(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-06
(45)【発行日】2023-02-14
(54)【発明の名称】縮合三環性γ-アミノ酸誘導体の組成物及びその調製
(51)【国際特許分類】
A61K 31/195 20060101AFI20230207BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20230207BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20230207BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20230207BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20230207BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20230207BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20230207BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20230207BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20230207BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20230207BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20230207BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20230207BHJP
A61P 25/06 20060101ALI20230207BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230207BHJP
【FI】
A61K31/195
A61K9/20
A61K9/48
A61K47/04
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/26
A61K47/32
A61K47/36
A61K47/38
A61P25/02
A61P25/04
A61P25/06
A61P29/00
(21)【出願番号】P 2021500627
(86)(22)【出願日】2019-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2019095856
(87)【国際公開番号】W WO2020011257
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-03-05
(31)【優先権主張番号】201810756863.X
(32)【優先日】2018-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515230637
【氏名又は名称】四川海思科制▲薬▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100163212
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】ヂァン,シュアンミィアォ
(72)【発明者】
【氏名】ペン,ファン
(72)【発明者】
【氏名】マオ,フゥア
(72)【発明者】
【氏名】ダァン,ジュエンジュエン
(72)【発明者】
【氏名】イエン,パンク
【審査官】梅田 隆志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/050046(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/114225(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/041453(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/079668(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/195
A61K 9/20
A61K 9/48
A61K 47/04
A61K 47/12
A61K 47/14
A61K 47/26
A61K 47/32
A61K 47/36
A61K 47/38
A61P 25/02
A61P 25/04
A61P 25/06
A61P 29/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全成分の重量百分率の合計100%で、
(i)重量百分率が1%~45%である、下記の式(I)で表される構造を有する活性物質又はその薬学的に許容可能な塩と、
(ii)重量百分率が50%~95%である充填剤であって、ここで該充填剤は、マンニトールと微結晶セルロースとの組み合わせから選ばれたものであり、該微結晶セルロースは、微結晶セルロースA及び微結晶セルロースBを含むもので、該微結晶セルロースAは、微結晶セルロースPH14、微結晶セルロースPH12、微結晶セルロース12及び微結晶セルロース14から選ばれ、該微結晶セルロースBは、PH102、PH105、PH103、PH301、PH101、PH112、PH302の微結晶セルロース、及び102、105、103、301、101、112、302の微結晶セルロースから選ばれものである該充填剤と、
(iii)重量百分率が0.1%~5.5%である任意的に1種又は複数種の潤滑剤と、
を含む、医薬組成物。
【化1】
【請求項2】
全成分の重量百分率の合計100%で、
(i)下記の式(I)で表される構造を有する活性物質又はその薬学的に許容可能な塩と、
(ii)マンニトールと微結晶セルロースとの組み合わせから選ばれた充填剤であって、ここで該微結晶セルロースは、微結晶セルロースA及び微結晶セルロースBを含むもので、該微結晶セルロースAは、微結晶セルロースPH14、微結晶セルロースPH12、微結晶セルロース12及び微結晶セルロース14から選ばれ、該微結晶セルロースBは、PH102、PH105、PH103、PH301、PH101、PH112、PH302の微結晶セルロース、及び102、105、103、301、101、112、302の微結晶セルロースから選ばれものである該充填剤と、
(iii)1種又は複数種の潤滑剤と、
を含む、医薬組成物。
【化2】
【請求項3】
前記式(I)の構造を有する化合物は下記のとおりである、請求項1又は2に記載の組成物。
【化3】
【請求項4】
式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩は下記のとおりである、請求項3に記載の組成物。
【化4】
【請求項5】
前記の活性物質の重量百分率が1%~45%である、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
前記の活性物質の重量百分率が5%~35%である、請求項1又は5に記載の組成物。
【請求項7】
前記の活性物質の重量百分率が21%~40%である、請求項1又は5に記載の組成物。
【請求項8】
前記医薬組成物の全重量を100%として、前記の含有マンニトールの重量百分率が9%~35%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記の含有マンニトールの重量百分率が15%~28%である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記の微結晶セルロースは、微結晶セルロース102及び微結晶セルロース12を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項11】
前記医薬組成物の全重量を100%として、前記の微結晶セルロースAの重量百分率が3%~15%であり、微結晶セルロースBの重量百分率が17%~72%である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記の微結晶セルロースAの重量百分率が5%~12%であり、微結晶セルロースBの重量百分率が40%~70%である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記の潤滑剤は、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム又はベヘン酸グリセリルから選ばれた1種又は複数種のものである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項14】
前記の潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項15】
前記の潤滑剤の重量百分率が0.5%~2%である、請求項13又は14に記載の組成物。
【請求項16】
前記の潤滑剤の重量百分率が0.5%~5.5%である、請求項13又は14に記載の組成物。
【請求項17】
ヒドロキシプロピルセルロース又はポビドンから選ばれる任意的に1種又は複数種のバインダーをさらに含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項18】
クロスカルメロースナトリウム又はカルボキシメチル澱粉ナトリウムから選ばれる任意的に1種又は複数種の崩壊剤をさらに含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項19】
シリカ又はタルクから選ばれる任意的に1種又は複数種の流動促進剤をさらに含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項20】
カプセル又は錠剤の形態である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項21】
全成分の重量百分率の合計100%で、
(i)活性物質として、重量百分率が5%~21%である、式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩と、
(ii)マンニトール、微結晶セルロースA及び微結晶セルロースBを含む充填剤であって、ここで
前記医薬組成物の全重量を100%として、重量百分率が15%~28%であるマンニトール、重量百分率が5%~8%である微結晶セルロースA及び重量百分率が56%~61%である微結晶セルロースBを含むものである該充填剤と、
(iii)重量百分率が0.5%~0.6%であるステアリン酸マグネシウムと、
を含む組成物であって、
式(I)の構造の化合物の薬学的に許容可能な塩は下記のとおりのものである、請求項20に記載の組成物。
【化5】
【請求項22】
全成分の重量百分率の合計100%で、
(i)該式(I)で表される構造を有する活性物質又はその薬学的に許容可能な塩と、
(ii)マンニトール、微結晶セルロース12及び微結晶セルロース102を含む充填剤と、
(iii)ステアリン酸マグネシウムと、
を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項23】
全成分の重量百分率の合計100%で、
(i)該式(I)で表される構造を有する活性物質又はその薬学的に許容可能な塩と、
(ii)マンニトール、微結晶セルロース12及び微結晶セルロース102を含む充填剤であって、そこでは
前記医薬組成物の全重量を100%として、重量百分率が9%~40%であるマンニトール、重量百分率が3%~15%である微結晶セルロース12及び重量百分率が17%~72%である微結晶セルロース102を含むものである該充填剤と、
(iii)重量百分率が0.5%~0.6%であるステアリン酸マグネシウムと、
を含む、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
該活性物質を重量百分率で5%~45%含み、そして該ステアリン酸マグネシウムを重量百分率で0.5%~0.6%含むものである、請求項22又は23に記載の組成物。
【請求項25】
シリカ又はタルクから選ばれる流動促進剤及び/又はヒドロキシプロピルセルロースから選ばれるバインダーをさらに含む、請求項21乃至23のいずれかに記載の組成物。
【請求項26】
該活性物質は、遊離塩基として1~100mgの量で存在する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項27】
該活性物質は、遊離塩基として5mg、20mg、30mg、40mg、60mg、又は80mgの量で存在する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項28】
請求項1乃至27のいずれかに記載の医薬組成物の製造方法であって、
(i)該活性物質を60メッシュの篩にかけ、充填剤を40メッシュの篩にかけて用意すること、
(ii)該篩にかけた活性物質及び充填剤を、多方向移動ミキサーに加えて均一に混合すること、
(iii)潤滑剤を該多方向移動ミキサーに加え、(ii)で得られた混合物と混合すること、及び、
(iv)(iii)で得られた混合物でカプセルを充填すること、
というステップを含む、
医薬組成物の製造方法。
【請求項29】
請求項1乃至27のいずれかに記載の医薬組成物の製造方法であって、
(i)該活性物質を60メッシュの篩にかけ、充填剤を40メッシュの篩にかけて用意すること、
(ii)溶媒として、40%エタノール水溶液を調製すること、
(iii)該篩にかけた活性物質と充填剤を、バインダーとともに湿式造粒機に加え、(ii)で調製した溶媒を加え、混合剪断により軟質材料を調製すること、
(iv)該軟質材料を篩にかけて造粒し、静的乾燥又は流動床による動的乾燥を実行すること、
(v)該乾燥した軟質材料を粒子調整し、それを流動促進剤及び崩壊剤とともに多方向移動ミキサーに加え、均一に混合すること、
(vi)該多方向移動ミキサーに潤滑剤を加えて混合すること、及び、
(vii)(vi)で得られた混合物でカプセルを充填すること、
というステップを含む、
或いは、
ステップ(ii)及びステップ(iii)の代わりに、
(iiー1)バインダー及び40%エタノールの水溶液でバインダー溶液を調製すること、
(iiiー1)該活性物質及び充填剤を湿式造粒機に加え、(iiー1)で得られたバインダー溶液を加え、混合剪断により軟質材料を調製すること、
というステップを含む、
医薬組成物の製造方法。
【請求項30】
請求項1乃至27のいずれかに記載の医薬組成物の製造方法であって、
(i)該活性物質を100メッシュの篩にかけ、充填剤及び崩壊剤を60メッシュの篩にかけること、
(ii)該篩にかけた活性物質、充填剤および崩壊剤を、高速湿式造粒機に加えて均一に攪拌混合すること、
(iii)ステップ(ii)で得られた混合粉末にバインダー溶媒を加え、軟質材料を調製すること、
(iv)該軟質材料を20メッシュの篩にかけて造粒し、静的乾燥又は流動床による動的乾燥により、水分含有量を2%未満に調整すること、
(v)該乾燥した粒子を24メッシュの篩にかけ、潤滑剤とともに該粒子を多方向移動ミキサー中に加えて均一に混合すること、及び、
(vi)ステップ(v)で得られた混合物を錠剤にプレス成形すること、
というステップを含む、
或いは、
ステップ(iii)及びステップ(iv)の代わりに、
(iiiー1)ステップ(ii)で得られた混合粉末を流動床に加え、蠕動ポンプでバインダー溶液を流動床に送り込み、トップスプレーで造粒すること、
というステップを含む、
医薬組成物の製造方法。
【請求項31】
疼痛を治療及び/又は予防するための薬物の調製における請求項1乃至27のいずれかに記載の医薬組成物の使用。
【請求項32】
前記の疼痛は、疱疹後神経痛、三叉神経痛、片頭痛、骨関節炎又は関節リウマチに関連する痛み、下背痛み、坐骨神経痛、歯痛、火傷による痛み、糖尿病性神経障害による痛み、化学療法による神経障害に起因する痛み、HIVに関連する神経痛、AIDSに関連する神経痛、癌に関連する神経痛又は非神経痛、急性又は慢性の緊張性頭痛、術後疼痛又は線維筋痛を含む、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
前記の疼痛は、疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害による痛み及び線維筋痛から選ばれるものである、請求項31に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬分野に関し、具体的に、縮合三環性γ-アミノ酸誘導体の医薬組成物及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP)は、一般的な糖尿病の慢性合併症である。少なくとも25%の糖尿病患者は有痛性糖尿病性末梢神経障害を示し、25年以上罹患する糖尿病患者の50%は神経痛に発展する。現在、中国では1千万を超えるDPNP患者がいる。
【0003】
帯状疱疹後神経痛(PHN)は、帯状疱疹の最も一般的な合併症である。帯状疱疹の年間発症率は約3~5‰であり、おおよそ9~34%の帯状疱疹患者はPHNを発症する。発症率は年齢の増加に応じて徐々に増加する傾向にあり、60代以上の帯状疱疹患者の約65%はPHNを発症し、70代以上は75%に達する。中国では、関連する研究データに欠け、以上のデータに基づいて中国において約400万のPHN患者がいると推定する。
【0004】
線維筋痛症候群(FMs)は、病因不明で、全身の広い痛み及び顕著な胴体の不快感を主な特徴とする臨床症候群である。世界的にFMsの疾患率は2.7%であり、米国における疾患率は2%であり、中国における疾患率は0.8%である。
【0005】
現在、市販されている末梢神経痛への対症治療薬としては、主に抗けいれん薬、三環系抗うつ薬、オピオイド鎮痛薬、局所鎮痛薬などがある。
【0006】
FDAによって承認された治療薬としては、プレガバリン、ガバペンチンのような電位依存性カルシウムチャネル拮抗剤、デュロキセチン、ミルナシプランのような5ーHT/NE再取り込み阻害剤、タペンタドールのようなμーオピオイド受容体に対するアゴニスト/NE再取り込み阻害剤、およびリドカインパッチ、カプサイシンパッチのような局所外用薬がある。中国において、現在、プレガバリン及びガバペンチンをPHNの治療に適用することのみはCFDAによって承認され、DPNPおよびFMの治療に承認された薬剤はない。
【0007】
電位依存性カルシウムチャネルは、α1サブユニットと、クセサリータンパク質α2δー、βー、γーサブユニットとからなる。α2δタンパク質は、カルシウムチャネルの密度及びカルシウムチャネルの電圧依存性の動力学を調整できる(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4)。例えば、プレガバリンやガバペンチンのような、電位依存性カルシウムチャネルサブユニットα2δへの高い親和性結合を示す化合物は、痛みの治療に有効であることが実証された。哺乳類において、α2δタンパク質には4つのサブタイプがあり、それぞれが異なる遺伝子によってコードされている。α2δのサブタイプ1およびサブタイプ2はプレガバリンと高い親和性を示すが、α2δのサブタイプ3およびサブタイプ4には有意な薬物結合能がない。
【0008】
臨床的には、プレガバリンは1日3回又は1日2回投与されているが、臨床患者のコンプライアンスは高くない。プレガバリンは、約30~50%の患者の痛みを緩和する効果しかなく、難治性DPNPなどに対する効果がよくないとともに、臨床使用において、めまい、眠気、体重増加、浮腫などの副作用の発生率が高く、患者の日常的な生活や仕事に影響を与えている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【文献】Felixら、「J.Neuroscience」、17巻、6884~6891頁、1997年
【文献】Klugbauerら、「J.Neuroscience」、19巻、684~691頁、1999年
【文献】Hobomら、「Eur.J.Neuroscience」、12巻、1217~1226頁、2000年
【文献】Qinら、「Mol.Pharmacol.」、62巻、485~496頁、2002年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、新規な構造で、薬効に優れる縮合三環性γ-アミノ酸誘導体又はその薬学的に許容可能な塩の医薬組成物及びそれらの鎮痛分野における使用を提供する。
【0011】
本発明は、縮合三環性γ-アミノ酸誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を有効量投与することを含む、疼痛を治療及び/又は予防する方法をさらに提供する。
【0012】
本発明で提供する新規な化合物である縮合三環性γ-アミノ酸誘導体(式(I)の構造又はその薬学的に許容可能な塩)は、カルシウムチャネルα2δ拮抗剤であって、カルシウムイオンチャネルα2δサブユニットに競合的に結合でき、また、脳ニューロンの活動の調節に関連する内因性抑制性神経伝達物質GABAに関わり、糖尿病による末梢神経痛、帯状疱疹後神経痛、線維筋痛の治療に効果があり、プレガバリンの欠点を克服することが期待される。
【0013】
本発明は、以下の式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を提供する。
【0014】
【0015】
本発明は、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物であって、前記式(I)の構造は下記の式(II)のように示される医薬組成物を提供する。
【0016】
【0017】
一実施形態において、任意的に、1~100mgの式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0018】
任意的に、2~80mgの式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0019】
任意的に、2~60mgの式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0020】
任意的に、2~50mgの式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0021】
任意的に、5~50mgの式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0022】
任意的に、5~40mgの式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0023】
任意的に、5~30mgの式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0024】
任意的に、5~20mgの式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0025】
任意的に、5~10mgの式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0026】
任意的に、10~80mgの式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0027】
任意的に、10~60mgの式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0028】
任意的に、10~50mgの式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0029】
任意的に、20~80mgの式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0030】
任意的に、20~60mgの式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0031】
任意的に、20~50mgの式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0032】
任意的に、30~50mgの式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0033】
特定の一実施形態において、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg又は50mgの式(I)或いは(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0034】
上記のいずれか1つの実施形態において、薬学的に許容可能な塩は、ベンゼンスルホン酸塩から選ばれる。
【0035】
式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効量投与することを含む疼痛を治療及び/又は予防する方法であって、前記有効量は、任意的に1~100mg、2~80mg、2~60mg、2~50mg、5~50mg、5~40mg、5~30mg、5~20mg、10~80mg、10~70mg、10~60mg、10~50mg、10~45mg、15~70mg、15~60mg、15~50mg、15~45mg、20~70mg、20~60mg、20~50mg又は20~45mgから選ばれる、疼痛を治療及び/又は予防する方法を提供する。
【0036】
好ましくは、前記式(I)或いは式(II)で表される化合物薬学的に許容可能な塩は、そのベンゼンスルホン酸塩である。
【0037】
薬学的に許容可能な塩は有効成分として投与される場合に、前記有効量は、遊離塩基に変換されたものである。
【0038】
一変形態様において、経口投与される。
【0039】
一変形態様において、前記疼痛は、疱疹後神経痛、三叉神経痛、片頭痛、骨関節炎又は関節リウマチに関連する痛み、下背痛み、坐骨神経痛、歯痛、火傷による痛み、糖尿病性神経障害による痛み、化学療法による神経障害に起因する痛み、HIVに関連する神経痛、AIDSに関連する神経痛、癌に関連する神経痛又は非神経痛、急性又は慢性の緊張性頭痛、術後疼痛又は線維筋痛を含む。特定の一変形態様において、前記疼痛は、疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害による痛み又は線維筋痛を含む。
【0040】
疼痛を治療及び/又は予防するための薬物の調製における上記のいずれかの医薬組成物の使用も提供される。好ましくは、前記疼痛は、疱疹後神経痛、三叉神経痛、片頭痛、骨関節炎又は関節リウマチに関連する痛み、下背痛み、坐骨神経痛、歯痛、火傷による痛み、糖尿病性神経障害による痛み、化学療法による神経障害に起因する痛み、HIVに関連する神経痛、AIDSに関連する神経痛、癌に関連する神経痛又は非神経痛、急性又は慢性の緊張性頭痛、術後疼痛又は線維筋痛を含む。
【0041】
疼痛を治療及び/又は予防するための薬物の調製における式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用も提供される。
【0042】
一実施形態において、任意的に、式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が一回当たり1~100mgで投与される。
【0043】
任意的に、式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が一回当たり2~80mgで投与される。
【0044】
任意的に、式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が一回当たり2~60mgで投与される。
【0045】
任意的に、式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が一回当たり2~50mgで投与される。
【0046】
任意的に、式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が一回当たり5~50mgで投与される。
【0047】
任意的に、式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が一回当たり5~40mgで投与される。
【0048】
任意的に、式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が一回当たり5~30mgで投与される。
【0049】
任意的に、式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が一回当たり5~20mgで投与される。
【0050】
任意的に、式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が一回当たり5~10mgで投与される。
【0051】
任意的に、式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が一回当たり10~80mgで投与される。
【0052】
任意的に、式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が一回当たり10~60mgで投与される。
【0053】
任意的に、式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が一回当たり10~50mgで投与される。
【0054】
任意的に、式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が一回当たり20~80mgで投与される。
【0055】
任意的に、式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が一回当たり20~60mgで投与される。
【0056】
任意的に、式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が一回当たり20~50mgで投与される。
【0057】
任意的に、式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が一回当たり30~50mgで投与される。
【0058】
特定の一実施形態において、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg又は50mgの式(I)或いは式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0059】
上記の使用に関するいずれかの実施形態又は変形態様において、前記の薬学的に許容可能な塩はベンゼンスルホン酸塩から選ばれる。
【0060】
上記の使用に関するいずれかの実施形態又は変形態様において、疼痛を治療及び/又は予防するための薬物の調製における式(I)或いは式(II)で表される化合物的薬学的に許容可能な塩の使用である場合に、対応する一回投与量は遊離塩基に変換されたものである。
【0061】
本発明の別の目的は、研究により、製剤の安定性を改善し、製剤の調製における含有量の均一性の課題を解決し、それによって、適格な含有量の均一性および良好な化学的安定性を有する製剤を得ることである。本発明によれば、式(I)又は式(II)の化合物を有効成分として含む製剤が提供され、当該製剤は、錠剤、カプセル製剤、顆粒製剤などの形態であり得る。
【0062】
本発明は、溶出速く、化学的安定性に優れ、安全で効果的な、副作用が小さい製剤を提供する。
【0063】
本発明は、医薬組成物であって、当該医薬組成物の重量の合計100%で、
(i)重量百分率が1%~45%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が1%~40%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が1%~35%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が1%~30%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が1%~25%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~45%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~40%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~35%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~30%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~25%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~21%である式(I)或いは式(II)で表される構造の活物質又はその薬学的に許容可能な塩と、
(ii)重量百分率が50%~95%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が55%~94%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が79%~94%である任意的に1種又は複数種の充填剤と、
(iii)重量百分率が0.1%~6%;いくつかの実施形態において、重量百分率が0.1%~5.5%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が0.1%~2%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が0.1%~1.5%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が0.5%~1.5%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が0.5%~1%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が0.5%~0.9%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が0.5%~0.8%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が0.5%~0.7%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が0.5%~0.6%である任意的に1種又は複数種の潤滑剤と、
を含む医薬組成物を提供する。
【0064】
ここで、上記の範囲は、すべての成分の重量百分率の合計が100%を満たす条件で、任意に組み合わせることができる。
【0065】
式(I)の構造は下記のとおりである。
【0066】
【0067】
本発明で提供する医薬組成物において、式(I)の構造は、下記の式(II)に示すものである。
【0068】
【0069】
本発明で提供する医薬組成物において、式(I)の薬学的に許容可能な塩の構造は下記のとおりである。
【0070】
【0071】
式(I)の構造の薬学的に許容可能な塩は、結晶構造を有するものあり、CuーKα線によるX線粉末回折パターンは、9.72°±0.2°、14.00°±0.2°、16.33°±0.2°、19.32°±0.2°、20.46°±0.2°、21.69°±0.2°、25.33°±0.2°という2θ位置に特徴的な回折ピークを有する。CuーKα線によるX線粉末回折パターンは、さらに11.21±0.2°、15.16±0.2°、18.87±0.2°、19.88±0.2°、23.47±0.2°、27.96±0.2°という2θ位置に特徴的な回折ピークを有する。そのX線粉末回折パターンは、さらに21.30±0.2°、25.40±0.2°、29.82±0.2°という2θ位置に特徴的な回折ピークを有する。さらに、式(I)の構造の薬学的に許容可能なの結晶は、CuーKα線によるX線粉末回折パターンが
図4に示される。さらに、式(I)の構造の薬学的に許容可能なの結晶は、TGA/DSCスペクトルが
図5に示される。さらに、式(I)の構造の薬学的に許容可能な塩は、単結晶の回折スペクトルが
図6に示される。ここに、式(I)の構造の薬学的に許容可能な塩の構造は以下の通りである。
【0072】
【0073】
本発明の組成物は、医薬製剤であって、錠剤、顆粒、マイクロカプセル、丸薬又はカプセルであってもよく;いくつかの実施形態において、錠剤又はカプセルであり;いくつかの実施形態において、カプセルである。
【0074】
本発明の組成物は、活物質の重量百分率が1%~45%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が1%~40%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が1%~35%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が1%~30%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が1%~25%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~45%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~40%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~35%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~30%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~25%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~21%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5.5%~21%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5.5%~20.5%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5.5%~20%である。
【0075】
本発明の組成物における充填剤は、マンニトール、低置換ヒドロキシプロピルセルロース又は微結晶セルロースのうちの1種又は複数種から選ばれる。いくつかの実施形態において、充填剤は、マンニトール又は微結晶セルロースのうちの1種又は複数種から選ばれる。いくつかの実施形態において、マンニトールと微結晶セルロースとの組み合わせから選ばれる。
【0076】
本発明の組成物における充填剤は、マンニトールと微結晶セルロースとの組み合わせから選ばれる場合に、マンニトールの重量百分率が9%~40%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が9%~35%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が10%~28%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が9%~25%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が9%~20%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が15%~35%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が15%~30%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が15%~28%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が15%~25%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が15%~20%である。
【0077】
本発明の組成物における充填剤は、マンニトールと微結晶セルロースとの組み合わせから選ばれる場合に、前記の微結晶セルロースは微結晶セルロースA及び微結晶セルロースBを含む。微結晶セルロースAは、微結晶セルロースPH14、微結晶セルロースPH12、微結晶セルロース12又は微結晶セルロース14から選ばれ;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAは微結晶セルロース12から選ばれ;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAは微結晶セルロースPH12から選ばれ;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAは微結晶セルロースPH14から選ばれ;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAは微結晶セルロース14から選ばれる。微結晶セルロースBは、微結晶セルロースPH102、PH105、PH103、PH301、PH101、PH112、PH302、微結晶セルロース102、105、103、301、101、112、302から選ばれ;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBは微結晶セルロース102から選ばれ;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBは微結晶セルロースPH102から選ばれる。
【0078】
本発明の組成物における充填剤は、マンニトールと微結晶セルロースとの組み合わせから選ばれる場合に、前記の微結晶セルロースは微結晶セルロースA及びBを含み、それぞれに微結晶セルロース102及び微結晶セルロース12から選ばれる。
【0079】
本発明の組成物における充填剤は、マンニトールと微結晶セルロースとの組み合わせから選ばれる場合に、前記の微結晶セルロースは微結晶セルロースA及びBを含み、微結晶セルロースAの重量百分率が3%~60%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が3%~59%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が3%~58%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が3%~10%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が3%~8%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が5%~15%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が5%~12%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が5%~10%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が5%~9%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が5%~8%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が5%~7.5%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が5.5%~7.5%である。
【0080】
本発明の組成物における充填剤は、マンニトールと微結晶セルロースとの組み合わせから選ばれる場合に、前記の微結晶セルロースは微結晶セルロースA及びBを含み、微結晶セルロースBの重量百分率が17%~80%であり、いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が17%~72%であり、いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が40%~80%であり、いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が40%~70%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が40%~75%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が41%~72%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が42%~72%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が50%~80%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が50%~75%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が50%~70%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が55%~80%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が55%~75%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が56%~72%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が56%~61%である。
【0081】
本発明の組成物における充填剤は、マンニトールと微結晶セルロースとの組み合わせから選ばれる場合に、前記の微結晶セルロースは微結晶セルロースA及びBを含み、微結晶セルロースAの重量百分率が5%~8%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が5%~7.5%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が5.5%~7.5%であり;微結晶セルロースBの重量百分率が55%~75%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が56%~72%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が56%~61%である。
【0082】
本発明の組成物における充填剤は、マンニトールと微結晶セルロースとの組み合わせから選ばれる場合に、前記の微結晶セルロースは微結晶セルロース12及び微結晶セルロース102を含み、微結晶セルロース12の重量百分率が5%~8%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロース12の重量百分率が5%~7.5%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロース12の重量百分率が5.5%~7.5%であり;微結晶セルロース102の重量百分率が55%~75%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロース102の重量百分率が56%~72%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロース102の重量百分率が56%~61%である。
【0083】
微結晶セルロース12は、粒径のD50の範囲が130~230μmであり、D90の範囲が270~450μmである。微結晶セルロース102は、粒径のD50の範囲が90~150μmであり、D90の範囲が190~300μmである。
【0084】
本発明の組成物における充填剤は、マンニトールと微結晶セルロースとの組み合わせから選ばれる場合に、前記の微結晶セルロースは微結晶セルロース12及び微結晶セルロース102を含み、微結晶セルロース12の重量百分率が5%~8%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロース12の重量百分率が5%~7.5%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロース12の重量百分率が5.5%~7.5%であり;微結晶セルロース102の重量百分率が55%~75%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロース102の重量百分率が56%~72%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロース102の重量百分率が56%~61%であり;微結晶セルロース12は、粒径のD50の範囲が130~230μmであり、D90の範囲が270~450μmである。微結晶セルロース102は、粒径のD50の範囲が90~150μmであり、D90の範囲が190~300μmである。
【0085】
本発明の組成物における充填剤は、マンニトールと微結晶セルロースとの組み合わせから選ばれる場合に、前記の微結晶セルロースは微結晶セルロースA、B及びマンニトールを含み、それらの合計の重量百分率が組成物における充填剤の重量百分率であり、ほかの成分との合計は100%である。
【0086】
本発明の組成物における充填剤は、マンニトールと微結晶セルロースとの組み合わせから選ばれ、微結晶セルロースの粒径のD50の範囲は90~230μmであり、微結晶セルロースの粒径のD50が90μm未満である場合に、組成物にはバインダーを添加する必要がある。
【0087】
本発明の組成物における潤滑剤は、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム又はベヘン酸グリセリルのうちの1種又は複数種から選ばれ;いくつかの実施形態において、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸から選ばれ;いくつかの実施形態において、ステアリン酸マグネシウムから選ばれる。
【0088】
本発明の組成物における潤滑剤の重量百分率が0.5%~6%であり、いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~5.5%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~5.3%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~2%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~1.5%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~1%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~0.9%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~0.8%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~0.7%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~0.6%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.55%~0.6%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.51~0.55%である。
【0089】
本発明の組成物は、必要に応じて、任意的に1種又は複数種のバインダーをさらに含んでもよい。
【0090】
バインダーは、ヒドロキシプロピルセルロース又はポビドンから選択してもよい。
【0091】
バインダーの重量百分率が1%~10%であり;いくつかの実施形態において、バインダーの重量百分率が1%~6%であり;いくつかの実施形態において、バインダーの重量百分率が1%~5%であり;いくつかの実施形態において、バインダーの重量百分率が1%~4%であり;いくつかの実施形態において、バインダーの重量百分率が1%~3%であり;いくつかの実施形態において、バインダーの重量百分率が4%であり;いくつかの実施形態において、バインダーの重量百分率が3%である。
【0092】
本発明の組成物は、必要に応じて、任意的に1種又は複数種の崩壊剤をさらに含んでもよい。
【0093】
崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム又はカルボキシメチル澱粉ナトリウムから選択してもよい。
【0094】
崩壊剤の重量百分率が1%~10%であり;いくつかの実施形態において、崩壊剤の重量百分率が1%~5%であり;いくつかの実施形態において、崩壊剤の重量百分率が1%~4%であり;いくつかの実施形態において、崩壊剤の重量百分率が3%~4%であり;いくつかの実施形態において、崩壊剤の重量百分率が4%である。
【0095】
本発明の組成物は、必要に応じて、任意的に1種又は複数種の流動促進剤をさらに含んでもよい。
【0096】
流動促進剤は、シリカ又はタルクから選択してもよい。
【0097】
流動促進剤の重量百分率が1%~10%であり;いくつかの実施形態において、流動促進剤の重量百分率が1%~6%であり;いくつかの実施形態において、流動促進剤の重量百分率が1%~5%であり;いくつかの実施形態において、流動促進剤の重量百分率が1%~4%であり;いくつかの実施形態において、流動促進剤の重量百分率が1%~3%であり;いくつかの実施形態において、流動促進剤の重量百分率が4%であり;いくつかの実施形態において、流動促進剤の重量百分率が3%である。
【0098】
上記百分率は、組成物の全重量を100%とし、上記異なる成分の各百分率の範囲の間に任意に組み合わせることができるが、各成分の合計が100%となるように満たす必要がある。
【0099】
本発明の組成物は、カプセル製剤であって、
(i)活物質であって、前記の活物質の重量百分率が1%~45%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が1%~40%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が1%~35%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が1%~30%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が1%~25%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~45%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~40%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~35%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~30%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~25%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5%~21%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5.5%~21%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5.5%~20.5%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が5.5%~20%である式(I)の構造の薬学的に許容可能な塩と、
(ii)マンニトール、微結晶セルロースA及び微結晶セルロースBを含む充填剤であって、マンニトールの重量百分率が9%~40%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が9%~35%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が10%~28%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が9%~25%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が9%~20%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が15%~35%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が15%~30%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が15%~28%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が15%~25%であり;いくつかの実施形態において、重量百分率が15%~20%であり;微結晶セルロースAの重量百分率が3%~60%であり、いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が3%~59%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が3%~58%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が3%~10%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が3%~8%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が5%~15%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が5%~12%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が5%~10%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が5%~9%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が5%~8%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が5%~7.5%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースAの重量百分率が5.5%~7.5%であり;微結晶セルロースBの重量百分率が17%~80%であり、いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が40%~80%であり、いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が40%~70%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が40%~75%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が41%~72%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が42%~72%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が50%~80%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が50%~75%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が50%~70%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が55%~80%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が55%~75%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が56%~72%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が56%~61%である充填剤と、
(iii)ステアリン酸マグネシウムであって、ステアリン酸マグネシウムの重量百分率が0.5%~6%であり、いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~5.5%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~5.3%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~2%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~1.5%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~1%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~0.9%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~0.8%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~0.7%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.5%~0.6%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.55%~0.6%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.51~0.55%である潤滑剤と、
を含むものである。
【0100】
上記各成分の百分率の範囲は、組成物の合計が100%を満たす条件で、任意に組み合わせることができる。
【0101】
ここに、式(I)の構造の薬学的に許容可能な塩の構造は下記のとおりである。
【0102】
【0103】
本発明の組成物は、流動促進剤をさらに含んでもよく、当該流動促進剤はシリカ又はタルクから選ばれ;いくつかの実施形態において、当該流動促進剤はシリカから選ばれる。
【0104】
本発明の組成物は、バインダーをさらに含んでもよく、当該バインダーはヒドロキシプロピルセルロース又はポビドンから選ばれ;いくつかの実施形態において、当該バインダーはヒドロキシプロピルセルロースから選ばれる。特に、当該組成物における充填剤が1種のみである場合には、組成物にさらにバインダーが含まれる。
【0105】
本発明は、錠剤であって、
(i)活物質であって、前記の活物質の重量百分率が4%~35%であり;いくつかの実施形態において、活物質の重量百分率が4%であり、いくつかの実施形態において、活物質の重量百分率が11%であり、いくつかの実施形態において、活物質の重量百分率が20%であり、いくつかの実施形態において、活物質の重量百分率が34%である式(I)の構造の薬学的に許容可能な塩と、
(ii)マンニトールや微結晶セルロースBを含む充填剤であって、マンニトールの重量百分率が13%~60%であり、いくつかの実施形態において、マンニトールの重量百分率が13%~40%であり;いくつかの実施形態において、マンニトールの重量百分率が13%~20%であり;微結晶セルロースBの重量百分率が10%~60%であり、いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が19%~60%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が19%~50%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が19%~40%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が40%~60%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が40%~50%であり;いくつかの実施形態において、微結晶セルロースBの重量百分率が50%~60%である充填剤と、
(iii)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン又はヒドロキシプロピルセルロースから選ばれるバインダーであって、当該バインダーの重量百分率が4%~10%であり;いくつかの実施形態において、ヒドロキシプロピルメチルセルロースから選ばれ;いくつかの実施形態において、バインダーの重量百分率が4%~7%であり;いくつかの実施形態において、バインダーの重量百分率が5%~7%であり;いくつかの実施形態において、バインダーの重量百分率が5%であり;いくつかの実施形態において、バインダーの重量百分率が6%であり;いくつかの実施形態において、バインダーの重量百分率が7%であるバインダーと、
(iv)クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロースカルシウム、クロスポビドン又はカルボキシメチル澱粉ナトリウムから選ばれる崩壊剤であって、当該崩壊剤の重量百分率が2%~10%であり;いくつかの実施形態において、当該崩壊剤はクロスカルメロースナトリウムから選ばれ;いくつかの実施形態において、崩壊剤の重量百分率が6%~10%であり;いくつかの実施形態において、バインダーの重量百分率が6%~9%であり;いくつかの実施形態において、バインダーの重量百分率が6%であり;いくつかの実施形態において、バインダーの重量百分率が7%であり;いくつかの実施形態において、バインダーの重量百分率が8%であり;いくつかの実施形態において、バインダーの重量百分率が9%であり;いくつかの実施形態において、バインダーの重量百分率が10%である崩壊剤と、
(v)ステアリン酸マグネシウム又はフマル酸ステアリルナトリウムから選ばれる潤滑剤であって、当該潤滑剤の重量百分率が0.5%~1%であり;いくつかの実施形態において、当該潤滑剤はステアリン酸マグネシウムから選ばれ;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.6%~1%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.6%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.7%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.8%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が0.9%であり;いくつかの実施形態において、潤滑剤の重量百分率が1%である潤滑剤と、
を含む医薬組成物に関する。
【0106】
上記各成分の百分率の範囲は、組成物の合計が100%を満たす条件で、任意に組み合わせることができる。
【0107】
ここに、式(I)の構造の薬学的に許容可能な塩の構造は下記のとおりである。
【0108】
【0109】
本発明の組成物は錠剤又はカプセル製剤であり、その活物質は遊離塩基として1~100mgの量で存在し、いくつかの実施形態において、2~80mgの量で存在し;いくつかの実施形態において、2~60mgの量で存在し;いくつかの実施形態において、2~50mgの量で存在し;いくつかの実施形態において、5~50mgの量で存在し;いくつかの実施形態において、5~40mgの量で存在し;いくつかの実施形態において、5~30mgの量で存在し;いくつかの実施形態において、5~20mgの量で存在し;いくつかの実施形態において、5~10mgの量で存在し;いくつかの実施形態において、10~80mgの量で存在し;いくつかの実施形態において、10~60mgの量で存在し;いくつかの実施形態において、10~50mgの量で存在し;いくつかの実施形態において、20~80mgの量で存在し;いくつかの実施形態において、20~60mgの量で存在し;いくつかの実施形態において、20~50mgの量で存在し;いくつかの実施形態において、30~50mgの量で存在する。
【0110】
本発明の組成物は錠剤又はカプセル製剤であり、その活物質は遊離塩基として5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg又は50mgの量で存在し;いくつかの実施形態において、5mg、10mg又は20mgの量で存在し;いくつかの実施形態において、5mg又は20mgの量で存在する。
【0111】
本発明は、さらに、
(i)活物質を60メッシュの篩にかけ、充填剤を40メッシュの篩にかけて用意すること、
(ii)篩にかけた活物質と充填剤を多方向移動ミキサーに加えて均一に混合すること、
(iii)多方向移動ミキサーに潤滑剤を加え、(ii)で得られた混合物と混合すること、
或いは、崩壊剤又は/及び流動促進剤が混合物に含まれている場合、潤滑剤、崩壊剤および流動促進剤を多方向移動ミキサーに加え、(ii)で得られた混合物と混合すること、及び
(iv)(iii)で得られた混合物でカプセルを充填すること、
というステップを含む医薬組成物の製造方法に関する。
【0112】
本発明は、さらに、
(i)活物質を60メッシュの篩にかけ、充填剤を40メッシュの篩にかけて用意すること、
(ii)溶媒として、40%エタノールの水溶液を調製すること、
(iii)篩にかけた活性物質を充填剤及びバインダーとともに湿式造粒機に添加し、(ii)で調製した溶媒を加え、混合剪断により軟質材料を調製すること、
(iv)軟質材料を篩にかけて造粒し、静的乾燥又は流動床による動的乾燥を実行すること、
(v)乾燥した軟質材料を粒子調整し、それを流動促進剤及び崩壊剤とともに多方向移動ミキサーに加えて均一に混合すること、
(vi)多方向移動ミキサーに潤滑剤を加えて混合すること、及び
(vii)(vi)で得られた混合物でカプセルを充填すること、
というステップを含む医薬組成物の別の製造方法に関する。
又は、ステップ(ii)及びステップ(iii)の代わりに、
(iiー1)バインダー及び40%エタノールの水溶液でバインダー溶液を調製すること、
(iiiー1)活物質及び充填剤を湿式造粒機に加え、(iiー1)で得られたバインダー溶液を加え、混合剪断により軟質材料を調製すること、
を使用してもよい。
【0113】
本発明は、
(i)活物質を100メッシュの篩にかけ、充填剤と崩壊剤を60メッシュの篩にかけて用意すること、
(ii)篩にかけた活物質、充填剤および崩壊剤を高速湿式造粒機に加えて均一に攪拌混合すること、
(iii)ステップ(ii)で得られた混合粉末にバインダー溶媒を加え、軟質材料を調製すること、
(iv)軟質材料を20メッシュの篩にかけて粒子を生成し、静的乾燥又は流動床による動的乾燥により、水分含有量を2%未満に調整すること、
(v)乾燥した粒子を24メッシュの篩にかけ、潤滑剤とともに多方向移動ミキサー中に加えて均一に混合すること、及び、
(vi)ステップ(v)で得られた混合物を錠剤にプレス成形すること、
というステップを含む錠剤医薬組成物の製造方法に関する。
【0114】
又は、ステップ(iii)及びステップ(iv)の代わりに、
(iiiー1)ステップ(ii)で得られた混合粉末を流動床に加え、蠕動ポンプでバインダー溶液を流動床に送り込み、トップスプレーで造粒すること、
を使用してもよい。
【0115】
本発明は、さらに、活物質である式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効量投与することを含む疼痛を治療及び/又は予防する方法に関し、前記の有効量として、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は遊離塩基として1~100mgであり、いくつかの実施形態において、5~20mgであり;いくつかの実施形態において、5mg又は20mgである。前記の疼痛は、疱疹後神経痛、三叉神経痛、片頭痛、骨関節炎又は関節リウマチに関連する痛み、下背痛み、坐骨神経痛、歯痛、火傷による痛み、糖尿病性神経障害による痛み、化学療法による神経障害に起因する痛み、HIVに関連する神経痛、AIDSに関連する神経痛、癌に関連する神経痛又は非神経痛、急性又は慢性の緊張性頭痛、術後疼痛又は線維筋痛を含み;いくつかの実施形態において、疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害による痛み又は線維筋痛を含む。
【0116】
本発明による治療方法において、投与経路は経口投与である。
【0117】
本発明は、さらに、疼痛を治療及び/又は予防するための薬物の調製における上記の医薬組成物の使用に関する。前記の疼痛は、疱疹後神経痛、三叉神経痛、片頭痛、骨関節炎又は関節リウマチに関連する痛み、下背痛み、坐骨神経痛、歯痛、火傷による痛み、糖尿病性神経障害による痛み、化学療法による神経障害に起因する痛み、HIVに関連する神経痛、AIDSに関連する神経痛、癌に関連する神経痛又は非神経痛、急性又は慢性の緊張性頭痛、術後疼痛又は線維筋痛を含み;いくつかの実施形態においては、疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害による痛み又は線維筋痛を含む。
【0118】
反対の記載がない限り、明細書および請求の範囲で使用される用語は、以下の意味を有する。
【0119】
「有効量」という用語は、組織、システム又は対象に必要とされる生理学的又は医学的応答を引き起こす化合物の量を指し、対象に投与されたときに、治療されている疾患又は病症の1つまたは複数の症状の発生を抑制したり、ある程度軽減したりために十分な量を指す。
【0120】
特殊な説明がない場合、本発明に記載の「重量百分率」は、組成物の総質量に基づく成分の質量百分率を指し、例えば、錠剤又はカプセルなどの製剤について、各成分の重量百分率は、錠剤またはカプセル活性剤の充填物の合計(活物質及び各補助材料を含むもの)における各成分の重量百分率を指す。
【0121】
本発明に記載の「活物質」は、下記の式(I)で表される化合物、
又は、下記の式(II)で表される化合物、
又は、下記の下式(I)或いは式(II)の構造の薬学的に許容可能な塩を意味する。
【0122】
【図面の簡単な説明】
【0123】
【
図1】
図1は、L5-L6脊髄神経結紮動物モデルにおける機械的疼痛閾値に対する化合物1の効果を示すグラフである。
【
図2】
図2は、化合物1が単回投与された後、CCIモデリングラットの機械的疼痛閾値への影響を示すグラフである(X±s、n=10)。
【
図3】
図3は、プレガバリンが単回投与された後、CCIモデリングラットの機械的疼痛閾値への影響を示すグラフである(X±s,n=10)。
【
図4】
図4は、化合物1のXRDパターンを示す図である。
【
図5】
図5は、化合物1のTGA/DSCを示す図である。
【
図6】
図6は、化合物1の単結晶回折スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0124】
以下、図面及び実施例を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明するが、本発明の保護範囲はここに限定されない。
【0125】
化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)又は(及び)質量分析(MS)によって定まる。NMRシフト(δ)は10-6(ppm)の単位で表われる。NMRの測定には、(Bruker Avance III 400及びBruker Avance 300)核磁気機器を用いて、測定溶媒が重水素化ジメチルスルホキシド(DMSOーd6)、重水素化クロロホルム(CDCl3)、重水素化メタノール(CD3OD)であり、内部基準物質はテトラメチルシラン(TMS)である。
【0126】
MSの測定は、(Agilent 6120B(ESI)及びAgilent 6120B(APCI))を用いる。
【0127】
HPLCの測定には、Agilent 1260DAD高速液体クロマトグラフィー(Zorbax SBーC18 100×4.6mm)を用いる。
【0128】
本発明の既知の出発物質は、本分野で既知の方法により、またはそれに従って合成されてもいいし、Titan Technology、An Naiji Chemical、Shanghai Demo、Chengdu Kelon Chemical、Suiyuan Chemical Technology、Belling Technologyなどの会社から購入されてもいい。
【0129】
実施例において、とくに断わらない限り、微結晶セルロースは微結晶セルロース102を意味する。
【0130】
【0131】
ステップ1:(±)(1S,5R,7S)ー7ー(2ーブロモエチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプトー2ーエンー6ーオン(1b)
【0132】
反応フラスコに原料1a(24g、0.36mol)及び1100mlのシクロヘキサンを加え、窒素ガス雰囲気で、トリエチルアミン(25g、0.25mol)を加え、還流状態までに加熱し、シリンジポンプで4-ブロモブタノイルクロリド(46g、0.25mol)のシクロヘキサン溶液(100mL,25ml/h)を滴下し、滴下終了後4時間還流反応させた。反応液を吸引濾過し、シクロヘキサンで洗浄し(150mlx3)、濾液を合わせ、飽和塩化アンモニウムで洗浄し(1000mlx2)、水洗し(1000mlx2)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製し(石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=80:1)、淡黄色の油状物1b(9.6g、収率18%)が得られ、1H NMR(400 MHz, CDCl3) δ 5.97-5.85 (m, 1H), 5.80-5.70 (m, 1H), 3.91-3.79 (m, 1H), 3.67 (dd, J = 9.7, 5.5 Hz, 2H), 3.47 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.68 (ddd, J = 18.3, 15.2, 3.9 Hz, 1H), 2.47-2.31 (m, 1H), 2.13 (dq, J = 21.0, 6.5 Hz, 1H), 1.93 (ddd, J = 21.5, 12.2, 7.1 Hz, 1H)。
【0133】
ステップ2: (±)(1S,5R,7S)ー7ー(2ーブロモエチル)スピロ[ビシクロ[3.2.0]ヘプトー[2]ーエンー6,2'ー[1,3]ジオキソラン](1c)
【0134】
1b(23g,0.11mol)、pートルエンスルホン酸一水和物(1.0g,5.5mmol)及びエチレングリコール(27.3g,0.44mol)を一口フラスコに入れ、トルエン250mLを加え、6時間加熱還流し水分離した。冷却後、反応溶液を氷水に注ぎ、pH値を中性に調整するように重炭酸ナトリウムを加え、酢酸エチルで抽出し(300mL*3)、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより分離精製し(酢酸エチル:石油エーテル=1:30)、黄色の油状物1c(21.2g,収率75%)が得られ、1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.94-5.83 (m, 1H), 5.67-5.56 (m, 1H), 3.95-3.75 (m, 4H), 3.36-3.25 (m, 2H), 3.23-3.12 (m, 1H), 3.02 (ddd, J = 22.9, 15.7, 8.0 Hz, 2H), 2.48-2.25 (m, 2H), 1.99-1.78 (m, 2H)。
【0135】
ステップ3:(±)(1S,5R,7S)ー7ー(2ーブロモエチル)スピロ[ビシクロ[3.2.0]ヘプトー[2]ーエンー6,2'ー[1,3]ジオキソラン]ー2ーオール(1d)
【0136】
反応フラスコに原料1c(15g、0.06mol)を加え、溶媒としてテトラヒドロフラン(250ml)を加え、氷水浴でボランジメチルスルフィド溶液(30ml,0.3mol)を滴下し、得られたものを2時間保温し、氷水浴の条件で精製水(0.6mol)を滴下し、次に水酸化ナトリウム水溶液(3mol/l200ml)を滴下し,次に過酸化水素(H2O2を0.6mol含有)を滴下し、添加終了後室温に昇温して3時間反応させた。酢酸エチルで抽出し(200mlx3)、有機相を合わせ、水洗し(300mlx2)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、淡黄色の油状物1d(16.5g)が得られ、精製せずにそのまま次の反応に用いた。
【0137】
ステップ4:(±)(1S,5R,7S)ー7ー(2ーブロモエチル)スピロ[ビシクロ[3.2.0]ヘプトー[2]ーエンー6,2'ー[1,3]ジオキソラン]ー2ーオン(1e)
【0138】
反応フラスコに原料1d(16.5g、0.06mol)及びジクロロメタン(250mL)を加え、氷浴の条件でデス・マーチン酸化剤(38.2g、0.09mol)をバッチで加え、室温で2時間反応させた。PHが7程度になるように飽和重炭酸ナトリウム溶液を反応液に滴下し、液体分離し、水相をジクロロメタンで抽出し(200mLx2)、有機相を合わせ、水洗し(500mlx1)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製し(石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=8:1)、淡黄色の油状物1e(9.7g、収率59%)が得られ、1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.02-3.81 (m, 4H), 3.40 (dd, J = 10.3, 3.8 Hz, 2H), 3.15 (td, J = 10.3, 4.9 Hz, 2H), 2.61 (ddd, J = 20.6, 14.0, 8.1 Hz, 2H), 2.27 (ddt, J = 18.9, 9.6, 1.8 Hz, 1H), 2.12-2.00 (m, 1H), 1.99-1.70 (m, 3H)。
【0139】
ステップ5:(±)(1'R,3'S,6'S)ースピロ[[1,3]ジオキソランー2,2'ートリシクロ[4.2.1.0
3,8]ノナン]ー7'ーオン(1f)
【0140】
反応フラスコにカリウムtertーブトキシド(16g、0.14mol)及びテトラヒドロフラン(1L)を加え、窒素ガス雰囲気で、ー0℃まで降温し、1eのトルエン溶液(29g、0.11mol)を滴下し、滴下終了後室温に昇温して2時間攪拌した。PHが7程度になるように氷浴の条件で飽和塩化アンモニウム溶液を滴下し、酢酸エチルで抽出し(500mlx2)、水洗し(1000mlx2)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製し(石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=10:1)、淡黄色の油状物1f(9.5g、収率45%)が得られ、1H NMR(400 MHz, CDCl3) δ 4.04-3.86 (m, 4H), 3.20-3.07 (m, 1H), 2.99-2.86 (m, 1H), 2.53 (ddd, J = 8.6, 5.6, 1.7 Hz, 1H), 2.41-2.24 (m, 2H), 2.24-2.01 (m, 2H), 1.95 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.61 (dddd, J = 14.4, 7.6, 2.6, 0.7 Hz, 1H), 1.51-1.38 (m, 1H)。
【0141】
ステップ6:(±)(1'R,3'S,6'S)ースピロ[[1,3]ジオキソランー2,2'ートリシクロ[4.2.1.0
3,8]ノナン](1g)
【0142】
反応フラスコに原料1f(9.0g、46.3mmol)及びジエチレングリコール(150mL)を加え、ヒドラジン一水和物(8.9g、278mmol)及び水酸化カリウム(15.6g、278mmol)を加え、180℃で3時間反応させ、70℃で減圧にてロータリーエバポレーターで水分を除去し、次に220℃に昇温して2時間反応させ、冷却し、反応液に水(200mL)を加え、メチルtertーブチルエーテルで抽出し(300mLx3)、1mol/l塩酸で洗浄し(400mlx2)、水洗し(400mlx2)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製し(石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=60:1)、無色の油状物1g(3g)が得られ、精製せずにそのまま次の反応に用いた。
【0143】
ステップ7:(±)(1R,3S,6R,8R)ートリシクロ[4.2.1.0
3,8]ノナンー2ーオン(1h)
【0144】
反応フラスコに原料1g(3g、16.6mmol)を加え、溶媒としてテトラヒドロフラン(36ml)及び水(12ml)を加え、氷浴の条件でトリフルオロ酢酸(8ml)を滴下し、45℃で3時間反応させ、PHが7程度になるように氷浴の条件で飽和重炭酸ナトリウム溶液を滴下し、酢酸エチルで抽出し(80mlx3)、水洗し(100mlx2)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製し(石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=100:1)、白色の固体1h(2g、収率88%)が得られ、1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.47-3.33 (m, 1H), 3.19 (dd, J = 3.3, 1.8 Hz, 1H), 2.84-2.69 (m, 1H), 2.47-2.32 (m, 1H), 2.12-1.97 (m, 1H), 1.93 (d, J = 12.3 Hz, 1H), 1.82-1.69 (m, 1H), 1.56-1.35 (m, 4H), 1.27-1.10 (m, 1H)。
【0145】
ステップ8:(±)エチルー2ー((1R,3S,6R,8R)ートリシクロ[4.2.1.0
3,8]ノナンー2ーイリデン)アセテート(1i)
【0146】
反応フラスコに水素化ナトリウム(60%、91.6g、3.82mol)及びテトラヒドロフラン(5L)を加え、0℃までに降温し、ジエトキシホスホリル酢酸エチル(856g、3.82mol)のテトラヒドロフラン溶液(400mL)を滴下し、滴下終了後、当該温度で15分間反応させ、原料1h(400g、2.94mol)のテトラヒドロフラン溶液(200mL)を滴下し、滴下終了後、室温に昇温して1時間反応させた。PHが7~8になるように氷水浴の条件で飽和塩化アンモニウムを滴下し、酢酸エチルで抽出し(500mlx3)、飽和食塩水で洗浄し(500mlx2)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製し(石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=30:1)、淡黄色の油状物1i(310g,収率51%)が得られた。
【0147】
ステップ9:(±)エチルー2ー((1R,3S,6R,8R)ー2ー(ニトロメチル)トリシクロ[4.2.1.0
3,8]ノナンー2ーイル)アセテート(1j)
【0148】
反応フラスコに原料1i(390g、1.89mol)、ニトロメタン(4L)及び1,8ージアザビシクロ[5.4.0]ウンデクー7ーエン(575.6g、3.78mol)を加え、80℃に昇温して9時間反応させた。反応液を氷水(3000ml)に投入し、DCMで抽出し(2000mlx3)、食塩水(3000ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製し(石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=100:1)、無色の油状物1j(360g、収率71%)が得られた。
【0149】
【0150】
(±)エチルー2ー((1R,3S,6R,8R)ー2ー(ニトロメチル)トリシクロ[4.2.1.03,8]ノナンー2ーイル)アセテート(中間体1j)(360g)を取ってスプリットに用い、調製条件として、装置:Thar analytical SFC (SFCーA)、カラム:ChiralPak AD, 150×4.6 mm I.D., 3 μm.移動相:A for CO2 and B for Methanol、勾配:B 5ー40%、流量:2.4 mL /min、カラム温度:35℃とする。スプリットされた後に、ピーク1(保持時間:3.8分間、174g)、ピーク2(保持時間:5.7分間、160g)という二つの光学異性体が得られた。化合物1j[α]20D=0.00°(C=0.9、CH2Cl2);ピーク2,[α]20D=44°(C=0.103、CH3OH)。Cは、溶液100mlあたりの被測定物の重量(単位g)である。20Dは20℃で測定し、ナトリウムランプ光源で、波長が589nmである。
【0151】
ステップ1:(1'S,2'S,3'R,6'S,8'S)ースピロ[ピロリジンー3,2'ートリシクロ[4.2.1.03,8]ノナン]ー5ーオン(1kー1)
【0152】
反応フラスコに原料1jー1(ピーク2、270g、1.01mol)、エタノール(1L)及び水(1L)を加え、さらに還元鉄粉(282g、5.05mol)及び塩化アンモニウム(162g、3.03mol)を加え、4時間還流反応させた。反応液を濾過し、濾液を濃縮してエタノールを除去し、残りの溶液に水を500ml加え、濾滓をジクロロメタンで洗浄し(200mlx3)、濾液を収集し、この有機相と先の残りの溶液を混合し、分液し、さらにジクロロメタンで2回抽出し(500mlx2)、有機相を合わせ、水洗し(500mlx2)、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製し(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=40:1ー10:1)、白色の固体1kー1(160g、収率83%)が得られた。
【0153】
ステップ2:2ー((1S,2S,3R,6S,8S)ー2ー(アミノメチル)トリシクロ[4.2.1.0
3,8]ノナンー2ーイル)酢酸(1lー1)
【0154】
反応フラスコに原料1kー1(320g、1.673mol)を加え、6Nの塩酸(1.6L)を加え、16時間還流反応させた。析出した固体を濾過し、得られた固体を1Lの精製水に溶解し、PH値が7程度になるように濃アンモニア水で調整し、抽出濾過し、氷水で洗浄し、乾燥し、白色の固体が得られた。濾液を、pHが6程度になるように氷水浴に10Nの水酸化ナトリウムで調整し、pHが7程度になるように濃アンモニア水で調整し、ジクロロメタン抽出し(1Lx3)、残りの水相を濃縮し乾燥し、濾過し、氷水で洗浄し、白色の固体が得られた。両者で得られた固体をジクロロメタンで叩解し(1.5Lx3)、白色の固体の生成物である化合物1lー1(245g、70%)が得られた。
【0155】
【0156】
反応フラスコに化合物1lー1(245g、1.17mol)を加え、メタノール(2.2L)を加え、ベンゼンスルホン酸一水和物のメタノール溶液(268.0g、1.52mol)を滴下し、滴下終了後、室温で1時間攪拌し、析出した固体を吸引濾過し、濾液を濃縮し、固体を得、2つの固体を合わせ、酢酸エチルで叩解し(1.5Lx3)、濾過し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥し、精製品化合物1(398g、収率92.5%、HPLC:99%、化学式がC12H19NO2・C6H6O3S)が得られた。
【0157】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 7.85-7.70 (m, 2H), 7.54 (tt, J = 14.3, 7.2 Hz, 3H), 3.33 (d, J = 13.8 Hz, 2H), 2.81 (dd, J = 13.2, 5.4 Hz, 1H), 2.57 (q, J = 17.6 Hz, 2H), 2.47-2.37 (m, 1H), 2.27 (dd, J = 12.0, 6.0 Hz, 1H), 2.17-2.06 (m, 1H), 1.96 (dd, J = 21.6, 9.5 Hz, 1H), 1.79-1.66 (m, 1H), 1.66-1.40 (m, 4H), 1.33 (dd, J = 14.3, 9.0 Hz, 1H), 1.26-1.15 (m, 1H)。
【0158】
化合物1のX線粉末回折パターン(XRD)のピーク値を以下の表に示し、具体的には
図4に示す。
【0159】
また、化合物1のTGA/DSCスペクトルを
図5に、単結晶回折スペクトルを
図6に示す。
【0160】
実施例1:補助材料と化合物1との相溶性に関する比較
表1に基づいて活物質化合物1と各種の充填剤との混合物を調製し、湿度熱度としての75%RH、40℃の条件でそのまま放置し、その不純物の含有量を測定し、不純物の検出結果を表2に示す。
【0161】
【0162】
化合物1と各種の充填剤との混合物の製造方法は以下のとおりである。
【0163】
(1)化合物1を60メッシュの篩にかけ、充填剤を40メッシュの篩にかけて用意した。
(2)化合物1と充填剤を均一に混合し、混合粉を得た。
(3)サンプルをそのまま湿度熱度としての75%RH、40℃で放置した。
【0164】
【0165】
結論として、マンニトール、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロースは、化合物1との相溶性が良好であった。
【0166】
実施例2:カプセル製剤の混合均一度に対する各種の充填剤の影響に関する比較
表3に基づいて化合物1のカプセルを調製し、調製方法は以下のとおりである。
(1)化合物1の原料を60メッシュの篩にかけ、充填剤を40メッシュの篩にかけて用意した。
(2)篩にかけた化合物1と充填剤を多方向移動ミキサーに加えて均一に混合した。
(3)バインダー、崩壊剤、流動促進剤を多方向移動ミキサーに加え、(2)で得られた混合物と均一に混合した。
(4)潤滑剤を多方向移動ミキサーに加え、(3)で得られた混合物と全混合した。
(5)適切な型式のカプセルを選択し、(4)で得られた全混合物でカプセルに充填した。
【0167】
【0168】
化合物1のカプセルは中国薬局方2015年版の一般規則0941に記載の「含有量の均一性の検出方法」に従って高速液体クロマトグラフィーで検出し、検出結果を表4に示した。
【0169】
【0170】
実施例3:製剤の安定性及び含有量の均一性に対する各種の充填剤の組み合わせの影響
表5に基づいて化合物1のカプセルを調製し、実施例2の調製方法を参照して化合物1のカプセルを調製し、且つその含有量の均一性及び安定性を検出した。
【0171】
【0172】
実施例3で得られた化合物1のカプセルは中国薬局方2015年版の一般規則0941に記載の「含有量の均一性の検出方法」に従って高速液体クロマトグラフィーで検出し、検出結果を表6に示した。
【0173】
【0174】
不純物の検出:湿度熱度としての75%RH、40℃条件でそのまま放置し、その不純物含有量を測定し、不純物の検出結果を表7に示す。
【0175】
【0176】
その結果として、処方4~7の不純物は30日目にいずれも高くなると示した。
【0177】
実施例4:湿式法による化合物1のカプセルの調製
表8の処方に基づいて化合物1のカプセルを調製し、調製方法は以下のとおりである。
(1)化合物1の原料を60メッシュの篩にかけ、マンニトール、微結晶セルロースをそれぞれに40メッシュの篩にかけて用意した。
(2)バインダーとして、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを40%エタノールの水溶液に調製した。
(3)化合物1を、マンニトール、微結晶セルロースとともに湿式造粒機に加え、(2)で得られたバインダーを加え、混合剪断により軟質材料を調製した。
(4)軟質材料を篩にかけて造粒し、静的乾燥した。
(5)乾燥した軟質材料を粒子調整し、クロスカルメロースナトリウム、シリカとともに多方向移動ミキサーに加え、均一に混合した。
(6)ステアリン酸マグネシウムを多方向移動ミキサーに加えて全混合した。
(7)適切な型式のカプセルを選択し、全混合物でカプセルに充填した。
【0178】
【0179】
得られた化合物1のカプセルは中国薬局方2015年版の一般規則0941に記載の「含有量の均一性の検出方法」に従って高速液体クロマトグラフィーで検出し、検出結果を表9に示した。
【0180】
【0181】
結論として、A+2.2S≦15、調製された組成物の含有量の均一性は、いずれも中国薬局方2015年版に記載されている要件を満たすと示した。
【0182】
調製した化合物1のカプセルを高速液体クロマトグラフィーで溶出試験に供し、その結果を表10に示した。
【0183】
【0184】
結論として、調製された組成物は急速に溶出できると示した。
【0185】
実施例5:湿式法による化合物1のカプセルの調製
表11における原料及び補助材料の処方に基づいて化合物1のカプセルを調製し、調製方法は以下のとおりである。
(1)化合物1の原料を60メッシュの篩にかけ、マンニトール、微結晶セルロースをそれぞれに40メッシュの篩にかけて用意した。
(2)溶媒として、40%エタノール水溶液を調製した。
(3)化合物1を、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マンニトール、微結晶セルロースとともに湿式造粒機に加え、(2)で得られた溶媒を加え、混合剪断により軟質材料を調製した。
(4)軟質材料を篩にかけて造粒し、流動床によって動的乾燥した。
(5)乾燥した軟質材料を粒子調整し、クロスカルメロースナトリウム、シリカとともに多方向移動ミキサーに加え、均一に混合した。
(6)ステアリン酸マグネシウムを多方向移動ミキサーに加えて全混合した。
(7)適切な型式のカプセルを選択し、混合粉末でカプセルに充填した。
【0186】
【0187】
得られた化合物1のカプセルは中国薬局方2015年版の一般規則0941に記載の「含有量の均一性の検出方法」に従って高速液体クロマトグラフィーで検出し、検出結果を表12に示した。
【0188】
【0189】
結論として、A+2.2S≦15、調製された組成物の含有量の均一性は、いずれも中国薬局方2015年版に記載されている要件を満たすと示した。
【0190】
調製した化合物1のカプセルを高速液体クロマトグラフィーで溶出試験に供し、検出結果を表13に示した。
【0191】
【0192】
結論として、調製された組成物は急速に溶出できると示した。
【0193】
実施例5の調製方法を参考して、表14に基づいて化合物1のカプセルを調製し、得られたカプセルの含有量の均一性は、いずれも中国薬局方2015年版に記載されている要件を満たすと示した。
【0194】
【0195】
実施例6:化合物1のカプセル
表15に示す原料及び補助材料の比例に基づいて化合物1のカプセルを調製し、調製方法は以下のとおりである。
(1)化合物1の原料を60メッシュの篩にかけ、充填剤をそれぞれに40メッシュの篩にかけて用意した。
(2)化合物1を充填剤とともに多方向移動ミキサーに加えて均一に混合した。
(3)潤滑剤及びほかの補助材料を多方向移動ミキサーに加え、(2)で得られた混合物と全混合した。
(4)混合粉末でカプセルに充填した。
【0196】
【0197】
得られた化合物1のカプセルは中国薬局方2015年版の一般規則0941に記載の「含有量の均一性の検出方法」に従って高速液体クロマトグラフィーで検出し、検出結果を表16に示した。
【0198】
【0199】
結論として、処方34、35、36において、A+2.2S>15、含有量の均一性は中国薬局方2015年版に記載されている要件を満たさないと示した。
【0200】
実施例7:化合物1のカプセル
表17に示す原料及び補助材料の比例に基づいて化合物1のカプセルを調製し、調製方法は以下のとおりである。
(1)化合物1の原料を60メッシュの篩にかけ、充填剤をそれぞれに40メッシュの篩にかけて用意した。
(2)化合物1を充填剤とともに多方向移動ミキサーに加えて均一に混合した。
(3)潤滑剤及びほかの補助材料を多方向移動ミキサーに加え、(2)で得られた混合物と全混合した。
(4)混合粉末でカプセルに充填した。
【0201】
【0202】
不純物の検出:試料を湿度熱度としての75%RH、40℃(開放)の条件で置き、不純物を検出し、不純物の合計の含有量の変化を表18に示した。
【0203】
【0204】
得られた化合物1のカプセルは中国薬局方2015年版の一般規則0941に記載の「含有量の均一性の検出方法」に従って高速液体クロマトグラフィーで検出し、検出結果を表19に示した。
【0205】
【0206】
上記の結果から明らかなように、組成物の原料と補助材料の相溶性が改善されると示した。
【0207】
実施例8:化合物1のカプセル
表20に示す原料及び補助材料の比例に基づいて化合物1のカプセルを調製し、調製方法は以下のとおりである。
(1)化合物1の原料を60メッシュの篩にかけ、充填剤をそれぞれに40メッシュの篩にかけて用意した。
(2)化合物1を充填剤とともに多方向移動ミキサー机に加えて均一に混合した。
(3)潤滑剤及びほかの補助材料を多方向移動ミキサーに加え、(2)で得られた混合物と全混合した。
(4)混合粉末でカプセルを充填した。
【0208】
【0209】
得られた化合物1のカプセルは中国薬局方2015年版の一般規則0941に記載の「含有量の均一性の検出方法」に従って高速液体クロマトグラフィーで検出し、検出結果を表21に示した。
【0210】
【0211】
結論として、処方39において、A+2.2S>15、含有量の均一性は中国薬局方2015年版に記載されている要件を満たさないと示した。処方42、43、44、45において、含有量の均一性に良いと示した。
【0212】
実施例9:5mg及び20mg活物質(化合物1の遊離塩基として)基準のカプセル製剤の調製
表22に示す原料及び補助材料の比例に基づいて化合物1のカプセルを調製し、調製方法は以下のとおりである。
(1)化合物1の原料を60メッシュの篩にかけ、充填剤をそれぞれ40メッシュの篩にかけて用意した。
(2)化合物1を充填剤とともに多方向移動ミキサーに加えて均一に混合した。
(3)潤滑剤を多方向移動ミキサーに加え、(2)で得られた混合物と全混合した。
(4)混合粉末でカプセルを充填した。
【0213】
【0214】
得られた化合物1のカプセルは中国薬局方2015年版の一般規則0941に記載の「含有量の均一性の検出方法」に従って高速液体クロマトグラフィーで検出し、検出結果を表23に示した。
【0215】
【0216】
上記の結果から明らかなように、処方46~48において、含有量の均一性はいずれも良いと示した。
【0217】
調製した化合物1のカプセルを高速液体クロマトグラフィーで溶出試験に供し、検出結果を表24に示した。
【0218】
【0219】
上記の結果から明らかなように、調製された組成物は、いずれも急速に溶出できると示した。
【0220】
実施例10 安定性の調査
目的:処方47及び処方48の安定性を調べる。
方法:処方47、処方48で得られたカプセルをアルミニウム箔とポリ塩化ビニル/ポリエチレン/ポリ塩化ビニリデンとからなる固体複合プレートで内包装した後、湿度熱度としての75%RH、40℃の条件で1ヶ月放置し、不純物の含有量、活物質の含有量(標識された含有量を基準とし、測定する活物質の含有量と標識された活物質の含有量との比例で計算し)、及び溶出速度を測定し、測定結果を表25~27に示す。
【0221】
【0222】
【0223】
【0224】
実施例11:各仕様の化合物1の錠剤
表28に示す原料及び補助材料の処方に基づいて各仕様の化合物1の錠剤(化合物1の遊離塩基の含有量で)を調製した。
【0225】
【0226】
調製方法は以下のとおりである。
(1)化合物1の活性薬物を100メッシュの篩にかけて用意し、充填剤、崩壊剤をそれぞれに60メッシュの篩にかけて用意した。
(2)化合物1の活性薬物、充填剤及び崩壊剤を高速湿式造粒機に加え、均一に攪拌混合した。
(3)バインダーであるヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液を処方量で加えて軟質材料を調製した。
(4)得られた軟質材料を20メッシュの篩にかけて造粒した。
(5)水分が2%未満であるように、得られた粒子を流動床によって乾燥した。
(6)乾燥した粒子を24メッシュの篩にかけて粒子調整した。
(7)上記の粒子、及び処方量のステアリン酸マグネシウムを多方向移動ミキサーに加えて均一に混合した。
(8)適当な大きさのダイで全混合粉末を錠剤状にプレス成形した。
【0227】
実施例12:安定性の測定
処方49~処方54で得られた錠剤を、それぞれ温度40℃±2℃,相対湿度75%±5%の環境で放置し、7日目、14日目、30日目にサンプリングして検出した。検出結果を表29に示した。
【0228】
【0229】
結論として、検出結果から明らかなように、処方49~処方54において、不純物の増加がいずれも顕著ではなく、相対的に安定であることを示した。
【0230】
実施例13:一次造粒方法による錠剤の調製
処方49、処方50、処方51における原料及び補助材料の処方に基づいて、流動床でトップスプレーによって造粒し、それぞれ処方49ー2、処方50ー2、処方51ー2が得られた。
【0231】
一次造粒方法による錠剤の調製方法は以下のとおりである。
(1)化合物1の活性薬物を100メッシュの篩にかけて用意し、充填剤、崩壊剤をそれぞれ60メッシュの篩にかけて用意した。
(2)化合物1の活性薬物、充填剤及び崩壊剤を多方向移動ミキサーに加え、均一に混合した。
(3)混合粉末粉を流動床に加え、蠕動ポンプでヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液を流動床に送り込み、トップスプレーによって造粒した。なお、入口温度は60℃~65℃に設定され、材料温度は30℃~35℃に制御し、空気供給速度は140m3/h~180m3/hに設定され、蠕動ポンプは20rpm~80rpmに制御された。
(4)乾燥した粒子を24メッシュの篩にかけて造粒した。
(5)上記の粒子、及びステアリン酸マグネシウムを多方向移動ミキサーに加え、均一に混合した。
(6)適当な大きさのダイで全混合粉末を錠剤状にプレス成形した。
処方49ー2、処方50ー2、処方51ー2で得られた錠剤を、それぞれ温度40℃±2℃、相対湿度75%±5%の環境で放置し、7日目、14日目、30日目にサンプリングして検出した。検出結果を表30示した。
【0232】
【0233】
結論として、検出結果から明らかなように、処方54ー2、処方56ー2、処方62ー2で得られた錠剤は、不純物の増加がいずれも顕著ではなく、相対的に安定であることを示した。また、高効率湿式造粒機による造粒で得られた錠剤と比べ、不純物含有量に顕著な差がないと示した。
【0234】
実施例14 生物試験例
1、カルシウムイオンチャネルタンパク質Cavα2δに対する化合物の競合的結合能に関する試験
ラット大脳皮質組織を10倍体積(w/v)の氷冷の0.32Mショ糖/5mMTrisー酢酸(pH7.4)に入れ、均一にした後、ショ糖密度勾配遠心分離でシナプス原形質膜を調製し、Trisー酢酸(pH7.4)緩衝液に保存し、使用直前に10mM HEM緩衝液(pH7.4)に再懸濁した。試験化合物を1%DMSOに溶解し、勾配濃度(1nMー1000nM)に希釈し、20nM[3H]ガバペンチンとともにシナプス原形質膜の懸濁液(全タンパク質約0.05-0.1mg)に加え、25℃で30分間培養する。反応が終了した後に反応系は真空でWhite GMB濾過膜に濾過し、5mLの100mM氷冷の塩化ナトリウム溶液で3回洗浄し、膜の放射能を、液体シンチレーションカウンターによって測定した。非特異的結合は100mMガバペンチンで閉じられた。シナプス原形質膜への放射性標識ガバペンチンの結合に対する化合物の阻害率を算出し、化合物のIC50も算出した。化合物1について、IC50=3.96nM。化合物1は、カルシウムイオンチャネルタンパク質Cavα2δに対して優れた競合的結合能を持っている、と示した。
【0235】
2、L5ーL6脊髄神経結紮動物モデル(SNL)
手術環境で、6~7週齢のSD雄性ラット(チャールズリバー社から購入し)を5%イソフルオロで麻酔した。麻酔をかけた動物を腹臥位で置き、5番目の腰椎を切開し、皮膚を開放して左側椎間筋を露出させ、層ごとに引き裂き、L5及びL6脊髄神経を露出させた。4ー0縫合糸でL5及びL6後根神経節の遠位端を結紮した。筋肉と皮膚を層ごとに縫合し、動物を1週間回復させた。
【0236】
動物モデルが回復した後に、Von Frey糸(Danfic Global;USA)で動物の接触性痛みを試験した。「上下」法で、動物の、50%の脚収縮反応(g;50%PWT)を有する強度を測定した。まず、50%PWT強度が1~5gである動物を50%選択してグループ化した。投与前に動物のベースラインの値を測定し、続いて各種の化合物(5%カルボキシメチルセルロースナトリウムで調製したもの)を経口的に投与して、1.0g~15gの試験範囲において、異なるタイミングで動物の疼痛反応を試験した。試験結果を
図1に示した。
【0237】
結論として、本発明による化合物は、ラットの脊髄神経結紮に起因する機械的疼痛過敏症を有意に阻害することができる、と示した。
【0238】
3、ラットのCCI誘発性侵害受容感作モデル
SDラットは、160ー180gで、チャールズリバー(北京)から購入し、ライセンス番号:SCXK(京)ー2012ー001、資格番号:11400700254251ものである。
【0239】
以下のようにCCIモデルを確立するために手術を行った。まず、動物を麻酔し、続いて左後部坐骨神経を露出させ、長さ2mmのPEー90カテーテルを坐骨神経の中央部位に挿入し、筋肉と皮膚を縫合した。手術後10日目から、週3回で、15gで動物の左後肢に適応トレーニングを行った。
【0240】
手術17日後に、ベースラインテストを行い(テストの際に、2gから、上限8g、下限1gでー24h点)、1~4gの痛みの閾値をグループ化基準とした。ベースラインのテスト結果に基づいてグループ化し、グループあたり10匹の動物が使用された。グループ化された動物は、一晩断水せず断食した。2日目に、経口/胃内投与の2時間後、4時間後、および6時間後に機械的疼痛値を測定した。テストの際に、8gから、上限15g、下限1gであった。
【0241】
データは式(1)のように処理され、PWT 50%値が算出された。ここで、Xfは試験に用いた最終試験繊維log値であり、kは表値(Chaplanet al.、1994)であり、DZELTACは平均値(ここでは0.224)である。
PWT 50%(g)=(10[Xf+kδ])/10000 式(1)
【0242】
データは平均±標準偏差(X±s)で表され、単要素分散分析及びDunnett多重比較でデータを統計分析した(Graphpad prism 6.01)。
【0243】
実験結果は、
図2及び3に示すように、CCIモデル化SDラットの機械的疼痛閾値が、化合物1およびプレガバリンの単回経口投与後に有意に増加したことを示した。化合物1の有効量は3mg/kgであり、プレガバリンの有効量が10mg/kgであるので、化合物1の効果はプレガバリンよりも優れていると示した。
【0244】
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物で定義された範囲内にあるすべての変更および修正を含むことを意図している。