて、前記ユーザが、前記サンプル処理器具内の第2のレセプタクルホルダ上に配置された第2のRFIDトランスポンダから送信された第3の情報に基づいて、少なくとも1つの第2のユーザ入力を入力することを促す工程であって、前記少なくとも1つの第2のユーザ入力が、前記第2のレセプタクルホルダに関する第4の情報を示す、促す工程と、
前記サンプル処理器具の前記ユーザインターフェースにおいて、前記少なくとも1つの第2のユーザ入力を受信する工程と、
前記サンプル処理器具を使用して、前記少なくとも1つの第2のユーザ入力に基づいて、少なくとも1つの第2のサンプルを処理する工程と、を更に含む、項目39~52のいずれか一項に記載の方法。
(項目54)
前記ユーザインターフェース上に、前記第2のレセプタクルホルダが前記サンプル処理器具内に存在するか否かの指標を表示する工程を更に含む、項目53に記載の方法。
(項目55)
前記第4の情報が、第3の流体収容レセプタクルが前記第2のレセプタクルホルダ内に配置されているかどうかの指標を含む、項目53または54に記載の方法。
(項目56)
前記第4の情報が、前記第3の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施される第3のアッセイの指標を更に含み、
前記処理工程が、前記少なくとも1つの第2のサンプルに前記第3のアッセイを実施することを含む、項目55に記載の方法。
(項目57)
前記第4の情報が、前記第3の流体収容レセプタクル内に収容された前記流体を使用して実施することができる第3のアッセイの最大数を更に含む、項目56に記載の方法。
(項目58)
前記ユーザインターフェース上に、前記第3の流体収容レセプタクルが前記第2のレセプタクルホルダ上に配置されているという指標を表示する工程を更に含む、項目53~57のいずれか一項に記載の方法。
(項目59)
前記第4の情報が、第4の流体収容レセプタクルが前記第2のレセプタクルホルダ内に配置されているかどうかの指標を含む、項目53~58のいずれか一項に記載の方法。
(項目60)
前記第4の情報が、前記第4の流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施される第4のアッセイの指標を更に含み、
前記処理工程が、前記少なくとも1つの第2のサンプルに前記第4のアッセイを実施することを更に含む、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記第4の情報が、前記第4の流体収容レセプタクル内に収容された前記流体を使用して実施することができる第4のアッセイの最大数を更に含む、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記ユーザインターフェース上に、前記第4の流体収容が前記第2のレセプタクルホルダ上に配置されているという指標を表示する工程を更に含む、項目59~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目63)
前記少なくとも1つの第2のユーザ入力が、前記ユーザインターフェース上に表示されたオプションのメニューからの選択を含む、項目53~62のいずれか一項に記載の方法。
(項目64)
前記少なくとも1つの第2のユーザ入力が、ユーザ入力される英数字テキストを含む、項目53~63のいずれか一項に記載の方法。
(項目65)
前記第3の流体収容レセプタクル内の前記流体が、核酸増幅のためのプライマーおよび特定の分析物の検出のためのプローブを含む、再構成用緩衝液を含む、項目53~64のいずれか一項に記載の方法。
(項目66)
前記ユーザが、前記第2のレセプタクルホルダ上でユーザ提供インジケータを視覚的に参照した後、前記少なくとも1つの第2のユーザ入力を受信する工程が行われる、項目53~65のいずれか一項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示を図解して、説明と共に、本開示の原理を説明するのに更に役立つ。
【0045】
図1】ある実施形態による、例示的なレセプタクルホルダの斜視図である。
図2】ある実施形態による、図1のレセプタクルホルダの電気伝導性部分の斜視図である。
図3】ある実施形態による、図2の電気伝導性部分の側面図である。
図4】ある実施形態による、図2および3の電気伝導性部分の別の側面図である。
図5】ある実施形態による、図2~4の電気伝導性部分の上面図である。
図6】ある実施形態による、図2~5の電気伝導性部分の別の側面図である。
図7】ある実施形態による、図2~6の電気伝導性部分の底面図である。
図8】ある実施形態による、図5の8-8線に沿って切り取った電気伝導性部分の断面図である。
図9】ある実施形態による、図1のレセプタクルホルダの非電気伝導性部分の側面斜視図である。
図10】ある実施形態による、図9の非電気伝導性部分の上面図である。
図11】ある実施形態による、図1の11-11線に沿って切り取ったレセプタクルホルダの断面図である。
図12A】別の実施形態による、例示的なレセプタクルホルダの斜視図である。
図12B】ある実施形態による、図12Aの12B-12B線に沿って切り取ったレセプタクルホルダの断面図である。
図13】別の実施形態による、例示的なレセプタクルホルダの上面斜視図である。
図14】ある実施形態による、図13のレセプタクルホルダの底面斜視図である。
図15】ある実施形態による、図13の15-15線に沿って切り取ったレセプタクルホルダの断面図である。
図16A】ある実施形態による、ハウジングおよび他の構成要素の一部分が図解の目的のために除去されている、例示的なサンプル処理器具の斜視図である。
図16B】ある実施形態による、開放位置のサンプル処理器具の例示的な流体引出の斜視図である。
図17】ある実施形態による、閉鎖位置のサンプル処理器具の例示的な流体引出の正面斜視図である。
図18】ある実施形態による、図17の18-18線に沿って切り取った流体引出および例示的なレセプタクルホルダの断面図である。
図19】別の実施形態による、図17の18-18線に沿って切り取った流体引出および例示的なレセプタクルホルダの断面図である。
図20】ある実施形態による、サンプル処理器具環境内の例示の処理システムを図解する図である。
図21】ある実施形態による、例示的なグラフィカルユーザインターフェースである。
【0046】
実施形態の特徴および利点は、同様の参照文字が全体を通して対応する要素を特定する添付の図面と併せて解釈されるとき、以下に記載される詳細な説明からより明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0047】
ここで、添付図面に図解される本開示の例を詳細に参照する。可能ならば、同一または類似の照合番号は、同一または類似の部品を指すために図面全体を通して使用される。本開示の実施形態が核酸系試験を実施する器具におけるその用途を参照して説明されるが、これは例示的なものにすぎない。当業者が認識するように、本開示の実施形態は、任意の用途に適用することができる。
【0048】
別途定義されない限り、本明細書に使用される技術、表記、および他の科学用語/専門用語の全ての用語は、本開示が属する当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に参照される全ての特許、出願、公開された出願、および他の刊行物(文献)は、それらの全体が参照として組み込まれる。本項で述べられる定義が、参照によって本明細書に組み込まれる文献で述べられる定義と反対であるか、または一致しない場合、本項で述べられる定義は、参照として組み込まれる定義より優先する。
【0049】
本明細書において、「一実施形態」、「ある実施形態」、「更なる実施形態」、「例示の実施形態」、「いくつかの態様」、「更なる態様」、「態様」、「例えば」、「例示的な」、「いくつかの実施形態」などへの言及は、説明した実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含むことができるが、全ての実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を必ずしも含まなくてもよいことを示す。さらに、そのような句は、同じ実施形態を必ずしも指しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、または特性がある実施形態と関連して記載されるとき、そのような特徴、構造、または特性はまた、明示的に説明されるか否かにかかわらず、他の実施形態と関連する説明である。更に、本明細書で使用するとき、「a」または「an」は、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味する。
【0050】
更に、下記の説明は、それらの構成要素、装置、位置、特性、または一部分の位置および/または配向を記載する際に、相対的な空間および/または配向用語を使用してもよい。特に記載されない限り、または説明の文脈によって別段に規定されない限り、頂部、底部、上方、下方、下、上部に、上の、下の、左の、右の、内側に、外側に、内側、外側、近位、遠位、前に、後ろに、隣に、隣接して、間に、水平、垂直、斜めの、長手方向、横断方向などを含むがこれらに限定されないそのような用語は、図面中でそのような構成要素、装置、位置、特徴、またはその部分を指すことの便宜のために使用され、限定を意図するものではない。
【0051】
本明細書で使用するとき、「サンプル処理器具」は、レセプタクル内に収容されたサンプルに処理工程を実施することができる任意の器具を指す。サンプル処理器具は、サンプルを処理および/または分析することができる任意の器具を含む。例えば、サンプル処理器具は、サンプルに試験または分析手順を実施し、結果または分析をレンダリングすることができる任意の器具を含む。例えば、サンプル処理器具は、サンプルに試験を実施して、サンプルの分析物または1つ以上の構成要素の存在を判定することができる任意の手段を含む。サンプル上の、核酸系増幅試験(NAAT)、DNA塩基配列決定、イムノアッセイ、または化学分析を含む、核酸系試験(NAT)を実施することができるいずれの器具も、サンプル処理器具のこの定義に含まれる。分析物の有無を判定するためにサンプルにNAATを実施することができる例示的な器具としては、Hologic,Inc.,Marlborough,MAによって販売されるTigris(登録商標)、Panther(登録商標)、およびPanther Fusion(登録商標)システム、ならびに2016年3月3日に公開された米国特許出願公開第2016/0060680、2013年10月29日に発行された米国特許第8,569,019号、および2017年4月3日に出願された米国仮特許出願第62/480,977号に開示された器具のいずれかが挙げられる。サンプル処理器具はまた、サンプル調製工程を実施するのみであり、かつサンプルを分析するおよび/または結果をレンダリングすることができない、任意の器具を含む。例えば、1つのレセプタクルから別のレセプタクルまでサンプルを移送する器具、またはサンプルを収容するレセプタクルに1つの物質を添加するが、サンプルを用いて完全な試験もしくは分析を実施しない器具は、サンプル処理器具である。例えば、対象の分析物を絶縁かつ/または精製するために、サンプル調製工程を実施するだけである器具は、サンプル処理器具である。サンプル調製工程を実施するだけである例示的なサンプル処理器具は、Hologic,Inc.,Marlborough,MAによって販売されるTomcat(登録商標)システムである。
【0052】
本明細書で使用するとき、供給源に関係なく、「サンプル」は、分析される任意の材料を指す。材料は、その天然形態または任意の段階の処理にあり得る(例えば、材料は、化学的に変化され得るか、あるいは、サンプルの1つ以上の他の構成要素から分離および/または精製されたサンプルの1つ以上の構成要素であり得る。)サンプルは、動物、環境、食品、工業製品、または水源を含むがこれらに限定されない任意の供給源から得られる。動物サンプルは、末梢血、プラズマ、血清、骨髄、尿、胆汁、粘液、痰、唾液、脳脊髄液、スツール、リンパ節を含む生検組織、呼吸組織または浸出物、胃腸管系組織、子宮頸部スワブのサンプル、精液または他の身体または細胞の流体、組織または分泌物を含むが、これらに限定されない。サンプルは、希釈剤、輸送媒体、保存溶液、または他の流体を収容するレセプタクル中で、希釈または収容され得る。よって、「サンプル」という用語は、サンプルを保持することを意図する希釈剤、輸送媒体、および/または防腐剤もしくは他の流体内に収容されたサンプルを包含することを意図する。
【0053】
本明細書で使用するとき、「レセプタクル」は、何かを収容するように構成されている任意型の構造を指す。例示的なレセプタクルとしては、例えば、流体を収容するように構成されている、チューブ、バイアル、キュベット、カートリッジ、マイクロタイタープレートなどを含む任意の種類の流体容器が挙げられる。
【0054】
本明細書で使用するとき、「伝導性」、「電気伝導性」、または「電気伝導体」は、言及された構造または媒体が電流を搬送するのに好適であることを意味する。本明細書で使用するとき、「非伝導性」または「非電気伝導性」は、言及された構造または媒体が電流を搬送するのに好適ではないことを意味する。
【0055】
本明細書で使用するとき、「RFIDトランスポンダ」は、アンテナに接続された集積回路またはチップを有する任意のデバイスを意味し、該アンテナは、情報を記憶して、電波を使用して、情報の少なくとも一部分を送信するように集合的に構成されている。
【0056】
本明細書で使用するとき、「容量結合される」とは、直流ではなく、交流が、言及された結合された構成要素の間に転写され得ることを意味する。
【0057】
例示的なレセプタクルホルダ
サンプルに1つ以上のプロセスを実施している間、サンプル処理器具(更に以下に説明される)は、1つ以上のそれぞれのレセプタクル内に収容された1つ以上の流体を消費し、それぞれの流体収容レセプタクル内の流体レベルを低下することができる。例えば、各流体収容レセプタクルは、以下のうちの1つ以上を収容することができる。サンプル流体、油、乾燥した試薬を再構成するために使用される再構成用緩衝液、溶離緩衝液、対象の分析物を固定し、精製するための固体支持体(例えば、磁気応答性粒子またはシリカビーズ)、ならびに試験または分析手順を実施するための試薬(NAATを実施するために使用されるプライマー、プローブ、および酵素など)。例示的なNAATは、熱サイクル(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR))を必要とし得るか、または等温条件(例えば、転写増幅(TMA)、核酸配列系増幅(NASBA)、および鎖置換増幅(SDA))下で実施され得る。
【0058】
更に以下に説明されるように、サンプル処理器具は、例えば、容量性流体レベル感知または任意の他の好適な流体レベルの検出方法を使用して、それぞれの流体収容レセプタクル内の流体レベルを検出することができる。容量性流体レベル感知の実施形態に関して、流体収容レセプタクル内の流体は、電気接地(すなわち、接地(または接地の代わりとなる何らかの伝導体)への伝導経路)または電圧源(すなわち、電気回路内の2点間の電位差の供給源)に容量結合され得る。例えば、流体収容レセプタクルを支持するレセプタクルホルダの一部は、電気伝導性であり得、電気接地または電圧源に電気的に結合されて、それによってコンデンサの伝導体を形成することができる。また、流体収容レセプタクルの流体は、レセプタクルホルダの伝導性部分に容量結合され得る。サンプル処理器具の伝導素子、例えば、流体移送デバイス(例えば、ロボットピペッタ)の伝導性プローブ先端部(例えば、伝導性樹脂から形成されるピペット先端部)は、レセプタクルホルダに電気的に接続していない電気接地または電圧源のうちの他方に電気的に接続することができる。この伝導素子は、コンデンサの他の伝導体として役立つことができる。これらの2つの伝導体の間で測定された静電容量信号(静電容量に関連した信号)を使用して、いつ、サンプル処理器具の伝導素子、例えば、流体移送デバイスの伝導性プローブ先端部が、流体に接触するのかを検出することができる。伝導素子が流体表面に接触するとき、スパイクは静電容量信号内で観察され得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、レセプタクルホルダは、サンプル処理器具にレセプタクルホルダに関する情報を(例えば、無線で)送信するように構成され得る。レセプタクルホルダに関する例示的な情報は、以下のうちの1つ以上を含むことができる。(1)レセプタクルホルダによって支持された各レセプタクルを識別するレセプタクル識別子、(2)レセプタクルホルダを識別するホルダ識別子、および(3)レセプタクルホルダによって支持された流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施されるプロセス(例えば、試験)を識別するプロセス識別子。いくつかの実施形態では、レセプタクル識別子、ホルダ識別子、またはそれらの両方は各々、レセプタクルホルダによって支持されたそれぞれの流体収容レセプタクル内に収容された流体を使用して実施されるプロセスとの既知の関連を有する。いくつかの実施形態では、送信された情報は、レセプタクルホルダによって支持されたレセプタクルを収容する流体内に収容された流体を使用して実施されるプロセスが、NAAT用であることを示す。
【0060】
いくつかの実施形態では、RFIDトランスポンダ(時にRFIDタグと称される)は、レセプタクルホルダ上に配置されて、サンプル処理器具にレセプタクルホルダに関する情報を無線で送信することができる。また、いくつかの実施形態では、レセプタクルホルダは、電気接地または電圧源に流体を電気的に接続するレセプタクルホルダの伝導性部分に起因して、情報送信に対する任意の干渉を最小限に抑えるように構成され得る。図1~11は、そのような一実施形態によるレセプタクルホルダ10を図解する。レセプタクルホルダ10の様々な実施形態を、図1~11をまとめて参照して説明する。
【0061】
レセプタクルホルダ10は、1つ以上の流体収容レセプタクル(図11に示される)を支持し、かつ収容された流体を使用するサンプル処理器具にホルダ10に関する情報を送信するように構成されている。レセプタクルホルダ10はまた、容量性流体レベル感知を可能にするように構成されている。
【0062】
例えば、レセプタクルホルダ10は、サンプル処理器具内で1つ以上の流体収容レセプタクル400をしっかりと支持するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ホルダ10は、電気伝導性部分102と、非電気伝導性部分200と、非伝導性部分200上に配置されたRFIDトランスポンダ300と、を有する本体を含む。
【0063】
伝導性部分102は、各々がそれぞれの流体収容レセプタクル400を受容するように構成された1つ以上の凹部104を画定することができる。図1、2、および5に最もよく見られるように、伝導性部分102は、矩形構成で配列された4つの凹部104を画定することができる。図1~11の伝導性部分102が、矩形構成に配列された4つの凹部104を画定するが、伝導性部分102は、4つを超えるまたは4つ未満の凹部104を画定することができ、凹部104を非矩形構成(例えば、円形または直線構成)に配列することができる。
【0064】
図11に最もよく見られるように、各凹部104は、それぞれの流体収容レセプタクル400を受容するように構成されている。いくつかの実施形態では、各凹部104は、類似の寸法を有する(すなわち、各凹部104は、類似してサイズ決めされて、形作られる)。そのような実施形態では、凹部104は各々、類似して寸法決めされた流体収容レセプタクル400を受容することができる。他の実施形態(図示せず)では、凹部104のうちの2つ以上は、異なる寸法を有する(すなわち、2つ以上の凹部104は、異なるようにサイズ決めされかつ/または形作られる)。そのような実施形態では、凹部104は、異なる寸法を有する流体収容レセプタクルを受容することができる。図1、2、5、8、および11に最もよく見られるように、凹部104は、いくつかの実施形態では、実質的に円筒状にすることができる。他の実施形態(図示せず)では、凹部104は、他の非円筒形状(例えば、円錐状、円錐台状、矩形、または任意の他の好適な形状)を有することができる。図11に最もよく見られるように、各凹部104を、その中で受容されるそれぞれのレセプタクル400の寸法と類似して寸法決めすることができる。すなわち、凹部104の形状および寸法(実質的に円筒状であり得る)は、それぞれのレセプタクル400の形状および寸法(また、実質的に円筒状であり得る)に実質的に適合することができる。他の実施形態(図示せず)では、各凹部104を、その中で受容されるそれぞれのレセプタクル400の寸法とは異なって寸法決めすることができる。つまり、凹部104の形状および寸法は、それぞれのレセプタクル400の形状および寸法に実質的に適合しない。
【0065】
いくつかの実施形態では(図11に示されるように)、それぞれの流体収容レセプタクル400の閉鎖端部402が、レセプタクルホルダ10の伝導性部分102のレセプタクル結合部分128に隣接するように、各々の凹部104は構成されている。レセプタクル結合部分128は、いくつかの実施形態では、各凹部104の底部閉鎖端部の少なくとも一部分を画定することができる。いくつかの実施形態(図示せず)では、レセプタクル400がそれぞれの凹部104内に受容されるとき、閉鎖端部402は、隣接したレセプタクル結合部分128に接触する。いくつかの実施形態では(図11に示されるように)、レセプタクル400がそれぞれの凹部104内に受容されるが、依然として、レセプタクル400内に収容された流体と、隣接したレセプタクル結合部分128との間の静電結合を可能にするのに十分近いとき、閉鎖端部402は、隣接したレセプタクル結合部分128から離間されている。凹部104の開口は、伝導性部分102の表面110によって画定される。表面110は、伝導性部分102の上面であり得る。凹部104は、表面110から下向きに垂直に延在する。したがって、レセプタクル400は、それぞれの凹部104内に受容されるとき、垂直配向を有する。
【0066】
伝導性部分102はまた、サンプル処理器具の電気接地または電圧源に電気的に結合されるように構成されている部分を含む。電気接地または電圧源は、レセプタクルホルダ10から分離している。例えば、いくつかの実施形態では、伝導性部分102の底部外部表面を画定する伝導性部分102の底部112は、サンプル処理器具の電気接地または電圧源に電気的に結合されるように構成されている。図11に最もよく見られるように、底部112は、凹部104内に受容された流体収容レセプタクル400に隣接したレセプタクル結合部分128に電気的に結合され、流体収容レセプタクル400内の流体に容量結合される。例えば、底部112と、流体収容レセプタクル400に隣接したレセプタクル結合部分128とは、単一片伝導性部分102の一体の構成要素であり得る。底部112は、この一体的な性質に起因して、隣接したレセプタクル結合部分128に電気的に結合される。他の実施形態(図示せず)では、底部112および隣接したレセプタクル結合部分128は、中間伝導性構成要素を介して、それらの間に直接的に取り付けられるか、または間接的に取り付けられる、個別の構成要素である。
【0067】
いくつかの実施形態では、底部112以外の伝導性部分102の一部分は、サンプル処理器具の電気接地または電圧源に電気的に結合されるように構成されている。
【0068】
いくつかの実施形態では、伝導性部分102はまた、凹部104のための複数の凹部識別インジケータ114を含む。インジケータ114は各々、各凹部104のための固有識別子を提供することができる。インジケータ114は、図1に示されるような英数字テキスト、記号、色、または任意の他の好適なインジケータであり得る。図1に示されるように、凹部識別インジケータ114は、それぞれの凹部104に対応する「A」、「B」、「C」、および「D」の文字を含む。他の実施形態(図示せず)では、インジケータ114は、数字(例えば、「1」、「2」、「3」、および「4」)であり得る。インジケータ114は、いくつかの実施形態では、凹部104の開口を画定する表面110上に配置され得る。インジケータ114は、凹部104のそれぞれの開口に隣接して位置することができる。いくつかの実施形態では、インジケータ114は、表面110内に一体的に形成される。他の実施形態(図示せず)では、インジケータ114は、伝導性部分102から分離している。例えば、インジケータ114は、表面110に付着された個別ラベルであり得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、伝導性部分102はまた、凹部104内に受容された流体収容レセプタクル400内の流体を使用して実施されるプロセス(例えば、アッセイ)のユーザ提供インジケータを受容するように構成されている表面118を含む。いくつかの実施形態では、ユーザ提供インジケータは、筆記具マーク(例えば、鉛筆、ペン、マーカー、または他の筆記具からのマーク)である。いくつかの実施形態では、表面118は筆記具から消去可能マークを受容するように構成されている。例えば、表面118は、消去可能マークを受容して、消去可能マーカーを形成するように構成されている乾燥消去表面を含む。他の実施形態では、ユーザ提供インジケータはユーザ付着ラベルである。ユーザ提供インジケータは、英数字テキスト、記号、色、または実施される特定のプロセスと既知の関連を有する任意の他のインジケータを含むことができる。例えば、ユーザ提供インジケータは、凹部104内に受容されるそれぞれのレセプタクル400内の流体を使用して実施される試験の名称を有するテキストであり得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、表面118は、それぞれの凹部104内に受容された各レセプタクル400のためのユーザ提供インジケータを受容するための複数の専用領域119を含む。例えば、図1に示されるように、表面118は、4つの専用領域119を有することができ、各領域119は、それぞれの凹部104に対応する。いくつかの実施形態では、領域119は、表面118上に配置された複数の凹部識別インジケータ122を含む。インジケータ122は、それぞれの領域119とそれぞれの凹部104との間の関連を識別することができる。インジケータ122は、図1に示されるような英数字、記号、色、または任意の他の好適なインジケータであり得る。凹部識別インジケータ122は、凹部識別インジケータ114に一致することができる。例えば、図1に示されるように、凹部識別インジケータ122は、表面110上に配置されたそれぞれの凹部識別インジケータ114に対応する「A」、「B」、「C」、および「D」の文字を含む。図1に示されるように、各専用領域119は、例えば、線を介して、隣接した領域119から視認可能に画定され得る。他の実施形態では、凹部識別インジケータ122を除いて、領域119は、互いから視認可能に画定されない。
【0071】
いくつかの実施形態では、表面118は、伝導性部分102の証印受容部116の表面に付着されたラベル120によって形成される。例えば、図1に示されるように、ラベル120を受容する証印受容部116は、(1)凹部104の開口を画定する表面110から上向きに、(2)表面110から外向きに延在する。したがって、表面118は、ユーザに容易にアクセス可能であり、ユーザが、凹部104内に受容された流体収容レセプタクル400内の流体を使用して実施されるプロセス(例えば、アッセイ)のユーザ提供インジケータを提供することを可能にする。図1に示されるように、証印受容部116および表面118は、いくつかの実施形態では、伝導性部分102の頂部に位置することができる。他の実施形態(図示せず)では、表面118は、伝導性部分102の横方向面に位置することができる。いくつかの実施形態では、表面118は、証印受容部116に一体的に形成される。
【0072】
いくつかの実施形態では、伝導性部分102は、非伝導性部分200の少なくとも一部分を受容するように構成されている凹部124(図2、3、6、および8に最もよく見られる)を画定する。例えば、図2、3、6、および8に示されるように、凹部124は、頂部証印受容部116と底部112との間で少なくとも部分的に画定され得る。いくつかの実施形態では、凹部124は、非伝導性部分200全体を受容するように構成されている。例えば、非伝導性部分200が凹部124内に受容されるとき、非伝導性部分200の外部横方向側面が、伝導性部分102の隣接した外部横方向側面と同一平面上にあるように、凹部124は構成され得る。
【0073】
伝導性部分102はまた、いくつかの実施形態では、サンプル処理器具上のキー溝またはキーのうちの他方に対応する、キー溝またはキーのうちの一方を含むことができる。例えば、図4に最もよく見られるように、伝導性部分102は、底部112から上向きに延在するキー溝126を画定することができる。キー溝126は、サンプル処理器具上でキーを密接に受容するように構成されている。サンプル処理器具上のキー溝126およびキーは、レセプタクルホルダ10がサンプル処理器具内に正確に位置決めされることを確実にすることを補助する。
【0074】
伝導性部分102は、部分102が電気伝導性であるように、1つ以上の伝導性材料(例えば、伝導性金属)でできている。いくつかの実施形態では、伝導性部分102を構成する材料(複数可)の伝導率は、20℃で1.0×10(S/m)よりも大きい。いくつかの実施形態では、伝導性部分102を構成する材料(複数可)の伝導率は、20℃で1.0×10(S/m)未満である。例示的な伝導性金属は、アルミニウム、銀、銅、金、亜鉛、黄銅、銅、鉄、プラチナ、鋼、ステンレス鋼、または任意の他の好適な金属を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、伝導性部分102の外部表面は、防腐変換皮膜を含む。例えば、防腐変換皮膜は、いくつかの実施形態では、クロム酸変換皮膜(化成皮膜(「chemical film」または「chem film」)とも称される)(例えば、クラス1A膜)であり得る。
【0076】
図1および図9~11を参照すると、レセプタクルホルダ10の本体はまた、非伝導性部分200を含む。非伝導性部分200は、伝導性部分102に取り付けることができる。非伝導性部分200は、伝導性部分124によって画定された凹部124内に位置決めすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、非伝導性部分200は、伝導性部分102に締結することができる。そのような実施形態では、非伝導性部分200は、伝導性部分102に非伝導性部分200を締結する締結具を受容するための少なくとも1つのチャネル206を画定することができる。他の実施形態では、非伝導性部分200は、接着剤または干渉または圧入を使用して、伝導性部分102に取り付けられる。
【0077】
いくつかの実施形態では、非伝導性部分200は、RFIDトランスポンダ300の少なくとも一部分を受容するように構成されている凹部202を画定する。凹部202の形状は、いくつかの実施形態では、RFIDトランスポンダ300の形状に適合することができる。RFIDトランスポンダ300は、表面画定凹部202に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、凹部202は、RFIDトランスポンダ全体300を受容するように構成されている。つまり、凹部202の深さ208は、RFIDトランスポンダ300の対応する厚さ以上である。そのような実施形態では、RFIDトランスポンダ300のどの一部分も、凹部202を囲む非伝導性部分200の1つ以上の表面を越えて外向きに延在しない。例えば、どちらの側から見られるときも、RFIDトランスポンダ300は、いくつかの実施形態では、凹部202に配置されていることに起因して、視認可能でない。したがって、RFIDトランスポンダ300は、サンプル処理器具のいずれかの構成要素にひっかかるか干渉されるリスクが低減される。
【0078】
いくつかの実施形態では、非伝導性部分200は、図9および10に示されるように単一の単片である。他の実施形態では、非伝導性部分200は、一緒に取り付けられた複数の個別片によって形成される。
【0079】
いくつかの実施形態では、非伝導性部分200は、図9および10に示される実質的に直角のプリズムである。他の実施形態では、非伝導性部分200は、非直角プリズム形状を有する。
【0080】
非伝導性部分200は、1つ以上の非伝導性材料でできている。例示的な非伝導性材料は、非伝導性ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル)およびガラスを含む。いくつかの実施形態では、非伝導性材料(複数可)は、硬質不撓性材料である。
【0081】
RFIDトランスポンダ300は、非伝導性部分200の一部分に取り付けることができる。非伝導性部分200は、伝導性部分102からRFIDトランスポンダ300を電気的に絶縁することができる。RFIDトランスポンダ300は、いくつかの実施形態では、情報を記憶し、かつサンプル処理器具に情報を無線で送信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、RFIDトランスポンダ300は、信号を送信および受信するためのアンテナと、レセプタクルホルダ10に関する情報を記憶する集積回路とを含む。サンプル処理器具のRFIDリーダ(時に呼掛器と称される)は、電波を送信および受信して、RFIDトランスポンダ300によって送信された情報を受信することができる。
【0082】
RFIDトランスポンダ300は、情報を送信するための高周波電磁場を使用することができる。例えば、RFIDトランスポンダ300は、以下の周波数範囲のうちの1つ以上を使用して、情報を送信することができる。(1)低周波数域(例えば、約125~134kHz)、(2)高周波数域(例えば、約13.56MHz)、および(3)極高周波域(例えば、約433MHzまたは約856~960MHz)。
【0083】
いくつかの実施形態では、RFIDトランスポンダ300は、ラベルに接着されたRFIDインレイを有するラベルであり得、ラベルは、非伝導性部分200に接着されて、それによってRFIDトランスポンダ300を非伝導性部分200に結合することができる。いくつかのRFIDインレイの実施形態では、RFIDトランスポンダ300は、(a)非伝導性部分200に直接的に接着するための接着剤層を有するポリマー基板(例えば、PET基板)、(b)PET基板に結合されたアンテナ(例えば、アルミニウムでできている)、(c)アンテナに動作可能に結合された集積回路、および(d)集積回路およびアンテナを被覆する表面材料層(例えば、透明PET12でできている)を含むことができる。いくつかのRFIDインレイの実施形態では、RFIDトランスポンダ300は、約100μm~約300μmの厚さ、約10mm~約30mmの型抜き幅、および約25mm~約45mmの型抜き長さを有することができる。いくつかのRFIDインレイの実施形態では、アンテナは、約10mm~約20mmの幅、および約25mm~約35mmの長さを有する。いくつかのRFIDインレイの実施形態では、RFIDトランスポンダ300の集積回路は、ICODE SLIX ICチップ、または高機能なラベル用途のための任意の好適なチップであり得る。いくつかのRFIDインレイの実施形態では、RFIDトランスポンダ300の空気インターフェースプロトコルは、ISO15693に準拠し、ISO18000-3、モード1に準拠し、任意の好適なインターフェースプロトコルに準拠する。いくつかのRFIDインレイの実施形態では、RFIDトランスポンダ300は、少なくとも約1kビットのメモリを含むことができる。いくつかのRFIDインレイの実施形態では、RFIDトランスポンダは、約13.56MHzで動作する。例示的なRFIDインレイは、SMARTTRACのMiniTrack Wet Inlay RFIDタグを含むことができる。
【0084】
RFIDトランスポンダ300が非伝導性部分200に対して配置されているいくつかの実施形態では、RFIDトランスポンダ300は、金属実装RFIDトランスポンダでなく、RFIDトランスポンダ300は、金属または伝導性表面上に配置されるようには特に構成されていない。
【0085】
また、RFIDトランスポンダ300の少なくとも一部分は、非伝導性部分200によって画定された凹部202内に配置されている。また、いくつかの実施形態では、RFIDトランスポンダ300は、非伝導性部分200の凹部202内に完全に配置されている。よって、凹部202、および凹部202を囲む非伝導性部分200の周囲の表面(複数可)は、RFIDトランスポンダがサンプル処理器具のいずれかの構成要素にひっかかるか干渉されるリスクが低減させることによって、RFIDトランスポンダ300を集合的に保護することができる。
【0086】
RFIDトランスポンダ300上に記憶され、かつサンプル処理器具に送信可能な情報は、例えば、レセプタクルホルダ10に関する情報を含む。例示的な情報は、以下のうちの1つ以上を含むことができる。(1)レセプタクルホルダ10によって支持された各レセプタクル400を識別するレセプタクル識別子、(2)ホルダ10を識別するホルダ識別子、および(3)レセプタクルホルダ10によって支持された流体収容レセプタクル400内に収容された流体を使用して実施されるプロセス(例えば、試験)を識別するプロセス識別子。いくつかの実施形態では、レセプタクル識別子、ホルダ識別子、またはそれらの両方は各々、レセプタクルホルダ10によって支持されたそれぞれの流体収容レセプタクル400内に収容された流体を使用して実施されるプロセスとの既知の関連を有する。いくつかの実施形態では、送信された情報は、レセプタクルホルダ10によって支持された流体収容レセプタクル400内に収容された流体を使用して実施されるプロセスが、NAAT用であることを示す。
【0087】
いくつかの実施形態では、流体収容レセプタクル400を受容する1つ以上の凹部は、伝導性部分および非伝導性部分によって集合的に画定される。図12Aおよび12Bは、1つ以上のレセプタクル受容チャネル204が、伝導性部分130と、伝導性部分130に取り付けられた非伝導性部分210とによって、集合的に画定されている、レセプタクルホルダ12のある実施形態を図解する。RFIDトランスポンダ300は、上述のように、非伝導性部分210上に配置され得る。
【0088】
レセプタクルホルダ12は、1つ以上の流体収容レセプタクルを支持し、かつ収容された流体を使用するサンプル処理器具にホルダ12に関する情報を送信するように構成されている。レセプタクルホルダ12はまた、容量性流体レベル感知を可能にするように構成されている。
【0089】
図12Aおよび12Bに示されるように、非伝導性部分210は、いくつかの実施形態では、ホルダ12の頂部を画定する逆L字形状を有することができる。非伝導性部分210は、各々が対応する流体収容レセプタクル400を受容するように構成されている1つ以上のチャネル204を画定する。図12Bに最もよく見られるように、チャネル204は、非伝導性部分210の頂部全体を通して延在する。図12Aに示されるように、非伝導性部分210は、矩形構成で配列された4つのチャネル204を画定することができる。図12Aおよび12Bの非伝導性部分210が、矩形構成で4つのチャネル204を画定するが、非伝導性部分210は、4つを超えるまたは4つ未満のチャネル204を画定することができ、チャネル204は、非矩形構成(例えば、円形または直線構成)に配列することができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、対応する流体収容レセプタクル400が、それぞれのチャネル204内に受容されるとき、流体収容レセプタクル400の頂部が、非伝導性部分210の上方に延在し、かつ流体収容レセプタクル400の閉鎖端部底部402が、非伝導性部分210の下方に延在するように、チャネル204は構成されている(例えば、サイズ決めされており、かつ形作られている)。非伝導性部分210の下方に延在する流体収容レセプタクル400の閉鎖端部底部402は、下記に更に説明される伝導性部分130によって画定された軸方向整列凹部136内に延在する。
【0091】
伝導性部分130は、各チャネル204に対応する凹部136(図12Bに示される)を画定する。凹部136は、チャネル204と軸方向に整列される。凹部136は、図1~11を参照して上述した実施形態では、凹部104の底部と類似して構成され得る。伝導性部分130はまた、レセプタクルホルダ12から分離しているサンプル処理器具の電気接地または電圧源に電気的に結合されるように構成されている部分を含む。例えば、いくつかの実施形態では、この部分は、伝導性部分130の底部134である。図12Bに最もよく見られるように、底部134は、それぞれのチャネル204内に受容されたときの流体収容レセプタクル400に隣接したレセプタクル結合部分132に電気的に結合され、流体収容レセプタクル400内の流体に容量結合される。例えば、レセプタクル結合部分132は、凹部136を画定する。底部134およびレセプタクル結合部分132は、単一片伝導性部分130の一体の構成要素であり得、底部134は、この一体的な性質に起因して、レセプタクル結合部分132に電気的に結合される。他の実施形態(図示せず)では、底部134および隣接したレセプタクル結合部分132は、互いに取り付けられるか、またはそれらの間に別の伝導性構成要素を介して間接的に取り付けられる、個別の構成要素である。他の実施形態では、サンプル処理器具の電気接地または電圧源に電気的に結合されるように構成されている伝導性部分130の一部分は、底部134の代わりに伝導性部分130の横方向側面にある。
【0092】
伝導性部分130は、1つ以上の伝導性材料(例えば、伝導性金属)でできている。いくつかの実施形態では、伝導性部分130を構成する材料(複数可)の伝導率は、20℃で1.0×10(S/m)よりも大きい。いくつかの実施形態では、伝導性部分130を構成する材料(複数可)の伝導率は、20℃で1.0×10(S/m)未満である。例示的な伝導性金属は、アルミニウム、銀、銅、金、亜鉛、黄銅、銅、鉄、プラチナ、鋼、ステンレス鋼、または任意の他の好適な金属を含む。いくつかの実施形態では、伝導性部分130の外部表面は、防腐変換皮膜を含む。例えば、防腐変換皮膜は、いくつかの実施形態では、クロム酸変換皮膜(化成皮膜とも称される)(例えばクラス1A膜)であり得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、各チャネル204は、類似の寸法を有し(すなわち、各チャネル204は、類似してサイズ決めされて、形作られ)、各凹部136は、類似の寸法を有する(すなわち、各凹部136は、類似してサイズ決めされて、形作られる)。そのような実施形態では、チャネル204および凹部136は、類似して寸法決めされた流体収容レセプタクル400を受容することができる。他の実施形態(図示せず)では、チャネル204のうちの2つ以上は、異なる寸法を有し(すなわち、2つ以上のチャネル204は、異なるようにサイズ決めされかつ形作られ)、凹部136のうちの2つ以上は、異なる寸法を有する(すなわち、2つ以上の凹部136は、異なるようにサイズ決めされかつ形作られる)。そのような実施形態では、チャネル204および凹部136は、異なる寸法を有する流体収容レセプタクルを受容することができる。
【0094】
チャネル204および凹部136は、図12Aおよび12Bに示されるようないくつかの実施形態では、実質的に円筒状にすることができる。他の実施形態(図示せず)では、チャネル204および凹部136は、他の形状(例えば、円錐状、円錐台状、矩形、または任意の他の好適な形状)を有することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、チャネル204および凹部136の形状(それぞれ、実質的に円筒状および実質的に円錐状であり得る)は、流体収容レセプタクル400(実質的に円筒状の上部および実質的に円錐状の閉鎖された下部を有することができる)の形状に適合する。図12Bに最もよく見られるように、各チャネル204および凹部136を、その中で受容されるそれぞれのレセプタクル400の寸法と類似して寸法決めすることができる。つまり、チャネル204および凹部136の形状および寸法は、それぞれのレセプタクル400の形状および寸法に実質的に適合することができる。
【0096】
他の実施形態(図示せず)では、各チャネル204および凹部136を、その中で受容されるそれぞれのレセプタクル400の寸法とは異なって寸法決めすることができる。つまり、凹部104の形状および寸法は、それぞれのレセプタクル400の形状および寸法に実質的に適合しない。
【0097】
いくつかの実施形態では、それぞれの流体収容レセプタクル400の閉鎖端部402が、伝導性部分130のレセプタクル結合部分132に隣接するように、各対のチャネル204および凹部136は構成されている。例えば、いくつかの実施形態(図示せず)では、レセプタクル400がそれぞれのチャネル204および凹部136内に受容されるとき、閉鎖端部402は、伝導性部分130の隣接したレセプタクル結合部分132に接触する。また、例えば、いくつかの実施形態では(図12Bに示されるように)、レセプタクル400がそれぞれのチャネル204および凹部136内に受容されるが、依然として、レセプタクル400内に収容された流体と、伝導性部分130の隣接したレセプタクル結合部分132との間の静電結合を可能にするのに十分近いとき、閉鎖端部402は、伝導性部分130の隣接したレセプタクル結合部分132から離間されている。
【0098】
チャネル204の開口は、非伝導性部分210の表面214によって画定される。図12Aおよび12Bに示されるように、表面214は非伝導性部分210の上面であり得る。チャネル204は、いくつかの実施形態では、表面214から下向きに延在する。したがって、レセプタクル400は、それぞれのチャネル204内に受容されるとき、垂直配向を有することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、非伝導性部分210はまた、インジケータ114の上記の実施形態のいずれかと類似の構造および機能を有することができる凹部識別インジケータ216を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、非伝導性部分210は、チャネル204および凹部136内に受容された流体収容レセプタクル400内の流体を使用して実施されるプロセス(例えば、試験)のユーザ提供インジケータを受容するように構成されている表面218を含む。表面218は、いくつかの実施形態では、表面118の上記の実施形態のいずれかと類似の構造および機能を有することができる。したがって、いくつかの実施形態では、表面218は、上述の専用領域119と類似であり得る複数の専用領域219を含む。領域219は、インジケータ122と類似であり得る凹部識別インジケータ224を含むことができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、表面218は、非伝導性部分210の証印受容部217に付着されたラベル222の一部である。例えば、ラベル222を受容する証印受容部217は、(1)チャネル204の開口を画定する表面214から上向きに、(2)表面214から外向きに延在する。したがって、表面218は、ユーザに容易にアクセス可能であり、ユーザが、チャネル204内に受容された流体収容レセプタクル400内の流体を使用して実施されるプロセス(例えば、試験名)のユーザ提供インジケータを提供することを可能にする。証印受容部217および表面218は、いくつかの実施形態では、非伝導性部分210の頂部に位置することができる。他の実施形態(図示せず)では、表面218は、非伝導性部分210の横方向面に位置することができる。いくつかの実施形態では、表面218は、部分220に一体的に形成される。
【0102】
図12Aおよび12Bには示されないが、伝導性部分130または非伝導性部分210は、サンプル処理器具上のキー溝またはキーのうちの他方に対応する、キー溝またはキーのうちの一方を含み、器具内の適切な配向を確実にすることができる。
【0103】
RFIDトランスポンダ300は、非伝導性部分210の一部分に取り付けることができる。非伝導性部分210は、伝導性部分130からRFIDトランスポンダ300を電気的に絶縁することができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、非伝導性部分210は、図1~11を参照して上述した凹部202と同様に、凹部236を画定する。非伝導性部分236は、RFIDトランスポンダ300の少なくとも一部分を受容するように構成されている。RFIDトランスポンダ300は、表面画定凹部236に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、凹部236は、RFIDトランスポンダ全体300を受容するように構成されている。つまり、凹部236の深さは、RFIDトランスポンダ300の対応する厚さ以上である。そのような実施形態では、RFIDトランスポンダ300のどの一部分も、凹部236を囲む非伝導性部分210の1つ以上の表面を越えて外向きに延在しない。例えば、どちらの側から見られるときも、RFIDトランスポンダ300は、いくつかの実施形態では、視認可能でない。したがって、RFIDトランスポンダ300は、サンプル処理器具のいずれの構成要素にもひっかかるまたは干渉する可能性が低い。
【0105】
非伝導性部分210は、伝導性部分130に取り付けられる。例えば、いくつかの実施形態では、非伝導性部分210は、伝導性部分130に締結することができる。他の実施形態では、非伝導性部分210は、接着剤または干渉または圧入を使用して、伝導性部分130に取り付けられる。
【0106】
いくつかの実施形態では、非伝導性部分210は、示されるように単一の単片である。他の実施形態では、非伝導性部分210は、一緒に取り付けられた複数の個別部品によって形成される。
【0107】
非伝導性部分210は、1つ以上の非伝導性材料でできている。例示的な非伝導性材料は、非伝導性ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル)およびガラスを含む。いくつかの実施形態では、非伝導性材料(複数可)は、硬質不撓性材料である。
【0108】
非伝導性部分230に取り付けられているRFIDトランスポンダ300は、図1~11を参照して上述したような類似の構造または機能を有し得る。
【0109】
図13~15は、流体収容レセプタクル400を受容する1つ以上の凹部が、伝導性部分および非伝導性部分によって集合的に画定される、レセプタクルホルダ14の別の実施形態を図解する。ホルダ14は、非伝導性部分500と、非伝導性部分500に取り付けられた1つ以上の電気伝導体600と、を含む。RFIDトランスポンダ300は、上述のように、非伝導性部分500上に配置され得る。
【0110】
レセプタクルホルダ14は、1つ以上の流体収容レセプタクル400を支持し、かつサンプル処理器具にホルダ14に関する情報を送信するように構成されている。例えば、レセプタクルホルダ14は、サンプル処理器具内で1つ以上の流体収容レセプタクル400をしっかりと支持するように構成され得る。レセプタクルホルダ14はまた、容量性流体レベル感知を可能にするように構成されている。
【0111】
非伝導性部分500は、各々が対応する流体収容レセプタクル400を受容するように構成された1つ以上の凹部504を画定することができる。図13に最もよく見られるように、非伝導性部分500は、矩形構成で配列された4つの凹部504を画定することができる。図13~15の非伝導性部分500が、矩形構成に配列された4つの凹部504を画定するが、非伝導性部分500は、4つを超えるまたは4つ未満の凹部504を画定することができ、凹部504を非矩形構成(例えば、円形または直線構成)に配列することができる。
【0112】
図15に最もよく見られるように、各凹部504は、それぞれの流体収容レセプタクル400を受容するように構成されている。いくつかの実施形態では、各凹部504は、類似の寸法を有する(すなわち、各凹部504は、類似してサイズ決めされて、形作られる)。そのような実施形態では、凹部504は各々、類似して寸法決めされた流体収容レセプタクル400を受容することができる。他の実施形態(図示せず)では、凹部504のうちの2つ以上は、異なる寸法を有する(すなわち、2つ以上の凹部504は、異なるようにサイズ決めされかつ形作られる)。そのような実施形態では、凹部504は、異なる寸法を有する流体収容レセプタクルを受容することができる。図13~15に示されるように、凹部504は、いくつかの実施形態では、実質的に円筒状にすることができる。他の実施形態(図示せず)では、凹部504は、他の形状(例えば、円錐台状、矩形、または任意の他の好適な形状)を有することができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、それぞれの流体収容レセプタクル400の閉鎖端部402が、伝導体600の電気伝導性部分608に隣接するように、各々の凹部504は構成されている。いくつかの実施形態(図示せず)では、レセプタクル400がそれぞれの凹部504内に受容されるとき、閉鎖端部402は、伝導体600の隣接部分608に接触する。いくつかの実施形態では(図15に最もよく見られるように)、レセプタクル400がそれぞれの凹部504内に受容されるが、依然として、レセプタクル400内に収容された流体と、伝導体600の隣接部分608との間の静電結合を可能にするのに十分近いとき、閉鎖端部402は、伝導体600の隣接部分608から離間されている。
【0114】
凹部504の開口は、非伝導性部分500の表面510によって画定される。図13に示されるように、表面510は非伝導性部分500の上面であり得る。凹部504は、いくつかの実施形態では、表面510から下向きに延在する。したがって、レセプタクル400は、それぞれの凹部504内に受容されるとき、垂直配向を有する。
【0115】
いくつかの実施形態では、凹部504は、流体収容レセプタクル400の形状に適合する。例えば、図15に最もよく見られるように、各凹部504を、その中で受容されるそれぞれのレセプタクル400の寸法と類似して寸法決めすることができる。つまり、凹部504の形状および寸法は、それぞれのレセプタクル400の形状および寸法に実質的に適合することができる。
【0116】
他の実施形態(図示せず)では、各凹部504を、その中で受容されるそれぞれのレセプタクル400の寸法とは異なって寸法決めすることができる。つまり、凹部504の形状および寸法は、それぞれのレセプタクル400の形状および寸法に実質的に適合しない。
【0117】
いくつかの実施形態では、非伝導性部分500はまた、図1~11を参照して上述したインジケータ114と類似の構成および機能を有することができる凹部識別インジケータ514を含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、非伝導性部分500は、凹部504内に受容された流体収容レセプタクル400内の流体を使用して実施されるプロセス(例えば、試験)のユーザ提供インジケータを受容するように構成されている表面518を含む。表面518は、いくつかの実施形態では、図1~11を参照して上述した表面118との類似の構成および機能を有することができる。例えば、表面518は、それぞれの凹部504内に受容された各流体収容レセプタクル400のためのユーザ提供インジケータを受容するように構成されている複数の専用領域519を含むことができ、各領域519は、凹部識別インジケータ522を含むことができ、表面518上に配置される。凹部識別インジケータ522は、図1~11を参照して上述したインジケータ122との類似の構成および機能を有することができる。
【0119】
いくつかの実施形態では、表面518は、非伝導性部分500の証印受容部516に付着されたラベル520の一部である。ラベル520を受容する証印受容部516は、(1)凹部504の開口を画定する表面510から上向きに、(2)表面510から外向きに延在する。したがって、表面518は、ユーザに容易にアクセス可能であり、ユーザが、凹部504内に受容された流体収容レセプタクル400内の流体を使用して実施されるプロセス(例えば、試験)のユーザ提供インジケータを提供することを可能にする。証印受容部516および表面518は、いくつかの実施形態では、非伝導性部分500の頂部に位置することができる。他の実施形態(図示せず)では、表面518は、非伝導性部分500の横方向側面に位置することができる。いくつかの実施形態では、表面518は、証印受容部516に一体的に形成される。
【0120】
非伝導性部分500は、サンプル処理器具上のキー溝またはキーのうちの他方に対応する、キー溝またはキーのうちの一方を含むことができる。例えば、図13に最もよく見られるように、非伝導性部分500は、キー溝526を画定することができ、キー溝526は、図1~11を参照して上述したキー溝126と類似して構成され得、キー溝126と類似して機能する。
【0121】
非伝導性部分500は、1つ以上の非伝導性材料でできている。例示的な非伝導性材料は、非伝導性ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル)およびガラスを含む。いくつかの実施形態では、非伝導性材料(複数可)は、硬質不撓性材料である。
【0122】
いくつかの実施形態では、非伝導性部分500は、図13~15に示されるように単一の単片である。他の実施形態では、非伝導性部分500は、一緒に取り付けられた複数の個別部品によって形成される。
【0123】
伝導体600は、レセプタクルホルダ14から分離しているサンプル処理器具の電気接地または電圧源に、凹部504内のそれぞれのレセプタクル400内の流体を電気的に結合するように構成されている。伝導体600は、図13~15に示されるようないくつかの実施形態では、非伝導性部分500内に配置されている。伝導体600は、各凹部504のための電気伝導性部分608を含む。各部分608は、図15に最もよく見られるように、それぞれの凹部504の底部内に配置され得る。各部分608は、非伝導性部分500のそれぞれの凹部504内に軸方向に整列された凹部610を画定することができる。各々の凹部610は、伝導性部分608がそれぞれのレセプタクル400内の流体に容量結合されるように、部分、例えば、凹部504内に受容された流体収容レセプタクル400の閉鎖端部底部402を受容するように構成され得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、各凹部610は、類似の寸法を有する(すなわち、各凹部610は、類似してサイズ決めされて、形作られる)。そのような実施形態では、凹部610は各々、類似して寸法決めされた流体収容レセプタクル400を受容することができる。他の実施形態(図示せず)では、凹部610のうちの2つ以上は、異なる寸法を有する(すなわち、2つ以上の凹部610は、異なるようにサイズ決めされかつ形作られる)。そのような実施形態では、凹部610は、異なる寸法を有する流体収容レセプタクルを受容することができる。図15に示されるように、凹部610は、いくつかの実施形態では、実質的に円錐状にすることができる。他の実施形態(図示せず)では、凹部610は、他の形状(例えば、円筒状、円錐台状、矩形、または任意の他の好適な形状)を有することができる。凹部610の形状は、流体収容レセプタクル400の閉鎖端部402の形状に適合することができる
【0125】
いくつかの実施形態では、伝導性部分608は、レセプタクルホルダ14から分離しているサンプル処理器具の電気接地または電圧源に電気的に結合されるように構成されている電気伝導体600の一部分に電気的に結合される。例えば、いくつかの実施形態では、電気伝導体600は、サンプル処理器具の電気接地または電圧源に結合されるように構成されている、レセプタクルホルダ14の底部外部表面を画定することができる底部604を含む。他の実施形態では、サンプル処理器具の電気接地または電圧源に電気的に結合されるように構成されている電気伝導体600の一部分は、レセプタクル14の横方向側面を形成する。
【0126】
レセプタクル400の閉鎖端部402に隣接する伝導性部分608は、底部604に電気的に結合され得る。例えば、各伝導性部分608は、例えば、部分608から延在する中間部602を介して、底部604に結合され得る。中間部602は、部分608とは一体または個別であり得る。また、中間部602は、底部604に電気的に結合される。図15に示されるように、中間部602は、底部604とは個別であり、中間部602は、1つ以上の締結具606を使用して、底部604と一緒に締結され得る。
【0127】
他の実施形態では、部分608、中間部602、および底部604は、単一の単片を構成することができる。
【0128】
部分602、604、および608を含む伝導体600は、1つ以上の伝導性材料(例えば、伝導性金属)でできている。いくつかの実施形態では、伝導体600を構成する材料(複数可)の伝導率は、20℃で1.0×10(S/m)よりも大きい。いくつかの実施形態では、伝導体600を構成する材料(複数可)の伝導率は、20℃で1.0×10(S/m)未満である。例示的な伝導性金属は、アルミニウム、銀、銅、金、亜鉛、黄銅、銅、鉄、プラチナ、鋼、ステンレス鋼、または任意の他の好適な金属を含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、伝導体600の表面(例えば、底部604の外部表面)を画定するいずれの外部も、防腐変換皮膜を含む。例えば、防腐変換皮膜は、いくつかの実施形態では、クロム酸変換皮膜(化成皮膜(「chemical film」または「chem film」)とも称される)(例えば、クラス1A膜)であり得る。
【0130】
レセプタクルホルダ14はまた、非伝導性部分500の一部分に取り付けることができるRFIDトランスポンダ300を含む。非伝導性部分500は、電気伝導体600からRFIDトランスポンダ300を電気的に絶縁することができる。
【0131】
いくつかの実施形態では、非伝導性部分500は、RFIDトランスポンダ300の少なくとも一部分を受容するように構成されている凹部502を画定する。凹部502は、非伝導性部分500の横方向側面によって画定され得る。RFIDトランスポンダ300は、いくつかの実施形態では、表面画定凹部502に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、凹部502は、RFIDトランスポンダ全体300を受容するように構成されている。つまり、凹部502の深さは、RFIDトランスポンダ300の対応する厚さ以上である。そのような実施形態では、RFIDトランスポンダ300のどの一部分も、非伝導性部分500の表面を越えて外向きに延在しない。したがって、RFIDトランスポンダ300は、サンプル処理器具のいずれの構成要素にもひっかかるまたは干渉する可能性が低い。
【0132】
上記の実施形態のいずれかによるレセプタクルホルダ10、12、および14は、それぞれの非伝導性部分に結合されているRFIDトランスポンダ300に起因して、RFIDトランスポンダ300からサンプル処理器具まで送信される情報へのいずれの干渉も最小限に抑えることができる。上記の実施形態のいずれかによるレセプタクルホルダ10、12、および14はまた、下記のように容量性流体レベル検出感知を可能にする。
【0133】
レセプタクルホルダを使用した例示的なサンプル処理器具
レセプタクルホルダ10、12、および14の上記の実施形態のいずれも、サンプル処理器具によって使用して、サンプルを処理することができる。例示的なサンプル処理器具としては、例えば、複数のNAATを同時に実施するように構成されている、Hologic,Inc.によって販売されるTigris(登録商標)、Panther(登録商標)、またはPanther Fusion(登録商標)システムなどの核酸分析装置が挙げられる。しかしながら、核酸分析装置は、例示的なものにすぎず、本開示の実施形態は、任意の用途において、かつサンプルを処理かつ/または分析する任意の器具を用いて使用され得る。
【0134】
図16Aは、ある実施形態による、例示的なサンプル処理器具700を図解する。いくつかの実施形態では、サンプル処理器具700は、複数のサンプルに複数の異なる分析(例えば、異なる分子アッセイ)を実施するように構成され得る。いくつかの実施形態では、サンプル処理器具700は、異なるサンプルに異なる標的核酸増幅反応を実施するように構成され得る。例えば、複数のサンプルは、サンプル処理器具700の上または中に装着され得、サンプル処理器具700は、第1のプロセス(例えば、第1の標的核酸増幅反応を伴う第1のアッセイ)を複数のサンプルの第1のサブセットに実施し、かつ異なるプロセス(例えば、第1の標的核酸増幅反応とは異なる第2の標的核酸増幅反応を伴う第2のアッセイ)を複数のサンプルの第2のサブセットに実施することができる。いくつかの実施形態では、サンプル処理器具700は、複数のサンプルの第1のサブセットに1つのNAATを実施し、かつ複数のサンプルの第2のサブセットに異なるNAATを実施するように構成されている。NAATは、NAATの種類(例えば、PCR対等温増幅反応)、2つの増幅の温度プロファイル、および/または標的核酸に関して異なっていてもよい。
【0135】
いくつかの実施形態では、サンプル処理器具700は、2017年4月3日に出願された、米国仮特許出願第62/480,977号に記載される器具の実施形態のいずれか1つであり得る。
【0136】
いくつかの実施形態では、サンプル処理器具700は、モジュラー構造を有することができ、一緒に動作可能に結合された複数のモジュールから構成することができる。例えば、サンプル処理器具700は、一緒に動作可能に結合された第1のモジュール702および第2のモジュール708を含むことができる。第1のモジュール702および第2のモジュール708の両方は、第1のプロセスおよび/または第2のプロセスのうちの1つ以上の工程を実施するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1のモジュール702および第2のモジュール708は、一緒に選択的に結合された別個のモジュールであり得る。つまり、第1のモジュール702は、1つの第2のモジュール708に、選択的にかつ動作可能に結合することができ、第1のモジュール702は、第2のモジュール708から選択的に分離し、異なる第2のモジュール708に結合することができる。第1のモジュール702および第2のモジュール708は、任意の方法によって一緒に結合することができる。例えば、締結/取り付けデバイスの締結具(例えば、ボルトもしくはねじ)、クランプ、ベルト、ストラップ、または任意の組み合わせを使用して、これらのモジュールを一緒に結合することができる。いくつかの実施形態では、サンプル処理器具700は、一体的自己内蔵型構造であり得る(つまり、第1のモジュール702は、第2のモジュール708から分離することができない)。
【0137】
いくつかの実施形態では、電力、データ、および/またはユーティリティ配管もしくは導管(空気、水、真空など)は、第1のモジュール702と第2のモジュール708との間に延在することができる。いくつかの実施形態では、第1のモジュール702は、等温条件(すなわち、第1の核酸増幅反応(例えば、転写増幅反応(TMA)、核酸配列系増幅(NASBA)反応、および鎖置換増幅(SDA)反応)の持続時間の間の実質的に一定の温度)を必要とする第1の核酸増幅反応を実施するように構成されており、第2のモジュール708は、熱サイクル(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR))を必要する第2の核酸増幅反応を実施するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1のモジュール702は、顧客よって以前に購入された核酸分析装置であり得、第2のモジュール708は、コンバイドシステムの分析能力を拡張する、後に購入されたモジュールであり得る。例えば、サンプル処理器具700がPanther Fusion(登録商標)システム(Hologic,Inc.から)である実施形態では、第1のモジュール702は、サンプルのTMAアッセイを実施するように構成されているPanther(登録商標)器具であり得、第2のモジュール708は、PCRアッセイ能力を付加することによってPanther器具の機能性を拡張するように構成されている分離可能なモジュールであり得る。
【0138】
例示的な第1のモジュール702および第2のモジュール708を有する例示的なサンプル処理器具700は、米国特許公報第2016/0060680および2016/0032358に記載されている。第1のモジュール702および第2のモジュール708の例示的なシステム、機能、構成要素、ならびに能力は、上記の刊行物には記載されているが、簡潔さのために本明細書には記載されていない。構成要素の中でも特に、第1のモジュール702および/または第2のモジュール708は、サンプルを保持するレセプタクル、試薬を記憶するレセプタクル、分析などに関係する反応を実施するためのレセプタクルと共に開放および装着され得るコンパートメント(例えば、引出、キャビネットなど)を含むことができる。これらのコンパートメントは、サンプル処理の間使用される複数の流体収容レセプタクル(例えば、プライマーおよびプローブを収容する)を記憶する少なくとも1つの流体引出706を含む。
【0139】
第1のモジュール702および/または第2のモジュール708の構成要素はまた、モジュール702および708の異なる装着ステーション(加熱器、インキュベータなど)の間のレセプタクルおよび/またはホルダを移動させるため輸送機と、サンプル処理器具700内の異なるレセプタクルの間で所望の量の流体を移送する1つ以上の流体移送デバイス704と、を含む。例示的な流体移送デバイス704は、モジュール702および708の異なる位置(例えば、流体引出706、サンプル収容レセプタクル、反応レセプタクル、および他の流体収容レセプタクル(例えば、流体試薬収容レセプタクル)の間の制御された自動移動のために構成されるロボットピペッタを含むことができる。各流体移送デバイス704は、プローブ726(図18および19に示される)を含むことができる。プローブ726は、例えば、使い捨て可能なピペット先端部または一体的な先端部であり得る。プローブ726は、流体収容レセプタクルに接近し、流体の少なくとも一部分を吸引し、次いで、別のレセプタクル(例えば、反応レセプタクル)内に所望の量の吸引された流体を分配するように構成され得る。
【0140】
いくつかの実施形態では、流体引出706は、複数の流体収容レセプタクルを保持するように構成されている。いくつかの実施形態では、流体引出706は第2のモジュール708の一部であり得る。しかしながら、流体引出706が、第1のモジュール702の一部であり得ることも考えられる。
【0141】
流体引出706は、移動可能なフレーム710および静止した支持体712を含むことができる。フレーム710が静止した支持体712に対して移動することができるように、移動可能なフレーム710は、静止した支持体712に移動可能に(例えば、摺動可能に)結合させることができる。静止した支持体712は、サンプル処理器具700のフレームと一体であるか、サンプル処理器具700のフレームに結合され得る。
【0142】
フレーム710は、それによって支持されるフレーム710および構成要素が、サンプル処理器具700(図16Aおよび17に示されるように)内にある閉鎖位置と、それによって支持される構成要素が、処理器具700の外側にあり、操作者(図16Bに示されるように)にアクセス可能である開放位置との間で移動させることができる。例えば、操作者は、流体引出706(または第2のモジュール708のハウジング)のカバーパネル上で引っ張って、器具700内の閉鎖位置から開放位置までフレーム710を摺動させ、それによって、流体引出706の内容物へのアクセスを操作者に提供することができる。ドアまたはカバーパネルは、第2のモジュール708の正面に美観を提供することができる。システムコントローラによって制御された自動ロックは、第2のモジュール708が動作しているとき、流体引出706のフレーム710が引っ張られて開放することを防止するように提供され得る。いくつかの実施形態では、可視および/または可聴警告信号を提供して、流体引出706が適切に閉鎖されていないことを示すことができる。
【0143】
図16Bは、ある実施形態による、開放位置における流体引出706のフレーム710を有するサンプル処理器具700の一部の拡大斜視図である。図17は、サンプル処理器具700の残りの部分から分離した、閉鎖位置における例示的な流体引出706の正面斜視図である。以下の考察では、図16Bおよび17の両方を参照する。流体引出706のフレーム710は、1つ以上の流体収容レセプタクルを支持するように構成されている。例えば、フレーム710は、異なる種類の試薬を担持することができる1つ以上の流体収容レセプタクルを保持するように構成されている1つ以上のレセプタクルホルダ(例えば、上述のようなレセプタクルホルダ10、12、および14)を支持するように構成され得る。
【0144】
いくつかの実施形態では、流体引出706のフレーム710は、複数のレセプタクルホルダによって支持されるレセプタクルおよびレセプタクルホルダによって支持されないレセプタクルの両方を含む、複数のレセプタクルを支持するように構成されている。例えば、フレーム710は、(a)各々が1つ以上の流体収容レセプタクル724を支持する1つ以上のホルダ718(例えば、図16Bおよび17に示されるような1つのホルダ718)、(b)各々が1つ以上の流体収容レセプタクル400を支持する1つ以上のホルダ719(例えば、図16Bに示されるような4つのホルダ719)、ならびに(c)1つ以上の流体収容レセプタクル721(例えば、図16Bに示されるような2つの流体収容レセプタクル721)を支持するように構成され得る。
【0145】
ホルダ718は、フレーム710に選択的に実装されるように構成され得、ホルダ718は、所望のように、フレーム710上に、またはフレーム710から離れて移動することができる。例えば、ホルダ718は、2017年4月3日に出願された、米国仮特許出願第62/480,977号に記載されるホルダの実施形態のいずれか1つによって構成され得る。米国仮特許出願第62/480,977に記載されるような輸送機は、フレーム710上の位置からサンプル処理器具700内の別の位置までホルダ718を移動させることができる。ホルダ718は、レセプタクル724を収容する1つ以上の溶離緩衝液を受容するための1つ以上の凹部を画定することができる。例えば、図16Bに示されるように、ホルダ718は、各々がそれぞれのレセプタクル724を受容するように構成されている2つの凹部を画定することができ、図16Bに図解されるように、1つのレセプタクル724は、ホルダ718によって画定された2つの凹部のうちの1つの凹部内に着座している。ホルダ718が、フレーム710に実装され、流体収容レセプタクル724が、ホルダ718によって画定された凹部内に受容されるとき、流体収容レセプタクル724は、フレーム710に動作可能に結合される。いくつかの実施形態では、ホルダ718によって支持された1つ以上のレセプタクル724は、サンプル流体、油、乾燥した試薬を再構成するために使用される再構成用緩衝液、溶離緩衝液、対象の分析物を固定し、精製するための固体支持体(例えば、磁気応答性粒子またはシリカビーズ)、ならびに試験または分析手順を実施するための試薬(NAATを実施するために使用されるプライマー、プローブ、および酵素など)のうちの1つ以上を収容する。例えば、レセプタクル724は、溶離緩衝液を収容することができる。
【0146】
ホルダ719の各々は、別個の構成要素であり、互いとは、かつホルダ718およびレセプタクル721とは個別である。各ホルダ719は、上記のレセプタクルホルダの実施形態、例えば、上述のホルダ10、12、および14のいずれかの実施形態のいずれか1つであり得る。また、いくつかの実施形態では、ホルダ719によって支持された1つ以上のレセプタクル400は、サンプル流体、油、乾燥した試薬を再構成するために使用される再構成用緩衝液、溶離緩衝液、対象の分析物を固定し、精製するための固体支持体(例えば、磁気応答性粒子またはシリカビーズ)、ならびに試験または分析手順を実施するための試薬(NAATを実施するために使用されるプライマー、プローブ、および酵素など)のうちの1つ以上を収容する。いくつかの実施形態では、ホルダ719によって支持された各レセプタクル400は、レセプタクル724内に収容された流体(複数可)とは異なる流体を収容する。
【0147】
レセプタクル721の各々は、別個の構成要素であり、互いとは、かつホルダ718およびホルダ719とは個別である。各レセプタクル721は、レセプタクルホルダを使用することなくフレーム710によって直接的に支持されるように構成されている。また、いくつかの実施形態では、1つ以上のレセプタクル721は、サンプル流体、油、乾燥した試薬を再構成するために使用される再構成用緩衝液、溶離緩衝液、対象の分析物を固定し、精製するための固体支持体(例えば、磁気応答性粒子またはシリカビーズ)、ならびに試験または分析手順を実施するための試薬(NAATを実施するために使用されるプライマー、プローブ、および酵素など)のうちの1つ以上を収容する。いくつかの実施形態では、各ホルダ721は、レセプタクル724内、およびホルダ719によって支持されたレセプタクル400内に収容された流体(複数可)とは異なる流体を収容する。
【0148】
いくつかの実施形態では、フレーム710は、各々がそれぞれのホルダ719を受容するように構成されている複数の凹部722を画定し、かつ各々がホルダなしでそれぞれの流体収容レセプタクルを直接受容するように構成されている複数の凹部720を画定する、レセプタクルおよびホルダ受容領域716を含む。凹部722および720は、それぞれのホルダ719および流体収容レセプタクル721を整列かつ/または支持するように構成され得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、凹部722および720の寸法は、各々がレセプタクルホルダ719およびレセプタクル721を交換可能に受容することができるように、類似している。そのような実施形態では、レセプタクル721の形態因子は、レセプタクルホルダ719の形態因子に実質的に類似し得る。
【0150】
いくつかの実施形態では、凹部720がレセプタクル721を受容することだけしかできず、かつ凹部722がレセプタクルホルダ719を受容することだけしかできないように、凹部722および720の寸法は異なる。そのような実施形態では、レセプタクル721の形態因子は、レセプタクルホルダ719の形態因子に実質的に類似していなくてもよい。
【0151】
流体引出706は、任意の数のレセプタクルホルダを支持し、任意の数の流体収容レセプタクルを直接的に支持する(すなわち、レセプタクルホルダを使用することなく)ように構成され得る。とりわけ、レセプタクルホルダおよび直接的に支持されたレセプタクル内のレセプタクルの数ならびに寸法は、とりわけ、供給品の必要とされる補充の間の意図されたスループットおよび所望の時間間隔の考慮によって決定され得る。
【0152】
いくつかの実施形態では、引出706は、視認可能な信号(例えば、赤および緑のLED)、ならびに/またはフレーム710上もしくは流体引出706内(もしくはホルダ上)に提供されて、凹部722内のホルダおよびレセプタクルステータスに関して操作者にフィードバックを提供する他のインジケータ(テキストの、可聴など)を有する、インジケータパネル714を含む。インジケータパネル714は、流体引出706内、またはレセプタクルホルダ(図16Bおよび17内のインジケータパネル714の異なる例示的な位置を示す)上の任意の位置に位置決めされ得る。
【0153】
いくつかの実施形態では、各凹部722を画定するフレーム710の少なくとも1つの表面は、伝導性であり得、サンプル処理器具700の電気接地または電圧源に電気的に結合され得る。例えば、図18を参照すると、凹部722の底部を画定する表面727は、伝導性であり得、サンプル処理器具700の電気接地または電圧源に電気的に結合され得る。レセプタクルホルダ719が凹部722内に受容されるとき、レセプタクルホルダ719の対応する伝導性部分(例えば、レセプタクルホルダ10の底部112、レセプタクルホルダ12の底部134、またはレセプタクルホルダ14の底部604)が、表面727に接触または隣接して、それによって、レセプタクルホルダ719(およびセプタクルホルダ719によって支持された1つ以上のレセプタクル内に中に収容された流体)をサンプル処理器具700の電気接地または電圧源に電気的に結合するように、伝導性表面727は位置決めされ得る。
【0154】
伝導性表面727は、伝導性表面727が電気伝導性であるように、1つ以上の伝導性材料(例えば、伝導性金属)でできている。いくつかの実施形態では、伝導性表面727を構成する材料(複数可)の伝導率は、20℃で1.0×10(S/m)よりも大きい。いくつかの実施形態では、伝導性表面727を構成する材料(複数可)の伝導率は、20℃で1.0×10(S/m)未満である。例示的な伝導性金属は、アルミニウム、銀、銅、金、亜鉛、黄銅、銅、鉄、プラチナ、鋼、ステンレス鋼、または任意の他の好適な金属を含む。いくつかの実施形態では、表面727は、伝導性金属箔、伝導性金属の被覆または塗装された層、または伝導性金属インサートを含む。
【0155】
図18は、ある実施形態による、上述のように、フレーム710の凹部722内に着座したレセプタクルホルダ10の例示的な断面概略図を図解する。レセプタクルホルダ10が凹部722内に着座しているとき、フレーム710の伝導性表面727は、ホルダ10の底部112の伝導性表面に接触する。底部112の伝導性表面は、レセプタクル400の閉鎖端部402に隣接して伝導性レセプタクル結合部分128を介してレセプタクル400内に収容された流体800に容量結合される。この電気的結合は、下記のように容量性流体レベルの検出のために使用することができる、ホルダ10の周りの電気伝導性平面または回路の形成を可能にする。
【0156】
いくつかの容量性流体レベル検出の実施形態において、かつ図18を参照すると、流体移送デバイス704(例えば、ロボットピペッタ)は、容量性レベル感知(および、いくつかの場合では、他の流体レベル感知または測定技法)を使用して、レセプタクル400内の流体800のレベルを検出するように構成され得る。プローブ726がコンデンサの1つの伝導体として役立つように、流体移送デバイス704のプローブ726(例えば、使い捨て可能なピペット先端部)は電圧源(例えば、交流電源)に接続され得る。接地平面(例えば、伝導性部分102によってホルダ10上に形成された、接地された電気伝導性平面は、コンデンサの他の伝導体として役立つ。これらの2つの容量性伝導体の間で測定された静電容量信号(静電容量に関連した信号)を使用して、レセプタクル400内の流体レベルを検出することができる。流体800が伝導性である実施形態では、プローブ726が流体800の流体表面レベル802に接触するとき、静電容量信号内の観察可能なスパイクは起こる。使用中、移送デバイス704のプローブ726が流体800に向かって下向きに移動させて、流体移送デバイス704の位置(高さ)は、静電容量信号と共に同時に監視される。静電容量信号が急速に増加する(例えば、流体800に接触するプローブ726によって引き起こされたスパイク)とき、ピペッタの高さは記録され、それによって流体表面レベル802の高さを確立する。コンデンサ(すなわち、伝導性部分102の頂部レセプタクル結合部分128)の1つの伝導体が、レセプタクル400の閉鎖端部402に隣接して位置決めされたので、測定された静電容量信号は、非常に高感度で、したがって、レセプタクル400内の流体800の流体レベル802を正確に検出するために使用することができる。
【0157】
図19は、ある実施形態による、上述のように、フレーム710の凹部722内に着座したレセプタクルホルダ14の例示的な断面概略図を図解する。レセプタクルホルダ14が凹部722内に着座しているとき、フレーム710の伝導性表面727は、ホルダ14の底部604の伝導性表面に接触し、隣接している。底部604の伝導性表面は、レセプタクル400の閉鎖端部402に隣接した電気伝導体600の伝導性部分608を介してレセプタクル400内に収容された流体800に容量結合される。この電気的結合は、上述のように容量性流体レベルの検出のために使用することができる、ホルダ14の周りの電気伝導性平面または回路の形成を可能にする。
【0158】
いくつかの実施形態では、サンプル処理器具700はまた、レセプタクル719上に配置されたRFIDトランスポンダ300から送信された情報を受信するように構成されている1つ以上のRFIDリーダ(時にRFID呼掛器と称される)に結合された1つ以上のRFIDアンテナ728を含む。例えば、RFIDアンテナ728は、フレーム710の各凹部722に隣接して位置決めすることができる。図18および19に示されるように、RFIDアンテナ728は、それぞれの凹部722の一部を画定する側壁に配置され得る。
【0159】
レセプタクルホルダ(例えば、レセプタクルホルダ10の伝導性部分102またはレセプタクル14の伝導体600)およびフレーム710の伝導性表面727のどちらかによって形成された伝導性平面は、非伝導性部分(例えば、ホルダ10の非伝導性部分200、ホルダ12の非伝導性部分210、またはホルダ14の非伝導性部分500)によってRFIDトランスポンダ300から電気的に断熱される。この断熱性は、RFIDトランスポンダ300からサンプル処理器具700のRFIDアンテナ728まで送信された情報に対するいかなる干渉も低減させる。
【0160】
いくつかの実施形態では、各凹部722は、複数のサンプルのサブセット上の流体収容レセプタクル400内に収容された流体800を使用して実施される特定のプロセスとの既知の初期関連を有するプロセスのために支持体流体収容レセプタクル400を支持するホルダと、複数のサンプルの別のサブセット上の流体収容レセプタクル400内に収容された流体800を使用して実施される特定のプロセスとの既知の初期関連を有しないプロセスのために流体収容レセプタクル400を支持するホルダとの両方を受容するように構成されている。そのような実施形態のいくつかでは、ホルダが複数の凹部722の任意の凹部722内に交換可能に着座し得るように、既知の初期関連を有する試験のためのホルダ、および既知の初期関連を有しない試験のためのホルダは、同じ一般的な形態因子を有する。
【0161】
いくつかの実施形態では、凹部722は各々、複数のサンプルの第1のサブセットに、その特定の流体収容レセプタクル721内に収容された流体を使用して実施される特定のプロセスとの既知の初期関連を有するプロセスのための流体収容レセプタクル721(ホルダなしで)を直接的に受容するように構成されている。
【0162】
例示的なサンプル処理方法
サンプル処理器具の引出上でホルダによって支持されたレセプタクル内に収容された流体を使用してサンプルを処理する例示的な方法が、ここで説明される。いくつかの実施形態では、フレーム710は、操作者にアクセスを提供する開放位置に移動させられる。開放位置では、操作者は、以下のうちの1つ以上を行うことができる。
●フレーム710上のレセプタクルホルダ718によって画定された1つ以上の凹部内に1つ以上の流体収容レセプタクル724を装着すること、
●それぞれの凹部722内にホルダ719を挿入することによって、1つ以上の流体収容レセプタクル400を支持する1つ以上のレセプタクルホルダ719(例えば、ホルダ10、12、および14)をフレーム710上に装着すること、
●それぞれの凹部722内にレセプタクルを挿入することによって、フレーム710上に直接的に、1つ以上の流体収容レセプタクル(いずれのホルダによっても支持されない)を装着すること、および
●凹部720内にレセプタクル721を挿入することによって、フレーム710上に直接的に、1つ以上の流体収容レセプタクル721(いずれのホルダによっても支持されない)を装着すること。
【0163】
フレーム710上にホルダおよびレセプタクルを装着した後に、操作者は、開放位置から閉鎖位置までフレーム710を移動させることができる。閉鎖位置で、ホルダ(例えば、ホルダ718および719)ならびにレセプタクル(例えば、レセプタクル721)は、サンプル処理器具700内に位置決めされる。ホルダ719がそれぞれの凹部内に着座しているとき、ホルダ719上のRFIDトランスポンダ300は、RFIDアンテナ728の動作フィールド内に位置決めされる。この点で、RFIDトランスポンダ300は、サンプル処理器具700のRFIDアンテナ728に、それぞれのレセプタクルホルダ719に関する情報を送信する。例えば、RFIDトランスポンダ300は、以下のうちの1つ以上を送信することができる。(1)レセプタクルホルダ719によって支持された各レセプタクル400を識別するレセプタクル識別子、(2)レセプタクルホルダ719を識別するホルダ識別子、および(3)レセプタクルホルダ719によって支持された流体収容レセプタクル400内に収容された流体を使用して実施されるプロセス(例えば、試験)を識別するプロセス識別子。追加として、RFIDアンテナ728を使用して、凹部722内のレセプタクル719の存在を判定することができる。例えば、RFIDアンテナ728が、RFIDトランスポンダ300によって典型的には送信されることになる送信情報をまったく受信しない場合、これは、レセプタクルホルダ719が凹部722内に存在しないという指標である。送信された情報はまた、レセプタクルホルダ719によって支持された流体収容レセプタクル内に収容された流体800を使用して実施されるプロセスを示すことができ、サンプル処理器具700は、この送信された情報を使用して、それぞれの流体収容レセプタクル719内に収容された流体を使用して実施される特定のプロセスの間の既知の関連があるかどうかを判定することができる。
【0164】
いくつかの実施形態では、送信されたレセプタクル識別子またはホルダ識別子は、レセプタクルホルダ719によって支持されたそれぞれの流体収容レセプタクル400内に収容された流体800を使用して実施される特定のプロセスとの既知の関連を有する。特定のプロセスの工程はまた、サンプル処理器具700の記憶デバイス上に記憶することができる。
【0165】
いくつかの実施形態では、送信されたレセプタクル識別子またはホルダ識別子は、レセプタクルホルダ719によって支持されたそれぞれの流体収容レセプタクル400内に収容された流体800を使用して実施される特定のプロセスとの既知の関連を有しない。例えば、いくつかの実施形態では、送信された情報は、レセプタクルホルダ719によって支持された流体収容レセプタクル内に収容された流体800を使用して実施されるプロセスが、レセプタクルホルダ719によって支持されたそれぞれの流体収容レセプタクル400内に収容された流体800を使用して実施される特定のプロセスとの既知の関連がないプロセスのためであることを示す。
【0166】
レセプタクルホルダ719によって支持された特定の流体収容レセプタクル400内に収容された流体800を使用して実施される特定のプロセスとの既知の初期関連がある場合、サンプル処理器具700は、いくつかの実施形態では、サンプル処理器具700の記憶デバイス上に保存されたプロトコルに基づいて、更なるユーザ入力なしで流体800を使用して1つ以上のサンプルを処理することができる。しかし、レセプタクルホルダ719によって支持された特定の流体収容レセプタクル400内に収容された流体800を使用して実施される特定のプロセスとの既知の初期関連がない場合、追加のユーザ入力は、サンプルに実施される特定のプロセスと流体800を関連付けるために必要とされ得る。
【0167】
いくつかの実施形態では、既知の初期関連がないとき、サンプル処理器具700は、操作者が、レセプタクルホルダ719によって支持された流体収容レセプタクル400に収容された流体800を使用して実施される特定のプロセスを識別することを促すように構成されている。この関連ステータスは、サンプル処理器具700にRFIDトランスポンダ300によって送信された情報に基づいて判定される。図20は、操作者が、レセプタクルホルダ719によって支持された流体収容レセプタクル400内に収容された流体800を使用して実施される特定のプロセスを識別することを促すためのサンプル処理器具700の例示の処理システム2000を図解する図である。
【0168】
図20の実施形態では、処理システム2000は以下の3つのサブシステムを含む。I/O(入出力インターフェース)サブシステム2002、UI(ユーザインターフェース)サブシステム2004、およびプロセスプロトコルサブシステム2006。各サブシステムは、次に後述する。入出力サブシステム2002は、RFIDアンテナ728(RFIDトランスポンダ300から送信された)によって検出された情報を受信する。UIサブシステム2004は、操作者が処理システム2000と相互作用することを可能にするユーザインターフェースを提供する。例えば、UIサブシステム2004は、例えば、レセプタクルホルダ719によって支持された流体収容レセプタクル400内に収容された流体800を使用して実施されるプロセスの異なる選択またはプロンプトを、ディスプレイ上に表示するユーザインターフェースを提供することができる。次いで、UIサブシステム2004は、例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン、または任意の他の好適なユーザ入力デバイスを介して、1つ以上のユーザ入力としてプロセスの操作者指標を受信することができる。UIサブシステム2004はまた、例えば、レセプタクルホルダ719によって支持された流体収容レセプタクル400内に収容された流体800を使用して実施することができる特定のプロセスの最大数の異なる選択またはプロンプトを、ディスプレイ上に表示するユーザインターフェースを提供することができる。次いで、UIサブシステム2004は、例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン、または任意の他の好適なユーザ入力デバイスを介して、1つ以上のユーザ入力として、流体収容レセプタクル400内に収容された流体800を使用して実施することができる特定のプロセスの最大数の操作者指標を受信することができる。プロセスプロトコルサブシステム2006は、RFIDトランスポンダ300からRFIDアンテナ728によって受信された情報に基づいて、レセプタクルホルダ719によって支持された流体収容レセプタクル400内に収容された流体800が、サンプル処理器具700の記憶デバイス上に記憶されたプロセスプロトコルとの既知の関連を有するかどうかを判定する。プロトコルサブシステム2006はまた、サンプルを処理するためにサンプル処理器具700の記憶デバイス上で記憶されたプロトコルを実行することができる。プロセスプロトコルサブシステム2006は、UIサブシステム2004を使用して受信されたユーザ入力に基づいて、これらのプロトコルを実行することができる。
【0169】
いくつかの実施形態では、UIサブシステム2004は、サンプル処理器具700の記憶デバイス上で記憶されたプロトコルとの既知の初期関連がないとき、ディスプレイ上に、操作者に情報を提供することを促すグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示するように構成されている。図21は、そのような情報を取得するためのある実施形態による例示的なGUI2100を図解する。
【0170】
図21に示されるように、GUI2100は、フレーム710の各凹部722を表すアイコン2102A~2102Dを含むことができる。アイコン2102A~2102Dは、図21に示されるような矩形、または任意の他の形状もしくは記号であり得る。UIサブシステム2004は、凹部722内にホルダ719またはレセプタクルの有無を示すためにアイコン2102A~2102Dの特性を変化させるように構成され得る。例えば、ホルダ719によって支持され得る各々の可能なレセプタクルを表すアイコン2104A~2104Dは、図21に示されるように、アイコン2102A~2102D内に表示され得る。また、例えば、アイコン2102A~2102Dの色は、凹部722内のレセプタクルホルダ719の有無に基づいて変化させることができる。
【0171】
いくつかの実施形態では、GUI2100は、レセプタクルホルダ719によって支持され得る各可能な流体収容レセプタクル400に関する情報について操作者を促し、GUI2100は、要求された情報を表する1つ以上のユーザ入力を受信することができる。いくつかの実施形態では、操作者が、ホルダ上の任意のユーザ提供インジケータ、例えば、上述の表面118、218、および518上で提供されたインジケータを視覚的に参照した後、操作者は、ユーザ入力を提供する。例えば、GUI2100は、追加情報についての1つ以上の視覚プロンプトを収容する各凹部(例えば、上述の凹部104、204、および504)と関連付けられた複数の領域2106A~2106Dを含むことができる。各領域2106A~2106Dは、ホルダ719上のインジケータ114、216、および514と対応するラベルを有することができる。例えば、領域2106A~2106Dは、それぞれ「チューブA」、「チューブB」、「チューブC」、および「チューブD」とラベル付けされる。
【0172】
いくつかの実施形態では、領域2106A~2106Dは、レセプタクルが検出されたレセプタクルホルダ719上に存在するという指標について操作者を促すように構成されている。例えば、領域2106A~2106Dは、例えば、レセプタクルが検出されたレセプタクルホルダ719内に存在するかどうかを示す、ユーザ入力(例えば、マウスのクリック、タッチスクリーン上のタッチ、またはキーボード上のキーストローク)を受容するように構成されているそれぞれのサブ領域2108A~2108Dを含む。サブ領域2108A~2108Dは、「装着済」とラベル付けすることができる。GUI2100は、このユーザ入力指標を表すアイコンを表示するように構成され得る。例えば、GUI2100は、レセプタクルがホルダ719のそれぞれの凹部内に存在することを示すチェックマーク2110A、2110B、および2110Cを、それぞれのサブ領域2108A、2108B、2108C内に表示した。サブ領域2108D内で表示されているアイコンがないことは、どのレセプタクル400も領域2106Dと関連したホルダ719の凹部内に受容されないことを示す。
【0173】
いくつかの実施形態では、領域2106A~2106Dは、レセプタクルホルダ719によって支持されたそれぞれの流体収容レセプタクル400内に収容された流体を使用して実施される特定のプロセスの指標について操作者を促すように構成されている。例えば、領域2106A~2106Dは、ユーザ入力(例えば、キーボードもしくはタッチスクリーンで入力された英数字テキスト、または、特定のプロセスが、レセプタクルホルダ719によって支持されたそれぞれの流体収容レセプタクル400内に収容された流体を使用して実施されることを示す、例えば、マウス、タッチスクリーン、もしくはキーボードを使用するプロセスオプションのドロップダウンメニューからの選択)を受信するように構成されているサブ領域2112A~2112Dを含む。GUI2100は、このユーザ入力プロセス指標を表す英数字試験またはアイコンを表示するように構成され得る。例えば、図21に示されるように、GUI2100は、サブ領域2112A~2112C内のユーザ入力プロセス指標の名称を示す英数字テキストを表示する。
【0174】
いくつかの実施形態では、領域2106A~2106Dは、レセプタクルホルダ719によって支持されたそれぞれの流体収容レセプタクル400内に収容された流体を使用して実施され得る特定のプロセスの最大回数の指標について操作者を促すように構成されている。例えば、領域2106A~2106Dは、ユーザ入力(例えば、キーボードもしくはタッチスクリーンで入力された英数字テキスト、または最大回数、特定のプロセスが、レセプタクルホルダ719によって支持されたそれぞれの流体収容レセプタクル400内に収容された流体を使用して実施され得ることを示す、例えば、マウス、タッチスクリーン、もしくはキーボードを使用するプロセスオプションのドロップダウンメニューからの選択)を受信するように構成されているサブ領域2114A~2114Dを含む。GUI2100は、このユーザ入力数指標を表す英数字テキストまたはアイコンを表示するように構成され得る。例えば、図21に示されるように、GUI2100は、サブ領域2114A~2114C内の最大回数を示す英数字テキストを表示する。
【0175】
例えば、GUI2100を使用してサンプル処理器具700によって受信されたユーザ入力は、記憶デバイス(例えば、任意の種類のランダムアクセスメモリ、ハードドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、CDROM、ZIPディスク、テープ、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、MEMS、ナノ技術的記憶デバイスなど)内に記憶され、その後のサンプル処理のために使用され得る。
【0176】
いくつかの実施形態では、処理プロトコルサブシステム2006は、例えば、GUI2100のサブ領域2212および2114を使用して受信されたユーザ入力プロセス指標に基づいて、サンプル処理器具700の記憶デバイス上に記憶された特定のプロトコルをフレーム710上のそれぞれのレセプタクルに関連付ける。それで、その特定のプロトコルがサンプルに実施されることが予定されているとき、サンプル処理器具700は、その特定のレセプタクル400がフレーム710上にある状態で収容された流体を使用する。つまり、フレーム710が閉鎖位置に最初に移動されたとき、レセプタクルホルダ719によって支持されたその特定の流体収容レセプタクル400内に収容された流体800を使用して実施される特定のプロセスとの既知の初期関連がないが、処理プロトコルサブシステム2006は、UIサブシステム2004およびGUI2100によって受信されたユーザ入力に基づいて、特定のプロセスとの関連を生成する。例えば、レセプタクル内に収容された流体が、サンプル処理器具700の記憶デバイス上に記憶された特定の試験プロトコルとの既知の関連がないプロセスのためのものであるとき、操作者は、UIサブシステム2004およびGUI2100を使用して、サンプル処理器具700の記憶デバイス上に記憶された特定の試験プロトコルに流体を関連付けることができる。
【0177】
これらの工程は、フレーム710上に装着されることが検出される各々の追加のレセプタクルホルダ719のために繰り返され得る。
【0178】
レセプタクルホルダ719が凹部722から除去される場合、UIサブシステム2004は、次にホルダが凹部722内に存在することを検出されるときにホルダ719によって支持され得る各々の可能な流体収容レセプタクルに関する情報について操作者を自動的に促すように構成され得る。これは、異なる流体収容レセプタクルを有する異なるホルダが不正確なプロセスと関連付けられないことを確実とするのを補助する。
【0179】
特定のプロセスとの初期関連を有しない流体収容レセプタクルは、UIサブシステム2004を使用する受信されたユーザ入力と、レセプタクル719上でRFIDトランスポンダ300から送信された情報とに基づいて、特定のプロセスプロトコルと関連付けられる。流体収容レセプタクルはまた、その特定のプロセスプロトコルに従って、サンプルを処理するために使用することができる。例えば、プロセスプロトコルの工程が、プロセスプロトコルと関連付けられたレセプタクル内に収容された特定の流体を用いて実施されることが予定されているとき、流体移送デバイス704は、吸引のための流体を収容する関連付けられたレセプタクルと整列させることができる。流体移送デバイス704は、次いで、レセプタクル400内の流体800に向かって前進させることができる。流体800の流体レベルは、上述のように、ロボット流体移送デバイス704の電気伝導性プローブ726と、流体収容レセプタクル400内に収容された流体800に容量結合された電気接地との間の静電容量の変化を検出することによって測定することができる。流体移送デバイス704は、次いで、流体収容レセプタクル400内に収容された流体800の少なくとも一部を吸引することができる。流体移送デバイス704は、次いで、移動して、別のレセプタクルと整列させることができる。そのとき、流体移送デバイス704は、流体800の吸引された部分を他のレセプタクル内に分配することができる。
【0180】
流体800が新しい関連付けられたレセプタクルから吸引されることを除いて、別のプロセスプロトコルの工程が、他のプロセスプロトコルと関連付けられた異なるレセプタクル内に収容された別の流体を使用して実施されることが予定されているとき、これらの工程を繰り返すことができる。
【0181】
本開示の様々な態様は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせによってサンプル処理器具700に実装することができる。サンプル処理器具700は、特殊目的または汎用プロセッサであり得る1つ以上のプロセッサを含むことができる。プロセッサは、通信インフラ(例えば、バスまたはネットワーク)に接続される。プロセッサは、CPU、グラフィック処理ユニット(GPU)、加速処理ユニット(APU)、フイールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号処理(DSP)、または他の類似の汎用もしくは特殊処理ユニットを含むことができる。
【0182】
サンプル処理器具700は、1つ以上の記憶デバイス(例えば、主メモリおよび二次メモリ)を含むことができる。主メモリは、揮発性メモリまたは不揮発性メモリであり得、チャネルに分割され得る。二次メモリは、例えば、不揮発性メモリ(ハードディスクドライブ、取り外し可能な記憶ドライブ(例えば、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、フラッシュメモリなど)、および/またはメモリスティックなど)を含むことができる。取り外し可能な記憶ドライブは、周知の様式で、取り外し可能な記憶ユニットから読み取り、かつ/または取り外し可能な記憶ユニットに書き込む。取り外し可能な記憶ユニットは、取り外し可能な記憶ドライブによって読み取られ、かつ取り外し可能な記憶ドライブに書き込まれる、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、光ディスクなどを含むことができる。関連技術(複数可)の当業者によって理解されるように、取り外し可能な記憶ユニットは、コンピュータソフトウェアおよび/またはデータをその中に記憶したコンピュータ使用可能記憶媒体を含む。
【0183】
代替の実装態様では、二次メモリは、コンピュータプログラムまたは他の命令(例えば、プロセスプロトコル)が、サンプル処理器具700内に装着されることを可能にするための他の類似の手段を含むことができる。そのような手段は、例えば、取り外し可能な記憶ユニットおよびインターフェースを含むことができる。そのような手段の例としては、プログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース(ビデオゲームデバイス内で見い出されたものなど)、取り外し可能なメモリチップ(EPROMまたはPROMなど)および関連付けられたソケット、ならびにソフトウェアおよびデータが、取り外し可能な記憶ユニットからサンプル処理器具700まで転送されることを可能にする他の取り外し可能な記憶ユニットおよびインターフェースが挙げられる。
【0184】
サンプル処理器具700はまた、メモリコントローラを含むことができる。メモリコントローラは、主メモリおよび二次メモリへのデータアクセスを制御するための機能性を含む。いくつかの実施形態では、メモリコントローラはプロセッサに外付けされ得る。他の実施形態では、メモリコントローラはまた、直接プロセッサの一部であり得る。例えば、多くのAMD(商標)およびIntel(商標)プロセッサは、プロセッサと同じチップの一部である集積メモリコントローラを使用する。
【0185】
サンプル処理器具700はまた、通信/ネットワークインターフェースを含むことができる。通信/ネットワークインターフェースは、ソフトウェアおよびデータが、サンプル処理器具700と外部デバイスとの間に転送されることを可能にする。通信/ネットワークインターフェースは、モデム、通信ポート、PCMCIAスロットおよびカードなどを含むことができる。通信/ネットワークインターフェースを介して転送されたソフトウェアおよびデータは、通信/ネットワークインターフェースによって受信されることができる電子、電磁、光学、または他の信号であり得る信号の形態である。これらの信号は、通信経路を介して通信/ネットワークインターフェースに提供される。通信経路は、信号を搬送して、ワイヤもしくはケーブル、光ファイバ、電話線、携帯電話リンク、RFリンク、または他の通信回線を使用して実装され得る。
【0186】
通信/ネットワークインターフェースは、サンプル処理器具700が、LAN、WAN、インターネットなどの通信ネットワークまたは媒体にわたって通信することを可能にする。通信/ネットワークインターフェースは、有線または無線接続を介してリモートサイトまたはネットワークとインターフェースすることができる。
【0187】
本文書では、「コンピュータプログラム媒体」、「コンピュータ使用可能媒体」、および「非一時的媒体」という用語は、概して、有形媒体(例えば、取り外し可能な記憶ユニット、取り外し可能な記憶ドライブ、およびハードディスク装置内に取り付けられたハードディスク)を指すために使用される。通信経路にわたって搬送される信号はまた、本明細書に記載される論理を具現化することができる。コンピュータプログラム媒体およびコンピュータ使用可能媒体はまた、メモリ半導体(例えば、DRAMなど)であり得るメモリ(主メモリおよび二次メモリなど)を指すことができる。これらのコンピュータプログラム製品は、サンプル処理器具700にソフトウェアを提供するための手段である。
【0188】
コンピュータプログラム(コンピュータ制御論理とも呼ばれる)は、主メモリおよび/または二次メモリ内に記憶される。コンピュータプログラムはまた、通信/ネットワークインターフェースを介して受信することができる。そのようなコンピュータプログラムは、実行されるとき、サンプル処理器具700が本明細書に記載される実施形態を実装することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されるとき、サンプル処理器具700が、上述の方法における工程などの所望のサンプルプロセスを実装することを可能にする。したがって、そのようなコンピュータプログラムは、サンプル処理器具700のコントローラを表す。実施形態がソフトウェアを使用して実装される場合、ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品内に記憶され、例えば、取り外し可能な記憶ドライブ、インターフェース、ハードドライブ、または通信/ネットワークインターフェースを使用して、サンプル処理器具700内に装着され得る。
【0189】
サンプル処理器具700はまた、キーボード、モニタ、ポインティングデバイス、タッチスクリーンなどの入力/出力/ディスプレイデバイスを含むことができる。
【0190】
様々な実施形態のシミュレーション、合成、および/また製造が、汎用プログラミング言語(CもしくはC++)、ハードウェア記述言語(HDL)(例えば、Verilog HDL、VHDL、Altera HDL(AHDL)、もしくは他の利用可能なプログラミング)、および/もしくは概略捕集具(回路捕集具など)を含むコンピュータ可読コードを使用することにより、達成され得ることに留意されたい。このコンピュータ可読コードは、半導体、磁気ディスク、光ディスク(例えばCD-ROM、DVD-ROM)を含む任意の既知のコンピュータ使用可能媒体内に配置され得る。よって、コードは、インターネットを含む通信ネットワークにわたって送信され得る。上述のシステムおよび技法によって、達成される機能ならびに/または提供される構造は、プログラムコード内で具現化され、集積回路の製造の一部としてハードウェアに移送することができるコアにおいて表され得ることが理解される。
【0191】
実施形態はまた、任意のコンピュータ使用可能媒体上に記憶されたソフトウェアを備えるコンピュータプログラム製品を対象とする。そのようなソフトウェアは、1つ以上のデータ処理装置内で実行されるとき、データ処理装置(複数可)を本明細書に記載されるように動作させるか、または上記したように、電子デバイス(例えば、ASICまたはプロセッサ)の合成および/または製造が、本明細書に記載される実施形態を実施することを可能にする。実施形態は、任意のコンピュータ使用可能またはコンピュータ可読媒体、および現在もしくは未来において知られる任意のコンピュータ使用可能またはコンピュータ可読記憶媒体を利用する。コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読媒体の例としては、一次記憶デバイス(例えば、任意の種類のランダムアクセスメモリ)、二次記憶デバイス(例えば、ハードドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、CDROM、ZIPディスク、テープ、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、MEMS、ナノ技術的記憶デバイスなど)、ならびに通信媒体(例えば、有線および無線通信ネットワーク、LAN、ワイドエリアネットワーク、イントラネットなど)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読媒体は、任意の一時的(信号を含む)または非一時的媒体(信号を除く)を含むことができる。非一時的媒体は、非限定的な例として、前述の物理記憶デバイス(例えば、一次および二次記憶デバイス)を含む。
【0192】
本発明の様々な実施形態を上で説明したが、それらが例として提示されたものであって、限定されるものではないことを理解されたい。本発明の範囲を逸脱しない範囲で形状および詳細の様々な変化が本明細書中で為され得ることは、当業者にとって明らかであろう。
【0193】
本発明を、機能的構築ブロックおよび方法工程(それらの指定された機能および関係の性能を図解する)を用いて上に説明した。これらの機能的構築ブロックおよび方法工程の境界は、説明の便宜上、本明細書に任意に定義された。それらの指定された機能および関係が適切に実施される限り、代替の境界を定義することができる。そのような代替の境界は、これにより請求される発明の範囲内にある。当業者は、これらの機能的構築ブロックを、個別の構成要素、特定用途向け集積回路、適切なソフトウェアを実行するプロセッサなど、またはそれらの任意の組み合わせによって実装することができることを認識するであろう。したがって、本発明の幅および範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物によってのみ定義されるべきである。
【0194】
特定の実施形態が上で説明されているが、当業者が認識するように、開示された実施形態の多くの変形が可能であり、したがって、それらは本開示の範囲内である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
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