IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グローブ ファイアー スプリンクラー コーポレーションの特許一覧

<図1>
  • 特許-組立式弁アセンブリ 図1
  • 特許-組立式弁アセンブリ 図2
  • 特許-組立式弁アセンブリ 図3
  • 特許-組立式弁アセンブリ 図4
  • 特許-組立式弁アセンブリ 図5
  • 特許-組立式弁アセンブリ 図6
  • 特許-組立式弁アセンブリ 図7
  • 特許-組立式弁アセンブリ 図8
  • 特許-組立式弁アセンブリ 図9A
  • 特許-組立式弁アセンブリ 図9B
  • 特許-組立式弁アセンブリ 図10
  • 特許-組立式弁アセンブリ 図11
  • 特許-組立式弁アセンブリ 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-06
(45)【発行日】2023-02-14
(54)【発明の名称】組立式弁アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A62C 35/68 20060101AFI20230207BHJP
   F16K 15/03 20060101ALI20230207BHJP
   F16K 5/06 20060101ALI20230207BHJP
【FI】
A62C35/68
F16K15/03 A
F16K5/06 F
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021099184
(22)【出願日】2021-06-15
(62)【分割の表示】P 2019507223の分割
【原出願日】2017-03-10
(65)【公開番号】P2021154141
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2021-06-15
(31)【優先権主張番号】62/373,626
(32)【優先日】2016-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/402,840
(32)【優先日】2017-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518029203
【氏名又は名称】グローブ ファイアー スプリンクラー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】リンガー,ヨラム
(72)【発明者】
【氏名】モーン,ケビン,デズモンド
(72)【発明者】
【氏名】アーチボルド,トーマス,エドウィン
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー,ステファン,ジェイ.
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-149021(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0014270(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 2/00-99/00
F16K 15/03
F16K 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿式配管システム用の組立式弁アセンブリであって、
単体の弁体と、
前記弁体内に取り付けられ、前後の圧力差に応じて閉位置と開位置との間で移動可能な逆止弁と、
前記弁体に脱着可能に取り付けられ、前記逆止弁の下流で前記弁体に流体接続される排水弁と、
前記弁体に脱着可能に設けられ、前記逆止弁と前記排水弁との上流で前記弁体に流体接続される機械的に独立した水流検出スイッチと
を備え、
前記弁体は、
前記弁体の側壁を貫通して延在し、前記弁体内と流体接続される第1孔と、
前記第1孔の下流に配置され、前記弁体の側壁を貫通して延在し、前記弁体内と流体接続される、略対向配置された一対の第2孔と
を含み、
前記水流検出スイッチは前記第1孔に取り付け可能であり、
前記排水弁は前記一対の第2孔のいずれか一方に脱着可能に結合される
ことを特徴とする弁アセンブリ。
【請求項2】
前記水流検出スイッチは、前記逆止弁の上流で前記弁体に流体接続される、請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項3】
前記水流検出スイッチは、前記逆止弁の下流で前記弁体に流体接続される、請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項4】
前記一対の第2孔のうちの、前記排水弁が結合されない方の孔は、脱着可能に取り付けられる封止アダプタにより流体密に塞がれる、請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項5】
前記逆止弁は、
前記弁体内に取り付けられる無端弁座と、
前記弁体内で脱着可能かつ回動可能に取り付けられるクラッパーディスクと
を備え、
前記クラッパーディスクは、前記閉位置において前記弁座に対して流体密に係合され、前記開位置において前記弁座から離間する、
請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項6】
前記逆止弁は、
前記クラッパーディスクを前記閉位置に付勢する付勢部材
をさらに備える、請求項5に記載の弁アセンブリ。
【請求項7】
前記排水弁と、前記逆止弁と、前記水流検出スイッチとで構成される逆止弁アセンブリに流体接続され、前記弁体の上流に配置される制御アセンブリであって、
内部に制御弁を含む弁体と、
前記制御弁を、流体の流れを通過させる開位置と、流体の流れを実質的に妨げる閉位置との間で動かすことができるように前記制御弁に結合する、選択的な回転が可能な制御アームと
を有する制御アセンブリ
をさらに備える、請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項8】
前記制御弁はバタフライ弁である、請求項7に記載の弁アセンブリ。
【請求項9】
前記水流検出スイッチは、前記制御弁の下流、前記逆止弁の上流で、前記単体の弁体に流体接続される、請求項7に記載の弁アセンブリ。
【請求項10】
前記水流検出スイッチは、前記逆止弁および前記制御弁の下流で、前記単体の弁体に流体接続される、請求項7に記載の弁アセンブリ。
【請求項11】
第1位置と第2位置との間で回転可能であるように、前記弁体内に支持されるアクチュエータアームと、
前記アクチュエータアームを前記第1位置と前記第2位置との間で動かすことができるように、前記アクチュエータアームに結合する、選択的な回転が可能な制御アームと
をさらに備え、
前記アクチュエータアームは、
前記第1位置では、前記逆止弁の可動範囲から逸れて、前記逆止弁がその前後の圧力差に応じて前記開位置と前記閉位置との間を自由に移動可能であるようにし、
前記第2位置では、前記逆止弁に係合して前記逆止弁を、その前後の圧力差に関わらず前記閉位置に維持する、
請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項12】
前記弁体の側壁に設けられた、前記逆止弁および前記アクチュエータアームが完全に通過できるような大きさおよび寸法の開口と、
前記開口を塞ぐように、前記弁体に脱着可能かつ流体密に取り付け可能な取付プレートと
をさらに備える、請求項11に記載の弁アセンブリ。
【請求項13】
前記弁体の側壁に設けられた、前記逆止弁が完全に通過できるような大きさおよび寸法の開口と、
前記開口を塞ぐように、前記弁体に脱着可能かつ流体密に取り付け可能な取付プレートと
をさらに備える、請求項1に記載の弁アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組立式弁アセンブリに概して流体流動弁アセンブリに関する。
【0002】
本願は、参照により本願にその全体が援用される、2016年8月11日に出願された米国特許仮出願第62/373,626号、発明の名称「組立式制御弁アセンブリ」、および2017年1月10日に出願された米国特許非仮出願第15/402,840号、発明の名称「組立式弁アセンブリ」の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
本発明は概して流体流動弁アセンブリに関し、特に防火スプリンクラーシステムの下流側のスプリンクラーに流される水を監視および任意で制御するために使用される、スプリンクラー用湿式連結送水管の弁アセンブリに関する。
【0004】
商業用または非商業用建築物保護用の防火スプリンクラーシステムは、制御弁、逆止弁、水流検出スイッチ、テスト弁、排水弁、圧力開放弁の一部または全部の組み合わせを備える。制御弁は、例えばメンテナンス用に、その下流のスプリンクラーへの水流を遮断可能とするように利用される。逆止弁は、火災防護システム内の下流における流体および圧力を維持する。これにより、供給側システムメンテナンス等の期間中に、逆止弁の下流のシステムで、流体および圧力が維持される。水流検出スイッチは、少なくともスプリンクラーが作動される際にアラーム音を発するために使用される。テスト弁は、スプリンクラーシステムのテストに利用され、排水弁は、スプリンクラーシステムの排水、さらに、例えばメンテナンスにも利用される。圧力開放弁は、スプリンクラーシステム内の水圧が安全レベルを越えないことを保証するように利用される。
【0005】
これら物品は、それぞれ、様々な商用部品製造業者から入手可能である。従来、テスト弁および排水弁、圧力開放弁および水流検出スイッチは、スプリンクラーシステム設置時に、それぞれ別個に制御弁および/または逆止弁近傍の、広大な配管マニホールド/配管網における各導管に取り付けられる。結果として、スプリンクラーシステムの配管マニホールドは比較的大きな接地面積となり、製造コストも高く、組立にも時間、複雑性、さらに高コストが伴う。一例として、配管マニホールド、導管、さらに取り付けられる補機に、最大のスプリンクラーシステム制御弁(直径8インチ以上)を組み合わせると、重さが数百ポンドになることも珍しくない。
【0006】
したがって、設置面積がコンパクトであり、制御弁、逆止弁、水流検出スイッチ、テスト弁、排水弁、圧力開放モジュール、あるいはこれらの何らかの組み合わせが取り付けられた組立式弁アセンブリを製造することは有利である。この構成により、巨大な配管マニホールドや、それに対応する接地面積が不要となり、製造コストや時間も最小限に抑えられ、組立時の複雑性も排することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様は、簡潔にまとめると、湿式配管システム用の組立式弁アセンブリに関する。アセンブリは、単体の弁体を備え、弁体内に逆止弁を備える。逆止弁は、逆止弁前後の圧力差に応じて閉位置と開位置との間で移動可能である。排水弁が、弁体に脱着可能に取り付けられ、逆止弁の下流で弁体に流体接続される。機械的に独立した水流検出スイッチが、弁体に脱着可能に取り付けられ、排水弁の上流で弁体に流体接続される。
【0008】
本発明の別の態様は、単体の弁体を備え、弁体内に制御弁を備える湿式配管システム用の組立式弁アセンブリに関する。制御弁は、制御弁を開位置と、閉位置との間で動かすように選択的に回転可能な制御アームが動作可能に結合されている。開位置では、制御弁を通じて流体が流れることが可能で、閉位置では、制御弁を通じた流体の流れが実質的に不能となる。排水弁が、弁体に脱着可能に取り付けられ、制御弁の下流で弁体に流体接続される。機械的に独立した水流検出スイッチが、弁体に脱着可能に取り付けられ、排水弁の上流で弁体に流体接続される。
【0009】
本発明の別の態様は、単体の弁体と、弁体に着脱可能に接続されたスプールパイプを備える、湿式配管システム用の組立式弁アセンブリに関する。逆止弁は、弁体内に配置され、逆止弁前後の圧力差に応じて閉位置と開位置との間で移動可能である。排水弁が、弁体に脱着可能に取り付けられ、逆止弁の下流で弁体に流体接続される。機械的に独立した水流検出スイッチが、スプールパイプに脱着可能に取り付けられ、逆止弁および排水弁の上流で弁体に流体接続される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下の本発明の好適な実施形態の詳細な説明は、添付の図面と合わせて読むとよりよく理解されるであろう。但し、本発明は、図示されている厳密な構成や手段に限定されないことが理解されるべきである。図面は以下のとおりである。
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る、2つの部位から形成される組立式制御弁アセンブリの斜め前方からの斜視図である。
【0012】
図2図1の組立式制御弁アセンブリの正面図である。
【0013】
図3図1の組立式制御弁アセンブリの平面図である。
【0014】
図4図1の組立式制御弁アセンブリの、図3の断面線A-Aに沿った断面図である。
【0015】
図5図1のモジュール制御弁アセンブリの左側面図である。
【0016】
図6】本発明の第2実施形態に係る、3つの部位から形成される組立式制御弁アセンブリの前方からの斜視図である。ここで、逆止弁アセンブリは弁体と、別個のスプールパイプとを備える。
【0017】
図7】本発明の第3実施形態に係る組立式制御弁アセンブリの正面図である。ここで、水流検出スイッチは、逆止弁と、テスト/排水/圧力開放モジュールとの間に配置される。
【0018】
図8】本発明の第4実施形態に係る組立式制御弁アセンブリの前方からの斜視図である。ここで、逆止弁は、逆止/制御複合弁の形態である。
【0019】
図9A図8に示す組立式制御弁アセンブリの、図8の断面線B-Bに沿った断面図である。ここで、水流検出スイッチは逆止弁およびテスト/排水/圧力開放モジュールの両方の上流に配置される。また、動作が逆止弁に関連付けられたアクチュエータアームはその第1位置に向けられている。
【0020】
図9B図8に示す組立式制御弁アセンブリの、図8の断面線B-Bに沿った断面図である。ここで、水流検出スイッチは逆止弁およびテスト/排水/圧力開放モジュールの両方の上流に配置される。また、アクチュエータアームはその第2位置に向けられている。
【0021】
図10図8に示す組立式制御弁アセンブリの別の構成の、図8の断面線B-Bに沿った断面図である。ここで、水流検出スイッチは逆止弁およびテスト/排水/圧力開放モジュールの両方の上流に配置される。また、アクチュエータアームはその第1位置に向けられている。
【0022】
図11】本発明の第5実施形態に係る組立式制御弁アセンブリの前方からの斜視図である。ここで、制御弁アセンブリは圧力作動逆止弁を有さず、水流検出スイッチが制御弁と、テスト/排水/圧力開放モジュールとの間に配置される。
【0023】
図12図11の組立式制御弁アセンブリの別の構成の部分的な斜視図である。ここで、水流検出スイッチは制御弁の上流に配置されている。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明では、便宜上ある種の専門用語を使用するが、限定的な意図はない。「下側」、「底」、「上側」、「上」という語は、参照される図面における方向を指定する。「内側に」、「外側に」、「上側に」、「下側に」という語は、本開示に従う制御弁アセンブリおよびその指定された部品の幾何学的中心に向かうまたは中心から離れる方向を指す。別途指定のない限り、「1つの(a、an)」、「その(the)」という語は1つの要素に限定されるものではなく、「少なくとも1つの」を意味するものと解されるべきである。専門用語には、上述の用語、その派生語、および同様の趣旨の用語が含まれる。
【0025】
本発明の構成要素の寸法や特徴に言及する際に本稿で使用される「およそ」、「約」、「略」、「実質的に」、等の用語は、記載された寸法/特徴は厳密な境界値やパラメータではなく、そこからの変動であって機能的に同様であるものを除外しないことを示す。少なくとも、数値的なパラメータを含む表現は、当該技術で受け入れられている数値的、業界的原則(四捨五入または切り捨て、測定または定誤差、製作誤差等)を鑑み、最小有効数字を変えない範囲の変動を含む。
【0026】
詳細に図面を参照すると(同様の参照符号は同様の構成要素を示す)、図1~5に、本発明の第1の好適な実施形態に従う、概して参照符号10で示される配管系統の組立式弁アセンブリ(「MVA」)を示す。概して、MVA10は、多層階建築物用のスプリンクラーシステム(不図示)の、湿式連結送水管(不図示)用に使用される。通常、湿式連結送水管は建築物の各階を通じて垂直に延在し、各階において、MVA10が連結送水管から分岐することが当業者には理解されよう。各階のMVA10は、連結送水管内の水を、当該階におけるスプリンクラーにつなぐものである。MVA10はさらに、テストやメンテナンスの際に、スプリンクラーシステムの排水を制御してもよい。また、MVA10が制御弁(以下に詳述する)を備える場合、MVA10はさらに、例えば火災鎮火時に、スプリンクラーへの水流の遮断を制御してもよい。
【0027】
図1~5のMVA10は、上流側制御アセンブリ12と、下流側逆止弁アセンブリ14という2つの主構成要素を備える。これらは連続しており、当業者により公知の方法で、機械的結合部16によって互いに接続される。制御アセンブリ12は、(図1、2に示すMVA10の配向に関して)その基端に、MVA10の主入口12aを画定する。これを介して、湿式連結送水管からの水が流れ込む。逆止弁アセンブリ14は、(同じく図1、2に示すMVA10の配向に関して)その最上端に、MVA10の主出口14bを画定する。これを介して、MVA10からスプリンクラー(不図示)に水が送られる。図示の実施形態では、両端部12a、14bそれぞれが、別の継手または管部と従来式結合を実現するための外周溝を有する。あるいは、端部12a、14bは、その他種類の従来式結合を実現するため、ネジ山や、フランジ等を有してもよい。
【0028】
制御アセンブリ12は、メンテナンス作業を行うため、または火災鎮火をもってスプリンクラーを停止するための、MVA10の手動停止を制御する。当業者には理解されるように、メンテナンス時に閉じる以外は、緊急時にスプリンクラーへの適切な水流が保証されるように、MVA10は概して常に全開であるべきである。
【0029】
図示の実施形態では、制御アセンブリ12は、内部にバタフライ弁ディスク19と、無端(例えば環状)シール17が設けられた略筒形弁体18を有するバタフライ制御弁15を備える。環状シール17は、閉位置にあるバタフライディスク19に対して弁座として機能する。本明細書において使用される「バタフライ弁」という用語は、流体流動を規制するように、管の断面に沿った(即ち、流体流動方向に直交する)軸を中心に回動可能な略円盤状の閉鎖部を有するあらゆる弁を網羅する幅広いものである。弁体18は、その一端に入口端12aが設けられ、その他端に、逆止弁アセンブリ14の入口端14aと流体連通する反対側の出口端12bが設けられる。
【0030】
弁体18の側壁に、開口20aおよび20bが、対向するように設けられ、概して参照符号22で示される弁作動アセンブリの構成要素を、流体密に受容する。弁作動アセンブリ22は、複数のスポーク24aを有し、バタフライディスク19(弁体18内に配置)に対して従来どおりに、例えば制御アーム25を介して動作接続されたハンドル24(弁体18外に配置)を備える。当業者に理解されるように、バタフライディスク19は、(ディスク19が弁体18を通過する流体流動方向に直交して配向されて)実質的に流体が弁体18を通過不能とする閉位置(不図示)と、(ディスク19が弁体18を通過する流体流動方向に略平行となって、または直交はしない状態となって)流体が弁体18を通過可能とする開位置(図4)との間で、弁体18の径方向軸を中心に回転可能である。
【0031】
ハンドル24を時計回りおよび反時計回りに回転することで、バタフライ弁ディスク19が当業者に公知なとおりに、それぞれ制御MVA10の開および閉構成にそれぞれ対応する、開位置と、閉位置との間で回動する。したがって、例えば、メンテナンスのため、または火災鎮火後にスプリンクラーを停止するためにMVA10を手動で遮断するためには、ユーザはバタフライ弁ディスク19をその閉位置まで回転させるように、ハンドル24を回転する。MVA10をその通常動作状態(図4)に戻すには、ユーザはハンドル24を反対方向に回して、バタフライ弁ディスク19をその開位置に戻すように回転させる。
【0032】
任意で、弁作動アセンブリ22は、弁ハンドル24とバタフライディスク19との間に、減速比が得られるように市販の従来式ウォーム・ギア・トランスミッション(不図示)をさらに有してもよい。ウォーム・ギア・トランスミッションにより、制御アセンブリ12をその動作圧力下で手動開閉可能となるという所要の機械的利点が実現されることが理解されよう。
【0033】
制御アセンブリ12も、従来どおりに1つまたは複数の内部監視スイッチ26が設けられる。内部監視スイッチ26、即ち不正操作防止スイッチは、当業者に公知のとおりに動作し、制御アセンブリ12に対して従来どおりに動作接続される。一例として、非限定的に、監視/不正操作防止スイッチ26は、弁作動アセンブリ22内のカム(不図示)により作動可能である。カムは従来どおりに制御アセンブリ12の弁軸(不図示)に動作接続されて、ハンドル24が所定数回転されるうちに、スイッチ26の状態を切り替える。監視スイッチ26は、監視システム(不図示)に対しても、当業者に公知のとおりに接続される。当該システムは、関係者以外がMVA10の制御アセンブリ12を開けまたは閉じ始めるような場合に、アラームを起動する、照明をつける等のために警告信号を生成する。
【0034】
図1~5に示す逆止弁アセンブリ14は、全体的に筒形で単体(例えば、一体型、一体形式、単一形式)の弁体34を有する。単体の弁体34は、水流検出スイッチ28、逆止弁30、テスト/排水/圧力開放モジュール32というMVA10の3つの主要構成要素を流体接続する、あるいは収容する。これについては詳細に後述する。図示の実施形態では、逆止弁30はクラッパー弁の形態である。但し、当業者には理解されるように、逆止弁30はクラッパー弁に限定されることはなく、本明細書に記載の逆止弁30の機能を実行可能な、現行あるいは将来的に実現される、液体の逆流を実質的に防止する一方向弁の任意の形態をとり得る。
【0035】
逆止弁30は、弁体34内に位置し、無端(例えば環状)の弁座30aと、着脱可能クラッパーディスク30bとを備える。クラッパーディスク30bは、クラッパーディスク30b前後の水圧差に応じて、開位置(不図示)と、閉位置(図4)との間で回動可能である。逆止弁30が閉位置にあると、クラッパーディスク30bは流体密に弁座30aに係合し、逆止弁30が開位置にあると、クラッパーディスク30bは上側に回動して弁座30aから離れており、これにより水が入口側14aから出口側14bへ、逆止弁30を通過して流れることができる。弁体34内に回動可能に設けられた、例えばねじりばねのような付勢部材30cが、クラッパーディスク30bに取り付けられる。ばね30cは、クラッパーディスク30bに所定のばね力を加えることで、クラッパーディスク30bの弁座30aとの流体密係合を維持する。クラッパーディスク30b前後の圧力差により、ばね30cのばね力を反対方向に凌駕する力がクラッパーディスク30bに加わり、クラッパーディスク30bのばね力を圧倒しうる。
【0036】
当業者には理解されるように、MVA10は湿式連結送水管と流体接続するため、弁体34は常に水が満たされて加圧された状態となる。弁30前後の水圧差(即ち、下流側の方が上流側よりも水圧が高い)も、クラッパーディスク30bを閉位置に留めることに寄与する。例えば、火災のような熱イベントによりスプリンクラーシステムが起動されると、スプリンクラーによる放水の結果、弁30の下流側の圧力低下が生じる。したがって、クラッパーディスク30b前後の圧力差が、ばね30cのばね力を凌駕する力に到達し、これによりクラッパーディスク30bが開位置に回動して、水が弁30を通じてスプリンクラーに流れることが可能となる。
【0037】
図示の実施形態では、弁体34の側壁で、逆止弁30の位置の近傍に開口(不図示)が設けられる。この開口は、逆止弁30が弁体34内に組付けられる際に(MVA10の製造中)、逆止弁30を通せるような大きさおよび寸法となる。逆止弁30が弁体34内に取り付けられた後に、当業者に公知のとおりに着脱可能カバープレート55が弁体34に流体密状態で締結されて(例えば弁体34との螺合係合)、開口が塞がれる。但し、当業者に理解されるように、弁体34は側壁開口、さらに対応するカバープレート55が設けられないように設計されてもよい。その場合、逆止弁30は、例えば非限定的であるが、弁体34の入口または出口端14a、14b等のその他の開口を介して、弁体内に組付けられてもよい。
【0038】
水流検出スイッチ28が、逆止弁アセンブリ14内で、テスト/排水/圧力開放モジュール32の上流に配置される。これについては詳細に後述する。図1~6に図示の実施形態では、水流検出スイッチ28はさらに逆止弁30に対して上流に配置されている。水流検出スイッチ28は、MVA10の入口12aから出口14bへの水流を検出し、例えばアラーム音を発する等の通知を出力する。水流検出スイッチ28をテスト/排水/圧力開放モジュール32の上流に配置することはさらに、水流検出スイッチ28がMVA10から水がテスト/排水/圧力開放モジュール32(詳細に後述する)を通じて排水されていることを検出および通知可能となるという利点がある。
【0039】
図示の実施形態では、水流検出スイッチ28は従来のレバー式圧力スイッチである。水流検出スイッチ28は、MVA10内のあらゆる弁から機械的に独立している。即ち、水流検出スイッチ28はMVA10内のいずれの弁にも機械的に結合または連結されておらず、したがって、MVA10内のどの弁を開閉しても水流検出スイッチ28が機械的に作動されることはない。図4に最もよく示すように、水流検出スイッチ28は、水流検出スイッチ28から孔36aを通じて弁体34内へと延在するレバーアーム28aにより作動される。レバーアーム28aは、弁体34内で水流方向と実質的に直交する平面に沿って延在する。レバーアーム28aは、後端がアラームシステム(不図示)に接続された電気スイッチ28bに接触する。非限定的であるが、クラッパーディスク30b(レバーアーム28aに機械的に連結されていない)が開放した際等に、弁体34を通じてレバーアーム28aに対して水が流れると、レバーアーム28aが動かされ、即ち回動して、スイッチ28が作動されて、当業者に公知のとおりにアラーム音が鳴らされる。
【0040】
水流検出スイッチ28は、調整可能遅延時間機構28cを有する。当該機構は、スプリンクラーが起動された、またはテスト/排水/圧力開放モジュール32がMVA10から排水を実行していることを示すアラーム音の出力条件としての、スイッチ28が起動状態にとどまる必要がある時間に対応する所定期間に設定される。この時間遅延は、スプリンクラーまたはテスト/排水/圧力開放モジュール32が起動されていない状態での連結送水管内での散発的および一時的な圧力サージを考慮したものである。但し、当業者に理解されるように、水流検出スイッチ28はレバー作動水流検出スイッチに限定されない。例えば、非限定的であるが、水流検出スイッチ28は磁気起動水流検出スイッチ(不図示)の形態であってもよい。これは、逆止弁30またはテスト/排水/圧力開放モジュール32の動きの磁気検出により作動されてもよい。さらに、逆止弁30またはテスト/排水/圧力開放モジュール32前後の圧力差により作動される圧力作動水流検出スイッチ(不図示)等でもよい。
【0041】
有利な構成として、弁体34は、弁体34の側壁を貫通して延在し、弁体34内部と流体連通する、例えば鏡面対象となるよう、略対向配置された一対の第1孔36a、36bを備える。水流検出スイッチ28は、当業者に公知のとおりに、孔36a、36bのいずれかに、選択的かつ着脱可能に取り付け可能である。例えば、図示の実施形態では、水流検出スイッチ28は孔36aにボルト付けされる。但し、水流検出スイッチ28は、螺合、差込式等の公知のまたは将来的に実現される、異なる様々な取り付け手段の内の任意のものにより、孔36a、36bのいずれかに流体密に取り付けられてもよいことが理解されよう。一対の第1孔36a、36bの内の空いている孔、即ち水流検出スイッチ28が取り付けられない孔は、例えば、非限定的ではあるが、ボルトまたはネジ付プラグのような着脱可能封止プラグ/アダプタ38により、流体密に塞がれる。
【0042】
MVA10は、図1~5では直立状態で示されているが、スプリンクラーシステムの配管に沿って、水平に組み立てられることも多い。したがって、MVA10が「左右」水平構成、即ち水が左から右に流れる状態では、鏡面対象孔36a、36bの一方が弁体34の上側に配置される。一方、MVA10が「右左」水平構成、即ち水が右から左に流れる状態では、鏡面対象孔36a、36bの該一方が弁体34の底側に配置される(孔36a、36bの他方が上側に配置される)。MVA10を流れる水の堆積物が、弁体34の底側に溜まることを考慮すると、水流検出スイッチ28は弁体34の底側に取り付けるべきではない。即ち、水流検出スイッチ28を弁体34の底側に取り付けてしまうと、レバーアーム28aの近くに堆積物が溜まり、その動きや動作を妨げる可能性がある。さらに、MVA10排水後にも、水平に配向された弁体34の底側にある程度水が残り得、電気部品の存在を考慮すると、例えば水流検出スイッチ28の交換時に不利となり得る。
【0043】
したがって、逆止弁アセンブリ14において、径方向で略対向するように設けられた2つの孔36a、36bから、水流検出スイッチ28を取り付ける方を選択するのが有利なのである。具体的には、ユーザはスプリンクラーシステムの配管に沿ったMVA10の向きに応じて、弁体34の上側に配置された孔36aまたは孔36bに、水流検出スイッチ28を取り付けてもよい。さらに、MVA10を垂直に組み立てた場合にも鏡面対象の孔36a、36bを設けることは有利である。即ち、建築物によっては、逆止弁アセンブリ14の片側のみにしか、水流検出スイッチ28を配置する空間的余裕がない場合もあるのである。
【0044】
テスト/排水/圧力開放モジュール32について説明する。テスト、排水、圧力開放の各機能が単一のユニットとなるように組み合わされたもので、水流検出スイッチ28の下流(さらに、図1~6に示す逆止弁30の下流)であって、MVA10の出口14bの上流の逆止弁アセンブリ14の弁体34に流体接続される。モジュール32は、3つの流体接続可能な孔42、44、46と、これら3つの孔間の流れを配向する内部流弁40とを備える。図示の実施形態では、弁40はボール弁(図4)の形態であるが、これに限られない。当業者に理解されるように、弁40は、本明細書に記載の弁40の機能を実施可能な、スプール弁等の、現行あるいは今後実現されるあらゆる弁の形態であってもよい。
【0045】
モジュール32の第1孔42(図1、2では「TEST」と記載)は、当該モジュールの入口側42aから逆止弁30の下流の逆止弁アセンブリ14に流体接続し、モジュール32の入口孔として機能する。第2孔44(図1、2では「OFF」と記載)の出口44bは、外部配管50を介して、圧力開放用の第3孔46に流体接続される(詳細に後述する)。第3孔46(図1、2では「DRAIN」と記載)は、第1孔42を排水管(不図示)に流体接続させ、モジュール32の出口孔として機能する。内部流弁40は、レバー48により制御される。
【0046】
レバー48が「TEST」位置に向けられると、内部ボール弁40が、第1孔42および第3孔46の間で一部開放するまたは制限するようにし、さらに第2孔44を完全に塞ぐように配向される。これにより、逆止弁アセンブリ14およびスプリンクラーからの水が、第1孔42を介して制限されながら、モジュール32内に流れ込み、第3孔46の出口46bを介してモジュール32から流れ出る。入口オリフィス46aの下流の透明窓49によって、ユーザは、水が第3孔46に流れ込んでいるか否かを視認することができる。なお、「TEST」位置は、水が所要のとおりにMVA10およびスプリンクラー配管内に存在するかを確認するために利用されることが理解されよう。
【0047】
レバー48が「DRAIN」位置に向けられると、内部ボール弁40が、第1孔42および第3孔46間で全開となり、第2孔44を完全に塞ぐように配向される。これにより、水が逆止弁アセンブリ14およびスプリンクラーから、第1孔42を介して規制なくモジュール32内に排水され、第3孔46を介してモジュール32から流れ出る。排水位置は、例えばメンテナンス用に、各階のスプリンクラー配管内の水を排水するために利用される。
【0048】
レバー48が「OFF」位置に向けられると、内部ボール弁40は第1孔42および第2孔44間で全開となり、第3孔46を完全に塞ぐように配向される。一方向圧力開放弁45が、入口オリフィス44aと配管50との間で、第2孔44の下流に配置される。圧力開放弁45は、約175psiの閾値圧力で開放することが好ましいが、その他圧力を採用してもよい。
【0049】
MVA10の通常動作中には、レバーは「OFF位置」に向けられる。したがって、通常動作中のMVA10内で、水圧が175psiを越えると、圧力開放弁45が開放し、水が逆止弁アセンブリ14から第1孔46を介して、第2孔44内の圧力開放弁45を介して流れ、外部配管50を介して第3孔46に逸れて、排水される。圧力開放弁45の目的は、建築物で下層階に過度の圧力をかけることなく、上層階で適切な水圧が維持することである。
【0050】
図2~4に最もよく示すように、弁体34は、弁体34の側壁を貫通して延在し、弁体34内部と流体連通する、例えば鏡面対象となるよう、略対向配置された一対の第2孔52a、52bを備える。一対の第2孔52a、52bは、一対の第1孔36a、36bの下流に配置される。テスト/排水/圧力開放モジュール32は、当業者に公知のとおりに、第2の孔52a、52bのいずれかに、選択的かつ着脱可能に取り付け可能である。例えば、図示の実施形態では、モジュール32は、第2ポート52bに螺合される。但し、モジュール32は、公知のまたは将来的に実現される、異なる様々な取り付け手段の内の任意のものにより、第2孔52a、52bのいずれかに密閉取り付けされてもよいことが理解されよう。一対の第2孔52a、52bの内の空いている孔、即ちテスト/排水/圧力開放モジュール32が取り付けられない孔は、例えば、封止プラグ/アダプタ54により、封止して塞がれる。
【0051】
MVA10は、上述のとおり、スプリンクラーシステムの配管に沿って、水平に組み立てられることが多い。MVA10が「左右」水平構成では、第2孔52a、52bの一方が弁体34の上側に配置される。一方、MVA10が「右左」水平構成では、孔52a、52bの該一方が弁体34の底側に配置される(孔52a、52bの他方が上側に配置される)。
【0052】
テスト/排水/圧力開放モジュール32は、効率的な排水能力のために、弁体34の底側に取り付けられるべきである。即ち、水は重力により、下に流れた方がよりよく排水されるのである。したがって、逆止弁アセンブリ14において、径方向で略反対側に設けられた2つの第2の孔52a、52bから、テスト/排水/圧力開放モジュール32を取り付ける方を選択するのが有利なのである。具体的には、ユーザはスプリンクラーシステムの配管に沿ったMVA10の向きに応じて、弁体34の底側に配置された孔52aまたは孔52bに、テスト/排水/圧力開放モジュール32を取り付けてもよい。さらに、MVA10を垂直に組み立てた場合にも鏡面対象の孔52a、52bを設けることは有利である。即ち、建築物によっては、逆止弁アセンブリ14の片側のみにしか、テスト/排水/圧力開放モジュール32を配置する空間的余裕がない場合もあるのである。
【0053】
上述のように、テスト、排水、および圧力開放システムを、単一のモジュール32に組み合わせ、水流検出スイッチ28およびテスト/排水/圧力開放モジュール32をMVA10に直接取り付ければ、弁アセンブリ周辺に、配管マニホールド、即ち相互結合された配管網を配置することが不要となる。あるいは、水流検出スイッチ28およびテスト/排水/圧力開放モジュール32が直接取り付けられたMVA10は、その入口端12aにおいて、湿式連結送水管に直接流体接続され、その出口14bで、スプリンクラーに直接流体接続されてもよい。配管マニホールドを省くことができれば、関連する時間、コスト、組立の複雑さも省かれるとともに、スプリンクラーシステム配管の設置面積は大幅に削られるという利点がある。但し、当業者に理解されるように、テスト弁、排水弁、および圧力開放弁はそれぞれ別個にMVA10に対して着脱可能に取り付けられてもよい。さらに、テスト弁、排水弁、および圧力開放弁の内の1つまたは複数を従来とおり別個に、MVA10の上流または下流の配管系統網に取り付けてもよい。
【0054】
図6は、別の実施形態のMVA110を示す。本実施形態の参照符号は、上述の実施形態のものと、100番台の値となっていることで区別可能となっているが、別途記載されない限り、上述の要素と同じものを示している。本実施形態のMVA110は、前述の実施形態と実質的に同等である。したがって、これら実施形態間の所与の類似点についてはここでは省略するが、それは簡潔性と利便性のためであって、限定的な意図はない。
【0055】
MVA10とMVA110との主な違いは、MVA10の制御アセンブリ12および逆止弁アセンブリ14が2つの部位から形成される一方、MVA110の制御アセンブリ112および逆止弁アセンブリ114が、3つの部位から形成されることである。図6に示すように、逆止弁アセンブリ114は、より小さい単体の弁体134と、弁体134を制御アセンブリ112に流体接続する別個のスプールパイプ131とを備える。弁体134は、逆止弁130を収容し、テスト/排水/圧力開放モジュール132をそこに取り付けるための、一対の第2孔(一方のみを152bとして図示する)を備える(圧力開放弁および外部配管は図6では不図示)。スプールパイプ131は、機械的に独立した水流検出スイッチ128をそこに取り付けるための、一対の第1孔(一方のみを136aとして図示する)を備える。図示のように、スプールパイプ131は上流端が、機械的結合手段116を介して制御アセンブリ112に接続され、下流端が別の機械的結合手段117を介して弁体134に接続される。
【0056】
図7は、別の実施形態のMVA210を示す。本実施形態の参照符号は、上述の実施形態のものと、200番台の値となっていることで区別可能となっているが、別途記載されない限り、上述の要素と同じものを示している。本実施形態のMVA210は、前述の実施形態と実質的に同等である。したがって、これら実施形態間の所与の類似点についてはここでは省略するが、それは簡潔性と利便性のためであって、限定的な意図はない。
【0057】
MVA10、110とMVA210との主な違いは、逆止弁に対する、機械的に独立した水流検出スイッチの位置である。図7に示すように(図7において、圧力開放弁および外部配管は不図示)、水流検出スイッチ228は、前記同様にテスト/排水/圧力開放モジュール232の上流に配置されているが、ここでは逆止弁230(概略的に示す)の下流に配置される。逆止弁230の上流(図1~6に示す実施形態)であろうと、下流(図7)であろうと、水流検出スイッチ228はMVA210の入口212aから出口214bへの水流を検出し、例えばアラーム音を発する等の通知が可能である。また水流検出スイッチ228はテスト/排水/圧力開放モジュール232の上流にあることは変わらないので、この構成でもMVA210からの水の、テスト/排水/圧力開放モジュール232を介した排水時を検出、通知可能である。
【0058】
図8~10は、別の実施形態のMVA310を示す。本実施形態の参照符号は、上述の実施形態のものと、300番台の値となっていることで区別可能となっているが、別途記載されない限り、上述の要素と同じものを示している。本実施形態のMVA310は、前述の実施形態と実質的に同等である。したがって、これら実施形態間の所与の類似点についてはここでは省略するが、それは簡潔性と利便性のためであって、限定的な意図はない。
【0059】
MVA10、110、210と、MVA310との主な違いは、MVA310の逆止弁330が、逆止/制御複合弁の形態であって、MVA10、110、210それぞれの別個の制御アセンブリ12、112、212が省かれることである。図示のように、弁体334は、弁体334内に回転可能に支持されるアクチュエータアーム323をさらに備える。アクチュエータアーム323は、第1位置(図9A)と、第2位置(図9B)との間で回転可能である。アクチュエータアーム323はその第1位置において、逆止弁330の可動動作範囲外に向けられる。これにより、逆止弁330のクラッパーディスク330bは、クラッパーディスク330bの前後の圧力差に応じて、その開位置と閉位置との間で自由に移動可能となる。アクチュエータアーム323は第2位置において、閉位置にある逆止弁330のクラッパーディスク330bに対して、クラッパーディスク330b前後の圧力差に関わらず、係合、配向、保持を実行する。選択的回転可能な制御アーム325(図8)が、アクチュエータアーム323に動作結合し、アクチュエータアーム323をその第1および第2位置間で動かす。非限定的であるが、アクチュエータアーム323は一例として、本願の譲受人に譲渡され、参照により本願にその全体が完全に盛り込まれているかのように援用される、2016年10月20日に出願された米国特許出願第15/298,758号(発明の名称「制御弁アセンブリ」)に記載のアクチュエータアームの形態であってもよい。
【0060】
逆止弁330と同様に、アクチュエータアーム323は弁体334内に脱着可能に取り付けてもよい。例えば、非限定的であるが、アクチュエータアーム323は一端が、取付プレート355の反対側の、弁体334の穴(不図示)内に脱着可能に軸支されてもよい。アクチュエータアーム323の反対端は、取付プレート355を通じて、弁作動アセンブリ322(図8)内へと延在する。したがって、弁体334の側壁の開口(不図示)は、アクチュエータアーム323が挿入可能にもなるように大きさや寸法が設計される。
【0061】
図示のように、機械的に独立した水流検出スイッチ328が、テスト/排水/圧力開放モジュール332の上流の弁体334に、脱着可能に取り付けられる。図8~9Bに示す実施形態において、図1~5に示す実施形態で説明したのと同様にして、水流検出スイッチ328も逆止/制御複合弁330の上流に取り付けられる。あるいは、別の構成では、水流検出スイッチ328は図10に示すように、テスト/排水/圧力開放モジュール332と、逆止/制御複合弁330との間で、弁体334に脱着可能に取り付けられてもよい。テスト弁、排水弁、および圧力開放弁は、単一モジュール332(図示)となるように組み合わされてもよいし、それぞれ別個にMVA310に脱着可能に取り付けられてもよい。さらに、テスト弁、排水弁、および圧力開放弁の内の1つまたは複数を従来とおり別個に、MVA310の上流または下流の配管系統網に取り付けてもよい。
【0062】
図11~12は、別の実施形態のMVA410を示す。本実施形態の参照符号は、上述の実施形態のものと、400番台の値となっていることで区別可能となっているが、別途記載されない限り、上述の要素と同じものを示している。本実施形態のMVA410は、前述の実施形態と実質的に同等である。したがって、これら実施形態間の所与の類似点についてはここでは省略するが、それは簡潔性と利便性のためであって、限定的な意図はない。
【0063】
MVA10、110、210、310と、MVA410との主な違いは、MVA410は圧力作動逆止弁を有さないことである。ここでは、MVA410の3つの主要構成要素は、テスト/排水/圧力開放モジュール432、機械的に独立した水流検出スイッチ428、およびMVA410の手動停止を制御する制御弁アセンブリ412である。MVA10と同様に、MVA410は、弁体418を備える。弁体418内に、制御弁415が設けられる。制御弁415は、制御弁415を開位置と、閉位置との間で動かすように選択的に回転可能な制御アーム425が動作可能に結合されている。開位置では、制御弁を通じて流体が流れることが可能で、閉位置では、制御弁415を通じた流体の流れが実質的に不能となる。制御弁は、バタフライ制御弁(図4)の形態であってもよいが、本開示はこれに限定されない。制御アーム425に接続されたハンドル424を時計回りおよび反時計回りに回転することで、バタフライ弁ディスク419が当業者に公知のとおりに、開位置と、閉位置との間で回動する。
【0064】
図11に示すように、テスト/排水/圧力開放モジュール432は、制御弁415の下流の弁体418に脱着可能に取り付けられる。図11に示すように、水流検出スイッチ428は、テスト/排水/圧力開放モジュール432と、制御弁415との間で弁体418に脱着可能に取り付けられる。テスト弁、排水弁、および圧力開放弁は、単一モジュール432(図示)となるように組み合わされてもよいし、それぞれ別個にMVA410に脱着可能に取り付けられてもよい。図11に示す実施形態では、弁体418は単体の弁体である。あるいは、図12に示す別の構成において、水流検出スイッチ428は、制御弁415の上流で、弁体418に脱着可能に取り付けられてもよい。さらに、テスト弁、排水弁、および圧力開放弁の内の1つまたは複数を従来とおり別個に、MVA410の上流または下流の配管系統網に取り付けてもよい。
【0065】
本稿に記載された実施形態に対して、その広い発明の概念から逸脱することなく変更を加えられることが当業者には理解されよう。いくつかの実施形態では、例えば、限定的ではないが、バタフライ制御弁は逆止弁の下流に配置されてもよい。別の例では、限定的ではないが、制御アセンブリは逆止弁アセンブリの下流に取り付けられてもよい。例えば、本発明の用途としては、火災防護スプリンクラーシステム用の弁アセンブリが開示されるが、本発明の組立式弁アセンブリは、他分野においてその他流体の制御および監視に対して幅広く適用可能である。したがって、本発明は開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に規定された本発明の精神および範囲から逸脱することなく、変形例を網羅すると意図されることが理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12