(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 1/28 20060101AFI20230208BHJP
G06F 1/3234 20190101ALI20230208BHJP
G04G 19/00 20060101ALN20230208BHJP
【FI】
G06F1/28
G06F1/3234
G04G19/00 Z
(21)【出願番号】P 2018193070
(22)【出願日】2018-10-12
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】喜多 一記
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-153972(JP,A)
【文献】特開2013-251047(JP,A)
【文献】特開2005-293519(JP,A)
【文献】特開2014-207814(JP,A)
【文献】特開2010-256160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/28
G06F 1/32
G04G 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機能を実行する実行手段と、
発電手段と、
前記実行手段により前記所定の機能が実行された際に消費される消費電力量と、前記発電手段により発電される発電量と、を取得する第1の取得手段と、
過去の各日時或いは各場所において前記第1の取得手段により取得された前記消費電力量と前記発電量に基づいて、将来の所定の日時或いは所定の場所における前記消費電力量と前記発電量を推定する推定手段と、
前記
推定手段により
推定された前記消費電力量と前記発電量とに基づいて、前記実行手段による前記所定の機能の実行を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
蓄電手段を備え、
前記第1の取得手段は、前記蓄電手段に蓄電される蓄電量を取得し、
前記制御手段は、前記第1の取得手段により取得された前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とに基づいて、前記実行手段による前記所定の機能の実行を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記所定の機能は、複数種からなり、
前記第1の取得手段は、前記実行手段により前記所定の機能のそれぞれが実行された際に消費される消費電力量を取得し、
前記制御手段は、前記第1の取得手段により取得された前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とに基づいて、前記実行手段による前記複数種の所定の機能の実行を制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記推定手段は、過去の各日時において前記第1の取得手段により取得された前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とが対応付けられて記憶されたデータログを参照し、将来の所定の日時の前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とを推定
し、
前記制御手段は、前記推定手段により推定された前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とに基づいて、前記実行手段による前記複数種の所定の機能の実行を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
ユーザーのスケジュール情報を取得する第2の取得手段を備え、
前記推定手段は、前記第2の取得手段により取得されたユーザーのスケジュール情報に基づいて、前記将来の所定の日時として各予定の日時の前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とを推定する、
ことを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記推定手段は、各場所において前記第1の取得手段により取得された前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とが対応付けられて記憶されたデータログを参照し、所定の場所における前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とを推定
し、
前記制御手段は、前記推定手段により推定された前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とに基づいて、前記実行手段による前記複数種の所定の機能の実行を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項7】
ユーザーのスケジュール情報を取得する第2の取得手段を備え、
前記推定手段は、前記第2の取得手段により取得されたユーザーのスケジュール情報に基づいて、前記所定の場所として各予定が実行される場所における前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とを推定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記発電手段を複数種備え、
前記推定手段は、前記発電手段ごとに前記発電量を推定し、
前記制御手段は、前記実行手段による前記複数種の所定の機能の実行を制御する際に、前記推定手段により推定された前記発電手段ごとの前記発電量に基づいて、使用する発電手段を前記複数種の発電手段のうちから選択する、
ことを特徴とする請求項4~7のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記発電手段を複数種備え、
前記第1の取得手段は、前記発電手段ごとに前記発電量を取得し、
各場所において前記第1の取得手段により取得された前記発電手段ごとの発電量が記憶されたデータログを参照し、当該各場所よりも広い領域である各地域における前記発電手段ごとの発電量レベルを導出する導出手段を備え、
前記制御手段は、前記実行手段による前記複数種の所定の機能の実行を制御する際に、前記導出手段により導出された前記発電量レベルに基づいて、所定の場所で使用する発電手段を前記複数種の発電手段のうちから選択する、
ことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項10】
前記データログを記憶した記憶手段を備えることを特徴とする請求項4~9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
発電手段を備える制御装置の制御方法であって、
所定の機能を実行する実行工程と、
前記実行工程により前記所定の機能が実行された際に消費される消費電力量と、前記発電手段により発電される発電量と、を取得する取得工程と、
過去の各日時或いは各場所において前記取得工程により取得された前記消費電力量と前記発電量に基づいて、将来の所定の日時或いは所定の場所における前記消費電力量と前記発電量を推定する推定工程と、
前記
推定工程により
推定された前記消費電力量と前記発電量とに基づいて、前記実行工程による前記所定の機能の実行を制御する制御工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項12】
発電手段を備える制御装置のコンピュータを、
所定の機能を実行する実行手段、
前記実行手段により前記所定の機能が実行された際に消費される消費電力量と、前記発電手段により発電される発電量と、を取得する取得手段、
過去の各日時或いは各場所において前記取得手段により取得された前記消費電力量と前記発電量に基づいて、将来の所定の日時或いは所定の場所における前記消費電力量と前記発電量を推定する推定手段、
前記
推定手段により
推定された前記消費電力量と前記発電量とに基づいて、前記実行手段による前記所定の機能の実行を制御する制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池の電力を蓄積するバッテリの端子電圧が低下した場合、太陽光照射量の多い経路を再探索して車両を案内する車両用経路案内装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている車両用経路案内装置では、太陽光照射量の多い経路を再探索できなかった場合に、当該装置の発電量を増やすことができない場合があった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、装置の発電量を増やせない場合であっても、装置の使用時間を延ばすことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る制御装置は、
所定の機能を実行する実行手段と、
発電手段と、
前記実行手段により前記所定の機能が実行された際に消費される消費電力量と、前記発電手段により発電される発電量と、を取得する第1の取得手段と、
過去の各日時或いは各場所において前記第1の取得手段により取得された前記消費電力量と前記発電量に基づいて、将来の所定の日時或いは所定の場所における前記消費電力量と前記発電量を推定する推定手段と、
前記推定手段により推定された前記消費電力量と前記発電量とに基づいて、前記実行手段による前記所定の機能の実行を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置の発電量を増やせない場合であっても、装置の使用時間を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態の端末装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態1の機能制御処理を示すフローチャートである。
【
図4】実施形態2の機能制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の制御装置、制御方法及びプログラムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
[実施形態1]
≪端末装置100の概略構成≫
本実施形態の端末装置(制御装置)100は、身の回りにあるわずかなエネルギーを電力に変換し利用することのできる所謂エネルギーハーベスト手段(発電部14)を備えた端末装置であって、ユーザーが身に着けて使用するウエアラブル端末(例えば、リストバンド型アクティビティトラッカー、腕時計型スマートウォッチ、眼鏡型端末等)から構成されている。以下では、端末装置100として、腕時計型スマートウォッチを例に挙げて説明する。
【0011】
図1は、本発明を適用した一実施形態の端末装置100の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、端末装置100は、CPU(Central Processing Unit)1と、RAM(Random Access Memory)2と、記憶部3と、操作部4と、表示部5と、通信部6と、計時部7と、測位部8と、生体情報センサ部9と、環境情報センサ部10と、音声出力部11と、電源供給部12と、二次電池13と、発電部14とを備えている。また、端末装置100の各部は、バスBを介して接続されている。
【0012】
CPU(実行手段、第1の取得手段、制御手段、推定手段、第2の取得手段、導出手段)1は、操作部4から入力される制御信号に基づいて、記憶部3に記憶されているシステムプログラムやアプリケーションプログラムといった各種プログラムを読み出し、RAM2のワークエリアに展開し、当該各種プログラムを逐次実行する。
【0013】
RAM2は、例えば、揮発性のメモリであり、CPU1により読み出された各種プログラムやデータを一時的に格納するワークエリアを有する。
【0014】
記憶部(記憶手段)3は、例えば、フラッシュメモリなどにより構成される。記憶部3には、CPU1で実行される各種プログラム(システムプログラムやアプリケーションプログラム)、当該各種プログラムの実行に必要なデータ(データログ(後述)を含む)等が記憶されている。
【0015】
操作部4は、例えば、端末装置100の電源のON/OFFに係る電源ボタン、上下左右のカーソルボタンや決定ボタン等を備えている。各種ボタンが操作されると、操作部4は、操作されたボタンに応じた操作指示をCPU1に出力する。
【0016】
なお、操作部4は、表示部5と一体となって設けられたタッチパネルを有していても良く、ユーザーによるタッチパネルの所定操作に基づいて、当該所定操作に応じた操作指示をCPU1に出力しても良い。
【0017】
表示部5は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ等から構成されている。表示部5には、CPU1から出力される表示信号の指示に従って、例えば、端末装置100の電池残量表示画面や、ユーザー所望のアプリケーションプログラムの起動/終了等を指示するための操作画面などの各種画面が表示される。
【0018】
通信部6は、外部の機器と無線によりデータ通信を行うためのインターフェースである。具体的には、通信部6は、例えば、アンテナ、変復調回路、信号処理回路等により構成されており、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)等の規格により通信を行う。
【0019】
計時部7は、計時回路を内蔵し、現在の時刻及び日付(曜日を含む)を計時して現在の時刻情報(日時データ)として出力する。
【0020】
測位部8は、端末装置100の現在位置(緯度、経度、高度)を計測する部分であり、衛星測位システムからの所定の情報を受信可能なGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機が用いられる。測位部8は、所定時間(例えば、1分)ごとに、端末装置100の現在位置等を示す測位データをCPU1に出力する。
【0021】
生体情報センサ部9は、ユーザーの体温、心電、心拍等の生体情報を検出可能な各種センサを備え、測定結果をCPU1に出力する。
【0022】
環境情報センサ部10は、3軸加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ等の端末装置100の動きを検出可能なモーションセンサや、端末装置100の周囲の環境情報を取得可能な温度・湿度計、気圧・高度計、光度計などを備え、測定結果をCPU1に出力する。
【0023】
音声出力部11は、DAコンバーター、アンプ、スピーカー等により構成される。音声出力部11は、音声出力時に音声データをアナログ音声データに変換してスピーカーから出力する。
【0024】
電源供給部12は、端末装置100の各部の動作に用いられる電力を二次電池13に蓄えて出力する。
【0025】
二次電池(蓄電手段)13は、充電された電力を出力可能な充電池であり、例えば、リチウムイオン電池である。
【0026】
発電部14は、発電を行って得られた電力を整流して電源供給部12に送る。発電部14は、例えば、太陽電池(発電手段)14aと、振動発電器(発電手段)14bとを備えている。太陽電池14aは、光起電力効果を利用し光エネルギーを電力に変換する。振動発電器14bは、端末装置100の振動により発生する圧力を、圧電素子などを用いて電力に変換する。
【0027】
≪端末装置100の動作≫
次に、本実施形態における端末装置100の動作について説明する。
【0028】
<ログ記録処理>
図2は、ログ記録処理を示すフローチャートである。
図2に示すように、先ず、端末装置100のCPU1は、計時部7から日時データを取得する(ステップS1)。
【0029】
次いで、CPU1は、測位部8から測位データを取得する測位タイミングであるか否かを判定する(ステップS2)。
【0030】
ステップS2において、測位タイミングではないと判定された場合(ステップS2;NO)、CPU1は、処理をステップS1に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
一方、ステップS2において、測位タイミングであると判定された場合(ステップS2;YES)、CPU1は、測位部8から測位データを取得する(ステップS3)。
【0031】
次いで、CPU1は、日時データと測位データを取得した時点での発電部14による発電量を取得する(ステップS4)。具体的には、CPU1は、太陽電池14aによる発電量と振動発電器14bによる発電量とをそれぞれ取得する。なお、発電部14による発電量は、CPU1による算出によって取得されるようにしても良い。また、例えば、記憶部3に太陽電池14aと振動発電器14bの発電量を示すテーブルを記憶しておき、CPU1は、このテーブルから太陽電池14aと振動発電器14bの発電量を取得するようにしても良い。
【0032】
次いで、CPU1は、日時データと測位データを取得した時点での端末装置100の各部による消費電力量を取得する(ステップS5)。なお、端末装置100の各部による消費電力量は、CPU1による算出によって取得されるようにしても良い。また、例えば、記憶部3に機能毎の消費電力量を示すテーブルを記憶しておき、CPU1は、このテーブルから端末装置100の各部による消費電力量を取得するようにしても良い。
【0033】
次いで、CPU1は、日時データと測位データを取得した時点での二次電池13の蓄電量(充電量)を取得する(ステップS6)。なお、二次電池13の蓄電量(充電量)は、CPU1による算出によって取得されるようにしても良い。
【0034】
次いで、CPU1は、日時データが示す日時と測位データが示す位置(現在位置)とに対応付けて、ステップS4~ステップS6で取得された発電量、消費電力量及び蓄電量を記憶部3のデータログに記録する(ステップS7)。そして、CPU1は、データログへの記録を終えると、処理をステップS1に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0035】
<機能制御処理>
図3は、機能制御処理を示すフローチャートである。
図3に示すように、先ず、端末装置100のCPU1は、記憶部3のデータログを参照し、機能制御の対象時刻(例えば、現在時刻、現在時刻から数分後の時刻、現在時刻から数時間後の時刻など)での消費可能な電力量を推定する(ステップS11)。例えば、機能制御の対象時刻が現在時刻から数分後の時刻である場合、CPU1は、記憶部3のデータログを参照し、現在時刻から数分後の時刻及び現在時刻から数分後の時刻の位置に対応する発電量及び蓄電量の各データを取得する。ここで、現在時刻から数分後の時刻及び現在時刻から数分後の時刻の位置に対応する発電量及び蓄電量の各データが存在しない場合には、当該現在時刻から数分後の時刻及び当該現在時刻から数分後の時刻の位置に近い条件の日時及び位置に対応する発電量及び蓄電量の各データを取得する。そして、CPU1は、取得された各データに基づいて、現在時刻から数分後の時刻の発電量と蓄電量とを足し合わせた電力量を当該現在時刻から数分後の時刻の消費可能な電力量として推定する。
【0036】
次いで、CPU1は、記憶部3のデータログを参照し、機能制御の対象時刻(例えば、現在時刻、現在時刻から数分後、現在時刻から数時間後など)での消費電力量を推定する(ステップS12)。例えば、機能制御の対象時刻が現在時刻から数分後の時刻である場合、CPU1は、記憶部3のデータログを参照し、現在時刻から数分後の時刻及び現在時刻から数分後の時刻の位置に対応する消費電力量のデータを取得する。ここで、現在時刻から数分後の時刻及び現在時刻から数分後の時刻の位置に対応する消費電力量のデータが存在しない場合には、当該現在時刻から数分後の時刻及び当該現在時刻から数分後の時刻の位置に近い条件の日時及び位置に対応する消費電力量のデータを取得する。そして、CPU1は、取得された消費電力量のデータに基づいて、当該消費電力量を現在時刻から数分後の時刻の消費電力量として推定する。
【0037】
次いで、CPU1は、ステップS11で推定された消費可能な電力量がステップS12で推定された消費電力量より十分大きいか否かを判定する(ステップS13)。ここで、CPU1は、ステップS11で推定された消費可能な電力量がステップS12で推定された消費電力量に所定の電力量を加えた電力量よりも大きい場合、消費可能な電力量が消費電力量より十分大きいと判定する。一方、CPU1は、ステップS11で推定された消費可能な電力量がステップS12で推定された消費電力量に所定の電力量を加えた電力量よりも大きくない場合、消費可能な電力量が消費電力量より十分大きくないと判定する。
【0038】
ステップS13において、消費可能な電力量が消費電力量より十分大きくないと判定された場合(ステップS13;NO)、CPU1は、当該消費可能な電力量と当該消費電力量とに基づいて、機能制御の対象時刻以降において使用を停止する機能(例えば、機能ブロック、アプリケーションプログラム等)を決定する(ステップS14)。
一方、ステップS13において、消費可能な電力量が消費電力量より十分大きいと判定された場合(ステップS13;YES)、CPU1は、機能制御処理を終了する。
【0039】
次いで、CPU1は、ステップS14で使用の停止が決定された機能を機能制御の対象時刻において停止させ(ステップS15)、機能制御処理を終了する。
【0040】
なお、ステップS14において、使用を停止する機能が決定された場合、CPU1は、例えば、当該決定に関するメッセージ情報を表示部5に表示させ、当該使用を停止する機能の手動停止をユーザーに促すようにしても良い。
また、ステップS15において、CPU1は、対象時刻において、決定された機能の使用を停止するとしたが、間欠的に動作させるとしてもよい。これにより機能の使用を一時的に停止することになるので、消費電力を抑制することが可能となる。
また、ステップS15において、CPU1は、機能の使用が100%まで達成できなければ機能から適切な出力がなされない機能(例えば、機能の使用が90%まで達成できても機能のアウトプットが行えない機能)については、ステップS14の決定処理時から停止するようにしても良い。
【0041】
以上のように、本実施形態の端末装置100は、複数の所定の機能を実行し、所定の機能のそれぞれが実行された際に消費される消費電力量と、発電部14により発電される発電量と、を算出し、算出された消費電力量と発電量とに基づいて、複数の所定の機能の実行を制御するので、端末装置100の発電状況に適した形で各機能の実行を制御することができる。
【0042】
また、本実施形態の端末装置100は、更に、二次電池13に蓄電される蓄電量を算出し、算出された消費電力量と発電量と蓄電量とに基づいて、複数の所定の機能の実行を制御するので、端末装置100の発電状況に加え蓄電状況にも適した形で各機能の実行を制御することができる。
【0043】
また、本実施形態の端末装置100は、過去の各日時において算出された消費電力量と発電量と蓄電量とが対応付けられて記憶されたデータログを参照し、将来の所定の日時の消費電力量と発電量と蓄電量とを推定し、推定された消費電力量と発電量と蓄電量とに基づいて、複数の所定の機能の実行を制御するので、将来の所定の日時における端末装置100の発電状況及び蓄電状況に適した形で各機能の実行を制御することができる。
【0044】
また、本実施形態の端末装置100は、各場所において算出された消費電力量と発電量と蓄電量とが対応付けられて記憶されたデータログを参照し、所定の場所における消費電力量と発電量と蓄電量とを推定し、推定された消費電力量と発電量と蓄電量とに基づいて、複数の所定の機能の実行を制御するので、所定の場所における端末装置100の発電状況及び蓄電状況に適した形で各機能の実行を制御することができる。
【0045】
[実施形態2]
次に、実施形態2について説明する。なお、上記実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態2の端末装置100では、ユーザーのスケジュール情報を取得し、当該スケジュール情報の予定時刻を対象として機能制御を行う点で実施形態1と異なっている。
【0046】
<機能制御処理>
図4は、機能制御処理を示すフローチャートである。
図4に示すように、先ず、端末装置100のCPU1は、ユーザーのスケジュール情報を記憶部3から取得する(ステップS21)。ここで、ユーザーのスケジュール情報は、スケジュール帳機能(例えば、カレンダー機能(予定表機能)、電子手帳機能、PIM機能など)が実行された際、記憶部3に適宜記憶された情報である。なお、ユーザーのスケジュール情報は、例えば、外部のサーバー装置に記憶させ、CPU1は、通信部6を介して、この外部のサーバー装置にアクセスすることによって、当該スケジュール情報の登録・更新を行ったり、当該スケジュール情報を適宜取得するようにしても良い。
【0047】
次いで、CPU1は、記憶部3のデータログを参照し、ユーザーのスケジュール情報の予定時刻での消費可能な電力量を推定する(ステップS22)。具体的には、CPU1は、記憶部3のデータログを参照し、予定時刻及び予定時刻の位置に対応する発電量及び蓄電量の各データを取得する。ここで、予定時刻及び予定時刻の位置に対応する発電量及び蓄電量の各データが存在しない場合には、当該予定時刻及び当該予定時刻の位置に近い条件の日時及び位置に対応する発電量及び蓄電量の各データを取得する。そして、CPU1は、取得された各データに基づいて、予定時刻の発電量と蓄電量とを足し合わせた電力量を当該予定時刻の消費可能な電力量として推定する。
【0048】
次いで、CPU1は、記憶部3のデータログを参照し、予定時刻での消費電力量を推定する(ステップS23)。具体的には、CPU1は、記憶部3のデータログを参照し、予定時刻及び予定時刻の位置に対応する消費電力量のデータを取得する。ここで、予定時刻及び予定時刻の位置に対応する消費電力量のデータが存在しない場合には、当該予定時刻及び当該予定時刻の位置に近い条件の日時及び位置に対応する消費電力量のデータを取得する。そして、CPU1は、取得された消費電力量のデータに基づいて、当該消費電力量を予定時刻の消費電力量として推定する。
【0049】
次いで、CPU1は、ステップS22で推定された消費可能な電力量がステップS23で推定された消費電力量より十分大きいか否かを判定する(ステップS24)。
【0050】
ステップS24において、消費可能な電力量が消費電力量より十分大きくないと判定された場合(ステップS24;NO)、CPU1は、予定時刻において全ての機能(例えば、機能ブロック、アプリケーションプログラム等)を停止した場合でも当該予定時刻における消費電力量が当該予定時刻における消費可能な電力量を上回るか否かを判定する(ステップS25)。
【0051】
ステップS25において、予定時刻において全ての機能を停止した場合、当該予定時刻における消費電力量が当該予定時刻における消費可能な電力量を上回らないと判定された場合(ステップS25;NO)、CPU1は、ステップS22で推定された消費可能な電力量とステップS23で推定された消費電力量とに基づいて、予定時刻以降において使用を停止する機能を決定する(ステップS26)。
【0052】
次いで、CPU1は、ステップS26で使用の停止が決定された機能を予定時刻において停止させ(ステップS27)、機能制御処理を終了する。
【0053】
また、ステップS25において、予定時刻において全ての機能を停止した場合でも当該予定時刻における消費電力量が当該予定時刻における消費可能な電力量を上回ると判定された場合(ステップS25;YES)、CPU1は、予定時刻まで消費電力量が最も低い機能のみを使用可能に制御し(ステップS28)、機能制御処理を終了する。
【0054】
また、ステップS24において、消費可能な電力量が消費電力量より十分大きいと判定された場合(ステップS24;YES)、CPU1は、機能制御処理を終了する。
【0055】
なお、ステップS26において、使用を停止する機能が決定された場合、CPU1は、例えば、当該決定に関するメッセージ情報を表示部5に表示させ、当該使用を停止する機能の手動停止をユーザーに促すようにしても良い。
また、ステップS27において、CPU1は、予定時刻において、決定された機能の使用を停止するとしたが、間欠的に動作させるとしてもよい。これにより機能の使用を一時的に停止することになるので、消費電力を抑制することが可能となる。
また、ステップS27において、CPU1は、機能の使用が100%まで達成できなければ機能から適切な出力がなされない機能(例えば、機能の使用が90%まで達成できても機能のアウトプットが行えない機能)については、ステップS26の決定処理時から停止するようにしても良い。
また、ステップS28において、CPU1は、予定時刻まで消費電力量が最も低い機能のみを使用可能に制御する代わりとして、例えば、各機能に関する優先度を予め設定しておき、当該予定時刻までの間はこの優先度に応じて各機能のON/OFFを制御するようにしても良い。
【0056】
以上のように、本実施形態の端末装置100は、ユーザーのスケジュール情報を取得し、取得されたユーザーのスケジュール情報に基づいて、各予定の日時の消費電力量と発電量と蓄電量とを推定するので、各予定の日時における端末装置100の発電状況及び蓄電状況に適した形で各機能の実行を制御することができる。
【0057】
また、本実施形態の端末装置100は、ユーザーのスケジュール情報を取得し、取得されたユーザーのスケジュール情報に基づいて、各予定が実行される場所における消費電力量と発電量と蓄電量とを推定するので、各予定が実行される場所における端末装置100の発電状況及び蓄電状況に適した形で各機能の実行を制御することができる。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0059】
例えば、上記実施形態では、発電部14において太陽電池14aと振動発電器14bを備えるようにしたが、発電手段はこれらに限定されるものではなく、例えば、回転する重錘と電磁誘導を用いた自動巻き発電や、熱電素子を用いて熱エネルギーを電力エネルギーに変換する熱電発電、マイクロ波をレクテナで受信し電力エネルギーに変換する電波による発電、ワイヤレス給電等を利用しても良い。
【0060】
また、上記実施形態では、ログ記録処理(
図2参照)において、CPU1は、日時と位置(現在位置)とに対応付けて、発電量、消費電力量及び蓄電量を記憶部3のデータログに記録するようにしたが、例えば、発電量と消費電力量と蓄電量のそれぞれを発電量データログ、消費電力量データログ、蓄電量データログといった個別のデータログに記録するようにしても良い。
【0061】
また、上記実施形態では、データログを記憶部3において記憶するようにしているが、例えば、当該データログを外部のサーバー装置に記憶させ、CPU1は、通信部6を介して、この外部のサーバー装置にアクセスすることによって、当該データログの記録・更新を行ったり、当該データログの情報を適宜取得するようにしても良い。
【0062】
また、上記実施形態では、データログを参照し、消費可能な電力量及び消費電力量を推定するようにしたが、当該データログのデータを加工したデータに基づいて、消費可能な電力量及び消費電力量を推定するようにしても良い。例えば、当該データログのデータを用いて統計をとりその統計結果に基づいて消費可能な電力量及び消費電力量を推定するようにしても良い。また、その他にも、データログのデータを用いてデータ解析や機械学習を行い、その結果に基づいて消費可能な電力量及び消費電力量を推定するようにしても良い。
【0063】
また、上記実施形態では、データログの代わりに、各日時における所定の地域別の発電量、消費電力量及び蓄電量に関する統計データもしくは予測データなどを通信部6を介して所定のサーバーやサービス提供システムから取得して、当該データに基づいて消費可能な電力量及び消費電力量を推定するようにしても良い。ここで、統計データや予測データにおける所定の地域とは、測位部8により測位される位置(場所)よりも広い領域(エリア)ごとに区切られた地域である。また、統計データや予測データは、上記のデータログを参照することにより導出されるデータであって、地域ごとに発電量、消費電力量及び蓄電量の各電力量が複数段階のレベルで分類されるようになっている。なお、当該統計データや当該予測データを用いることによって、機能制御の対象時刻又はスケジュール情報の予定時刻において使用される発電手段(太陽電池14a及び/又は振動発電器14b)を選択するようにしても良い。
【0064】
また、上記実施形態2では、ユーザーのスケジュール情報に基づいて、当該スケジュール情報の予定時刻及び場所での消費可能な電力量及び消費電力量を推定するようにしたが、例えば、ユーザーの運動状態や行動の種類などの行動内容を判別する行動判別手段と、判別された行動内容と、位置(現在位置)と、日時とを対応付けて適宜記憶する行動記録ログを備えるようにし、現在日時と場所、及び、過去の行動記録ログに基づいて、ユーザーの次の移動先や移動経路等を予測し、当該予測の対象の時刻及び場所での消費可能な電力量及び消費電力量を推定するようにしても良い。ここで、上記の行動判別手段は、生体情報センサ部9や環境情報センサ部10の測定結果に基づいて、ユーザーの運動状態や行動の種類などの行動内容を判別するものとする。また、端末装置100において、撮像カメラや音声マイクを備え、撮像カメラで撮像された画像や、音声マイクで収音された音声を更に用いて、ユーザーの運動状態や行動の種類などの行動内容を判別するようにしても良い。
【0065】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲をその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0066】
〔付記〕
<請求項1>
所定の機能を実行する実行手段と、
発電手段と、
前記実行手段により前記所定の機能が実行された際に消費される消費電力量と、前記発電手段により発電される発電量と、を取得する第1の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された前記消費電力量と前記発電量とに基づいて、前記実行手段による前記所定の機能の実行を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする制御装置。
<請求項2>
蓄電手段を備え、
前記第1の取得手段は、前記蓄電手段に蓄電される蓄電量を取得し、
前記制御手段は、前記第1の取得手段により取得された前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とに基づいて、前記実行手段による前記所定の機能の実行を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
<請求項3>
前記所定の機能は、複数種からなり、
前記第1の取得手段は、前記実行手段により前記所定の機能のそれぞれが実行された際に消費される消費電力量を取得し、
前記制御手段は、前記第1の取得手段により取得された前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とに基づいて、前記実行手段による前記複数種の所定の機能の実行を制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
<請求項4>
過去の各日時において前記第1の取得手段により取得された前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とが対応付けられて記憶されたデータログを参照し、将来の所定の日時の前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とを推定する推定手段を備え、
前記制御手段は、前記推定手段により推定された前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とに基づいて、前記実行手段による前記複数種の所定の機能の実行を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
<請求項5>
ユーザーのスケジュール情報を取得する第2の取得手段を備え、
前記推定手段は、前記第2の取得手段により取得されたユーザーのスケジュール情報に基づいて、前記将来の所定の日時として各予定の日時の前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とを推定する、
ことを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
<請求項6>
各場所において前記第1の取得手段により取得された前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とが対応付けられて記憶されたデータログを参照し、所定の場所における前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とを推定する推定手段を備え、
前記制御手段は、前記推定手段により推定された前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とに基づいて、前記実行手段による前記複数種の所定の機能の実行を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
<請求項7>
ユーザーのスケジュール情報を取得する第2の取得手段を備え、
前記推定手段は、前記第2の取得手段により取得されたユーザーのスケジュール情報に基づいて、前記所定の場所として各予定が実行される場所における前記消費電力量と前記発電量と前記蓄電量とを推定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
<請求項8>
前記発電手段を複数種備え、
前記推定手段は、前記発電手段ごとに前記発電量を推定し、
前記制御手段は、前記実行手段による前記複数種の所定の機能の実行を制御する際に、前記推定手段により推定された前記発電手段ごとの前記発電量に基づいて、使用する発電手段を前記複数種の発電手段のうちから選択する、
ことを特徴とする請求項4~7のいずれか一項に記載の制御装置。
<請求項9>
前記発電手段を複数種備え、
前記第1の取得手段は、前記発電手段ごとに前記発電量を取得し、
各場所において前記第1の取得手段により取得された前記発電手段ごとの発電量が記憶されたデータログを参照し、当該各場所よりも広い領域である各地域における前記発電手段ごとの発電量レベルを導出する導出手段を備え、
前記制御手段は、前記実行手段による前記複数種の所定の機能の実行を制御する際に、前記導出手段により導出された前記発電量レベルに基づいて、所定の場所で使用する発電手段を前記複数種の発電手段のうちから選択する、
ことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
<請求項10>
前記データログを記憶した記憶手段を備えることを特徴とする請求項4~9のいずれか一項に記載の制御装置。
<請求項11>
発電手段を備える制御装置の制御方法であって、
所定の機能を実行する実行工程と、
前記実行工程により前記所定の機能が実行された際に消費される消費電力量と、前記発電手段により発電される発電量と、を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された前記消費電力量と前記発電量とに基づいて、前記実行工程による前記所定の機能の実行を制御する制御工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
<請求項12>
発電手段を備える制御装置のコンピュータを、
所定の機能を実行する実行手段、
前記実行手段により前記所定の機能が実行された際に消費される消費電力量と、前記発電手段により発電される発電量と、を取得する取得手段、
前記取得手段により取得された前記消費電力量と前記発電量とに基づいて、前記実行手段による前記所定の機能の実行を制御する制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0067】
100 端末装置(制御装置)
1 CPU(実行手段、第1の取得手段、制御手段、推定手段、第2の取得手段、導出手段)
3 記憶部(記憶手段)
13 二次電池(蓄電手段)
14 発電部
14a 太陽電池(発電手段)
14b 振動発電器(発電手段)