(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-06
(45)【発行日】2023-02-14
(54)【発明の名称】保持ハンド及び物品収納方法
(51)【国際特許分類】
B65B 35/36 20060101AFI20230207BHJP
B65B 5/08 20060101ALI20230207BHJP
【FI】
B65B35/36
B65B5/08
(21)【出願番号】P 2021195113
(22)【出願日】2021-12-01
(62)【分割の表示】P 2017211589の分割
【原出願日】2017-11-01
【審査請求日】2021-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000103426
【氏名又は名称】オークラ輸送機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】小野山 達夫
(72)【発明者】
【氏名】江川 徹
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-025029(JP,A)
【文献】特開昭61-206239(JP,A)
【文献】実開昭55-137746(JP,U)
【文献】特開2010-254363(JP,A)
【文献】特開平07-267202(JP,A)
【文献】特開2008-302962(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0006651(US,A1)
【文献】特許第5371016(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 35/36
B65B 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の下方を支持する一方側支持部と、
前記物品の上方を支持し、前記一方側支持部とで前記物品を起立姿勢で挟持する作用位置と前記物品から離れて挟持を解除する非作用位置との間で移動可能な他方側支持部と、
前記一方側支持部と前記他方側支持部との間に設けられた複数の板状部材と、
前記一方側支持部と前記他方側支持部による挟持方向に交差する横方向へ向けて前記物品を押し出す物品押し体とを備え、
前記板状部材の間に形成された複数の収納空間に前記物品が起立姿勢で夫々収納され、
前記一方側支持部と前記他方側支持部は、複数の前記物品を挟持可能とし、
前記他方側支持部が前記非作用位置に移動して挟持が解除された前記物品に対し、前記物品押し体が
複数の前記収納空間に収納された前記物品を押し出すことで、前記物品が前記一方側支持部上から前記横方向に押し出されて落下する
ことを特徴とする保持ハンド
。
【請求項2】
前記物品押し体は、回動中心軸周りに回動可能な回動体を有し、
前記回動体の下端部側が前記横方向へ向かって移動する回動動作により、前記物品の立側面の下部側が前記回動体の下端部側によって押し出される
ことを特徴とする請求項
1に記載の保持ハンド
。
【請求項3】
物品の下方を支持する一方側支持部と、前記物品の上方を支持し、前記一方側支持部とで前記物品
を挟持する作用位置と前記物品から離れて挟持を解除する非作用位置との間で移動可能な他方側支持部と、前記一方側支持部と前記他方側支持部による挟持方向に交差する横方向へ向けて前記物品を押し出す物品押し体とを備え
、前記物品の外側面において、下側の第1面が前記一方側支持部で支持され、上側の第2面が前記他方側支持部で支持され、前記第1面と前記第2面の間に位置する第3面が前記物品押し体に対向し、前記第1面と前記第2面の間で前記第3面の反対側に第4面が位置する起立姿勢に前記物品を挟持する保持ハンドと、
前記保持ハンドを移送させる移送手段とにより、
前記物品を起立姿勢で収納部材に収納する物品収納方法であって、
前記移送手段により、前記物品を挟持した前記保持ハンドを前記収納部材内に移動させ、前記収納部材の内側面に起立姿勢の前記物品
の前記第4面を対向させるステップと、
前記他方側支持部を前記非作用位置へ移動させて前記物品の挟持を解除するステップと、
前記物品押し体によって前記物品
の前記第3面を押し、前記物品を前記一方側支持部から前記横方向に押し出して前記収納部材へ起立姿勢で落下させるステップとを含む
ことを特徴とする物品収納方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持ハンド及び物品収納方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された収納部材(コンテナ)が知られている。
【0003】
この従来の収納部材は、矩形状の底板と、この底板の長手方向両端部に設けられた1対の第1側板と、底板の短手方向両端部に設けられた1対の第2側板とを備えている。また、底板及び各第1側板には、隣り合う物品同士を仕切る細長板状の仕切板が突設されている。
【0004】
そして、この収納部材には、複数の物品(例えば保冷材)が仕切板によって仕切られて互いに隣り合う物品間に間隙が存在する状態に収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そして、そのような収納作業を適切に行うことができる装置が求められている。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、物品を適切に収納できる保持ハンド及び物品収納方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る保持ハンドは、物品の下方を支持する一方側支持部と、前記物品の上方を支持し、前記一方側支持部とで前記物品を起立姿勢で挟持する作用位置と前記物品から離れて挟持を解除する非作用位置との間で移動可能な他方側支持部と、前記一方側支持部と前記他方側支持部との間に設けられた複数の板状部材と、前記一方側支持部と前記他方側支持部による挟持方向に交差する横方向へ向けて前記物品を押し出す物品押し体とを備え、前記板状部材の間に形成された複数の収納空間に前記物品が起立姿勢で夫々収納され、前記一方側支持部と前記他方側支持部は、複数の前記物品を挟持可能とし、前記他方側支持部が前記非作用位置に移動して挟持が解除された前記物品に対し、前記物品押し体が複数の前記収納空間に収納された前記物品を押し出すことで、前記物品が前記一方側支持部上から前記横方向に押し出されて落下するものである。
【0009】
また、本発明に係る物品収納方法は、物品の下方を支持する一方側支持部と、前記物品の上方を支持し、前記一方側支持部とで前記物品を挟持する作用位置と前記物品から離れて挟持を解除する非作用位置との間で移動可能な他方側支持部と、前記一方側支持部と前記他方側支持部による挟持方向に交差する横方向へ向けて前記物品を押し出す物品押し体とを備え、前記物品の外側面において、下側の第1面が前記一方側支持部で支持され、上側の第2面が前記他方側支持部で支持され、前記第1面と前記第2面の間に位置する第3面が前記物品押し体に対向し、前記第1面と前記第2面の間で前記第3面の反対側に第4面が位置する起立姿勢に前記物品を挟持する保持ハンドと、前記保持ハンドを移送させる移送手段とにより、前記物品を起立姿勢で収納部材に収納する物品収納方法であって、前記移送手段により、前記物品を挟持した前記保持ハンドを前記収納部材内に移動させ、前記収納部材の内側面に起立姿勢の前記物品の前記第4面を対向させるステップと、前記他方側支持部を前記非作用位置へ移動させて前記物品の挟持を解除するステップと、前記物品押し体によって前記物品の前記第3面を押し、前記物品を前記一方側支持部から前記横方向に押し出して前記収納部材へ起立姿勢で落下させるステップとを含むものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、物品を適切に収納できる保持ハンド及び物品収納方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る収納装置の要部側面図である。
【
図4】(a)は被収納物である物品の斜視図で、(b)はその物品が収納される収納部材の平面図である。
【
図5】(a)は同上収納装置の第1保管手段の側面図で、(b)はその前面図である。
【
図6】(a)は同上収納装置の第2保管手段の側面図で、(b)はその前面図である。
【
図7】(a)は同上収納装置の第1移動手段の平面図で、(b)はその側面図である。
【
図8】同上収納装置の第2移動手段の前面図である。
【
図9】(a)ないし(c)は同上第2移動手段の平面図である。
【
図10】同上収納装置の保持ハンド(縦姿勢)の正面図である。
【
図11】同上保持ハンドの保持状態時の側面図である。
【
図12】同上保持ハンドの保持解除状態時において物品が押動された状態を示す図である。
【
図13】同上収納装置の動作を説明するための動作
図1である。
【
図14】同上収納装置の動作を説明するための動作
図2(平面視)である。
【
図16】同上収納装置の動作を説明するための動作
図3(側面視)である。
【
図18】本発明の第2の実施の形態に係る収納装置の要部側面図である。
【
図21】移送手段の保持ハンドの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第1の実施の形態について
図1ないし
図17を参照して説明する。
【0013】
図3に示すように、図中の1は収納装置で、この収納装置1は、被収納物である物品2を収納部材であるコンテナ3に複数個ずつ順次投入して自動収納する収納システムである。
【0014】
物品2は、
図4(a)等に示すように、例えば扁平直方体状の保冷材であり、常温では液状となる保冷剤5が扁平直方体状の容器6内に貯留されたものである。容器6は、保冷剤5を注入するための注入口部7を上端中央部に有する容器本体8と、この容器本体8の注入口部7に脱着可能に装着された蓋体(キャップ)9とを備えている。なお、物品2は、
図4(a)に図示した保冷材には限定されず、例えば冷気が通過する複数の貫通孔が形成されたものでもよく、また、棒状のものや直方体状のもの等でもよい。
【0015】
コンテナ3は、
図4(b)等に示すように、例えば折畳み可能な外形直方体状のコンテナ(ケース)であり、起立状態の物品2を各列で例えば10個ずつ、最大で合計20個収納可能なものである。なお、コンテナ3内において、一方側である左側で1列に並ぶ複数の物品(一の物品列)2と、他方側である右側で1列に並ぶ複数の物品(他の物品列)2との間には、次工程での物品2の冷却時に冷気が通過する比較的大きな空間部である中央空間部(中央空きスペース)11が存在する。
【0016】
具体的には、コンテナ3は、平面視で矩形状をなす底板12と、この底板12の長手方向両端部に設けられた左右1対の第1側板13と、底板12の短手方向両端部に設けられた前後1対の第2側板14とを備え、これら底板12、各第1側板13及び各第2側板14には、冷気が通過する複数の貫通孔(図示せず)が形成されている。
【0017】
また、底板12及び各第1側板13には、列方向(前後方向)に互いに隣り合う物品2同士を仕切って両物品2間に間隙aを形成する細長板状の仕切部である仕切板15がそれぞれ突設されている。なお、底板12のうち、中央空間部11に対応する部分である長手方向中央部には、仕切板15は設けられていない。つまり、底板12の左側部分には仕切板15(15L)が突設され、底板12の右側部分には仕切板15(15R)が突設されている。なお、図示しないが、中央空間部11には長手方向に沿って僅かに隆起する隆起部が形成されている。
【0018】
そして、このような仕切板15を有する仕切付きのコンテナ3に対して、収納装置1によって、複数の物品2が、蓋体9を上に向けた起立状態であって、列方向に互いに隣り合う物品2間に間隙aが存在する状態で、かつ、列状の物品2間(物品列間)に中央空間部11が存在する複数列の状態となるように、連続的に自動収納される。
【0019】
つまり、収納装置1は、上面開口状のコンテナ3に対して、複数の物品2を各物品2が起立姿勢であり、互いに隣り合う物品2の立側面間に間隙aが存在する状態でかつ複数列状に自動収納する保冷材箱詰めシステムである。
【0020】
収納装置1は、まず
図3に示すように、複数の物品2を間隔および方向が未整列(ランダム)な状態のまま搬送する幅広搬送手段21と、この幅広搬送手段21で搬送される物品2の姿勢を同方向に修正し、かつ物品2を1列に整列する整列手段22と、この整列手段22による整列後の物品2をその1列状態のまま搬送方向に向けて搬送する搬送手段23とを備えている。
【0021】
また、収納装置1は、空コンテナ3を搬送する空コンテナ搬送手段24と、所定数(例えば20個)の物品2が所望状態に収納された実コンテナ3を次工程の冷却装置(図示せず)に向けて搬送する実コンテナ搬送手段25とを備えている。
【0022】
また一方、収納装置1は、
図1及び
図2に示すように、搬送手段23の搬送終端部に近接して設けられ、複数の物品2が水平方向に沿った倒伏状態でかつ上下方向に互いに隣り合う物品2間に間隙aが存在する状態に一時的に保管される可動保管体31を有する第1保管手段32と、この第1保管手段32に近接して設けられ、複数の物品2が水平方向に沿った倒伏状態でかつ上下方向に互いに隣り合う物品2間に間隙aが存在する状態に一時的に保管される固定保管体33を有する第2保管手段34とを備えている。つまり、前後方向に並ぶ2つの保管手段32,34が互いに近接して配置されている。なお、これら2つの保管手段32,34によって物品保管手段30が構成されている。
【0023】
また、収納装置1は、搬送手段23から可動保管体31に物品2を1つずつ倒伏状態のまま水平移動させる第1移動手段36と、複数の物品2を互いに隣り合う物品2間に間隙aが存在する状態に同時に保持する保持ハンド37を有し、この保持ハンド37を用いて複数の物品2を移送(例えば5つの物品からなる物品群を同時に保持してコンテナ3内の所定位置まで移送)してコンテナ3に収納する移送手段38と、可動保管体31から固定保管体33に物品2を複数同時(例えば5つ同時)に倒伏状態のまま間隔aを維持しつつ水平移動させた後、所定のタイミングで当該物品2を固定保管体33から保持ハンド37に複数同時(例えば5つ同時)に倒伏状態のまま間隔aを維持しつつ水平移動させる第2移動手段39とを備えている。
【0024】
このように、収納装置1は、搬送手段23、第1保管手段32、第2保管手段34、第1移動手段36、第2移動手段39、移送手段38等を備えているが、この各手段の具体的構成について説明する。なお図示しないが、収納装置1は、当該各手段が有する駆動源等を制御する制御手段を備えている。
【0025】
搬送手段23は、
図1に示すように、例えばローラコンベヤであり、モータ等の駆動源(図示せず)からの動力で所定方向に回転しながら物品2を倒伏状態(蓋体9を右側方に向けた倒伏状態)のまま搬送方向である前方に向けて搬送する複数の搬送ローラ41を有している。そして、ローラコンベヤは、搬送ローラ41の回転速度に差を設けることによって、低速で物品2を搬送する低速アキュームゾーンZ1と、低速アキュームゾーンZ1よりも高速で物品2を搬送する高速切り離しゾーンZ2とに構成されている。
【0026】
低速アキュームゾーンZ1の搬送終端部と高速切り離しゾーンZ2の搬送始端部との間の中間位置には、物品2の搬送方向への移動を規制する規制体である中間ストッパ42が上下方向に移動可能に設けられている。中間ストッパ42は、駆動源(図示せず)の作動に基づいて、物品2の搬送方向への移動を規制する規制位置と、物品2の搬送方向への移動を許容する許容位置との間で、上下方向に移動する。
【0027】
高速切り離しゾーンZ2の搬送終端部の近傍位置には、物品2の搬送方向への移動を規制する規制体であるストッパ43が上下方向に移動可能に設けられている。ストッパ43は、中間ストッパ42と同様、駆動源(図示せず)の作動に基づいて、物品2の搬送方向への移動を規制する規制位置と、物品2の搬送方向への移動を許容する許容位置との間で、上下方向に移動する。
【0028】
第1保管手段(昇降棚手段)32は、
図5(a)及び(b)等に示すように、支持体46を有し、この支持体46の支柱部47には上下方向長手状のレール体48が固設されている。レール体48には、複数(例えば6つ)の物品保管部50を有する棚状の可動保管体(昇降棚部)31が上下方向に移動可能、つまり昇降可能に設けられている。
【0029】
可動保管体31は、下流の固定保管体33と近接対向する所定の移動領域内において、駆動源(図示せず)の作動に基づいて、1個の物品2の厚さ寸法(倒伏状態の物品2の上下方向寸法)に対応した所定距離ずつ、上下方向に移動する。つまり、可動保管体31は、第1移動手段36によって倒伏状態の1個の物品2が前方へ移動して物品保管部50に搬入される度に、1個の物品2の大きさに対応した所定距離(物品保管部50の1段分)だけ上昇又は下降して、次の物品2を収納可能(受け入れ可能)な物品保管部50を搬入位置に移動(位置)させる。これにより、空の物品保管部50が一段ずつ搬入位置に移動して、連続的に物品2を保管することになる。なお、図示しないが、レール体48内には、可動保管体31を昇降させる駆動体が収納されており、この駆動体は例えばモータ(駆動源)及びボールねじ等によって構成されている。
【0030】
ここで、可動保管体31は、レール体48に沿って上下方向にスライドするスライド枠51を有し、このスライド枠51には、複数枚(例えば6枚)の矩形状の板状部材である棚板52が互いに等間隔をおいて水平状に固着されている。そして、物品2が載置される棚板52と、この棚板52の上方の保管空間(1個の物品2よりも若干大きな空間)53とによって、物品2が一時的に保管される物品保管部50が構成されている。つまり、この可動保管体31は、上下方向に並ぶ6つの物品保管部50を有し、この各物品保管部50の後面には物品入口54が開口形成され、前面には物品出口55が開口形成されている。また、スライド枠51は、レール体48に対して摺動可能なスライド移動体に固着されている。
【0031】
第2保管手段(固定棚手段)34は、
図6(a)及び(b)等に示すように、支持体56を有し、この支持体56の支持板部57には、複数(例えば、中間空間を挟んで上側に5つ、下側に5つ、合計で10)の物品保管部60を有する棚状の固定保管体(固定棚部)33が固設されている。
【0032】
固定保管体33の各物品保管部60は、可動保管体31の物品保管部50と同様、支持板部57に水平状に固着された矩形状の板状部材である棚板62と、この棚板62の上方の保管空間(1個の物品2よりも若干大きな空間)63とによって構成されている。つまり、固定保管体33は、上下方向に並ぶ5つの物品保管部(上側物品保管部)60を上側に有するとともに、上下方向に並ぶ5つの物品保管部(下側物品保管部)60を下側に有し、この各物品保管部60の後面には物品入口64が開口形成され、前面には物品出口65が開口形成されている。
【0033】
この図示した例では、固定保管体33の物品保管部60の数は、合計「10」であって、保持ハンド37が同時に保持する物品2の数である「5」の2倍であり、また可動保管体31の物品保管部50の数である「6」よりも多い。但し、この数には限定されず、例えば保持ハンド37が同時に保持する物品2の数が「9」である場合には、例えば固定保管体33の物品保管部60の数を「18」とし、可動保管体31の物品保管部50の数を「11」としてもよい。つまり、可動保管体31の物品保管部50の数をaとし、固定保管体33の物品保管部60の数をbとし、保持ハンド37が同時に保持する物品2の数をcとすると、b>a>cとなり、a=c+n、b=c×n (nは何れも1以上の整数)とすることができる。なお、本実施の形態では、a=c+1、b=c×2(中間空間を挟んで)となっている。また、本実施の形態での物品保管部60の別の数え方として、全体でb=(c×n)+1で計「11」であり、中央の「1」の物品保管部60が不使用または後述の収容部66とされ、残りの「10」が「5」ずつ上下段に分けて使用されると考えてもよい。
【0034】
なお、可動保管体31の物品保管部50の数は、保持ハンド37が同時に保持する物品2の数よりも多いことが好ましいが、同数でもよい。同様に、固定保管体33の物品保管部60の数は、可動保管体31の物品保管部50の数よりも多いことが好ましいが、同数でもよい。
【0035】
また、固定保管体33は、上下方向中央部の中間空間に位置決め手段収容部である収容部66を有し、この収容部66には、第1移動手段36による物品2の移動時に物品2の前方への移動を規制して物品2を可動保管体31の物品保管部50内の所定位置に位置決めする位置決め手段67が収容されている。
【0036】
位置決め手段67は、位置決め用シリンダ68と、この位置決め用シリンダ68のロッド部69の先端に固着された左右方向長手状の位置決め体である位置決め板70とを有している。位置決め板70は、位置決め用シリンダ68の作動に基づいて、収容部66内から可動保管体31側へ進出して物品2を位置決めする進出位置と、収容部66内に退避する退避位置との間で、水平方向である前後方向に移動する。
【0037】
第1移動手段(第1プッシャ手段)36は、
図7(a)及び(b)等に示すように、支持体71を有し、この支持体71の上部には前後方向長手状のレール体72が固設されている。レール体72には、スライド移動体73がレール体72に沿って前後方向に移動可能に設けられている。スライド移動体73は、モータ等の駆動源(図示せず)の作動に基づいて、第1位置(待機位置)と第2位置(可動保管体31への物品移動完了位置)との間で水平移動する。
【0038】
また、スライド移動体73には、シリンダ取付部74を介して昇降用シリンダ75が取り付けられており、この昇降用シリンダ75のロッド部76の先端(下端)には、当該シリンダ75の作動により上位置(非作用位置)及び下位置(作用位置)間で昇降する押し体(プッシャ)77が固着されている。この押し体77は、水平板部78とこの水平板部78の前端部から下方に向かって突出する鉛直板部79とを有し、この鉛直板部79の下端側が、物品2の押し時にその物品2と当接する物品当接部80となっている。
【0039】
そして、押し体77は、下位置である作用位置に位置した状態での、スライド移動体73の第1位置から第2位置への移動に基づく前方移動により、搬送手段23の高速切り離しゾーンZ2上の物品(倒伏状態の1個の物品)2を物品当接部80で前方へ押して移動させながら可動保管体31の物品保管部50の物品入口54から保管空間53に搬入する。なお、この際、ストッパである位置決め板70が進出位置に位置して物品出口55を閉鎖しているため、物品2は、物品出口55から飛び出すことがなく、物品保管部50内の所定位置で停止する。
【0040】
第2移動手段(第2プッシャ手段)39は、
図8及び
図9等に示すように、支持体81を有し、この支持体81の支柱部82には、互いに平行な上下2本の前後方向長手状のレール体83が固設されている。
【0041】
各レール体83には、レール体83に沿って前後方向に移動可能なスライド移動体85が設置され、スライド移動体85には、回動軸取付部86及びシリンダ取付部87を有する移動体88が接続されている。そして、上下の各移動体88は、モータ等の駆動源(図示せず)の作動に基づいて、第1位置(待機位置)、第2位置(固定保管体33への物品移動完了位置)、及び第3位置(保持ハンド37への物品移動完了位置)へ、水平移動する(
図9(c)を参照)。なお、上側の移動体88及び下側の移動体88は、それぞれ対応する駆動源からの動力によって個別に移動する。
【0042】
また、各移動体88の回動軸取付部86には、上下方向に軸方向を有する回動軸90が回動可能に取り付けられている。この回動軸90には、複数、例えば5本の物品押し用の棒状部材91が互いに等間隔をおいて水平状に固着されている。各棒状部材91は、物品2の押し時にその物品2と当接する物品当接部92を有し、この物品当接部92は物品保管部50,60を通過可能である。そして、複数(例えば5本)の棒状部材91とこれらが固着された回動軸90とによって、複数(例えば5個)の物品2を同時に押して前方へ移動させる押し体(プッシャ)89が構成されている。なお、押し体89の5本の棒状部材91のうちの1本の棒状部材91(91a)は、略く字状に形成されており、駆動源連結部であるロッド連結部93を有している。
【0043】
さらに、各移動体88のシリンダ取付部87には、回動用シリンダ95が取り付けられており、この回動用シリンダ95のロッド部96の先端(後端)には、棒状部材91aのロッド連結部93の基端部が回動可能に連結されている。このため、回動用シリンダ95の作動に基づき、回動用シリンダ95に接続された押し体89は、回動軸90を中心として作用位置及び非作用位置間で水平回動する。つまり、回動軸90が回転し、この回転動作に応じて回動軸90に固着された各棒状部材91も連動して回動することで、押し体89が全体として回動する。
【0044】
そして、押し体89は、作用位置に位置した状態での、移動体88の第1位置から第2位置への移動に基づく前方移動により、可動保管体31の物品保管部50の保管空間53に保管された物品(倒伏状態の5個の物品)2を物品当接部92で複数個同時に前方へ押して移動させながら物品入口64から固定保管体33の物品保管部60の保管空間63に搬入する。
【0045】
また、押し体89は、作用位置に位置した状態での、移動体88の第2位置から第3位置への移動に基づく前方移動により、固定保管体33の物品保管部60の保管空間63に保管された物品(倒伏状態の5個の物品)2を物品当接部92で複数個同時に前方へ押して移動させながら後述の保持ハンド37の収納空間114に搬入する。
【0046】
なお、上側の移動体88、上側の押し体89及び上側の回動用シリンダ95等によって上側押し部97が構成され、下側の移動体88、下側の押し体89及び下側の回動用シリンダ95等によって下側押し部98が構成され、これら上側押し部97及び下側押し部98は、それぞれ個別に物品2の押し動作(次への搬入動作)を行う。
【0047】
移送手段(移送用のロボット手段)は、
図10ないし
図12等に示すように、基台101と、この基台101に旋回可能に設けられた多関節型のロボットアーム102と、このロボットアーム102の先端部に回動中心軸(回動支点)103を中心として回動可能に設けられたロボットハンドである保持ハンド37とを有している。
【0048】
そして、保持ハンド37は、ロボットアーム102の作動に基づいて所定の移動領域内で任意の方向に移動可能(回動を含む)となっている。この保持ハンド37は、複数(例えば5個)の物品2を、互いに密着させることなく、互いに隣り合う物品2同士を仕切って両物品2間に間隙aが存在する状態に同時に保持可能なハンド装置である。
【0049】
ここで、保持ハンド37は、
図10ないし
図12に示すように、ロボットアーム102の先端部を構成する部分であって少なくとも回動中心軸103及びこれに直交する軸を中心に回動可能なアーム先端部分である手首部105に取り付けられており、複数(例えば5個)の物品2が互いに隣り合う物品2間に間隙aが存在する状態に収納される収納体106と、この収納体106に収納された複数(例えば5個)の物品2を間隙aが存在する状態のまま同時に挟持して保持する保持体107とを有している。
【0050】
収納体106は、ロボットアーム102の手首部105の下面に固着された取付板部110を含むベース部材111を有し、このベース部材111には、貫通孔112が形成された複数枚、すなわち例えば6枚の板状部材113が互いに等間隔をおいて固着されている。
【0051】
これら6枚の板状部材113のうち互いに隣り合う板状部材113間の空間が収納空間(1個の物品2よりも若干大きな空間)114であり、この各収納空間114に1個の物品2が収納される。そして、保持ハンド37の横姿勢時に固定保管体33側からの物品2が載置される板状部材(6枚のうち棚板として機能する板状部材)113と、この板状部材113の上方の収納空間114とによって、物品収納部116が構成されている。つまり、この収納体106は、物品2が一時的に収納される複数(例えば5つ)の物品収納部116を有している。
【0052】
なお、6枚の板状部材113のうち、保持ハンド37の横姿勢時において最も上に位置する最上位の1枚を除く5枚の板状部材113が、保持ハンド37の横姿勢時に固定保管体33側からの物品2を受け入れてその倒伏状態の物品2の下を向いた面を載置支持する板状の物品支持部(支持板)である。また、6枚の板状部材113のうち、外側の2枚を除く内側の4枚の板状部材113が、互いに隣り合う物品2同士を仕切って両物品2間に間隙aを形成(維持)する仕切部(仕切板)である。
【0053】
また、ベース部材111の先端側には、物品2の下面(蓋体9側とは反対側の端面)における端部分2aを支持する細長板状の一方側支持部材である固定支持板117が固着されている。
【0054】
さらに、ベース部材の基端側には挟持用シリンダ(駆動手段)118が取り付けられ、この挟持用シリンダ118のロッド部119の先端には、物品2の上面(蓋体9側の端面)における端部分2bを支持して固定支持板117とともに物品2を両端面側から挟持する移動可能な細長板状の他方側支持部材である移動支持板(押さえ板)120が固着されている。この移動支持板120は、挟持用シリンダ118の作動に基づいて、固定支持板117とともに物品2を挟持する作用位置と、その挟持を解除する非作用位置との間で移動する。そして、収納体106に対して固定された固定支持板117と、収納体106に対して移動可能な移動支持板120とによって、保持体107が構成されている。なお、保持体107に物品2を保持させる駆動手段は、挟持用シリンダ118には限定されず、モータ等の他のアクチュエータでもよい。
【0055】
また、保持ハンド37は、収納体106に収納された複数(例えば5個)の物品2を同時に固定支持板117上から押し出す物品押し体である回動体121を備えている。この回動体121は、保持ハンド37が縦姿勢となって当該保持ハンド37の少なくとも一部、すなわち例えば下半部を含む半分以上の部分がコンテナ3内に進入した状態時において、収納体106に収納された複数(例えば5個)の物品2を固定支持板117上からコンテナ3の側板側へ同時に押し出し、この押し出し動作によって物品2が固定支持板117上から押し出されると、物品2は底板12上に自重で少しの距離だけ落下して、コンテナ3に収納される。
【0056】
回動体121は、回動中心軸122を介して収納体106に回動可能(移動可能)に取り付けられている。この回動体121は、駆動手段であるダイヤフラム123の伸縮作動に基づいて、回動中心軸122を中心として作用位置及び非作用位置間で移動、つまり回動する。なお、駆動手段には、例えばシリンダやモータ等を採用してもよい。
【0057】
また、回動体121は、例えば2本のアーム124及びこれらアーム124の先端部同士を連結する連結板125等からなるものであり、収納体106の物品収納部116の数と同数の物品押し部126を有し、この各物品押し部126が物品収納部116内に配設されている。そして、ダイヤフラム123の作動に基づく回動体121の作用位置への回動により、これら5つの物品押し部126が収納体106内の5個の物品2の側面における所定部分2cを押して当該物品2を同時に落下させる。なお、コンテナ3の底板12上に落下して収納された物品2は、コンテナ3の上面開口3aから上方へ突出しておらず、その物品2の上面はコンテナ3の上面開口3aよりも下方に位置している(
図12参照)。
【0058】
さらに、収納体106の各物品収納部116の一の面(回動体121側とは反対側の面)には第1開口128が開口形成され、当該一の面に対して直交する他の面(固定支持板117側の面)には第2開口129が開口形成されている。そして、保持ハンド37の縦姿勢時には、第1開口128は側方(コンテナ3の第1側板13側の方向)に向かって開口し、第2開口129は下方に向かって開口する(
図11参照)。なお、各物品収納部116の第2開口129のうち、第1開口128側とは反対側に位置する開口部分の下方部が、固定支持板117によって閉鎖されている。
【0059】
次に、収納装置1の動作等について図面を参照して説明する。
【0060】
まず、動作
図1(
図13)を参照して説明すると、
図13(a)に示すように、物品2は、搬送手段23によって倒伏状態のまま搬送され、高速切り離しゾーンZ2で切り離された後、ストッパ43に当たって停止する。
【0061】
次いで、
図13(b)及び(c)に示すように、ストッパ43が規制位置から許容位置に移動した後、高速切り離しゾーンZ2上の1個の物品2は、スライド移動体73の第1位置から第2位置への移動に基づいて前方へ移動する押し体77によって押されて倒伏状態のまま移動し、第1保管手段32の可動保管体31の物品保管部50に搬入される。なお、押し体77による押し動作の際には、高速切り離しゾーンZ2の搬送ローラ41の駆動を停止または減速しても良い。
【0062】
この搬入の際、位置決め板70が進出位置に位置して物品保管部50の物品出口55を閉鎖しているため、物品2は、位置決め板70に当たって物品保管部50内の所定位置で停止する。
【0063】
次いで、
図13(d)に示すように、後続の次の物品2が高速切り離しゾーンZ2上に供給されるとともに、第1保管手段32の可動保管体31が物品保管部50の1段分の所定距離だけ上昇する。そして、当該次の物品2も同様に、第1移動手段36の押し体77によって前方へ押されて可動保管体31の物品保管部50に搬入される。
【0064】
このような動作の繰り返しにより、第1保管手段32の可動保管体31には、複数の物品2が倒伏状態でかつ互いに隣り合う物品間に間隙aが存在する状態に順次搬入されて保管される。
【0065】
次に、動作
図2(
図14及び
図15)を参照して説明すると、
図14(a)及び(b)に示すように、物品2が第1移動手段36の押し体77によって押されて可動保管体31に搬入されることで、この可動保管体31に所定数(予め設定された設定数)である5個の物品2が揃った場合には、第2移動手段39の押し体89は、回動用シリンダ95の作動に基づき、非作用位置から作用位置(可動保管体31内の物品2と対向する対向位置)に移動する。
【0066】
次いで、
図14(c)に示すように、第2移動手段39の移動体88の第1位置から第2位置への移動に基づいて押し体89が前方へ移動すると、可動保管体31の物品保管部50上の5個の物品2は、その押し体89によって押されて倒伏状態のまま間隙aを維持しつつ一斉に移動し、第2保管手段34の固定保管体33の物品保管部60に搬入されて保管される。
【0067】
その後、
図14(d)の如く移送手段38の保持ハンド37が横姿勢となって所定位置(固定保管体33からの物品を受け入れる物品受入位置)に到着して、固定保管体33の5つの物品保管部60と保持ハンド37の収納体106の5つの物品収納部116とが互いに近接状に対向した横並び状態になると、
図15(e)に示すように、第2移動手段39の移動体88の第2位置から第3位置への移動に基づいて、押し体89がさらに前方へ移動する。
【0068】
すると、固定保管体33の物品保管部60上の5個の物品2は、その押し体89によって押されて倒伏状態のまま間隙aを維持しつつ一斉に移動し、横姿勢で物品受入位置に位置した保持ハンド37の収納体106の物品収納部116に搬入されて収納される。
【0069】
次いで、
図15(f)に示すように、横姿勢の保持ハンド37の収納体106に収納された倒伏状態の5個の物品2は、固定支持板117と移動支持板120とによって挟持される。この際、これら固定支持板117及び移動支持板120からなる保持体107は、5個の物品2を隣同士の間隙aを維持したまま同時に挟持する。
【0070】
次いで、
図15(g)に示すように、保持ハンド37の保持体107で挟持された5個の物品2は、ロボットアーム102の作動に基づいて投入先のコンテナ3に向けて移送される。なお、保持ハンド37へ物品を移載し終えた第2移動手段39の押し体89は、回動用シリンダ95の作動に基づき、作用位置から非作用位置に移動するとともに、移動体88が第1位置に戻って次の動作に備える。
【0071】
次いで、
図15(h)に示すように、第2保管手段34から容器3へ移動途中の保持ハンド37が横姿勢から縦姿勢に90度回動され、当該5個の物品2は、倒伏状態から起立状態になる。
【0072】
そして、
図12に示すように、起立状態で間隙aを維持した5個の物品2を保持体107で上下から挟持した縦姿勢の保持ハンド37が、コンテナ3内のうち中央空間部11を含むコンテナ内側空間部分に進入して所定位置で停止すると、移動支持板120が移動して保持体107による物品2の挟持が解除されるとともに、回動体121が回動して起立状態の物品2を押して動かす。
【0073】
すると、起立状態の5個の物品2は、その下面の端部分2aが固定支持板117から離れることでコンテナ3の底板12上に落下して、コンテナ3内に所望状態で収納される。
【0074】
すなわち、複数の物品2は、蓋体9が上を向いた起立状態でかつ仕切板15によって仕切られて互いに隣り合う物品2間に間隙aが存在する状態となって、コンテナ3内に収納される。なお、互いに隣り合う物品2間の間隙aの大きさは、コンテナ3内、保持ハンド37内、固定保管体33内、及び可動保管体31内において、厳密な意味で同じである必要はなく、略同じであればよい。特に、コンテナ3内では、起立状態の物品2は、仕切板15に凭れ掛かった状態であるため、各間隙aの大きさも一定ではない。
【0075】
そして、1つのコンテナ3内に20個の物品2が冷気通過用の間隙aを維持して所望状態に収納されると、当該実コンテナ3は実コンテナ搬送手段25によってコンテナ停止位置から次工程の冷却装置へ向けて搬出され、その代わりに、空コンテナ3が空コンテナ搬送手段24によってコンテナ停止位置へ供給される。
【0076】
なお、この動作
図2では、上側押し部97の押し体89の動作について説明したが、下側押し部98の押し体89の動作も基本的に同様であり、この点は次の動作
図3で説明する。
【0077】
【0078】
まず
図16(a)~(e)に示すように、上述した第1移動手段36の押し体77による物品2の押し動作(動作
図1参照)の繰り返しによって、物品2が物品保管部50に搬入される度に可動保管体31が1段分の所定距離だけ上昇して、その可動保管体31の5つの物品保管部(最下段の物品保管部50a以外のもの)50のすべてに物品2が搬入された場合には、
図16(f)の如く、上側押し部97の押し体89が非作用位置から作用位置へ移動する。
【0079】
次いで、
図16(g)及び(h)に示すように、上側押し部97の押し体89が前方へ移動すると、5個の物品2は、その上側押し部97の押し体89によって押されて移動することで、固定保管体33の上側物品保管部60に搬入されて保管される。
【0080】
また、この上側押し部97の押し体89が前方へ移動している間に、物品保管部50aの最下段は空いた状態であるため、第1移動手段36の押し体77が前方へ移動(押し体89よりも高速で移動)し、次の1個の物品2は、その押し体77によって押されて移動することで最下段の物品保管部50aに搬入される。この際、位置決め板70が物品出口55を閉鎖しているため、物品2は最下段の物品保管部50a内の所定位置で停止する。なお、この最下段の物品保管部50aへの搬入後でかつ、上段の物品2群の固定保管部33への移動が完了していると、可動保管体31は、後続の物品2が物品保管部50に搬入される度に1段分の所定距離だけ下降する。
【0081】
次いで、
図17(i)及び(j)に示すように、横姿勢の保持ハンド37が上側の物品受入位置に到着した後、上側押し部97の押し体89がさらに前方へ移動すると、5個の物品2は、その上側押し部97の押し体89によって押されて移動することで、横姿勢の保持ハンド37内に搬入される。
【0082】
次いで、
図17(k)に示すように、移送手段38の保持ハンド37は、5個の物品2を保持した後、コンテナ3に向かって移動する。そして、保持ハンド37は、コンテナ3内に進入した縦姿勢の状態で物品2の挟持を解除して、5個の物品2を回動体121の物品押し部126で押してコンテナ3に所望状態に収納する。
【0083】
続いて、
図17(l)に示すように、移送手段38の動作時に、可動保管体31の5つの物品保管部(最上段の物品保管部50b以外のもの)50のすべてに物品2が搬入された場合には、下側押し部98の押し体89が非作用位置から作用位置へ移動する。
【0084】
次いで、
図17(m)に示すように、下側押し部98の押し体89が前方へ移動すると、5個の物品2は、その下側押し部98の押し体89によって押されて移動することで、固定保管体33の下側物品保管部60に搬入されて保管される。
【0085】
また、この下側押し部98の押し体89が前方へ移動している間に、物品保管部50aの最上段は空いた状態であるため、第1移動手段36の押し体77が前方へ移動(押し体89よりも高速で移動)し、次の1個の物品2は、その押し体77によって押されて移動することで最上段の物品保管部50bに搬入される。この際、位置決め板70が物品出口55を閉鎖しているため、物品2は最上段の物品保管部50b内の所定位置で停止する。なお、この搬入後においては、可動保管体31は後続の物品2が物品保管部50に搬入される度に1段分の所定距離だけ上昇する。
【0086】
次いで、
図17(n)及び(o)に示すように、横姿勢の保持ハンド37が下側の物品受入位置に到着した後、下側押し部97の押し体89がさらに前方へ移動すると、5個の物品2は、その下側押し部97の押し体89によって押されて移動することで、横姿勢の保持ハンド37内に搬入される。
【0087】
その後、移送手段38の保持ハンド37は、保持体107で5個の物品2を保持した後、コンテナ3に向かって移動する。そして、保持ハンド37は、コンテナ3内に進入した縦姿勢の状態で保持体107による物品2の挟持を解除して、5個の物品2を回動体121の物品押し部126で押してコンテナ3に互いに隣り合う物品2間に所定の大きさの間隙aが存在するように収納する。
【0088】
このような動作の繰り返しにより、固定保管体33の上側物品保管部60及び下側物品保管部60に対して所定数である5個の物品2が交互に一時保管されつつ、移送手段38の保持ハンド37によってコンテナ3内へ物品2が5個ずつ順次投入されて収納される。
【0089】
そして、このような収納装置1によれば、搬送手段23、第1保管手段32、第2保管手段34、第1移動手段36、第2移動手段39及び移送手段38を備えるため、仕切板15を有するコンテナ3に対して、複数の物品2を起立状態で隣り合う物品2間に間隔aを維持した所望状態に適切に収納することができる。
【0090】
また、例えば作業者が手作業で物品2をコンテナ3に収納する場合に比べて、作業効率良く収納できる。
【0091】
さらに、バッファ機能を有する第2保管手段34が第1保管手段32の下流に近接して設けられているため、例えば移送手段38の待機時間をなくすことができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0092】
また、第1保管手段32は、搬送手段23側からの物品2が搬入される度に所定距離だけ上昇又は下降する昇降可能な棚状の可動保管体31を有するため、例えば搬送手段23の下流で仕切付きの搬送ベルトがその搬送手段23の搬送方向に沿った方向に回行しながら物品2を受け入れて一時的に保管する構成等に比べて、省スペース化を容易に図ることができ、レイアウトの自由度が向上する。
【0093】
さらに、移送手段38の保持ハンド37は、横姿勢で複数の物品2を受け入れて保持し、その後横姿勢から縦姿勢に姿勢変更することで複数の物品2を倒伏状態から起立状態にしてから、コンテナ3内に中央空間部11を利用して進入した状態で物品2の保持を解除して複数の物品2をコンテナ3に収納するため、物品2の損傷等を防止しつつ、複数の物品2をコンテナ3内の各収納位置に適切に収納できる。
【0094】
また、可動保管体31の物品保管部50の数は、移送手段38の保持ハンド37が保持体107で同時に挟持して保持する物品2の数よりも多いため、作業効率の向上をより一層図ることができる。第2移動手段39で物品2を可動保管体31から搬出中に、第1移動手段36により空の物品保管部50へ物品を搬入することができる。
【0095】
さらに、固定保管体33の物品保管部60の数は、可動保管体31の物品保管部50の倍数となっているため、可動保管体31が上昇位置および下降位置に位置変化した状態のままで第2移動手段39が物品2を可動保管体31から固定保管体33へ移動させることができ、移送作業の効率がより向上する。
【0096】
次に、本発明の第2の実施の形態について
図18ないし
図20を参照して説明する。
【0097】
第2の実施の形態に係る収納装置1は、上述の第1の実施の形態とは異なり、第2保管手段34を備えておらず、保管手段として第1保管手段32(以下、「保管手段32」という)のみを備えたものである。なお、この保管手段32のみで物品保管手段30が構成されている。
【0098】
また、この収納装置1では、搬送手段23は、低速アキュームゾーン用のベルトコンベヤ131と、高速切り離しゾーン用のベルトコンベヤ132とを有している。
【0099】
さらに、第1移動手段36は、倒伏状態の物品2を押すことで搬送手段23のベルトコンベヤ132から保管手段32の可動保管体31に物品2を1つずつ移動させる前後方向及び左右方向に移動可能な1本の棒状の押し体(プッシャ)133を有している。
【0100】
また、第2移動手段39は、倒伏状態の物品2を押すことで保管手段32の可動保管体31から移送手段38の保持ハンド37の収納体106に物品2を複数(例えば5つ)同時に移動させる前後方向に移動可能な押し体(プッシャ)134を有している。この押し体134は、例えば複数(例えば5本)の物品押し用の棒状部材135によって構成されている。
【0101】
そして、この収納装置1の動作を
図20を参照して説明すると、ます
図20(a)に示すように、物品2は、搬送手段23によって倒伏状態のまま搬送され、高速切り離しゾーン用のベルトコンベヤ132上の所定位置で停止する。
【0102】
次いで、
図20(b)に示すように、ベルトコンベヤ132上の1個の物品2は、前方へ移動する押し体133によって押されて倒伏状態のまま移動し、保管手段32の可動保管体31の物品保管部50に搬入される。この搬入後、第1移動手段36の押し体133は元の位置へ戻り、可動保管体31は1段分の所定距離だけ上昇して次の物品2を受け入れ可能な状態となる。
【0103】
そして、このような動作の繰り返しによって、
図20(c)に示すように、保管手段32の可動保管体31の5つの物品保管部(最下段の物品保管部50a以外のもの)50には、予め設定された所定数(設定数)である5個の物品2が搬入されて保管される。
【0104】
次いで、
図20(d)及び(e)に示すように、横姿勢の保持ハンド37が所定位置に到着した後、第2移動手段39の押し体134が前方へ移動すると、5個の物品2は、その押し体134によって押されて移動することで、移送手段38の保持ハンド37の収納体106に搬入されて収納される。この押し体134の移動時に、第1移動手段36の押し体133も移動して次の物品2を押して最下段の物品保管部50aに搬入する。
【0105】
その後、移送手段38の保持ハンド37は、保持体107で5個の物品2を保持した後、コンテナ3に向かって移動する。そして、保持ハンド37は、コンテナ3内に進入した縦姿勢の状態で保持体107による物品2の挟持を解除して、5個の物品2を回動体121の物品押し部126で押してコンテナ3に所望状態に収納する。なお、押し体134は、空の物品保管部50aの隙間を通って、押し出し前の位置に戻るようにしても良い。
【0106】
したがって、この第2の実施の形態に係る収納装置1でも、上述の第1の実施の形態と同様、コンテナ3に対して複数の物品2を所望状態に適切に収納できる等の作用効果を奏することができる。
【0107】
なお、上記いずれの実施の形態においても、移送手段38の保持ハンド37は、
図10ないし
図12に示すものには限定されず、例えば
図21に示すものでもよい。
【0108】
この
図21に示す保持ハンド37は、回動体121及びこれを回動させるダイヤフラム123等を備えていない。
【0109】
それゆえ、この保持ハンド37では、
図21に示すように、保持体107による物品2の保持解除後に、ロボットアーム102の手首部105の回動中心軸103を中心とする回動によって保持ハンド37を中央空間部11内で傾動させると、複数の物品2が自重で落下してコンテナ3内に所望状態に収納される。この保持ハンド37の傾動動作は、保持ハンド37をロボットアーム102に対して回動中心軸103を中心として回動させる方法でもよいし、ロボットアーム自体を傾動させる方法でもよい。
【0110】
なお、ハンド装置である保持ハンド37は、例えば図示しないが、物品の上面を吸着保持するバキューム式の複数の吸着保持部を有するものや、物品の上端部を挟持する複数の挟持部を有するもの等でもよい。また、保持ハンド37は、5個の物品2を同時に保持可能なものには限定されず、例えばコンテナ3内での1列分(収納部材に対応した物品列)、すなわち例えば10個の物品2を同時に保持可能なものでもよい。
【0111】
また、第1移動手段は、突起または桟付きのベルト、チェーン等を備えたコンベヤとし、その突起等で物品2を可動保管体側に押し出すものでもよいし、搬送方向を前下がりにすることで可動保管体側に物品2を送り込むものでもよい。
【0112】
さらに、第2移動手段は、例えば可動保管体や固定保管体に設けられた複数の搬送ローラ等でもよい。
【0113】
また、可動保管体内の所定位置に物品を位置決めする位置決め手段は、例えば可動保管体に回動可能に設けられた位置決め用の回動部材を有するもの等でもよい。
【0114】
さらに、複数の物品を隣接する物品間に間隙を維持して保管可能な物品保管手段は、1つの保管手段32のみからなるものや、2つの保管手段32,34からなるものには限定されず、例えば搬送手段の搬送方向に沿って並ぶ3つ以上の保管手段からなるもの等でもよい。
【0115】
さらに、上記の実施の形態では、物品2および収納部材3として、保冷材および保冷材用のコンテナを例示したが、物品2および収納部材3はこれらに限られるものではなく、種々の物品および物品に対応する収納部材を用いることができる。
【0116】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【符号の説明】
【0117】
2 物品
3 収納部材であるコンテナ
37 保持ハンド
38 移送手段
113 板状部材である棚板
114 収納空間
117 一方側支持部である固定支持板
120 他方側支持部である移動支持板
121 物品押し体である回動体