IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローズマウント インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許-プロセス容器断熱材モニタリング 図1
  • 特許-プロセス容器断熱材モニタリング 図2
  • 特許-プロセス容器断熱材モニタリング 図3
  • 特許-プロセス容器断熱材モニタリング 図4
  • 特許-プロセス容器断熱材モニタリング 図5
  • 特許-プロセス容器断熱材モニタリング 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-06
(45)【発行日】2023-02-14
(54)【発明の名称】プロセス容器断熱材モニタリング
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/14 20210101AFI20230207BHJP
   G01K 7/32 20060101ALI20230207BHJP
   G01K 7/16 20060101ALI20230207BHJP
【FI】
G01K1/14 L
G01K7/32 S
G01K7/16 C
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021507951
(86)(22)【出願日】2019-06-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 US2019037701
(87)【国際公開番号】W WO2020060601
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-02-24
(31)【優先権主張番号】16/134,243
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092772
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 清孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119688
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 壽二
(72)【発明者】
【氏名】カーシュニア,ロバート ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】シュナーレ,セオドア ヘンリー
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0045412(US,A1)
【文献】国際公開第2012/084356(WO,A1)
【文献】特開2018-048628(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス材料を入れるプロセス容器の断熱区画をモニタリングするための工業プロセス容器断熱材モニタリングシステムであって、前記システムは、
温度、湿度、水分レベルおよび化学組成からなる、前記断熱区画またはその内部の少なくとも1つの環境状態を検知するように構成されている1つまたは複数の状態センサであって、前記1つまたは複数の状態センサのそれぞれは対応する検知状態を示す状態出力を生成するように構成されている、1つまたは複数の状態センサと、
前記断熱区画の断熱材の熱抵抗を前記断熱区画に関する区画状態として前記状態出力に基づいて検出し、前記少なくとも1つの検出された区画状態に関する状態情報を生成するように構成されているコントローラと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記システムは、前記状態出力を受信し、前記状態出力に基づく区画情報を外部制御ユニットに送信するように構成されているトランスミッタを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つまたは複数の状態センサは、前記プロセス容器の外部と前記断熱材との間の境界面、前記断熱材内、および前記断熱材の外面への装着からなる群から選択される場所に、1つまたは複数の温度センサを含み、前記1つまたは複数の温度センサはそれぞれ、前記対応する検知温度を示す温度出力を生成するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つまたは複数の温度センサは、前記プロセス容器の長手軸に沿って互いにずれている複数の温度センサを備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記複数の温度センサの温度出力によって示される温度の平均に基づいて、前記少なくとも1つの区画状態を検出する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つまたは複数の温度センサは前記プロセス容器と前記断熱材との間の境界面に少なくとも1つの境界面温度センサを含み、前記少なくとも1つの境界面温度センサは前記境界面の温度を示す境界面温度出力を生成するように構成されており、
前記コントローラは前記境界面温度出力に基づいて前記少なくとも1つの区画状態を検出するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは前記プロセス容器に入れられているプロセス材料の温度を示すプロセス温度出力を生成するように構成されているプロセス温度センサを含み、
前記コントローラは前記プロセス温度出力に基づいて前記少なくとも1つの区画状態を検出するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラは、閾値と、前記プロセス材料と前記境界面との温度差の比較に基づいて、前記少なくとも1つの区画状態を検出するように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つまたは複数の温度センサは、前記プロセス容器と前記断熱材との境界面から前記断熱材の外面まで延びている軸に沿って互いにずれている少なくとも2つの温度センサを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つまたは複数の温度センサはそれぞれ、抵抗温度検出器、負温度係数サーミスタ、熱電対、および半導体ベースの温度センサからなる群から選択される、請求項3に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つまたは複数の状態センサは、無線周波励振器および少なくとも1つの弾性表面波センサを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは、前記断熱材の外側の雰囲気温度を示す雰囲気温度出力を生成するように構成されている雰囲気温度センサを備え、
前記コントローラは前記雰囲気温度出力に基づいて前記少なくとも1つの区画状態を検出するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つまたは複数の状態センサは、水分レベルを検知し、前記水分レベルを示す水分出力を生成するように構成されている水分センサを含み、
前記コントローラは前記水分出力に基づいて前記少なくとも1つの区画状態を検出するように構成されており、
前記少なくとも1つの区画状態は前記断熱材への水分の侵入を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記水分センサは前記断熱材に装着されている水分検出ケーブルを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの境界面温度センサは前記プロセス容器の長手軸に沿って互いにずれている複数の境界面温度センサを含み、
前記1つまたは複数の温度センサは、前記断熱材の外面に装着され、前記長手軸に沿って互いにずれて、前記断熱材の前記外面の温度を示す外部温度出力を生成するように構成されている複数の外部温度センサを含み、
前記システムは、前記断熱材に装着されて、水分レベルを検知し、前記水分レベルを示す水分出力を生成するように構成されている水分センサを含み、
前記コントローラは前記境界面温度出力、前記外部温度出力および前記水分出力に基づいて、前記少なくとも1つの区画状態を検出するように構成されており、
前記少なくとも1つの区画状態は、水分侵入状態を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項16】
プロセス材料を入れるプロセス容器の断熱区画をモニタリングするための工業プロセス容器断熱材モニタリング機器であって、
断熱材の区画と、
前記断熱材に装着されて、温度、湿度、水分レベルおよび化学組成からなる前記断熱材の区画またはその内部で少なくとも1つの環境状態を検知するように構成されている複数の状態センサであって、前記複数の状態センサのそれぞれは対応する検知状態を示す状態出力を生成するように構成されている、複数の状態センサと、を備え、
前記複数の状態センサは、前記断熱材の区画の内部に装着されている1つまたは複数の温度センサを含み、前記1つまたは複数の温度センサはそれぞれ対応する検知温度を示す温度出力を生成するように構成される一方、
前記複数の状態センサを使用して、前記対応する検知状態をそれぞれ示す状態出力を生成し、前記状態出力に基づいて、前記区画の断熱材の熱抵抗を前記断熱材の区画および前記プロセス容器に関する少なくとも1つの区画状態として検出し、前記少なくとも1つの検出された区画状態に関する状態情報を生成する工業プロセス容器断熱材モニタリング機器。
【請求項17】
前記1つまたは複数の温度センサは、前記断熱材の内面に装着された複数の温度センサ、および前記断熱材の外面に装着された複数の温度センサを備える、請求項16に記載の機器。
【請求項18】
前記複数の状態センサは、水分レベルを検知し、前記検知された水分レベルを示す水分出力を生成するように構成されている水分センサを含む、請求項17に記載の機器。
【請求項19】
断熱されたプロセス容器をモニタリングする方法であって、
前記プロセス容器に装着されている断熱材の区画と、
前記断熱材に装着されて、温度、湿度、水分レベルおよび化学組成からなる、前記断熱材の区画またはその内部の少なくとも1つの環境状態を検知するように構成されている複数の状態センサであって、前記複数の状態センサのそれぞれは対応する検知状態を示す状態出力を生成するように構成されている、複数の状態センサと、
を備える工業プロセス断熱材モニタリング機器を提供するステップと、
前記複数の状態センサを使用して、前記対応する検知状態をそれぞれ示す状態出力を生成するステップと、
コントローラを使用して、前記状態出力に基づいて、前記区画の断熱材の熱抵抗を前記断熱材の区画および前記プロセス容器に関する少なくとも1つの区画状態として検出するステップと、
前記コントローラを使用して、前記少なくとも1つの検出された区画状態に関する状態情報を生成するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は工業プラントの工業プロセス制御システムに関する。より具体的には、本開示の実施形態はプロセス容器断熱材の健全性のモニタリングに関する。
【背景技術】
【0002】
工業環境では、工業プロセスおよび化学プロセスの在庫、および同様なものをモニタリングして制御するために、制御システムが使用される。断熱システムは、例えば、石油精製所、化学プラントおよび飲食料生産施設など、典型的な工業プラント内の極めて重要な資産である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなシステムは通例、プロセス容器(例えば、パイプ、導管、またはタンク)を取り囲む断熱性材料を利用し、プロセス容器内のプロセス材料と周囲の環境との間の熱伝達を減らす。物理的な損傷または環境の影響のために損なわれる断熱システムは、動作効率および製品品質の低下をもたらす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態は、プロセス材料を入れるプロセス容器の断熱区画をモニタリングするための工業プロセス容器断熱材モニタリングシステム、工業プロセス容器断熱材モニタリング機器、および断熱されたプロセス容器をモニタリングする方法が指示される。システムの一実施形態は、1つまたは複数の状態センサとコントローラとを含む。1つまたは複数の状態センサは、温度、湿度、水分レベル、および/または化学組成など、プロセス容器の断熱区画、またはその内部の少なくとも1つの環境状態を検知するように構成されている。1つまたは複数の状態センサはそれぞれ、対応する検知状態を示す状態出力を生成するように構成されている。コントローラは状態出力に基づいて断熱区画に関する少なくとも1つの区画状態を検出し、1つまたは複数の検出された区画状態に関する状態情報を生成するように構成されている。区画状態の例には、断熱区画の断熱材の熱抵抗、断熱区画の断熱材の損傷または劣化、断熱区画のプロセス容器の腐食、プロセス容器の腐食を促進させる状態、および断熱材への水分の侵入が含まれる。
【0005】
工業プロセス容器断熱材モニタリング機器の一実施形態は、断熱材の区画と、断熱材に装着されている複数の状態センサとを含む。複数の状態センサは断熱材の区画、またはその内部の少なくとも1つの環境状態を検知するように構成されている。環境状態の例には、温度、湿度、水分レベルおよび/または化学組成が含まれる。複数の状態センサのそれぞれは、対応する検知状態を示す状態出力を生成するように構成されている。
【0006】
断熱性プロセス容器をモニタリングする方法の一実施形態において、前述した断熱材モニタリング機器が提供される。複数の状態センサを使用する状態出力は、複数の状態センサを使用して生成される。各状態出力は対応する検知状態を示す。断熱材の区画およびプロセス容器に関する少なくとも1つの区画状態が、コントローラを使用して状態出力に基づいて検出される。区画状態の例には、断熱区画の断熱材の熱抵抗、断熱区画の断熱材の損傷または劣化、断熱区画のプロセス容器の腐食、プロセス容器の腐食を促進させる状態、および断熱材への水分の侵入が含まれる。少なくとも1つの検出された区画状態に関する状態情報がコントローラを使用して生成される。
【0007】
本概要は、以下の詳細な説明で詳しく説明する概念の抜粋を簡潔な形で紹介するために提供される。本概要は請求項に係る発明の重要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図するものでも、請求項に係る発明の範囲を決定する一助として使用されることを意図するものでもない。請求項に係る発明は、背景に記載されるいずれかの、または全部の欠点を解決する実施態様に制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態による、例示的な工業プロセス測定または制御システム100の簡略図である。
図2】本開示の実施形態による、例示的な断熱モニタリング機器の簡略断面図である。
図3】本開示の実施形態による、大略的に線3-3に沿って切り取られる図2の機器の簡略断面図である。
図4】本開示の実施形態による、時間に沿って測定された境界面温度およびプロセス温度の例、境界面温度とプロセス温度との差、ならびに閾値温度差のプロットを含むチャートである。
図5】本開示の実施形態による、例示的な断熱材モニタリング機器の簡略側断面図である。
図6】本開示の実施形態による、断熱されたプロセス容器を、断熱材モニタリング機器を使用してモニタリングする例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態を、添付の図面を参照して以下でより詳細に説明する。同じまたは同様な参照文字を使用して識別される要素は、同じまたは同様な要素を示す。本開示のさまざまな実施形態は、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載される特定の実施形態に制限されると解釈してはならない。むしろ、これらの実施形態は本開示を徹底した完全なものとし、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
【0010】
図1は、本開示の実施形態による、例示的な工業プロセス測定または制御システム100の簡略図である。システム100は、流体(すなわち、液体または気体)、固体(すなわち、粒状または粉状の材料)、スラリー等のプロセス材料102の加工で、材料を価値が低い状態から、石油、化学品、紙、食品等、より価値が高く有用な製品に変えるために使用することができる。例えば、石油精製所は原油をガソリン、燃料油、およびその他石油化学製品に加工できる工業プロセスを行う。
【0011】
プロセス材料102は、タンク、パイプ、または別のプロセス容器などのプロセス容器104に入れる、またはプロセス容器104で搬送することができる。プロセス容器104は、図1に図示するように、適切な断熱材106を使用して断熱することができる。上記述べたように、断熱材106は経時的に劣化することがあり、それが断熱材106の熱抵抗(すなわち、R値)に影響を与える可能性がある。加えて、断熱材106の劣化が容器104自体の健全性に影響を与える可能性がある。例えば、断熱材106の劣化により、プロセス容器104の外面と断熱材106の内面との間の境界面に水分が発生する可能性があり、容器104の外面に断熱材下腐食(CUI)状態をもたらす可能性がある。
【0012】
本開示の実施形態は、断熱材106の熱抵抗、CUI状態、水分の侵入、ならびに/または容器104および/もしくは断熱材106に関する他の状態など、プロセス容器104および/または断熱材106に関する1つまたは複数の状態をモニタリングおよび/または検出するように構成されているプロセス容器断熱材モニタリングシステム110が指示される。
【0013】
モニタリングシステム110のいくつかの実施形態は、全体を112で表される1つまたは複数の状態センサ112と、コントローラ114とを含む。いくつかの実施形態では、モニタリングシステム110のセンサ112は断熱材106およびプロセス容器104に関する断熱区画116の状態を検知して、全体を118で表される、検知状態を示す1つまたは複数の出力を生成する1つまたは複数のセンサを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、センサ112は、温度出力118Aを有する1つまたは複数の温度センサ112A、水分レベル出力118Bを有する1つまたは複数の水分レベルセンサ112B、化学組成出力118Cを有する1つまたは複数の化学組成センサ112C、湿度出力を有する1つまたは複数の湿度センサ112D、および/または断熱区画116の他の環境状態をモニタリングするように構成されているセンサ112を含むことができる。このように、1つまたは複数の状態センサ112は容器104の断熱区画116に関する温度、水分、湿度、化学組成、および/または他の環境状態を検知し、検知状態を示す1つまたは複数の状態出力118を生成するように構成することができる。コントローラ114は、状態出力118が示す1つまたは複数の検知された環境状態に基づいて、プロセス容器断熱材106に関する1つまたは複数の状態を検出する。
【0015】
1つまたは複数の温度センサ112Aはプロセス容器104の断熱区画116に関連する温度をモニタリングし、検知した温度に関する温度出力118Aを生成するように構成することができる。以下でより詳細に述べるように、温度センサ出力118Aをコントローラ114が使用して、断熱材106の熱抵抗を測定し、断熱材106の欠落、損傷または劣化を検出し、例えば、CUI状態を示す、またはCUI状態につながりうる状態を検出することができる。1つまたは複数の温度センサ112Aは、抵抗温度検出器、負温度係数サーミスタ、熱電対、半導体ベースの温度センサ、または他の適切な温度センサなど、任意の適切な温度センサを利用することができる。
【0016】
1つまたは複数の水分レベルセンサ112Bはプロセス容器104の断熱区画116に関連する水分レベルをモニタリングし、検出した水分レベルに関する水分レベル出力118Bを生成するように構成される。水分レベル出力118Bをコントローラ114が使用して、CUI状態につながりうる状態、断熱材106の損傷、および断熱区画116の他の状態を検出することができる。1つまたは複数の水分レベルセンサ112Bは水分検出ケーブルまたは他の適切な水分センサを含むことができる。
【0017】
1つまたは複数の化学組成センサ112Cは、酸、アルカリ、および/もしくは塩、ならびに/または金属酸化物などの腐食副産物など、腐食性化学物質の存在を検出し、当該腐食副産物の検出を示す化学組成出力118Cを生成するために使用することができる。そのため、化学組成出力118Cをコントローラ114が使用して、例えば、CUI状態を検出することができる。1つまたは複数の化学組成センサ112Cは任意の適切な形態を取ることができる。例示的なセンサ112Cは、pHセンサ、酸素還元電位センサ、導電率センサ、および絶縁抵抗センサを含む。
【0018】
1つまたは複数の湿度センサ112Dは湿度レベルを検知して、検知した湿度レベルを示す湿度レベル出力118Dを生成するために使用することができる。そのため、湿度レベル出力118Dをコントローラ114が使用して、例えば、CUI状態を促進させうる状態を検出することができる。1つまたは複数の湿度センサ112Dは任意の適切な形態を取ることができる。
【0019】
モニタリングシステム110はプロセス温度センサ120も含むことができ、これはプロセス材料102の温度を検出し、検知された温度を示すプロセス温度出力122を生成するように構成される。プロセス温度センサ120は、図1に図示するように、プロセスに連結されているフィールド機器124の構成要素とすることができる。プロセス温度出力122をコントローラ114が使用して、例えば、断熱材の熱抵抗および断熱区画116の他の状態を検出することができる。
【0020】
モニタリングシステム110は雰囲気温度センサ126も含むことができ、これはプロセス容器104の断熱区画116、またはその付近の環境の温度を検出し、検知された温度に基づいて雰囲気温度出力128を生成するように構成される。コントローラ114は、例えば、断熱材106の熱抵抗または断熱材106の損傷など、断熱区画116の状態の評価または検出に、雰囲気温度出力128を使用することができる。
【0021】
いくつかの実施形態において、モニタリングシステム110は出力信号(例えば、状態出力118、プロセス温度出力112、および雰囲気温度出力128)を1つまたは複数のセンサから受信して、出力信号に基づく区画情報を制御ユニット132に送信するように構成されているトランスミッタ130を含む。制御ユニット132は、図1に図示するように、例えば、制御室134内のトランスミッタから遠隔に配置することができる。制御ユニット132は、2線式制御ループ136などの適切な物理的通信リンク、または無線通信リンクでトランスミッタ130に通信可能に連結することができる。制御ユニット132とトランスミッタ130との通信は、従来のアナログおよび/またはデジタル通信プロトコルに従って、制御ループ136で行うことができる。
【0022】
いくつかの実施形態において、制御ループ136は4~20ミリアンペアの制御ループを含み、1つまたは複数のセンサ出力(例えば、状態出力118、プロセス温度出力122、および雰囲気温度出力128)を制御ループ136に流れるループ電流Iのレベルによって表すことができる。例示的なデジタル通信プロトコルは、HART(登録商標)通信規格によるものなど、デジタル信号の2線式制御ループ136のアナログ電流レベルへの変調を含む。フィールドバスおよびプロフィバス通信プロトコルを含め、他の純粋なデジタル手法も採用することができる。
【0023】
トランスミッタ130は従来の無線通信プロトコルを使用して制御ユニット132と無線で通信するように構成することもできる。例えば、トランスミッタ130は、WirelessHART(登録商標)(IEC 62591)またはISA 100.11a(IEC 62734)などの無線メッシュネットワークプロトコル、またはWiFi、LoRa、Sigfox、BLEなどの別の無線通信プロトコル、または任意の他の適切なプロトコルを実装するように構成することができる。
【0024】
任意の適切な電源から電力をトランスミッタ130に供給することができる。例えば、トランスミッタは制御ループ136に流れる電流Iから完全に電力供給されることができる。内部バッテリまたは外部バッテリなど、適切な電源もトランスミッタ130に電力を供給するために利用することができる。トランスミッタ130に電力を供給し、および/またはトランスミッタ130の内部バッテリ源もしくは外部バッテリ源を充電するために、発電機(例えば、ソーラーパネル、風力発電機等)を使用することもできる。
【0025】
コントローラ114は、図1に図示するように、トランスミッタおよび/または制御ユニットの構成要素を表すこともできる。コントローラ114は指示の実行に応答して本明細書で説明される1つまたは複数の機能を行う1つまたは複数のプロセッサ(すなわち、マイクロプロセッサ、中央処理装置等)を含み、該指示は、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体またはメモリ138などの制御ユニットのメモリ、またはトランスミッタのメモリにローカルに格納することができる。いくつかの実施形態において、コントローラ114のプロセッサは、制御ユニット132など、1つまたは複数のコンピュータベースのシステムの構成要素である。コントローラ114は1つまたは複数の制御回路、マイクロプロセッサベースのエンジン制御システム、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)などの1つまたは複数のプログラマブルハードウェアコンポーネントを含むことができ、これらを使用してモニタリングシステム110の構成要素を制御し、および/または本明細書で説明する1つまたは複数の機能を行う。コントローラ114は他の従来の工業プロセストランスミッタまたは制御ユニット回路装置を表すこともできる。
【0026】
いくつかの実施形態において、コントローラ114は、センサ112からの状態出力118のうちの1つまたは複数に基づいて、プロセス容器104の断熱区画116に関する1つまたは複数の状態を検出する。加えて、コントローラ114はプロセス容器104の区画116の1つまたは複数の検出された状態に関する状態情報140を生成するように構成されている。
【0027】
コントローラ114がトランスミッタ130内に全体または一部収容されている場合、トランスミッタ130は状態情報140を前述した送信される区画情報として制御ユニット132に通信することができる。あるいは、状態出力118に関してトランスミッタ130が送信する区画情報を制御ユニット132のコントローラ114が使用して、状態情報140を生成してもよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、状態情報140は、一般的に、例えば、検出された状態の識別、検出された状態に関する検知状態の値(例えば、温度測定値、湿度測定値、水分レベル測定値、化学組成測定値等)、および/または他の情報など、検出された各状態に関する情報を含む。状態情報140は、図1に示すように、システム110のメモリに記録することも、または、例えば、所望のデータ格納システムもしくはコンピューティング機器に通信することもできる。コントローラ114は、制御ユニット132のディスプレイ142または別のディスプレイなどのディスプレイに状態情報140を表示すること、アラームを作動させること、および/または別の種類の通知を提供することを含め、状態情報140に関する通知を出すことができる。
【0029】
工業プロセス容器断熱材モニタリングシステム110のいくつかの実施形態は、図1に図示されるように、一般的に断熱材106の区画152と、断熱区画152に装着されている前述の状態センサ112のうちの1つまたは複数とを含む工業プロセス容器断熱材モニタリング機器150を含む。断熱材モニタリング機器150の例示的な実施形態を、図2および図3を参照して説明する。図2は本開示の実施形態による例示的な断熱モニタリング機器150の簡略断面図であり、図3は大略的に線3-3に沿って切断した図2の機器150の簡略断面図である。
【0030】
いくつかの実施形態において、断熱材区画152は、図2に図示するように、プロセス容器104(例えば、パイプ)を完全に取り囲む断熱材106のスリーブを備えることができる。例えば、断熱材区画152をプロセス容器104に巻き付けるように構成することができる。あるいは、断熱材区画152はプロセス容器104を断熱する断熱材106の一部のみを形成してもよい。
【0031】
機器150は、プロセス容器104の外面154と断熱材区画152の外面156との間のさまざまな場所に温度センサ112Aのうちの1つまたは複数を含むことができる。例えば、図2および図3に図示するように、機器150は断熱材区画152とプロセス容器104の外面154との間の境界面158に1つまたは複数の境界面温度センサ112A-1を、断熱材区画152内に1つまたは複数の埋込温度センサ112A-2を、および/または断熱材区画152の外面156に1つまたは複数の外部温度センサ112A-3を含むことができる。断熱材区画152がプロセス容器104に設けられている場合には、境界面温度センサ112A-1は断熱材区画152の内面160に装着しても、または断熱材区画152の内面160とプロセス容器104の外面154との間に位置付けてもよい。外部温度センサ112A-3は、任意の適切な手法を使用して断熱材区画152の外面156に装着しても、または断熱材区画152の外面156に埋め込んでもよい。したがって、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の温度センサ112Aは、図2に図示するように、プロセス容器104の長手軸162または断熱材区画152から異なる半径方向の距離に位置付けられている少なくとも2つの温度センサを含む。
【0032】
いくつかの実施形態において、境界面温度センサ112A-1はCUI状態を促進させる温度を検出するために使用される。例えば、境界面温度センサ112A-1の出力118A-1によって示される境界面温度がプロセス容器104の腐食を促進させる温度範囲内にある場合、コントローラ114は、例えば、CUI状態の存在またはその発展の可能性を示す通知など、検出に関する状態情報を生成することができる。
【0033】
境界面温度センサ112A-1は断熱材区画152の損傷または劣化を検出するためにも使用することができる。いくつかの実施形態において、コントローラ114は出力118A-1によって示される温度を、境界面温度センサ112A-1によって検出することが見込まれる予想温度または温度範囲と比較し、検出された境界面温度と予想境界面温度または温度範囲との差が、例えば、制御ユニット132のメモリ138(図1)に格納することのできる対応する閾値164を超える場合、断熱材区画152の損傷を検出する。コントローラ114は断熱材区画152の検出された損傷または劣化に関する状態情報140を生成することができ、これは断熱材区画152の劣化した状態の通知を含むことができる。いくつかの実施形態において、コントローラ114はプロセス温度センサ120によって検知されるプロセス温度、および/または雰囲気温度センサ126によって検知される雰囲気温度に基づいて予想境界面温度を設定する。
【0034】
断熱材区画152が実質的に無傷の場合、境界面温度とプロセス温度との差は小さいが、断熱材区画152が損傷してくると、その断熱性能は低下し、境界面温度とプロセス温度との差が大きくなる。このことが図4のチャートで大略的に例示されており、図4は本開示の実施形態による、時間に沿って測定された境界面温度(T)およびプロセス温度(T)の例、境界面温度とプロセス温度との差(T)、ならびに閾値温度差値(Tth)のプロットを含む。閾値164の1つ(図1)として格納することのできる閾値温度差値を使用して、断熱材区画152の状態を評価する。いくつかの実施形態において、断熱材区画152がそれ以上所望レベルの断熱を提供しなくなる時を示すように、閾値温度差値が選択される。図4のチャートに図示される例では、境界面温度とプロセス温度との温度差は、閾値温度差未満から約14時間のところで閾値温度差を上回るまで推移し、それによって断熱材区画152はその時点のあたりで損傷したおそれがあり、修理または交換が必要であることを示す。このように、コントローラ114は境界面温度とプロセス温度との差に基づいて断熱材区画152のこの損傷または劣化した状態を検出し、この状態の検出に応答して状態情報140(例えば、通知)を生成する。
【0035】
前述したように、このプロセス温度に対する境界面温度のモニタリングは、予想境界面温度がいくらか依存する雰囲気温度状態の補償を含むことができる。具体的には、閾値温度差は、雰囲気温度センサ126が示す雰囲気温度と図1に図示されるプロセス温度センサ120が示すプロセス温度との差に基づいて調整することができる。例えば、雰囲気温度とプロセス温度との差が小さい場合、プロセス容器104と周囲環境との間の熱伝達が低めであると予想されるため、閾値温度差値を減少させることができ、雰囲気温度とプロセス温度との差が大きい場合、プロセス容器104と周囲環境との間の熱伝達が高めであると予想されるため、閾値温度差値を増加させることができる。このように、閾値温度差値は、センサ126が検知または測定する雰囲気温度を用いてコントローラ114によって動的に調整することができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の温度センサ112をコントローラ114が使用して、断熱材区画152を通る直熱流量および/または断熱材区画152の熱抵抗(R値)を測定する。例えば、コントローラ114は1つまたは複数の境界面温度センサ112A-1による境界面温度出力118A-1と、1つまたは複数の埋込温度センサ112A-2からの埋込温度出力118A-2および/または1つまたは複数の外部温度センサ112A-3による外部温度出力118A-3との差を使用して、断熱材区画152を通る熱流量、および/または断熱材区画152の熱抵抗を従来の手法を使用して計算することができる。コントローラ114は雰囲気温度センサ126(図1)からの雰囲気温度出力128に基づいて熱伝達または熱抵抗のこれら測定値を補償することができる。コントローラ114は状態情報140を生成し、これは断熱材区画152を通る測定された熱流量および/または断熱材区画152の熱抵抗を示すことができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、コントローラ114はそれぞれ計算された熱流量および/または熱抵抗を、閾値164の1つとしてメモリ138に格納することのできる対応する閾値熱流量または熱抵抗値と比較して、断熱材区画152が所望レベルの断熱を提供しているかどうかを確定する。コントローラ114が生成する状態情報140は断熱材区画152を通る熱流量および/または断熱材区画152の熱抵抗が閾値に基づいて所望の基準を満たしているかどうかを示すことができる。
【0038】
モニタリング機器150のいくつかの実施形態は、前述したように、図2および図3に図示する水分検出ケーブルを含むことのできる1つまたは複数の水分センサ112Bを含む。水分検出センサ112Bは断熱材106内に埋め込んで、検出された水分レベルに関する水分レベル出力118Bを生成することができる。これにより、コントローラ114は、断熱材区画152の劣化とCUI状態のいずれももたらす可能性がある断熱区画152への水分の侵入を直接モニタリングすることが可能となる。いくつかの実施形態において、コントローラ114は検出された水分レベルを、閾値164(図1)の1つとして格納することのできる閾値水分レベル値と比較する。コントローラ114は水分レベル出力118B、および/または検出された水分レベルと閾値水分レベル値との比較に基づいて、状態情報140を生成することができ、これは検出された水分レベルおよび他の関連情報を含むことができる。加えて、検出された水分レベルが水分レベルの閾値を超える場合、状態情報140は断熱材区画152の損傷もしくは劣化の可能性の通知、および/または、例えば、CUI状態をもたらしうる状態が存在することを示す通知を含むことができる。
【0039】
モニタリング機器150が化学組成センサ112Cのうちの1つまたは複数を含む場合、コントローラ114は対応する出力118Cが示す化学組成を使用して、CUI状態、またはCUI状態をもたらしうる状態を検出することができる。コントローラが生成する状態情報140は、検出された組成の識別(例えば、酸化鉄)、検出された組成の濃度、および他の情報など、検出された化学組成に関する情報を含むことができる。いくつかの実施形態において、コントローラ114は検出された組成の濃度を、閾値164(図1)の1つとして格納することのできる閾値濃度値と比較するように構成されている。検出された濃度レベルが閾値濃度値を超える場合、状態情報140は、例えば、プロセス容器104の損傷もしくは劣化の可能性の通知、断熱材区画152の損傷もしくは劣化の可能性の通知、および/またはCUI状態が存在する、もしくは存在しうることを示す通知を含むことができる。
【0040】
上記述べたように、モニタリング機器150のいくつかの実施形態は1つまたは複数の湿度センサ112Dを含む。1つまたは複数の湿度センサ112Dは検出された湿度レベルに関する湿度レベル出力118Dを生成し、これをコントローラ114が使用して、CUI状態をもたらす可能性のある状態を直接モニタリングすることができる。いくつかの実施形態において、コントローラ114は検出された湿度レベルを、閾値164(図1)の1つとして格納することのできる閾値湿度レベル値と比較する。コントローラ114は湿度レベル出力118D、および/または検出された湿度レベルと閾値湿度レベル値との比較に基づいて状態情報140を生成することができ、これは検出された湿度を含むことができる。加えて、検出された湿度レベルが湿度レベル閾値を超える場合、状態情報140は、例えば、断熱材区画152の損傷もしくは劣化の可能性の通知、および/またはCUI状態をもたらしうる状態が存在することを示す通知を含むことができる。
【0041】
前述したように、状態センサ112は複数のセンサ112を利用して、温度などの特定の状態を検知することができる。したがって、例えば、温度センサ112Aはさまざまな場所で個別の温度測定を行うためにそれぞれ使用される複数の温度センサ112Aを含むことができる。例えば、図3に図示するように、境界面温度センサ112A-1、埋込温度センサ112A-2、および/または外部温度センサ112A-3はそれぞれ、プロセス容器104の長手軸162または断熱材区画152に沿って互いにずれている複数の温度センサを含むことができる。
【0042】
個々の温度センサ112Aのそれぞれが検知する温度をコントローラが処理して、平均温度測定値を判定することができる。このように、境界面温度センサ112A-1が検知する温度を処理して平均境界面温度を判定することができ、埋込温度センサ112A-2が検知する温度を処理して、平均埋込温度を判定することができ、外部温度センサ112A-3が検知する温度を処理して、平均外部温度を判定することができる。コントローラ114はこれらの平均温度のうちの1つまたは複数を使用して、断熱材区画152に関する1つまたは複数の状態を検出することができる。同様に、コントローラは複数の状態センサ112からの測定値を平均化することによって、他の環境状態(例えば、湿度、水分レベル、化学組成等)の平均測定値を判定することができる。
【0043】
状態センサ112は任意の適切な形態を取ることができ、生成された状態出力を伝達するために、トランスミッタ130への有線接続を含むことができる。この構成に代わる1つの代替例は、本開示の実施形態による、例示的な断熱材モニタリング機器150の簡略側断面図である図5に大略的に図示するように、パッシブ弾性表面波センサ112AWを無線周波励振器・リーダ170と組み合わせて使用することを含む。弾性表面波センサ112AWはそれぞれ、トランスミッタ130によって電力を供給することのできる無線周波励振器・リーダ170からエネルギを受け取り、それに応答して、測定されるパラメータの関数である位相角変化または周波数もしくは振幅など別の検出可能な無線周波特性変化を有する無線周波信号を生成する。励振器・リーダ170は弾性表面波センサ112AWから信号を受信し、状態出力118AWをトランスミッタ130(図1)に送る。したがって、1つまたは複数の温度センサ112A、水分レベルセンサ112B、化学組成センサ112Cおよび湿度センサ112Dを適切な弾性表面波センサ112AWに取り替えることによって、センサそれぞれへの有線接続の必要性をなくすことができる。あるいは、埋込測定機器は、トランスミッタ130によって電力を供給することのできるRFIDリーダによって付勢されて読み取られるパッシブRFIDセンサの形態を取ることもできるであろう。
【0044】
本開示の追加の実施形態は、断熱材モニタリング機器150を使用して断熱されたプロセス容器104をモニタリングする方法が指示される。図6は本開示の実施形態による方法の例を図示するフローチャートである。方法の180で、上記説明した1つまたは複数の実施形態により作られる工業プロセス断熱材モニタリング機器150が提供される。いくつかの実施形態において、機器150はプロセス容器104に装着されている断熱材区画152と、断熱材区画152に装着されている複数の状態センサ112とを含む。状態センサ112はそれぞれ、例えば、温度、湿度、水分レベル、および/または化学組成など、断熱材区画152、またはその内部の少なくとも1つの環境状態を検知するように構成されている。状態センサ112は、図1に図示するように、温度出力118A、水分レベル出力118B、化学組成出力118C、および/または湿度出力118Dなど、対応する検知状態を示す状態出力118を生成するように構成されている。
【0045】
方法の182で、対応する検知状態を示す状態出力118が、複数の状態センサ112を使用して生成される。次に、ステップ184で、コントローラ114を使用し、状態出力118に基づいて、断熱材区画152に関する少なくとも1つの状態が検出される。例えば、上記述べたように、コントローラ114は断熱材区画152の熱抵抗、断熱材区画152の損傷(すなわち、劣化)、プロセス容器104の腐食もしくはプロセス容器104の腐食につながる状態、および/または断熱材区画152への水分の侵入を、状態センサ112からの状態出力に基づいて検出することができる。
【0046】
方法の186で、コントローラ114を使用して少なくとも1つの検出された区画状態に関する状態情報140が生成される。上記述べたように、状態情報140は検出された状態を識別し、検出された状態に関する検知パラメータ、検出された状態に関する通知、および/または検出された状態に関する他の情報を含むことができる。方法のいくつかの実施形態において、状態情報140は、制御ユニット132(図1)のディスプレイ142などにより、ユーザに通信される。状態情報140は、アラームなど、検出された状態をユーザに通知する通知を含むこともできる。
【0047】
本開示の実施形態を好適な実施形態を参照して説明してきたが、当該技術分野における当業者は、本開示の主旨および範囲から逸脱することなく、形態および詳細において変更がなされ得ることを認識するであろう。
【符号の説明】
【0048】
100 制御システム
102 プロセス材料
104 プロセス容器
106 断熱材
110 プロセス容器断熱材モニタリングシステム
112 状態センサ
114 コントローラ
116 断熱区画
118 状態出力
図1
図2
図3
図4
図5
図6