(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-06
(45)【発行日】2023-02-14
(54)【発明の名称】光学センサ組立体
(51)【国際特許分類】
G02B 6/42 20060101AFI20230207BHJP
G02B 6/32 20060101ALI20230207BHJP
H01L 31/0232 20140101ALI20230207BHJP
【FI】
G02B6/42
G02B6/32
H01L31/02 C
(21)【出願番号】P 2021544226
(86)(22)【出願日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 CN2020074012
(87)【国際公開番号】W WO2020156486
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-08-02
(31)【優先権主張番号】10-2019-0010548
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519262146
【氏名又は名称】アークソフト コーポレイション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ArcSoft Corporation Limited
【住所又は居所原語表記】19 Floor,No.392 Binxing Road (ArcSoft Building),Changhe Street,Binjiang District,Hangzhou,Zhejiang,310052,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ミン,ビュン,イル
【審査官】山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-027557(JP,U)
【文献】特開2005-160815(JP,A)
【文献】実開昭60-192562(JP,U)
【文献】特表2007-513378(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0028206(US,A1)
【文献】特開2012-226342(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0099060(US,A1)
【文献】特開2006-171251(JP,A)
【文献】特開2006-349877(JP,A)
【文献】特開2016-076913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/04-6/08
G02B 6/26-6/27
G02B 6/30-6/34
G02B 6/42-6/43
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が1列に配置され、他端が2つ以上の列に積層され、これにより、前記一端により形成された第1の面の幅が前記他端により形成された第2の面の幅よりも大きい複数の光ファイバと、
前記第2の面に光学的に結合されたセンサコネクタとを含み、
前記第1の面は、電子装置の内部に入射された光を受光し、前記第1の面により受光された光は前記第2の面を介して前記センサコネクタに伝達され、
前記センサコネクタは、前記第1の面と分離可能であり、前記電子装置の内部に配置されて
おり、前記第1の面は、前記電子装置のフレームと表示パネルとの間の空間に配置されており、
前記複数の光ファイバは、
前記複数の光ファイバの一端が1列に配置される水平配列区間と、
前記複数の光ファイバの他端が2つ以上の列に配置される垂直配列区間と、
前記水平配列区間と前記垂直配列区間とを接続するとともに、前記複数の光ファイバが湾曲される変形区間とを含み、
前記水平配列区間の長さは、前記垂直配列区間及び前記変形区間の長さよりも長い、ことを特徴とする光学センサ組立体。
【請求項2】
前記複数の光ファイバは、プラスチック光ファイバ(POF、Plastic optical fiber)である、ことを特徴とする請求項1に記載の光学センサ組立体。
【請求項3】
前記第2の面は、前記光ファイバの他端を各列に同じ数で積層するように形成されている、ことを特徴とする請求項
1に記載の光学センサ組立体。
【請求項4】
前記第2の面は、前記光ファイバの他端が3つ以上の列に積層され、少なくとも任意の1列に積層された数と残りの列に積層された数とが異なるように形成されている、ことを特徴とする請求項
1に記載の光学センサ組立体。
【請求項5】
前記第2の面は、複数である、ことを特徴とする請求項
1に記載の光学センサ組立体。
【請求項6】
前記センサコネクタは、
前記複数の光ファイバの他端が内部に挿入されて固定されるオス型端子と、
前記オス型端子が内部に収納されるメス型端子と、
前記オス型端子に向かう方向に前記メス型端子に結合される光学センサとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の光学センサ組立体。
【請求項7】
前記光学センサは、
複数の切断された貫通孔が側面に配列される基板と、
前記基板の上面に配置されるとともに、前記複数の切断された貫通孔に電気的に接続される光学センサチップと、
前記基板の上面に前記光学センサチップと分離して配置され、前記複数の切断された貫通孔に電気的に接続される発光ダイオードとを含む、ことを特徴とする請求項
6に記載の光学センサ組立体。
【請求項8】
前記メス型端子は、前記光学センサチップと前記発光ダイオードとを光学的に分離する分離壁をさらに含む、ことを特徴とする請求項
7に記載の光学センサ組立体。
【請求項9】
前記オス型端子は、前記光学センサチップと前記発光ダイオードとを光学的に分離する分離壁をさらに含む、ことを特徴とする請求項
7に記載の光学センサ組立体。
【請求項10】
前記光学センサは、前記光学センサチップの上部に設けられた光学センサ透光レンズをさらに含む、ことを特徴とする請求項
7に記載の光学センサ組立体。
【請求項11】
前記複数の光ファイバの前記一端が内部に収納されるフラットコネクタをさらに含み、
前記フラットコネクタは、前記電子装置の内部に入射された光が前記一端に向かって前進するようにする光路を提供することができる、ことを特徴とする請求項1に記載の光学センサ組立体。
【請求項12】
前記フラットコネクタは、
前記光ファイバの少なくとも一部が収納される半球状溝が内部に形成される蓋と、
前記複数の光ファイバが配置されるとともに、前記蓋に締結されることで、前記複数の光ファイバを固定する支持体とを含む、ことを特徴とする請求項
11に記載の光学センサ組立体。
【請求項13】
それぞれ前記複数の光ファイバ及び前記光路に対して傾斜して配置されるミラーをさらに含む、ことを特徴とする請求項
11に記載の光学センサ組立体。
【請求項14】
前記複数の光ファイバの一端が傾斜面である、ことを特徴とする請求項
11に記載の光学センサ組立体。
【請求項15】
前記光路に配置されることで、前記複数の光ファイバの一端に光学的に結合され、結合領域の対向面が傾斜面である垂直導光板をさらに含む、ことを特徴とする請求項
11に記載の光学センサ組立体。
【請求項16】
前記複数の光ファイバを保護する断熱部材をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の光学センサ組立体。
【請求項17】
前記複数の光ファイバは、
外部に検出光を伝達する発光用の光ファイバと、
外部から入射された反射検出光を伝達する受光用の光ファイバとを含み、
前記発光用の光ファイバと前記受光用の光ファイバとは、分離して配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の光学センサ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年1月28日に出願された、出願番号が10-2019-0010548であり、出願の名称が「光学センサ組立体」である韓国特許出願について優先権を主張し、その原文が参照としてここに援用されている。
【0002】
技術分野
本発明は、光学センサに関する。
【背景技術】
【0003】
光学センサは、携帯電話又はタブレットなどのポータブル電子装置に適用されるだけではなく、TV又はディスプレイなどの映像電子装置にも適用される。光学センサは、例えば、照度センサ、近接センサ、近接照度センサなどを含む。近接センサは、ユーザと電子装置との間の距離を測定する光学センサであり、照度センサは、電子装置の周囲の明るさを検知する光学センサである。光学方式の近接センサと、照度センサとが結合された近接照度センサは、単一のパッケージに2つのセンサが設けられる。
【0004】
最近、ディスプレイがほぼ電子装置の正面全体に占有する設計は、増加している。大きいスクリーンを必要とする要求に基づいて、ディスプレイのサイズが大きくなっているが、カメラ(camera)を配置するために、特に、近接照度センサを配置するために、正面の少なくとも一部の領域を依然として残す必要がある。超音波などを用いた近接センサは、正面がディスプレイにより被覆される構造にも、使用することができるが、照度検知機能を統合することが困難である。また、照度センサは、正面以外の領域に設けられ得るが、電子装置を保護するためのケース(case)のため、周囲の光を検知することができない。従って、近接照度センサを設置可能な最適位置は、電子装置の正面であるが、ディスプレイが正面全体に占有する設計では、近接照度センサの通常の配置位置を確保することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ディスプレイが正面全体に占有する設計を有する電子装置に適用できる光学センサ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様の実施例によれば、光学センサ組立体が提供される。光学センサ組立体は、一端が1列に配置され、他端が2つ以上の列に積層され、これにより、前記一端により形成された第1の面の幅が前記他端により形成された第2の面の幅よりも大きい複数の光ファイバと、前記第2の面に光学的に結合されたセンサコネクタとを含み、前記第1の面は、電子装置の内部に入射された光を受光し、前記第1の面により受光された光は、前記第2の面を介して前記センサコネクタに伝達され、前記センサコネクタは、前記第1の面と分離可能であり、前記電子装置の内部に配置されている。
【0007】
1つの実施例としては、前記複数の光ファイバは、プラスチック光ファイバ(POF、Plastic optical fiber)であってもよい。
【0008】
1つの実施例としては、前記複数の光ファイバは、一端が1列に配置される水平配列区間と、前記複数の光ファイバの他端が2つ以上の列に配置される垂直配列区間と、前記水平配列区間と前記垂直配列区間とを接続するとともに、前記複数の光ファイバが湾曲される変形区間とを含む。
【0009】
1つの実施例としては、前記第2の面は、前記光ファイバの他端を各列に同じ数で積層するように形成されてもよい。
【0010】
1つの実施例としては、前記第2の面は、前記光ファイバの他端が3つ以上の列に積層され、少なくとも任意の1列に積層された他端の数と残りの列に積層された他端の数とが異なるように形成される。
【0011】
1つの実施例としては、前記第2の面は、複数であり得る。
【0012】
1つの実施例としては、前記第1の面は、前記電子装置のフレームと表示パネルとの間の空間に配置されてもよい。
【0013】
1つの実施例としては、前記センサコネクタは、前記複数の光ファイバの他端が内部に挿入されて固定されるオス型端子と、前記オス型端子が内部に収納されるメス型端子と、前記オス型端子の方向に向かう方向に前記メス型端子に結合される光学センサとを含む。
【0014】
1つの実施例としては、前記光学センサは、複数の切断された貫通孔が側面に配列される基板と、前記基板の上面に配置されるとともに、前記複数の切断された貫通孔に電気的に接続される光学センサチップと、前記基板の上面に前記光学センサチップと分離して配置され、前記複数の切断された貫通孔に電気的に接続される発光ダイオードとを含む。
【0015】
1つの実施例としては、前記メス型端子は、前記光学センサチップと前記発光ダイオードとを光学的に分離する分離壁をさらに含む。
【0016】
1つの実施例としては、前記オス型端子は、前記光学センサチップと前記発光ダイオードとを光学的に分離する分離壁をさらに含む。
【0017】
1つの実施例としては、前記光学センサは、前記光学センサチップの上部に設けられた光学センサ用の透光レンズをさらに含むことができる。
【0018】
1つの実施例としては、前記複数の光ファイバの前記一端が内部に収納されるフラットコネクタをさらに含み、前記フラットコネクタは、前記電子装置の内部に入射された光が前記一端に向かって前進するようにする光路を提供することができる。
【0019】
1つの実施例としては、前記フラットコネクタは、光ファイバの少なくとも一部が収納される半球状溝が内部に形成される蓋と、前記複数の光ファイバが配置されるとともに、前記蓋締結に締結されることで、前記複数の光ファイバを固定する支持体とを含む。
【0020】
1つの実施例としては、それぞれ前記複数の光ファイバ及び前記光路に対して傾斜して配置されるミラーをさらに含む。
【0021】
1つの実施例としては、前記複数の光ファイバの一端は、傾斜面であってもよい。
【0022】
1つの実施例としては、前記光路に配置されることで、前記複数の光ファイバの一端に光学的に結合され、結合領域の対向面が傾斜面である垂直導光板をさらに含むことができる。
【0023】
1つの実施例としては、前記複数の光ファイバを保護する断熱部材をさらに含むことができる。
【0024】
1つの実施例としては、前記複数の光ファイバは、外部に検出光を伝達する発光用の光ファイバと、外部に入射された反射検出光を伝達する受光用の光ファイバとを含み、前記発光用の光ファイバと前記受光用の光ファイバとは、分離可能に配置される。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施例による光学センサ組立体は、ディスプレイが正面全体に占有する設計を有する電子装置に適用することができる。光学センサ組立体は、電子装置の内部に配置されるが、外部の光を光学センサに伝達することができ、従って、電子装置の外観設計自由度を向上させることができる。また、光学センサ組立体は、電子装置の内部から発光された光の影響を受けない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
以下、図面に示す実施例を参照して本発明について説明する。理解するために、添付の全ての図面では、同じ構成要素に同じ符号が付される。図面に示す構造は、本発明を説明するための例示的な実現に過ぎず、本発明の範囲は、これに限定されない。特に、発明の理解に寄与するために、図面は、一部の構成要素が誇張して示している。図面は、発明を理解するためのものであるため、図面に示された構成要素の幅又は厚さなどは、実際に実施される際と異なる可能性があることが理解されたい。
【0027】
【
図1】電子装置に設けられた光学センサ組立体を例示的に示す図である。
【
図2】光学センサ組立体の操作原理を例示的に説明する図である。
【
図3】
図2の操作原理を実現する光学センサ組立体の1つの実施例を例示的に説明する図である。
【
図4】
図3の光学センサ組立体の分解斜視図である。
【
図5】光学センサ組立体のセンサコネクタ(connector)の1つの実施例を例示的に示す図である。
【
図6】光学センサ組立体のセンサコネクタの製造及び設置のプロセスを例示的に示す図である。
【
図7】光学センサ組立体のセンサコネクタの別の実施例を例示的に示す図である。
【
図8】光学センサ組立体のセンサコネクタのまた別の実施例を例示的に示す図である。
【
図9】光学センサ組立体の光学センサ構造を例示的に示す図である。
【
図10】フラットコネクタの1つの実施例を例示的に示す図である。
【
図11】フラットコネクタの複数の実施例を例示的に示す図である。
【
図12】光学センサ組立体の別の実施例を例示的に示す図である。
【
図13】光学センサ組立体のまた別の実施例を例示的に示す図である。
【
図14】光学センサ組立体のまた別の実施例を例示的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な実施例を有することができる。特定の実施例は、図面に示され、特定の実施例についての詳細な説明にて詳細に説明することを意図している。しかし、本発明は、特定の実施形態に限定されることを意図するものではなく、本発明の要旨及び技術的範囲に含まれるすべての変更、同等物、及び代替物を含むことを理解されたい。特に、以下、図面を参照して説明される機能、特徴、及び実施形態は、独立して、又は、他の実施形態と組み合わせて実施することができる。したがって、本発明の範囲は、図面に示される形態に限定されないことに留意されたい。
【0029】
なお、本明細書で使用される用語のうち、「実質的に」、「ほぼ」、「約」などと同様な表現は、実際の実施で用いられるマージン又は生じ得る誤差を配慮したものである。例えば、「実質的に90度」は、含まれた角度が90度の場合の効果に相当する角度であるとして理解すべきである。別の例として、「あまり存在しない」とは、ある物がわずかに存在する(無視できる程度を含む)意味として理解する必要がある。
【0030】
ただし、特に記載しない限り、「側面」又は「水平」とは、図面の左右方向を意味し、「垂直」とは、図面の上下方向を意味する。また、特に定義しない限り、角度、入射角などは、図面に示す水平面に垂直な仮想直線を基準とする。
【0031】
図面全体には、同じ又は同様な要素は、同じ符号を用いて引用する。
【0032】
図1は、電子装置に設けられた光学センサ組立体を例示的に示す図である。
【0033】
光学センサ組立体100は、光学センサが例えばスマートフォンなどの電子装置10の正面に設けられなければならない設計制限を克服することができる。光学センサ組立体100は、電子装置10の内部に設けられることができ、光学センサ組立体100に含まれた光学センサが電子装置10の内部での発光部材であるため、例えば表示パネル13が影響されない可能性がある。光学センサは、外部に露出されなくても、光学センサ組立体100によって元の機能を実行することが可能である。つまり、光学センサ組立体100により、光学センサが電子装置10の正面における一部の領域に配置される必要がないため、表示パネル13が正面領域全体に設けられてもよい。
【0034】
電子装置10に設けられた光学センサは、光学的に透明なカバーガラス(cover glass)12の下部に設けられた、フォトダイオードなどの受光部を有する。カバーガラス12を透過した光は、光学センサの上面に形成された開口を介して受光部に到達し、これにより、受光部によって検出される。光学センサも、ほとんどの他の電子部材と同様に、非常に小さいサイズを有する。しかし、光学センサをカバーガラス12の下部に配置するために、電子装置10のフレーム11とディスプレイ13との間に空間を必要とする。ディスプレイ13が占有可能な面積の減少を引き起こしてしまう。
【0035】
図1の(a)は、正面ディスプレイが取り付けられた電子装置であり、(b)は、「I-I」に沿う断面図である。裸眼で観察すると、ディスプレイ13がフレーム11に密着されるように見えるが、ディスプレイ13とフレーム11との間には、数十~数百umの隙間が存在することができる。また、ディスプレイ13の一部の側面に溝が形成されてもよいし、又は、一部の側面が凹んで形成されてもよい。光は、隙間又は空間14を介して入射することができ、前記隙間は、公差の設計を配慮するため生じたものであり、前記空間は、ディスプレイ13の側面構造のため生じたものである。しかし、空間14が狭すぎるため、一般的な構造の光学センサを収納することが困難である。
【0036】
図1の(c)は、フレーム11とディスプレイ13との間の空間14に配置された光学センサ組立体100を示す。光学センサ組立体100の一端は、空間14に設けるのに十分に薄く、他端は、光学センサの上面に被覆された少なくとも一部の面積を有することができる。光学センサ組立体100では、空間14に入射された光は、カバーガラス12を透過して光学センサに伝達される。光学センサは、伝達された光を利用して、電子装置の周囲の明るさ、電子装置と周囲物体と間の距離、及び/又は電子装置の周囲に物体が存在するか否かなどを検出することができる。また、表示パネル13の側面は、光が透過することができる。特に、表示パネル13から発光された光は、光学センサ組立体100に影響を与えることができる。従って、表示パネル13の側面には、遮光構造13'が形成又は配置されてもよい。遮光構造13'は、例えば、表示パネル13の側面に積層された遮光物質であり得る。遮光構造13'は、光学センサ組立体100が配置された側面全体に形成されてもよいし、又は、その側面の一部に形成されてもよい。側面に形成された遮光構造は、表示パネルのスクリーンに沿って延在することができる。
【0037】
図2は、光学センサ組立体の操作原理を例示的に説明する図であり、比較するために、一般的な光学センサ301の操作原理も示す。
【0038】
光学センサ組立体100は、光24が入射する第1の面20と、光26が出射する第2の面21とを有する導光板25を含む。第1の面20と第2の面21とは、異なる形状を有する。図に示すように、第1の面20は、薄くかつ長い矩形であってもよく、第2の面21は、正方形であってもよい。しかし、以下、詳細に説明するが、第1の面20及び第2の面21の形状は、例示的な矩形又は正方形に限定されていない。また、第1の面20の面積と第2の面21の面積とは、実質的に同じであってもよい。つまり、導光板25に起因する光の損失がごく僅かである場合、第1の面20が受光した光24の明るさと、第2の面21を介して光学センサ300に到達した光26の明るさとは、実質的に同じであってもよい。
【0039】
第1の面20の横方向長さ(又は幅)が第2の面21の横方向長さよりも長くてもよく、第1の面20の縦方向長さ(又は厚さ)が第2の面21の縦方向長さより短くてもよい。第1の面20は、規定された角度範囲で入射された光24を受光することができる。従って、第1の面20に対応する検出範囲23は、第1の面20との距離Dの増加とともに拡大し、形状が第1の面20の形状とほぼ同様に維持されることができる。
【0040】
光学センサ301は、第1の面20と同様に、上面との距離Dが増加するとともに、検出範囲29が拡大していく。光学センサ301の検出範囲29の形状は、光学センサ301の光学構造、例えば、透光レンズ(lens)及び/又は光透過用の開口の形状などに基づいて決定され、実質的に円形又は楕円形であってもよい。第1の面20の横方向長さが光学センサ301の光学構造の幅よりも大きいため、第1の面20の検出領域23の幅W1dが光学センサ401の検出領域29の幅W2dよりも大きくてもよい。
【0041】
また、導光板25は、2つの方向へ光を伝達する。第2の面21は、光学センサ300により生成された光27を受光することができる。第1の面20を介して導光板25の外部に出射された光28は、物体により反射されて、第1の面20に改めて戻ることができる。光の間の干渉を減少させるように、第1の面20により受光された光24が通過する光路と、第2の面21により受光された光27が通過する光路とは、分離可能である。ここで、第2の面21により受光された光27は、例えば、近赤外線と同様な、特定の波長の光及び/又は規定された周波数のパルス形態であってもよい。
【0042】
導光板25は、様々な形態で実現することができる。以下、複数のプラスチック光ファイバ(POF、Plastic optical fiber)で導光板25を実現する実施例を主として説明するが、導光板25は、POFのコア(core)と同様な属性を有する物質及び金型でプラスチック射出成形を行うことで製造されてもよい。また、導光板25は、ガラス光ファイバ(GOF、Glass optical fiber)又はGOFのコア(core)と同様な属性を有する物質で実現されてもよい。しかし、GOFの場合、光ファイバ(optical fiber)の形状は、熱処理などにより、導光板25の形態に対応して形成される。
【0043】
図3は、
図2の操作原理を実現する光学センサ組立体を例示的に説明する図であり、
図4は、
図3の光学センサ組立体の分解斜視図である。
【0044】
また、
図3及び
図4を参照すると、光学センサ組立体100は、センサコネクタ150と導光板200とを含む。選択的には、光学センサ組立体100は、フラットコネクタ110をさらに含むことができる。フラットコネクタ110が導光板200の一端に結合され、センサコネクタ150が導光板200の他端に結合される。1つの実施例としては、導光板200は、複数の光ファイバ210で構成されてもよい。光ファイバ210は、内部を介して光を伝達できるコアと、コアを保護する被覆層とを含み、コアの直径及び被覆層の厚さは、多種多様であってよい。また、光ファイバ210は、適宜な柔軟性を有し、導光板200の少なくとも一部の区間、例えば、水平配列区間220は、湾曲可能である。光ファイバ210は、例えば、POFであってもよい。
【0045】
導光板200は、水平配列区間220と、変形区間230と、垂直配列区間240とを含む。水平配列区間220、変形区間230及び垂直配列区間240は、光ファイバ210の配列状態(例えば、水平配列区間220及び垂直配列区間240)及び/又は配列状態が変更された領域(例えば、変形区間230)を区別するためのものであり、各々の区間220、230、240が順に接続される。各々の区間220、230、240の長さは、同じであってもよいし、又は、異なってもよい。また、各々の区間220、230、240の幅は、順に減少していく。
【0046】
1つの実施例としては、複数の光ファイバ210は、水平配列区間220において、1列に配置されてもよい。ここで、1列の場合、長さ方向に沿って観察すると、複数の光ファイバ210が同じ平面に配列されていることを意味する。また、断面方向に沿って観察すると、複数の光ファイバ210の一端211は、実質的に同じ平面に配列されているため、
図2に示す第1の面20を形成する。光ファイバ210は、水平配列区間220において、長さ方向に実質的に直線であるが、適宜な柔軟性を有するため、少なくとも一部は、曲線であってもよく、又は、外力で湾曲されてもよい。一般的な光学センサ301は、例えば、カバーガラス12に直接接触するはずであるか、又は、少なくともカバーガラス12の下部に位置するはずである。一方、光学センサ組立体100に含まれた光学センサ300は、光が到達できない位置にあるが、導光板200を介して光を受光することができる。特に、湾曲可能な水平配列区間220によって、光学センサ300の設置位置をより自在に決定することができる。別の実施例としては、複数の光ファイバ210は、水平配列区間220において、2つ以上の列に配置されてもよい。つまり、長さ方向に沿って観察すると、複数の光ファイバ210の少なくとも一部は、残りの光ファイバ210が配列された平面と異なる平面に配列されていることを意味する。しかし、この構造でも、複数の光ファイバ210の一端211は、実質的に同じ平面に配列されることができる。
【0047】
変形区間230は、水平配列区間220の終了箇所と、垂直配列区間240の開始箇所との間に位置し、実質的に直線の光ファイバ210が曲線化又は湾曲された区間とされる。変形区間230は、例えば、1列に配列された複数の光ファイバ210を2つ以上の列に積層(stack)するように、光ファイバ210を変形する区間である。複数の光ファイバのそれぞれの形状は、変形区間230により、全て異なってもよいし、又は、対称的であってもよい。
【0048】
垂直配列区間240は、変形区間230から延在しており、複数の光ファイバ210が2つ以上の列に積層された区間である。垂直配列区間240の各列に含まれた光ファイバ210の数は、同じであってもよいし、又は、異なってもよい。例えば、導光板200が16個の光ファイバ210で構成される場合、1列あたりに8つの2列、1列あたりに4つの4列、又は1列あたりに2つの8列のように積層されてもよい。16個の光ファイバ210は、5-6-5の3列(上部列-中間列-下部列)に積層されてもよい。また、例えば、導光板200が15個の光ファイバ210で構成される場合、1-2-3-4-5のように、任意の1列に含まれた光ファイバ210の数と他の列に含まれた光ファイバ210の数とは、異なってもよい。各列に積層された光ファイバ210の数に関係なく、断面方向に沿って観察すると、光ファイバ210の他端212が実質的に同じ平面に配列され、これにより、
図2に示す第2の面21を形成することができる。また、光ファイバ210は、垂直配列区間240において、実質的に直線であってもよい。垂直配列区間240の端部、すなわち、第2の面21は、実質的に光学センサ300に垂直に光学的に結合されてもよい。ここで、光学的結合とは、2つの構成要素がお互いに光を伝達可能な状態を意味し、2つの構成部が物理的に接触する状態に限定されない。一方、光学的分離とは、2つの構成要素がお互いに光を伝達できない状態を意味する。
【0049】
1つの実施例としては、水平配列区間220の長さは、残りの区間230、240の長さよりも長くてもよい。水平配列区間220は、複数の光ファイバ210が1列に配列され、残りの区間230、240より柔軟であり得る。特に、水平配列区間220は、断面厚さが残りの区間230、240の厚さより薄いため、例えば、フレーム11とディスプレイ13との狭い区間14に挿入することができる。水平配列区間220が十分に長い場合、水平配列区間220の一部が狭い区間14に挿入されても、残りの区間が湾曲可能であるため、光学センサ300を適宜な位置に容易に配置することができる。他の実施例としては、垂直配列区間240の長さは、残りの区間220、230の長さよりも長くてもよい。
【0050】
1つの実施例としては、複数の光ファイバ210の配列状態を維持及び/又は保護する第1の断熱部材120は、水平配列区間220の少なくとも一部に形成され得る。第1の断熱部材120は、熱伝達率が低い物質を複数の光ファイバ210にコーティングすることにより形成され得る。別の実施例としては、第1の断熱部材120は、保護膜であってもよく、前記保護膜は、水平配列区間220の少なくとも一部に付着されることで、複数の光ファイバ210の配列状態を維持する。また別の実施例としては、水平配列区間220が湾曲されている場合、水平配列区間の状態を維持するように、水平配列区間220の少なくとも一部にコーティング可能な物質は、硬化後でも、所定の形状を維持するとともに、熱伝達率が低い。また、複数の光ファイバ210以外の構成部、例えば、漏斗(funnel)130やセンサコネクタ150なども、熱伝達率が低い物質により形成され得る。
【0051】
1つの実施例としては、複数の光ファイバ210を保護する漏斗(funnel)130は、変形区間230に配置され得る。漏斗130は、水平配列区間側入口と、水平配列区間側入口とを有する。漏斗130は、水平配列区間側入口から垂直配列区間側入口へ、左右幅が減少していくとともに、高さが増加していく形状を有する。水平配列区間側入口の左右幅は、実質的に複数の光ファイバ210の直径の和以上であってもよく、高さは、実質的に光ファイバ210の直径以上であってもよい。垂直配列区間側入口の形状は、垂直配列区間240に位置する複数の光ファイバ210の断面形状により決定されてもよい。例えば、漏斗130は、入口(すなわち、垂直配列区間側入口)がフラットな漏斗状であってもよい。それによって、水平に配列された複数の光ファイバ210は、水平配列区間側入口を介して挿入される場合、垂直配列区間側入口を介して外部へ引き出されるとともに垂直に配列され得る。一方、垂直に配列された複数の光ファイバ210は、垂直配列区間側入口を介して挿入される場合、水平配列区間側入口を介して外部へ引き出されるとともに水平配列に配列され得る。漏斗130は、合成樹脂などで形成されてもよい。
【0052】
1つの実施例としては、複数の光ファイバ210の配列状態を維持及び/又は保護する第2の断熱部材140は、垂直配列区間240の少なくとも一部に形成され得る。第2の断熱部材140は、熱伝達率が低い物質を複数の光ファイバ210にコーティングすることにより形成され得る。第2の断熱部材140の断面形状は、垂直配列区間240に位置する複数の光ファイバ210の断面形状により決定されてもよい。1つの実施例としては、第2の断熱部材140は、合成樹脂を垂直配列区間240の少なくとも一部にコーティングすることにより形成されてもよい。別の実施例としては、第2の断熱部材140は、合成樹脂で形成されたパイプ(pipe)であってもよい。また別の実施例としては、第2の断熱部材140は、漏斗130と一体に形成されてもよい。つまり、第2の断熱部材140は、漏斗130の垂直配列区間側入口から光ファイバ210の長さ方向へ延在してもよい。
【0053】
センサコネクタ150は、オス型端子(male connector)150aと、メス型端子(female connector)150bとを含む。オス型端子150aが垂直配列区間240に結合される。つまり、複数の光ファイバ210の他端212がオス型端子150aの内部に挿入される。メス型端子150bは、電子装置10の内部の基板などに付着され、内部空間にオス型端子150aが収納される。光学センサ300がメス型端子150bに結合される。オス型端子150aがメス型端子150bの内部に挿入されることで、複数の光ファイバ210の他端212と光学センサ300とが光学的に結合される。
【0054】
光学センサ組立体100は、フラットコネクタ110をさらに含むことができる。フラットコネクタ110が水平配列区間220に結合される。つまり、複数の光ファイバ210の一端211がフラットコネクタ110に配置される。フラットコネクタ110は、蓋(cover)110aと支持体110bとを含むことができる。フラットコネクタ110は、ミラー(mirror)110cをさらに含むことができる。つまり、複数の光ファイバ210の一部は、支持体110bに配置され、支持体110bに結合された蓋110aを介して固定される。複数の光ファイバ210の一端211は、ミラー110cに向かって配置される。フラットコネクタ110は、フレーム11とディスプレイ13との間の空間14に配置される。
【0055】
図5は、光学センサ組立体のセンサコネクタの1つの実施例を例示的に示す図であり、
図5の(a)は、オス型端子150aの正面、側面、裏面及び上面を示し、(b)は、メス型端子150bの正面、側面及び裏面を示し、(c)は、光学センサ300の上面及び側面を示す。
【0056】
オス型端子150aは、複数の光ファイバ210の挿入口152aが裏面に形成されるとともに、露出口153aが正面に形成されるオス型端子本体151aを含む。それによって、オス型端子150aの内部に挿入された複数の光ファイバ210の少なくとも一部を外部に露出させる開口154aは、オス型端子本体151aの上面に形成される。メス型端子150bに締結された締結突出155aは、オス型端子本体151aの左右側面のうちの1つ又は全てに形成される。
【0057】
オス型端子本体151aの挿入口152aは、露出口153aよりも大きく形成されてもよい。挿入口152aの左右幅が露出口153aの左右幅よりも大きくてもよく、及び/又は挿入口152aの高さが露出口153aの高さよりも大きくてもよい。つまり、挿入口152aの面積が露出口153aの面積よりも大きくてもよい。挿入口152aが複数の光ファイバ210の垂直配列区間240の断面よりも大きいように形成されると、複数の光ファイバ210をオス型端子150aの内部に容易に挿入することができる。露出口153aの形状が垂直配列区間240の断面形状と実質的に同じであってもよいが、挿入口152aの形状が垂直配列区間240の断面形状により制限されない。
【0058】
メス型端子150bは、オス型端子150aを挿入するための挿入口152bが裏面に形成され、光学センサ300を締結するための露出口153bが正面に形成されるメス型端子本体151bを含む。メス型端子本体151bの側面には、締結突出155aを収納するための締結溝155bが形成される。メス型端子本体151bの側面154bにおいて、挿入口152bから締結溝155bを越えて水平に延在している水平溝156b、157bは、それぞれ締結溝155bの上部及び下部に形成される。オス型端子150aが挿入されると、水平溝156b、157bによってメス型端子本体151bの側面15b4が外側へ湾曲され、これにより、オス型端子150aとメス型端子150bとの締結を実現することができる。
【0059】
光学センサ300は、基板310と光学センサチップ(chip die)320とを含み、選択的には、発光ダイオード330をさらに含むことができる。光学センサチップ320は、照度センサチップ、近接センサチップ又は近接照度センサチップであってもよい。発光ダイオード330は、可視光、近赤外線又は紫外線波帯の検出光を照射することができる。近接センサチップ又は近接照度センサチップは、物体により反射された検出光を受光することで、検出信号を生成することができ、前記検出信号は、任意の物体が電子装置に近接するか否かを判断するのに必要なものである。光学センサ300は、基板の両面のうちチップが付着された面を露出口153bに向けるようにすることにより、メス型端子150bに結合する。
【0060】
図6は、光学センサ組立体のセンサコネクタの製造及び設置のプロセスを例示的に示す図である。
【0061】
センサコネクタ150によって、複数の光ファイバ210と光学センサ300とを光学的に結合する。メス型端子150bの面を電子装置10の内部の基板15にボンディングし、光学センサ300をメス型端子150bに結合される状態で基板15に電気的に接続することができる。オス型端子150aを複数の光ファイバ210に結合される状態でメス型端子150bの内部に挿入して締結し、これにより、光ファイバ210の他端212を光学センサ300に向けるようにする。光ファイバ210の他端を通過する光は、光学センサ300に向かって、光学センサ300により生成された光は、他端212を介して光ファイバ210へ伝達される。
【0062】
光学センサ300は、導電経路313が印刷された基板310'又は導電経路313が延在して得られた基板310に光学センサチップ320及び/又は反射ダイオード330を電気的に結合することで製造することができる。導電経路313は、基板310'の両面のうちの任意の一面又は両面に印刷され、基板310'を貫通する複数の導電貫通孔314に接続され得る。導電経路313の一端は、光学センサチップ320及び/又は発光ダイオード330が付着された位置の近傍に形成され、他端は、導電貫通孔314に電気的に接続され得る。ここで、導電経路313の一端は、配線(wiring)を介して光学センサチップ320及び/又は発光ダイオード330のタッチパッドに電気的に接続可能な位置にある。
【0063】
光学センサ300の基板310は、複数の導電貫通孔314に沿って基板310'を切断することで製造される。複数の導電貫通孔314は、実質的に同じ直線に配列されるように形成されてもよい。導電貫通孔314の内部の少なくとも一部、例えば、内側面上には、導電物質がさらに蒸着されており、例えば、金属がメッキされている。導電貫通孔314の一部を残すように切断する場合、切断された貫通孔314を用いて、光学センサ300と電子装置10の基板15とを垂直に結合することができる。
【0064】
光学センサ300をメス型端子150bの露出口153bに結合し、そして、基板15に付着する。基板15のうち導電貫通孔314に対応する位置に導電性接触子が配置される。導電貫通孔314は、例えば、溶接によって導電性接触子に電気的に接続され得る。
【0065】
また、複数の光ファイバ210の他端212をオス型端子150aの挿入口152aに挿入することにより、露出口153aを介して他端212の少なくとも一部をオス型端子150aの外部に露出させることができる。他端212が露出した光ファイバ210を垂直方向に沿って切断することにより、複数の光ファイバ21の他端212を実質的に同じ平面に位置させることができる。
【0066】
複数の光ファイバ210をオス型端子150aの内部に配置した後、又は、露出された光ファイバ210を垂直に切断した後に、複数の光ファイバ210を固定するために、開口154aを介して、光硬化エポキシ樹脂などの合成樹脂をオス型端子150aの内部に注入する。合成樹脂を硬化させた後、オス型端子150aをメス型端子150bに挿入する。オス型端子150aの締結突出155aをメス型端子150bの締結溝155bに収納することにより、光学センサ300と複数の光ファイバ210とを光学的に結合する。
【0067】
図7は、光学センサ組立体のセンサコネクタの別の実施例を例示的に示す図である。
【0068】
光学センサ300に含まれた光学センサチップ320は、光ファイバ210に伝達された光を検出することで、電気信号を生成する受光部321と、受光部の周囲に形成された回路とを含む。同様に、発光ダイオード330は、光を生成する発光部と、発光部の周囲に形成された回路とを含むことができる。光学センサチップ320の受光部321は、電子装置10の内部に入射された周囲光及び反射された検出光を受光する。受光部321が光学センサチップ320の上面に占有する面積、受光部321の位置、及び/又は受光部321と発光部との間の距離によって、複数の光ファイバ210の他端212の配置位置が異なる可能性がある。以下、受光部321の右側領域が反射された検出光を受光し、左側領域が周囲光を受光すると仮定する。また、垂直配列区間240によって、16個の光ファイバ210が三列(5-6-5)に積層されると仮定する。
【0069】
図7の(a)及び(b)は、光学センサチップ用の露出口153a1、153a3と、発光ダイオード用の露出口153a2、153a4とが分離される構造を示す。ここで、光学センサチップ用の露出口153a1、153a3及び発光ダイオード用の露出口153a2、153a4の形状は、例示的なものに過ぎず、複数種の変更として実施されてもよい。
【0070】
図7の(a)において、15個の他端212a、212cは、光学センサチップ用の露出口153a1に配置されてもよく、1つの他端212bは、発光ダイオード用の露出口153a2に配置されてもよい。周囲光を発光する他端212aは、光学センサチップ用の露出口153a1の左側に配置されてもよく、反射された検出光を発光する他端212cは、右側に配置されてもよい。発光ダイオード330に対応する位置に配置される他端212bは、検出光を受光する。例えば、他端212bを有する光ファイバ210は、中間列の最左側に配置されてもよく、他端212cを有する光ファイバ210は、各列の最右側に配置されてもよい。
【0071】
図7の(b)において、13個の他端212a、212cは、光学センサチップ用の露出口153a3に配置されてもよく、3つの他端212bは、発光ダイオード用の露出口153a4に配置されてもよい。周囲光を発光する他端212aは、光学センサチップ用の露出口153a3の左側に配置されてもよく、反射された検出光を発光する他端212cは、右側に配置されてもよい。例えば、他端212bを有する光ファイバ210は、各列の最左側に配置されてもよく、他端212cを有する光ファイバ210は、各列の最右側に配置されてもよい。
【0072】
図8は、光学センサ組立体のセンサコネクタのまた別の実施例を例示的に示す図である。
【0073】
また、
図8の(a)及び(b)を参照すると、光学センサ300の光学センサチップ320と発光ダイオード330とは、光学的に分離可能である。
図8の(a)は、オス型端子150aとメス型端子150bとが締結される場合、光学センサチップ320と発光ダイオード330とが光学的に分離される構造を例示的に示し、(b)は、オス型端子150aとメス型端子150bとの締結状態での断面を例示的に示す。分離壁158bは、メス型端子150bの露出口153bに配置される。分離壁収納溝158aは、オス型端子150aの正面に形成されてもよい。分離壁収納溝158aが形成された構造では、分離壁158bの少なくとも一部が分離壁収納溝158aに収納され得る。分離壁158bの高さh1は、光学センサチップ320及び発光ダイオード33のうちの、厚いチップの厚さよりも長くてもよい。
【0074】
図8の(c)を参照すると、光学センサチップ320と発光ダイオード330とを光学的に分離する分離壁159aは、オス型端子150aの正面に形成されてもよい。分離壁159aの高さh2は、オス型端子150aとメス型端子150bとが締結される状態で、オス型端子150aの正面と光学センサ300の基板310との間の距離以下であってもよい。
【0075】
図9は、光学センサの実施例を例示的に示す図である。
図4~
図8に示す光学センサ300と比較すると、
図9に示す光学センサ300'は、光学センサチップ320の上部に形成された透光レンズ341をさらに含む。以下の説明では、光学センサ用の透光レンズ341と、発光ダイオード用の透光レンズ342とは、同じプロセスにより形成される。しかし、発光ダイオード330がコリメーティングレンズ(collimating lens)を含む状態で基板310に付着され得るため、必ずしも発光ダイオード用の透光レンズ342を形成する必要がないとして理解することができる。
【0076】
また、
図9の(a)及び(b)を参照すると、光学センサ用の透光レンズ341及び発光ダイオード用の透光レンズ342は、それぞれ光学センサチップ320及び発光ダイオード330の上部に形成される。
図9の(a)は、透光レンズを含む光学センサ300'を例示的に示し、(b)は、オス型端子150aとメス型端子150bとが締結される状態での光学センサ300'の断面を例示的かつ簡略に示す。光学センサ用の透光レンズ341の機能は、他端212から出射された周辺光及び反射された検出光の受光効果を向上させることである。発光ダイオード用の透光レンズ342の機能は、発光ダイオード330により生成された検出光の真直度を向上させることである。光学センサ用の透光レンズ341及び発光ダイオード用の透光レンズ342は、光学的に透明な透光レンズ支持体340の上面に形成される。透光レンズ支持体340は、例えば、光硬化エポキシ樹脂を基板310又は310'に規定された厚さで積層することにより形成されてもよい。光学センサ用の透光レンズ341及び発光ダイオード用の透光レンズ342は、透光レンズ金型に光硬化エポキシ樹脂を押圧することにより形成されてもよい。光学センサ用の透光レンズ341及び発光ダイオード用の透光レンズ342が上面に形成される透光レンズ支持体340は、例えば、紫外線などで光硬化され得る。遮光ケース350は、硬化された透光レンズ支持体340を包むように形成される。遮光ケース350の上面に、光学センサ透光レンズ用の開口351及び発光ダイオード用透光レンズの開口352が形成されることで、光学センサ用の透光レンズ341及び発光ダイオード用の透光レンズ342が露出される。遮光ケース350は、光学センサチップ320と発光ダイオード330とを光学的に分離する分離壁353をさらに含む。
【0077】
図10は、フラットコネクタの1つの実施例を例示的に示す図であり、
図10の(a)は、蓋110aの正面、側面及び上面を示し、(b)は、支持体110bの正面、側面及び上面を示す。
【0078】
図10の(a)において、蓋110a、上板111a及び上板111aの左右側は、それぞれ下部へ延在している側壁113aを含む。上板111aの底面112aには、光ファイバ210が少なくとも部分的に収納される複数の半球状溝が形成されてもよい。蓋110aと支持体110bとの間に配置された複数の光ファイバ210の少なくとも一部を外部に露出させる開口114aは、上板111aに形成される。複数の光ファイバ210を固定するために、光硬化エポキシ樹脂などを開口154aを介してオス型端子150aの内部に注入することができる。複数の蓋110aを支持体110bに固定する締結突出115aは、側壁113aに形成されてもよい。
【0079】
図10の(b)において、支持体110bは、下板111bと、下板111bの左右側に結合されるとともに、水平方向に下板111bを越えて延在している上部側壁112bと、上部側壁112bの延在部分から下部へ延在している下部側壁113bと、下板111bから下部へ延在しているとともに、下部側壁113bの間に接続される垂直壁114bとを含む。下板111bの上部に複数の光ファイバ210が配置される。締結溝115bは、上部側壁112bにおける、締結突出115aに対応する位置に形成される。蓋110aを対向する上部側壁112bの間に挿入し、締結突出115aを締結溝115bに収納すると、蓋110aと支持体110bとが締結される。上部側壁112bの延在部分には、ミラー110cを挿入するための挿入溝114bが形成されてもよい。
【0080】
図11は、フラットコネクタの複数の実施例を例示的に示す図である。
【0081】
フラットコネクタ110には、複数の光ファイバ210の一端211が配置され、電子装置10の内部に入射された光を受光するように、例えば、表示パネル13とフレーム11との間に支持体110bの少なくとも一部が配置される。下部側壁113bと垂直壁114bとで画定された空間110dは、フラットコネクタ110の内部に入った光を複数の光ファイバ210に入射するように、通過する光路を提供する。空間110dを通過した光の前進方向と光ファイバ210の長さ方向とは実質的に垂直であり、従って、光の前進方向を変更する構造は、
図11の(a)、(b)及び(c)に例示的に示される。
【0082】
図11の(a)を参照すると、ミラー110cが示される。前記ミラー110cは、光ファイバ210の長さ方向及び空間110を通過した光の前進方向に対して、約45度となるように、傾斜して配置される。光ファイバ210の一端211から出射された検出光331は、ミラー110cにより約90度屈曲され、これにより、空間110dに向かうようになる。また、空間110dに入った反射検出光332及び周囲光321は、ミラー110cにより約90度屈曲され、これにより、光ファイバ210の一端211に向かうようになる。ここで、ミラー110cは、プリズムで代替することができる。
【0083】
図11の(b)を参照すると、光ファイバ210の一端211'は、約45度傾斜するように形成され、蓋111a側に向かって配置されている。傾斜して形成された一端211'は、光ファイバ210と空気との間の界面であり、光ファイバ210から出射された光が空間110dに向かって屈曲されるようになる。また、空間110dに入った反射検出光332及び周囲光321は、一端211'により屈曲され、これにより、光ファイバ210の内部へ入射される。
【0084】
図11の(c)を参照すると、垂直導光板110eは、ファイバ210の一端211に光学的に結合されてもよい。垂直導光板110eの一端は、約45度傾斜する傾斜面111eであり、傾斜面111eは、光ファイバ210の一端211に向かう対向面に配置される。傾斜面111eは、垂直導光板110eと空気との間の界面であり、光が屈曲されて前進方向を変えることができる。光ファイバ210から出射された検出光331は、光学的に結合された光ファイバ210と垂直導光板110との間の界面を通過した後、垂直導光板110dの他端に向かうように、傾斜面111eにより屈曲される。また、垂直導光板110eの他端に入射された反射検出光332及び周囲光321は、光ファイバ210に向かうように、傾斜面111eにより屈曲される。
【0085】
図12は、光学センサ組立体の別の実施例を例示的に示す図であり、曲線化された水平配列区間の光学センサ組立体100を示す。
【0086】
また、
図12の(a)及び(b)を参照すると、水平配列区間220の少なくとも一部は、曲線化されてもよい。水平配列区間220は、第1の直線区間221と、曲線区間222と、第2の直線区間223とを含むことができる。曲線区間222が第1の直線区間221と第2の直線区間222との間に設けられる。曲線区間222によって、複数の光ファイバ210の一端211がカバーガラス12の下面に直接光学的に結合されることが可能になり、第2の直線区間222が電子装置10のフレーム11と距離dで分離される。曲線区間222が存在しなくても、光学センサ組立体100をパッケージすることによっても、複数の光ファイバ210の一端211がカバーガラス12の下面に直接光学的に結合され得る。この場合、センサコネクタ150がフレーム11とほぼ密着する形態で配置されるべきであるため、電子装置10の内部構造設計上において、新しい制限要素となる恐れがある。従って、複数の光ファイバ210がカバーガラス12の下面に直接結合されるとともに、フレーム11と適宜な距離dで分離されることを確保するために、曲線区間222を必要とする可能性がある。
【0087】
図12の(a)において、第1の直線区間221と第2の直線区間223とは、実質的に平行であってもよい。距離dは、第1の直線区間221と第2の直線区間223とが水平に分離される距離であり、従って、センサコネクタ150は、曲線区間222によりフレーム11と分離され、これにより、電子装置10の内部の基板15に配置され得る。
【0088】
また、
図12の(b)において、第1の直線区間221と第2の直線区間223'とは、実質的に垂直であってもよい。センサコネクタ150は、曲線区間222により、フレーム11と少なくとも距離d以上分離され、これにより、電子装置10の内部の基板15に配置され得る。
【0089】
図13は、光学センサ組立体のまた別の実施例を例示的に示す図であり、
図12の(a)に示す構造では、センサコネクタ150'が光ファイバと一体に形成される。
【0090】
複数の光ファイバ210と光学センサ300とは、光学的に結合されて一体化されてもよい。結合部材340'は、基板310又は310'の上部に、光硬化エポキシ樹脂などの光学的に透明な材質を規定された厚さで積層することで形成され、硬化されると、光ファイバ210の他端が固定される。硬化された光硬化エポキシ樹脂が光ファイバ210の少なくとも一部に挿入され、そして、紫外線などにより硬化されると、結合部材340'を介して光学センサ300と一体化される。結合部材340'は、光ファイバ210の他端212から出射された周囲光及び/又は反射された検出光を光学センサチップ320へ伝達し、発光ダイオード330から出射された検出光を他端212へ伝達することができる。遮光ケース350は、硬化された結合部材340'を包むように形成される。遮光ケース350は、光学センサチップ320と発光ダイオード330とを光学的に分離する分離壁353をさらに含むことができる。
【0091】
図14は、光学センサ組立体のまた別の実施例を例示的に示す図である。
【0092】
複数の光ファイバ210は、周囲光を光学センサに伝達する受光用の光ファイバ210aと、反射された検出光を光学センサ300に伝達する受光用の光ファイバ210cと、外部に検出光を伝達する発光用の光ファイバ210bとを含む。検出光と、反射された検出光との間に生じ得る干渉(crosstalk)を減少又は防止するために、受光用の光ファイバ210cと発光用の光ファイバ210bとは、規定された間隔で配置され得る。1つの実施例としては、
図14に示すように、受光用の光ファイバ210a、210cと、発光用の光ファイバ210bとは、規定された距離dcで分離され得る。別の実施例としては、示されるが、受光用の光ファイバ210cと、発光用の光ファイバ210bとは、両者の間に配置された複数の受光用の光ファイバ210aを介して、実際に規定された距離で分離され得る。また、受光用の光ファイバ210a、210c、及び発光用の光ファイバ210bは、熱伝達率が低い物質により形成された断熱部材120'でコーティングされて得る。
【0093】
以上の本発明の説明は、例示的なものであり、当業者が本発明の技術要旨又は必要な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に変形できることを理解できる。従って、以上に記載の実施例は、非全面的且つ非限定的なものとして理解すべきである。特に、図面を参照して説明した本発明の特徴は、特定の図面に示す構造に限定されず、独立して、又は他の特徴と組み合わせて実現することができる。
【0094】
前記詳細な説明に比べて、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に示され、特許請求の範囲の意味、範囲及びそれらの等価概念から推測された全ての変更又は変形の形態は、本発明の範囲に属する。