(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-06
(45)【発行日】2023-02-14
(54)【発明の名称】通知装置、通知方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230207BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021155263
(22)【出願日】2021-09-24
【審査請求日】2021-09-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】松本 洋輔
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-087212(JP,A)
【文献】国際公開第2016/006086(WO,A1)
【文献】特開2010-140378(JP,A)
【文献】特開2020-098503(JP,A)
【文献】特開2021-092892(JP,A)
【文献】特開2017-097485(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0024341(US,A1)
【文献】特表2014-522028(JP,A)
【文献】最強の通販を使い倒す Amazonお得技,Mr.PC 第9巻 第2号,2017年12月22日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの資産又は収支の履歴を示す資産収支履歴情報を提供する金融サービスを利用するために用いられ前記金融サービスにおいて前記ユーザを識別するための金融サービス利用者識別情報と、前記ユーザが利用する複数のサービスにおける前記ユーザによる前記複数のサービスの利用に関する情報を統合するためのユーザ共通識別情報と、前記複数のサービスそれぞれを利用するために用いられ前記複数のサービスそれぞれにおいて前記ユーザを識別するための複数のユーザ個別識別情報それぞれとを関連付けて記憶しており、且つ、前記ユーザと異なる複数の参考ユーザの前記ユーザ個別識別情報をそれぞれ記憶している記憶部と、
前記ユーザ共通識別情報を取得し、取得した前記ユーザ共通識別情報に関連付けて前記記憶部が記憶している前記金融サービス利用者識別情報を外部装置に送信し、当該金融サービス利用者識別情報に対応する前記ユーザの資産又は収支の履歴を示す前記資産収支履歴情報を当該外部装置から取得し、且つ、前記複数の参考ユーザの前記金融サービス利用者識別情報を前記外部装置にそれぞれ送信し、当該複数の参考ユーザの前記金融サービス利用者識別情報に対応する前記資産収支履歴情報を前記外部装置からそれぞれ取得する取得部と、
前記記憶部が記憶している前記ユーザ個別識別情報に対応するサービスの利用料金の支払履歴を示す料金支払履歴情報を前記資産収支履歴情報から抽出し、且つ、前記記憶部が記憶している前記複数の参考ユーザの前記ユーザ個別識別情報に対応する前記料金支払履歴情報を前記資産収支履歴情報からそれぞれ抽出する抽出部と、
前記料金支払履歴情報に基づいて、前記ユーザが前記サービスの前記利用料金を支払っている第1支払方法を特定する特定部と、
前記サービスの前記利用料金を支払う複数の支払方法のうち前記第1支払方法で前記利用料金を支払う場合に前記ユーザが受ける便益の大きさと前記第1支払方法と異なる第2支払方法で前記利用料金を支払う場合に前記ユーザが受ける便益の大きさとを比較することにより、前記第1支払方法と比較して前記ユーザにとっての便益が大きい第2支払方法がある場合に、前記第1支払方法と比較して便益が大きい前記第2支払方法であり、且つ、前記複数の参考ユーザの前記料金支払履歴情報において前記サービスを利用する複数の参考ユーザが当該サービスの利用料金の支払に用いた前記第2支払方法を前記ユーザに通知する通知部と、
を備える通知装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記抽出されたサービスの料金支払履歴情報の抽出元である前記資産収支履歴情報に対応する前記金融サービス利用者識別情報に基づいて、当該サービスの前記利用料金を支払っている前記第1支払方法を特定する、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記サービスの利用料金の支払いに使用可能な前記複数の支払方法を、前記サービスを利用するための情報を前記ユーザに提供する情報提供装置から取得する、
請求項1又は2に記載の通知装置。
【請求項4】
前記通知部は、前記第1支払方法と比較して便益が大きい前記第2支払方法であり、且つ、前記複数の参考ユーザの前記料金支払履歴情報において前記サービスを利用する複数の参考ユーザのうちの所定の割合以上の参考ユーザが当該サービスの利用料金の支払に用いた前記第2支払方法を前記ユーザに通知する、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項5】
前記抽出部は、前記ユーザが前記サービスの利用料金を支払った複数の支払日時を含む料金支払履歴情報を抽出し、
前記特定部は、前記複数の支払日時に基づいて前記ユーザが前記サービスの利用料金を支払う時期を特定することにより前記第1支払方法を特定する、
請求項1又は4に記載の通知装置。
【請求項6】
前記通知部は、前記サービスの利用料金を支払う複数の支払方法のうち、前記サービスの利用料金の前記サービスの利用時間又は利用期間当たりの支払額が前記第1支払方法よりも小さい前記第2支払方法を通知する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の通知装置。
【請求項7】
前記通知部は、前記サービスの利用料金を支払う複数の支払方法のうち、前記サービスの利用料金の支払いに対して付与される特典が前記第1支払方法よりも大きい前記第2支払方法を通知する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の通知装置。
【請求項8】
前記通知部は、前記サービスの利用料金を支払う複数の支払方法のうち、前記サービスの利用料金の支払いに対して返金されるキャッシュバックの額又は割合が前記第1支払方法よりも大きい前記第2支払方法を通知する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の通知装置。
【請求項9】
前記通知部は、前記第1支払方法と比べて前記第2支払方法が有利な点及び不利な点の少なくともいずれかをさらに通知する、
請求項1から8のいずれか一項に記載の通知装置。
【請求項10】
前記通知部は、前記サービスの利用料金を支払う複数の支払方法のうち、前記第1支払方法が最も便益が大きい場合に、前記第1支払方法が最も便益が大きいことを前記ユーザに通知する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の通知装置。
【請求項11】
前記第1支払方法と異なる支払方法を通知させる前記ユーザの指示を受け付ける受付部をさらに備え、
前記通知部は、前記ユーザの指示を前記受付部が受け付けた場合に、前記サービスの利用料金を支払う複数の支払方法のうち、前記第1支払方法と比較して便益が大きい前記第2支払方法を通知する、
請求項1から10のいずれか一項に記載の通知装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する、
ユーザが利用する複数のサービスにおける当該ユーザによる当該複数のサービスの利用に関する情報を統合するためのユーザ共通識別情報を取得するステップと、
ユーザの資産又は収支の履歴を示す資産収支履歴情報を提供する金融サービスを利用するために用いられ前記金融サービスにおいて前記ユーザを識別するための金融サービス利用者識別情報と、前記ユーザ共通識別情報と、前記複数のサービスそれぞれを利用するために用いられ前記複数のサービスそれぞれにおいて前記ユーザを識別するための複数のユーザ個別識別情報それぞれとを関連付けて記憶している記憶部を参照して、取得した前記ユーザ共通識別情報に関連付けて前記記憶部が記憶している前記金融サービス利用者識別情報を外部装置に送信し、当該金融サービス利用者識別情報に対応する前記ユーザの資産又は収支の履歴を示す前記資産収支履歴情報を当該外部装置から取得するステップと、
前記ユーザと異なる複数の参考ユーザの前記金融サービス利用者識別情報を前記外部装置にそれぞれ送信し、当該複数の参考ユーザの前記金融サービス利用者識別情報に対応する前記資産収支履歴情報を前記外部装置からそれぞれ取得するステップと、
前記記憶部が記憶している前記ユーザ個別識別情報に対応するサービスの利用料金の支払履歴を示す料金支払履歴情報を前記資産収支履歴情報から抽出するステップと、
取得した前記複数の参考ユーザの前記金融サービス利用者識別情報に対応する前記資産収支履歴情報から、前記料金支払履歴情報を抽出するステップと、
前記ユーザ個別識別情報に対応する前記料金支払履歴情報に基づいて、前記ユーザが前記サービスの前記利用料金を支払っている第1支払方法を特定するステップと、
前記サービスの前記利用料金を支払う複数の支払方法のうち前記第1支払方法で前記利用料金を支払う場合に前記ユーザが受ける便益の大きさと前記第1支払方法と異なる第2支払方法で前記利用料金を支払う場合に前記ユーザが受ける便益の大きさとを比較することにより、前記第1支払方法と比較して前記ユーザにとっての便益が大きい第2支払方法がある場合に、前記第1支払方法と比較して便益が大きい前記第2支払方法であり、且つ、前記複数の参考ユーザの前記料金支払履歴情報において前記サービスを利用する複数の参考ユーザが当該サービスの利用料金の支払に用いた前記第2支払方法を前記ユーザに通知するステップと、
を備える通知方法。
【請求項13】
コンピュータに、
複数のサービスの管理のためのユーザ共通識別情報を取得するステップと、
ユーザが利用する複数のサービスにおける当該ユーザによる当該複数のサービスの利用に関する情報を統合するためのユーザ共通識別情報を取得するステップと、
ユーザの資産又は収支の履歴を示す資産収支履歴情報を提供する金融サービスを利用するために用いられ前記金融サービスにおいて前記ユーザを識別するための金融サービス利用者識別情報と、前記ユーザ共通識別情報と、前記複数のサービスそれぞれを利用するために用いられ前記複数のサービスそれぞれにおいて前記ユーザを識別するための複数のユーザ個別識別情報それぞれとを関連付けて記憶している記憶部を参照して、取得した前記ユーザ共通識別情報に関連付けて前記記憶部が記憶している前記金融サービス利用者識別情報を外部装置に送信し、当該金融サービス利用者識別情報に対応する前記ユーザの資産又は収支の履歴を示す前記資産収支履歴情報を当該外部装置から取得するステップと、
前記ユーザと異なる複数の参考ユーザの前記金融サービス利用者識別情報を前記外部装置にそれぞれ送信し、当該複数の参考ユーザの前記金融サービス利用者識別情報に対応する前記資産収支履歴情報を前記外部装置からそれぞれ取得するステップと、
前記記憶部が記憶している前記ユーザ個別識別情報に対応するサービスの利用料金の支払履歴を示す料金支払履歴情報を前記資産収支履歴情報から抽出するステップと、
取得した前記複数の参考ユーザの前記金融サービス利用者識別情報に対応する前記資産収支履歴情報から、前記料金支払履歴情報を抽出するステップと、
前記ユーザ個別識別情報に対応する前記料金支払履歴情報に基づいて、前記ユーザが前記サービスの前記利用料金を支払っている第1支払方法を特定するステップと、
前記サービスの前記利用料金を支払う複数の支払方法のうち前記第1支払方法で前記利用料金を支払う場合に前記ユーザが受ける便益の大きさと前記第1支払方法と異なる第2支払方法で前記利用料金を支払う場合に前記ユーザが受ける便益の大きさとを比較することにより、前記第1支払方法と比較して前記ユーザにとっての便益が大きい第2支払方法がある場合に、前記第1支払方法と比較して便益が大きい前記第2支払方法であり、且つ、前記複数の参考ユーザの前記料金支払履歴情報において前記サービスを利用する複数の参考ユーザが当該サービスの利用料金の支払に用いた前記第2支払方法を前記ユーザに通知するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知装置、通知方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
定額料金で一定期間利用可能なサブスクリプションサービス等のサービスが提供されている。多くのサブスクリプションサービスでは、その契約が一定期間ごとに更新される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サブスクリプションサービスの利用料金を支払う方法として、月払いや年払い等の支払時期や、クレジットカードや銀行口座振替等の支払(決済)手段をユーザが任意に指定することで支払方法を選択可能なことがある。複数の支払方法が選択可能である場合、ユーザの支払方法の選択によっては利用料金が割安になる等のメリットがあることがある。しかしながら、ユーザが支払方法の詳細を把握していない場合、このようなメリットを享受することができず、不要な支出が生じることがあった。
【0005】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ユーザがサービスを利用する際に受ける便益を大きくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の通知装置は、ユーザの資産又は収支の履歴を示す資産収支履歴情報を提供する金融サービスを利用するために用いられ前記金融サービスにおいて前記ユーザを識別するための金融サービス利用者識別情報と、前記ユーザが利用する複数のサービスにおける前記ユーザによる前記複数のサービスの利用に関する情報を統合するためのユーザ共通識別情報と、前記複数のサービスそれぞれを利用するために用いられ前記複数のサービスそれぞれにおいて前記ユーザを識別するための複数のユーザ個別識別情報それぞれとを関連付けて記憶している記憶部と、前記ユーザ共通識別情報を取得し、取得した前記ユーザ共通識別情報に関連付けて前記記憶部が記憶している前記金融サービス利用者識別情報を外部装置に送信し、当該金融サービス利用者識別情報に対応する前記ユーザの資産又は収支の履歴を示す前記資産収支履歴情報を当該外部装置から取得する取得部と、
前記記憶部が記憶している前記ユーザ個別識別情報に対応するサービスの利用料金の支払履歴を示す料金支払履歴情報を前記資産収支履歴情報から抽出する抽出部と、前記料金支払履歴情報に基づいて、前記ユーザが前記サービスの前記利用料金を支払っている第1支払方法を特定する特定部と、前記サービスの前記利用料金を支払う複数の支払方法のうち前記第1支払方法で前記利用料金を支払う場合に前記ユーザが受ける便益の大きさと前記第1支払方法と異なる第2支払方法で前記利用料金を支払う場合に前記ユーザが受ける便益の大きさとを比較することにより、前記第1支払方法と比較して前記ユーザにとっての便益が大きい第2支払方法がある場合に、前記第2支払方法 を前記ユーザに通知する通知部と、を備える。
【0007】
前記特定部は、前記抽出されたサービスの料金支払履歴情報の抽出元である前記資産収支履歴情報に対応する前記金融サービス利用者識別情報に基づいて、当該サービスの前記利用料金を支払っている前記第1支払方法を特定してもよい。
【0008】
前記取得部は、前記サービスの利用料金の支払いに使用可能な前記複数の支払方法を、前記サービスを利用するための情報を前記ユーザに提供する情報提供装置から取得してもよい。
【0009】
前記取得部は、前記ユーザと異なる複数の参考ユーザの前記金融サービス利用者識別情報を前記外部装置にそれぞれ送信し、当該複数の参考ユーザの前記金融サービス利用者識別情報に対応する前記資産収支履歴情報を前記外部装置からそれぞれ取得し、前記記憶部は、前記複数の参考ユーザの前記ユーザ個別識別情報をそれぞれ記憶しており、前記抽出部は、前記記憶部が記憶している前記複数の参考ユーザの前記ユーザ個別識別情報に対応する前記料金支払履歴情報を前記資産収支履歴情報からそれぞれ抽出し、前記通知部は、前記第1支払方法と比較して便益が大きい前記第2支払方法であり、且つ、前記複数の参考ユーザの前記料金支払履歴情報において前記サービスを利用する複数の参考ユーザが当該サービスの利用料金の支払に用いた前記第2支払方法を前記ユーザに通知してもよい。前記通知部は、前記第1支払方法と比較して便益が大きい前記第2支払方法であり、且つ、前記複数の参考ユーザの前記料金支払履歴情報において前記サービスを利用する複数の参考ユーザのうちの所定の割合以上の参考ユーザが当該サービスの利用料金の支払に用いた前記第2支払方法を前記ユーザに通知してもよい。
【0010】
前記抽出部は、前記ユーザが前記サービスの利用料金を支払った複数の支払日時を含む料金支払履歴情報を抽出し、前記特定部は、前記複数の支払日時に基づいて前記ユーザが前記サービスの利用料金を支払う時期を特定することにより前記第1支払方法を特定してもよい。
【0011】
前記通知部は、前記サービスの利用料金を支払う複数の支払方法のうち、前記サービスの利用料金の前記サービスの利用時間又は利用期間当たりの支払額が前記第1支払方法よりも小さい前記第2支払方法を通知してもよい。前記通知部は、前記サービスの利用料金を支払う複数の支払方法のうち、前記サービスの利用料金の支払いに対して付与される特典が前記第1支払方法よりも大きい前記第2支払方法を通知してもよい。
【0012】
前記通知部は、前記サービスの利用料金を支払う複数の支払方法のうち、前記サービスの利用料金の支払いに対して返金されるキャッシュバックの額又は割合が前記第1支払方法よりも大きい前記第2支払方法を通知してもよい。前記通知部は、前記第1支払方法と比べて前記第2支払方法が有利な点及び不利な点の少なくともいずれかをさらに通知してもよい。
【0013】
前記通知部は、前記サービスの利用料金を支払う複数の支払方法のうち、前記第1支払方法が最も便益が大きい場合に、前記第1支払方法が最も便益が大きいことを前記ユーザに通知してもよい。前記通知装置は、前記第1支払方法と異なる支払方法を通知させる前記ユーザの指示を受け付ける受付部をさらに備え、前記通知部は、前記ユーザの指示を前記受付部が受け付けた場合に、前記サービスの利用料金を支払う複数の支払方法のうち、前記第1支払方法と比較して便益が大きい前記第2支払方法を通知してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様の通知方法は、コンピュータが実行する、ユーザが利用する複数のサービスにおける当該ユーザによる当該複数のサービスの利用に関する情報を統合するためのユーザ共通識別情報を取得するステップと、ユーザの資産又は収支の履歴を示す資産収支履歴情報を提供する金融サービスを利用するために用いられ前記金融サービスにおいて前記ユーザを識別するための金融サービス利用者識別情報と、前記ユーザ共通識別情報と、前記複数のサービスそれぞれを利用するために用いられ前記複数のサービスそれぞれにおいて前記ユーザを識別するための複数のユーザ個別識別情報それぞれとを関連付けて記憶している記憶部を参照して、取得した前記ユーザ共通識別情報に関連付けて前記記憶部が記憶している前記金融サービス利用者識別情報を外部装置に送信し、当該金融サービス利用者識別情報に対応する前記ユーザの資産又は収支の履歴を示す前記資産収支履歴情報を当該外部装置から取得するステップと、前記記憶部が記憶している前記ユーザ個別識別情報に対応するサービスの利用料金の支払履歴を示す料金支払履歴情報を前記資産収支履歴情報から抽出するステップと、前記料金支払履歴情報に基づいて、前記ユーザが前記サービスの前記利用料金を支払っている第1支払方法を特定するステップと、前記サービスの前記利用料金を支払う複数の支払方法のうち前記第1支払方法で前記利用料金を支払う場合に前記ユーザが受ける便益の大きさと前記第1支払方法と異なる第2支払方法で前記利用料金を支払う場合に前記ユーザが受ける便益の大きさとを比較することにより、前記第1支払方法と比較して前記ユーザにとっての便益が大きい第2支払方法がある場合に、前記第2支払方法を前記ユーザに通知するステップと、を備える。
【0015】
本発明の第3の態様のプログラムは、コンピュータに、複数のサービスの管理のためのユーザ共通識別情報を取得するステップと、ユーザが利用する複数のサービスにおける当該ユーザによる当該複数のサービスの利用に関する情報を統合するためのユーザ共通識別情報を取得するステップと、ユーザの資産又は収支の履歴を示す資産収支履歴情報を提供する金融サービスを利用するために用いられ前記金融サービスにおいて前記ユーザを識別するための金融サービス利用者識別情報と、前記ユーザ共通識別情報と、前記複数のサービスそれぞれを利用するために用いられ前記複数のサービスそれぞれにおいて前記ユーザを識別するための複数のユーザ個別識別情報それぞれとを関連付けて記憶している記憶部を参照して、取得した前記ユーザ共通識別情報に関連付けて前記記憶部が記憶している前記金融サービス利用者識別情報を外部装置に送信し、当該金融サービス利用者識別情報に対応する前記ユーザの資産又は収支の履歴を示す前記資産収支履歴情報を当該外部装置から取得するステップと、前記記憶部が記憶している前記ユーザ個別識別情報に対応するサービスの利用料金の支払履歴を示す料金支払履歴情報を前記資産収支履歴情報から抽出するステップと、前記料金支払履歴情報に基づいて、前記ユーザが前記サービスの前記利用料金を支払っている第1支払方法を特定するステップと、前記サービスの前記利用料金を支払う複数の支払方法のうち前記第1支払方法で前記利用料金を支払う場合に前記ユーザが受ける便益の大きさと前記第1支払方法と異なる第2支払方法で前記利用料金を支払う場合に前記ユーザが受ける便益の大きさとを比較することにより、前記第1支払方法と比較して前記ユーザにとっての便益が大きい第2支払方法がある場合に、前記第2支払方法を前記ユーザに通知するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザがサービスを利用する際に受ける便益を大きくするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態に係る通知装置の概要を示す図である。
【
図3】通知部が第2支払方法を特定する例を示す図である。
【
図4】通知部による第2支払方法の通知の例を示す。
【
図5】第2支払方法の通知の処理手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[通知装置1の概要]
図1は、本実施形態に係る通知装置1の概要を示す図である。通知装置1は、複数のサービスのアカウント情報を集約して管理し、複数のサービスのそれぞれが提供するユーザの資産又は収支に関する資産収支情報を統合した統合情報をユーザに提供する統合サービスを提供するコンピュータである。本実施形態において、通知装置1は、1台のコンピュータであるものとするが、これに限らず、複数台のコンピュータにより構成されるものであってもよい。
【0019】
通知装置1は、ユーザの資産又は収支の履歴を示す資産収支履歴情報を提供する金融サービスを提供する外部装置2と、金融サービスを提供する外部装置3と、ユーザが使用するユーザ端末4とにインターネット等の通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。外部装置2及び3は、互いに異なる金融サービスを提供する。通知装置1は、複数の外部装置2及び3に接続される例に限定されず、外部装置2及び3のいずれか一方のみに接続されていてもよい。ユーザ端末4は、例えば、スマートフォンやタブレットPC等の携帯端末又はパーソナルコンピュータである。
【0020】
ここで、金融サービスは、統合サービスに既に関連付けられているサービスであり、統合サービスの事業者と異なる事業者が提供するサービスである。金融サービスは、例えば、銀行の預金サービス(資産管理)、クレジットカード決済、口座振替又はネットバンキングである。外部装置2及び外部装置3は、金融サービスを提供する事業者が管理するサーバである。外部装置2及び外部装置3は、提供する金融サービスに関する各種の情報を記憶している。金融サービスの事業者は、ユーザの資産又は収支の履歴を示す資産収支履歴情報を提供する金融サービスを利用するために用いられ金融サービスにおいてユーザを識別するための金融サービス利用者識別情報を統合サービスの事業者に提供することをユーザとの間で事前に合意しているものとする。金融サービス利用者識別情報は、例えば、クレジットカード番号である。
【0021】
外部装置2及び外部装置3は、例えば、ユーザ端末4からのアクセスを受け付けるフロントエンドサーバである。なお、外部装置2及び外部装置3は、フロントエンドサーバに限らず、認証に係る機能を提供し、フロントエンドサーバとは異なるバックエンドサーバであってもよい。
【0022】
通知装置1は、金融サービス利用者識別情報と、ユーザが利用する複数のサービスにおけるユーザによる複数のサービスの利用に関する情報を統合するためのユーザ共通識別情報と、複数のサービスそれぞれを利用するために用いられ複数のサービスそれぞれにおいてユーザを識別するためのユーザ個別識別情報と、を関連付けて記憶部に記憶している。
【0023】
ユーザ共通識別情報は、例えば、統合サービスを利用するためのユーザIDである。ユーザ個別識別情報は、例えば、動画配信等のサービスを利用するユーザを識別するためのユーザIDである。通知装置1は、金融サービス利用者識別情報及びユーザ共通識別情報、ユーザ個別識別情報を入力するユーザの操作をユーザ端末4が受け付けた場合に、金融サービス利用者識別情報と、ユーザ共通識別情報と、ユーザ個別識別情報とをユーザ端末4から取得する。通知装置1は、同じユーザ端末4から取得した金融サービス利用者識別情報と、ユーザ共通識別情報と、ユーザ個別識別情報とを予め関連付けて記憶部に記憶させておく。
【0024】
通知装置1は、ユーザ端末4からユーザ共通識別情報を取得する(
図1中の(1))。通知装置1は、取得したユーザ共通識別情報に関連付けて記憶部に記憶している複数の金融サービス利用者識別情報を特定する。通知装置1は、特定した複数の金融サービス利用者識別情報に対応する金融サービスを提供する外部装置2及び3をそれぞれ特定する。
【0025】
通知装置1は、金融サービス利用者識別情報と、この金融サービス利用者識別情報に対応する資産収支履歴情報を記憶している外部装置2又は3にアクセスするためのアクセス情報とを関連付けたテーブルを記憶部から読み出す。アクセス情報は、例えば、IPアドレスである。通知装置1は、読み出したテーブルを参照して、記憶部に記憶されている金融サービス利用者識別情報に関連付けて記憶されているアクセス情報を特定することにより、金融サービス利用者識別情報に対応する資産収支履歴情報を記憶する外部装置2又は3を特定する。通知装置1は、特定した複数の金融サービス利用者識別情報を対応する外部装置2及び3へそれぞれ送信する(
図1中の(2)及び(2)’)。
【0026】
通知装置1は、金融サービス利用者識別情報を送信した後、送信した金融サービス利用者識別情報に対応するユーザの資産変動や収支の履歴を示す資産収支履歴情報を外部装置2及び3からそれぞれ取得する(
図1中の(3)及び(3)’)。
【0027】
通知装置1は、ユーザ端末4から取得したユーザ共通識別情報に関連付けて記憶部に記憶している複数のユーザ個別識別情報を特定する。通知装置1は、特定した複数のユーザ個別識別情報のうち、いずれかのユーザ個別識別情報に対応するサービスの利用料金の支払履歴を示す情報(以下、料金支払履歴情報ともいう)を、取得した資産収支履歴情報から抽出する(
図1中の(4))。例えば、通知装置1は、いずれかのユーザ個別識別情報に対応する料金支払履歴情報を、取得した資産収支履歴情報からスクレイピング等の処理を用いて抽出する。通知装置1は、特定した料金支払履歴情報に基づいて、ユーザがこのサービスの利用料金を支払っている第1支払方法を特定する(
図1中の(5))。第1支払方法は、例えば、ユーザがこのサービスの利用料金を月払いで支払っているか、年間払いで支払っているか等の方法である。支払方法は、クレジットカード決済、口座振替、電子マネー取引、口座振込等の決済手段であってもよい。
【0028】
詳細については後述するが、通知装置1は、このサービスの利用料金を支払う複数の支払方法のうち、第1支払方法と比較してユーザにとっての便益が大きい第2支払方法を特定する(
図1中の(6))。便益は、例えば、支払料金の金額が小さい、より多くの特典のポイントが付与される、キャッシュバックの金額が大きい等である。
【0029】
通知装置1は、特定した第2支払方法をユーザに通知する(
図1中の(7))。このようにして、通知装置1は、ユーザがサービスの利用料金を支払う第1支払方法を特定し、この第1支払方法で利用料金を支払うよりもユーザが受ける便益が大きい第2支払方法をユーザに通知するので、ユーザがサービスを利用する際に受ける便益を大きくすることができる。
【0030】
[通知装置1の構成]
図2は、通知装置1の構成を示す図である。通知装置1は、通信部11、記憶部12及び制御部13を備える。制御部13は、受付部131、取得部132、抽出部133、特定部134及び通知部135を備える。
【0031】
通信部11は、外部装置2及び3、並びにユーザ端末4と通信するためのインターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。記憶部12は、ユーザの資産又は収支の履歴を示す資産収支履歴情報を提供する金融サービスを利用するために用いられ金融サービスにおいてユーザを識別するための金融サービス利用者識別情報と、ユーザが利用する複数のサービスにおけるユーザによる複数のサービスの利用に関する情報を統合するためのユーザ共通識別情報と、複数のサービスそれぞれを利用するために用いられ複数のサービスそれぞれにおいてユーザを識別するための複数のユーザ個別識別情報と、を関連付けて記憶している。
【0032】
例えば、金融サービス利用者識別情報、ユーザ共通識別情報及びユーザ個別識別情報を入力するユーザの操作をユーザ端末4が受け付けた場合に、入力された金融サービス利用者識別情報と、ユーザ共通識別情報と、ユーザ個別識別情報と、これらの識別情報を関連付けることを要求する要求情報とを制御部13がユーザ端末4から受信する。このとき、受信した金融サービス利用者識別情報と、ユーザ共通識別情報と、ユーザ個別識別情報とが関連付けて制御部13により記憶部12に予め記憶される。
【0033】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受付部131、取得部132、抽出部133、特定部134及び通知部135として機能する。
【0034】
受付部131は、通信部11を介して、ユーザ端末4と通信する。受付部131は、ユーザがサービスの利用料金を支払っている第1支払方法と異なる支払方法を通知させるユーザの指示を受け付ける。例えば、ユーザ端末4は、統合サービスを利用するためのアプリが起動している状態において「サービスの利用料金が割安になる支払方法を探す」ボタンを表示部に表示する。受付部131は、このボタンがユーザにより操作されたことに基づいて、第1支払方法と異なる支払方法を通知させる指示をユーザ端末4から受け付ける。受付部131は、受け付けたユーザの指示を示す情報を通知部135へ出力する。
【0035】
取得部132は、通信部11を介して、外部装置2及び3、並びに、ユーザ端末4と通信する。取得部132は、ユーザ共通識別情報を取得する。例えば、取得部132は、ユーザ端末4において統合サービスを利用するためのアプリを起動させるユーザの操作を受け付けたときに、ユーザ共通識別情報をユーザ端末4から取得する。取得部132は、取得したユーザ共通識別情報に関連付けて記憶部12が記憶している金融サービス利用者識別情報を記憶部12から取得する。
【0036】
取得部132は、取得した金融サービス利用者識別情報に対応するユーザがの資産変動や収支の履歴を示す資産収支履歴情報を記憶している外部装置2又は3を特定する。より詳しくは、取得部132は、金融サービス利用者識別情報と、この金融サービス利用者識別情報に対応する資産収支履歴情報を記憶している外部装置2又は3にアクセスするためのアクセス情報とを関連付けたテーブルを記憶部12から読み出す。アクセス情報は、例えば、IPアドレスである。取得部132は、読み出したテーブルを参照して、記憶部12に記憶されている金融サービス利用者識別情報に関連付けて記憶されているアクセス情報を特定することにより、金融サービス利用者識別情報に対応する資産収支履歴情報を記憶する外部装置2又は3を特定する。
【0037】
取得部132は、特定した外部装置2又は3に対し、取得した金融サービス利用者識別情報を送信する。取得部132は、金融サービス利用者識別情報に加えて、この金融サービス利用者識別情報に対応するユーザの資産変動や収支の履歴を示す資産収支履歴情報の取得を要求する取得要求と、金融サービス利用者識別情報に対応するパスワードとを外部装置2又は3へ送信してもよい。取得部132は、金融サービス利用者識別情報を送信した後、この金融サービス利用者識別情報に対応するユーザの資産収支履歴情報をこの外部装置2又は3から取得する。
【0038】
取得部132は、通信部11を介して、サービスを利用するための情報をユーザに提供する情報提供装置(不図示)と通信する。サービスを利用するための情報は、例えば、サービスを利用するユーザのために情報提供装置が提供している各種の情報である。例えば、取得部132は、サービスの利用料金の支払いに使用可能な複数の支払方法を情報提供装置から取得する。支払方法は、例えば、月払い、年間払い等の支払の周期を定める。支払方法は、クレジットカード決済、口座振替等の決済手段であってもよい。
【0039】
より詳しくは、取得部132は、取得したユーザ共通識別情報に関連付けて記憶部12に記憶されているユーザ個別識別情報を特定する。取得部132は、特定したユーザ個別識別情報に対応するサービスを利用するための情報をユーザに提供する情報提供装置を特定する。
【0040】
まず、取得部132は、ユーザ個別識別情報と、このユーザ個別識別情報に対応するサービスを利用するための情報をユーザに提供する情報提供装置にアクセスするためのアクセス情報とを関連付けたテーブルを記憶部12から読み出す。アクセス情報は、例えば、IPアドレスである。取得部132は、読み出したテーブルを参照して、特定したユーザ個別識別情報に対応するサービスを利用するための情報をユーザに提供する情報提供装置にアクセスするためのアクセス情報を特定する。取得部132は、特定した情報提供装置からサービスの利用料金の支払いに使用可能な複数の支払方法を示す情報を取得する。
【0041】
取得部132は、取得したユーザ共通識別情報を利用しているユーザとは異なる複数のユーザ(以下、参考ユーザともいう)の金融サービス利用者識別情報を外部装置2又は3にそれぞれ送信してもよい。取得部132は、参考ユーザの金融サービス利用者識別情報を送信した後、複数の参考ユーザの金融サービス利用者識別情報に対応する資産収支履歴情報を外部装置2又は3からそれぞれ取得する。
【0042】
[料金支払履歴情報の抽出]
抽出部133は、取得部132が取得したユーザ共通識別情報に関連付けて記憶部12が記憶している複数のユーザ個別識別情報を特定する。抽出部133は、特定した複数のユーザ個別識別情報のうち、いずれかのユーザ個別識別情報に対応するサービスの利用料金の支払履歴を示す料金支払履歴情報を、取得部132が取得した資産収支履歴情報から抽出する。
【0043】
一例としては、抽出部133は、数か月前から現在までの動画配信サービス「〇〇動画」の利用料金の支払履歴を示す料金支払履歴情報を、金融サービス「□□クレジットカード」を利用してユーザが料金を決済した資産収支履歴情報から抽出する。このとき、抽出部133は、動画配信サービス「〇〇動画」のサービス名等をキーワードとして、数か月前から現在までの資産収支履歴情報に含まれる支払対象から検索することにより動画配信サービス「〇〇動画」の利用料金の支払履歴を認識し、スクレイピング等の技術を用いて、この支払履歴を示す料金支払履歴情報を抽出する。このとき、抽出部133は、ユーザがサービスの利用料金を支払った複数の支払日時を含む料金支払履歴情報を抽出する。
【0044】
抽出部133は、複数の参考ユーザの金融サービス利用者識別情報に対応する資産収支履歴情報を取得部132が取得した場合には、記憶部12が記憶している複数の参考ユーザのユーザ個別識別情報に対応する料金支払履歴情報を、それぞれの参考ユーザの資産収支履歴情報から抽出する。抽出部133は、抽出した料金支払履歴情報を特定部134へ出力する。
【0045】
[第1支払方法の特定]
特定部134は、抽出部133が抽出した料金支払履歴情報に基づいて、ユーザがサービスの利用料金を支払っている第1支払方法を特定する。例えば、特定部134は、ユーザがサービスの利用料金を支払った複数の支払日時を含む料金支払履歴情報を抽出部133が抽出した場合に、複数の支払日時に基づいてユーザがサービスの利用料金を支払う時期を特定することにより第1支払方法を特定する。
【0046】
一例としては、特定部134は、料金支払履歴情報においてユーザがフィットネスクラブの利用料金を毎月10日に支払ったことが示されている場合に、このフィットネスクラブの利用料金の第1支払方法が月払いであると特定する。一方、特定部134は、料金支払履歴情報においてユーザがフィットネスクラブの利用料金を毎年4月1日に支払っていることが示されている場合に、第1支払方法が年間払いであると特定する。
【0047】
また、特定部134は、抽出されたサービスの料金支払履歴情報の抽出元である資産収支履歴情報に対応する金融サービス利用者識別情報に基づいて、このサービスの利用料金を支払っている第1支払方法を特定してもよい。例えば、特定部134は、クレジットカード決済を利用する利用者を識別するための金融サービス利用者識別情報に基づいてサービスに対応する料金支払履歴情報を抽出した場合に、クレジットカード決済を第1支払方法として特定する。特定部134は、口座振替を利用する利用者を識別するための金融サービス利用者識別情報に基づいてサービスに対応する料金支払履歴情報を抽出した場合に、口座振替を第1支払方法として特定してもよい。
【0048】
[第2支払方法の特定]
通知部135は、通信部11を介して、ユーザ端末4と通信する。通知部135は、サービスの利用料金の支払いに使用可能な支払方法として取得部132が取得した複数の支払方法のうち、第1支払方法と比較してユーザにとっての便益が大きい支払方法を第2支払方法として特定する。例えば、通知部135は、取得部132が取得した複数の支払方法及び第1支払方法のうち、最も便益が大きい支払い方法を第2支払方法として特定する。
【0049】
より詳しくは、通知部135は、サービスの利用料金を支払う複数の支払方法のうち第1支払方法で利用料金を支払う場合にユーザが受ける便益の大きさと、第1支払方法と異なる複数の支払方法で利用料金を支払う場合にユーザが受ける便益の大きさとをそれぞれ比較する。比較の対象となるユーザが受ける便益は、例えば、利用料金の金額、利用料金を支払う場合にユーザが受ける特典又はキャッシュバックである。
【0050】
本明細書の例では、通知部135は、サービスを利用するための情報をユーザに提供する情報提供装置から、第1支払方法と、サービスの利用料金の支払に使用可能な支払方法として取得部132が取得した第1支払方法と異なる複数の支払方法とについて、それぞれの支払方法を利用した場合の支払金額及び特典等の便益を示す支払特典情報を取得する。通知部135は、取得した支払特典情報に基づいて、第1支払方法と比較してユーザにとっての便益が大きい支払方法を第2支払方法として特定する。
【0051】
一例としては、通知部135は、サービスの利用料金を支払う複数の支払方法のうち、サービスの利用料金のサービスの利用時間又は利用期間当たりの支払額が第1支払方法よりも小さい支払方法を第2支払方法として特定する。
図3(a)及び
図3(b)は、通知部135が第2支払方法を特定する例を示す図である。
図3(a)には、サービスの名称と、特定部134が特定した第1支払方法「月払い」と、第1支払方法とは異なる支払方法「年間払い」とを示す。
図3(a)中の年間払いに対応する欄には、月払いを利用した場合と比べて、年間払いを利用して利用料金を支払う場合にユーザが受けることができる便益を示す。
【0052】
図3(a)の上段の例では、通知部135は、サービス「〇〇上下水道」の利用料金を年間払いで支払った場合に、利用料金を月払いで支払った場合に比べて、利用料金が1年あたり2ヶ月分減額されるという便益をユーザが受けることができることを特定する。この場合に、通知部135は、第1支払方法「月払い」と比較してユーザにとっての便益が大きい第2支払方法として「年間払い」を特定する。
【0053】
図3(a)の中段の例では、通知部135は、サービス「□□保険」の利用料金を第1支払方法「月払い」とは異なる支払方法「年間払い」で支払った場合に、利用料金が1年当たり1960円減額されるという便益をユーザが受けることができることを特定する。このとき、通知部135は、第2支払方法として支払方法「年間払い」を特定する。
【0054】
また、通知部135は、サービスの利用料金を支払う支払方法として取得部132が取得した複数の支払方法のうち、サービスの利用料金の支払に対して返金されるキャッシュバックの額が第1支払方法よりも大きい支払方法を第2支払方法として特定してもよい。
図3(b)には、サービスの名称と、特定部134が特定した第1支払方法「口座振替」と、第1支払方法とは異なる支払方法「クレジットカード決済」とを示す。
【0055】
図3(b)の上段の例では、通知部135は、サービス「〇〇上下水道」の利用料金を第1支払方法「口座振替」とは異なる支払方法「クレジットカード決済」で支払った場合に一ヶ月あたり500円がキャッシュバックにより返金されるという便益をユーザが受けることができることを特定する。このとき、通知部135は、第2支払方法として支払方法「クレジットカード決済」を特定する。
【0056】
また、本発明では、サービスの利用料金の支払に対して返金されるキャッシュバックの額が第1支払方法よりも大きい支払方法を第2支払方法として通知部135が特定する例に限定されない。例えば、通知部135は、サービスの利用料金の支払に対して返金されるキャッシュバックの割合が第1支払方法よりも大きい支払方法を第2支払方法として特定してもよい。キャッシュバックの割合は、例えば、サービスの利用料金に対する返金額の割合である。
【0057】
通知部135は、サービスの利用料金を支払う複数の支払方法のうち、サービスの利用料金の支払いに対して付与される特典が第1支払方法よりも大きい支払方法を第2支払方法として特定してもよい。
図3(b)の下段の例では、通知部135は、サービス「△△動画プレミアム」の利用料金を第1支払方法「口座振替」とは異なる支払方法「クレジットカード決済」で支払った場合に1ヶ月あたり1000ポイントの特典が付与されるという便益をユーザが受けられることを特定する。このとき、通知部135は、第2支払方法として支払方法「クレジットカード決済」を特定する。
【0058】
[第2支払方法の通知]
通知部135は、特定した第2支払方法をユーザに通知する。例えば、通知部135は、第1支払方法と異なる支払方法を通知させるユーザの指示を受付部131が受け付けた場合に、特定した第2支払方法を通知する。一方、通知部135は、第1支払方法と異なる支払方法を通知させるユーザの指示を受付部131が受け付けていない場合に、特定した第2支払方法を通知しない。
【0059】
通知部135は、取得部132が取得したサービスの利用料金を支払う複数の支払方法のうち、第1支払方法が最も便益が大きい場合に、第1支払方法が最も便益が大きいことをユーザに通知する。例えば、通知部135は、ユーザがサービスの利用料金の支払いに現在使用している支払方法が最も節約になることを示すメッセージをユーザ端末4の表示部に表示させる。
【0060】
通知部135は、第2支払方法に加えて、第1支払方法と比べて第2支払方法が有利な点及び不利な点の少なくともいずれかをさらに通知してもよい。例えば、通知部135は、第1支払方法と比較して第2支払方法がユーザにとっての便益が大きい点を第2支払方法が有利な点としてユーザに通知する。
【0061】
また、通知部135は、サービスを利用するための情報をユーザに提供する情報提供装置から、第1支払方法と、サービスの利用料金の支払いに使用可能な支払方法として取得部132が取得した第1支払方法と異なる複数の支払方法とについて、それぞれの支払方法を利用した場合の不利な点を示す支払注意情報を取得する。不利な点は、例えば、解約時に違約金を支払う必要があることである。通知部135は、取得部132が取得した支払注意情報に基づいて、第1支払方法と比較して第2支払情報が不利な点を特定してもよい。比較の対象となる不利な点は、例えば、解約時に支払う必要がある違約金が第1支払方法に比べて高額になるか否かである。通知部135は、特定した不利な点をユーザに通知してもよい。
【0062】
図4(a)及び
図4(b)は、通知部135による第2支払方法の通知の例を示す。
図4(a)は、ユーザが利用している複数のサービスの名称をそれぞれ示す。
図4(b)は、第2支払方法の通知の例を示す図である。通知部135は、ユーザ端末4から取得部132が取得したユーザ共通識別情報に関連付けて記憶部12に記憶されているユーザ個別識別情報を特定する。ユーザ個別識別情報は、個別のサービスを利用するユーザを識別するための情報である。
【0063】
通知部135は、
図4(a)に示すように、特定したユーザ個別識別情報に対応するサービスの名称をユーザ端末4の表示部に表示する。
図4(a)の例では、通知部135は、サービスの名称「○○動画」、「□□ミュージック」及び「△△動画プレミアム」をユーザ端末4の表示部に表示する。より詳しくは、
図4(a)に示すサービスの名称等の情報をそれぞれ名称等に対応するユーザ個別識別情報とともに入力するユーザの操作をユーザ端末4が受け付け、取得部132は、受け付けた情報をユーザ個別識別情報とともにユーザ端末4から取得する。取得部132は、取得したサービスの名称等の情報と、取得したユーザ個別識別情報とを関連付けて記憶部12に予め記憶させておく。通知部135は、取得部132が取得したユーザ共通識別情報に関連付けて記憶部12に記憶されている複数のユーザ個別識別情報をそれぞれ特定し、特定したユーザ個別識別情報に関連付けて記憶部12に記憶されているサービスの名称等を特定する。通知部135は、特定したサービスの名称等をユーザ端末4に表示させる。
【0064】
図4(b)には、ユーザがサブスクリプションサービス「〇〇動画」を利用する際の契約内容を示す。サービス名「〇〇動画」の下の「¥500」は、利用料金の月額を示す。
図4(b)に示す「〇〇動画」の次回更新予定日、月額500円等の情報は、サブスクリプションサービス「〇〇動画」を利用するための情報をユーザに提供する情報提供装置から取得部132により取得される。このとき、「〇〇動画」の次回更新予定日、月額500円等の情報は、ユーザ個別識別情報と関連付けて記憶部12に記憶される。通知部135は、サブスクリプションサービス「〇〇動画」についての情報を表示することを指示するユーザの操作を受け付けた場合、サブスクリプションサービス「〇〇動画」を利用するためのユーザ個別識別情報に関連付けて記憶部12に記憶されている「〇〇動画」の次回更新予定日、月額500円等の情報を特定し、特定した情報をユーザ端末4に表示させる。
【0065】
また、
図4(b)に示す「〇〇動画」の利用料金の支払方法が月払いであることや利用料金が月額500円であること、次回更新予定日が2021年8月1日であることは、ユーザがサービスの利用料金を支払った複数の支払日時を含む料金支払履歴情報を抽出部133がスクレイピング等の技術を用いて抽出し、この料金支払履歴情報に含まれる複数の支払日時に基づいてユーザがサービスの利用料金を支払う時期を特定することにより特定部134により特定されてもよい。
【0066】
同様に、
図4(b)に示す「〇〇動画」の利用料金の支払方法が「〇〇カード」を利用した決済であることは、抽出部133により抽出されたサービスの料金支払履歴情報の抽出元である資産収支履歴情報に対応する金融サービス利用者識別情報に基づいて特定部134により特定されてもよい。
【0067】
矩形の破線は、特定部134が特定した第2支払方法(年間払い)と、第1支払方法(月払い)に比べて第2支払方法が有利な点とを通知するメッセージを示す。
図4(b)の例では、通知部135は、第1支払方法(月払い)に比べて第2支払方法が有利な点として、利用料金が年間1300円分減額される点を通知する。
【0068】
通知部135は、ユーザと異なる複数の参考ユーザのうち、複数の参考ユーザの料金支払履歴情報において取得部132がユーザ共通識別情報を取得したユーザと同じサービスを利用したことが示されている複数の参考ユーザ(以下、サービス共通ユーザともいう)がこのサービスの利用料金の支払いに用いた支払方法であることを条件として、第2支払方法をユーザに通知してもよい。例えば、基準数以上のサービス共通ユーザがこのサービスの利用料金の支払いに用いた支払方法であることを条件として、第2支払方法をユーザに通知してもよい。基準数は、例えば、ユーザが予め設定した数である。
【0069】
また、通知部135は、複数のサービス共通ユーザのうち、所定の割合以上のサービス共通ユーザがこのサービスの利用料金の支払いに用いた支払方法であることを条件として、第2支払方法をユーザに通知してもよい。所定の割合は、例えば、複数のサービス共通ユーザがこのサービスの利用料金の支払いに第1支払方法を用いる割合に基づいて定められる。通知部135は、第1支払方法と比較して便益が大きい第2支払方法が複数のサービス共通ユーザのうちの所定の割合以上のサービス共通ユーザによりサービスの利用料金の支払いに利用されている場合に、この第2支払方法をユーザに通知する。通知部135は、第2支払方法を通知するとともに、この第2支払方法をサービス共通ユーザの多くが採用していることを通知してもよく、複数のサービス共通ユーザのうち、第2支払方法を採用しているサービス共通ユーザの割合(サービス共通ユーザの〇%)を通知してもよい。
【0070】
一方、通知部135は、第1支払方法と比較して便益が大きい第2支払方法として特定した支払方法であっても、この支払方法をサービスの利用料金の支払いに用いるサービス共通ユーザの割合が所定の割合未満である場合には、この支払方法をユーザに通知しなくてもよい。このようにして、通知部135は、所定の割合以上のサービス共通ユーザがサービスの利用料金の支払いに用いることを条件として、第2支払方法をユーザに通知する。このため、通知部135は、利用料金の支払いにいずれかの支払方法を使用することによって受けることができる便益についての情報を取得部132が十分に取得することができない場合等に、適切でない第2支払方法をユーザに通知してしまうリスクを軽減することができる。
【0071】
[第2支払方法の通知]
図5は、第2支払方法の通知の処理手順を示すシーケンス図である。この処理手順は、例えば、ユーザ端末4において統合サービスを利用するためのアプリを起動させるユーザの操作を受け付けたときに開始する。ユーザ端末4は、ユーザ共通識別情報を通知装置1へ送信する。
【0072】
通知装置1の取得部132は、ユーザ共通識別情報を取得する。取得部132は、取得したユーザ共通識別情報に関連付けて記憶部12が記憶している金融サービス利用者識別情報を記憶部12から取得する(S11)。取得部132は、取得した金融サービス利用者識別情報を外部装置2又は3へ送信する。外部装置2又は3は、受信した金融サービス利用者識別情報に対応するユーザの資産変動や収支の履歴を示す資産収支履歴情報を記憶部から読み出す(S12)。外部装置2又は3は、読み出した資産収支履歴情報を通知装置1へ送信する。
【0073】
取得部132は、資産収支履歴情報を外部装置2又は3から取得する。抽出部133は、取得部132が取得したユーザ共通識別情報に関連付けて記憶部12が記憶している複数のユーザ個別識別情報を特定する。抽出部133は、特定した複数のユーザ個別識別情報のうち、いずれかのユーザ個別識別情報に対応するサービスの利用料金の支払履歴を示す料金支払履歴情報を、取得した資産収支履歴情報から抽出する(S13)。
【0074】
特定部134は、料金支払履歴情報に含まれるユーザがサービスの利用料金を支払った複数の支払日時に基づいて、ユーザがサービスの利用料金を支払っている第1支払方法を特定する(S14)。通知部135は、サービスの利用料金の支払に使用可能な複数の支払方法のうち、第1支払方法と比較してユーザにとっての便益が大きい第2支払方法を特定する(S15)。通知部135は、特定した第2支払方法をユーザ端末4に通知する。ユーザ端末4は、この第2支払方法を表示部に表示させ(S16)、処理を終了する。
【0075】
[本実施形態における効果]
本実施形態の通知装置1によれば、特定部134は、ユーザがサービスの利用料金を支払う第1支払方法を特定し、通知部135は、この第1支払方法で利用料金を支払うよりもユーザが受ける便益が大きい第2支払方法をユーザに通知するので、ユーザがサービスを利用する際に受ける便益を大きくすることができる。
【0076】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0077】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0078】
1 通知装置
2 外部装置
3 外部装置
4 ユーザ端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 受付部
132 取得部
133 抽出部
134 特定部
135 通知部
【要約】 (修正有)
【課題】ユーザがサービスを利用する際に受ける便益を大きくする通知装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】通知装置1は、金融サービス利用者識別情報に対応するユーザの資産又は収支の履歴を示す資産収支履歴情報を外部装置から取得する取得部132と、ユーザ個別識別情報に対応するサービスの利用料金の支払履歴を示す料金支払履歴情報を資産収支履歴情報から抽出する抽出部133と、ユーザがサービスの利用料金を支払っている第1支払方法を特定する特定部134と、サービスの利用料金を支払う複数の支払方法のうち第1支払方法で利用料金を支払う場合にユーザが受ける便益の大きさと第1支払方法と異なる第2支払方法で利用料金を支払う場合にユーザが受ける便益の大きさとを比較することにより、第1支払方法と比較してユーザにとっての便益が大きい第2支払方法がある場合に、第2支払方法をユーザに通知する通知部135と、を備える。
【選択図】
図2